JP4567468B2 - 絶縁磁化したスクリュードライバー - Google Patents

Description

本発明は、電圧の作用しているねじを感電事故の恐れなく強い力によって簡便に緩めたり締めたりすることができるようにしたスクリュードライバー（ドライバーまたはねじ回しともいう）に関する。

本出願人は、韓国特許庁に２００１年１０月１１日付で出願番号第２０−２００１−００３０９９７号の「絶縁部を備えた安全ドライバー（以下、「従来の技術」という）を出願したことがある。

図１は従来の技術の斜視図、図２は図１のＡ−Ａ線に沿った断面図である。
従来の技術によれば、図１および図２に示すように、取っ手１と、一端または両端に十字（＋）型または／および一字（−）型の先端部２ａを有するドライバービット２とからなるスクリュードライバーにおいて、前記ドライバービット２には、中央部が細くなるように外周に長い孔２ｂを有する絶縁体３が回転可能に覆設される。

ここで、前記絶縁体３は、外形上ドライバービット２と段差が付かないようにするため、ドライバービット２の外周面と面一になるように設けられる。
前記絶縁体３は、内部でドライバービット２が容易に回転できるよう、孔２ｂとの間に若干の隙間を開けて覆設される。
一方、前記取っ手１は、一端に結合孔１ａを有するが、この結合孔１ａにドライバービット２が挿着され、あるいは挿脱可能に結合する。

すなわち、前記ビット先端部２ａがドライバービット２の一端にのみ設けられている場合には、結合孔１ａにドライバービット２の他端が挿着され、ビット先端部２ａがドライバービット２の両端ともに設けられている場合には、二者択一して使用できるよう、ドライバービット２の両端のいずれか一方が挿脱可能に結合する。
勿論、前記結合孔１ａには、絶縁体３で覆われていないドライバービット２の端部が挿入され、ドライバービット２が絶縁体３の内部で回転できるようにする。

このような従来の技術では、電流の流れているねじを緩めたり締めたりするとき、絶縁体３によってドライバービット２を握りしめることができるため、強い力を要する作業を感電事故の恐れなく安全に行うことができる。

また、絶縁体３がドライバービット２の外周面と面一になるように設けられるので、深い小孔の内部に位置して囲まれているねじを緩めあるいは締めるために、小孔にドライバービット２を干渉なしに挿入することができる（図５参照）。

ところが、前記深い小孔に内在するねじは、完全に取り外して締結を解除してもねじ頭が外部に突出しないため、従来の技術では前記小孔からねじを完全に取り出すことができないという問題点があった。
勿論、絶縁物を被覆した錐やピンセットなどを用いた２次作業によってねじを取り出すことができるが、別途の工具を必要として煩わしいので、好ましいとは言えない。

一方、前記小孔にねじをねじ込んで締結する反対の場合にも、感電事故の危険のため、ねじを正確な位置にセットすることができないという問題点があった。

本発明は、かかる問題点を解決するために成されたもので、その目的とするところは、深い小孔に位置し且つ電圧の作用しているねじを強い力によって干渉なしに緩めたり締めたりすることができると共に、ドライバービットの先端部が磁力を帯びることができるように磁性体を与え、その磁力で前記孔からねじを安全且つ容易に取り出し或いはさらに挿入して正確な位置にセットすることができるようにした、絶縁化した磁化スクリュードライバーを提供することにある。

前記した技術的課題を達成するための本発明に係る絶縁化した磁化スクリュードライバーは、一端または両端に先端部が設けられ、中央部が両側に比べて細くなるように、一端または両端に先端部が設けられ、中央部が両側に比べて径が小さく断面が円形に形成されたドライバービットと、結合孔を有し、前記結合孔に前記ドライバービットが挿着され、あるいは前記結合孔に前記ドライバービットが挿脱可能に結合される取っ手と、前記ドライバービットの外周面と面一になるよう前記中央部に回転可能に覆設される筒状の絶縁体と、前記絶縁体の一端または両端に対応する前記中央部の端部の外周面に前記ドライバービットの両端の外周面から突出しないように覆設されるとともに、前記絶縁体の一端または両端の内部の軸方向に形成した凹部に挿入されて覆設され、前記先端部を磁化させる環状の永久磁石とから構成され、前記絶縁体で覆設された永久磁石と前記絶縁体と

上述した構成を有する本発明は、ドライバービットの周溝を形成した中央部に絶縁体がドライバービットと面一になるように覆設されるので、深い小孔に位置し且つ電圧の充電されているねじを、前記小孔との干渉なしに、強い力で不便なく緩めたり締めたりすることができるのは勿論のこと、前記中央部に、ドライバービットから突出しないように覆設されて、ドライバービットの先端部を磁化させる永久磁石によって、先端部にねじを引っ付けることができて、締結の解除されたねじを、前記孔から感電事故の恐れなく、容易に取り出すことができるという利点がある。

また、逆の場合、すなわち前記ねじを締結するために前記小孔にさらにドライバービットを挿入する場合にも、感電事故の恐れなく、正確な位置に容易にセットすることができる。

また、永久磁石が絶縁体の凹部に挿入されたまま覆設されるので、外部に露出しないため、電流の流れるねじを緩めたり締めたりする途中、永久磁石との接触による予想できない感電事故を予防することができるとともに、永久磁石を外力から保護することができるという利点がある。

以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施例について説明する。
図３は本発明の参考例１に係る絶縁化した磁化スクリュードライバーを示す斜視図、図４は図３のＢ−Ｂ線に沿った断面図である。

参考例１は、図３および図４に示すように、ねじ頭のリセスにマッチングしてねじを緩めたり締めたりすることができるように一端に十字（＋）型または一字（−）型の先端部１１を有し、中央部が両側部に比べて細くなるように長い周溝１２が中央部の外周に沿って設けられるスチール製のドライバービット１０を含む。

前記ドライバービット１０は、他端部分が合成樹脂の取っ手２０に結合するが、具体的には前記取っ手２０の一端に設けられる結合孔２１に挿着される。
この際、前記取っ手２０は、ドライバービット１０との堅い結合のために、射出成形によってドライバービット１０と一体に製作される。

一方、前記ドライバービット１０には、電圧の作用しているねじを緩めたり締めたりする場合、必要に応じて、ユーザがドライバービット１０を握りしめることができるよう、周溝１２を覆う厚さ０．１〜７ｍｍ（電圧の大きさによって決定される）の絶縁体３０が設けられる。
ここで、前記絶縁体３０は、外観上、ドライバービット１０の外周面と面一になるように設けられる。

すなわち、図３に示すように、前記ドライバービット１０の外周が六角状であれば、絶縁体３０の外周も六角状となるように設けられる。
このような絶縁体は、ユーザが握り締めたときに停止しており、内部でドライバービット１０のみが回転できるよう、言い換えれば絶縁体３０を握り締めた手に摩擦力が加えられることを防止するために、周溝１２を形成した中央部との間に微細な隙間（約０．１ｍｍ）を開けて設けられる。このため、周溝１２を形成した中央部は円形にすることが好ましい。

一方、前記絶縁体３０としては、絶縁可能ないずれの材料を使用しても構わないが、セラミックまたはポリエステルなどの高圧用絶縁物を使用する方がよい。
参考として、図３および図４には示されていないが、前記絶縁体３０は、握りしめたときの滑りを防止することができるよう、表面にギザギザなどを付けてもよく、外観の美麗さまで追求するために各種装飾を刻み付けてもよい。

特に前記絶縁体３０の一端に対応するドライバービット１０の周溝１２を形成した中央部には、中央部を覆う永久磁石４０が設けられる。
前記永久磁石４０は、ドライバービット１０の先端部１１が磁性を帯びるように磁化させ、必要時に、ビット先端部１１にねじが引っ付くようにしたもので、具体的にビット先端部１１と対向する絶縁体３０の一端に対応する周溝１２を形成した中央部にビット先端部１１と近接するように設置される。

また、前記永久磁石４０は、設置の際にドライバービット１０から突出しないようにするため、絶縁体３０と同様に、ドライバービット１０の外周面と面一になるように設けられる。
このような永久磁石４０としては、磁化したビット先端部１１に引っ付いたねじをユーザの力で容易に取り外すことが可能な磁力のものであれば、いずれのタイプでも使用可能である。

一方、上述した参考例１は、図３および図４に示すように、周溝１２を形成した中央部を絶縁体３０および永久磁石４０で完全に覆ってドライバービット１０の外周に不要な段差が付かないようにし、取っ手２０とドライバービット１０とを結合させるとき、結合孔２１に絶縁体３０の一部が共に挿入されるようにして、ドライバービット１０が先端部１１側以外には外部に露出しないようにすることがよい。

図５は本発明の参考例１に係る絶縁化した磁化スクリュードライバーの使用状態図である。前記参考例１は、図５のような場合に非常に有用に使用することができる。
図５を参照すると、図面符号５１は漏電遮断器を示す。前記漏電遮断器５１は、電源側電線５２および負荷側電線５３がそれぞれ締結ねじ５４で締結されて電気的に連結され、前記締結ねじ５４には電圧が作用しているので、感電事故の予防のために深い小孔５５内に位置している。

まず、漏電遮断器５１の補修や点検などのために締結ねじ５４を解く場合、小孔５５からドライバービット１０を挿入して先端部１１を締結ねじ５４のねじ頭のリセスとマッチングさせる。
この際、小孔５５は、通常、ねじ頭に比べてやや大きくするが、絶縁体３０および永久磁石４０がドライバービット１０の外周面と面一になるよう設けられているので、ユーザがドライバービット１０を小孔５５内に困難なく挿入することができる。

勿論、絶縁体３０または永久磁石４０の直径がドライバービット１０の直径より大きい場合には、ドライバービット１０を小孔５５内に挿入することができないため、作業自体が不可能になり、あるいはドライバービット１０の挿入の際に、小孔５５に絶縁体３０または永久磁石４０がかかる現象、すなわち干渉が発生して作業性が低下する。

次に、一方の手では絶縁体３０を握りしめ、もう一方の手では取っ手２０を回転させることにより、締結ねじ５４を完全に解いて締結を解除させる。
この際、ユーザは、絶縁体３０を介してドライバービット１０を握りしめることができるため、電圧の作用している締結ねじ５４を強い力で回して解くことができる。

その後、小孔５５からドライバービット０を引き抜くと、永久磁石４０によって磁化した先端部１１に締結ねじ５４が引っ付いた状態で取り出される。
この際、小孔５５が深く設けられているので、締結ねじ５４を完全に解いても、ねじ頭が外部に突出しないことが一般的であるが、永久磁石４０によってビット先端部１１に締結ねじ５４を引っ付けることができるので、ユーザは、感電事故の恐れなく締結ねじ５４を小孔５５から簡便に取り出すことができる。

一方、漏電遮断器５１の補修や点検などが完了して締結ねじ５４をさらに締結する場合には、ビット先端部１１に締結ねじ５４が引っ付いたまま小孔４４にドライバービット１０を挿入した後、ドライバービット１０を回転させることにより、締結ねじ５４を回して締めればよい。
この際、ユーザは、感電事故の恐れなく締結ねじ５４を小孔５５に挿入して正確な位置にセットした状態で締結を行うことができる。

図６は本発明の実施例に係る絶縁化した磁化スクリュードライバーを示す断面図である。
本実施例は、図６に示すように、参考例１と比較するとき、その他の構成要素およびそれによる作用は同一であるが、絶縁体３０と永久磁石４０の構造は多少異なる。

すなわち、前記絶縁体３０は、ドライバービット１０の先端部１１と対向する一端に凹部３１が設けられ、前記周溝１２を形成した中央部を覆う永久磁石４０は、凹部３１に全体が完全に挿入されたまま設置される。

ここで、前記永久磁石４０は、絶縁体３０の内部でドライバービット１０が回転し得るように円形にするとともに、凹部３１との間に微細な隙間（約０．１ｍｍ）が設けられる大きさを有する。
一方、前記絶縁体３０は、ドライバービット１０の外周に不要な段差が付かないように周溝１２を形成した中央部を完全に覆う。

このような本実施例は、永久磁石４０が凹部３１に挿入されたまま設置されるが、外部に露出しなくなる。このため、電流の流れるねじを緩めたり締めたりする途中、絶縁体３０を握りしめた手が永久磁石４０に当接して被る感電事故、および外力による永久磁石の損傷を防止することができる。

図７は本発明の参考例２に係る絶縁化した磁化スクリュードライバーを示す分解斜視図、図８は図７のＣ−Ｃ線に沿った断面図である。
参考例２は、図７および図８に示すように、参考例１と比較するとき、その他の構成要素およびその作用は同一であるが、先端部１１をドライバービット１０の両端にそれぞれ設けて磁化させた構造、およびドライバービット１０と取っ手２０との結合構造のみが多少異なる。

まず、前記ドライバービット１０は、両端に先端部１１がそれぞれ設けられ、周溝１２を形成した中央部の両端には永久磁石４０がそれぞれ設けられるが、近接した側の先端部１１をそれぞれ磁化させる。

この際、前記周溝１２を形成した中央部は、絶縁体３０および永久磁石４０で完全に覆われる。
参考として、前記ビット先端部１１は、図７に示すように、一方は十字型、他方は一字型にしてもよく、両方とも十字（＋）型または一字（−）型にするが、相互規格のみを異にしてもよい。

次に、前記取っ手２０の結合孔２１には金属リング２２が挿入されて接着剤などで堅固に固定され、あるいは取っ手２０とともに一体に成形される。
前記金属リング２２には、ドライバービット１０の一端部分が、近接した永久磁石４０と共に挿入される。
勿論、参考例１と同様に、絶縁体３０の一部も共に挿入されることがよい。

このように前記結合孔２１にドライバービット１０を挿入すると、永久磁石４０は磁性によって金属リング２２と結合するので、ドライバービット１０と取っ手２０は着脱可能に結合する。
この際、ユーザは、前記ドライバービット１０を取っ手２０の結合孔２１に対して簡便に挿脱させることができる。

一方、前記ドライバービット１０および金属リング２２は、ドライバービット１０と取っ手２０が相対回転することを防止するために、互いに対応する角を成すように設け、取っ手２０の結合孔２１に一部が挿入された絶縁体３０を結合孔２１内で回転させるために、両者の間に隙間が設けられるようにすることが好ましい。

また、前記金属リング２２としては、非鉄金属以外はいずれの金属を用いても構わない。

上述した参考例２では、ドライバービット１０の両端にそれぞれ先端部１１が設けられると共に、ドライバービット１０と取っ手２０とが着脱可能に結合するため、用途に合わせてビット先端部１１を選択して交換、使用することができる。

（産業上の利用可能性）
上述した構成を有する本発明は、ドライバービットの周溝を形成した中央部に絶縁体がドライバービットと面一になるように覆設されるので、深い小孔に位置し且つ電圧の作用しているねじを、前記小孔との干渉なしに、強い力で不便なく緩めたり締めたりすることができるのは勿論のこと、前記周溝を形成した中央部に、ドライバービットから突出しないように覆設されて、ドライバービットの先端部を磁化させる永久磁石によって、先端部にねじを引っ付けることができて、締結の解除されたねじを、前記孔から感電事故の恐れなく、容易に取り出すことができるという利点がある。
また、逆の場合、すなわち前記ねじを締結するために前記小孔にさらにドライバービットを挿入する場合にも、感電事故の恐れなく、正確な位置に容易にセットすることができる。
また、永久磁石が絶縁体の凹部に挿入されたまま前記孔に覆設されるので、外部に露出しないため、電流の流れるねじを緩めたり締めたりする途中、永久磁石との接触による予想できない感電事故を予防することができるとともに、永久磁石を外力から保護することができるという利点がある。
また、取っ手の結合孔に金属リングが設置されるが、永久磁石の磁力でドライバービットと取っ手を着脱可能に結合させることができるので、両者間の結合および分離を簡便に行うことができるという利点がある。

従来の技術を示す斜視図である。 図１のＡ−Ａ線に沿った断面図である。 本発明の参考例１に係る絶縁化した磁化スクリュードライバーを示す斜視図である。 図３のＢ−Ｂ線に沿った断面図である。 本発明の参考例１に係る絶縁化した磁化スクリュードライバーの使用状態図である。 本発明の実施例に係る絶縁化した磁化スクリュードライバーを示す断面図である。 本発明の参考例２に係る絶縁化した磁化スクリュードライバーを示す分解斜視図である。 図７のＣ−Ｃ線に沿った断面図である。

１０・・・ドライバービット
１１・・・ビット先端部
１２・・・周溝
２０・・・取っ手
２１・・・結合孔
２２・・・金属リング
３０・・・絶縁体
３１・・・凹部
４０・・・永久磁石

Claims (1)

1. 一端または両端に先端部が設けられ、中央部が両側に比べて径が小さく断面が円形に形成されたドライバービットと、
   結合孔を有し、前記結合孔に前記ドライバービットが挿着され、あるいは前記結合孔に前記ドライバービットが挿脱可能に結合される取っ手と、
   前記ドライバービットの外周面と面一になるよう前記中央部に回転可能に覆設される筒状の絶縁体と、
   前記絶縁体の一端または両端に対応する前記中央部の端部の外周面に前記ドライバービットの両端の外周面から突出しないように覆設されるとともに、前記絶縁体の一端または両端の内部の軸方向に形成した凹部に挿入されて覆設され、前記先端部を磁化させる環状の永久磁石とから構成され、
   前記絶縁体で覆設された永久磁石と前記絶縁体との間に隙間を形成して前記絶縁体を回転可能に構成したことを特徴とする、
   絶縁化した磁化スクリュードライバー。

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