JP4562552B2 - 意匠性塗膜の形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、新規な意匠性を提供する意匠性塗膜の形成方法に関する。
従来、住宅、工場、倉庫、スポーツ施設等の建築物の床面や屋上、あるいは、道路、歩道、歩道橋、プラットホーム、公園、広場、庭等の屋外床面に対し、塗料による塗装を施し、美観性等を付与することが行われている。このような床面に対し、美観性を付与する方法として、例えば、結合剤と着色粉体を混合した着色塗材を塗付する方法や、床面に着色粉体を散布し美観性を表現する方法等がある。
このうち、床面に着色粉体を散布する方法によれば、比較的簡便な方法で美観性を付与することができ、結合剤と着色材を混合した着色粉体を塗付する場合とは異なった意匠性、独特な意匠性を表現することができる。例えば、特許文献1では、床仕上用組成物を塗り付けた後、特定粒子径の粒子を散布することにより、意匠性を表現している。
着色粉体の散布によって美観性を付与する方法は、上述のような床面のみでなく建築物の壁面等に対して適用することもできる。例えば特許文献2には、壁面等の被装飾体上に液状接着剤を塗布した後、小片状の装飾材を付着させる方法が記載されている。
しかしながら、上述の特許文献に記載の方法では、その仕上状態において粒子が実質表面に晒された状態となっており、耐候性、耐久性に劣る場合がある。さらに、粒子が取れ落ち、意匠性に欠けたものとなる場合もある。
特開平9−279824号公報 特開2003−341298号公報
本発明は上記課題を解決するために、鋭意検討をした結果、下塗材を塗付した後、下塗材が乾燥固化する前に、平板状の粉粒体を散布し、次いで、特定の樹脂固形分濃度の透明又は半透明の上塗材を、ローラーを用いて該粉粒体を押しつけながら塗付することにより、美観性のある新規な意匠が提供でき、耐候性、耐久性に優れ、長期に亘り意匠性が維持できることを見出し、本発明の完成に到った。
即ち、本発明は、以下の特徴を有するものである。
1.(1)基材に対し、下塗材を塗付する工程、
(2)下塗材が乾燥固化する前に、平板状の粉粒体を散布する工程、
(3)樹脂固形分濃度が50〜95重量%である透明又は半透明の上塗材を、ローラーを用いて該粉粒体を押しつけながら塗付する工程、
からなることを特徴とする意匠性塗膜の形成方法。
2.上塗材が、架橋性結合剤を含有することを特徴とする項1.に記載の意匠性塗膜の形成方法。
3.平板状の粉粒体が、長径が2mm以上、厚さが1mm以下であることを特徴とする項1.または項2.に記載の意匠性塗膜の形成方法。
4.基材が床面を構成するものである項1.〜項3.のいずれかに記載の意匠性塗膜の形成方法。
本発明によれば、美観性に優れた新規な意匠性塗膜を簡便に形成できる。しかも、本発明によって形成された塗膜は、耐候性、耐久性等に優れ、美観性のある意匠性を長期に亘り維持することができる。本発明方法を床面に対して適用する場合は、その優れた乾燥性により、翌日には歩行可能とすることもできる。
以下、本発明を、実施するための最良の形態とともに詳細に説明する。
本発明第1の工程では、基材に対し、下塗材を塗付する。
本発明を床面に適用する場合、基材としては、例えば、住宅、工場、倉庫、スポーツ施設等の建築物の床面や屋上、あるいは、道路、歩道、歩道橋、プラットホーム、公園、広場、庭等の屋外床面を構成するものであれば特に限定されず使用することができる。具体的な材質としては、例えば、硬質の土面や石面、コンクリート、モルタル、アスファルト等が挙げられる。また、インターロッキング、ポーラスコンクリート等の既存の床面を改修、改装する目的で用いることもできる。本発明を壁面に適用する場合の基材としては、例えば、コンクリート、モルタル、繊維混入セメント板、セメント珪酸カルシウム板、スラグセメントパーライト板、石綿セメント板、ALC板、サイディング板、押出成形板、石膏ボード、合板、鋼板、プラスチック板等が挙げられる。これら基材の表面は、何らかの表面処理(例えば、シーラー、サーフェーサー、フィラー等)が施されたものであってもよい。
第1の工程における下塗材としては、上記基材への密着性を有するとともに、次工程の粉粒体を固定化可能なものであれば特に限定されず使用することができる。このような下塗材は、結合剤等を必須成分として含むものである。
結合剤としては、水溶性樹脂、水分散性樹脂、溶剤可溶形樹脂、非水分散形樹脂、無溶剤形樹脂、粉末樹脂、セメント、石膏、シリカ等の各種結合剤、あるいはこれらを複合化した結合剤等を使用することができる。本発明では特に、無溶剤形樹脂が好適に用いられる。使用可能な樹脂の種類としては、例えば、エチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、セルロース、ポリビニルアルコール等、あるいはこれらの複合系等を挙げることができる。このうち、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、あるいはこれらの複合系を使用することが好ましい。
さらに下塗材には、着色顔料、体質顔料、繊維、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の添加剤も使用可能である。
また、下塗材としては、透明又は半透明のものが好ましく、その隠ぺい率は80%以下(好ましくは60%以下、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは20%以下)程度であればよい。このような範囲であることにより、鮮鋭性や深み感を付与することができる。
なお、隠ぺい率は、乾燥膜厚が100μmとなるようにフィルムアプリケータで隠ぺい率試験紙に塗り付け、温度23℃、相対湿度50%下にて48時間乾燥させることによって作製した試験片を、黒地上塗膜と白地上塗膜の視感反射率を色彩色差計「CR−300」(ミノルタ株式会社製)を用いて測定し、算出した値である。
下塗材を塗装する方法としては、特に限定されず、刷毛、コテ、スプレー、ローラー等の塗装器具を用いて塗装すればよい。塗付量も特に限定されないが、通常50〜500g/m程度(乾燥膜厚0.03〜0.5mm程度)で塗装すればよい。
本発明第2の工程では、下塗材が乾燥固化する前に平板状の粉粒体を散布する。粉粒体を散布するタイミングは、下塗材が乾燥固化する前であれば特に限定されないが、通常は下塗材を塗付後1〜15分程度であればよい。下塗材が乾燥固化する前に粉粒体を散布することにより、下塗材と粉粒体の密着性に優れた意匠性塗膜が形成可能である。
平板状の粉粒体としては、例えば、長径が2mm以上、(好ましくは2〜30mm、さらに好ましくは3〜25mm)、また、厚さは、1mm以下(好ましくは0.8mm以下、さらに好ましくは0.5mm以下)の粉粒体を用いることが好ましい。このような平板状の粉粒体を散布することにより、下塗材の塗装面に沿って粉粒体が平滑に配置されやすく、比較的少ない量で全面を覆うこともできる。また、長径の大きい粉粒体を用いて大柄模様の意匠性も簡便に形成可能である。
平板状の粉粒体の形状としては、円、楕円状、多角形状、あるいはランダムな形状等特に限定されることはないが、長径と厚さの関係が、厚さ/長径で、好ましくは1/3以下、さらに好ましくは1/5以下であることが好ましい。なお、本発明でいう長径とは、各種粉粒体の形状における最長の長さのことである。
粉粒体としては、上記条件を満たしていれば特に限定されないが、例えば、雲母(マイカ)等の天然石・加工石フレーク、アルミニウムフレーク、銅フレーク、パールフレーク等の金属フレーク、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂等の樹脂フレーク、ガラスフレーク、あるいは、これらを着色したフレーク等が挙げられる。また、フレーク状の貝殻片、ゴム片、木片等を使用することもできる。
このような粉粒体は、1種でもよいし、2種以上を混合したものでもよい。本発明では、美観性のある意匠性を表現するため、異なる2種以上粉粒体を混合して用いることが好ましい。
粉粒体を散布する方法としては、特に限定されないが、手で散布する方法、ふるいにより散布する方法、吹き付けにより散布する方法のほか、公知の散布装置を用いて散布する方法等を適宜採用することができる。散布回数は、1回でもよいし、複数回にわけて散布することも可能である。
また粉粒体が過剰に散布された場合は、刷毛やホウキ、掃除機等を用いて取り除いてもよい。この際、下塗材が完全またはある程度乾燥した状態で、過剰に散布された粉粒体を取り除けばよい。
本発明第3の工程では、樹脂固形分濃度が50〜95重量%である透明又は半透明の上塗材を、ローラーを用いて該粉粒体を押しつけながら塗付する。塗付するタイミングとしては、特に限定されず、下塗材が完全またはある程度乾燥した状態で、塗付すればよい。
この工程では、樹脂固形分濃度が50〜95重量%(好ましくは50〜80重量%)である上塗材を使用することにより、塗膜の最表面に上塗塗膜が確実に形成でき、優れた耐久性・耐候性を示すことができるとともに、所定の塗膜厚に1回または少ない回数で塗付することができるため、施工が容易で、工期短縮が可能である。また、揮発成分が少なく、乾燥性に優れ、床面においては翌日には歩行可能な状態に設定することができる。さらに、適度な乾燥収縮性を有するため、浮き状態の粉粒体を平滑に押さえつけることができる。
樹脂固形分濃度が50重量%より小さい場合は、上塗材が粉粒体等へ浸透し、最表面に上塗塗膜が確実に形成できない場合がある。また確実に形成するためには複数回塗り重ねなければならない。樹脂固形分濃度が95重量%より多い場合は粘度が高くなり、効率よく塗付できない場合があり、また、浮き状態の粉粒体を平滑に押さえつける効果が期待できない場合もある。
このような上塗材を、ローラーを用いて、粉粒体を押しつけながら塗付することによって、粉粒体が基材に沿って平滑に配列され、美観性のある意匠性が表現でき、さらに粉粒体を確実に固着することができる。
また、第3の工程における上塗材としては、透明又は半透明のものを使用する。上塗材の透明性の程度は、粉粒体により表現される意匠性を損なわない範囲内であれば、特に限定されないが、通常は隠ぺい率が80%以下(好ましくは60%以下、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは20%以下)程度であればよい。このような範囲であることにより、鮮鋭性や深み感を付与することができる。なお、上塗材の隠ぺい率は、下塗材の隠ぺい率と同様の方法で測定した値である。
上塗材としては、上記条件を満たすものであれば特に限定されず、各種樹脂を必須成分として含むものが使用できる。上塗材における樹脂としては、水溶性樹脂、水分散性樹脂、溶剤可溶形樹脂、非水分散形樹脂、無溶剤形樹脂、粉末樹脂等、あるいはこれらを複合化した樹脂等を使用することができる。本発明では特に、溶剤可溶形樹脂が好適に用いられる。使用可能な樹脂の種類としては、例えば、エチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、セルロース、ポリビニルアルコール等、あるいはこれらの複合系等を挙げることができる。このうち、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、あるいはこれらの複合系を使用することが好ましい。
上塗材における樹脂としては、特に、架橋性樹脂を含有するものが好ましい。架橋性樹脂を用いることにより、形成塗膜の強度向上とともに、低汚染性、耐候性、耐薬品性等にもより優れた塗膜が得ることができ、好ましい。架橋による収縮等により、浮き状態にある粉粒体を平滑に押さえつけることもできる。
架橋に用いられる反応性官能基の組合せとしては、例えば、エポキシ−アミン、ポリオール−イソシアネート、カルボキシル−エポキシ、カルボキシル−金属イオン、カルボキシル−カルボジイミド、カルボキシル−オキサゾリン、カルボニル−ヒドラジド、加水分解性シリル基どうし等が挙げられる。このうち、カルボキシル−エポキシ、カルボキシル−金属イオン、カルボキシル−カルボジイミド、カルボキシル−オキサゾリン、カルボニル−ヒドラジド、加水分解性シリル基同士等の組合せが好適に用いられ、特にポリオール−イソシアネートの組合せが好ましい。
さらに上塗材には、着色顔料、体質顔料、繊維、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、溶剤等の添加剤も使用可能である。
このような上塗材を、ローラーを用いて、粉粒体を平滑に押着しながら塗付することによって、下塗材に対し未付着状態の粉粒体や、半付着状態の粉粒体、あるいは、浮き状態の粉粒体等を押着することができ、その結果、確実に平滑にすることができる。さらに粉粒体の固着性を向上させ、長期に亘り、美観性のある意匠性を維持することができる。
本発明上塗材の厚みとしては、乾燥膜厚で、0.1mm〜3mm程度とすればよいが、本発明は、比較的薄膜であっても、上記効果が得ることができる。このような場合、乾燥膜厚は、0.1mm〜1mm、好ましくは0.1mm〜0.5mm未満となるように設定すればよい。
本発明は、既存の床面、壁面等に対して適用することができ、各工程は常温下(通常0〜40℃程度、好ましくは5〜35℃程度)で行うことができる。必要に応じ工場等におけるライン塗装に適用することも可能であり、この場合は加熱処理を行うこともできる。とりわけ本発明は、床面に対して好適な工法である。床面に適用した場合、コテで平滑に塗り仕上げる方法(流し延べ工法)等に比べ、粉粒体が平滑に強固に固着するため、美観性のある斬新な意匠性を、長期に亘り維持することができる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより明確にするが、本発明はこの実施例に限定されない。
(実施例1)
スレート板(600mm×600mm×4mm)を水平に置き、その上に、表1に示す原料を用いて表2に示す配合で調整した下塗材Aを、ローラーで300g/m塗付した後、5分後に下塗材Aが乾燥する前に、フレークAとフレークBを1:1の割合で混合したフレークを手で全面に散布した。
標準状態(温度23℃、相対湿度50%)で16時間静置後、過剰に散布したフレークを刷毛とホウキで取り除き、表1に示す原料で表2に示す配合で調整した上塗材Aをローラーを用いて、塗付量350g/mで、平滑に押しつけながら塗付し、試験体を作製した。
作製した試験体は、上塗材A塗付時に、未付着状態の粉粒体や、半付着状態の粉粒体、あるいは、浮き状態の粉粒体を平滑に押さえ固着させたため、触感的にも毛羽立ち感のない、平滑性のある塗膜が形成された。また、試験体面全面に平板状の粉粒体が平滑に配列されている為、粉粒体ひとつひとつが際立ち、多彩感のある斬新的な意匠性が得られた。また、得られた試験体は、標準状態で24時間静置後、ほぼ硬化した塗膜を形成しており、歩行可能な状態であった。なお、上塗材Aの乾燥膜厚は、0.2mmであった。
また、作製した試験体について次のような評価を行った。
(付着強さ評価)
スレート板(600mm×600mm×4mm)を標準モルタル(70mm×70mm×20mm)に替えた以外は、上記と同様の方法で試験体を得た。
得られた試験体を標準状態で7日間静置後、JIS A 6909−2003 7.9「付着強さ試験」において、付着強度を測定した。その結果、標準モルタル以上の付着強度3N/mm以上を示すことが確認された。
(耐候性評価)
スレート板(600mm×600mm×4mm)をコンクリート板(300mm×300mm×100mm)に替えた以外は、上記と同様の方法で試験体を得た。
得られた試験体を大阪府茨木市で南向き45度傾斜にて、1ヶ月屋外暴露した後、目視にて色相変化を確認したところ、色相変化は全く認められなかった。3ヵ月、6ヵ月経過後においても異常は認められなかった。
(比較例1)
スレート板(600mm×600mm×4mm)を水平に置き、その上に、表1に示す原料を用いて表2に示す配合で調整した下塗材Aを、ローラーで300g/m塗付した後、5分後に下塗材Aが乾燥する前に、フレークAとフレークBを1:1の割合で混合したフレークを手で全面に散布した。
標準状態で16時間静置後、過剰に散布したフレークを刷毛及びホウキで取り除き、表1に示す原料で表2に示す配合で調整した上塗材Bをローラーを用いて、塗付量約350g/mで、平滑に押しつけながら塗付し、試験体を作製した。
作製した試験体は、上塗材Bの固形分が本発明の規定する樹脂固形分より外れるため、塗付時に未付着状態の粉粒体や、半付着状態の粉粒体、あるいは、浮き状態の粉粒体を十分に平滑に押さえることができなった。そのため、触感的にも毛羽立ち感が際立った、平滑性に欠ける塗膜が形成された。また、粉粒体が被塗装面に対して乱雑に配列され、粉粒体ひとつひとつが際立たず、多彩感に欠ける意匠性となってしまった。なお、上塗材Bの乾燥膜厚は、0.12mmであった。
また、作製した試験体について次のような評価を行った。
(付着強さ評価)
スレート板(600mm×600mm×4mm)を標準モルタル(70mm×70mm×20mm)に替えた以外は、上記と同様の方法で試験体を得た。
得られた試験体を標準状態で7日間静置後、JIS A 6909−2003 7.9「付着強さ試験」において、付着強度を測定した。その結果、標準モルタル以上の付着強度3N/mm以上を示すことが確認された。
(耐候性評価)
スレート板(600mm×600mm×4mm)をコンクリート板(300mm×300mm×100mm)に替えた以外は、上記と同様の方法で試験体を得た。
試験体を大阪府茨木市で南向き45度傾斜にて、1ヶ月屋外暴露した後、目視にて色相変化を確認したところ、若干の汚れと色相変化が認められた。
(比較例2)
スレート板(600mm×600mm×4mm)を水平に置き、その上に、表1に示す原料を用いて表に示す配合で調整した下塗材Aを、ローラーで300g/m塗付した後、5分後に下塗材Aが乾燥する前に、フレークAとフレークBを1:1の割合で混合したフレークを手で全面に散布した。
標準状態で16時間静置後、過剰に散布したフレークを刷毛とホウキで取り除き、表1に示す原料で表に示す配合で調整した上塗材Cを、乾燥膜厚が約0.2mmとなるように流しこみ、コテを用いて、平滑に塗り仕上げ(流し延べ工法)、試験体を作製した。
作製した試験体は、未付着状態の粉粒体や、半付着状態の粉粒体、あるいは、浮き状態の粉粒体が、上塗塗膜へ混入し、被塗装面に対して乱雑に配列され、粉粒体ひとつひとつが際立たず、多彩感に欠ける意匠性となってしまった。
また、作製した試験体について次のような評価を行った。
(付着強さ評価)
スレート板(600mm×600mm×4mm)を標準モルタル(70mm×70mm×20mm)に替えた以外は、上記と同様の方法で試験体を得た。
得られた試験体を標準状態で7日間静置後、JIS A 6909−2003 7.9「付着強さ試験」において、付着強度を測定した。その結果、標準モルタル以上の付着強度3N/mm以上を示すことが確認された。
(耐候性評価)
スレート板(600mm×600mm×4mm)をコンクリート板(300mm×300mm×100mm)に替えた以外は、上記と同様の方法で試験体を得た。
試験体を大阪府茨木市で南向き45度傾斜にて、1ヶ月屋外暴露した後、目視にて色相変化を確認したところ、上塗塗膜自体の変色が認められ、意匠性の低下が認められてた。
(比較例3)
スレート板(600mm×600mm×4mm)を水平に置き、その上に、表1に示す原料を用いて表2に示す配合で調整した下塗材Aを、ローラーで300g/m塗付した後、5分後に下塗材Aが乾燥する前に、フレークAとフレークBを1:1の割合で混合したフレークを手で全面に散布した。
標準状態で16時間乾燥後、過剰に散布したフレークを刷毛及びホウキで取り除き、試験体を作製した。
作製した試験体は、上塗材を塗付していないため、未付着状態の粉粒体や、半付着状態の粉粒体、あるいは、浮き状態の粉粒体が多数存在し、触感的にも毛羽立ち感が際立った、平滑性に欠ける意匠性が形成された。また、粉粒体が被塗装面に対して乱雑に配列され、粉粒体ひとつひとつが際立たず、多彩感に欠ける意匠性となってしまった。
また、作製した試験体について次のような評価を行った。
(付着強さ評価)
スレート板(600mm×600mm×4mm)を標準モルタル(70mm×70mm×20mm)に替えた以外は、上記と同様の方法で試験体を得た。
得られた試験体を標準状態で7日間静置後、JIS A 6909−2003 7.9「付着強さ試験」において、付着強度を測定した。その結果、0.3N/mmであった。
(耐候性評価)
スレート板(600mm×600mm×4mm)をコンクリート板(300mm×300mm×100mm)に替えた以外は、上記と同様の方法で試験体を得た。
試験体を大阪府茨木市で南向き45度傾斜にて、1ヶ月屋外暴露した後、目視にて色相変化を確認したところ、色相変化が顕著に認められた。
(実施例2)
スレート板(600mm×600mm×4mm)を垂直方向に立て、このスレート板の表面に、下塗材Aをローラーで300g/m塗付した後、5分後に下塗材Aが乾燥する前に、フレークAとフレークBを1:1の割合で混合したフレークを吹き付けにより全面に散布した。
標準状態で16時間静置後、過剰に散布したフレークを刷毛で取り除き、上塗材Aをローラーを用いて塗付量350g/mで平滑に押しつけながら塗付し、試験体を作製した。
作製した試験体は、上塗材A塗付時に、未付着状態の粉粒体や、半付着状態の粉粒体、あるいは、浮き状態の粉粒体を平滑に押さえ固着させたため、触感的にも毛羽立ち感のない、平滑性のある塗膜が形成された。また、試験体面全面に平板状の粉粒体が平滑に配列されている為、粉粒体ひとつひとつが際立ち、多彩感のある斬新的な意匠性が得られた。また、得られた試験体は、標準状態で24時間静置後、ほぼ硬化した塗膜を形成していた。なお、上塗材Aの乾燥膜厚は、0.2mmであった。
また、作製した試験体について次のような評価を行った。
(耐候性評価)
スレート板(600mm×600mm×4mm)をコンクリート板(300mm×300mm×100mm)に替えた以外は、上記と同様の方法で試験体を得た。
得られた試験体を大阪府茨木市で南向き45度傾斜にて、1ヶ月屋外暴露した後、目視にて色相変化を確認したところ、色相変化は全く認められなかった。3ヵ月、6ヵ月経過後においても異常は認められなかった。
Figure 0004562552
Figure 0004562552

Claims (4)

  1. (1)基材に対し、下塗材を塗付する工程、
    (2)下塗材が乾燥固化する前に、平板状の粉粒体を散布する工程、
    (3)樹脂固形分濃度が50〜95重量%である透明又は半透明の上塗材を、ローラーを用いて該粉粒体を押しつけながら塗付する工程、
    からなることを特徴とする意匠性塗膜の形成方法。
  2. 上塗材が、架橋性結合剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の意匠性塗膜の形成方法。
  3. 平板状の粉粒体が、長径が2mm以上、厚さが1mm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の意匠性塗膜の形成方法。
  4. 基材が床面を構成するものである請求項1〜請求項3のいずれかに記載の意匠性塗膜の形成方法。
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