JP4572083B2 - 予圧サポートとこれを用いた薄肉部材の超精密加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、機械加工時のワークの変形を低減し超精密加工を可能にするための予圧サポートとこれを用いた薄肉部材の超精密加工方法に関する。
[非特許文献1]には、すばる望遠鏡に用いる大型凹面鏡(主鏡)の研磨工程が開示されている。この大型凹面鏡は、直径8.3m,厚さ200mm,重さ24トンの超低膨張ガラス製である。この大型凹面鏡は、まず直径1.5mの6角形平板に整形し、これを多数(44個)並べ融着して大径の円板を形成し、それを球面形状のブロックに沿って変形させて球面を有する円板に成形する。次いで、その凹面を上にしてターンテーブルに載せ、多数の油圧支持パットで支持し、ターンテーブルを回転させながら、凹面をラップで研磨している。
一方、上記油圧支持パットと同様に、工作機械用ワークサポートのサポートロッドを所定の高さ位置に固定する装置として[特許文献1]が提案されている。
特許文献1の「コレット式クランプ」は、図12に示すように、ハウジング52内に挿入したサポートロッド54に環状のコレット60を外嵌し、そのコレットに環状テーパ隙間Cをあけて環状の伝動具64を配置したものである。その環状テーパ隙間Cに多数のボールBを周方向かつ上下方向に並べた状態で挿入し、これらボールBを押圧バネ67によって押し上げる。
クランプ時に、油圧作動室65へ圧油を供給すると、クランプ用ピストン74が復帰用バネ78に抗して伝動具64を下向き移動させ、その伝動具64のテーパ内周面がボールBを転動させながらコレット60のテーパ外周面に係合し、これによりコレット60が縮径されてサポートロッド54を所定の高さ位置に挟持固定するものである。
大坪政司,「すばる望遠鏡の光学系,8m主鏡製作,研磨過程」,光技術コンタクト,Vol.36, No.1 (1998)
特開平10−146733号、「コレット式クランプ」
例えば宇宙空間で使用する場合には、大型凹面鏡であっても重力の影響をほとんど受けないので、厚さを非常に薄くでき、大幅な軽量化が可能となる。例えば、すばる望遠鏡と同じ直径8.3mであっても、厚さを例えば5mmにできれば,重さは約1/40の約500kg程度にできる。
しかしこのような薄肉部材を地上で精密加工する場合、以下の問題点がある。
(1)薄肉で精密な製品を機械加工する場合、その素材自体は、剛性が高く、熱伝導率が高く、熱膨張率が低い必要がある。しかしこのような特性を有する素材は、例えばSiCであり、非常に硬く、加工しにくい。
(2)SiCのような硬い素材であっても、高能率で鏡面加工できる加工手段として、ELID(Electrolytic In-process Dressing)研削法が知られている。このELID研削法は、導電性砥石を電解でドレッシングしながら研削加工するものであり、加工抵抗が小さく、かつ高能率で鏡面加工できる特徴を有している。しかしELID研削法によっても加工抵抗はある程度(例えば約2〜5kg程度)は発生する。そのため、この加工抵抗によって、薄肉部材が変形するため精密加工が困難となる。
(3)上述した非特許文献1の「油圧支持パット」や特許文献1の「コレット式クランプ」を用いて、薄肉部材の加工部分背面に当接させてこれを支持することにより、機械加工時の変形を低減し精密加工を可能にすることが原理的には可能である。
しかし、かかる油圧支持パットやコレット式クランプは、加工部分背面に当接させる際の押付け力が大きく、この押付け力により薄肉部分に無視できない変形や内部応力が発生する。
例えば、上述した油圧支持パットやコレット式クランプでは、防塵シールの抵抗などにより摺動抵抗が大きく、最低押付け力が約400g程度あり、加工製品に変形や内部応力を発生させないような極小な力でサポートすることが困難である。
またスプリング等で摺動抵抗に打ち勝つ以上の力を利用しサポートすると、製品を固定する際にピストンがシリンダとの静止抵抗を越えた時点で瞬発的に動くために製品に変形等が発生する。薄肉製品や超精密加工ではこの変形・内部応力は大きな問題となる。
さらにスプリングの力によりサポート力を制御する方式は、ストロークに応じて力が変化してしまう。
また、手作業に頼り変形や内部応力を発生させないような微小な力でサポート部材を加工反対面に当接させて固定することが原理的には可能である。しかし、この手段ではダイアルゲージ等で変形量を測定しながら、ねじ等を利用して調整するため、長時間を必要とするばかりでなく、熟練を要し、再現性や信頼性に乏しい問題点があった。
さらに従来の精密加工方法では、地上において薄肉部材を加工する場合、薄肉部材に重力(自重)が作用した状態で加工するため、重力による変形を回避できない問題点があった。
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の第1の目的は、被加工物が薄肉部材であっても変形や内部応力がほとんど発生しない微小な力(例えば約400g未満)で被加工物に当接させることができ、かつその位置で十分大きな加工抵抗(例えば約20kg以上)に抗して強固に被加工物を支持することができ、これにより機械加工時の被加工物の変形を大幅に低減することができる予圧サポートとこれを用いた薄肉部材の超精密加工方法を提供することにある。また本発明の第2の目的は、地上において被加工物を加工する場合に、薄肉部分に作用する重力(自重)や加工外力の影響を低減ないし回避することができる薄肉部材の超精密加工方法を提供することにある。
本発明によれば、円筒形のピストンと、該ピストンに同心に連結され軸方向に延びる円筒形のピストンロッドと、前記ピストン及びピストンロッドを軸方向に移動可能に案内するシリンダとを備え、
該シリンダは、内部に供給されるガスの圧力でピストンを軸方向に移動可能に収容する円筒形のガスチャンバと、ピストンロッドを囲み油圧が供給されるようになった中空円筒形のオイルチャンバとを有し、
該オイルチャンバの内壁は、前記油圧が所定の低圧より低いときに、ピストンロッドとの間にガスチャンバと連通する微小隙間を形成し、この微小隙間をガスチャンバから前記ガスが通過してピストンロッドの摺動抵抗を極小化するように構成されており、
前記油圧が所定の高圧より高いときに、前記内壁が弾性変形により内方に膨らんでピストンロッドを把持して固定し、その摺動抵抗を極大化するように構成し、
被加工物の加工外力による変形をシミュレーションした結果をフィードバックしたピストンロッドの押付け力を被加工物の自重や加工外力による変形量を補償する大きさで被加工物の加工部分背面に与える、ことを特徴とする予圧サポートが提供される。
上記本発明の構成によれば、オイルチャンバの内壁が、油圧が所定の低圧より低いときに、ピストンロッドとの間にガスチャンバと連通する微小隙間を形成し、この微小隙間をガスが通過してピストンロッドの摺動抵抗を極小化するように構成されているので、被加工物が薄肉部材であっても変形や内部応力がほとんど発生しない微小な力(例えば約400g未満)で被加工物に当接させることができる。
また、オイルチャンバの内壁は、油圧が所定の高圧より高いときに、内壁が弾性変形により内方に膨らんでピストンロッドを把持して固定し、その摺動抵抗を極大化するように構成されているので、被加工物に当接させた位置で十分大きな加工抵抗(例えば約20kg以上)に抗して強固に被加工物を支持することができ、これにより機械加工時の被加工物の変形を大幅に低減することができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記ガスチャンバにオイルミストを含むエアーを供給可能なエアー源と、該エアーの圧力を微調整可能な圧力制御弁とを備える。
この構成により、オイルミストを含むエアーで、オイルミストの表面張力でシール効果を高めるとともに、摺動抵抗の極小化を実現できる。
また、エアーの圧力を極低圧に設定することで被加工物への押付力を変形や内部応力がほとんど発生しない微小な力に制御することができる。
前記オイルチャンバに所定の圧力の油圧を供給可能な油圧源と、油圧を漏れのないように封入可能なノンリーク弁とを備える。
この構成により、オイルチャンバに所定の圧力の油圧を供給してピストンロッドを把持し、その摺動抵抗を極大化した状態で、ノンリーク弁で油圧を漏れのないように封入できるので、油圧配管を取り外して被加工物を自由に移動させることができる。
また本発明によれば、被加工物の加工外力による変形をシミュレーションした結果をフィードバックしたピストンロッドの押付け力を被加工物の自重や加工外力による変形量を補償する大きさで被加工物の加工部分背面に、これを支持する端面を有する円筒形のピストンロッドを当接する当接ステップと、
被加工物の加工部分背面に前記端面が当接した状態でピストンロッドを把持して固定する固定ステップと、
固定ステップでピストンロッドを固定した状態で被加工物の加工部分を加工する加工ステップとを有する、ことを特徴とする薄肉部材の超精密加工方法が提供される。
この方法によれば、当接ステップで被加工物の加工部分背面にピストンロッドを当接し、この状態で固定ステップでピストンロッドを把持して固定し、この状態で加工ステップで被加工物を加工するので、被加工物が薄肉部材であっても十分大きな加工抵抗(例えば約20kg以上)に抗して強固に被加工物を支持することができ、これにより機械加工時の被加工物の変形を大幅に低減することができる。
また、本発明の方法により、被加工物の変形を考慮したシミュレーションを行い、その結果をフィードバックするので、被加工物の加工部分に変形量を補償する最適の大きさの力を加えて加工することができる。

上述したように、本発明の予圧サポートとこれを用いた薄肉部材の超精密加工方法は、被加工物が薄肉部材であっても変形や内部応力がほとんど発生しない微小な力(例えば400g未満)で被加工物に当接させることができ、かつその位置で十分大きな加工抵抗(例えば約20kg以上)に抗して強固に被加工物を支持することができ、これにより機械加工時の被加工物の変形を大幅に低減することができ、かつ、地上において被加工物を加工する場合に、薄肉部分に作用する重力(自重)や加工外力の影響を低減ないし回避することができる、等の優れた効果を有する。
以下、本発明を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、本発明の予圧サポートの第1実施形態を示す断面図である。この図において、本発明の予圧サポート10は、上向き用であり、円筒形のピストン12、円筒形のピストンロッド14、及びシリンダ16を備える。
円筒形のピストンロッド14は、ピストン12に同心に連結され軸方向Zに延びる。また円筒形のピストン14の一端面14aは、図示しない被加工物の加工部分背面に当接させてこれを支持するように、任意の形状(この例では円弧形状)に形成されている。なお一端面14aに別の当接部材(例えば弾性パッド)をネジや接着材で取り付けてもよい。
シリンダ16は、ピストン12及びピストンロッド14を軸方向Zに移動可能に案内する。このシリンダ16は、円筒形のガスチャンバ16aと中空円筒形のオイルチャンバ16bを内部に有する。
円筒形のガスチャンバ16aは、ピストン12の直径よりわずかに大きい内径を有し、内部に供給されるガスの圧力でピストン12を軸方向(この例では上向き)に移動可能に収容する。
中空円筒形のオイルチャンバ16bは、ピストンロッド14を囲み油圧が供給されるようになっている。
オイルチャンバ16bの内壁17aは外壁17bに比べて薄くなっており、供給される油圧の大きさによりピストンロッド14との間の隙間が変化するように構成されている。
この内壁17aの厚さは、供給される油圧が所定の低圧(例えば約0.2MPa)より低いときに、ピストンロッド14との間にガスチャンバと連通する微小隙間(例えば約5μm)を形成し、この微小隙間をガスチャンバ16aに供給したガスが通過してピストンロッド14の摺動抵抗を極小化(例えば400g未満)するように構成されている。
一方、この内壁17aの厚さは、供給される油圧が所定の高圧(例えば約1.0MPa)より高いときに、内壁が弾性変形により内方に膨らんでピストンロッド14を把持して固定し、その摺動抵抗を極大化(例えば約20kg以上)するように構成されている。
図1において、本発明の予圧サポート10は、更に、エアー源22、圧力制御弁23、油圧源24、及びノンリーク弁25を備える。
エアー源22は、ガスチャンバ16aにオイルミストを含むエアーを供給する。また圧力制御弁23は、エアー源22からのエアーの圧力を微調整する。この圧力制御弁23により、エアーの圧力を、ピストン12及びピストンロッド14が被加工物に向けて移動し、かつその変形や内部応力がほとんど発生しない微小な力(例えば400g未満)で被加工物に当接する極低圧に設定する。
油圧源24は、オイルチャンバ16bに所定の圧力(上記低圧以下、又は高圧以上)の油圧を供給する。またノンリーク弁25は、油圧源から供給した油圧を漏れのないように封入する。
なお、上記エアーライン及び油圧ラインに、その他の周知の配管機器(例えば、方向切換弁、圧力調整弁、開閉弁、クイックジョイント、等)を備えてもよい。
図2は、本発明の予圧サポートの第2実施形態を示す断面図である。この図において、本発明の予圧サポート10は、下向き用であり、円筒形のピストン12、円筒形のピストンロッド14、及びシリンダ16を備える。
この例では、円筒形のガスチャンバ16aは、ピストン12とピストンロッド14の段差部分に供給され、内部に供給されるガスの圧力でピストン12の下降力を調整するようになっている。その他の構成は図1と同様である。
また、予圧サポートの構造は上述した例に限定されず、ピストンの両側にピストンロッドを設けて、ピストンの両側にガスを供給するようにしてもよい。また、ピストンロッド14の移動方向も、下向き、上向きの他、水平や斜めであってもよい。
上述した本発明の構成によれば、オイルチャンバの内壁17aが、油圧が所定の低圧より低いときに、ピストンロッド14との間にガスチャンバと連通する微小隙間を形成し、この微小隙間をガスが通過してピストンロッドの摺動抵抗を極小化するように構成されているので、被加工物が薄肉部材であっても変形や内部応力がほとんど発生しない微小な力(例えば約400g未満)で被加工物に当接させることができる。
また、オイルチャンバの内壁17aは、油圧が所定の高圧より高いときに、内壁が弾性変形により内方に膨らんでピストンロッド14を把持して固定し、その摺動抵抗を極大化するように構成されているので、被加工物に当接させた位置で十分大きな加工抵抗(例えば約20kg以上)に抗して強固に被加工物を支持することができ、これにより機械加工時の被加工物の変形を大幅に低減することができる。
また、オイルミストを含むエアーで、オイルミストの表面張力でシール効果を高めるとともに、摺動抵抗の極小化を実現できる。さらに、エアーの圧力を極低圧に設定することで被加工物への押付力を変形や内部応力がほとんど発生しない微小な力に制御することができる。
また、オイルチャンバ16bに所定の圧力の油圧を供給してピストンロッド14を把持し、その摺動抵抗を極大化した状態で、ノンリーク弁25で油圧を漏れのないように封入できるので、油圧配管を取り外して被加工物を自由に移動させることができる。
次に、上述した予圧サポート10を用いて薄肉部材を超精密加工する方法を説明する。
図3は、本発明の方法を示すフロー図である。この図に示すように、本発明の方法は、当接ステップS1、固定ステップS2及び加工ステップS3からなる。
当接ステップS1では、被加工物の加工部分背面に、これを支持する端面14aを有する円筒形のピストンロッド14を当接させる。
固定ステップS2では、被加工物の加工部分背面にピストンロッドの端面14aが当接した状態でピストンロッド14を把持して固定する。
加工ステップS3では、固定ステップでピストンロッドを固定した状態で被加工物を加工する。
上記当接ステップS1において、ピストンロッド14の押付け力を、被加工物の加工部分に変形や内部応力がほとんど発生しない微小な力に設定することにより、被加工物の加工部分に変形や内部応力がほとんど発生させずに、被加工物を大きな加工抵抗に抗して強固に支持することができる。
また当接ステップS1において、被加工物の変形を考慮したシミュレーションを行い、その結果をフィードバックして、ピストンロッド14の押付け力を、被加工物の加工部分の自重や加工外力による変形量を補償する大きさの力に設定することにより、被加工物の加工部分に自重や加工外力による変形量を補償する大きさの力を加えて加工することができる。
上述した本発明の方法によれば、当接ステップS1で被加工物の加工部分背面にピストンロッドを当接し、この状態で固定ステップS2でピストンロッド14を把持して固定し、この状態で加工ステップS3で被加工物を加工するので、被加工物が薄肉部材であっても比較的大きな加工抵抗(例えば約10kg以上)に抗して強固に被加工物を支持することができ、これにより機械加工時の被加工物の変形を大幅に低減することができる。
図4は試験に使用したELID研削装置の全体構成図である。このELID研削装置30は、導電性砥石31、電極32、パルス電源33、及び電解液供給ノズル34を備え、導電性砥石31を電解でドレッシングしながら研削加工するようになっている。
またこの例で、被加工物1(ワーク)は、ロータリーテーブル2の上面に取り付けられて回転し、円筒形の砥石31で上面を所定の形状に鏡面研削されるようになっている。なお、ELID研削装置30は、各軸が数値制御されるのが好ましい。
この構成により、SiCのような硬い素材であっても、小さい加工抵抗でかつ高能率で鏡面加工ができる。
図5は、試験に使用した被加工物1(ワーク)の表面(左)と背面(右)の外観写真である。被加工物1は直径80mmのSiC材であり、厚さは3mmであり、背面に三角形のリブ部を設けたものである。
図6は、加工後の表面形状を示す図である。ELID研削で加工した結果、Ry=87nm、Ra=11nmの優れた鏡面が得られたが、この図から、三角形のリブ部の内側に最大約330nmの膨らみ(凸部)が残っていることがわかった。この原因は、加工中のワークの変形である。
図7は、図6の変形を低減する方法を示す模式図である。この図において、(A)は従来例、(B)は本発明の方法である。
従来例(A)では、左図のように、砥石の軌跡を数値制御するが、ワークの変形を考慮しないため、右図に示すように、被加工物の薄肉部分が加工中の切削力で逃げるため、加工部分に凸部が形成されてしまう。
これに対して、本発明の例(B)では、左図のように、ワークの変形を考慮したシミュレーションを行い、その結果をフィードバックして砥石の軌跡を数値制御する。これにより、ワークの変形を考慮しているため、右図に示すように、被加工物の薄肉部分も所定の形状に加工することができる。
なお、本発明の例(B)において、上述した予圧サポートを用い、ピストンロッドの押付け力を、被加工物の加工部分の自重や加工外力による変形量を補償する大きさの力に設定するのが好ましい。
図8は、ELID研削で加工中の研削力を試算した図である。この図から、加工中の研削力は、研削深さと回転速度が増すほど大きくなることがわかる。またこの加工中の研削力は、約2〜4kgであり、この力に加工部分が変形しないようにする必要があることがわかる。
図9は、有限要素法で被加工物1(ワーク)の変形量を試算した結果である。この図から上記試験と同一条件で中央の最大変形量は約316nmであり、試験結果とよく一致することがわかる。従って、ワークの変形を考慮したシミュレーションを行い、その結果をフィードバックして砥石の軌跡を数値制御することが、実現可能でありかつ有効であることがわかる。
図10は、実施例1の結果を基に、大型化した被加工物1(ワーク)の計画図である。この図において、(A)は横断面図、(B)は平面図である。
大型化した被加工物1(ワーク)は、直径360mmのSiC材、厚さは5mmであり、背面に同一の大きさの三角形のリブ部を複数設けたものである。この構成により、直径が実施例1の4.5倍になっているにもかかわらず、厚さはほぼ同じであり、全体として軽量にできることがわかる。また、同一の大きさの三角形で構成されているので、その中心部の変形量は実施例1と同等程度になると予想することができる。
図11は、図10の被加工物1(ワーク)を本発明の予圧サポートを用いて固定した状態を示す図である。この図において、(A)は横断面図、(B)は平面図である。
この例では図に示すように、大型化した被加工物1の基準となる支持ポイント(3点)のほか、三角形のリブ部の内側も本発明の予圧サポート10で支持する。また被加工物1の外周面も、予圧サポート10と同様の構成の別の予圧サポート10‘で保持している。
この構成により、三角形のリブ部の内側の変形を低減することができる。
上述したように、一般的にピストンとシリンダのシールにはOリング等が利用されるのに対して、本発明では摺動抵抗を極小化するためにOリング等を利用せず、ピストンの駆動に用いるエアーにオイルミストを混入させ、オイルのシール効果を利用することにより摺動抵抗の極小化を実現し、ピストンの動作をスムースにしている。
エアーにオイルミストを混入しシールを施すことは、従来の2つに機能(加圧と軸受)を1つ減らしているといえる。またエアーを常時排出することにより、クーラントや異物の侵入を防ぐエアーパージ効果を持つ。
また本発明では摺動抵抗を極小化させることで、サポート力を広範囲で制御可能である。またストローク全域で一定のサポート力を再現できる。
さらに本発明の摺動抵抗を極小化する技術と弾性変形によるクランプを組み合わせることにより、微小定圧にてサポートされた状態で変位することなくクランプすることが可能である。
また加圧ピストン部の構造により水平・垂直方向等、いかなる方向の予圧を得ることが可能である。
更に本発明を利用することで、小型で微小圧力の再現が可能であるため、超精密加工分野以外にも様々な分野への適用範囲を広げることができる。
例えば、薄肉製品を加工する際のビビリ、加工変形を発生させないための接触圧力を制御可能なサポートで、自重や加工外力で変形してしまう部位に対し、自動的にあらかじめ計算・設定した定圧を与えることで変形をキャンセルし、理想的な受け面を構成できる。
また加圧ピストン部の構造により水平・垂直方向等、いかなる方向の予圧を得ることが可能であり、n個用いることで複雑形状の薄肉ワーク(例えばX線観測用ミラーなど)へ適用可能である。
更に本発明を利用することで、超小型ハードディスクなどの小型、薄肉製品の変形防止切削用サポート、圧力調整によりアクティブに風力を可視化する装置等にも適用することができる。
薄肉製品を加工する際に加工変形を発生させないようにサポートとワークを接触させるが、接触圧力を制御することでビビリ防止の効果を期待できる。
なお、本発明は上述した実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
本発明の予圧サポートの第1実施形態を示す断面図である。 本発明の予圧サポートの第2実施形態を示す断面図である。 本発明の方法を示すフロー図である。 試験に使用したELID研削装置の全体構成図である。 試験に使用した被加工物1(ワーク)の表面と背面の外観写真である。 加工後の表面形状を示す図である。 変形を低減する方法を示す模式図である。 ELID研削で加工中の研削力を試算した図である。 有限要素法で被加工物(ワーク)の変形量を試算した結果である。 大型化した被加工物(ワーク)の計画図である。 図10の被加工物(ワーク)を本発明の予圧サポートを用いて固定した状態を示す図である。 特許文献1の「コレット式クランプ」の構成図である。
符号の説明
1 被加工物(ワーク)、2 ロータリーテーブル、
10 予圧サポート、12 ピストン、14 ピストンロッド、14a 一端面、
16 シリンダ、16a ガスチャンバ、16b オイルチャンバ、
17a 内壁、17b 外壁、
22 エアー源、23 圧力制御弁、24 油圧源、25 ノンリーク弁、
30 ELID研削装置、31 導電性砥石、32 電極、
33 パルス電源、34 電解液供給ノズル

Claims (4)

  1. 円筒形のピストンと、該ピストンに同心に連結され軸方向に延びる円筒形のピストンロッドと、前記ピストン及びピストンロッドを軸方向に移動可能に案内するシリンダとを備え、
    該シリンダは、内部に供給されるガスの圧力でピストンを軸方向に移動可能に収容する円筒形のガスチャンバと、ピストンロッドを囲み油圧が供給されるようになった中空円筒形のオイルチャンバとを有し、
    該オイルチャンバの内壁は、前記油圧が所定の低圧より低いときに、ピストンロッドとの間にガスチャンバと連通する微小隙間を形成し、この微小隙間をガスチャンバから前記ガスが通過してピストンロッドの摺動抵抗を極小化するように構成されており、
    前記油圧が所定の高圧より高いときに、前記内壁が弾性変形により内方に膨らんでピストンロッドを把持して固定し、その摺動抵抗を極大化するように構成し、
    被加工物の加工外力による変形をシミュレーションした結果をフィードバックしたピストンロッドの押付け力を被加工物の自重や加工外力による変形量を補償する大きさで被加工物の加工部分背面に与える、ことを特徴とする予圧サポート。
  2. 前記ガスチャンバにオイルミストを含むエアーを供給可能なエアー源と、該エアーの圧力を微調整可能な圧力制御弁とを備える、ことを特徴とする請求項1に記載の予圧サポート。
  3. 前記オイルチャンバに所定の圧力の油圧を供給可能な油圧源と、油圧を漏れのないように封入可能なノンリーク弁とを備える、ことを特徴とする請求項1に記載の予圧サポート。
  4. 被加工物の加工外力による変形をシミュレーションした結果をフィードバックしたピストンロッドの押付け力を被加工物の自重や加工外力による変形量を補償する大きさで被加工物の加工部分背面に、これを支持する端面を有する円筒形のピストンロッドを当接する当接ステップと、
    被加工物の加工部分背面に前記端面が当接した状態でピストンロッドを把持して固定する固定ステップと、
    固定ステップでピストンロッドを固定した状態で被加工物の加工部分を加工する加工ステップとを有する、ことを特徴とする薄肉部材の超精密加工方法。
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