以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本発明の実施の形態の1つにおけるデータ管理システムの全体概要を示す図である。図1を参照して、データ管理システム1は、それぞれがネットワーク2に接続され、画像処理装置であるMFP(Multi Function Peripheral)100,100A,100B,100C,100Dと、パーソナルコンピュータ(PC)300,300A,300Bと、ファイルサーバ200と、を含む。
ネットワーク2は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、インターネットにゲートウェイを介して接続されている。ネットワーク2は有線または無線を問わない。またネットワーク2は、LANに限らず、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Networks)を用いたネットワーク、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネットであってもよい。また、LANに代えてシリアル通信インターフェースまたはパラレル通信インターフェースで接続するようにしてもよい。
PC300,300A,300Bは、一般的なコンピュータである。PC300,300A,300Bのハードウェ構成および機能は周知なのでここでは説明を繰り返さない。PC300,300A,300Bそれぞれは、MFP100,100A〜100Dを制御するためのドライバプログラムがインストールされており、PC300,300A,300BそれぞれからMFP100,100A〜100Dを遠隔制御することが可能となっている。
MFP100,100A〜100D各々は、原稿を読取るためのスキャナ装置、画像データに基づいて紙などの記録媒体に画像を形成するための画像形成装置およびファクシミリ装置を含み、画像読取機能、複写機能、ファクシミリ送受信機能を備えている。なお、本実施の形態においてはMFP100,100A〜100Dを画像処理装置の一例として説明するが、MFP100,100A〜100Dに代えて、データを記憶するための記憶装置を有していれば、たとえば、プリンタ、ファクシミリ装置、パーソナルコンピュータ等であってもよい。また、MFP100,100A〜100Dは、構成および機能が同じなので以下の説明では特に言及しない限りMFP100を例に説明する。
図2は、MFPのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2を参照して、MFP100は、メイン回路110と、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する静止画像を用紙等に形成するための画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給するための給紙部150と、ユーザインターフェースとしての操作パネル160と、を含む。メイン回路110は、CPU111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM113と、RAM114と、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)115と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)116と、ファクシミリ部117と、フラッシュメモリ118Aが装着されるカードインターフェース(I/F)118とを含む。CPU111は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150および操作パネル160と接続され、MFP100の全体を制御する。
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる静止画像を一時的に記憶する。
操作パネル160は、MFP100の上面に設けられ、表示部160Aと操作部160Bとを含む。表示部160Aは、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electroluminescence Display)等の表示装置であり、ユーザに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部160Bは、複数のキーを備え、キーに対応するユーザの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受付ける。操作部160Bは、表示部160A上に設けられたタッチパネルをさらに含む。
通信I/F部112は、MFP100をネットワーク2に接続するためのインターフェースである。CPU111は、通信I/F部112を介してMFP100A〜100D、PC300,300A,300Bまたはファイルサーバ200との間で通信し、データを送受信する。また、通信I/F部112は、ネットワーク2を介してインターネットに接続されたコンピュータと通信が可能である。
ファクシミリ部117は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部117は、受信したファクシミリデータを、HDD116に記憶する、または画像形成部140に出力する。画像形成部140は、ファクシミリ部117により受信されたファクシミリデータを用紙に印刷する。また、ファクシミリ部117は、HDD116に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
カードI/F118は、フラッシュメモリ118Aが装着される。CPU111は、カードI/F118を介してフラッシュメモリ118Aにアクセス可能である。CPU111は、カードI/F118に装着されたフラッシュメモリ118Aに記録されたプログラムをRAM114にロードして実行する。なお、CPU111が実行するプログラムは、フラッシュメモリ118Aに記録されたプログラムに限られず、HDD116に記憶されたプログラムをRAM114にロードして実行するようにしてもよい。この場合、ネットワーク2に接続された他のコンピュータが、MFP100のHDD116に記憶されたプログラムを書換える、または、新たなプログラムを追加して書き込むようにしてもよい。さらに、MFP100が、ネットワーク2に接続された他のコンピュータからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD116に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
図3は、ファイルサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3を参照して、ファイルサーバ200は、ファイルサーバ200の全体を制御するためのCPU201と、CPU201が実行するプログラム等を記憶するためのROM202と、CPU201の作業領域として用いられるRAM203と、ファイルサーバ200をネットワークに接続するためのネットワークI/F204と、大容量記憶装置としてのHDD205と、表示部206と、ユーザの操作の入力を受付ける操作部207とを含む。
図4は、MFPが備えるCPUが有する機能の一例をHDDに記憶するデータとともに示す機能ブロック図である。図4を参照して、MFP100が備えるCPU111は、複数種類の処理を実行可能な処理実行部51と、処理が実行されたことを示す履歴情報をHDD116に記憶する履歴記憶部63と、履歴情報をファイルサーバ200に送信する履歴送信部65と、HDD116に記憶されているデータをファイルサーバにアップロードするアップロード部71と、アップロードされたデータに対するリンクを形成するリンク部81と、を含む。
処理実行部51は、遠隔操作を受け付ける遠隔操作受付部53と、データに画像処理を実行する画像処理部55と、複数のデータを結合するファイル処理部57と、データを外部に送信する送信処理部59と、画像形成部140を制御する画像形成処理部61と、を含む。
遠隔操作受付部53は、通信I/F部112がPC300,300A,300Bのいずれかから処理を実行するための遠隔操作指示を受信すると、通信I/F部112から遠隔操作指示を受け付ける。遠隔操作指示は、HDD116に記憶されているデータのフォーマットを変換する画像処理を実行させる指示、HDD116に記憶されているデータを分割または複数のデータを結合するファイル処理を実行させる指示、HDD116に記憶されているデータを外部に送信する送信処理を実行させる指示、PC300,300A,300Bのいずれかから受信されるプリントデータ、またはHDD116に記憶されているデータを画像形成する画像形成処理を実行させる指示、を含む。遠隔操作受付部53は、画像処理を実行させる遠隔操作指示を受け付けると、画像処理部55に遠隔操作指示を出力し、ファイル処理を実行させる遠隔操作指示を受け付けると、ファイル処理部57に遠隔操作指示を出力し、送信処理を実行させる遠隔操作指示を受け付けると、送信処理部59に遠隔操作指示を出力し、画像形成処理を実行させる遠隔操作指示を受け付けると、画像形成処理部61に遠隔操作指示を出力する。
画像処理部55は、遠隔操作受付部53または操作部160Bから画像処理を実行する指示を受け付ける。画像処理部55は、受け付けられた指示に従ってHDD116に記憶されたデータのうち指示により特定されるデータに指示により特定される画像処理を施す。例えば、HDD116に記憶されているデータをフォーマット変換する。なお、ここでは画像処理の一例としてフォーマット変換を例に示すが、画像処理は、画像に含まれる文字を認識しテキストデータに変換する文字認識処理、画像を先鋭化する先鋭化処理、画像の色を補正する色補正処理等、画像に対して実行される処理を含む。
ファイル処理部57は、遠隔操作受付部53または操作部160Bからファイル処理を実行する指示を受け付ける。画像処理部55は、受け付けられた指示に従ってHDD116に記憶されたデータのうち指示により特定されるデータに指示により特定されるファイル処理を施す。ファイル処理は、HDD116に記憶されているデータを分割する処理、複数のデータを結合する処理、データの記憶される位置を変更する処理を含む。
送信処理部59は、遠隔操作受付部53または操作部160Bから送信処理を実行する指示を受け付ける。送信処理部59は、受け付けられた指示に従ってHDD116に記憶されたデータのうち指示により特定されるデータを指示により特定される送信方法で指示により特定される送信先に送信する。例えば、送信処理部59は、PC300からHDD116に記憶されているデータの閲覧を要求する遠隔操作指示が受信される場合、HDD116に記憶されているデータのうち閲覧を要求されたデータをPC300に送信する。
画像形成処理部61は、遠隔操作受付部53または操作部160Bから画像形成処理を実行する指示を受け付ける。画像形成処理部61は、受け付けられた指示に従って、データの画像を画像形成部140に形成させる。画像形成処理部61が処理対象とするデータは、遠隔操作指示が入力される場合には、PC300,300A,300Bのいずれかから受信されるプリントデータ、またはHDD116に記憶されたデータのうち指示により特定されるデータであり、操作部160Bから指示が入力される場合にはHDD116に記憶されたデータのうち指示により特定されるデータである。
画像処理部55、ファイル処理部57、送信処理部59および画像形成処理部61それぞれは、処理を実行したことを示す実績情報を履歴記憶部63に出力する。実績情報は、処理対象となったデータを識別するためのデータ識別情報と、実行した処理を識別するための処理識別情報と、指示が入力された装置を識別するための装置識別情報を含む。指示が入力された装置を識別するための装置識別情報は、操作部160Bから指示を受け付ける場合はMFP100の装置識別情報であり、遠隔操作受付部53から遠隔操作指示を受け付ける場合は遠隔操作指示を送信してきた装置の装置識別情報である。
履歴記憶部63は、画像処理部55、ファイル処理部57、送信処理部59および画像形成処理部61のいずれかから実績情報が入力されると、実績情報に基づいて履歴レコードを生成し、HDD116に記憶されている履歴情報91に追加する。履歴記憶部63は、処理実行部51が処理を実行する毎に実績情報が入力され、履歴レコードを生成し、履歴情報91に追加する。
図5は、履歴情報の一例を示す図である。図5を参照して、履歴情報91は、複数の履歴レコードを含み、履歴レコードは、No.の項目と、開始日時の項目と、ユーザ名の項目と、内容の項目と、ファイル名の項目と、入力元の項目と、出力先の項目と、操作元の項目と、を含む。No.の項目は、履歴情報を識別するための情報であり、ここでは、シリアル番号が設定される。開始日時の項目は、処理が実行された日付と、時刻とが設定される。ユーザ名の項目は、処理の実行を指示したユーザを識別するためのユーザ識別情報が設定される。操作部160Bから操作が受け付けられた場合、MFP100にログインしているユーザのユーザ識別情報を設定し、通信I/F部112から遠隔操作が受け付けられる場合には、遠隔操作とともに通信I/F部112により受信されるユーザ識別情報を設定する。
内容の項目は、実行された処理を識別するための処理識別情報を含み、その処理に関する詳細な情報が設定される。例えば、No.の項目が「1」および「3」の履歴レコードそれぞれは、内容の項目においてデータ処理内容に送信処理の処理識別情報である「Net送信」が設定されており、No.の項目が「2」の履歴レコードは、内容の項目においてデータ処理内容に画像形成処理の処理識別情報である「印刷」が設定されている。
内容の項目において、処理識別情報以外の情報は、例えば、原稿読取部130が読み取って出力するデータを処理対象とする場合における原稿のサイズ、データの解像度、サイズ、ファイル形式を含み、画像形成部140がデータを処理する場合における出力する部数、出力する用紙のサイズを含み、データを出力する処理における出力するデータのサイズ、解像度、ファイル形式、出力方法等を含む。ファイル名の項目は、処理の対象となったデータを識別するためのデータ識別情報が設定される。データ識別情報は、HDD116にそれが記憶される位置とデータに付されたファイル名とを含む。ファイル名は、例えば、データが外部から入力される処理の場合は入力されるデータに付されたファイル名であり、HDD116に記憶されているデータが処理対象となる場合はHDD116に記憶されたデータに付されたファイル名であり、原稿読取部130が原稿を読み取って出力するデータの場合は処理を指示したユーザのユーザ識別情報であり、外部から受信される電子メールに添付されたデータが処理対象となる場合は添付されたデータに付されたファイル名であり、ファクシミリ部117が受信するファクシミリデータが処理対象となる場合は送信元の番号である。
入力元の項目は、処理対象となったデータが入力される元の情報が設定される。例えば、HDD116に記憶されているデータが処理対象の場合、HDD116を識別するための情報と、データの直接パスを含むファイル名が設定され、原稿読取部130が原稿を読み取って出力するデータが処理対象の場合、原稿読取部130に付された記号が設定され、通信I/F部112が受信したデータが処理対象の場合、データを送信してきた装置の装置識別情報が設定され、ファクシミリ部117が受信するデータが処理対象となる場合送信元の電話番号が設定され、フラッシュメモリ118Aに記憶されているデータが処理対象の場合、フラッシュメモリ118を識別するための情報と、データに付されたファイル名とが設定される。さらに、入力先に関する情報、例えば、処理対象となるデータを送信してきたPC300〜300Bの装置識別情報、送信プロトコル等の入力方法、処理対象のデータが記憶されていた位置を示すURL(Uniform Resource Locator)、電子メールに添付されたデータが処理対象となる場合にはその電子メールの送信者を識別するためのユーザ識別情報を含むようにしても良い。
出力先の項目は、データを出力した先を示す情報が設定される。画像形成処理の場合は画像形成部140に付された記号が設定され、データ送信処理の場合はデータを送信した先の電子メールアドレス、URLまたは送信先のファクシミリ装置に付された番号が設定され、HDD116またはフラッシュメモリ118Aに記憶される場合はHDD116またはフラッシュメモリ118Aに付された記号が設定される。
操作元の項目は、遠隔操作指示に従って処理が実行されたか否かを示す操作情報が設定される。指示が操作部160Bから受け付けられた場合は、MFP100の装置識別情報が設定され、遠隔操作指示に従って処理が実行された場合は遠隔操作指示を送信してきた装置の装置識別情報が設定される。このため、操作元の項目から処理が遠隔操作により実行された処理か否かがわか。
図4に戻って、履歴送信部65は、通信I/F部112がファイルサーバ200から履歴送信要求を受信すると、通信I/F部112から履歴送信要求を受け付ける。履歴送信部65は、履歴送信要求を受け付けると、HDD116に記憶されている履歴情報91を通信I/F部112を介してファイルサーバ200に送信する。
ここで、ファイルサーバ200について説明する。図6は、ファイルサーバが備えるCPUが有する機能の一例をHDDに記憶するデータとともに示す機能ブロック図である。図6を参照して、ファイルサーバ200が備えるCPU201は、履歴情報の送信を要求するための履歴送信要求を送信する履歴送信要求部211と、履歴情報を受信する履歴受信部213と、履歴情報を解析する解析部215と、解析結果に基づいてデータの送信を要求するための送信指示を送信する送信指示送信部225と、データを受信し、HDD205に記憶するデータ受信部227と、記憶されたデータのURLを含むリンク情報を送信するリンク情報送信部229と、を含む。
履歴送信要求部211は、ネットワーク2に接続されている装置を検出し、ネットワーク2に接続されている装置のうちからデータを収集する対象となる装置を特定し、特定した装置に履歴情報の送信を要求する。ネットワーク2に接続されている装置を検出するために、例えば、ネットワークI/F204を介してブロードキャストでPINGコマンドを送信する。そして、ネットワークI/F204を介してPINGコマンドに対する応答を受信すると、その応答を送信してきた装置をネットワーク2に接続されている装置として検出する。ここでは、ファイルサーバ200は、MFP100、100A〜100DおよびPC300,300A,300Bをネットワーク2に接続されている装置として検出する。
履歴送信要求部211は、ネットワーク2に接続されている装置として検出されたMFP100、100A〜100DおよびPC300,300A,300Bのうち新たに検出された装置を、データを収集する対象の装置に特定する。ここでは、MFP100が新たにネットワーク2に接続された場合を例に説明する。この場合、履歴送信要求部211は、MFP100がネットワーク2に接続される前に、ネットワーク2に接続されている装置を検出した際に検出したMFP100A〜100DおよびPC300,300A,300Bの装置識別情報をHDD205に記憶している。履歴送信要求211は、MFP100が接続される前にネットワーク2に接続されている装置として検出された装置の装置識別情報に基づいて、新たにネットワーク2に接続されたMFP100を特定する。そして、履歴送信要求部211は、新たにネットワーク2に接続されたMFP100を、データを収集する対象の装置に特定し、MFP100に履歴情報の送信を要求するための履歴送信要求を送信する。
上述したように、履歴送信要求を受信したMFP100は、それが備えるHDD116に記憶された履歴情報91を送信するので、履歴受信部213は、ネットワークI/F204が受信する履歴情報91を受け付ける。履歴受信部213は、履歴情報を解析部215に出力する。
解析部215は、送信基準判断部217と、処理基準判断部219と、操作基準判断部221と、リンクデータ生成部223と、を含む。送信基準判断部217は、履歴情報91のうちに送信処理の処理識別情報を含む履歴レコードの数が全体に占める割合に基づいて、MFP100のHDD116に記憶されているデータをアップロードするか否かを決定する。例えば、送信処理の処理識別情報を含む履歴レコードの数が全体の半分以上の場合にアップロードすることに決定する。送信基準判断部217は、アップロードすることに決定すると、送信指示送信部225にアップロード指示を出力する。
送信処理の対象となるデータは、MFP100から送信先の装置に送信され、送信先の装置で処理されるので、MFP100は、送信処理を実行するとデータを送信先の装置に送信しなければならない。例えば、送信処理の処理識別情報を含む履歴レコードの数が全体の半分以上の場合にMFP100に記憶されているデータをファイルサーバ200に記憶するようにすれば、半分以上の送信処理をファイルサーバ200に実行させることができ、MFP100で実行する必要が無くなる。このため、MFP100に記憶されているデータをファイルサーバ200に記憶することにより、MFP100の負荷を軽減することができる。
なお、ここでは送信基準判断部217は、送信処理の実行された回数が実行された処理全体の回数に占める割合に基づいて、MFPからデータをアップロードするか否かを決定したが、送信処理の対象となったデータがMFP100のHDD116に記憶されているデータの数に占める割合に基づいて、MFP100からデータをアップロードするか否かを決定するようにしてもよい。
処理基準判断部219は、履歴情報91のうちに画像処理またはファイル処理を識別するための処理識別情報を含む履歴レコードの数が全体に占める割合に基づいて、MFP100のHDD116に記憶されているデータをアップロードするか否かを決定する。例えば、画像処理またはファイル処理の処理識別情報を含む履歴レコードの数が全体の半分以上あれば、アップロードすることに決定する。処理基準判断部219は、アップロードすることに決定すると、送信指示送信部225にアップロード指示を出力する。
画像処理またはファイル処理はファイルサーバ200においても実行することができるので、例えば、画像処理またはファイル処理の処理識別情報を含む履歴レコードの数が全体の半分以上の場合にMFP100に記憶されているデータをファイルサーバ200に記憶するようにすれば、半分以上の画像処理またはファイル処理をファイルサーバ200に実行させることができ、MFP100は実行する必要が無くなる。このため、MFP100に記憶されているデータをファイルサーバ200に記憶することにより、MFP100の負荷を軽減することができる。
なお、ここでは処理基準判断部219は、画像処理またはファイル処理が実行された回数が実行された処理全体の回数に占める割合に基づいて、MFP100からデータをアップロードするか否かを決定したが、画像処理またはファイル処理の対象となったデータがHDD116に記憶されているデータの数に占める割合に基づいて、MFP100からデータをアップロードするか否かを決定するようにしてもよい。
操作基準判断部221は、履歴情報91のうちに遠隔操作に従って実行されたことを示す操作情報が設定された履歴レコードの数が全体に占める割合に基づいて、MFP100のHDD116に記憶されているデータをアップロードするか否かを決定する。具体的には、操作元の項目にMFP100の装置識別情報以外の装置の装置識別情報が設定されている履歴レコードを、遠隔操作に従って実行されたことを示す操作情報が設定された履歴レコードと判断する。例えば、遠隔操作に従って実行されたことを示す操作情報が設定された履歴レコードの数が全体の半分以上あれば、アップロードすることに決定する。操作基準判断部221は、アップロードすることを決定すると、送信指示送信部225にアップロード指示を出力する。
遠隔操作で実行される処理の対象となるデータは、外部からアクセスされるため、MFP100が通信する負荷が大きい。例えば、遠隔操作に従って実行されたことを示す操作情報が設定された履歴レコードの数が全体の半分以上の場合にMFP100に記憶されているデータをファイルサーバ200に記憶するようにすれば、半分以上の処理をファイルサーバ200に通信させることでき、MFP100は通信する必要が無くなる。このため、MFP100に記憶されているデータをファイルサーバ200に記憶することにより、MFP100で通信する負荷を軽減することができる。
なお、ここでは操作基準判断部221は、遠隔操作による処理が実行された回数が実行された処理全体の回数に占める割合に基づいて、MFP100からデータをアップロードするか否かを決定したが、遠隔操作の対象となったデータがHDD116に記憶されているデータの数に占める割合に基づいて、MFP100からデータをアップロードするか否かを決定するようにしてもよい。
また、送信基準判断部217、処理基準判断部219および操作基準判断部221のいずれかがアップロードすることに決定した場合に、アップロードするようにしたが、送信処理、画像処理、ファイル処理および遠隔操作による処理のうちから選ばれた2以上の処理のいずれかが実行された回数の全体に対する割合に基づいて、アップロードするか否かを判断するようにしてもよい。
リンクデータ生成部223は、送信基準判断部217、処理基準判断部219および操作基準判断部221のいずれにおいてもアップロードすることが決定されない場合、履歴情報91に含まれるすべての履歴レコードそれぞれについて、ファイル名の項目に設定されているデータ識別情報に基づいて、そのデータにアクセスするためのリンクデータを生成し、生成したリンクデータをHDD205に記憶する。ここでは、データ識別情報は、MFP100が備えるHDD116における位置と、ファイル名とを含む。リンクデータ生成部223は、HDD205にMFP100に割り当てられたフォルダを追加し、そのフォルダの下位にデータ識別情報に含まれる位置に相当するフォルダを生成する。これにより、MFP100が備えるHDD116に構成されているのと同一のフォルダが、HDD205の一部に構成される。そして、リンクデータにデータ識別情報に含まれるファイル名を付与し、HDD205に記憶する。リンクデータ95は、MFP100に割り当てられたIPアドレスと、データ識別情報とを組み合わせたURLを含む。
送信指示送信部225は、解析部215に含まれる送信基準判断部217、処理基準判断部219および操作基準判断部221のいずれかからアップロード指示が入力されると、ネットワークI/F204を介して、データを送信させるための送信指示をMFP100に送信する。なお、送信の対象となるデータは、MFP100において処理実行部51により処理の対象となるデータである。たとえば、MFP100のシステムを稼働するためのデータは含まれない。
送信指示を受信したMFP100は、HDD116に記憶されているデータを送信するので、データ受信部227は、ネットワークI/F204がMFP100から受信するデータを受け付け、受け付けられたデータをHDD205に記憶する。この際、送信指示送信部225は、リンクデータ生成部223と同様に、HDD205にMFP100に割り当てられたフォルダを追加し、そのフォルダの下位にMFP100から受信されたデータのデータ識別情報に含まれる位置に相当するフォルダを生成する。これにより、MFP100が備えるHDD116に構成されているのと同一のフォルダが、HDD205の一部に構成される。そして、MFP100から受信されたデータにそのデータのデータ識別情報に含まれるファイル名を付与し、HDD205に記憶する。
リンク情報送信部229は、データ受信部227がHDD205にデータを記憶すると、記憶されたデータのURLを含むリンク情報をMFP100にネットワークI/F204を介して送信する。
図4に戻って、MFP100が備えるCPU111のアップロード部71は、通信I/F部112がファイルサーバ200から送信指示を受信すると、HDD116に記憶されているデータを、通信I/F部112を介してファイルサーバ200に送信する。そして、アップロード部71は、リンク部81にリンク生成指示を出力する。
アップロード部71が送信したデータを受信するファイルサーバ200は、上述したように、受信したデータをHDD205に記憶した後、記憶されたデータURLを含むリンク情報を返信する。
リンク部81は、リンク情報受信部83と、リンク生成部85と、データ削除部87と、を含む。リンク情報受信部83は、通信I/F部112がファイルサーバ200からリンク情報を受信すると、リンク情報を受け付け、リンク情報をリンク生成部85に出力する。リンク生成部85は、リンク情報に基づいてリンクデータを生成し、HDD116の対応するデータが記憶されているフォルダにリンクデータを記憶する。これにより、HDD116にリンクデータ95が記憶される。リンクデータ95は、リンク情報に含まれるURLを含み、そのURLの最下位の階層に設定されているファイル名で記憶される。リンク情報に含まれるURLは、ファイルサーバ200が備えるHDD206に記憶されたデータのURLであり、ファイル名は、対応するデータに付されたファイル名と同じである。
データ削除部87は、HDD116に記憶されているデータ93を削除する。これにより、HDD116の記憶容量を多くすることができる。一方、ファイルサーバ200が備えるHDD204にデータの実態が記憶され、リンクデータ95によりMFP100が備えるHDD116にデータが仮想的に記憶される。このため、リンクデータ95からファイルサーバ200が備えるHDD204に記憶されているデータ253にアクセスすることができ、データを取得することができる。
図7は、処理実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。処理実行処理は、MFP100が備えるCPU111が制御プログラムを実行することによりCPU111により実行される処理である。制御プログラムはデータ保存プログラムの一部である。図7を参照して、CPU111は、操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS01)。ユーザが操作部160Bから入力する操作を受け付けた場合、または、通信I/F部112がネットワークに接続されたPC300,300A,300Bのいずれかから遠隔操作を受け付けた場合、操作を受け付けたと判断する。操作を受け付けるまで待機状態となり(ステップS01でNO)、操作を受け付けたならば(ステップS01でYES)、処理をステップS02に進める。
ステップS02においては、受け付けられた操作に従って処理を実行する。具体的には、送信処理、画像処理、ファイル処理および画像形成処理のいずれかの処理、または、それらを組み合わせた処理を実行する。次のステップS03においては、履歴レコードを生成する。そして、生成された履歴レコードをHDD116の履歴情報91に追加して記憶する(ステップS04)。これにより、図5に示した履歴情報91がHDD116に記憶される。MFP100が処理を実行する毎に履歴レコードが生成され、HDD116の履歴情報91に追加して記憶される。
図8は、アップロード処理の流れの一例を示すフローチャートである。MFP100が備えるCPU111がアップロードプログラムを実行することによりCPU111により実行される処理である。アップロードプログラムはデータ保存プログラムの一部である。図8を参照して、CPU111は、通信I/F部112がファイルサーバ200から接続要求を受信するまで待機状態となり(ステップS11)、接続要求を受信したならばファイルサーバ200とセッションを確立し、処理をステップS12に進める。すなわち、アップロード処理は、ファイルサーバ200から接続要求を受信することを条件に実行される処理である。
ステップS12においては、通信I/F部112がファイルサーバ200から履歴送信要求を受信したか否かを判断する。履歴送信要求を受信したならば処理をステップS12に進めるがそうでなければ処理をステップS20に進める。
ステップS13においては、HDD116に記憶されている履歴情報91を通信I/F部112を介してファイルサーバ200に送信する。そして、通信I/F部112がファイルサーバ200から送信指示を受信したか否かを判断する(ステップS14)。送信指示を受信したならば処理をステップS15に進めるが、そうでなければステップS15をスキップして処理をステップS16に進める。ステップS15においては、送信指示に含まれるデータ識別情報で特定されるデータをHDD116から読出し、通信I/F部112を介してファイルサーバ200に送信する。データを受信したファイルサーバ200は、受信したデータをHDD205に記憶する。したがって、ファイルサーバ200にデータがコピーされる。
ステップS16においては、通信I/F部112がファイルサーバ200からリンク情報を受信したか否かを判断する(ステップS13)。リンク情報を受信したならば処理をステップS17に進めるが、そうでなければ処理をステップS20に進める。ステップS17においては、リンク情報に基づいてリンクデータを生成し、生成されたリンク情報をHDD116に記憶する(ステップS18)。リンクデータは、リンク情報に含まれるURLを含み、ステップS15において送信したデータと同じファイル名である。リンク情報に含まれるURLは、ファイルサーバ200においてHDD205に記憶されたデータが記憶される位置を含む。これにより、ステップS15においてファイルサーバ200に送信し、ファイルサーバ200が備えるHDD205に記憶されたデータとのリンクが形成され、そのデータがMFP100の備えるHDD116に仮想的に記憶される。
次のステップS19においては、ステップS15において送信したデータをHDD116から削除する。削除の対象となるデータと同じデータがファイルサーバ200のHDD205に記憶されており、そのデータにアクセスするためのリンクデータ95がHDD116に記憶されている。このためHDD116に記憶されているデータを削除した後であっても、ステップS18においてHDD116に記憶されたリンクデータ95に基づいて、ファイルサーバ200のHDD205に記憶されているデータにアクセスすることができる。
ステップS20においては、ファイルサーバ200との接続が切断されたか否かを判断する。ファイルサーバ200との接続が切断されたならば処理を終了するが、そうでなければ処理をステップS14に戻す。
図9は、データ収集処理の流れの一例を示すフローチャートである。データ収集処理は、ファイルサーバ200が備えるCPU201がデータ収集プログラムを実行することにより、CPU201により実行される処理である。データ収集プログラムは、データ保存プログラムの一部である。
図9を参照して、CPU201は、ネットワーク2に接続されている装置を検出する(ステップS21)。例えば、ネットワークI/F204を介してブロードキャストでPINGコマンドを送信し、PINGコマンドに対する応答を受信すると、その応答を送信してきた装置をネットワーク2に接続されている装置として検出する。ここでは、ファイルサーバ200は、MFP100、100A〜100DおよびPC300,300A,300Bがネットワーク2に接続されている装置として検出する。そして、検出された装置を登録する(ステップS22)。ここでは、検出された装置の装置識別情報をHDD116に記憶する。
次のステップS23においては、ステップS21において検出されたMFP100、100A〜100DおよびPC300,300A,300Bのうちから1つを処理対象の装置に選択する。そして、選択された装置が新規に登録された装置か否かを判断する(ステップS24)。新規に登録された装置ならば処理をステップS25に進め、そうでなければ処理をステップS37に進める。したがって、ステップS25以降の処理は、新規に登録された装置に対して実行されるので、ネットワーク2に装置が新たに接続された場合、またはファイルサーバ200がネットワーク2に新たに接続された場合に、ステップS25以降の処理が実行される。
例えば、MFP100が新たにネットワーク2に接続されたとすると、MFP100がネットワーク2に接続される前に、データ収集処理が実行された段階で、MFP100A〜100DおよびPC300,300A,300Bの装置識別情報がHDD205に記憶されている。ステップS23において処理対象に選択された装置識別情報が、MFP100がネットワーク2に接続される前に、データ収集処理が実行された段階で、HDD205に記憶された装置識別情報のうちに存在しなければ、新規に登録された装置と判断する。以下、MFP100が新規に登録された装置と判断された場合を例に説明する。
ステップS25においては、ステップS23において処理対象に選択された装置、ここではMFP100と接続する。そして、ネットワークI/F204を介して履歴送信要求を送信する(ステップS26)。履歴送信要求を受信したMFP100は、履歴情報91を送信してくるので、その履歴情報91を受信する(ステップS27)。
そして、受信された履歴情報91に基づいて解析処理を実行する。解析処理については後述するが、処理対象であるMFP100が備えるHDD116に記憶されているデータをアップロードするか否かを判断する処理であり、アップロードすると判断した場合に、アップロードフラグをONに設定し、アップロードしないと判断した場合に、アップロードフラグをOFFに設定する。
ステップS29においては、アップロードフラグの状態により処理を分岐させる。アップロードフラグがONに設定されていれば処理をステップS30に進め、OFFに設定されていれば処理をステップS34に進める。
ステップS30においては、ネットワークI/F204を介して処理対象であるMFP100に送信指示を送信する。履歴情報に含まれる複数の履歴レコードのうちか1つを処理対象に選択し、選択された履歴レコードのファイル名の項目に設定されているデータ識別情報を含む送信指示を送信する。そして、データを受信するまで待機状態となり(ステップS31でNO)、データを受信すると処理をステップS32に進める。
ステップS32においては、受信されたデータをHDD205に記憶する。HDD205に処理対象であるMFP100に対して割り当てるための領域を生成し、生成された領域に、履歴情報に含まれる履歴レコードのファイル名の項目に設定されているデータ識別情報で特定されるフォルダを生成する。これにより、MFP100が備えるHDD116が有するフォルダ構成と同一のフォルダ構成がHDD205の一部に構成される。そして、生成したフォルダに、データを記憶する。
ステップS33においては、HDD205にデータが記憶されると、記憶されたデータのURLを含むリンク情報をMFP100にネットワークI/F204を介して送信する。次のステップS36においては、ステップS27において受信された履歴情報91に含まれる履歴レコードのうちに、ステップS30において処理対象に選択されていない履歴レコードが存在するか否かを判断する。処理対象に選択されていない履歴レコードが存在するならば処理をステップS30に戻し、存在しなければ処理をステップS37に進める。
一方、ステップS34においては、MFP100が備えるHDD116に記憶されたデータをアップロードしないことが決定されたので、ステップS27において受信された履歴情報91に含まれるすべての履歴レコードそれぞれについて、ファイル名の項目に設定されているデータ識別情報のデータにリンクするためのリンクデータを生成する(ステップS34)。リンクデータは、データ識別情報で特定されるデータのURLを含み、データ識別情報に含まれるファイル名が付与される。
そして、生成されたリンクデータをHDD205に記憶(ステップS35)し、処理をステップS36に進める。リンクデータを記憶する際、HDD205に処理対象であるMFP100に対して割り当てるための領域を生成し、生成された領域に、履歴レコードのファイル名の項目に設定されているデータ識別情報で特定されるフォルダを生成する。これにより、MFP100が備えるHDD116が有するフォルダ構成と同一のフォルダ構成がHDD205の一部に構成される。そして、生成したフォルダにリンクデータを記憶する。
ステップS37においては、ステップS25において接続したMFP100と切断し、処理をステップS38に進める。ステップS38においては、ステップS23において処理対象に選択されていない装置が存在するか否かを判断する。処理対象に選択されていない装置が存在するならば処理をステップS23に戻し、存在しなければ処理を終了する。
図10は、解析処理の流れの一例を示すフローチャートである。解析処理は、図9のステップS28において実行される処理である。図10を参照して、CPU201は、履歴情報91に含まれる複数の履歴レコードを、処理内容の項目に設定されている処理識別情報毎に集計し、データ送信処理の処理識別情報が設定されている履歴レコードの数が全履歴レコード数に占める割合が、所定のしきい値T1以上か否かを判断する(ステップS41)。送信処理の割合がしきい値T1以上ならば処理をステップS44に進めるが、そうでなければ処理をステップS42に進める。
ステップS42においては、履歴情報91に含まれる複数の履歴レコードを、処理内容の項目に設定されている処理識別情報毎に集計し、画像処理およびファイル処理の処理識別情報が設定されている履歴レコードの数が全履歴レコード数に占める割合が、所定のしきい値T2以上か否かを判断する。画像処理およびファイル処理の割合がしきい値T2以上ならば処理をステップS44に進めるが、そうでなければ処理をステップS43に進める。
ステップS43においては、履歴情報91に含まれる複数の履歴レコードを、処理内容の項目に設定されている処理識別情報毎に集計し、遠隔操作による処理が設定されている履歴レコードの数が全履歴レコード数に占める割合が、所定のしきい値T3以上か否かを判断する。遠隔操作による処理の割合がしきい値T3以上ならば処理をステップS44に進めるが、そうでなければ処理をステップS45に進める。
ステップS44においては、アップロードフラグをONに設定し、処理をデータ収集処理に戻す。一方、ステップS45においては、アップロードフラグをOFFに設定し、処理をデータ収集処理に戻す。
なお、ここでは、MFP100のHDD116に記憶されている処理対象となるデータのすべてをアップロードするようにしたが、MFP100のHDD116が複数の記憶領域を有する場合には、複数の記憶領域ごとにアップロードするか否かを判断し、アップロードすることが決定された記憶領域に記憶されているデータのみをアップロードするようにしてもよい。
さらに、MFP100のHDD116に記憶されているデータごとに、アップロードするか否かを判断し、アップロードすることが決定されたデータのみをアップロードするようにしてもよい。この場合、履歴情報91のうちデータのデータ識別情報を含む履歴レコードの数に対する、送信処理、画像処理、ファイル処理および遠隔操作による処理が実行された回数の割合に基づいて、アップロードするか否かを判断する。
図11は、MFPが備えるHDDのアップロード前におけるフォルダ構成の一例を示す図である。図12は、MFPが備えるHDDのアップロード後におけるフォルダ構成の一例を示す図である。図13は、ファイルサーバが備えるHDDのアップロード後におけるフォルダ構成の一例を示す図である。まず、図11および図13を参照して、アップロード後に、ファイルサーバ200のHDD207には、MFP100のHDD116に構成されていたフォルダ構成と同一のフォルダ構成が生成される。次に、図11〜図13を参照して、例えば、ファイル名が「ファイルA1」のデータは、アップロード前においては、その実態がMFP100のHDD116のフォルダAAに記憶されている。このデータは、ファイルサーバ200にアップロードされないので、アップロード後に、MFP100のHDD116にデータの実態が記憶され、ファイルサーバ200のHDD205にMFP100のHDD116に記憶されているデータにアクセスするためのリンクデータが記憶される。
また、ファイル名が「ファイルA2」のデータは、アップロード前においては、その実態がMFP100のHDD116のフォルダAAに記憶されている。このデータは、ファイルサーバ200にアップロードされるので、アップロード後に、ファイルサーバ200のHDD205にデータの実態が記憶され、MFP100のHDD116にファイルサーバ200のHDD205に記憶されたデータにアクセスするためのリンクデータが記憶される。
このため、ファイルサーバ200のHDD116と、MFP100のHDD116のいずれにアクセスする場合であっても、同一のデータにアクセスすることができる。
<変形例>
上述した実施の形態におけるデータ管理システム1においては、ファイルサーバ200において、ネットワーク2に接続されたMFP100、100A〜100DおよびPC300,300A,300Bそれぞれに記憶されたデータをファイルサーバ200にアップロードするか否かを判断するようにしたが、変形例においては、ファイルサーバ200でなく、MFP100、100A〜100DおよびPC300,300A,300Bそれぞれにおいて、ファイルサーバ200にアップロードするか否かを判断するようにしたものである。
以下、上述したデータ管理システム1と異なる点を主に説明する。図14は、変形例におけるMFP100が備えるCPU111の機能の概要を示す機能ブロック図である。図4に示した機能ブロック図と比較して、CPU111Aが履歴送信部65を有しない点、および解析部215Aを有する点で異なる。解析部215Aは、送信基準判断部217、処理基準判断部219、操作基準判断部221およびリンク情報送信部223Aを含む。送信基準判断部217、処理基準判断部219および操作基準判断部221は、図6に示したそれらと同じである。
リンク情報送信部223Aは、送信基準判断部217、処理基準判断部219および操作基準判断部221のいずれにおいてもアップロードすることが決定されない場合、履歴情報91に含まれるすべての履歴レコードそれぞれについて、ファイル名の項目に設定されているデータ識別情報のデータのURLを含むリンク情報を、通信I/F部112を介してファイルサーバ200に送信する。
図15は、変形例におけるファイルサーバが備えるCPUの機能の概要を示す機能ブロック図である。図15を参照して、変形例におけるファイルサーバ200が備えるCPU201Aは、リンク情報受信部231と、データ受信部227と、リンク情報送信部229と、を含む。データ受信部227とリンク情報送信部229とは、図6に示したそれらと同一なのでここでは説明を繰り返さない。
リンク情報受信部231は、ネットワークI/F204がMFP100からリンク情報を受信すると、受信されたリンク情報に基づいてリンクデータを生成し、HDD205の対応するデータが記憶されているフォルダにリンクデータを記憶する。これにより、HDD205にリンクデータ251が記憶される。具体的には、リンク情報を送信してきたMFP100に対して割り当てるための領域をHDD205に生成し、生成された領域に、リンク情報に含まれるURLから特定されるフォルダを生成する。リンク情報に含まれるURLは、MFP100が備えるHDD116に記憶されたデータのURLである。これにより、MFP100が備えるHDD116に構成されているフォルダと同一のフォルダ構成がHDD205の一部に構成される。そして、リンク情報に含まれるURLを含み、そのURLの最下位の階層に設定されているファイル名のリンクデータをフォルダに記憶する。
以上説明したように、本実施の形態におけるデータ管理システム1は、MFP100が備えるHDD116に記憶されたデータに、そのデータに対して実行された処理を識別するための処理識別情報を関連付けた履歴レコードを含む履歴情報91が記憶されており、ファイルサーバ200またはMFP100において履歴情報91が解析され、解析結果に基づいて、FP100が備えるHDD116に記憶されたデータがファイルサーバ200にアップロードされる。データに対して実行された処理に基づいてファイルサーバ200とMFP100とのいずれにデータを記憶するかが決定されるので、実行されることが予想される処理を実行するのに適した位置にデータを記憶することができる。
また、送信処理を識別するための処理識別情報を含む履歴レコードの数が履歴情報91に含まれる履歴レコードの数に占める割合が所定の値T1以上ならば、データをファイルサーバ200にアップロードするので、外部に送信する処理をファイルサーバ200で実行するようにして、MFP100の負荷を低減することができる。
また、画像処理またはファイル処理を識別するための処理識別情報を含む履歴レコードの数が履歴情報91に含まれる履歴レコードの数に占める割合が所定の値T2以上ならば、データをファイルサーバ200にアップロードするので、画像処理およびファイル処理をファイルサーバ200で実行するようにして、MFP100の負荷を低減することができる。
また、データに対して実行される処理が遠隔操作により実行されたことを示す履歴レコードの数が履歴情報91に含まれる履歴レコードの数に占める割合が所定の値T3以上ならば、データをファイルサーバ200にアップロードするので、遠隔操作による処理をファイルサーバ200で実行するようにして、MFP100の負荷を低減することができる。
また、送信処理を識別するための処理識別情報を含む履歴レコードの数、画像処理またはファイル処理を識別するための処理識別情報を含む履歴レコードの数、またはデータに対して実行される処理が遠隔操作により実行されたことを示す履歴レコードの数のいずれもが履歴情報91に含まれる履歴レコードの数に占める割合が所定の値より小さければ、データをMFP100で処理する割合が多いため、MFP100に記憶される。この場合にファイルサーバ200にデータを記憶してしまうと、MFP100に記憶する場合に比較して、データを処理するためにMFP100にデータを送信する回数が増えてしまう。このため、MFP100の処理が増大するとともに、ネットワーク資源が浪費される。したがって、本実施の形態におけるデータ管理システムによれば、効率の良い位置にデータを記憶することができる。
なお、上述した実施の形態においては、データ管理システム1について説明したが、図7〜図10に示した処理を実行するためのデータ保存方法または、データ保存方法をコンピュータに実行させるためのデータ保存プログラムとして発明を捉えることができるのは言うまでも無い。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<付記>
(1) 前記画像処理装置に記憶されていたデータのうち前記サーバにアップロードされた前記データに代えて、前記サーバに記憶された前記データにアクセスするためのリンクデータを記憶するステップを、さらに含む請求項7に記載のデータ保存方法。
(2) 前記解析するステップは、データを外部に送信する処理を識別するための処理識別情報を含む履歴情報に基づいて、アップロードするか否かを決定するステップを含む、請求項7に記載のデータ保存方法。
(3) 前記解析するステップは、画像処理またはファイル処理を識別するための処理識別情報を含む履歴情報に基づいて、アップロードするか否かを決定する、請求項7に記載のデータ保存方法。
(4) 前記画像処理装置において、遠隔操作を受信するステップを、さらに含み、
前記履歴情報は、データに対して実行された処理が前記受信された遠隔操作に従って実行されたか否かを示す操作情報がさらに関連付けられており、
前記解析するステップは、前記遠隔操作に従って実行されたことを示す操作情報が関連付けられた履歴情報に基づいて、アップロードするか否かを判断する、請求項7に記載のデータ保存方法。
(5) 前記画像処理装置は、データを複数の領域に分類して記憶しており、
前記解析するステップは、前記画像処理装置に記憶されるデータが記憶される領域毎に、該領域に記憶されているデータをアップロードするか否かを判断するステップを含む、請求項7に記載のデータ保存方法。
1 データ管理システム、2 ネットワーク、51 処理実行部、53 遠隔操作受付部、55 画像処理部、57 ファイル処理部、59 送信処理部、61 画像形成処理部、63 履歴記憶部、65 履歴送信部、71 アップロード部、81 リンク部、83 リンク情報受信部、85 リンク生成部、87 データ削除部、100,100A〜100D MFP、110 メイン回路、111 CPU、112 通信I/F部、116 HDD、118 カードI/F、118A フラッシュメモリ、130 原稿読取部、140 画像形成部、160 操作パネル、160A 表示部、160B 操作部、200 ファイルサーバ、201 CPU、204 ネットワークI/F、205 HDD、206 表示部、207 操作部、211 履歴送信要求、211 履歴送信要求部、213 履歴受信部、215,215A 解析部、217 送信基準判断部、219 処理基準判断部、221 操作基準判断部、223 リンクデータ生成部、223A リンク情報送信部、225 送信指示送信部、227 データ受信部、229 リンク情報送信部、231 リンク情報受信部、251 リンクデータ、253 データ、300,300A,300B PC。