JPH07242917A - 冶金用炉の炉体保護壁 - Google Patents

冶金用炉の炉体保護壁

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JPH07242917A
JPH07242917A JP6032394A JP6032394A JPH07242917A JP H07242917 A JPH07242917 A JP H07242917A JP 6032394 A JP6032394 A JP 6032394A JP 6032394 A JP6032394 A JP 6032394A JP H07242917 A JPH07242917 A JP H07242917A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炉体保護壁の長寿命化を図ると共に容易に製
造する。 【構成】 炉体鉄皮6を炉内熱負荷から保護するステー
ブに予め耐火物を埋設してなる冶金用炉の炉体保護壁お
いて、炉内側Aが耐火煉瓦または予め成形した開孔を有
する焼成耐火物パネルからなる耐火物材料3、4、5
で、かつ炉外側Bが鋳鉄等の金属材料からなり、ステー
ブ本体1の厚さ方向に長さもしくは厚さを変更した前記
耐火物材料3、4、5を複数積層し、耐火物材料3、
4、5間および各層間に目地状マトリックスの金属材料
層で界面13を形成してステーブ本体1を構成し、該ス
テーブ本体1内の鉄皮側に冷却水を通す鋼管2を複数配
設して一体的に鋳造する。 【効果】 冶金炉の長期に安定した操業が可能であり、
生産性の向上、燃料費の削減等を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高炉等の冶金炉の炉
壁を炉内からの熱負荷に対して保護する炉体保護壁に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、高炉鉄皮を炉内からの熱負荷に対
して保護する炉体保護壁としては、「第4世代ステー
ブ」と称せられる炉体保護壁、すなわち、図10に示す
とおり、煉瓦支持金物102および冷媒通路を形成する
鋼管103を有する状態でステーブ本体101を鋳造
後、煉瓦支持金物102間に炉壁煉瓦104または予め
成形した耐火物を挟み込み支持した炉体保護壁、または
冷媒通路を形成する鋼管103を有する状態でステーブ
本体101を鋳造後、該ステーブ本体101に煉瓦支持
金物102をはめ込み、該煉瓦支持金物102間に炉壁
煉瓦104または予め成形した耐火物を挟込み支持した
炉体保護壁(特開昭63−35708号公報)、ステー
ブ本体101に冷媒通路を形成する鋼管103と、勾配
を形成した炉壁煉瓦104または予め成形した不定形耐
火物を一体的に鋳込んだ炉体保護壁、またはステーブ本
体101に冷媒通路を形成する鋼管103を鋳込み、さ
らに勾配を形成した炉壁煉瓦104または予め成形した
不定形耐火物を煉瓦支持金物102で挟み込み支持した
炉体保護壁(特開昭63−35709号公報)が用いら
れている。この炉体保護壁は、炉内側の内張り煉瓦積み
を行なうことなく、プロフィールの安定化と建設工事の
簡素化、低廉化を意図した薄壁化を図ることができる。
【0003】前記炉体保護壁は、従来のステーブクーラ
の内側に築造される内張り煉瓦が2〜3年で消耗して消
失するのに対し、さらに2〜3年は炉壁煉瓦104の寿
命延長を期待したものである。しかしながら、この炉体
保護壁は、煉瓦支持金物102をステーブ本体101に
鋳込むか挾み込む構造であり、該煉瓦支持金物102へ
のステーブ本体101からの伝熱による冷却効果が悪
く、炉内の600〜1200℃の高温ガスにより溶損ま
たは脆化するなど炉壁煉瓦104の支持機能を失い、炉
壁煉瓦104が脱落する場合がある。この炉体保護壁
は、炉壁煉瓦104が脱落すると、炉内側全面のステー
ブクーラの鋳物部分が露出し、当該部位の表面が炉内熱
負荷に直接さらされ、鋳込み煉瓦105を嵌込んだステ
ーブ凹部106に熱応力が集中し、ステーブ本体101
の亀裂発生が助長され、長期間に亘って健全な炉体保護
壁を維持することができなくなり、炉内装入物が過度に
冷却される過冷却部が生じる、いわゆる不活性化が進行
して炉況不調に陥ることがある。
【0004】前記のようなステーブクーラの炉壁煉瓦支
持の安定性を高めた炉体保護壁としては、ステーブ本体
の上端に煉瓦押さえ金物を、中腹部および下端に冷却板
を、それぞれステーブ前面より炉内側へ突出させてステ
ーブ本体に固設し、該煉瓦押さえ金物と冷却板との間お
よび冷却板相互間に予め成形した炉壁煉瓦を嵌込み支持
した炉体保護壁(特開平2−47211号公報)が提案
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平2−472
11号公報に開示の炉体保護壁は、ステーブ本体鋳造
後、ステーブ本体の上端部に煉瓦押さえ金物、中腹部お
よび下端に冷却板を固設し、該煉瓦押さえ金物と冷却板
との間および冷却板相互間に予め成形した炉壁煉瓦を嵌
込み支持となるため、炉壁煉瓦をステーブ本体に安定的
に保持するのが難しい。また、この炉体保護壁は、ステ
ーブ本体と付属金物の組合せのため、構造が複雑で、か
つ組合せ合わせ面の製作上の精度が要求される。さら
に、この炉体保護壁は、高炉鉄皮にステーブ本体冷却用
鋼管、冷却板用鋼管の他、取付ボルト等多数の開孔が必
要で、ステーブ本体の据付け精度が要求されるばかりで
なく、鉄皮の強度の面からも不利である。前記のごと
く、従来の炉体保護壁には種々の欠点があり、またそれ
らの欠点を除くために改良されたステーブクーラにも製
造上の問題があり、より完成した炉体保護壁の出現が望
まれている。
【0006】この発明の目的は、かかる現状に鑑み、従
来の炉体保護壁の欠点である製造上の問題を解決し、耐
火物材料の遮熱特性と金属材料の機械的特性とを生か
し、積層複合層を形成させることによって長寿命化を図
ると共に、製造が容易な炉体保護壁を提供するものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため種々試験研究を行った。その結果、炉内
面側が耐火煉瓦または予め成形した焼成耐火物パネルか
らなる耐火物材料で、かつ炉外側が鋳鉄等の金属材料か
らステーブ本体の厚さ方向に、長さもしくは厚さを変更
した耐火物材料、あるいは厚さ方向に異なる機能を有す
る耐火物材料を複数積層し、各層の間に目地状マトリッ
クスの金属材料層で界面を形成してステーブ本体を構成
し、該ステーブ本体内の鉄皮側に冷却水を通す鋼管を複
数配設して一体的に鋳造することによって、炉内面側の
耐火物材料をステーブ本体に強固に保持でき、長寿命化
が達成できると共に、容易に一体鋳造できることを究明
し、この発明に到達した。
【0008】すなわちこの発明は、炉体鉄皮を炉内熱負
荷から保護するステーブに予め耐火物を埋設してなる冶
金用炉の炉体保護壁おいて、炉内面側が耐火煉瓦または
予め成形した開孔を有する焼成耐火物パネルからなる耐
火物材料で、かつ炉外側が鋳鉄等の金属材料からなり、
ステーブ本体の厚さ方向に長さもしくは厚さを変更した
前記耐火物材料を複数積層し、耐火物材料間および各層
の間に目地状マトリックスの金属材料層で界面を形成し
てステーブ本体を構成し、該ステーブ本体内の鉄皮側に
冷却水を通す鋼管を複数配設して一体的に鋳造したこと
を特徴とする冶金炉用炉体保護壁である。
【0009】また、炉体鉄皮を炉内熱負荷から保護する
ステーブに予め耐火物を埋設してなる冶金用炉の炉体保
護壁おいて、炉内面側が耐火煉瓦または予め成形した開
孔を有する焼成耐火物パネルからなる耐火物材料で、か
つ炉外側が鋳鉄等の金属材料からなり、ステーブ本体の
厚さ方向に異なる機能を有する耐火物材料を複数積層
し、耐火物材料間および各層の間に目地状マトリックス
の金属材料層で界面を形成してステーブ本体を構成し、
該ステーブ本体内の鉄皮側に冷却水を通す鋼管を複数配
設して一体的に鋳造したことを特徴とする冶金炉用炉体
保護壁である。
【0010】
【作用】この発明においては、炉内面側が耐火煉瓦また
は予め成形した開孔を有する焼成耐火物パネルからなる
耐火物材料で、かつ炉外側が鋳鉄等の金属材料からな
り、ステーブ本体の厚さ方向に長さもしくは厚さを変更
した前記耐火物材料を複数積層し、耐火物材料間および
各層の間に目地状マトリックスの金属材料層で界面を形
成してステーブ本体を構成し、該ステーブ本体内の鉄皮
側に冷却水を通す鋼管を複数配設して一体的に鋳造した
ことによって、工期の大幅短縮が可能となると共に、ス
テーブ本体の厚さ方向に複数積層された耐火物材料は、
耐火物材料間および各層の間に形成された機械的強度特
性を有する目地状マトリックスの金属材料層で強固に保
持され、耐火物材料の支持力が強化した分長期間に亘っ
てプロフィールの安定化を図ることができ、かつ炉高方
向でステーブ本体の厚さを炉内熱負荷域に対応させて任
意に変更することも可能で、設備費を大幅に低減するこ
とができる。
【0011】また、この発明においては、複数積層する
耐火物材料をステーブ本体の厚さ方向に、長さもしくは
厚さを変更し、あるいは異なる機能を有することによっ
て、炉内の温度変動に対して熱応力緩和機能を遺憾なく
発揮し、クラック発生を著しく抑制することができる。
さらに、この発明の炉体保護壁は、炉内面側が消耗して
も、厚さ方向の傾斜機能特性は変化せず、炉体鉄皮内面
が露出する恐れがなく、炉内を過度に冷却することがな
いため、炉壁近傍の温度低下を来たすことがなく、炉体
熱損失を抑制できる。
【0012】前記耐火物材料は、炉内側で高温ガス流に
さらされるため、遮熱特性、低熱伝導性、耐熱性、非酸
化特性および装入物降下に対応すべき耐摩耗性を有する
ことが必要である。また、繰り返し加熱を受ける場合に
は、非弾性歪による熱疲労破壊に耐えられなければなら
ない。以上の観点から炉内側の最表面層には、アルミナ
Al23系もしくは炭化けい素SiC系耐火物材料を配
するのが望ましい。このアルミナAl23系には、その
機械的特性を向上させるために、炭化けい素SiC系を
強化材として添加するのが望ましい。一方、炉外側(鉄
皮側)に配される金属材料としては、高炉のステーブク
ーラなどの母材として豊富な使用実績のあるねずみ鋳鉄
FC150(JIS−G5501)、球状黒鉛鋳鉄FC
D440(JIS−G5502)等が好適である。
【0013】この発明における耐火物材料の予め成形し
た開孔を有する焼成耐火物パネルは、不定形耐火物を型
枠に入れて成形して硬化させたのち、焼成炉を使用して
高温焼成し、十分な強度を付与したものを使用する。こ
の焼成耐火物パネルには、所定間隔で円形の開孔を設け
ることによって、一体鋳造時に鋳鉄が開孔に侵入し、焼
成耐火物パネルを強固に支持される。
【0014】
【実施例】以下にこの発明の詳細を、実施の一例を示す
図1ないし図9に基づいて説明する。図1はこの発明の
耐火物材料として耐火煉瓦を用いた炉体保護壁で高炉炉
壁を構築した場合の部分側断面図、図2は図1の炉内側
の正面図、図3はこの発明の耐火物材料として開孔を有
する焼成耐火物パネルを用いた炉体保護壁で高炉炉壁を
構築した場合の一部を示す部分側断面図、図4はこの発
明の耐火物材料として厚さの異なる焼成耐火物パネルを
用いた炉体保護壁で高炉炉壁を構築した場合の一部を示
す部分側断面図、図5は図3および図4の炉内側の正面
図、図6はこの発明の図3のステーブ本体の構成を説明
するための展開斜視図、図7はこの発明の焼成耐火物パ
ネルの開孔の形状説明図で、(a)図は直孔、(b)図
はテーパ孔、図8は冷却水を通す鋼管用のケレンの斜視
図、図9は焼成耐火物パネルを保持するために使用する
ケレンの斜視図である。
【0015】図1および図2において、1はステーブ本
体で、冷却水を通す複数の鋼管2および長さの異なる耐
火煉瓦3、4、5を一体的に鋳鉄で鋳込んで構成されて
いる。このステーブ本体1を高炉の上下方向および円周
方向に一定間隔で高炉鉄皮6に取付けボルト7を用いて
複数個取付ける。この場合、ステーブ本体1と高炉鉄皮
6間および隣接するステーブ本体1の間には、キャスタ
ブルのような不定形耐火物からなる充填材8、9を充填
する。上記ステーブ本体1は、上部の耐火煉瓦5と水平
冷却鋼管10を配した煉瓦支持棚11と下部の煉瓦支持
棚12の間に、炉内側Aおよび炉外側Bのステーブ本体
1厚さ方向に長さの異なる耐火煉瓦3、4を互い違いに
2層配置し、煉瓦積みのように水平段積み積層した一例
を示す。積層された厚さtaの耐火煉瓦3、4の各々の
間には、目地状の厚さCの鋳鉄の界面13(リブ)が形
成され、耐火煉瓦3、4のステーブ本体1への支持力が
強化されている。目地状の鋳鉄の界面13の厚さCは、
図9に示す金属製のケレン91を耐火煉瓦3、4間に適
宜配置し、一体鋳造時の鋳鉄の溶湯の湯回りを確保する
ため、8mm以上とすることが望ましい。また、この鋳
鉄の界面13の厚さCは、大きすぎると耐火煉瓦3、4
の拘束割れとか、炉内面の鋳物面積拡大による伝熱量過
多が懸念されるので、8〜12mm程度に極力薄肉化を
図る必要がある。
【0016】また、炉内側Aの加熱側最表面部の耐火煉
瓦3には、アルミナAl23系を配して熱遮断特性、耐
酸化性、耐スポーリング性を付与し、2層目の耐火煉瓦
4には、熱伝導性が良く、機械的強度を有する炭化珪素
SiC系を配することによって、炉外側Bの鋳鉄との伝
熱的、機械強度的結合構成が図られ、ステーブ本体1の
炉体保護壁としての機能向上および長寿命化を図ること
ができる。ステーブ本体1の炉内側Aの正面は、耐火煉
瓦3の縦方向の鋳鉄の界面13が通し目地とならないよ
う配置する。また、2層目の耐火煉瓦4の配列は、全面
の耐火煉瓦3と通し目地にならないよう配列すること
が、炉内側Aからの伝熱を遮断するうえで望ましい。前
記のとおり配列した耐火煉瓦3の個々の周囲は、ステー
ブ本体1の厚さ方向および平面方向に縦横マトリックス
状に巡らされた厚さCの鋳鉄の界面13によってステー
ブ本体1に強固に保持することができる。
【0017】図3、図5において、31はステーブ本体
で、冷却水を通す複数の鋼管32および開孔を有する焼
成耐火物パネル33、34、35、36、37を一体的
に鋳鉄で鋳込んで構成されている。このステーブ本体3
1を高炉の上下方向および円周方向に一定間隔で高炉鉄
皮38に取付けボルト39を用いて複数個取付ける。こ
の場合、ステーブ本体31と高炉鉄皮38間および隣接
するステーブ本体31の間には、キャスタブルのような
不定形耐火物からなる充填材40、41を充填する。上
記焼成耐火物パネル33、34、35、36、37は、
不定形耐火物を型枠に入れて成形し硬化させたのち、焼
成炉を用いて高温焼成し、十分な強度を付与したものを
用いる。
【0018】このステーブ本体31は、図6に示すとお
り、下方の炉内側Aから上方の炉外側Bに向けて炭化珪
素SiC系の厚さtの焼成耐火物パネル33、34、3
5、36、37を配列する。各焼成耐火物パネル33、
34、35、36、37には、所定間隔で直径dの円形
の開孔33a、34a、35a、36a、37aが千鳥
状配列にハニカム状に設けられている。この開孔33
a、34a、35a、36a、37aの配列は、千鳥状
に限るものではなく、例えば碁盤目状等他の配列でもよ
いが、各層の焼成耐火物パネル33、34、35、3
6、37の開孔33a、34a、35a、36a、37
aが通し目にならないように配列することが、炉内側A
からの伝熱を遮断するうえで望ましい。焼成耐火物パネ
ル33、34、35、36、37の開孔33a、34
a、35a、36a、37aの直径dは、一体鋳造時の
鋳鉄の溶湯の湯回りを確保するため、8mm以上とする
ことが望ましい。また、開孔33a、34a、35a、
36a、37aの直径dは、大きすぎると焼成耐火物パ
ネル33、34、35、36、37の拘束割れとか、炉
内面鋳物面積拡大による伝熱量過多が懸念されるので、
8〜12mm程度に極力小さくした方が望ましい。
【0019】ステーブ本体31を形成するには、炉内側
Aおよび炉外側Bのステーブ本体31厚さ方向に、厚さ
tの焼成耐火物パネル33、34、35、36、37の
各々の間に、目地状の厚さCの鋳鉄の界面42を形成す
るため、前記と同様に図9に示す金属製のケレン91を
焼成耐火物パネル33、34、35、36、37間に適
宜配置して積層する。そして最上段焼成耐火物パネル3
7の上に鋼管32支持用の図8に示す所定間隔hの金属
製のケレン81を配置して冷却水用の鋼管32を配設し
一体鋳造する。この一体鋳造によって焼成耐火物パネル
33、34、35、36、37の個々は、ステーブ本体
31の厚さ方向および正面方向に縦横マトリックス状に
巡らされた鋳鉄の界面42と焼成耐火物パネル33、3
4、35、36、37平板の多数の開孔33a、34
a、35a、36a、37aに鋳鉄が鋳込まれ、ステー
ブ本体31に強固に保持することができる。なお、焼成
耐火物パネル33、34、35、36、37に設ける開
孔33a、34a、35a、36a、37aの形状は、
図7(a)に示すとおり、直径dなる直孔71の上下端
面の角隅が鋳造時および炉内熱負荷繰り返し時にクラッ
クの起点とならないようにアールRを付けることが望ま
しい。また、図7(b)は、テーパ孔72の上下端面の
角隅を面取りしてアールRを付けた場合である。このテ
ーパ孔72は、孔径の大きい方を炉内側に配置すること
によって、冶金炉の稼働中に焼成耐火物パネル33、3
4が装入物との物理的、熱的接触により摩耗や損傷を受
けた際に脱落するのを防止するのに効果的である。
【0020】図4は図3の変形例を示すもので、51は
ステーブ本体で、冷却水を通す複数の鋼管52および開
孔を有し厚さの異なる焼成耐火物パネル53、54、5
5を一体的に鋳鉄で鋳込んで構成されている。このステ
ーブ本体51を高炉の上下方向および円周方向に一定間
隔で高炉鉄皮56に取付けボルト57を用いて複数個取
付ける。この場合、ステーブ本体51と高炉鉄皮56間
および隣接するステーブ本体51の間には、キャスタブ
ルのような不定形耐火物からなる充填材58、59を充
填する。
【0021】このステーブ本体51は、炉内側Aから炉
外側Bに向けて炭化珪素SiC系の厚さの異なる(t1
>t2>t3)焼成耐火物パネル53、54、55を積層
配列する。各焼成耐火物パネル53、54、55には、
所定間隔で直径dの円形の開孔53a、54a、55a
が千鳥状配列でハニカム状に設けられている。この開孔
53a、54a、55aの配列は、千鳥状に限るもので
はなく、例えば碁盤目状等他の配列でもよいが、各層の
焼成耐火物パネル53、54、55の開孔53a、54
a、55aが通し目にならないように配列することが、
炉内側Aからの伝熱を遮断するうえで望ましい。焼成耐
火物パネル53、54、55の厚さを炉内側Aからt1
>t2>t3としたのは、高炉稼働中炉内加熱最表面部
は、高温のガス流、装入物との物理的、熱的接触に対
し、熱的遮断、耐スポーリング性を付与するためで、焼
成耐火物パネル53の厚さを厚くすることで、ステーブ
本体51の炉体保護壁としての機能向上および長寿命化
が可能となる。
【0022】ステーブ本体51を形成するには、炉内側
Aから炉外側Bに厚さの厚い順に焼成耐火物パネル5
3、54、55の各層間に、目地状の厚さCの鋳鉄の界
面60を形成するため、前記と同様に図9に示す金属製
のケレン91を焼成耐火物パネル53、54、55間に
適宜配置して積層する。そして最上段焼成耐火物パネル
55の上に鋼管52支持用の図8に示す所定間隔hの金
属製ケレン81を配置して冷却水用の鋼管52を配設し
一体鋳造する。この一体鋳造によって焼成耐火物パネル
53、54、55の個々は、ステーブ本体51の厚さ方
向および正面方向に縦横マトリックス状に巡らされた鋳
鉄の界面60と焼成耐火物パネル53、54、55平板
の多数の開孔53a、54a、55aに鋳鉄が鋳込ま
れ、ステーブ本体51に強固に保持することができる。
【0023】上記のごとくして製造される各ステーブ本
体のサイズは、鋳型のサイズを変えることにより任意に
設定することができる。しかし、具体的には製造上の制
約、製品の運搬や取り込み、および炉内面への配設バラ
ンスなどを勘案して設定されるが、一般には厚さ:35
0〜600mm、幅:1000mm、長さ:2000m
m程度である。上記各炉体保護壁は、耐火物材料が一体
鋳造によってステーブ本体の厚さ方向および幅方向に縦
横マトリックス状に巡らされた鋳鉄のリブによって確
実、強固に保持されると共に、ステーブ本体の厚さ方向
に長さや厚さまたは異なる性質を有する耐火物材料を積
層したことによって温度勾配が緩和される。その結果、
各炉体保護壁は、加熱・冷却の変動下でも発生熱応力が
大幅に軽減されて熱応力緩和機能が達成される。そのた
め、ステーブ本体のクラック発生が著しく抑制され、ま
た、ステーブ本体が炉内側から徐々に損耗して薄くなっ
ても、厚さ方向に耐火物材料が複数積層されているの
で、厚さ方向の傾斜機能特性は変化せず、炉体鉄皮内面
が露出するおそれがなく、炉内を過度に冷却することが
ないため、炉壁近傍の温度低下を来たすことがなく、炉
体熱損失を抑制できる。
【0024】
【発明の効果】以上述べたとおり、この発明の炉体保護
壁によれば、炉内側(加熱側)での遮熱特性と炉外側
(冷却側)での温度変動に対して、熱応力緩和機能を遺
憾なく発揮してクラック発生を著しく抑制することがで
きると共に、炉壁の損耗防止が可能であり、長期にわた
り安定した炉壁プロフィルを維持することができる。し
たがって、この発明の炉体保護壁を備えた高炉等の冶金
炉は、炉体の寿命を飛躍的に増大させることができ、ま
た、装入物の荷下がり変調やガス流れの乱れもなく、長
期に安定した操業が可能であり、生産性の向上、燃料費
の削減等を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例による耐火物材料として耐火
煉瓦を用いた炉体保護壁で高炉炉壁を構築した場合の一
部を示す部分断面である。
【図2】図1の炉内部分正面図である。
【図3】この発明の耐火物材料として焼成耐火物パネル
を用いた炉体保護壁で高炉炉壁を構築した場合の一部を
示す部分側断面図である。
【図4】この発明の耐火物材料として別の焼成耐火物パ
ネルを用いた炉体保護壁で高炉炉壁を構築した場合の一
部を示す部分側断面図である。
【図5】図3および図4の炉内側の正面図である。
【図6】この発明の図3の炉体保護壁の構成を説明する
ための展開斜視図である。
【図7】この発明の焼成耐火物パネルの開孔の形状説明
図で、(a)図は直孔、(b)図はテーパ孔を示す。
【図8】冷却水を通す鋼管用のケレンを示す斜視図であ
る。
【図9】焼成耐火物パネルを保持するために使用する金
属製のケレンの斜視図である。
【図10】従来の高炉の炉体保護壁の一例を示す一部断
面図である。
【符号の説明】
1、31、51、101 ステーブ本体 2、32、52、103 鋼管 3、4、5 耐火煉瓦 6、38、56 高炉鉄皮 7、39、57 取付けボルト 8、9、40、41、58、59 充填材 10 水平冷却鋼管 11、12 煉瓦支持棚 13、42、60 界面 71 直孔 72 テーパ孔 81、91 ケレン 33、34、35、36、37、53、54、55 焼
成耐火物パネル 33a、34a、35a、36a、37a、53a、5
4a、55a 開孔 102 煉瓦支持金物 104 炉壁煉瓦 A 炉内側 B 炉外側

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉体鉄皮を炉内熱負荷から保護するステ
    ーブに予め耐火物を埋設してなる冶金用炉の炉体保護壁
    において、炉内側が耐火煉瓦または予め成形した開孔を
    有する焼成耐火物パネルからなる耐火物材料で、かつ炉
    外側が鋳鉄等の金属材料からなり、ステーブ本体の厚さ
    方向に長さもしくは厚さを変更した前記耐火物材料を複
    数積層し、耐火物材料間および各層の間に目地状マトリ
    ックスの金属材料層で界面を形成してステーブ本体を構
    成し、該ステーブ本体内の鉄皮側に冷却水を通す鋼管を
    複数配設して一体的に鋳造したことを特徴とする冶金炉
    用炉体保護壁。
  2. 【請求項2】 炉体鉄皮を炉内熱負荷から保護するステ
    ーブに予め耐火物を埋設してなる冶金用炉の炉体保護壁
    において、炉内面側が耐火煉瓦または予め成形した開孔
    を有する焼成耐火物パネルからなる耐火材料で、かつ炉
    外側が鋳鉄等の金属材料からなり、ステーブ本体の厚さ
    方向に異なる機能を有する耐火物材料を複数積層し、耐
    火物材料間および各層の間に目地状マトリックスの金属
    材料層で界面を形成してステーブ本体を構成し、該ステ
    ーブ本体内の鉄皮側に冷却水を通す鋼管を複数配設して
    一体的に鋳造したことを特徴とする冶金炉用炉体保護
    壁。
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