JP4567739B2 - 予備張力をかけた砂中子 - Google Patents

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    • B22C9/10Cores; Manufacture or installation of cores
    • B22C9/106Vented or reinforced cores

Description

[関連出願の相互参照]
本願は、全文が参照により本明細書に援用される2004年8月25日に出願された米国仮出願第60/604,621号の利益を主張する。
[発明の分野]
本発明は、ウレタン砂中子を用いる方法を改良し、且つこの方法で高品質を得ると共に、ウレタン砂中子の生産プロセスを容易にすることに関する。また、本発明は、製造プロセスを改良し、鋳造時のガンドリリング作業を代替することで製造プロセス中のサイクルを改良することに関する。
[鋳造に関する従来技術の説明]
これまで、様々な加工方法が、金属、プラスチック及びセラミックに用いられてきた。金属の加工には、機械加工の一部としての鋳造が専ら用いられてきた。成形プラスチック又はセラミックの加工には、射出成形が専ら用いられてきた。上記材料のこれらの加工プロセスでは、金属(非崩壊性)中子又は崩壊性中子を一般的に用いて、中空部及び/又はアンダカット部を有する物品に加工する。
前者の金属中子は、中子を金型から直接抜き取るか、又は加工品を変形させて抜き取ることができる場合にのみ用いられる。したがって、金属中子の使用は、特定の狭い範囲に限られる。後者の崩壊性中子は、砂から通常形成されているため、以下の欠点を伴う。砂中子は、所定の形状への成形が困難であり、崩壊しやすいことによって取り扱いが困難な傾向がある。さらに、砂中子は、加工中の圧縮抵抗及び加工後の崩壊特性という相反する要件を満たすことができない。
この点で、鋳造中の圧縮抵抗を改良するために特定のコーティング材料で表面がコーティングされた砂中子を用いることが、金属鋳造の分野で近年提案されている。コーティングされた砂中子は、鋳型内で用いられる。しかしながら、このようなコーティングされた砂中子の使用にも、以下の難点がある。
(1)複数のコーティング材料層を砂中子上に形成する必要があるため、コーティング層が形成し難くなる。この面倒な作業により、生産プロセスの工程数が増えると共に、生産プロセスの時間及び費用も増える。
(2)コーティング材料及び砂中子の成分としてのバインダを鋳造後に完全に除去することが困難である。バインダの除去は、中子の砂の燃焼又は熱処理によって通常行われる。この燃焼工程により、生産プロセスの工程数が増えると共に、生産プロセスの時間及び費用も増える。
(3)砂中子は、成形が困難なだけでなく、生産プロセスにおいて複雑な機器及びかなりの工程を必要とする。さらに、砂中子は、崩壊し易い傾向があるため、取り扱いが困難であることによって生産プロセスの工程数が増えると共に、鋳造の歩留まりが低下する。
(4)鋳造中、砂中子の崩壊を防止するために複雑な圧力調節が必要である。さらに、鋳造後に砂中子を完全に崩壊させることは困難である。上記を行うには、砂中子を熱処理する工程及び砂を除去する工程と、得られる鋳物(製品)からの砂の除去を検査する工程とが必要であり、これにより生産プロセスの工程数が増えると共に、生産プロセスの時間及び費用も増える。
(5)鋳造時中、砂中子の砂粒子間に溶融金属が入り込み、砂中子の成分が鋳物(製品)に入り込む。これらによって鋳物に小さな孔又はキャビティができることにより、鋳物(製品)の歩留まり及び生産性を低下させる傾向がある。
(6)鋳造後に砂中子の砂を完全に除去することが困難であるため、砂が鋳物(製品)に付着したまま残ることにより、鋳物(製品)の磨耗及び損傷を引き起こす。
(7)複雑且つ/又は大きな鋳物を生産することは、困難であるか又は実質的に不可能である。これにより、砂中子を用いた鋳造方法の適用が狭い範囲に限られることで、鋳物の設計及び生産に問題が生じる。
(8)砂中子は、完全な除去が困難であるコーティング材料及びバインダを含有しているため、砂中子の砂の再使用は困難である。砂中子の砂を再使用するには、生産プロセスにおいてさらなる工程が必要であることにより、生産プロセスの時間及び費用が増える。
(9)砂中子及びガンドリルを用いる鋳造方法は、より多くの生産時間及び費用を要する以下の工程によって通常行われる。(a)砂中子を成形する工程、(b)砂中子をコーティングする工程、(c)砂中子を乾燥させる工程、(d)鋳型を成形する工程、(e)溶融金属を鋳込んで鋳造作業を行う工程、(f)鋳物(製品)から砂を除去する工程、(g)鋳物(製品)上の砂を熱処理する工程、(h)砂の除去の完了を検査する工程、(I)鋳物(製品)からバリを除去する工程、(j)鋳物製品を機械加工ラインに送る工程、(k)鋳物(製品)を位置合わせする(zero)ために製造孔を開ける工程、(l)必要な孔(複数可)を鋳物(製品)に開ける工程、(m)完成鋳物(製品)を得る工程。
鋳造方法における上述の問題は、鉄及びマグネシウムを鋳造するための(砂中子を用いる)成形方法でも見られることが理解されるであろう。
[ガンドリリングの交換に関する従来技術の説明]
これまで、様々なドリリング方法が金属に用いられてきた。金属の加工には機械加工が専ら用いられてきた。CNC機械の高速機械加工工具及び標準的な超硬ガンドリルが、移送ラインプロセスで用いられる。
ガンドリリング方法に関しては、ガンドリリングステーション(gun-drilling station)を造るのに大金が必要であり、製造プロセスを維持するために保守が必要である。これらの方法を用いる場合、以下の難点を伴う。
(1)冷却液流が調節しにくく、ガンドリルの破損を引き起こす。
(2)ガンドリルが指定寿命よりも長く用いられ、この場合もガンドリルの破損が生じる。
(3)ガンドリルを交換するためにラインを停止させることで、製造プロセスのサイクル時間が短くなる。
(4)ブッシュ(bushing)、クランプ等を含む、ガンドリリングステーションの部品の保守及び交換。
[発明の概要]
予備張力をかけた砂中子を用いて物品を加工する改良された方法と、それにより生産される物品とを提供することが本発明の目的であり、それらは、従来の同様の方法及び物品に見られる欠点を克服する。
本発明の別の目的は、予備張力をかけた砂中子を用いて物品を加工する改良された方法と、それにより生産される改良された物品とを提供することであり、これにより、物品が中空形状を有する場合でも、生産プロセスにおいて中子破損の数を減らしつつ、高品質の物品を得ることができる。
本発明の一態様は、物品を加工する方法であって、記載の順序で以下の工程、すなわち、コールドボックス中子取り(cold core box)内にワイヤを配置してワイヤの端を締め付ける工程と、前記締め付けにより前記ワイヤに張力をかける工程と、続いて中子取りを閉じてワイヤの周りにウレタン中子を成形する工程と、中子取りを分離して、ワイヤの張力を解放し、中子を圧縮状態にすることで中子を成形する工程とを含む、物品を加工する方法にある。
本発明のさらなる態様は、少なくとも1つの中空部を有する物品を生産するために加工金型内で用いられる中子にあり、この場合、予備張力をかけた砂中子が成形される。
本発明の原理によれば、以下の有利な効果が得られる。(1)予備張力がかけられた崩壊し難いウレタン砂中子を用いることで、鋳型内の中子の製造が容易になることにより、中子の破損が減り、製造プロセスが単純化し、生産における工程数が減ると共に生産プロセスの時間及び費用が減る。(2)予備張力がかけられたウレタン砂中子は、手荒な取り扱いをしても破損し難い傾向があり、取り扱いやすくなることにより運搬及び保管が容易になる。(3)予備張力がかけられたウレタン砂中子は、鋳物内の中子の破損を減らすため、中子からの破片が鋳物(製品)に入り込まないことにより、鋳物(製品)に小さな孔又はキャビティができるのを回避する。これにより、欠陥製品の生産が防止されることで、鋳物(製品)の歩留まり及び生産性が向上し、高品質の鋳物(製品)が提供される。(4)予備張力がかけられたウレタン砂中子は、鋳物(製品)の中空部の形成を容易にする。(5)この中空部は、鋳物(製品)に孔を開ける場所を占める。(6)この場合、ガンドリリングステーションが製造プロセスから省かれる。(7)ガンドリリングステーションの保守も無くなる。さらに、予備張力がかけられたウレタン砂中子の強度が向上するため、サイズに関係なく完全な形状及び実物大の鋳物を生産することが可能になることで、鋳造用途範囲が広がる。
中子取りの下型部分(バインダ)内にワイヤが配置される。バインダ内には、ワイヤの各端を所定位置に係留保持するクランプがある。上型がバインダの下型に向かって下降し、下型と合わさる。バインダが閉じると、各端のクランプが互いから離れて移動し、指定の距離に達するまでワイヤに張力をかける。樹脂と混合された砂が中子取りに吹き込まれ、続いて触媒が吹き込まれて砂及び樹脂をワイヤの周りの所定位置で硬化させる。触媒が終わると、バインダの上型及び下型が分離する。バインダの両方の型が分離すると、クランプがワイヤを解放する。ワイヤは、クランプから解放されると、収縮し始めて中子を圧縮状態にする。ウレタン砂中子は圧縮状態で良好に機能するが、ワイヤはごくわずかな距離しか収縮せず、元の位置には収縮しない。これにより、ワイヤには張力がかかったままとなるが、中子は圧縮されたままとなる。
[発明の詳細な説明]
本発明の方法によれば、以前には用いられたことないような幅寸法が小さく低樹脂率の砂中子を用いて加工金型を形成するために、予備張力がかけられた砂中子が用いられる。予備張力がかけられた砂中子は、これまで、加工金型用の中子として用いられることが不可能であると思われていた。予備張力がかけられた中子を用いてこのようにして形成された加工金型は、鋳物(製品)の生産に用いられる。予備張力がかけられた砂中子は、円筒形状を有する物品の加工に特に適している。予備張力がかけられた砂中子は、加工中の圧力抵抗又は非崩壊特性及び加工後の崩壊特性の両方を有する必要があるが、これら両方の特性は互いに相反するものである。さらに、予備張力がかけられた砂中子は、好ましくは加工中に製品に影響を及ぼさない、すなわち、脆弱性を有さず、中子の破損を回避する必要がある。
予備張力がかけられた砂中子は、鋳造によって鋳物(製品)を生産する鋳型内で好ましくは用いられ、円筒形状を囲んで成形される。したがって、第1の実施形態の説明は、重力又は低重力鋳造プロセスによって円筒形中子(予備張力がかけられた砂中子)を用いて鋳物を生産する方法(鋳造方法)に関して行う。この実施形態では、予備張力がかけられた砂中子1は、フェノール樹脂コールドボックスバインダ法によってS字形を形成するように生産される。予備張力がかけられた砂を上型と下型との間に配置固定することによって鋳型が得られる。予備張力がかけられた砂中子の一端又は両端は、上型と下型との間に堅固に取り付けられる。上型及び下型と、予備張力がかけられた砂中子との間には、キャビティが形成される。キャビティの形状は、鋳造によって生産すべき鋳物(製品)の形状に対応する。
アルミニウム等の金属材料の溶融金属を、鋳型に形成されたキャビティに圧力下で鋳込み、キャビティの形状に対応する形状を有する鋳物(製品)を得る。様々な金属を、生産すべき鋳物(製品)の材料に対応するように、溶融金属の材料として選択できることが理解されるであろう。
成形された鋳物(製品)は、鋳型を開いて鋳造プロセスを終了することによって取り出される。その後、バリ等の不要な部分を鋳物(製品)から除去することにより、必要な結果物(resultant)又は完成鋳物を得る。予備張力がかけられた砂中子を用いるこのような鋳造方法は、鋳造プロセス中の中子の破損を効果的に防止することにより、外観及び機能性品質が改善された鋳物(製品)を提供する。さらに、この例の(本発明による)鋳造方法は、広く用いられている、砂中子を用いる従来の鋳造方法におけるドリリング製造プロセスを省く。従来の鋳造方法は通常、以下の工程を含む。(1)砂中子を成形する工程、(2)砂中子を乾燥させる工程、(3)砂中子を中子取りから取り出す工程、(4)砂中子をカルーセルに搬送して中子を金型に配置する工程、(5)溶融金属を鋳込んで鋳造作業を行う工程、(6)鋳物(製品)から砂を除去する工程、(7)鋳物(製品)上の砂を熱処理する工程、(8)砂の除去の完了を検査する工程、(9)鋳物(製品)から押湯及びバリを除去する工程、(10)完成鋳物(製品)を得る工程、(11)ガンドリルで鋳物(製品)に孔を開ける工程、(12)孔開け(ドリリング)作業を保守する工程、(13)ガンドリルが鈍ったら交換するか又は研ぎ直す工程、(14)ガンドリルが破損して生産が落ちたらガンドリルを交換する工程、(15)冷却液を正確な化学組成物比に維持する工程。上記工程(11)、(12)、(13)、(14)、(15)を、本発明のこの実施形態の鋳造方法では省いて不要にすることができることが理解されるであろう。上述のように、本発明のこの実施形態の鋳造方法によれば、広く用いられている、砂中子を用いる従来の鋳造方法と比較して、孔を形成する工程数を大幅に減らすと共に、砂中子の能力を高めつつ、鋳物(製品)を高品質で効果的に得ることができる。
上述の予備張力がかけられた砂中子は、鋳造中に(溶融金属を鋳込む時点から溶融金属の凝固後まで)初期形状を維持することにより、要求されるべき鋳物(製品)を成形するのに役立つ。しかしながら、予備張力がかけられた砂中子の表面は、鋳込まれて凝固している溶融金属の残りの熱の作用によって鋳造後に焼け、鋳物(製品)が鋳型から取り出された後に手動で又は熱処理によって除去されるため、得られる鋳物(製品)内に予備張力がかけられた砂中子に対応する残留材料が残らない。上記の鋳造方法では、鋳込まれる溶融金属が鋳型のキャビティに達すると、当該溶融金属の初期温度(例えば、アルミニウム溶融金属の場合は約660℃)が大幅に下げられることで、予備張力がかけられた砂中子が鋳造中にもその初期形状を維持することができることになり得る。さらに、予備張力がかけられた砂中子は、自らの温度及び潜熱の作用下でその初期形状を維持する。鋳型のキャビティへの溶融金属の鋳込みの終了後に溶融金属を凝固させるのに所定の時間が経過すると、予備張力がかけられた砂中子は、熱処理又は手動で最終的に除去される。
上述のように、予備張力がかけられた砂中子は、互いに相反する、鋳造中の圧力(圧縮)抵抗又は非崩壊特性及び鋳造後の崩壊特性の両方を有する必要があり、好ましくは鋳造中に鋳物(製品)に影響を及ぼさない、すなわち大量のガスを発生させる特性を有さない必要がある。
本発明の鋳造方法は、金型重力鋳造に適用されるものとして示され及び説明されているが、本発明の原理を、砂型重力鋳造、低圧鋳造、精密鋳造等にも適用できることが理解されるであろう。
得られる鋳物(製品)は、本発明の鋳造方法に従って様々な円筒寸法を有することができる。
得られる鋳物(製品)の品質等をさらに改善するために、鋳造方法に変更を加えてもよいことが理解されるであろう。
以下は、本発明の鋳造方法の有利な効果である。
(1)崩壊し難い傾向がある予備張力がかけられた砂中子を用いることで、鋳型内の中子の加工が容易になることにより、鋳造機器が単純化し、生産プロセスの工程数が減ると共に生産プロセスで必要な時間及び費用が減る。
(2)予備張力がかけられた砂中子は、手荒な取り扱いをしても破損し難い傾向があり、取り扱いやすくなることにより運搬及び保管が容易になる。さらに、鋳造中の圧力調節が不要になることで、生産プロセスの工程数が減ると共に生産プロセスで必要な時間及び費用が減る。
(3)予備張力がかけられた砂中子は、鋳物(製品)の中空部を形成し易くする。さらに、強度が高まるため、形状及びサイズに関係なく完全な形状及び実物大の鋳物を生産することを可能にすることで、鋳造用途範囲が広がる。
(4)予備張力がかけられた砂中子は、互いに相反する、鋳造中の圧力抵抗又は非崩壊特性及び鋳造後の崩壊特性の両方を備える。したがって、鋳造中の圧力制御を不要にしつつ、鋳物(製品)に溶融金属が入り込むことを防止することができる。さらに、予備張力がかけられた砂中子1は、鋳造後に完全な崩壊及び除去が容易であり得る。
鋳造方法が本実施形態で示され及び説明されているが、生産プロセスを容易にしつつ高品質の鉄及びマグネシウムの鋳造に本実施形態の原理を適用できることが理解されるであろう。さらに、本発明の予備張力がかけられた砂中子は、鋳鉄又はマグネシウムの鋳物(製品)に用いられる金型で用いることができ、このとき、予備張力がかけられた砂中子は、従来の対応する技術における問題を解消しつつ、アルミニウム鋳物(製品)と同様の有利な効果を提供することができることが認められるであろう。
予備張力がかけられた砂中子は、円筒形にされるものとして示されているが、予備張力がかけられた砂中子は、ワイヤが圧縮によって中子に強度を加えることができる低樹脂率の構造的に薄い領域を有する任意のコールドボックス砂中子(cold core box sand core)に適用されて、手動又は熱処理で除去することができることが認められるであろう。予備張力がかけられた砂中子は、アルミニウム鋳物(製品)の製造におけるガンドリリングの代わりとなるものとして示され及び説明されているが、予備張力がかけられた砂中子1は、相反する条件(加工中の圧力抵抗及び加工後の崩壊特性)を満たすことができる鉄及びマグネシウムの鋳造に適用することができる。
好適な実施形態では、本発明は、以下の方法に関する。
金属ワイヤを装置に配置し、装置内のクランプが金属ワイヤの各端を引っ張って金属ワイヤに張力をかけるように、金属ワイヤの各端をクランプによって所定位置に保持させる。
装置は、金属ワイヤの材料の降伏点以下で金属ワイヤを張力状態に保つ。
金属ワイヤが配置される装置は中子取りバインダと呼ばれ、当該装置内にウレタン砂混合物が吹き込まれて、金属ワイヤの周りで成形される。
装置は、ウレタン砂混合物が中子取りに吹き込まれるように設計される固定具であり、上記混合物は指定のpsiの圧力下で吹き込まれ、中子取り固定具に吹き込まれたウレタン砂混合物は中子の形状に成形される。ここで、上記混合物が中子の形状になると、液体又はガスの触媒が圧力下で中子取りに吹き込まれて、上記混合物を非常に短期間で硬化させる。
中子取りに配置される金属ワイヤは、直線円筒形状の中子に適用され、当該中子は、ワイヤの周りに成形されて触媒によって硬化される。
中子取りに配置される金属ワイヤは、直線三角形状の中子に適用され、当該中子は、ワイヤの周りに成形されて触媒によって硬化される。
中子取りに配置される金属ワイヤは、直線四角柱形状の中子に適用され、当該中子は、ワイヤの周りに成形されて触媒によって硬化される。

中子取りに配置されるワイヤは、ワイヤが直線状に配置される無定形形態の中子に適用され、当該中子は、ワイヤの周りに成形されて触媒によって硬化される。
ワイヤの各端にあるクランプが解放された後、全中子成形プロセスの間、ワイヤは指定のポンド/平方インチで張力がかかったままである。
クランプが金属ワイヤを解放すると、金属ワイヤは、張力がかけられる前の元の形状に戻る。
金属ワイヤは、金属ワイヤの直径に対して垂直に位置する突起又は丸形状(round shapes)を有し、当該丸形状は、動かないように金属ワイヤに結合され、上記形状は、中子の各端に配置される。
クランプが解放されると、上記形状は金属ワイヤと共に収縮し始め、上記金属形状が収縮するにつれて、ワイヤの周りに成形されるウレタン砂中子が圧縮される。
上記形状は、収縮するにつれてワイヤの周りに成形される中子を圧縮し、ワイヤは、砂中子を圧縮状態にして中子の強度を高めるが、これにより砂中子の圧縮は中子の極限強度を超えない。
用いられるワイヤが砂中子の圧縮極限強度を超えない限り、引張特性を有するいかなる金属ワイヤを用いてもよい。
この手法は、コールドボックスプロセス、ホットボックスプロセス、シェルモールドプロセス(cold core, hot core, thin shell core box process)に用いられ、砂中子には予備張力がかけられ、この円筒形砂中子をガンドリリング適用の代わりに用いて、アルミニウム、鋳鉄、マグネシウム、及び鋼の鋳物を得るために金型に配置される。
この手法は、コールドボックス、ホットボックス、シェルモールドプロセスに用いられ、砂中子には予備張力がかけられ、この予備張力がかけられた砂中子を用いて、アルミニウム、鋳鉄、マグネシウム、及び鋼の鋳物にキャビティを形成する。
予備張力がかけられた砂中子を取り出す方法は、砂を除去してからワイヤ自体を取り出すためのシェーカ(shaker)によって、又は除去を容易にするためにワイヤを所定位置に残したまま樹脂を焼き落とす鋳物の熱処理によって、又は鋳物の凝固後に中子をワイヤと共に鋳物から取り出すことによって行うことができる。
中子内のワイヤは、中子を破損させることなく曲げることができる。中子は、中子の外壁の引張強度が極限強度に達して剥離及び破損し始めるまで曲がることができる。
中子は、直線円筒形態に成形してから、金型内に入れて弓形又は湾曲形に曲げることができる。湾曲形は、鋳物の凝固後に鋳物内に湾曲円筒キャビティを形成する。円筒形は、矩形、三角形、及び円形を含む。
予備張力がかけられた砂中子のワイヤを、中子取りの全長にわたって配置し、湾曲した予備張力がかけられた砂中子を成形するために中子取り内で曲げる。ワイヤから突出して中子取りの壁に押し当たる突起が、中子取りキャビティ内の指定位置にワイヤを保つ。湾曲した中子が中子取り内で成形される。
ワイヤは、中子取り内にジグザグ形に配置してもよい。中子は、中子取り内のジグザグ形のワイヤの周りで成形されると、鋳物内にジグザグ形のキャビティを形成する。同様に、ワイヤは、中子取り内に鎖形に配置してもよい。
中子の非常に薄い領域に適用される予備張力がかけられたワイヤ。中子の薄い部分に予備張力をかけるために、中子取りキャビティの一部にワイヤを配置する。両端を締め付ける。一端は中子ワイヤと一致しており、ワイヤの他端はワイヤに対して垂直な突起を有する。垂直な突起は、中子取り内で締め付けられ、ワイヤに張力をかける。
中子の非常に薄い領域に適用される予備張力がかけられたワイヤ。中子の薄い部分に予備張力をかけるために、中子取りキャビティの一部にワイヤを配置する。両端を締め付ける。ワイヤの両端はワイヤに対して垂直な突起を有する。垂直な突起は、中子取り内で締め付けられ、ワイヤに張力をかける。
中子の非常に薄い領域に適用される予備張力がかけられたワイヤ。中子の薄い部分に予備張力をかけるために、中子取りキャビティの一部にワイヤを配置する。両端を締め付ける。ワイヤの両端は中子と一致しており、締め付けられる。
コネクタを用いて別のワイヤに接続されるワイヤ。各ワイヤの端は、ワイヤを長くするためにコネクタと接続する。各ワイヤの端は、繰り返し接続して無限長にすることができる。
コネクタは、2つの別個のワイヤの2端を互いに接続する別個のワイヤ片である。コネクタは、新たに形成したワイヤに予備張力を与えることができる。
鉤形(clasped shaped)端を有するワイヤ。ワイヤの端は、1本のワイヤの一端を別のワイヤの別端に留めるように接続して長いワイヤを形成するような形状になっている。新たに形成したワイヤに予備張力を与えることができる。
コネクタ又は鉤形端は、ワイヤを180°回転させる能力を有する。
コネクタを用いて短いワイヤ同士が互いに接続されたワイヤを、中子取り内に直線状形態で配置して予備張力状態にする。
コネクタ又は鉤形端を用いて短いワイヤ同士が互いに接続されたワイヤを用いて、中子取り内で成形される予備張力がかけられた複合中子。コネクタ又は鉤形端は、露出しており、中子と同じ直径を有する。中子は、コネクタのところで曲がって所望のジグザグ形を形成する。コネクタを有するジグザグ形の複合中子は、鋳型に配置されてジグザグ形のキャビティを形成する。
コネクタ又は鉤形端によって互いに接続されて螺旋形コイルを形成することができる短いワイヤ。コネクタ又は鉤形端は、中子取りの壁に押し当たる小さな突起を有する。ワイヤには、中子が中子取り内で成形される前に予備張力をかける。螺旋形中子を中子取りから取り出し、鋳型に配置して螺旋形コイルキャビティを形成する。
コネクタ又は鉤形端によって互いに接続されてカール状q中子を形成することができる短いワイヤ。コネクタ又は鉤形端は、中子取りの壁に押し当たる小さな突起を有する。ワイヤには、中子が中子取り内で成形される前に予備張力をかける。カール状q中子を中子取りから取り出し、鋳型に配置してカール状qキャビティを形成する。
コネクタ又は鉤形端によって互いに接続されて無定形中子を成形することができる短いワイヤ。コネクタは、中子取りの壁に押しあたる小さな突起を有する。ワイヤには、中子が中子取り内で成形される前に予備張力をかける。無定形中子を中子取りから取り出し、鋳型に配置して無定形キャビティを形成する。
中子取りの壁に突き当たる突起は、鋳物からの中子ワイヤの取り出しを容易にするために、中子の周りで鋳物が成形されて鋳物にキャビティを形成するときに鋳物に刺さらない材料でできていなければならない。
本発明の好適な実施形態を、以下の実施例で説明する。本明細書の特許請求の範囲内にある他の実施形態は、本明細書に開示される本発明の仕様又は実施を検討すれば、当業者には明らかとなるであろう。本明細書は、実施例と共に単なる例示と見なされることが意図され、本発明の範囲及び精神は、実施例の前の特許請求の範囲によって示される。
(実施例。予備張力がかけられた砂中子)
この実施例の詳細は、Martin Zoldan著「Department of Mechanical Engineering」, MS Thesis, Wayne State University(2005)及び2004年8月25日に出願された米国仮特許出願第60/604,621号に示されており、その全体が参照により本明細書に援用される。
自動車産業におけるエンジン工場及び機械加工会社は、鋳物に孔を開けるための機械及びドリルに何百万ドルも費やしている。以下の方法は、既存の鋳造プロセスのために作られたものであり、より多様な用途に対応することができる。また、本明細書に記載の方法は、種々の鋳造方法でアルミニウム、鋳鉄、鋼、及びマグネシウムに用いることもできる。これを適用できる鋳造方法は、低重力プロセス、高重力プロセス、消失模型鋳造(loss foam)プロセス、及びダイカストプロセスである。これを適用できる砂中子プロセスは、シェルモールドプロセス、ノーベークプロセス、ホットボックスプロセス、及びコールドボックスプロセスである。提案される方法は、鋳物に孔を開ける代わりに、予備張力がかけられた砂中子を用いる。鋳物は、エンジンアセンブリで用いられるシリンダヘッド及びシリンダブロックであった。製造プロセスで孔(複数可)を機械加工する代わりに、孔(複数可)は鋳造プロセスで形成された。この提案される方法は、シリンダヘッドに油路をガンドリリングする既存の方法の代わりに用いられることが意図される。コールドボックスプロセスで製造される長円筒形状の形態の砂中子を、ワイヤを中子取りに配置してワイヤに予備張力をかけることによって生じる圧縮状態にする。続いて、砂中子をワイヤの周りで成形する。砂中子を圧縮状態にすることの直接的な結果は、取り扱い中、金型内への挿入中、及び鋳込みプロセス中の中子強度の向上である。中子の強度が増すことで、ヘッドを作製する生産サイクルが短縮され、鋳物に孔を開けることから生じる問題が無くなる。無くなると思われる問題は、ガンドリルの破損、及び鋳物に孔を開けた後に鋳物において露出される孔隙である。予備張力がかけられた砂中子は、鋳型にキャビティを形成するために鋳型内に設置される。溶融金属、例えばアルミニウムを鋳込んで、鋳物内にキャビティを形成した。予備張力がかけられた砂中子は、鋳造中その初期形状を維持する。実際の製品で用いた2つの試験は、インストロン試験機による中子の圧縮、及び卓上型インストロン試験機での治具を用いた抗折試験であった。熱特性の計算を行って、鋳込みプロセス中の中子の性能を判定した。
このプロセスの詳細は以下の通りである。
コールドボックス樹脂の砂中子は、砂及び樹脂製であった。中子は、取り扱い又は中子取りからの取り出しを行うには脆すぎた。中子は、樹脂率を高くすることなく強化する必要があった。樹脂率を高くすると、中子は硬すぎて熱処理プロセス又はシェーカによって取り出すことができなかった。
コールドボックスプロセスによる砂中子は、以前に用いられたことのない特性を有していた。砂の圧縮特性は、コンクリートの圧縮特性と類似していた。中子製造プロセスに干渉することなく中子を圧縮することにより、中子の品質及び性能を向上させた。
コンクリート内に鋼棒を配置してコンクリートを圧縮状態に保ち、鋼を張力状態に保つことによる、鉄筋コンクリートと同じ原理を、コールドボックスプロセスによる砂中子に適用した。ワイヤを中子取りに配置してワイヤに張力をかけることによって、中子をワイヤの周りで成形させる。ワイヤを元の形状に収縮させて中子を張力状態にした。したがって、砂中子は鉄筋コンクリートと同じ原理を用いた。
(中子を吹き込むための機器の作製)
ワイヤを中子に配置して、複合中子を一連の試験にかけることは、砂中子の予備張力の理論を試験するための要件の一部である。ワイヤの周りで成形したときに長さ26インチで直径1/2インチの中子を製造することが、要件の他の部分であった。中子は、これらの条件下で製造しなければならなかったが、このような中子を製造するのに利用可能な機器はなかった。内部にワイヤのある中子を製造するために、ワイヤを所定位置に保持することが可能な中子取りを設計し、これを安全な状態で動作できるようにしなければならなかった。
中子取り及び配管システムアセンブリの全体を以下で説明する。
中子取り下型を、水平面としての役割を果たす台板に配置した。台板は、4インチ×1インチ×40インチの鋼片である。台板には2つのクランプ、すなわち固定クランプ及び調整可能クランプが取り付けられる。クランプは、クランプ間に中子取り下型を配置するための間隔に十分な空間だけ離間させる。木だぼを取り付けた36インチワイヤを、中子取り下型のキャビティに配置し、木だぼは各クランプの上に、且つ各クランプに挿入された各粗目平やすり挿入部分(flat coarse file insert)の真上に着座させた。1/4インチ×1インチ×2インチの粗目平やすりを、ワイヤを挟んで配置した。続いて、1/4インチ×1インチ×2インチの平鋼板を、やすりの上に配置した。続いて、2つの1/4−20六角穴付きねじを、1/4インチ×1インチ×2インチのやすり及び板に開けられた孔に通し、各クランプのタップにアクセスさせた。3/16インチレンレンチを用いて六角穴付きねじを締めた。六角穴付きねじが締められると、1/4インチ×1インチ×2インチ及び00番の粗目平やすりも締め付けられた。粗目平やすりは、間に挟まれたワイヤを強力に挟持した。5/16インチアレンレンチを用いて、調整可能クランプの位置を動かし、スケールでクランプの変位を測定して、ワイヤにかかる張力の量を判定した。
中子取り上型の各端を、木のハンドルで掴んだ。中子取り上型のガイドポストを中子取り下型のブシュ内に位置合わせして配置し、単一ユニットに組み立てる。ブシュに入れられたガイドポストは、動作中に中子取り上型及び中子取り下型を合わせて保持した。
次にブロー板を用いた。ブロー板のブロー孔(blow holes)を、中子取り上型の上にある間隔孔内に位置合わせして配置した。
続いて、配管システムに接続される配管板をブロー板に接続した。配管板には、上配管板及び下配管板という2つの部分がある。ブロー板上のだぼが配管板と整列する。特注の配管板を中子取り上型の上に配置した。2インチニップルを上配管板の上に螺入した。ニップルの上には2インチベルレジューサ(bell reducer:異径継手)を螺合し、2インチ×18インチパイプをベルレジューサの上に螺合した。適当なサイズに切断した2インチ×18インチパイプは、システムが固定されるまで開いたままにした。この時点で、パイプクランプを用いて、配管板・配管システムを中子取りアセンブリに取り付けた。これは、パイプクランプの頂部を配管板の頂部に配置し、パイプクランプの底部を水準面の下に配置することで行った。平面は中子取り・配管システムの下にあった。これにより、中子取り・配管システムが平面上に固定されて単一ユニットが形成された。システムを互いに取り付けるのに用いたパイプクランプは全部で4つであった。
システムが固定されると、2インチ×18インチパイプの開口端に注ぎ込むために、砂樹脂組成物を混合及び調製する必要があった。
砂樹脂混合物は、以下のように調製した。シリカ砂1000gをデジタルスケールで測定した。
所望の割合の樹脂を計算し、続いてそれをデジタルスケールで測定した。1.1%の樹脂が望まれる場合、砂1000gに0.011を掛ける。この計算の積は11gであった。したがって、樹脂11gを測定する必要があった。樹脂をデジタルスケールで砂とは別に測定した。点滴器を用いて、容器から樹脂を取り出し、11gに達するまでデジタルスケールに載せたカップに滴下した(上記画像III.4を参照)。フロー剤を樹脂に混合して、樹脂砂混合物が配管システム内を流れるのを助けた。用いるフロー剤の量は、樹脂量の0.04%とした。この場合、樹脂11gに0.0004を掛けた。この式の積は0.0044gであった。点滴器を用いて、所望量のフロー剤を樹脂11gの入ったカップに滴下した。厨房用卓上ミキサの一部であるボールに、砂を注いだ。続いて、所望の割合のフロー剤を含む樹脂を、同じボールの砂の上に注いだ。樹脂及び砂をミキサで互いに混合して、2つの組成物から1つの混合物を作った。
完成した混合物を、じょうごを通して2インチ×18インチパイプの端に注いだ(上記画像III.6を参照)。混合物を注ぎ込んでから、2インチベルレジューサを螺合した。ベルレジューサの上に、3/4インチボール弁を有する3/4インチ×2インチニップル、3/4インチ〜3/8インチのレジューサ、続いて雄シュレーダ弁を、記載の順に全て重ねて螺合した。
シュレーダ弁の雌相手方部分を雄にロックした。空気圧縮機に接続されたホースに雌を接続した。システム全体の準備が整うと、ボール弁の弁を開位置に回した。
約90psiの空気がホースを通って砂の入っている2インチ×18インチパイプに流れた。空気の力が配管システムの残りの部分に砂を吹き込んだ。砂は、木製キャビティ(wooden cavity)を通ってからブロー板のブロー孔に流れ込んだ。続いて、砂は中子取りのキャビティに流れ込んで、ワイヤの周りで砂中子の所望の形状を形成した。弁を約10秒間開き、砂を中子取りに吹き込んでから、弁を閉じた。
配管システムを、まず2インチ×18インチパイプまで取り外した。これには、パイプクランプを取り外す必要があった。完全に組み立てられた配管システムは、一度に全部取り外すには大きすぎたため、分割して取り外す必要があった。続いて、パイプクランプを取り外した。次に、ブロー板を中子取り上型から持ち上げて外した。木製ブロー板を、中子取り上型に被せた。COタンクからのホースの開口端を、木製キャビティの上の1インチ孔の上に配置した。COタンクを開き、40psiに設定したレギュレータでCOを木製キャビティに圧送し、中子取りに35秒間流し込んだ。35秒間という触媒の制限時間は、砂樹脂中子を硬化させるのに十分であった。
木製ブロー板を中子取り上型から持ち上げて外した。5/16インチアレンレンチを用いて、調整可能クランプを緩め、ワイヤの張力を解放した。続いて、3/16インチアレンレンチで六角穴付きねじを緩めて、中子取りの各端のクランプの上にある1/4インチ×1インチ×2インチの板及びやすりを緩めた。続いて、六角穴付きねじをタップから取り外した。続いて、中子取り上型を取り外して、ワイヤの周りに砂が成形されている状態で中子取り下型のキャビティから取り出すために砂中子を露出させた。これで製品が完成した。
要約すると、中子内に配置されたワイヤは、中子を中子取りから取り出す際に有益であることが分かった。ワイヤの入っていない中子を取り出すと、中子が破損した。中子内にワイヤを配置することで、取り出し時に中子を無傷のままにすることができた。
(ワイヤの材料及びその構造特性)
鋼及びアルミニウムで中子に予備張力をかけることを検討した。鋼は、コンクリートと共に機能でき、鋳込みプロセス中に他の材料よりも高い温度で良好に機能できることから検討された。コンクリート及び砂の圧縮特性は、砂の方が小さいことを除いて同じである。加える圧力及び荷重の規模も、鉄筋コンクリートで用いられる圧力及び荷重よりも小さくなる。砂内の鋼ワイヤは、コンクリート内の鋼ワイヤと同様の性能を与える。鋳物はアルミニウム製であり、試験に用いられるワイヤもアルミニウムとする。アルミニウムは、費用の低減に役立つように再溶融させることができる。
降伏点は、永久変形するまでワイヤが有することができるポンド/平方インチ(psi)の大きさである。この情報を用いることで、圧縮がどのように中子の性能を向上させることができるかを判断するのに役立った。降伏点は、2つの重要な要素を示す。第1の要素は、ワイヤが移動できる距離又は伸びの量である。ワイヤがどれだけ伸びることができるかを知ることは重要であり得る。ワイヤがどれだけ伸びることができるかが分かれば、ワイヤが元の位置に戻るのにどれだけ移動しなければならないかが分かる。この距離の量が、中子が対応できるよりも長い場合、中子取り内での中子の成形中に中子を破損させる傾向がある。距離の量が中子に対して大きな圧縮力を生成するのに十分ではない場合、ワイヤを用いるべきではない。第2の要素は、psiの大きさである。異なるワイヤは、同じ変位量だけ伸びるが、異なるpsiを有する。psiが高すぎる場合、砂は砂中子の成形の吹き込みプロセス中に粉砕する。psiが十分に高くない場合、中子に十分な圧縮力がかからない。
各材料の降伏点の弾性伸びを、中子取り下型を用いて判定した。降伏点の情報を収集するためのこのタイプの試験は、以下のように決定した。
用いられる特定のワイヤに関する正確な情報は、書籍では見つからず、製品の製造業者はこの材料をこのように用いてはいなかった。ワイヤは、溶接ワイヤとして通常用いられるものであり、この材料の降伏点は厳密には溶接の状況(scenario)で用いられるものであった。
ワイヤを中子取りに配置し、中子取りを用いてワイヤを伸ばすと、ワイヤの性能に関する降伏点情報が得られる。降伏点の試験で用いる中子取りは、複合中子の製造で用いる中子取りと同じである。各直径のワイヤを中子取り内に配置し、固定クランプ及び調整可能クランプによって中子取りの各端を締め付けた。ワイヤは、調整可能クランプを移動させてワイヤを伸ばすとワイヤの測定を行う特殊なキャリバ(caliber)を有するものであった。キャリバは、固定位置で中子取りに取り付けた。キャリバは、調整可能クランプ側のワイヤの端に配置され、調整可能クランプを移動させてワイヤを伸ばすとワイヤを測定した。ワイヤを特定の量まで移動させてから、ワイヤを取り外し、続いてワイヤが元の長さに戻るかどうかを見るために測定した。続いて、ワイヤにラベルを付けて取っておいた。その直径のワイヤが同じ変位量で弾性伸びを示さなくなるまで、このプロセスを繰り返した。試験から同じ変位量が一貫して示されると、降伏点の変位部分が分かった。
各直径の鋼ワイヤは、1/8インチの変位で一貫した弾性伸び性能を示し、中子取りから取り出されると元の長さに戻った。各直径のアルミニウムワイヤも、1/8インチの変位で一貫した性能を示した。
各材料のワイヤの降伏点における重量ポンドを数学的に求めた。鋼の降伏点は、テーブル1に示す鋼の弾性率を用いる式を用いて求めた。アルミニウムの降伏点及びアルミニウムが延びることができる弾性量は、テーブル2で計算した。
<テーブル1>
[(インチ長さ)(荷重)]=弾性伸び
[(金属面積)(弾性率)]
[(インチ長さ)(金属面積)(材料のpsi)]=弾性伸び
[(金属面積)(弾性率)]
材料のpsi=弾性伸び(弾性率)
(インチ長さ)
100694.44=[0.125インチ(29×106psi)](1/36インチ)
各ワイヤ直径の金属面積は、
(1/8インチ)2×3.141593=0.012272インチ2;(3/32インチ)2×3.141593=0.006903インチ2;(1/16インチ)2×3.141593=0.003068インチ
降伏点での各直径の荷重は、
直径:(ワイヤの面積)(材料のpsi)=材料の重量ポンド
1/8インチ:(0.012272インチ2)(100694.44psi)=1235.72重量ポンド、3/32インチ:(0.006903インチ2)×(100694.44psi)=695.094重量ポンド、1/16インチ:0.003068インチ2)(100694.44psi)=308.9重量ポンド
降伏点での鋼ワイヤの各直径の変位は、0.125インチである。降伏点での各直径のワイヤの荷重は、
1/8インチ=1235.72重量ポンド、3/32インチ=695.094重量ポンド、1/16インチ=308.9重量ポンドである。
<テーブル2>
ワイヤを用いたときと同様の条件下で、アルミニウムの荷重を試験し判定した。ワイヤの極限強度を、中子取りで用いたクランプと同様のクランプを用いてインストロン試験機で判定した。極限強度の点から、その点での変位及び荷重を用いて材料のpsi及び材料の弾性率を求めた。したがって、3つの直径に関する材料の重量ポンドを求めることができた。1/16インチ直径アルミニウムワイヤの降伏点変位は、締め付けたときには柔軟すぎ、ワイヤにタップを形成したときには柔軟すぎた。アルミニウムワイヤの変位は、鋼の降伏点を各直径について求めたときと同様にして求めた。降伏点変位は、これらの条件下でできる限り正確に求め、1/8インチの降伏点変位になった。
弾性率を求めるために、ワイヤをインストロン試験機で試験し、極限強度点が299重量ポンドで0.1956インチであることが分かった。
材料のpsi=[(材料の重量ポンド)/(l/(ワイヤの面積))]
24364.40678psi=(299重量ポンド/0.01227インチ)
弾性率=[(インチ長さ)(材料のpsi)]
[(弾性伸び)]
4484246.647=[(36インチ)(0.01227インチ)]/(0.1956インチ)
材料のpsi=弾性伸び(弾性率)
(インチ長さ)
15570.30086=[0.125インチ(4.5×106psi)]/(36インチ)
各ワイヤ直径の金属面積は、
(1/8インチ)2×3.141593=0.012272インチ2;(3/32インチ)2×3.141593=0.006903インチ2;(1/16インチ)2×3.141593=0.003068インチ2
降伏点での各直径の荷重は、
直径:(ワイヤの面積)(材料のpsi)=材料の重量ポンド
1/8インチ:(0.012272インチ2)(24364.40678psi)=191.0787重量ポンド、3/32インチ:(0.006903インチ2)(24364.40678psi)=107.4818重量ポンド、1/16インチ:0.003068インチ2)(24364.40678psi)=47.77重量ポンド
降伏点での鋼ワイヤの各直径の変位は、0.125インチである。降伏点での各直径のワイヤの荷重は、
1/8インチ=191.0787重量ポンド、3/32インチ=107.4818重量ポンド、1/16インチ=47.77重量ポンドである。
鋼(降伏点の重量ポンド) アルミニウム(降伏点の重量ポンド)
1/8インチ 1235.72重量ポンド 191.0787重量ポンド
3/32インチ 695.094重量ポンド 107.4818重量ポンド
1/16インチ 308.9重量ポンド 47.77重量ポンド
上記に示したように、鋼の降伏点の荷重は、アルミニウムの降伏点よりも鋼の方が約6倍強いことを示している。
ウレタン砂中子の圧縮試験は、用いられるワイヤのよりよい公差を求めるのに役立った。圧縮試験を以下で説明する。
(異なる樹脂率の中子の圧縮及び張力データ)
ワイヤを中子に配置したときに予備張力をかけ、砂中子を圧縮状態にした。圧縮データは、異なる樹脂率の中子に関する性能の公差を示した。圧縮試験からのデータは、極限圧縮強度を示した。極限圧縮強度は、各樹脂率での極限変位及びpsiの両方に対応した。
異なる樹脂率を用いたのは、以下の理由からである。
1.行った検査数に関係なく、プロセスで変動が生じた。異なる樹脂率から、これらの変動に起因する問題のタイプの概念が得られた。
2.樹脂率が低くなったときのその性能を求める。低樹脂率を用いて樹脂の費用を減らす可能性があった。
Ecolotec砂中子の圧縮試料を以下のように作製した。砂樹脂組成物を混合して、直径2インチ×長さ3インチのパイプに注いだ。弁を有するレジューサを、レジューサに螺合した。空気圧縮機に接合されたホースを弁に取り付けた。直径2インチ×長さ3インチのパイプは、3/4インチニップルに接続し、このニップルは3/4インチフランジに螺入する。3/4インチフランジは、頂部木片に螺入する。頂部木片は、直径2インチ×長さ2インチのパイプを単一ユニットとしてまとめるために用いられる3つの木片のうちの1つである。直径2インチ×長さ2インチのプラスチックパイプを中子取りとして用い試料を作製した。他の2つの木片は底部にある。長さ6.5インチで直径1/4インチの2つのボルトが、3つの木片及び直径2インチのパイプの各側でこれらをまとめて挟む。底部の2つの木片を互いに螺合させる。2つの底部木片の上には、ベントとして用いられる孔が貫通した直径2インチで厚さ1/4インチの木片がある。2つの木片の間には、2つの木片の間に嵌まるようなサイズに切断されたスクリーンがある。底部木片の底面にも、頂部木片から始まってガス抜きのための孔が貫通している。弁を開位置に回すと、砂樹脂組成物が直径2インチ×長さ2インチのパイプに直ちに吹き込まれる。
砂樹脂組成物は、直径2インチ×長さ2インチのパイプを充填して、下の2つの木片に形成されたベントを通して直径2インチ×長さ2インチのパイプから空気を追い出す。砂樹脂組成物が中子取りに吹き込まれると、配管システムを取り外し、CO触媒を直径2インチ×長さ2インチのパイプに30秒間吹き込んで、砂樹脂組成物を試料中子になるよう凝固させる。試料中子を中子取りパイプから取り出した。この手順を異なる樹脂率ごとに繰り返した。
試料のそれぞれを、試験のためにインストロン試験機に移した。
2.4%樹脂の試験片 変位 撓み
降伏点 0.02679インチ 268.55469ポンド
極限強度点 0.04012インチ 566.40625ポンド
2.4%樹脂の試料中子のインストロン試験機から得られたデータを用いて、直径1/2インチで長さ26インチの中子の降伏点及び極限強度点を得た。以下の計算により、長さ26インチの中子が圧縮にどれだけ対応できるかを求めた。
[(インチ長さ)(荷重)]=弾性伸び
[(金属面積)(弾性率)]
2インチ×268.555=6739.1951
(pi)(1)(0.02679インチ)
2インチ×566.40625=8984.056354
(pi)(1)(0.04012インチ)
降伏点
材料のpsi=材料の重量ポンド
(材料のpsi)×(ワイヤの面積)=材料の重量ポンド
ワイヤの面積
85.48371148=268.555⇒(85.483711148)×(0.19634954)=16.78469
3.141593
極限強度点
材料のpsi=材料の重量ポンド
(材料のpsi)×(ワイヤの面積)=材料の重量ポンド
ワイヤの面積
180.292709=566.40625⇒(180.292709)×(0.19634954)=35.40039
3.141593
[(インチ長さ)(荷重)]=弾性伸び
[(金属面積)(弾性率)]
26インチ×16.78469=0.34827
(pi)(0.0625)(6379.1951)
26インチ×35.40039=0.52156
(pi)(0.0625)(8984.056354)
2.4%樹脂の長さ26インチの中子の計算 変位 撓み
降伏点 0.34827インチ 16.78469ポンド
極限強度点 0.52156インチ 35.40039ポンド
これらの試験のデータは、砂を引張り状態で圧縮するのに用いることができるワイヤのパラメータを明確にするのに役立った。極限強度点での中子の変位の比較は、ワイヤの降伏点が極限強度での中子の変位内にあることを示している。極限強度点は、中子の破断点でもある。図IV.1は、鋼及びアルミニウムの直径ごとの降伏点の荷重を列挙している。両方の材料での降伏点における変位は全て、1/8インチのものである。
直径 鋼(降伏点の重量ポンド) アルミニウム(降伏点の重量ポンド)
1/8インチ 1235.72重量ポンド 191.0787重量ポンド
3/32インチ 695.094重量ポンド 107.4818重量ポンド
1/16インチ 308.9重量ポンド 47.77重量ポンド
2.4%樹脂の長さ26インチの中子の計算 変位 撓み
降伏点 0.34827インチ 16.78469ポンド
極限強度点 0.52156インチ 35.40039ポンド
1/16インチアルミニウムワイヤの降伏点を見て、これを長さ26インチの中子の極限強度点と比較すると、長さ1/16インチのワイヤが中子とほぼ同じ強度であることが分かる。
用いられる砂中子プロセスに関係なく、同様の中子試験プロセスを用いて、各タイプの砂中子プロセスのパラメータを決定するのを助けることができる。ウレタン砂中子用の中子取りで作製された中子をさらに試験することが、より正確なパラメータを得るのに役立った。行った計算は、中子内にワイヤの入っていない中子に基づくものである。このデータは、長さ26インチで直径0.5インチの中子がいかに脆いかを明確に示している。中子内にワイヤの入っている中子の圧縮試験により、圧縮状態の複合中子強度に関する情報がさらに得られる。
(抗折データ)
抗折試験の意図は、ワイヤを有する中子又はワイヤを有さない中子の強度の向上を実証する目的で、中子の固有圧縮特性を調査することである。中子は、中子取りからの取り出し、中子取りから金型内への取り扱い、及び金型への溶融金属の鋳込みプロセスに十分な強度を有する必要があった。この用途に重要な別の特質は、細長い中子を作製する能力であり、細長い中子の検証は、鋳造及び中子製造プロセスを妨げることなく行うことができる。中子の抗折試験は、ワイヤを中子に加えることで中子の圧縮特性から中子の強度が向上するかどうかを判定する。
卓上インストロン試験機を試験に用いた。2つの仮治具を作製して、三点曲げ試験のためにインストロンに取り付けた。治具1及び治具2は、同じ材料及び同じ寸法でできているが、長さが異なる。治具1は、1インチ×1インチ×11インチの矩形アルミニウム管から作製し、ワイヤの入っていない砂中子の試験に用いた。
治具2は、1インチ×1インチ×22インチの矩形アルミニウム管から作成し、予備張力複合砂中子の試験に用いた。治具1及び治具2は、1/2−20ねじでインストロンベースに取り付けた。治具1及び2で試験された試験片は、いずれの試験でも固定端ではなかった。
ワイヤを有さない3つの中子を治具1に配置し、インストロン試験機で荷重及び撓みを測定した。ワイヤを有する中子を治具2に配置し、インストロン試験機で荷重及び撓みを測定した。ワイヤを有する中子の性能は、ワイヤを有さない中子の性能と比較して、どのように性能が向上したか、及びどれだけ向上したかを示した。各直径のワイヤにつき3組の試験を行った。中子内のワイヤの各直径を代表して1回につき1本のワイヤを治具2に配置した。各ワイヤを治具2に配置し、インストロン試験機で荷重及び撓みを測定した。
ワイヤを有さない3つの中子をインストロン試験機で試験した。ワイヤ無しの26インチ中子は、中子取りから無傷のまま取り出してインストロン試験機で試験するには脆すぎた。破片のうち異なる長さの3つを回収し、インストロンでの試験に用いた。最長のワイヤ無し中子は15インチ、2番目のものは11インチ、最短のものは6インチであった。3つのワイヤ無し中子のグラフを、各複合予備張力中子と比較するために6つのチャートそれぞれに載せた。図VI.1bは、6インチ、11インチ、及び15インチのワイヤ無し中子に関してチャートに載せたものを要約形式で示す。6インチ及び11インチのワイヤ無し中子は、1ポンドで極限荷重に達し、15インチワイヤ無し中子は、0.733ポンドで極限荷重に達した。6インチ及び11インチの極限荷重は、15インチワイヤ無し中子よりも大きかった。6インチ及び11インチの撓み荷重は等しいが、6インチは11インチワイヤ無し中子よりも変位が長い。
試験片 変位 撓み
15インチワイヤ無し中子(極限強度点) 0.0494インチ 0.733ポンド
11インチワイヤ無し中子(極限強度点) 0.0420インチ 1ポンド
6インチワイヤ無し中子(極限強度点) 0.0455インチ 1ポンド
6インチ中子は、11インチ及び15インチのワイヤ無し中子よりも短く、同じ直径でより大きな抵抗を生じることができるため、これは論理的である。
インストロン試験での複合中子の性能の重要性により、異なる材料のワイヤ及び異なる直径のワイヤを有する中子の6つのシナリオ全てをインストロン試験機で試験し、この章で解析した。6つのチャートは、複合中子が、ワイヤ無し中子と比較して中子内にワイヤが配置されている場合に異なる性能を示したことを示す。複合中子の変位は、ワイヤ無し中子の変位を上回った。インストロン試験機で試験した複合中子は、1/8インチ直径の鋼ワイヤを除いて破損しなかった。複合中子は曲がり、中子に力を加えていくにつれて曲がり続けた。各中子が曲がると、中子の上面が圧縮状態となり、中子の底面は張力状態となる。中子の圧縮側の面は、圧縮面が剥離し始めるまで曲がった。上面が剥離し始める前の時点で、複合中子は降伏点に達した。引張側は無傷のままであった。治具によって1.5インチの変位を与えると、インストロンで試験した複合中子は、1/8インチ直径の鋼を除いて1.5インチの間隔(clearance)に達した。1/8インチ直径の鋼は、治具2が与えた最大1.5インチの間隔に達する前に破損した。1/8インチ直径の鋼ワイヤは、ワイヤを囲む中子が対応できるよりも大きな抵抗を生じた。他の複合中子は、治具2の1.5インチの間隔に達するまでずっと破損せずに曲がった。インストロン試験機での試験を終えると、インストロンを後退させて中子を解放した。インストロン試験機から解放されると、破損しなかった中子はその元の開始位置に戻った。1つを除いて全ての中子が元の位置及び形状に戻った。チャート1に示す1/16インチアルミニウムワイヤ複合中子は、曲がったままであり、所定位置に戻らなかった。このワイヤは、1/16インチ直径ワイヤの軟度及び細さのせいで曲がったが、中子及びワイヤはともに複合材として複合中子を曲げ続けた。この中子は、試験が終了しても元の位置に戻らなかった。1/8インチ直径ワイヤは、インストロンからの圧力に対してかなり大きな抵抗を生じ、これはインストロンとワイヤとの間の中子の領域を破損させて中子の下のワイヤを露出させた。
6つのシナリオを代表する各ワイヤを治具2に配置し、インストロンで試験した。他の試験片で行ったように、ワイヤを治具に配置して、端を固定しなかった。ワイヤ性能はそれぞれ、緩やかな傾きの直線となった。端を固定しなかったため、インストロン試験機がワイヤを移動させてもほとんど抵抗が生じなかった。
d)複合中子と複合中子構成部品との比較
1)チャート1:1/16インチアルミニウムワイヤ中子
テーブルVI.1a及び表VI.1bは、6インチ、11インチ、及び15インチのワイヤ無し中子、1/16インチアルミニウム複合中子、及び1/16インチ直径アルミニウムワイヤに関してチャートに載せたものを要約形式で示す。
テーブルVI.1a(ワイヤ無し中子と複合中子との比較)
試験片 変位 撓み
15インチワイヤ無し中子(極限強度点) 0.0494インチ 0.733ポンド
11インチワイヤ無し中子(極限強度点) 0.0420インチ 1ポンド
6インチワイヤ無し中子(極限強度点) 0.0455インチ 1ポンド
1/16インチ複合中子(比較変位) 0.0450インチ 0.538ポンド
極限強度での1/16インチ複合中子(比較撓み) 0.544インチ 1.03ポンド
テーブルVI.1b(ワイヤと複合中子との比較)
試験片 変位 撓み
1/16インチ直径ワイヤ 1.2インチ 0.0587ポンド
1/16インチ複合中子(比較変位) 1.2インチ 0.44ポンド
チャートを見て、ワイヤ無し中子のグラフを複合中子のグラフと比較すると、最初に気付いた挙動は、荷重に対する変位の差であった。1/16インチアルミニウムワイヤ複合中子は、長さ6インチ及び11インチのワイヤ無し中子と同じ極限荷重に達した。1/16インチ複合中子は、変位に関しては6インチ、11インチ、及び15インチのワイヤ無し中子を超えた。6インチワイヤ無し中子は、その極限点で0.0455インチの変位に達した。1/16インチ複合中子の極限点での変位は0.544インチである。このデータは、1/16インチ複合中子がワイヤ無し中子と同じ極限強度に達したが、極限荷重に達するまで形を崩して曲がったことを示す。1/16インチ複合中子は、鋳込みプロセス中に必要な剛性を有しない。1/16インチ複合中子が示した他の挙動は、中子が0.44ポンドで1.19インチに達したときに生じ、中子が1/2インチ直径の厚さにわたってひび割れた。
0.44ポンドで1.19インチの地点は、1/16インチ複合中子の破断点である。1/16インチ複合中子は、中子を露出させるほど破損しなかったが、このように破損する唯一の複合中子は1/8インチ鋼ワイヤを有するものであり、これは1/8インチワイヤの剛性に起因する。1/16インチ複合中子は、1/16インチワイヤの細さ及び軟度によってひび割れる。中子と結合された1/8インチワイヤは硬すぎるため、その領域を囲む中子を破損させる。しかしながら、1/16インチアルミニウムワイヤは中子をまとめたままであり、これにより中子を破損させる代わりにひび割れさせた。1/16インチ複合中子の破断点は、極限強度点とは異なる点である。ワイヤ無し中子の破断点及び極限強度点は同じ点である。破断点に達すると、ワイヤ無し中子は破損する。
1/16インチアルミニウムワイヤをインストロン試験機に配置し、収集したデータは、この1/16インチワイヤを緩やかな傾きの直線で示す。この1/16インチワイヤは、0.0587ポンドで1.2インチの最大変位に達し、これは1:20の傾きである。これは、ワイヤと同じ変位量で0.44ポンドに達した複合中子に関して比較すると著しい改善である。これは、複合中子が同じ変位量でワイヤよりも7.5倍強いことを意味する。
データは、複合中子がワイヤ無し中子よりも大きく曲がることができることを示す。データは、複合中子が1/16インチアルミニウムワイヤよりも強いことも示す。さらに解析する必要がある1つの手段は、端を固定した1/16インチ複合中子の性能である。端を固定した複合中子は、1/16インチ複合中子の撓み量を大幅に減らすと予測される。しかしながら、撓みがどれだけ減るかを言うことは難しく、ワイヤの直径が大きいほど複合中子の撓みに対する抵抗が全体として強くなることが、他の5つのチャートで示される。
テーブルVI.2a及びテーブルVI.2bは、6インチ、11インチ、及び15インチのワイヤ無し中子、1/16インチ鋼複合中子、及び1/16インチ直径鋼ワイヤに関してチャートに載せたものを要約形式で示す。
テーブルVI.2a(ワイヤ無し中子と複合中子との比較)
試験片 変位 撓み
15インチワイヤ無し中子(極限強度) 0.0494インチ 0.733ポンド
11インチワイヤ無し中子(極限強度) 0.0420インチ 1ポンド
6インチワイヤ無し中子(極限強度) 0.0455インチ 1ポンド
1/16インチ複合中子(比較変位) 0.0420インチ 0.489ポンド
極限強度での1/16インチ複合中子(比較撓み) 0.146インチ 1.12ポンド
テーブルVI.2b(ワイヤと複合中子との比較)
試験片 変位 撓み
1/16インチ直径ワイヤ 1.37インチ 1.37重量ポンド
1/16インチ複合中子(比較変位) 1.37インチ 2.5重量ポンド
このチャートは、1/16インチアルミニウムワイヤ複合中子の上記チャートの性能からの著しい改善を有する。この中子は、1/16インチ鋼複合中子が破損しないことを除いて、チャート1と同様の性能で依然として曲がる。1/16インチ鋼複合中子が達する極限強度点は、1.53インチで2.83ポンドである。1.53インチは、治具の1.5インチの最大間隔である。1/16インチ鋼複合中子が0.538インチで2.25ポンドに達するまで、強度は着実に増加する。6インチワイヤ無し中子は、破断するまでに1ポンドで0.0455インチの極限強度に達したが、1/16インチ鋼複合中子は、0.0420インチで0.489ポンドに達し、0.146インチ変位するまでに1.12ポンドに達しなかった。1/16インチ鋼複合中子は、治具の間隔の1.5インチの変位限界に達するまで曲がったときに破断しなかった。1/16インチ鋼ワイヤの傾きは0.964であった。ワイヤが達した最高の撓みは1.37インチで1.37ポンドであり、これを1/16インチ複合中子と比較すると、中子は1.37インチで2.5ポンドに達した。
テーブルVI.3a及びテーブルVI.3bは、6インチ、11インチ、及び15インチのワイヤ無し中子、3/32インチアルミニウム複合中子、及び3/32インチ直径アルミニウムワイヤに関してチャートに載せたものを要約形式で示す。
テーブルVI.3a(ワイヤ無し中子と複合中子との比較)
試験片 変位 撓み
15インチワイヤ無し中子(極限強度) 0.0494インチ 0.733ポンド
11インチワイヤ無し中子(極限強度) 0.0420インチ 1ポンド
6インチワイヤ無し中子(極限強度) 0.0455インチ 1ポンド
3/32インチ複合中子(比較変位) 0.0391インチ 0.855ポンド
3/32インチ複合中子(比較撓み) 0.0601インチ 1.10ポンド
試験片 変位 撓み
3/32インチ直径ワイヤ 1.5インチ 0.259ポンド
3/32インチ複合中子(変位比較、極限強度) 1.51インチ 4.40ポンド
この複合中子の極限強度は、4.40ポンドで1.51インチの点に達した。これは、1/16インチ鋼複合中子の極限強度と比較してほぼ2倍である。この複合中子は、単独で試験したワイヤよりもはるかに強い。試験したワイヤは、1.50インチで最大0.259ポンドに達した。
テーブルVI.4a及びテーブルVI.4bは、6インチ、11インチ、及び15インチのワイヤ無し中子、3/32インチ鋼複合中子、及び3/32インチ直径鋼ワイヤに関してチャートに載せたものを要約形式で示す。
テーブルVI.4a(ワイヤ無し中子と複合中子との比較)
試験片 変位 撓み
15インチワイヤ無し中子(極限強度) 0.0494インチ 0.733ポンド
11インチワイヤ無し中子(極限強度) 0.0420インチ 1ポンド
6インチワイヤ無し中子(極限強度点) 0.0455インチ 1ポンド
3/32インチ複合中子(比較変位) 0.0455インチ 0.855ポンド
3/32インチ複合中子(比較撓み) 0.052インチ 1ポンド
テーブルVI.4b(ワイヤと複合中子との比較)
試験片 変位 撓み
3/32インチ直径ワイヤ 1.5インチ 0.777ポンド
3/32インチ複合中子(変位比較、極限強度) 1.54インチ 10.9ポンド
3/32インチ鋼複合中子の極限強度は、10.9ポンドで1.54インチの点に達した。これは、3/32インチアルミニウム複合中子の極限強度と比較してほぼ2倍を超える。この複合中子は、0.052インチで1ポンドに達したが、11インチワイヤ無し中子は、0.042インチで1ポンドに達し、この点は、11インチワイヤ無し中子の極限強度でもある。試験したワイヤは、1.50インチで最大0.777ポンドに達した。
テーブルVI.5a及びテーブルVI.5bは、6インチ、11インチ、及び15インチのワイヤ無し中子、1/8インチアルミニウム複合中子、及び1/8インチ直径アルミニウムワイヤに関してチャートに載せたものを要約形式で示す。
テーブルVI.5a(ワイヤ無し中子と複合中子との比較)
試験片 変位 撓み
15インチワイヤ無し中子(極限強度) 0.0494インチ 0.733ポンド
11インチワイヤ無し中子(極限強度) 0.0420インチ 1ポンド
6インチワイヤ無し中子(極限強度) 0.0455インチ 1ポンド
1/8インチ複合中子(比較変位) 0.0450インチ 0.733ポンド
極限強度での1/8インチ複合中子(比較撓み) 0.053インチ 1ポンド
テーブルVI.5b(ワイヤと複合中子との比較)
試験片 変位 撓み
1/8インチ直径ワイヤ 1.5インチ 0.66ポンド
1/8インチ複合中子(変位比較、極限強度) 1.53インチ 10.3ポンド
1/8インチアルミニウム複合中子の極限強度は、10.3ポンドで1.53インチの点に達した。1/8アルミニウムワイヤ複合中子は、0.053インチで1ポンドに達したが、6インチワイヤ無し中子は、1ポンドで0.0455インチの極限強度に達した。1/8インチアルミニウム複合中子の性能は、チャート4に示す3/32インチアルミニウム複合中子の性能と同様である。単独で試験したワイヤは、1.50インチで0.66ポンドの極限点に達した。
テーブルVI.6a及びテーブルVI.6bは、6インチ、11インチ、及び15インチのワイヤ無し中子、1/8インチ鋼複合中子、及び1/8インチ直径鋼ワイヤに関してチャートに載せたものを要約形式で示す。
テーブルVI.6a(ワイヤ無し中子と複合中子との比較)
試験片 変位 撓み
15インチワイヤ無し中子(極限強度) 0.0494インチ 0.733ポンド
11インチワイヤ無し中子(極限強度) 0.0420インチ 1ポンド
6インチワイヤ無し中子(極限強度) 0.0455インチ 1ポンド
1/8インチ複合中子(比較変位) 0.0350インチ 1.344ポンド
極限強度での1/8インチ複合中子(比較撓み) 0.0350インチ 1.344ポンド
テーブルVI.2b(ワイヤと複合中子との比較)
試験片 変位 撓み
1/8インチ直径ワイヤ 1.35インチ 2.20ポンド
1/8インチ複合中子(変位比較) 1.35インチ 26ポンド
1/8インチ鋼複合中子の極限強度は、30.6ポンドで1.58インチの点に達した。中子は、治具の1.58インチの最大間隔に達する直前に、中子の中央の上側で鋼ワイヤを折った。1/8鋼ワイヤ複合中子は、0.035インチで1.344ポンドに達したが、6インチワイヤ無し中子は、1ポンドで0.0455インチの極限強度に達した。これは、チャート4及び5に示す3/32インチ鋼複合中子及び1/8インチアルミニウム複合中子からの性能の向上である。単独で試験したワイヤは、1.35インチで2.20ポンドの極限点に達した。
要約すると、複合試験の順序は以下のように進めた。1/16インチアルミニウム、1/16インチ鋼、3/32インチアルミニウム、3/32インチ鋼、1/8インチアルミニウム、及び1/8インチ鋼である。各チャートでそれぞれ性能を見ると、複合中子が1/16インチアルミニウムから1/8インチ鋼までどのように改善されたかが分かる。用いられる2種類の材料それぞれから直径を大きくするにつれて、性能が着実に向上した。複合中子は、チャート1の1/16インチアルミニウム複合中子を除いて、ワイヤ無し中子の極限強度の性能を上回った。1/16インチアルミニウム複合中子の性能は、他の複合中子と比較して劣っていた。複合中子は、ワイヤ無し中子よりも長持ちするという点でワイヤ無し中子を凌いでいた。ワイヤ無し中子は、それぞれの極限強度点に達した後で破断した。しかしながら、複合中子は全て、ワイヤ無し中子が示さなかった挙動を示した。1/16インチアルミニウム複合中子及び1/8インチ鋼複合中子を除いて、複合中子は、曲がりはしたものの、破損しなかった。1/16インチアルミニウム複合中子は、1/16インチアルミニウムワイヤが非常に弱く、その角度での曲げに対応できなかったため破損した。1/8インチ鋼複合中子は、1/16インチアルミニウム複合中子とは正反対の理由で破損した。複合中子内の1/8インチ鋼ワイヤは、ワイヤの周りの中子が対応できるよりも大きな抵抗を生じたため、中子は試験中に破断して下のワイヤを露出させた。1/8インチ鋼複合中子は、ワイヤ無し中子の長さに関係なく、ワイヤ無し中子の強度を上回った。3/32インチアルミニウム、3/32インチ鋼は、同じ性能に達し、1/8インチアルミニウム複合中子及び1/8鋼複合中子は、ワイヤ無し中子の抵抗性能を上回った。複合中子の固定端の適用は、中子の性能の抵抗を高める。固定端適用の試験は、改善量のデータを求めるために行う必要がある。複合中子の性能は、中子取りからの取り出し、金型への配置、及びこのように長い長さで成形されるときの鋳込みに耐える能力を示した。複合中子は、6つの複合中子シナリオのうち4つのワイヤ無し中子の同様の強度に達しただけでなく、より短い長さのワイヤ無し中子でその強度に達した。ワイヤ無し中子は、小さい荷重及び短い変位量で破損したが、複合中子は全て、より長い変位量および大きな荷重で持ちこたえた。補償のために曲がる複合中子は、未知の中子用途の可能性を有する。
(予備張力がかけられた砂中子を内部に配置することによる鋳物の製造)
木から作製される砂型は、砂型を成形するために木型の周りに砂を吹き付けて囲んだものである。2つの予備張力がかけられた砂中子を砂型に配置した。シリンダヘッド及びシリンダブロックを鋳造するのに用いられるアルミニウムと同じアルミニウム356を、液体形態に溶融し、砂型に鋳込んだ。鋳込みプロセス中、液体アルミニウムを砂中子の周りで成形させた。凝固した鋳物を砂型から取り出したが、このとき、予備張力がかけられた砂中子が鋳物内にあり、ドリリングの必要を無くす所望の孔を形成する。
(結論)
長さ26インチで直径1/2インチの中子内に配置されるワイヤの性能は、中子の強度を高める。中子は、破損することなく中子取りから取り出すことができる。抗折試験は、3/32インチ〜1/8インチのアルミニウム及び鋼を含む強力なワイヤで中子の性能が向上することを示した。これにより、金型内に配置して溶融金属の鋳込みプロセスに対応するのに十分なほど中子の強度が改善された。1/8インチ鋼は最高性能を有し、3/32インチアルミニウムの性能は15インチワイヤ無し中子よりも優れていた。
熱シミュレーションは、アルミニウムの鋳物及び鋳鉄の鋳物の両方を凝固させるための強制冷却プロセス中に、中子から放熱されること及び中子が内部のワイヤに対応できることを示した。アルミニウムワイヤは、強制冷却プロセスを行わない場合に鋳鉄鋳物が発生する温度に対応できなかった。3/32インチ鋼及びアルミニウムは、直径の厚さ及び導電率に関して最高性能を示した。
3/32インチアルミニウム及び3/32インチ鋼は、強度特性及び熱特性に関してアルミニウム鋳物に26インチ中子を適用するのに最善の選択肢である。3/32インチ鋼は、強度特性及び熱特性に関して鋳鉄鋳物に26インチ中子を適用するのに最善の選択肢である。
複合中子がワイヤ無し中子よりも曲がる能力及び撓む能力に優れているということは、予期せぬ特性であった。鋳物内で種々の形状を形成するように曲がることで、これまで考えも付かなかった鋳物の成形に新たな道が開かれる。さらに試験を行う必要がある。この長さ及び直径の中子の破損は、このタイプの中子の使用に関してはもはや問題とはならない。ワイヤを中子に配置して複合中子を作ることを証明すれば、この直径及び長さのワイヤ無し中子で鋳造工場が直面していた問題が解決される。
上記に鑑みて、本発明のいくつかの利点が得られると共に他の利点も得られることが分かるであろう。
本発明の範囲から逸脱せずに上記の方法及び組成物に種々の変更を加えることができるため、上記の説明に含まれ添付図面に示される全ての事項は例示として解釈されるものとし、限定を意味するものではないものとする。
本明細書で引用した全ての参考文献は、参照により本明細書に援用される。本明細書中の参考文献の説明は、単にそれらの著者が行った主張を要約するためだけのものであり、参考文献が従来技術を構成することを認めるものではない。出願人は、引用文献の正確性及び適切性を問う権利を留保する。

Claims (21)

  1. ワイヤの端を互いに引き離すことにより、降伏点以下でワイヤに張力をかけること、
    前記ワイヤの周りに砂バインダ混合物を適用して所定の形状を形成すること、
    前記砂バインダ混合物を硬化させること、及び
    前記ワイヤに対する前記張力を解放すること
    を含む砂中子の製造方法。
  2. 前記バインダが、ウレタンである請求項1に記載の砂中子の製造方法。
  3. 前記砂バインダ混合物と共に触媒がさらに適用され、前記触媒が前記砂バインダ混合物の前記硬化を加速させる請求項1に記載の砂中子の製造方法。
  4. 前記砂中子の形状が、中子取りの空洞内にある前記ワイヤに前記砂バインダ混合物を適用することによって決まり、前記中子取りの前記空洞が、所定の形状を有する請求項1に記載の砂中子の製造方法。
  5. 前記ワイヤが前記中子取りに配置される際に、前記ワイヤに対する前記張力がかけられる請求項4に記載の砂中子の製造方法。
  6. 前記所定の形状が、直線円筒形である請求項1に記載の砂中子の製造方法。
  7. 前記所定の形状が、直線三角形である請求項1に記載の砂中子の製造方法。
  8. 前記所定の形状が、直線四角柱形である請求項1に記載の砂中子の製造方法。
  9. 前記金属ワイヤが、前記砂バインダ混合物を閉じ込めるような、前記ワイヤの両端に金属の直径に対して垂直に位置する突起を有し、前記突起が、前記張力を解放する際に前記砂バインダ混合物を圧縮する請求項1に記載の製造方法。
  10. 前記中子が、コールドボックス中子である請求項1に記載の製造方法。
  11. 前記中子が、ホットボックス中子である請求項1に記載の製造方法。
  12. 前記中子が、細いシェルモールド中子である請求項1に記載の製造方法。
  13. 前記砂中子を金型に配置すること、及び前記金型の鋳物を製造することをさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
  14. 前記鋳物が、アルミニウム、鋳鉄、マグネシウム又は鋼を含む請求項13に記載の製造方法。
  15. 前記砂中子が、直線形状で前記金型に配置される請求項13に記載の製造方法。
  16. 前記砂中子が、湾曲形状で前記金型に配置される請求項13に記載の製造方法。
  17. 前記砂中子が、ジグザグ形状で前記金型に配置される請求項13に記載の製造方法。
  18. 2つ以上の砂中子が前記金型に配置され、前記2つ以上の砂中子が互いに接続される請求項13に記載の製造方法。
  19. 前記砂中子が、前記鋳物の凝固中に前記ワイヤから熱を放出させる請求項13に記載の砂中子の製造方法。
  20. 請求項1の製造方法によって製造される砂中子。
  21. 請求項13の製造方法によって製造される鋳物。
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