JP4579574B2 - 嵌合体の製造方法 - Google Patents
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従来、該金属基複合材料の製造方法としては、粉末冶金法、高圧鍛造法、真空鋳造法などが知られているが、これらの方法は、セラミックス強化材の含有量が制御できない、大型の加圧装置が必要である、ニアネット成形が困難などの理由により、いずれも十分満足できるものではなかった。
また、プリフォームの形状の自由度が高いのでかなり複雑な形状をニアネットで作ることも可能である。
さらには、接合条件によっては、接合したセラミックスにクラックが発生するという課題もあった。
(1)セラミックス強化材からなるプリフォームに凹部を形成する凹部形成工程と、前記凹部にセラミックス板を嵌合する嵌合工程と、前記セラミックス板を嵌合させたプリフォームの凹部を覆うように前記プリフォームと同一材料のプリフォーム板からなる蓋部を載置する蓋部載置工程と、前記プリフォームと前記プリフォーム板からなる蓋部に溶融金属を非加圧で浸透させる浸透工程と、このようにして得られた金属−セラミックス複合材料の蓋部を削り取る研削工程と、を含むことを特徴とする金属−セラミックス複合材料とセラミックス板との嵌合体の製造方法。
したがって、嵌合体の使用温度を制限されたり、または、エレクトロセラミックス分野での特殊用途においてロウ材の成分が系内に不純物として拡散するという問題もなくなり、用途が拡大できるという効果がある。
本発明では、セラミックス強化材からなるプリフォームに凹部を形成する凹部形成工程と、前記凹部にセラミックス板を嵌合する嵌合工程と、前記セラミックス板を嵌合させたプリフォームの凹部を覆うように前記プリフォームと同一材料のプリフォーム板からなる蓋部を載置する蓋部載置工程と、前記プリフォームと前記プリフォーム板からなる蓋部に溶融金属を非加圧で浸透させる浸透工程と、このようにして得られた金属−セラミックス複合材料の蓋部を削り取る研削工程と、を含むことを特徴とする金属−セラミックス複合材料とセラミックス板との嵌合体の製造方法を提案している。
また、プリフォームに浸透させる金属としては、Mgを含むAl合金が好ましい。
このプリフォームと前記のAl合金を加熱処理することにより溶融Al合金がプリフォーム内の空孔に浸透して本発明に係る金属−セラミックス複合材料が得られる。
ここで、本発明のセラミックス板と前記金属−セラミックス複合材料との接合部にはロウ材を介在させないで、直接に両部材が接触して接合している。
また、実質的に隙間のない状態で嵌合されているとは、セラミックス板と前記金属−セラミックス複合材料との接合部に空孔や空隙等の隙間がない状態(即ち、両部材の隙間には前記溶融Al合金が浸透した状態。)で両部材が嵌合されていることを意味している。
この際に、プリフォームに形成する凹部の内寸は、セラミックス板の嵌合を容易ならしめるために、セラミックス板の外寸より大きくすることが好ましい。
また、プリフォームに形成する凹部の深さは、次工程のプリフォーム板からなる蓋部を載置することが可能なように、セラミックス板の厚さ以上に深くすることが好ましい。
その理由は、このようにすると、浸透させた溶融金属の冷却時に両部材の熱収縮の差による歪を少なくすることが可能となるからである。
なお、図1に、本発明の製造方法を説明するために溶融金属を浸透する前の各部材の配置を模式的に平面構成図として示した。
図2には、図1で示した平面構成図のA−A断面図である。
図3は、本発明の嵌合体を模式的に示した平面構成図である。
図4は、図3で示した平面構成図のB−B断面図である。
(ただし、各図面は模式図であり、各寸法の比率は任意である。よって図面寸法に互換性はない。)
SiC強化材充填率70%のプリフォームを以下に示すように沈降成形法で作製した。
すなわち、#180(平均粒径66μm)の市販SiC粉末70質量部と#800(平均粒径14μm )の市販SiC粉末30質量部に対して、バインダーとしてコロイダルシリカを10質量部、消泡材としてフォーマスタVL(サンノプコ社製)0.2質量部を添加し、更にイオン交換水を24質量部加え、ポットミルで12時間混合して、スラリーとした。このスラリーを、ゴム型に流し込み、それを24時間静置し、SiC粉末を沈殿させ、上済み液を布などで除去した後に、この成形体を冷凍庫で冷凍させてから脱型し、1000℃で焼成して、□700×厚さ30mmのプリフォーム体1を得た。
次に、上記方法と同様にして作製した□400×厚さ10mmのプリフォーム板からなる蓋部4をセラミックス体2を嵌合させたプリフォーム体1の凹部2を覆うように載置して、珪酸ソーダガラスを用いて接着した。
次に、金属−セラミックス複合材料の蓋部(図示せず。)とセラミックス板の表層の金属を削り取れば、図3と図4に模式的に示した本発明の金属−セラミックス複合材料とセラミックス板との嵌合体が得られる。
得られた嵌合体を目視観察したところ、表面に露出したセラミックス体3には位置ずれやクラックの発生は認められなかった。
また、セラミックス板3は前記金属−セラミックス複合材料5の凹部に実質的に隙間のない状態で嵌合されていた。
□400×厚さ10mmのプリフォーム板からなる蓋部を乗せず、すなわちアルミナ体をプリフォームで覆わなかったこと以外は実施例1と同様の方法でプリフォームに溶融合金を非加圧浸透した。冷却後、電気炉から取り出したところ、浸透は完了していた。表面層をクラックチェックしたところ、アルミナのセラミックス体にクラックが認められた。これは、蓋部を載置しなかったため実施例1と比べてセラミックス体の冷却速度が周りの複合材料より早くなり熱膨張差によりクラックが発生したと推察された。
したがって、本発明の比較例との優位性を確認することができた。
使用したセラミックス体としてアルミナを純度88%、気孔率15%に変えた以外は、実施例1と同様の方法でプリフォームに溶融合金を非加圧浸透した。冷却後、電気炉から取り出したところ、浸透は完了していた。浸透素材を研削して□400×厚さ10mmの蓋部のAl合金基複合材料を削り取ったところ、露出したセラミックス体は気孔内に溶融合金が浸透しており、導体化していた。
この結果から、嵌合させるセラミックス板は、高純度で緻密なものが好ましいことが分かった。
2;凹部
3;セラミックス体
4;プリフォーム板からなる蓋部
5;金属−セラミックス複合材料
Claims (1)
- セラミックス強化材からなるプリフォームに凹部を形成する凹部形成工程と、前記凹部にセラミックス板を嵌合する嵌合工程と、前記セラミックス板を嵌合させたプリフォームの凹部を覆うように前記プリフォームと同一材料のプリフォーム板からなる蓋部を載置する蓋部載置工程と、前記プリフォームと前記プリフォーム板からなる蓋部に溶融金属を非加圧で浸透させる浸透工程と、このようにして得られた金属−セラミックス複合材料の蓋部を削り取る研削工程と、を含むことを特徴とする金属−セラミックス複合材料とセラミックス板との嵌合体の製造方法。
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