JP4574911B2 - ポリエステル系中空捲縮繊維およびその製造方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、長手方向に連続する複数の中空部を有するポリエステル系中空捲縮繊維の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステル系繊維は機械的強度、耐薬品性、耐熱性などに優れるため、衣料用途や産業用途などを主体に広く使用されている。なかでも、詰綿、キルトのような、保温性および嵩高性が要求される用途では、繊維を中空化するとともに繊維に三次元的な捲縮を付与する方法が一般的に採用されている。本用途においては、繊維の保温性および嵩高性を高めるために繊維横断面における中空部の総面積の全繊維横断面積に占める割合(以下中空率と称する)を大きくする試みがなされている。しかし、大きな中空率を持つ中空繊維は、繊維の加工中あるいは製品として使用中に、潰れ易く、その繊維の保温性および嵩高性は滅失してしまうことが多い。この中空潰れを防ぐために、米国特許第5104725号に開示されているように繊維断面に複数の中空部分を持つ、多孔中空ポリエステル繊維が提案されている。しかし、3個以上の中空部分を有する多孔中空繊維を溶融紡糸方法で得ようとすると、吐出されたポリマー糸条流をすばやく冷却しなければならないので、紡糸口金から吐出前のポリマー温度を低く設定したり、紡糸口金面直下で繊維を急冷したりしなければならない。このような溶融紡糸条件では紡糸口金面温度が下がり、ポリマー吐出不良や糸切れが頻発する。また、このようにして製造された多孔中空繊維の中空率は高々20%にとどまっていた。
【0003】
また、芳香族ポリエステル系繊維に三次元捲縮繊維を付与する方法としては、例えば特公昭38−7511号公報、特公昭44−20497号公報、特公昭45−36330号公報等に開示されているような、紡糸口金から吐出された直後のポリマー糸条流を断面方向に非対称に冷却(以下異方冷却と称する)することにより、該糸条に断面異方性を生じさせ、紡糸引き取りし、延伸後弛緩熱処理することにより三次元捲縮を発現させる方法等が知られている。しかし、いずれの方法で製造された芳香族ポリエステル繊維でも、三次元捲縮性は有しているものの、3個以上の中空部分を有する多孔中空繊維で中空率が20%を超えるような繊維は存在しない。このように、未だ、充分な保温性能を有しかつ三次元捲縮を有する芳香族ポリエステル系繊維は提供されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、充分な保温性能を有しかつ三次元捲縮を有する芳香族ポリエステル系繊維を安定して生産する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、繊維軸方向に連続する中空部が3〜8個存在する多孔中空繊維であって、横断面における中空部の総面積が横断面の外周部に囲まれた面積に対して25〜60%であり、かつ断面異方性に基づく三次元捲縮を有するポリエステル系中空捲縮繊維を製造する方法であって、芳香族ポリエステルにポリ乳酸を主成分とするポリエステルを重量基準で1〜5%の割合で混合後溶融あるいは溶融後混合し、多孔中空断面を形成し得る吐出孔を有する紡糸口金より吐出し、0.4〜1.0m/秒の流速の冷却気流を吐出ポリマー糸条流の片側から該ポリマー糸条流の進行方向に垂直な面に対し+20〜−20度の角度の範囲内で吹き当てた後、未延伸繊維として引き取り、次いで該未延伸繊維を延伸後、弛緩熱処理するポリエステル系中空捲縮繊維の製造方法を見出した。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。本発明の芳香族ポリエステルとは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート系のホモポリエステル、コポリエステル又はこれらのポリエステルに第3成分を混合したポリエステルからなるものであり、特に繰返し単位の90モル%以上がエチレンテレフタレート単位であるポリエステルが好ましく、ホモポリエチレンテレフタレートが最も好ましい。10モル%以下で共重合し得る共重合成分としては、酸成分としてイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、しゅう酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸、P−オキシ安息香酸、P−βーヒドロキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン酸があげられ、またジオール成分としては、1,3−プロパンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等の芳香族ジオール、ポリエチレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリアルキレングリコール等があげられる。なおこれら第3成分は、単独で共重合させても2種以上を同時に共重合させてもよい。
【0007】
また、必要に応じて、各種の添加剤、例えば、艶消し剤、熱安定剤、消泡剤、整色剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、蛍光増白剤、着色顔料などを必要に応じて添加することができる。
【0008】
本発明の芳香族ポリエステル系中空捲縮繊維は、図1(a)〜(b)に示す様な繊維断面形状をなしており、繊維軸方向に連続する中空部(図1の1)が3〜8個存在する多孔中空繊維であって、中空率が25〜60%であり、かつ断面異方性に基づく三次元捲縮を有していなければならない。
【0009】
繊維軸方向に連続する中空部が1〜2個の場合は、中空部分が繊維の加工中あるいは製品として使用中に潰れ易く、該繊維を綿として使用する時、保温性が発現せず、また嵩高性も大幅に低減する。中空部が8個を超える場合は、中空率を25%以上に上げることが困難であり、充分な保温性を確保することができない。なお、中空部の数は4〜7個が、嵩高性と保温性とのバランス上、より好ましい。
【0010】
中空率が25%未満の場合は、該繊維を綿として使用する時、保温性が発現せず、また嵩高性も大幅に低減する。中空率が60%を超える場合は、繊維横断面内に支えを持つ多孔中空繊維の場合でも、外力により中空潰れを生じ易くなり、保温性が発現せず、また嵩高性も大幅に低減する。また、カード工程での通過性が低下する。なお、より好ましい中空率の範囲は30〜40%である。
【0011】
さらに、本発明の芳香族ポリエステル系中空捲縮繊維は断面異方性に基づく三次元捲縮を有していなければならない。このような三次元捲縮を有する中空繊維は、綿または開繊したトウの状態で、優れた保温性に加えて、反発性に富み、回復性に富んだ(すなわちヘタリの少ない)嵩高性能を発揮する。このような嵩高性能はJIS−L1097に記載の方法で圧縮弾性(圧縮率および回復率)および嵩高性(比容積)を測定することによって定量的に評価することができる。
【0012】
本発明の芳香族ポリエステル系中空捲縮繊維は、例えば、以下の方法により製造することができる。
本発明においては、紡糸口金より吐出されるポリマー糸条流は、重量基準で1〜5%、さらに好ましくは2〜3重量%の範囲のポリ乳酸を主成分とするポリエステルを含んだ状態でなければならない。ここで、ポリ乳酸を主成分とするポリエステルとは、乳酸を主たる繰り返し単位とするポリエステルをいい、L−乳酸及び/又はD−乳酸成分が50重量%以上の重合体であり、ポリL−乳酸ホモポリマー、ポリD−乳酸ホモポリマー、L−乳酸/D−乳酸共重合ポリマー及びそれらに50%以下の第2又は第3成分を共重合及び/又は混合した物を包含する。共重合成分としては、例えばエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオールなどのジオール、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸などのジカルボン酸、ヒドロキシアルキルカルボン酸、ピバロラクトン、カプロラクトンなどの脂肪族ラクトン、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。なお、分子量は100000〜300000の範囲ものが好ましく挙げられる。
【0013】
本発明の基質ポリマーである芳香族ポリエステルとポリ乳酸を主成分とするポリエステル(以下ポリマーBと称する)との混合は、溶融工程以前でお互いに固体の状態で実施しても良いし、おのおの別途に溶融した後溶融体同士を合流させても良い。
【0014】
このようにしてポリマーBを含み、例えば、図2(a)〜(b)に示すような形状の吐出孔を有する紡糸口金より吐出されたポリマー糸条流に対し、0.4〜1.0m/秒の流速の冷却気流を吐出ポリマー糸条流の片側から、該ポリマー糸条流の進行方向に垂直な面に対し+20〜−20度の角度の範囲内で吹き当てると、冷却・固化後のポリエステル繊維断面に顕著な構造異方性が生じ、熱処理後優れた三次元捲縮が発現する。また、驚くべきことに、ポリマーBを使用した場合、25%以上の中空率を有する繊維断面を安定して作り出すことができる。
【0015】
ポリマーBの混合割合が5%を超えると、紡糸時曳糸性が悪くなり断糸が多発する。ポリマーBの混合割合が1%未満の場合は、中空率を25%以上とすることができず、また異方冷却効果も充分に付与されない。
【0016】
従来、芳香族ポリエステルを単独で紡糸し、繊維に十分な断面異方性を持たせるには、例えばポリエチレンテレフタレート繊維の場合、1.0m/秒以上の流速を有する冷却気流を糸条の片側から吹き当てる必要があり、紡糸口金面の温度低下に伴う、曳糸性不良現象が発生していた。一方、ポリマーBを使用した本発明の方法においては、0.4m/秒以上の流速で冷却風を吹き当てれば十分な異方冷却効果が付与される。冷却風の流速が1.0m/秒を超えると、紡糸口金面の温度低下に伴う、曳糸性不良現象が発生するので避けねばならない。また、冷却風の流速を0.5〜0.8m/秒とすることにより、より好ましい状態で紡糸運転を実施することができる。
【0017】
冷却気流は、吐出ポリマー糸条流の進行方向に垂直な面に対し+20〜−20度の角度で吐出ポリマー糸条流に吹き当てなければならない。冷却気流を吹き当てる角度が吐出ポリマー糸条流の進行方向に垂直な面に対し+20〜−20度を超えると、ポリマー糸条流の走行状態が乱れて紡糸断糸が多発し、また異方冷却効果も低減する。なお、ポリマー糸条流の進行方向にほぼ垂直に冷却風を吹き当てるのがより好ましい。
【0018】
冷却・固化後引き取りされた未延伸繊維は、次いで温水浴等を備えた延伸装置で延伸し、繊維間の拘束を少なくした状態で弛緩熱処理した後、所定長に切断することにより、スパイラル状の三次元捲縮を有するポリエステル系中空繊維が得られる。
【0019】
また、本発明のポリエステル系中空捲縮繊維は、場合によっては、短繊維に切断することなく、トウ状態のままで開繊し、不織布、布団用途等に使用しても良い。
【0020】
【実施例】
次に、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、実施例における各項目は次の方法で測定した。
(1)固有粘度
オルソクロロフェノールを溶媒として、35℃の温度でウベローデ粘度管にて測定した。
(2)中空率
繊維の切断面を写真に撮り、20個の断面について中空部と単繊維断面との面積を測定し、単繊維断面の面積に対する中空部の面積百分率(%)の平均値を中空率とした。
(3)繊度、繊維長、捲縮数、捲縮率
JIS−L1015に記載の方法に準拠して測定した。
(4)保温性
得られた短繊維をカードに通してウェブを作り、JIS−A1412に記載の平板比較法に準拠して、密度0.01g/cm3のカードウェブの熱伝導率(W/(m・K))を測定することにより判定した。熱伝導率が小さいほど、保温性が良好であることを示す。
(5)嵩高性能
得られた短繊維をカードに通してウェブを作り、JIS−L1097に記載の嵩高性能(比容積、圧縮率および回復率)を測定した。
(6)カード通過性
ドッファーの表面速度35m/分、紡出ウェブの目付が50g/m2となる条件でカードにかけ、1時間運転を行った際のカード通過状態を観察し、次に示す基準で判定した。
レベル1:カードを通過し、シリンダー等への繊維捲き付きがない。
レベル2:カードを通過するが、シリンダー等へ繊維捲き付きが見られる。
レベル3:カードからウェブが出てこなくなる。
(7)紡糸安定性
10日間紡糸機を運転し、発生した糸切れ回数を記録した。
【0021】
[実施例1]
固有粘度0.64のポリエチレンテレフタレートチップに、ポリマーBとして(株)島津製作所製の「ラクティ#9020」チップ(ポリ乳酸、重量平均分子量200000、融点175℃)を3重量%均一に混合した混合体を、160℃で7時間乾燥した後、290℃で溶融し、図2(a)に示す形状の吐出孔を150個穿設した紡糸口金より吐出量480g/分で吐出し、吹き出し口の上端がポリマー吐出面から20mmとなるように設置された長さ20cm、幅20cmの冷却空気吹き出し口から25℃の冷却空気を0.8m/秒の流速でポリマー流の片側から糸条の進行方向に垂直な角度で吹き当て、1200m/分の速度で紡糸引き取りし未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維を得た。
【0022】
次いで、得られた未延伸繊維を50万デシテックスのトウに引き揃えた後、第1段延伸温度70℃、第2段延伸温度90℃で2.46倍に温水延伸し、64mmの繊維長にカットした後、135℃で弛緩熱収縮処理を施して、図1(a)に示すような繊維断面をもつ、繊度12.4デシテックス、中空率38%、捲縮数9.3山/25mmおよび捲縮率30.7%のポリエチレンテレフタレート中空捲縮繊維を得た。
得られた繊維をカードに通してウェブを作りその保温性能と嵩高性能を測定した。実施結果をまとめて表1に示す。
【0023】
[比較例1]
固有粘度0.64のポリエチレンテレフタレートチップを、160℃で7時間乾燥した後、290℃で溶融し、図2(a)に示す形状の吐出孔を150個穿設した紡糸口金より吐出量480g/分で吐出し、吹き出し口の上端がポリマー吐出面から20mmとなるように設置された長さ20cm、幅20cmの冷却空気吹き出し口から25℃の冷却空気を1.3m/秒の流速でポリマー流の片側から糸条の進行方向に垂直な角度で吹き当て、1200m/分の速度で紡糸引き取りし未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維を得た。
【0024】
次いで、得られた未延伸繊維を50万デシテックスのトウに引き揃えた後、第1段延伸温度70℃、第2段延伸温度90℃で2.40倍に温水延伸し、64mmの繊維長にカットした後、135℃で弛緩熱収縮処理を施して、図1(a)に示すような繊維断面をもつ、繊度12.3デシテックス、捲縮数8.5山/25mmおよび捲縮率28.6%のポリエチレンテレフタレート中空捲縮繊維を得た。
得られた繊維をカードに通してウェブを作りその保温性能と嵩高性能を測定した。実施結果をまとめて表1に示す。
【0025】
[実施例2]
ポリマーBの含有率を1.0重量%とした他は、実施例1と同一の製法によって、図1(a)に示すような繊維断面をもつ、繊度12.5デシテックス、中空率30%、捲縮数9.4山/25mmおよび捲縮率29.4%のポリエチレンテレフタレート中空捲縮繊維を得た。得られた繊維をカードに通してウェブを作りその保温性能と嵩高性能を測定した。実施結果をまとめて表1に示す。
【0026】
[実施例3]
ポリマーBの含有率を5.0重量%とした他は、実施例1と同一の製法によって、図1(a)に示すような繊維断面をもつ、繊度12.5デシテックス、中空率35%、捲縮数8.9山/25mmおよび捲縮率32.2%のポリエチレンテレフタレート中空捲縮繊維を得た。得られた繊維をカードに通してウェブを作りその保温性能と嵩高性能を測定した。実施結果をまとめて表1に示す。
【0027】
[実施例4]
図2(b)に示す形状の吐出孔を150個穿設した紡糸口金より吐出量480g/分で吐出した他は、実施例1と同一の製法によって、図1(b)に示すような繊維断面をもつ、繊度12.3デシテックス、中空率27%、捲縮数8.9山/25mmおよび捲縮率29.3%のポリエチレンテレフタレート中空捲縮繊維を得た。得られた繊維をカードに通してウェブを作りその保温性能と嵩高性能を測定した。実施結果をまとめて表1に示す。
【0028】
[比較例2]
図2(c)に示す形状の吐出孔を150個穿設した紡糸口金より吐出量480g/分で吐出した他は、実施例1と同一の製法によって、図1(c)に示すような繊維断面をもつ、繊度12.5デシテックス、中空率18%、捲縮数6.3山/25mmおよび捲縮率18.2%のポリエチレンテレフタレート中空捲縮繊維を得た。得られた繊維をカードに通してウェブを作りその保温性能と嵩高性能を測定した。実施結果をまとめて表1に示す。
【0029】
[実施例5]
冷却空気を1.0m/秒の流速でポリマー流の片側から糸条の進行方向に垂直な角度で吹き当てた他は、実施例3と同一の製法によって、図1(a)に示すような繊維断面をもつ、繊度12.4デシテックス、中空率55%、捲縮数8.9山/25mmおよび捲縮率31.5%のポリエチレンテレフタレート中空捲縮繊維を得た。得られた繊維をカードに通してウェブを作りその保温性能と嵩高性能を測定した。実施結果をまとめて表1に示す。
【0030】
[比較例3]
ポリマーBの含有率を6.0重量%とした他は、実施例5と同一の製法によって、図1(a)に示すような繊維断面をもつ、繊度12.5デシテックス、中空率65%、捲縮数11.4山/25mmおよび捲縮率32.3%のポリエチレンテレフタレート中空捲縮繊維を得た。得られた繊維をカードに通してウェブを作りその保温性能と嵩高性能を測定した。実施結果をまとめて表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】
本発明は、嵩高性に富み、ヘタリが少なく、かつ保温性に優れている、高中空率をもつポリエステル系多孔中空3次元捲縮繊維を提供するものであり、同時に、紡糸時の糸切れの少ない工程安定性に優れた、高中空率多孔中空3次元捲縮繊維の製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(b)は本発明のポリエステル系中空捲縮繊維横断面を説明するための模式図。(c)は比較例2のポリエステル系中空捲縮繊維横断面を説明するための模式図。
【図2】(a)〜(b)は本発明で用いられる紡糸口金の吐出孔形状の実施態様例を示した模式図。(c)は比較例2で用いられる紡糸口金の吐出孔形状の実施態様例を示した模式図。
【符号の説明】
1 :繊維断面中空部
2 :紡糸口金吐出孔開口部
Claims (1)
- 繊維軸方向に連続する中空部が3〜8個存在する多孔中空繊維であって、横断面における中空部の総面積が横断面の外周部に囲まれた面積に対して25〜60%であり、かつ断面異方性に基づく三次元捲縮を有するポリエステル系中空捲縮繊維を製造する方法であって、芳香族ポリエステルにポリ乳酸を主成分とするポリエステルを重量基準で1〜5%の割合で混合後溶融あるいは溶融後混合し、多孔中空断面を形成し得る吐出孔を有する紡糸口金より吐出し、0.4〜1.0m/秒の流速の冷却気流を吐出ポリマー糸条流の片側から該ポリマー糸条流の進行方向に垂直な面に対し+20〜−20度の角度の範囲内で吹き当てた後、未延伸繊維として引き取り、次いで該未延伸繊維を延伸後、弛緩熱処理するポリエステル系中空捲縮繊維の製造方法。
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