JP4576044B2 - 研磨機の集塵装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、研磨機から排出される塵埃を集塵するための研磨機の集塵装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えばパチンコ遊技機において用いられている研磨機では、汚れたパチンコ玉を綿布や不織布などの研磨布を用いて研磨することが知られている。この研磨布とパチンコ玉とが擦られ、この時に研磨布、例えば不織布から毛羽である繊維状の塵埃が発生し、発生した繊維状の塵埃その他の塵埃は、研磨直後に、研磨機の上部に接続されている集塵装置によって集塵処理されている。この集塵装置では、吸気ファンの吸引力によって集塵ボックス内に塵埃を含むエアを集塵気流として引き込み、やがて吸気パイプを介して集塵機へ集塵される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来例によると、集塵ボックスに設けてあるパチンコ玉の排出口が常に開放された状態にあり、この排出口付近の吸気量は多いものの吸気抵抗が小さく、集塵気流の速度が低下し、集塵効率が高まらない課題があった。また排出口から入る吸気流は集塵ボックス内に流入すると集塵気流となるが、排出口の底部側を移動するパチンコ玉の上方を流れるためにパチンコ玉に付着していたり、パチンコ玉の間に沈んでいる繊維状の塵埃を集塵する機能が十分発揮されない不都合があった。
この発明の目的は繊維状の塵埃その他の塵埃を効率的に集塵することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る集塵装置は、研磨機の上部に取付けてある集塵ボックスと、この集塵ボックス内部に形成されかつ仕切りによって仕切られている吸気室及び排気室とを具備し、上記仕切りに上記吸気室と上記排気室とを連結する通気孔を設けているものである。上記吸気室は上記研磨機側が研磨機本体と通じる開口部となっており、側壁側に上記研磨機本体から研磨されたパチンコ玉の排出口を設けてあり、このパチンコ玉の排出口にはこれを開閉可能であると共に上記排出口から上記パチンコ玉を排出可能であるシャッターを設けてある。上記排気室には吸気手段に通じる排気口を設けている。
上記シャッターは支持軸を回転中心として回転可能に設けられており、上記シャッターを分割して複数の遮蔽板でこれらの遮蔽板を回転可能に構成することにより、パチンコ玉の排出中に、排出口からの吸気流を効果的に制御することができる。
上記排出口の出口部には、上記遮蔽板の下端部との間に隙間があけられている。
上記通気孔は上記研磨機の上側に配置されている複数の第1の通気孔と上記パチンコ玉の排出口近傍に配置されている第2の通気孔とからなるものとすることにより、集塵気流の移動が円滑に行われ、さらに第2の通気孔をスリット状等孔径を狭くすることによって、パチンコ玉の排出口からの吸気抵抗を高めつつ集塵気流の速度を速めることができる。
仕切りには、パチンコ玉の排出口に向けて下がり勾配である傾斜部を形成することにより、排気室への集塵気流の移動が促進される。
【0005】
【作用】
吸気手段の吸引力によってパチンコ玉の排出口から外気が吸引され、吸気流となってパチンコ玉に付着されている繊維状の塵埃を吸引してまたは吸気室に沈んでいる比較的重い繊維状の塵埃を吸上げ、吸気流は集塵気流となって吸気室の通気孔を経て排気室へ流れて排気口から排出される。排出口を開閉するシャッターの存在により、吸気流の吸気抵抗が高められて集塵気流の速度が増して集塵効率が向上する。
【0006】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態について図面を参照し説明する。
図1乃至図3において、この発明に係る集塵装置は集塵ボックス1と、この集塵ボックス内に形成されている吸気室2と排気室3とを具備しており、吸気室2と排気室3とは仕切り4によって仕切られている。
集塵ボックス1は研磨機Kの上部に取付けられており、研磨機本体Kaによって研磨されるパチンコ玉と共に研磨機本体から排出されてくる繊維状の塵埃を含んでいる塵埃を受入れるものである。
集塵ボックス1内において、図1下側に配置されている吸気室2は下部側である研磨機K側が開口部5となっており、この開口部は研磨機本体Kaと通じている。このように、吸気室2は開口部5を介して研磨機K内の上部と連続している。吸気室2の図1右側の側壁にはパチンコ玉の排出口6が形成されている。排出口6からは研磨機本体Kaで研磨されたパチンコ玉が補給樋(図示せず。)へ向けて流出する。パチンコ玉の排出口6は、その出口部にこれを開閉可能なシャッター7を取付けてある。シャッター7は図示の例では複数の遮蔽板7aで構成されている(図3)。遮蔽板7aは上部の支持軸8を回転中心として排出口6を開閉できるようになっている。排出口6の出口部には、遮蔽板7aのその下端部との間に隙間6aがあけられている。シャッター7はパチンコ玉の排出口6を閉じた状態でも図1に示すようにパチンコ玉Pを排出可能であり、また図4に示すように排出口の出口部でのパチンコ玉Pの量が多い状態ではパチンコ玉Pが重なりあうために、各遮蔽板7aがパチンコ玉Pに押されて開く状態となり、出口部からパチンコ玉を排出できる。排出口6の出口部からは集塵ボックス1外から外気は吸気流となって集塵ボックス内へ流入可能である。排出口6にパチンコ玉Pが流出しない場合には、外気は隙間6aから流入し、流出している場合には遮蔽板7a間、遮蔽板とパチンコ玉Pとの間またはパチンコ玉とパチンコ玉の間から流入可能である。
また吸気室2には、パチンコ玉の排出口6とは研磨機本体Kaを挟んで反対側(図1左側)に吸気孔9を設けてある。吸気孔9からは集塵ボックス1外からの外気が吸気流となって集塵ボックス内へ流入可能である。
図1に示すように吸気室2と排気室3との間における仕切り4には、両室を連通するための通気孔(図1では第1の通気孔10及び第2の通気孔11)を設けてある。第1の通気孔10は研磨機本体Kaの上方に複数(図2では2)設けられている。第1の通気孔10は丸孔状に形成され、孔内部にフィン12が複数枚内周方向に間隔をおいて設けられている。各フィン12は第1の通気孔10の孔中心に向けて突出されており、孔内を細分化して集塵気流の吸気速度を増す役割を果たしている。第2の通気孔はスリット状に形成されており(図2)、パチンコ玉の排出口6の近傍に設けられている。仕切り4は、図1右側が排出口6側に向けて下がり勾配の傾斜部4aとなって、第2の通気孔11から吸気される集塵気流の上昇を円滑するようにしている。
排気室3には排気口である排気管13を設けてある。排気管13は吸気ファンなどからなる吸気手段14(図2)に通じている。13aは排気管13の端部である。吸気手段14の吸引力によって排気室3に流入した集塵気流は排気管13から集塵ボックス1外へ流出する。
【0007】
次に作用について説明する。
集塵ボックス1内には、開口部5を通じて研磨機本体Kaによって研磨されたパチンコ玉と共に繊維状の塵埃が他の塵埃と一緒に運ばれてくる。
図1に示すように、パチンコ玉Pが排出口6を流れて、シャッター7によって排出口6の出口部が閉じられている場合には、吸気手段14の吸引力によって、集塵ボックス1外から外気は排出口6に吸い込まれ、吸気流となって吸気室2に入って集塵気流A1,A2として作用する。一方の集塵気流A1は第1の通気孔10を経て排気室3に至り、他方の集塵気流A2は第2の通気孔11を経て排気室3に至り、この排気室で集塵気流A1,A2及び後述する集塵気流A3と合流して排気管13へ流出する。また吸気孔9から吸気室2に入った吸気流は集塵気流A3となって吸気室2から第1の通気孔10を経て排気室3を通過して集塵気流A1,A2と共に排気管13へ流出される。
上記のような場合であっても、排出口6の出口部がシャッター7によって閉じられた状態にあるものの遮蔽板7aが回転可能であるためにパチンコ玉Pは排出可能である。そしてこの状態において、吸気量が少なくなる反面、排出口6における吸気抵抗が高まるので、排出口6を通過する集塵気流A1,A2は風速を増し、しかも速い速度で排出されるパチンコ玉Pに向かって流れることにより、パチンコ玉に付着した繊維状の塵埃を上方に吸引するため、集塵効率が向上する。
さらに第2の通気孔11は排出口6の近傍に位置し、孔径が狭くスリット状に形成されているので、第2の通気孔を通過する集塵気流A2の風速が速められ、比較的重い繊維状の塵埃を吸い上げかつ傾斜部4aに沿って排気管13に向けて上昇が促進されるので、集塵効率が一層高められる。
図1に示すように、パチンコ玉Pの玉量が少ない状態では、排出口6の出口部ではパチンコ玉が重ならないので、シャッター7が閉じている状態でも、パチンコ玉の排出は可能である。
またパチンコ玉Pの排出量が多い場合には、図4に示すように、パチンコ玉Pは排出口6の出口部付近で重なるために、遮蔽板7aがパチンコ玉によって図4右方に押されるためにシャッター7が開いた状態でパチンコ玉が排出される。このため、排出口6付近の集塵気流A1,A2は、吸気抵抗の減少は避けられないが、風量を増すことができ、そして排出されるパチンコ玉Pの近くを流れることにより、パチンコ玉に付着した繊維状の塵埃を剥ぎ取ることができ、集塵効率が向上する。この場合も、排出口6の近傍に位置しているスリット状の第2の通気孔11の存在によって、集塵気流A2の風速が速められて比較的重い繊維状の塵埃を吸い上げかつ傾斜部4aに沿って排気管13に向けて上昇が促進されるので、集塵効率が一層高められる。
【0008】
図示する例において、シャッター7はこれを分割して複数の遮蔽板7aで構成され、パチンコ玉の排出量に応じて開閉でき、一部でパチンコ玉が重なっている場合でも、必要以外の遮蔽板7aは開放されず、吸気流を効果的に制御している。
【0009】
【発明の効果】
この発明によれば、パチンコ玉の排出口にこれを開閉するシャッターを設けて集塵ボックス内へ入る吸気抵抗を高めて集塵気流の速度を増すことができるので、集塵効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のI−I線断面図である。
【図2】この発明の集塵装置の平面図である。
【図3】図2の右側面図である。
【図4】パチンコ玉量が多い状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 集塵ボックス
2 吸気室
3 排気室
4 仕切り
5 開口部
6 パチンコ玉の排出口
6a 隙間
7 シャッター
7a 遮蔽板
8 支持軸
9 吸気孔
10 第1の通気孔(通気孔)
11 第2の通気孔(通気孔)
13 排気管(排気口)
14 吸気手段

Claims (4)

  1. 研磨機の上部に取付けてある集塵ボックスと、
    この集塵ボックス内部に形成されかつ仕切りによって仕切られている吸気室及び排気室とを具備しており、
    上記吸気室は、上記研磨機側が研磨機本体と通じる開口部となっており、側壁側に上記研磨機本体から研磨されたパチンコ玉の排出口を設けてあり、このパチンコ玉の排出口にはこれを開閉可能であると共に上記排出口から上記パチンコ玉を排出可能であるシャッターを設けてあり、
    上記排気室には吸気手段に通じる排気口を設けてあり、
    上記仕切りには、上記吸気室とこの吸気室の上側に位置している上記排気室とを連結する通気孔を設けてあり、
    上記シャッターは、上記パチンコ玉の排出方向と交差する幅方向に複数分割され、支持軸を回転中心として回転可能に設けられている複数の遮蔽板からなり、
    上記排出口の出口部には上記遮蔽板の下端部との間に隙間があけられており、
    上記通気孔は、上記研磨機の上側に配置されている複数の第1の通気孔と、上記パチンコ玉の排出口近傍に配置され、上記シャッターの幅方向に沿って長いスリット状に形成されていると共に、上記排出口の幅に対応する長さを有する第2の通気孔とからなる
    ことを特徴とする研磨機の集塵装置。
  2. 仕切りには、パチンコ玉の排出口に向けて下がり勾配である傾斜部を形成してあり、この傾斜部に第2の通気孔が開けられていることを特徴とする請求項1記載の研磨機の集塵装置。
  3. 第1の通気孔は丸孔形状に形成されており、孔内部に複数枚のフィンを内周方向に間隔を置いて設けてあり、各フィンを孔中心に向けて突出させてあることを特徴とする請求項1は請求項2記載の研磨機の集塵装置。
  4. 吸気室には、パチンコ玉の排出口とは研磨機本体を挟んで反対側に吸気孔を設けてあることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の研磨機の集塵装置。
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