JP4576289B2 - キャリブレーション装置 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波探触子の位置を電磁式の位置検知手段で検出するように構成された超音波探傷装置に適用されるキャリブレーション装置に関する。
従来より、金属材料や溶接部等の非破壊検査を行うため、超音波探傷装置が用いられている。このような超音波探傷装置は、配管や金属板等の検査対象表面に沿って超音波探触子を移動させながら超音波を発信し、反射して戻ってくる超音波(エコー)を受信して傷や異物等の有無を検出する。すなわち、正常であれば底面まで到達して反射した超音波を受信するが、内部に傷や異物等があればこれに反射した超音波を受信することで異常を検出することができる。
このような超音波探傷装置を用いた超音波探傷試験においては、検査位置をリアルタイムで検出して異常のある位置を特定するため、送信コイルで作った磁場を受信コイルが受けて超音波探触子の位置を検出する電磁式の位置検出が行われている。すなわち、超音波探触子に受信コイルを設けて磁場を検出し、超音波探触子の位置を認識することによって検査位置及び超音波探傷により発見された異常のある位置を特定することができる。
また、交流磁界を生成する送信コイルの磁場を磁力計で計測し、送信コイルの位置と向きとを推定する物体の空間における位置及び方向を決定する装置及び方法が開示されている。(たとえば、特許文献1参照)
特許第2508010号公報
ところで、超音波探傷試験で超音波探触子の位置を電磁式で検出する場合には、超音波探傷を行う検査対象の周辺磁場に歪みがあると、超音波探触子の正確な位置を検出できなくなる。このため、超音波探傷試験時には、検査対象周辺磁場の磁場情報を事前に測定して補正情報を得るキャリブレーションが必要となるため、このキャリブレーション作業を容易かつ正確に実施できるキャリブレーション装置の開発が望まれる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、検査対象周辺磁場の磁場情報を事前に測定して補正情報を得るキャリブレーションを容易かつ正確に実施できるキャリブレーション装置を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明に係る請求項1は、超音波探傷を行う検査対象周辺磁場の歪みを事前に測定して得られる磁場情報を、送信コイルで形成した磁場を受信コイルが検出して超音波探触子の位置を検出する電磁式の位置検知手段に補正情報として与えるキャリブレーション装置であって、
前記送信コイルを備え、前記検査対象に固定してキャリブレーションガイドを形成するガイド形成部材と、前記送信コイルで形成した磁場を検出するキャリブレーション用受信コイルを備え、前記キャリブレーションガイドに沿って走行しながら前記磁場情報を検出するキャリブレーション台車と、前記送信コイル及び前記キャリブレーション用受信コイルの制御手段とを具備して構成したことを特徴とするものである。
このようなキャリブレーション装置によれば、送信コイルを備え、検査対象に固定してキャリブレーションガイドを形成するガイド形成部材と、送信コイルで形成した磁場を検出するキャリブレーション用受信コイルを備え、キャリブレーションガイドに沿って走行しながら磁場情報を検出するキャリブレーション台車と、送信コイル及びキャリブレーション用受信コイルの制御手段とを具備して構成したので、検査対象に固定されているガイド形成部材のキャリブレーションガイドに沿ってキャリブレーション台車を走行させ、ガイド形成部材の送信コイルが形成した磁場をキャリブレーション用受信コイルで検出することにより、検査対象周辺磁場の磁場情報を得ることができる。
上記のキャリブレーション装置において、前記ガイド形成部材は、各々に前記送信コイルを備えた複数の基材を長手方向に回動可能に連結した連接式とされ、前記基材の一側端面を平坦に連結して前記キャリブレーションガイドを形成するとともに、前記基材の一端部側に設けた連結係合手段を他端側の複数の基材底面に設けられている突起の一つに係止し、前記連結係合手段に引張方向の付勢を与えて固定することが好ましく、これにより、配管の外周面に連接式のガイド形成部材を巻き付け、連結係合手段を基材底面の突起に係止して固定すれば、外径の異なる配管に対して容易にキャリブレーションガイドを形成することができる。
上記のキャリブレーション装置において、前記キャリブレーション台車は走行状態検出手段を備えていることが好ましく、これにより、走行状態検出手段の検出値からキャリブレーション台車の正確な位置情報を得ることができる。
上記のキャリブレーション装置において、前記キャリブレーション台車は、キャリブレーションガイドと反対側に位置する走行車輪の車軸が水平方向から上向きに傾斜して支持されていることが好ましく、これにより、走行するキャリブレーション台車をキャリブレーションガイドの方向へ押し付ける力が作用する。
上述した本発明によれば、検査対象に固定されているガイド形成部材のキャリブレーションガイドに沿ってキャリブレーション台車を走行させ、ガイド形成部材の送信コイルが形成した磁場をキャリブレーション用受信コイルで検出することにより、検査対象周辺磁場の磁場情報を得ることができるので、この磁場情報を用いることにより、検査対象周辺磁場の磁場情報を事前に測定して補正情報を得るキャリブレーション作業を容易かつ正確に実施することが可能になる。このため、補正情報を用いて磁場の歪みを反映することにより、超音波探触子の正確な位置をリアルタイムに検出できるようになるので、超音波探触子の正確な位置から超音波探傷により発見される異常の位置についても、リアルタイムで正確に把握することができる。
また、連接式のガイド形成部材は径の異なる配管に共用して容易にキャリブレーションガイドを形成することができるので、キャリブレーション装置の部品点数を低減して利便性を向上させることができる。
以下、本発明に係るキャリブレーション装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のキャリブレーション装置10を用いてキャリブレーションの作業を行う様子を示す斜視図である。キャリブレーション装置10は、たとえば配管1を連結している溶接部2等のように、超音波探傷試験を行う検査対象周辺磁場の歪みを事前に測定して磁場情報を得る装置であり、検査対象周辺の適所に固定設置して使用される連設リング20と、連設リング20が形成したキャリブレーションガイドに沿って走行しながら磁場情報を検出するキャリブレーション台車50と、各種の制御を行う制御手段のコントローラ70とを具備して構成される。
このキャリブレーション装置10で検出した磁場情報は、後述する超音波探傷試験において、図7に示す超音波探触子80の正確な位置を検出するため、補正情報として使用される。
連設リング20は、磁場を形成する送信コイル21を備えており、検査対象となる配管1の溶接部2に沿って固定設置することにより、溶接部2に沿ってキャリブレーション台車50の走行を導くキャリブレーションガイド22を形成するガイド形成部材である。
この連設リング20は、各々に送信コイル21を備えた複数の基材23が連結部材のピン24を介して長手方向に回動可能に連結された連接式とされ、各基材23の一側端面をガイド面23aとし、各ガイド面23aを同一平面上に配列して平坦に連結することで、同一平面上に連続して配置されたガイド面23aが円周方向に連続するキャリブレーションガイド22を形成する。なお、各基材23毎に各々1個の送信コイル21を埋設することにより、各基材23が送信コイルユニットとなる。
また、連設リング20は、図2ないし図5に示すように、複数が連接されている基材23の一端部側に固定機構30を備えている。なお、図2ないし図4には、連設リング20を配管1の外周に固定した状態が示されている。
固定機構30は、連設リング20を配管1の外周に着脱可能に固定するものであり、たとえば図3に示すように、連設リング20の他端側に連接されている複数の基材23から配管1の外径に適合する一つを選択し、各基材底面23bに設けられている突起25の凹部25aに対し、連結係合手段として設けたコンベックス板ばね(以下、「板ばね」と呼ぶ)31の一端部側に穿設した貫通孔31aを係止させて固定する。さらに、各基材23の基材底面23bには、配管1の外周面に当接させて基材底面23bとの間に所望の間隙を形成するため、突起25より突設量の大きい台座突起26が突設されている。この間隙は、連設リング20の着脱時に、板ばね31の通路となる空間を確保したものである。
そして、上述した係止状態を維持して連設リング20を固定するため、板ばね31の他端側へ引張方向の付勢を与えるようにコイルばね32が設けられている。なお、貫通孔31aは突起25より大きな形状とし、容易に通り抜けできるようになっている。
板ばね31の他端側は、固定機構本体33に摺動自在に支持された操作ノブ34に固定されている。操作ノブ34は、ノブ本体34aと、ノブ本体34aと一体に連結された円柱部34aとにより構成されている。操作ノブ34は、円柱部34aが固定機構本体33のガイド溝33aに沿って図3の上下方向へ摺動自在に支持され、上述した板ばね31は円柱部34bの下端部近傍に固定されている。
コイルばね32は、円柱部34bがガイド溝33aから上方へ突出する部分の外周に配設され、上端がノブ本体34aの下端面に当接し、かつ、下端が固定機構本体33の上端面に当接して圧縮されている。円柱部34aは、ノブ本体34aを操作することにより、固定機構本体33のガイド溝33aに沿って摺動するが、この摺動可能範囲は、円柱部34bに突設したガイドピン35が固定機構本体33に設けた規制溝33b内を移動することで上下両端を規定される。
また、操作ノブ34に操作力が作用しない自然状態では、コイルばね32の付勢によりノブ本体34aが固定機構本体33から離間する方向へ押し上げられるので、板ばね31は、貫通孔31aと突起25との係止状態を維持する方向に引っ張られて連設リング20を固定することができる。
このように、連設リング20を配管1の所望の位置に固定する場合は、配管1の外周に巻き付けて配管径に対応する長さとなる位置の基材23を選択して固定機構30と隣接させ、操作ノブ34を押し込んで板ばね31を突起25へ向けて押し出す。すると、配管1の外径に沿って折曲された板ばね31は、先端部が上向きに弾性変形しながら持ち上げられた状態で先端部側(図4の紙面左側)へ移動するので、貫通孔31aが突起25を通過した時点で操作ノブ34の押し込みを止めると、突起25が貫通孔31aを通り抜けるとともに、板ばね31がコイルばね32の付勢を受けて凹部25aに係止される。
また、連設リング20の固定を解除する場合には、コイルばね32の付勢に抗してノブ本体34aを下向きに押し込む。すると、コイルばね32を圧縮して円柱部34bがガイド溝33aに沿って下降するので、板ばね31の貫通孔31aは先端部側へ移動して凹部25aとの係合が解除される。
すなわち、板ばね31の断面形状には、図5(b)に示すように、幅方向の両端が若干上向きに湾曲したコンベックス断面形状を採用しているので、突起25との係止が解除されることにより、自らの弾性により長手方向が直線に復帰する方向の力が作用する。このため、板ばね31の先端部は配管1の外周面側に密着する方向へ移動し、これとほぼ同時にノブ本体34aの押圧を解除すればコイルばね32の付勢を受けて操作ノブ34が押し上げられる。この結果、板ばね31は円柱部34bに引っ張られ、台座突起26が配管1の外周面との間に形成した空間を通って固定機構本体33側へ引き戻される。
こうして固定機構30を解除することにより、連設リング20の両端は分離されて直線状となるため、配管1から容易に取り外すことができる。
キャリブレーション台車50は、台車本体51に複数の走行車輪52を取り付けて走行可能とし、さらに、台車本体51には磁場を検出する複数のキャリブレーション用受信コイル(以下、「受信コイル」と呼ぶ)53を搭載した構成とされる。図示の構成例では、キャリブレーション台車50の台車本体51が四輪で走行するとともに、4個の受信コイル53を搭載している。
なお、走行車輪52の数については4輪に限定されるものではないが、安定走行を考慮すると4輪以上とすることが好ましく、また、受信コイル53の数についても、3次元の検出を可能にするため少なくとも3個以上設置することが好ましい。
台車本体51の走行方向側面には、上述したキャリブレーションガイド22に沿ってキャリブレーション台車50を走行させる平坦なガイド面54が形成されている。このガイド面54側においては、走行車輪52が平坦面から突出しないようにするため、車輪設置用の凹部55を形成してある。
また、キャリブレーションガイド22と反対側、すなわち、ガイド面54と反対側に配設された走行車輪52については、車軸52aが水平方向から上向きに傾斜して台車本体51に支持されていることが好ましい。このように支持された走行車輪52は、キャリブレーションガイド22に沿って走行することにより、キャリブレーション台車50をキャリブレーションガイド22側へ押し付ける方向の力を発生する。このため、キャリブレーション台車50は、キャリブレーションガイド22に沿う安定した走行が容易に可能となる。なお、走行車輪52の断面形状を略半円形状とすることにより、上述した安定走行はより一層容易になる。
また、キャリブレーション台車50は、移動量等の走行状態を検出する図示省略の走行状態検出手段を備えていることが好ましい。
この走行状態検知手段は、たとえばエンコーダにより実際の走行距離を検出したり、走行速度を一定に保って経過時間から移動距離を算出するものであり、キャリブレーション台車50の走行状態を正確に検出することにより、キャリブレーションにより得られた磁場情報に対応する位置をより正確に認識することができる。
上述した連設リング20及びキャリブレーション台車50は、コントローラ70及びパーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」と呼ぶ)71と信号ケーブル72を介して接続される。
コントローラ70は、送信コイル21及び受信コイル53と接続されることにより、送信コイル21で形成した磁場を受信コイル53で検出した磁場情報を受け、送信コイル21で形成した磁場と実際の磁場検出値とを比較した結果の差から、検査対象周辺磁場の歪みを測定することができる。測定された検査対象磁場の歪みは、たとえばエンコーダで検出したキャリブレーション台車50の走行状態とともにパソコン71に記憶され、後述する超音波探傷試験で超音波探触子80の位置補正に使用される。すなわち、検査対象磁場の歪みは、エンコーダで検出した位置情報とともに、超音波探傷試験で超音波探触子80の位置を検出する電磁式の位置検出手段に補正情報として与えられる。
ここで、キャリブレーション装置10によるキャリブレーション作業の手順を簡単に説明する。
最初に、検査対象となる溶接部2に沿って連設リング20を巻き付け、固定機構30により配管1に固定設置する。この結果、連設リング20は、溶接部2と略平行なキャリブレーションガイド22を形成する。
次に、キャリブレーション台車50をキャリブレーションガイド22に沿わせて走行させる。このとき、走行開始の起点を特定しておくことにより、たとえばエンコーダの検出値からキャリブレーション台車50の移動量が得られるので、この移動量との関係から受信コイル53で検出した磁場情報の正確な位置を特定することができる。
このようなキャリブレーション台車50の走行とともに、コントローラ70の制御により、送信コイル21で形成した磁場を受信コイル53が検出すれば、キャリブレーション台車50の移動量と関連づけて、検査対象磁場の歪み情報を溶接部2の全周にわたって得ることができる。
このようにしてキャリブレーション作業が終了すると、連設リング20はそのままの位置に固定して超音波探傷試験を実施する。
超音波探傷試験は、図7に示すように、キャリブレーション台車50に代えて超音波探触子80がコントローラ70に接続され、さらに、超音波探傷試験制御装置90とも接続される。超音波探触子80には複数の受信コイル81が設置され、上述したキャリブレーション台車50の場合と同様に、連設リング20側に設けられた送信コイル21で形成した磁場を超音波探触子80に設けた複数の受信コイルユニット81で検出する。この磁場検出は、超音波探触子80の位置を検出する電磁式の位置検出手段となる。なお、受信コイルユニット81には、少なくとも3個の受信コイルが内蔵されている。
また、超音波探触子80は、図示しない超音波検査部を備えており、発信した超音波の受信状況から傷等の異常を発見することができる。
超音波探触子80で検出した磁場情報は、超音波探傷の受信情報とともに超音波探傷試験制御装置90に入力される。このには、パソコン71に記憶された検査対象磁場の歪み情報(補正情報)がコントローラ70及び超音波探触子80を介して入力される。
この結果、超音波探傷試験制御装置90では、受信コイルユニット81の磁場情報から超音波探触子80の位置をリアルタイムで特定する場合、検査対象磁場の歪み情報を反映した正確な位置を得ることができる。このため、超音波探触子80で検出した超音波探傷試験の結果として、位置情報に合わせた超音波探傷の受信情報(受信結果)を表示部91にリアルタイムで表示することができる。すなわち、超音波探傷試験の結果を正確な位置とともにリアルタイムで表示できるようになるので、異常を発見した場合の位置特定が容易かつ正確になる。
ところで、上述した実施形態においては、連結係合手段として板ばね31が採用されているが、これに限定されることはなく、以下に説明する変形例が可能となる。
図8ないし図10に示す変形例では、板ばね31に代えて密着コイルばね40が採用されている。なお、以下の説明では、上述した実施形態と同様の構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
密着コイルばね40は、内部にワイヤ40aを挿入して密に形成されているコイルばねの一端を略U字状とし、図9及び図10に示すように、他端側をワイヤ40aで連結した細長いリング状に形成されている。リング状とした密着コイルばね41の一端には、係止孔41を形成するため、端部近傍に固定金具42が取付けられている。また、密着コイルばね41の他端近傍は、ビス43を締め込むことにより固定機構本体33に確実に固定されている。
このような構成の密着コイルばね40は、操作ノブ34を押し下げることにより弾性変形するので、係止孔41が突起25を通り抜けてから操作ノブ34の押し下げ操作を止めると、コイルばね32の作用により引き戻される。この結果、係止孔41が突起25の凹部25aに係止されてコイルばね32の付勢が係止状態を維持するので、配管1に対し連設リング20を容易に固定することができる。
また、連設リング20の固定状態から操作ノブ34を押し下げると、密着コイルばね40が先端部側へ移動して係止孔41は凹部25aの係止から開放されるので、自らの弾性により配管1の外周面側へ移動する。この状態で操作ノブ34の操作を止めると、密着コイルばね40がコイルばね32の付勢により引き戻されるので、連設リング20の固定は解除される。
このように、本発明のキャリブレーション装置10によれば、溶接部2等の検査対象に固定されている連設リング20のキャリブレーションガイド22に沿ってキャリブレーション台車50を走行させ、連設リング20の送信コイル21が形成した磁場をキャリブレーション用受信コイル53で検出することにより、検査対象周辺磁場の磁場情報を得ることができるので、この磁場情報を用いることにより、検査対象周辺磁場の磁場情報を事前に測定して歪み等を反映した補正情報を得るキャリブレーション作業を容易かつ正確に実施することが可能になる。従って、補正情報を用いて磁場の歪みを反映することにより、超音波探触子80の正確な位置をリアルタイムに検出できるようになり、超音波探触子80の正確な位置から超音波探傷により発見される異常の位置についても、リアルタイムで正確に把握して表示することができる。
また、連接式の連設リング20は、基材23の使用個数を変えることで外径の異なる配管2に共用して容易にキャリブレーションガイド22を形成することができるので、配管径毎に異なるキャリブレーションガイドを用意する必要がない。従って、キャリブレーション装置10の部品点数を低減し、低コストで利便性を向上させることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
本発明に係るキャリブレーション装置の一実施形態を示す図で、(a)は装置構成及びキャリブレーション作業の状態を示す斜視図、(b)はキャリブレーション台車の構成例を示す斜視図である。 図1に示したキャリブレーション装置の連設リングについて、固定機構及び取付状態を示す斜視図である。 図2のA−A断面図である。 図3のB部拡大図である。 図4に示した板ばねの構成例を示す斜視図であり、(a)は先端部側を示す斜視図、(b)は(a)のC−C断面図である。 キャリブレーション台車の走行車輪取付例を示す図である。 超音波探傷試験の様子を示す説明図である。 図3に示した板ばねの変形例として密接コイルばねを採用した構成例を示す断面図である。 図8の密接コイルばねについて、先端の係止孔周辺構造を示す拡大斜視図である。 密接コイルばねが屈曲した状態を示す図8のD矢視図である。
符号の説明
1 配管
2 溶接部(検査対象)
10 キャリブレーション装置
20 連接リング(ガイド形成部材)
21 送信コイル
22 キャリブレーションガイド
23 基材
24 ピン(連結部材)
25 突起
30 固定機構
31 コンベックス板ばね(連結係合手段)
31a 貫通孔
32 コイルばね
33 固定機構本体
34 操作ノブ
34a ノブ本体
34b 円柱部
40 密接コイルばね(連結係合手段)
40a ワイヤ
41 係止孔
50 キャリブレーション台車
51 台車本体
52 走行車輪
53 キャリブレーション用受信コイル
54 スライド面
70 コントローラ(制御手段)
80 超音波探触子
90 超音波探傷試験制御装置

Claims (4)

  1. 超音波探傷を行う検査対象周辺磁場の歪みを事前に測定して得られる磁場情報を、送信コイルで形成した磁場を受信コイルが検出して超音波探触子の位置を検出する電磁式の位置検知手段に補正情報として与えるキャリブレーション装置であって、
    前記送信コイルを備え、前記検査対象に固定してキャリブレーションガイドを形成するガイド形成部材と、
    前記送信コイルで形成した磁場を検出するキャリブレーション用受信コイルを備え、前記キャリブレーションガイドに沿って走行しながら前記磁場情報を検出するキャリブレーション台車と、
    前記送信コイル及び前記キャリブレーション用受信コイルの制御手段とを具備して構成したことを特徴とするキャリブレーション装置。
  2. 前記ガイド形成部材が、各々に前記送信コイルを備えた複数の基材を長手方向に回動可能に連結した連接式とされ、
    前記基材の一側端面を平坦に連結して前記キャリブレーションガイドを形成するとともに、
    前記基材の一端部側に設けた連結係合手段を他端側の複数の基材底面に設けられている突起の一つに係止し、前記連結係合手段に引張方向の付勢を与えて固定することを特徴とする請求項1に記載のキャリブレーション装置。
  3. 前記キャリブレーション台車が走行状態検出手段を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のキャリブレーション装置。
  4. 前記キャリブレーション台車は、前記キャリブレーションガイドと反対側に位置する走行車輪の車軸が水平方向から上向きに傾斜して支持されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のキャリブレーション装置。
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