JP6288552B2 - フレキソ印刷版の製版方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フレキソ印刷版を製造するために使用されるフレキソ印刷用感光性樹脂原版の製版方法、及びかかるフレキソ印刷版の製版方法に使用されるリンス水に関する。
支持体表面に積層された感光性樹脂層に凹凸を形成して印刷版を作製する方法としては、感光性組成物を用いて形成したレリーフ層に原画フイルム等を介して紫外光により露光し、画像部分を選択的に硬化させて、未硬化部を現像液により除去する方法が、良く知られている。
レリーフ印刷版は、凹凸を有するレリーフ層を有する凸版印刷版であり、このような凹凸を有するレリーフ層は、主成分として、例えば、合成ゴムのようなエラストマー性ポリマー、熱可塑性樹脂などの樹脂、或いは、樹脂と可塑剤との混合物を含有する感光性組成物を含有するレリーフ形成層をパターニングし、凹凸を形成することにより得られる。このようなレリーフ印刷版のうち、軟質なレリーフ層を有するものをフレキソ版と称する。
レリーフ印刷版をアナログ製版により作製する場合、一般に銀塩材料を用いた原画フィルムを必要とするため、原画フィルムの製造時間及びコストを要する。さらに、原画フィルムの現像には化学的な処理が必要で、かつ現像廃液の処理をも必要とすることから、さらに簡易な版の作製方法、例えば、原画フィルムを用いない方法などが検討されている。
近年は、フレキソ印刷の分野において、デジタル画像形成技術として知られるコンピュータ製版技術(Computer to Plate,CTP技術)が極めて一般的なものになってきている。CTP技術は、コンピューター上で処理された情報を印刷版上に直接出力してレリーフとなる凹凸パターンを得る方法である。この技術により、ネガフイルムの製造工程が不要となり、コストとネガ作成に必要な時間を削減できる(例えば、特許文献1、2参照)。製版処理は、画像マスクを介して紫外光で露光し、未硬化部を現像除去したのち、版面の現像液成分を除去・乾燥し、仕上げに紫外光を照射して、レリーフ印刷版を得る。
この製版処理を行う装置は、バッチ式現像機とインライン式自動現像機に大別される。インライン式自動現像機は、現像処理する版を自動的に搬送しながら、洗い出し工程、リンス工程、水きり工程を経るものである。
水現像フレキソ版は、その樹脂組成物を水に分散させて現像するが、そのため水に分散した樹脂組成物が現像液中で凝集物を発生させ、版面にその凝集物が付着しやすいという問題があった。さらには近年主流となりつつあるCTPフレキソ版は、その表面に画像マスク層を有するために、そのマスク層由来の異物が版面に付着しやすいという問題があった。
現像液中のスカムを除去する技術としては、現像液循環ライン途中にフィルターを設ける技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、自動現像機の版面上で発生するスカムを根本的に除去する手段はなかった。そこで、自動現像機のリンスゾーンにおいて、流水で版表面を洗い流したり、エアーノズルで吹き飛ばしたりする技術が提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。しかし、これらの方法でも、版面に粘着したスカムを完全に除去することはできなかった。一方、特許文献4には、レーザー彫刻用印刷版原版に用いられる彫刻用カスをアルカリ洗浄液で洗浄する態様が開示されている。しかし、この方法は、レーザー光で分解しきれなかった感光性樹脂の彫刻カスを除去するには好適であるが、水現像フレキソ版の現像液中に分散した小粒子の凝集体のスカム除去には不十分である。
特開平11−212274号公報 特開平5−80540号公報 特開2009−186851号公報 特開2011−63012号公報
本発明は、上記の従来技術の現状に鑑みなされたものであり、現像時に発生する版面のスカムを容易に除去可能なフレキソ印刷版の製版方法、及び前記フレキソ印刷版の製版方法に好適に使用されるリンス水を提供することを目的とする。
本発明者らは、かかる目的を達成するために鋭意検討した結果、リンス工程で使用されるリンス液として通常の水道水ではなく、pH9以上の界面活性剤を添加した特定のリンス水を使用し、これを版面に供給しながら、特定の毛径を有するブラシで版面をブラッシングすることにより、所望の効果が得られることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は、以下の(1)〜()の構成を有するものである。
(1)支持体上に、エチレン性不飽和二重結合を含有する化合物、光重合開始剤、及び高分子バインダーを必須成分として含む光重合性感光性樹脂組成物から形成された感光性樹脂層を有する水現像性フレキソ印刷用原版を、画像露光後に、現像、リンス、水切りの工程の順に自動現像する製版方法であって、前記リンス工程において、界面活性剤を含むpH9以上のリンス水を版面に供給しながら版面を25〜80μmの毛径のブラシでブラッシングすることを特徴とするフレキソ印刷版の製版方法。
(2)リンス水が0.01〜5質量%の界面活性剤を含有し、さらにアルカリ性金属塩を含有することを特徴とする(1)に記載のフレキソ印刷版の製版方法。
(3)リンス水の供給が、フレキソ印刷用原版の表面にシャワー状に供給すること、及び/又はブラッシング用ブラシ中から供給することによって達成されることを特徴とする(1)または(2)に記載のフレキソ印刷版の製版方法。
(4)ブラッシングが、ロールブラシによる回転、及び/又は平面ブラシによる面回転もしくは往復運動によって達成されることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のフレキソ印刷版の製版方法。
本発明のフレキソ印刷版の製版方法は、フレキソ自動現像機のリンス工程において特定のリンス水による特定の毛径のブラシのブラッシング処理がなされているので、版面の粘着が低減し、スカムの新たな発生を抑制し、スカム付着物を効果的に除去することができる。
本発明の水現像フレキソ印刷版の製版方法は、支持体上に感光性樹脂層を有する水現像フレキソ印刷用原版を、画像露光後に、現像、リンス、水きりの工程の順に自動現像する方法において、リンス工程でpH9以上の界面活性剤を含むリンス水を版面に供給しながら版面を特定の毛径のブラシでブラッシングすることを特徴とするものである。このように、pH9以上の界面活性剤を含むリンス水で特定の毛径のブラシで版面をブラッシングすることにより、容易に版面のスカム付着物を効果的に除去することができる。
(フレキソ印刷版原版)
本発明のフレキソ印刷用原版は、支持体上に、エチレン性不飽和二重結合を含有する化合物、光重合開始剤、及び高分子バインダーを必須成分として含む光重合性感光性樹脂組成物から形成された感光性樹脂層を有するものである。
(支持体)
本発明のフレキソ印刷用原版に用いられる支持体は、寸法安定性に優れた材料が好ましく、例えばスチールなどの金属製支持体、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどの熱可塑性樹脂製支持体が挙げられる。これらの中でも、寸法安定性に優れ、充分に高い粘弾性を有するポリエチレンテレフタレートフイルムが特に好ましい。支持体の厚みは、機械的特性、形状安定性あるいは印刷版製版時の取り扱い性等から、50〜350μmが好ましく、100〜250μmがより好ましい。また、必要により、支持体と感光性樹脂層との接着性を向上させるために、それらの間に接着剤を設けても良い。
(感光性樹脂層)
本発明のフレキソ印刷原版の感光性樹脂層は、エチレン性不飽和二重結合を含有する化合物、光重合開始剤、及び高分子バインダーの必須成分と、可塑剤、熱重合防止剤、染料、顔料、紫外線吸収剤、香料、又は酸化防止剤などの任意の添加剤とを含む光重合性感光性樹脂組成物から形成される。本発明では、感光性樹脂組成物は、水系現像液で現像可能なものであることが必要である。
エチレン性不飽和二重結合を含有する化合物としては、高分子バインダーを架橋可能なモノマーであり、高分子バインダーと相溶性がよい化合物であればよく、特に限定されるものではない。具体的には、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類、及びクロトン酸エステル類等が挙げられ、付加重合性不飽和結合を含有する化合物から選ばれる。上記化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。エチレン性不飽和二重結合を含有する化合物の配合量は、高分子バインダー100質量部に対して、3〜80質量部であることが好ましく、5〜20質量部であることが更に好ましい。配合量が3質量部未満では、再現性に優れたパターンを得ることが難しく、80質量部を超えると、良好なゴム弾性を得ることが難しくなる。
光重合開始剤としては、感光性樹脂組成物に慣用される公知の化合物の中から任意に選択することができるが、特にベンゾイン系、フェノン系、及びアントラキノン系の光重合開始剤が好ましい。具体的には、ベンゾイン系の光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、α−メチルベンゾイン、α−エチルベンゾイン、α−フェニルベンゾイン、及びα−アリルベンゾインが挙げられ、フェノン系の光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ω−ブロモアセトフェノン、及びアセトフェノンが挙げられ、アントラキノン系の光重合開始剤としては、アントラキノン、クロロアントラキノン、メチルアントラキノン、及びエチルアントラキノン等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。光重合開始剤の配合量は、高分子バインダー100質量部に対して、0.1〜5質量部であることが好ましく、0.5〜2質量部であることが更に好ましい。配合量が0.1質量部未満では、実用的な感度を得ることが難しく、5質量部を越えると、良好なパターンを得ることが難しくなる。
高分子バインダーとしては、水分散性の樹脂を用いる。高分子バインダーとしては、スチレン系、オレフィン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、1,2−ポリブタジエン系、塩化ビニル系、及びポリアミド系等の各種樹脂が挙げられる。特に好ましいバインダー樹脂としては、全ラテックスの重量平均ゲル化度が65%以上のラテックスである。ラテックスとしては、単一種類のラテックスからなっても複数種類のラテックスの混合物からなっても良く、例えばポリブタジエンラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックスなどを使用することができる。
感光性樹脂層には、上述の必須成分以外に、必要に応じて可塑剤、熱重合禁止剤、染料、顔料、紫外線吸収剤、香料、又は酸化防止剤を添加し、その性能の改善を図ることができる。更に、耐摩耗性を改善するために、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、及びポリウレタン樹脂等の高分子バインダーと相溶性のある樹脂を混入することもできる。
本発明のフレキソ印刷用原版の感光性樹脂層の膜厚は、0.4〜10mmであることが好ましく、0.5〜7.5mmであることが更に好ましい。感光性樹脂層の膜厚は、上記範囲内において、被印刷体や使用する印刷機の種類に応じて適宜選択すればよい。
(フレキソ印刷用原版の製造方法)
本発明に用いるフレキソ印刷用原版の製造方法としては、基本的に従来公知の方法を採用することができ、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、支持体上に感光性樹脂層を形成し、次いでコーティング又はラミネーション技術により、感光性樹脂層上に粘着防止層を形成することにより製造される。粘着防止層は、一般に、ポリビニルアルコール及び溶剤を含む粘着防止層用組成物をカバーフィルム上に塗布することにより形成される。この際、粘着防止層用組成物は、スプレーコーティングを含む任意のコーティング技術を使用して塗布することができる。
(フレキソ印刷原版の製版方法)
上記のようにして製造されるフレキソ印刷用原版は、画像露光後に、現像、リンス、水切りの工程の順に自動現像される。フレキソ印刷用原版の画像露光は、任意の紫外線ランプを用いて版面に所定の光エネルギー量を照射されることによって行なわれる。自動現像機は、画像露光を終えた原版を、上述の各工程に供するように自動搬送するようになっている。
現像工程は、水系の現像液に界面活性剤を添加した現像液の中で、版面をブラシでブラッシングしながら、未硬化の非画像部を除去する。これにより、現像液中には、未硬化の感光性樹脂組成物が分散した状態となる。
現像工程を経た直後は、版面の表面に感光性樹脂の凝集したスカムが付着している。従って、このスカムを除去するためにリンス工程に供される。リンス工程では、pH9以上の界面活性剤を含むリンス水を版面に供給し、版面をブラシでブラッシングすることにより、版面上のスカムを洗い流す。なお、リンス水は、リンス効果を有する水溶液を意味する。
リンス水のpHは9以上であり、pH9.2以上であることがより好ましい。また、リンス水のpHは12.5以下であることが好ましく、より好ましくはpH12以下、さらに好ましくはpH11以下である。リンス水のpHが上記範囲未満であると、版面に付着したスカムの十分な洗浄効果を得ることができない。一方、pHが低くなるほど取扱いが容易となるので、pHが上記範囲を越えないことが好ましい。
リンス水が含有する界面活性剤としては、公知の界面活性剤を用いることができ、例えばアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤などが選択することができる。アニオン界面活性剤としては、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、α−オレフィンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム類、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硫酸化ヒマシ油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシド、ポリプロピレングリコールの分子量200〜5,000、トリメチロールプロパン、グリセリン又はソルビトールのポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンの付加物、アセチレングリコール系等が挙げられる。
界面活性剤は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。又、界面活性剤を含有する石鹸、洗剤や洗浄剤を用いても良く、界面活性剤の添加量はその含有率から換算して決めれば良い。
界面活性剤の使用量は、リンス水の全重量に対して0.01〜5質量%、特に0.05〜3質量%であることが好ましい。
リンス水を上記のpH範囲とするためには、界面活性剤以外に、塩基(塩基性化合物)を用いてpHを調整してもよい。pH調整用の塩基性化合物としては、公知の塩基性化合物を用いることができるが、無機の塩基性化合物であることが好ましく、特にアルカリ金属塩化合物及びアルカリ土類金属塩化合物のようなアルカリ性金属塩であることが好ましい。
アルカリ性金属塩としては、例えば、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウム、同リチウム、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、第三リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、第二リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリウム及び同アンモニウム等の無機アルカリ塩が挙げられる。また、pHの調整に酸を使用する場合、無機酸が好ましく、例えば、HCl、HSO、リン酸、HNOが例示される。
リンス工程では、上述のリンス水を版面に流しながら、版面をブラシでブラッシングすることにより版面のスカムを除去する。このときのブラシの毛径は、25〜180μmであることが必要である。好ましくは40〜170μm、より好ましくは、50〜160μmである。毛径が上記範囲未満の場合、ブラッシングした際のかき取りが弱く、十分な除去性能が得られない。また毛径が上記範囲を越えると、リンス工程で未硬化部分のブラシこすりによって、新たなスカムが発生するため好ましくない。ブラシ植え込み長は、特に限定されないが、例えば8〜50mmが好ましい。特に好ましくは12〜30mmである。ブラシ植え込み長が短いと、ブラシの植え込み株が硬くなり、かきとり効果により新たなスカムが発生しやすく、ブラシ植え込み長が長いと、かき取りが弱く十分な除去性能がえられない傾向がある。
ブラシの毛の材質は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン66、ナイロン6などの合成繊維が用いられるが、その中でもナイロン66が好ましい。
本発明では、ブラッシングは、本発明のリンス液を供給された状態でブラシを回転などの運動をさせながら現像後の印刷版表面に接触させて行なわれる。これにより、印刷版表面に付着したスカム付着物を効果的に除去することができ、しかも発生したスカム付着物が印刷版表面に付着することも防止することができる。ブラッシングの方法としては、ロールブラシによる回転ブラッシング、及び/又は平面ブラシによる面回転もしくは往復運動などのブラッシングが挙げられるが、本発明の自動現像方法おいては、効率の点よりロールブラシによる回転ブラッシングが好ましい。ブラッシング時の回転周期や、往復ピッチ・速度、タッチ圧などは、最適な条件を適宜設定すればよい。
リンス水の供給は、フレキソ印刷用原版の表面にシャワー状に供給するか、及び/又はブラッシング用ブラシ中から(例えばブラシの植え込み間から)供給することによって行なうことができる。このとき、フレキソ印刷用原版の表面を傾斜させて上方の面からリンス水を供給することが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
コスモライトQS114F(東洋紡製、ラテックスゴム系感光性樹脂CTPフレキソ印刷版)のUVマスク層への画像描画、UV光硬化を終えた版(635mm×762mmサイズ、0.48m)を、短辺が進行方向になるよう、セッター板に貼り付けて、自動現像機W90(日本電子精機製)に、搬送速度100mm/分で処理した。自動現像機のリンスゾーンのリンスタンク100Lの水中に、オレイン酸カリウムを主成分とするOSソープ(花王製)を、オレイン酸カリウムが0.5質量%になるように添加し、さらにアルカリ性金属塩として炭酸ナトリウムを0.1質量%になるように添加し、リンス水を調合した。このときのpH10.5であった。リンス液の水流コックの開閉度で水流を3L/分に調整した。
リンス水を、穴の開いた配管からシャワー状に版面にかけながら、リンスゾーンに設けられたロールブラシを回転させながら版面のブラッシングを行った。このときのブラシの毛径は80μm、植え込み長15mmで千鳥植えものを用いた。仕上がった版の表面に残るスカム付着物の個数はゼロであり、満足のいく結果であった。
<実施例2>
界面活性剤の添加量を3質量%に増やした以外は実施例1と同様に行なった。リンス水のpHは10.7であった。リンスゾーンでの泡立ちが増えたものの、版面に残るスカム付着の個数はゼロであり、満足のいく結果であった。
<実施例3>
界面活性剤を脂肪酸カリウムを主成分とするミヨシ食器洗いせっけん(ミヨシ油脂製)に変更し、アルカリ性金属塩を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸塩からなるリキッドPH(ニイタカ製)に変更してリンス水の界面活性剤、アルカリ性金属塩の量をそれぞれ0.5質量%、0.1質量%に変更した以外は実施例1と同様に行なった。リンス水のpHは10.5であった。仕上がった版の表面に残るスカム付着物の個数はゼロであり、満足のいく結果であった。
参考例4>
ブラシの毛径を160μmのものに変更した以外は実施例1と同様に行なった。仕上がった版の表面に残るスカム付着物の個数はゼロであり、満足のいく結果であった。
<実施例5>
ブラシの毛径を50μmのものに変更した以外は実施例1と同様に行なった。仕上がった版の表面に残るスカム付着物の個数はゼロであり、満足のいく結果であった。
<実施例6>
コスモライトQS114FをコスモライトNS114F(東洋紡製 ラテックスゴム系感光性樹脂フレキソ印刷版)に変更した以外は実施例1と同様に行なった。仕上がった版の表面に残るスカム付着物の個数はゼロであり、満足のいく結果であった。
<実施例7>
界面活性剤をポリオキシエチレン脂肪酸メチルエステルおよびポリオキシエチレンアルキルエーテルを等量使用するように変更し、アルカリ性金属塩を水酸化ナトリウムに変更してリンス水の界面活性剤、アルカリ性金属塩の量をそれぞれ0.2質量%、0.2質量%に変更した以外は実施例1と同様に行なった。リンス水のpHは11.8であった。仕上がった版の表面に残るスカム付着物の個数はゼロであり、満足のいく結果であった。
<比較例1>
液体洗剤(界面活性剤)も炭酸ナトリウム(アルカリ性金属塩)も添加しない以外は実施例1と同様に行なった。リンス水のpHは7.6であった。仕上がった版の表面に残るスカム付着物の個数は10個あり、スカムの粘着が増し、満足のいくものではなかった。
<比較例2>
ブラシの毛径を200μmのものに変更した以外は実施例1と同様に行なった。リンス工程で新たなスカムが発生し、その結果、仕上がった版の表面に残るスカム付着物の個数は7個あり、満足のいくものではなかった。
<比較例3>
ブラッシングを全く行わずにリンス水の流水のみに変更した以外は実施例1と同様に行なった。水流を10L/分に高めても完全にスカムを除去することができず、仕上がった版の表面に残るスカム付着物の個数は3個あり、満足のいくものではなかった。
<比較例4>
液体洗剤(界面活性剤)を用いずに炭酸ナトリウム(アルカリ性金属塩)のみを添加してpH11.5のリンス水に変更した以外は実施例1と同様に行なった。仕上がった版の表面に残るスカム付着物の個数は5個あり、満足のいくものではなかった。
Figure 0006288552
表1の結果からわかるように、本発明の方法に基づく特定のリンス水と特定の毛径のブラシを用いた版面のブラッシング(実施例1〜3,5〜7)は、樹脂スカムが全く存在せず、極めて良好な結果であるのに対して、本発明の方法に基づかない比較例1〜4はいずれも樹脂スカムが発生していた。
本発明のフレキソ印刷版の製版方法によれば、製版時の版面スカム付着が全くない、優れた印刷レリーフ版用感光性樹脂積層体を提供することができ、産業界に寄与すること大である。

Claims (4)

  1. 支持体上に、エチレン性不飽和二重結合を含有する化合物、光重合開始剤、及び高分子バインダーを必須成分として含む光重合性感光性樹脂組成物から形成された感光性樹脂層を有する水現像性フレキソ印刷用原版を、画像露光後に、現像、リンス、水切りの工程の順に自動現像する製版方法であって、前記リンス工程において、界面活性剤を含むpH9以上のリンス水を版面に供給しながら版面を25〜80μmの毛径のブラシでブラッシングすることを特徴とするフレキソ印刷版の製版方法。
  2. リンス水が0.01〜5質量%の界面活性剤を含有し、さらにアルカリ性金属塩を含有することを特徴とする請求項1に記載のフレキソ印刷版の製版方法。
  3. リンス水の供給が、フレキソ印刷用原版の表面にシャワー状に供給すること、及び/又はブラッシング用ブラシ中から供給することによって達成されることを特徴とする請求項1または2に記載のフレキソ印刷版の製版方法。
  4. ブラッシングが、ロールブラシによる回転、及び/又は平面ブラシによる面回転もしくは往復運動によって達成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフレキソ印刷版の製版方法。
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