JP4563294B2 - 照明装置これが備える光制御部材及びこれを用いた画像表示装置 - Google Patents
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直下方式は、光源を装置の背面に備えることから厚さが厚くなる傾向があり、このため、携帯電話やモバイルパソコンなどの薄さを要求される分野では、光源を側端に備えることで有利となるエッジライト方式が主流であった。
そこで、面光源上に複数の輝度向上のためのフィルムを配置して、光の利用効率を向上させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、光量を自由に増加させることができるため、要求される高輝度が容易に得られ、また、大型化による輝度低下や輝度均一性の低下がない。さらに、光を正面に向ける導光板が不要となるため、軽量化を図ることができる。
また、他の照明装置として、例えば照明看板などでは、構成が単純であり、輝度向上のためのフィルムなどを用いることなく、容易に高輝度が得られることから、複数光源による直下方式が主流である。
複数光源直下方式の照明装置では、出射する光のエネルギーは、各光源に対向する位置では大きく、隣接する光源同士の間に対向する位置では小さい。そこで、光源に対向する位置から出光する光を、光制御部材での適度な反射によって弱めると共に、反射光を反射板で拡散光として、再び光制御部材に戻して出射させる。
また、光源と光制御部材の位置あわせを不要とするためには、光制御部材における入射面上の任意の点で、全光線透過率について同じ性質をもつ必要がある。すなわち、入射面上の任意の点で均一な光学的性質を持つことが必要であると結論した。ここで「点」とは少なくとも視覚に影響を及ぼさない微小な領域を示す。
前記光源は1つの仮想平面内に規則的に配置されており、
前記反射板、前記光源が配置されている仮想平面、前記光制御部材が、それぞれの主面を平行にして、かつ、この順に配置されており、
前記光制御部材は、
前記光源からの光の方向を変換するための光線方向変換部と、
前記光線方向変換部を通過した光の出射エネルギーを制御するための出光制御部とを備え、
前記複数の光源の内、所定の光源とその最近傍にある他の光源との間の距離をD、前記所定の光源と前記光制御部材との距離をHとしたとき、前記光源からの光が入射する前記光制御部材の入射面に、当該入射面の法線方向に対してα=Tan-1{(D/2)/H}の角度で入射した光の全光線透過率が50%以上であり、かつ、当該全光線透過率が前記入射面上の法線方向から光が入射した光の全光線透過率の1.05乃至3倍であり、
前記光線方向変換部は入射面に法線方向から入射した光の80%乃至10%の光の方向を変換するとともに、
前記光源から前記入射面に入射した光の80%以上が前記光線方向変換部を通過して、前記出光制御部に到達することを特徴とする照明装置である。
前記反射板、前記光源が配置されている仮想平面、前記光制御部材が、それぞれの主面を平行にして、かつ、この順に配置されているので、光源と反射板からの光は効率よく光制御部材に向かう。また光源が1つの仮想平面内にあることは装置の薄型化、光源の出光強度の均一化、などの上で有利である。光源が規則的に配置されているので、光制御部材に入射する光の強度が規則的となり、本発明の光制御部材で好適に制御できる。
前記光源から前記入射面に入射した光の80%以上が前記光線方向変換部を通過して、前記出光制御部に到達することで、光の有効利用率が高く、多くの光の出光を制御できるので、輝度が高く、かつ、好ましい出光制御が可能である。
即ち、各光源1位置に対向する真上領域では、光源1に近いため入射エネルギーが大きい一方、複数の光源1同士の間の位置に対向する非真上領域(各光源1の斜上部分)では、光源1から離れているため入射エネルギーは小さい。
さらに、前記光制御部材4の全光線透過率は入射角度のみに依存し、光制御部材4に対する入射位置には依存しないため、複数の各光源と光制御部材4との位置調整が不要である。つまり、照明装置の組立時に、光制御部材4の面内方向における位置を厳密に設定する必要はない。従って、本発明の光制御部材4を大面積で作製した後、必要寸法に応じて任意の位置から切出したものを使用することができるため、照明装置の生産性を著しく向上させることができる。
該凸部9の断面形状は、光制御部材4の出射面に直交し、凸部9の頂部を含む少なくとも所定の一方向に沿って断面した場合の輪郭線から成る。該輪郭線は、延長線が交差する角度θが鋭角である2つの略直線(部)10と、該2つの略直線(部)10の各一端同士を結ぶ曲線(部)11とから構成され、かつ、輪郭線の頂部が凸状の曲線11である。
ここで、前記所定の一方向とは、光源Xから光源Yへの方向に平行な方向を意味する。また、輪郭線の頂部を構成する曲線の曲率半径は、無限大、すなわち直線であってもよい。
図18では、法線に対して角度αで入射する斜め入射光12は凸部裾部11において屈折作用により光拡散板1から略正面方向に出射させることができる。
これは次の理由による。
凸部裾部の傾きをγ、光拡散板1への入射角度をφ1、光拡散板1の屈折率をnとすると図10に示す様に、光拡散板凸部2の一方の裾部から透過する光の光拡散板法線方向に対する角度φ5は下記の通り求めることが出来る。
φ2=Sin−1{(sinφ1)/n}
φ3=γ−φ2
φ4=Sin−1(n×sinφ3)
φ5=φ4−γ
すなわち、φ5=Sin−1(n・sin(γ−Sin−1((1/n)・sinφ1)))―γ
例えば、光源間距離Dを33mm、光源中心から光制御部材4までの最短距離Hを15mm、光制御部材4の屈折率nを1.54とすると、52°≦γ≦69°(42°≦θ≦76°)であることが望ましい。また、57°≦γ≦68°(44°≦θ≦66°)であることがより望ましい。さらには、62°≦γ≦67°(46°≦θ≦56°)となるように、γを選択することが好適である。
上記凸部は、押出し成形、射出成形、紫外線硬化型樹脂を用いた2P成形等の何れも用いることができる。成形方法は、凸部の大きさ、形状、量産性を考慮して適宜用いればよく、特に限定されない。
図15に、本発明で用いることのできる別の構成例を示す。本構成では、光拡散フィルムシート22の上に偏光分離フィルム23を重ね合わせている。偏光分離フィルム23が直交する直線偏光を分離する場合には、発光面上に液晶パネルを載せ、偏光分離フィルム23の透過偏光軸と液晶パネル入射面の偏光分離フィルム23の透過軸を一致させることで、より高輝度な液晶表示装置を得ることができる。
また、偏光分離フィルム23が右回りおよび左回りの円偏光を分離する場合には、偏光分離フィルム23の出射面に1/4波長板を重ね合わせ、1/4波長板透過後に直線偏光に変換し、その直線偏光方向が、液晶パネル入射面の偏光分離フィルム23の透過軸と一致する方向になればよい。
尚、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
全光線透過率は図6に示した前記の方法で、光制御部材に、レンズでコリメートした平行光8を用いて測定した。
光源から光制御部材の入射面に入射した光が光線方向変換部を通過して出光制御部に到達する割合については、光線変換能測定用部材の全光線透過率を測定して、この値とした。光線変換能測定用部材としては、出光制御部を設けない以外は、実施例で用いる光制御部材と同じ方法でそれぞれ作成した。
実施例および比較例に用いた光線方向変換材は、走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、得られた写真を用いて粒子数200個の粒子径を実測することにより、数平均粒子径、数平均粒子径に対する標準偏差を算出した。
また、粒子径分布の指標として、百分率(%)で示される変動係数(CV値)は次式により求めた。
CV=(平均粒子径に対する標準偏差/平均粒子径)×100
反射板の材料は発泡ペット樹脂で反射率は95%である。
458mm×730mm×35mmで、出射側に698mm×長さ416mmの矩形の開口部を持つ直方体状の白色のABS樹脂製のハウジングを用意する。
次に前記ハウジングの出射側の開口部に対向する位置にある底部を覆うように、前記反射板を配置する。
次に光制御部材を開口部に被せるように配置する。
線状光源の中心から光制御部材までの距離は15.5mm、隣接する線状光源の中心同士の距離は25mmである。
メタクリルスチレン系共重合樹脂ペレット(TX−800S:電位化学工業(株)社製、屈折率nD:1.55)と、メタクリル酸メチル系重合体粒子(MBXR−8N:積水化成品工業(株)社製、数平均粒子径8μm、CV値25%)0.25質量%とをヘンシェルミキサーで混合後、射出成形(押出樹脂温度280℃)にて、横340mm×縦270mm、厚み2mmの光制御部材を作製した。この光制御部材を用いて上記の照明装置を組んで評価した。評価結果を図12に示す。
メタクリル酸メチル系重合体粒子(MBXR−8N:積水化成品工業(株)社製、数平均粒子径8μm、CV値25%)を0.13重量%用いる以外は実施例1と同様にして光制御部材を作成した。この光制御部材を用いて上記の照明装置を組んで評価した。評価結果を図12に示す。
スチレン系共重合樹脂ペレット(G−100C:東洋スチレン(株)社製、屈折率nD:1.59)と、メタクリル酸メチル系重合体粒子(SMX−8V:積水化成品工業(株)社製、数平均粒子径8μm、CV値22%)0.5質量%とをヘンシェルミキサーで混合後、射出成形(押出樹脂温度280℃)にて、横340mm×縦270mm、厚み2mmの光制御部材を作製した。この光制御部材を用いて上記の照明装置を組んで評価した。評価結果を図12に示す。
メタクリル酸メチル系重合体粒子(MBXR−8N:積水化成品工業(株)社製、数平均粒子径8μm、CV値25%)を0.25重量%用いる以外は実施例3と同様にして光制御部材を作成した。この光制御部材を用いて上記の照明装置を組んで評価した。評価結果を図12に示す。
メタクリルスチレン系共重合樹脂ペレット(TX−800S:電位化学工業(株)社製、屈折率nD:1.55)を射出成形(押出樹脂温度280℃)にて、横340mm×縦270mm、厚み2mmの光制御部材を作製した。このとき成形金型によって入射面側にシボ面を形成した。この光制御部材を用いて上記の照明装置を組んで評価した。評価結果を図12に示す。
比較例1、2は光制御部材に代えて光線方向変換材を基材中に分散した横340mm×縦270mm、厚み2mmの板を用いる。
比較例3、4は光制御部材に代えて横340mm×縦270mm、厚み2mmの板であり、入射面側にシボ面を形成しているものを用いる。
なお比較例1〜4は出光制御部を有さない。
これら比較例1〜4の評価結果を図19に示す。
2 反射板
3 仮想面
4 光制御部材
5 積分球
6 開口部
7 測定対象物
8 平行光
9 凸部
10 略直線(部)
11 曲線(部)
12 斜め入射光
13 垂直入射光
15 線状光源(冷陰極管)
20 光拡散板
20a 開口部
21 点光源
22 光拡散フィルムシート(拡散板)
23 偏光分離フィルム
24 液晶パネル(透過型表示素子)
Claims (4)
- 反射板と、複数の光源と、板状の光制御部材を備える照明装置であって、
前記光源は1つの仮想平面内に規則的に配置されており、
前記反射板、前記光源が配置されている仮想平面、前記光制御部材が、それぞれの主面を平行にして、かつ、この順に配置されており、
前記光制御部材は、
前記光源からの光の方向を変換するための光線方向変換部と、
前記光線方向変換部を通過した光の出射エネルギーを制御するための出光制御部とを備え、かつ、
基材部を有し、前記光線方向変換部が前記基材部中に分散する光線方向変換材であり、前記光制御部材を構成する前記基材部100質量部に対して粒子径1〜50μmの前記光線方向変換材を0.01〜1質量部含有し、かつ、前記基材部と前記光線方向変換材の屈折率の差が0.005乃至0.08であり、
前記複数の光源の内、所定の光源とその最近傍にある他の光源との間の距離をD、前記所定の光源と前記光制御部材との距離をHとしたとき、前記光源からの光が入射する前記光制御部材の入射面に、当該入射面の法線方向に対してα=Tan-1{(D/2)/H}の角度で入射した光の全光線透過率が50%以上であり、かつ、当該全光線透過率が前記入射面上の法線方向から光が入射した光の全光線透過率の1.05乃至3倍であり、
前記光線方向変換部は入射面に法線方向から入射した光の80%乃至10%の光の方向を変換するとともに、
前記光源から前記入射面に入射した光の80%以上が前記光線方向変換部を通過して、前記出光制御部に到達することを特徴とする照明装置。 - 反射板と、複数の光源と、板状の光制御部材を備える照明装置であって、
前記光源は1つの仮想平面内に規則的に配置されており、
前記反射板、前記光源が配置されている仮想平面、前記光制御部材が、それぞれの主面を平行にして、かつ、この順に配置されており、
前記光制御部材は、
前記光源から光が入射する入射面の凹凸構造であり、前記光源からの光の方向を変換するための光線方向変換部と、
前記光線方向変換部を通過した光の出射エネルギーを制御するための出光制御部とを備え、
前記複数の光源の内、所定の光源とその最近傍にある他の光源との間の距離をD、前記所定の光源と前記光制御部材との距離をHとしたとき、前記光源からの光が入射する前記光制御部材の入射面に、当該入射面の法線方向に対してα=Tan-1{(D/2)/H}の角度で入射した光の全光線透過率が50%以上であり、かつ、当該全光線透過率が前記入射面上の法線方向から光が入射した光の全光線透過率の1.05乃至3倍であり、
前記光線方向変換部は入射面に法線方向から入射した光の80%乃至10%の光の方向を変換するとともに、
前記光源から前記入射面に入射した光の80%以上が前記光線方向変換部を通過して、前記出光制御部に到達することを特徴とする照明装置。 - 請求項1〜2に記載の照明装置が備える光制御部材。
- 請求項1〜2に記載の照明装置上に透過型表示素子を設けたことを特徴とする画像表示装置。
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