JP4571024B2 - 乳化粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真や静電記録などにおいて、感光体表面に形成された静電荷像を顕像化する画像形成装置に用いる乳化粒子の製造方法に関する。
電子写真装置や静電記録装置等において、電気的または磁気的潜像は、トナーによって顕像化されている。例えば、電子写真法では、感光体上に静電潜像を形成し、続いて該潜像をトナーを用いて現像して、トナー画像を形成している。トナー画像は、通常紙等の転写材上に転写され、次いで、加熱等の方法で定着させている。
このような静電荷像現像に使用されるトナーは、一般に、結着樹脂中に着色剤、帯電制御剤、その他の添加剤を含有させた着色粒子であり、従来より、混練粉砕法により製造されたトナーが多く用いられてきた。
近年、高画質化への要求が高まってきており、トナーに対しては、小粒径且つ球形であることが求められている。小粒径化により、ドットの再現性が良好になり、球形化により現像性、転写性の向上を図ることができる。
従来の混練粉砕法により、このような小粒径化、球形化したトナーを製造するのは困難であることから、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法、溶解懸濁法等により製造された水系造粒重合トナー(一般に、重合トナーと表現される場合もある。)が採用されつつある。
上記乳化重合法による乳化粒子は、原料となる混合液を、乳化機によって攪拌乳化することによって製造されるが、その粒子特性は、粒径値により直接的に影響が及ぼされる。このため、望ましい品質の乳化粒子を得るためには、その製造過程において、粒径制御を行うことが、非常に重要である。
従来、乳化粒子の製造においては、作業者が直接、製造ラインより乳化液をサンプリングし、粒径測定装置まで運んで粒径を測定し、ここで得られた結果をもとに、製造装置、特に乳化機の回転数及び乳化時間の設定調節を行っていた。このため、目標粒径を有する乳化粒子を確実に得ることが難しく、また、その品質にもバラツキが生じていた。
特に、乳化粒子の製造を連続方式で行う場合、このような制御方法では粒径の調整制御が遅れ、目標値からの誤差が増大する。望ましい粒子特性を有する乳化粒子を得るためには、製造過程において、粒径を自動的に制御できるようにすることが必要である。
例えば、特許文献1では、製造ラインを流れる粉体の一部をオンラインで取り出し、液体と混合して粒径測定機に搬送し、粒径測定精度を向上するようにした発明が開示されている。
しかし、特許文献1に開示のオンラインサンプリングの方法は、固形物である粉体に対して適用したものである。上述したような乳化重合法等による粒子製造方法では、乳化液を対象としてサンプリング及び粒径測定を行うことが必要であるため、この方法を適用して、サンプリングおよび粒径測定を行うことは困難である。
一方、特許文献2では、 乳化機後のプロセス配管から、乳化液あるいはマイクロカプセルをオンラインで自動的にサンプリングし、粒径測定機に供給して粒径を自動測定し、その測定結果と目標粒径との差をプロセスコンピュータにより計算し、あらかじめ入力されている乳化機回転数と平均粒径との関係に基づいて目標粒径になる乳化機回転数を求め、これに基づいて前記乳化機の回転数を調整することによってマイクロカプセルの粒径を制御する粒径の自動測定制御方法が開示されている。
また、特許文献3では、疎水性液体及び親水性液体からなる被処理液を入れた攪拌容器内で、攪拌体を回転させて遠心力により該被処理液を膜状態で容器内壁に沿って旋回させ、疎水性液体を親水性液体中に乳化分散させて乳濁液とし、その後乳化分散した疎水性液体を内包するカプセル壁膜を形成するマイクロカプセルの製造方法において、乳化分散した疎水性液体の粒子径を自動的に測定し、コンピューターに予め入力された乳化温度または流量と平均粒子径との関係のデータに基づいて、乳化分散した疎水性液体の平均粒子径が目標粒径になるように乳化温度または流量を自動制御するマイクロカプセルの製造方法が開示されている。
即ち、特許文献2、3では、粒径の測定結果に基づき、乳化器の攪拌回転数あるいは乳化器の温度及び流量を変化させ、得られる粒子の粒径が、目標粒径値に近くなるように制御を行っているものである。
しかしながら、このような方法では、粒径値が目標粒径から離れた事を検知する都度、攪拌回転数を増減させる等の攪拌条件を変化させる制御を行っているため、粒径値が定まらないという不具合があった。
また、特許文献4では、超重質油乳化燃料、熱媒体や乳剤等の各種エマルジョンに剪断力を付与しつつ攪拌し、その後、このエマルジョンの物性を測定し、該測定値に基づきエマルジョン物性の経時変化の度合いを評価することを特徴とする、エマルジョンの評価方法が開示されている。
このように、経時変化が加速された状態でのエマルジョンのレオグラム、粒径分布等の物性の変化を測定することで、エマルジョン物性の経時変化の度合いを、リアルタイムかつ短時間で、しかも簡便に把握することができるものである。
しかしながら、特許文献4に記載の方法では、エマルジョンに短時間で変化を起こさせて得た値を基に制御を行っており、この値は必ずしも粒子製造過程における粒径の経時的な収束値と一致するものではない。
また、特許文献5では、モノマー、触媒及び乳化剤の連続投入開始時点から一定時間経過後にその時点の反応熱を計測し、その反応熱から製品ポリマーの粒径を予測するポリマー粒子の製造方法が開示されている。この発明では、上記のようにして得られた製品ポリマーの予測粒径が、所定の範囲内にない場合には、ポリマー、触媒及び乳化剤の投入量を調整して、製品ポリマーの最終粒径を目標値に近づけている。
しかしながら特許文献5に記載に発明のように、反応熱を計測し、その反応熱から製品ポリマーの粒径を予測する方法では、制御自体が煩雑となり、更に予測粒径値に誤差が生じるおそれがある。
特開平2−285232号公報 特開平8−266887号公報 特開2000−117095号公報 特開2001−324498号公報 特開2001−294603号公報
そこで本発明は、上記事情に鑑み、粒子径が一定である乳化粒子を、自動制御の下、経時で安定して生産する事ができる乳化粒子製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
1.本発明は、水系媒体中に油滴を乳化させ、3〜10μmの粒径を有する乳化粒子を乳化器中で製造する乳化粒子の製造方法であって、乳化粒子の粒径である乳化粒径Dv(x)を測定する測定工程と、前記乳化粒径Dv(x)の変化量ΔDv(x)及び乳化粒径の予測収束値Dv(x)∞を算出する算出工程と、前記算出工程により得られた算出値に基づき、乳化粒径を制御する制御工程と、を有すことを特徴とする。
2.また、本発明の乳化粒子の製造方法は、1.に記載の発明において、前記制御工程は、前記乳化器の攪拌条件を変更させるか、または乳化液の水相/油相比率を変動させて、乳化粒径の制御を行うことを特徴とする。
3.また、本発明の乳化粒子の製造方法は、1.又は2.に記載の発明において、前記制御工程は、少なくとも前記乳化器の攪拌回転数を上げて、乳化粒子の粒径を増加させることを特徴とする。
4.また、本発明の乳化粒子の製造方法は、1.ないし3.のいずれかに記載の発明において、前記測定工程は、前記乳化粒子を含有する溶液の一部を抜き取り、前記溶液中に含まれる乳化粒子の粒子径を測定して行うことを特徴とする。
5.また、本発明の乳化粒子の製造方法は、1.ないし4.のいずれかに記載の発明において、前記算出工程は、前記ΔDv(x)の経時での変化量に基づき、前記乳化粒径の予測収束値Dv(x)∞を算出することを特徴とする。
6.また、本発明の乳化粒子の製造方法は、1.ないし5.のいずれかに記載の発明において、前記制御工程は、前記測定工程の3回目のデータ取得以降は、更に、前記算出工程で得られる予測収束値Dv(x)∞に基づいて粒径制御を行うことを特徴とする。
7.また、本発明の乳化粒子の製造方法は、1.ないし6.のいずれかに記載の発明において、前記制御工程は、前記測定工程の3回目のデータ取得以降は、更に、前記算出工程で得られる予測収束値Dv(x)∞に基づいて粒径制御を行うことを特徴とする。
8.また、本発明の乳化粒子の製造方法は、1.ないし7.のいずれかに記載の発明において、前記算出工程は、乳化粒径の予測収束値Dv(x)∞を算出するための近似曲線を決定する工程と、前記近似曲線に基づき、乳化粒径の予測収束値Dv(x)∞を算出する工程と、を有し、前記近似曲線を決定する工程は、同一乳化条件下における過去の測定結果のデータベースより、使用する近似曲線の種類を選択することを特徴とする。
9.また、本発明の乳化粒子の製造方法は、8.に記載の発明において、前記近似曲線を決定する工程は、近似曲線として、対数曲線を選択することを特徴とする。
10.また、本発明の乳化粒子の製造方法は、8.又は9.に記載の発明において、前記近似曲線を決定する工程は、3点以上のデータを用いて、近似曲線を決定することを特徴とする。
11.また、本発明の乳化粒子の製造方法は、8.ないし10.のいずれかに記載の発明において、前記乳化粒径の予測収束値Dv(x)∞を算出する工程は、前記過去の測定結果のデータベースを用いて、前記近似曲線から乳化粒径の予測収束値Dv(x)∞を算出するための収束値uinf.を決定することを特徴とする。
12.また、本発明の乳化粒子の製造方法は、8.ないし11.のいずれかに記載の発明において、前記収束値uinf.は、前記過去の測定結果のデータベースより得られる近似曲線の傾きが0.05未満となるときの、最小の変数uの値とすることを特徴とする。(但し、uinf.は、3を超える整数。)
13.また、本発明の乳化粒子の製造方法は、8.ないし12.のいずれかに記載の発明において、前記測定工程は、一定時間間隔で乳化粒径を測定し、前記算出工程は、前記乳化粒径の測定時xの体積平均粒径をDv(x)としたとき、(u、w)=(1、Dv(x−2)) 、(2、Dv(x−1))、(3、Dv(x))を用いて、下記式(1)で示される近似式を決定し、前記近似式に、前記収束値uinf。を代入して、前記予測収束値Dv(x)∞を算出することを特徴とする。w=b・ln(u)+a ・・・ (1)(但し、uinf.は、3を超える整数。)
14.また、本発明の乳化粒子の製造方法は、1.ないし13.のいずれかに記載の発明において、前記予測収束値Dv(x)∞は、3〜10μmの範囲内で、且つ1.0μm以下の範囲幅に収束する条件に制御されることを特徴とする。
15.また、本発明の乳化粒子の製造方法は、1.ないし14.のいずれかに記載の発明において、前記予測収束値Dv(x)∞は、5〜8μmの範囲内で、且つ1.0μm以下の範囲幅に収束する条件に制御されることを特徴とする。
16.また、本発明の乳化粒子の製造方法は、1.ないし15.のいずれかに記載の発明において、前記算出工程は、さらに基準径以下の微粒子量を算出し、前記基準径以下の微粒子量が、一定基準値以上である場合に、粒径制御を行うことを特徴とする。
17.また、本発明の乳化粒子の製造方法は、1.ないし16.のいずれかに記載の発明において、前記制御工程は、乳化器の攪拌回転数の変更を、優先して行うことを特徴とする。
18.また、本発明の乳化粒子の製造方法は、1.ないし17.のいずれかに記載の発明において、前記制御工程は、Dv(x)∞が2回連続で、10μm超若しくは3μm未満となったときに、乳化液の水相/油相比率を変更する制御を行うことを特徴とする。
19.また、本発明の乳化粒子の製造方法は、1.ないし18.のいずれかに記載の発明において、前記乳化粒子は、粒子内での化学反応により、粒子形成が進行することを特徴とする。
20.また、本発明の乳化粒子の製造方法は、1.ないし19.のいずれかに記載の発明において、前記乳化粒子は、前記化学反応により、粘度増加されることを特徴とする。
21.また、本発明の乳化粒子の製造方法は、1.ないし20.のいずれかに記載の発明において、前記乳化粒子は、少なくとも、重合体若しくは重合性単量体、着色剤を含む、溶液又は分散液を、水系媒体中での分散を行うことで粒子含有溶液又は分散液とし、該有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥して製造され、前記測定工程は、前記粒子含有溶液又は前記分散液の一部の抜き取りを行い、前記溶液又は分散液内に含まれる粒子の粒子径を、水により希釈して測定することを特徴とする。
22.また、本発明の乳化粒子の製造方法は、1.ないし21.のいずれかに記載の発明において、前記乳化粒子は、不活性有機溶媒を含有することを特徴とする。
23.また、本発明の乳化粒子の製造方法は、1.ないし22.のいずれかに記載の発明において、前記乳化反応は、連続乳化装置によって行われることを特徴とする。
上記解決するための手段により、本発明の乳化粒子製造方法は、望ましい粒子径を有する乳化粒子を、安定した造粒条件の下で提供でき、なおかつこのような粒径制御を、自動制御により行うことのできる乳化粒子製造方法を提供することができる。
(乳化粒子製造方法)
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の乳化粒子製造プロセスを実施する、反応装置の一実施例を示す模式的概略図である。
図1中、油相1及びプレポリマー槽2から供給される原料原解液は、固定分散機を通過した後、水相3より供給される無機微粒子を含有した水溶液と合流し、これら原料原解液と水溶液は、乳化装置4において攪拌混合され、乳化液となる。本発明の乳化粒子製造方法では、乳化系Xにおいて、任意量の原料溶液の供給(A)と、この供給量と同量の乳化/分散液の排出(D)が行われる。乳化装置4内の乳化液は、Cより乳化装置4から流出し、更にPにおいて、DあるいはBのいずれかの経路に進むことで、収斂層5に供給されるか、あるいは乳化装置4に戻され循環するかのいずれかの工程に付される。
粒径測定は、Pにおいて分岐した後の、Dの位置において行うことが好ましい。また、粒径測定を行う位置としてはこれに限られるものではなく、例えばBあるいはCの位置で行うことも可能である。
なお、乳化反応としては、水系媒体中に油滴を乳化させて乳化粒子を製造する、o/w型の方式により乳化粒子を製造するものと、油相中に水滴を添加して乳化粒子を得る、w/o型の方式のものがある。
本実施形態では、乳化装置4において、o/w型の方式により乳化粒子の製造を行うが、この乳化反応としては、油相中に水滴を添加して乳化粒子を製造する、w/o型の方式により行うことも可能である。
なお本発明は、上記の反応装置を用いて行う乳化粒子の製造を、自動制御により行うものであり、乳化粒子の粒径を測定する測定工程と、前記測定工程により得られた粒径測定値の変動状態を表す値を算出する算出工程と、前記算出工程により得られた算出値に基づき、乳化器の攪拌条件を制御する制御工程と、からなる乳化粒子の製造方法である。
本発明は、さらに具体的には、溶液又は分散液を水系媒体中で分散させることで、粒子含有溶液又は分散液とし、該有機溶媒を除去して、洗浄、乾燥して得られる画像形成用の乳化粒子を製造する製造方法に適用され、粒子含有溶液又は分散液の一部を水により希釈し、液内に含まれる粒子の粒子径を測定する工程を含むことを特徴とするものである。
以下に、その詳細について説明する。
(粒子径測定法)
なお、粒径測定を行う際は、例えば、上述した乳化粒子製造装置内で、製造途中の粒子含有溶液又は分散液の一部を取り出し、これを水で希釈した溶液又は分散液の液内に含まれる粒子の粒子径を測定して、行うことができる。
粒子径を測定する方法としては、動的光散乱法のように粒子の散乱強度の揺らぎを観察する方法、レーザー回折法のように液の回折散乱パターンを見る、遠心沈降法やFFF法のように、液に一定の処理を行いそのときの(上澄)液の透過光量を測定する方法、電気抵抗法(コールター原理)や電気的検知体法のように電流(電圧)値を測定する方法、また、顕微鏡やCCDカメラ等による観察法及びそれに付属する画像解析法、フィルター等に捕集し乾燥後の重量を測定する方法、音響法、PAS(フォトアコースティック)、レーザーブレイクダウン法、レーザーフェーズシフト法、レーザードップラー法(UPA法)、フラウンフォーファー回折法、等があるが、これらに限定されるものではない。
(希釈)
なお、これら粒子含有溶液又は分散液を、高濃度で測定した場合には、近接する複数の乳化粒子を1つの粒子として判別してしまい、実際の粒径よりも数倍大きく且つ広分布の粒径が出力されてしまう可能性があることから、本実施形態における粒径測定工程では、製造途中に取り出した粒子含有溶液又は分散液を、水によって希釈して行うことが好ましい。
このように、抜き取った溶液を希釈することで、溶液内で粒径が変化することが防止できるため、精度の高い測定を行うことができる。
なお、粒径を測定する際、上記のように、希釈することで粒径の変化が抑えられた溶液または分散液を、更に水で希釈して、最適な濃度にすることも可能である。
(連続抜き取り)
更に、前記粒子含有溶液又は分散液の一部の抜き取りは、連続して行われることが望ましい。この抜き取りの作業を、間欠して行った場合、抜き取り部分で液が滞留し、粒子が凝集したり、抜き取り部分出口で固形分が固着したりする場合がある。抜き取りの作業を連続して行うことで、上記のような現象が起こることなく、正確な粒子径測定を行うことができる。
また、粒子含有溶液又は分散液の一部抜き取りの量は、5g/分以上であることが好ましい。5g/分以下であると、連続して抜き取りを行う配管内での速度が遅すぎるため、合一/凝集性の高い溶液の場合は、配管の中で、固化してしまうおそれがある。
なお、この抜き取り量は、好ましくは50g/分以上、1000g/分以下、更に好ましくは、100g/分以上、500g/分以下であることが好ましい。50g/分以下であると、分散工程時等に、粒子が凝集して粗大粒子となり、配管を詰まらせるといった不具合が生じる。また、1000g/分以上であると、収率の面や、粒子製造工程全体のバランスが崩れ、安定した造粒状態を得ることができない。
(配管口径)
また、抜き取りのための配管の出口径は、内径2〜100mmが好ましく、より好ましくは、内径5〜50mmのものを使用することが好ましい。
配管出口の内径が、2mm未満であると、粗大な粒子/凝集体が発生した際に、配管内の流れを悪くする可能性がある。また、100mmを超えると抜き取りの流量が大きくなってしまい、またこの流量を抑えるために、バルブ等で流量を抑えると、抜き取りのための配管の出口付近の固形分固着がひどくなり、粒子径測定の精度が悪くなる。
なお、抜き取りのための配管の出口付近は、希釈を行う水により、逐次洗浄されている構造であることが好ましい。
また、前記粒子含有溶液又は分散液の一部抜き取りの量は、配管内に流れる溶液量の10重量%未満であることが好ましく、より好ましくは、0.5重量%以上、5.0重量%以下であることが好ましい。
抜き取り量が10重量%以上であった場合、収率や工程自体のバランスに影響を与え、安定した造粒状態が得られない。また、0.5重量%未満であった場合、測定値にバラツキが出やすくなり、配管内に流れる溶液中の、含有粒子の粒径を、正確に測定することができなくなる。
(液固形分量)
また、上記のようにして製造途中に取り出された後、希釈される粒子含有溶液又は分散液の、水で希釈される直前における固形分量としては、20wt%以上、80wt%以下とすることが好ましい。溶液の固形分量が、20wt%未満であった場合は、水による希釈の効果が得られにくい。また、固形分量が80wt%を超えると、水による希釈を行った際、溶液が不安定となり、合一/凝集が発生する(希釈ショック)の影響が大きく現れ、これらに分散安定剤を添加しても、粒子含有溶液をサンプリングした際の粒子径を保つことができないため、好ましくない。
上記範囲の固形分量を有する粒子含有溶液又は分散液に対して希釈を行うことで、安定した状態で粒径測定を行うことができ、正確な粒径値を得ることができる。
また、希釈の際に加える水の添加量としては、粒子含有溶液又は分散液重量の、1.0倍〜500倍量の水を加えることが好ましい。
希釈に用いる水量が、粒子含有溶液又は分散液重量の1.0倍未満であると、水による希釈の効果が得られにくく、合一/凝集が進んでしまう場合がある。また、粒子含有溶液又は分散液重量の500倍を超えると、水による希釈の効果は十分に得られるが、溶液が希釈されすぎるため、粒子測定を行うのに適しない。
(連続測定)
更に、前記粒子径測定工程は、連続して行われることが望ましい。このように、粒子径測定工程を連続して行うことで、処理工程時の粒径をリアルタイムで捕捉することができるようになる。
更に、前記水系媒体中での分散工程は、インライン方式で行うことが好ましい。インライン方式の場合、分散液が配管等の密閉系の中に入った状態で行われるため、分散液の粒径測定に誤差が生じることが抑えられ、より正確な測定値を得ることが可能となるためである。
前記粒子含有溶液又は分散液は、水系媒体中に分散されており、且つ有機溶媒を含んでいることから、過剰な水を添加することで合一/凝集を抑えることができ、更に水に可溶な有機溶媒を用いている場合は、同時に有機溶媒が水系に移動するため、粒子含有液内の粒子径が変化することが抑えられ、サプリング時の粒子径を保つことができる。
本実施形態に係る測定工程は、特に有機溶媒中に、重合体、着色剤を溶解または分散させて、画像形成等に用いる乳化粒子を製造する際に適用するのが好ましく、特に、分散工程において適用するのが好ましい。
(造粒工程)
なお、上記測定工程は、水系媒体中での分散及び/又は乳化工程、有機溶媒除去工程、重合工程、合一/凝集工程、洗浄工程、再スラリー工程等、粒子を含む溶液または分散液を扱う工程であればその限りではなく、好ましくは、粒子径の変動に特に注力すべきである観点から、水系媒体中での分散及び/又は乳化工程、または、合一/凝集工程で適用されることが好ましい。
また、粒子径を測定するために希釈された溶液は、粒子径を測定された後で、同工程若しくはそれ以降の工程に使用されることも可能である。
(算出工程)
本実施形態では、上記のようにして得られた粒径測定に基づき、乳化粒径Dv(x)及び乳化粒径Dv(x)の変化量ΔDv(x)に加え、乳化粒径測定時xの体積平均粒径Dv(x)から予測される収束値Dv(x)∞を算出して、粒径のフィードバック制御を行うことができる。
従来より、目標粒径を有する粒子を得る方法として、リアルタイムで粒径測定を行い、この測定値に基づき、粒径制御を行うことがなされてきたが、この方法では、粒径値の変化を検知する都度、攪拌条件を変化させる制御を行うため、乳化粒径値の変動が大きくなり、安定した造粒状態を得ることができない。
本発明の乳化粒子の製造方法では、乳化粒径Dv(x)の経時での推移状態により、乳化粒径の予測収束値Dv(x)∞値を算出し、この値に基づく粒径制御を行うため、望まれる径を有する粒子を、安定して製造することができる。
本実施形態では、乳化粒径の予測収束値Dv(x)∞は、上記測定工程で得られる各粒径測定点について算出されるが、その算出手順としては、各粒径測定点について、予測収束値Dv(x)∞を算出するための近似曲線を決定する工程と、粒径値が略収束する時のuの値としての収束値uinf.を算出し、これを先の近似曲線に代入して、乳化粒径の予測収束値Dv(x)∞を算出する工程とに大別される。
具体的には、過去の粒径測定結果を蓄積したデータベースのうち、攪拌回転数、油水比率、温度等の乳化条件について、現乳化条件と同一条件下で行われた乳化反応のデータより、使用する近似式の種類(二次式、対数式、log式等)を選択し、各粒径測定点において、この近似曲線に基づき、乳化粒径の予測収束値Dv(x)∞を算出することができる。
なお、本実施形態の一例を説明するために以下に示す実施例においては、近似曲線として、過去の粒径測定結果を蓄積したデータベースより、式(1)で示される対数曲線が選択して使用される。
w=b・ln(u)+a ・・・ (1)
なお、測定工程において、少なくとも3つ以上の粒径測定値が得られたときは、更に上記式(1)が、この3点をできる限り満たすようにa,b値を定めることで、近似曲線(1)を決定することができる。
即ち、一定時間間隔で乳化粒径を測定し、乳化粒径の測定時xの体積平均粒径をDv(x)、一つ前に測定された体積平均粒径をDv(x−1)、二つ前に測定された体積平均粒径をDv(x−2)とした時、(u,w)=(1,Dv(x−2))、(2,Dv(x−1))、(3,Dv(x))をプロットして近似曲線を求め、式(1)なるw=b・ln(u)+aが、このプロットによる近似曲線と最も近くなるようにa、bの値を定めることで、予測収束値Dv(x)∞を算出するための近似曲線を決定することができる。
また更に、上記のようにして求めた式(1)中のuに、粒径値が略収束する時のuの値としての、収束値uinf.を代入して、予測収束値Dv(x)∞を得ることができる。
なお、収束値uinf.は、3を超える整数として定められるものであり、過去の粒径測定の結果を蓄積したデータベースの中で、現乳化条件と同一条件下で行われたものの、粒径変動状態を示す近似曲線において、その傾きが極めて緩やかになる時のuの値を、粒径が略収束する時の変数uの値とみなして定めたものである。
乳化粒径の予測収束値Dv(x)∞を得るための、具体的な算出手順の一例を以下に示す。
(1)現在の条件(攪拌回転数、o/w比、温度等の条件)と、同一条件で行われた過去の粒径測定のデータベースから、近似式の種類を選択する。
なお、本実施の形態では、近似式として、w=b・ln(u)+aを選択する。
(2)上記(1)で選んだ近似式w=b・ln(u)+aのa,bについて、過去の粒径測定の結果を表す近似曲線の(a,b)が(a,b)なる式w=b・ln(u)+aを用いて、uinf.となるuを算出する。
このuinf.は、近似式w=b・ln(u)+aのグラフの傾きdw/duが、極めて緩やかになった時の、uの最小の値であり、具体的には、dw/du<0.05となったときの、最小の整数uの値をuinf.として算出する。
この整数uinf.を、この生産条件で計算する場合には用いる。(新たな生産条件を設定した場合は、同様のフローを必要とする。)
(3)現時点XでのDv(x)と、前時点Dv(x−1)、前々時点のDv(x−2)の3点を、(u,w)=(3,Dv(x)),(u,w)=(2,Dv(x−1)),(u,w)=(1,Dv(x−2))としてプロットして、近似曲線を求める。
そして、(1)で選択した近似式w=b・Ln(u)+aが、このプロットによる近似曲線と、最も近くなるようなa,bの値(a,b)を定めることで、近似曲線w=b*Ln(u)+a を求める。
(4)求めた近似曲線 w=b・Ln(u)+aの(u)に、(2)で算出したuinf.を代入して、wすなわちDv(x)∞を求める。
(5)求めたDv(x)∞が、規定範囲内にない場合、条件を変更する。
(6)条件を変更しなかった場合は、(3)からのフローを再度行う。
なお、条件変更を行った場合は、(1)に戻って予測収束値Dv(x)∞の算出を行う。
(制御工程)
また、これら算出値に基づいて変動させる攪拌条件としては、図1で示す乳化装置4の攪拌条件を変更するか、あるいは乳化系Xにおける乳化液の水相/油相比率を変動させることで、行うことができる。
これら変動条件の中でも、本実施形態では、乳化装置4の攪拌回転数の変更を優先して行い、更に必要に応じて、乳化系Xにおける、乳化液の水相/油相比率を変更を行うことで、乳化粒子の粒径制御が行われる。
なお、乳化装置4において、水系媒体中に油滴を乳化させて乳化粒子を製造するo/w型の方式を採用して乳化反応を行った場合、乳化粒子の粒径を増加させる制御を行うとき、乳化器の攪拌回転数を上げることにより、乳化粒子の粒径を増加させることができる。
なお、o/w型の方式の乳化反応とは、油相を水相中に細かく分布させて行う乳化反応をいう。
なお、本発明の乳化粒子の製造方法では、乳化粒子の粒径を3〜10μmとなるように制御することが好ましい。
(実制御)
次に、本発明における乳化粒子径の制御プロセスを、チャート図に沿って説明する。図2は、本発明の乳化粒子製造方法の粒径制御プロセスを示すフローチャートである。
なお、乳化装置4の攪拌回転数、及び、乳化液の水相/油相比率は、設定された条件値に設定し、系全体が概ね均一になった時点から粒径測定を行う。
粒径測定は、リアルタイムで行われることが望ましいが、Dv(x)∞を予測する際に求める体積平均粒径の測定値は、パス間の時間よりも長い間隔で測定された体積平均粒径を用いることが望ましい。
また、粒径の変更を行う場合は、予め入力されている乳化器回転数と粒径値との関係、または油相/水相比率と粒径値との関係をもとに乳化装置4の適正条件を演算し、その結果に基づき、プロセスコンピューターから乳化装置4のモーターに駆動信号を出力し乳化装置4の回転数の変更、または、油相及び水相のフィード量の変更を行う。
1回目の粒径制御工程S(1)では、得られた乳化粒子の粒径を、上述した方法により、図1中D位置に設置された粒径測定機にて測定し、この測定結果を、図示しないプロセスコンピューターに送信する。この粒径測定値に基づく制御を行う。
S(1)では、Dv(1)が絶対範囲内にあるかを判断する。Dv(1)が絶対範囲内にあると判断した場合には、次の粒径測定工程に進む。粒径測定値Dv(1)が適正範囲内にないと判断した場合には、粒子製造工程をストップする。
次に、2回目の粒径制御工程S(2)では、S(1)と同様、粒径測定機にて粒径測定を行い(Dv(2))、この測定結果を図示しないプロセスコンピューターに送信し、この粒径測定値に基づく制御を行う。
なお、S(2)においては、S(1)と同様、Dv(2)が絶対範囲内にあるかを判断する。粒径測定値Dv(2)が適正範囲内にないと判断した場合には、粒子製造工程をストップする。
一方、S(2)においては、粒径測定値Dv(2)が絶対範囲内にあると判断した場合には、更に、Dv(2)とDv(1)の差分としてのΔDv(1)の算出を行う。そして、径増加の場合(ΔDv(1)>0)、及び、径減少の場合(ΔDv(1)≦0)それぞれの場合において、Dv(2)が適正範囲内にあるか、及び、傾きの値としてのΔDv(1)が、適正範囲内にあるかの判断を行う。これらが適正範囲内にあると判断されたら、更に、Dv(2)、ΔDv(1)が、製品規格の範囲内にあるかの判断を行う。
なお、このとき規格範囲とは、トナースペックを満たすための体積平均粒径の範囲を示す。トナースペックは、体積平均粒径のほかに、個数平均粒径、基準径以下の微粒子量(例えば、4μm未満微粒子の個数%)、平均円形度を指す。
例えば、求める体積平均粒径の範囲と、求める4μm未満微粒子個数%を満たす体積平均粒径の範囲は異なる場合がある。体積平均粒径が小さくなる程、微粒子量は増え、平均円形度は1に近づく。
微粉量を減らし、平均円形度を1よりも小さくする(真球では無くなる)ことが要求される場合は、求める体積平均粒径の範囲の下限よりも大きな体積平均粒径が必要となり、体積平均粒径そのものの範囲とトナースペックを満たすための体積平均粒径の範囲、双方を満たす範囲は体積平均粒径そのものの範囲よりも狭まる。
なお、基準径以下の微粒子量は、個数5%以上であるならば、体積平均粒径と直線関係が成り立つことから、求める微粉量範囲を満たすための体積平均粒径を予測することが出来る。
なお、図2中、Dv(2)、ΔDv(1)が、上述したような規格範囲内にあると判断した場合、次に、基準径としての4μm以下の微粉量の算出を行う。
なお、4μm以下の微粒子量が、一定基準値以上である場合には、平均粒径を上げる制御を行う。また、一定基準値以下である場合には、収斂層5への導入を行う。
また、3回目以降の粒径制御工程S(x)(x=3以上整数)では、S(1)、S(2)と同様、粒径測定機にて粒径測定を行い(Dv(x))、この測定結果を図示しないプロセスコンピューターに送信し、この粒径測定値に基づく制御を行う。
なお、3回目以降の粒径制御工程(S(x))では、上記粒径測定値に基づく予測収束値Dv(x)∞の算出を行い、粒径測定値に加え、このDv(x)∞に基づく粒径制御を行う。
即ち、乳化粒径値Dv(x−2)及びDv(x−1)及びDv(x)に加え、Dv(x)∞基づき、粒径制御を行うかの判断を行う。即ち、体積平均粒径Dv(x)が規格範囲内であり、且つ、Dv(x)∞が規格範囲内であるとき、乳化液の収斂層5への搬送を行うことが出来る。
具体的には、図2中、3回目の粒径制御工程S(3)では、S(1)及びS(2)と同様、粒径測定機にて粒径測定を行い(Dv(3))、この粒径値が絶対範囲内にあるかを判断する。
粒径測定値Dv(3)が適正範囲内にないと判断した場合には、粒子製造工程をストップする。
また、粒径測定値Dv(3)が絶対範囲内にあると判断した場合には、さらに、Dv(3)とDv(2)の差分としてのΔDv(2)の算出を行う。
S(3)では、更に、ここで算出したΔDv(2)と、前回算出したΔDv(1)との比(ΔDv(2)/ΔDv(1))を算出し、この比が1以上であった場合には、修正を行う。なお、この比の値が1未満であった場合には、粒径測定値Dv(3)、及びΔDv(2)が、製品規格の範囲内にあるかを判断する。
これらが、製品規格の範囲内にあると判断した場合には、さらに、4μm以下の微粒子量が、一定基準値以下であるかを判断する。4μm以下の微粒子量が一定基準値以上である場合には、平均粒径を上げる制御を行う。また、一定基準値以下である場合には、収斂層5への導入を行う。
また更に、S(3)以降においては、Dv(x)∞の算出を行い、この値に基づく粒径制御を行う。即ち、Dv(x)∞が製品規格の範囲内にあるかの判断を行い、この値が規格範囲内にないと判断した場合には、粒径を修正する制御を行う。また、この値が規格範囲内にあると判断された場合には、次の粒径測定工程を含めた制御工程(S(4))に移る。
なお、本発明の乳化粒子の製造方法の一実施形態としての粒径制御プロセスにおいては、この予測収束値Dv(x)∞は、規定値を5〜8μmの範囲内として行うことが好ましい。
また、S(4)以降の制御工程においては、S(3)と同様の工程を経て粒径制御が行われる。
なお、上記の粒径制御プロセスで、粒径の変更を行う制御を行う時は、乳化装置4の攪拌回転数の変更を優先して行うが、一定条件下となった場合に、乳化液の水相/油相比率
を変更する制御を行うようにすることが好ましい。
乳化液の水相/油相比率を変更する制御を行うようにする条件としては、予測収束値Dv(x)∞が2回連続で10μm超えるか、若しくは3μm未満となったときに、乳化液の水相/油相比率を変更する制御を行うようにすることが好ましい。
なお、図2、及び、後に示す図3のフローチャートにおいて、乳化条件を変更した場合、条件変更直後はバラツキが多く、測定される粒径値が安定しない。
このため、乳化条件の変更を行った後のS(x+1)、S(x+2)では、粒径測定のみを行い、フローチャートに示されるような、乳化条件の変更の可否を決定する判断は行わないようにすることが好ましい。なお、なお、乳化条件変更の動作を行わなかった場合は、この限りではない。
以下、図3−1〜図3−3に沿って、Dv(x)∞を用いた本実施形態の乳化粒子製造プロセスを詳細に説明する。
なお、図中Sで示される微調整可否判断値Sは、Dv(x)とDv(x)∞との差が、Sを超えた場合に、制御条件の変更を行う判断基準値としての値である。
図3−1〜図3−3は、本発明の乳化粒子の製造方法において、予測収束値Dv(x)∞を用い、粒径制御を行う制御プロセスを説明する一連のフローチャートである。
図3−1中、[start]から最初の粒径測定に係る段階をS(x)、次の粒径測定に係る段階をS(x+1)、更に、その次の粒径測定に係る段階をS(x+2)としたとき、S(x+2)において、Dv(x)∞を算出した後、このDv(x)∞が、粒径測定値Dv(x)から微調整可否判断値Sを差し引いた値より小さいか否かを判断する。(S31)において、予測収束値Dv(x)∞が、この値より小さいと判断した場合には、粒径が大幅に減少する可能性があると判断されるため、大幅に体積平均粒径が小さくなっている状態において、体積平均粒径を大幅に上げる操作を行い、体積平均粒径を規格範囲内とする可能性があるルーチンP1に移動する。
ルーチンP1では、x=x+1での粒径Dv(x)を測定する。その後、この値に基づくDv(x)∞を算出し、Dv(x)∞<L(S32)、且つ、Dv(x−1)∞−Dv(x−1)<Dv(x)∞−Dv(x)(S33)であるかを判断し、これらがともにYesであった場合には、油水比率を変更する制御を行う(OW3)。
即ち、予測収束値Dv(x)∞が、規格範囲下限Lを下回り、且つ、予測収束値と現粒径測定値との差が、x−1の時よりxの時の方が大きくなっている場合には、粒径が減少していると判断される。このため、油相と水相の比率を変更して、粒径を上げる制御を行う。
なお、上記以外の場合は、粒径調整を行わず、粒径測定を行うB1、B2へ移動し、Bの制御地点に戻る。
なお、(S31)において、粒径測定値Dv(x)から微調整可否判断値Sを差し引いた値が、Dv(x)∞を超えないと判断された場合には、次に、予測収束値Dv(x)∞が、粒径測定値Dv(x)に微調整可否判断値Sを加えた値を超えるか否かを判断する(S41)。
(S41)において、予測収束値Dv(x)∞が、この値を超えると判断した場合には、粒径が大幅に増加する可能性があると判断されるため、大幅に体積平均粒径が大きくなっている状態において、体積平均粒径を大幅に下げる操作を行い、体積平均粒径を規格範囲内とする可能性があるルーチンP2に移動する。
ルーチンP2では、U<Dv(x)∞(S42)、且つ、Dv(x−1)∞<Dv(x)∞(S43)、且つ、S<Dv(x)−Dv(x−1)(S44)であるかを判断し、これらがともにYesであった場合には、油相、水相比率を変更する制御を行う(OW7)。
即ち、予測収束値Dv(x)∞が、規格範囲上限値Uを上回り、且つ、予測収束値が増加しており、更にこの状態において、xと(x−1)の時の粒径測定値の差が、微調整可否判断値より大きい場合には、粒径が大きく増加していると判断されるため、油相と水相比率の変更を行い、粒径を下げる制御を行う。
また、(S44)において、S<Dv(x)−Dv(x−1)がNoと判断された場合には、攪拌回転数を変更する制御を行う(R6)。
なお、上記以外の場合は、粒径調整を行わず、粒径測定を行うB4、B5へ移動し、Bの制御地点に戻る。
なお、(S41)において、予測収束値Dv(x)∞が、粒径測定値Dv(x)にSを加えた値を超えないと判断された場合には、次に、Dv(x−2)<Dv(x−1)<Dv(x)、即ち、Dv(x)、Dv(x−1)、Dv(x−2)の値の関係が増加し続けているか否か、更に、Dv(x−2)にSを加えた値が、Dv(x)より小さいか否かを判断する(S51)。
(S51)において、粒径測定値の関係が、これら両方の条件に該当すると判断された場合には、粒径値が増加する可能性があると判断されるため、緩やかに体積平均粒径が大きくなっている状態において、体積平均粒径を下げる操作を行い、体積平均粒径を規格範囲内とする可能性があるルーチンP3に移動する。
ルーチンP3では、U<Dv(x)∞(S52)、且つ、x=x+1での、粒径測定値Dv(x)に基づくDv(x)∞に関し、U<Dv(x)∞(S53)であるかを判断し、これらがともにYesであった場合には、予測収束値Dv(x)∞が、xのとき、x+1のとき、ともに規格範囲上限値より大きく、粒径が増加していると判断されるため、攪拌回転数を変更して、粒径を下げる制御を行うR10に移動する。
なお、上記以外の場合は、粒径調整を行わず、粒径測定を行うB8、B9へ移動し、Bの制御地点に戻る。
なお、(S51)において、粒径測定値が、(S51)で示される条件に該当しないと判断された場合には、次に、Dv(x)<Dv(x−1)<Dv(x−2)、即ち、Dv(x)、Dv(x−1)、Dv(x−2)の値の関係が、減少し続けているか否か、且つ、Dv(x)にSを加えた値がDv(x−2)より小さいか否かを判断する(S61)。
(S61)において、粒径測定値の関係が、これら両方の条件に該当すると判断された場合には、緩やかに体積平均粒径が小さくなっている状態において、体積平均粒径を上げる操作を行い、体積平均粒径を規格範囲内とする可能性があるルーチンP4に移動する。
ルーチンP4では、Dv(x)∞<L(S62)、且つ、x=x+1での、粒径測定値Dv(x)に基づくDv(x)∞に関し、Dv(x)∞<L(S63)であるかを判断し、これらがともにYesであった場合には、攪拌回転数を変更して、粒径を上げる制御を行うR13に移動する。
なお、上記以外の場合は、粒径調整を行わず、粒径測定を行うB11、B12へ移動し、Bの制御地点に戻る。
なお、(S61)において、粒径測定値が、(S61)で示される条件に該当しないと判断された場合には、次に、体積平均粒径が安定していることを確認するルーチンP5に移動する。
ルーチンP5では、[Dv(x)、Dv(x−1)、Dv(x−2)]の中の、最大値と最小値との差を算出し、この差が0.05未満であるか否かの判断を行うが(S71)、P5では、xを1ずつ足して、測定回数を増やしながら、3回S71の処理を行う。
例えば、n=0、x=10であるとき、粒径が安定している状態を想定すると、S71で、[Dv(10)、Dv(9)、Dv(8)]の差を算出する。この差が0.03未満のとき(Y)は、x=x+1(x=11)とし、この作業を1回行ったことに伴い、n=n+1(n=1)とする。この作業を、n=3、ここで示す例においては、x=12になるまで、繰り返して行う。
なお、ここでは、粒径が安定している場合を想定して説明したが、途中で粒径がブレ始め、(S71)で(N)が選択された場合には、P5のルーチンを抜けて、B14に移動し、B14からBの制御地点に戻る。
なお、P5を抜けるときは、n=0とし、カウントをリセットして、再びP5のルーチンに入ったときに、S71で示す処理が、2回若しくは1回となっておしまうのを防止する。
また、(S71)において、Yesであった場合には、更に、粒径値が安定している状態で、規格範囲に体積平均粒径が入っているかを判断し、さらに外れている場合には、制御条件の変更を行う、ルーチンP6に移動する。
ルーチンP6では、L<Dv(x)∞<U(S72)、且つ、L<Dv(x)<U(S73)であるか否かの判断を行い、これらがともにYesである場合には、粒径値が安定し、且つ規格範囲内にあると判断され、C16に移動する。
また、(S72)において、L<Dv(x)∞<Uが、Noと判断された場合には、攪拌回転数を変更して、粒径制御を行うR16に移動する。
またさらに、(S73)において、L<Dv(x)<Uが、Noと判断された場合には、粒径制御を行わず、粒径測定のみを行うB17に移動し、Bの制御地点に戻る。
なお、上記の制御プロセスにより、予測収束値Dv(x)∞は、3〜10μm、さらに好ましくは、5〜8μmの範囲内で、且つ1.0μm以下の範囲幅に収束するように、制御されるようにすることが好ましい。
なお、上記の図3−1〜図3−3において、制御工程を経た後、[OWm]、又は[Rm]に到達した場合には、[F−1]又は[F−2](図3−1)に移動し、フロー図中の制御地点Aに移動する。
また、制御工程を経た後、[Bm]、又は[Cm]に到達した場合には、その後、[Bm]の場合は[B]に、[Cm]の場合は[C]の制御地点に、それぞれ移動する。
具体的な例を示すと、[start]から[B8]に到達した、とした場合は、[start]、(S31)、[N]、(S41)、[N]、(S51)、[Y]、(S52)、[N]、[B8]という経路を経て、[B8]に到達したことを表す。[B8]に到達した後は、[B]の制御地点に戻る。
なお、B及びCに付された番号mは、表4〜表6中の、処理の番号に対応している。
また、他の具体例としては、[start]から[OW3]に到達した、とした場合は、
[start]、(S31)、[Y]、(S32)、[Y]、(S33)、[Y]、[OW3]という経路を経て、[OW3]に到達したことを表す。[OW3]に到達した後は、[F−1]に移動して、制御地点Aに移動する。
なお、制御工程末端で、Rmに到達した場合には、[F−2]に移動して、制御地点Aに移動する。
(トナー)
以下に、本発明の乳化粒子製造方法が好適に使用される、画像形成用のトナーの製造方法について述べる。
本発明のトナーは、例えば、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に溶解又は分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーである。
以下に、トナーの構成材料及び製造方法の例を挙げて説明する。
(変性ポリエステル)
本発明に係るトナーはバインダ樹脂として変性ポリエステル(i)を含む。変性ポリエステル(i)としては、ポリエステル樹脂中にエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態をさす。具体的には、ポリエステル末端に、カルボン酸基、水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入し、さらに活性水素含有化合物と反応させ、ポリエステル末端を変性したものを指す。
変性ポリエステル(i)としては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応により得られるウレア変性ポリエステルなどが挙げられる。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合物で、かつ活性水素基を有するポリエステルを、さらに多価イソシアネート化合物(PIC)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
ウレア変性ポリエステルは、以下のようにして生成される。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、炭素数4〜30のアルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール及び2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなど);分子量50〜10,000のアルキレンエーテルグリコール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、分子量50〜10,000のポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);炭素数6〜24の脂環式ジオール(例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール及び水素添加ビスフェノールAなど);炭素数15〜30のビスフェノール(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記ビスフェノールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物(付加モル数2〜100)(例えば、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物、ビスフェノールAエチレンオキサイド4モル付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド4モル付加物等);などが挙げられる。
これらのうち、アルキレングリコール及びビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物が好ましく、更に好ましくはビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物、及びこれとアルキレングリコールとの混合物である。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルカンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
本発明で用いられる変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。変性ポリエステル(i)の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。この時のピーク分子量は1000〜10000が好ましく、1000未満では伸長反応しにくくトナーの弾性が少なくその結果耐ホットオフセット性が悪化する。また10000を超えると定着性の低下や粒子化や粉砕において製造上の課題が高くなる。変性ポリエステル(i)の数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。(i)単独の場合は、数平均分子量は、通常20000以下、好ましくは1000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
変性ポリエステル(i)を得るためのポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
尚、生成するポリマーの分子量は、THFを溶媒としゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。
(未変性ポリエステル)
本発明においては、前記変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、未変性ポリエステル(ii)をバインダ樹脂成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様な多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
(ii)のピーク分子量は、通常1000〜10000、好ましくは2000〜8000、さらに好ましくは2000〜5000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(ii)の酸価は1〜5が好ましく、より好ましくは2〜4である。ワックスに高酸価ワックスを使用するため、バインダは低酸価バインダが帯電や高体積抵抗につながるので二成分系現像剤に用いるトナーにはマッチしやすい。
バインダ樹脂のガラス転移点(Tg)は通常35〜70℃、好ましくは55〜65℃である。35℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、本発明のトナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
尚、ガラス転移点(Tg)は、示差走査熱量計(DSC)によって測定することができる。
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダ樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダ樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダ樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダ樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダ樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(トナーの製造方法)
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に溶解又は分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
樹脂微粒子は、水性分散体を形成しうる樹脂であればいかなる樹脂も使用でき、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよい。例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂としては、上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。
このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。例えばビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合また共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂が挙げられる。樹脂微粒子の平均粒径は5〜200nm、好ましくは20〜300nmである。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜80℃、好ましくは10〜50℃、更に好ましくは15〜25℃である。
である。
3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。
有機溶媒を除去する方法としては、空気や窒素の液相吹き込みによる常圧脱溶媒、減圧脱溶媒等、溶媒が除去できる方法であれば特に限定されないが、比較的低温で行えることから、減圧脱溶媒が好ましい。減圧する場合の減圧度は、好ましくは1〜90kPa、更に好ましくは5〜50kPaである。
温度溶剤除去工程時の分散液温は特に限定されないが、トナー粒子の合着防止の観点から、0〜60℃が好ましく、更に好ましくは5〜50℃、特に10〜40℃である。
また、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモルフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、チタニア微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<製造例>
〜低分子ポリエステルの製造方法〜
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸48部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに20mmHg以下の減圧で6時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[低分子ポリエステル]を得た。[低分子ポリエステル]は、数平均分子量2400、重量平均分子量6800、Tg43℃、酸価25であった。
〜中分子ポリエステルの製造方法〜
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリツト酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した[中分子ポリエステル]を得た。[中分子ポリエステル]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9600、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価51であった。
〜マスターバッチの製造方法〜
水1200部、カーボンブラック 1000部、[低分子ポリエステル]1000部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ]を得た。
〜プレポリマーの合成〜
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中分子ポリエステル]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー]を得た。[プレポリマー]の遊離イソシアネート重量%は、1.60%であった。[プレポリマー]の固形分濃度(150℃下45分放置後の重量から算出)は50%であった。
〜ケチミンの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物]を得た。[ケチミン化合物]のアミン価は423であった。
〜油相の作成〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、合成エステルワックスWAX 16部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)6.5部、酢酸エチル111部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ]50部を加え、1時間攪拌混合後、エバラマイルダー(荏原製作所製)を用いて、12〜36パスの条件で、顔料及びWAXの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル]の70wt%酢酸エチル溶液200部、[ケチミン化合物]8.5部、酢酸エチル50部を加え、上記条件のエバラマイルダーで3パスし、[原料分散液]を得た。[原料分散液]の固形分濃度(減圧下150℃60分放置後の重量から算出)は50%であった。
〜有機微粒子エマルションの製造方法〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水680部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30:三洋化成工業製)11部、スチレン69部、メタクリル酸110部、アクリル酸ブチル69部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液]を得た。[微粒子分散液]をLA−920で測定した体積平均粒径は、0.11μmであった。[微粒子分散液]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは150℃であった。
〜水相の製造方法〜
イオン交換水240部、[微粒子分散液]13部、ドデシルジフェニルェーテルジスルホン酸ナトリウムの50%水溶液(エレミノールMON−7):三洋化成工業製)40部、酢酸エチル25部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相]とする。
〜画像形成粒子の製造方法〜
[原料分散液]4420g/分、[プレポリマー]580g/分のスピードでスタティックミキサーN60(株式会社ノリタケエンジニアリング製)にて混合し、その混合液と、7500g/分のスピードで供給される[水相]を、パイプラインホモミキサー(特殊機化工業製)に供給し、乳化分散液を得た。パイプラインホモミキサーの吐出係数は0.15、翼径は0.11mであった。このときパイプラインホモミキサ−より流出する乳化分散液を、内径10mmの管から毎分240gで一定量取り続け、これをイオン交換水毎分1200gで希釈し、湿式レーザー回折式オンライン粒度分布測定機INSITEC−L(マルバーン社製)にて測定をおこなった。得られた液は、攪拌/加熱/減圧が可能な貯留槽に攪拌されながら貯留され、その後、脱溶剤、濾過、洗浄、乾燥を行い、画像形成粒子を得た。
<実施例>
上記方法に基づいて、下記条件で連続生産を行った。
乳化は、一日につき1回行い、計46回行った。乳化時間は120分、初期乳化スタート条件は、周速16.0m/s、温度20℃で行った。
測定条件は、乳化系X内で油相/水相比率が所定の状態になった時点で乳化スタートとし、乳化スタート5分後から2分間隔で粒径測定の結果を出力する。
なお、各粒径測定点での予測収束値Dv(x)∞を算出するために、近似式を算出する。具体的には、過去の粒径測定結果を蓄積したデータベースより、攪拌回転数、油水比率、温度等の乳化条件に関し、現乳化条件と同一条件下で行われた乳化反応のデータから、使用する近似式の種類(二次式、対数式、log式等)を選択する。
本実施例では、近似曲線として、式(1)で示される対数曲線が選択して使用される。
w=b・ln(u)+a ・・・ (1)
また更に、上記近似式(1)に代入する、粒径値が略収束する時のuの値としての、収束値uinf.を算出する。
表1は、過去の粒径測定結果を蓄積したデータベースより選択された乳化反応における、乳化時間と粒径値との関係を示したものであり、図4は、これらの関係をグラフにして示したものである。
図4で示されるグラフは、前述の現攪拌条件と、同一条件下で行われた乳化反応の粒径測定の結果を表すものであり、このグラフを用いて、uinf.を算出する。
即ち、図4の、a=5.105、b=0.427なるw=0.427・Ln(u)+5.105で表されるグラフの傾きdw/duが、dw/du<0.05となる値としての最小の整数uの値を、粒径値が略収束する時のuの値とみなし、収束値uinf.とする。
図4より、本実施例では、uinf.=10と算出される。
Figure 0004571024
また、粒径測定が3点以上で行われた後は、各測定点において、回帰曲線:w=b・ln(u)+aのa、bの値が決定されて、近似式w=b・ln(u)+aが決定される。
(u,w)=(Dv(x−2),1),(Dv(x−1),2),(Dv(x),3)であるときの、回帰曲線w=b・ln(u)+aのa,bを決定する方法としては、回帰曲線のa,bは、マイクロソフトエクセル(マイクロソフト社製)の関数計算式により、以下の命令で出力される値を用いている。
=INDEX(LINEST(A1:A3,B1:B3),2)
=INDEX(LINEST(A1:A3,B1:B3),1)
A1:Dv(x−2),A2:Dv(x−1),A3:Dv(x),B1:Ln(1),B2:Ln(2),B3:Ln(3)
更に、このようにして決定された回帰曲線w=b・ln(u)+aに、先に得られたuinf。 (本実施例においては、uinf。=10)を代入して、各粒径測定点におけるDv(x)∞を算出する。
なお、この作業を、各粒径測定点において行って、各点における近似式w=b・ln(u)+aを決定する。なお、近似式w=b・ln(u)+aに代入するuinf。の値は、本実施例では、共通してuinf。=10を使用する。
本実施例では、uinf。=10とし、規格範囲下限L=6.0、規格範囲上限U=6.5、微調整可否判断値S(Dv(x)とDv(x)∞の差がSを超えた場合に、より影響の大きい条件変更を行う)=0.2とした。
表2及び表3は、周速及び油水相比率を変更する際の関係を示したものであり、図5、図6は、これらの関係をグラフにして示したものである。
なお、乳化終了後に配管内に水相を捨て流し、乳化系X内に乳化液が残らないようにする。
Figure 0004571024
Figure 0004571024
本発明の乳化粒子製造方法における典型的な乳化挙動の例を、実施例1、実施例2、実施例3として記す。
(実施例1)
(連続生産 1回目、6/1)
乳化開始時間と乳化粒子の体積平均粒径の関係を図7に示し、乳化開始時間、体積平均粒径、Dv(x)∞を算出するための係数a及びb、算出されたDv(x)∞、図3−1〜図3−3に示した処理のうち、実行に供した処理を、表4に示す。
本実施例の概要としては、乳化時間17分(x=7)において、処理16(図3−3参照。)を実行し、周速を16.9m/sに変更した。これにより乳化39分後には、体積平均粒径が規格範囲下限を超え、以降安定した乳化液を得ることが出来た。
Figure 0004571024
(実施例2)
(連続生産37回目、10/19)
乳化開始時間と乳化粒子の体積平均粒径の関係を図8に示し、乳化開始時間、体積平均粒径、Dv(x)∞を算出するための係数a及びb、算出されたDv(x)∞、及び実行された処理を表5に示す。
本実施例では、乳化時間23分(x=10)において、処理16(図3−3参照。)を実行し、周速を16.8m/sに変更した。これにより乳化33分には体積平均粒径が規格範囲下限を超え、以降、安定した乳化液を得ることが出来た。
Figure 0004571024
(実施例3)
(連続生産44回目、11/11)
乳化開始時間と乳化粒子の体積平均粒径の関係を図9に示し、乳化開始時間、体積平均粒径、Dv(x)∞を算出するための係数a及びb、算出されたDv(x)∞、実行された処理を表5に示す。
本実施例では、乳化時間11分(x=4)において処理7を実行し、プレポリマーを678.6g/min.、原料分散液を5171.4g/min.、水相を9150g/min.(油相/水相=39/61)に変更した。これにより、乳化17分付近から体積平均粒径の上昇幅が小さくなった。しかし、乳化25分付近から体積平均粒径が小さくなり始め、Dv(x)∞より規格範囲下限よりも小さくなることが予測されたため、乳化29分(x=13)において処理3(図3−1参照。)を実行し、周速を16.15m/sに変更した。
これらの処理により、以降安定した乳化液を得ることが出来た。
Figure 0004571024
本発明の乳化粒子製造プロセスを実施する、反応装置の一実施例を示す模式的概略図である。 本発明の乳化粒子製造方法の粒径制御プロセスの一例を示すフローチャートである。 本発明の乳化粒子の製造方法において、予測収束値Dv∞(x)を用い、粒径制御を行う制御プロセスを説明する一連のフローチャートである。 本発明の乳化粒子の製造方法において、予測収束値Dv∞(x)を用い、粒径制御を行う制御プロセスを説明する一連のフローチャートである。 本発明の乳化粒子の製造方法において、予測収束値Dv∞(x)を用い、粒径制御を行う制御プロセスを説明する一連のフローチャートである。 過去の粒径測定結果を蓄積したデータベースより選択された乳化反応における、乳化時間と粒径値との関係を示したグラフである。 乳化装置の周速を変更する際の、粒径値との関係を示すグラフである。 乳化装置の油水相比率を変更する際の、粒径値との関係を示すグラフである。 実施例1における乳化開始時間と乳化粒子の体積平均粒径との関係を示すグラフである。 実施例2における乳化開始時間と乳化粒子の体積平均粒径との関係を示すグラフである。 実施例3における乳化開始時間と乳化粒子の体積平均粒径の関係を示すグラフである。
符号の説明
1 油相
2 プレポリマー槽
3 水相
4 乳化装置
5 収斂
A、B、C、D 流路
P 分岐位置

Claims (23)

  1. 水系媒体中に油滴を乳化させ、3〜10μmの粒径を有する乳化粒子を乳化器中で製造する乳化粒子の製造方法であって、
    化粒子の粒径である乳化粒径Dv(x)を測定する測定工程と、
    前記乳化粒径Dv(x)の変化量ΔDv(x)及び乳化粒径の予測収束値Dv(x)∞を算出する算出工程と、
    前記算出工程により得られた算出値に基づき、乳化粒径を制御する制御工程と、を有す
    ことを特徴とする乳化粒子の製造方法。
  2. 請求項1に記載の乳化粒子の製造方法において、
    前記制御工程は、前記乳化器の攪拌条件を変更させるか、または乳化液の水相/油相比率を変動させて、乳化粒径の制御を行う
    ことを特徴とする乳化粒子の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の乳化粒子の製造方法において、
    前記制御工程は、少なくとも前記乳化器の攪拌回転数を上げて、乳化粒子の粒径を増加させる
    ことを特徴とする乳化粒子の製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の乳化粒子の製造方法において、
    前記測定工程は、前記乳化粒子を含有する溶液の一部を抜き取り、
    前記溶液中に含まれる乳化粒子の粒子径を測定して行う
    ことを特徴とする乳化粒子の製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の乳化粒子の製造方法において、
    前記算出工程は、前記ΔDv(x)の経時での変化量に基づき、前記乳化粒径の予測収束値Dv(x)∞を算出する
    ことを特徴とする乳化粒子の製造方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の乳化粒子の製造方法において、
    前記制御工程は、前記測定工程の3回目のデータ取得以降は、前記ΔDv(x)値と前回のΔDv(x)値との比又は差に基づき、粒径制御を行う
    ことを特徴とする乳化粒子の製造方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の乳化粒子の製造方法において、
    前記制御工程は、前記測定工程の3回目のデータ取得以降は、更に、前記算出工程で得られる予測収束値Dv(x)∞に基づいて粒径制御を行う
    ことを特徴とする乳化粒子の製造方法。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の乳化粒子の製造方法において、
    前記算出工程は、乳化粒径の予測収束値Dv(x)∞を算出するための近似曲線を決定する工程と、
    前記近似曲線に基づき、乳化粒径の予測収束値Dv(x)∞を算出する工程と、を有し、
    前記近似曲線を決定する工程は、同一乳化条件下における過去の測定結果のデータベースより、使用する近似曲線の種類を選択する
    ことを特徴とする乳化粒子の製造方法。
  9. 請求項8に記載の乳化粒子の製造方法において、
    前記近似曲線を決定する工程は、近似曲線として、対数曲線を選択する
    ことを特徴とする乳化粒子の製造方法。
  10. 請求項8又は9に記載の乳化粒子の製造方法において、
    前記近似曲線を決定する工程は、3点以上のデータを用いて、近似曲線を決定する
    ことを特徴とする乳化粒径の製造方法。
  11. 請求項ないし10のいずれかに記載の乳化粒子の製造方法において、
    前記乳化粒径の予測収束値Dv(x)∞を算出する工程は、前記過去の測定結果のデータベースを用いて、前記近似曲線から乳化粒径の予測収束値Dv(x)∞を算出するための収束値u inf. を決定する
    ことを特徴とする乳化粒子の製造方法。
  12. 請求項ないし11のいずれかに記載の乳化粒子の製造方法において、
    前記収束値u inf. は、前記過去の測定結果のデータベースより得られる近似曲線の傾きが0.05未満となるときの、最小の変数uの値とする
    ことを特徴とする乳化粒径の製造方法。
    (但し、u inf. は、3を超える整数。)
  13. 請求ないし12のいずれかに記載の乳化粒子の製造方法において、
    前記測定工程は、一定時間間隔で乳化粒径を測定し、
    前記算出工程は、前記乳化粒径の測定時xの体積平均粒径をDv (x) としたとき、(u、w)=(1、Dv (x−2) ) 、(2、Dv (x−1) )、(3、Dv (x) )を用いて、下記式(1)で示される近似式を決定し、前記近似式に、前記収束値u inf。 を代入して、前記予測収束値Dv(x)∞を算出する
    ことを特徴とする乳化粒子の製造方法。
    w=b・ln(u)+a ・・・ (1)
    (但し、u inf. は、3を超える整数。)
  14. 請求項1ないし13のいずれかに記載の乳化粒子の製造方法において、
    前記予測収束値Dv(x)∞は、3〜10μmの範囲内で、且つ1.0μm以下の範囲幅に収束する条件に制御される
    ことを特徴とする乳化粒子の製造方法。
  15. 請求項1ないし14のいずれかに記載の乳化粒子の製造方法において、
    前記予測収束値Dv(x)∞は、5〜8μmの範囲内で、且つ1.0μm以下の範囲幅に収束する条件に制御される
    ことを特徴とする乳化粒子の製造方法。
  16. 請求項1ないし15のいずれかに記載の乳化粒子の製造方法において、
    前記算出工程は、さらに基準径以下の微粒子量を算出し、
    前記基準径以下の微粒子量が、一定基準値以上である場合に、粒径制御を行う
    ことを特徴とする乳化粒子の製造方法。
  17. 請求項1ないし16のいずれかに記載の乳化粒子の製造方法において、
    前記制御工程は、乳化器の攪拌回転数の変更を、優先して行う
    ことを特徴とする乳化粒子の製造方法。
  18. 請求項1ないし17のいずれかに記載の乳化粒子の製造方法において、
    前記制御工程は、Dv(x)∞が2回連続で、10μm超若しくは3μm未満となったときに、乳化液の水相/油相比率を変更する制御を行う
    ことを特徴とする乳化粒子の製造方法。
  19. 請求項1ないし18のいずれかに記載の乳化粒子の製造方法において、
    前記乳化粒子は、粒子内での化学反応により、粒子形成が進行する
    ことを特徴とする乳化粒子の製造方法。
  20. 請求項1ないし19のいずれかに記載の乳化粒子の製造方法において、
    前記乳化粒子は、前記化学反応により、粘度が増加される
    ことを特徴とする乳化粒子の製造方法。
  21. 請求項1ないし20のいずれかに記載の乳化粒子の製造方法において、
    前記乳化粒子は、少なくとも、重合体若しくは重合性単量体、着色剤を含む、溶液又は分散液を、水系媒体中での分散を行うことで粒子含有溶液又は分散液とし、該有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥して製造され、
    前記測定工程は、前記粒子含有溶液又は前記分散液の一部の抜き取りを行い、前記溶液又は分散液内に含まれる粒子の粒子径を、水により希釈して測定する
    ことを特徴とする乳化粒子の製造方法。
  22. 請求項1ないし21のいずれかに記載の乳化粒子の製造方法において、
    前記乳化粒子は、不活性有機溶媒を含有する
    ことを特徴とする乳化粒子の製造方法。
  23. 請求項1ないし22のいずれかに記載の乳化粒子の製造方法において、
    前記乳化反応は、連続乳化装置によって行われる
    ことを特徴とする乳化粒子の製造方法。
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