JP4566541B2 - 低温履歴インジケーター - Google Patents

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本発明は、冷凍・冷蔵荷物の運搬に際し、荷物の保存温度が冷凍・冷蔵に不適な高温状態になったか否かの温度履歴を容易に確認できる低温インジケーターに関する。
近年、冷凍あるいは冷蔵した状態で配送される荷物が一段と増加し、これらの荷物を配達先まで予め決められた低温に保ちながら運搬する宅配便などの配送手段が広く普及しつつある。このような配達手段においては、例えば集荷元の冷凍・冷蔵施設から配送車へ荷物を積み込む場合、配送車間で荷物を積み替える場合、あるいは配送車から荷物を取り出し配達先へ配達する場合、冷凍・冷蔵状態を保つべき荷物は、直射日光による高温雰囲気や室温雰囲気に曝される場面に遭遇せざるを得ない。
また、製造後、無事に冷凍・冷蔵状態を保ちながら配達先に届けられた荷物についても、その荷物は冷凍・冷蔵状態が維持されることが求められる。例えば、荷物の中身が食品や医薬品であれば、内容物の変質や雑菌の繁殖などが発生し、その本来の品質が損なわれる恐れがあり、極端な場合は食中毒や医療事故などを誘発しかねない。このような温度管理が求められるものとしては、食品や医薬品の他に、化学関係や写真関係で用いられる各種薬品などが挙げられる。
上記温度管理が正常に行われているか否かを簡便に確認する方法として、以下に示す方法が提案されている。
(1)脂溶性色素を溶解した炭素数7〜15の高級アルコールの1種または2種以上を非イオン系界面活性剤および水によって乳化してなる乳化液を密封容器に充填してなる保存温度管理用インデイケーターが開示されている(特許文献1:ミドリ十字)。かかる構成によれば、通常の温度条件下では、乳化液は外観上は色素の色調が抑えられ、不透明な乳白色を呈する。乳化液が氷結する温度以下にすると、一旦はそのまま全成分が凝固し、再び融解したとき、粗大化した乳化粒子は浮上し、色素の濃い色調を有した油滴または油層が上層へ浮上し、水層と油滴または油層とに分離される。よって、このような変化が認められたインデイケーターを含む包装内の物品は劣化している恐れがあるとして使用時に注意を促すことができる。
(2)ポリオレフィン・フィルムおよび水溶性染料を含有する白色系油性インキを印刷したポリオレフィン・フィルムの間に、寒天水性ゲルを含浸したポリオレフィン不織布、さらに必要に応じてポリオレフィン不織布を重ね、周辺を接着して得られる構造を特徴とする冷凍食品の温度表示用シートが開示されている(特許文献2:東洋インキ)。この構造を採ることにより、冷凍操作以前においては、水溶性染料は白色系油性インキ中に含有され発色しないが、一旦冷凍された後、内容物の温度が解凍される温度に上昇するとき、不織布の微細な孔を通して浸出する水によって、前記の水溶性染料が溶解して白色系油性インキ印刷面が着色して、温度表示用シートを貼付した物品の温度変化を指示することができる。
(3)基材シートの片面に有機キレート発色剤を有する粘着剤層を設けた第一ラベル用シート、他の基材シートの片面に前記有機キレート発色剤と反応して発色し得る金属化合物を有する粘着剤層を設けた第二ラベル用シート、及び、第一ラベル用シートの粘着剤層と第二ラベル用シートの粘着剤層との間に配される多孔質シートからなり、第一ラベル用シートの粘着剤層、第二ラベル用シートの粘着剤層及び多孔質シートの少なくとも1つに温度制御剤を含有させたことを特徴とする温度管理ラベルが開示されている(特許文献3:リンテック)。かかる構成によると、所望の温度になると温度制御剤が流動し、その流動に伴って有機キレート発色剤又は金属化合物を多孔質シート内を移動させてお互いに接触させ、反応させて不可逆的に発色させ、その発色を検知することにより、この温度管理ラベルを貼付した物品の保存温度が所定温度以上になったか否かの温度履歴を検知することができる。
上述した従来の方法には、以下に示すような課題があった。
第一には、近年、環境ホルモンであることが知られてきている、非イオン性界面活性剤を使用することから、食品や医薬品などに貼付して用いる場合、その安全性を確保することが難しい。
第二には、高級アルコールを用いているため、誤って漏洩した場合には、悪臭が発生することから、特に食品分野での使用は望ましくない。
第三には、有機キレート発色剤又は金属化合物を多孔質シート内を移動させてお互いに接触させ、反応させて不可逆的に発色させる方法においては固体である多孔質シートが必須構成のため、外力が加わった際にその構造が損なわれる恐れがあり、搬送中の物品に貼付する際にはその取り扱いに注意を要する。また、使用前に貼り合わせる必要があることから、取り扱いの自由度が狭い。
特開昭57−37227号公報 特開平7−49656号公報 特開平7−286914号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、外部環境への影響が小さく安全な物質を使用し、荷物の保存温度が冷凍・冷蔵に不適な高温状態になったか否かの温度履歴を検知することができ、かつ、外力に影響されにくい構成を備えてなる低温履歴インジケーターを提供することを目的とする。
本発明に係る低温履歴インジケーターは、密封容器内に、氷点下において凝固した乳化液を備え、前記乳化液は昇温により相分離するとともに、前記乳化液は、水、脂肪酸および、脂肪酸ナトリウム又は脂肪酸カリウムから構成されていることを特徴としている。
かかる構成の低温履歴インジケーターであれば、外部と遮断された空間を有する密封容器内に、雰囲気あるいは貼付された荷物の温度が氷点下にあるとき凝固した状態を維持する不透明な乳化液が配されており、この乳化液は氷点を越えるような温度域に昇温した際には、乳化状態から分離状態に相変化し、不透明な油相と透明な水相に分かれる、いわゆる相分離を起こす。
ゆえに、このような状態変化、すなわち油相と水相に区分された状態あるいは発色を検知することにより、この低温履歴インジケーターを貼付した物品の保存温度が氷点を越えるような温度以上になったか否かの温度履歴を容易かつ確実に検知することができる。
また、上記低温履歴インジケーターでは、密封容器内には氷点下において凝固した乳化液のみを収納しており、外力により破壊される恐れのある構造体は一切含まれていない。よって、乳化液の相分離の前後に関わらず、密封容器が破壊されない範囲であれば、外力の影響を受けることなく、温度履歴の検知を安定して行うことができる。
前記乳化液は、水、脂肪酸および脂肪酸ナトリウムから構成されているものが好ましい。脂肪酸とは、カルボキシル基(COOH)を1個もつ鎖式化合物、すなわち鎖式モノカルボン酸の総称である。低級の(炭素数の少ない)脂肪酸は刺激臭と酸味をもち水に可溶であるが、高級の(炭素数の多い)脂肪酸は不溶となる傾向をもつ。これら3者の割合や、脂肪酸および脂肪酸ナトリウムの材料を適宜選択することにより、保存温度が氷点を越えて上記相分離が生じる温度や、上記相分離が開始されるまでの時間などを調整することができるので、物品の保管状態や運搬形態に合わせた低温履歴インジケーターの提供が可能となる。
前記脂肪酸をケン化しながら乳化する場合、ケン化率によって乳化安定性を制御できる。特に、このケン化率を0.5%以上10%以下の範囲に設定した場合には、常温で保存するときの乳化が安定することから好ましい。
前記脂肪酸としては、例えばオレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ヘプタン酸、オクタン酸などが挙げられる。中でも、オレイン酸、リノール酸若しくはリノレン酸から選択される1種又は2種以上の混合物が好適である。オレイン酸、リノール酸若しくはリノレン酸を用いた場合、仮にこれらが密封容器から外部に漏洩したとしても、周囲に強い悪臭等を放つことが無いので、保管中の物品に臭いが移ったり、あるいは保管環境に影響を及ぼしてしまい、物品等の商品的な価値を損ねる恐れがないことから芳しい。
本発明に係る低温履歴インジケーターは、密封容器と、その内部に氷点下において凝固した乳化液とを備えており、前記乳化液は昇温により相分離する構成としたことにより、この低温履歴インジケーターを荷物に貼付するだけで、その荷物の保存温度が冷凍・冷蔵に不適な高温状態になったか否かの温度履歴、すなわち低温状態にあるべき荷物が所定の温度以下の条件で保管され続けたか否かを容易に検知できる。また、密封容器には何ら構造体は含まれていないので、外力による破壊されにくいので、安定して作動する低温履歴インジケーターの提供が可能となる。
よって、本発明は、製造後、冷凍・冷蔵状態を保ちながら配達先に届けられることが求められている荷物、例えば冷凍・冷蔵食品、血液や臓器も含めた医薬品、化学関係や写真関係で用いられる各種薬品などの運搬において、その荷物の保存温度が冷凍・冷蔵に保たれていたのか、それとも不適な高温状態に曝された履歴があるのか、簡易かつ簡便に判別し、その荷物の品質を保証することに寄与する。
以下、実施の形態に基づいて本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明に係る低温履歴インジケーターの一例を示す模式的な断面図であり、図1(a)は氷点下において凝固した乳化液2が密封容器1内に収納された状態を、図1(b)は氷点下において凝固していた乳化液が昇温により相分離した状態を、それぞれ表している。相分離によって体積の変動が生じてもその影響を受けないようにするために、例えば空気などの気体3を密封容器1内に封入しておいても構わない。
本発明の低温履歴インジケーターは、密封容器1内における乳化液2の相分離を利用したものであり、氷点下において凝固した状態にあり色調が白色の乳化液2が、昇温して特定の温度(乳化液2を構成する脂肪酸及び脂肪酸ナトリウムの融点)以上にある雰囲気に暴露され続けた時、相分離し、これに応じて乳化液2が透明な水相4と不透明な油相5とに分かれる。このように相分離した状態を、例えば目視やセンサにより光学的に識別することで、この低温履歴インジケーターが貼付された荷物が、設定した以上の高温にどの程度の期間曝されたのかを判別できる。
密封容器1としては、乳化液2が相分離した様子を光学的に確認できる材質からなるものが好ましく、ガラスやプラスチックが好適である。その形態は限定されるものではないが、例えば管状、板状、フィルム状、球状などが挙げられる。なお、相分離を確認するだけなら、水相4と油相5の境界付近のみ透明な材質とし、他は光学的に不透明な金属などを用いた構成としても構わない。
特に、フィルム状のプラスチックを用いた場合は、荷物の外形に沿って貼付することができ、さらには外力が加わった際に密封容器1自身が柔軟に変形してその影響を回避することが可能なので望ましい。密封容器1を容易に荷物に貼付するため、粘着物からなる接着シートを密封容器1は備えても構わない。
また、相分離後に透明となる水相4の性質を利用する技術としては、目視あるいはセンサで水相4を確認する際に、水相4の向こう側に識別記号や文字を配置してその下地の情報を読み取ったり、または鏡面を設けることによって反射光を捉えて識別することで、相分離が生じたか否かを正確にかつ定量的に確認することも可能である。
乳化液2の乳化形態は、水中油型(水分の中に油分が均一に分散したもの:O/W型)、油中水型(油分の中に水分が均一に分散したもの:W/O型)の何れであっても良い。油相と水分の割合(油相:水相)としては、5:95〜95:5が適当であり、好ましくは40:60〜60:40の範囲が良い。
相分離して得られる油相5としては、零度近傍または、それ以下の融点をもち、15℃程度の水(水相4)と相分離する脂肪酸が好適に用いられる。融点の異なる脂肪酸を単独または、2種以上を混合して用い、融点の制御を行っても構わない。このような脂肪酸としては、例えばオレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ヘプタン酸、オクタン酸などが挙げられる。中でも、オレイン酸、リノール酸若しくはリノレン酸から選択される1種又は2種以上の混合物が好適である。オレイン酸、リノール酸若しくはリノレン酸は無臭であることから、密封容器から外部に漏洩した際にも周囲への影響が無いので望ましい。
オレイン酸[oleic acid]、CH(CHCH=CH(CHCOOH は、無色無臭の油状液体であり、その融点は13.3℃である。
リノール酸[linoleic acid,linolic acid]、CH(CHCH=CHCHCH=CH(CHCOOHは、黄色の油状液体であり、その融点は−5.2〜−5.0℃である。
リノレン酸[linolenic acid]、CHCHCH=CHCHCH=CHCHCH=CH(CHCOOHの融点は−11.3〜−11.0℃である。
ヘプタン酸エチル (ethyl heptanoate),
ヘプタン酸[heptanoate acid]、CH(CHCOOHの融点は−7.46℃であり、水に溶けにくい油状物質である。
オクタン酸[octanoic acid]、CH(CHCOOHは、無色の葉状結晶である。その融点は16.5℃であり、水にほとんど不溶である。
以下、本発明を、さらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
本例に係る乳化液は、脂肪酸と脂肪酸ナトリウムに水を加えたものを、混練装置(特殊機化工業製、T.K.ロボミックス)に入れて、例えば12000rpm、5分間、常温にて混練することにより乳化させた。ここでは、脂肪酸としてオレイン酸を、脂肪酸ナトリウムとしてオレイン酸ナトリウム(オレイン酸Naとも表記)を用い、オレイン酸Naの比率を0.3%〜15%の範囲で変えた乳化液を作製した。
乳化液をガラス瓶に入れ、冷凍庫(−15℃)に4時間以上放置した後、室温(25℃)にて約30分放置したものの状態A(相分離の有無)を目視で観察した。また、乳化液をガラス瓶に入れ、室温で1日、1週間静置したものの状態B(相分離の有無)を目視で観察し安定性を調査した。表1にその結果を示す。表2において、◎印は明確に相分離が確認された場合を、○印は相分離が確認された場合を、×印は相分離が確認されなかった場合を、*印は固化しており相分離が確認されなかった場合を、それぞれ表している。
Figure 0004566541
表1から、以下の点が明らかとなった。
(a1)オレイン酸Naが0.3%の場合、零下から室温への温度変化時に相分離が確認されたが、室温で放置した際にも相分離が生じることから芳しくない(試料1)。また、オレイン酸Naが15%の場合は、室温放置でも固化してしまい相分離が確認されなかった(試料7)。
(a2)これに対して、オレイン酸Naが0.5%〜10%の範囲にあれば、零下から室温への温度変化時に相分離が生じ、室温放置では変化が見られなかった(試料2〜6)。
(a3)特に、オレイン酸Naが1%〜5%の場合、相分離が明確に視認された(試料3〜5)。
以上の結果より、水、脂肪酸および脂肪酸ナトリウムから構成されている乳化液は、氷点下において凝固した状態をなし、昇温により相分離することから、低温履歴インジケーター用の乳化液として好ましいことが分かった。上述した結果は、脂肪酸ナトリウムに代えて脂肪酸カリウムを用いても同様であった。したがって、脂肪酸に対する脂肪酸ナトリウムまたは脂肪酸カリウムの割合は0.5%以上10%以下が適当であり、より好ましくは1%以上5%以下の範囲であることが分かった。
(実施例2)
本例では、実施例で用いたオレイン酸の他に、脂肪酸としてリノレン酸、ヘプタン酸、リノール酸、カプリル酸を用いた乳化液について検討した。その際、乳化液は、個々の脂肪酸に水酸化ナトリウムと水を加えたものを、混練装置(特殊機化工業製、T.K.ロボミックス)に入れて、例えば12000rpm、5分間、常温にて混練することにより乳化させた。
それぞれの乳化液をガラス瓶に入れ、冷凍庫(−5℃)に4時間以上放置した後、室温(25℃)にて約30分放置したものの状態C(相分離の有無)と、冷凍庫(−10℃)に4時間以上放置した後、室温(25℃)にて約30分放置したものの状態D(相分離の有無)と、を目視で観察した。また、乳化液をガラス瓶に入れ、室温で1日、1週間静置したものの状態E(相分離の有無)を目視で観察し安定性を調査した。表2にその結果を示す。さらに、表2には各試料で用いた脂肪酸の融点も示した。
Figure 0004566541
表2から、以下の点が明らかとなった。
(b1)何れの試料も、室温で放置した際には相分離が生じないことが分かる。
(b2)冷凍庫の設定温度を−5℃あるいは−10℃に変えると、相分離が発生するか否かは試料により異なる。
(b3)融点が−5℃より低い試料8、9は、冷凍庫の設定温度が−5℃の場合には相分離せず、−10℃の場合のみ相分離が確認された。
(b4)融点が−5℃以上の試料10〜12は、冷凍庫の設定温度が−10℃の場合のみならず、−5℃の場合にも相分離が確認された。上記した結果は、NaOHをKOHに代えた時も同様であった。
以上の結果より、融点の異なる脂肪酸を用いることにより、示温範囲の異なる低温履歴インジケーターが得られることが分かった。また、脂肪酸ナトリウムに代えてNaOHを加え、脂肪酸をケン化しつつ乳化しても、脂肪酸ナトリウムを用いた場合と同様な乳化安定性が得られることが確認された。ゆえに、脂肪酸ナトリウムより安価なNaOHやKOHを代替材料として利用できることが明らかとなった。
本発明に係る低温履歴インジケーターは、密封容器に収納され、氷点下において凝固した乳化液が、氷点より高い温度域まで昇温した際に相分離する現象を利用することにより、保存温度が冷凍・冷蔵に不適な高温状態になったか否かの温度履歴を視覚的に識別が容易な形態で表示できる。
したがって、本発明の低温履歴インジケーターを、製造後、冷凍・冷蔵状態を保ちながら配達先に届けられることが求められている荷物に貼付するだけで、運搬中に、その荷物の保存温度が冷凍・冷蔵に保たれていたのか、それとも不適な高温状態に曝された履歴があるのか、簡易かつ簡便に判別できるので、本発明は宅配便などによる荷物の運搬業務における適正な温度管理に寄与する。
本発明に係る低温履歴インジケーターの一例を示す模式的な断面図である。
符号の説明
1 密封容器、2 乳化液、3 気体、4 水相、5 油相。

Claims (3)

  1. 密封容器内に、氷点下において凝固した乳化液を備え、前記乳化液は昇温により相分離するとともに、
    前記乳化液は、水、脂肪酸および、脂肪酸ナトリウム又は脂肪酸カリウムから構成されていることを特徴とする低温履歴インジケーター。
  2. 乳化時にアルカリによって前記脂肪酸がケン化され、前記脂肪酸ナトリウム又は前記脂肪酸カリウムを生成する際のケン化率は、0.5%以上10%以下であることを特徴とする請求項1に記載の低温履歴インジケーター。
  3. 前記脂肪酸は、オレイン酸、リノール酸若しくはノレン酸から選択される1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の低温履歴インジケーター。
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