JP4563591B2 - ステーブクーラー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、高炉、電気炉等の冶金炉の炉壁に張設して使用する炉体冷却用のステーブクーラーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、高炉等の冶金炉の炉壁を冷却する冷却装置として、ステーブクーラーが用いられているが、ステーブクーラーを長期にわたって使用していると、ステーブクーラーは、損耗したり破損したりする。ステーブクーラーにおいて、このような損耗、破損が生じると、その冷却機能が低下し、炉体の鉄皮への熱負荷が増大する。そして、この熱負荷の増大は、鉄皮に亀裂が生じる原因となる。
【0003】
一般に、ステーブクーラーは、図7に示すように、ステーブ本体1を形成する母体金属(主に、球状黒鉛鋳鉄)の炉外側に冷却パイプ2を鋳ぐるむとともに、炉内側には、耐火材料としての耐火煉瓦9を鋳込んで構成されている。このステーブクーラーにおいては、鉄皮7の内側に固定された後、さらに、その炉内側に、スタンプ材12を介して耐火煉瓦8が積層される。
この他に、図8に示すように、耐火煉瓦を積層する替わりに、ステーブクーラー本体1の炉内側に、耐火煉瓦10を一段づつ母体金属のリブ11で挟み込む形態で耐火煉瓦10を鋳込んだ構造のステーブクーラーが提案されている。
【0004】
ステーブクーラーの炉内側に鋳込まれる耐火煉瓦は、炉内の高温ガスの流れや原料降下に対する耐久性能が優れ、かつ、炉内からの奪熱による熱効率の低下を防ぐ断熱性能が優れていることが必要である。そして、ステーブクーラーは、冷却パイプに冷却水が通水されることにより、炉壁を冷却するとともに、炉内側の母体金属及び/又は耐火煉瓦の温度を下げてその強度を維持し、炉内で熱負荷が増加した時にも、炉内の原料降下による母体金属及び/又は耐火煉瓦の摩耗速度の増加を抑制する作用をなす。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図7に示す、炉内側に耐火煉瓦を積層した構造のステーブクーラーでは、耐火煉瓦を支持する部材がなく、耐火煉瓦は、該煉瓦間の接着材による接着力のみで支持されていることになるから、構造自体が不安定である。そのため、この構造のステーブクーラーにおいては、例えば、高炉内のような、高温でかつ摩耗性の高い環境の中で、耐火煉瓦が部分的にあるいは全面的に崩壊したりして、結局、耐火構造としての寿命が著しく短くなるという欠点がある。
【0006】
また、図8に示す、耐火煉瓦を鋳ぐるんだ構造のステーブクーラーでは、耐火煉瓦は、鋳造時における該煉瓦の割れを防止するための緩衝材(セラミックフェルト等)を介して、母材金属のリブで挟まれて支持されているだけであるので、その構造は、耐火煉瓦を支持する能力が弱いものとなっている。そのため、この構造のステーブクーラーは、操業中の熱による膨張・収縮によりリブの間隔が変動し、ついには、耐火煉瓦が、脱落あるいは割損するという欠点がある。
【0007】
そして、このように、耐火煉瓦の脱落あるいは割損が早期に先行し、母材金属のリブが残存すると、炉内面に凹凸ができ、その結果、炉内原料の降下が、不連続かつ不安定なものとなる。
【0008】
また、耐火煉瓦としては、炉内からの奪熱量を少なくするため、断熱性の高いものを使用するが、耐火煉瓦が、早期に、部分的にも脱落すると、ステーブクーラーは、長期的な断熱性を維持できず、逆に、耐火煉瓦の脱落後、炉内側に突出した形態で残存するリブの影響で、奪熱量が増える傾向にある。
【0009】
この問題を解決するステーブクーラーの構造として、特開平8−120313号公報には、断面形状が円または多角形の柱状の煉瓦を、ステーブクーラーの表面に、垂直に、かつ、煉瓦相互に間隔を設けて配し、該煉瓦が全方向から包み込まれる構造が開示され、また、特開平5−320727号公報には、耐火煉瓦のほぼ中央部に設けたテーパ状の貫通孔に煉瓦支持アンカーを嵌着して、該煉瓦を千鳥状に配置して一体的に鋳ぐるんだ構造が開示されている。
【0010】
しかし、耐火煉瓦を、単独で、一定の間隔に配置することは、個々の耐火煉瓦に浮上防止処置を施す必要があり、また、位置決めが困難であるので、ステーブクーラーの作製には、多くの時間を必要とする。
【0011】
また、耐火煉瓦には、鋳造時の熱衝撃による割れ防止のためにセラミックフェルト等の緩衝材を張り付ける必要があるが、耐火煉瓦単品毎に緩衝材を張り付け作業は、非常に作業効率が悪い。
【0012】
また、上記構造においては、耐火煉瓦が全方向から包み込まれる構造になるので、耐火煉瓦が抜け落ちる可能性は小さいが、ステーブクーラー本体の熱変形に起因して、耐火煉瓦に割れが発生したり、もしくは、耐火煉瓦が剥落したりするという懸念は、依然として残る。
【0013】
さらに、実開平6−47347号公報には、耐火材料としてステンレス製のブロックを使用し、ステーブクーラー本体の炉内側に複数のあり溝状の係合凹部を形成し、該係合凹部の内面に隙間調整用のモルタルを塗り、台形断面のステンレス製ブロックを嵌合・固定した構造、及び、上記炉内側に複数の四角形状断面の係合凹部を形成し、該係合凹部に四角形断面のステンレス製ブロックを嵌合し、炉内側表面をステーブクーラー本体に溶接する構造が開示されている。
【0014】
しかし、いずれの場合も、ステンレス製ブロックを、ステーブクーラー本体の凹部に嵌合・固定する作業は、ステーブクーラー本体を鋳造した後の作業であり、また、ステンレス製ブロックは煉瓦に比べ重量も大きいので、作業効率が非常に悪い。
また、台形断面のステンレス製ブロックは、あり溝状の凹部に隙間調整用モルタルを介して嵌合されているので、該ブロックを保持する保持力が弱く、ステーブクーラー本体の熱変形により、該ブロックが脱落することが懸念される。
【0015】
また、四角形断面のステンレス製ブロックは、表面の溶接のみで保持されているが、その溶接部が、ステンレスと母材金属である球状黒鉛鋳鉄との熱膨張率の差により破損したり、また、炉内原料の降下により磨耗したりすると、該ブロックも、台形断面のステンレス製ブロックと同様に脱落することが懸念される。
また、ステンレスの圧延鋼材から、ブロックを加工する場合には、製造コストが高くなる。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決し、断熱機能及び耐摩耗性を長期にわたり維持することができる長寿命のステーブクーラーを、より安価に提供することを目的とする。
そして、本発明の要旨とするところは、以下のとおりである。
【0017】
炉外側の母体金属に、母体金属を冷却する冷却管を鋳込み、かつ、炉内側の母体金属に、複数の開口を備える格子状又はスリット状の耐熱鋼を鋳込んだ構造の炉体冷却用ステーブクーラーにおいて、該格子状又はスリット状の耐熱鋼は、複数の開口を備える複数枚の格子状又はスリット状の耐熱鋼を積層したものであり、かつ、隣接する格子状又はスリット状の耐熱鋼における複数の開口の位置が互いに異なるものであることを特徴とする炉体冷却用ステーブクーラー。
【0018】
前記積層した格子状又はスリット状の耐熱鋼の厚みが、3mm以上でステーブクーラーの厚みの2/3以下であることを特徴とする前記炉体冷却用ステーブクーラー。
【0019】
前記積層した格子状又はスリット状の耐熱鋼自体の体積が、全体の体積(格子状又はスリット状の耐熱鋼自体の体積と開口によって形成される空間の体積の和)の20〜60%であることを特徴とする前記炉体冷却用ステーブクーラー。
【0020】
前記複数の開口を備える格子状又はスリット状の耐熱鋼において、開口の最小幅が30mm以上70mm以下であることを特徴とする前記炉体冷却用ステーブクーラー。
【0021】
前記複数の開口を備える格子状又はスリット状の耐熱鋼が、オーステナイト系又はフェライト系の耐熱鋼であることを特徴とする前記炉体冷却用ステーブクーラー。
【0022】
さらに、また、本発明の要旨とするところは、以下のとおりである。
炉外側の母体金属に、母体金属を冷却する冷却管を鋳込んだ構造の炉体冷却用ステーブクーラーにおいて、複数の開口を備える格子状又はスリット状の耐熱鋼を、一枚もしくは複数枚を積層して直方体に成形し、該直方体を複数個、炉内側の母体金属に鋳込んだことを特徴とする炉体冷却用ステーブクーラー。
【0023】
前記直方体の厚みが、3mm以上でステーブクーラーの厚みの2/3以下であることを特徴とする前記炉体冷却用ステーブクーラー。
【0024】
前記格子状又はスリット状の耐熱鋼を複数枚積層した直方体において、一つの格子状又はスリット状の耐熱鋼の開口の位置が隣接する耐熱鋼の開口の位置と異なることを特徴とする前記炉体冷却用ステーブクーラー。
【0025】
前記直方体自体の体積が直方体全体の体積(格子状又はスリット状の耐熱鋼自体の体積と開口によって形成される空間の体積の和)の20〜60%であることを特徴とする前記炉体冷却用ステーブクーラー。
【0026】
前記直方体において、開口の最小幅が30mm以上70mm以下であることを特徴とする前記炉体冷却用ステーブクーラー。
【0027】
前記格子状又はスリット状の耐熱鋼が、オーステナイト系又はフェライト系の耐熱鋼であることを特徴とする前記炉体冷却用ステーブクーラー。
以下、特にことわらない限り本発明において、格子状又はスリット状の耐熱鋼を単に耐熱鋼とよぶ。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明においては、ステーブクーラーの炉内側に、高温かつ高摩耗性の環境下で、優れた耐摩耗性及び耐クラック性を有する耐熱鋼を鋳込んだ構造とする。
上記耐熱鋼には、上記特性の他、断熱性、高温強度、高温耐食性、高温安定性(変態しない)等の特性が優れていることが求められる。
上記所要の特性を有する耐熱鋼であれば、どのような成分組成の鋼でもよいが、実際には、ステーブクーラーが曝される環境条件(温度、成分等)を考慮して、最適な耐熱鋼を選択する。
【0029】
例えば、オーステナイト系耐熱鋼(18Cr−8Ni鋼、22Cr−12Ni鋼、25Cr−20Ni鋼等)は、上記所要の特性を備えているので、本発明において用いるのに最適な耐熱鋼である。
耐熱鋼は、格子状又はスリット状等、図3に示すような複数の開口を備えるものを用いる。これは、鋳ぐるみにより、耐熱鋼を、母体金属に一体的に複合化させるためである。
【0030】
そして、本発明においては、複数の開口を備える耐熱鋼を、一枚もしくは複数枚積層して、ステーブクーラーの炉内側の母体金属に鋳込んだ構造とする。
なお、母体金属としては、基本的に、球状黒鉛鋳鉄を用いる。
【0031】
板状の耐熱鋼を、炉内側の母体金属(球状黒鉛鋳鉄)の全面に配置して鋳ぐるむことは、製造時に母体金属と耐熱鋼との溶着不良が生ずるので、困難であるが、本発明においては、耐熱鋼が、複数の開口を備えているので、該耐熱鋼を、ステーブクーラーの炉内側の全域に配置して鋳ぐるむことが可能である。
【0032】
なお、炉内側ステーブクーラーの面積に対する、開口面積を含む耐熱鋼の面積は、ステーブクーラーとしての均質性及び機能を確保する点から、炉内側ステーブクーラーの面積の60〜100%、好ましくは、80〜100%である。開口面積を含む耐熱鋼の面積が、炉内側ステーブクーラーの面積の60%以下であると、本発明の目的を達成し得ない。
【0033】
また、本発明においては、複数の開口を備える耐熱鋼を用いるので、板状の耐熱鋼を用いる場合に比べて、母体金属と鋳ぐるみ材(上記格子状の耐熱鋼)の体積比を、全面的に均一に維持するのが容易である。
【0034】
なお、鋳ぐるみ材が耐火煉瓦の場合、鋳造時、溶融状態の母体金属の比重に比べ小さい比重の耐火煉瓦が浮上するのを防止する施工や、耐火煉瓦が熱衝撃や熱応力で割れるのを防止する施工(セラミックフェルト張付け等の緩衝材施工)が必要となるが、本発明の場合、複数の開口を備える耐熱鋼を鋳ぐるむので、このような浮上防止施工や、割れ防止施工が不要となり、前記した作業性の悪さを解決することができる。
本発明においては、一枚もしくは複数枚を積層した耐熱鋼の厚みが、3mm以上でステーブクーラーの厚みの2/3以下であることが好ましい。
【0035】
上記耐熱鋼の厚みは、上記厚みの範囲で、目標とするステーブクーラーの寿命に応じ適宜選択できる。上記耐熱鋼の厚みが3mm未満であると、鋳ぐるみの際に、耐熱鋼が一部溶解し、所要の形状を維持できないので、上記耐熱鋼の厚みの下限を「3mm」とする。
【0036】
一方、上限の「ステーブクーラーの厚みの2/3」は、鋳ぐるみに際し、ステーブクーラーに冷却パイプを鋳ぐるむ領域を確保し、かつ、一枚もしくは複数枚を積層した耐熱鋼を鋳ぐるむに際し必要な所定の溶湯圧を確保するということから設定した。ただし、複数の開口を備える耐熱鋼を複数枚を積層して鋳ぐるむ場合、該耐熱鋼相互間に、0〜20mm程度の間隔を持たせることが好ましい。
【0037】
上記間隔は、鋳造時、上記耐熱鋼周りで、溶湯の湯流れ性を確保し、母体金属と耐熱鋼との溶着を強固にするために、適宜必要な間隔である。
複数の開口を備える耐熱鋼を積層する際、次に説明するように、上下の耐熱鋼の開口の位置をずらして積層するが、上下の耐熱鋼を点接触で積層できる場合には、該上下の耐熱鋼間に、特に、所要の間隔を持たせる必要はないが、上記開口をずらしても、上下の耐熱鋼間に面接触領域ができるような場合には、溶湯の湯流れ性を確保するため、最大20mmの間隔を持たせる必要がある。
【0038】
なお、上記間隔が20mmを超えると、鋳造後のステーブクーラーとしての均一性が劣るので、好ましくない。
【0039】
また、本発明においては、複数の開口を備える耐熱鋼を複数枚を積層する場合には、一つの耐熱鋼の開口の位置が、隣接する耐熱鋼の開口の位置と異なるよう、開口に位相をもたせて積層することが好ましい。
例えば、格子状の耐熱鋼を積層する場合には、格子の交差部が重ならないように積層する。また、スリット状の耐熱鋼を積層する場合には、スリットの方向が同じにならないように積層する。
【0040】
この理由は、鋳造時、上記耐熱鋼周りの溶湯の湯流れ性を良好に維持することと、母体金属と耐熱鋼とを、より確実に密着させ、強固に一体的に複合化させることである。
【0041】
格子の交差部又はスリットが重なると、上下方向に壁が形成され、溶湯の流れる方向が制限される。それ故、格子の交差部又はスリットが重ならないようにして、溶湯の湯流れ性を確保する。このように耐熱鋼を積層すると、溶湯は自由に流れることができるので、溶湯の温度降下も抑えられ、溶湯を、高温状態で迅速に該耐熱鋼の周囲に充填することができる。
【0042】
また、格子の交差部又はスリットが重ならないようにすることにより、併せて、母体金属中における上記耐熱鋼の偏在を最小限に抑制することができ、より均質な複合材質のステーブクーラーを構成できる。
【0043】
さらに、本発明の耐熱鋼においては、開口の態様を適宜変更することにより、単位体積当たりの、該耐熱鋼と母体金属(球状黒鉛鋳鉄)との境界面積を調整することができ、その結果、母体金属が上記耐熱鋼を保持する保持力を所望の値に容易に調整することができる。
【0044】
本発明においては、鋳ぐるみで、複数の開口を備える耐熱鋼を、より一体的に、母体金属に複合化させるために、該耐熱鋼自体の体積が、該耐熱鋼全体の体積(耐熱鋼自体の体積と開口によって形成される空間の体積の和)の20〜60%であることが好ましい。
【0045】
上記耐熱鋼自体の体積が、20%未満であると、複合材料としての効果が小さく、また、60%超えると、母体金属による保持力が低下し、長期にわたる使用により、耐熱鋼が母体金属から剥離し、ステーブクーラーの寿命が短くなることが懸念される。
また、同じく、複数の開口を備える耐熱鋼を、より一体的に、母体金属に複合化させるために、耐熱鋼が備える開口については、開口の最小幅を30mm以上70mm以下とすることが好ましい。
【0046】
上記開口の最小幅が、30mm未満であると、母体金属の溶湯の湯流れ性を充分に確保できないし、一方、70mmを超えると、ステーブクーラーの炉内側で所望の特性が得られない。
【0047】
上記耐熱鋼は、鋳造材でも圧延材でもよく、通常の鋳造、機械加工等の方法で製造することができるが、格子状の耐熱鋼として、市販のエキスパンドメタルを用いてもよい。市販のエキスパンドメタルには、各種の開口寸法のものがあり、その中から、所要のものを適宜選択し、所要の寸法に切断し多層に重ねて、容易に本発明における耐熱鋼として供することができるので、経済的である。
【0048】
また、上記複数の開口を備える耐熱鋼を鋳造で製造する場合には、材質、形状の自由度が大きく、所望の材料特性の付与、及び、製品に応じた形状設計が可能である。
さらに、本発明は、複数の開口を備える耐熱鋼を、一枚もしくは複数枚を積層して直方体に成形し、該直方体を複数個、炉内側の母体金属に鋳込んだことを特徴とする炉体冷却用ステーブクーラーである。
【0049】
例えば、高炉は円筒形状の炉であるから、該炉に設置するステーブクーラーは、通常、高炉各部の炉内径に従う円弧に合致する形状になるように製作される。特に、高炉における炉胸部及び朝顔部は円錐形状となっているので、これらの部に設置するステーブクーラーにおいては、その1枚の中でも、高さ方向で、円弧形状を相違せしめる必要がある。それ故、従来の耐火煉瓦を鋳ぐるむ構造のステーブクーラーでは、炉内各部の円弧形状毎に、耐火煉瓦の材質、鋳ぐるみ構造を設計し、製作する必要があった。
【0050】
本発明においては、複数の開口を備える耐熱鋼を、一枚もしくは複数枚積層して成形した直方体を、ステーブクーラーの炉内側の母体金属に複数個、例えば、その長辺側がステーブクーラーの高さ方向に沿うように鋳込むことにより、高炉炉内各部の円弧形状に、汎用的に対応できる。
【0051】
例えば、上記直方体の短辺を、例えば、高炉内径の角度約1°に相当する弦寸法とし、ステーブクーラーの炉内側の面に、円周方向に沿って多数配置することにより、ステーブクーラーの炉内側の面を形成することができる。なお、このとき、配置位置の調整は、高さ方向に形成される上記直方体間の目地の幅で行う。
【0052】
また、上記のように、上記直方体を、その長辺側がステーブクーラーの高さ方向に沿うように、母体金属に鋳込むと、該直方体の長辺側がステーブクーラーの高さ方向に沿って母体金属の目地を形成することになり、その結果、高炉操業中の熱負荷によるステーブクーラーの変形を抑制することができる。
【0053】
それ故、従来の幅方向に連続した耐火煉瓦保持用リブを有する構造のステーブクーラー(図8、参照)では、熱変形に対する抵抗が弱く、特に、高さ方向の曲りに弱いが、本発明に従う上記ステーブクーラーは、熱変形に対する抵抗が強く、特に、高さ方向の曲りに強いものである。
【0054】
ところで、従来構造のステーブクーラーにおける耐火煉瓦の主な損耗形態は、炉内装入物の降下による摩耗と、熱負荷の変動で発生するクラックに起因する剥落である。本発明者らが、実際に、高炉の高熱負荷部(高炉シャフト下部)に設置したステーブクーラーの損耗状況を調査した結果によると、図8に示すような、耐火煉瓦を鋳ぐるんだ構造のステーブクーラーの場合、損耗速度は、鋳ぐるみ煉瓦部で40〜50mm/年、鋳込み煉瓦部で30〜40mm/年、そして、球状黒鉛鋳鉄製の母材金属部分で10mm/年以下であった。
【0055】
上記損耗は、主とし、炉内装入物の降下による「すべり摩耗」によるものと考えられ、また、一般に、鋼は、硬度が高いほど耐摩耗性に優れ、すべり摩耗に対しても優れた耐性を示すと考えられるから、硬度を一つの基準にして、本発明で用いる耐熱鋼を選択することができる。
【0056】
オーステナイト系耐熱鋼の硬度は、球状黒鉛鋳鉄の硬度の約2〜3倍であるから、該耐熱鋼を、母体金属である球状黒鉛鋳鉄と一体的に複合化したステーブクーラーにおいては、母体金属単独のステーブクーラーよりも、優れた耐摩耗性を備えることになる。
【0057】
また、前記煉瓦部の損耗速度には、すべり摩耗の他に、ステーブクーラー本体の熱変形による煉瓦の脱落や、該熱変形で発生したクラックに起因する剥落も含まれていると考えられが、複数の開口を備えるオーステナイト系耐熱鋼を、母体金属(球状黒鉛鋳鉄)に鋳ぐるんだ場合には、該耐熱鋼は、母体金属(球状黒鉛鋳鉄)により、確実に、一体的に複合化されことになるので、耐火煉瓦を鋳ぐるんだ従来構造において起きるような脱落、剥落は生じない。
【0058】
このように、ステーブクーラーの炉内側に鋳込む耐熱鋼として、高温強度が高く、かつ、靭性にも優れているオーステナイト系耐熱鋼を用いた場合には、該耐熱鋼は耐クラック性にも優れているので、耐火煉瓦を鋳ぐるんだ従来構造のステーブクーラーより寿命の長いステーブクーラーを製造することができる。
【0059】
フェライト系耐熱鋼(例えば、13Cr−低C鋼、18Cr鋼等)も、本発明において使用し得るが、オーステナイト系耐熱鋼に比べ高温安定性が劣るので、使用する温度に限度がある。従って、フェライト系耐熱鋼は、炉内温度が低い炉口部において使用し得る。
【0060】
オーステナイト系耐熱鋼の熱膨張率は、母体金属である球状黒鉛鋳鉄の熱膨張率の約1.3倍であり、その差は大きいが、格子状のものを鋳ぐるむことにより、熱膨張率の差を緩和して、全体として均質な複合材料を得ることができる。
【0061】
また、オーステナイト系耐熱鋼の熱伝導率は金属材料の中では低く、球状黒鉛鋳鉄の約1/2であるが、従来の鋳ぐるみ耐火煉瓦と比較すると約3倍である。従って、耐熱鋼としてオーステナイト系耐熱鋼を用いる場合、鋳ぐるみ耐火煉瓦と同等の耐熱性能は得られないが、特に、高熱負荷部に設置されたステーブクーラーにおいては、前記したように、煉瓦部の損耗速度が、ステーブクーラー本体の寿命を律速する要因となっているから、これとの対比でいえば、本発明は、耐熱鋼と母体金属の一体的な複合化による耐摩耗性の向上を重視したものである。
【0062】
【実施例】
以下、本発明を図面に基づいてさらに詳細に説明する。
図1(a)と図1(b)に、炉内側の面が平面のステーブクーラー本体1において、複数の開口を備える格子状の耐熱鋼3を複数枚(図では4枚)積層し、その格子面がステーブクーラーの炉内側の平面となるように配置したステーブクーラーを示す。
【0063】
このステーブクーラーの場合、炉内側面が平面であるので、作業性を考慮して、上記耐熱鋼の積層体を分割して配置することが可能であり、また、炉内側の面全面にわたり配置することも可能である。
【0064】
図2(a)、図2(b)及び図(c)に、炉内側の面が平面のステーブクーラー本体1において、複数の開口を備えるスリット状の耐熱鋼3を複数枚(図では4枚)、スリットが交叉するように積層し(図2(b)、参照)、その格子面がステーブクーラーの炉内側の平面となるように配置したステーブクーラーを示す。
【0065】
図3(a)〜図3(d)に、本発明で用いる複数の開口を備える耐熱鋼の具体的態様を示す。図3(a)は、例えば、エキスパンドメタルを、図3(b)は、縦にスリットが形成されている耐熱鋼を、図3(c)は、斜めにスリットが形成されている耐熱鋼を、図3(d)は、円類似形状の開口を備えている耐熱鋼を示す。
【0066】
図4(a)と図4(b)に、炉内側の面が曲面のステーブクーラー本体1において、複数の開口を備える格子状のオーステナイト系耐熱鋼3を複数枚積層し、それを直方体に成形し、該直方体を、その長辺側が高さ方向に沿うように、上記炉内側の面に配置したステーブクーラーを示す。
【0067】
このステーブクーラーの場合、炉内側の曲面は、高炉の内径に従う円弧形状に合わせた曲面であるから、上記直方体は、その短辺を、例えば、高炉内径の角度約1°に相当する弦寸法として、円周方向に多数配置される。
【0068】
上記炉内側の曲面においては、隣接する上記直方体を隙間なく配置することも可能であるが、高炉の炉胸部や朝顔部の内面は、円錐状の曲面をなしているから、該部に設置するステーブクーラーにおいては、上記直方体の間に隙間をあけて、円周方向の配置を調整する必要がある。
【0069】
この配置により、ステーブクーラーの炉内側の曲面には、高さ方向に沿い、母体金属の目地が形成されることになるが、この目地により、ステーブクーラーの高さ方向における曲げ剛性を大きくすることができる。
【0070】
なお、上記直方体は、図4に示すように、千鳥状に配置し、母体金属の目地部を不連続なものとし、該目地部の連続的な損耗を防止することが望ましい。
【0071】
図5に、複数の開口を備えた格子状の耐熱鋼3を複数枚(図では5枚)積層して炉内側の母体金属に鋳込んだステーブクーラー1における、厚さ方向の側断面を示す。
耐熱鋼は、鋳ぐるみ耐火煉瓦に比べて、耐摩耗性及び耐クラック性に優れていて、損耗速度が遅いので、所要の寿命を確保するのに必要とする厚みは、従来の鋳ぐるみ耐火煉瓦の場合に要する厚みより薄くてよい。例えば、従来、200mm厚の鋳ぐるみ耐火煉瓦層を使用していた場合に比べ、上記格子状の耐熱鋼を複数枚積層して鋳ぐるんだ場合には、その厚みは100mm程度で充分である。
【0072】
図6(a)に、複数の開口を備える格子状の耐熱鋼3を複数枚積層した積層体の構造を示す。耐熱鋼3として、例えば、18Cr−8Ni鋼等のオーステナイト系ステンレス鋼製の市販のエキスバンドメタルを使用することができる。市販のエキスバンドメタルには、各種の単位メッシュのものがあるが、メッシュの大きさは、積層したときの重なり部分周辺における溶湯の湯流れ性を考慮して、短目方向の中心間距離が30mm以上のものが望ましく、また、板厚は、鋳造時の耐溶損性を確保するため、3mm以上のものが望ましい。
【0073】
上記耐熱鋼を所要の厚さとなるように積層する場合、図6(b)に示すように、格子の交差部4が、上下に隣接する層間で重ならないようにする。
この配置により、母体金属の溶湯の流れを妨げずに、母体金属と上記耐熱鋼の一体的な複合化が可能となる。
【0074】
なお、所望の厚さに積層した耐熱鋼3は、針金5により結束するか、あるいは、溶接6等により一体化する(図6(a)参照)。
【0075】
図1(a)と図1(b)、及び、図4(a)と図4(b)に示すように、複数の開口を備える格子状の耐熱鋼3を積層した積層体は、作業性を考慮して、適宜、所望の寸法に、分割することが可能である。人手により作業を行う場合には、作業の容易性を考慮して、単位重量が20kg以下となるように寸法設定することが望ましい。上記積層体、もしくは、該積層体を分割した直方体は、ステーブクーラーの鋳型を造型する時に、炉内面側となる位置に、にケレン等で固定してもよい。耐熱鋼は、耐火煉瓦と異なり、鋳造時に浮上することはないので、所定の位置に置くだけで、鋳造が可能である。
【0076】
上記積層体もしくは上記直方体においては、造型前に、何らかの処理を施すことは特に必要なく、ショットブラストや、緩衝材(セラミックフェルト等)の張付け(従来の鋳ぐるみ耐火煉瓦の場合に必要)等も不要である。ただし、鋳造時、溶湯の湯流れ性の確保や、ガス欠陥の発生等を防止するために、鋳造前に、充分に予熱、乾燥することが望ましい。
【0077】
本発明のステーブクーラーと、従来の耐火煉瓦鋳ぐるみ構造のステーブクーラーを、実機炉に設置して、両者の性能を比較した。
【0078】
従来構造のステーブクーラーは、早期(約6カ月後)に耐火煉瓦が割れて断熱性が劣化したが、本発明のステーブクーラーは、12カ月後においても、健全状態が維持されていて、母体金属の温度も、従来構造のステーブクーラーに比べ低く、かつ、安定して維持されていた。
【0079】
以上のように、ステーブクーラーの炉内側面に、耐火煉瓦を鋳ぐるむことに代えて、複数の開口を備える格子状の耐熱鋼を一枚もしくは複数枚積層して鋳ぐるむことにより、以下の優れた効果を得ることができる。
【0080】
(1)耐熱鋼は、耐火煉瓦及び母体金属(球状黒鉛鋳鉄)に比べ、耐摩耗性及び耐クラック性が優れているので、ステーブクーラーの炉内側表面における損耗速度を小さくすることができる。
【0081】
(2)上記耐熱鋼を、格子の交差部又はスリットが重なり合わないように積層するので、より均質な複合体となり、ステーブクーラー本体の熱変形による耐熱鋼の脱落や局部的な損耗を防止できる。
【0082】
(3)上記(2)の結果、ステーブクーラーの炉内側の表面が、長期にわたり滑らかな面に保たれ、炉内の原料降下をスムースに維持できるので、高炉操業の安定性を確保できる。
【0083】
(4)複数の開口を備える耐熱鋼を一枚もしくは複数枚積層して成形した直方体を、ステーブクーラーの炉内側の面に、その長辺側がステーブクーラーの高さ方向となるように複数個配置すると、特に、母体金属の目地が縦方向となり、曲げ剛性が上昇し、その結果、ステーブクーラーの熱変形を抑制することができるので、冷却パイプの破損や、高温炉内ガスの鉄皮への流出を防止することができ、高炉の寿命の延長を図ることができる。
【0084】
(5)本発明のステーブクーラーを作製する鋳造作業においては、従来の耐火煉瓦を鋳ぐるむ作業と異なり、鋳込まれる部材を鋳型へ固定する作業や、該部材に緩衝材を張付ける作業が不要であるので、全体の作業効率が向上しコストダウンを図ることができる。
【0085】
(6)前記直方体のステーブクーラー幅方向の寸法を短くすることにより、炉内面の円弧形状に汎用的に対応できるので、従来の耐火煉瓦の設計、制作が不要であり、コストダウン及び工期の短縮を図ることができる。
【0086】
(7)本発明のステーブクーラーにおいては、損耗速度が小さいので、ステーブクーラーの厚さを薄くすることができ、ステーブクーラーを安価に製造することが可能となる。
【0087】
【発明の効果】
高炉等の冶金炉は、操業中も、炉内面を滑らかに維持できる構造設計のもとで構成されていることが、操業を安定して継続するうえにおいて重要である。
従来の耐火煉瓦鋳込み構造のステーブクーラーでは、損耗速度が耐火煉瓦と母体金属(球状黒鉛鋳鉄)で異なるので、耐火煉瓦が先行して損耗し、母体金属のリブだけが、ゲタ状に残ることになり、ステーブクーラーの炉内側面が、凹凸状に荒れてしまうのに対し、複数の開口を備える格子状の耐熱鋼と母体金属(球状黒鉛鋳鉄)との複合体で均質に構成されたステーブの炉内側の面は、操業中、均一に損耗し、該炉内側の面に凹凸はできない。
従って、本発明によれば、冶金炉の設計において、操業中の炉壁面全体の損耗速度が均一となる炉壁構造を設計することができるので、本発明は、冶金炉の継続的な安定操業に大きく寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1(a)】 複数の開口を備える格子状の耐熱鋼を、複数枚積層して、ステーブクーラーの炉内側の面に、平面をなすように配設したステーブクーラーの断面図である。
【図1(b)】 図1(a)に示すステーブクーラーの正面図である。
【図2(a)】 複数の開口を備えるスリット状の耐熱鋼を、スリットが、隣接する耐熱鋼のスリットと交叉するように複数枚積層して、ステーブクーラーの炉内側の面に、平面をなすように配設したステーブクーラーの断面図である。
【図2(b)】 図2(a)に示すステーブクーラーにおける耐熱鋼の交叉の態様を示す図である。
【図2(c)】 図2(a)に示すステーブクーラーの正面図である。
【図3(a)】 複数の開口を備える耐熱鋼の一例(例えば、エキスパンドメタル)を示す図である。
【図3(b)】 複数の開口を備えるスリット状の耐熱鋼の一例(縦にスリットが形成されている)を示す図である。
【図3(c)】 複数の開口を備えるスリット状の耐熱鋼の他の例(斜めにスリットが形成されている)を示す図である。
【図3(d)】 複数の開口を備える耐熱鋼の他の例(円類似形状の開口を備えている)を示す図である。
【図4(a)】 複数の開口を備える格子状の耐熱鋼を複数枚積層して成形した直方体を、その長辺側が高さ方向に沿うように、ステーブクーラーの炉内側の面に、曲面をなすように配設したステーブクーラーの断面図である。
【図4(b)】 図4(a)に示すステーブクーラーの正面図である。
【図5】 図1に示すステーブクーラーの側断面図である。
【図6(a)】 複数の開口を備える格子状の耐熱鋼を、複数枚積層した積層体の態様を示す斜視図である。
【図6(b)】 図6(a)に示す積層体の態様における単位メッシュ部の位置関係を説明する図である。
【図7】 、従来のステーブクーラーの断面図である。
【図8(a)】 従来のステーブクーラーの正面図である。
【図8(b)】 図8(a)に示す従来のステーブクーラーの断面図である。

Claims (11)

  1. 外側の母体金属に、母体金属を冷却する冷却管を鋳込み、かつ、炉内側の母体金属に、複数の開口を備える格子状又はスリット状の耐熱鋼を鋳込んだ構造の炉体冷却用ステーブクーラーにおいて、該格子状又はスリット状の耐熱鋼は、複数の開口を備える複数枚の格子状又はスリット状の耐熱鋼を積層したものであり、かつ、隣接する格子状又はスリット状の耐熱鋼における複数の開口の位置が互いに異なるものであることを特徴とする炉体冷却用ステーブクーラー。
  2. 記積層した格子状又はスリット状の耐熱鋼の厚みが、3mm以上でステーブクーラーの厚みの2/3以下であることを特徴とする請求項1に記載の炉体冷却用ステーブクーラー。
  3. 記積層した格子状又はスリット状の耐熱鋼自体の体積が、全体の体積(格子状又はスリット状の耐熱鋼自体の体積と開口によって形成される空間の体積の和)の20〜60%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の炉体冷却用ステーブクーラー。
  4. 記複数の開口を備える格子状又はスリット状の耐熱鋼において、開口の最小幅が30mm以上70mm以下であることを特徴とする請求1、2又に記載の炉体冷却用ステーブクーラー。
  5. 記複数の開口を備える格子状又はスリット状の耐熱鋼が、オーステナイト系又はフェライト系の耐熱鋼であることを特徴とする請求1、2、3又は4に記載の炉体冷却用ステーブクーラー。
  6. 炉外側の母体金属に、母体金属を冷却する冷却管を鋳込んだ構造の炉体冷却用ステーブクーラーにおいて、複数の開口を備える格子状又はスリット状の耐熱鋼を、一枚もしくは複数枚を積層して直方体に成形し、該直方体を複数個、炉内側の母体金属に鋳込んだことを特徴とする炉体冷却用ステーブクーラー。
  7. 前記直方体の厚みが、3mm以上でステーブクーラーの厚みの2/3以下であることを特徴とする請求項6に記載の炉体冷却用ステーブクーラー。
  8. 前記格子状又はスリット状の耐熱鋼を複数枚積層した直方体において、一つの格子状又はスリット状の耐熱鋼の開口の位置が隣接する格子状又はスリット状の耐熱鋼の開口の位置と異なることを特徴とする請求項6又はに記載の炉体冷却用ステーブクーラー。
  9. 前記直方体自体の体積が直方体全体の体積(格子状又はスリット状の耐熱鋼自体の体積と開口によって形成される空間の体積の和)の20〜60%であることを特徴とする請求項6又はに記載の炉体冷却用ステーブクーラー。
  10. 前記直方体において、開口の最小幅が30mm以上70mm以下であることを特徴とする請求項6又はに記載の炉体冷却用ステーブクーラー。
  11. 前記格子状又はスリット状の耐熱鋼が、オーステナイト系又はフェライト系の耐熱鋼であることを特徴とする請求項6又は10に記載の炉体冷却用ステーブクーラー。
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