JP4577068B2 - 回転電機 - Google Patents

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本発明は、モータ、ジェネレータ等の回転電機に関し、特に磁気抵抗に起因して生じるリラクタンストルクによって回転駆動される回転電機に関する。
モータやジェネレータ等の回転電機は、その回転駆動力を得るための磁石及び電磁コイル等からの磁束の通路ともなる、回転子と固定子との間隙をなすエアギャップ(ギャップ)の設定位置によって、主にアキシャルギャップモータとラジアルギャップモータとに区分される。これらのうち、アキシャルギャップモータは、回転子と、該回転子の軸線方向の端面に空隙を挟んで対向配置させた固定子との各表面間で作用する磁力によって回転駆動力を得るものである。また、ラジアルギャップモータは、円筒形状の固定子と、該固定子の有する円形底面の径方向外周縁面に空隙を挟んで対向配置させた回転子との表面間で作用する磁力によって回転駆動力を得るものである。
ところで、磁束を形成するための巻線と、回転子に対する対向面を有した突極とを配設させた1枚のディスク型の固定子を有し、該固定子の軸線方向の両側面に2枚の回転子を配設させたアキシャルギャップモータが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1記載のアキシャルギャップモータの回転子には、固定子と対向する端面に磁性体部材によって凹凸を形成させたリラクタンス型のものが適用自在である旨が示されている(特許文献1、段落0022参照)。
また、トロイダル巻式の電機子を固定子とし、その同心状をなす内周側に回転子を備えたリラクタンスモータであって、該回転子のリラクタンスコアに対する固定子側の電機子鉄心コアの対向面を、固定子のコア巻線の高さより高く形成したラジアルギャップ型のリラクタンスモータが提案されている(例えば、特許文献2参照)。これにより、同様の従来型モータにあっては、コア巻線の高さに対してのみ割り当てられていた軸方向の余剰スペースを、磁気対向面の高さを高くするためのスペースとして用いることができるようになる。これによって、磁気対向面の面積が増え、磁気対向面間に生じる磁力作用の増大を図ることができるようになる。
上述した各例のモータは、突極を有する側と電機子巻線を有する側とが夫々回転子と固定子とで異なってはいるものの、共に電機子巻線によって発生する磁界と、突極によって形成される凹凸部との間に作用する磁力によってリラクタンストルクを発生させて回転駆動されるものである。このようなリラクタンスモータでは、回転子と固定子との間で形成される磁路のうち、凹部を通過する磁路(q軸磁路)の磁気抵抗と凸部(突極)を通過する磁路(d軸磁路)との磁気抵抗の差が大きいほど大きなリラクタンストルクを得ることができる。
特開平10−80113号公報 特開2000−37063号公報
ところで、前述の特許文献1に記載されるようなモータでは、回転子の一方の側面でリラクタンスモータとして回転駆動し、他方の側面で永久磁石型同期機として回転駆動するように構成される。このため、上記モータの回転子は、リラクタンスモータ用の回転子と永久磁石同期機用の回転子とを合わせた態様となり、回転子の軸方向の厚みが増すため、軸方向の厚さを少なくすることは難しいものとなっている。
また、特許文献1及び2に記載されるようなリラクタンス型のアキシャルギャップモータ及びラジアルギャップモータにおいて、より大きなリラクタンストルクを得るためには、凹部を通過する磁路の磁気抵抗と、凸部(突極)を通過する磁路の磁気抵抗との差を大きくすることが所望される。しかし、そのためには凸部の突起高さを高くする必要があり、これによって、更にモータが軸線方向或いは径方向に大きくなり、モータそのものが大型化する虞がある。また、上記した方法以外で、大きなリラクタンストルクを得るためには、回転子と固定子との夫々の対向面の間で働く磁力作用を増加させる、つまり各対向面の面積を増大させるか、もしくは巻線数を増加させることが考えられる。しかし、これらの方法にあっては、上記と同様、モータの大型化を招来する虞がある。
そこで本発明は、リラクタンス型の回転電機の体格量の増大を抑えながら、当該回転電機から発生させるトルク及び回転速度をより効率良く得られるように構成し、もって上述した課題を解決した回転電機を提供することを目的とするものである。
請求項1に係る本発明は(例えば図1ないし図12参照)、枠体をなす鉄心(23)及び電磁コイル(24)を有する略環状の固定子(22)と、磁性体部材(29)からなる突極と永久磁石(28)とを有する略環状の回転子(26)と、が少なくとも該回転子(26)の回転軸方向(B)にて空隙(s)を挟んで対向配置されてなり、前記電磁コイル(24)に入力される複数相の交流信号に応じて前記回転子(26)が回転制御される回転電機(21)であって、
前記鉄心(23)は、前記回転子(26)の前記回転軸方向(B)に厚みを有し、かつ略環状の表面に複数本の溝状のスロット(25)を径方向に沿って形成され、
前記スロット(25)には、前記交流信号の各相ごとに割り当てられた前記電磁コイル(24)が、前記回転子(26)に配置された前記永久磁石(28)の有する磁極対ごとに巻回され、
前記電磁コイル(24)は導体線であると共に、前記鉄心(23)の前記複数本のスロット(25)に対してトロイダル巻きされてなり、
前記回転子(26)は、前記永久磁石(28)を前記磁性体部材(29)と交互であってかつ略環状の周方向に等角度間隔となるように複数有すると共に、前記永久磁石(28)が夫々に有する一対の磁極(28a,28b)を前記周方向に沿わせて配列され、かつ該周方向における前記一対の磁極(28a,28b)の向きを互いに逆向きにして配置され、前記回転軸方向(B)と直交するアキシャル面としての前記磁性体部材(29)における対向する一対の対向面(31a,31a)と、前記固定子(22)と径方向にて対向するラジアル面としての、前記磁性体部材(29)における前記一対の対向面(31a,31a)間に位置して該一対の対向面に連続する1つの対向面(31b)と、を有してなり、
前記回転子(26)の前記磁性体部材(29)における前記3つの対向面(31a,31a,31b)と前記固定子(22)の前記鉄心(23)の外周面とが、前記回転軸方向(B)及び径方向(ラジアル方向)の双方において前記空隙(s)を含む所定の空隙を介して対向することで磁路(a4,b4)を生じさせてなる、
ことを特徴とする回転電機(21)にある。
請求項2に係る本発明は(例えば図9、図10、及び図12参照)、前記固定子(22)には、前記電磁コイル(24)が分布巻き状に配置されてなる、
ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機(21)にある。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、鉄心は、回転軸方向に厚みを有し、かつ複数本の溝状のスロットを径方向に沿って形成され、スロットには、交流信号の各相ごとに割り当てられた電磁コイルが、永久磁石の有する磁極対ごとに巻回され、電磁コイルは、導体線であると共に、鉄心の複数本のスロットに対してトロイダル巻きされてなるので、回転時における電磁コイルに生じる鎖交磁束数は、集中巻によって形成される一般的な他の回転電機に比して増大し、従って、リラクタンストルクの増加を図ることができる。更に、枠体をなす鉄心が、回転子の回転時の軸線方向に厚みを有した環状に形成されており、この鉄心に対して電磁コイルが巻回されるので、固定子と回転子との対向面積が増え、固定子のアキシャル面やそれ以外のラジアル面においてもリラクタンストルクを利用して回転電機を回転させることができる。つまり、回転子が、固定子に対して該回転子の回転軸方向及び径方向の双方において所定の空隙を空けて配置されるので、回転電機では、その軸線方向と直交するアキシャル面としての対向面だけでなく、固定子とその径方向にて対向する外周面(ラジアル面)としての対向面においても磁路が同様に生じることで、より大きなリラクタンストルクを発生させることができる。即ち、回転子の回転軸方向と直交するアキシャル面としての対向面だけでなく、固定子とその径方向にて対向する外周面(ラジアル面)としての対向面においても磁路が同様に生じることにより、更に大きなリラクタンストルクを発生させることができる。従って、より高トルクで高速回転可能な回転電機を実現することができるようになる。また、トロイダル巻きのコアをなす鉄心に対して電磁コイルを巻回させるので、巻線工程の容易化を図ることができ、生産性の向上を図ることができるようになる。更に、回転子は、永久磁石を磁性体部材と交互であってかつ略環状の周方向に等角度間隔となるように複数有すると共に、永久磁石の夫々に有する一対の磁極を周方向に沿わせて配列し、かつ該周方向における一対の磁極の向きを互いに逆向きにして配置してなり、永久磁石の回転子軸線方向の厚さではなく周方向での幅(以下、周方向幅とも言う)によって所望の磁気抵抗を得ることができる。これにより、回転子の軸線方向の厚さを少なくすることができ、小型化を図ることができるようになる。そして、永久磁石が、固定子に対する回転子の対向面上の周方向に向かって磁極が並ぶように配設されることにより、永久磁石同期機としての機能が実現されている。
請求項2に係る本発明によると、固定子には、電磁コイルが分布巻き状に配置されてなるので、回転制御時に電磁コイルに対して生じる鎖交磁束数が、電磁コイルにて一般的な集中巻を施して発生させたものに比して増大し、リラクタンストルクの増加を図ることができる。これにより、高トルクで高速回転可能なアキシャルギャップ回転電機を実現することができるようになる。
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。まず、本実施の形態の説明に入る前に、その比較例から説明を始めることとする。図1は、本実施の形態との比較例におけるアキシャルギャップモータの斜視図、図2は図1に示したアキシャルギャップモータの棒巻線(導体バー)を用いた固定子の斜視図、図3は図2に示した固定子の平面図、図4は図2に示した固定子を同図B-B線に沿って切断して矢視方向に見た状態で示す概略平面断面図、図5は図1に示したアキシャルギャップモータの回転子の斜視図である。
図1に示すように、アキシャルギャップモータ(回転電機)1は、固定子2と、この固定子2と軸線方向Aに所定の空隙sを空けて配置された回転子9とを備えて構成される。上記軸線方向Aは、上記アキシャルギャップモータ1の不図示の回転軸に一致している。また、2枚の上記回転子9は、固定子2に相対する側に夫々対向面4を有している。
そして、図1ないし図4に示すように、固定子2は、そのコアをなす固定子鉄心3と、電磁コイルの巻線の機能をなす導体バー5とから構成されている。この固定子鉄心3は、略矩形形状をなした単体の鉄心が夫々所定の間隙(溝状のスロット6)を空けて円形に、かつ上記軸線方向Aに一致する回転軸(図示せず)から放射状となるように配列されている。また、導体バー5は、導電性を有する銅材料等からなり、真直ぐな棒状導体の長手方向に並ぶ2地点から、一側の先端及び他側の先端を互いに逆向きに屈曲させたジグザグ形状をなし、上記2地点間の長手部分がコイル辺として各固定子鉄心3間の各スロット6へと嵌合される。
導体バー5はスロット6の深さ方向の同じ高さの段(図4参照)で、全て屈曲した向きが同じ方向となるように全周分の各スロット6に嵌め込まれ、その下の段には屈曲の方向が上の段と逆方向となるような向きで導体バー5が全周分の各スロット6に嵌合されている。この固定子鉄心3の間隙に嵌合された上下2段の導体バー5は、固定子2の外周縁部及び内周縁部をなす近傍において、夫々6つ先のスロット6の異なる段に嵌合された導体バー5の先端同士(例えば、図4に示す導体バー5aと導体バー5bと)を溶接することで接合され、コイルエンド7a,7b(図3参照)を形成している。
なお、アキシャルギャップモータ1に関し、互いに導通すべき先端同士を溶接して接合した複数本の導体バー5を接続したものを「電磁コイル」と称する。
上記したように接合された各導体バー5は、夫々周方向に閉ループをなす6つのコイルとして固定子鉄心3の各間隙に配設され、更に隣り合う2本の閉ループ同士でU,V,W相の夫々同相の対とされる。これら6つのコイルには、図8を参照して後述するU,V,W相の各相の交流信号が入力され、これによりアキシャルギャップモータ1の駆動力となる回転磁界が発生する。このように、固定子2は、全体として環状の略円盤形状をなし、図1に示した回転軸の軸線方向Aでの厚みが薄くなるように構成される。なお、上記した導体バー5は、固定子鉄心3に嵌合された際に、導体バー5同士で互いに接触しないように、夫々絶縁物によって被膜しておくなどの処置を施しておいてもよい。
次に、図5では、固定子2に対してその軸線方向Aに所定の空隙sをあけて対向配置される回転子9が示されている。この回転子9には、永久磁石10が、その一対の磁極10a,10bを夫々に回転子9の環状円盤の周方向に向け、つまり着磁面を回転子9の放射方向に沿わせ、かつ隣り合う永久磁石10が夫々に有するN極とS極が円周方向に互いに逆向きとなるように配設されている。
そして、円周方向に等角度間隔で配設された4つの永久磁石10の間には、磁性体部材が用いられた回転子鉄心11が環状円盤の各永久磁石10の間を埋めるように互いに分離して配置され、回転子鉄心11と永久磁石10とが交互に隣り合うように配置されている。本例では、この回転子鉄心11と永久磁石10とは、これらによって形成される内周側円弧面及び外周側円弧面が夫々同じ曲率を有し、回転子9の中心から放射方向に内外周円弧面を結ぶように形成される平面を側面とした、軸線方向Aに厚みを有する扇形の部材として夫々形成されている。
次いで、上述した固定子2及び回転子9を備えるアキシャルギャップモータ1を制御するためのモータ制御装置12を、図8を参照して説明する。図8は、モータ制御装置の構成を示すブロック図である。
モータ制御装置12は、スイッチング素子群からなる3相回路(図示せず)を有するインバータ13を備え、アキシャルギャップモータ1のU,V,W相に対応する電圧指令値に基づいて生成されるパルス幅変調信号をインバータ13に入力することでアキシャルギャップモータ1の制御を行なうように構成されている。すなわち、モータ制御装置12は、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)信号を生成してインバータ13に入力する(送り込む)ことでアキシャルギャップモータ1の制御を行なうものであり、電圧指令値検知手段15と、パルス信号演算手段16と、PWM信号生成手段17とを備えている。
電圧指令値検知手段15は、与えられたトルク指令値から得られる電流指令値と実電流値とを比較し、これら電流指令値と実電流値とが一致するように演算した結果としての電圧指令値を検知する。電圧指令値は、アキシャルギャップモータ1の回転制御の基本とすべき値であり、アキシャルギャップモータ1のU相、V相、及びW相からなる3相分の正弦波として生成される。
パルス信号演算手段16は、予め設定されている変調方式に基づき、所要のパルス幅変調信号(PWM信号)を演算し、このPWM信号に関してのパルス幅及びタイミング等に基づく制御指令を、PWM信号生成手段17に送信する。このパルス信号演算手段16による演算は、例えば、本アキシャルギャップモータ1が車輌に搭載されると想定した場合には、アクセルの踏み込み操作等に対応したタイミングで行なわれることになる。
PWM信号生成手段17は、パルス信号演算手段16からの制御指令に基づき、所定の変調方式に応じたPWM信号を生成する。このPWM信号は、インバータ13内部に実装された3対の半導体スイッチング素子(不図示)のうちの、所要の半導体スイッチング素子に夫々入力されることによって3相交流信号が生成される。比較例におけるアキシャルギャップモータ1及び後述する本実施の形態に係るモータ21は、この3相交流信号が入力されることによって回転制御が行われる。
ここで、図6を用いて、上記アキシャルギャップモータ1の基礎となるアキシャルギャップモータの例を、また図7を用いて上記アキシャルギャップモータ1を、回転子及び固定子の周方向に電気角で1サイクル分の範囲だけ切断した形で示す概略断面図を用いて、それらの構成及び作用について説明する。
なお、図6は、アキシャルギャップモータ1の基礎となるアキシャルギャップモータの原理的構造の一例を示す周方向展開断面図、図7はアキシャルギャップモータ1の原理的構造を示す周方向展開断面図である。以下、図6及び図7の説明において、先に説明した図1ないし図5と同一の符号は同一又は相当部分を示すものであり、その説明を省略する。
図6に示すアキシャルギャップモータ19は、固定子20が、毎極毎相のコイルを1つのスロットに収めた、いわゆる集中巻を施したものであり、図5で示した回転子9の対向面4を、この固定子20に対して、軸線方向(図6の上下方向)に所定の空隙sを介在した形で対向配置させたアキシャルギャップ型のものである。図6に示す固定子20には、U,V,W相のコイルU20,V20,W20が巻回されており、断面UP20側から断面UM20側へ、断面VP20側から断面VM20側へ、及び断面WP20側から断面WM20側へ、と夫々通電される信号の向きが示されている。また、対向配置された回転子9,9は夫々、各磁極N,Sが円周方向にて互いに逆向きとなるように配置された永久磁石10を2つずつ有している。更に、2枚の回転子9の図6上下方向にて対向する位置にある永久磁石10は、双方における各磁極(S,N)の向きが相互に逆向きになるように設置されている。
上述したアキシャルギャップモータ19は、その駆動時、コイルU20,V20,W20の各コイルが、図8に示したインバータ13からの交流信号に応じて励磁されると、回転子9,9と固定子2との間に、図6に示すような磁束が夫々生じる。この各磁束の経路は、図6に示すように、永久磁石10を通過するd軸磁路となる磁路(図6の破線)a1と、磁性体の回転子鉄心11を通過する磁路、すなわち永久磁石10を通過しないq軸磁路となる磁路(図6の一点鎖線)b1との2つが生じる。ここで、磁束は、鉄等からなる回転子鉄心11を通過し易い性質と、永久磁石10を通過しにくい性質とを有している。このように、永久磁石10は磁気抵抗(つまり、磁束の通りにくさ)が大きいので、磁路a1と磁路b1との間には磁気抵抗の差が生じ、この磁気抵抗が永久磁石10の厚さ(例えば、図6に示す磁極面10cと磁極面10dとの距離)分だけ生じることとなる。
一般的に、リラクタンストルクにより回転駆動されるアキシャルギャップ型のモータでは、回転子軸線方向の固定子側表面に設ける凹凸(すなわち、突極)の高さによって、d軸磁路とq軸磁路との間に磁気抵抗の差を生じさせている。しかし、図6に示したアキシャルギャップモータ19では、永久磁石10を通過する磁路a1と通過しない磁路b1とを生じさせることによってd軸とq軸との間の磁気抵抗に差を生じさせている。従って、このアキシャルギャップモータ19では、磁気抵抗の差を生じさせる従来の突極が不要となる。これにより、図6に示したアキシャルギャップモータ19では、従来のような突極が形成されない分、一般的なアキシャルギャップモータに比して回転子9の軸線方向での厚みの増大を抑えることができると共に、一般的なアキシャルギャップモータと同等のリラクタンストルクを生じさせることができる。
次いで、図7に示すように、比較例におけるアキシャルギャップモータ1は、図2ないし図4に示した導体バー5によって構成された固定子2に対し、図5で示した回転子9が、その対向面4を軸線方向(図7の上下方向)に所定の空隙sを付与して対向するように配置させたアキシャルギャップ型に構成されている。この固定子2は、毎極毎相の巻線をなす導体バー5が複数のスロットに収められた、いわゆる分布巻を施したものである。
そして、図7に示す固定子2には、U,V,W相ごとに割り当てられた導体バーU2,V2,W2が夫々一対ずつ巻回されており、断面UP2,UP2側から断面UM2,UM2側へ、断面VP2,VP2側から断面VM2,VM2側へ、及び、断面WP2,WP2側から断面WM2,2側へ、と通電される夫々の電流の向きが示されている。また、回転子9,9には、夫々磁極N,Sが円周方向にて互いに逆向きとなるような永久磁石10が夫々に2つずつ配設され、更に、2枚の回転子9の図7上下方向で対向する位置にある永久磁石10の各磁極の向きが逆向きになるように設置されている。
このアキシャルギャップモータ1の駆動時には、図7に示すように、永久磁石10を通過するd軸磁路となる磁路(図7の破線)a2と、永久磁石10を通過しないq軸磁路となる磁路(図7の一点鎖線)b2とが発生する。そして、図6に示した磁路a1と同様、磁路a2は磁束の通りにくい永久磁石10を通過するため、磁路a2と磁路b2との間には磁気抵抗の差が生じ、この磁気抵抗は永久磁石10の厚さ(例えば、図7に示す磁極面10cと磁極面10dとの距離)分に比例して生じることとなる。
図7に示したアキシャルギャップモータ1では、永久磁石10を通過する磁路a2と通過しない磁路b2とによってd軸磁路とq軸磁路との間の磁気抵抗に差が生じるため、磁気抵抗の差を生じさせる従来の鉄心を用いた突極が不要である。従って、図7に示したアキシャルギャップモータ1では、突極が形成されない分、一般的なアキシャルギャップモータに比して、対向面4を2面備えつつも回転子軸線方向での厚みの増大を抑えつつ、一般的なアキシャルギャップモータと同等のリラクタンストルクを生じさせることができることとなる。
すなわち、図6で示したアキシャルギャップモータ19のコイルU20,V20,W20は、集中巻によって各コイル辺の間隔(電気角)が120°となるように巻回されていた。これに対して、図7に示したアキシャルギャップモータ1では、導体バーU2,V2,W2が分布巻に巻回されることにより、その電気角が180°と広がっている。このように電気角が広がると、各コイルが巻回される際のコイル辺の間隔が、図6の場合に比して図7の場合の方が広くなり、これによって、図7に示した各導体バーに鎖交する磁束が増加することとなる。更に、この各導体バーへの鎖交磁束の増加は、すなわちインダクタンスが増加することと同義であり、このインダクタンスが増加することによってリラクタンストルクが増大する。
ところで、リラクタンストルクによって駆動されるモータにおいて、リラクタンストルクの増大や回転速度の高速化を図るためには、一般的に、より大きな電流をコイルに通電したり、コイルの巻数を増やしたりすることでインダクタンスの増加を図ればよいとされる。しかし、電流やコイルの巻数を増加させた場合には、或る一定量を超えた段階で鉄心が磁気飽和した状態となり、磁束が増加せずにリラクタンストルクの増大が抑制されてしまう。
このことから理解できるように、図7に示したアキシャルギャップモータ1によると、上述したような従来のモータ、及び図6に示したアキシャルギャップモータ19の克服すべき点を大幅に改善して、モータ自体の体格量を増やさずにリラクタンストルクの増大を図ることができる。このことから、図6及び図7にて示したように、円盤形状のアキシャルギャップモータ1は、軸線方向での厚みの増大を抑制できる効果のみならず、導体バー5を用いて固定子2を形成することで固定子2の外周縁部及び内周縁部近傍のコイルエンド7a,7b部分の径方向での増大を抑制できる効果をも奏する点が理解できる。
なお、以上説明した各例において、上述した図1、図6、及び図7に示した回転子9は、固定子2を軸線方向Aに沿って挟み込むように配置された2枚の環状円盤として説明したが、2枚が円滑に連続し合った1つの管状或いは溝状をなす形状であってもよく、その形状は特に限定されるものではない。
以上説明したように、固定子2に対して回転子9が空隙sを配して対向配置されたアキシャルギャップモータ1では、固定子2に、交流信号の各相ごとに割り当てられた導電性を有しかつ互いに導通すべき先端同士を接合した複数本の導体バー5が回転子9に配置された永久磁石10の有する各磁極対ごとに複数配置されるので、回転時における導体バー5に生じる鎖交磁束数が、集中巻によって形成される一般的な他の回転電機に比して増大し、更に鎖交磁束が固定子2から回転子9に向かう回転軸方向に効率的に形成されるようになるので、リラクタンストルクの増加を図ることができる。これにより、高トルクで高速回転可能なアキシャルギャップ回転電機を実現することができる。
また、アキシャルギャップモータ1が、電磁コイルとして導電性を有した導体バー5を用いるので、回転子9の軸線方向Aの厚みが増加することを抑えることができ、更に、電磁コイルを巻回した際に生じるコイル端(コイルエンド)の肥大化を抑制することができるため、回転子9における径方向の幅の増加をも抑制することができる。また、このことにより、通常の電磁コイルを鉄心に巻回する際の巻線工程を簡略化させることができるため、生産性の向上を図ることができるようになる。
また、アキシャルギャップモータ1における交流信号の各相ごとに割り当てられた導体バー5が、回転子9に配置された永久磁石10の有する磁極対ごとに複数配置されてなるので、回転時に導体バー5に対して生じる鎖交磁束数が、一般の電磁コイルにて集中巻を施して発生させたものに比して増大し、リラクタンストルクの増加を図ることができる。これにより、高トルクで高速回転可能なアキシャルギャップ回転電機を実現することができる。
また、アキシャルギャップモータ1に巻回される導体バー5は、固定子2に対し複数の固定子鉄心3が配列された際の間隙を径方向に横切るように嵌合され、固定子2の周方向に沿うように閉路を形成してなるので、回転制御時に鎖交する磁束が、固定子2から回転子9に向かう軸線方向に効率的に形成されるようになる。更に、この導体バー5に対して生じる鎖交磁束数が、一般の電磁コイルにて集中巻を施して発生させたものに比して増大し、リラクタンストルクの増加を図ることができる。これにより、高トルクで高速回転可能なアキシャルギャップ回転電機を実現することができるようになる。
また、アキシャルギャップモータ1を構成する固定子2には、導体バー5が分布巻きされてなるので、回転制御時に導体バー5に対して生じる鎖交磁束数が、一般の電磁コイルにて集中巻を施して発生させたものに比して増大し、リラクタンストルクの増加を図ることができるようになる。これにより、高トルクで高速回転可能なアキシャルギャップモータの実現を図ることができる。
また、回転子9は、空隙sを挟んで対向配置された固定子2に相対する面を複数有するので、例えば、回転子を固定子に相対して複数構成させたり、或いは、回転子に固定子の有する回転軸方向のアキシャル面や径方向のラジアル面等に相対する複数の面を備えさせたりすることで、リラクタンストルクの増加を図ることができるようになる。これにより、高トルクで高速回転可能なアキシャルギャップ回転電機を実現することができる。
また、アキシャルギャップモータ1を構成する回転子9は、永久磁石10と回転子鉄心11とが周方向に交互かつ等角度間隔となるように配置された円盤形状をなし、永久磁石10は回転子9の軸線方向に貫通して回転子9の表裏に露出されてなるので、回転子9のバックヨークを不要とし、回転子9の軸線方向の厚みが縮小されることによってアキシャルギャップモータ1の小型化を図ることができると共に、漏れ磁束の遮断による効率化も可能とすることができる。
また、アキシャルギャップモータ1を構成する回転子9に配設された永久磁石11は、N極とS極の磁極をなす磁極面10cと磁極面10dとが平行となる棒状をなすので、永久磁石10の加工を容易化することができる。また、永久磁石11は、正負の磁極をなす磁極面10cと磁極面10dとの間の距離が回転子9の径方向外方に向かって広がるような扇形をなすので、回転子9が回転制御される際の、回転子9内部に加わる応力を均等に分散させることができるようになる。
以下、本発明に係る実施の形態であるモータ21について、図9ないし図12に沿って説明する。図9は本実施の形態におけるモータの概略斜視図、図10は図9に示したモータのトロイダル巻を施した固定子の概略斜視図である。なお、本実施の形態におけるモータ21は、固定子のアキシャル方向にギャップを有して回転子が回転駆動するアキシャルギャップモータとしての特性を備えるが、これに加えて、固定子のラジアル方向にもギャップを有して回転子が回転駆動するラジアルギャップモータとしての特性をも兼ね備えるため、ここでは、特にアキシャルギャップモータとは称さずに説明することとする。
図9に示すように、モータ(回転電機)21は、固定子22と、この固定子22に対して所定の空隙sを空けて配置された回転子26とを備えて構成される。そして、図9及び図10に示す固定子22は、そのコアをなす固定子鉄心(鉄心)23と、銅等の導電性良好な導体線からなる電磁コイルが複数巻回されてなる巻線24と、から構成されている。この固定子鉄心23は、環状で軸方向に厚みを有する円盤形状(いわゆるトロイダル型のコア)を呈しており、モータ21の軸線方向Bと垂直となるアキシャル面としての対向面31a、及び径方向の外周面(ラジアル面)としての対向面31bには、夫々上記円盤形状の中心から放射状に48本の溝状のスロット25が等間隔(等角度間隔)で形成されている。
スロット25には、夫々上記巻線24が巻回されており、隣り合う2つの巻線24同士はU,V,W相の同相同士の対となっている。巻線24は、固定子鉄心23の対応する各スロット25に回旋され、図8にて示したU,V,W相の各相の交流信号が入力されることでモータ21の駆動力となる回転磁界を発生する。このように、固定子22は、巻線24がトロイダル型のコアに分布巻されることにより、軸線方向での厚み及び径方向での厚みが夫々のスロット25で平均化されるように構成されている。なお、上記巻線24は、固定子鉄心23に巻回された際に、異なるスロット25間に巻回された巻線24同士で互いに接触しないように、夫々絶縁物によって被膜しておくなどの処置が施されている。
次いで、図9に、固定子22に対して所定の空隙sをあけて対向配置される回転子26を示す。この回転子26には、永久磁石28が、その一対の磁極28a,28bを回転子26の周方向に向け、つまり着磁面を回転子の放射方向に沿わせ、かつ隣り合う永久磁石28が夫々に有するN極とS極が円周方向にて互いに逆向きとなるように配設されている。そして、配設された永久磁石28の相互間には、磁性体部材からなる回転子鉄心(磁性体部材)29が、各永久磁石28の間を埋めるように互いに分離して配置されている。このように、回転子鉄心29と永久磁石28とは、交互に隣り合うように配置されている。
次に、図11を用いて、モータ21の基礎となるモータの例を、また図12を用いて上記モータ21を、回転子及び固定子の周方向に電気角で1サイクル分の範囲だけ切断した形で示す概略断面図を用いて、それらの構成及び作用について説明する。
なお、図11は、モータ21の基礎となるモータの原理的構造の一例を示す周方向展開断面図、図12はモータ21の原理的構造の例を示す周方向展開断面図である。以下、図11及び図12の説明において、先に説明した図1ないし図10と同一の符号は同一又は相当部分を示すものであり、その説明を省略する。
図11に示すモータ30は、固定子27が毎極毎相のコイルが1つのスロットに収められた、いわゆる集中巻を2段に重ねて施したものであり、この固定子27に対して回転子26が所定の空隙sを配して対向配置されている。この固定子27の固定子側面27a側には、U,V,W相のコイルU27a,V27a,W27aが夫々巻回されており、断面UP27a側から断面UM27a側へ、断面VP27a側から断面VM27a側へ、及び断面WP27a側から断面WM27a側へ、と夫々通電される信号の向きが示されている。
また、固定子側面27b側には、コイルU27b,V27b,W27bが夫々巻回されており、断面UP27b側から断面UM27b側へ、断面VP27b側から断面VM27b側へ、及び断面WP27b側から断面WM27b側へ、と夫々通電される信号の向きが示されている。そして、回転子26には、各磁極N,Sが円周方向に互いに逆向きとなるような永久磁石28が配設されている。なお、モータ30は、図6及び図7に示したアキシャルギャップモータ1,19と同様、図8に示したモータ制御装置12からの交流信号を受けて回転駆動される。
上述したモータ30の駆動時には、例えば、固定子側面27a側に巻回されたコイルU27a,V27a,W27aの各コイルが、図8に示したインバータ13からの交流信号に応じて励磁され、これにより、回転子26と固定子27との間に、図11に示すような磁束が夫々に生じる。図11には、永久磁石28を通過するd軸磁路となる磁路(図11の破線)a3と、磁性体の回転子鉄心29を通過する磁路、すなわち永久磁石28を通過しないq軸磁路となる磁路(図11の一点鎖線)b3とが生じることが示されている。ここで、上記永久磁石28は磁気抵抗が大きいことから、上記磁路a3と磁路b3との間には磁気抵抗の差が生じる。この磁気抵抗は、永久磁石28の厚さ(例えば、図11に示す磁極面(面)28cと磁極面(面)28dとの距離)分に比例して生じることとなる。なお、上記したd軸磁路とq軸磁路との磁気抵抗の差は、固定子27の外周面に当たるラジアル面(不図示)にあっても同様に生じている。
上述したようなリラクタンストルクにより回転駆動されるモータは、一般に、回転子又は固定子に設ける鉄心の凹凸(すなわち、突極)の高さによって、d軸磁路とq軸磁路との間に磁気抵抗の差を生じさせる。これに対し、図11に示したモータ30では、永久磁石28を通過する磁路a3と、永久磁石28を通過しない磁路b3とを生じさせることによってd軸磁路とq軸磁路との間の磁気抵抗に差を生じさせている。従って、図11に示したモータ30では、従来のような突極が形成されない分、一般的なモータに比して回転子26の厚みが増大することを抑えつつ、一般的なモータと同等のリラクタンストルクを生じさせることができる。
次いで、図12は、本実施の形態におけるモータ(回転電機)21を示す周方向展開断面図であり、同図において、固定子22と回転子26とが所定の間隙を介在して対向配置されている。この固定子2は、毎極毎相の巻線が複数のスロットに収められた、いわゆる分布巻を施したものである。
固定子22には、U,V,W相ごとに割り当てられたコイルU22,V22,W22が、図12に示すように巻回されており、断面UP22a側から断面UM22a側へ、断面VP22a側から断面VM22a側へ、及び断面WP22a側から断面WM22a側へ、と夫々通電される信号の向きが示されている。そして、回転子26には、各磁極N,Sが円周方向にて互いに逆向きとなるようにして永久磁石28が配設されている。なお、モータ21は、図6,7及び図11に示したアキシャルギャップモータ1,19及びモータ30と同様、図8に示したモータ制御装置12からの交流信号を受けて回転駆動される。
このモータ21の駆動時には、図12に示すように、d軸磁路となる磁路(図12の破線)a4と、q軸磁路となる磁路(図12の一点鎖線)b4とが生じる。そして、図11に示した磁路a3と同様、磁路a4は磁束の通りにくい永久磁石28を通過するため、磁路a4と磁路b4との間には夫々磁気抵抗の差が生じる。この磁気抵抗は、永久磁石28の厚さ(例えば、図12に示す磁極面28cと磁極面28dとの距離)分に比例して生じることとなる。
このモータ21では、磁路a4と磁路b4とによってd軸磁路とq軸磁路との間の磁気抵抗に差が生じるため、従来のような鉄心を用いた突極が不要である。従って、図12に示したモータ21では、突極が形成されない分、一般的なモータに比して回転子の厚みの増大を抑えながら、一般的なモータと同等のリラクタンストルクを生じさせることができることとなる。また、モータ21では、モータ21の軸線方向Bと直交するアキシャル面としての対向面31aだけでなく、固定子とその径方向にて対向する外周面(ラジアル面)としての対面31bにおいても磁路a4,b4が同様に生じることにより、アキシャルギャップモータよりも更に大きなリラクタンストルクを発生させることができる。
一方、図11で示したモータ30のコイルU27a,U27b,V27a,V27b,W27a,W27bは、集中巻によって各コイル辺の間隔(電気角)が120°となるように巻回されている。これに対して、図12に示した本実施の形態に示すモータ21のコイルU22,V22,W22は、分布巻として巻回されることにより、その電気角が180°と広がっている。従って、図12に示した各コイルに鎖交する磁束が増加することとなり、そのインダクタンスが増加することによって、リラクタンストルクの増大を図ることができるようになる。
以上説明したように、固定子22に対して回転子26が空隙sを配して対向配置されたモータ21では、固定子22に、交流信号の各相ごとに割り当てられた巻線24が回転子26に配置された永久磁石28の有する磁極対ごとに複数配置され、該巻線24は、導体線であると共に、固定子鉄心23の複数本のスロット25に対してトロイダル巻きされてなるので、回転時における巻線24に生じる鎖交磁束数は、集中巻によって形成される一般的な他の回転電機に比して増大するので、リラクタンストルクの増加を図ることができる。また、固定子22と回転子26との対向面積が増え、固定子22のアキシャル面やそれ以外の面(例えばラジアル面)においてもリラクタンストルクを利用してモータ21を回転させることができる。従って、より高トルクで高速回転可能な回転電機を実現することができるようになる。また、トロイダル型のコアである固定子鉄心23に電磁コイルを巻回させてなるので、巻線工程の容易化を図ることができ、生産性の向上を図ることができるようになる。更に、回転子26の軸線方向Bの厚さではなく周方向に向かう厚さによって永久磁石28による所望の磁気抵抗を得ることができ、回転子26の軸線方向の厚さを減少させることができるようになる。そして、永久磁石28が、固定子22に対する回転子28の対向面上の周方向に向かって磁極が並ぶように配設されることにより、永久磁石同期機としての機能が実現されている。
また、モータ21における交流信号の各相ごとに割り当てられた巻線24が、回転子26に配置された永久磁石28の有する磁極対ごとに複数配置されてなるので、回転制御時に巻線24に対して生じる鎖交磁束数が、一般の電磁コイルを集中巻して発生させたものに比して増大し、リラクタンストルクの増加を図ることができる。これにより、高トルクで高速回転可能なリラクタンスモータを実現することができる。
また、モータ21を構成する固定子22には、巻線24が分布巻きされてなるので、回転制御時に巻線24に対して生じる鎖交磁束数が、一般の電磁コイルにて集中巻を施して発生させたものに比して増大し、リラクタンストルクの増加を図ることができるようになる。これにより、高トルクで高速回転可能なリラクタンスモータの実現を図ることができる。
また、回転子26は、空隙sを挟んで対向配置された固定子22に相対する面を複数有するので、例えば、回転子を固定子に相対して複数構成させたり、或いは、回転子に固定子の有する回転軸方向のアキシャル面や径方向のラジアル面等に相対する複数の面を備えさせたり、することができることによってリラクタンストルクの増加を図ることができるようになる。これにより、高トルクで高速回転可能なアキシャルギャップ回転電機を実現することができる。
また、モータ21を構成する回転子26は、永久磁石28と回転子鉄心29とが周方向に交互かつ等角度間隔となるように配置された円盤形状をなし、永久磁石28は軸線方向及び径方向において回転子26を貫通してなるので、回転子26のバックヨークを不要とし、回転子26の軸線方向及び径方向での厚みが縮小されることによってモータ21の小型化を図ることができると共に、漏れ磁束の遮断による効率化も可能とすることができる。
また、モータ21を構成する回転子26に配設された永久磁石28は、N極とS極の磁極をなす磁極面28cと磁極面28dとが平行となる棒状をなすので、永久磁石28の加工を容易化することができる。また、永久磁石28は、正負の磁極をなす磁極面28cと磁極面28dとの間の距離が回転子26の径方向外方に向かって広がるような扇形をなすので、回転子26が回転制御される際の、回転子26内部に加わる応力を均等に分散させることができるようになる。
なお、以上説明した各例において、アキシャルギャップモータ1における導体バーU2,V2,W2の分布巻時の電気角、及びモータ21におけるコイルU22,V22,W22の分布巻時の電気角は、夫々180°にするとして説明を行ったが、従来の集中巻を施した際の電気角である120°より大きく、かつ180°以下の電気角の範囲となる巻き方であれば、上記に限らず何れの巻き方を用いてもよい。
また、上述した各例においては、アキシャルギャップ型のモータ、及びアキシャルギャップ型とラジアルギャップ型とを組み合わせたモータについて夫々例を挙げて説明したが、アキシャルギャップ面とラジアルギャップ面とが明確に区別されないような、両者が互いに円滑に連続し合うような管状の輪環面を回転子として有したモータであってもよい。また、アキシャルギャップの対面が両側に存在する際に、ラジアルギャップ面を回転子の外周側のみに形成させた場合だけでなく、内周側のみに形成させた形状であってもよい。また、ラジアルギャップの対面が両側に存在する際に、アキシャルギャップ面を回転子の一方の側のみに形成させた形状であってもよい。また、管状の輪環面の断面は矩形に限定されず、円や他の図形形状で形成されていてもよく、形状によって限定されるものではない。
比較例におけるアキシャルギャップモータの斜視図である。 図1に示したアキシャルギャップモータの棒巻線(導体バー)を用いた固定子の斜視図である。 図2に示した固定子の平面図である。 図2に示した固定子を同図B-B線に沿って切断して矢視方向に見た状態で示す概略平面断面図である。 図1に示したアキシャルギャップモータの回転子の斜視図である。 アキシャルギャップモータの基礎となるアキシャルギャップモータの原理的構造の一例を示す周方向展開断面図である。 アキシャルギャップモータの原理的構造を示す周方向展開断面図である。 モータ制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明に係る実施の形態におけるモータの概略斜視図である。 図9に示したモータのトロイダル巻を施した固定子の概略斜視図である。 モータの基礎となるモータの原理的構造の一例を示す周方向展開断面図である。 モータの原理的構造の例を示す周方向展開断面図である。
符号の説明
21 回転電機(モータ)
22 固定子
23 鉄心(固定子鉄心)
24 電磁コイル(巻線)
25 スロット
26 回転子
28 永久磁石
29 磁性体部材(回転子鉄心)
28a,28b 磁極
28c,28d 面(磁極面)
31a,31b 固定子に相対する面(対向面)
B 回転軸(軸線)
s 空隙

Claims (2)

  1. 枠体をなす鉄心及び電磁コイルを有する略環状の固定子と、磁性体部材からなる突極と永久磁石とを有する略環状の回転子と、が少なくとも該回転子の回転軸方向にて空隙を挟んで対向配置されてなり、前記電磁コイルに入力される複数相の交流信号に応じて前記回転子が回転制御される回転電機であって、
    前記鉄心は、前記回転子の前記回転軸方向に厚みを有し、かつ略環状の表面に複数本の溝状のスロットを径方向に沿って形成され、
    前記スロットには、前記交流信号の各相ごとに割り当てられた前記電磁コイルが、前記回転子に配置された前記永久磁石の有する磁極対ごとに巻回され、
    前記電磁コイルは、導体線であると共に、前記鉄心の前記複数本のスロットに対してトロイダル巻きされてなり、
    前記回転子は、前記永久磁石を前記磁性体部材と交互であってかつ略環状の周方向に等角度間隔となるように複数有すると共に、前記永久磁石が夫々に有する一対の磁極を前記周方向に沿わせて配列され、かつ該周方向における前記一対の磁極の向きを互いに逆向きにして配置され、前記回転軸方向と直交するアキシャル面としての前記磁性体部材における対向する一対の対向面と、前記固定子と径方向にて対向するラジアル面としての、前記磁性体部材における前記一対の対向面間に位置して該一対の対向面に連続する1つの対向面と、を有してなり、
    前記回転子の前記磁性体部材における前記3つの対向面と前記固定子の前記鉄心の外周面とが、前記回転軸方向及び径方向の双方において前記空隙を含む所定の空隙を介して対向することで磁路を生じさせてなる、
    ことを特徴とする回転電機。
  2. 前記固定子には、前記電磁コイルが分布巻き状に配置されてなる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
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