JP4570457B2 - 複合サッシの框体の製造方法 - Google Patents

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本発明は複合サッシに用いられる框体の製造方法に関し、特に室外側が金属材からなり室内側が樹脂材からなる複合材により構成される複合サッシの框体の製造方法に関する。
従来から、室外側が金属材からなり、室内側が樹脂材からなる複合材により構成される框体が知られている。框体は、上下の横框と左右の縦框とを方形状に框組みしてなるものである。そして框体の内部にはガラス体が納められて障子を構成する。この障子は、一般的に複合材から構成される枠体内に納められるもので、このような複合サッシとしては例えば特許文献1に挙げるようなものがある。
特許第3507031号公報
従来の框体を構成する框材は、金属材を横框及び縦框に相当する長さに切断すると共に、端面付近に所定の切断加工等を施し、またそれとは別に樹脂材を金属材の室内側露出面に相当する長さに切断すると共に、端面付近に所定の切断加工等を施し、その上で樹脂材を金属材にスライドさせて取付け、さらに適所をカシメにより固定して製造していた。
しかし、従来の複合サッシの框体を構成する框材は、上述のように金属材と樹脂材を別々に切断し、それぞれに端面加工を施した上で両者を固定していたため、工程数が多くコスト高の要因となっていた。
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、複合サッシの框材の工程数を減らして容易かつ安価に製造できる複合サッシの框体の製造方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明に係る複合サッシの框体の製造方法は、室外側の金属框と該金属框の室内側露出面を覆う樹脂框とから構成される上下の横框と左右の縦框を方形状に框組みしてなる複合サッシの框体の製造方法において、
上記金属框の断面形状を有する長尺状の金属材を形成すると共に、上記樹脂框の断面形状を有する板状で長尺状の樹脂材を形成し、上記金属材の室内側面に対し上記樹脂材を重合状に取付けて複合材を構成し、該複合材を各框の長さに切断し端部に所定の加工を施して上記横框及び縦框を形成し、該横框及び縦框を方形状に框組みしてなることを特徴として構成されている。
さらに、本発明に係る複合サッシの框体の製造方法によれば、金属材と板状の樹脂材を重合状とした複合材としているので、複合材の状態で切断することができ、金属材と樹脂材を別々に切断する場合に比べ、切断の工程数を半分にすることができるので、製造を容易かつ安価にすることができる。
本発明の実施形態について図面に沿って詳細に説明する。図1は、本実施形態における框体を用いたサッシの縦断面図であり、図2はその横断面図である。本実施形態における框体2は、横框である下框40及び上框50と、左右の縦框60とを方形状に框組みしてなるものであって、その内部にガラス体3を納めて障子を構成する。障子は、外障子4と内障子5とが用意され、これらは建物開口部に設けられる枠体1内に引き違い状に納められて、引き違いサッシを構成する。
まず、図1及び図2によりサッシ全体について説明する。枠体1は、金属材からなる金属下枠11と金属上枠21及び左右の金属縦枠31、31を方形状に枠組みしてなり、それが建物開口部に対して固定されている。枠体1は、その見込方向中間位置に四周に渡って設けられるフィン8が建物躯体に当接し、ビス止めされることで固定されている。すなわち、このサッシはいわゆる半外付けサッシである。また、金属下枠11の室内面下端部には、室内側に向かって突出する固定部11dが形成されており、この固定部11dも建物躯体に対してビス止めされる。
金属下枠11の上面には、その長手方向略全長に渡って外レール11aと内レール11b及び網戸レール11cが形成されており、外レール11aは外障子4を、内レール11bは内障子5を、網戸レール11cは網戸6を、それぞれサッシの長手方向に案内する。また、金属上枠21の下面には、その長手方向略全長に渡って外レール21aと内レール21b及び網戸レール21cが形成されている。これらは金属下枠11の各レールと対応した位置に形成されており、それぞれ外障子4と内障子5及び網戸6をサッシの長手方向に案内する。
金属縦枠31の内周面には、外障子4を閉じた状態でその側面と対向する位置に外突出部31aが長手方向略全長に渡って設けられる。また、内障子5を閉じた状態でその側面と対向する位置に内突出部31bが長手方向略全長に渡って設けられる。これらは、外障子4及び内障子5を閉じた際にサッシの気密性及び水密性を確保するために設けられている。
枠体1の室内側端部には、四周に渡って室内樹脂枠が設けられている。金属下枠11の室内側端部には、室内樹脂下枠13が設けられる。この室内樹脂下枠13は、内レール11bと金属下枠11の室内面との間に形成される凹部内に納められ、さらに金属下枠11の室内面よりも室内側に向かって延出する室内延出部13aを有してなるものである。
金属上枠21の室内側端部に設けられる室内樹脂上枠23も、同様に内レール21bと金属上枠21の室内面との間に形成される凹部内に納められ、さらに金属上枠21の室内面よりも室内側に向かって延出する室内延出部23aを有してなる。
また、金属縦枠31の室内側端部に設けられる室内樹脂縦枠33は、内障子5が閉じた状態でそれと対向する側の金属縦枠31に対しては、内突出部31bよりも室内側に設けられ、さらに室内側に向かって延出する室内延出部33aを有してなる。外障子4が配置される側の金属縦枠31に取付けられる室内樹脂縦枠33は、金属材ができるだけ室内側に露出しないように、内障子5が配置される側の金属縦枠31に取付けられる室内樹脂縦枠33よりも室外側に延長した延長部33bを有して構成される。延長部33bは、外障子4を閉じた状態におけるその室内面の近傍位置まで延長されている。
次に、外障子4と内障子5について説明する。これらの障子は、横框である下框40及び上框50と、左右の縦框60、60とを方形状に框組みしてなる框体2の内部に、ガラス体3を納めてなるものである。そして、框体2は、室外側に金属材を配し、室内側に樹脂材を配した複合材からなるものである。
下框40は、室外側の金属下框41と、その室内面に取付けられる板状の樹脂下框42とから構成されている。樹脂下框42は、金属下框41に係合し固定される。下框40の上部は、長手方向略全長に渡って、グレチャン7を挟持しガラス体3を納めることができるように、凹形状とされた溝状のガラス開口部45を形成している。
ガラス開口部45の室外側は金属下框41、室内側は樹脂下框42により構成されている。すなわち、ガラス体3の室外面は金属下框41により支持され、室内面は樹脂下框42により支持されている。また、下框40の下端部には、戸車43が設けられて、外障子4は外レール11aに、内障子5は内レール11bに、それぞれ載置される。
上框50は、室外側の金属上框51と、その室内面に取付けられる板状の樹脂上框52とから構成されている。樹脂上框52は、金属上框51に係合し固定される。上框50の下部は、長手方向略全長に渡って、グレチャン7を挟持しガラス体3を納めることができるように、凹形状とされた溝状のガラス開口部55を形成している。そして、下框40と同様、それに納められるガラス体3は、室外面を金属上框51により、室内面を樹脂上框52により、それぞれ支持される。
縦框60は、枠側縦框60aと召合せ框60bとで形状が異なる。枠側縦框60aは、左右いずれも室外側の金属縦框61と、その室内面に取付けられる板状の樹脂縦框62とから構成されている。召合せ框60bは、外障子4側は金属材からなる召合せ金属框63のみから構成され、内障子5側は召合せ金属框63と、その室内露出面に取付けられる板状の召合せ樹脂框64とから構成される。召合せ金属框63、63は、互いに対向する面にそれぞれ煙返し部63a、63aを有し、それらが互い違いとなってサッシの気密性を確保している。
また、内障子5の召合せ金属框63における室内露出面は、その室内面及び側面の二面あるため、召合せ樹脂框64はそれらの面を覆うように断面略L字状とされている。また、召合せ樹脂框64は召合せ金属框63の室内面及びその背面となる室外面にそれぞれ係合し固定される。そのため、召合せ樹脂框64の室外端部には略鉛直方向に突出する係合部64aが形成されている。
金属縦框61の内周面には、グレチャン7を挟持しガラス体3を納めることができるように、凹形状で溝状のガラス開口部65が形成されている。樹脂縦框62の内周側の先端部62aは、断面略コ字状に形成され、それが金属縦框61の先端に係合してグレチャン7に圧接する。したがって、縦框60においても、ガラス体3の室外面は金属縦框61により、室内面は樹脂縦框62により、それぞれ支持される。これによって、樹脂縦框62とグレチャン7とが連続状となって、金属縦框61を室内側に露出させない美観のよいサッシとすることができる。
図3には、外障子4として用いられる框体2の斜視図を示す。この図に示すように、横框である下框40と上框50、及び左右の縦框60、60は方形状に框組みされる。横框は溝状に形成されてなる縦框60のガラス開口部65に納められ固定されている。この連結構造については、後述する。図3における左側の縦框60は、外障子4を閉じた状態で縦枠30側に配される枠側縦框60aであり、右側の縦框60は、内障子5の縦框60と召合せ状態となる召合せ框60bである。
外障子4の召合せ框60bには、樹脂材は設けられていないが、枠側縦框60aの室内面には樹脂縦框62が設けられている。図3に示す枠側縦框60aの上端面について見ると、金属縦框61と樹脂縦框62の各上端面は略面一状とされている。また、図3に表れない下端面についても同様である。さらに、横框である下框40と上框50についても、両端面において金属材と樹脂材の端面は略面一状とされている。
図4には、内障子5として用いられる框体2の斜視図を示す。内障子5の框体2も外障子4と同様に横框である下框40と上框50、及び左右の縦框60、60を方形状に框組みして構成され、横框の両端部は縦框60のガラス開口部65に挿入され、固定される。図4における左側の縦框60は、外障子4の縦框60と召合せ状態となる召合せ框60bであり、右側の縦框60は、枠側縦框60aである。
内障子5では、枠側縦框60aと召合せ框60bのいずれも室内露出面を有しているため、それぞれに樹脂縦框62と召合せ樹脂框64が取付けられている。そして、図4に示すように、枠側縦框60aは、金属縦框61と樹脂縦框62の上端面が階段状で略面一状とされており、召合せ框60bも、召合せ金属框63と召合せ樹脂框64の上端面が階段状で略面一状とされている。また、枠側縦框60aと召合せ框60bの下端面も同様であり、下框40と上框50の両端面についても、金属材と樹脂材の端面が略面一状とされている。
このように、各框を構成する金属框と樹脂框との端面が略面一状とされているのは、金属框の断面形状を有する長尺状の金属材に対し、樹脂框の断面形状を有する長尺状の樹脂材をあらかじめ取付けて複合材を形成しておき、その複合材を切断して框を形成するためである。その製造方法について以下説明する。
図5には、上框50となる金属材80と樹脂材81の斜視図を示している。金属材80は、上框50の金属上框51の断面形状に形成された長尺状の部材であり、アルミの押出型材により構成される。また、樹脂材81は、上框50の樹脂上框52の断面形状に形成された長尺状の部材であり、樹脂を押出成形して形成される。
図6には、金属材80に樹脂材81を取付けた状態の斜視図を示す。この図に示すように、樹脂材81は金属材80の室内面に対して取付けられ、金属材室内面の上端及び下端にそれぞれ係合し固定される。樹脂材81は板状であり、それが金属材80の室内面に対して重合状態とされる。これによって、長尺状の複合材82を構成する。
次に、複合材82を上框50の長さに切断する。図7には、複合材82を切断した状態の斜視図を示す。この図に示すように、金属材80と樹脂材81とが一体化した状態で、複合材82の切断を行う。樹脂材81は板状に形成され、それが金属材80の室内面に対して重合状態で取付けられているため、金属材80と樹脂材81とが一体化した状態でも切断することができる。これによって、金属材80と樹脂材81とを別々に切断する必要がなく、切断については工程数を半分にすることができる。切断した複合材82に対しては、その端部について切り欠きや切断等必要な加工を施し、上框50を形成する。
図5〜図7は上框50の製造について示したものであるが、下框40や縦框60についても、同様の工程により製造される。すなわち、金属下框41や金属縦框61の断面形状を有した長尺状の金属材80と、樹脂下框42や樹脂縦框62の断面形状を有した長尺状で板状の樹脂材81とを用意し、樹脂材81は金属材80の室内面に対して重合状態となるように取付けて複合材82を構成し、その状態で所定長さに切断し、所定の端部加工を施して下框40及び縦框60を形成する。
複合材に対する端部加工の一例について説明する。図8には、上框50を室外側から見た斜視図を示している。なお、図8は上框50の一端部近傍のみを示している。上框50を構成する金属上框51には、室外面に僅かな段差を設けてあり、ガラス開口部55を構成する部分の見込方向幅を若干大きくするように形成されている。このままでは縦框60のガラス開口部65と干渉するので、金属上框51端部におけるガラス開口部55の構成部分は、切り欠き加工されて切欠部51aを形成する。同様の加工は、下框40に対してもなされる。複合材に対する端部加工は、このように金属材に対してなされるものだけでなく、樹脂材に対してなされる場合もあり、また金属材と樹脂材が重合状態となっている部分についてなされる場合もある。
このようにして製造した下框40と上框50及び縦框60をそれぞれ連結し、方形状の框体2とする。各框の連結について次に説明する。図9には、枠側縦框60aと上框50の連結前の状態を表した斜視図を示す。また、図10には、枠側縦框60aと上框50を連結した状態を表した斜視図を示す。これら各図は、外障子4の枠側縦框60aと上框50との連結を示したものである。
図9に示すように、横框である上框50の見込方向幅は、縦框60の内周面に形成されたガラス開口部65の幅と略同じであり、上框50の端部を縦框60のガラス開口部65に挿入できるようにされている。図10に示すように、上框50はその端面が縦框60のガラス開口部65の底面に当接するまで挿入されて固定される。また、上框50の上面と縦框60の上端面とは略面一状とされる。
縦框60のガラス開口部65の室内側面は、金属縦框61の室内面と樹脂縦框62とが重合状態となって構成されており、樹脂縦框62の内周側端部は、金属縦框61の室内面における内周側端部に係合する。さらに、樹脂縦框62は樹脂上框52と連続状となる。
図11には、召合せ框60bと上框50の連結前の状態を表した斜視図を示す。また、図12には、召合せ框60bと上框50を連結した状態を表した斜視図を示す。これら各図は、内障子5の召合せ框60bと上框50との連結を示したものである。
召合せ框60bと上框50の連結も、枠側縦框60aと上框50の連結と概ね同様の構成からなっている。すなわち、召合せ框60bの内周面にはガラス開口部65が形成され、これに上框50の端部が挿入される。図11に示すように、上框50はその端面が縦框60のガラス開口部65の底面に当接するまで挿入されて固定される。
召合せ框60bの上端面は、上述のように階段状に形成されており、また上框50の室内面も同様に階段状とされている。これにより、図12に示すように召合せ框60bと上框50の階段状の部分が略適合するように突き合わされ連結される。これ以外の横框と縦框の連結についても同様であって、縦框60のガラス開口部65に対し横框の端部を挿入し、その端面をガラス開口部65の底面に当接させ固定する。
以上のように、長尺状の複合材82を切断して横框及び縦框を形成し、それらを連結することで框体2を形成するので、金属材80と樹脂材81をそれぞれ別々に切断することなく一度に切断することができるので、工程数を減らすことができる。複合材82を切断するためには、樹脂材81が板状であって金属材80の室内面に重合状に取付けられていることが必要である。
これまで、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態には限られず、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。
本実施形態における框体を用いたサッシの縦断面図である。 本実施形態における框体を用いたサッシの横断面図である。 外障子として用いられる框体の斜視図である。 内障子として用いられる框体の斜視図である。 金属材と樹脂材の斜視図である。 金属材に樹脂材を取付けた状態の斜視図である。 複合材を切断した状態の斜視図である。 上框を室外側から見た斜視図である。 枠側縦框と上框の連結前の状態を示した斜視図である。 枠側縦框と上框を連結した状態を示した斜視図である。 召合せ框と上框の連結前の状態を示した斜視図である。 召合せ框と上框を連結した状態を示した斜視図である。
符号の説明
1 枠体
2 框体
3 ガラス体
4 外障子
5 内障子
10 下枠
20 上枠
30 縦枠
40 下框
41 金属下框
42 樹脂下框
45 ガラス開口部
50 上框
60 縦框
60a 枠側縦框
60b 召合せ框
80 金属材
81 樹脂材
82 複合材

Claims (1)

  1. 室外側の金属框と該金属框の室内側露出面を覆う樹脂框とから構成される上下の横框と左右の縦框を方形状に框組みしてなる複合サッシの框体の製造方法において、
    上記金属框の断面形状を有する長尺状の金属材を形成すると共に、上記樹脂框の断面形状を有する板状で長尺状の樹脂材を形成し、上記金属材の室内側面に対し上記樹脂材を重合状に取付けて複合材を構成し、該複合材を各框の長さに切断し端部に所定の加工を施して上記横框及び縦框を形成し、該横框及び縦框を方形状に框組みしてなることを特徴とする複合サッシの框体の製造方法。
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