JP2007220338A - 燃料電池スタックのセル電圧測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】セル電圧モニタ用コネクタの脱落を防止しながらコネクタを小型化する。
【解決手段】本発明における燃料電池スタック22のセル電圧測定装置は、膜電極接合体(12)を両側からセパレータ(10、11)によって挟持することで構成されるセルを複数積層して両側から押圧することで燃料電池スタック(22)を構成し、セルの電圧を測定するためのコネクタ(4)がセパレータ(10、11)に接続される燃料電池スタック(22)のセル電圧測定装置において、コネクタ(4)は、隣接するセルの対向するセパレータ(10、11)の間であって、燃料電池スタック(22)の外部に開放するように設けられる間隙(19)に挿入される。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池スタックのセル電圧測定装置におけるコネクタ及びコネクタ接続部に関するものである。
燃料電池スタックにおいて、積層した各セルの運転状態を確認するためにセル電圧をモニタすることが知られている。例えば特許文献1には、電圧モニタ用のコネクタをクリップ状に成型してセパレータの端部に噛み込ませることで接触面圧を確保し、さらにコネクタの脱落を防止しようとするものが記載されている。
特開2002−352820公報
上記の従来技術ではコネクタがセパレータに噛みこむ力をコネクタのクリップ形状によって生じさせているので、噛みこみ力を大きくするためにはクリップ部を大きくする必要がある。しかし、各コネクタ間の干渉を防止するためにクリップ部の大きさはセルピッチの範囲内に制限され、さらに、燃料電池スタックの小型化に対する要請によりセルピッチを小さくするとコネクタのクランプ部を小さくする必要があるので、コネクタをかみ込ませる際のクランプ部の弾性変形量が小さくなって十分な噛みこみ力を得ることができず、コネクタが脱落する可能性がある。
本発明は、セル電圧モニタ用コネクタの脱落を防止しながらコネクタを小型化することを目的とする。
本発明の燃料電池スタックのセル電圧測定装置は、膜電極接合体を両側からセパレータによって挟持することで構成されるセルを複数積層して両側から押圧することで燃料電池スタックを構成し、セルの電圧を測定するためのコネクタがセパレータに接続される燃料電池スタックのセル電圧測定装置において、コネクタは、隣接するセルの対向するセパレータの間であって、燃料電池スタックの外部に開放するように設けられる間隙に挿入される。
本発明によれば、コネクタは隣接するセルの対向するセパレータの間に挿入され、燃料電池スタックを両側から押圧することでセパレータによって挟まれるので、簡素な構造でコネクタが脱落することを防止できる。
以下では図面等を参照して本発明の実施の形態について詳しく説明する。図1は従来技術の場合においてセル電圧モニタ用コネクタが装着された燃料電池スタック22の一部を示す概略構成図である。図2は本実施形態においてセル電圧モニタ用コネクタが装着された燃料電池スタック22の一部を示す概略構成図である。図1、図2は燃料電池スタック22の構成がほぼ同一であり、コネクタ4及びコネクタ4の接続部の構成が異なる。なお、コネクタ4とは本実施形態ではセル電圧を測定するために設けられるコネクタ4である。
初めにコネクタ4及びコネクタ4接続部以外の燃料電池スタック22の構成について説明する。本実施形態の燃料電池スタック22は、単位セルを複数積層して両側からそれぞれコレクタプレート2、9及びエンドプレート1、8によって挟持することで構成される。さらに燃料電池スタック22は、一方のエンドプレート8とその外側に近接するプレッシャプレート7との間に配設されるスプリング6の付勢力によって締め付けられる。
単位セルは、ガス拡散層を電解質膜の両面に設けて形成される膜電極接合体(以下「MEA」という)を一方の面からアノードセパレータ10、他方の面からカソードセパレータ11によって挟持することで構成される。
アノードセパレータ10は、MEA12と対向する面にアノードガスを流通させるアノードガス流路16を有し、隣接するセルのカソードセパレータ11と対向する面に燃料電池スタック22を冷却する冷却水を流通させる冷却水流路14を有する。カソードセパレータ11は、MEA12と対向する面にカソードガスを流通させるカソードガス流路15を有し、隣接するセルのアノードセパレータ10と対向する面に燃料電池スタック22を冷却する冷却水を流通させる冷却水流路14を有する。また、アノードガス及びカソードガスが燃料電池スタック22の外部へ漏出しないように、各セパレータの端部付近には積層方向にわたってシールラバー13が設けられる。
燃料電池スタック22は以上のように構成され、MEA12を挟んでアノードガスとカソードガスとが化学反応することで各セルごとに電圧を生じる。各セパレータ10、11は導電性であり、隣接するセル間でアノードセパレータ10からカソードセパレータ11へと電子が流れる。また、各セルの電圧をモニタするためにセルごとにコネクタ4が接続される。
ここで、コネクタ4及びコネクタ4の接続部について図1を参照しながら従来技術の場合について説明する。
各セパレータ10、11は、その端部において燃料電池スタック22から外側へと突出する突出部17を有し、突出部17は一部に凸部18を有する。この突出部17がコネクタ4の接続部であり、隣接するセルのアノードセパレータ10とカソードセパレータ11とが一体となって形成される。
コネクタ4は、突出部17を挟むようにクリップ状に形成され、ハーネス5に接続される。さらに隣り合うコネクタ4の間で通電しないように、非導電性部材によって構成される絶縁キャップ3がコネクタ4の側部に設けられる。
コネクタ4を突出部17の凸部18を乗り越えるまで差し込むことでコネクタ4を突出部17に接続しているが、絶縁キャップ3を含むコネクタ4の大きさはセルピッチの範囲に収まるよう制限されるのでコネクタ4の噛みこみ力を大きくすることは困難である。
そこで本実施形態ではコネクタ4及びコネクタ4の接続部を図2に示すように構成した。
各セパレータ10、11は弾性材料で構成され、その端部において各セパレータ10、11の間にコネクタ4の接続部としての空間19を形成するように各MEA12側へと屈曲する。コネクタ4の接続部において、アノードセパレータ10は平面状に形成され、カソードセパレータ11は曲面状の凸部20を有するように形成される。
コネクタ4は、導電性部材によって平板状に形成され、ハーネス5に接続される。コネクタ4の側面のうち、アノードセパレータ10と接触する面は平面状に形成され、カソードセパレータ11と接触する面は凸部20を嵌めるような凹部21に形成される。また、隣り合うコネクタ4の間で通電しないように、非導電性部材によって構成される絶縁キャップ3がコネクタ4の側部の一部に設けられる。
コネクタ4を各セパレータ10、11の間に設けられる接続部としての空間19に挿入するとカソードセパレータ11の凸部20とコネクタ4の凹部21とが嵌合する。さらに、接続部としての空間19は各セパレータ10、11の間に設けられるので、スプリング6によって燃料電池スタック22が締め付けられることでコネクタ4と各セパレータ10、11との間の接触力を大きく保つことができる。
以上のように本実施形態では、コネクタ4は隣接するセルの対向するアノードセパレータ10とカソードセパレータ11との間に挿入され、燃料電池スタック22を両側から押圧することでアノードセパレータ10とカソードセパレータ11とによって挟まれるので、燃料電池スタック22自身の構造によってコネクタ4と各セパレータ10、11との接触面圧を大きくすることができ、コネクタ4は各セパレータ10、11の間に挟むだけなので小型化することができ、新たな部材を設けることなく簡素な構造でコネクタ4の脱落を防止できる。
また、燃料電池スタック22を締め付ける力によるコネクタ4と各セパレータ10、11との接触面圧は、コネクタ4をクリップ形状として得られる接触面圧よりも大きいので、コネクタ4の脱落をより確実に防止できる。
また、アノードセパレータ10及びカソードセパレータ11は弾性材料によって構成されるので、コネクタ4に弾性を持たせることなくコネクタ4と各セパレータ10、11との摩擦力を大きく保持でき、コネクタ4を小型化することができる。
さらに、コネクタ4の接続部においてカソードセパレータ11は曲面上の凸部20を有するように形成され、コネクタ4の側面のうち、カソードセパレータ11と接触する面は凸部20を嵌めるような凹部21を有するので、カソードセパレータ11の凸部20とコネクタ4の凹部21とが嵌合することでコネクタ4は各セパレータ10、11間により強く保持され、コネクタ4の脱落をさらに防止できる。
さらに、コネクタ4の接続部においてアノードセパレータ10は平面状に形成され、コネクタ4の側面のうち、アノードセパレータ10と接触する面は平面状に形成されるので、アノードセパレータ10とコネクタ4との接触面積が大きくなって電気抵抗を低減することができ、電圧の測定精度の低下を防止できる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能である。
従来技術の場合におけるセル電圧モニタ用コネクタを接続した燃料電池スタックの一部を示す概略構成図である。 本実施形態におけるセル電圧モニタ用コネクタを接続した燃料電池スタックの一部を示す概略構成図である。
符号の説明
1 エンドプレート
2 コレクタプレート
3 絶縁キャップ
4 コネクタ
5 ハーネス
6 スプリング
7 プレッシャプレート
8 エンドプレート
9 コレクタプレート
10 アノードプレート
11 カソードプレート
12 MEA
13 シールラバー
14 冷却水流路
15 カソードガス流路
16 アノードガス流路
17 突出部
18 凸部
19 空間
20 凸部
21 凹部
22 燃料電池スタック

Claims (4)

  1. 膜電極接合体を両側からセパレータによって挟持することで構成されるセルを複数積層して両側から押圧することで燃料電池スタックを構成し、前記セルの電圧を測定するためのコネクタが前記セパレータに接続される燃料電池スタックのセル電圧測定装置において、
    前記コネクタは、隣接する前記セルの対向する前記セパレータの間であって、前記燃料電池スタックの外部に開放するように設けられる間隙に挿入されることを特徴とする燃料電池スタックのセル電圧測定装置。
  2. 前記セパレータは弾性材料によって構成されることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池スタックのセル電圧測定装置。
  3. 前記間隙において対向する前記セパレータにそれぞれ凸部を設け、前記コネクタの前記凸部と接触する面に前記凸部と嵌合する凹部を設けることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池スタックのセル電圧測定装置。
  4. 前記間隙において対向する前記セパレータのうちの一方に凸部を設け、他方は平面状に形成し、前記コネクタの前記凸部と接触する面に前記凸部と嵌合する凹部を設け、前記コネクタの他方の面は平面状に形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池スタックのセル電圧測定装置。
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