JP4574365B2 - フックの継手装置 - Google Patents

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本発明は、ハンガー等の本体に、フックを回転ないし傾斜可能に取り付けるための継手装置に関するものである。
ハンガー等のフックとして回転ないし傾斜可能な構造を持ったものは公知である。例えば、特開平7−246148号に開示されているフックは、軸部を球形の軸受け部材に縦軸回りに回転可能に軸装し、軸受け部材に連結部材を介して、衣服を吊り下げるための棒体を取り付けるもので、異種材料から成る部品構成は複雑である。特開平8−38341号のものは、ピンチと引掛部とをボールジョイントで連結した構成を有しているが、1個のピンチを吊るだけならばともかく、ハンガーのように或る程度の重量を負担するもののフックとしては構造的に不利である。
特開平7−246148号 特開平8−38341号
本発明は前記の点に着目してなされたものであって、その課題は、組み立てが容易で廉価なフックの継手装置を提供することである。また本発明の他の課題は、構造が簡単で扱いやすいフックの継手装置を提供することである。
前記の課題を解決するため、本発明は、ハンガー等の本体に、フックを回転ないし傾斜可能に取り付けるための継手装置について、フックの軸部の下部に、継手の一方としての玉部を設け、本体の側に、継手の他方として玉部を両側から挟む構造を持つ玉部受けを設け、玉部又は玉部受けのどちらか一方又は両方を両側から挟み持つ押さえ部材を外れ止めとしてフック側に設け、さらに押さえ部材の一部が玉部受けと嵌合する構成を有するものとする、という手段を講じている。
ハンガー等の本体は、フックによって吊り下げられる部分であり、フックを取り付ける相手部分でもある。フックの回転ないし傾斜可能な取り付けのために、フックの軸部の下部に玉部が設けられ、玉継手の一方を構成する。その他方の継手としての玉部受けは、玉部を両側から挟む構造を持っており、この玉部と玉部受けによって玉継手の基本的な構造が完成する。しかしこの基本的構造では簡単に外れてしまうため、外れ止め手段として押さえ部材を設けている。
押さえ部材は、玉部を両側から挟み持つか、或いは玉部受けを両側から挟み持つことによって、玉部と玉部受けの継手が外れるのを防止する。玉部に対して玉部受けの方が外側に位置するから、押さえ部材が挟み持つのは玉部受けだけのように思われる。しかしながら玉部受けが開口の場合、押さえ部材は開口を通って内側に位置する玉部を挟み持つこともあり得る。玉部又は玉部受けのどちらか一方を挟み持つ、とは上のような状況を意味する。
外れ止め手段は、押さえ部材による押さえ力だけでは不十分であると考えられ、機械的な嵌合関係を形成する必要があるとの見地から、押さえ部材はその一部にて玉部受けと嵌合する構成を有するものとする。玉部受けは、本体上部の前後両側に位置する1対のもので、これらは、玉部の両側に嵌合可能な開口又は凹部より成る嵌合部を有するものであり、玉部受けが開口の場合に、その開口を通る部分は、玉部受けと嵌合することとなる。
即ち、玉部受けが嵌合部として開口を有しているとき、押さえ部材は、開口内に入り込んで玉部の両側を挟み持つ押圧部をその一部に有することができる。押圧部は、玉部の両側に面接触可能な球状凹部を有していることが望ましい。玉部と球状凹部との面接触により、フックの軸部の下部の玉部を回転ないし傾斜させる動きが安定なものとなる。
押さえ部材はフック側に設けられる。それによって、押さえ部材の一部と本体側玉部受けとの嵌合が、玉継手の抜け止め手段となり得るものである。押さえ部材をフック側に設けるには、例えば、フック側の玉部を軸部の下端に軸径よりも大径の球形状に形成し、押さえ部材にはフックの軸部を差し込むことができる軸穴を形成し、フックの玉部にて押さえ部材が引っ掛かる形状、構造とする方法がある。
本発明は以上の如く構成されかつ作用するものであるから、フックと本体側を押さえ部材を用いてフックの継手装置を容易に組み立てることができ、押さえ部材をフック側に設けて本体側と嵌合させていることにより構造が簡単で扱いやすいフックの継手装置を提供することができるという効果を奏する。
以下図示の実施形態を参照して本発明をより詳細に説明する。図1は本発明に係るフックの継手装置10の分解図、図2は同じく組み立て図を示しており、符号11はフック、12はその軸部、13は軸部下端に設けた玉部であり、その玉径は軸部12の直径よりも大径に設定されている(図3参照)。なお、軸径は全域で同じ太さとする。
玉部13を継手の一方とするとき、継手の他方となる玉部受け21として、本体20の上部にて、前後両側から立ち上がるように、1対の弾性変形可能な板状部分が設けられており、両玉部受け21、21には、玉部13に前後両側から嵌合可能なことにより、玉部13を両側から挟む構造を持つ開口が嵌合部22、22として設けられている。1対の玉部受け21、21の間隔は、玉部13の直径よりも小さく、玉部13を間に押し込むと弾性変形して、開口から成る嵌合部22、22に受け入れるようになっている。この玉部受け21、21の間はフック13の傾斜のための空間23であり、玉部受け21、21の上半部は押さえ部材30の回転を可能にするように一定の半径を有する円形に形成されている。
玉部13は、玉部受け21、21とともに、玉継手の基本構造を構成するが、外れ止め手段として押さえ部材30が組み合わされる。例示の押さえ部材30は、ほぼ門型に形成されており、フック11の軸部12を通し玉部13を通さない穴径の軸穴31を上部に有している。また門型の脚に相当する部分は1対の玉部受け21、21の外側に組み合わされる間隔で設けられた押さえアーム32、32となっており、押さえアーム32、32の内面には、嵌合部22、22である開口内に入り込んで嵌合する、凸状の嵌合軸部33、33が設けられている。故に、嵌合軸部33、33は嵌合部22、22に嵌合して軸受けされ回転可能な状態に組み合わされる。嵌合軸部33、33の対向面には玉部13の両側と面接触可能な球状凹部34、34が形成されている。
このような構成を有する本発明に係るフックの継手装置10は、フック11の軸部12を押さえ部材30の軸穴31に通し、図3Aに示すように、本体20の玉部受け21、21の外側に押さえ部材30が位置するように両者を嵌め合わせながら、玉部13が本体20の嵌合部22、22に嵌合するように押し込む。その結果、玉部13は本体20の嵌合部22、22に嵌合するとともに、本体20の嵌合部22、22には、外側から押さえ部材30の嵌合軸部33、33が嵌合し、その内端面の球状凹部34、34が玉部13の両側に面接触する(図3B)。
組み立てられた本発明に係るフックの継手装置10は、玉部13が嵌合部22、22に嵌合するとともに、嵌合軸部33、33の球状凹部34、34が玉部13の両側に面接触した状態にあるので、フック11は縦の軸部12の周りに回転可能であり、かつまた1対の玉部受けの間の空間23にて左右に傾斜可能となる(図2参照)。なお図4、図5は本発明に係る装置10をハンガー40に適用した場合の例示であり、ハンガー本体中央の上部に設けられている。
本発明の継手装置は、例えばハンガーを吊り下げる手段を有するいわゆるダブルハンガーや、リング状のピンチ取り付け部を有するリングハンガー、ピンチ篭の取っ手、或いは物干し具の部品同士を連結するチェーンなどのフックとして利用可能である。
本発明に係るフックの継手装置の1実施例を示す分解斜視図。 同上の組み立て状態の斜視図。 Aは組み立て途中の要部の断面図、Bは組み立て後の断面図。 本発明装置の適用例を示す正面図。 図4の中央縦段面図。
符号の説明
10 フックの継手装置
11 フック
12 軸部
13 玉部
20 本体
21 玉部受け
22 嵌合部
23 空間
30 押さえ部材
31 軸穴
32 押さえアーム
33 嵌合軸部
34 球状凹部
40 ハンガー







Claims (2)

  1. ハンガー等の本体に、フックを回転ないし傾斜可能に取り付けるための継手装置であって、フックの軸部の下部に、継手の一方としての玉部を設け、本体の側に、継手の他方として玉部を両側から挟む構造を持つ玉部受けを設け、玉部及び玉部受けの両方を両側から挟み持つ押さえ部材を外れ止めとしてフック側に設け、前記玉部受けは、本体上部の前後両側に位置し、これらは玉部の両側に嵌合可能な嵌合部として開口を有しており、さらに、押さえ部材は、開口内に入り込んで玉部の両側を挟み持つ押圧部を有し、前記押さえ部材の一部が玉部受けと嵌合するようにしたフックの継手装置。
  2. 押圧部は、玉部の両側に面接触可能な球状凹部を有している請求項記載のフックの継手装置。
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