JP4566636B2 - 燃料電池スタック - Google Patents
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Description
この燃料電池では、アノード電極に燃料ガス(例えば水素ガス)を供給し、カソード電極に酸化剤ガス(例えば酸素を含む空気)を供給すると、アノード電極で水素ガスがイオン化して固体高分子電解質中を移動し、電子は、外部負荷を通ってカソード電極に移動し、酸素と反応して水を生成する。この一連の電気化学反応により電気エネルギを取り出すことができる。
セル電圧検出回路に接続されたリード線とセパレータとを接続する従来技術としては、例えば、特許文献1に記載されているように、セパレータに形成された端子に、リード線の先端に設けたソケット状のコネクタを差し込む構造のものが知られている。
そこで、この発明は、端子毎に個別に防水部材を設けることなく、複数の端子からなる端子群をまとめて防水することができ、且つ、シール性に優れた防水機構を備えた燃料電池スタックを提供するものである。
このように構成することにより、パッキンの貫通孔と端子の間のシール性が向上し、また、端子を正確に位置決めして配列することができる。特に、膨出部を設けた部位においては、パッキンの貫通孔の内面と端子の外面が強く圧接されるので、シール性が高まる。
このように構成することにより、パッキンを押圧し圧縮したときに、パッキンの貫通孔の内面を端子の外面に強く圧接することができる。
このように構成することにより、パッキンの突部とコネクタ部材の押圧面との接触面積(すなわち、シール部の面積)を大きくすることができる。また、パッキンの突部はコネクタ部材の押圧面から斜め内方に向かう力を受けて圧縮するようになるので、パッキンの貫通孔の内面を端子の外面に、より強く圧接させることができる。
このように構成することにより、パッキンを圧縮変形したときに、押圧面に対するパッキンの追従性が良好になり、押圧面に対する密着性を高くすることができる。
請求項3に係る発明によれば、パッキンの突部とコネクタ部材の押圧面との接触面積(すなわち、シール部の面積)を大きくすることができ、また、パッキンの貫通孔の内面を端子の外面に、より強く圧接させることができるので、シール性がさらに向上する。
請求項4に係る発明によれば、パッキンを圧縮変形したときに、押圧面に対するパッキンの突部の追従性が良好になり、押圧面に対する密着性を高くすることができて、シール性がさらに向上する。
図1に示すように、燃料電池スタック1は、図示しないスタックハウジング内に、図示しない膜電極構造体を挟み込むセパレータ2が複数積層されて構成されている。また、燃料電池スタック1は、隣り合うセパレータ2,2間の電圧を測定するためのコネクターユニット10を備えている。
パッキンケーシング11は前記スタックハウジングの上部に設置される部材であり、パッキンケーシング11の上面11aには、端子群3A,3Aに対応する位置にセパレータ2の積層方向に沿って細長く形成されたパッキン収納凹部12が、端子群3Aと1対1の対応関係で設けられている。また、パッキンケーシング11の上面11aには、各パッキン収納凹部12の周囲を環状に取り囲むようにOリング収容溝15が設けられていて(図4参照)、各Oリング収容溝15にOリング16が収容されている。
ベース部27の平面形状および平面寸法はパッキン収納凹部12にほぼ隙間なく収まるように設定されている。
起立部28は4つの側面28aを有する略直方体形状をなし、起立部28の上面は山形形状をなす突部25に形成されている。詳述すると、突部25は、平坦な頂部25aとこれに末広がりに連なる4つのテーパ面(側面)25bからなる四角錐台形状(すなわち、頭を切った四角錐形状)をなし、各テーパ面25bが起立部28の側面28aに連なっている。
各貫通孔21の下側部分は、端子3においてゴム被覆がされている基部3aを挿通させるための下部貫通孔21aにされており、各貫通孔21の上側部分は、端子3において金属面が露出する先端部3bを挿通させるための上部貫通孔21bにされていて、この上部貫通孔21bが頂部25aの中央に開口している。下部貫通孔21aと上部貫通孔21bとの境界は起立部28の突部25よりも下方であってベース部27よりも上方に位置している。上部貫通孔21bの横断面は下部貫通孔21aよりも小さく、また、下部貫通孔21aの横断面は端子3の基部3aの横断面よりも若干小さく設定され、上部貫通孔21bの横断面は端子3の先端部3bの横断面よりも若干小さく設定されている。また、下部貫通孔21aの下縁部は下方に向かって拡径するテーパ孔21cとなっている。
なお、パッキン20をパッキン収納凹部12をに収納したとき、パッキン収納凹部12は、パッキン20の側面、つまり、ベース部27の側面27aと各起立部28の側面28aを包囲し且つパッキン20の下面22を支持する。
図4、図5に示すように、コネクタハウジング30の底面30bには、各端子群3A,3Aに対応する位置に、細長い突部31,31が互いに平行をなして設けられている。各突部31の平面形状および平面寸法はパッキンケーシング11のパッキン収納凹部12に若干の隙間を有して挿入可能に設定されている。
端子挿通孔36に連なるパッキン収容孔37の上部内面は、端子挿通孔36に接近するにしたがって断面縮小するテーパ面37aとなっており、テーパ面37aはパッキン20の突部25におけるテーパ面25bに沿った形状をなし、テーパ面25bを押圧する押圧面として機能する。一方、パッキン収容孔37の下端内面には、内側へ断面半円状に膨出する膨出部37bが形成されている。この膨出部37bの最大膨出部におけるパッキン収容孔37の内のり寸法は、パッキン20の起立部28における側面28aの外形寸法よりも若干小さくされていて、膨出部37bは起立部28の側面28aを押圧する押圧面として機能する。そして、テーパ面37aの下端と膨出部37bの上端は、鉛直方向に平坦な平坦面37cによって接続されている。
カバー40はコネクタハウジング30の上に設置してコネクタ収納凹部34を塞ぐもので、平面形状および平面寸法はコネクタハウジング30と同じにされている。
まず、各セパレータ2の端子3をパッキンケーシング11の各貫通孔13に挿通するとともに、パッキンケーシング11を図示しないスタックハウジングにねじで固定する。パッキンケーシング11をスタックハウジングに固定すると、貫通孔13を貫通した各端子3が、パッキンケーシング11のパッキン収納凹部12において上方に向かって突き出た状態になる。この後、パッキンケーシング11の各Oリング収容溝15にOリング16を配置する。なお、このときOリング16の上端部がパッキンケーシング11の上面11aから若干突出するように、Oリング収容溝15とOリング16の断面寸法が設定されている。
この締結により、Oリング16がコネクタハウジング30の底面30bにより押圧され圧縮されて、コネクタハウジング30の下面30bがパッキンケーシング11の上面11aに接触する。その結果、Oリング16はコネクタハウジング30の底面30bとパッキンケーシング11のOリング収容溝15の内面に圧接し、パッキンケーシング11とコネクタハウジング30との間を確実にシールすることができ、この間を通って外部から水分がパッキン収納凹部12内に浸入するのを確実に防止することができる。
また、パッキン20の突部25のテーパ面25bを傾斜させているので、このテーパ面25bとパッキン収容孔37のテーパ面37aとの接触面積(すなわち、シール部の面積)を大きくすることができ、両テーパ面25b,37a間におけるシール性が高くなる。
また、パッキン20の下面22がパッキンケーシング11におけるパッキン収納凹部12の底面12aおよびブリッジ部14の上面に強く圧接されるので、パッキンケーシング11とパッキン20との間を確実にシールすることができ、この間を通ってパッキン収納凹部12からスタックハウジング内に水分が浸入するのを確実に防止することができる。
また、一つのパッキン20によって端子群3Aを構成する複数の端子3をまとめてシールすることができるので、コネクタユニット10の防水構造を簡単にすることができる。また、端子3の位置決めが容易に且つ正確に行えるので、端子3とコネクタ39の接続を容易に行うことができる。
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、パッキン20の突部25のテーパ面25bを周方向に稜線が生じないように曲面で繋いで形成するとともに、起立部28の側面28aを周方向に稜線が生じないように曲面で繋いで形成し、コネクタハウジング30のパッキン収容孔37も同様の形状にすることも可能である。このようにすると、パッキン20の起立部28(周壁部)は周方向に稜線がない形状となるため、パッキン20が圧縮変形したときのパッキン収容孔37への追従性が良好で、パッキン収容孔37に対する密着性を高くすることができ、シール性をさらに向上することができる。
また、前述した実施例では、総てのセパレータ2に端子3を設けているが、一部のセパレータ2だけに端子3を設けてもよい。
2 セパレータ
3 端子
11 パッキンケーシング
12 パッキン収納凹部
13 貫通孔
20 パッキン
21 貫通孔
22 下面
25 突部(上面)
25a 頂部
28 起立部(周壁部)
28a 側面
29 膨出部
30 コネクタハウジング(コネクタ部材)
37a テーパ面(押圧面)
37b 膨出部(押圧面)
37c 平坦面(押圧面)
Claims (4)
- 複数積層されたセパレータを備える燃料電池スタックであって、
任意の複数の前記セパレータから延びる端子と、
下面から上面に貫通し前記各端子を個別に挿通させるための複数の貫通孔を有するとともに各貫通孔毎に独立の周壁部を有するパッキンと、
上側が開口していて前記パッキンの側面および下面を包囲し且つ前記パッキンの下面を支持するパッキン収納凹部を有するとともに前記端子を挿通させるための貫通孔を有するパッキンケーシングと、
前記パッキンケーシングの上に配置され前記パッキンにおける前記各周壁部の上面および側面を押圧する押圧面を有するコネクタ部材と、
を備え、
前記周壁部の側面と該側面を押圧する前記押圧面の少なくともいずれか一方には他方側に膨出して該他方に圧接する膨出部が設けられ、
前記パッキンの貫通孔の内面と前記端子の外面が隙間なく接触していることを特徴とする燃料電池スタック。 - 前記パッキンが押圧される前から、前記パッキンの貫通孔の内面と前記端子の外面が隙間なく接触していることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池スタック。
- 前記パッキンにおける前記周壁部の上面には前記貫通孔の開口周縁を頂部とする山形形状の突部が設けられ、該上面に対する前記押圧面は前記突部の山形形状に沿う形状をなしていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池スタック。
- 前記パッキンにおける前記周壁部は周方向に稜線を有しないことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池スタック。
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