JP4568261B2 - 電動射出成形機の動力伝達手段の異常検出装置 - Google Patents

電動射出成形機の動力伝達手段の異常検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、電動射出成形機における動力伝達手段の異常検出装置に関する。
電動射出成形機においては、モータにより動力伝達手段を介して射出成形機の可動部を駆動している。例えば、モータの回転力を、ベルトを介して型締装置のトグル機構等に伝達し、該型締装置を駆動する方法が一般的に採用されている。
モータで駆動される可動部からの負荷が大きくなり、モータの出力トルクが大きくなると、動力伝達手段にかかる負荷も大きくなり該動力伝達手段の一部が破断する場合が生じる。特に、動力伝達手段としてベルトを使用した機構を用いている場合は、ベルトで伝達される力が大きなものとなり、該ベルトが破断する場合がある。例えば、型締機構をタイミングベルト等の伝達手段を介してモータで駆動するような場合、このベルトが破断すると、型締めが完全に完了していないにもかかわらず、射出工程が実施されたり、型開きが完全に行われない状態でロボットハンドが成形品を取り出そうとして金型に衝突し、金型やロボットを破損させるという問題が発生する。
このベルトの破断を検出し、射出成形機の誤動作を防止する方法として、従来から各種方法が提案されている。
例えば、ベルトを介して駆動される可動部に、該可動部の移動を検出するパルス発生器を取付けて該検出器からの信号によって、ベルトの破断等を検出するようにしたものが知られている(特許文献1、2参照)。
さらに、電動機の回転トルクをタイミングベルトで型締装置のトグル機構に伝達する射出成形機において、正常運転時の電動機のトルクを記憶しておき、トルク検出手段で検出されるトルクが、記憶されているトルクより所定量小さいときは、タイミングベルトの破断と判断するようにしたものも知られている(特許文献3参照)。
又、モータによって射出成形機の型締装置等の可動部をベルト等の動力伝達機構を介して駆動する電動射出成形機において、モータに流れる電流を検出し、該検出電流値が所定上限値、下限値の設定範囲内ではリセットされ、設定範囲外になると計時を開始し、速度の加速および減速時間より長い時間を計時すると、過大負荷がかかったとして、又は、動力伝達手段のベルトが切れたとして異常信号を出力するようにした発明も知られている(特許文献4参照)。
特開平7−16901号公報 特開2003−174786号公報 特開平6−182845号公報 特開平4−19118号公報
ベルトの破断等の動力伝達手段の異常を検出する方法として、上述した従来技術における特許文献1,2に示された方法では、新たにパルス発生器等を設けねばならない。又、特許文献3、4に示された異常検出方法は、正常運転時の電動機の電流値やトルクを測定し、この測定値に基づいて、異常を判別するための基準値を求め予め制御装置に設定しておかねばならない。正常運転時の電動機の電流値やトルクも、使用する金型の重量や成形条件によって変わる。そのため、精度よく異常検出するには、金型が変わる毎、成形条件を変更する毎、その都度、最適な基準値を求め設定を行う必要があり、面倒な作業を必要とする。
そこで、本発明の目的は、事前に面倒な作業を必要とせず、簡単に動力伝達手段の異常を検出できる異常検出装置を提供することにある。
本発明は、電動射出成形機の動力伝達手段の異常検出装置であって、請求項1に係る発明は、サーボモータに加わる負荷を所定サンプリング時間毎に検出する手段と、検出された負荷より無負荷状態か判別する無負荷判別手段と、該無負荷判別手段で無負荷状態と判別されたとき、今回より所定時間前に検出された負荷と今回検出された負荷の差を求める手段と、求められた負荷の差と前記所定時間より負荷の変化率を求める手段と、求めた負荷の変化率の絶対値があらかじめ設定された値以上か判別する異常判別手段と、該異常判別手段で負荷の変化率の絶対値があらかじめ設定された値以上と判別された場合に、動力伝達手段に異常が発生したと判断して機構部の動作を停止させる手段とを有することを特徴とするものである。
又、請求項2に係る発明は、サーボモータに加わる負荷を所定サンプリング時間毎に検出する手段と、サーボモータの位置を所定サンプリング時間毎に検出する手段と、検出された負荷より無負荷状態か判別する無負荷判別手段と、該無負荷判別手段で無負荷状態と判別されたとき、今回より所定時間前に検出された位置と今回検出された位置の差と、今回より前記所定時間前に検出された負荷と今回検出された負荷の差を求める手段と、求められた負荷の差と位置の差より位置に対する負荷の変化率を求める手段と、求めた負荷の変化率の絶対値があらかじめ設定された値以上か判別する異常判別手段と、該異常判別手段で負荷の変化率の絶対値が予め設定された値以上と判別された場合に、動力伝達手段に異常が発生したと判断して機構部の動作を停止させる手段とを有することを特徴とするものである。
さらに、請求項3に係る発明は、前記各発明において、オブザーバにより負荷を検出されるようにしたものである。
本発明は、無負荷状態であって、かつ負荷の変化率の絶対値が大きいという2つの条件で動力伝達手段の異常を検出するので、正確に動力伝達手段の異常を検出できる。しかも、無負荷状態を判別するために設定する負荷の所定値は、金型や成形条件の影響を受けず、1度設定すればよく、その設定が簡単である。又、異常を判別するために設定する負荷の変化率の絶対値に対する所定値も、正常な動作で生じる無負荷状態での負荷の変化率の絶対値よりも少し大きな値に設定しておけばよいものであり、この所定値もその設定が容易である。
以下、本発明の一実施形態を図面と共に説明する。
本発明は、動力伝達手段において、ベルト破断等の異常が発生するのは、大きな力が動力伝達手段にかかるとき、すなわち、サーボモータの負荷が大きいときに発生しやすいことに着目して、これを利用して異常を検出するものであり、従来のような、正常動作時のトルク等を予め測定して異常検出の基準値等を設定することもなく、動力伝達手段の異常を検出するものである。
この実施形態では、型締装置の動力伝達手段の異常を検出する場合を例とって以下説明する。
図1は、本発明の一実施形態の概要図であり、型締装置、エジェクタ装置における動力伝達手段の異常検出を中心とした概要図である。
固定プラテン1とリアプラテン2は複数のタイバー4によって連結されている。固定プラテン1とリアプラテン2間には可動プラテン3がタイバー4に沿って移動自在に配設されている。又、固定プラテン1には固定側金型5aが取り付けられ、可動プラテン3には可動側金型5bが取り付けられている。
リアプラテン2と可動プラテン3間にはトグル機構6が配設され、該トグル機構のクロスヘッド6aに設けられたナットが、リアプラテン2に回動自在で軸方向移動不能に取り付けられたボールネジ7と螺合している。該ボールネジ7に設けられたプーリ10と型締用サーボモータ8の出力軸に設けられたプーリ11間にはベルト(タイミングベルト)9がかけられている。型締用サーボモータ8の駆動により、プーリ11,ベルト9,プーリ10の動力伝達手段を介してボールネジ7を駆動し、トグル機構6のクロスヘッド6aを前後進(図1において左右方向)させてトグル機構6を駆動し、可動プラテン3を固定プラテン1方向に前進、後退させて金型5a,5bの開閉、型締を行う。型締用サーボモータ8にはパルスエンコーダ等の該サーボモータ8の回転位置、速度を検出する位置・速度検出器12が取り付けられ、この位置・速度検出器12からの位置フィードバック信号により、クロスヘッド6aの位置、可動プラテン3(可動側金型5b)の位置を検出できるようにされている。
符号13は、可動プラテン3に設けられた金型内から成形品を突き出すためエジェクト装置であり、エジェクト用のサーボモータ13aの回転力をプーリ、ベルト(タイミングベルト)からなる動力伝達手段13c、ボールネジ/ナット機構13dを介して、エジェクトピンに伝達し、該エジェクトピンを金型内に突出させて成形品を金型から突き出すものである。なお、符号13bはエジェクト用のサーボモータ13aに取付けられた位置・速度検出器であり、このエジェクト用のサーボモータ13aの回転位置、速度を検出することによって、エジェクタピンの位置、速度を検出するものである。又、符号14は、リアプラテン2に設けられた型締力調整機構であり、型締力調整用モータ14aを駆動し、伝動機構を介してタイバー4に設けられたネジに螺合するナットを回転させてタイバー4に対するリアプラテン2の位置を変えることによって型締力の調整を行うものである。
上述した、型締装置、エジェクト機構等は従来のものと同じで、変わりはないものである。
符号20は、射出成形機を制御する制御装置であり、本実施形態では、後述するように、該制御装置内に、動力伝達手段の異常検出用のソフトウェアを格納して、該ソフトウェアにより動力伝達手段の異常検出処理を行うものであり、この制御装置が動力伝達手段の異常検出装置を構成しているものである。
この制御装置20は、従来と同様に、プロセッサ(CPU)25、ROM、RAM等のメモリ24、入出力インタフェース23、サーボインタフェース22、表示装置用のインタフェース26を備えバス28でこれの要素が接続されている。表示装置用のインタフェース26には、この実施形態では液晶表示装置27が接続されている。また、サーボインタフェース22には、射出成形機の各可動部を駆動するサーボモータの位置、速度を制御する各モータ制御回路21が接続され、各可動部を駆動するサーボモータおよびサーボモータに取付けられた位置・速度検出器がそれぞれのサーボ制御回路21が接続されている。図1では、型締用サーボモータ8用のサーボ制御回路とエジェクト用のサーボモータ13a用のサーボ制御回路のみを示しこれらのサーボ制御回路21とそれぞれのサーボモータ8、13a位置・速度検出器12、13bと接続され、位置・速度検出信号がそれぞれのサーボ制御回路21にフィードバックされる。
プロセッサ(CPU)25は、予めメモリに格納されているプログラム、成形条件等に基づいて、プログラムを実行し、各可動部への移動指令を、サーボインタフェース22を介してサーボ制御回路21に出力し、各サーボ制御回路21は、この移動指令それぞれの位置・速度検出器(12、13b)からの位置、速度のフィードバック信号に基づいて位置、速度のフィードバック制御、さらには電流フィードバック制御を行い、各サーボモータ(8、13a)を駆動制御する。各サーボ制御回路21は、従来と同様に、プロセッサとメモリ等で構成され、この位置、速度のフィードバック制御等の処理をソフトウェア処理によって実行するものである。また、本発明に関係して、このサーボ制御回路21には、従来から周知慣用のサーボモータにかかる負荷を推定する外乱推定オブザーバが組み込まれており、このオブザーバによってサーボモータにかかる負荷を検出している。なお、この成形動作における各サーボモータの制御については、従来と同じである。
図2は、型締装置における型閉じ、型締め工程実行時の、型締用サーボモータ8にかかる負荷の説明図である。図2(a)は、横軸を時間T、縦軸を型閉じ、型締め工程における型締用サーボモータ8の位置P、速度V(位置・速度検出器12で検出される位置、速度)を表し、図2(b)、(c)は、横軸が時間Tで、縦軸は型閉じ、型締め工程におけるサーボモータ8にかかる負荷Lを表している。図2(b)は正常な型閉じ、型締め工程の負荷Lを表し、図2(c)は型締め中にベルト9の破断が生じたときの負荷状態を表している。
トグル機構6のリンクが伸び、金型5a、5bを設定型締め力で締め付けるロックアップ完了位置Paを原点「0」と設定されている。図2において、符号Pbは、可動側金型5bが固定側金型5aに接触する金型タッチ位置を示すものである。サーボモータ8は、金型開完了位置から、型閉じを開始、速度は、加速して上昇し、金型タッチ位置Pbの手前から減速され、金型タッチ位置Pbでは、ほぼ「0」の速度で駆動され、金型タッチされる。
金型5a、5bが接触する金型タッチ位置Pbまでは、サーボモータ8にかかる負荷(オブサーバで推定される負荷)は図2(b)、(c)に示すように小さく、モータが一定速度で回転しているときは、ほとんど0に近い無負荷状態である。
金型タッチ後は、サーボモータ8の速度は加速されその後減速されてロックアップ完了位置(型締め完了位置)Paの「0」位置に保持される。この金型タッチ位置Pbからロックアップ完了位置Paまでのロックアップ中は、金型5a、5bが締め付けられるものであるから、図2(b)に示すようにように、サーボモータ8には大きな負荷Lがかかる。ただしこのサーボモータ8にかかる負荷は、型締めが進むにつれてトグル機構のリンクによって、型締め力を保持するようになることから、ロックアップ完了位置Paではサーボモータ8には、ほとんど「0」のわずかな負荷となる状態まで減少する。
このように、サーボモータ8にかかる負荷L、すなわち動力伝達手段におけるベルト9にかかる負荷Lは、金型が締め付けられるロックアップ中に増大することになり、このベルト9の破断等の異常は、この負荷が増大する区間で、図2(c)に示すように発生する。
又、型開き工程においても、金型によっては型開きに負荷が増大するものがあり、この負荷が増大する途中で、動力伝達手段のベルトが破断する等の異常が発生する。
そこで、本実施形態では、型締装置が型閉じ、型締め工程を実行している間、及び、型開き工程を実行している間、動力伝達手段の異常を検出するものである。
図3は、本発明の第1の実施形態として、制御装置20のプロセッサ25が、型閉じ、型締め工程を実行中、及び型開き工程を実行中、所定サンプリング周期毎実行する、動力伝達手段の異常検出処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。
型閉じ型締め工程、又は型開き工程が開始されると、プロセッサ25は、型締用サーボモータ8を駆動制御するサーボ制御回路21のプロセッサが実施する外乱を推定するオブザーバによって推定された負荷Lを、サーボインタフェース22を介して読み取る(ステップa1)。なお、オブザーバによって推定された負荷Lの代わりに、トルクセンサをモータの出力軸に取り付けてモータにかかる負荷Lを検出してもよい。
こうして求めた負荷Lの絶対値が予め設定されている無負荷状態を判別する所定値A以下か判断する(ステップa2)。この所定値Aは、射出成形機が出荷されるときなど、サーボモータ8に動力伝達手段を接続しない状態、すなわちベルト9を取り外した状態でサーボモータ8を駆動し、この状態で検出された負荷より求めておくもので、こうして求めた負荷の絶対値に所定量の許容値を加算して求める。この無負荷状態を判別する所定値Aは射出成形機に対して1度求めて設定しておけば、金型が変わり、成形条件が変わったときでも、この無負荷状態を判別する所定値Aは変更する必要はない。
求めた負荷Lの絶対値が、設定されている無負荷状態を検出する設定値Aを以上の場合は、ステップa6に進み、レジスタR(L)にステップa1で求めた負荷Lを格納し当該周期の処理を終了する。なお、このレジスタR(L)には、型閉じ開始時、及び型開き開始時の初期設定で、最初は「0」が格納されている。
一方、求めた負荷Lの絶対値が設定値Aより小さく、無負荷又は無負荷に等しい無負荷状態であると、当該周期で求めた負荷LからレジスタR(L)に記憶する1周期前の負荷Lを減じてその差ΔLを求め(ステップa3)、この差ΔLをサンプリング周期ΔTで除して負荷の変化率の絶対値εを求める(ステップa4)。
求めた負荷の変化率の絶対値εと予め設定されている動力伝達手段の異常を判別する所定値Bを比較し、負荷の変化率εがこの所定値B以上であれば、ベルト破断等の動力伝達手段の異常として異常信号を出力し、射出成形機の機構部の動作を停止させる(ステップa7)。また、負荷の変化率の絶対値εが所定値B以上でなければ、ステップa6に移行し、求めた負荷の絶対値をレジスタR(L)に格納し当該周期の処理を終了する。
以上のように、本実施形態では、無負荷状態を検出して負荷の変化率の絶対値が設定所定値以上のとき、異常発生と判断している。
図2(c)に示すように、動力伝達手段のベルトが破断したときに、無負荷状態が検出される。又、正常な動作において、型閉じ中や型開き中で、可動側金型5bや可動プラテン3に負荷がかからず、移動しているときなどにおいても、検出負荷Lの絶対値が設定所定値Aより小さくなり、この状態を無負荷状態として検出される。しかし、正常に動作して、無負荷状態として検出されたとしても、負荷の変化率の絶対値εは大きな値とはならず、所定値Bを越えることはなく誤って異常状態として検出することはない。
一方、図2(c)に示すように、動力伝達手段のベルトが破断したときなど動力伝達手段に異常が発生したときは、無負荷状態となると共に、負荷の変化率の絶対値εは大きな値となり、所定値B以上となる。このときは異常発生として検出する。図2(c)に示すように、ベルト破断等の動力伝達手段の異常発生は、負荷が大きいときに発生する。そのため、この異常発生前後では、負荷が大きい値から、小さい無負荷状態となり、負荷の変化率の絶対値εは、大きなものとなり、所定値B以上となる。
又、この動力伝達手段の異常を検出するための所定値Bを大きな値に設定しておくと、異常発生を見落とす場合が生じるが、この所定値Bは、正常に動作しているときで、無負荷状態が検出されるような状態での負荷の変化率の絶対値よりも少し大きな値でよい。無負荷状態での負荷の変化率の絶対値は、非常に小さいものであるから、この非常に小さい負荷の変化率の絶対値より少し大きな値を設定すればよい。しかも、動力伝達手段に異常が発生するのは、前述したように動力伝達手段に大きな負荷がかかっていたときであることから、異常発生時における負荷の変化率の絶対値は、かなり大きな値であり、無負荷状態での負荷の変化率の絶対値と動力伝達手段の異常発生時における負荷の変化率の絶対値には格段の差がある。そのため、無負荷状態での負荷の変化率の絶対値を予め測定する等の作業は必要なく、金型や成形条件が変わっても確実に異常を検出できるように少し大きめの値を設定すればよく、この動力伝達手段の異常を判別する所定値Bの設定も容易となる。
すなわち、無負荷状態となって、かつ負荷の変化率の絶対値が大きいという条件で動力伝達手段の異常を検出するから、この検出のための判別基準値の設定が極めて容易となるものである。
しかも、本実施形態では、特別なハードウェアを必要とせず、射出成形機の制御装置によるソフトウェア処理で各手段を構成し、射出成形機の制御装置でこの異常検出装置を構成できるから、安価に構成することができる。
図4は、本発明の第2の実施形態の動力伝達手段の異常検出処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。前述した第1の実施形態では負荷の変化率εを時間に対する変化率として求めたものであったが、この第2の実施形態では、型締用サーボモータの位置Pに対する変化率を求め、この変化率で異常発生か否かを判別するようにしたものである。
制御装置20のプロセッサ25は、型閉じ型締め工程及び型開き工程を実行中にサンプリング周期毎、図4に示す異常検出処理を実施する。
型締用サーボモータ8に取り付けられた位置・速度検出器12からの位置フィードバック信号に基づいて、サーボモータ8の位置Pを読み取る。以下、この位置・速度検出器12からの位置フィードバック信号に基づいて得られる位置を型締装置の位置という(ステップb1)。
次に、外乱を推定するオブザーバで求められた負荷Lを読み取り(ステップb2)、該負荷Lの絶対値と予め設定されている無負荷状態を判別する所定値Aと比較し(ステップ3)、求めた負荷Lの絶対値が所定値A以上であれば、ステップb8に進み、1周期前の負荷Lの絶対値を記憶するレジスタR(L)にステップb2で求めた負荷Lの絶対値を格納し、1周期前の型締装置の位置Pを記憶するレジスタR(P)にステップ1で読み込んだ型締装置の位置Pを格納し、当該周期の処理を終了する。
ステップb3で、求めた負荷Lの絶対値が所定値Aより小さく、無負荷状態と判別されたときには、ステップb2で求めた負荷LからレジスタR(L)に記憶された1周期前の負荷を減じて負荷の差ΔLを求め(ステップb4)、さらに、レジスタR(P)に記憶する1周期前の型締装置の位置から、ステップb1で読み取った今周期の型締装置の位置Pを減じて位置の差ΔPを求め(ステップb5)、負荷の差ΔLを位置の差ΔPで除して、位置に対する負荷の変化率の絶対値Δεを求める(ステップb6)。
こうして求めた負荷の変化率の絶対値εが予め設定されている所定値B以上か判断し(ステップb7)、以上でなければ、ステップb8に移行し、以上であれば、ステップb9に移行して、異常信号を出力し射出成形機の機構部の動作を停止させる。
この第2の実施形態と第1の実施形態と比較し、負荷の変化率を第1の実施形態では時間に対して求めたことに対して、この第2の実施形態は位置に対して求めた点で相違するのみである。この第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、所定値A、Bは1度設定しておけば、金型や成形条件が変わっても、変更することはなく、かつ、その設定値の選択も極めて容易である。
上述した各実施形態では、図3、図4に示す処理を数値制御装置20のプロセッサ25で実行する例を説明したが、サーボ制御回路21のプロセッサ、すなわち、位置、速度制御を実行するプロセッサによって、この処理を実行させてもよいものである。
また、図3、図4に示す処理の実行周期(サンプリング周期)は、各プロセッサが実行する基本周期で実行させても、又は各基本周期の整数倍で実行させてもよいものである。例えば、数値制御装置20のプロセッサ25で実行する場合には、該数値制御装置20のプロセッサ25は、各軸への移動指令の分配処理を補間、分配処理周期ごと実行しているが、この補間、分配処理周期毎に、図3、図4の処理を実行するようにしてもよい。また、この周期をカウントし、所定カウント毎に実行するようにしてもよい。サーボ制御回路21のプロセッサで実行する場合には、該サーボ制御回路21のプロセッサが実行する位置、速度制御周期毎に図3、図4の処理を実行するようにしても、またこの周期をカウントして設定カウント数毎に実行するようにしてもよい。
又、図5、図6に示すように、負荷Lをサンプリングする周期と、負荷の変化率を求めるための時間間隔変えて、このサンプリング周期の整数倍前の負荷と当該周期の負荷とにより負荷の変化率を求めてもよい。
この場合は、第1の実施形態に対応する第3の実施形態の処理は、図5に示すような処理に変わる。まず、負荷の値を記憶するレジスタR(L)が、(設定した時間/サンプリング周期時間)の数だけ設けられている。図5では、R1(L)、R2(L)、R3(L)の3つのレジスタを設けた例を示している。図3に示すステップa1〜a7の処理と図5に示すステップc1〜c7の処理はそれぞれ対応するものである。相違する点は、ステップa6に対応するステップc6では、レジスタR2(L)に記憶する負荷LをレジスタR3(L)に格納し、レジスタR1(L)に記憶する負荷Lを、レジスタR2(L)に格納し、当該周期のステップ3で読み取った負荷LをレジスタR1(L)に格納する処理になっている点(なお、これらレジスタR1(L)、R2(L)、R3(L)は、型閉じ開始時、又は型開き開始時の初期設定で0に設定される)、また、ステップa3に対応するステップc3の処理で、読み取った負荷LとレジスタR3(L)に記憶する3周期前の負荷との差を求める点、ステップa4に対応するステップc4では、求めた負荷の差ΔLを3周期の時間(3ΔT)で割って変化率を求める処理が異なるもので、他は図3に示す第1の実施形態と同じである。すなわち、この第3の実施形態は、負荷の変化率の絶対値εを3サンプリング周期毎に求めて、動力伝達手段の異常を判別するようにした点が第1の実施形態と相違するのみである。
また、図4に示した第2の実施形態に対応する第4の実施形態では、型締装置の位置Pを記憶するレジスタも設定した時間に応じた数だけ設け、各周期でこれらレジスタに記憶する値をシフトしながら、設定した時間前の位置Pを記憶し、位置差ΔPを求めるものとなる。例えば、第3の実施形態の例と同じように、設定された時間が3周期前であるとすると、位置を記憶するレジスタをR1(P)、R2(P)、R3(P)の3つと、負荷を記憶するレジスタをR1(L)、R2(L)、R3(L)の3つを設ける。図4に示すステップb1〜b9の処理と図6に示すステップd1〜d9の処理はそれぞれ対応するものである。相違する点は、ステップb8に対応するステップd8では、レジスタR2(P)に記憶する位置PをレジスタR3(P)に格納し、レジスタR1(P)に記憶する位置Pを、レジスタR2(P)に格納し、当該周期のステップ3で読み取った位置PをレジスタR1(P)に格納し、さらに、レジスタR2(L)に記憶する負荷LをレジスタR3(L)に格納し、レジスタR1(L)に記憶する負荷Lを、レジスタR2(L)に格納し、当該周期のステップ3で読み取った負荷LをレジスタR1(L)に格納する処理になっている点で相違する。なお、これらレジスタR1(L)〜R3(L)は、型閉じ開始時、又は型開き開始時の初期設定で0に設定され、レジスタR1(P)〜R3(P)には初期設定で型閉じ開始時、又は型開き開始時の位置が設定される。また、ステップb4に対応するステップd4の処理で、読み取った負荷LとレジスタR3(L)に記憶する3周期前の負荷との差ΔLを求める点、ステップb5に対応するステップd5では、レジスタR3(P)に記憶する3周期前の型締装置の位置とステップd1で読み取った位置Pとの差ΔPを求める点、ステップb6に対応するステップd6では、この負荷の差ΔLを位置の差ΔPで割って変化率を求める点の処理が異なるもので、他は図4に示す第2の実施形態と同じである。
上述した各実施形態は、型締装置の動力伝達手段の異常を検出するものであったが、本発明は、射出成形機の他の可動部における動力伝達手段の異常を検出することにも適用できるものである。例えば、エジェクタ装置においても、その動力伝達手段13cのベルトの破断等の異常を検出するために、本発明を適用できるものである。
本発明の一実施形態の動力伝達手段の異常検出装置の概要図である。 型締装置における型閉じ、型締め工程実行時の、型締め用サーボモータにかかる負荷の説明図である。 本発明の第1の実施形態における動力伝達手段の異常検出処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態における動力伝達手段の異常検出処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態における動力伝達手段の異常検出処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。 本発明の第4の実施形態における動力伝達手段の異常検出処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。
符号の説明
1 固定プラテン
2 リアプラテン
3 可動プラテン
4 タイバー
5a,5b 金型
6 トグル機構
6a クロスヘッド
7 ボールネジ
8 型締用サーボモータ
9 ベルト
10、11 プーリ
12、13b 位置・速度検出器
13 エジェクト装置
13a エジェクト用のサーボモータ
13c 動力伝達手段
13d ボールネジ/ナット機構
14 型締力調整機構
20 制御装置

Claims (3)

  1. サーボモータに加わる負荷を所定サンプリング時間毎に検出する手段と、検出された負荷より無負荷状態か判別する無負荷判別手段と、該無負荷判別手段で無負荷状態と判別されたとき、今回より所定時間前に検出された負荷と今回検出された負荷の差を求める手段と、求められた負荷の差と前記所定時間より負荷の変化率を求める手段と、求めた負荷の変化率の絶対値があらかじめ設定された値以上か判別する異常判別手段と、該異常判別手段で負荷の変化率の絶対値があらかじめ設定された値以上と判別された場合に、動力伝達手段に異常が発生したと判断して機構部の動作を停止させる手段とを有することを特徴とする電動射出成形機の動力伝達手段の異常検出装置。
  2. サーボモータに加わる負荷を所定サンプリング時間毎に検出する手段と、サーボモータの位置を所定サンプリング時間毎に検出する手段と、検出された負荷より無負荷状態か判別する無負荷判別手段と、該無負荷判別手段で無負荷状態と判別されたとき、今回より所定時間前に検出された位置と今回検出された位置の差と、今回より前記所定時間前に検出された負荷と今回検出された負荷の差を求める手段と、求められた負荷の差と位置の差より位置に対する負荷の変化率を求める手段と、求めた負荷の変化率の絶対値があらかじめ設定された値以上か判別する異常判別手段と、該異常判別手段で負荷の変化率の絶対値が予め設定された値以上と判別された場合に、動力伝達手段に異常が発生したと判断して機構部の動作を停止させる手段とを有することを特徴とする電動射出成形機の動力伝達手段の異常検出装置。
  3. 前記負荷はオブザーバにより検出されることを特徴とする請求項1乃至2の内いずれか1項に記載の電動射出成形機の動力伝達手段の異常検出装置。
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