JP4566344B2 - 内視鏡用可撓管の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡用可撓管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡の挿入部や光源との接続部に用いられる内視鏡用可撓管は、螺旋管の外周を網状管(編組体)で被覆した管状の芯材に、合成樹脂や合成ゴム等で構成された外皮が被覆された構成となっている。
【0003】
このような内視鏡用可撓管は、従来、次のように製造されていた。まず、螺旋管の外周に網状管を被覆する。次に、その状態で、螺旋管と網状管とをその両端付近で半田付け(ろう接)して固定する。その後、押し出し成形等の方法によって、さらに外皮を被覆する。
【0004】
ここで、医療用内視鏡は、感染症等を予防するため、使用する都度、消毒・滅菌を行う必要がある。この消毒・滅菌を行う方法に、従来の消毒液等の使用に代わるものとして、オートクレーブ(高圧蒸気滅菌)がある。このオートクレーブでは、内視鏡は、例えば、135℃、2気圧程度の高温高圧の水蒸気に5〜20分程度さらされる。
【0005】
したがって、内視鏡をオートクレーブによって滅菌をすることができるものとするためには、内視鏡用可撓管もオートクレーブ時の高温に対する耐熱性が求められる。このため、内視鏡用可撓管の外皮の材料としては、例えばフッ素ゴムやシリコーンゴム等の耐熱性に優れた材料を使用する必要がある。
【0006】
フッ素ゴムやシリコーンゴム等を外皮材料とした場合には、外皮を内視鏡用可撓管の芯材に被覆した後、外皮材料の熱処理(加硫)を行うことが必要となる。
このような熱処理(加硫)の際の温度は、例えば、250〜300℃程度である。
【0007】
しかし、外皮を熱処理する際のこのような温度は、多くの半田(軟ろう)の融点よりも高いため、次のような問題があった。それは、外皮を熱処理するために内視鏡用可撓管を加熱すると、螺旋管と網状管とを固定していた半田が溶融し、螺旋管と網状管との固定が損なわれるという問題である。
【0008】
このため、従来、外皮の熱処理を行う場合には、螺旋管と網状管との固定に溶接(融接)等の他の方法を用いる必要があった。このため、製造効率の低下、製造コストの増大を招いていた。
【0009】
一方、前述した従来の方法によって製造した内視鏡用可撓管には、次のような問題があった。
【0010】
第1に、ろう接により固定した両端付近以外の部分では、螺旋管と網状管とは単に接触しているだけであるため、両者の間の密着力(結合力)が乏しいという問題があった。このため、網状管が螺旋管に対してずれ易いものとなっていた。
【0011】
第2に、外皮が網状管の上に単に重ねて被覆されていたため、外皮と網状管との結合力が弱いという問題があった。このため、使用を繰り返すことにより、外皮が網状管から剥離(分離)し易いものとなっていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、外皮の熱処理を行う場合にも螺旋管と編組体との固定にろう接を用いることができ、また、螺旋管と編組体と外皮との間の結合力(密着力)が強い内視鏡用可撓管の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(7)の本発明により達成される。
【0014】
(1) 細線を編組して形成された筒状の編組体の外周に外皮を被覆してチューブ部材を作製する工程と、
帯状材を螺旋状に巻回して形成された螺旋管であって、その自然状態における外径Dが前記チューブ部材の自然状態における内径dより大きい螺旋管に、芯材を挿通し、前記螺旋管の外径D’がD’<dとなるように前記螺旋管を縮径状態にして前記芯材に仮止めする工程と、
前記芯材に仮止めした前記螺旋管を前記チューブ部材内に挿通し、前記仮止めを解除して前記芯材を抜き取る工程と、
前記編組体に被覆した外皮を熱処理することにより、該外皮の材料を加硫して耐熱性を向上させる工程と、
前記螺旋管と前記編組体とをその両端付近で内側からろう接する工程とを有することを特徴とする内視鏡用可撓管の製造方法。
【0015】
これにより、螺旋管と編組体との固定にろう接を用いつつ、外皮の熱処理を行うことができ、また、螺旋管と編組体と外皮との間の結合力(密着力)が強い内視鏡用可撓管を製造することができる。
【0016】
(2) 前記外皮の材料は、フッ素ゴムおよびシリコーンゴムの少なくとも一方を含むものである上記(1)に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
これにより、耐熱性に優れた内視鏡用可撓管を製造することができる。
【0018】
(3) 前記螺旋管には、前記帯状材の両端部がそれぞれ内側に折り曲げられた折り曲げ部が形成され、
前記芯材の両端には、それぞれ、前記各折り曲げ部が挿入される溝が形成されており、
前記自然状態の前記螺旋管に前記芯材を挿通して、一方の前記折り曲げ部をそれに対応する前記溝に挿入し、この状態で前記螺旋管を前記縮径状態になるまで巻回方向に捩じって、他方の前記折り曲げ部をそれに対応する前記溝に挿入し、前記仮止めを行なう上記(1)または(2)に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
【0019】
(4) 前記芯材に仮止めした前記螺旋管を前記チューブ部材内に挿通して、片方または双方の前記折り曲げ部を前記溝から外し、前記仮止めを解除する上記(3)に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
【0021】
(5) 前記チューブ部材を作製する工程では、前記編組体の少なくとも一部を埋め込むように前記外皮を被覆する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
【0022】
(6) 前記チューブ部材を作製する工程では、横断面形状が円形の通路と、該通路の内周面に開口し、その全周にわたってリング状に形成された押し出し口とを有するダイスヘッドが用いられ、
前記編組体が被覆された前記芯体を前記通路内でその長手方向に沿って移動させながら、前記押し出し口から前記外皮の材料を押し出し、該押し出された外皮の材料が前記編組体の隙間に浸透しつつ、前記編組体の外周に順次被覆する上記(5)に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
【0024】
(7) 前記網状管は、前記細線が金属製または非金属製であり、該細線を複数並べたものを編組して筒状に形成されている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の内視鏡用可撓管の製造方法の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0032】
まず、本発明の方法により製造される内視鏡用可撓管を有する内視鏡の全体構成の一例について説明する。
【0033】
図1は、本発明の方法により製造される内視鏡用可撓管を有するファイバー内視鏡(ファイバースコープ)を示す全体図である。以下、図1中の上側を「基端」、下側を「先端」として説明する。
【0034】
図1に示すファイバー内視鏡1は、可撓性(柔軟性)を有する挿入部可撓管11と、挿入部可撓管11の先端部に設けられた湾曲管12と、挿入部可撓管11の基端部に設けられ、術者が把持してファイバー内視鏡1全体を操作する操作部13と、操作部13の基端部に設けられ、被写体の像を直接観察する接眼部14と、操作部13に接続されたライトガイド可撓管15と、ライトガイド可撓管15の先端側に設けられた光源差込部16とで構成されている。
【0035】
本発明の内視鏡用可撓管の製造方法は、挿入部可撓管11やライトガイド可撓管15の製造に使用することができるものである。
【0036】
挿入部可撓管11は、生体の管腔内に挿入して使用される。また、操作部13には、操作レバー17が設置されている。この操作レバー17を操作すると、挿入部可撓管11内に配設されたワイヤー(図示せず)が牽引されて、湾曲管12が2方向に湾曲し、その湾曲方向を変えることができる。
【0037】
光源差込部16の先端部には、光源用コネクタ18が設置され、この光源用コネクタ18が光源装置(図示せず)に接続されている。光源装置から発せられた光は、光源用コネクタ18、および、光源差込部16内、ライトガイド可撓管内、操作部13内、挿入部可撓管11内および湾曲管12内に連続して配設された光ファイバー束によるライトガイド(図示せず)を通り、湾曲管12の先端部より観察部位に照射され、照明する。
【0038】
前記照明光により照明された観察部位からの反射光(被写体像)は、挿入部可撓管11内および操作部13内に連続して配設された光ファイバー束によるイメージガイド(図示せず)を通り、接眼部14へ伝達される。
【0039】
接眼部14の内部には、接眼レンズ(図示せず)が設置され、イメージガイド内を通って到達した反射光がこの接眼レンズを通して観察される。
【0040】
以上、ファイバー内視鏡1の全体構成について説明したが、本発明の内視鏡用可撓管の製造方法は、ファイバー内視鏡に限らず、電子内視鏡の内視鏡用可撓管の製造にも使用することができることは、言うまでもない。
【0041】
次に、本発明の内視鏡用可撓管の製造方法を図2〜図9に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の内視鏡用可撓管の製造方法は、次のような各工程を有する。
【0042】
[1]チューブ部材3を作製する工程
まず、網状管(編組体)4の外周に外皮5を被覆して、チューブ部材3を作製する。網状管4は、金属製または非金属製の細線41を複数並べたものを編組して筒状に形成されている。細線41を構成する材料としては、例えば、ステンレス鋼、銅合金等が好ましく用いられる。
【0043】
外皮5は、網状管4の少なくとも一部を埋め込むように被覆するのが好ましい。これにより、次のような効果が得られる。
【0044】
・外皮5と網状管4との間の結合力が強くなり、外皮5が網状管4から剥離(分離)しにくいものとなる。
・外皮5の耐久性が向上し、亀裂等を生じにくいものとなる。
・網状管4の材質、編組の密度等の選択や埋め込み部分の厚さを調整することにより、外皮5の可撓性(弾力性)を所望に調節することができる。
【0045】
外皮5を構成する材料としては、特に限定されないが、網状管4に被覆した後に熱処理(加硫)を必要とするものであるのが好ましく、例えば、フッ素ゴム、シリコーンゴムおよびエチレンプロピレンゴムよりなる群から選択される少なくとも1種を含むものであるのが好ましい。後述するように、本発明によれば、外皮の熱処理を行う場合でも、網状管4と螺旋管6とをろう接によって簡便に固定することができるため、熱処理を必要とする外皮材料を使用した場合に本発明の優位性がより大きいものとなる。
【0046】
特に、外皮5の材料をフッ素ゴムおよびシリコーンゴムの少なくとも一方を含むものとした場合には、外皮5が耐熱性に優れたものとなる。これにより、オートクレーブ(高圧蒸気滅菌)によって滅菌を行うことができる内視鏡用可撓管2を製造することができる。
【0047】
外皮5を網状管4に被覆する方法としては、特に限定されないが、次に説明するような押し出し成形により容易に被覆することができる。
【0048】
図2は、外皮5を押し出し成形により網状管4に被覆している押し出し成形機のダイスヘッド7の部分の縦断面図である。以下の説明では、図2中の左側を「先端」、右側を「基端」として説明する。
【0049】
ダイスヘッド7は、ダイス71とニップル72とを有している。ダイスヘッド7には、基端から先端に貫通する円形断面の通路73が形成されている。
【0050】
網状管4は、芯体81の外周に被覆した状態とする。この芯体81に被覆した網状管4を、通路73内に同心的に挿通し、図示しない移送手段により、基端から先端に向かって長手方向(図2中の矢印A方向)に移動する。
【0051】
ダイスヘッド7の内部には、ダイス71とニップル72とによって、外皮材料通路74が形成されている。外皮材料通路74の先端は、通路73内に周状に開口しており、押し出し口75を形成している。
【0052】
外皮材料通路74には、ホッパー(図示せず)に投入された外皮材料51が、シリンダ(図示せず)内のスクリュー(図示せず)によって順次送り込まれる(図2中の矢印B部)。送り込まれた外皮材料51は、外皮材料通路74を通って、押し出し口75から押し出され、長手方向に移動する網状管4の外周に順次被覆される。
【0053】
押し出された外皮材料51の一部は、網状管4の隙間(編み目)42に浸透させる。このようにして、網状管4のほぼ全体が外皮5に埋め込まれる。これにより、外皮5が網状管4から極めて剥離しにくいものとなる。
【0054】
また、網状管4が外皮5に埋め込まれることにより、強度等の性能を維持しつつ、網状管4の厚さの分だけ内視鏡用可撓管2の外径を細径化(または、内径を拡大化)することができる。
【0055】
押し出し成形を終えた後、芯体81を抜き取って、チューブ部材3が完成する。
【0056】
チューブ部材3は、以上説明したような方法によらず、例えば、予めチューブ状に形成した外皮5を網状管4に被せ、接着剤や加熱等の方法により密着固定して作製しても良い。
【0057】
[2]螺旋管6を芯材82に仮止めする工程
図3は、チューブ部材3の内径と螺旋管6の外径との大小関係を示す図、図4は、螺旋管6を芯材82に仮止めした状態を示す正面図、図5は、螺旋管6を芯材82に仮止めした状態を示す側面図である。以下の説明では、図4中の左側を「先端」、右側を「基端」として説明する。
【0058】
螺旋管6は、帯状材を均一な径で螺旋状に間隔を開けて巻回して形成したものである。帯状材を構成する材料としては、例えば、ステンレス鋼、銅合金等が好ましく用いられる。
【0059】
図3に示すように、螺旋管6は、その自然状態(外力が作用していない状態)における外径Dが、チューブ部材3の自然状態における内径dよりも大きくなるように形成されている。これらの比D/dの値は、特に限定されないが、1.05〜1.2であるのが好ましく、1.1〜1.15であるのがより好ましい。
【0060】
図4および図5に示すように、螺旋管6の先端には、帯状材の端部を内周側に折り曲げて、折り曲げ部61を形成しておく。このような螺旋管6に芯材82を挿通する。芯材82の両端には、溝83が形成されており、折り曲げ部61を芯材82の先端の溝83に通して、螺旋管6の先端が芯材82に対して回転しないようにする。そして、螺旋管6の基端を帯状材の巻回方向に捩じっていく。そうすると、螺旋管6は、その外径D’が次第に縮小するように変形する。
【0061】
螺旋管6の外径D’がチューブ部材3の自然状態における内径dより小さくなるまで、螺旋管6を縮径状態にした後、螺旋管6の基端に先端と同様の折り曲げ部61を形成する。そして、この折り曲げ部61を芯材82の基端の溝83に通し、螺旋管6が元の形状に復元しないように仮止めする。なお、螺旋管6を芯材に仮止めする方法は、前述したような折り曲げ部61と溝83とによる方法によらず、いかなる方法でもよい。
【0062】
このように、螺旋管6をD’<dとなるような縮径状態にして芯材82に仮止めすることにより、螺旋管6をチューブ部材3内に挿通することができる。
【0063】
[3]チューブ部材3と螺旋管6とを組み合わせる工程
図6は、芯材82に仮止めした螺旋管6をチューブ部材3内に挿通した状態を示す部分縦断面図である。
【0064】
図6に示すように、縮径状態にして芯材82に仮止めした螺旋管6をチューブ部材3内に挿通する。その後、一端または両端において折り曲げ部61を溝83から外し、螺旋管6の芯材82に対する仮止めを解除する。そうすると、螺旋管6は、元の形状に戻ろうとして、径が拡大する。そして、螺旋管6の外周面がチューブ部材3の内周面に密着する。
【0065】
次に、芯材82を抜き取る。その後、必要に応じてチューブ部材3と螺旋管6とを両端付近で切断し、両端部を平坦にする。
【0066】
図7は、このようにチューブ部材3と螺旋管6とを組み合わせ、両端を切断したものの縦断面図である。
【0067】
螺旋管6の自然状態における外径Dは、チューブ部材3の自然状態における内径dより大きいので、チューブ部材3と螺旋管6とを組み合わせた状態では、螺旋管6は、元の外径に復元しようとして、チューブ部材3に、その内径を押し広げるような力を及ぼし続ける。これにより、チューブ部材3は、螺旋管6によって押し広げられて内径が幾分拡大し、チューブ部材3の内径および螺旋管6の外径は、ともにd<d’<Dなるd’となる。
【0068】
このように、螺旋管6の外周面がチューブ部材3(網状管4)の内周面に常に押し付けられているため、螺旋管6とチューブ部材3との密着力(結合力)が強い。このため、チューブ部材3(網状管4)が螺旋管6に対して確実に固定される。これにより、内視鏡用可撓管2が弾力性に優れたものとなる。その理由について、次に説明する。
【0069】
内視鏡用可撓管2を曲げたときに、その曲げた部分では、チューブ部材3は、螺旋管6の曲がりに沿って外側では伸長し、内側では収縮する。一方、チューブ部材3が螺旋管6に対して確実に固定されているので、内視鏡用可撓管2の真っ直ぐな部分では、チューブ部材3は伸縮しない。このため、チューブ部材3は、内視鏡用可撓管2の曲がった部分で集中して伸縮するため、その単位長さ当たりの伸縮割合が大きい。したがって、内視鏡用可撓管2の曲がった部分において、チューブ部材3に発生する局部的な復元力が大きいので、曲がった内視鏡用可撓管2の復元が確実になされる。これにより、内視鏡用可撓管2が弾力性に優れたものとなる。
【0070】
これに対し、従来のようにチューブ部材3(網状管4)の螺旋管6に対する固定が不十分であると、チューブ部材3が螺旋管6に対してずれ易くなる。このような場合には、内視鏡用可撓管2を曲げたとき、チューブ部材3は、その曲げた部分だけでなく、真っ直ぐな部分も含めた全長に渡る部分で伸縮を吸収することとなる。このため、チューブ部材3の単位長さ当たりの伸縮の割合が小さくなって、チューブ部材3に発生する復元力は小さい。このため、曲がった内視鏡用可撓管2の復元が確実になされない。
【0071】
図8は、図7に示す縦断面の一部を拡大して示す縦断面図である。
図8に示すように、螺旋管6を形成する帯状材は、その片面にかえり(バリ)62が形成されている。このかえり62は、板材からせん断加工により帯状材を切り出した際に形成されるものである。螺旋管6は、このような帯状材のかえり62を外周側に向けて巻回して形成したものであるのが好ましい。これにより、かえり62が網状管4に対してアンカー効果を生じ、網状管4と螺旋管6との密着力(結合力)がより強くなる。このため、チューブ部材3が螺旋管6に対してより確実に固定され、弾力性がより優れた内視鏡用可撓管2が得られる。また、螺旋管6の内周面がかえり62のない平滑なものとなるため、内視鏡用可撓管2の内部に挿通される光ファイバー、ケーブル、チューブ類等の内蔵物を傷つけることがない。
【0072】
さらに、網状管4を埋め込むように外皮5を被覆してチューブ部材3を作製した場合には、図8に示すように、かえり62が網状管4だけでなく、外皮5にも食い込むため、かえり62のアンカー効果がより有効なものとなる。このように、網状管4を埋め込むように外皮5を被覆することと、かえり62を外周側に向けることとの相乗効果により、チューブ部材3と螺旋管6とがより確実に固定される。
【0073】
また、網状管4は、その全体を外皮5内に埋め込んでも良いが、図8に示すように、その一部が僅かに外皮5の内周面に露出していても良い。その場合には、網状管4と螺旋管6とが接触する。
【0074】
[4]外皮5を熱処理する工程
螺旋管6とチューブ部材3とを組み合わせた後、必要に応じて、外皮5を熱処理する。これにより、外皮5の性質を改善して、内視鏡用可撓管に、例えば、耐熱性向上等の効果を与えることができる。熱処理の目的としては、外皮材料の加硫が挙げられるが、これに限られない。
【0075】
外皮5の熱処理は、螺旋管6と組み合わせる前のチューブ部材3に対して行い、その後、螺旋管6と組み合わせることとしても良い。
【0076】
[5]網状管4と螺旋管6とをろう接する工程
必要に応じて、網状管4と螺旋管6とを両端付近で内側からろう接(半田付け)して固定する(図7中の矢印Aで示す部分)。また、これに代えて、両端付近に外皮5を被覆しない箇所を形成して、網状管4の外周を露出させ、外側からろう接して固定してもよい。
【0077】
本発明では、外皮5の熱処理(加硫等)をろう接の前に行うことができるので、熱処理を行った際に、網状管4と螺旋管6とを固定している半田が溶融して、この固定が損なわれるという問題が生じない。これにより、外皮5の熱処理を行う場合にも、網状管4と螺旋管6との固定に溶接(融接)等の他の方法を使用する必要がなく、低コストで簡便なろう接を使用することができる。
【0078】
このようにして製造された内視鏡用可撓管2は、端部に口金91を装着して、操作部13や光源差込部16に接続される。次に説明するように、口金91を内視鏡用可撓管2の端部に固定するろう接と、網状管4と螺旋管6とのろう接を一度に行っても良い。
【0079】
図9は、内視鏡用可撓管2が操作部13に接続されている部分の縦断面図である。以下の説明では、図9中の左側を「基端」、右側を「先端」として説明する。
【0080】
図9に示すように、内視鏡用可撓管2は、口金91を介して操作部13に接続されている。
【0081】
口金91の基端部には、筒状をなす挿入部92が形成されている。挿入部92の外径は、内視鏡用可撓管2の内径とほぼ同じ長さになっている。そして、この挿入部92が内視鏡用可撓管2の先端に挿入されている。挿入部92には、ろう接用孔93が形成されている。口金91の内側から、このろう接用孔93が形成されている部分をろう接する。これにより、螺旋管6と網状管4とが固定されるとともに、口金91が内視鏡用可撓管2に固定される。
【0082】
内視鏡用可撓管2と口金91との接続部分の外周には、熱収縮チューブ94を被覆して、水密性を高めることとしても良い。また、内視鏡用可撓管2と口金91との隙間に接着剤(図示せず)を充填することにより、水密性を高めることとしても良い。
【0083】
口金91は、操作部13に固定用ビス95で固定される。また、内視鏡用可撓管2と操作部13との接続部分の全体は、おさえゴム96で覆われている。口金91および操作部13とおさえゴム96との間には、Oリング97が設置され、水密性が確保されている。内視鏡用可撓管2の外周面21には、例えばパリレンのような潤滑剤をコーティングしても良い。
【0084】
図10は、本発明の方法により製造した内視鏡用可撓管2の他の一例を示す拡大縦断面図である。
【0085】
図10に示す内視鏡用可撓管2は、外皮5が内層52と外層53との2層の積層体で構成されている。そして、網状管4は、内層52に埋め込まれている。
【0086】
このように、チューブ部材3は、2層または3層以上の積層体で構成された外皮5を網状管4に被覆して作製してもよい。このような外皮5の各層は、互いに物理的特性または化学的特性が異なる材料で構成することができる。これにより、外皮5の各層の特性の組み合わせによって、内視鏡用可撓管2に必要とされる各種の性能を同時に優れたものとすることができる。
【0087】
例えば、内層52に螺旋管6との密着性に優れた材料を使用することにより、チューブ部材3を螺旋管6により確実に固定することができる。
【0088】
また、内層52に弾力性の優れた材料を使用することにより、内層52が外層53と螺旋管6との間のクッションとして作用し、内視鏡用可撓管2の弾力性をより優れたものとすることができる。
【0089】
また、外層53に耐薬品性に優れた材料を使用することにより、消毒液の使用に対する耐久性に優れたものとすることができる。
【0090】
外皮5は、その全長に渡ってこのような積層体で構成してもよく、長手方向の一部についてこのような積層体で構成してもよい。
【0091】
このような複数の積層体で構成された外皮5を網状管4に被覆する方法は、特に限定されず、例えば、複数の押し出し口75を備えた押し出し成形機によって複数の層を同時に押し出して、その積層体を網状管4に被覆することができる。
また、チューブ状に形成した各層を順次被覆してもよい。
【0092】
以上、本発明の内視鏡用可撓管の製造方法を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0093】
例えば、本実施形態では、螺旋管6を1重としているが、縮径状態とした2つあるいは3つ以上の螺旋管6を順次チューブ部材3と組み合わせていき、螺旋管6を2重あるいは3重以上としてもよい。
【0094】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、外皮の熱処理を必要とする場合でも、螺旋管と網状管との固定にろう接を使用することができる。このため、効率よく、低コストで製造することができる。
【0095】
特に、外皮材料をフッ素ゴムおよびシリコーンゴムの少なくとも一方を含むものとすることにより、耐熱性に優れた内視鏡用可撓管を効率よく、低コストで製造することができる。
【0096】
また、螺旋管と編組体と外皮との間の結合力(密着力)を強くすることができる。これにより、弾力性に優れた内視鏡用可撓管を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により製造される内視鏡用可撓管を有するファイバー内視鏡の一例を示す全体図である。
【図2】押し出し成形により外皮を網状管に被覆してチューブ部材を作製する工程を示す縦断面図である。
【図3】チューブ部材の内径と螺旋管の外径との大小関係を示す図である。
【図4】螺旋管を芯材に仮止めした状態を示す正面図である。
【図5】螺旋管を芯材に仮止めした状態を示す側面図である。
【図6】芯材に仮止めした螺旋管をチューブ部材内に挿通した状態を示す部分縦断面図である。
【図7】本発明の方法により製造した内視鏡用可撓管の縦断面図である。
【図8】図7に示す縦断面の一部を拡大して示す拡大縦断面図である。
【図9】内視鏡用可撓管と操作部との接続部分を示す縦断面図である。
【図10】本発明の方法により製造した内視鏡用可撓管の拡大縦断面図である。
【符号の説明】
1 ファイバー内視鏡
11 挿入部可撓管
12 湾曲管
13 操作部
14 接眼部
15 ライトガイド可撓管
16 光源差込部
17 操作レバー
18 光源用コネクタ
2 内視鏡用可撓管
21 外周面
3 チューブ部材
4 網状管
41 細線
42 隙間
5 外皮
51 外皮材料
52 内層
53 外層
6 螺旋管
61 折り曲げ部
62 かえり
7 ダイスヘッド
71 ダイス
72 ニップル
73 通路
74 外皮材料通路
75 押し出し口
81 芯体
82 芯材
83 溝
91 口金
92 挿入部
93 ろう接用孔
94 熱収縮チューブ
95 固定用ビス
96 おさえゴム
97 Oリング

Claims (7)

  1. 細線を編組して形成された筒状の編組体の外周に外皮を被覆してチューブ部材を作製する工程と、
    帯状材を螺旋状に巻回して形成された螺旋管であって、その自然状態における外径Dが前記チューブ部材の自然状態における内径dより大きい螺旋管に、芯材を挿通し、前記螺旋管の外径D’がD’<dとなるように前記螺旋管を縮径状態にして前記芯材に仮止めする工程と、
    前記芯材に仮止めした前記螺旋管を前記チューブ部材内に挿通し、前記仮止めを解除して前記芯材を抜き取る工程と、
    前記編組体に被覆した外皮を熱処理することにより、該外皮の材料を加硫して耐熱性を向上させる工程と、
    前記螺旋管と前記編組体とをその両端付近で内側からろう接する工程とを有することを特徴とする内視鏡用可撓管の製造方法。
  2. 前記外皮の材料は、フッ素ゴムおよびシリコーンゴムの少なくとも一方を含むものである請求項1に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
  3. 前記螺旋管には、前記帯状材の両端部がそれぞれ内側に折り曲げられた折り曲げ部が形成され、
    前記芯材の両端には、それぞれ、前記各折り曲げ部が挿入される溝が形成されており、
    前記自然状態の前記螺旋管に前記芯材を挿通して、一方の前記折り曲げ部をそれに対応する前記溝に挿入し、この状態で前記螺旋管を前記縮径状態になるまで巻回方向に捩じって、他方の前記折り曲げ部をそれに対応する前記溝に挿入し、前記仮止めを行なう請求項1または2に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
  4. 前記芯材に仮止めした前記螺旋管を前記チューブ部材内に挿通して、片方または双方の前記折り曲げ部を前記溝から外し、前記仮止めを解除する請求項3に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
  5. 前記チューブ部材を作製する工程では、前記編組体の少なくとも一部を埋め込むように前記外皮を被覆する請求項1ないし4のいずれかに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
  6. 前記チューブ部材を作製する工程では、横断面形状が円形の通路と、該通路の内周面に開口し、その全周にわたってリング状に形成された押し出し口とを有するダイスヘッドが用いられ、
    前記編組体が被覆された前記芯体を前記通路内でその長手方向に沿って移動させながら、前記押し出し口から前記外皮の材料を押し出し、該押し出された外皮の材料が前記編組体の隙間に浸透しつつ、前記編組体の外周に順次被覆する請求項5に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
  7. 前記網状管は、前記細線が金属製または非金属製であり、該細線を複数並べたものを編組して筒状に形成されている請求項1ないし6のいずれかに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
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