JP4566524B2 - 無線通信システム、無線通信装置、無線通信端末 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信システムに係り、特に、無線通信装置に接続されているユーザが使用する無線通信端末がインターネットにアクセスする場合に、無線通信装置が公衆無線通信ネットワークを使用する無線通信システム、無線通信装置、無線通信端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話や無線LAN(Local Area Network)など、各種の無線通信システムが一般に普及しており、そのアクセス性のよさから広く利用されている。例えば、家庭内LANが無線LANで簡易に構築されたり、外出先で携帯電話を使用して電子メールをやり取りしたり、インターネット上のホームページを閲覧したりすることが日常的に行われている。
【0003】
また、バスや電車などの比較的長時間の乗車がなされる車両内での無線LANサービスが検討されている。この無線LANサービスを実現するための無線通信システムでは、移動する車両内に無線基地局としての無線LAN用の無線通信装置を設置して無線LANを構築する。さらに、該無線通信装置は、インターネット等の外部とのアクセス方法として、公衆無線通信ネットワークである携帯電話ネットワークと接続するための機能を有している。これにより、移動車両内にあるノート型パーソナルコンピュータなど、ユーザが使用する無線LAN等の端末から、無線通信装置及び公衆無線通信ネットワークを介してインターネットに接続することができる。
この公衆無線通信ネットワークとして、セルラーシステム、PHSシステム等が挙げられるが、特に高速無線通信システムとしてはcdma2000 lxEV-DO方式を用いたシステムが知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−300644号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の無線通信システムである例えば無線LANでは、以下に示す問題がある。
無線通信装置と公衆無線通信ネットワークとの接続は、無線LAN端末からインターネット上のWEBサーバなどの外部に対しアクセスがあった場合に、必要に応じて行われる。このため、無線LAN端末が例えばあるホームページへのアクセスを要求すると、無線通信装置は、先ず公衆無線通信ネットワークとの接続を開始し、この接続が完了してから目的のホームページへのアクセスを開始する。しかしながら、移動車両から公衆無線通信ネットワークへ接続する場合、無線伝搬環境が変動する等の理由により、その接続に長時間を要することがある。特に、PPP(Point to Point Protocol)が使用される公衆無線通信ネットワーク、例えばPHS(Personal Handyphone System)や、「cdma2000 lxEV-DO」と呼ばれる符号分割多元接続(CDMA;Code Division Multiple Access)方式のネットワークでは顕著となる。
【0006】
このため、公衆無線通信ネットワークへの接続が完了する前に、無線LAN端末側のアプリケーション(ブラウザ)でホームページへのアクセス時におけるタイムアウトの方が先に発生し、実際にはホームページへのアクセスが可能であるにもかかわらず無線LAN端末上に目的のホームページへのアクセスができない旨のメッセージが表示されることがある。これは、利用者にとっては公衆無線通信ネットワークへの接続が不可もしくは時間がかかっているのか、あるいは、本当に目的のホームページへアクセスできないのかが分からず、利用者に対して不安感を与えることとなり、非常に具合が悪い。さらに、無線LAN端末側ではアプリケーションのタイマーがタイムアウトしてホームページへのアクセスができないとの表示がされているのにもかかわらず、無線通信装置は公衆無線通信ネットワークにアクセスしてしまい、無駄であるという問題もある。
【0007】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、無線通信装置に接続されているユーザが使用する無線通信端末がインターネットにアクセスする場合に無線通信装置が公衆無線通信ネットワークを使用する無線通信システムにおいて、公衆無線通信ネットワークへの接続時における利用者の不安感を軽減することができる無線通信システムを提供することにある。
【0008】
また、本発明の他の目的は、その無線通信システムに使用される無線通信装置、無線通信端末を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の無線通信システムは、公衆無線通信ネットワークに接続された無線通信装置を介してユーザの使用する無線通信端末がデータ通信を行う無線通信システムにおいて、前記無線通信装置は、前記無線通信端末と無線通信を行う第一の無線通信手段と、前記公衆無線通信ネットワークと無線通信を行う第二の無線通信手段と、前記無線通信端末から第一の無線通信手段を介してサーバヘのアクセス要求を受信すると、前記第二の無線通信手段を介して接続される前記公衆無線通信ネットワークとの接続状況を検出する検出手段と、当該アクセス要求に応じて検出した接続状況情報を前記第一の無線通信手段を介して前記無線通信端末に送信制御する制御手段と、前記公衆無線通信ネットワークと未接続の場合に、前記受信したアクセス要求を記憶する記憶手段と、前記公衆無線通信ネットワークとの接続が成功すると、前記記憶手段に記憶しているアクセス要求を前記第二の無線通信手段を介して送信する送信手段と、を備え、前記無線通信端末は、前記無線通信装置と無線通信を行う第三の無線通信手段と、該第三の無線通信手段を介してサーバヘのアクセスを要求する要求手段と、該要求手段のアクセス要求に応じて、前記第三の無線通信手段を介して受信した前記接続状況情報をユーザに報知する報知手段と、を備えたことを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の無線通信システムにおいては、前記無線通信端末は、前記無線通信装置に対して前記公衆無線通信ネットワークとの接続状況を要求する要求手段を備え、前記制御手段は、前記要求手段からの要求に基づいて前記接続状況情報を前記第一の無線通信手段を介して前記無線通信端末に送信することを特徴としている。
【0013】
請求項3に記載の無線通信装置は、ユーザの使用する無線通信端末からサーバヘのアクセス要求に基づいて公衆無線通信ネットワークに接続し前記サーバとのデータ通信を可能にする無線通信装置において、前記無線通信端末と無線通信を行う第一の無線通信手段と、前記公衆無線通信ネットワークと無線通信を行う第二の無線通信手段と、前記無線通信端末から第一の無線通信手段を介して前記サーバへのアクセス要求を受信すると、前記第二の無線通信手段を介して接続される前記公衆無線通信ネットワークとの接続状況を検出する検出手段と、当該アクセス要求に応じて検出した接続状況情報を前記第一の無線通信手段を介して前記無線通信端末に送信制御する制御手段と、前記公衆無線通信ネットワークと未接続の場合に、前記受信したアクセス要求を記憶する記憶手段と、前記公衆無線通信ネットワークとの接続が成功すると、前記記憶手段に記憶しているアクセス要求を前記第二の無線通信手段を介して送信する送信手段と、を備えたことを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載の無線通信装置においては、前記制御手段は、前記無線通信端末からの前記公衆無線通信ネットワークとの接続状況に関する要求に基づいて前記接続状況情報を前記第一の無線通信手段を介して前記無線通信端末に送信することを特徴としている。
【0017】
請求項5に記載の無線通信端末は、公衆無線通信ネットワークに接続された無線通信装置を介してサーバとのデータ通信を行う無線通信端末において、前記無線通信装置と無線通信を行う無線通信手段と、該無線通信手段を介して前記サーバヘのアクセスを要求する要求手段と、前記要求手段のアクセス要求に応じて、前記無線通信手段を介して前記無線通信装置から該無線通信装置と公衆無線通信ネットワークとの接続状況情報を受信すると、該接続状況情報をユーザに報知する報知手段と、を備えたことを特徴としている。
【0019】
請求項6に記載の無線通信端末においては、前記無線通信装置に対して該無線通信装置と公衆無線通信ネットワークとの接続状況情報を要求する接続状況要求手段を備え、前記無線通信手段は、前記接続状況情報を要求した際に、前記接続状況情報を受信することを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態による無線通信システム1の構成を示すブロック図である。図1において、符号1は無線LANシステムを示し、無線LAN端末2と無線通信装置3とから構成される。無線LAN1は、バスや電車などの移動する車両内に構築されている。この無線LAN1としては、例えば「IEEE802.11b」規格に準拠したものが利用可能である。
【0022】
無線LAN端末2は、無線LAN1の無線通信端末としての機能を有する。無線LAN端末2としては、例えば、ノート型パーソナルコンピュータや、PDA(Personal Digital Assistants:個人用情報機器)と称される携帯型の端末などが利用可能である。
【0023】
無線通信装置3は、無線LAN1の無線基地局及びサーバとしての機能を有する。各無線LAN端末2は、無線通信装置3と無線接続し、該無線通信装置3と通信可能である。また、各無線LAN端末2は、無線通信装置3と無線接続し、該無線通信装置3を介してインターネット等にアクセスすることができる。
【0024】
さらに、無線通信装置3は、公衆無線通信ネットワーク(以下、外部ネットワークと称する)である例えば携帯電話ネットワークと接続するための手段を有している。無線通信装置3は、携帯電話基地局4と無線接続し、該携帯電話基地局4との間で外部アクセス用無線通信回線101を確立する。携帯電話基地局4は、例えばPPPが使用される携帯電話ネットワークの無線基地局である。例えば、TDMA方式のPHSや、「cdma2000 lxEV-DO」と呼ばれるCDMA方式のネットワークの無線基地局である。外部アクセス用無線通信回線101は、PPPにより確立される。この外部アクセス用無線通信回線101が確立されると、無線LAN端末2は無線LAN1及び携帯電話ネットワークを介してインターネット5に接続することができる。これにより、無線LAN端末2は、例えば、インターネット5上のWEBサーバ6へアクセスすることができ、利用者は所望のホームページを閲覧することが可能となる。
【0025】
図2は、本発明の実施形態による無線LAN端末2の構成を示すブロック図である。図2において、無線LAN端末2は、無線LANアクセス部21と制御部22と記憶部23と表示部24と操作部25とを備える。
【0026】
無線LANアクセス部21は、無線通信装置3との間で無線信号を送受信する。制御部22は無線LANアクセス部21により送受信される信号を処理するとともに、無線LAN端末2の各部を制御する。記憶部23は、制御部22によりアクセスされ、各種データを記憶する。表示部24はLEDや液晶表示パネルなどの表示装置および表示制御回路から構成される。操作部25はキーボードなどの入力装置から構成される。
【0027】
制御部22は、電子メール機能やホームページの閲覧機能(WEBブラウザ機能)などの各種のネットワークサービス機能を有する。また、無線通信接続の状況を利用者に通知する手段として、無線通信装置3との無線接続の状況を表示部24に表示させる機能と、無線LAN1から外部ネットワークへの接続(外部アクセス用無線通信回線101の接続)の状況を表示部24に表示させる機能とを有する。
【0028】
図3は、本発明の第1の実施形態による無線通信装置3の構成を示すブロック図である。図3において、無線通信装置3は、無線LANアクセスポイント部31とモバイルターミナル部32と制御部33と記憶部34とWEBサーバ部35とを備える。
【0029】
無線LANアクセスポイント部31は、各無線LAN端末2との間で無線信号を送受信し、各無線LAN端末2毎に無線通信回線を確立してデータ通信を行う。モバイルターミナル部32は、外部ネットワークの携帯電話基地局4との間で無線信号を送受信し、外部アクセス用無線通信回線101を確立してデータ通信を行う。
【0030】
制御部33は、無線LANアクセスポイント部31及びモバイルターミナル部32によりそれぞれ送受されるデータを処理するとともに、無線通信装置3の各部を制御する。記憶部34は、制御部33によりアクセスされ、各種データを記憶する。WEBサーバ部35は、無線LAN端末2に提供するためのホームページを開設する。
【0031】
制御部33は、無線LAN端末2と無線LAN1外部との通信を中継する機能を有する。また、外部ネットワークとの無線接続の状況(状態)を無線LAN端末2へ通知する機能を有する。
【0032】
次に、図4〜図6を参照して、本発明の第1の実施形態による無線LAN1における通信制御に係る動作を説明する。図4は、上記図3の無線通信装置3が行う通信制御処理の流れを示すフローチャートである。図5,図6は、本発明の第1の実施形態による無線LAN1における通信制御処理の流れを示すシーケンスチャートである。
【0033】
図4において、無線通信装置3は、無線LAN端末2からアクセス要求(パケット)を受信すると、該パケットの宛先を参照し、宛先が外部ネットワークであるか否かを判断する(ステップS1)。ここで、宛先が外部ネットワークではない場合は、無線LAN1内の該当するサーバ(例えばWEBサーバ部35)へアクセスする(ステップS11)。
【0034】
ステップS1での判断の結果、宛先が外部ネットワークであった場合には、ステップS2へ進み、外部ネットワークとの接続状況を判断する。ここで、既に外部ネットワークと接続済みの場合は、外部ネットワークへのアクセス要求をモバイルターミナル部32を介して外部ネットワークへ送信する(ステップS10)。
【0035】
ステップS2での判断の結果、外部ネットワークと未接続の場合には、ステップS3へ進み、外部ネットワークとの接続を開始するとともに、無線LAN端末2から受信したアクセス要求を記憶部34に保存する(ステップS4)。
【0036】
次いで、該アクセス要求の送信元である無線LAN端末2に対して、外部ネットワークに接続中である旨のメッセージを返信する(ステップS5)。このメッセージを受信した無線LAN端末2は、該受信メッセージを表示する。これにより、利用者は、現在、外部ネットワークに接続中であることを認識することができる。
【0037】
次いで、無線通信装置3は、外部ネットワークとの接続処理が終了すると、記憶部34から、保存されているアクセス要求を読み出す(ステップS6、S7)。次いで、外部ネットワークとの接続が成功したか、あるいは失敗したかを判断する(ステップS8)。ここで、外部ネットワークとの接続が失敗した場合は、当該アクセス要求の送信元である無線LAN端末2に対して、外部ネットワークに接続不可である旨のメッセージを返信する(ステップS9)。このメッセージを受信した無線LAN端末2は、該受信メッセージを表示する。これにより、利用者は、無線通信装置3が外部ネットワークに接続することができなかったことを認識することができる。
【0038】
ステップS8での判断の結果、外部ネットワークとの接続が成功した場合には、無線通信装置3は、当該アクセス要求をモバイルターミナル部32を介して外部ネットワークへ送信する(ステップS10)。
【0039】
図5には、上述した無線LAN1における通信制御処理において、外部ネットワークへの接続が失敗した場合のシーケンスチャートが示されている。この図5の例では、無線LAN端末2がインターネット5上のWEBサーバ6へアクセス要求する(ステップS21)。このアクセス要求により、無線通信装置3は、携帯電話基地局4との間でPPP接続処理を開始する(ステップS22)とともに、該無線LAN端末2へ外部ネットワーク接続状況通知として「接続中」を送信する(ステップS23)。そして、該PPP接続が失敗すると(ステップS24)、無線通信装置3は、該無線LAN端末2へ外部ネットワーク接続状況通知として「接続失敗」を送信する(ステップS25)。これにより、無線LAN端末2では、初めに、外部ネットワークと接続中である旨のメッセージが表示されて、外部ネットワークと接続中であることが利用者に報知され、次いで、外部ネットワークとの接続に失敗した旨のメッセージが表示されて、外部ネットワークとの接続が失敗したことが利用者に報知される。
【0040】
図6には、上述した無線LAN1における通信制御処理において、外部ネットワークへの接続が成功した場合のシーケンスチャートが示されている。この図6の例では、上記図5と同様に、無線LAN端末2がインターネット5上のWEBサーバ6へアクセス要求する(ステップS21)。このアクセス要求により、無線通信装置3は、携帯電話基地局4との間でPPP接続処理を開始する(ステップS22)とともに、該無線LAN端末2へ外部ネットワーク接続状況通知として「接続中」を送信する(ステップS23)。そして、該PPP接続が成功すると(ステップS31)、無線通信装置3は、携帯電話ネットワークへWEBサーバ6へのアクセス要求を送信する(ステップS32)。これにより、無線LAN端末2からのWEBサーバ6へのアクセス要求が実行される。
【0041】
なお、無線通信装置3が、PPP接続の完了により、外部ネットワーク接続状況通知として「接続完了」を外部アクセス要求元の無線LAN端末2へ送信してもよい。これにより、外部アクセス要求元の無線LAN端末2では、外部ネットワークとの接続に成功した旨のメッセージが表示されて、外部ネットワークとの接続が成功したことが利用者に報知される。
【0042】
上述した第1の実施形態によれば、外部ネットワークとの接続状況が、外部アクセス要求元の無線LAN端末2へ通知されて利用者に報知されるので、利用者は外部アクセス時の接続状況を明確に認識することができ、外部ネットワークへの接続時における利用者の不安感が軽減される。この結果として、無線通信サービスに対する利用者からの信頼性が向上し、無線通信サービスの発展に寄与するという優れた効果が得られる。
【0043】
次に、第2の実施形態を説明する。この第2の実施形態では、無線通信装置3が、外部ネットワーク接続状況通知の際に、無線通信装置3に記憶しているWebページ(例えばHTMLドキュメント)を無線LAN端末2に送信し表示させる。図7は、本発明の第2の実施形態による無線通信装置3の構成を示すブロック図である。図7において、無線通信装置3には、上記図3の構成において、さらにWEBページ記憶部41が設けられている。WEBページ記憶部41は、Webページ(例えばHTMLドキュメント)を記憶している。このWEBページの目的は、1つは無線LAN端末2のブラウザ機能のタイムアウトを防止するものであり、1つは無線通信装置3が外部ネットワークに接続中であることを無線LAN端末2に示すためのものである。そして、制御部33は、上記図4のステップS5及びS9の外部ネットワーク接続状況通知の際に、該Webページを無線LAN端末2に送信する。そして、このWebページを表示させることで外部ネットワーク接続状況を表示させることができる。
なお、外部ネットワークに接続完了すると、アクセス要求したWebページを無線LAN端末2に送信する。
【0044】
このWebページのデータは、該アクセス要求元の無線LAN端末2で受信され表示される。また、該Webページのデータが受信されることにより、該無線LAN端末2では、WEBブラウザ機能の一つであるホームページへのアクセス時におけるタイムアウトの発生が防止される。これにより、無線通信装置3が外部ネットワークに接続している時は、利用者は外部アクセス時の接続状況を明確に認識することができるとともに、Webブラウザもタイムアウト表示しないので利用者の不安感が軽減されるとともに、外部ネットワークとの接続が完了すると、無線LAN端末2ではアクセス要求したWebページが表示される。
【0045】
図8は、外部ネットワークに接続中である旨のメッセージが表示されたWebページの構成例を示す図である。図8の例では、無線LAN端末2の表示部24に無線通信装置3が記憶するWebページ画面201が表示されている。そして、該Webページ画面201上に、外部ネットワークと接続中であり、接続完了するまでにしばらく時間が掛かることを利用者に通知するためのメッセージが表示されている。
なお、Webページとしては、複数のフレームで構成し、1つのフレームに無線通信装置が提供する情報(広告など)を表示し、別のフレームで接続中の表示をするなどしてもよい。
【0046】
図9は、外部ネットワークとの接続が失敗した旨のメッセージが表示されたWebページの構成例を示す図である。図9の例では、無線LAN端末2の表示部24にWebページ画面202が表示されている。そして、該Webページ画面202上に、外部ネットワークとの接続が失敗したことを利用者に通知するためのメッセージが表示されている。
【0047】
次に、第3の実施形態を説明する。この第3の実施形態では、無線通信装置3が、外部ネットワークとの接続中の期間において、無線LAN端末2が要求するアドレスのWebページの画面を無線通信装置3がキャッシュしていた場合、無線LAN端末2にそのキャッシュデータを表示させる。図10は、本発明の第3の実施形態による無線通信装置3の構成を示すブロック図である。図10において、無線通信装置3には、上記図3の構成において、さらにキャッシュ部42が設けられている。キャッシュ部42は、アクセスされたページデータを記憶する機能を有する。そして、制御部33は、上記図4のステップS5の外部ネットワーク接続状況通知の際に、外部アクセス要求元の無線LAN端末2へ、要求と同じアドレスのページデータをキャッシュ部42が記憶していた場合、キャッシュ部42の該当ページデータを送信する。
【0048】
このページデータは、該アクセス要求元の無線LAN端末2で受信され表示される。また、該ページデータが受信されることにより、該無線LAN端末2では、Webページへのアクセス時におけるタイムアウトの発生が防止される。これにより、外部ネットワークの接続が完了するまでキャッシュされているページ画面が表示されるので、待機時における利用者の不安感が軽減されるとともに、外部ネットワークとの接続が完了すると、最新のページが表示される。
【0049】
次に、第4の実施形態を説明する。この第4の実施形態は、上述した第1〜第3の実施形態とは異なり、無線LAN端末2から無線通信装置3へ外部ネットワーク接続状況を問い合わせするものである。この第4の実施形態では、無線LAN端末2上で動作可能なプログラムを無線LAN端末2が保持している。このプログラムは、自律行動型のコンピュータプログラムであって、無線LAN端末2から無線通信装置3へ外部ネットワーク接続状況を問い合わせる機能を実現するためのものである。
【0050】
次に、図11を参照して、第4の実施形態の動作を説明する。図11は、本発明の第4の実施形態による無線LAN1における通信制御処理の流れを示すシーケンスチャートである。
図11において、先ず、無線LAN端末2がインターネット5上のWEBサーバ6へアクセス要求する(ステップS41)。このアクセス要求により、無線通信装置3は、携帯電話基地局4との間でPPP接続処理を開始する(ステップS42)とともに、該無線LAN端末2へ保有しているプログラムを送信する(ステップS43)。
【0051】
次いで、外部アクセス要求元の無線LAN端末2は、該プログラムを受信すると、該プログラムを実行し、定期的に無線通信装置3へ外部ネットワーク接続状況要求を送信する(ステップS44)。無線通信装置3は、該外部ネットワーク接続状況要求を受信すると、現在の接続状況を応答する。ステップS45の応答では、未だPPP接続が完了していないので「接続中」が返答される。これにより、外部アクセス要求元の無線LAN端末2では、外部ネットワークと接続中である旨のメッセージが表示されて、外部ネットワークと接続中であることが利用者に報知される。
【0052】
次いで、PPP接続が完了すると(ステップS46)、無線通信装置3は、外部ネットワークへWEBサーバ6へのアクセス要求を送信する(ステップS47)。また、PPP接続の完了により、無線通信装置3は、外部ネットワーク接続状況要求の応答として「接続完了」を送信する(ステップS48)。これにより、外部アクセス要求元の無線LAN端末2では、外部ネットワークとの接続に成功した旨のメッセージが表示されて、外部ネットワークとの接続が成功したことが利用者に報知される。
【0053】
上述した第4の実施形態によれば、無線LAN端末側から自律的に外部ネットワーク接続状況を取得することができる。
【0054】
なお、上記した第4の実施形態において、無線LAN端末2が予めプログラムを有するようにしてもよい。
【0055】
また、無線LAN端末2から外部ネットワークへのアクセス要求があった時、無線通信装置3が、PPP接続完了後すぐに該アクセス要求を外部ネットワークに送信するのではなく、PPP接続完了後において、外部アクセス要求元の無線LAN端末2から外部ネットワーク接続状況要求を受けたことを条件として当該アクセス要求を外部ネットワークへ送信するようにしてもよい。これにより、無線LAN端末2がアクセス要求を取り消したにもかかわらず、無駄なパケット(アクセス要求)を外部ネットワークへ送信することが防止される。
【0056】
また、無線LAN端末2が、送信済みの外部アクセス要求を保持しておき、外部ネットワークとの接続完了を受信したときに、再度、該アクセス要求を送信し、このアクセス要求により無線通信装置3が、当該アクセス要求を外部ネットワークへ送信するようにしてもよい。
【0057】
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、無線LAN端末2において、外部ネットワークとの無線接続の状況を報知する報知手段は、上記した画面表示するものに限定されない。無線LAN端末2が、表示ランプの点灯により、外部ネットワークとの無線接続の状況を報知するようにしてもよい。または、音声により、外部ネットワークとの無線接続の状況を報知するようにしてもよい。
【0058】
また、無線LAN1は、家庭内LANなどの固定された設置環境に構築されるものであってもよい。
【0059】
また、外部とのアクセス用の公衆無線通信ネットワークは、PPP以外の通信接続プロトコルが使用される無線通信ネットワークであってもよい。
また、無線通信端末は外部ネットワークとの接続状態を常に受信し、報知するようにすれば、外部ネットワークへのアクセス要求前にユーザが接続状態を確認できる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ユーザが使用する無線通信端末が公衆無線通信ネットワークに接続されている無線通信装置を介してインターネット等の無線通信装置の外部ネットワークにアクセスする場合に、無線通信装置と公衆無線通信ネットワークとの間の接続状況を利用者に報知することで、利用者の不安感を軽減することができる。この結果として、無線通信サービスに対する利用者からの信頼性が向上し、無線通信サービスの発展に寄与するという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態による無線通信システム(無線LAN)1の構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の実施形態による無線LAN端末2の構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明の第1の実施形態による無線通信装置3の構成を示すブロック図である。
【図4】 図3の無線通信装置3が行う通信制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】 本発明の第1の実施形態による無線LAN1における通信制御処理の流れを示すシーケンスチャートである。
【図6】 本発明の第1の実施形態による無線LAN1における通信制御処理の流れを示すシーケンスチャートである。
【図7】 本発明の第2の実施形態による無線通信装置3の構成を示すブロック図である。
【図8】 Webページの構成例を示す図である。
【図9】 Webページの構成例を示す図である。
【図10】 本発明の第3の実施形態による無線通信装置3の構成を示すブロック図である。
【図11】 本発明の第4の実施形態による無線LAN1における通信制御処理の流れを示すシーケンスチャートである。
【符号の説明】
1…無線LAN、2…無線LAN端末、3…無線通信装置、4…携帯電話基地局、5…インターネット、6…WEBサーバ、21…無線LANアクセス部、22…制御部、23,34…記憶部、24…表示部、25…操作部、31…無線LANアクセスポイント部、32…モバイルターミナル部、33…制御部、35…WEBサーバ部、41…WEBページ記憶部、42…キャッシュ部、101…外部アクセス用無線通信回線
Claims (6)
- 公衆無線通信ネットワークに接続された無線通信装置を介してユーザの使用する無線通信端末がデータ通信を行う無線通信システムにおいて、
前記無線通信装置は、
前記無線通信端末と無線通信を行う第一の無線通信手段と、
前記公衆無線通信ネットワークと無線通信を行う第二の無線通信手段と、
前記無線通信端末から第一の無線通信手段を介してサーバヘのアクセス要求を受信すると、前記第二の無線通信手段を介して接続される前記公衆無線通信ネットワークとの接続状況を検出する検出手段と、
当該アクセス要求に応じて検出した接続状況情報を前記第一の無線通信手段を介して前記無線通信端末に送信制御する制御手段と、
前記公衆無線通信ネットワークと未接続の場合に、前記受信したアクセス要求を記憶する記憶手段と、
前記公衆無線通信ネットワークとの接続が成功すると、前記記憶手段に記憶しているアクセス要求を前記第二の無線通信手段を介して送信する送信手段と、を備え、
前記無線通信端末は、
前記無線通信装置と無線通信を行う第三の無線通信手段と、
該第三の無線通信手段を介してサーバヘのアクセスを要求する要求手段と、
該要求手段のアクセス要求に応じて、前記第三の無線通信手段を介して受信した前記接続状況情報をユーザに報知する報知手段と、
を備えたことを特徴とする無線通信システム。 - 前記無線通信端末は、前記無線通信装置に対して前記公衆無線通信ネットワークとの接続状況を要求する要求手段を備え、
前記制御手段は、前記要求手段からの要求に基づいて前記接続状況情報を前記第一の無線通信手段を介して前記無線通信端末に送信することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。 - ユーザの使用する無線通信端末からサーバヘのアクセス要求に基づいて公衆無線通信ネットワークに接続し前記サーバとのデータ通信を可能にする無線通信装置において、
前記無線通信端末と無線通信を行う第一の無線通信手段と、
前記公衆無線通信ネットワークと無線通信を行う第二の無線通信手段と、
前記無線通信端末から第一の無線通信手段を介して前記サーバへのアクセス要求を受信すると、前記第二の無線通信手段を介して接続される前記公衆無線通信ネットワークとの接続状況を検出する検出手段と、
当該アクセス要求に応じて検出した接続状況情報を前記第一の無線通信手段を介して前記無線通信端末に送信制御する制御手段と、
前記公衆無線通信ネットワークと未接続の場合に、前記受信したアクセス要求を記憶する記憶手段と、
前記公衆無線通信ネットワークとの接続が成功すると、前記記憶手段に記憶しているアクセス要求を前記第二の無線通信手段を介して送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする無線通信装置。 - 前記制御手段は、前記無線通信端末からの前記公衆無線通信ネットワークとの接続状況に関する要求に基づいて前記接続状況情報を前記第一の無線通信手段を介して前記無線通信端末に送信することを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。
- 公衆無線通信ネットワークに接続された無線通信装置を介してサーバとのデータ通信を行う無線通信端末において、
前記無線通信装置と無線通信を行う無線通信手段と、
該無線通信手段を介して前記サーバヘのアクセスを要求する要求手段と、
前記要求手段のアクセス要求に応じて、前記無線通信手段を介して前記無線通信装置から該無線通信装置と公衆無線通信ネットワークとの接続状況情報を受信すると、該接続状況情報をユーザに報知する報知手段と、
を備えたことを特徴とする無線通信端末。 - 前記無線通信装置に対して該無線通信装置と公衆無線通信ネットワークとの接続状況情報を要求する接続状況要求手段を備え、
前記無線通信手段は、前記接続状況情報を要求した際に、前記接続状況情報を受信することを特徴とする請求項5に記載の無線通信端末。
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