JP4563445B2 - 自己形成光導波路の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は光硬化性樹脂液を硬化させた柱状のコアを有する自己形成光導波路に関する。本発明において光硬化性樹脂液とは、光重合性モノマー又は光重合性マクロモノマー或いは光重合性オリゴマーと光反応開始剤の混合物を言うものとする。
光硬化性樹脂液に光ファイバなどから光を照射して、自己集光現象により柱状の硬化物を形成し、これをコアとして用いた光導波路が、特許文献1、特許文献2に記載されている。これらの技術においては、コア周囲の未硬化の光硬化性樹脂液を除去することが必要であって、その際はトルエンなどの溶剤を用いることが提案されている。また、本発明者らは、下記特許文献3に開示した技術を開発し、特許を受けた(特許第3444352号)。本技術は、光硬化性樹脂液に、当該光硬化性樹脂液を硬化させる光を光ファイバにて導入して、光ファイバの先端から、当該光ファイバのコア部の径程度の柱状の樹脂硬化物を形成する際の好適な条件を開示したものである。この後、未硬化の当該光硬化性樹脂液を除き、周囲をより屈折率の低い樹脂で囲うことにより、先に形成したより屈折率の高い樹脂硬化物を光導波路とするモジュール等を容易に形成することができる。尚、高屈折率光硬化性樹脂液と低屈折率光硬化性樹脂液の混合溶液に、当該高屈折率光硬化性樹脂液のみを硬化させる光を光ファイバにて導入する場合は、より容易に柱状の樹脂硬化物を形成することも特許文献3にて公開した。
特開平8−320422号公報 特開平11−326660号公報 特開2000−347043号公報
高屈折率光硬化性樹脂液と低屈折率光硬化性樹脂液の混合溶液を用いず、高屈折率の光硬化性樹脂液を用いて柱状の樹脂硬化物を形成する場合、未硬化の高屈折率の光硬化性樹脂液をできるだけ完全に除去した後、例えばより低屈折率の他の光硬化性樹脂を容器等に充たす必要がある。未硬化の高屈折率の光硬化性樹脂液がコア外周に残存すると、特に容器等とコアの接続部等に未硬化の高屈折率の光硬化性樹脂液が残存し、全体を硬化した際、コアの形状が当該部分で設計と異なるものとなる。
より具体的には、全反射鏡、ハーフミラー、又はダイクロイックミラーを組み合わせて図7の(a)ような自己形成光導波路を形成しようとした際、コア5を形成した後、未硬化の高屈折率の光硬化性樹脂液11を完全に除去しなければ、図7の(b)のように、全反射鏡7、ハーフミラー6、又はダイクロイックミラーとコア5の接合部における形状が、設計と全く異なることになりかねない。ところが光硬化性樹脂液は一般的に粘度が高く、硬化させたコア部分に表面張力により未硬化の光硬化性樹脂液が付着し、除去は決して容易でない。除去が不完全であると次のような問題が生じる。
まず、未硬化の光硬化性樹脂液がコア部分に付着したままクラッドとなる材料を埋め込んだのち当該未硬化の光硬化性樹脂液を硬化させると、コア表面に凹凸が形成され散乱損失が大きくなる。分岐部の込み入った部分では分岐損失などの過剰損失が増加する。尚、分岐部に残存する可能性は、光硬化性樹脂液の粘度が小さい場合でも問題となる。更に、コアに未硬化の光硬化性樹脂液が付着していなくても、筐体の内部や他の光学部品に残留していると迷光の散乱要因となったり、筐体や光学部品からクラッドが剥離を起こす等の要因となり、通信特性に少なからず悪影響を及ぼし、信頼性の低下につながる。
ところで溶剤を使用すると、次のような悪影響も生じる。まず、溶剤を充填し、洗浄し、乾燥するというプロセスの増加が生じる。コア部材は溶剤により膨潤することがあり、変形をも生じうるため、特性が劣化する。溶剤が界面に浸入することにより各光学部品、コア、筐体とが剥離を生じて破壊されやすくなる。溶剤がコアに浸透することにより光学特性が悪化する。
本発明は上記課題を解決するために成されたものであって、その目的は、溶剤を用いることなく、自己集光性を利用した光導波路を容易に形成することである。
請求項1に記載の発明は、少なくとも一部が柱状のコアと、その周囲を屈折率の低いクラッドで覆った自己形成光導波路の製造方法であって、所望の容器にある波長にて光硬化可能な第1の硬化性樹脂液を入れる工程と、当該第1の硬化性樹脂液に対し、光を照射して光硬化させ、少なくとも一部が柱状のコアを形成する工程と、所望の形状のコアを形成した後、未硬化の第1の硬化性樹脂液の大部分を当該容器外に取り出す工程と、第1の硬化性樹脂液の硬化物であるコアを有する容器に第1の硬化性樹脂液とは少なくとも組成が異なり、第1の硬化性樹脂と相溶性を有する第2の硬化性樹脂液を充たして、当該容器内に残存する未硬化の第1の硬化性樹脂液を第2の硬化性樹脂液中に溶解させる工程と、未硬化の第1の硬化性樹脂液と第2の硬化性樹脂液を硬化させる工程とを有し、第1の硬化性樹脂液と第2の硬化性樹脂液はいずれも粘度が1500mPa・s以下であり、第1の硬化性樹脂液の溶解性パラメータと第2の硬化性樹脂液の溶解性パラメータの差は4.4MPa1/2以下であり、伝送損失が1dB/cm以下である自己形成光導波路を得ることを特徴とする。尚、粘度は、第2の硬化性樹脂液を充填する際の温度での粘度であるものとする。粘度、溶解性パラメータの差とも、実質的に下限値は無く、常識的な範囲で選択すれば良い。また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の変形発明であって、未硬化の第1の硬化性樹脂液の大部分を当該容器外に取り出す工程以降を、コアを取り出して別の容器に組み込み、当該コアを組み込んだ別の容器において、請求項1に記載の発明と同様に第2の硬化性樹脂液を充填する工程以降を行うものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、容器には、全反射鏡、ハーフミラー、又はダイクロイックミラーの少なくとも1つを配置させ、柱状のコアを形成する工程において、当該全反射鏡、ハーフミラー、又はダイクロイックミラーとコアとの接合部を形成するとともにコアの分岐又はコアの屈曲部を形成することを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、コアを形成するための前記容器には、全反射鏡、ハーフミラー、又はダイクロイックミラーの少なくとも1つを配置させ、柱状のコアを形成する工程において、当該全反射鏡、ハーフミラー、又はダイクロイックミラーとコアとの接合部を形成するとともにコアの分岐又はコアの屈曲部を形成し、コアを取り出し別の容器に組み込む工程において、当該全反射鏡、ハーフミラー、又はダイクロイックミラーとコアの分岐又はコアの屈曲部と一体としてコアを取り出し、且つ別の容器に組み込むことを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、第2の硬化性樹脂液は光硬化性樹脂であることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、第1の硬化性樹脂液と第2の硬化性樹脂液はいずれも粘度が1000mPa・s以下であることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、第1の硬化性樹脂液の粘度をxmPa・s、第1の硬化性樹脂液の溶解性パラメータと第2の硬化性樹脂液の溶解性パラメータの差をyMPa 1/2 としたとき、x/1500+y/9≦1を満たすことを特徴とする。
〔作用〕
第2の硬化性樹脂液の粘度が低く、且つ未硬化の第1の硬化性樹脂液と相溶性が高ければコア表面や容器の内面に付着した未硬化の第1の硬化性樹脂液は、第2の硬化性樹脂液を容器に注入した際に、コア表面や容器の内面に残存することなく第2の硬化性樹脂液に拡散する。また、未硬化の第1の硬化性樹脂液が第2の硬化性樹脂液に拡散しない場合であっても、それらの比重が大きく異なれば未硬化の第1の硬化性樹脂液は第2の硬化性樹脂液の上方又は下方に追いやられ、コア表面に残存できなくなる。
第2の硬化性樹脂液の粘度が低く、且つ未硬化の第1の硬化性樹脂液と相溶性が高い場合、コア表面から未硬化の第1の硬化性樹脂液を溶解拡散することにより除去できる。これにより伝送損失が1dB/cm以下である自己形成光導波路の製造方法となる請求項1、2)。また、それらの比重が大きく異なる場合は、いずれもコア表面から未硬化の第1の硬化性樹脂液を除去できる。これらの効果は、特に粘性のある硬化性樹脂液を1乃至数cm3の内容量の比較的小さい容器中で硬化させて光導波路を形成する場合に特に有効である。第2の硬化性樹脂液が光硬化性樹脂であるならば、残存した未硬化の第1の硬化性樹脂液とともに硬化させることが可能である(請求項5)。本発明は特に全反射鏡、ハーフミラー、又はダイクロイックミラー等を有する、分岐又は屈曲部(反射部)を有する光導波路及びその製造方法に好適である(請求項3、4)。
粘度は1000mPa・s以下が更に好ましい。粘度をxmPa・s、溶解性パラメータの差をyMPa 1/2 としたとき、x/1500+y/9≦1の範囲とすれば更に良い。
以下、本願発明の具体的な実施例について説明する。ただし、本願発明は以下の実施例に限定されるものではない。
表1に示すコア材料を各々光硬化性の第1の硬化性樹脂液とし、第2の硬化性樹脂液として、光硬化性の東亞合成株式会社製OXT−221を8重量部、同じく光硬化性のユニオンカーバイド社製UVR−6110を2重量部混合したものを用いて、次の通り光導波路を作成した。表1では溶解パラメータの値を単に「SP値」とした。以下においてもSP値は溶解パラメータを示す。第2の硬化性樹脂液は粘度が120mPa・s、SP値は東亞合成株式会社製OXT−221のSP値18.25MPa1/2及びユニオンカーバイド社製UVR−6110のSP値23.44MPa1/2から、19.28MPa1/2と算出した。ここで、溶解性パラメータはWiley International 社刊 Polymer Handbook 4th edition pp.682-685記載のSmall らの算出方法、及びそのためのデータ(同書同頁、table1-3)により求めた。尚、OXT−221のモノマーはジ(1−エチル(3−オキセタニル))メチルエーテルであり、UVR−6110のモノマーは3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチルであり、OXT−221には光重合開始剤が含まれている。
Figure 0004563445
図1は本願発明に係る光導波路10の製造工程を示す工程図(断面図)である。まず、図1の(a)のように、直方体の上面が開口となった形のアクリル製の透明容器3に第1の硬化性樹脂液1を充填し、プラスチック光ファイバ4を浸漬した。プラスチック光ファイバ4はコア径980μm、開口数0.25のものを用いた。次に、このプラスチック光ファイバ4を通して波長488nmのレーザ光を第1の硬化性樹脂液1に照射した。レーザ光の出射光強度は100mWとした。また、波長488nmは、各第1の硬化性樹脂液1の有する光重合開始剤のいずれもが活性化される波長として選択された。こうして第1の硬化性樹脂液1に照射されたレーザ光により徐々に硬化し、自己集光性によって軸状のコア5が形成された。本実施例では、長さ15mmのコア5の形成をもって透明容器3の壁に到達した(図1の(b))。
次に透明容器3の開口部から、未硬化の第1の硬化性樹脂液1を除去した。このとき、溶剤等を用いた洗浄を行わなかったため、第1の硬化性樹脂液を1の大部分は除去できたが、図1の(c)のようにコア5表面及び透明容器3の内面に未硬化の第1の硬化性樹脂液11が一部付着し、残存した。次に上記第2の硬化性樹脂液2を透明容器3に充填した。この際、未硬化の第1の硬化性樹脂液11は第2の硬化性樹脂液2の中に分散する。この後、第2の硬化性樹脂液2を紫外光を用いて光硬化させてクラッドを形成した。このとき、第2の硬化性樹脂液2の中に分散した未硬化の第1の硬化性樹脂液11も光重合して一体となって硬化物22となった(図1の(d))。
このようにして形成された光導波路10の伝送損失を測定し、第1の硬化性樹脂液1の粘度との関係及び第1と第2の硬化性樹脂液のSP値差との関係を調べた。図2は、第1の硬化性樹脂液1の粘度と光導波路10の伝送損失の関係を示すグラフ図、図3は、第1と第2の硬化性樹脂液のSP値差と光導波路10の伝送損失の関係を示すグラフ図、図4は、第1の硬化性樹脂液1の粘度と第1と第2の硬化性樹脂液のSP値差との関係を示すグラフ図である。図2乃至図4において、黒丸印は伝送損失が1dB/cm以下の良好な場合を示し、バツ印(×)は伝送損失が1dB/cmを超える場合を示す。図2及び図3からは明確な指標は得られず、第1の硬化性樹脂液1の粘度のみ、第1と第2の硬化性樹脂液のSP値差のみからは光導波路10の伝送損失の少ない範囲を特定することができない。しかし、図4のように、第1の硬化性樹脂液1の粘度と、第1と第2の硬化性樹脂液のSP値差を組み合わせることで、第1の硬化性樹脂液1の粘度が1500mPa・s以下、第1と第2の硬化性樹脂液のSP値差4.4MPa1/2以下の場合に光導波路10の伝送損失を1dB/cm以下とすることができることがわかった。即ち、粘度が互いに低く、且つ相溶性が良いことで、コア5等に付着した未硬化の第1の硬化性樹脂液11が第2の硬化性樹脂液2の中に容易に分散する。逆に、いずれかの粘度が高いか、相溶性が悪いと、コア5等に付着した未硬化の第1の硬化性樹脂液11が第2の硬化性樹脂液2の中に容易に分散せず、コア5等に付着したまま硬化し、表面の散乱損失が大きくする。尚、図4からは粘度は1000mPa・s以下が更に好ましいことがわかる。更には、粘度をxmPa・s、SP値差をyMPa1/2としたとき、x/1500+y/9≦1の範囲で粘度xmPa・sとSP値差yMPa1/2を調整すれば良いこともわかる。
尚、上記各実験に対応して、長さ15mmのコア5の形成ののち、イソプロピルアルコールを用いた超音波洗浄により未硬化の第1の硬化性樹脂液1を除去したのちに透明容器3に第2の硬化性樹脂液2を充填して硬化させて形成した光導波路について伝送損失を測定した。このとき、いずれの第1の硬化性樹脂液1の場合も伝送損失は0.2-0.5dB/cmと小さく、表1、図2乃至図4のような高い伝送損失は、コア5に付着した未硬化の第1の硬化性樹脂液11及びその硬化物の影響であると考えられる。
表2のようなコアを形成する第1の硬化性樹脂液1と、クラッドを形成する第2の硬化性樹脂液2を用いて、第1実施例同様に光導波路10を形成し、伝送損失を測定した。この結果を表2及び図5、図6に示す。図5は第1の硬化性樹脂液1と第2の硬化性樹脂液2の5個の硬化前の屈折率と比重の関係を示す。本実施例においては、フッ素化アクリル系モノマーとして大日本インキ製のディフェンサOP−38,40,43,44,47を用いた。これらは、フッ素置換アクリル系モノマーであって、ディフェンサOP−38がフッ素の置換量が最も多く、ディフェンサOP−40,43,44,47の順にフッ素の置換量が少なくなる。このため、フッ素の置換量が多いものが屈折率が小さく、比重が大きくなる。これを示したものが図5である。
Figure 0004563445
ディフェンサOP−47を第1の硬化性樹脂液1としてコアを形成し、第2の硬化性樹脂液2としてディフェンサOP−38、40、43、44を用いて光導波路を作成したときの伝送損失について、第1の硬化性樹脂液1と第2の硬化性樹脂液2の比重の差との関係を図6に示す。比重の差が0.14を超えると伝送損失が1dB/cmを下回り、良好な結果が得られた。このとき、第1の硬化性樹脂液1と第2の硬化性樹脂液2はいずれも粘度が高いので、残存する未硬化の第1の硬化性樹脂液11の第2の硬化性樹脂液2への分散は起こらなかったものと考えられる。また、比重差0.2以上で伝送損失は0.5dB/cm以下、比重差0.24以上で伝送損失は0.35dB/cm以下、比重差0.3以上で伝送損失は0.25dB/cm以下となる傾向が見られる。よって、比重差0.2以上が更に好ましく、比重差0.24以上がより好ましい。
上記各実施例においては、第2の硬化性樹脂液として光硬化性のものを用いたが、第2の硬化性樹脂液は例えば熱硬化性のものを用いても良い。
光ラジカル重合を行うモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸アミドが好ましい。具体的には(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル等の1官能性(メタ)アクリル酸エステル(モノ(メタ)アクリレート)を用いることができる。また、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール等のジオールと2等量の(メタ)アクリル酸とのエステル(ジ(メタ)アクリレート)を用いることができる。同様に、アルコール性水酸基を複数有する有機化合物と(メタ)アクリル酸とのエステル(トリ、テトラ、…(メタ)アクリレート)を用いることができる。尚、これらのモノマーにおいて、(メタ)アクリロイル基及びその他の有機骨格のメチル水素、メチレン水素、メチン水素の一部をハロゲンで置換したものでも良い。又、これらモノマーを適当に組み合わせて用いても良い。
光ラジカル重合を行うオリゴマー(マクロモノマー)としては、末端又は分岐に(メタ)アクリロイル基を有するウレタン系オリゴマー、ポリエーテル系オリゴマー、エポキシ系オリゴマー、ポリエステル系オリゴマーなどが好ましい。尚、これらのオリゴマーにおいて、(メタ)アクリロイル基及びその他の有機骨格のメチル水素、メチレン水素、メチン水素の一部をハロゲンで置換したものでも良い。又、これらオリゴマーを前記モノマーと適当に組み合わせたものを用いても良い。
光ラジカル重合開始剤として、ベンジルジメチルケタール系化合物としては2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、α−ヒドロキシケトン系化合物としては2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、(1−ヒドロキシシクロヘキシル)−フェニルケトン、α−アミノケトン系化合物としては2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、ビスアシルホスフィンオキシド系化合物としてはビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、メタロセン系化合物としてはビス(η−シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(N−ピロイル)フェニル)チタンなどを用いることができる。これらを複数種類用いても良い。
光カチオン重合を行うモノマー或いはオリゴマーとしては、エポキシ環、オキセタン環ほか環状エーテルを有する化合物、環状ラクトン化合物、環状アセタール化合物、ビニルエーテル化合物等のモノマー或いはオリゴマーを用いることができる。又、これらモノマー或いはオリゴマーを適当に組み合わせたものを用いても良い。
光カチオン重合開始剤としては、4,4’−ビス(ジ(2−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ)フェニルスルフィド二ヘキサフルオロアンチモン酸、η−シクロペンタジエニル−η−クメン鉄(1+)−ヘキサフルオロリン酸(1−)などを用いることができる。
上記述の光ラジカル重合開始剤又は光カチオン重合開始剤に、光増感剤を加えても良い。更に、必要に応じて、重合禁止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、レベリング剤、消泡剤その他の添加剤を配合することができる。以上のような組み合わせにより、本発明に用いる光硬化性液状樹脂組成物とすることができる。また、本発明は、光アニオン重合性の重合開始剤とモノマー又はオリゴマーの組み合わせを排除するものではない。また、チオール・エン付加による重合を用いても良い。また、本発明と同様にして、コア部分の形成は光照射により行い、クラッド部分の形成は光照射以外の方法で行うことも可能である。
第2の硬化性樹脂液を充填してから硬化させるまでの時間は10分程度又はそれ以下にすると良い。未硬化の第2の硬化性樹脂液がコア(硬化した第1の硬化性樹脂液)に浸透すること、さらにはコアを膨潤させることを防ぐためである。
尚、第2実施例において、図7(b)のように主としてコア5の終端51が透明容器3の下面において受光素子又は発光素子8と結合する場合には、第2の硬化性樹脂液としては比重の重いものを用い、未硬化の第1の硬化性樹脂液1を上方に除去して、透明容器3の下面において受光素子又は発光素子8と結合するコア5の終端51付近から未硬化の第1の硬化性樹脂液1が除去されやすいようにすると良い。
第2の硬化性樹脂液の硬化後の屈折率は、未硬化の第1の硬化性樹脂液の屈折率よりも低いことが望ましい。自己集光性によって形成された軸状のコアは、未硬化の第1の硬化性樹脂液との屈折率差とにより伝送光を閉じ込めているので、屈折率差が小さくなることによる放射損失を避けるためには、第2の硬化性樹脂液の硬化後の屈折率は、未硬化の第1の硬化性樹脂液の屈折率よりも低いことが望ましい。
本願発明に係る光導波路の製造工程を示す工程図(断面図)。 第1の硬化性樹脂液の粘度と光導波路の伝送損失の関係を示すグラフ図。 第1と第2の硬化性樹脂液のSP値差と光導波路の伝送損失との関係を示すグラフ図。 第1の硬化性樹脂液の粘度と第1と第2の硬化性樹脂液のSP値差との関係を示すグラフ図。 第2実施例におけるモノマーの屈折率と比重の関係を示すグラフ図。 第1と第2の硬化性樹脂液の比重差と光導波路の伝送損失との関係を示すグラフ図。 (a)は光モジュールの断面図、(b)は洗浄が充分でない場合の作業工程の途中図。
符号の説明
1:未硬化の第1の硬化性樹脂液
11:残存する未硬化の第1の硬化性樹脂液
2:未硬化の第2の硬化性樹脂液
22:クラッド(硬化した第2の硬化性樹脂液)
3:透明容器
4:プラスチック光ファイバ
5:コア(軸状に硬化した第1の硬化性樹脂液)
6:ハーフミラー(半透鏡)
7:全反射鏡

Claims (7)

  1. 少なくとも一部が柱状のコアと、その周囲を屈折率の低いクラッドで覆った自己形成光導波路の製造方法であって、
    所望の容器にある波長にて光硬化可能な第1の硬化性樹脂液を入れる工程と、
    当該第1の硬化性樹脂液に対し、光を照射して光硬化させ、少なくとも一部が柱状のコアを形成する工程と、
    所望の形状のコアを形成した後、未硬化の前記第1の硬化性樹脂液の大部分を当該容器外に取り出す工程と、
    前記第1の硬化性樹脂液の硬化物であるコアを有する容器に前記第1の硬化性樹脂液とは少なくとも組成が異なり、前記第1の硬化性樹脂と相溶性を有する第2の硬化性樹脂液を充たして、当該容器内に残存する未硬化の前記第1の硬化性樹脂液を第2の硬化性樹脂液中に溶解させる工程と、
    未硬化の前記第1の硬化性樹脂液と前記第2の硬化性樹脂液を硬化させる工程とを有し、
    前記第1の硬化性樹脂液と前記第2の硬化性樹脂液はいずれも粘度が1500mPa・s以下であり、
    前記第1の硬化性樹脂液の溶解性パラメータと前記第2の硬化性樹脂液の溶解性パラメータの差は4.4MPa1/2以下であり、
    伝送損失が1dB/cm以下である自己形成光導波路を得ることを特徴とする自己形成光導波路の製造方法。
  2. 少なくとも一部が柱状のコアと、その周囲を屈折率の低いクラッドで覆った自己形成光導波路の製造方法であって、
    所望の容器にある波長にて光硬化可能な第1の硬化性樹脂液を入れる工程と、
    当該第1の硬化性樹脂液に対し、光を照射して光硬化させ、少なくとも一部が柱状のコアを形成する工程と、
    所望の形状のコアを形成した後、当該コアを取り出し、別の容器に組み込む工程と、
    前記コアを組み込んだ容器に、前記第1の硬化性樹脂液とは少なくとも組成が異なり、前記第1の硬化性樹脂と相溶性を有する第2の硬化性樹脂液を充たして、前記コア表面等に残存する未硬化の前記第1の硬化性樹脂液を第2の硬化性樹脂液中に溶解させる工程と、
    未硬化の前記第1の硬化性樹脂液と前記第2の硬化性樹脂液を硬化させる工程とを有し、
    前記第1の硬化性樹脂液と前記第2の硬化性樹脂液はいずれも粘度が1500mPa・s以下であり、
    前記第1の硬化性樹脂液の溶解性パラメータと前記第2の硬化性樹脂液の溶解性パラメータの差は4.4MPa1/2以下であり、
    伝送損失が1dB/cm以下である自己形成光導波路を得ることを特徴とする自己形成光導波路の製造方法。
  3. 前記容器には、全反射鏡、ハーフミラー、又はダイクロイックミラーの少なくとも1つを配置させ、
    前記柱状のコアを形成する工程において、当該全反射鏡、ハーフミラー、又はダイクロイックミラーとコアとの接合部を形成するとともにコアの分岐又はコアの屈曲部を形成することを特徴とする請求項1に記載の自己形成光導波路の製造方法。
  4. コアを形成するための前記容器には、全反射鏡、ハーフミラー、又はダイクロイックミラーの少なくとも1つを配置させ、
    前記柱状のコアを形成する工程において、当該全反射鏡、ハーフミラー、又はダイクロイックミラーとコアとの接合部を形成するとともにコアの分岐又はコアの屈曲部を形成し、
    前記コアを取り出し、別の容器に組み込む工程において、当該全反射鏡、ハーフミラー、又はダイクロイックミラーとコアの分岐又はコアの屈曲部と一体として前記コアを取り出し、且つ別の容器に組み込むことを特徴とする請求項2に記載の自己形成光導波路の製造方法。
  5. 前記第2の硬化性樹脂液は光硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の自己形成光導波路の製造方法。
  6. 前記第1の硬化性樹脂液と前記第2の硬化性樹脂液はいずれも粘度が1000mPa・s以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の自己形成光導波路の製造方法。
  7. 前記第1の硬化性樹脂液の粘度をxmPa・s、前記第1の硬化性樹脂液の溶解性パラメータと前記第2の硬化性樹脂液の溶解性パラメータの差をyMPa 1/2 としたとき、x/1500+y/9≦1を満たすことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の自己形成光導波路の製造方法。
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