JP4569160B2 - クロマトグラフ質量分析装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、ガスクロマトグラフ装置の分離カラム出口につながる接続管と、質量分析装置のイオン化室への試料導入管との間に、真空ポンプに接続するセパレータを設けたガスクロマトグラフ質量分析装置が開示されている。
また、特許文献2には、切り替え弁を介して吸気ポンプと、メークアップHeガスとに接続されたセパレーターを包含する機構であって、分析時の過剰な溶媒成分の除去によるイオン化室の汚染防止を目的として設けられたものが開示されている。
また、他例として、溶媒カットバルブと称されているガス遮断機構や、キャリアガスの一部を溶媒流出時期に合わせて排出する機構を付属させたもの等が提案されている。
また、排除だけでなく、分離過程で特定成分を、或いは特定の時間帯を分流して採取する自動成分分取装置や、特定区間を排除したり、或いは別種分離管に導いて再展開するカラムスイッチング等の流路変更機構を付設した装置も多く提案され、既に、公知である。
また、臭い嗅ぎスプリッターなどの商品では、スニーファー付加装置として分離管からのガスの一部を分割し、一方は分析計に、他方は装置外部にメークアップガスを追加増量、加湿等の処理を施してから放出し、臭い嗅ぎ作業を行いやすくしたもの等も知られている。
然し、何れもこれらの完全な達成には、クロマトグラフの分離成分のピークが極めてシャープであること、及び、極めて高精度な分取時間タイミングと流路デッドボリュームの極小化が必要である。
ガスクロマトグラフィー分析以外の上記遊離酸類の分析法として、ポストカラム発色法HPLC分析、キャピラリー電気泳動法等の分析法も有るが、何れも低感度で、充分に満足できるものではない。
特許文献3には、蟻酸、酢酸に比べて炭素数はやや多いが、酪酸、カプロン酸、カプリン酸等の炭素数4以上の脂肪酸混合物を誘導体化処理することなく脂肪酸のままケトンと蟻酸との混合溶媒に溶解して、ガスクロマトグラフィー分析する方法が開示されている。
しかしながら、この方法では溶媒成分が蟻酸であるため、蟻酸自体の分析は勿論、実際上酢酸も分析することが出来ない。
この方法は、例えば、説明図10に模式的に示されているように、キャピラリーカラムに、水と混和しない物質から成る固定相を形成し、移動相にキャリアガスと共に水分を存在させ、カラム内での水分の蒸発と凝縮によって、分離対象物質の移動及び展開を行うガスクロマトグラフ法であるが、固定相と移動相との界面間に、薄い水膜層を形成させる点が特徴で、これにより、揮発性で親水性の化合物を、シャープなピークとして高分解能で高感度に分離できる。
ただし、本明細書での全ての下記測定は大型拡散ポンプを有するJEOL-DX303HF磁場形GC/MS装置を使用し、多少の水分導入では真空系シャットダウンに至らない。
余裕をもって原理の確認を行えるために好ましいものであるが、この装置は本発明の実施に必須のものではない。
図8は、固定相として、キャピラリーカラムに25%フェニル・ジメチルポリシロキサン樹脂を1μm厚さでコーティングしたものに、水に溶解させた低級カルボン酸を注入し展開させた、ガスクロマトグラフィー/マススペクトル測定チャートを示したものである。
この図から明らかなように、水に溶解した低級カルボン酸は、カラム内壁に形成された水膜帯が、蒸発した直後にシャープなピークとして出現しており、水による水蒸気蒸留効果と、極く薄い水膜相での高分離分配現象とが、鋭いパターン形成に関係していることを示している。
C1からC3の脂肪族カルボン酸が極めてシャープに分離され、45M/Zのカルボキシル基由来イオンのマスクロマトグラフに、その様子が記録されている。
GC/MS分析装置で、1μLの水注入は無謀な試みであり、通常は、装置損傷や真空の破壊をもたらす過酷な条件であるにもかかわらず、図8が測定できているのは、すでに述べたように大型GC/MS装置ゆえの結果である。
図8において、水ピークに広がりはあるが酸類ピークはシャープであり、それに比較して、水膜で分離されないキシレンは、若干幅広くカラム固定相(25%フェニル・ジメチルポリシロキサン)で通常の分配で分離展開され、o、m、p異性体の3本パターンが、通常のガスクロマトグラフィーと同様に観察されている。
かように、水膜クロマトグラフィー法は、通常条件の分析では見られない独特の分離パターンを見せる。
この加圧下で、水の沸点を上昇させて高沸点極性化合物類を分析する手法も本発明者等によって既に見出されている。
リストリクターに、排気抵抗のさらに高い管を用いた分離管出口スプリッターを用いれば、細管内背圧が上昇し接続されている分離管出口の圧力も上昇する。
クロマトグラフ装置が、質量定流量制御式調圧器(マスフローメーター)を使用していれば、結果として、分離管頭頂部の分離管気圧を相対的に高めることができ、高圧水膜クロマトグラフィー条件を実現させられるが、キャピラリーカラム用クロマトグラフ装置で、一般的に使用される定圧流量制御器の場合は、分離管の頭頂部と出口部との差圧を一定に維持する調圧機構を備える必要がある。
高温高圧水膜クロマトグラフィー法を実現して、クロマトグラフィー分析困難物質への分離技術展開を押し進めることの有用性は疑いがない。
検出器に導入されるガスの置換、補充及び排出を可能とする分離管出口スプリッター機構を挿入し、クロマトグラフ展開区間の不要物質群を廃棄したり、任意の必要区間だけの分析を実施したり、特定物質に限定した分析を行ったりするには、高分離クロマトグラフの特徴である流出成分ピーク幅の鋭さを損なわない材質の使用と、拡散によるピーク幅の広がりを防止するデッドボリュームの小さい流路構成が必要とされる。
デッドボリュームを増やさぬためには、細い流路の使用、メークアップによるガス流量の希釈増大化、流路にバルブ類などの器具をできるだけ挿入しない、簡素化されたガス流調整方式の達成などの対策を取り入れることが有効である。
このような事故防止のために、イオン源への導入が好ましくない物質を、極力排除する簡素な構造の常設機構の構築が必要である。
これにより、装置の保護ばかりでなく、貴重な採取データの欠損を未然に防止することができる。
かかる分離管からの水分は、最も好ましくない溶媒であることから、イオン源への導入以前に可能な限り排除する必要がある。
殊に、この分析法の実施に際して用いられる分析装置として、特段高価な専用仕様の装置でなく、汎用の卓上型ガスクロマトグラフ/四重極マススペクトル形分析装置(GC/Q−MASS)を使用するには、分離後のキャリアガスから水分の充分な除去を行うことが、検出器の保護のために不可欠である。
装置保護のため、質量分析計イオン源への水分量減少手段として、有効な分離管出口スプリッター流路が強く求められる。
また、本発明の更なる目的は、クロマトグラフ展開分離装置部に、水膜ガスクロマトグラフ装置を結合した装置に於いて、溶剤としての水分除去が完全に達成され、例え、結合される質量分析装置が大型の専用装置ではなく、四重極マススペクトル形分析装置等の簡易型のものであっても、その機能を、常に有効に奏させることのできる分離管出口スプリッターを接続した、ポストカラム付属流路挿入形のクロマトグラフ質量分析装置を提供することにある。
更に、本発明の他の目的は、結合される水膜ガスクロマトグラフ装置が加圧方式のものであっても、溶剤としての水分除去が完全に達成され、且つ、分離カラム入口側と出口側の圧差を、常に所定圧差に維持することの出来る機能を具備した、ポストカラム付属流路挿入形のクロマトグラフ質量分析装置を提供することにある。
本発明のクロマトグラフ質量分析装置は、クロマトグラフの分離管出口端と検出装置部の入口端との間に、各々位置を隔てて接続された4本の側管を有する特定構造の環状流路管から成る分離管出口スプリッターが接続されたポストカラム付属流路挿入形装置である点が構成上の顕著な特徴である。
分離管出口に近い側管から溶媒を完全に押し出し廃棄する機能はGC/MS装置では最も重要なインターフェース部分であり、特に、水膜クロマトグラフィーを一般的なGC/MS装置で稼働させるためには、移動相に含まれる水分の除去が必須の重要課題となる。
本発明は、これを上記特定構造の分離管出口スプリッターを質量分析計イオン源導入口と分離管との間に接続することにより解決したものであって、この側管との適切なガス流量制御の組み合わせによりクロマトグラフの分離成分の極めてシャープなピークの検出と、極めて高精度な切替え時間タイミングと流路デッドボリュームの極小化が達成できる。
更に、分離管から流出する成分の選択分取、選択廃棄も可能とする高度な機能を含めて該ポストカラム形付属流路によるGC/MS装置の完全な分析をも達成することができる。
接続位置の異なる4つの側管を有する環状流路、すなわち、典型的には、側管付きの四角い環流路には、分離管から流入するキャリアガスに背圧を与えるリストリクター(抵抗細管部)が接続され、さらに各側管での流量流入度合いの結果がもたらす圧力相互関係により排出用側管から系外に排出されるガス流量の調整が可能である。
溶媒を系外に排出する分岐(スプリット)機構にはソルベントカットバルブと称する各種機構がすでに存在する。
これには、ガス拡散速度差を利用する手法によるものや、単に分離管からのキャリアガスの一部を分岐排出して減量するものがある。
しかし、流路切り替えを高分離クロマトグラフィーの分離管出口に付加できる小デッドボリューム流路装置は、少なくとも本発明者の知る限りに於いて存在しない。
特に、フェニル基を15乃至45フェニル基モル%濃度で含有するフェニル基含有メチルポリシロキサン共重合体樹脂、又は、複数の異種フェニル・メチルポリシロキサン樹脂及び/又はメチルポリシロキサン樹脂類との混合により前記フェニル基モル%相当濃度とした樹脂組成物が好ましい。
いずれにおいても、メークアップガスがキャリアガス排除分を補うように働き、従来にない溶媒遮断機能を発揮する。
以て、下流側の検出器にとって好ましくない水分のような物質や、多量の溶媒物質の一部を系外排除し、あるいは量的過大な成分を減量する。
この装置により、揮発性且つ親水性の化合物を分離展開し、分離管出口スプリッターを備え、検出器である質量分析計イオン源への水分量を低減、または除去しながら分析を行うことが出来る。
分離管出口圧を高めて相対的に分離管内圧を高める定流量制御機構により、水膜クロマトグラフィーでの高温域での水蒸発を押さえた高圧下水膜クロマトグラフィー法が実現化できる。
この結果、質量分析装置の保護、採取データの保護ばかりでなく、特定物質や任意区間の物質を分取または排除する選択機能により、水膜クロマトグラフィー法、高圧水膜クロマトグラフィー法、高精度分取機能など新規のクロマトグラフ質量分析法を提供し、多くの分離分析対象分野に、高次元のクロマトグラフィー応用技術の道を開くことを可能にするものである。
本発明は、クロマトグラフ質量分析装置のインターフェース部に於ける流路切り替えを、より簡便に行う機構を検討し、溶媒の排除や必要成分の分取を、簡単な操作で実施する機構を提供するものである。
以下に述べる用語「四角い流路」は、環流路が4個の分岐点を有する環を表現した本発明での仮称用語で、三つ又管4個をそれぞれの2個の又を使用して連結した形態の環状流路のことを意味する。
本発明の流路切り替え機構である分離管出口スプリッターでは、流入する分離管からのキャリアガスとメークアップガスとが、検出装置に接続される側管(以下この側管を第4側管と略称することがある)に設けられたリストリクターの排気抵抗により、スプリッター細管内に背圧を発生させることを特徴としている。
しかし、極端な場合、分離管出口スプリッターの管内圧が、クロマトグラフ装置の分離管頭頂部の圧力設定条件を上回る可能性もあり、かかる状況では、一般的なクロマトグラフ装置の定圧式流量制御機能では、分離管内を流れるキャリアガスが停止したり逆流したりする事態を招く。
かような事態を避ける機構として、分離管出口スプリッター管内圧と分離管頭頂部、あるいは試料注入口部との圧力差を終始維持し、定流量制御を行ってキャリアガス流量を一定に保つ機構が必要になる。
この条件下で、リストリクターで生ずる背圧を利用したガス流の方向制御機構を、分離管出口スプリッターとして適用できる。
この側管の一つを、分離管出口に接続し(第1側管)、対角に排気抵抗が高い細管部を有する側管(第4側管)を介して、質量分析計イオン源を検出器として接続する。
分離管出口が接続された側管(第1側管)の隣の側管の一つ(第2側管)は、細管内の気圧に抵抗する圧力調整機能を有するメークアップガス導入用定圧制御式流量調整弁を備え、もう一方の隣の側管(第3側管)には、排出流量調整用の弁を設ける。
実際の部品の形を入れて表現すると、図2(a)、(b)に示すような構成の流路となる。
メークアップガス流入管(第2側管)の近傍に、排気抵抗を微調整するニードルバルブを入れているが、補助的な流路要素で、図1(a)と図2(a)はどちらも四角い基本骨格で組まれている。
従来、装置の場合、通常は図1(b)のくし形分岐路が使われるが、開放端が結合点数(N)のN+2個となり、その分部品数が増し、デッドボリュウム上も簡素化目的上も好ましくない。
これに対して環状流路では、結合点数(N)と開放端数は同じN個であり、簡素な部品構成でガス流れ方向を切り替えられる利点がある。
1から4の数字は、四角い流路要素の各辺がどこに該当するのかを念のため記入したものである。
図2(b)において、分離管出口スプリッターは、その流路の対角に分離管であるキャピラリーカラムの出口端末と、質量分析(MS)装置のイオン源導入口配管とが夫々接続された環状管からなり、該環状管には、分離管出口キャピラリーカラムの接続された第1側管Aと、その隣の第2側管B、第3側管Dと、イオン源に接続する第4側管Cのそれぞれ側管計4本が配設されている。
第4側管Cには、環状細管流路内のガスをイオン源に導く時抵抗となるリストリクター管(Pr)を挿入してある。
第2側管Bは、キャリアガスとは別途に調圧されたヘリウムガスを、メークアップガスとして供給するためのものである。
第3側管Dには排気用に流量調整弁が設けてあり、弁開閉と排気抵抗を担う。
第1側管Aに接続したキャピラリーカラムからのキャリアガスと、第2側管Bからのメークアップガス流入とによるガス流は、第4側管Cのリストリクターにより環状管内に背圧を形成し、第3側管Dからの装置系外へのガス排出を促す。
分離管出口圧力P1は、リストリクターや各要素の流路抵抗で背圧を生じて変動し、メークアップガス導入で背圧は強調される。
「四角い流路」内の気圧はどの箇所(P1,Pm,Pd,Pr)も、動的な状態では微妙に異なると考えられる。
キャピラリーカラムからのキャリアガスは、R1からR3の経路とR2からR4との2つの経路で、高抵抗(リストリクター)を通って検出器に導入される。
静的な状態に近い場合に、キャリアガスが検出器に至るまでに通過する経路は、抵抗R1+R3(=Rdとする)とR2+R4(=Rmとする)の差により決まる。
圧P1より少し高いPmでのメークアップガス導入では、R2のある管流路においてメークアップガスはキャリアガスに対して反対流となる。
排出側管が開かれるとPdが下がり、P1とPdとの圧力差とR1の小ささで、Pd点から放流されるガスの大半がキャリアガスと分離成分となり、検出器に達するキャリアガスと分離成分は極く少量となる。
したがって、検出器に達するガスは、ほぼメークアップガスのみで占められるのは自明である。
排出側管の弁を閉鎖してある状態では、分離管流出成分であるキャリアガスと分離成分は、メークアップガスで単に希釈された状態で、全量が検出器に導入される。
キャリアガス流量に近い排出量となる中間的な排出弁開放により、事前の経験則的要素を調べた後で、分離管から検出器に到達する物質量の比率、すなわちスプリット比を調整することができる。
図2(a)の四角い流路では、R1、R3は同じ細管内の一部の排気抵抗でR1≒R3であり、R2はR4より高く、R1,R3よりも更に高くしてPm>>Pdとなるようにする。
Pm>>PdとするとキャリアガスはR1,R3側を主体に通過し、リストリクターを経て検出器に流入する。
この条件は、R2として使われる金属製流量調整器への分析対象物質通過を防止するために有効である。
かように、分離管とメークアップガス導入側管が接続する「四角い流路」の一辺の排気抵抗(R2)を高め、分離管と対角にあたる側管にリストリクターを接続し、メークアップガス流入側管の対角にあたる側管にガス排出用ニードルバルブを設けた「四角い流路」では、ガス排出用ニードルバルブの開放度のみで検出器への分離成分導入量を調整することができる。
この様子を図3(b)に示す。
たとえば、分離管からのキャリアガスの全てをイオン源に導入する設定は、図4のように排出用側管(第3側管)の流量調整弁を閉じるだけでよい。
ここでのメークアップガスは、動作に関係しないがデッドボリュームを実効的に減少させるのに役立つ。
分割される流量比は、リストリクター排気抵抗と排出弁開放度による排気抵抗の比、キャリアガスとメークアップガス流入量、各流路抵抗など多少複雑な関係をもって決定されるに違いないが、実際は、ガス流量もメークアップガス流量も前もって適切な関係を調べて操作する。
排出側管の流量調整弁の開放度で、排気抵抗(Rd)が変わることで分割比率が大凡決まり、実質的には排出用側管の流量調整弁を、開閉する程度を調整するだけで任意の比率が得られる。
図5では、キャリアガス流量と、メークアップガス流入量が同じ程度を想定した場合を模式的に示した。
このモードは成分分取にも使用でき、タイマーや、検出器信号と同期したエア駆動弁や電磁弁により、必要区間のキャリアガスを、系外に排出させることができる。
以上のようなガス流れの切り替え操作が、ニードルバルブ1個の開放度で行えるのが、本発明の「四角い流路」の特徴である。
この圧調整動作は、質量定流量装置(マスフローメーター)の動作原理でも達せられるし、分離管頭頂部の圧力調整機構は、すでに市販ガスクロマトグラフ装置に取り入れられている圧力調整プログラミング機構を利用することでも可能となる。
高温高圧水膜クロマトグラフィーは、分離対象物質範囲をさらに広げることになる新たな分離技術である。
この場合には、ガス流路の最も下流に位置する検出器が発する成分検出信号を、直ちに上流にある調整弁に伝え、許される時間遅れ範囲に弁操作する遅延流路の付加が必要である。
この理論的説明は明らかにできていないが、カラム内の水ぬれ性と固定相樹脂の表面張力、そして、その表面張力と表面凝集エネルギー密度(δ22)とは、それぞれ密接に関係していることは知られており、カラム内壁面に安定した濡れ水薄膜形成が行われるための適性領域とδ値が密接に関わっていることを示している。
特に、低級脂肪酸類や揮発性無機酸を再現性良く、効率的に、且つ高分解能、高精度で安定して分析するには、固定相物質の溶解度パラメーター(SP値)が、15.5から16.4(MPa)1/2のポリシロキサン重合体樹脂乃至はポリシロキサン重合体樹脂混合物が好ましい。
δ値が測定されていない物質には、その化学構造中のセグメントに与えられた数値の積算値として近似値を推定する手法も種々発表されている。すでに、δ値が求められている物質同士の混合に於いては、成分の各モル分率を乗じて推算するSmallの式による経験的近似計算法が知られている(P.A.Small,J.of Appl.Chem.,3,71(1953))。δ値は、各成分凝集エネルギー密度に関わるものであり、δを2乗した凝集エネルギー密度が物理的根拠を有するので、δ値が既知の類似物質同士の混合物では、各δ値の2乗にモル分率を乗じて積和した値の平方根から推算するのが妥当と考えられる。Smallの式による経験的近似計算法では、それぞれの2乗しないδとモル分率の積を加算平均しているが、実務範囲では上述の2乗和平方根と差異は生じない値になる。
このような固定相としては、必ずしもこれに限定されるものではないが、フェニル基を15乃至45フェニル基モル%濃度で含有するフェニル基含有メチルポリシロキサン共重合体樹脂、又は複数の異種フェニル・メチルポリシロキサン樹脂及び/又はメチルポリシロキサン樹脂類との混合により前記フェニル基モル%相当濃度とした樹脂組成物、及びシアノアルキル基を4乃至12シアノアルキル基モル%濃度で含有するシアノアルキル・フェニル・メチルポリシロキサン樹脂、又は複数の異種シアノアルキル・フェニル・メチルポリシロキサン樹脂及び/又はメチルポリシロキサン樹脂類の混合により前記シアノアルキル基モル%相当濃度とした樹脂組成物を挙げることができる。
シリコーングリース、スクアラン、各種ポリエステル系樹脂、高分子量ポリエーテル樹脂等や、それらの混合物によってδ値を調製した物質もまた挙げることができる。
この「四角い流路」、即ち、環状流路は、好ましくは内径0.5mm以下の細管を気体流路として4本組み合わせた、環状の複合流路である。
排出用の側管(第3側管)に設けられた流量調整弁は、その開放度合いで環状流路内の圧力が下がり、結果分離管からのキャリアガス圧とメークアップガス圧と流路抵抗の相互関係で環状流路内のガスの流れを変えることができ、一つの排出用流量弁操作のみで、キャリアガスおよび分離管留出成分の分割を行い、検出器導入分と排出分とに分けることができる。
この場合に於いて、キャリアガス以外の別種ガス導入が必要な場合は、メークアップガスに該別種ガスを混じても良い。
「四角い流路」は、具体的には、図7に示したように、キャピラリーカラム用フューズドシリカ管で作製し、側管取り付け部は市販のガラス製3方コネクターを利用するのが簡便である。
この場合、側管は、キャピラリーカラム用フューズドシリカ素管が挿入できるラッパ状の受け口となり、リストラクター管やフューズドシリカ素管が容易に接続できる。
リストリクター管としては、内径0.1mm以下のフューズドシリカ素管を適当な抵抗を生ずる長さに切断したものを接続し、2方コネクターで検出器に接続されたフューズドシリカ素管と連結する。リストリクターの役割は、質量分析計の10―5いう真空度を破壊せず分離管からの成分を通過させることであり、内径と長さによる通気のコンダクタンスを試行錯誤で決定する。
接続部分は、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂溶液を塗布して固定する。
分離管出口から検出器に至る管は、適当な温度で保温される必要がある。
メークアップガス用側管の接続も、フューズドシリカ素管と2方コネクターにより行い、ポリイミド樹脂溶液を塗布して加熱乾燥するか、エポキシ樹脂で固定する。
既に述べたとおり、分離管出口圧を含めて分離管全体を高圧下で稼働させ、GCオーブンでの分離管加熱を併用して、高温高圧水膜クロマトグラフィーを実施できる。
分離管出口スプリッターは、吸着を少なくする化学処理、たとえばシラン処理が有効であり、スプリッターをクロマトグラフオーブンとは別に局所的加熱箱中に設置するのが、成分吸着や水の再凝縮を防止するために好ましい。
この管構成中のリストリクターは管と一体形成されてもよく、或いは、例えばキャピラリーカラムより細い溶融シリカ管で別に形成されたものでも、適当な長さの溶融シリカキャピラリー素管を接続して排気抵抗を得たものでもよい。
高圧でクロマトグラフィーを行う場合は、排気抵抗がより大きい内径0.05mm以下の溶融シリカキャピラリー素管をリストリクターとして使用する。
また、第3側管(図7に於けるD)の流量調整弁は、微小流量制御用であることが好ましい。
第2側管(B)には、定圧流量調整機構を持つ流量制御器がメークアップガス導入用として挿入される。
このメークアップガスは、第3側管(D)から排出されたキャリアガスの一部を補充置換し、下流の検出器に導入される。
分離管出口気圧(例えば図2(b)に於けるPs)は細管内圧でもあり、メークアップガスのゲージ設定圧(Pm)がPm>Psであれば、分離管からのキャリアガスは第3側管(D)の弁を開けることで全て排除され、メークアップガスの一部のみが検出器に置換導入される。
これは、溶媒カットバルブと称するGC/MS装置固有の安全装置と目的は同じであるが、異なる機能である。
メークアップガスは、定圧流量制御式調整器で供給され、基本的に、分離管入り口圧から分離管の圧損失を引いた圧力(Ps)より高く設定される。導入する流量は、分離管からのキャリアガス流量と同程度か、それ以下で導入する。
第3側管(D)の位置関係は、概ね隣接する分岐点の中央で良いが、厳密に中央である必要はない。
本発明の「四角い流路」に於いては、上記流路構成の上側半分の流路抵抗を下側半分(管本体)の排気抵抗より大きくしている。
また、図7に示したように、第1側管(A)と第2側管(B)の間とに流量調整弁を入れたものは、これにより流路排気抵抗増加の程度を調整し、以て、環状流路内の各辺要素の抵抗調整を容易にし、キャリアガスの流れ方向を最適化するのに好適である。
分離管からのキャリアガスに溶媒が含まれる場合は、第3側管(D)の弁を開き、環状管へ流入する溶媒を含むキャリアガスの全量を排出する(スプリット比ほぼ100%)。
定圧制御弁により、メークアップガス圧Pmを僅かに内圧Psより高くしてあるので、第3側管(D)の弁の開放のみでメークアップガスの支援でキャリアガス全排出を容易に達成できる。
イオン源には、メークアップガスの一部が排除されたキャリアガス分を置換補充するように供給される。
分離管から流出したキャリアガスを任意のスプリット比で分割、一部のみをMSイオン源に導入することが可能である。
分割比に関連する因子として、管内圧力Psはリストリクター背圧でもあり(≒Pr)、Psに近いメークアップガス圧Pm、第3側管(D)の排気抵抗(流量制御弁の開放度と側管全抵抗)による抵抗値Rdがある。
第3側管(D)の弁を開閉した場合、Rd/Rrで大凡のキャリアガス系外排出スプリット比が設定される。
実際は、複数の要因で変化するので検出器のモニターを見て、経験的に対応因子を準備してから実施することになる。
前記流量制御弁のみの開度調節操作を、手動、タイムプログラム等で行うことができるが、さらに、調節を移動開閉弁として、クロマトグラフィー検出器の成分検出信号に同調して自動的に行うこともできる。
カラムから流出するキャリアガスと、流出分析物質の任意の時間帯の廃棄を第3側管(D)からの分取と置き換えて第3側管(D)で行う態様の装置は、従来、MSイオン化室真空系との圧整合に困難さがあったGC/MS装置での分離成分分取を可能にしたもので、特に好ましい。
図7は、この環状流路を具体的な加工品の断面図のイメージで示したもので、A、B、C、Dの4本の各側管と1、2,3,4の流路各辺が備わっていて、図2(b)と同等の要素から成っている。
また、側管とカラム分離管や流量調整器との密封接続は、ポリイミド樹脂フェラルやエポキシ樹脂を使用して行うことができる。
上記加工で作製した分離管出口スプリッターを装着した水膜クロマトグラフ装置の概念図を、図9に示した。
メークアップ流路と排出用側管の弁開放度を装置オーブン外で調節するように描いてある。
短期間の使用であれば、すでに述べたように市販のキャピラリーカラム接合用三方向ガラス製キャピラリーカラムコネクター(Y字形コネクター)と、フユーズドシリカキャピラリー素管との組み合わせで手製の分岐型流路を構成できる。
キャピラリー管を差し込むテーパー形受け部をポリイミド塗料で固定すれば、比較的長時間スプリッターとして使用が可能で、機能的に何ら問題はない。
キャリアガス(Heガス)充填タンクと、ガスクロマト装置試料注入口との間に温度可変バブリング装置を配設した図9に示す基本構成を有する水膜ガスクロマトグラフ装置のキャピラリーカラム出口部と質量分析計イオン化室の入口部との間(インターフェース部)に、図2(b)に示した構造のカラム出口スプリッター試作品を装着した。
試作品は下記要領で製作した。
内面不活性化処理フユーズドシリカキャピラリー素管(全長100mm、内径0.25mm)4本と、ガラス製キャピラリーカラム三方コネクター(Y字形コネクター)4個とを用意し、この三方コネクターを交互に接合して環状流路部を製作した。
尚、接続部固定のためには、ポリイミド塗料を接合部分に滴下して接着した。
即ち、接合された4個の三方コネクターには各1個づつ開放端があり、ここに前記寸法のフユーズドシリカキャピラリー素管を挿入して流量調整器を接続する。
即ち、これは図2(b)での第3側管(D)となる。
対角の他端に、さらに前記寸法のフユーズドシリカキャピラリー素管を接合し、さらに、流量制御弁(GC用マイクロコントロールSGE社MCVTバルブ)を接続し、キャリアガス配管とは別途の定圧制御流量調整器から導いた配管とを、SUS製二方コネクターとグラファイトフェラルを用いて連結し、図2(b)に於ける第2側管(B)とした。
新たな開放端の一つにフユーズドシリカキャピラリー素管(全長400mm、内径0.05mm)を同様に接合し、質量分析計イオン源に至る導入管とグラファイトフェラルを用いて結合する。
この内径0.05mmのフユーズドシリカキャピラリー細管は、リストリクター部の役目をし、この側管は図2(b)では第4側管(C)となる。
環状流路でイオン源と対角となる三方向ガラス製コネクターに、キャピラリーカラムを接合すれば図2(b)の第1側管(A)となる。
第3側管(D)の流量制御弁としてGC用マイクロコントロール(SGE社MCVTバルブ)を用い、このニードル弁の開放度によりキャリアガス排出抵抗を調整できるようにした。
環状流路でのメークアップガス供給は、第2側管(B)にある流量制御器ニードル弁の開度で制御できるようにした。
この試作カラム出口スプリッターを用いて水膜GC−MS装置を構成した。
この装置を用いて、下記条件下に、水質環境関連低級カルボン酸類その他の水希釈混合溶液(低級カルボン酸、クロル酢酸類各濃度レベル約10ppm)の分析を行った。 この図11に示した実験は、これまでの水膜クロマトグラフ測定がスプリッター付加によって変わらないことの確認にあたる。
カラム 25%フェニル・ジメチルポリシロキサン(塗布厚1μm)/溶融
シリカキャピラリーカラム(50m)
注入口温度 150℃
カラム温度 45℃3分保持−15℃/分昇温−180℃1分
キャリアガス種類と流速 He 約300mm/秒
メークアップガス:He OFF
分離管出口スプリッター温度:カラム温度
MS接続流路温度 280℃
水膜形成:水槽バブリング(He:1ml毎分、50℃)
MS条件:装置 JEOL DX−303HF 磁場形2重収束GC/MS装置
イオン化法EI+ イオン化電圧 30eV、イオン化電流100μA
加速電圧 3KV
マススキャン 15−300M/Z
データ処理:範囲内のマスクロマトグラフ表示
注入量:1μL
分離管出口スプリッター条件:全量分析(排出弁OFF)
結果を図11に示す。
先に掲げた図8と同様に、酸類は水膜での分配と蒸留効果による高分離効果を受け、中極性物質では半値幅の増大が観察され、分離管出口スプリッター挿入で水膜クロマトグラフィーは阻害されていない。
実施例1の分析条件は、標準的水膜クロマトグラフィーであるが、分離管出口スプリッターに流入させるメークアップガス圧を0.25MPaとし、結果分離管頭頂圧は約0.5MPaとなった条件で、ギ酸、酢酸100ppm混合水溶液を用いて分離管出口スプリッターの水分排除機能を確認した。
この状態を図12の上側、下側に示した。
図12上側は、この分析条件下の水溶液の水膜クロマトグラフィーで、4分から6分にかけて平坦な水分塊ピークが見られる。
図2(b)での排出側管の弁を4分から6分にかけてほぼ開放すると、水ピークの後半が大幅に減量したことが確認された(図12下側)。
実施例1条件で、メークアップガス圧0.1MPaとし、カラム頭頂圧0.35MPaとした条件で、水系洗浄用溶剤に含まれる有機溶剤を分析調査した。
約15分(1500スキャン)に溶出する溶媒のピーク部分がモニターされている時、図2(b)の排出側管の弁を30秒間手動開放して成分を分取した。
実験結果を図13に示した。
この図のクロマトグラム(図13上)の15分付近が2本に分裂しているのは、成分が検出器に達していない30秒間分取の時間帯に対応し、下段のMSスペクトルから欠落したピークの両側が同一パターンであることから、その中央部分も同一物であったことを示している(図13下)。
スペクトルは省略するが、分取物のIR分析から分取物がエチレングリコールモノエチルエーテルであることが確認できた。
実施例1の条件でメークアップガス圧を0.3MPaに増加し、カラム頭頂圧を0.5KPaとしたギ酸、酢酸水溶液の高温高圧水膜クロマトグラフィーを示す。
図14下側は、水が加圧下で沸点上昇し130℃のカラム温度にも係わらず、分離度こそ落ちているものの、図8や図11と同パターンのギ酸、酢酸ピークが描かれたマスクロマトグラフが得られている。
この水凝縮温度域の高温拡張は、難揮発性物質の水膜クロマトグラフィーの展開を期待させるものである。
図14上側は、メークアップガス加圧なしで同水溶液をカラム温度120℃で注入した比較例としてのマスクロマトグラムである。
当然水膜の形成は成されず、沸騰した水蒸気がブロードな流出パターンをもたらしている。
図8や図11のギ酸、酢酸の分析例と比較すべくもない。
水膜クロマトグラフィーでは、水蒸気がカラム内壁に均一な薄膜として凝縮する必要があるが、注入した水分量とカラム温度の関係で不規則な水凝集塊が生ずることがある。
カラム温度を高めれば凝縮しにくくなるのは明らかであるが、水膜形成も不安定になる可能性がある。
高温高圧水膜クロマトグラフィーの原理である加圧によりこれらの危惧を回避することができる。
即ち、図15は、C1からC9までの脂肪酸の水膜クロマトグラフィー例であるが、カラム温度45℃の条件で得られた図15下側のマスクロマトグラムは、8分付近(800スキャン)に水凝集塊が生成したことを示している。
これに対し、分離管出口スプリッターでのメークアップガスを0.3KPaに高めて導入し、結果カラム頭頂圧を0.5KPaとした条件下で有機酸混合物を注入し、カラム温度70℃から180℃で分析した上側のマスクロマトグラムでは、水塊形成が防止されていることがわかる。
水膜クロマトグラフィーの適用例として、多価アルコール3種の化学イオン化用イオン源条件設定(CI+)での分析例を図16に示した。
カラム温度45℃で2分保持後200℃まで昇温する条件で、注入口温度200℃にてエチレングリコール、1,4ブタンジオール、ヂエチレングリコール水溶液を注入した。
メークアップガスにアンモニアガスを使用し、0.2MPaで分離管出口スプリッターに導入した。
多価アルコールは、上記順番で7.18分(718スキャン)、9.35分(935スキャン)、9.80分(980スキャン)にシャープに流出していることが下側のマススペクトルから確認された。
このようなクロマトグラムは、通常のGC法では得られないものである。
メークアップガスにアンモニアを使用しているにもかかわらず、化学イオン化(CI法)現象がイオン源で起こらず、単に(EI+)のままのイオン化であったのは、多量の水分が化学イオン化を妨害していると考えられる。
2 四角い流路の側管の1本を担う細管
3 四角い流路の側管の1本を担う細管
4 四角い流路の側管の1本を担う細管
A 四角い流路の側管の1本を担う細管
B 四角い流路の側管の1本を担う細管
C 四角い流路の側管の1本を担う細管
D 四角い流路の側管の1本を担う細管
R2 四角い流路の1辺に挿入するメークアップガス流路抵抗バルブ
Rd 排出用側管に挿入したニードルバルブの排気抵抗
Rr リストリクターとしての高抵抗を担う側管の排気抵抗
Ps 四角い流路内の気圧
Claims (6)
- クロマトグラフ展開分離装置部と検出装置部とを少なくとも備え、前記展開分離装置部に於ける分離管出口端と前記検出装置部の入口端との間に分離管出口スプリッターとしての管流路構造体が接続されたポストカラム付属流路挿入形のクロマトグラフ質量分析装置であって、
前記管流路構造体は、各々位置を隔てて接続された4本の側管を有する環状の管流路から成り、前記側管の内、第1の側管は前記分離管出口端に接続されてクロマトグラフ分離管からの展開流体を受け入れ、第2の側管は、前記環状管流路に於ける前記第1側管の隣に位置し、前記環状流路内の圧を高めるメークアップガス導入用定圧制御式流量調整機構を介してメークアップガス導入部に接続され、第3側管は、前記環状流路管に於ける前記第1側管の隣で第2側管接続部の対向側に位置し、排出流量調整用弁を介して排出部に接続し、第4側管は、環状管流路に於ける第1側管接続部の対向側で、前記第2側管接続部、第3側管接続部を夫々経由した位置に接続されると共に質量分析計イオン源内の高真空度を維持できる高排気抵抗の管を介して検出装置部入口端に接続され、且つ、前記環状流路管の第1側管接続位置と第2側管接続位置との間の管流路に於ける排気抵抗が該環状流路に於ける他の何れの隣接側管間の管流路抵抗よりも高く成るように該流路が形成され、且つ、前記クロマトグラフ質量分析装置は、前記環状管流路内部の圧に追従してその分離管入口部の気圧を高めてクロマトグラフ分離管の入口と出口との間の圧力差を所定に維持する機構を備えていることを特徴とするクロマトグラフ質量分析装置。 - 前記クロマトグラフ展開分離装置部が、水と混和しない物質から成る固定相とキャリアガスと共に水分を存在させた移動相から成り、分離管内での水の蒸発と凝縮によって分離対象物質の移動及び展開を行う水膜クロマトグラフ法による展開分離装置部であり、分離管がキャピラリーカラムであり、展開分離後にキャリアガス中の水分を前記分離管出口スプリッターにより除去して前記検出装置部に導く請求項1記載のクロマトグラフ質量分析装置。
- 前記水膜クロマトグラフ展開分離装置部に於けるキャピラリーカラムの固定相が、溶解度パラメーター(SP値)が15.5から16.4(MPa)1/2のポリシロキサン重合体樹脂又は複数のポリシロキサン重合体樹脂の混合物である請求項2記載のクロマトグラフ質量分析装置。
- 前記固定相が、フェニル基を15乃至45フェニル基モル%濃度で含有するフェニル基含有メチルポリシロキサン共重合体樹脂、又は、複数の異種フェニル・メチルポリシロキサン樹脂及び/又はメチルポリシロキサン樹脂類との混合により前記フェニル基モル%相当濃度とした樹脂組成物よりなる請求項2又は3記載のクロマトグラフ質量分析装置。
- 前記固定相が、シアノアルキル基を4乃至12シアノアルキル基モル%濃度で含有するシアノアルキル・フェニル・メチルポリシロキサン樹脂、又は、複数の異種シアノアルキル・フェニル・メチルポリシロキサン樹脂及び/又はメチルポリシロキサン樹脂類の混合により前記シアノアルキル基モル%相当濃度とした樹脂組成物よりなる請求項2又は3記載のクロマトグラフ質量分析装置。
- 前記分離管出口スプリッターでのメークアップガスの導入流量調整と排出ガス流量調整を前記検出装置部に於けるクロマトグラフ検出器の成分検出信号に同調して行う機構を備え、これにより、クロマトグラフ展開中の任意の時間帯において分離管より流出するキャリアガスを該第3側管から外部へ排出することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のクロマトグラフ質量分析装置。
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