JP4565061B2 - 光分岐回路及びセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、光信号を複数に分配するための光分岐回路及びそれを用いたセンサに係り、特にループ状光導波路を利用した光分岐回路及び気体や液体など複数の化学物質を同時に検出することが可能なセンサに関する。
光信号をN(N≧2)個に分岐する機能を持つ光分岐回路は、光ファイバ通信、光信号処理、光計測、光センサなどの分野で重要な光部品の一つである。光分岐回路はその形態によりバルク型、光導波路型の2種類に大別することができる。
バルク型分岐回路は従来から使用されるレンズやプリズム、干渉膜フィルタなどから構成されており、組み立てや調整が複雑なため、小型化や低価格化が容易でないという問題がある。
一方、光導波路型分岐回路はフォトリソグラフィ技術を用いて平面基板上に形成した光導波路を用いて光の進行方向を変えたり、分岐させたりするものであり、構造が簡単であるため、小型化や低価格化を実現できる可能性が高い。なお、光導波路とは電気回路中に電子が流れるように、屈折率の違いを利用して回路に光信号を導くものをいう。
図5は従来の光導波路型Y分岐回路の一例を示す図である。図5に示すように光分岐回路1においては、光導波路16を進行した入力光はY分岐17においてそれぞれ2分岐をn段繰り返すことによりN(=2n)個に分配される。Y分岐17の分岐角は1〜5°程度であり、分岐導波路間隔を大きくする場合や多段接続をする場合には極めて長い距離が必要である。そのため、このような構造の光分岐回路においては小型化が困難である。
一方、光分岐回路をセンサに利用した場合、同時に複数の化学物質の検出が可能となる。その一例としてガスセンサについて図6及び図7を用いて説明する。図6は透過型ガスセンサの原理を説明する図である。図6に示すように、ガスセンサ18は表面に直線状の光導波路16が形成された基板2と、光導波路16を進行した光の強度変化を検出する光検出器15とを備えており、光導波路16の途中にはガスの作用により光透過度が変化する機能性薄膜12が塗布されている。
光導波路16内に入射された光は全反射しながら光導波路16を進行するが、僅かながら表面から漏れ出る光が機能性薄膜12を伝わる。このとき機能性薄膜12の光透過度がガスの吸着により変化すると、光導波路16を進行した光の強度が変化する。従って、このような構造のガスセンサ18においては、光導波路16を進行した光の強度変化を検出することにより間接的にガスを検出することができる。
図7は光分岐回路を用いたガスセンサの構成図である。図7に示すように、ガスセンサ18aはレーザ光源13と、プリズム14と、表面に光導波路16が形成された基板2と、光導波路16を進行した光の強度変化を検出する光検出器15a〜15eとを備え、分岐された数本の光導波路16の途中にはそれぞれ機能性薄膜12a〜12eが塗布されている。レーザ光源13から出射されプリズム14により光導波路16に入射された光は光分岐回路により分岐された後、それぞれ対応する光導波路16を進行し、光検出器15a〜15eに到達する構造となっている。
このような構造のガスセンサ18aにおいては、図6と同様の原理によりガスを検出することができる。さらに、分岐された複数本の光導波路16に塗布する機能性薄膜12a〜12eの種類をそれぞれ異なるものとすれば、同時に複数のガスを検出することが可能となる。しかし、上記構成のガスセンサ18aにおいては測定感度を向上させるためには機能性薄膜12a〜12eを長く形成する必要があり、ガスセンサ18aが大型化してしまう。また、同時に検出できるガスの種類を増やすためには光導波路16の分岐数を増やす必要がある。この場合、光分岐回路の構造が複雑になるため、ガスセンサ18aの小型化が困難となるという課題があった。
このような課題に対処するため、いくつかの発明及び考案が開示されている。例えば特許文献1には、「導波型光スターカプラ」という名称で、光通信システムにおいて信号光を複数の場所に分配するための、導波型光スターカプラに関する発明が開示されている。
以下、図8を参照しながら、特許文献1に開示された発明について説明する。図8は従来技術に係る128分岐導波型光スターカプラの平面構成図である。図8に示すように、特許文献1に開示された発明は、シリコン基板51上に入力用単一モードチャンネル導波路52、扇型スラブ導波路53、多数のテーパ導波路54及び多数の出力用単一モードチャンネル導波路55を順次配置し、接続した構造を備えるものである。
このような構造によれば、入射信号光は扇形スラブ導波路53内の回折により広がった後、一度に分岐されるので、Y分岐を多段に設けるよりも小型化が可能であると同時に過剰損失と分岐ばらつきを小さくすることが可能である。
また、特許文献2には、「導波路型光スターカプラ」という名称で、ある入力導波路へ入射した光信号を複数の出力導波路へ分配する導波路型光スターカプラに関する発明が開示されている。
特許文献2に開示された発明は、第2コア導波路上に出力端の幅が拡がると共に厚みが薄くなるテーパ部を持った第1のコア導波路を積層した構造を備えるものである。
このような構造によれば、光の結合効率が高く、また導波モードの波面の傾きを一様にできるモードパターン整合機能を持っているため、小型にも拘らず、多ポート化の実現が可能であり、更に波長依存性が少ないので広帯域な光信号に対応することができる。
さらに特許文献3には、「ガス計測装置およびそれを用いた呼気テスト方法」という名称で、光による、小型で高感度なガス計測装置及びそれを用いた呼気テスト方法に関する発明が開示されている。
特許文献3に開示された発明は、光源と、この光源からの光を入力して周囲のガスとエバネッセント場により相互作用する微小球共振器を含むガスセンサと、このガスセンサからの出力光を受ける受光器とを備えるものである。
このような構造によれば、微小球共振器のQ値を計測することにより、または微小球共振器の中心周波数を計測することにより、周囲のガスの濃度を計測することができるため、計測装置を小型化・高感度・高分解能とすることができる。
特許第2538099号公報 特許第2783362号公報 特開2000−88745号公報
しかしながら、上述の従来技術である特許文献1に開示された発明においては、光分岐回路の構造が複雑であり、またセンサへの利用を想定すると分岐数を4から8程度、分岐導波路間隔を数mm程度にする必要があり、たとえ一度に分岐させても分岐後の広がりが大きくなり小型化が困難となるという課題があった。
また、特許文献2に開示された発明においては、光導波路が積層構造となっているため、構造が複雑となりセンサの小型化が困難である。さらに、フォトリソグラフィ工程を数回繰り返して行う必要があるため、製造費用が増大するという課題があった。
特許文献3に開示された発明においては、微小球共振器内を光が回っているため、光路長を長くした場合と同じ効果が得られ、雰囲気中のガスを高感度で検出することができるものの、1種類のガスしか検出できないという課題があった。
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、構造を簡易にすることで小型で安価な光分岐回路とこの光分岐回路を用いた同時に複数の化学物質の検出が可能なセンサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明である光分岐回路は、表面に第1の光導波路が形成された基板と、側面全周にわたってループ状に第2の光導波路が形成された略円柱状部材とを備え、この略円柱状部材は側面平坦部上の第2の光導波路が第1の光導波路に当接するように基板上に配置されるとともに、第1の光導波路内部の光の進行方向と略円柱状部材の軸方向とが平行でなく、若しくは直交しないことを特徴とするものである。ここで、略円柱状部材とは円柱の軸に平行な一平面で切断され、その一部を除去された円柱状の部材であって、切断除去される部分の体積が円柱全体の体積の1/2より少ないものをいう。また、円柱側面の切断面を本願発明においては側面平坦部という。
上記構成の光分岐回路によれば、第1の光導波路内に入射し、全反射しながら進行した光(以下、第1光導波路入射光という。)は、略円柱状部材の側面平坦部では第1及び第2の2つの光導波路を進行し、側面平坦部の縁において第1の光導波路を進行する光(以下、第1光導波路通過光という。)とループ状の第2の光導波路を進行する光(以下、第2光導波路通過光という。)とに分岐される。この第2光導波路通過光は略円柱状部材の側面に沿って螺旋状に周回した後、側面平坦部において再び第1の光導波路及び第2の光導波路をともに進行し、さらに側面平坦部の縁で再度第1光導波路通過光と第2光導波路通過光とに分岐され、以下この現象を繰り返す。すなわち、1本の第1光導波路入射光はループ状の第2の光導波路を進行して略円柱状部材の側面に沿う螺旋状の周回を繰り返すことにより、複数本の光に分岐される。また、複数本に分岐された第1光導波路通過光の間隔は、第1光導波路入射光の進行方向と略円柱状部材の軸方向とのなす角度により定まる。
請求項2記載のセンサは、側面平坦部を除く第2の光導波路上に、被検出物質の作用によって光透過度が変化する機能性薄膜が形成された請求項1に記載の光分岐回路と、この光分岐回路から出力される光の強度を検出する光検出器とを備えるものである。
上記構成のセンサにおいては、被検出物質の作用により機能性薄膜の光透過度が変化すると第2の光導波路を進行する光の一部が機能性薄膜に吸収されるため、光分岐回路から出力される光の強度が変化するという作用を有する。また、第2の光導波路がループ状をなしているため、直線状に設けられるよりも距離を稼ぐことが可能である。これによりセンサの検出感度が向上する。
以上説明したように、本発明の請求項1に記載の光分岐回路においては、分岐回路が3次元構造であるため、第1の光導波路の光の進行方向について回路の長さを大きく変えることなく、分岐数を増やすことができる。
本発明の請求項2に記載のセンサにおいては、光分岐回路から出力される光の強度を検出することにより被検出物質を検出することができる。また、第1の光導波路の光の進行方向についてセンサの長さを大きく変えることなく機能性薄膜長を長くできるため、センサの小型化と高感度化が可能となる。さらに、第2の光導波路上に数種類の機能性薄膜を形成すれば、同時に複数の物質を検出することが可能である。
以下に、本発明の最良の実施の形態に係るループ状光導波路による光分岐回路及びセンサの実施例について図1乃至図4を用いて説明する。
実施例1の光分岐回路について図1及び図2を用いて説明する(特に、請求項1に対応)。
図1(a)は実施例1の光分岐回路の側面図であり、同図(b)は実施例1の光分岐回路を略円柱状部材の軸に垂直な平面で切断した断面図である。
図1(a)に示すように、光分岐回路1aはガラス製の基板2と、ガラス製の略円柱状部材3とからなり、略円柱状部材3は側面平坦部4が基板2の表面に当接するように基板2上に配置されている。さらに図1(b)に示すように、基板2の表面及び略円柱状部材3の側面には熱拡散法によりそれぞれ第1光導波路5及び第2光導波路6が形成されている。なお、熱拡散法はイオン交換法の一種であり、ドーパントイオンを含む融液中にガラス製の基板2を浸すことによりガラス表面でナトリウムイオンとドーパントイオンを交換し、さらに基板2表面から内部へと拡散させる方法である。また、光導波路のその他の形成方法としては、デポジション法、エピタキシャル法及びイオン注入法などがある。
このような構造の光分岐回路1aにおいては、図1(b)に示すように第1光導波路入射光7は第1光導波路5の内部で全反射を繰り返しながら進行し、略円柱状部材3の側面平坦部4では第1光導波路5及び第2光導波路6を進行し、分岐部9において第1光導波路通過光7aと第2光導波路通過光8aとに分岐される。第2光導波路通過光8aは第2光導波路6の内部で全反射を繰り返しながら略円柱状部材3の側面に沿って螺旋状に周回し、側面平坦部4において再び第1光導波路5及び第2光導波路6を進行し、分岐部9で第1光導波路通過光7bと第2光導波路通過光8bとに分岐され、以下この現象を繰り返す。
なお、図1(b)中に符号αで示される角度は、分岐部9における第1光導波路通過光7aと第2光導波路通過光8aとのなす角度であるが、この角度は、次に図2を用いて、分岐される第1光導波路通過光7a〜7dの間隔を説明する際に用いる。
図2は実施例1の光分岐回路における光路を示す正面図である。図2に示すように、基板2上には略円柱状部材3が第1光導波路入射光7に対して斜めに設けられている。
このような光分岐回路1aに対して、第1光導波路入射光7の進行方向に直交する方向と略円柱状部材3の軸方向とのなす角度をθとし、図1(b)に示す前述の角度をαとし、略円柱状部材3の半径をrとすると、第2光導波路通過光8a〜8dが螺旋状に周回するごとに分岐される第1光導波路通過光7a〜7dの間隔dは次の式で表される。
一例をあげると、略円柱状部材3の半径rが2.5mm、第1光導波路入射光7の進行方向に直交する方向と略円柱状部材3の軸方向とのなす角度θが20°、図1(b)に示す前述の角度αが5°の場合、数1に従えば、第1光導波路通過光7a〜7dの間隔dは5.2mmとなる。
このような構造の光分岐回路1aにおいては、第1光導波路入射光7の進行方向に直交する方向と略円柱状部材3の軸方向とのなす角度θに対応して複数本に分岐された第1光導波路通過光7a〜7dの間隔dが決まるという作用を有する。
以上説明したように、本実施例の光分岐回路1aによれば、分岐回路が3次元構造であるため、光分岐回路1a全体を第1光導波路入射光7の進行方向へ大きく長くすることなく、分岐数を増やすことが可能である。さらに、本光分岐回路1aを他の装置等に組み込む際には第1光導波路入射光7の進行方向に直交する方向と略円柱状部材3の軸方向とのなす角度θを所望の値に設定することにより、複数本に分岐された第1光導波路通過光7a〜7dの間隔dを数1に従って決定することができる。
次に、ループ状光導波路による光分岐回路を用いるセンサについて実施例2として図3及び図4を用いて説明する(特に、請求項2に対応)。
図3は実施例2のセンサの構成図である。本センサは実施例1の光分岐回路を用いるものであるため、実施例1と同一の構成要素については同一の符号を付して作用及び効果の説明を省略する。センサ11は実施例1の光分岐回路1aと、被検出物質の作用によって光透過度が変化する機能性薄膜12a〜12dと、レーザ光源13と、プリズム14と、光検出器15a〜15eとを備え、機能性薄膜12a〜12dは略円柱状部材3の図示しない側面平坦部以外の第2光導波路6上に塗布された構造となっている。図3に示すように、レーザ光源13から出射されプリズム14により図示しない第1光導波路内に入射された第1光導波路入射光7は、図示しない第1光導波路の内部で全反射を繰り返しながら進行し、実施例1で説明したように略円柱状部材3に形成された第2光導波路6の作用により複数本の第1光導波路通過光7a〜7eに分岐され、光検出器15a〜15eによりそれぞれ光強度が検出される。
第2光導波路6上へ塗布する機能性薄膜12a〜12dは、被検出物質により吸光及び蛍光を示す色素を高分子膜に固定することで作製する。具体的には、酸性ガスに反応すると光を吸収する性質のあるテトラフェニルポルフィリン(TPPH2)及び高分子膜のエチルセルロース(EC)などを色素及び高分子膜として用いることができる。テトラフェニルポルフィリンとエチルセルロースの複合膜は、塩化水素ガス及び硝酸ガスの存在下において、それぞれ446nm及び441nmの波長の光を吸収し、ガスの濃度が高いほどその吸収率は高くなる。すなわち、このような複合膜を機能性薄膜12a〜12dとして用い、446nm及び441nmの波長の光を第1光導波路入射光7とするならば、第1光導波路通過光7a〜7eの強度を測定することにより、塩化水素ガス及び硝酸ガスの検出と濃度測定が可能となるのである。
図4は実施例2のセンサの光導波路を略円柱状部材の軸に垂直な平面で切断した断面図である。図4に示すように、第1光導波路入射光7は第1光導波路5の内部で全反射を繰り返しながら進行し、略円柱状部材3の側面平坦部4では第1光導波路5及び第2光導波路6を進行し、分岐部9において第1光導波路通過光7aと第2光導波路通過光8aとに分岐される。第1光導波路通過光7aの強度は図3に示した光検出器15aで測定される。一方、第2光導波路通過光8aは第2光導波路6の内部で全反射を繰り返しながら略円柱状部材3の側面に沿って螺旋状に周回するが、僅かながら表面から漏れ出る光が機能性薄膜12aにより透過される。このとき機能性薄膜12aの光透過度がガスの吸着により変化していると、第2光導波路通過光8aの強度が変化する。螺旋状に周回した第2光導波路通過光8aは、側面平坦部4において再び第1光導波路5及び第2光導波路6を進行し、分岐部9で第1光導波路通過光7bと第2光導波路通過光8bとに分岐される。第1光導波路通過光7bは図3に示した光検出器15bによって光強度が測定される。略円柱状部材3の側面を螺旋状に周回する第2光導波路通過光8bは、機能性薄膜12bの作用により強度が変化させられた後、側面平坦部4において再び第1光導波路5及び第2光導波路6を進行し、分岐部9で第1光導波路通過光7cと第2光導波路通過光8cとに分岐される。以下この現象を繰り返す。すなわち、分岐部9で分岐された第2光導波路通過光8a〜8dは機能性薄膜12a〜12dの影響を受けながらループ状の第2光導波路6を進行し、螺旋状の周回を繰り返すのである。
このような構造のセンサ11においては、被検出物質の作用により機能性薄膜12a〜12dの光透過度が変化すると第2光導波路通過光8a〜8dの一部が機能性薄膜12a〜12dに吸収されるため、光検出器15a〜15eにおいて検出される光の強度が変化する。また、第2光導波路6がループ状をなしているため、直線状に設けられるよりも距離を稼ぐことが可能であり、機能性薄膜12a〜12dを長く形成することができる。これによりセンサの検出感度が向上する。
また、レーザ光源13から出射されプリズム14により光導波路16に入射された入射光強度をP、第2光導波路6を進行し略円柱状部材3の側面に沿って螺旋状に周回する光の周回数をn、機能性薄膜12の光透過度をa、分岐部9における分岐効率をηとし、第1光導波路5及び第2光導波路6における損失や分岐部9及び合流部10における損失を無視した場合、出射光強度Pは、以下の式で表される。ただし、a=1である。
本実施例について図3を用いて説明する。まず、光検出器15aで検出される第1光導波路通過光7aの光強度は数2でn=0の場合に相当する。すなわち、出射光強度PはP(1−η)となる。次に、第2光導波路通過光8aの光強度は機能性薄膜12aの作用により分岐直後の値P×ηからP×a×ηへと変化する。これにより、光検出器15bで検出される第1光導波路通過光7bの出射光強度PはP×a×η(1−η)となり、これは数2でn=1の場合を表している。さらに、第2光導波路通過光8bの光強度は機能性薄膜12bの作用によりP×a×a×ηとなるため、光検出器15cで検出される第1光導波路通過光7cの出射光強度PはP×a×a×η(1−η)となり、これは数2でn=2の場合を表している。同様に、第2光導波路通過光8cの光強度は機能性薄膜12cの作用によりP×a×a×a×ηとなり、光検出器15dで検出される第1光導波路通過光7dの出射光強度PはP×a×a×a×η(1−η)となる。さらに、第2光導波路通過光8dの光強度は機能性薄膜12dの作用によりP×a×a×a×a×ηとなり、光検出器15eで検出される第1光導波路通過光7eの出射光強度PはP×a×a×a×a×η(1−η)となる。
数2によれば、被検出物質の濃度に応じて光透過度aが変化すると出射光強度Pが変化するが、分岐効率ηは固定係数であるため、出射光強度Pを測定することにより光透過度aを算出できることが分かる。具体的には、第1光導波路入射光の強度とPとを比較することによりηが求められ、P〜Pから順次a〜aが求められる。すなわち、事前に被検出物質の濃度と光透過度a〜aとの相関関係を測定しておくことで被検出物質の濃度測定が可能となる。
以上説明したように、本実施例のセンサ11によれば、第2光導波路6の周回毎に異なる種類の機能性薄膜12a〜12dを塗布することにより複数の化学物質を同時に検出することができる。また、第2光導波路6がループ状をなしているため、直線状に設けられるよりも距離を稼ぐことが可能であり、センサ11を第1光導波路入射光7の進行方向へ大きく長くすることなく、機能性薄膜12a〜12dのみを長く形成することでセンサ11の小型化と高感度化を同時に実現することが可能である。
本発明のループ状光導波路による光分岐回路及びセンサは上記実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、略円柱状部材は略楕円柱状や略円筒状若しくは略楕円筒状であっても良い。さらに、それらの部材は、半径が軸方向に対して一定でない形状としても良い。例えば、第2光導波路通過光が螺旋状の周回を重ねるに従って周回する半径が徐々に大きくなる、あるいは徐々に小さくなるような略円錐状部材あるいは中空の略円錐状部材とすることも可能である。特に前者のように半径が徐々に大きくなる場合、周回毎に半径が増加することから機能性薄膜を塗布できる長さも増加させることができるため、周回を重ねることによる第2光導波路通過光の強度低下に起因するセンサの検出感度の低下を、周回毎に長くなる機能性薄膜によって補うことができる。
また、側面平坦部における通過光の進行方向の長さも長くしたり短くしたりすることができるのはもちろんであるが、この長さも第2光導波路通過光が螺旋状の周回を重ねるに従って長くしたり、短くしたりすることも可能である。このような場合においては、逆に徐々に短くする方が、機能性薄膜を塗布できる長さを増加させることができるので、センサの検出感度の低下を補うことができる。但し、数1のαが徐々に小さくなるため、次第に間隔dが開くようになる。
さらに、基板及び略円柱状部材にはガラスの代わりに、Ti拡散LiNbOや化合物半導体やプラスチック等を使用することができる。また、センサは気体以外に液体の検出も可能であり、光検出器を各測定に対応する検出器に取り替えることにより、温度、速度、変位などの物理量も測定することができる。また、機能性薄膜や光検出器の数は本実施例に限定されるものではなく、センサの大きさや用途に応じて最も適切な数を選択することが好ましい。
本発明に係るループ状光導波路による光分岐回路を用いたセンサは化学物質の検出のみでなく、温度、速度、変位などの物理量の測定についても適用可能であり、広く一般産業について利用が可能である。
(a)は実施例1の光分岐回路の側面図であり、(b)は実施例1の光分岐回路を略円柱状部材の軸に垂直な平面で切断した断面図である。 実施例1の光分岐回路における光路を示す正面図である。 実施例2のセンサの構成図である。 実施例2のセンサの光導波路を略円柱状部材の軸に垂直な平面で切断した断面図である。 従来の光導波路型Y分岐回路の一例を示す図である。 透過型ガスセンサの原理を説明する図である。 光分岐回路を用いたガスセンサの構成図である。 従来技術に係る128分岐導波型光スターカプラの平面構成図である。
符号の説明
1,1a…光分岐回路 2…基板 3…略円柱状部材 4…側面平坦部 5…第1光導波路 6…第2光導波路 7…第1光導波路入射光 7a〜7e…第1光導波路通過光 8a〜8d…第2光導波路通過光 9…分岐部 10…合流部 11…センサ 12,12a〜12e…機能性薄膜 13…レーザ光源 14…プリズム 15,15a〜15e…光検出器 16…光導波路 17…Y分岐 18,18a…ガスセンサ 51…シリコン基板 52…入力用単一モードチャンネル導波路 53…扇形スラブ導波路 54…テーパ導波路 55…出力用単一モードチャンネル導波路

Claims (2)

  1. 表面に第1の光導波路が形成された基板と、側面全周にわたってループ状に第2の光導波路が形成された略円柱状部材とを備え、この略円柱状部材は側面平坦部上の前記第2の光導波路が前記第1の光導波路に当接するように前記基板上に配置されるとともに、前記第1の光導波路内部の光の進行方向と前記略円柱状部材の軸方向とが平行でなく、若しくは直交しないことを特徴とする光分岐回路。
  2. 前記側面平坦部を除く前記第2の光導波路上に、被検出物質の作用によって光透過度が変化する機能性薄膜が形成された請求項1に記載の光分岐回路と、この光分岐回路から出力される光の強度を検出する光検出器とを備えたことを特徴とするセンサ。
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