JP4568726B2 - 鎮痛性化合物、それらの合成およびそれらを含む薬学的組成物 - Google Patents

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Description

(技術分野)
本発明は、N−アシル化4−ヒドロキシフェニルアミン誘導体の加水分解によって調製される新規の鎮痛性化合物、それらの化合物の合成およびそれらを含む薬学的組成物に関する。これらの化合物は、驚くべきことに、肝毒性をほとんど伴わずに高い鎮痛活性を有し、これは、これらの化合物を慢性疼痛の処置において従来の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)よりも有用にする。
(背景技術)
アセトアミノフェンおよび他のNSAIDのような鎮痛薬は、これまでの間、疼痛の処置に使用されてきた。しかし、その肝毒性活性に関連する病的状態の結果、これらの薬物を投与する場合に相当な注意が払われなければならない。毎年約100,000件のアセトアミノフェン過量が存在し、約30名が死亡している(Clissold、1980;McGoldrickら、1997)。アセトアミノフェンは、有毒代謝物であるN−アセチル−ベンゾキノンイミン(NAPQI)を含み、これは、肝臓および腎臓の細胞保護内因性代謝産物であるグルタチオンを枯渇させる(Mason および Fischer,1986;Mitchellら、1983)。アセトアミノフェンが有する肝毒性および腎毒性は、推奨される最大鎮痛用量よりも4倍〜8倍の用量で初めて生じ得る(Neubergerら、1980)。アセトアミノフェンと中枢作用鎮痛薬とを含む薬学的組み合わせは、アセトアミノフェン単独よりもさらに危険であり得る。繰り返し使用するにつれて、耐性の増加のため、これらの組み合わせは同じ鎮痛効果を生じるためにより多い用量を必要とする。その組み合わせの用量が鎮痛耐性を補うために増加されるにつれて、その薬物の安全性が低下する。なぜなら、アセトアミノフェン成分のより多い用量が、肝毒性および腎毒性を増大させるからである。
特許文献1(Bazanら)および特許文献2(Bazanら)において、本発明者らのうちの2名は、それらの明細書において、1,2−ベンゾイソチアゾール−3(2H)−オン1,1−ジオキシド基の窒素原子にアルキレン架橋を介して結合された一連のNアシル化4−ヒドロキシフェニルアミン誘導体(SCP系として称される)、それとともにそれらの調製プロセスおよび疼痛を軽減するためのそれらの使用方法を開示した。これらの特許文献の開示は、参考として本明細書中に援用される。このSCP系は、構造的に、以下の一般式I:
Figure 0004568726
で表され、ここで、nは1〜5の数である。これらの新規の非麻酔性鎮痛薬は、驚くべきことに、高い鎮痛活性を有するが、血液凝固を抑制せず、肝毒性効果をほとんど示さない。
さらに、米国特許出願第10/292,105号(Bazanら)(この開示もまた、参考として援用される)において、本発明者らのうちの2名はまた、SCP系に由来する鎮痛薬を含む密な(intimate)混合物中にオピオイド鎮痛薬または非オピオイド鎮痛薬を含む、薬学的組み合わせを開示し、これは、驚くべきことに、相乗的な鎮痛を示した。
より大きな薬理学的効力を有する新規の、より選択的な分子の継続的な探索において、2−スルファモイル安息香酸基の窒素原子にアルキレン架橋を介して結合されたN−アシル化4−ヒドロキシフェニルアミン誘導体が、驚くべきことに、高い鎮痛活性を有し、肝毒性効果をほとんど有さないことが確認された。
米国特許第5,554,636号明細書 米国特許第5,621,110号明細書
(発明の開示)
本発明は、N−アシル化4−ヒドロキシフェニルアミン誘導体の加水分解によって調製される新規の鎮痛性化合物に関する。その新規の鎮痛性化合物は、一般式II:
Figure 0004568726
を有し、この式において、nは1と5との間の数である。
本発明のいくつかの特定の実施例は、以下:
2−{[(4−ヒドロキシフェニル)カルバモイル]メチルスルファモイル}安息香酸;
2−{[(4−ヒドロキシフェニル)カルバモイル]エチルスルファモイル}安息香酸;
2−{[(4−ヒドロキシフェニル)カルバモイル]プロピルスルファモイル}安息香酸;
2−{[(4−ヒドロキシフェニル)カルバモイル]ブチルスルファモイル}安息香酸;
2−{[(4−ヒドロキシフェニル)カルバモイル]ペンチルスルファモイル}安息香酸;
であるが、これらに限定されない。
一般式IIの化合物(一般的に、SCP−M系と称される)は、SCP系の化合物を室温で1NのNaOH水溶液で加水分解することによって調製され得、その生成物は、エタノール中での再結晶によって精製され得る。
本発明はまた、SCP−M系の化合物と金属またはアミンとの薬学的に受容可能で安定な塩の形成を包含する。カチオンで使用される金属の例は、アルカリ金属(例えば、NaまたはK)ならびにアルカリ土類金属(例えば、MgおよびCa)である。アミンの例としては、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、クロリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチルグルカミンおよびプロカインが挙げられる。
さらに、本発明は、SCP−M系由来の化合物をオピオイド鎮痛薬および非オピオイド鎮痛薬と組み合わせて含む、薬学的組成物を包含する。
本発明の化合物は、単独で、あるいは投与経路および標準的な薬学的実務に従って選択される薬学的ビヒクルと混合されて、例えば、経口投与、直腸投与、局所投与、非経口投与および髄腔内投与され得る。それらは、賦形剤(例えば、デンプンまたはラクトース)を含む錠剤の形態またはカプセルの形態のいずれかで、単独でかまたは賦形剤と混合されてかのいずれかで、あるいは着色剤または香料を含むシロップまたは懸濁液の形態で経口投与され得る。本発明の化合物はまた、非経口的(例えば、筋肉内、静脈内または皮下)に注入され得る。非経口投与において、本発明の化合物は、好ましくは、滅菌水溶液の形態で使用され得、その滅菌水溶液は、その溶液を等張性にするために、例えば、任意の塩またはグルコースのような他の溶質を含み得る。
髄腔内投与は、脊椎穿刺注入またはカテーテル法のいずれかによって行われ得る。髄腔内薬物投与は、経口的に行われる場合のいくつかの薬物の不活性化、ならびに経口投与または静脈内投与の全身的効果を回避し得る。さらに、髄腔内投与は、一定の有効量の使用を許容し、その有効量は、経口投与または非経口投与に必要とされる有効量のごくわずかである。さらに、髄腔は、一般的に、小さいカテーテルを収容するのに十分広く、それにより長期的な薬物送達システムを可能にする。
慢性疼痛の髄腔内処置は、第一に、髄腔内ポンプの使用によって行われる。このポンプは、患者の腹の皮膚の下に外科的に置かれ得る。カテーテルの一方の端部はポンプに接続され、そしてカテーテルの他方の端部は患者の脊髄のCSFで満たされた、くも膜下腔または髄腔に通される。移植されたポンプは、髄腔内に位置付けられたカテーテルを通して薬物を連続的にまたは断続的に注入するようにプログラム化され得る。
本発明の化合物は、疼痛の処置のために、例えば、ゼラチンカプセルに被覆されてかまたはロゼンジに圧縮されて、経口投与され得る。経口治療的投与のために、上記化合物は、賦形剤と混合され得、そしてロゼンジ、錠剤、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、カシェ剤、チューインガムなどの形態で使用され得る。これらの調製物は、少なくとも0.5%そして約99%までの活性化合物を含み得るが、各形態に依存して変化し得る。好ましくは、経口用調製物は、おおよそ各単位重量のうち2%と50%との間を含む。そのような組成物中の活性化合物の量は、対応する投薬量を得るために必要な量であるべきである。本発明に従って得られる組成物および調製物は、各経口投薬単位が約0.1mgと約1000mgとの間の活性化合物を含み得る様式で調製される。
非経口治療的投与において、本発明の活性化合物は、溶液または懸濁液中に取り込まれるべきである。これらの調製物は、少なくとも0.1%の活性化合物を含み得るが、好ましくは、おおよそその調製物の重量のうち0.5%と50%との間で変化する。そのような組成物中の活性化合物の量は、対応する投薬量を得るために必要な量であるべきである。本発明に従って得られる組成物および調製物は、各非経口投薬単位が0.5mgと1000mgとの間の活性化合物を含み得る様式で調製される。筋肉内投与は単回用量または3回までの分割用量で与えられ得るが、静脈内投与は静脈注射によってその用量を与えるための点滴デバイスを含み得る。調製物の非経口投与は、ガラスもしくはプラスチック製のアンプル、使い捨てシリンジまたは複数回用量バイアルによって行われ得る。
髄腔内治療的投与において、本発明の活性化合物は、希釈剤を用いてもしくは希釈剤を用いずに使用され得るか、または自己髄液で再構成され得る。髄腔内投与物は、少なくとも0.1μgの活性化合物を含み得るが、0.1μgと100μgとの間の活性化合物を含み得る。
必然的に、処置されるべき被験体の体重および状態、ならびに選択される特定の投与経路に依存する改変体が存在する。
上に記載したように、本発明はまた、SCP−M系由来の化合物をオピオイド鎮痛薬および非オピオイド鎮痛薬と組み合わせて含む薬学的組成物を包含する。オピオイド鎮痛薬として公知のグループを含む薬物としては、特に、オピウムのフェナントレンアルカロイドが挙げられ、これは、モルヒネ、コデインおよびテバインを含む。テバインは鎮痛を生じないが、テバインは半合成オピオイドの生成における重要な中間体である。モルヒネに関連する構造および機能を有する他の薬剤としては、以下が挙げられる:(1)モルヒネアナログ(例えば、ヒドロモルホン、オキシモルホン、ヒドロコドンおよびオキシコドン);(2)Diels−Alder付加物(例えば、エトロフィンおよびブプレノルフィン);(3)モルフィナン誘導体(例えば、デキストロメトルファンおよびブトルファノール);(4)ベンゾモルファン誘導体(例えば、フェナゾシン、ペンタゾシンおよびシクラゾシン);(5)ピペリジン誘導体(例えば、メペリジンおよびアニレリジン);ならびに(6)鎖状鎮痛薬(メタドン型化合物)(例えば、メタドンおよびプロポキシフェン)。非オピオイド鎮痛薬として公知のグループを構成する薬物としては、以下が挙げられる:(1)N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)レセプターアンタゴニスト(例えば、デキストロメトルファンおよびケタミン、ならびにNMDAレセプター関連する任意の結合部位サブカテゴリー(例えば、グリシン結合部位、フェニルシクリジン(PCP)結合部位など)およびNMDAチャネルに対して競合することによって中枢神経感作を抑制する他のアンタゴニスト);(2)ノルエピネフリンの放出を減少させるαアドレナリン作動性レセプターアゴニスト(例えば、クロニジン、メトミジン、デトミジン、デクスメトミジン、デクスメデトミジンおよびキシラジン);(3)アゴニスト効果ではなくモノアミン再取込みにおける阻害作用によって鎮痛を生じる他の薬剤(例えば、トラマドール(多くの場合、オピオイドとして誤って称される));(4)非ステロイド性抗炎症薬(例えば、アスピリン、イブプロフェンおよびシクロオキシゲナーゼ酵素を阻害する他の薬物)、ならびに(5)混合アゴニスト−アンタゴニスト鎮痛薬(例えば、ブプレノルフィン、デゾシン、ナルブフィン)。
本発明の薬学的組み合わせは、従来の薬学的技術に従って調製されるSCP−M系由来の鎮痛薬を薬学的に受容可能なキャリアと共に含む密な混合物中のオピオイド鎮痛薬または非オピオイド鎮痛薬を含む。薬学的に受容可能なキャリアとしては、固形充填剤もしくは液体充填剤、希釈剤および被包性物質が挙げられる。組み合わせに関連して使用されるキャリアの量は、鎮痛薬の単位用量あたり実用的な量の材料を提供するのに十分である。
経口投与のための薬学的に受容可能なキャリアとしては、糖、デンプン、セルロースおよびその誘導体、麦芽、ゼラチン、滑石、硫酸カルシウム、植物油、合成油、ポリオール、アルギニン酸、リン酸緩衝溶液、乳化剤、等張食塩水および発熱物質を含まない水が挙げられる。非経口投与のための薬学的に受容可能なキャリアとしては、等張食塩水、プロピレングリコール、オレイン酸エチル、ピロリドン、水性エタノール、ゴマ油、トウモロコシ油およびそれらの組み合わせが挙げられる。
種々の経口投薬形態が使用され得、それらとしては、固形形態(例えば、錠剤、カプセル、顆粒およびバルク粉末)が挙げられる。錠剤は、圧縮錠剤、粉薬錠剤、腸溶性錠剤、糖衣錠剤、フィルムコート錠剤または多重圧縮錠剤であり得、適切な結合剤、滑沢剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、矯味矯臭料、流動誘導剤および溶解剤を含む。液体経口投薬形態としては、水溶液、乳濁液、懸濁液ならびに再構成溶液および/または懸濁液が挙げられる。
薬学的に有効な組み合わせは、0.1mgと1000mgとの間のSCP−M系由来の鎮痛薬を含み得る。好ましい薬学的に有効な組み合わせは、400mgと1000mgとの間のSCP−M系由来の鎮痛薬を含む。SCP−M系由来の鎮痛薬を含む組み合わせ中のオピオイド鎮痛薬および非オピオイド鎮痛薬の薬学的有効量は、アセトアミノフェンを含むオピオイド鎮痛薬および非オピオイド鎮痛薬の対応する組み合わせに類似する。
(生物学的結果)
SCP−M系が鎮痛活性を有するか否かを決定するために、完全フロイントアジュバント(CFA)誘導性温熱性痛覚過敏に対するその効果を、評価した。ハロタン麻酔下で、雄CD−1マウスに対して、一本の後ろ足の無毛表面へと0.1mlのCFA(Calbiochem,USA)を注射した。足蹠中に注射した場合、CFAは、限局的炎症および痛覚過敏を生じた。これらは、2時間以内に出現して、7日間〜10日間存在する(Iadorolaら、1988)。CFA後の48時間目(ピーク痛覚過敏の時間)に、各マウスに、2.5mmol/kgのSCP−M1またはビヒクルを経口栄養によって与えた。その足を熱刺激から引っ込めるための潜伏時間(Hargreavesら、1988)を、無痛覚計(IITC Life Sciences,Inc.,Woodland Hills,CA)をHargreavesらの教示に従って使用して測定した。その刺激の強度は、約10秒〜約15秒のベースライン潜伏時間を生じるように設定した。20秒間の最大潜伏時間を使用した。温熱性痛覚過敏を、薬物投与前(薬物投与前ベースライン)に測定し、そしてまた、薬物投与後の30秒、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、および6時間に測定した。
グループ間の分散分析(ANOVA;薬物×時間)によって、有意な薬物効果(F1,15=7.740、p=0.014)が明らかになった。これは、ビヒクルで処理したコントロールと比較した場合に、有意な鎮痛効果を示す。他の統計学的に有意な効果は、全く見出されなかった(時間効果:F(6,90)=0.486、p=0.817;薬物×時間相互作用:F(6,90)=0.634、p=0.793)。CFA誘導性温熱性痛覚過敏に対するSCP−M1の効果を、図1において薬物前ベースラインの割合として示す。
高い鎮痛活性に加えて、SCP−M系は、肝毒性効果をほとんどまたは全く示さない。SCP−M1の肝毒性を、ヒト肝細胞(HEPG−2)において、および正常肝細胞のヒト初代培養物において、評価した。アセトアミノフェン(公知の肝毒性鎮痛薬)を、ポジティブコントロールとして使用した。位相差顕微鏡、トリパンブルー排除、Hoechst染色、およびFAS−リガンド、およびCAR(構成的アンドロスタンレセプター)誘導を、基準として使用した。ヒト肝細胞(HEPG−2)において、Hoechst染色は、SCP−M1が、細胞死を誘導する際に実際上は有効ではないことを示したが、アセトアミノフェンは、重篤なアポトーシス細胞死を誘導した。初代培養物におけるヒト肝細胞において、トリパンブルー排除およびHoechst染色によって測定したSCP−M1およびアセトアミノフェンの肝毒性効果の分析によって、これらの化合物によって発揮される肝毒性効果は、HEPG−2細胞における肝毒性と非常に同等であることが示された。アポトーシスの増強が、アセトアミノフェンによって引き起こされたが、SCP−M1によっては引き起こされなかった。図2において観察され得るように、アポトーシス促進性FAS−リガンドアップレギュレーションおよびCAR活性化が、ヒト初代肝臓培養物においてアセトアミノフェンによって有意に増強されたが、SCP−M1は、効果の減少を生じた。
HPEG−2細胞を、NEAA(非必須アミノ酸)を含むEMEM培地(10%ウシ胎仔血清(FBS)を補充した)中で増殖させて維持し、5%COを一定供給しながら37℃にてインキュベートした。初代ヒト肝臓細胞を、HCM培地(Walkersville,MD)において増殖させ、HMM培地(Walkersville,MD)において5%COとともに37℃にて維持した。6ウェルプレートおよび24ウェルプレート中でそれぞれ増殖したHEPG2および初代肝細胞の80%コンフルエント培養物を、無血清培地(EMEM、HEPG2については0.5% FBS、初代肝細胞についてはHMM(Clonetics,Walkersville,MD)中で6時間〜8時間維持した後に、鎮痛薬を添加した。血清飢餓細胞を、SCP−M1またはアセトアミノフェンを用いて、37℃にて6時間〜8時間処理した。
Hoechst染色を、アポトーシスの検出のために使用した。使用済み培地を、実験的に処理した細胞から除去し、この細胞を、2ml PBS(室温)を用いて洗浄した。Hoechst溶液(2ml、2μM最終濃度)を、この細胞に添加し、その細胞を、37℃にて45分間インキュベートした。アポトーシス細胞死を、蛍光照射下で共焦点顕微鏡によって検出した。
FAS−リガンド(FAS−L)のアップレギュレーションおよびCAR(構成的アンドロスタンレセプター)の活性化を、ウェスタンブロットによって分析した。簡単に述べると、細胞抽出物を作製し、それをBio−rad法によってタンパク質濃度について調整した。約15μg〜約20μgのタンパク質を、8%〜16%ゲル(Bio−rad)上にローディングし、120Vにて2時間、電気泳動を実施した。そのタンパク質を、4℃において30Vにて60分間、ニトロセルロース膜上に移した。その膜を、FAS−L特異的抗体またはCAR(ヒト)特異的抗体(Santa Cruz Biotechnology,Santa Cruz,CA)のいずれかを用いてプロービングした。FAS−LおよびCARのリン酸化を、ECLキットによって検出した。FAS−Lタンパク質およびCARタンパク質のリン酸化の定量を、濃度計によって行った。その結果を、図2に示す。
(合成)
SCP−M系の化合物を、以下の反応スキーム:
Figure 0004568726
に従って調製し得る。
以下の非限定的実施例は、本発明を例示する。
3mlの1N NaOH水溶液中の2−(2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2−ベンゾイソチアゾール−2−イル−1,1−ジオキシド)−N−(4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(0.5g、1.5mmol)を、室温で20分間攪拌した。その後、その溶液を、1N HCl水溶液を用いて酸性化し、AcOEtを用いて抽出した。その有機相を、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、油状物を得た。この油状物を、ヘキサン−ClCH(1:1)を用いて粉砕した。その生成物であるSCP−M1を、最終的には、エタノール中で再結晶化することによって、融点193℃〜195℃である白色残渣(420mg)として得た(収率:80%)。
Figure 0004568726
当業者によって種々の改変および変更がなされ得ることが、本明細書から明らかである。従って、特許請求の範囲は、本発明の趣旨および範囲の範囲内にあるすべての改変および変更を網羅するものとして解釈されるべきことが、意図される。
図1は、薬物投与前ベースラインの百分率として示されるCFA誘導性温熱性痛覚過敏におけるSCP−M1の効果である。 図2は、アポトーシス促進性のFAS−リガンドアップレギュレーションおよびCAR活性化における、SCP−M1およびアセトアミノフェンの効果の比較である。

Claims (17)

  1. 式II:
    Figure 0004568726
    の実質的に純粋な化合物であって、ここで、nは1〜5の数である、化合物。
  2. 限られた肝毒性効果を伴う鎮痛活性を示す薬学的組成物であって、請求項1に記載の式IIの少なくとも1つの化合物を含む、薬学的組成物。
  3. 疼痛の処置のための組成物であって、該組成物、請求項1に記載の化合物の有効量を含む、組成物
  4. 式II:
    Figure 0004568726
    の化合物を調製するためのプロセスであって、以下:
    式I:
    Figure 0004568726
    の化合物と水酸化ナトリウム水溶液とを反応させて、式IIの化合物を得る工程であって、ここで、nは1〜5の数である、工程
    を包含する、方法。
  5. 鎮痛性組成物であって、
    (a)オピオイド鎮痛薬;
    (b)一般式:
    Figure 0004568726
    の非麻酔性鎮痛薬であって、ここで、nは1〜5の数である、非麻酔性鎮痛薬;および
    (c)薬学的に受容可能なキャリア
    の安全かつ薬学的に有効な量を含む、組成物。
  6. 前記オピオイド鎮痛薬が、アヘンのフェナントレンアルカロイドである、請求項5に記載の組成物。
  7. 前記オピオイド鎮痛薬が、モルヒネアナログである、請求項5に記載の組成物。
  8. 前記オピオイド鎮痛薬が、テバインの合成誘導体である、請求項5に記載の組成物。
  9. 前記オピオイド鎮痛薬が、モルフィナン誘導体である、請求項5に記載の組成物。
  10. 前記オピオイド鎮痛薬が、ベンゾモルファン誘導体である、請求項5に記載の組成物。
  11. 前記オピオイド鎮痛薬が、ピペリジン誘導体である、請求項5に記載の組成物。
  12. 前記オピオイド鎮痛薬が、鎖状のオピオイド鎮痛薬である、請求項5に記載の組成物。
  13. 鎮痛性組成物であって、
    (a)非オピオイド鎮痛薬;
    (b)一般式:
    Figure 0004568726
    非麻酔性鎮痛薬であって、ここで、nは1〜5の数である、非麻酔性鎮痛薬;および
    (c)薬学的に受容可能なキャリア
    の相乗的、安全かつ薬学的に有効な量を含む、組成物。
  14. 前記非オピオイド鎮痛薬が、NMDAレセプターアンタゴニストである、請求項13に記載の組成物。
  15. 前記非オピオイド鎮痛薬が、αアドレナリン作動性レセプターアゴニストである、請求項13に記載の組成物。
  16. 前記非オピオイド鎮痛薬が、モノアミン再取込みインヒビターである、請求項13に記載の組成物。
  17. 前記非オピオイド鎮痛薬が、混合アゴニスト−アンタゴニスト鎮痛薬である、請求項13に記載の組成物。
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