JP4580076B2 - サンプルホルダー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液体の芳香剤などが封入された小さなサンプリングボトルを店内の商品陳列棚の前面にディスプレーする際に、該商品陳列棚の前端部に取付けられてサンプリングボトルを保持するサンプルホルダーに関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、一般の雑貨店などで販売される例えば液体の芳香剤などは、そのサンプルとして芳香剤を封入した小さなサンプリングボトルが商品陳列棚の前面に配置されており、このサンプルリングボトルを保持する従来のサンプルホルダーとしては、例えば図8、図9に記載されたものが知られている。
【0003】
概略を説明すれば、このサンプルホルダー1は、サンプリングボトルBを保持するホルダー本体2と、該ホルダー本体2の後部に一体に設けられて商品陳列棚に取付けるための係止部材3とから構成されている。
【0004】
前記ホルダー本体2は、薄板状の紙によってほぼ三角形状に折曲形成され、垂直に立ち上がった基部片4の下端縁に、底部片5が前方へほぼ水平に突設されている共に、前記基部片5の上端縁と底部片5の先端縁との間に傾斜状の保持片6が設けられている。また、前記保持片6のほぼ中央位置には、サンプリングボトルBを挿入保持する保持孔7が穿設されており、この保持孔7の内径は、サンプリングボトルBの外径よりも十分に大きく設定されている。
【0005】
前記係止部材3は、ほぼ逆U字形状に折曲形成されて、商品陳列棚8の前端部に立設された商品落下防止枠9に上方から係止してホルダー本体2を商品陳列棚8の前面に配置するようになっている。その後、前記保持孔7の上方からサンプリングボトルBを挿入して底部片5状に載置保持するようになっている。
【0006】
したがって、芳香剤を購入する際に、予め香りをチェックしようする客は、前記保持孔7から上方に飛び出ているサンプリングボトルBの上端部を持って上方へ引き上げることによって取り出し、香りをチェックした後に、上方から保持孔7内に挿入して戻すようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のサンプルホルダー1にあっては、保持孔7から入れられたサンプリングボトルBを、単に底部片5の上面に載置しているだけであるため、該サンプリングボトルBの保持が極めて不安定となり、戻し方によっては斜めに倒れた状態となったり、あるいは保持孔7の前方へ倒れて落下してしまうおそれがある。特に、サンプリングボトルBの取り出しや戻し作業を容易にするために、保持孔7の内径をサンプリングボトルBの外径よりもかなり大きく設定しているので、前述した保持の不安定化は免れない。
【0008】
しかも、ホルダー本体2からのサンプリングボトルBの取り出しや戻し作業を、前記保持孔7を利用して行うようにしているため、サンプリングボトルBの取り出しや戻し作業を必ず保持孔7の上下方向だけからしか行うことができず、かかる作業の自由度が自ずと制約されしまい、不便性を招いている。
【0009】
さらに、商品陳列棚8への取付けは、単に係止部材3を利用して商品落下防止枠9に係止しているにすぎないため、取付け態様の自由度も制約されており、例えばこの商品落下防止枠9がない棚にはサンプルホルダー1を取り付けることができないことになる。
【0010】
本発明は、前記従来のサンプルホルダー1の技術的課題に鑑みて案出されたもので、サンプリングボトルの保持の安定化と取り出し作業などの自由度の向上及び取り付けの自由度を向上し得るサンプルホルダーを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、商品陳列棚の前面に取付けられ、内部にサンプリング材を封入したサンプリングボトルをホルダー本体によって保持するサンプルホルダーであって、前記ホルダー本体は、対向する湾曲状の両挟持片間に前記サンプリングボトルを挟持状態に保持する挟持部を有し、前記ホルダー本体の後部に、前記商品陳列棚に係止する係止機構を設け、前記係止機構は、前記ホルダー本体の後部に一体に設けられて、前記商品陳列棚の前端から立ち上がった商品落下防止枠に上方から係止する枠用係止部と、該枠用係止部の後部に一体に設けられて、前記商品陳列棚の前端に設けられた上下一対のカードレールに係止するレール用係止部とを備えたことを特徴としている。
【0012】
請求項2に記載の発明にあっては、商品陳列棚の前面に取付けられ、内部にサンプリング材を封入したサンプリングボトルをホルダー本体によって保持するサンプルホルダーであって、前記ホルダー本体は、対向する湾曲状の両挟持片間に前記サンプリングボトルを挟持状態に保持する挟持部を有し、前記ホルダー本体は、前記挟持部の下方位置に、前記サンプリングボトルの底部を支持する底支持片を有し、前記ホルダー本体の後部に、前記商品陳列棚に係止する係止機構を設け、前記係止機構は、前記ホルダー本体の後部に一体に設けられて、前記商品陳列棚の前端から立ち上がった商品落下防止枠に上方から係止する枠用係止部と、該枠用係止部の後部に一体に設けられて、前記商品陳列棚の前端に設けられた上下一対のカードレールに係止するレール用係止部とを備えたことを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るサンプルホルダーの一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
すなわち、このサンプルホルダー11は、図1〜図5に示すように、サンプリングボトルBを保持するホルダー本体12と、該ホルダー本体12の後部に一体に設けられて、該ホルダー本体12を商品陳列棚8の前面に取り付ける係止機構13とから構成され、全体がジュラコン(登録商標)樹脂材で一体に形成されている。前記商品陳列棚8は、前端上部に商品落下防止枠9が固定されていると共に、前端面には前面上下一対のカードレール10a,10bが平行に設けられている。
【0020】
前記ホルダー本体12は、ほぼ垂直方向に沿って形成されたプレート状の基部14と、該基部14の上端部前面に設けられたほぼ半円筒状の挟持部15と、基部14の下端縁から前方へ水平に突出した板状の底支持片16とから構成されている。
【0021】
前記基部14は、商品陳列棚8の前面に配置され、所定の幅を有する上下方向に長い長方形状に形成されていると共に、上端には商品名やメーカー名などを表示する横長のラベル表示部17が一体に設けられている。
【0022】
前記挟持部15は、基部14の上端部に一体に設けられた中央部15aの両側から前方へ突出した両挟持片15b,15cが互いに内方へ湾曲状に折曲されて、抱腕状態に形成されている。また、この両挟持片15b,15cは、両者間の内径dがサンプリングボトルBの外径Dよりも僅かに小さく設定されている。
【0023】
前記底支持片16は、基部14の幅と同一の幅に設定されていると共に、前端縁16aがサンプリングボトルBの底面形状とほぼ同一の円弧形状に形成されている。
【0024】
前記係止機構13は、基部14の後面上端部からほぼ逆L字形状に折曲形成されて、前記商品落下防止枠9に上方から係止する枠用係止部18を有していると共に、該枠用係止部18の後部に設けられたレール用係止部19とを有している。このレール用係止部19は、枠用係止部18の上端からほぼ水平方向に延設された支持片20の後端に設けられた第1係止突部19aと、枠用係止部18の下端に設けられた第2係止突部19bとから構成されており、第1係止突部19aが上側のカードレール10aに内側下方から係止する一方、第2係止突部19bが下側のカードレール10bに内側上方から係止するようになっている。なお、前記支持片20は、基部14の幅と同一の幅に設定されて、ほぼ矩形状に形成されている。
【0025】
したがって、このサンプルホルダー11を商品陳列棚8に対して取り付ける方法としては、図6及び図7に示すように2つの態様があり、まず、商品落下防止枠9に基部14と前記枠用係止部18との間の係止溝18aを前記商品落下防止枠9の上方から係入させて下方へ押し込むことにより係止させる態様(図6参照)と、前記第1係止突部19aと第2係止突部19bとを互いに支持片20の上下方向の弾性変形を得て、対応する各カードレール10a,10bにそれぞれ係止させる態様(図7参照)がある。
【0026】
そして、前記商品陳列棚8に取付けられたサンプルホルダー11にサンプリングボトルBを保持させるには、まず、該サンプリングボトルBを持って、例えばホルダー本体12の正面横方向から両挟持片15b,15cの両先端間の開口を介して内部に押し込めば、該両挟持片15b,15cの弾性反力によってサンプリングボトルBの外面が抱持状態に挟圧保持されると共に、垂直姿勢で保持されることになる。また、同時にサンプリングボトルBは、その底部が底支持片16の上面に載置支持される。
【0027】
一方、サンプリングボトルBをホルダー本体14から取り出すには、前記両挟持片15a,15bに挟持されているサンプリングボトルBの上部を持ち、前記両者15b,15cの弾性反力に抗して手前に引き出せば簡単に取り出すことができる。
【0028】
このように、サンプリングボトルBを両挟持片15b,15cの弾性反力によって挟圧支持するようにしたため、ホルダー本体12に安定かつ確実に保持させることが可能になり、従来のようにホルダー本体内で傾いたり、不用意に落下するのを十分に防止できる。
【0029】
しかも、サンプリングボトルBを、前述のように、両挟持片15b,15cによって挟持するようにしたため、該サンプリングボトルBをホルダー本体12の正面からばかりか、垂直方向や斜め上方あるいは下方向の多方向から戻したり取り外すことができる。したがって、利用者にとっては極めて利便性の高い実用性に富むものである。
【0030】
また、商品陳列棚8に対するサンプルホルダー11の取付けも前記2つの態様によって行うことができるため、取り付けの自由度が向上すると共に、たとえ商品落下防止枠9が存在しないものにもレール用係止部19を利用して取付けることができるので、利便性が一層高いものである。
【0031】
また、サンプルホルダー11全体を、ジュラコン樹脂により形成したため、強度が確保されて、耐久性の向上が図れると共に、表面が滑らかになることから、ホルダー本体12からのサンプリングボトルBの取り出しや戻し作業がさらに容易になる。
【0032】
本発明は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えばホルダー本体12の形状や大きさを、サンプリングボトルBの形状や大きさやに応じて任意に変更することが可能であると共に、係止機構13の構造も商品陳列棚8の前端部の形成される被係止体の構造に合わせて自由に変更することが可能である。また、サンプル剤として前記芳香剤や液体に限られるものではない。
【0033】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、発明によれば、対向する湾曲状の両挟持片間に、前記サンプリングボトルを挟持状態に保持する挟持部を有しているため、サンプリングボトルを安定かつ確実に保持することが可能になり、従来例のようなサンプリングボトルの倒れや不用意な落下などを回避できる。
【0034】
しかも、ホルダー本体に対するサンプリングボトルの取付けや戻し作業を、従来のように上方からばかりでなく多方向から行うことができるため、利便性が高くなる。
また、取付けの自由度が大幅に向上すると共に、たとえ商品落下防止枠が存在しなくても、レール係止部によって取付けることができるため、この点でも高い利便性が得られる。
【0035】
請求項2に記載の発明によれば、更にサンプリングボトルを両挟持片の他に底支持片によっても支持できるため、保持のより安定化と確実性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るサンプルホルダー実施形態を示す斜視図。
【図2】同サンプルホルダーの正面図。
【図3】同サンプルホルダーの平面図。
【図4】同サンプルホルダーの側面図。
【図5】同サンプルホルダーの背面図。
【図6】同サンプルホルダーの一つの取付け態様を示す側面図。
【図7】同サンプルホルダーの他の取付け態様を示す側面図。
【図8】従来のサンプルホルダーを示す斜視図。
【図9】同従来のサンプルホルダーの側面図。
【符号の説明】
11 サンプルホルダー
12 ホルダー本体
13 係止機構
14 基部
15 挟持部
15b,15c 両挟持片
16 底支持片
18 枠用係止部
19 レール用係止部

Claims (2)

  1. 商品陳列棚の前面に取付けられ、内部にサンプリング材を封入したサンプリングボトルをホルダー本体によって保持するサンプルホルダーであって、
    前記ホルダー本体は、対向する湾曲状の両挟持片間に前記サンプリングボトルを挟持状態に保持する挟持部を有し、
    前記ホルダー本体の後部に、前記商品陳列棚に係止する係止機構を設け、
    前記係止機構は、前記ホルダー本体の後部に一体に設けられて、前記商品陳列棚の前端から立ち上がった商品落下防止枠に上方から係止する枠用係止部と、該枠用係止部の後部に一体に設けられて、前記商品陳列棚の前端に設けられた上下一対のカードレールに係止するレール用係止部とを備えたことを特徴とするサンプルホルダー。
  2. 商品陳列棚の前面に取付けられ、内部にサンプリング材を封入したサンプリングボトルをホルダー本体によって保持するサンプルホルダーであって、
    前記ホルダー本体は、対向する湾曲状の両挟持片間に前記サンプリングボトルを挟持状態に保持する挟持部を有し、
    前記ホルダー本体は、前記挟持部の下方位置に、前記サンプリングボトルの底部を支持する底支持片を有し、
    前記ホルダー本体の後部に、前記商品陳列棚に係止する係止機構を設け、
    前記係止機構は、前記ホルダー本体の後部に一体に設けられて、前記商品陳列棚の前端から立ち上がった商品落下防止枠に上方から係止する枠用係止部と、該枠用係止部の後部に一体に設けられて、前記商品陳列棚の前端に設けられた上下一対のカードレールに係止するレール用係止部とを備えたことを特徴とするサンプルホルダー。
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