JP4566395B2 - 多孔性焼成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭と同等の脱臭作用、浄化作用、調湿作用、断熱作用、遮音作用等の優れた諸機能を有する多孔性焼成物に関し、さらに詳しくは、色調が実質的に白色であり、容易に任意の色調に着色し得て、かつ、機械的強度に優れた、上記のような優れた諸機能を有する多孔性焼成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭は、脱臭作用、浄化作用、調湿作用、断熱作用、遮音作用等の優れた諸機能を有する多孔質体であって、従来から上記優れた諸機能を利用する種々の用途に用いられている。しかし、炭は、色調が真黒である故に用途が制限されたり、用途への好適性に欠けるという問題があり、また、機械的強度が十分でないという問題もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来の炭の問題点の解決された、色調が実質的に白色であり、容易に任意の色調に着色し得て、かつ、機械的強度に優れた、炭と同等の優れた諸機能を有する多孔質体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、次の多孔性焼成物を提供する。
(1)粉末状炭と、粉末状麦飯石、粉末状トルマリンから選ばれる一以上と、粘土とからなり、粉末状炭70〜90重量部に対して粘土の含有量が水分含有量30重量%の粘土において10〜30重量部で、各原料成分を混練し、該混練物を成形し、該成形体を、600〜1000℃の低温で大気焼成が行われ一旦常温に冷却し1000〜1500℃の高温で大気焼成が行われるか、または600〜1500℃の低温側から高温側に平均昇温速度70〜100℃/分で大気焼成して得られ、実質的に白色であることを特徴とする多孔性焼成物。
(2)混練物が、粉末状炭、粉末状麦飯石、粉末状トルマリン、及び粘土の各原料成分を含み、各原料成分の使用割合が、粉末状炭、粉末状麦飯石および粉末状トルマリンの合計重量の70〜93重量%が粉末状炭、1〜29重量%が粉末状麦飯石および1〜20重量%が粉末状トルマリンの割合であり、かつ粉末状炭70〜90重量部に対して粘土の含有量が水分含有量30重量%の粘土において10〜30重量部の割合である請求項1に記載の多孔性焼成物。
【0005】
(3)原料成分に、粉末状炭、粉末状麦飯石、粉末状トルマリンおよび粘土に加えて粉末状黒鉛硅石を用いた上記(1)または(2)に記載の多孔性焼成物。
(4)粉末状黒鉛硅石の使用割合が、粉末状炭、粉末状麦飯石および粉末状トルマリンの合計量100重量部に対して3〜5重量部である上記(3)に記載の多孔性焼成物。
(5)原料成分に、粉末状炭、粉末状麦飯石、粉末状トルマリンおよび粘土に加えて、粉末状貝殻もしくは粉末状サンゴを用いた上記(1)または(2)に記載の多孔性焼成物。
(6)粉末状貝殻もしくは粉末状サンゴの使用割合が、粉末状炭、粉末状麦飯石および粉末状トルマリンの合計量100重量部に対して3〜5重量部である上記(5)に記載の多孔性焼成物。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の多孔性焼成物が粉末状に粉砕されていることを特徴とする粉末状の多孔性焼成物。
(8)粉末状炭と粘土とを含有し、粉末状炭70〜90重量部に対して粘土の含有量が水分含有量30重量%の粘土において10〜30重量部で、各原料成分を混練し、該成形体を、600〜1000℃の低温で大気焼成が行われ一旦常温に冷却し1000〜1500℃の高温で大気焼成が行われるか、または600〜1500℃の低温側から高温側に平均昇温速度70〜100℃/分で大気焼成して得られ、実質的に白色である多孔性焼成物を粉末状に粉砕し、該粉砕物と、粉末状麦飯石、粉末状トルマリン、粉末状黒鉛珪石、粉末状貝殻、粉末状サンゴから選ばれる一以上とを混合してなる多孔性焼成物。
【0006】
(9)上記(1)〜(8)のいずれか一つに記載の多孔性焼成物100重量部に加えて、酸化チタン1〜10重量部を用いた多孔性焼成物。
(10)上記(1)〜(9)のいずれか一つに記載の多孔性焼成物が着色剤によって着色されていることを特徴とする着色された多孔性焼成物。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の多孔性焼成物の原料に用いる粉末状の炭としては、種々の炭の粉末を用いることができ、その例として、木炭、竹炭、パーム炭、貝殻炭等の粉末が挙げられる。これらの粉末状炭は、必要に応じて、一種用いることも、複数種を併用することもできる。また、その粒径は、必要に応じて適宜設定することができるが、一般に、0.05〜0.5mm(200〜60メッシュ)が好ましい。
【0008】
原料に用いる粘土としては、磁器用粘土あるいは陶器用粘土等を適宜用いることができ、その例として、磁器土、蛙目粘土、蝋石、カオリン等が挙げられる。これらの粘土は、必要に応じて、一種用いることも、複数種を併用することもできる。この粘土の使用割合は、必要に応じて適宜設定することができるが、目的の多孔性焼成物を粉末状炭と粘土とから構成する場合には、一般に、粉末状炭70〜90重量部に対して10〜30重量部が好ましい。また、原料として、後述する麦飯石およびトルマリンを用いる場合には、粉末状炭70〜90重量部に対して粘土の含有量が水分含有量30重量%の粘土において10〜30重量部が望ましい。一般に、上記粉末状の炭、麦飯石およびトルマリンの使用割合が上記範囲内にあり、かつ、粘土の使用割合も上記範囲内にある場合により一層好適に本発明の目的を達成することができる。
【0009】
そして、必要に応じて原料に用いる、粉末状の麦飯石および粉末状のトルマリン(別名:電気石)の粒径は、必要に応じて適宜設定することができるが、一般に粉末状炭と同様、0.05〜0.5mm(200〜60メッシュ)が好ましい。なお、粉末状の麦飯石および粉末状のトルマリンは、どちらか一方を原料に用いることもできるし、両方を用いることもできる。
【0010】
上記原料の粉末状の炭、麦飯石およびトルマリンの使用割合は、必要に応じて適宜設定することができるが、一般に、粉末状炭、粉末状麦飯石および粉末状トルマリンの合計重量の70〜93重量%が粉末状炭、1〜29重量%が粉末状麦飯石および1〜20重量%が粉末状トルマリンである割合が好ましい。一般に、粉末状の炭、麦飯石およびトルマリンの使用割合が上記範囲内である場合に好適に本発明の目的を達成することができる。
【0011】
本発明の多孔性焼成物の原料には、必要に応じて、上記の粉末状炭、粉末状麦飯石・粉末状トルマリンから選ばれる一以上、および粘土の各原料成分に加えて、粉末状の黒鉛硅石 (別名:グラファイトシリカ)を用いることができる。この粉末状の黒鉛硅石の粒径は、必要に応じて適宜設定することができるが、一般に粉末状炭と同様、0.05〜0.5mm(200〜60メッシュ)が好ましい。また、粉末状の黒鉛硅石の使用割合は、必要に応じて適宜設定することができるが、一般に、粉末状炭、粉末状麦飯石および粉末状トルマリンの合計量100重量部に対して3〜5重量部である。
【0012】
また、本発明の多孔性焼成物の原料には、必要に応じて、上記の粉末状炭、粉末状麦飯石、粉末状トルマリンおよび粘土の各原料成分に加えて、粉末状の貝殻もしくは粉末状のサンゴを用いることができる。貝殻の種類は、特に限定されるものではなく、アコヤ貝、カラス貝等の一般的な貝が採用される。さらに、粉末状貝殻もしくは粉末状サンゴの粒径は、必要に応じて適宜設定することができるが、一般に粉末状炭と同様、0.05〜0.5mm(200〜60メッシュ)が好ましい。また、粉末状貝殻もしくは粉末状サンゴの使用割合は、必要に応じて適宜設定することができるが、一般に、粉末状炭、粉末状麦飯石および粉末状トルマリンの合計量100重量部に対して3〜5重量部である。
【0013】
本発明の多孔性焼成物の製造は、まず、上記の粉末状炭、および粘土、必要に応じて用いる粉末状麦飯石・粉末状トルマリンから選ばれる一以上、さらには必要に応じて粉末状黒鉛硅石、粉末状の貝殻、粉末状のサンゴを加えた各原料の所定量を混練して混練物を調製する。この各原料の混練順序は特に制限する要はなく、任意の順序で、あるいは全原料を同時に混練することができる。また、この各原料の混練は、それ自体公知の混練手段を適宜用いて行うことができ、その例として、土捏機、各種ミキサー等が挙げられる。この各原料の混練に際しては、混練が不十分であったり混練物中に空気が混入すると焼成時にひび割れを起こして灰状となり多孔性焼成物が得られない場合がある。そのため、混練物中に空気が包含されないように空気を抜きながら、全体が粘土状になるよう十分に混練することが好ましく、必要に応じて真空状態で混練することが好ましい。また、この原料混練物は適度の塑性を有していて、次に行われる成形に際して良好な成形性を示すように一定量の水分を含有していることが望ましい。一般に、この水分は、原料に用いる粘土中に含まれる水分により賄われるが、必要に応じて、原料混練物の調整に際し水を添加することもできる。原料混練物の水分含有量は、原料混練物が良好な成形性を示す適度の塑性を有する範囲であれば特に制限する必要はないが、一般に原料混練物の総重量の15〜40重量%が好ましい。
【0014】
上記調製した原料混練物を、次いで所望の形状に成形する。成形する形状は、本発明の多孔性焼成物の用途において求められる形状その他必要に応じて任意の形状とすることができ、その例として、例えばボール状、板状、棒状等が挙げられる。また、原料混練物の成形は、それ自体公知の成形手段を適宜用いて行うことができ、その例として、押出成形、金型成形、手成形等が挙げられる。
【0015】
上記所望の形状に成形した原料混練物の成形体を、次いで一般に600℃以上の温度、好ましくは600〜1500℃の温度で焼成し、かくして目的の本発明の多孔性焼成物が得られる。なお、焼成の際には、必要に応じて成形体を圧縮しつつ焼成を行うことができる。圧縮することにより焼成物を硬くすることができる。無論、圧縮せずにそのまま焼成しても良く、この場合には焼成物は比較的脆くなる。また、この焼成は、一般に、原料混練物成形体を、まず600〜1000℃の温度で最初の焼成を行い、得られた成形体焼成物を一旦常温に冷却した後、1000〜1500℃の温度で再度の焼成を行う2段焼成で行うことができる。焼成時間は、必要に応じて適宜設定することができるが、一般に、最初の焼成が4〜30時間、再度の焼成が5〜30時間が好ましい。この2段焼成によれば、最初の焼成の具合に対応して再度の焼成の温度・時間を調整できる利点があり、また一旦常温に冷却することにより焼成物が崩れて灰状になるのを防ぐ利点もある。また、原料混練物成形体を、600〜1500℃の範囲で低温側から高温側まで昇温しつつ連続的に焼成を行う1段焼成で行うこともできる。焼成に際しての焼成温度の昇温は、連続的に昇温することも、段階的に昇温することもでき、また、昇温の度合いも必要に応じて適宜設定することができるが、一般に、平均昇温速度が70〜100℃/分であることが好ましい。一般に、上記のように、一定の焼成温度範囲で原料混練物成形体を2段焼成あるいは1段焼成することにより好適に本発明の目的を達成することができる。また、この原料混練物成形体の焼成は、それ自体公知の炉ないし窯を用いて行うことができ、その例として、土釜、炭化プラント、鉄釜プラント等が挙げられる。なお、ベルトコンベヤ等を用いて成形体を上記炉・窯中に送りこむことで連続的に目的の多孔性焼成物を製造することもできる。この際、一部の成形体を耐火容器に入れて送りこむことで実質的に白色の多孔性焼成物とその他の色の焼成物とを同時に製造することもできる。さらに、この原料混練物成形体の焼成は、一般に、大気中の雰囲気下に行われる。焼成終了の際は、2〜5日程度かけて十分冷却してから焼成物を炉ないし窯内から取り出すのが好ましい。
【0016】
上記の如くして得られた本発明の多孔性焼成物は、多孔性炭素質のマトリックス中に、粘土の微粒子、および必要に応じて麦飯石・トルマリン、場合によってはさらに黒鉛硅石、貝殻、サンゴも加わった微粒子が分散され、これらの各構成成分が焼結されている構造を有する成形された状態の多孔質体であり、その色調が実質的に白色であるものである。本発明の多孔性焼成物は、上記のような構造を有するから、炭より機械的強度が優れている。また、本発明の多孔性焼成物は、上記のようにその原料混練物は容易に所望の形状に成形し得るものであるから、該原料混練物を所望の形状に成形することにより、容易に所望の形状の成形体として得ることができる。また、本発明の多孔性焼成物は、優れた脱臭作用、浄化作用、調湿作用、断熱作用、遮音作用、防火作用等の諸機能を有し、殺菌作用等も有する。
【0017】
また、本発明の多孔性焼成物は、その用途等に応じて、得られた成形体の状態のものを、そのまま用途に供することも、また、得られた成形体の状態のものを粉砕し、粉末状にして用途に供することもでき、用途に供する形状は必要に応じて適宜選択することができる。成形体の状態の多孔性焼成物の粉砕は、それ自体公知の粉砕手段を適宜用いて容易に行うことができ、その例として、各種粉砕機、石臼、ミキサー等が挙げられる。
【0018】
上記粉末状の多孔性焼成物には、さらに粉末状麦飯石、粉末状トルマリン、粉末状黒鉛珪石、粉末状貝殻、粉末状サンゴから選ばれる一以上の物質を改めて混合し、種々の用に供することができる。
【0019】
また、上記多孔性焼成物には、必要に応じて酸化チタンを併用することができる。酸化チタンは、抗菌、消臭・防臭、防汚、防藻、防錆・劣化防止、塩害対策、カビ防止、油の付着や便器等の黄ばみ防止、水質保全・浄化等に効果があり、これを併用することで本発明の効果をさらに強力に発揮することができる。酸化チタンの割合は、特に限定されるものではないが、上記多孔性焼成物100重量部に対して1〜10重量部が好ましい。
【0020】
さらに、本発明の多孔性焼成物は、実質的に白色であるから、それが成形体あるいは粉末状の何れの形状であっても、必要に応じて、着色剤を用いて容易に所望の色調に着色することができる。この着色剤の例として、紅花、くちなしの実、よもぎ、しそ、ザクロの皮等の植物染料、藍染用染料、柿のシブ、鉱物、草の根、お茶、絵の具用染料等が挙げられる。
【0021】
また、本発明の多孔性焼成物は、炭を適用し得る用途は勿論のこと、炭の有する上記問題点に起因して炭を適用し得ない用途にも好適に適用することができる。以下に本発明の多孔性焼成物を好適に適用し得る用途の例を示す。
【0022】
(a)塗料に本発明の多孔性焼成物の粉末を、該塗料100重量部に対して10〜30重量部程度の割合で混合し、この混合物を塗料として用いる。この混合物塗料の塗膜は、混合した本発明の多孔性焼成物の粉末に起因する優れた脱臭作用、浄化作用、調湿作用、断熱作用、遮音作用、防火作用、白蟻予防作用等を有する。塗料の種類は特に限定されるものではなく、フェノール樹脂系等の一般的な塗料を用いることができる。また、この混合物塗料による塗装の例として、実質的に白色である利点を生かして、家屋の天井、壁、サッシ等の塗装、自動車内部の塗装、照明器具、冷蔵庫、テレビ、パソコン等の電気機器の塗装等が挙げられる。また、この混合物塗料をエアコンのフィルターに塗布すれば、エアコンから出る異臭が緩和されるとともに、フィルター自体を燃えにくくする効果がある。
(b)塗料に本発明の多孔性焼成物の粉末と竹炭の粉末を、該塗料100重量部に対して10〜30重量部程度の割合で混合し、この混合物をトンネル内壁用塗料として用いてトンネル内壁に吹き付ける。そのようにすると、トンネルの土台であるコンクリートが長持ちするだけでなく、該コンクリートの砂利に含まれる塩分を中和させる働きがあるし、また、該トンネルが道路のトンネルである場合、自動車の排気ガス(CO2 )を吸収分解し、騒音を緩和させる働きがある。
(c)本発明の多孔性焼成物を飲料水の浄化材として用いる。例えば、水道水中に本発明の多孔性焼成物を浸漬させて2時間程度経過すると、この水道水の臭いがとれ、その味がまろやかになった。また、この水道水を用いてちくわやてんぷらを作ったところ、その味が良くなったばかりでなく、このちくわやてんぷらは7日経過しても腐ることなく、美味しく食べることができた。また、本発明の多孔性焼成物を工場排水の浄化材として用いることもできる。飲料水あるいは工場排水の浄化材として用いるに際し、本発明の多孔性焼成物を筒状に成形し、その表面に多数の穴をあけて表面積を大きくした形状にすれば、浄化作用が一層促進される。
(d)糠漬けの糠床に本発明の多孔性焼成物を添加する。そのようにすれば、糠床の塩分が程よい状態になり、漬物の味も美味しくなる。
【0023】
(e)U字溝等の側溝やタイルの作製原料のセメントに本発明の多孔性焼成物の粉末を、該セメント100重量部に対して10〜30重量部程度の割合で加えてU字溝やタイルを作製する。そのようにすれば、環境に配慮した浄化機能を有するU字溝やタイルが得られる。このタイルは、歩道用、護岸用、外壁用、浴槽用等の広い用途に用いることができる。
(f)テトラポッド(商標名)の作製原料のセメントに本発明の多孔性焼成物の粉末を、該セメント100重量部に対して10〜30重量部程度の割合で加えてテトラポッドを作製する。そのようにすれば、環境に配慮した浄化機能を有し、魚貝類の生息にも良い影響を与えるテトラポッドが得られる。
(g)家屋の土台用コンクリートに本発明の多孔性焼成物の粉末を、該コンクリート100重量部に対して10重量部程度の割合で加えて家屋の土台を作る。
そのようにすれば、家屋の土台のコンクリートが長持ちする。
(h)便器や浴槽の作製原料に本発明の多孔性焼成物の粉末を加えて便器や浴槽を作製する。そのようにすれば、浄化機能を有する便器や浴槽が得られる。また、保温性に優れた浴槽が得られる。この保温性は、主として本発明の多孔性焼成物に含まれている炭素質物とトルマリンによる遠赤外線効果に起因するものと考えられる。
【0024】
(i)本発明の多孔性焼成物の粉末に、貝殻の粉末またはセラミックの粉末、あるいは貝殻の粉末とセラミックの粉末の混合物、および結合剤を加えて原料混合物を調製し、該原料混合物を板状に成形して圧締圧縮、固化させて板状物を作製する。この板状物の作製に当たり、原料混合物の調製に際する各原料の使用割合は、一般に、本発明の多孔性焼成物の粉末が30〜80重量部の範囲、貝殻の粉末またはセラミックの粉末、あるいは貝殻の粉末とセラミックの粉末の混合物が20〜70重量部の範囲、結合剤が4〜8重量部(固形分重量換算)の範囲で、得られる原料混合物が100重量部となる割合が好ましい。また、原料混合物に補強材などの各種複合材料を含有させ、または積層して、得られる板状物を複合材料と複合させた板状複合材とすることもできる。この得られた板状物は、本発明の多孔性焼成物の粉末の作用に起因して優れた脱臭作用、浄化作用、調湿作用、断熱作用、遮音作用等の諸機能を有すると共に、貝殻およびセラミックの作用と相俟って優れた防火作用等の機能も有するものである。また、この得られた板状物は、例えば家屋の内壁材、天井材、床材、畳床、パーテーション、歩道用床材、ブロック、家具材、電気製品の筐体部品等の種々の用途がある。
(j)布または紙に、本発明の多孔性焼成物の粉末が配合された原料混合物を結合剤と共に塗布して圧締圧縮、固化させて可撓性シートを作製する。この可撓性シートの作製に当たり、原料混合物には、本発明の多孔性焼成物の粉末の他、イグサ、ヨシ草、アシ草などの植物繊維の粉末、貝殻の粉末またはセラミックの粉末、しらす砂、あるいは貝殻の粉末とセラミックの粉末の混合物、木炭・竹炭等の粉末、カーボンの粉末、金属の粉末、トルマリンの粉末、木酢、竹酢、柿のしぶ、ビワのエキス、ヨモギの液等の防虫・防腐成分等の少なくとも一種を配合することができる。また、上記結合剤としては、一般的な各種接着剤、糊が適用可能であり、好適な例としてはゴーセノール(商品名:日本合成社製)を挙げることができる。さらに、可撓性シートに、木板、プラスチック板、金属板、金属メッシュ、カーボンメッシュ等の補強材を積層して、得られる可撓性シートを板状複合材とすることもできる。この得られた可撓性シートは、本発明の多孔性焼成物の粉末の作用に起因して優れた脱臭作用、浄化作用、調湿作用、断熱作用、遮音作用、防火作用等の諸機能を有するものである。また、この可撓性シートは、単なる炭を用いて作製した場合のようにシート表面に黒色が浮かび上がるというような問題がなく、例えばふとんカバー、シーツ、枕カバー、防寒用および防暑用衣料品(帽子・手袋・靴下等も含む)、サポーター(腰・膝・腕等)、防臭用または防菌用マスク、アイマスク、あるいは果物や生鮮食品用の袋・箱・トレー、靴の中敷、カーテン、カーペット、座布団、クッション、車のシート、室内の壁紙、畳床でのゴザの下敷、たんすの中敷、クッションやいすの中敷、床下シート等の種々の用途がある。
【0025】
(k)本発明の多孔性焼成物の粉末に、イグサなどの植物の粉末を適量添加して組成物とし、それを各種用途に使用する。そのようにすれば、該組成物は、本発明の多孔性焼成物の作用と添加した植物の粉末の作用が相俟って、一層脱臭作用、浄化作用、調湿作用、断熱作用、遮音作用等の諸機能が向上したものとなり、この一層向上した諸機能が各種用途において発揮される。
(l)本発明の多孔性焼成物の粉末を繊維製品に付着させて、該繊維製品を各種用途に用いる。本発明の多孔性焼成物には殺菌作用もあり、その粉末を付着させた繊維製品には殺菌作用が付与される。この繊維製品の例として、浄水器のフィルターやエアコンのフィルターが挙げられる。この本発明の多孔性焼成物の粉末を付着させた繊維からなるフィルターは、浄水器のフィルターとして用いれば、水の浄化作用に優れ、殺菌作用もあるフィルターとなり、またエアコンのフィルターとして使用すれば、エアコンから出る異臭を緩和でき、殺菌作用もあるフィルターとなる。繊維製品の他の例として、絨毯が挙げられ、本発明の多孔性焼成物の粉末を付着させた繊維からなる絨毯は殺菌作用のある絨毯となる。繊維製品のさらに他の例として、牡蠣・真珠貝等の貝類、海苔、ワカメ等の養殖用の網が挙げられる。養殖用網に細菌が付着すると、例えば海苔の場合には、海苔が育たない内に海苔の根元から切れてしまい、海苔を収穫できなくなる。そこで、本発明の多孔性焼成物の粉末を接着剤を用いて糸に付着させ、その糸を撚ってロープ状にしたり、あるいは通常のロープ・縄に本発明の多孔性焼成物(好ましくは800〜1000メッシュ以上)を擦り込む等して、多孔性焼成物の付着したロープ・縄を作り、それを用いて作製した網を海苔の養殖に使用すれば、網を細菌から保護することができ、海苔の成育を良くし、質の良い海苔を得ることができる。この効果は、上記海苔のみならず、網に付着させたり網で包む等して養殖を行う上記牡蠣・真珠貝等の貝類、ワカメ等においても同様である。
【0026】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
【0027】
(実施例1)
竹炭粉末(平均粒径0.05mm)90重量部、麦飯石粉末(平均粒径0.05mm)7重量部およびトルマリン粉末(平均粒径0.05mm)3重量部からなる混合物100重量部に対して、水分含有量30重量%の粘土30重量部を加え、真空混練機にて、空気を抜きながら60分間混練し、次いで真空状態でさらに60分間混練して原料混練物を得た。この原料混練物を、金型にて圧縮せずに球状に成形し、この成形体を、土釜にて、大気中雰囲気下、1000℃で10時間焼成した。得られた成形体の焼成物を室温まで放冷した後、再度土釜にて、大気中雰囲気下、1400℃で10時間焼成して目的の成形体の多孔性焼成物(φ30mm、10g)を得た。
【0028】
得られた目的の多孔性焼成物の色調は、目視で観察したところ、実質的に白色であった。また、その開孔率、破砕強度、耐熱性および耐火性は次のとおりであった。
開孔率…原料に用いた木炭、竹炭と同程度のものであった。
破砕強度…焼成物の表面を指で擦ってみたところ、原料に用いた木炭、竹炭より優れた強度を有していた。
耐熱性…得られた焼成物をライターの炎で約30秒間熱したところ、炎の当たった部分は熱く熱せられたが、炎の当たっていない部分は暖かささえ感じられなかった。
耐火性…得られた焼成物を家庭用ガスコンロの炎で3分間熱したところ、表面が赤く熱せられるのみで燃えることはなかった。また、炎から放すと同時に表面の赤く熱せられた部分は消え、得られた焼成物の表面は数分後には手で触れられる程度の熱さであり、表面の温度は77℃であった。3分後の温度は38℃であった。
【0029】
(実施例2)
水1リットルに対してくちなしの実2個の割合で、水にくちなしの実を加え、沸騰状態で約30分間煮詰めて、黄色の液を得た。この黄色の液中に、実施例1で得られたと同様の成形体状の焼成物を24時間浸漬し、その後液中から引き上げて風乾し、黄色に綺麗に染色された成形体状の焼成物を得た。
また、実施例1で得られたと同様の成形体状の焼成物を粉砕機にて粉砕し、得られた粉末状の焼成物に、水とくちなしの実から上記と同様にして得た黄色の液を振り掛けて撹拌し、その後風乾し、黄色に綺麗に染色された粉末状の焼成物を得た。
上記染色された成形体状あるいは粉末状の焼成物は、カラフルで綺麗であることが求められる用途に好適に使用できることは無論のこと、用いた染料が天然染料であるから、人体、環境に対して優しいものである。
【0030】
(実施例3)
表1に示す性状の下水管排水10リットル中に、実施例1に準じた方法で得られた平均粒径25mmの成形体状の焼成物20個を浸漬して24時間室温で保持し、しかる後浸漬した焼成物を除去して処理水を得た。この処理水の性状を表1に示す。
【0031】
【表1】
Figure 0004566395
【0032】
表1から明らかなように、本発明の多孔性焼成物を用いて好適に排水処理を行うことができた。
【0033】
(実施例4)
実施例1において、原料に黒鉛硅石粉末(平均粒径0.05mm)を、木炭粉末、麦飯石粉末およびトルマリン粉末の合計量100重量部に対して3重量部加えたこと以外は、実施例1と同様にして目的の成形体の多孔性焼成物を得た。
得られた目的の多孔性焼成物の色調は、目視で観察したところ、実質的に白色であった。また、その開孔率、破砕強度、耐熱性および耐火性は上記実施例1と同様に優れたものであった。
【0034】
(実施例5)
実施例1において、原料混練物を金型で圧縮しながら球状の成形体を作り、続いて成形体の焼成を、炭化プラントにて、大気中雰囲気下、600℃から昇温速度70〜100℃/分で1400℃まで昇温し、この1400℃に24時間保持して行ったこと以外は、実施例1と同様にして目的の成形体の多孔性焼成物(φ20mm、9g)を得た。
得られた目的の多孔性焼成物の色調は、目視で観察したところ、実質的に白色であった。また、その破砕強度は、原料として用いた竹炭の2〜3倍という優れた強度を有していた。
【0035】
(実施例6)
竹炭粉末(平均粒径0.05mm)96重量部、麦飯石粉末(平均粒径0.05mm)2重量部およびトルマリン粉末(平均粒径0.05mm)2重量部からなる混合物100重量部に対して、水分含有量30重量%の粘土30重量部を加え、真空混練機にて、空気を抜きながら60分間混練し、次いで真空状態でさらに60分間混練して原料混練物を得た。この原料混練物を、金型にて圧縮せずに球状に成形し、この成形体を、土釜にて、大気中雰囲気下、1000℃で10時間焼成した。得られた成形体の焼成物を室温まで放冷した後、再度土釜にて、大気中雰囲気下、1400℃で10時間焼成して、実質的に白色の多孔性焼成物(φ30mm、10g)を得た。
【0036】
得られた多孔性焼成物5個を、70cm×40cm×20cmの水槽に入れ、中で金魚を飼育したところ、水が透き通るようになり、金魚の生育状態も良好であった。また、2ヶ月水を取り替えずそのままにしていたところ、多孔性焼成物の表面に上質の藻が生えているのが確認された。
【0037】
(実施例7)
竹炭粉末(平均粒径0.05mm)99重量部、麦飯石粉末(平均粒径0.05mm)1重量部からなる混合物100重量部に対して、水分含有量30重量%の粘土30重量部を加え、真空混練機にて、空気を抜きながら60分間混練し、次いで真空状態でさらに60分間混練して原料混練物を得た。この原料混練物を、金型で圧縮しながら球状に成形し、続いて成形体の焼成を、炭化プラントにて、大気中雰囲気下、600℃から昇温速度70〜100℃/分で1400℃まで昇温し、この1400℃に24時間保持して、目的の成形体の多孔性焼成物(φ20mm)を得た。
【0038】
得られた多孔性焼成物2個を、川から採取した水180ccに入れ、透明度の時間変化を調べた。なお、これと比較するため、上記多孔性焼成物2個に代えて竹炭(30mm×50mm)、および備長炭(φ20mm×50mm)を入れた場合についてもそれぞれ調べた。
その結果、3日経過後にいずれの場合も川の水はほぼ透明となったが、本発明の多孔性焼成物を用いた方が、他の場合に比較して同等か若干優れていた。
【0039】
(実施例8)
原料混練物を、竹炭粉末(平均粒径0.05mm)100重量部と、水分含有量30重量%の粘土30重量部とから構成した以外は、上記実施例7と同様の方法でを加え、目的の成形体の多孔性焼成物(φ20mm)を得た。
得られた多孔性焼成物1個を天ぷら油に入れ、揚げ物の料理に使用したところ、油が濁らず、鍋が汚れることもなかった。また、同じ多孔性焼成物3個を豚汁を作るのに用いたところ、豚肉から灰汁が出なかった。これは多孔性焼成物の吸着作用によるものと考えられる。
【0040】
(実施例9)
上記実施例1で得られた多孔性焼成物を粉砕し、粉末状(250メッシュ)の多孔性焼成物を得た。その粉末状の多孔性焼成物10gに、小麦粉20g、任意により粉末状の竹炭(250メッシュ)2gを加え、均一に混ぜ合わせた。次に、卵の白身を約1/2個、ビワの液(原液)20ccを少しずつ加え、粘稠な液体を得た。
得られた粘稠液体を、シップ薬としてガーゼ等の布または紙に塗り付けて用いたところ、打ち身の治療に効果が見られた。これは、多孔性焼成物がマイナスイオンを発生するためと遠赤外線効果によるものと考えられる。また、多孔性焼成物の調湿作用によりかぶれることもなかった。
【0041】
(実施例10)
上記実施例1における原料混練物300gに、貝殻の粉末(250メッシュ)50gを加え、実施例1と同様の方法にて成形・焼成し、粉砕して粉末状の多孔性焼成物を得た。そして、得られた多孔性焼成物を、2〜5重量%の酸化チタンとともに、セメント100gに加え、水と混練してブロック状(角形、球形)に成形した。
上記ブロックを、一面アオコで覆われた公園の池に置いたところ、1ヶ月程度で水質が改善するのが確認された。これは、多孔性焼成物に微生物が住み着いた結果、浄化作用が促進されたためと考えられる。また、ブロックは実質白色であるため、美観的にも優れていた。
【0042】
(実施例11)
上記実施例1で得られた多孔性焼成物を200メッシュ以上になるように粉砕し、目的の粉末状の多孔性焼成物を得た。得られた粉末状の多孔性焼成物6kgに対し、茶色の炭の粉末(200メッシュ以上)1kg、ゴーセノール(商品名:日本合成社製)10リットル、水2リットル、および少量の無公害防腐剤を加えて混合し、茶色の塗料を作製した。
【0043】
上記茶色の塗料を、塗装用ガンスプレッダーを用いて、化学繊維からなるエアコン用のフィルターの表面に、厚さ0.1〜0.3mmになるよう吹き付け塗装した。その結果、塗装しないフィルターは、ライターの火を近づけると一瞬で溶けて穴が空いてしまうのに対し、塗装を施したフィルターは、ライターの火を近づけ20秒経過しても穴が空くことはなかった。また、この塗装したフィルターについて、検知管法によりホルムアルデヒドの吸着能を測定したところ、1ppmのホルムアルデヒドが24時間で0.3ppmまで低下し、優れた吸着作用を有していることが明らかとなった。さらに、塗装したフィルターは臭いの吸着効果にも優れていることが明らかとなった。
さらに、上記茶色の塗料を、ベニヤ板の表面に厚さ0.5mmになるように塗り、乾燥させた。これに対し、約800〜1000℃のバーナーを当てたところ、1分間経過してもベニヤ板が燃えることはなかった。
【0044】
(実施例12)
上記実施例1で得られた多孔性焼成物を200メッシュ以上になるように粉砕し、粉砕したものを抹茶と混合して、目的の、緑色に着色された多孔性焼成物を得た。得られた緑色粉末状の多孔性焼成物7kgに対し、竹炭の粉末(200メッシュ以上)1kg、井草の粉末(200メッシュ以上)3kg、ゴーセノール(商品名:日本合成社製)10リットル、および水2リットルを加えて混合し、塗料を作製した。
上記塗料を用いて室内の壁を塗装したところ、臭いが無く、また、室内の湿度が適度な状態へ自然に調節された。さらに、塗装した色も落ち着いた深緑で和室と調和していた。また、塗膜の厚さは0.5mm以上とすることで十分な耐火性を有していた。
【0045】
(実施例13)
上記実施例1で得られた多孔性焼成物を200メッシュ以上になるように粉砕し、目的の粉末状の多孔性焼成物を得た。得られた粉末状の多孔性焼成物6kgに対して、トンネル用の塗料20リットル、竹炭の粉末(200メッシュ以上)1kg、および井草の粉末(200メッシュ以上)1kgを加えて混合し、ネズミ色の塗料を作製した。
上記ネズミ色の塗料はそれ自体臭いが無く、また塗装することにより、多孔性焼成物および井草があいまって吸着・分解効果を発揮し、排気ガスやCO2を好適に除去できることが分かった。
また、上記粉末状の多孔性焼成物を予め食紅で着色することにより、赤黒色の塗料を作製した。この塗料は、外壁や室内用塗料として美観に優れ、有用なものであった。
【0046】
(実施例14)
上記実施例1で得られた多孔性焼成物を200メッシュ以上になるように粉砕し、目的の粉末状の多孔性焼成物を得た。得られた粉末状の多孔性焼成物100重量部と、ゴーセノール(商品名:日本合成社製)200重量部とを混合し、塗料を作製した。この塗料を、塗装用ガンスプレッダーを用いて、化学繊維からなるエアコン用のフィルターの表面に、厚さ0.1〜0.3mmになるよう吹き付け塗装した。
上記塗装したフィルターについて、検知管法により、ホルムアルデヒドの吸着能を測定した。その結果を図1に示す。図1から明らかなように、当初4ppmであったホルムアルデヒドが0.5時間で急速に除去され(吸着され)、24時間で0.3ppmまで減少させることができた。
【0047】
(実施例15)
上記実施例1で得られた多孔性焼成物を200メッシュ以上になるように粉砕し、目的の粉末状の多孔性焼成物を得た。得られた粉末状の多孔性焼成物85重量部と、貝殻の粉末10重量部と、井草の粉末5重量部と、ゴーセノール(商品名:日本合成社製)200重量部とを混合し、塗料を作製した。この塗料について、上記実施例14と同様の方法により、ホルムアルデヒドの吸着能を調べた。
その結果を図2に示す。図2より、当初4ppmであったホルムアルデヒドを24時間で0.08ppmまで減少させることができ、吸着効果に優れていることが実証された。
【0048】
(実施例16)
原料混練物を板状に圧縮成形する以外は、上記実施例5と同様の方法により目的の板状の多孔性焼成物を得た。そして、得られた板状の多孔性焼成物について、ホルムアルデヒドの吸着試験を行った。比較対象として、珪酸カルシウム板、および炭を含有させた珪酸カルシウム板についても同様の試験を行った。なお、ホルムアルデヒドの所期濃度は1ppmである。その結果を図3に示す。図3は、24時間経過後のホルムアルデヒドの濃度を表しているが、本発明の多孔性焼成物を用いた板は、他の板と同等以上の吸着効果を奏することが明らかとなった。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、優れた脱臭作用、浄化作用、調湿作用、断熱作用、遮音作用、殺菌作用等の諸機能を有しており、色調が実質的に白色であり、容易に任意の色調に着色し得て、かつ機械的強度が優れた多孔性焼成物が提供される。本発明の多孔性焼成物は、炭と同様に種々の用途に上記の如き炭の問題点を解決して好適に供することができると共に、上記の如き問題点があるが故に炭を適用し得なかったような用途にも好適に供することができる。また、本発明の多孔性焼成物は、その原料混練物を焼成前に所望の形状に成形することにより、容易に任意の形状の成形体とすることができる。さらにまた、本発明の多孔性焼成物は、優れた耐熱性、耐火性をも有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例14におけるホルムアルデヒドの吸着試験の結果を示すグラフである。
【図2】 実施例15におけるホルムアルデヒドの吸着試験の結果を示すグラフである。
【図3】 実施例16におけるホルムアルデヒドの吸着試験の結果を示すグラフである。

Claims (10)

  1. 粉末状炭と、粉末状麦飯石、粉末状トルマリンから選ばれる一以上と、粘土とからなり、粉末状炭70〜90重量部に対して粘土の含有量が水分含有量30重量%の粘土において10〜30重量部で、各原料成分を混練し、該混練物を成形し、該成形体を、600〜1000℃の低温で大気焼成が行われ一旦常温に冷却し1000〜1500℃の高温で大気焼成が行われるか、または600〜1500℃の低温側から高温側に平均昇温速度70〜100℃/分で大気焼成して得られ、実質的に白色であることを特徴とする多孔性焼成物。
  2. 混練物が、粉末状炭、粉末状麦飯石、粉末状トルマリン、及び粘土の各原料成分を含み、各原料成分の使用割合が、粉末状炭、粉末状麦飯石および粉末状トルマリンの合計重量の70〜93重量%が粉末状炭、1〜29重量%が粉末状麦飯石および1〜20重量%が粉末状トルマリンの割合であり、かつ粉末状炭70〜90重量部に対して粘土の含有量が水分含有量30重量%の粘土において10〜30重量部の割合である請求項1に記載の多孔性焼成物。
  3. 原料成分に、粉末状炭、粉末状麦飯石、粉末状トルマリンおよび粘土に加えて粉末状黒鉛硅石を用いた請求項1または2に記載の多孔性焼成物。
  4. 粉末状黒鉛硅石の使用割合が、粉末状炭、粉末状麦飯石および粉末状トルマリンの合計量100重量部に対して3〜5重量部である請求項3に記載の多孔性焼成物。
  5. 原料成分に、粉末状炭、粉末状麦飯石、粉末状トルマリンおよび粘土に加えて、粉末状貝殻もしくは粉末状サンゴを用いた請求項1または2に記載の多孔性焼成物。
  6. 粉末状貝殻もしくは粉末状サンゴの使用割合が、粉末状炭、粉末状麦飯石および粉末状トルマリンの合計量100重量部に対して3〜5重量部である請求項5に記載の多孔性焼成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一つに記載の多孔性焼成物が粉末状に粉砕されていることを特徴とする粉末状の多孔性焼成物。
  8. 粉末状炭と粘土とを含有し、粉末状炭70〜90重量部に対して粘土の含有量が水分含有量30重量%の粘土において10〜30重量部で、各原料成分を混練し、該成形体を、600〜1000℃の低温で大気焼成が行われ一旦常温に冷却し1000〜1500℃の高温で大気焼成が行われるか、または600〜1500℃の低温側から高温側に平均昇温速度70〜100℃/分で大気焼成して得られ、実質的に白色である多孔性焼成物を粉末状に粉砕し、該粉砕物と、粉末状麦飯石、粉末状トルマリン、粉末状黒鉛珪石、粉末状貝殻、粉末状サンゴから選ばれる一以上とを混合してなる多孔性焼成物。
  9. 請求項1〜のいずれか一つに記載の多孔性焼成物100重量部に加えて、酸化チタン1〜10重量部を用いた多孔性焼成物。
  10. 請求項1〜のいずれか一つに記載の多孔性焼成物が着色剤によって着色されていることを特徴とする着色された多孔性焼成物。
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