JPH0571880A - カーボンブロツク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブロックの大形化を図ることにより、炉底カ
ーボンブロックのれんが張りの施工工数および施工期間
の短縮とカーボンブロックの価格の低減をはかる。 【構成】 一側部イを平均気孔径が小さいカーボンれん
がとし、他側部ロを一側部より平均気孔径が大きいカー
ボンれんがとして一体的に構成したカーボンブロック。
一側部イと他側部ロの中間ハに、一側部イのカーボンレ
ンガ材料と他側部ロのカーボンれんが材料を混合して作
ったカーボンれんが形成したカーボンブロック。 【効果】 異なる機能のれんが層を形成してあるので、
安価なカーボンブロックを得られる。カーボンブロック
の大型化が図れるから、施工工数および期間の短縮がで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、冶金炉の炉底部等に
使用するカーボンれんがに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、高炉は一度操業を開始すると、
吹止めまでに操業を継続しなければならない設備であ
る。しかも、この間、炉底部については、中間で補修す
ることができないものであるから、炉底部の損傷の進行
が吹止め時期を決定し、炉の寿命を決定する大きな要因
である。即ち、高炉寿命の延長を図るには、炉底れんが
の浸食を防止を如何にするかにかかっている。

【０００３】このため、現状では、耐溶銑性に優れたカ
ーボンれんがを炉底に全面的に使用するようになってい
る。炉底の寿命の延命を図るために種々の提案がなされ
ている。図６は、これらの提案の一つであり、実開昭５
７−１２９７５７号公報で提案された高炉炉底のれんが
積み構造の縦断面および横断面図である。底板２上にカ
ーボンブロック３を三段積みして下層を形成し、その上
の側壁部（鉄皮１側）の異常浸食部にピッチ含浸カーボ
ンブロック３’を四段積みし、カーボンブロック３を三
段積みの上面とピッチ含浸カーボンブロック３’で囲ま
れた中央部にカーボンブロック３を二段、その上に粘土
質耐火れんが４を一段積んで中下層を形成している。な
お、カーボンブロック３およびピッチ含浸カーボンブロ
ック３’と鉄皮１および底板２の間には不定形耐火物５
を介在させてある。図中６は出銑口であり、８は羽口で
ある。

【０００４】図４は、現在行なわれている高炉炉底のれ
んが積み構造例の縦断面である。底板２上の中央部に縦
積カーボンブロック１２を一段積みし、側壁部に押えカ
ーボンブロック１１を三段積みして下層を形成し、その
上に平積カーボンブロック１２を二段積みして中層を形
成し、側壁部にリングカーボンブロック１４を５段積み
し、中央部に耐火れんがを二段積みして上層を形成して
いる。なお、５はカーボンスタンプ、６は出銑口であ
る。図５は炉底のれんが積みに使用されるカーボンブロ
ックの形状を示す図であり、その寸法は、長さ：４００
〜４０００mm，巾：４００〜７００mm，高さ：４００〜
７００mmの範囲であり、一形状一品質である。 カーボ
ンブロックの溶損（または損傷）は、カーボンブロック
に不可避的に形成される気孔に溶銑が浸透することによ
り起こることが知られている。その後、高炉（高圧操業
中の）の炉底の解体調査結果によって、カーボンブロッ
クに溶銑が浸透している箇所は、気孔径が１μｍ以上の
気孔のあるところであることが判明した。また、溶銑の
凝固温度ラインよりも鉄皮側および底板側のカーボンブ
ロックには溶損が進行していないことが分かっている。
このため、現在では、炉底の上層および中層に、金属Ｓ
ｉを添加して焼成し、気孔径を１μｍ未満としたカーボ
ンブロック（熱伝導率の低い）を使用し、下層に気孔径
が１μｍ以上のカーボンブロック（熱伝導率が高い）を
使用している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、気孔径
が１μｍ未満のカーボンブロックは、高価であり、また
溶銑の凝固温度ラインよりも温度の高い範囲と温度の低
い範囲でカーボンブロックを使い分けしようとすると、
カーボンブロックの寸法を小さいブロックにせざるを得
ず、施工工数が多くなることおよび施工期間が長くなる
という問題点がある。

【０００６】本発明は、このような問題点を解決できる
カーボンブロックを提供することを目的とするものであ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
目的を達成しようとするもので、その一つは、ブロック
を複数種類の内部構造または物理的性質の異なる複数種
類のカーボンれんがで一体的に構成したことを特徴とす
るカーボンブロックである。

【０００８】他の一つは、一側部を平均気孔径が小さい
カーボンれんがとし、他側部を一側部より平均気孔径が
大きいカーボンれんがとして一体的に構成したことを特
徴とするカーボンブロックである。

【０００９】更に他の一つは、一側部と他側部の中間に
一側部のカーボンれんが材料と他側部のカーボンれんが
材料を混合して作ったカーボンれんがを形成したカーボ
ンブロックである。

【００１０】

【作用】一般に、 カーボンブロックの平均気孔径が大
きいと、その熱伝導率（または、熱伝導係数）が大とお
なり、平均気孔径が小さいと、その熱伝導率が小とな
る。

【００１１】カーボンブロックを気孔径のような内部構
造または熱伝導率のような物理的性質の異なる複数のカ
ーボンれんが層の組合せとすることにより、内部構造ま
たは物理的性質が一様な従来のカーボンブロックに比し
て、使用箇所にあった機能（物理的性質等）を有するカ
ーボンブロックができる。また、一つのブロックの長さ
方向または高さ方向に機能を変化させることができる故
ブロックの大形化ができる。

【００１２】第３の発明のように、一側れんが層と他側
れんが層の中間にそれら平均的機能の中間層を介在させ
れば、耐スポーリング性の高いカーボンブロックとな
る。

【００１３】

【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて以下に説明
する。図１は本発明の各種形状のカーボンブロックの一
つの実施例の斜視図である。このカーボンブロックは、
ブロックの略半分の一側を、平均気孔径が０．１μｍ以
下で、熱伝導率が１５〜２５Ｋｃａｌ／ｍｈ℃のカーボ
ンれんが層イとし、残りの他側を平均気孔径が０．１〜
５μｍで、熱伝導率が２０〜４０Ｋｃａｌ／ｍｈ℃のカ
ーボンれんが層ロで形成してある。図中、（ａ）は炉底
の下層中央部に使用する縦積カーボンブロック、（ｂ）
は中間層の中央部に使用する平積カーボンブロック、
（ｃ）は中間層の側壁部に使用する押えカーボンブロッ
ク、（ｄ）は下層または上層の側壁部に使用する押えカ
ーボンブロック（または、リングカーボンブロック）で
ある。

【００１４】図２は本発明の各種形状のカーボンブロッ
クの他の実施例の斜視図である。このカーボンブロック
は、ブロックの略半分の一側を平均気孔径が０．１μｍ
以下で、熱伝導率が１５〜２５Ｋｃａｌ／ｍｈ℃のカー
ボンれんが層イとし、他側を平均気孔径が０．１〜５μ
ｍで、熱伝導率が２０〜４０Ｋｃａｌ／ｍｈ℃のカーボ
ンれんが層ロとして、層イとロの中間にれんが層イとれ
んが層ロの主原料を適当割合に混合した原料で作ったカ
ーボンれんが層ハを形成している。図中、（ａ）〜
（ｄ）のブロックの説明は、上記一の実施例のそれと同
様である。

【００１５】図３は本発明のカーボンブロックを使用し
た高炉炉底例の断面図である。この例では、図１のカー
ボンブロックを使用しており、カーボンブロックに２種
類の機能を持つ層即ち、溶銑が浸透しないカーボンれん
が層と熱伝導率の高いカーボンれんが層を組み合わせた
ものとしているので、溶銑の凝固温度ラインにまたがっ
て配設できる利点を生かすため、従来のカーボンブロッ
クの寸法より１．３〜２倍の大きさのものを使用してい
る。

【００１６】底板２の上にカーボンスタンプ材５を介し
て熱伝導率の高い従来の平積カーボンブロック１０を一
段積みし、その上の中央部には、図１（ａ）の縦積カー
ボンブロック２２をイ層を上にして配設し、側壁部には
熱伝導率の高い従来の押えカーボンブロック１１を二段
積みし、その上に図１（ｄ）のカーボンブロック２４を
イ層を中央に向けて配設してある。縦積カーボンブロッ
ク２２の高さが従来の中層の一段カーボンブロックの上
面に届く高さにしてあるので、縦積カーボンブロック２
２の上面は従来の中層の一段カーボンブロックの上面と
一致している。

【００１７】縦積カーボンブロック２２の上に、従来の
平積カーボンブロックを一段配設し中層を形成し、その
上に耐火れんが４を二段配設して上層とている。側壁部
の下層〜中層は、押えカーボンブロック１１の上に図１
（ｄ）の押さえカーボンブロック２４をイ層を中央に向
けて一段積みして形成し、中層〜上層は、図１（ｄ）の
押さえカーボンブロック（または、リングカーボンブロ
ック）２４をイ層を中央に向けて五段積みして形成して
ある。図３で分かるように、本発明のカーボンブロック
を使用することにより、一つのれんがで、溶銑の凝固ラ
インの内側に溶銑の浸透しないカーボンれんが層イを、
溶銑の凝固ラインの外側に熱伝導率の大きいカーボンれ
んが層ロを配設することができた。

【００１８】なお、上記炉底構造例において、図１のカ
ーボンブロックに代えて、図２のカーボンブロックを使
用すれば、より耐スポーリング性の高い炉底となる。ま
た上記例は高炉炉底について記載したが、転炉や電気炉
等のれんが構造に使用できることは言うまでもない。

【００１９】

【発明の効果】本発明のカーボンブロックは上記のよう
に構成されているから、次のような効果がある。 （１）一つのカーボンブロックに異なる機能のれんが層
を形成するので、従来の単一機能のカーボンブロックに
比して、安価なカーボンブロックが得られる。 （２）冶金炉の炉底れんがのように溶融金属側に耐溶損
性を持たせ、鉄皮側に耐溶損性とは相反する高熱伝導率
をもたせる必要があるれんが構造においては、カーボン
ブロックの大形化が可能となるので、カーボンブロック
の取付工数の大幅な減少ができ、また施工期間の短縮が
図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の各種形状のカーボンブロックの一つの
実施例の斜視図である。

【図２】本発明の各種形状のカーボンブロックの他の実
施例の斜視図である。

【図３】本発明のカーボンブロックを使用した高炉炉底
例の断面図である。

【図４】従来の高炉炉底のれんが積み構造の一例を示す
断面図である。

【図５】従来の高炉炉底に使用されているカーボンブロ
ックの形状を示す斜視図である。

【図６】従来の高炉炉底のれんが積み構造の他例の断面
図である。

【符号の説明】

１ 鉄皮 ２ 底板 ２１ 押えカーボンブロック ２２ 縦積カーボンブロック ２３ 平積カーボンブロック ２４ 押えカーボンブロック

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ブロックを複数種類の内部構造または物
   理的性質の異なる複数種類のカーボンれんがで一体的に
   構成したことを特徴とするカーボンブロック。
2. 【請求項２】 一側部を平均気孔径が小さいカーボンれ
   んがとし、他側部を一側部より平均気孔径が大きいカー
   ボンれんがとして一体的に構成したことを特徴とするカ
   ーボンブロック。
3. 【請求項３】 一側部と他側部の中間に一側部のカーボ
   ンれんが材料と他側部のカーボンれんが材料を混合して
   作ったカーボンれんがを形成した請求項２記載のカーボ
   ンブロック。