JP2006003110A - パイプラインの欠陥位置特定方法並びにパイプラインのマーカー位置検出方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 パイプラインの欠陥位置を高精度に特定することができるパイプラインの欠陥位置特定方法を提供する。
【解決手段】 パイプライン1の中を走行する検査ピグ3によりパイプラインの欠陥及びマーカー位置を検出し記録する方法において、特定周波数の交流磁場を発生する発信コイル21をパイプラインの外側にパイプラインに対して垂直に設置し、前記検査ピグにはパイプラインに平行になるように受信コイル31を設け、この受信コイルにより前記交流磁場を検出し、その検出した磁場信号のうち特定周波数の信号をバンドパスフィルタ33により取り出し、当該信号を包絡線検波して得られた波形をマーカー信号として欠陥信号との相対位置関係を対応づけて記憶し、このマーカー信号の波形中心位置を基準に欠陥位置までの距離を求める。
【選択図】 図1
【解決手段】 パイプライン1の中を走行する検査ピグ3によりパイプラインの欠陥及びマーカー位置を検出し記録する方法において、特定周波数の交流磁場を発生する発信コイル21をパイプラインの外側にパイプラインに対して垂直に設置し、前記検査ピグにはパイプラインに平行になるように受信コイル31を設け、この受信コイルにより前記交流磁場を検出し、その検出した磁場信号のうち特定周波数の信号をバンドパスフィルタ33により取り出し、当該信号を包絡線検波して得られた波形をマーカー信号として欠陥信号との相対位置関係を対応づけて記憶し、このマーカー信号の波形中心位置を基準に欠陥位置までの距離を求める。
【選択図】 図1
Description
本発明は、検査ピグによって検出されるパイプラインの欠陥の位置を特定する方法並びにパイプライン上に設置されるマーカーの位置を検出する方法及びその装置に関する。
従来より、パイプラインの中を走行してパイプラインの腐食等の欠陥を検出し、欠陥の位置、大きさ等の欠陥情報を記録する装置として、一般に検査ピグと呼ばれる装置が使用されている。検査ピグには、例えば超音波センサを備えてその超音波センサによりパイプの肉厚の変化を検知することで、パイプラインの腐食等の欠陥を検出する。そして、検出された欠陥の位置を特定する手段として、タッチローラ式の距離計を使用する方法や、例えば特許文献1に示されるように、パイプライン上に反対極性の磁石を設置し、検査ピグに設けられた磁気センサにより磁気信号を検出してその信号波形のゼロクロス点を求める方法などがある。
パイプラインの欠陥の位置を正確に特定することは、パイプラインの補修のための掘削位置を正確に決めることができるため、きわめて重要である。
しかしながら、従来技術におけるタッチローラ式の距離計では、検査ピグに装備したタッチローラがパイプライン内面を倣いながらその回転数を計測して検査ピグの走行距離を計測するものであるため、タッチローラとパイプライン内面との間で滑りが発生すると、走行距離に誤差が発生することになる。特にパイプラインが長距離の場合においては、誤差の蓄積が大きくなるため走行距離の計測精度が悪くなる。その結果、検査ピグで計測している欠陥の位置の精度も悪くなる。
一方、特許文献1に示されるような反対極性の磁石と磁気センサを使用した磁石マーカーの方法では、パイプラインに沿って設置する反対極性の磁石の強度に差がある場合、極性反転位置が2つの磁石を設置した中心とはならない。そのため、マーカー設置位置が一意に定まらず、マーカー設置位置を基準として計測される欠陥位置の精度が悪くなるという問題や、外乱磁場によるノイズ信号のため誤検知が生じるという問題がある。
しかしながら、従来技術におけるタッチローラ式の距離計では、検査ピグに装備したタッチローラがパイプライン内面を倣いながらその回転数を計測して検査ピグの走行距離を計測するものであるため、タッチローラとパイプライン内面との間で滑りが発生すると、走行距離に誤差が発生することになる。特にパイプラインが長距離の場合においては、誤差の蓄積が大きくなるため走行距離の計測精度が悪くなる。その結果、検査ピグで計測している欠陥の位置の精度も悪くなる。
一方、特許文献1に示されるような反対極性の磁石と磁気センサを使用した磁石マーカーの方法では、パイプラインに沿って設置する反対極性の磁石の強度に差がある場合、極性反転位置が2つの磁石を設置した中心とはならない。そのため、マーカー設置位置が一意に定まらず、マーカー設置位置を基準として計測される欠陥位置の精度が悪くなるという問題や、外乱磁場によるノイズ信号のため誤検知が生じるという問題がある。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたもので、パイプラインの欠陥位置を高精度に特定することができるパイプラインの欠陥位置特定方法を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、パイプライン上に設置されるマーカー発信器の位置を正確に検出することができるマーカー位置検出方法及び装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、パイプライン上に設置されるマーカー発信器の位置を正確に検出することができるマーカー位置検出方法及び装置を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明に係るパイプラインの欠陥位置特定方法は、パイプラインの中を走行する検査ピグによりパイプラインの欠陥及びマーカー位置を検出し記録する方法において、特定周波数の交流磁場を発生する発信コイルをパイプラインの外側にパイプラインに対して垂直に設置し、前記検査ピグにはパイプラインに平行になるように受信コイルを設け、この受信コイルにより前記交流磁場を検出し、その検出した磁場信号のうち特定周波数の信号をバンドパスフィルタにより取り出し、当該信号を包絡線検波して得られた波形をマーカー信号として欠陥信号との相対位置関係を対応づけて記憶し、このマーカー信号の波形中心位置を基準に欠陥位置までの距離を求めることを特徴とするものである。
また、本発明に係るパイプラインのマーカー位置検出方法は、パイプラインの中を走行する検査ピグによりパイプラインの欠陥及びマーカー位置を検出し記録する方法において、特定周波数の交流磁場を発生する発信コイルをパイプラインの外側にパイプラインに対して垂直に設置し、前記検査ピグにはパイプラインに平行になるように受信コイルを設け、この受信コイルにより前記交流磁場を検出し、その検出した磁場信号のうち特定周波数の信号をバンドパスフィルタにより取り出し、当該信号を包絡線検波して得られた波形をマーカー信号として欠陥信号との相対位置関係を対応づけて記録することを特徴とする。
また、本発明に係るパイプラインのマーカー位置検出装置は、パイプラインの中を走行してパイプラインの欠陥及びマーカー位置を検出し記録する検査ピグにおいて、パイプラインの外側にパイプラインに対して垂直に設置された特定周波数の交流磁場を発生する発信コイルと、パイプラインに平行になるように前記検査ピグに設けられ前記交流磁場を検出する受信コイルと、前記受信コイルが検出した磁場信号のうち前記発信コイルが発する特定周波数の信号を通すバンドパスフィルタと、当該信号を包絡線検波してマーカー信号を生成する包絡線検波回路手段と、前記マーカー信号を欠陥信号との相対位置関係を対応づけて記録する記憶装置とを備えたことを特徴とする。
本発明は、上記のように構成されているので、パイプライン上に設定されるマーカー位置を正確に検出することができる。したがって、このマーカー位置すなわちマーカー信号の波形中心位置を基準に欠陥位置までの距離を求めることにより、タッチローラ式の距離計により計測された検査ピグ走行距離の誤差の累積が少なくなるので、欠陥位置をきわめて高精度に特定することができる。
以下、本発明の実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態によるパイプラインの欠陥位置特定方法を実施する装置の構成図である。なお、図1にはマーカー位置を示すマーカー信号の波形が付記してある。
図1において、1はパイプラインである。このパイプライン1の外側に近接してマーカー発信器2がある間隔(例えば、1kmごとの間隔)で設置される。マーカー発信器2は、パイプライン1に対して垂直に設置される発信コイル21と、発信コイル21から特定周波数の交流磁場を発生するようにした特定周波数発信装置22とから構成されている。また、発信コイル21には、ここでは図示していないが、磁場強度を増加させるためにコアを設けてもよい。特定周波数は特に限定するものではないが、ここでは商用周波数よりも低い周波数を使用している。
一方、パイプライン1の中を流体圧力により移動しながらパイプライン1の腐食等の欠陥を検出し、記録する検査ピグ3には、受信コイル31がパイプライン1に平行に設けられる。したがって、この受信コイル31と上記発信コイル21は、コイル中心軸が直交するように設けられる。さらに、検査ピグ3は、受信コイル31が検出した磁場信号を処理する検出装置32と、受信コイル31が検出した磁場信号のうち上記特定周波数の信号のみを通すバンドパスフィルタ33と、バンドパスフィルタ33からの入力信号を包絡線検波することにより2山波形4を持つマーカー信号を生成する包絡線検波回路手段34と、マーカー信号と欠陥信号との相対位置関係を対応づけて記録する記録装置35と、欠陥検出装置36と、検査ピグ3の走行距離を計測するタッチローラ式の距離計37とを備えている。距離計37には図示しないエンコーダが取り付けられており、距離計37のローラ回転数をエンコーダによりパルスに変換し、このパルス数をカウントすることにより走行距離に換算する。この走行距離の算出や受信コイル31の信号処理、欠陥検出装置36の信号処理等は検査ピグ3に内蔵された制御手段(図示せず)によって行われる。
このマーカー位置検出装置は、上記のように構成されているので、検査ピグ3がマーカー発信器2の直下を通過するとき、検査ピグ3に設けられた受信コイル31がマーカー発信器2の発信コイル21から発せられる交流磁場を検出する。発信コイル21はパイプライン1に対して垂直に設置されており、受信コイル31はパイプライン1に平行に設けられているので、受信コイル31はパイプライン1に平行な方向の磁場強度成分を検出し、パイプライン1に垂直な方向の磁場強度成分は検出されない。この受信コイル31が検出した磁場信号のうち特定周波数の信号のみをバンドパスフィルタ33で取り出し、さらに包絡線検波回路手段34によって全波検波し、その信号波形のプラス側のみの包絡線をとると、図1に示すような2山のピークを持つ波形4(交流磁場分布)が得られる。この波形4は、発信コイル21の中心線23上に谷を持ち、中心線23に対称に2つの山を持つものとなるので、波形4から谷の位置を検出する(あるいは2つの山のピーク中心位置を求める)ことにより発信コイル21の中心位置すなわちマーカー位置(マーカー信号波形の中心位置)23を検出することができる。
したがって、上述のように検出あるいは求めたマーカー位置(マーカー信号波形の中心位置)23を基準とすることで、欠陥の位置を高精度に特定することが可能となる。また、このマーカー信号は、バンドパスフィルタ33を通過させた特定周波数の信号をもとに生成されるので、外乱磁場によるノイズは含まれず、したがってノイズ信号に起因する誤検出は生じない。
次に、本発明のパイプラインの欠陥位置特定方法を図2により説明する。図2にはさらに、欠陥検出のためのサンプリング間隔や、距離データ、マーカー信号、欠陥信号の関係が示されている。
図2において、5はパイプライン1の欠陥、6は検査ピグ3のピグ発射部、7は検査ピグ3のピグ回収部である。
図2において、5はパイプライン1の欠陥、6は検査ピグ3のピグ発射部、7は検査ピグ3のピグ回収部である。
パイプライン1の検査区間において、ピグ発射部6から検査ピグ3を入れて発射し、ピグ回収部7から検査ピグ3を回収する。その後、検査ピグ3の記録装置35に記録されている各種の情報を分析することにより、マーカー位置や欠陥の有無・位置・大きさ・深さ等を検知する。
パイプライン1の検査にあたっては、検査ピグ3のスタート位置から終了位置までの全検査区間を一定の間隔(例えば、パイプライン1の軸方向に3mm間隔)でサンプリングするようになっている。検査ピグ3に搭載されている欠陥検出装置36は、例えば超音波を利用してパイプライン1の腐食等の欠陥5を検出する。また、サンプリング毎に欠陥の有無や深さ等を記録装置35に記録する。
マーカー発信器2a、2b、・・・は、検査前にあらかじめ、前述のように所定の間隔で発信コイル21がパイプライン1に対して垂直になるようにパイプライン1に沿って設置されている。そして、検査ピグ3に設けられた受信コイル31が発信コイル21からの特定周波数の交流磁場を検出すると、前述のようにバンドパスフィルタ33で特定周波数の磁場信号のみを通した上で2山のピークを持つ波形からなるマーカー信号を包絡線検波回路手段34によって生成する。このマーカー信号もサンプリング毎に記録装置35に記録される。したがって、記録装置35に記録されたマーカー信号は、同じく記録装置35に記録された欠陥信号との相対位置関係がサンプリング間隔で対応づけられている。
一方、検査ピグ3に設けられた距離計36により計測された距離データは、同じくサンプリング毎に距離パルスを積算しその積算カウント値を記録装置35により記録することにしている。
パイプライン1に欠陥5があると、欠陥検出装置36はその欠陥5を検出し、欠陥信号を出力する。以上の3つのデータすなわち距離データ、マーカー信号、欠陥信号はサンプリング毎に同時に記録される。
パイプライン1に欠陥5があると、欠陥検出装置36はその欠陥5を検出し、欠陥信号を出力する。以上の3つのデータすなわち距離データ、マーカー信号、欠陥信号はサンプリング毎に同時に記録される。
したがって、検査ピグ3を回収後、記録装置35に記録されている上記3つのデータからマーカ位置及び欠陥位置を正確に検知することができる。
すなわち、検査ピグ3のスタート位置から欠陥位置までの距離L1は、タッチローラ式の距離計36では前述のようにパイプライン1が長くなればなるほど誤差が累積して計測精度が悪くなるが、欠陥位置に最も近いマーカー発信器(例えば2aのマーカー発信器)から欠陥位置までの距離L2を計測することにより、同じタッチローラ式の距離計36であっても距離が短いため誤差の累積が非常に少なくなるので、欠陥位置をきわめて正確に特定することができる。
すなわち、検査ピグ3のスタート位置から欠陥位置までの距離L1は、タッチローラ式の距離計36では前述のようにパイプライン1が長くなればなるほど誤差が累積して計測精度が悪くなるが、欠陥位置に最も近いマーカー発信器(例えば2aのマーカー発信器)から欠陥位置までの距離L2を計測することにより、同じタッチローラ式の距離計36であっても距離が短いため誤差の累積が非常に少なくなるので、欠陥位置をきわめて正確に特定することができる。
1 パイプライン
2 マーカー発信器
3 検査ピグ
4 マーカー信号波形
5 欠陥
6 ピグ発射部
7 ピグ回収部
21 発信コイル
22 特定周波数発信装置
23 マーカー位置
31 受信コイル
32 検出装置
33 バンドパスフィルタ
34 包絡線検波回路手段
35 記録装置
36 欠陥検出装置
37 距離計
2 マーカー発信器
3 検査ピグ
4 マーカー信号波形
5 欠陥
6 ピグ発射部
7 ピグ回収部
21 発信コイル
22 特定周波数発信装置
23 マーカー位置
31 受信コイル
32 検出装置
33 バンドパスフィルタ
34 包絡線検波回路手段
35 記録装置
36 欠陥検出装置
37 距離計
Claims (3)
- パイプラインの中を走行する検査ピグによりパイプラインの欠陥及びマーカー位置を検出し記録する方法において、特定周波数の交流磁場を発生する発信コイルをパイプラインの外側にパイプラインに対して垂直に設置し、前記検査ピグにはパイプラインに平行になるように受信コイルを設け、この受信コイルにより前記交流磁場を検出し、その検出した磁場信号のうち特定周波数の信号をバンドパスフィルタにより取り出し、当該信号を包絡線検波して得られた波形をマーカー信号として欠陥信号との相対位置関係を対応づけて記憶し、このマーカー信号の波形中心位置を基準に欠陥位置までの距離を求めることを特徴とするパイプラインの欠陥位置特定方法。
- パイプラインの中を走行する検査ピグによりパイプラインの欠陥及びマーカー位置を検出し記録する方法において、特定周波数の交流磁場を発生する発信コイルをパイプラインの外側にパイプラインに対して垂直に設置し、前記検査ピグにはパイプラインに平行になるように受信コイルを設け、この受信コイルにより前記交流磁場を検出し、その検出した磁場信号のうち特定周波数の信号をバンドパスフィルタにより取り出し、当該信号を包絡線検波して得られた波形をマーカー信号として欠陥信号との相対位置関係を対応づけて記録することを特徴とするパイプラインのマーカー位置検出方法。
- パイプラインの中を走行してパイプラインの欠陥及びマーカー位置を検出し記録する検査ピグにおいて、パイプラインの外側にパイプラインに対して垂直に設置された特定周波数の交流磁場を発生する発信コイルと、パイプラインに平行になるように前記検査ピグに設けられ前記交流磁場を検出する受信コイルと、前記受信コイルが検出した磁場信号のうち前記発信コイルが発する特定周波数の信号を通すバンドパスフィルタと、当該信号を包絡線検波してマーカー信号を生成する包絡線検波回路手段と、前記マーカー信号を欠陥信号との相対位置関係を対応づけて記録する記憶装置とを備えたことを特徴とするパイプラインのマーカー位置検出装置。
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-
2004
- 2004-06-15 JP JP2004177048A patent/JP2006003110A/ja not_active Withdrawn
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