JP4563035B2 - 多層の小胞を含む材料 - Google Patents

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Description

本発明は、高分子化リポソーム、および無機シリケートまたは高分子電解質などのシェルによって安定化されたリポソームをはじめとするリポソーム、高分子化ミセル、高分子電解質をコーティングされたマイクロカプセルならびにナノカプセルなど、1層以上の小胞を含む材料に関する。本発明の材料は、異なる機能を有する広範なゲスト材料を輸送することができ、薬物送達、生体内センサーおよび遺伝子療法などの様々な生物医学的用途において特定の使用を見出してもよい。加えて本発明は、多層の小胞を含むそのような材料を作製する方法に関する。
背景
リポソームは、微視的な小胞であり、一般に球形で約25〜約30,000nmの範囲内の口径を有する。それらは、1個以上の含水コンパートメントを封入する、閉鎖された同心ラメラからなる同心脂質二重層構造を有する。リポソームは、親油性かつ親水性の部分を有する脂質または脂質様分子から形成されており、生物学的活性材料をはじめとする様々な材料を封入することができ、薬物送達において広く使用されている。近年の研究によって、幾つかのリポソームが様々な検体の検出で感受性センサーとしても機能し得ることが見出された(例えばReichert et al., J. Am. Chem. Soc. 117:829 (1995); Spevak et al., J. Am. Chem. Soc. 115:1146 (1993); Charych et al., Science 261:585 (1993); およびU. S. patent No. 6,103,217参照)。典型的にはリポソームは、液体、ペースト、乳剤、ゲルおよびローションの製剤中で用いられる。一部では完全なリポソームを含む固体状態の材料が作製され難いか、または生物学的適合性でないこと、一部ではリポソームが基材の表面に固定され難いことから、今日まで、リポソームがヒト体内での局所的薬物送達のための移植可能な装置において用いられることはほとんどなかった。ポリサッカライドおよび生物学的適合性アクリレートゲルを用いてリポソームを封入することによって、問題の一部を克服する方法が幾つか開発された。それらの方法は、リポソームの封入容積が低い、予備形成リポソームを固定することができない、高温で材料が不安定、など幾つかの欠点を有する。近年、ゾル−ゲル技術を用いてゾル−ゲルガラス内にリポソームが固定され得ることが報告された(U. S. patent No. 6,022,748およびPCT publication No. WO 97/26870)。リポソーム含有ゾル−ゲル材料は、リポソームの化学的および物理的安定性、取り扱い易さ、ならびに再生および再利用の機会という利点をもたらす場合がある。しかしリポソーム含有ゾル−ゲル材料は、眼科用レンズおよび移植可能な薬物送達装置などの医療装置を製造するのには適さない場合がある。
こうして、固定された小胞を含み、医療装置(好ましくは眼科用レンズ)、局所的薬物送達のための移植可能な装置、または生体内バイオセンサーを製造するのに適した材料が求められている。そのような材料は、医療装置内でゲスト材料を封入するよう、またはヒトの体内の局所的部位に治療剤を送達するように作製されることが容易にできる。
本発明の1つの目的は、固体状態の材料の表面にリポソームまたは他の小胞を固定する際の上述の問題を解決することにある。
本発明の他の目的は、医療装置を製造するのに適した小胞含有材料を作製する方法を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、異なる機能を有する様々なゲスト材料を輸送し得て、薬物送達、移植可能センサー、および遺伝子療法などの様々な生物医学的用途に使用を見出し得る小胞含有材料を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、所望のゲスト材料を輸送する小胞を含有する医療装置を提供することにある。
発明の概要
本発明は、リポソーム、高分子化ミセル、ならびに高分子電解質でコーティングされたミクロ−およびナノ−カプセルなど、荷電した表面を備えた小胞が、費用対効果のあるコーティング方法の積層(LbL)コーティング法を用いて基材の表面に固定され得るという発見に一部が基づくものである。表面が荷電した1層の小胞と、小胞の電荷と反対の電荷を備えた1層の高分子電解質とからなる1つ以上の二重層を、基材の表面に堆積することができる。これは、高分子電解質溶液および小胞分散液中にそれを交互に浸漬すること、または高分子電解質溶液および小胞分散液をそれに噴霧することによって実行することができる。堆積サイクルの数によって、基材上に形成されるコーティング厚と、それによる封入された小胞のレベル/量が調整される。LbLコーティング法を用いて、バルク材と、異なる機能を有する様々なゲスト材料を封入し得る小胞含有コーティングとを含む複合材料を作製することができる。そのような複合材料は、生物医学的用途、例えば局所的薬物送達のための装置、およびグルコース感知コンタクトレンズなどの生体内検体センサーにおいて使用を見出すことができる。基材から小胞含有コーティングを取り外すことによって、様々なゲスト材料を封入することができる自立膜(フィルム)を作製することができる。本発明は、異なる機能を有する様々なゲスト材料を封入する能力の高い固体状態の材料を提供することができる。
本発明は、1つの態様において、バルク材と、ゲスト材料を封入し得る小胞含有コーティングとを含む複合材料を提供するが、この場合の小胞含有コーティングは、荷電した表面を備えた小胞と、小胞の表面電荷と反対の電荷を有するポリイオン材料との二重層を少なくとも1つ含んでいる。バルク材は、好ましくは高分子品、より好ましくは医療装置、より好ましくは眼科用装置、最も好ましくはコンタクトレンズである。
本発明は、別の態様において、少なくとも1層の小胞と、小胞の電荷と反対の電荷を有する1層のポリイオン材料とを含むフィルム材料を提供するが、この場合の小胞は、リポソーム、高分子電解質のシェルを有するリポソーム、無機材料のシェルを有するリポソーム、高分子化リポソーム、高分子化ミセル、高分子電解質の多層シェルを有するナノカプセル、高分子電解質の多層シェルを有するマイクロカプセル、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
本発明は、更に別の態様において、バルク材と、ゲスト材料を封入し得る小胞含有コーティングとを含む複合材料を作製する方法を提供する。本発明の方法は、荷電された表面を備えた1層の小胞と、小胞の電荷と反対の電荷を有する1層のポリイオン材料とを、バルク材の表面に特定の順序はなく交互に塗布することを含む。特に、本発明は、
(a)バルク材を、リポソーム、高分子化リポソーム、高分子化ミセル、高分子電解質の多層シェルを有するナノカプセル、および高分子電解質の多層シェルを有するマイクロカプセルからなる群から選択される小胞の分散液と接触させてバルク材上に1層の小胞を形成させる工程;
(b)場合により、前記バルク材をすすぎ溶液と接触させることによって、前記バルク材をすすぐ工程、
(c)前記バルク材をポリイオン材料の溶液と接触させて、小胞の層の最上部に小胞の電荷と反対の電荷を有するポリイオン材料の層を形成させる工程;
(d)場合により、前記バルク材をそのすすぎ溶液と接触させることによって、前記バルク材をすすぐ工程を含む、複合材料を作製する方法に関する。
本発明は、更に別の態様において、
(1)リポソーム、高分子化ミセル、高分子電解質の多層シェルを有するナノカプセル、高分子電解質の多層シェルを有するマイクロカプセル、およびその混合物からなる群から選択される小胞と、小胞の表面電荷と反対の電荷を有するポリイオン材料との二重層を、基材の表面に複数堆積させて基材上にフィルムを形成させ;
(2)そのフィルムを基材から分離することを含む、小胞の層を含むフィルム材料を作製する方法を提供する。
本発明のこれらおよび他の態様は、以下の目下好ましい実施形態の説明から明白となろう。その詳細な説明は、単に本発明の例示であって、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲は添付のクレームおよびその均等物によって定義される。当業者には自明であろうが、開示の新規な概念の本質および範囲から逸脱することなく、本発明の多くの変形および修正が実行されてもよい。
好ましい実施形態の詳細な説明
ここで、本発明の実施形態を詳細に参照しながら、本発明の1例以上の実施例を以下に説明する。各実施例は、本発明の説明として提供され、本発明を限定するものではない。事実、本発明の範囲または本質を逸脱することなく、本発明において様々な修正および変形が実施され得ることは当業者には明白であろう。例えば、1つの実施形態の一部として例示または記載された特徴が、別の実施形態で用られ、更に別の実施形態を作成することができる。つまり、本発明は、添付のクレームおよびそれらの均等物の範囲内に含まれながら、そのような改良および変形を網羅するものである。本発明の他の目的、特徴および態様は、以下の詳細な説明に開示されるか、またはそれから自明となる。本発明の議論が例示的な実施形態の説明に過ぎず、本発明のより広範の態様を限定するものではないことは、当業者には理解されるはずである。
特に断りない限り、本明細書で用いられる全ての技術的用語および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されたものと同じ意味を有する。一般に、本明細書で用いられる命名および実験手順は、当該技術分野で周知で、一般に用いられるものである。これらの手順として、当該技術分野および様々な一般的参考資料において提供される手順など、従来の方法が用いられる。用語が単数形で示されていれば、発明者はその用語の複数形も想定している。本明細書で用いられる命名および下記の実験手順は、当該技術分野で周知で、一般に用いられるものである。
1つの実施形態において、本発明は、バルク材と、ゲスト材料を封入し得るコーティングとを含む複合材料を提供するが、この場合のコーティングは、表面電荷を備えた小胞と、小胞の電荷と反対の電荷を有するポリイオン材料との二重層を1つ以上含む。
本発明の目的では、用語「バルク材」は、所望の形状を有するいずれの自立材料も網羅するものとする。本発明によれば、バルク材は、高分子材料、金属、ガラス、セラミックまたは石英であることができる。例示の高分子材料としては、非限定的に、ヒドロゲル、シリコーン含有ヒドロゲル、スチレン、置換されたスチレン、エチレン、プロピレン、アクリレート、メタクリレート、N−ビニルラクタム、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、アクリル酸およびメタクリル酸のポリマーおよびコポリマーが挙げられる。バルク材は、物品、好ましくは眼科用装置、眼科用装置を製造する型、または眼科用装置以外の医療装置であることもできる。
本明細書で用いられる「医療装置」は、操作または利用の過程で患者の組織、血液、または他の体液と接触する表面を有する装置を指す。例示の医療装置としては、(1)後に患者に戻される血液と接触する人工肺、血液ポンプ、血液センサー、血液を輸送するために用いられる管など、手術で用いられる体外装置、;(2)血管または心臓に移植される血管新生化移植片、ステント、ペースメーカーリード、心臓弁などのヒトもしくは動物の体内に移植されるプロテーゼ;(3)モニタリングまたは修復の目的で血管または心臓内に留置されるカテーテル、ガイドワイヤーなどの一時的血管内使用のための装置;(4)熱傷患者のための人工皮膚などの人工組織;(5)デンティフィス(dentifices)、義歯成形品;(6)眼科用装置;および(7)眼科用装置または眼科用溶液を保存する箱または容器が挙げられる。好ましい実施形態において、医療装置は、眼科用装置である。
本明細書で用いられる「眼科用装置」は、コンタクトレンズ(ハードまたはソフト)、眼内レンズ、角膜のアンレー(corneal onlay)、および目または目の周辺で用いられる他の眼科用装置(例えばステント、緑内障シャントなど)を指す。
用語「二重層」は、本明細書においては広い意味に用いられ、第1のコーティング材料の第1の1層を塗布し、その後第1のコーティング材料の電荷と反対の電荷を有する第2のコーティング材料の1層を塗布することによって形成されるコーティング構造を含むものとする。本明細書によれば、小胞と、小胞の電荷と反対の電荷を有するポリイオン材料との二重層は、1層の小胞および1層のポリイオン材料で構成されている。第1のコーティング材料(例えば小胞)の層と第2のコーティング材料(例えばポリイオン材料)の層とが、二重層内で互いに絡み合っていてもよいと理解される。
本発明によれば、小胞としては、リポソーム、高分子化ミセル、ならびにそれぞれが高分子電解質の多層シェルを有するナノカプセルおよびマイクロカプセルが挙げられる。
リポソームは、1つ以上の含水コンパートメントを封入する、閉鎖された同心性ラメラからなる同心脂質二重層構造を有する微視的な小胞である。リポソームは、一般に球形であり、一般式XY(式中、Xは、極性親水性基であり、Yは、非極性疎水性基である)で示される脂質または脂質様分子から生成される。脂質または脂質様分子は、通常、生体膜の脂質配列と同様に二重層形態で配列されている。典型的には、脂質または脂質様分子の極性末端(X)は、周囲の溶液、通常は水溶液と接触しているが、その脂質または脂質様分子の非極性疎水性末端(Y)は、別の脂質または脂質様分子の非極性疎水性末端と接触している。得られた二重層膜は、特定の寸法、疎水性、形状および正味電荷の分子を選択的に透過可能である。
リポソームを、全体的寸法およびラメラ構造の性質に基づいて3つの種類に分類することができる。これらの物理的分類を説明するために、New York Academy of Sciences meeting on "Liposomes and Their Use in Biology and Medicine," of September 1997で確立された命名が用いられる。その3つの分類は、多重ラメラ小胞(MLV)、小さな単ラメラ小胞(SUV)および大きな単ラメラ小胞(LUV)である。小さな単ラメラ小胞は、約200〜500nmの口径の範囲内であり、水性コンパートメントを取り囲む単一の脂質二重層で構成されている。SUVの固有の性質は、全脂質の約70%もの量が小胞の外層に存在することである。加えて、曲率半径が小さいため、脂質分子を包み込む際に負荷がかかり、その結果特定の環境で準安定性になる。最も多く遭遇し、容易に作製されるリポソームが、多重ラメラ小胞(MLV)である。MLVは、最大約10,000nmまでの寸法で大きく変動し、その構造はマルチコンパートメントである。大きな単ラメラ小胞(LUV)は、約600nm〜約30ミクロンの範囲内の口径を有する。そのような小胞は、1つ以上の二重層を含んでいてもよい。
リポソームは、親水性基の選択に応じて陰イオン性(陰性荷電表面)、塩基性(陽性荷電表面)または中性であってもよい。例えばリン酸基または硫酸基が極性基(X)として用いられる場合、得られたリポソームは、陰イオン性になる。アミノ含有脂質または脂質様分子が用いられる場合、リポソームは、陽性電荷を有するか、または陽イオン性リポソームであり、ポリエチレンオキシ基またはグリコール基が脂質または脂質様分子内に存在する場合、中性リポソームが得られる。中性リポソームは、化学的または物理的に修飾されて表面電荷を有し得ると理解される。例えば中性リポソームは、高分子電解質でコーティングされることができる。
リポソームを形成するのに適した脂質または脂質様化合物を、以下の参考資料に見出すことができる:McCutcheon's Detergents and Emulsifiers and McCutcheon's Functional Materials, Allured Pub. Company, Ridgewood, N. J., U. S. A.。例示の脂質または脂質様化合物としては、レシチン、ホスファチジルエタノールアミン、リソレシチン、リソホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、セファリン、カルジオリピン、ホスファチジン酸、セレブロシド、ジセチル−ホスフェート、ホスファチジルコリンおよびジパルミトイル−ホスファチジルコリンが挙げられる。追加の非リン含有脂質は、例えばステアリルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、セチルパルミテート、グリセリルリシノレエート、ヘキサデシルステアレート、イソプロピルミリステート、両性アクリル酸ポリマー、トリエタノールアミン−ラウリルスルフェート、アルコイル−アリールスルホネート、ポリエトキシル化脂肪酸アミドなどである。
リポソームは、当業者に知られた方法によって作製されることができる(例えば、Kim et al. Bioch. Bioph. Acta 728:339-348 (1983); Assil et al. Arch Ophthalmol. 105:400 (1987); Szoka & Papahadjopoulos, Ann. Rev. Biophys. Bioeng., 9:467-508 (1980);およびU. S. Pat. No. 4,522,811、ならびに本明細書内および当業者に知られた他の引例を参照)。用いられるリポソームの層の数および小胞サイズを正確に制御したい本発明の実務者は、Pagano and Weinstein (Ann. Rev. Biophysic. Bioeng., 7, pp. 435-68 (1978))およびSzoka and Papahadjopoulos (Ann. Rev. Biophysic. Bioeng., 9, pp. 467-508 (1980))によるレビュー、ならびに例えばU.S. Pat. Nos. 4,229,360; 4,224,179; 4,217,344; 4,241,046; 4,078,052 and 4,235,871などのリポソームを作製する多数の特許を参照されたい。
リポソームの透過性および/または表面電荷を修飾するために、様々な添加剤を脂質または脂質様材料と混合することができる。代表的添加剤としては、長鎖アルコールおよびジオール;ステロール、例えばコレステロール;長鎖アミンおよびそれらの第四級アンモニウム誘導体;ジヒドロアルキルアミン;ポリオキシエチレン化脂肪アミン;長鎖アミノアルコールのエステル、それらの塩および第四級アンモニウム誘導体;脂肪アルコールのリン酸エステル、例えばリン酸ジセチルナトリウム;アルキルスルフェート、例えば硫酸セチルナトリウム;ポリペプチドなどの特定のポリマー;ならびに蛋白質が挙げられる。
リポソームは、特定の刺激または刺激の組み合わせに応答し、特定の安定性、剛性および透過性を有するように設計および作製されてもよい。例示の刺激としては、非限定的に、pH、温度、光、界面活性剤、金属イオンなどが挙げられる。
Seki et al. は、"Polym. Materials Sciences and Eng.", Proc. of ACS Div. of Polym. Materials Meeting in Philadelphia, PA., ACS, 51, 216-219 (1984)において、卵黄ホスファチジルコリンから形成されたリポソーム中に封入されたゲスト材料のpH依存的放出を開示している。Seki et al.は、合成ポリ(カルボン酸)、ポリ(αエチルアクリル酸)PEAAを用いて、封入されたゲスト材料のpH依存的放出を実行した。ホスファチジルコリン小胞は、高pHではPEAAによる影響を受けないが、pH7以下では不安定になる。
Pidgeon and Huntは、Photochem and Photobiol. 37, 491-494 (1983)内の"Light Sensitive Liposomes"において、透過性を有し、UV光の照射によって変化され得るリポソームを記載している。Pidgeon and Huntは、その研究の中で2種の感光性リン脂質、1,2−ジレチノイル−Sn−グリセロ−3−ホスホコリンおよび1−パルミトイル,2−レチノイル−Sn−グリセロ−3−ホスホコリンを使用している。これらのリン脂質の一方または両方から形成されるリポソームの透過性は、温度に直接比例する。360nm光に30〜120秒暴露すると、リポソームの透過性が、約20%〜ほぼ90%劇的に増加する。
Kano et al.は、Photochem. Photobiol. 34, 323-325 (1981)およびChem. Lett. 421-424 (1981)において、異なる感光性リポソームを開示した。Kano et al.は、光異性化可能なアゾベンゼン脂質をリポソーム膜に組込むと、光への暴露によって膜透過性が増加した小胞が作製されることを示している。
リポソームの温度への感受性も周知である。これは、リポソームを形成する脂質のゲル−液晶転移温度(TcまたはTm)に大きく基づいている。転移温度が、リポソームがゲスト材料を封入する温度を超えるように特異的脂質組成物が調合されて、その温度がわずかに上昇されると少量だけ放出されるようにしてもよい。
ホスホリパーゼは、リポソームを構成する1種以上のリン脂質を解離させることができる。それ故、リン脂質から形成されたリポソームは、ホスホリパーゼ酵素を用いて不安定化されて、リポソームに封入されたゲスト材料を放出してもよい。
二価金属も、D. Papahadjopoulos and J. C. WatkinsによるBiochem. Biophys. Acta. 135, 639-652 (1967)において、リポソーム二重層の透過性を上昇させることが示された。
インビトロまたはインビボのいずれかで、隣接する環境の操作によって安定性または透過性を有意に変え得るリポソームを作製するために、当業者に知られたいずれの方法が本発明に用いられてもよい。
全てのリポソームは、元々、それらが含む特定の脂質と環境との相互作用によるものである。本発明の好ましい実施形態において、リポソームは、高分子電解質又は無機シリカなどのシェルによって安定化されている。本発明の別の好ましい実施形態において、リポソームは、高分子化リポソームを形成することによって安定化されている。安定化されたリポソームは、LbLコーティング法におけるリポソームの取り扱いを容易にすることができる。
高分子電解質のシェルによって安定化されたリポソームからゲスト材料を制御的に放出するには、高分子電解質が生分解性または光分解性であることが好ましい。
高分子化リポソームの多数の作製方法が、先行技術で開示されている(例えばU. S. Pat. Nos. 6,187,335; PCT International Publication WO 9503035; Chen et al., 1995, Proceed, Internat. Symp. Control. Rel. Bioact. Mater. 22; Chen et al., 1995 Proc. 3rd U. S. Japan Symposium on Drug Delivery Systems; Brey R. N., 1997, Proc. 4th U. S. Japan Symposium on Drug delivery参照)。高分子化リポソームを形成し得る多数の化合物が先行技術で開示されている(例えばU. S. Pat. No. 4,248,829; U. S. Pat. No. 4,485,045; U. S. Pat. No. 4,808,480; U. S. Pat. No. 4,594,193; U. S. Pat. No. 5,160,740; U. S. Pat. No. 5,466,467; U. S. Pat. No. 5,366,881; Regen, Liposomes: from Biophysics to Therapeutics (Ostro, ed., 1987), Marcel Dekker, N. Y,; Singh, A., and J. M. Schnur, 1993, "Polymerizable Phospholipids", Phospholipids Handbook, Gregor Cevc,ed Marcel Dekker, New Yorkを参照)。
ゲスト材料を封入する高分子化リポソームは、当業者に知られたいずれの方法を用いても作製され得る。例えばリポソームは、最初、当業者に知れらた上記方法の1つによって形成され、ゲスト材料を封入する。その後、ゲスト材料を封入されたそのような予備形成リポソームを、光重合または熱重合によって重合する。
ミセルは界面活性剤により水などの極性溶剤中に形成された動的凝集体であり、分子は親水性基と疎水性基の両方を備えている。ミセルは典型的には、ほぼ球形、偏球、楕円体または棒状の形状をとり、外側の親水性基および内側の疎水性基を備えている。疎水性の内部によって、結果として周囲の溶媒とは異なる溶媒和特性を備えた疎水性液相が得られる。溶液の界面活性剤濃度が、臨界ミセル濃度(CMC)として知られた特性値よりも高い場合に、ミセルが形成する。
高分子化ミセルまたは高分子化界面活性凝集体は、最初、1970年代後期と1980年代初期に開発された。他の同等の非高分子化ミセル(従来のミセル)に比べて、高分子化ミセルは、高い安定性を示し、ミセルの寸法がよりうまく制御される。高分子化ミセルの重要な利点は、それらが臨界ミセル濃度(CMC)を有さないことである。高分子化ミセルを作製するための多数の方法が、先行技術で開示されている(例えばC. Palmer et al., J. High Res. Chromatogr., vol. 15, pp. 756-762 (1992);C. Larrabee et al., J Poly. Sci.: Poly. Lett. Ed., vol. 17, pp. 749-751 (1979); D. Tabor et al., Chromatogr., vol. 20, pp. 73-80 (1989); S. Terabe et al., Anal. Chem., vol. 62, pp. 650-652 (1990);およびJ. Fendler et al., Acc. Chem. Res., vol. 17, pp. 3-8 (1984)参照)。
本明細書において用いられる「ゲスト材料」は、小胞と会合した、または小胞に封入もしくは結合されたいずれの材料も指す。例示のゲスト材料としては、非限定的に、医療装置に所望の機能を付与する材料、例えばMarchのPCT International Publication WO 01/13783に開示された眼内グルコースセンサー内の蛍光標識グルコースレセプター、蛍光標識グルコース競合物質、バイオセンサー、薬物、蛋白質(酵素またはホルモンなど)、アミノ酸、核酸、ポリペプチド、金属ナノ粒子、磁気ナノ粒子、光学活性ナノ粒子、染料などが挙げられる。
本明細書において用いられる用語「バイオセンサー」は、一部または全体が生物学的分子(酵素、抗体、細胞全体、オルガネラまたはそれらの混合物など)で構成されたいずれのセンサー装置またはセンサーシステムも指す。
本明細書において用いられる用語「薬物」としては、医薬、治療剤、ビタミン、栄養サプリメントなどが挙げられる。ゲスト材料が薬物である場合、それは、その機能に関しての治療的有効量で存在する。
例えば、抗癌剤、中枢神経用薬物、末梢神経用薬物、アレルギー用薬物、循環器用薬物、呼吸器用薬物、消化器用薬物、ホルモン剤、抗生物質、化学療法用薬物、ビタミン、食物サプリメントなど、いずれの治療薬も用いることができる。
薬物などのゲスト材料は、小胞に封入されるか、または小胞と会合もしくは共有結合し、その後、体液と接触すると医療装置から放出される。薬物が小胞に共有結合している場合、それは酵素的解離(加水分解)によって放出される。あるいは封入または会合された薬物は、体液と接触した後、小胞から放出される。
本明細書において用いられる「ポリイオン材料」は、高分子電解質、p−およびn−型ドープ導電性ポリマーなど、複数の荷電した基を有するポリマー材料を指す。ポリイオン材料は、ポリカチオン(陽性電荷を有する)材料およびポリアニオン(陰性電荷を有する)材料の両方を含む。
本発明で用いられてもよいポリイオン材料は、ポリアニオン性ポリマーおよびポリカチオン性ポリマーを含む。適切なポリアニオン性ポリマーの例としては、例えばカルボキシ、スルホ、スルファト、ホスホノもしくはホスファト基、またはその混合物を含む合成ポリマー、バイオポリマーまたは修飾バイオポリマー、あるいはその塩、例えば生物医薬的に許容され得る塩、特にコーティングされる物品が眼科用装置である場合、眼科的に許容され得るその塩が挙げられる。
合成ポリアニオン性ポリマーの例は、直鎖状ポリアクリル酸(PAA)、分枝状ポリアクリル酸、例えばGoodrich Corp.のCarbophil(登録商標)もしくはCarbopol(登録商標)タイプ、ポリメタクリル酸(PMA)、ポリアクリル酸もしくはポリメタクリル酸のコポリマー、例えばアクリル酸もしくはメタクリル酸と更に別のビニルモノマーとのコポリマー、例えば、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドもしくはN−ビニルピロリドン、マレイン酸もしくはフマル酸のコポリマー、ポリ(スチレンスルホン酸)(PSS)、ポリアミド酸、例えばジアミンおよびジ−もしくはポリ−カルボン酸のカルボキシ末端ポリマー、例えばカルボキシ末端Starburst(商標)PAMAMデンドリマー(Aldrich)、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)(ポリ−(AMPS))、アルキレンポリホスフェート、アルキレンポリホスホネート、カルボヒドレートポリホスフェートまたはカルボヒドレートポリホスホネート、例えばタイコ酸である。
ポリアニオン性バイオポリマーまたは修飾バイオポリマーの例は、ヒアルロン酸、ヘパリンまたはコンドロイチン硫酸などのグリコサミノグリカン、フコイダン、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデキストラン、アルギネート、ペクチン、ゲラン(gellan)、カルボキシアルキルキチン、カルボキシメチルキトサン、硫酸化ポリサッカライドである。
好ましいポリアニオン性ポリマーは、直鎖状または分枝状ポリアクリル酸またはアクリル酸コポリマーである。より好ましいアニオン性ポリマーは、直鎖状または分枝状ポリアクリル酸である。この文脈の分枝状ポリアクリル酸は、適切な量(微量)のジ−またはポリ−ビニル化合物の存在下でアクリル酸を重合することによって得られるポリアクリル酸を意味すると理解される。
二重層の一部として適切なポリカチオン性ポリマーは、例えば骨格鎖内に、または置換基として第一級、第二級もしくは第三級アミノ基または適切なその塩、好ましくは眼科的に許容され得るその塩、例えばその塩酸塩などのハロゲン化水素(hydroharogenide)を含む合成ポリマー、バイオポリマーまたは修飾したバイオポリマーである。第一級もしくは第二級アミノ基、またはその塩を含むポリカチオン性ポリマーが好ましい。
合成ポリカチオン性ポリマーの例は、
(i)場合により調節剤単位(modifier units)を含むポリアリルアミン(PAH)ホモ−またはコポリマー;
(ii)ポリエチレンイミン(PEI);
(iii)場合により調節剤単位を含むポリビニルアミンホモ−またはコポリマー
(iv)ポリ(ビニルベンジル−トリ−C1〜C4−アルキルアンモニウム塩)、例えばポリ(ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド);
(v)脂肪族またはアリール脂肪族二ハロゲン化物(araliphatic dihalide)と、脂肪族N,N,N’,N’−テトラ−C1〜C4−アルキル−アルキレンジアミンとのポリマー、例えば(a)プロピレン−1,3−ジクロリドもしくは−ジブロミド、またはp−キシレンジクロリドもしくはジブロミドと、(b)N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−テトラメチレンジアミンとのポリマー
(vi)ポリ(ビニルピリジン)またはポリ(ビニルピリジニウム塩)ホモ−またはコポリマー;
(vii)式:
Figure 0004563035
(式中、R2およびR2'は、それぞれ独立してC1〜C4−アルキル、特にメチルであり、An-は、アニオン、例えば塩化物アニオンなどのハロゲン化物アニオンである)で示される単位を含むポリ(N,N−ジアリル−N,N−ジ−C1〜C4−アルキルアンモニウムハライド);
(viii)第四級化ジ−C1〜C4−アルキルアミノエチルアクリレートまたはメタクリレートのホモ−またはコポリマー、例えばポリ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルプロピルトリ−メチルアンモニウムクロリド)、または第四級化ポリ(2−ジメチルアミノエチルメタクリレート)もしくは第四級化ポリ(ビニルピロリドン−co−2−ジメチルアミノエチルメタクリレート)などのポリ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルプロピルトリ−C1〜C2−アルキルアンモニウム塩)ホモポリマー;
(ix)EP-A-456,467に開示されたPOLYQUAD(登録商標);あるいは
(x)ポリアミノアミド(PAMAM)、例えばアミノ末端Starbust(商標)PAMAMデンドリマー(Aldrich)などの直鎖状PAMAMもしくはPAMAMデンドリマーである。
上述のポリマーは、特に明記されない限りは、それぞれの場合、遊離アミン、その適切な塩、例えば生物医学的に許容され得る塩または特に眼科的に許容され得るその塩、およびいずれかの第四級形態を含んでいる。
場合により上記(i)、(iii)、(vi)または(viii)によるポリマーに組込まれた適切なコモノマーは、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドンなどの親水性モノマーである。
ポリアリルアミンの適切な調節剤単位は、例えばWO00/31150から公知であり、例えば式:
Figure 0004563035
(式中、Lは、ヒドロキシ、C2〜C5−アルカノイルオキシおよびC2〜C5−アルキルアミノカルボニルオキシからなる群から選択される同一または異なる2個以上の置換基で置換されているC2〜C6−アルキルである)で示される単位を含む。
アルキル基Lの好ましい置換基は、ヒドロキシ、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、メチルアミノカルボニルオキシまたはエチルアミノカルボニルオキシ、特にヒドロキシ、アセチルオキシ、またはプロピオニルオキシ、とりわけヒドロキシである。
Lは、好ましくは直鎖状C3〜C6−アルキル、より好ましくは直鎖状C4〜C5−アルキル、最も好ましくはn−ペンチルで、それぞれの場合、先に定義したとおり置換されたものである。特に好ましい基Lは、1,2,3,4,5−ペンタヒドロキシ−n−ペンチルである。
本発明の二重層中に用いられてもよいポリカチオン性バイオポリマーまたは修飾バイオポリマーの例としては、塩基性ペプチド、蛋白質または糖蛋白質、例えばポリ−ε−リシン、アルブミンまたはコラーゲン、キトサンまたはアミノデキストランなどのアミノアルキル化ポリサッカライドが挙げられる。
本発明の二重層を形成するための特定のポリカチオン性ポリマーとしては、ポリアリルアミンホモポリマー;上記式(1)の調節剤単位を含むポリアリルアミン;ポリビニルアミンホモ−もしくはコポリマー、またはポリエチレンイミンホモポリマー、特にポリアリルアミンもしくはポリエチレンイミンホモポリマー、またはポリ(ビニルアミン−co−アクリルアミド)コポリマーが挙げられる。
前述のリストは例示であるが、明らかに網羅するものではない。本明細書内の開示および教示を付与された当業者は、他の多数の有用なポリイオン材料を選択することができる。
厚さなど、コーティングの様々な特性を変更するために、ポリイオン材料の分子量を変えることができる。特に分子量を増加させると、一般にコーティング厚が増加する。しかし、分子量の増加の上昇があまりに実質的であれば、取り扱い難さも高まる場合がある。そのため、本発明の方法で用いられるポリイオン材料は、典型的には約2,000〜約150,000の重量平均分子量Mnを有する。幾つかの実施形態において、重量平均分子量は、約5,000〜約100,000であり、他の実施形態においては、約75,000〜約100,000である。
ポリイオン材料の多層シェルを有するナノ−およびマイクロカプセルは、PCT International Publication No. WO99/47252およびWO01/51196に開示されたLbL封入技術によって作製され得る。例えば、マイクロカプセルは、最初に微結晶形態の物質を両親媒性物質で荷電し、その後反対に荷電したポリイオン材料を連続的に堆積させ、微結晶物質の周囲にポリイオン材料の多層シェルを組織化することによって作製され得る。微結晶形態の物質は、封入される物質または鋳型のいずれであることもできる。鋳型を用いる場合、いずれか公知の方法、例えば溶媒中に溶解させてポリイオン材料のシェルからなる中空カプセルを形成させることによって、ポリイオン材料の多層シェルを備えたマイクロカプセルから鋳型を除去することができる。そのような中空カプセルは、蛋白質をはじめとする広範の材料を封入することができる。LbL封入法を用いて、有機材料、無機材料および生物材料をはじめとする広範囲の物質を組込むことができる。ポリイオン材料の層の数によって、使用される両親媒性物質およびポリイオン材料を選択することによって、そして両親媒性物質でのコーティング時の条件によって、マイクロカプセルの多孔性を、所望の透過性を有するよう調整することができる。
本発明の複合材料は、積層(LbL)コーティング法を用いて作製されることができる。LbLコーティングは、反対に荷電した材料の連続吸着に基づいている。
本明細書で用いられる「LbLコーティング」は、物品上に2種の反対に荷電したポリマー材料(ポリイオン材料)を1層ずつ連続して(LbL)交互に物理的に堆積させることによって得られるコーティングを指す。物品のLbLコーティングは、その物品のコア材料に共有結合していない。LbLコーティングにおいて、ポリイオン材料の各層は、異なるポリイオン材料の別の層に非共有結合している。LbLコーティングでは、いずれの適切なLbL高分子電解質堆積法も用いることができる。そのような技術の1つが、所望の厚さのコーティングが形成されるまで反対に荷電したポリイオン材料に基材を連続的に浸漬することを含む、"Apparatus, Methods, and Compositions for Modifying Surface Characteristics"という表題で2000年2月4日に出願されたU. S. Patent Application Publ. No. 2001-0045676に記載されている。連続浸漬の時間がかかるという側面を回避しながら積層コーティングを得る別のそのような技術が、単回の浸漬のみでポリイオン材料を基材に塗布する、"Single-Dip Process for Achieving a Layer-by-Layer-Like Coating"という表題で2000年2月4日に出願されたU. S. Patent Application Publ. No. 2001-0048975に開示された単回浸漬法である。
LbLコーティングは、非対称であることもできる。本明細書で用いられる、眼科用レンズでの「非対称コーティング」は、眼科用レンズの第1の表面と、反対側の第2の表面との異なるコーティングを指す。本明細書で用いられる「異なるコーティング」は、異なる表面特性または機能を有する2種のコーティングを指す。
本明細書により小胞含有コーティングを基材の表面に塗布する方法は、例えば以下の工程:(1)本来の陰性電荷または酸化層の存在によって高分子材料、ガラス、石英、シリカ、金属および他のほとんどの材料から作製された基材の表面に、陽性に荷電した高分子電解質(PE)または陽性荷電種Aを容易に吸着する工程;(2)水ですすいで先の溶液の過剰分を除去し、表面に種Aの薄層(単層)を残留させる工程;(3)基材表面を反対に荷電した材料B(例えば小胞)の溶液と接触させる工程;および(4)水ですすいでBの薄層(単層)を作製することによって成分Aの新しい層の吸着に適合させる工程、を含む。その後、サイクルは、多層を所望の厚さにするのに必要な回数だけ繰り返される。その方法の再現性によって、その方法は検査室および工業的実施態様の両方にとって非常に魅力的である。Aの層と反対に荷電した材料B(例えば小胞)の間の静電引力およびファンデルワールス引力によって、基材への吸着が促進される。AおよびBは、相対的に高分子量のもの、例えば約2,000〜約150,000の重量平均分子量Mを有するポリイオン材料であるよう優先的に選択される。ファンデルワールス結合は、分子量の増加に伴って増強し、AおよびBの多数の結合点によって、その吸着は十分に不可逆になり、次の層の堆積が可能になる。
n回の堆積サイクル後に得られるLbLコーティング(フィルム)は、総称的に(A/B)nで表されることができる。略語(A/B)nが結果として得られる多層の実際の順序というよりは、むしろ主として堆積の手順を説明していることに留意することが重要である。AおよびBの鎖の強力な相互浸透によって隣接する層の境界が不明瞭であるため、1回のサイクルで堆積される隣接の層が互いに明確に区別され得るようなフィルムは、得られ難い。LbL対の大部分では、LbL組織化の結果は、最良でもAおよびBの分子混合として特徴付けられる。
陰性に荷電した表面の小胞は、ポリカチオン材料によって組織化されることができるが、陽性に荷電した表面の小胞は、ポリアニオン材料によって組織化されることができる。小胞とそれらのLbLパートナーとの間に、特定の試薬対に特異的な化学的相互作用が存在する場合にも、小胞含有材料のLbLコーティングを得ることができる。パートナー間の特異的親和力は、非限定的に、ビオチン、相補DNA、抗体、抗原などをはじめとする生物特異性分子、分子インプリント表面をはじめとする構造特異性の表面相互作用、またはフェナントロリンなどの配位化合物を用いて一方または両方の成分の誘導体化によって付与され得る。
フィルムの積層の過程で、フィルムの成分を、異なるものと置換することができる。同様に、小胞の内容物を、変更することができる。これによって、多機能の層化材料が得られる。
本発明の小胞含有コーティングは、表面修飾のある、またはないバルク材上に形成されることができる。
本発明で用いられる「表面修飾」は、表面に小胞含有コーティングを形成させる前に、公知の手順によってバルク材を処理、機能化、またはコーティングしてその表面特性を変化させることを指す。例えば物品を、表面処理法(または表面修飾法)で処理することができるが、その場合蒸気もしくは液体と接触させること、および/またはエネルギー源を加えることによって、(1)物品の表面にコーティングが塗布されるか、(2)物品の表面に化学薬品種が吸着されるか、(3)物品表面の化学基の化学的性質(例えば静電的荷電)が変化するか、または(4)物品の表面特性が別法で修飾される。例示の表面処理法としては、非限定的に、エネルギー(例えばプラズマ、静電的荷電、放射線照射または他のエネルギー源)による表面処理、化学処理、物品表面への親水性モノマーまたはマクロマーの移植、および高分子電解質の積層堆積が挙げられる。表面処理法の好ましい種類は、物品の表面にイオン化ガスを適用するプラズマ法である。プラズマガスおよび加工条件は、U. S. Pat. Nos. 4,312,575 and 4,632,844においてより完全に記載されている。プラズマガスは、好ましくは低級アルカンと、窒素、酸素または不活性ガスとの混合物である。コンタクトレンズの表面修飾としては、非限定的に、ポリマー上にモノマーもしくはマクロマーを移植して、レンズを生物学的適合性、耐沈着性、より親水性、より疎水性にすること、あるいはレンズの親水性もしくは滑性を上昇させるか、または細菌付着を減少させるか、または抗菌性もしくは抗真菌性を付与するポリイオン材料を堆積させること(LbLコーティング)が挙げられる。
例えば、コンタクトレンズの表面修飾としては、非限定的に、ポリマー上にモノマーもしくはマクロマーを移植してレンズを生物学的適合性、耐沈着性、より親水性、より疎水性にすること、あるいはレンズの親水性もしくは滑性を上昇させるか、または細菌付着を減少させるか、または抗菌性もしくは抗真菌性を付与するポリイオン材料を堆積させること(LbLコーティング)が挙げられる。
例えば、バルク材の表面がヒドロキシ基を有する場合、支持体を、テトラヒドロフランなどの不活性溶剤および塩化トレシルの浴中に入れてもよい。表面のヒドロキシ基は、その後トレシル化される。表面は、トレシル化されると、エチレンジアミンの水溶液中でアミノ化されてもよく、その結果、基−NH−CH2−CH2−NH2が炭素原子に結合する。あるいは、例えばヒドロゲルから製造されたコンタクトレンズを、ジアジリジン化合物を含む溶液に浸漬するかまたはそれを噴霧して、次に熱処理によってコンタクトレンズの表面に共有結合することによって、コンタクトレンズを機能化することができる。そのような機能化レンズは、ゲスト材料またはポリイオン材料を機能化レンズに共有結合させるのに用いることができる。
所望のコーティングがバルク材に塗布されると、幾つかの実施形態において、コーティングが架橋されて、表面がより耐水性、より耐腐食性、そしてより耐久性になる。コーティングを、当該技術分野で公知のいずれの方法によっても架橋することができる。例えば1つの実施形態において、架橋剤をコーティングに噴霧し、その後、可視光による輻射を適用することによって、コーティングを架橋することができる。適切な架橋剤は、例えばカルベン、ニトレンなどの活性部分を含むことができる。
小胞は、酸化ケイ素などの固体材料のシェルでコーティングされて、小胞の安定性を上昇させてもよく、封入性を改善してもよく、そして/または本発明の小胞含有コーティング中のポリイオン材料への親和力を増強させてもよい。
好ましい実施形態において、本発明の小胞含有コーティングは、荷電した表面を備えた小胞と、小胞の電荷と反対の電荷を有するポリイオン材料との二重層を複数含む。本発明の小胞含有コーティングは、荷電した表面を備えた小胞と、小胞の電荷と反対の電荷を有するポリイオン材料との二重層を好ましくは2〜20組、より好ましくは2〜6組含んでいる。小胞含有コーティングが荷電した表面を備えた小胞と、小胞の電荷と反対の電荷を有するポリイオン材料との二重層を複数含む場合、小胞の電荷と反対の電荷を有するポリイオン材料の層が、小胞の二層の間に挟まれる。
バルク材および小胞含有コーティングを含む複合材料の作製が、本発明の別の実施形態である。その方法は、(a)バルク材を、リポソーム、高分子化ミセル、高分子電解質の多層シェルを有するナノカプセル、および高分子電解質の多層シェルを有するマイクロカプセルからなる群から選択される小胞の分散液と接触させてバルク材上に1層の小胞を形成させ;(b)場合により、前記バルク材をすすぎ溶液と接触させることによって、前記バルク材をすすぎ;(c)前記バルク材をポリイオン材料の溶液と接触させて、小胞の層の最上部に小胞の電荷と反対の電荷を有するポリイオン材料の層を形成させ;(d)場合により、前記バルク材をすすぎ溶液と接触させることによって、前記バルク材をすすぐことを含む。
好ましくは、1層のポリイオン材料が、バルク材表面の小胞の隣接する層の各組に挟まれながら、工程(a)〜(d)が、2〜10回繰り返される。より好ましくは、1層のポリイオン材料が、本発明のバルク材表面の小胞の隣接する層の各組に挟まれながら、工程(a)〜(d)が、2〜6回繰り返される。
本発明の複合材料が、薬物送達装置である場合、ゲスト材料の放出速度は、多層の小胞を用いることによって制御され得る。小胞の層が増えるほど、ゲスト材料の放出が緩やかになる。
小胞の層の塗布は、ポリイオン材料に関して本明細書の以下に記載されたとおり、例えば単回の浸漬−コーティングおよび浸漬−すすぎ工程、単回の噴霧−コーティングおよび噴霧−すすぎ工程、または噴霧−および浸漬−コーティングならびにすすぎ工程の様々な組合わせによって実行されてもよい。
ポリイオン材料の層の塗布は、EP1046068、およびUS特許出願Publ. Nos.2001-0045676および2001-0049875に記載されたような多数の方法で実行されてもよい。1つのコーティング方法の実施形態は、単回の浸漬−コーティングおよび浸漬−すすぎ工程を含む。別のコーティング方法の実施形態は、単回の噴霧−コーティングおよび噴霧−すすぎ工程を含む。しかし、多数の別法は、噴霧−および浸漬−コーティングの様々な組合わせを含み、当業者が、すすぎ工程を設定してもよい。
ポリイオン材料をバルク材に結合させる前に、複雑で時間のかかるバルク材(医療装置)の前処理が必要とならないことが、U. S. 6,451,871において発見および開示された。バルク材、例えばコンタクトレンズを、それぞれが1種以上のポリイオン材料を含む1種以上の溶液と単に接触させることによって、LbLコーティングがバルク材上に形成されて表面特性を修飾することができる。
1つの浸漬コーティングの別法は、第1のポリイオン材料の第1の溶液に医療装置を浸漬することによって第1のポリイオン材料のコーティングを前記医療装置のコア材料に塗布する工程;医療装置をすすぎ溶液に浸漬することによって医療装置をすすぐ工程、および場合により医療装置を乾燥させる工程を含む。この手順を、ポリイオン二重層を形成させるために第1のポリイオン材料の電荷と反対の電荷を有する第2のポリイオン材料を用いて繰り返すことができる。この二重層形成法は、より厚いLbLコーティングを作製するために複数回繰り返されてもよい。
コーティングおよびすすぎ工程のそれぞれの浸漬時間は、多数の因子に応じて変動してもよい。好ましくはバルク材のポリイオン溶液への浸漬は、約1〜30分間、より好ましくは約2〜20分間、最も好ましくは約1〜5分間行われる。すすぎは、1回の工程で実行されてもよいが、複数のすすぎ工程によってほぼ十分になることができる。
コーティング法の別の実施形態は、一連の噴霧コーティング技術を含む。その方法は一般に、第1のポリイオン材料の第1の溶液を用いて第1のポリイオン材料のコーティングをバルク材に塗布する工程;医療装置にすすぎ溶液を噴霧することによって医療装置をすすぐ工程;および場合によりバルク材を乾燥させる工程を含む。浸漬−コーティング法と同様に噴霧−コーティング法は、第1のポリイオン材料の電荷と反対の電荷を有する第2のポリイオン材料を用いて繰り返されてもよい。
バルク材の、ポリイオン材料またはすすぎ溶液のいずれかの溶液との接触は、様々な方法によって行われてもよい。例えばバルク材は、両方の溶液に浸漬されてもよい。1つの好ましい別法は、噴霧形態またはミスト形態の溶液を塗布することである。もちろん様々な組合わせ、例えば医療装置をポリイオン材料に浸漬させ、その後すすぎ溶液を噴霧することが想定されてもよい。
噴霧コーティングの塗布は、多数の方法を介して実行されてもよい。例えば従来の噴霧コーティングの改良法が用いられてもよく、即ち高圧であっても高圧でなくてもよいが流体の適用によって堆積のターゲットに向けられる小口径のノズルを通して液体材料が噴霧される。
好ましくは噴霧法は、エアアシスト噴霧および分配法、超音波アシスト噴霧および分配法、圧電アシスト噴霧および分配法、電気機械式ジェットプリンティング法、圧電ジェットプリンティング法、圧電/静水圧ジェットプリンティング法、熱ジェットプリンティング法;ならびに眼科用レンズ上での噴霧装置の分配ヘッドの位置合わせを制御し得て、コーティング液を分配し得るコンピューターシステムからなる群から選択される。それらの噴霧コーティング法は、EP1262307に記載されている。そのような噴霧コーティング法を用いることによって、非対称コーティングを医療装置に塗布することができる。例えば、コンタクトレンズの裏面は、親水性および/または滑性コーティング材料でコーティングされることができ、コンタクトレンズの前面は、涙液中の検体を検出し得る小胞含有コーティングでコーティングされることができる。コンタクトレンズ上に、機能的パターンを有するコーティングを作製して、同時に複数の利益を装用者に提供することもできる。
本発明によれば、ポリイオン材料溶液を、様々な方法で作製することができる。特に本発明のポリイオン溶液は、水または材料を溶解することができる他の溶媒にポリイオン材料を溶解することによって形成され得る。溶媒を使用する場合、溶液内の成分が水中で安定性を保持できるいずれの溶媒も適切である。例えば、アルコールベースの溶媒を用いることができる。適切なアルコールとしては、非限定的に、イソプロピルアルコール、ヘキサノール、エタノールなどが挙げられる。当該技術分野で一般に用いられる他の溶媒も、本発明において適切に用いられることができると理解される。
溶解するのが水であっても溶媒であっても、本発明の溶液中のポリイオン材料の濃度は一般に、用いられる個々の材料、所望のコーティング厚および他の多数の因子に応じて変動することができる。しかし通常は、ポリイオン材料の比較的薄い水溶液を調合してもよい。例えば、ポリイオン材料濃度は、約0.001〜約0.25重量%、約0.005〜約0.10重量%、または約0.01〜約0.05重量%であることができる。
一般に上述のポリイオン溶液は、溶液を調製するための当該技術分野で周知のいずれの方法によっても調製され得る。例えば1つの実施形態において、ポリイオン溶液は、特定濃度を有する溶液が形成されるように、重量平均分子量Mが約90,000のポリアクリル酸などのポリイオン材料の適切な量を水に溶解することによって調製され得る。1つの実施形態において、得られた溶液は、0.001M PAA溶液である。一旦溶解されると、ポリイオン溶液のpHを、塩基性または酸性材料を添加することによって調整することもできる。上記実施形態において、例えば1N塩酸(HCl)の適切な量が添加されて、pHを2.5に調整することができる。
ポリカチオン性溶液も、上記の手法で形成することができる。例えば1つの実施形態において、約50,000〜約65,000の分子量を有するポリ(アリルアミン塩酸塩)を水に溶解し、0.001M PAH溶液を形成することができる。その後、適切な量の塩酸を添加することによって、pHを2.5に調整することもできる。
別の実施形態において、本発明は、少なくとも1層の小胞と、小胞の電荷と反対の電荷を有する1層のポリイオン材料とを含む小胞含有材料のフィルム(膜)を提供する。本発明の小胞含有材料のフィルムは、好ましくは小胞およびポリイオン材料をそれぞれ2〜50層、より好ましくは小胞およびポリイオン材料をそれぞれ5〜35層、さらにより好ましくは小胞およびポリイオン材料をそれぞれ5〜20層含む。
好ましい実施形態において、本発明の小胞含有材料のフィルムは、異なる小胞、または異なる機能を有する異なるゲスト材料を含む小胞を更に含む。
本発明の小胞含有材料のフィルムは、上記の小胞含有コーティングをバルク材から取り外すことによって作製され得る。
別の実施形態において、本発明は、ゲスト材料を封入し得る小胞含有材料のフィルムを作製する方法を提供する。本発明の方法は、(1)荷電した表面を備えた小胞と、小胞の表面電荷と反対の電荷を有するポリイオン材料との二重層を、基材の表面に複数堆積させて基材上にフィルムを形成させ;(2)そのフィルムを基材から分離することを含む。
フィルムを基材から分離するためのいずれの方法も用いることができる。好ましい方法は、PCT International Publication No.WO01/72878に開示されたものである。基材を、有機溶剤に溶解することによって除去することができる。例えば、シリコンウェーハまたはガラス基材を、HFによって一部または完全に溶解することができる。あるいは、基材を、別の化学処理、熱処理、pH変化、イオン強度変化、または適切な分離を実行するのに適した他の手法によって除去することができる。例えばフィルムを特殊な犠牲的な層を介して基材に連結している場合、それを、例えば化学処理またはUV照射によって分解することができる。
本発明の複合体およびフィルム材料は、薬物送達、生体内センサーおよび遺伝子療法など様々な生物医学的用途での使用を見出すことができる。
1つの例示的使用は、快適さの改善のための制御的手法によってコンタクトレンズ表面に滑剤を放出し得るコンタクトレンズを製造するために複合材料を使用することである。
例えば、ムチン様材料、例えばポリグリコール酸、ポリラクチド、コラーゲンまたはゼラチンを、ゲスト材料として用いることができ、それは、ドライアイ症候群を処置するために長期間にわたり連続して緩やかに眼の表面に放出されることができる。ムチン様材料は、好ましくは有効量で存在する。
通常の条件下で、眼内液は、約7〜10ミクロメータ厚の薄層(涙膜)を形成して、角膜および結膜上皮を覆っている。この超薄層は、上皮のわずかな表面不整をなくすことによって角膜に滑らかな光学表面を提供し、角膜および結膜上皮の表面を潤し、それによって上皮細胞への傷害を防ぎ、機械的フラッシングによって角膜内の結膜上で微生物が増殖するのを阻害する。
涙膜は通常、3層構造を含んでいる。最も外側の層は、マイボーム腺の分泌物に由来する脂質層である。この層が、水層の蒸発を遅延させると考えられている。中間の水層は、大きな涙腺および小さな涙腺によって得られ、水溶性物質を含んでいる。最も内側のムチン層は、糖蛋白質であるムチンから構成されており、角膜および結膜上皮細胞を覆っている。上皮細胞膜は、リポ蛋白質で構成され、このため一般に疎水性である。ムチンは、表面の湿潤における重要な役割を担っている。通常の条件下では、ムチンは、結膜の杯細胞によって得られ、涙腺からも得られる。
涙膜成分のいずれかが欠如すると、涙膜が壊れて角膜および結膜上皮に乾燥スポットが形成する。3種の成分(水、ムチンまたは脂質)のいずれかの欠如によって、眼が乾燥する場合がある。
有効量のムチン様材料を含むコンタクトレンズが眼に挿入されると、ムチン様材料が、コンタクトレンズから眼に長期にわたって連続的に放出され、眼を潤おす。
別の実施例では、抗菌剤が、生物医学装置を製造するための小胞含有複合材料に封入されていてもよい。この方法では、生物医学装置が抗菌剤を含む場合、生物医学装置、例えばコンタクトレンズまたは眼内レンズの、微生物、例えば細菌による汚染が、抗菌剤を含んでいないコンタクトレンズに比較して減少する。抗菌剤は、微生物による汚染を遅延させる、そして/または実質的に防ぐのに十分な量で存在する。
別の例示的使用は、生体内センサーの製造である。例えば、PCT International Publication No. WO01/13783は、眼科用レンズが生体分子感受性ゲスト材料を含むことができ、グルコースなどの検体を非侵襲的に、または最小限に侵襲的にモニタリングするための眼内センサーとして用いられ得ることを開示している。そのようなグルコース用の眼内センサーが用いられて、血中グルコース濃度と眼内グルコース濃度との相関に基づき、涙、眼房水または間質液などの眼内液中のグルコースレベルを測定することによって、血中グルコースレベルを簡便、非侵襲的、かつ頻繁にモニタリングし、それによって食事の摂取量ならびにインシュリン注入の用量およびタイミングを管理して血中グルコースレベルを精密に制御することができる。PCT International Publication No. WO01/13783においてMarchに開示された眼内検体センサーは、潜在的に有用な1つの非侵襲的技術となり得る。
PCT International Publication WO01/13783においてMarchに開示された眼内グルコースセンサーは、蛍光標識グルコースレセプターおよび/または蛍光標識グルコース競合物質などのバイオセンサーを含む。バイオセンサーは、眼内グルコースセンサーを製造するために複合材料中の小胞体に封入されることによって、眼内グルコースセンサー内に完全に含有されて、より正確でより再現性の良い眼内検体センサーにしてもよく、そして/またはバイオセンサーによる眼の健康への潜在的悪影響を最小限に抑えてもよい。
その上、本発明の複合材料を用いることによって、蛍光標識グルコースレセプターおよび/または蛍光標識グルコース競合物質などのバイオセンサーは、コンタクトレンズを製造するための製剤に組込まれたり、製剤中の成分(例えばプレポリマー)または形成されたレンズに固定される必要がない。固定方法は、眼内検体センサーの製造の複雑性を高める場合があり、ゲスト分子の機能と、それによる眼内検体センサーの性能とに悪影響を及ぼす場合もある。それ故、眼内検体センサーの製造を、簡素化することができ、大規模で実施することができる。まず、従来の眼科用レンズを、大量生産の環境で製造することができる。その後、製造された眼科用レンズを、所望の検体のバイオセンサーを封入する所望の小胞体でコーティングして、その検体用の眼内検体センサーを製造することができる。
これまでの開示によって、当業者は本発明を実行することができよう。具体的実施形態およびその利益を読者がよりよく理解するために、以下の非限定的実施例の参照が示唆される。しかし、以下の実施例は、本発明の範囲を限定するために読まれるべきではない。
実施例1 リポソームの作製
ゲスト材料を封入したリポソームを、Avanti Polar Lipids, Incが推奨するリポソームを作製する一般的手順によって作製した。その手順の一般的要素は、水和用の脂質の調製、水和と撹拌、および小胞の均質分配へのサイジングを含む。
水和用の脂質の調製:DOPC(1−パルミトイル−2−オレイル−Sn−グリセロ−3−ホスホコリン)および陰性に荷電されたDOPG(1−パルミトイル−2−オレイル−Sn−グリセロ−3−[ホスホ−rac−(1−グリセロール)](DOPC:DOPG=7:3)を、クロロホルムに溶解および混合した。DOPCおよびDOPGが有機溶剤に完全に混合されたら、溶剤を除去して脂質フィルムを作製した。小容量(<1ml)の有機溶剤の場合、ドラフト中で乾燥窒素またはアルゴン流を用いて溶剤を蒸発させてもよい。有機溶剤が大容量であれば、ロータリーエバポレーションによって有機溶剤を除去して、丸底フラスコの側面に薄い脂質フィルムを作製しなければならない。バイアルまたはフラスコを一晩真空ポンプに取付けることによって残りの有機溶剤を除去し、脂質フィルムを完全に乾燥させた。乾燥した脂質フィルムをシクロヘキサン中に再溶解して脂質溶液を形成させ、容器に移しドライアイスのブロック上にその容器を置くか、またはドライアイス−アセトンもしくはアルコール(エタノールまたはメタノール)浴内で容器を渦巻状に撹拌することによって凍結させた。完全に凍結した後、凍結した脂質ケークを真空ポンプに取付けて、乾燥するまで(容積に応じて1〜3日)凍結乾燥した。乾燥したケークを、水和の準備ができるまで凍結保存した。
脂質フィルム/ケークの水和:乾燥した脂質フィルム/ケークの水和は、リポソームに封入される1種以上のゲスト材料を含む水性緩衝液を乾燥脂質の容器に単に添加して撹拌することによって行われた。水和緩衝液の添加の後、脂質懸濁液を室温で約1時間、激しく撹拌した。水和の生成物は、大きな多重ラメラ小胞(LMV)であった。外部のゲスト材料(封入されていない)を、透析またはゲル濾過によって除去した。
脂質懸濁液のサイジング:リポソーム分散液を約400nmの孔径のポリカーボネートフィルターに通して、用いたフィルターの孔径に近い口径の粒子を作製する脂質押出法を利用して、調製したリポソームを小胞の均質分配にサイジングした。フィルターを通す押出の前に、LMV懸濁液を5回の凍結−融解サイクルにかけた。
ローダミンBを含むリポソームを、上記手順によって調製した。水和工程で用いられた水性緩衝液は、0.004mM ローダミンBと共に0.1M NaHCO3、1mM CaCl2および1mM MnCl2から構成された緩衝液(pH8.2)であった。リポソームに封入されたローダミンBの吸収および蛍光スペクトルを測定した。
吸収スペクトルによって、テトラメチルローダミンイソチオシアネートで標識したコンカナバリンAであるCon−A−TMRと、フルオレセインイソチオシアネートで標識したデキストランであるDextran−FTICとを、リポソームに一緒に封入し得ることが示された。Con−A−TMRおよびDextran−FTICを含むリポソームの調製品を、上記手順によって調製した。
実施例2:基材上での多層のリポソームを含むコーティングの作製
この実施例は、リポソームと高分子電解質との二重層を複数含むコーティングを形成する典型的LbLコーティング手順を例示するものである。Dextran−FITCを封入された陰性に荷電されたリポソームを、実施例1に記載されたとおり調製した。外部のDextran−FITC(リポソームに封入されていない)を、Spectra/Por Cellulose Ester膜 MWCO:3,000,000を用いた透析によって除去した。DOPGは陰性に荷電されているため、陽性に荷電された高分子電解質ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)(PDDA)またはポリエチレンイミン(PEI)をLbLコーティングに用いて、二重層[高分子電解質/リポソーム(FITC−Dextran)]nを含むLBLフィルムを石英ウェーハ上に形成させた。最初に、石英ウェーハを高分子電解質溶液(pH=4.5)に7分間浸漬させ、その後リポソーム分散液に1時間浸漬させて、高分子電解質/リポソーム(FITC−Dextran)の二重層を形成させた。そのような堆積サイクルをn回繰り返して、[高分子電解質/リポソーム(FITC−Dextran)]n(この場合、nは、吸着サイクルの数である)の膜を組織化させた。
0.1M NaHCO3、1mM CaCl2および1mM MnCl2から構成された水性媒体緩衝液(pH=8.2)中の石英ウェーハ上の[PDDA/リポソーム(FITC−Dextran)]nおよび[PEI/リポソーム(FITC−Dextran)]nのルミネッセンス反応を測定した。結果から、リポソーム−封入材料の量が堆積サイクル数に伴って増加することが実証された。しかし、原子間力顕微鏡による検査で、固体基材上のリポソームが時間の経過と共に緩やかに崩壊し得ることが明らかとなった。それ故、高分子化リポソーム、および高分子電解質または無機シリカなどで安定化されたリポソームを本発明に用いることが好ましい。
実施例3:1層の無機シリカによって安定化されたリポソームの作製
Dextran−FITCおよびCon−A−TMRを封入された陰性に荷電されたリポソームを、実施例1に記載されたとおり調製した。外部のDextran−FITCおよびCon−A−TMR(リポソームに封入されていない)を、Spectra/Por Cellulose Ester膜 MWCO:3,000,000を用いた透析によって除去した。透析の後のリポソーム濃度を、約4.4x10-3Mであると推定した。
テトラエチルオルトシリケート(TEOS)またはテトラメチルオルトシリケート(TMSO)を、リポソームの修飾に用いた。先に調製したリポソーム分散液0.5mlを、3.0mlに希釈し、その後室温で激しく撹拌した。3時間毎にTEOS約5.2μl(またはTMOS4.1μl)を希釈したリポソーム分散液に添加した。全部で約15.6μlのTEOS(またはTMSO約14.2μl)を希釈したリポソーム分散液に添加した。リポソームに対するTEOS(またはTMOS)のモル比は、約32:1であった。実験は、室温で実施した。
実施例4:高分子化リポソームの作製
この実施例は、リポソームの疎水性層内部での重合によって得られる高分子化リポソームを例示するものである。
Dextran−FITC(MW2,500,000)を封入された高分子化リポソームを、ポリジアセチレンを重合することによって作製し、リポソームの疎水性層内で安定化させた。リポソームを、実施例1に記載された手順によって作製した。40%(モル比)リン脂質(DOPC:DOPG=7:3)と60%ポリジアセチレン(PDA)との混合物を、クロロホルムに溶解および混合した。溶剤を除去して、PDA含有脂質フィルムを作製した。バイアルまたはフラスコを一晩真空ポンプに取付けることによって残りの有機溶剤を除去し、脂質フィルムを完全に乾燥させた。乾燥した脂質フィルムを、シクロヘキサン中に再溶解して脂質溶液を形成し、容器に移しドライアイスのブロック上にその容器を置くか、またはドライアイス−アセトンもしくはアルコール(エタノールまたはメタノール)浴内での容器を渦巻状に撹拌することによって凍結させた。完全に凍結した後、凍結したPDA含有脂質ケークを真空ポンプに取付けて、乾燥するまで(容積に応じて1〜3日)凍結乾燥した。乾燥したケークを、Dextran−FITC(脂質/デキストラン=100:3重量)を含むリン酸ナトリウム(PBS)緩衝液(0.1M pH7.2)で水和した。0.1M PBS緩衝液の添加後に、脂質懸濁液を70℃で2時間、音波処理した。その後、小胞分散液を冷却して、4℃に一晩保持した。少なくとも60分間UV照射することによって重合を開始させ、高分子化リポソームの分散液を得た。
実施例5:基材上での高分子化リポソームの多層を含むコーティングの作製
実施例4において作製された高分子化リポソーム分散液を用いて、実施例2に記載された手順によって基材上に多層の高分子化リポソームを含むコーティングを作製した。
石英ウェーハと高分子化リポソームおよびPEI(pH8)の二重層を複数有するコーティングとを含む複合材料の、0.1M PBS緩衝液(pH7.2)中での吸収および蛍光スペクトルを測定した。結果によって、FITCの吸収および蛍光強度が堆積サイクルの数nに伴って上昇することが示された。複合材料のAFMの検査によって、高分子化リポソームが基材の表面に堆積され得ることが確認された。

Claims (19)

  1. バルク材;ならびに
    高分子化リポソーム、高分子化ミセル、高分子電解質の多層シェルを有するナノカプセル、高分子電解質の多層シェルを有するマイクロカプセル、およびそれらの混合物からなる群から選択される表面電荷を有する少なくとも1層の小胞と、小胞の電荷と反対の電荷を有する1層のポリイオン材料とを有するコーティング
    を含む、複合材料。
  2. 前記バルク材が、高分子材料、金属、ガラス、セラミックまたは石英である、請求項1記載の複合材料。
  3. 前記バルク材が、眼科用装置、および眼科用装置を製造するための型からなる群から選択される、請求項1記載の複合材料。
  4. 前記バルク材が、眼科用装置である、請求項3記載の複合材料。
  5. 前記バルク材が、コンタクトレンズである、請求項4記載の複合材料。
  6. 前記小胞が、高分子化リポソームである、請求項1記載の複合材料。
  7. 前記小胞が、バイオセンサー、薬物、蛋白質、アミノ酸、核酸、ポリペプチド、金属ナノ粒子、磁気ナノ粒子、光学活性ナノ粒子および染料からなる群から選択されるゲスト材料を封入している、請求項1記載の複合材料。
  8. 前記コーティングが、小胞とポリイオン材料との二重層を複数含む、請求項1記載の複合材料。
  9. 前記コーティングが、少なくとも1層の追加の小胞を更に含む、請求項1記載の複合材料。
  10. (a)バルク材を、高分子化リポソーム、高分子化ミセル、高分子電解質の多層シェルを有するナノカプセル、高分子電解質の多層シェルを有するマイクロカプセル、およびそれらの混合物からなる群から選択される小胞の分散液と接触させて、バルク材上に1層の小胞を形成させる工程;および
    (c)前記バルク材を、ポリイオン材料の溶液と接触させて、小胞の層の最上部に小胞の電荷と反対の電荷を有するポリイオン材料の層を形成させる工程、を含む複合材料を作製する方法。
  11. 前記接触の少なくとも1回が、前記バルク材を溶液または分散液に浸漬することによって起こる、請求項10記載の方法。
  12. 前記接触の少なくとも1回が、溶液または分散液を、バルク材に噴霧することによって起こる、請求項10記載の方法。
  13. 前記方法が、工程(a)及び(c)を2〜30回繰り返すことを含む、請求項10記載の方法。
  14. 少なくとも1層の小胞と、小胞の電荷と反対の電荷を有する1層のポリイオン材料とを含むフィルム材料であって、前記小胞が、高分子化リポソーム、高分子化ミセル、高分子電解質の多層シェルを有するナノカプセル、高分子電解質の多層シェルを有するマイクロカプセル、およびそれらの混合物からなる群から選択されるフィルム材料。
  15. 小胞およびポリイオン材料を、それぞれ2〜50層含む、請求項14記載のフィルム材料。
  16. 前記小胞が、バイオセンサー、薬物、蛋白質、アミノ酸、核酸、ポリペプチド、金属ナノ粒子、磁気ナノ粒子、光学活性ナノ粒子および染料からなる群から選択されるゲスト材料を封入している、請求項14記載のフィルム材料。
  17. 少なくとも1層の追加の小胞を更に含む、請求項14記載のフィルム材料。
  18. (1)高分子化リポソーム、高分子化ミセル、高分子電解質の多層シェルを有するナノカプセル、高分子電解質の多層シェルを有するマイクロカプセル、およびそれらの混合物からなる群から選択される小胞と、小胞の表面電荷と反対の電荷を有する1層のポリイオン材料との二重層を、基材の表面に複数堆積させて基材上にフィルムを形成させ;
    (2)そのフィルムを基材から分離すること、
    を含む小胞の層を含有するフィルム材料を作製する方法。
  19. 前記堆積工程が、単回の浸漬−コーティングおよび浸漬−すすぎサブ工程、単回の噴霧−コーティングおよび噴霧−すすぎサブ工程、または噴霧−コーティング、噴霧−すすぎ、浸漬−コーティングおよび浸漬−すすぎサブ工程の組み合わせを含む、請求項18記載の方法。
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