JP4567230B2 - 感光性樹脂凸版の現像方法、及び現像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、段ボール印刷、フィルム印刷、プレプリント印刷、ラベル印刷等のフレキソ印刷で使用される感光性樹脂凸版の現像方法と現像装置に関するものであり、感光性樹脂版の現像処理において排出される廃液の極少化と、ウオータージェットと呼ばれる高圧水を噴射して洗浄する方式にて、高圧ポンプの動力を上げることなく、またそれと共に増加する騒音をも抑制し、高い生産性を得ることを可能とする技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
段ボール印刷、フィルム印刷、プレプリント印刷、ラベル印刷に代表される凸版印刷用の版材には従来から感光性樹脂版が使用されている。
感光性樹脂凸版としては、塗布可能な形態を有するいわゆる液状タイプ、或いはあらかじめ一定の形状に成形されたいわゆるシート状タイプの2種類に大きく分類され、液状タイプの感光性樹脂としては例えばAPR(商標名、旭化成製)が最も代表的な商品であり、製版装置としてもALF/AJF/AWF/ASF(いずれも商標名、全て旭化成製)などが市場へ提供されている。この液状タイプ感光性樹脂を使用した製版プロセスとしては、既にイメージセッター等のフィルム作製システムで画像が形成されているネガフィルムを露光装置の下ガラス板上にセットし、その上を透明なカバーフィルムで覆い、カバーフィルム上に感光性樹脂を一定の厚みで塗布し、更にその上にベースフィルムを積層した後に、上ガラス板でベースフィルムを押さえ、下ガラス板の下方より紫外光を照射させることによりネガフィルムの画像が感光性樹脂層に転写されレリーフ画像として形成される。次に、未硬化樹脂をゴムブレードなどで除去、回収し、最後にレリーフ画面上に残った未硬化樹脂を洗浄液(現像液)で完全に洗い落とす。その後必要な後処理を施すことによって印刷に供される感光性樹脂凸版を製造するという方法がとられている。
【0003】
ところで、現在未硬化樹脂を洗い落とす工程においては、使用する洗浄液に、ある一定量以上未硬化樹脂が溶け込むと、洗浄能力が低下し、使用不能となる。この使用不能となった洗浄液は、そのまま下水あるいは自然環境への排出ができないものであるため、産業廃棄物処分業者に洗浄廃液としてその処分を委託しなければならない。その量は多量であり、その処分を委託する処分コストが高く経済的に問題となっている。
【0004】
また、特開平12−029227号公報では水性現像液を感光層に向けて高圧で噴射させて現像する方式が提示されているが、記載されている7.5〜50MPaもの高圧を発生可能なポンプは一般的にプランジャー方式であり、例えば画像面積が1平方mを越えるような大サイズの感光性樹脂版を、市場が要求する処理時間10数分の範囲で現像させようとした場合には10数KWもの動力を必要とし、ポンプから発生する激しい騒音に加えノズル噴霧時の騒音が加算されて、作業者には耐えられないほど著しく作業環境を悪化させるという問題が提起されている。
以上のような現状から、使用済み現像液の処分コストを低減する方法、及び騒音を低く抑えながら生産性を向上させる方法の開発が強く要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、その要望に応えるものであり、露光工程後の感光性樹脂凸版に対する現像液の循環使用により現像廃液の発生量を抑制し、その廃液処分コストを低減すると同時に、高生産性と低騒音を両立させて作業環境を向上させることを可能とする製版方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、現像液を用いて物理的な衝突力により未硬化樹脂を印刷版から除去し、かつ高圧噴霧と共に回転ブラシによる補助洗浄を追加することにより、生産性を犠牲にすることなく騒音が劇的に低下した知見を得て、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
【0007】
1.下記(a)〜(d)の工程を含むことを特徴とする感光性樹脂凸版の現像方法。
(a)露光後現像前の感光性樹脂版をドラムの外周面に感光性樹脂層を外側に向けて巻き付けてドラムと一体に回転可能とする版材装着工程
(b)ドラムを回転させながら、直線上に均等配置された複数個の現像液噴射ノズルをドラムの軸芯方向に沿って往復動させながら、高圧現像液を感光性樹脂版に向けて現像液をスパイラル態様で噴射させると共に、円柱状ブラシをドラムと逆方向に回転させながら現像液で未硬化の感光性樹脂を洗い出す現像工程
(c)高圧現像液噴射を停止して低圧水噴射に切り替えると共に、前記ブラシの回転は続けながら感光性樹脂版上の現像液を水で洗い流すリンス工程
(d)低圧水噴射とブラシ回転を停止して、圧気を感光性樹脂版に向けて吹きつけて感光性樹脂版上の水を吹き飛ばす水切り工程
【0008】
2.現像液の温度が40℃以上であることを特徴とする1.に記載の感光性樹脂凸版の現像方法。
3.現像液が水性現像液であることを特徴とする1.〜2.のいずれかに記載の感光性樹脂凸版の現像方法。
4.現像液へ混入した未硬化の感光性樹脂をフィルターで除去して現像液を再使用することを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載の感光性樹脂凸版の現像方法。
5.リンス水をそのまま現像液へ混入させて現像液として再利用することを特徴とする1.〜4.のいずれかに記載の感光性樹脂凸版の現像方法。
【0009】
6.ドラムが1〜60RPMの回転数で回転することを特徴とする1.〜5.のいずれかに記載の感光性樹脂凸版の現像方法。
7.現像液が5〜20MPaの高圧力で噴射することを特徴とする1.〜6.のいずれかに記載の感光性樹脂凸版の現像方法。
8.ブラシが1〜10RPSの回転数で回転することを特徴とする1.〜7.のいずれかに記載の感光性樹脂凸版の現像方法。
【0010】
9.下記(a)〜(d)の手段を含むことを特徴とする感光性樹脂凸版の現像装置。
(a)露光後現像前の感光性樹脂版をドラムの外周面に感光性樹脂層を外側に向けて巻き付けてドラムと一体に回転可能とする版材装着手段
(b)ドラムを回転させながら、直線上に均等配置された複数個の現像液噴射ノズルをドラムの軸芯方向に沿って往復動させながら、高圧現像液を感光性樹脂版に向けて現像液をスパイラル態様で噴射させると共に、円柱状ブラシをドラムと逆方向に回転させながら現像液で未硬化の感光性樹脂を洗い出す現像手段
(c)高圧現像液噴射を停止して低圧水噴射に切り替えると共に、前記ブラシの回転は続けながら感光性樹脂版上の現像液を水で洗い流すリンス手段
(d)低圧水噴射とブラシ回転を停止して、圧気を感光性樹脂版に向けて吹きつけて感光性樹脂版上の水を吹き飛ばす水切り手段
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の印刷版現像方法は、図1で示すように、ドラムに感光性樹脂版を装着して回転させながら、水性現像液を特定の条件で高圧噴射させると共に、円柱状ブラシを回転させて洗浄した後、水を用いたリンス行程と圧気を用いた水切り行程を伴う一連の工程からなる。まず、図1に沿って本発明の実施態様に係わる現像方法及び現像装置についてその概要を説明する。
【0012】
本発明に係る現像装置は、現像前の感光性樹脂版を保持して回転する版装着ドラム120と、高圧の現像液噴射と共に回転ブラシによる現像処理と、及びその後のリンス処理と水切り処理を連続して行う処理槽110と、現像液を収容し加熱する現像液タンク112と、現像液の高圧化を行う高圧プランジャーポンプ130とから構成されている。
まず版装着ドラム120の構成について説明する。版装着ドラム120の材質は磁石が作用するマルテンサイト系のステンレスであり、現像対象の感光性樹脂版200の先端をスプリングアクション方式にて挟持する版先端クランプ機構122と、版尻を固定する着脱式のマグネットクランプ123を備え、モーターを備えたドラム回転機構121に連結されている。
【0013】
版装着ドラム120外周面で保持された感光性樹脂版200に向けて高圧の現像液を吹き付ける噴射ノズル132が、ドラム軸芯方向に沿って所定の速度で往復動する手段を備えたノズルヘッダー131上に等間隔で複数個配列されている。このノズルヘッダー131の入力側には耐温性、耐圧性に優れている高圧専用ホース134を介して高圧プランジャーポンプ130と接続され、高圧プランジャーポンプ130の入力側には、供給ホース133を介して現像液タンク112が接続されている。また、版装着ドラム120との接圧調整機能を備えドラム幅に相当する長さの円柱状ブラシ140がモーターを備えたブラシ回転機構141に連結されている。
【0014】
処理槽110には現像処理後、感光性樹脂版200表面に残存する現像液を洗い流すためにリンス水を噴霧する噴射ノズル151が、ノズルヘッダー150上に等間隔で複数個配列されている。このノズルヘッダー150の入力側はホース152と電磁弁153を介して水道水配管と接続されている。更に感光性樹脂版表面に残存するリンス水を圧気で吹き飛ばすエアブローノズル160がエアー配管161と電磁弁162を介してコンプレッサーと接続されている。
【0015】
次に現像液タンク112の構成について説明する。現像液を所定の温度まで加熱、或いは所定の温度で保温する加熱ヒーター113が設けられており、更に現像液タンク112内に収容している現像液の表層には、現像液内に混入した未硬化樹脂を濾過するために、必要に応じてオイル吸着マット或いは不織布フィルター或いは紙フィルターなどのフィルター114が設置されている。
【0016】
以上の構成における現像装置では、感光性樹脂版200が装着されたドラム120が、図1の矢印方向へ回転を開始すると、高圧プランジャーポンプ130の駆動と共に、円柱状ブラシ140も図1の矢印方向へ回転を開始する。現像液タンク112内で所定の温度まで加熱された現像液は高圧プランジャーポンプ130で吸引されて高圧力が加えられた状態でノズルヘッダー131に供給される。そしてノズルヘッダー131に供給された現像液はノズル132から微粒化された状態で噴射されると共に、ノズルヘッダー131のドラム軸芯方向に沿った往復動が加わることにより感光性樹脂版200はスパイラル態様で洗浄されることになる。また、噴射された現像液は感光性樹脂版200表面等を経て円柱状ブラシ140に供給され、現像液を保持したブラシ140の回転により感光性樹脂版200上の未硬化樹脂は洗い流される。
【0017】
かくして噴射ノズル132から飛び出した現像液は感光性樹脂版200の現像に使用された後、フィルタ−114を介して未硬化樹脂が取り除かれて現像液タンク112内に再び帰還してくる。そして現像液タンク112に接続された供給ホース133を介してまた高圧プランジャーポンプ130内へと吸引されて循環使用される。引き続いて、感光性樹脂版200表面に残存する現像液を洗い落とすために、電磁弁153を開き水道から直接に供給される水をリンス水噴射ノズル151から吹き付ける。このリンス水はそのまま現像液タンク112内へと流れ込み現像液として利用される。リンス処理終了後に電磁弁162を開きコンプレッサーから供給される圧縮空気をエアブローノズル160より感光性樹脂版200に吹き付けて残存するリンス水を吹き飛ばす。
【0018】
前記のごとく、図1で例示された構成に基づく感光性樹脂凸版の現像方法・装置を用いた、本発明に係わる高圧現像液噴射と回転ブラシによる現像方法及び装置は、通常の手法により露光工程に供された、液状又は固体状感光性樹脂印刷版に対して適用できる。
【0019】
すなわち、所望の画像がデザインされたネガフィルムをカバーフィルム、感光性樹脂、ベースフィルム、マスキングフィルムの順に積層されたものの上に配置し露光工程を行う。露光工程後はカバーフィルムを剥がし、必要に応じて未硬化樹脂をゴムヘラやエアーナイフ等にて感光性樹脂版本体からある程度除去、回収して現像負荷を軽減させておき、その後、上記の感光性樹脂版現像装置の開閉扉111を開け、感光性樹脂版200を処理槽110に挿入して版先端をクランプ機構122にて挟持させた後、版装着ドラム120を適当な位置まで回転させて版尻をマグネットクランプ123にて固定する。このように版装着ドラム120外周面に現像前の感光性樹脂版200の感光性樹脂層を外側に向けて巻き付けて固定させた後、上記の現像処理を行うことができる。
【0020】
以下、本発明の実施の態様についてより具体的に説明する。
本発明では、水性現像液を用いることが好ましい。ここでいう、水性現像液とは、現像液の組成のうち、水の占める割合が最大であることを示す。従来、液状感光性樹脂の現像液として一般的な水系現像液としては、化学的作用で樹脂を溶解することにより、現像を行うために1〜5%の界面活性剤水溶液を含有させたものが用いられるが、この現像方法では現像工程によって除去された未硬化樹脂が現像液中に溶け込むため、樹脂成分だけを現像液中から除去することが困難となる。このような、未硬化樹脂を含有する現像液は、その樹脂溶解性が低下して現像性能に好ましくない影響を及ぼす。これに対し、本発明にいう水性現像液は、界面活性剤水溶液を全く含有しない純粋な水道水であり、疎水性の樹脂成分は本発明の水性現像液中に溶け込むことができず、現像工程後、使用済みの水性現像液から疎水性の未硬化樹脂成分だけを除去することが容易となる。
【0021】
このように、本発明においては、水性現像液を用いた場合、現像後の水性現像液に含まれる未硬化樹脂と現像液の分離が容易となり、現像液の循環使用、ひいては現像液の長寿命化を図ることができる。
本発明においては、前記、水性現像液中の樹脂成分を分離、除去するために装置の適当な箇所にフィルター類を設置することで、上記現像液の寿命延長効果をさらに増大させることもできる。例えば、現像液を感光性樹脂版に噴射後、使用済み現像液が収容される現像液タンク(図1、112)の表層にオイル吸着マット或いは不織布フィルター或いは紙フィルターなどのフィルター類(図1、114)を設置する。現像液がそれらフィルター類を通過して、現像液タンクに戻ることによって、現像液中の大半の未硬化樹脂がフィルターで濾過され、水性現像液を再使用することができる。
【0022】
本発明にいう水性現像液は感光性樹脂版に対して噴射されたときの物理的衝撃による未硬化樹脂の現像効果を十分に発揮するために5MPa〜20MPaの高圧力で噴射させることが好ましい。5MPaより低い圧力では、物理的衝撃により未硬化樹脂を除去するという現像効果を充分に発揮できない場合があり、20MPa以上だと噴射された現像液の衝撃により、後露光前でまだ充分に物性強度が高くない感光性樹脂版表面のレリーフ形状が損傷を受ける場合がある。特に線幅が500μm以下である独立線や面積率が5%以下であるハイライト網点は欠けたり、感光性樹脂版から剥離したりする場合がある。
【0023】
また本発明に用いる水性現像液の温度は、40℃以上であることが好ましい。水性現像液を40℃以上にすることにより未硬化樹脂が加熱されて粘度が低下すると共に、樹脂硬化部と未硬化部の境界層の物性強度も弱くなることにより、現像工程における、物理的衝撃による未効果樹脂の除去効果が飛躍的に向上する。安定した洗浄効果を得るためには、現像液の温度が40〜80℃に保たれることが好ましい。
【0024】
以下に本発明の現像装置及び工程の詳細について説明する。
上記現像工程を実施するための典型的な現像装置は、感光性樹脂版を保持して1〜60RPMの回転数で回転する中空ドラムと、水性現像液を5MPa〜20Mpaの圧力で噴射するノズルを等間隔で複数個有し、ドラムの軸芯方向に沿って数10mm/秒の速度で往復動する機構を備えたノズルヘッダーと、水性現像液を5MPa〜20Mpaの圧力で吐出することが出来る高圧ポンプと、1〜10RPSの回転数でドラムとは逆方向に回転する円柱状ブラシから構成されている。現像工程において、現像液の噴射又は噴出方向は、未硬化樹脂を除去可能な限り特に制限されず、樹脂部表面に対して若干斜め方向であってもよいが、通常は樹脂部表面に対してほぼ垂直方向(例えば0〜15°程度)である。また、噴射ノズルをドラムに対して往復動させることにより、感光性樹脂版全表面へ均等に水性現像液を噴霧することが可能となる。
【0025】
円柱状ブラシは外径が100mmφ程度、ドラムに対して接圧調整機能を備えて最大+10数mm押し込み可能となっているが、一般的には処理する感光性樹脂版の最大厚み程度に調整される。
上記の現像終了後は、樹脂版表面に残存する水性現像液を洗い流すために水を噴霧すると共に、ブラシの回転を続行させているため、現像処理時と同様にリンス水は樹脂版表面等を経てブラシ上に供給され、リンス水を保持したブラシの回転により樹脂版表面の水性現像液は洗い流される。このリンス水の組成構成は水単一であり、リンス水の水圧及び噴射方向、時間、温度、方式は樹脂版表面に残存する現像液を洗い流すことが可能な限り特に制限されない。またリンス水はそのまま現像液に混入させて現像液として使用する。本発明における現像工程では、現像液を高温下かつ高圧下でスプレー噴射による現像液の微粒化によって、現像液組成中の水成分が蒸発し、現像液が減少していく。そこで前記リンス水を現像液中に取り込むことによって、現像液量を一定に保つことができる。リンス工程終了後は、樹脂版表面に残存するリンス水を除去するために、一般的にはエアブローノズルによる水切り工程を設ける。エアブローの圧力及び噴射方向、時間、温度、方式は、樹脂版表面に残存するリンス水を吹き飛ばすことが可能な限り特に制限されない。樹脂版表面にリンス水が残っていると、後続する工程での樹脂版の搬送時に水が滴り落ちて作業環境を低下させる。
【0026】
水切り工程終了後は、公知である水中後露光や乾燥、或いは空中後露光を経て印刷版となる。
次に実施例及び比較例により本発明の水性現像液が、化学活性の高い従来の現像液に劣らない、若しくはこれを上回る性能を示し、併せて現像液の高圧噴射による単一処理と比較して騒音を大幅に低下させることが出来たことをさらに詳細に説明する。尚、本発明の実施態様はこの実施例に限定されるものではない。
【0027】
【実施例1】
感光性樹脂組成物F−320(旭化成(株)製。以後液状感光性樹脂Aと記載)AWF型製版機(旭化成(株)製、画像サイズ:7621270mm)を用いて露光工程まで終了した7mm版を作成した。露光量はレリーフ深度2mm、シェルフ層5mm、バック析出層1mm、また45LPI/5%のハイライト形成が可能となる適正露光条件とした。
【0028】
外径350mmφ幅1600mmと感光性樹脂版を横長の状態で保持し回転する中空ドラムを備え、高圧スプレー現像と共に回転ブラシ現像が同時に行える実験機の現像液タンク層(容量200L)に水を投入した。予め、60℃に昇温した熱水を用いて、露光工程まで終了した液状感光性樹脂Aからなる7mm厚の感光性樹脂版をドラムに装着し、6RPMの回転速度でドラムを回転させながら、丸山製高圧プランジャーポンプ(型式MW2540)のポンプモーター回転数を標準の750RPMから350RPMまで下げて、吐出圧力10MPa/吐出流量25L/分の条件にて運転させ、高圧均等扇形ノズルVNP−1/8M−6549(いけうち製)を並列に複数個配列したノズルにより、ノズルと樹脂版表面迄の距離200mm、各ノズル間の距離300mm、ノズルヘッダーの移動ストローク200mmで往復動速度10mm/秒の条件、回転ブラシ材質は馬毛、ブラシ経0.2mmφ、ブラシ長30mm、ブラシ外径110mmφ、ブラシ接圧+7mm、回転数160RPMの条件で10分間の現像を行った。ついで現像した版を水道水で現像液による泡立ちが認められなくなる程度にまでリンスし、さらにリンスした版の表面に残ったリンス水をエアガンで吹き飛ばした。その後水中後露光機で紫外線蛍光灯を1000mJ/cm2、及び殺菌灯を2000mJ/cm2の露光量で用いて水中後露光を行った。その後10分ほど乾燥機にて放置して印刷版を見た。
【0029】
得られた液状感光性樹脂A印刷版の印刷に供する画像表面(以下、印画部と略記)を触感にて評価したが、粘着性がないことを確認した。版表面の外観としては、透明度があり、やや光沢があるようであった。またバック析出層表面は目視上とてもなめらかな状態であった。また500μm線幅白抜き線の深度を測定し、約220μmであった。また100LPI/90%網点の面積率も測定したが約90%であった。さらに45LPI/5%網点のドット根本部の損傷を顕微鏡にて確認したが、特に大きな損傷は見られなかった。
また、上記運転条件で当現像装置から1m離れた場所にて騒音値を測定したところ、高圧ポンプに防音カバーが取り付けてある状態で約75dBであった。
【0030】
【比較例1】
実施例1と同様の条件で液状感光性樹脂Aを作成し、前記実験機の回転ブラシ機構を取り外した以外は全く同一の条件で、現像液の高圧噴射のみの単一現像方式にて実験を行ったところ、同一の処理時間で同等の現像性能を得るためには高圧プランジャーポンプのポンプモーター回転数を標準の750RPMに戻し、吐出圧力10MPa/吐出流量50L/分で運転する必要があった。この運転時の騒音値を測定したところ、実施例と比較し10dB高い約85dBであった。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による感光性樹脂版の現像方法は物理的作用を利用した高圧噴射と回転ブラシによる現像であるため、感光性樹脂が不溶性の水性現像液を用いた現像が可能である。使用済みの現像液から感光性樹脂を分離除去した後、これを現像液として再利用することが容易となるため、現像廃液の量が減少し、環境保全に有利で、且つ廃液処分コストの大幅な削減も達成できる。また、生産性を犠牲にしないで騒音も80dB以下と作業環境を向上させることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に好適な現像装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
100:洗浄装置
110:処理槽
111:開閉扉
112:現像液タンク
113:加熱ヒーター
114:フィルター
120:版装着ドラム
121:ドラム回転機構
122:版先端クランプ機構
123:マグネットクランプ
130:高圧プランジャーポンプ
131:揺動機能付きノズルヘッダー
132:現像液噴射ノズル
133:供給ホース
134:耐圧ホース
140:円柱状ブラシ
141:ブラシ回転機構
150:ノズルヘッダー
151:リンス水噴射ノズル
152:ホース
153:電磁弁
160:エアブローノズル
161:配管
200:感光性樹脂版
300:現像液
Claims (9)
- 下記(a)〜(d)の工程を含むことを特徴とする感光性樹脂凸版の現像方法。
(a)露光後現像前の感光性樹脂版をドラムの外周面に感光性樹脂層を外側に向けて巻き付けてドラムと一体に回転可能とする版材装着工程
(b)ドラムを回転させながら、直線上に均等配置された複数個の現像液噴射ノズルをドラムの軸芯方向に沿って往復動させながら、高圧現像液を感光性樹脂版に向けて現像液をスパイラル態様で噴射させると共に、円柱状ブラシをドラムと逆方向に回転させながら現像液で未硬化の感光性樹脂を洗い出す現像工程
(c)高圧現像液噴射を停止して低圧水噴射に切り替えると共に、前記ブラシの回転は続けながら感光性樹脂版上の現像液を水で洗い流すリンス工程
(d)低圧水噴射とブラシ回転を停止して、圧気を感光性樹脂版に向けて吹きつけて感光性樹脂版上の水を吹き飛ばす水切り工程 - 現像液の温度が40℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂凸版の現像方法。
- 現像液が水性現像液であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の感光性樹脂凸版の現像方法。
- 現像液へ混入した未硬化の感光性樹脂をフィルターで除去して現像液を再使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂凸版の現像方法。
- リンス水をそのまま現像液へ混入させて現像液として再利用することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂凸版の現像方法。
- ドラムが1〜60RPMの回転数で回転することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂凸版の現像方法。
- 現像液が5〜20MPaの高圧力で噴射することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の感光性樹脂凸版の現像方法。
- ブラシが1〜10RPSの回転数で回転することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の感光性樹脂凸版の現像方法。
- 下記(a)〜(d)の手段を含むことを特徴とする感光性樹脂凸版の現像装置。
(a)露光後現像前の感光性樹脂版をドラムの外周面に感光性樹脂層を外側に向けて巻き付けてドラムと一体に回転可能とする版材装着手段
(b)ドラムを回転させながら、直線上に均等配置された複数個の現像液噴射ノズルをドラムの軸芯方向に沿って往復動させながら、高圧現像液を感光性樹脂版に向けて現像液をスパイラル態様で噴射させると共に、円柱状ブラシをドラムと逆方向に回転させながら現像液で未硬化の感光性樹脂を洗い出す現像手段
(c)高圧現像液噴射を停止して低圧水噴射に切り替えると共に、前記ブラシの回転は続けながら感光性樹脂版上の現像液を水で洗い流すリンス手段
(d)低圧水噴射とブラシ回転を停止して、圧気を感光性樹脂版に向けて吹きつけて感光性樹脂版上の水を吹き飛ばす水切り手段
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