JP4575238B2 - 引き込みユニット - Google Patents
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引き込み装置の基体に移動自在に支承された移動部材の直線移動を回転運動に変換するのにラックギアとピニオンギアを利用する構成を採用する場合、2つの方法が考えられる。第1の方法は、図17に示すように、移動部材2側に長尺のラックギア22を取付け、固定側(基体12)側に回転型ダンパ4を取付け、回転型ダンパ4の回転部に設けた歯車20を上記ラックギア22の歯部に噛合せしめる方法であり、第2の方法は、固定側(基体側)に長尺のラックギアを取付け、移動部材側に回転型ダンパを取付け、回転型ダンパの回転部に設けた歯車を上記ラックギアの歯部に噛合せしめる方法である(例えば特許文献1参照)。
図18と図19及び図20と図21は、第2の方法を採用した従来装置を示している。
一方、第2の方法を採用した場合は、図18及び図20に示すように、移動部材2は回転型ダンパ4を搭載した状態で基体12に形成された移動経路を移動することになる。この場合、移動部材2には、上記移動部材2に、被引き込み部材に設けられた突起部6の移動経路に突出して設けられ、上記被引き込み部材に設けられた突起部6が、その一方向の移動経路において係合可能な第1係合部8と、その他方向の移動経路において係合可能な第2係合部10とを設ける必要があり、移動部材2に回転型ダンパ4を搭載する位置によって、図18に示す従来装置のように、上記第1係合部8と第2係合部10とが上記回転型ダンパ4搭載位置に対して、上記移動部材2の移動方向に対して幅方向d、上記移動部材2の移動方向X、若しくは、図20,21に示す従来装置のように、上記移動部材2の移動方向に対して直角方向Yに突出して配置せざるを得ない。
本件引き込み装置を、抽斗、引き戸等引き出し装置の設計段階から組み付け設計をし生産する場合においては、引き込み装置部分の占めるスぺ−スが大きくなってしまっても設計は可能であろうし、それほど大きな問題となることもない。しかしながら、既に完成された抽斗、引き戸等に、後から引き込み装置を取付けようとした場合即ち、引き込み装置をそれ自体ユニットとして考えた場合においては、既に完成された抽斗引き戸等に引き込み装置ユニットを配置するスペースに制限があり、引き込み装置ユニットを配置するスペースが充分にないものも多く存在することになる。そして、そのようなものの場合には、引き込み装置ユニットを組み込むこと自体が不可能となってしまう。
以上の状況に鑑み、本件発明は、引き込み装置ユニットを極力小型化し、既存の抽斗、引き戸等にこれを組み込むことができる可能性を大幅に高く出来る様にすることを目的とする。
また本発明は、前記直線方向保持手段と周面対面保持手段は、前記基体に前記周面体から一定距離離れた位置に回転自在に反転部材を設け、該反転部材と前記周面体との間に無端状に形成した長尺状伝達部材を掛け渡した構成とし、該無端状の長尺状伝達部材が前記周面体と反転部材間で直線的に保持されるとともに、該長尺状伝達部材が前記周面体に対面するようにしたものである。
また本発明は、前記直線方向保持手段は、前記長尺状伝達部材を直線方向にスライド自在に規制する規制面を有するガイド部材により構成され、前記周面対面保持手段は、前記周面体の周面に沿ってこれに対向して形成された規制面を有するガイド部材によって構成され、前記長尺状伝達部材が該規制面により規制されて少なくとも前記移動部材の移動ストロークの範囲内において、直線的に保持されるとともに前記周面体の周面に対面するようにし、前記長尺状伝達部材を両端が開放された部材としたものである。
また本発明は、前記周面体の周面に歯車を形成し、前記長尺状伝達部材は、その全移動工程において前記周面体の歯車に噛み合うフレキシブルな歯付きベルトであることを特徴とするものである。
また本発明は、前記長尺状伝達部材はタイミングベルトであることを特徴とするものである。
また本発明は、前記回転型ダンパは、ケーシングと軸部材との間の相対回転に抵抗力を与える抵抗手段を内蔵した有限角の回転オイルダンパであり、前記ケーシングと軸部材とのいずれか一方が前記基体に対して回転不能に構成され、いずれか他方はこれに対して相対回転可能であることを特徴とするものである。
また本発明は、前記長尺状伝達部材を一方向に付勢する付勢手段は、前記移動部材に一端が取り付けられ、前記基体に他端が取り付けられたスプリングであり、前記スプリングの前記移動部材に対する取付部と前記基体に対する取付部との間において前記スプリングの向きが変更するように前記基体に前記スプリングの向きを変更させるためのガイド部材を設けたものである。
図1において、31は、本発明に係る引き込みユニット30の基体であり、ケーシングを兼ねている。該基体31は樹脂の成型品であり、図2、図3に示すように、本体部32と、これの一部の開放部に固定されたカバー34とからなり、該基体31の収納空間部内に、後述する引き込み構成要素が収納配置され、基体31及びこれらの構成要素が全体として、引き込み装置として単一化(ユニット化)されている。前記基体31の両側壁部32a,32bには、移動部材ガイド用の溝36が形成されている。前記溝36は、基体31の長手方向に沿って伸びる直線部分36aと、これに対して略直角な係止部分36b、該係止部分36bと直線部分36aとの連結部に形成されたわん曲部36cとを備えている。
次に図9、図13及び図14を参照して、引き込みユニット30を引き出し装置に取り付けたときの引き込み動作について説明する。尚、図13は、引き出し装置を真上から見た状態を示し、図14は、引き出し装置を真横から見た状態を示している。図13の(A)〜(D)の状態は、それぞれ図14の(A)〜(D)の状態に対応している。
図13において、90は、抽斗、引き戸等の引き出し装置の外箱(本体)であり、これに引き出し92が出し入れ自在に嵌合している。ここで引き出し92は、抽斗、引き戸等の移動体を示している。
上記した状態において、引き出し92を外箱90の中に、手操作により、挿入し、引き出し92が、所定位置まで、図13中、矢方向に移動すると、突起部6が、図9Aに示すように、係合部材42の第1係合部58に当接する。
まず、引き出し92を図15中、矢方向で示す、閉める方向に手作業により押動し、突起部6を、非常用係合部材62の傾斜面62aに衝突させ(図15B、図16参照)、なおも、引き出し92を図15Cに示すように、奥方向に押動すると、突起部6により、係合部材62は、ばね部64の弾力に抗して、基体31から引っ込む方向に押動される。
上記第1と第2の実施形態では、いずれも、移動部材の直線往復運動を回転型ダンパの回転側の回転運動に変換する動力伝達手段としてタイミングベルトとタイミングベルト用プーリを使用したが、本発明の実施に際しては、フレキシブルな長尺状伝達部材であれば、タイミングベルトに特に限定されるものではなく、チェーンや、単なる摩擦面を有するベルトであっても良く、また、これらに対応したプーリなどの周面体を用いることができる。
また、両端開放の長尺状伝達部材を用いた第2の実施形態において、摩擦によるフレキシブルな長尺状伝達部材を利用し、且つ、無限角の回転型ダンパを利用した場合には、一方向のみにダンパの効果を発揮せしめる場合においても、一方クラッチを介在せしめることなく、一方向のみにダンパ効果を発揮させることができる。
尚、移動部材38を一方向に付勢する手段は、コイルスプリングに特に限定されるものではなく、ゼンマイばねその他の付勢手段を用いることができる。
4 回転型ダンパ
6 突起部
8 第1係合部
10 第2係合部
12 基体
14 支持プロック
16 支持ブロック
18 ばね
20 ピニオンギア
22 ラックギア
24 スライダ
26 係合部材
28 保持体
30 引き込みユニット
31 基体
32 本体部
34 カバー
36 溝
36a 直線部分
36b 係止部分
36c わん曲部
38 移動部材
40 スライダ
42 係合部材
44 嵌合凸部
46 嵌合凸部
48 嵌合凸部
50 嵌合凸部
52 穴
54 穴
56 チャック部
58 第1係合部
60 第2係合部
62 係合部材
64 ばね部
66 第3係合部
68 回転型ダンパ
70 軸部
72 外枠
74 周面体
76 反転部材
78 長尺状伝達部材
80 チャック部
82 引込スプリング
84 取付具
86 取付具
88 ばねガイド
90 外箱
92 引き出し
94 ガイド部
Claims (7)
- 引き出し装置の突起部と係合して引き出しを所定方向に移動させるための引き込みユニットであって、基体と、該基体に取り付けられた回転型ダンパと、該回転型ダンパの制動力が作用する該回転型ダンパの回転側に設けられた周面体と、直線方向に伸びる部分と前記周面体の周面に対面する部分とを有し前記周面体との間に摩擦あるいは係合構造が形成され前記直線部分の少なくとも一方向の移動運動を前記周面体の回転運動に変換するためのフレキシブルな長尺状伝達部材と、該長尺状伝達部材の一部分を一定範囲内で直線的に保持させるための直線方向保持手段と、前記長尺状伝達部材の他の部分を前記周面体に対面させるための周面対面保持手段と、前記長尺状伝達部材を一方向に付勢する前記基体側に設けられた付勢手段と、前記長尺状伝達部材の直線部分に連結された移動部材と、該移動部材を前記基体に沿って所定のストロークの範囲内で直線的に移動自在に案内する移動部材案内機構と、前記突起部が前記移動部材に対して一方向に相対移動するとき該突起部に係合するための前記移動部材に設けられた第1係合部と、前記突起部が前記移動部材に対して他の方向に相対移動するとき該突起部に係合するための前記移動部材に設けられた第2係合部と、前記付勢手段の付勢力に抗した前記移動部材の移動方向の移動端において該移動部材の移動を解除可能に係止するとともに該係止が前記第1係合部に対する前記突起部の一方向の相対移動による押圧力によって解除されるようにした係止手段とを備え、前記移動部材がその係止状態から解除されると、該移動部材が前記付勢手段の付勢力によって一方向に所定ストローク移動し、該移動に対して、前記回転型ダンパの制動力が前記長尺状伝達部材を介して付与されるようにしたことを特徴とする引き込みユニット。
- 前記直線方向保持手段と周面対面保持手段は、前記基体に前記周面体から一定距離離れた位置に回転自在に反転部材を設け、該反転部材と前記周面体との間に無端状に形成した長尺状伝達部材を掛け渡した構成とし、該無端状の長尺状伝達部材が前記周面体と反転部材間で直線的に保持されるとともに、該長尺状伝達部材が前記周面体に対面するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の引き込みユニット。
- 前記直線方向保持手段は、前記長尺状伝達部材を直線方向にスライド自在に規制する規制面を有するガイド部材により構成され、前記周面対面保持手段は、前記周面体の周面に沿ってこれに対向して形成された規制面を有するガイド部材によって構成され、前記長尺状伝達部材が該規制面により規制されて少なくとも前記移動部材の移動ストロークの範囲内において、直線的に保持されるとともに前記周面体の周面に対面するようにし、前記長尺状伝達部材を両端が開放された部材としたことを特徴とする請求項1に記載の引き込みユニット。
- 前記周面体の周面に歯車を形成し、前記長尺状伝達部材は、その全移動工程において前記周面体の歯車に噛み合うフレキシブルな歯付きベルトであることを特徴とする請求項1乃至請求項3の中のいずれか1つの請求項に記載の引き込みユニット。
- 前記長尺状伝達部材はタイミングベルトであることを特徴とする請求項1乃至請求項4の中のいずれか1つの請求項に記載の引き込みユニット。
- 前記回転型ダンパは、ケーシングと軸部材との間の相対回転に抵抗力を与える抵抗手段を内蔵した有限角の回転オイルダンパであり、前記ケーシングと軸部材とのいずれか一方が前記基体に対して回転不能に構成され、いずれか他方はこれに対して相対回転可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項5の中のいずれか1つの請求項に記載の引き込みユニット。
- 前記長尺状伝達部材を一方向に付勢する付勢手段は、前記移動部材に一端が取り付けられ、前記基体に他端が取り付けられたスプリングであり、前記スプリングの前記移動部材に対する取付部と前記基体に対する取付部との間において前記スプリングの向きが変更するように前記基体に前記スプリングの向きを変更させるためのガイド部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項6の中のいずれか1つの請求項に記載の引き込みユニット。
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