JP4579470B2 - 印刷データの登録方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷装置(プリンタ)内部に登録した印刷データを所定の印刷命令に従って印刷するプリンタに印刷データを登録する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、POS端末装置では、商品精算情報を印字するレシートの上に、店舗名または企業名等からなるロゴを印刷する。POS端末で印刷されるロゴは、特殊な装飾文字又は特殊なデザインで構成されるものが多く、ほとんどのロゴは画像情報で構成されている。
【0003】
このような画像情報はデータ量が多いため、個々のレシート印刷の度にロゴデータを送信していたのでは、印刷に多くの時間を必要とする。一方、POS端末装置では、購入商品の登録及び精算処理を迅速に行う必要があるため、特に迅速な印刷が求められる。そのため、POS端末装置では、頻繁に印刷を行うロゴ情報をプリンタ内部の不揮発性記憶部に記憶(登録)しておき、ホスト装置からプリンタに所定の印刷命令を送信し、その命令により指定されたロゴを不揮発性記憶部から読み出して印刷するようにしている。この様にすることにより、ホスト装置からロゴ情報(主として画像情報)を送信する必要がなくなりホスト装置の負担軽減を図ることができるのみならず、送信時間がかからないので印刷速度を大幅に向上させることができる。
【0004】
特に最近は、2色または3色の印刷が可能なプリンタをPOSプリンタとして使用することも可能となっている。POSプリンタにより複数色のカラープリントを行うことができると、従来のような企業または店舗名等のロゴ印刷に限らず、商品広告、イベント等の告知、クーポン券の印刷にもPOSプリンタが使用されるようになることが予想される等、POSプリンタが多様な用途に使用される機会が多くなる。一方、カラーデータは白黒データに比較してデータ量も格段に多くなり、そのデータ処理にも格段に多くの時間が必要となる。そのため、カラーデータを高速印刷するためには、これらの画像データをロゴデータとしてプリンタ内部に登録しておくことが必要となってくる。このようなロゴデータの登録は、POSプリンタの用途の拡大に伴ない、ますます重要となる。本発明は、このような各種ロゴデータのプリンタへの登録に関するものである。
【0005】
尚、本明細書では、画像データ及びテキストデータに関わり無く、また、モノクロまたはカラーデータに限らず、印刷のためにプリンタ内部に登録される上述のような各種データを、ロゴデータ、ロゴ情報、または単にロゴと呼ぶ。ロゴデータは極稀な例外を除き、その大部分が画像データ(イメージ情報)であり、本明細書では説明の便宜上、プリンタに登録される全てのロゴデータを「印刷データ」と呼ぶが、この場合、テキストデータのみからなるロゴデータをも含む概念として用いている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の通り、ロゴデータをプリンタの不揮発性記憶部へ登録することにより、ホスト装置の負荷を軽減し、印刷速度の向上を図ることが可能となる。
【0007】
しかしながら、ロゴデータをプリンタの不揮発性記憶部に登録するためには、ロゴデータ作成後に種々の手続きが必要になる。POSプリンタの例を用いて説明する。通常、POSプリンタは、各売り場の各POS端末装置のホスト装置に接続されている。そのため、POS端末装置に接続されたままの状態でPOSプリンタにロゴデータの登録を行うには、POS端末装置のホスト装置にロゴ登録専用プログラムをインストールしなければならない。例えば、作成したロゴデータ(イメージ情報)をファイルとして保存し、ホスト装置にインストールしたロゴ登録専用プログラムによりこのファイルを読み出して、プリンタにロゴデータの登録を行う必要がある。この場合、ファイルの読出し、POSプリンタへの登録命令及びロゴデータの送信が必要である。これは、POS端末装置にLAN等の回線を通じてロゴデータファイルを送信し、POS端末装置からPOSプリンタにロゴデータを登録する場合も同じである。
【0008】
この様に、各POS端末装置の全てについてロゴ登録専用プログラムをインストールするのは、極めて煩雑な作業である。一方、POSプリンタをPOS端末から切り離し、ロゴデータ登録専用のインストール装置に接続してロゴデータの登録を行うのも、接続の切り替え作業等が必要となり、登録作業が煩雑になる。
【0009】
本発明は、このような問題点を解決することを目的としており、ホスト装置又はPOS端末装置にロゴ登録専用プログラムをインストールすることを必要とせずに、プリンタにロゴまたは印刷データ(テキストデータを含む)を登録することができる印刷データ(ロゴデータ)の登録方法を提供することを目的とする
【0010】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するため、本発明の原理にしたがって、下記の発明を開示する。
【0011】
本発明は、プリンタに登録する印刷データと、印刷データをプリンタに登録するための命令データセットとを含む登録データファイルを作成し、ターゲットプリンタが接続されているホスト装置によりその登録データファイルを読み出して、ファイル内の命令データセット及び印刷データをターゲットプリンタに送信することにより、送信した命令データセットに基づいて印刷データを登録することにより、上記課題を解決する。
【0012】
本発明の第1の態様にかかる登録データファイルの作成方法は、ターゲットプリンタ内部の不揮発性記憶部に印刷データを登録するためのファイルを作成する方法であって、(a)印刷データを作成する工程と、(b)作成した印刷データをターゲットプリンタ内部の不揮発性記憶部に登録するための命令データセットを作成する工程と、(c)ホスト装置により読み取られるとホスト装置からターゲットプリンタに印刷データを送信するためのデータファイルであって、印刷データと命令データセットとを含む登録データファイルを作成する工程と、(d)登録データファイルを、記憶し、ホスト装置により読み取り可能な記録媒体に書き込み、又は通信回線を介して前記ホスト装置に送信するファイル出力工程とを備えることを特徴とする。
【0013】
このように、登録データファイル内に印刷データとその印刷データをプリンタに登録する命令データセットを記憶しておくことにより、ホスト装置により登録データファイルをアクセスして命令データセットを実行するだけで、登録データをターゲットプリンタの不揮発性記憶部に登録することが可能となる。従って、登録専用プログラムをホスト装置にインストールする等の作業が不要となる。
【0014】
また、本発明の他の態様にかかる登録データファイルの作成方法は前述の工程(b)が、ターゲットプリンタにおいて実行される命令セットであって、ターゲットプリンタの不揮発性記憶部に印刷データを登録するための登録命令データセットを作成する工程を備えることを特徴とする。本態様によると、ターゲットプリンタにおいて実行される登録命令データセットが登録データファイルに組み込まれているので、ホスト装置により登録データファイルを読み出して当該登録命令データセットをターゲットプリンタに送信するだけで、登録命令データセットが実行されるので、極めて容易に印刷データを登録することができる。
【0015】
さらに本発明の他の態様にかかる登録データファイルの作成方法は、工程(b)は、ターゲットプリンタを制御するホスト装置により実行可能な命令セットであって、印刷データを前記ターゲットプリンタに登録するための登録命令データセットを作成する命令セットを作成する工程を備えることを特徴とする。この態様では、工程(b)において、直接ロゴデータを組み込んだ登録命令データセットを作成せず、ホスト装置により登録データファイルをアクセスしたときにロゴデータから最終的にターゲットプリンタに送信するロゴデータを組み込んだ登録命令データセットを作成するような実行命令セットを作成する。この態様により、個々のターゲットプリンタに完全に対応する登録命令データセットを登録データファイル作成段階で作成する必要がなくなり、個々のターゲットプリンタに依存する一部のパラメータの設定については、ホスト装置に委ねることが可能となる。
【0016】
さらに本発明の他の態様にかかる登録データファイルの作成方法は、前述の工程(b)は、さらに、ターゲットプリンタが接続されているホスト装置により実行可能な実行命令セットであって、ターゲットプリンタに対して登録命令データセットと印刷データとを送信する送信命令データセットを作成する工程を備えることを特徴とする。この態様により、ホスト装置は、登録データファイルをアクセスするだけで、特別の送信のための制御プログラムを介在させることなく、登録命令データセットを送信することが可能となる。
【0017】
また、本発明の他の態様にかかる登録データファイル作成方法は、前述の工程(b)において作成される送信命令データセットが、ターゲットプリンタをホスト装置に接続するための通信パラメータを含むことを特徴とする。本態様の登録データファイルを使用すると、ホスト装置により登録データファイルにアクセスするだけで、ターゲットプリンタへのロゴデータの登録が自動的に行われる。
【0018】
さらに、本発明の他の態様にかかる登録データファイルの作成方法は、前述の工程(b)において作成される送信命令データセットが、ホスト装置により実行されたときに、通信パラメータを検出し、検出した該通信パラメータに従い、登録命令データセット及び印刷データを前記ターゲットプリンタに送信する実行命令セットを備えていることを特徴とする。これにより、通信パラメータを入力することなく、登録命令データセットの送信が可能となる。
【0019】
さらに、本発明の他の態様にかかる登録データファイルの作成方法は、工程(b)において作成される前記送信命令データセットが、ホスト装置により実行されたときに、通信パラメータの入力を可能にするとともに、入力された通信パラメータに基づき登録命令データセットを送信するための通信条件を設定する実行命令セット含むことを特徴とする。
【0020】
本態様により作成した登録データファイルでは、登録データファイル内に送信命令データセットが組み込まれているので、ターゲットプリンタの通信条件情報をホスト装置において入力するだけで、登録命令データセット及び印刷データをターゲットプリンタに送信することが可能となる。
【0021】
本発明の第1の態様にかかる印刷データの登録方法は、ターゲットプリンタ内部の不揮発性記憶部に印刷データを登録する方法であって、(a)印刷データを作成する工程と、(b)作成した印刷データをターゲットプリンタ内部の不揮発性記憶部に登録するための命令データセットを作成する工程と、(c)ホスト装置により読み取られるとホスト装置からターゲットプリンタに印刷データを送信するためのデータファイルであって、印刷データと前記命令データセットからなる登録データファイルを作成する工程と、(d)登録データファイルを出力するファイル出力工程と、(e)ターゲットプリンタのホスト装置が登録データファイルをアクセスすることにより、登録データファイルの前記命令データセットに基づいて、印刷データをターゲットプリンタに登録する登録工程とを備えることを特徴とする。これにより、ホスト装置に登録専用プログラムをインストールすることなく、印刷データの登録が可能となる。
【0022】
さらに本発明の他の態様にかかる印刷データの登録方法は、前述の命令データセットを作成する工程(c)が、ターゲットプリンタにおいて実行される命令セットであって、ターゲットプリンタの不揮発性記憶部に印刷データを登録するための登録命令データセットを作成する工程と、ターゲットプリンタが接続されているホスト装置により実行可能な実行命令セットであって、ターゲットプリンタに対して登録命令データセットと印刷データとを送信する送信命令データセットを作成する工程とを備えることを特徴とする。
【0023】
さらに本発明の他の態様にかかる印刷データの登録方法は、前述のファイル出力工程(d)が、登録データファイルを通信回線を介してホスト装置に送信する工程を備え、登録工程(e)が、ホスト装置により受信した登録データファイルの命令データセットに基づいて印刷データを前記ターゲットプリンタに登録する工程を備えることを特徴とする。
【0024】
さらに本発明の他の態様にかかる印刷データの登録方法は、ファイル出力工程(d)が、登録データファイルをターゲットプリンタのホスト装置により読取可能な記録媒体に書き込む書込工程を備え、登録工程(e)が、書込工程において記録媒体に書き込まれた登録データファイルをホスト装置により読み出して、当該読み出した登録データファイルの命令データセットに基づいて印刷データをターゲットプリンタに登録する工程を備えることを特徴とする。
【0025】
さらに本発明の他の態様にかかる印刷データの登録方法は、記録媒体が、フレキシブルデイスク、光磁気ディスク、CD−RW又はメモリーカードを含むことを特徴とする。
【0026】
さらに本発明の他の態様にかかる印刷データの登録方法は、登録工程(e)が、ホスト装置により登録データファイルにアクセスし、登録データファイルの送信命令データセットを実行することにより印刷データを含む登録命令データセットをターゲットプリンタに送信し、ターゲットプリンタにより登録命令データセットを実行することにより印刷データをターゲットプリンタの不揮発性記憶部に登録する工程を備えることを特徴とする。
【0027】
さらに本発明の他の態様にかかる印刷データの登録方法は、工程(b)において作成される送信命令データセットが、ホスト装置により実行されたときに、ターゲットプリンタをホスト装置に接続するための通信パラメータの入力を可能にするとともに、入力された通信パラメータに基づき送信のための通信パラメータを設定する実行命令セットを備え、登録工程(e)が、ホスト装置により登録データファイルの送信命令データセットを実行することにより通信パラメータの入力を可能する工程と、入力された通信パラメータに基づき印刷データを含む登録命令データセットをターゲットプリンタに送信する工程と、受信した登録命令データセットをターゲットプリンタにより実行して印刷データをターゲットプリンタの不揮発性記憶部に登録する工程とを備えることを特徴とする。
【0028】
さらに本発明の他の態様にかかる印刷データの登録方法は、工程(b)において作成される前記送信命令データセットが、ホスト装置により実行されたときに通信パラメータを検出し、検出した通信パラメータに基づき通信条件の設定を行う実行命令セットを備えており、登録工程(e)は、ホスト装置により登録データファイルを開いたときに、通信パラメータの設定に基づいて、ホスト装置からターゲットプリンタに対して印刷データを含む登録命令データセットを送信し、受信した登録命令データセットをターゲットプリンタにより実行して印刷データを不揮発性記憶部に登録する工程を備えることを特徴とする。
【0029】
さらに本発明の第1の態様にかかる登録データファイル作成装置は、プリンタ内部の不揮発性記憶部に印刷データを登録するための登録データファイルを作成する装置であって、印刷データを作成する作成手段と、作成手段により作成した印刷データをプリンタに登録するための命令データセットを作成する命令データセット作成手段と、命令データセット作成手段により作成した命令データセットと印刷データとから登録データファイルを作成するファイル作成手段と、作成した登録データファイルを、記憶し、所定の記録媒体に書き込み、又は通信回線を介して出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0030】
さらに本発明の他の態様にかかる登録データファイル作成装置は、命令データセット作成手段が、印刷データが登録されるターゲットプリンタにより実行される登録命令データセットを作成し、ファイル作成手段により登録命令データセットと印刷データとを統合して登録データファイルを作成することを特徴とする。
【0031】
さらに本発明の他の態様にかかる登録データファイル作成装置は、命令データセット作成手段により作成される前記命令データセットが、ターゲットプリンタにより実行される登録命令データセット、及び当該登録命令データセットをターゲットプリンタが接続されているホスト装置からターゲットプリンタに送信する送信命令データセットとを備えており、ファイル作成手段により登録命令データセット、送信命令データセット及び印刷データとを統合して登録データファイルを作成することを特徴とする。
【0032】
さらに本発明の他の態様にかかる登録データファイル作成装置は、命令データセット作成手段により作成される送信命令データセットが、登録データファイルをホスト装置により開いたときに、ターゲットプリンタをホスト装置に接続するための通信パラメータの入力を可能にする実行命令セットを備えることを特徴とする。
【0033】
さらに本発明の他の態様にかかる登録データファイル作成装置は、命令データセット作成手段により作成される送信命令データセットが、ホスト装置により登録データファイルを開いたときに、ターゲットプリンタをホスト装置に接続するための通信パラメータを検出し、取得する実行命令セットを備えることを特徴とする。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本願発明の範囲に含まれる。以上の点を前提に以下の説明では、ロゴ印刷が最も頻繁に行われるPOS用のプリンタ(POSプリンタ)にロゴ情報を登録する場合を説明する。しかし、上述の通り、例えば、ATMの取引明細用プリンタ、駐車券発行装置、又は銀行等の受付番号発行装置等に使用する各種プリンタであっても、プリンタ内部に少なくとも1つのロゴデータを登録しておき、所定印刷命令に従ってそのロゴを印刷する機能を有するプリンタにロゴを登録する場合には本発明を適用可能である。
【0035】
従来、POSプリンタはその主目的が精算情報の印刷であったことから、モノクロのプリンタがその主流であったが、最近、POS用プリンタにおいてもカラー印刷が可能なものが出てきている。しかし、印刷速度と経済性の観点からフルカラープリンタではなく、所定の数種類の色(例えば、赤と黒の2色)のみを印刷可能なプリンタとなっている。例えば、印刷に使用可能な色が赤と黒の2色である場合について説明すると、色の種類は2色であるとしても、濃淡は複数階調(たとえば256階調)の指定が可能であり、色の濃淡を面積階調等により表現し、かつ赤、黒、白(非印刷)を組み合せることで、かなり微妙で複雑な色表現も可能となる。3色以上の色の印刷が可能であれば、さらに複雑で微妙な印刷が可能となる。このようなPOSプリンタのカラー印刷機能は、POSシステムをより有効なツールとして活用することを可能にする。
【0036】
POSプリンタで発行されるレシートの主目的は、購入商品の明細及び金額等の詳細情報の正確な記録を顧客に提供することである。そのため、レシートは精算処理終了時に顧客に手渡され、顧客は精算に誤りがないかレシートの内容を読み取ることにより確認する。また、自宅に帰り、これらのレシートの内容を確認しつつ、家計簿への記録を行う顧客も多いと考えられる。このように、レシートは個々の顧客に個別に手渡されるものであり、顧客にとっても重要な記録であることからチラシや広告とはその取り扱いが本質的に異なり、より大切な個人情報として取り扱われる。また、前述の通り、顧客によっては、購買内容の確認のため、受領したレシートの内容を自宅においてもチェックする。したがって、例えば、ロゴ、広告宣伝用の絵又は写真若しくは文字、告知情報等(以下告知イメージ情報と呼ぶ)をレシート上に印刷することにより、レシート上に商品プロモーション、販促、告知等の印刷を行うことにより、大きな効果が期待できる。
【0037】
前述の通り、レシートは各顧客に個別的に直接渡されるものであり、各顧客への注意喚起力、影響力は通常のつるし広告に比し各段に大きい。特にカラー印刷によるイメージ情報は、顧客の注意力を強く喚起し、レシートをチェックする度にその存在をアピールすることになり、これらの告知イメージ情報をレシートへ印刷することは、告知手段として又は販促手段として極めて有効である。
【0038】
このようなイメージ情報を印刷可能なPOSプリンタを有するPOSシステムは、単に商品精算登録システムとしてだけでなく、商品販促のツールともなり得ることを意味するものであり、流通分野において今後さらに利用が拡大されるものと予測される。このようにロゴ印刷が多様化してくると、種々のロゴの登録またはロゴの変更を行う機会も増えてくるため、プリンタへのロゴ登録手続きを簡単に行うことが求められる。
【0039】
(ロゴの印刷)
図7を用いて、プリンタへのロゴの登録とロゴ印刷の一般的な例を説明する。
図7は、従来のPOS端末機40のホスト装置50とプリンタ60の機能ブロック図を示す。図7では、POS端末機40のロゴ印刷に関係しない各種表示機、キヤッシュドロワー等については記載を省略している。
【0040】
ホスト装置50は、POS端末機40全体を制御するもので、購入商品の登録、精算処理全体を制御する装置である。ホスト装置50は、汎用のパーソナルコンピュータにPOS専用のソフトウェアを搭載することにより構成可能である。
例えば、CPU51、ROM52、RAM53、通信制御装置54、入力制御装置56及びインターフェース55、57とから構成することができる。ホスト装置50は、LAN等の通信回線によりPOSサーバ(図示せず)に接続されており、インターフェース55及び通信制御装置54を介してPOSサーバから商品価格等の情報を取得して商品登録、精算処理を実行する。商品登録及び精算処理の内容は、入出力制御装置56及びインターフェース57を介して、操作用表示機及びカスタマ−ディスプレイ等の表示機(図示せず)に表示されるとともに、プリンタ60によりレシート及びジャーナル等の印刷用紙(図示せず)に印刷される。
【0041】
プリンタ60は、インターフェース61を介してホスト装置50と接続されており、ホスト装置から送信されたデータを、インターフェース61を介して受信部62により受信する。受信したデータは受信バッファ63に受信順に記憶され、制御部64により、原則として記憶順に解析される。データ解析の結果、実行命令であればその命令が実行され、印刷データであれば印刷パターンデータに展開されて印刷バッファ65に記憶される。カラープリンタの場合には、各色毎に印刷バッファが設けられ(図示せず)、対応する色毎の印刷パターンデータとして記憶される。印刷バッファ65のデータは、印刷命令の実行により印刷機構66に転送されて、印刷機構66に設けられた印刷ヘッド(図示せず)により印刷される。また、ラインフィード命令等により用紙搬送機構67が駆動され、印刷用紙(図示せず)が搬送される。印刷機構66は、印刷用紙送り機構と、印刷ヘッドとからなり、シリアルプリンタの場合にはさらにキャリッジ駆動機構を有している(いずれも図示せず)。印刷ヘッドには、POSプリンタでは、サーマルヘッド、インクジェットヘッド(圧電素子による駆動方式、加熱による気泡駆動方式の双方を含む)、ドットインパクトヘッド等の各種印刷ヘッドが用いられる。
【0042】
ロゴデータの登録は、ホスト装置50からのロゴの登録命令により行う。プリンタは、ホスト装置から登録命令と登録するロゴデータとをホスト装置から受信すると、不揮発性記憶部からなるロゴ登録部68の所定の場所にロゴデータを登録する。従来、ロゴ印刷は、レシート上に会社名、店舗名等を印刷表示することが主目的とされていたため、ロゴ登録部68に登録されるロゴデータは、会社、店舗、ハウスマーク等のロゴマークが一般的であった。しかし、今後は商品広告情報及び割引商品券等の各種イメージ情報をPOSプリンタで印刷する需要も多くなってくると考えられることから、絵又は写真等を利用した宣伝広告情報、告知情報、クーポン券等のイメージ情報をロゴデータとして登録することが多くなると思われる。また、広告、告知情報等は、その内容を状況に応じて変更する必要があることから、ロゴデータの変更に伴なう再登録の回数も従来とは比較にならないほど多くなることが予想される。尚、ロゴをカラー印刷する場合には、カラー情報もロゴ登録部68に記憶される。本明細書では、上述の通り、ロゴ登録部68に記憶しておき所定の印刷命令に基づきレシートに印刷するこのような店舗、企業のマーク、告知情報、宣伝広告情報等の各種情報等を総称して、ロゴ、ロゴデータ又はロゴ情報と称している。ロゴデータの印刷は、ホスト装置50からのロゴ印刷命令により行われる。プリンタはホスト装置からロゴ印刷命令を受信すると、ロゴ印刷命令によって指定されたロゴデータをロゴ登録部68から読出し、印刷バッファ65に転送することによりロゴデータをレシート上に印刷する。従って、ロゴ印刷の度にホスト装置からプリンタに対してロゴデータを送信する必要が無く、ホスト装置のロゴデータの送信負荷を軽減できるとともに、送信時間が不用となるので高速印刷が可能となる。
【0043】
プリンタ60は、図8に示すようにマイクロプロセッサからなるCPU70、CPU70にバスライン74を介して接続されているROM71、RAM72、不揮発性記憶部73、インターフェース(I/F)61、印刷機構66、搬送機構67、及びROM71とRAM72に記憶されたオペレーティングシステム(OS)その他の制御プログラム等により構成することができる。例えば、受信バッファ63、印刷バッファ65はRAM72の所定の領域として指定可能であり、フラッシュメモリー等で構成可能な不揮発性記憶部73はロゴ登録部68として機能する。また、RAM72をSRAMにより構成することにより、RAM72内の所定の領域にロゴ登録部68を設けてもよい。
【0044】
(プリンタへのロゴ登録の手順の全体概要)
次にプリンタへのロゴデータの登録の手順について説明する。
【0045】
まず、図9を用いて、従来のロゴ登録手順について説明する。図9は、ロゴデータの作成からプリンタへのロゴデータの登録までの従来の手順の概略を示す。
【0046】
ロゴデータの登録に当たっては、まず登録しようとするロゴデータを確定しなければならない。これには、登録しようとするロゴデータを新たに作成する場合と、既に存在するイメージデータをそのまま利用する場合とがある。ロゴデータを新たに作成する場合には、汎用イメージ作成ツール81により既存の絵,写真等80を取り込み、さらにテキスト文書等との合成等の作業を通じてイメージファイル82を作成する。例えば、デジタルカメラで撮影した画像、またはスキャナ等により取得した写真、絵等を記憶したファイルをイメージファイル82として使用することもできる。
【0047】
プリンタに登録するには、登録専用機のロゴ登録専用プログラム83により、ロゴ登録命令及びロゴデータ(これらを「登録命令データセット」と称する。尚、ロゴデータと登録命令を明確に区別するために、登録命令及びパラメータのみを「登録命令セット」と称する場合もある)を、ロゴデータを登録しようとするプリンタ(ターゲットプリンタ)に送信する。ターゲットプリンタは、受信した登録命令セットを主制御部64(図7)で解析し実行することにより、受信したロゴデータ(印刷データ)をロゴ登録部68(図7)に記憶する。従来、このような登録には、登録専用ツールが使用されており、登録専用ツールが登録専用機にインストールされている場合には、ロゴデータの登録のためにプリンタ60を登録専用機に接続する必要があった。しかし、POSプリンタをPOS端末機から分離して、登録専用機に直接接続するのは、スーパーまたは百貨店等のように多くのPOS端末機を使用している店舗では極めて煩雑な作業となる。また、他の登録方法として、ロゴの登録専用プログラムをホスト装置50にインストールすることにより、ホスト装置からロゴデータをプリンタに登録することも可能である。しかしこの方法も個々のPOS端末装置に登録専用プログラムをインストールする作業が必要となり、作業が煩雑であり、ロゴデータの頻繁な変更登録が繰り返される場合には、対応が困難となる。
【0048】
次に本発明にかかるロゴデータの登録手順を、例を用いて説明する。図2は、本発明の一実施形態にかかるロゴの作成からプリンタへのロゴの登録までの手順の概略を示す図である。以下、本図を参照して説明する。
【0049】
ロゴデータの登録に当たっては、まず登録しようとするロゴデータを作成しなければならない。ロゴを新たに作成する場合には既存の絵,写真等80の画像データをロゴ編集ツール2により取得し、これにテキストデータを重ね合わせたり、複数の画像を重ね合わせたりすることにより、ソースロゴデータを作成する。
作成されたソースロゴデータは、ソースロゴデータファイル3に記憶される。ロゴ編集ツール2は、ロゴ印刷の目的に合わせて新しいロゴを作成する場合に使用する。例えば、クーポン券、会社/店舗等ロゴ又は、商品の宣伝広告等は、その印刷目的に合わせて多様な観点から作成する必要がある。ロゴ編集ツールによるソースロゴデータの作成は、最適なロゴデータを作成するための基礎となる文字情報、各種絵、写真等の画像情報を取り込み、適宜組み合わせる作業である。
【0050】
既存のイメージデータをそのまま利用する場合には、汎用イメージ作成ツール81を使用して、デジタルカメラまたはスキャナ等から写真、絵等の画像データを読み込み、イメージファイル82を作成し、それをそのままソースロゴデータとして使用することも可能である。このように既存のイメージファイル82をそのまま使用する場合には、ロゴ編集ツール2を使用する必要はない。このようにして作成された画像データ(ロゴデータの基になるデータ)を,本明細書ではソースロゴデータと称する。
【0051】
登録データファイル作成装置4により、ターゲットプリンタ(ロゴデータを登録するプリンタ)で使用する印刷用紙の幅、印刷解像度、印刷可能な色に合わせて、ソースロゴデータの色、解像度及びサイズ等の調整を行う。色の調整(減色処理等)、サイズ及び解像度等の調整終了後のロゴデータがプリンタへの登録対象となる。
【0052】
本発明では、ロゴデータと、ロゴデータを登録するために必要な各種命令データセットを統合したコマンド付きの画像ファイルである登録データファイル5を作成し、登録データファイル5をホスト装置50で読み取り、各種命令データセットを実行することにより、ホスト装置に登録専用ツールをインストールすること無しに、ロゴデータをターゲットプリンタ60に登録をすることを可能とした。
【0053】
(登録データファイル作成装置)
図1は、本発明の1実施形態にかかる登録データファイル作成装置4の基本構成を示す機能ブロック図である。
【0054】
図2に示した通り、ロゴデータは、ロゴ編集ツール2または、汎用イメージ作成ツール81によりロゴデータの元となるソースロゴデータ3または82を基礎として作成される。ロゴ編集ツール2については後述することとし、今、ソースロゴデータ3または82が作成されたものとして、まず、本発明の一実施形態にかかる登録データファイル作成装置4について説明する。
【0055】
図1の登録データファイル作成装置4は、ロゴ作成手段(または印刷データ作成手段)10、ロゴ記憶手段11、命令データセット作成手段12、登録データファイル生成手段18及び出力手段19とにより構成されており、ロゴデータをホスト装置50によりターゲットプリンタ60に登録するための登録データファイルを作成する。
【0056】
登録データファイル作成装置4は、まず、ソースロゴデータ3または82からロゴデータ(本明細書ではロゴデータのことを適宜「印刷データ」と称する)を作成し、ロゴ記憶手段11に記憶する。ロゴ作成手段10は、ソースロゴデータの色をターゲットプリンタにより印刷可能な色に減色する処理、ロゴのサイズ及び印刷密度をターゲットプリンタの印刷用紙の幅及び解像度等に合わせる等の処理を行う。ロゴ作成手段10は、デザイン的に優れており、かつ、ターゲットプリンタの印刷能力に応じたロゴを作成するための処理機能を有している。当該処理完了後、ロゴデータとしてロゴ記憶手段11に記憶される。
【0057】
また、登録データファイル作成装置4は、命令データセット作成手段12を有している。命令データセット作成手段12はロゴ作成手段10で作成されたロゴデータをプリンタに登録するための一連の命令データセットを作成する。命令データセット作成手段12は、登録命令データセット作成手段14、送信命令データセット作成手段13とを備えている。登録命令データセットとは、ロゴデータをターゲットプリンタ60に登録するため、ターゲットプリンタ60により実行可能な実行命令セットである。送信命令データセットとは、登録命令データセットをプリンタに送信するため、ホスト装置50により実行可能な実行命令セットである。従って、登録命令データセットは、ロゴデータを登録するターゲットプリンタ60に対応する実行命令体系により作成され、また、送信命令データセットは、ターゲットプリンタが接続されているホスト装置50により実行可能な実行命令体系により作成される。
【0058】
本実施形態においては、送信命令データセット作成手段13はさらに、パラメータ入力命令セット作成手段15と、ポート検出命令セット作成手段16と、登録命令データセット及びロゴデータをターゲットプリンタに送信するための送信命令データセット生成手段17とを備えている。
【0059】
パラメータ入力命令セット作成手段15は、ホスト装置50において実行されたときに、ターゲットプリンタ60のポート及び通信条件等の通信パラメータの入力を受け付けるための実行命令セットを作成する手段であり、この実行命令セットを実行することにより、ホスト装置50においてターゲットプリンタ60のポート及び通信条件等の通信パラメータの入力が可能となる。ポート検出命令セット作成手段16は、ホスト装置により実行されたときに、ターゲットプリンタ60を接続するための通信パラメータを自動的に検出するための実行命令セットを作成する手段である。
【0060】
また、送信命令データセット生成手段17は、ホスト装置50により実行され、ロゴデータを含む登録命令データセットをホスト装置50からターゲットプリンタ60に送信するための送信命令データセットを作成する手段である。この送信命令データセット生成手段17において、ターゲットプリンタ60のポート及び通信条件等の通信パラメータを、登録データファイル作成装置4による送信命令データセット作成時点において自動的に設定するように構成することも可能であり、この場合には、パラメータ入力命令セット作成手段15及びポート検出命令セット作成手段16による命令セットの作成は不要である。送信命令データセット生成手段17による通信パラメータの設定は、図示しない入力手段からの入力に基づき設定するよう構成しても、ターゲットプリンタの機種入力に基づいて所定のテープル(図示せず)から関連するパラメータを自動的に取得して設定するように構成してもよい。
【0061】
尚、命令データセット作成手段12において、登録命令データセット作成手段14は必須であるが、送信命令データセット13は選択的に設けることが可能である。また、送信命令データセット13を設ける場合であっても、パラメータ入力命令セット作成手段15及びポート検出命令セット作成手段16は選択的に設けることが可能である。
【0062】
登録データファイル生成手段18(以下ファイル生成手段18と称する)は、ロゴデータ(印刷データ)と、登録命令データセットと、及び送信命令データセットとを統合することにより、ロゴデータとそのロゴデータをターゲットプリンタに登録する一連の実行命令セットとからなる登録データファイル5(図2)を作成する。登録データファイル5は、1つのファイルとして作成されることが望ましいが、複数のファイルが互いにリンクされる形で統合されるようにしても良い。尚、登録データファイルとして、どのような命令セットを統合するかについては、図示しない制御部により指定することができるように構成可能である。
【0063】
ファイル生成手段18により生成された登録データファイルは、出力手段19により、通信回線を介して、ターゲットプリンタが接続されているPOS端末装置等のホスト装置に送信されるか、または、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)、メモリーカード、その他の記録媒体に記録される(図示せず)。通信回線により送信した登録データファイル又はFD等に記録された登録データファイルを、ホスト装置50(図7)に読み取らせることにより、登録データファイル内の実行命令データセットが読み出され、これらの実行命令セットが自動的に実行されることにより、プリンタへのロゴデータの登録が行われる。これにより、ホスト装置50に登録用専用プログラムをインストールすることなく、プリンタへのロゴ登録が可能となる。
【0064】
登録データファイル作成装置4は、プリンタ60の例で図8に示したような、マイクロプロセッサであるCPUと、CPUにバスラインを介して接続されているROM、RAM、及びROMとRAMに記憶されたオペレーティングシステム(OS)その他の制御プログラム等から構成することができる。CPU、RAM及びROMが、ROMとRAMに記憶された制御プログラムと協働することによりそれぞれの構成手段10、11、12、13、18、19として機能する。また、これらのコンピュータプログラムをコンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、または、磁気記録テープ等の情報記録媒体に記録しておき、これらのプログラムをコンピュータにインストールすることにより、本発明の装置を実施可能である。従って、これらのコンピュータプログラム及びコンピュータプログラムを記録した記録媒体も本発明の範囲に含まれる。これらのコンピュータプログラム及びこれを記録した記録媒体については、以下の登録データファイルを作成する手順又は、印刷データを登録する手順からなるコンピュータプログラム及びそれを記載した記録媒体についても同様である。
【0065】
(登録データファイルの作成手順)
フローチャートを用いて、登録データ作成工程を説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る登録データファイル作成方法の基本手順を示すフローチャートである。
【0066】
ロゴ作成手段10により印刷データ(ロゴデータ)が作成される(S110)。次に印刷データの作成が終了したかどうかが確認され(S120)、終了していなければ(S120;No)、作成終了まで待つ(S110、S120)。ロゴデータの作成が終了すると(S120;Yes)、命令データセットが作成され(S130)、次にロゴデータと命令データセットが統合されて登録データファイル5が生成される(S140)。生成された登録データファイル5は、フロッピー(登録商標)ディスク又は通信回線を介してターゲットプリンタのホスト装置50に送信される(S150)。
【0067】
図4は、図3の命令データセットの作成工程(S130)の詳細な工程を示すフローチャートである。印刷データの作成が終了すると(図3 S120;Yes)、ロゴデータをプリンタに登録するためにプリンタ60で実行される登録命令データセットが作成される(S131)。登録命令データセットとは、ロゴデータをプリンタ内の不揮発性メモリに登録するためにターゲットプリンタ60で実行される命令セットである。
【0068】
登録命令データセットを、実施例を用いて説明する。
【0069】
例えば、工程S131においては、下記のような登録命令データセットが作成される。
【0070】
GS(L pl ph 67 kc1 kc2 b xl xh yl yh [c d1…dk]1…[c d1…dk]b
この例において、“GS(L pl ph 67”は、ターゲットプリンタで実行される命令であり、ロゴデータを不揮発性記憶手段であるロゴ登録部68に登録するための命令である。“pl ph”は、以後に続くデータの長さを規定しており、その長さは、(pl+phx256)により指定される。尚、この例では、pl及びphの大きさは255以下である。255+255x256=65535の長さが指定可能となる。“kc1 kc2”はロゴ登録部68に登録されるロゴデータを特定するキーとなる番号(記号でも良い)であり、印刷の際又は登録末梢の際等にロゴデータを特定する番号でである。“b”は、ターゲットプリンタの色の数を示し、例えば黒と赤の2色を印刷可能であれば、2色が印刷可能であることを示す記号又は数字が示される。
【0071】
“xl xh”はロゴデータの横方向のドット数を示し、“yl yh”は縦方向のドットの数を指定する。“[c d1…dk]1…、[c d1…dk]b”は1〜bの各色を構成するドットの状態を示す。ターゲットプリンタが黒と赤の2色プリンタの場合には、“[c d1…dk]1”は第1番目の色、例えば「黒」を構成するドットの状態を示し(d1…dkが黒色の各ドットの状態を示す)、“[c d1…dk]b”が赤色を構成するドットの状態を示す。従って、この登録命令データセットでは、結果としてロゴデータを各色毎のビットマップで示していることになる。
【0072】
上述の登録命令データセットでは、“[c d1…dk]1… [c d1…dk]b”として、ロゴデータが登録命令データセットに直接組み込まれている。しかし、登録データファイルの段階では、登録命令データセットとして“GS(L pl ph 67 kc1 kc2 b”のみを作成するとともに印刷データ(ロゴデータ)を別途記憶しておくことにより、ホスト装置からターゲットプリンタに送信するときにロゴデータから後続する“xl xh yl yh [c d1…dk]1… [c d1…dk]b”のデータを作成し、登録命令データセットを完成させるように構成することも可能である。
【0073】
登録命令データセットの作成(S131)が終了すると、実行命令セットとして、送信命令データセットが付加されるかどうかが確認される(S132)。送信命令データセットを付加するかどうかは、選択的に指定できるように構成可能である。登録データファイルを出力手段19(図1)からターゲットプリンタに直接送信する場合には、送信命令データセットは不要である。
【0074】
送信命令を付加しない場合には(S132:No)、そのまま登録ファイルの生成工程140へ進む。送信命令を付加する場合には(S132;Yes)、送信命令データセットを作成する(S133)。送信命令データセットとは、ロゴデータと登録命令データセットとをホスト装置50からプリンタ60に送信するために一連の命令データセットである。これにより、登録データファイルを読み出すだけで自動的に、又は、ポート番号等所定の通信パラメータを指定するだけで、ホスト装置50からプリンタ60に登録命令セットとロゴデータを送信することができる。
【0075】
送信命令データセットの作成が終了すると、次にポート検出命令セットを送信命令データセットに組み込むかどうかが確認される(S134)。ポート検出命令セットを組み込まない場合、ロゴデータの登録動作の際に、ターゲットプリンタ60のポート番号等の通信パラメータを入力する必要がある。ポ−ト検出命令セットの組み込みを行うな場合(S134;Yes)、ポート検出命令セットが作成される(S135)。ポ−ト検出命令セットの組み込みが不要な場合(S134;No)、パラメータ入力のためのパラメータ入力命令セットが作成される(S136)。
【0076】
図5は、図3の登録データファイルの生成工程S140の詳細な工程を示すフローチャートである。
【0077】
命令データセットの作成が終了すると(図3 S130)、登録データファイルの作成工程に入る(図5 S140)。登録データファイル作成工程では、まず命令データセットの作成工程で作成した(図4 S131)登録命令データセットをロゴデータ(印刷データ)に付加したファイル41を作成する(S141)。その状態を図5の工程S141の左側に模式的に示す。この登録命令セットとロゴデータを統合したデータをホスト装置50からプリンタ60に送信することにより、プリンタはロゴデータを登録することができる。
【0078】
次に命令データセットの作成工程(S130)で送信命令データセットが作成されたか否かが確認される(S142)。もし作成されていなければ(S142;No)、工程S141で統合されたファイル41が登録データファイル5として出力される。もし、送信命令データセットが作成されていれば(S142;Yes)、次にポート検出命令セットの有無が確認される(S143)。ポート検出命令セットが作成されている場合には(S143;Yes)、ポート検出命令セットが送信命令データセットに組み込まれる(S144)。ポート検出命令セットが作成されていない場合には(S143;No)、パラメータ入力命令セットが組み込まれる(S146)。
【0079】
その後、送信命令データセットが工程S141で作成されたファイル41に送信命令データセットが統合されたファイル42(図5)が、登録データファイルとして出力される。
【0080】
ファイル42の送信命令データセットにポート検出命令セットが組み込まれている場合には、ホスト装置50により登録データファイルが読み出されたときに、ポ−ト検出命令が実行されて、プリンタ60を接続するための通信パラメータが自動的に検出されて、登録命令データセット及びロゴデータが、ホスト装置から自動的に送信される。
【0081】
ファイル42の送信命令データセットにパラメータ入力命令セットが組み込まれていると、ホスト装置50により登録データファイルが読み出されたときに、パラメータ入力命令セットが実行されて、ホスト装置50からポート等の通信パラメータの指定入力が可能となる。通信パラメータの入力により、指定されたポートへ登録命令データセット及びロゴデータが転送されて、プリンタ60に送信される。
【0082】
(ロゴ編集ツール)
最後に、図6を用いてロゴ編集ツールについて説明する。図6はロゴ編集ツール2の1例を示す機能ブロック図である。
【0083】
ロゴ編集ツール2は、広告、告知等の印刷目的に最も適合する効果的なロゴの基本的な構成を作成するために使用する。ロゴ編集ツール2では、グラフィックイメージとテキストを組み合せたロゴを作成することができ、作成されたロゴは、ロゴファイルとして保存される。ロゴ編集ツール2は、イメージ情報読取手段31、イメージ情報記憶手段32、画像情報処理手段33、テキスト情報編集手段34、合成手段35、及びソースロゴデータ記憶手段36とから構成される。
イメージ情報読取手段31では、画像データ又は文字データを読み込んで記憶する。読み込む画像データとしては、磁気ディスク、CD−ROM又はその他の記録媒体にイメージファイルとして記憶されているグラフィックデータを読み出してイメージ情報記憶手段32に記憶する場合の他、デジタルカメラの画像を取り込むようにしても、スキャナで画像を読み取り記憶するように構成してもよい。
グラフィックデータとしては、例えば、写真画像、アニメ調のグラフィックスデータ、幾何学図形、飾り文字、各種図形等の各種のデータが読み取り可能である。イメージ情報記憶手段32には、複数のイメージ情報をそれぞれ独立して記憶可能である。また、各種イメージファイルを読むことができるように、イメージ情報読取手段31は、各種画像情報ファイル関連のソフトウェアに対応させることが望ましい。
【0084】
イメージ情報記憶手段32に記憶された各画像データは、必要に応じて画像情報処理手段33によって各画像データの大きさの変更する等の各種処理が行われる。また、テキスト情報編集手段34により、画像情報だけでなくテキスト情報を作成すること、編集すること等も可能である。このとき、テキスト情報に色の指定も可能である。テキスト情報の編集を可能とすることにより、ロゴ編集段階で、広告宣伝、又は告知のための文字情報をロゴとして組み込むことが可能となる。
【0085】
取り込まれた画像情報、画像処理された画像情報、及び/又はテキスト情報は、希望するロゴを作成するために、合成手段35により合成される。合成手段35では、複数の画像データ及びテキストデータを組み合わせて、所望のソースロゴデータを作成する。画像及びテキストの組み合せの要素として、例えば、画像及びテキストの選択、ロゴ全体に対する各画像及びテキストの大きさ、位置等が指定可能である。合成手段35で合成されたソースロゴデータは、各独立した画像又はテキストデータの組み合わせとして合成されて、合成された後も、例えばメタファイルのように、合成された画像等がそれぞれ独立したものとして別々に画像処理または加工が可能なソースロゴデータとしてソースロゴデータ記憶手段36に記憶される。尚、図6では、画像情報処理手段33と合成手段35とを別の機能ブロックとして示しているが、合成手段35に画像処理機能を持たせて、合成時に適宜画像の大きさを変更できるようにすることも可能である。
【0086】
この例では、この段階で作成されたソースロゴデータは、とり込んだ色情報の減色等は行なわれていないが、例えば原画像がフルカラーである場合に、ロゴ編集ツール2により、一定の色数まで減色してからソースロゴデータとして記憶するよう構成することも可能である。
【0087】
【発明の効果】
本発明によれば、命令データセットと印刷データ(ロゴデータ)とを統合した登録データファイルを作成し、登録データファイルを通信回線により送信し又はFD等に記録してホスト装置50(図7)に読み取らせ、登録データファイル内の命令データセットを実行させることにより、ホスト装置50に登録用専用プログラムをインストールすることなく、プリンタへのロゴ登録が可能となる。従って、ファイルを読み取らせるだけでロゴデータの登録が可能になり、多様なロゴ印刷の要求に柔軟に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例にかかる登録データファイル作成装置の基本構成を表す機能ブロック図。
【図2】本発明にかかるロゴの作成からプリンタへのロゴの登録までの手順の概略を示す図。
【図3】登録データファイル5の作成工程を示すフローチャート。
【図4】図3の命令データセットの作成工程(S130)の詳細な工程を示すフローチャート。
【図5】図3の登録データファイルの生成工程(S140)の詳細な工程を示すフローチャート。
【図6】ロゴ編集ツール2の1例を示す機能ブロック図。
【図7】POS端末機40のホスト装置50とプリンタ60の機能ブロック図。
【図8】プリンタ60をCPU、ROM、RAM、及びOSその他の制御ソフトウェアを用いて構成する場合の基本構成ブロック図。
【図9】ロゴの作成からプリンタへのロゴの登録までの従来の手順の概略を示す図。
【符号の説明】
2 ロゴ編集ツール
4 登録データファイル作成装置
5 登録データファイル
10 ロゴ作成手段
11 ロゴ記憶手段
12 命令データセット
13 送信データセット
18 登録データファイル生成手段
40 POS端末機
50 ホスト装置
60 ターゲットプリンタ
63 受信バッファ
68 ロゴ登録部

Claims (1)

  1. POS用のターゲットプリンタ内部の不揮発性記憶部に、前記ターゲットプリンタに接続されたPOS端末のホスト装置から印刷データを登録する方法であって、以下の工程を備えることを特徴とする印刷データの登録方法。
    (a) 前記ホスト装置に通信回線を介して接続された登録データファイル作成装置において、印刷データを作成する工程と、
    (b) 作成した前記印刷データを前記ターゲットプリンタ内部の不揮発性記憶部に登録するための命令データセットとして、前記ターゲットプリンタが接続されているホスト装置により前記ターゲットプリンタへ送信する登録命令データセットを作成させるための実行命令セットと、前記ホスト装置が前記ターゲットプリンタに登録命令データセットを送信する際に前記ターゲットプリンタの機種に対応して通信パラメータを自動検出して送信を実行させるための送信命令データセットとを、登録データファイル作成装置により作成する工程と、
    (c) 前記ホスト装置により読み取られると前記ホスト装置から前記ターゲットプリンタに前記印刷データを送信するためのデータファイルであって、前記印刷データと、前記印刷データとは別に作成された前記命令データセットからなる登録データファイルを、登録データファイル作成装置により作成する工程と、
    (d) 前記登録データファイル作成装置から、前記ホスト装置へ前記登録データファイルを出力するファイル出力工程と、
    (e) 前記ホスト装置が、前記登録データファイル作成装置から出力された前記登録データファイルを読み取って自動的に実行することにより前記印刷データを含む前記登録命令データセットを前記ターゲットプリンタに送信し、前記ターゲットプリンタが前記登録命令データセットを実行することにより前記印刷データを前記ターゲットプリンタの前記不揮発性記憶部に登録する工程とにより、記印刷データを前記ターゲットプリンタに登録する登録工程。
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