JP4561705B2 - 電動モータ - Google Patents

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この発明は、永久磁石と電磁コイルとを利用した電動モータに関する。
永久磁石と電磁コイルとを利用した電動モータとしては、例えば下記の特許文献1に記載されたものなどが知られている。
特開2001−298982号公報
この従来技術の電動モータでは、デジタル磁気センサからのオン/オフ信号を用いて制御を行っている。具体的には、デジタル磁気センサのオン/オフ信号を用いて、電磁コイルへの印加電圧の極性反転のタイミングが決定されている。
しかし、デジタル磁気センサのオン/オフ信号を用いた従来の制御では、電動モータに矩形状の有効電圧が印加されるので、矩形状電圧波形のエッジ部分において効率が低下し、また、これによってかなりの振動や騒音が発生するという問題が生じていた。
本発明は、磁気センサの出力を利用して高効率なモータ制御を実現する技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明による電動モータは、
複数の電磁コイルをそれぞれ有するA相コイル列及びB相コイル列と、
複数の永久磁石を有する磁石列と、
前記磁石列と前記A相コイル列及びB相コイル列の相対位置に応じて、アナログ的変化を示す出力信号を出力するA相磁気センサ及びB相磁気センサと、
前記A相磁気センサ及びB相磁気センサの出力信号のアナログ的変化を利用して、前記A相コイル列及びB相コイル列への印加電圧を生成する駆動制御回路と、
前記電動モータの動作時における前記A相磁気センサ及びB相磁気センサの出力信号が前記A相コイル列及び前記B相コイル列に関してそれぞれ予め測定された逆起電力波形に一致するように、前記A相磁気センサ及びB相磁気センサの出力信号の波形をそれぞれ補正する出力波形補正部と、
を備える電動モータ。
この電動モータは、A相磁気センサ及びB相磁気センサの出力信号が予め測定された逆起電力波形にそれぞれ一致するように補正を行う出力波形補正部を備えているので、駆動制御回路が、磁気センサの出力信号のアナログ的変化を利用して、A相コイル列及びB相コイル列に対してそれぞれの逆起電力波形に応じた印加電圧を印加することができる。この結果、磁気センサの出力を利用して高効率なモータ制御を実現することが可能である。
前記出力波形補正部は、
前記磁気センサの出力信号のレベルを入力とし、前記出力信号の補正に使用される補正値を出力とするルックアップテーブルと、
前記ルックアップテーブルを参照し、前記補正値を用いて前記磁気センサの出力信号の補正を実行する補正実行部と、
を含むようにしてもよい。
あるいは、前記出力波形補正部は、
前記磁気センサの出力信号のレベルを引数とし、前記出力信号の補正に使用される補正値を関数値とする関数の係数を記憶する関数係数記憶部と、
前記関数係数を参照し、前記補正値を用いて前記磁気センサの出力信号の補正を実行する補正実行部と、
を含むようにしてもよい。
ルックアップテーブルや関数を利用すれば、磁気センサの出力信号を所定の波形形状に容易に補正することができる。
前記補正値は、前記磁気センサの出力信号のレベルと前記所定の波形形状を有する補正後の出力信号のレベルとの間の差分であるものとしてもよい。
この構成では、差分を元の信号レベルに加算することによって容易に所望の波形形状を得ることができる。
前記出力波形補正部は、更に、
前記補正実行部による補正の前に、前記磁気センサの出力信号のオフセット補正を実行するオフセット補正部を含むようにしてもよい。
この構成によれば、磁気センサに関する誤差によって磁気センサの出力信号にズレが生じている場合にも、そのズレを補正できる。従って、ズレ補正後の出力信号に基づいて所望の波形形状の出力信号を容易に得ることができる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、電動モータ及びその制御方法、電動モータのセンサの補正方法及び装置、それらを用いたアクチュエータ等の形態で実現することができる。
次に、本発明の実施の形態を以下の順序で説明する。
A.電動モータの構成:
B.駆動制御回路の構成と動作:
C.磁気センサ及び駆動制御回路の他の実施例:
D.変形例:
A.電動モータの構成:
図1(A)は、本発明の一実施例としての電動モータのモータ本体の構成を示す断面図である。このモータ本体100は、それぞれ略円盤状のステータ部10及びロータ部30を有している。ロータ部30は、複数の磁石を有する磁石列34Mを有しており、回転軸112に固定されている。磁石列34Mの磁化方向は上下方向である。ステータ部10は、ロータ部30の上部に配置されたA相コイル列14Aと、ロータ部30の下部に配置されたB相コイル列24Bとを有している。
図1(B)〜(D)は、ステータ部10の第1のコイル列14Aと、ロータ部30と、ステータ部10の第2のコイル列24Bとを分離して示したものである。この例では、A相コイル列14AとB相コイル列24Bは、それぞれ6つのコイルを有しており、磁石列34Mも6つの磁石を有している。但し、コイルや磁石の数は任意の値に設定することが可能である。
図2(A)は、コイル列14A,24Bと磁石列34Mの位置関係を示している。A相コイル列14Aは支持部材12Aに固定されており、B相コイル列24Bは支持部材22Bに固定されている。A相コイル列14Aは、逆方向に励磁される2種類のコイル14A1,14A2が一定のピッチPcで交互に配置されたものである。図2(A)の状態では、3つのコイル14A1は磁化方向(N極からS極に向く方向)が下向きになるように励磁されており、また、他の3つのコイル14A2は磁化方向が上向きになるように励磁されている。B相コイル列24Bも、逆方向に励磁される2種類のコイル24B1,24B2が一定のピッチPcで交互に配置されたものである。なお、本明細書では、「コイルピッチPc」は、A相コイル列のコイル同士のピッチ、または、B相コイル列のコイル同士のピッチとして定義されている。
ロータ部30の磁石列34Mは、支持部材32Mに固定されている。この磁石列34Mの永久磁石は、磁化方向が磁石列34Mの配列方向(図2(A)の左右方向)とは垂直な方向に向くようにそれぞれ配置されている。磁石列34Mの磁石は、一定の磁極ピッチPmで配置されている。この例では、磁極ピッチPmはコイルピッチPcに等しく、電気角でπに相当する。なお、電気角の2πは、コイル列に供給されるの駆動信号の位相が2πだけ変化したときに移動する機械的な角度又は距離に対応づけられる。本実施例では、A相コイル列14AとB相コイル列24Bの駆動信号の位相が2πだけ変化すると、磁石列34MがコイルピッチPcの2倍だけ移動する。
なお、A相コイル列14AとB相コイル列24Bは、電気角で互いにπ/2だけ異なる位置に配置されている。A相コイル14AとB相コイル列24Bは、位置が異なるだけであり、他の点は実質的に同じ構成を有している。従って、以下では、コイル列に関する説明の際に特に必要な場合を除いてA相コイル列についてのみ説明する。
図2(B)は、A相コイル列14AとB相コイル列24Bに供給される交流駆動信号の波形の一例を示している。A相コイル列14AとB相コイル列24Bには、二相交流信号がそれぞれ供給される。また、A相コイル列14AとB相コイル列24Bの駆動信号の位相はπ/2だけ互いにずれている。図2(A)の状態は、位相ゼロ(又は2π)の状態に相当する。
図2(A)に示すように、モータ本体100は、さらに、A相コイル列14A用のアナログ磁気センサ16Aと、B相コイル列24B用のアナログ磁気センサ26Bとを有している。これらを以下では「A相センサ」、「B相センサ」と呼ぶ。A相センサ16AはA相コイル列14Aの2つのコイルの間の中央の位置に配置されており、B相センサ26BはB相コイル列24Bの2つコイルの間の中央の位置に配置されている。本実施例では、これらのセンサ16A,26Bのアナログ出力を利用して、図1(B)に示す交流駆動信号が生成される。これらのセンサ16A,26Bとしては、例えばホール効果を利用したホールICを採用することができる。
図3は、磁気センサの出力波形とコイルの逆起電力波形の例を示す説明図である。この例では、補正前のA相センサ出力SSA0とB相センサ出力SSB0は、いずれも逆起電力波形と若干異なる波形形状を有している。A相コイルの逆起電力EcaとB相コイルの逆起電力Ecbの波形は、コイル形状や磁石とコイルとの位置関係にも依存するが、正弦波か、正弦波に近い波形となるのが普通である。
ところで、電動モータは、機械的エネルギと電気的エネルギとを相互に変換するエネルギ変換装置として機能するものである。そして、コイルの逆起電力は、電動モータの機械的エネルギが電気的エネルギに変換されたものである。従って、コイルに印加する電気的エネルギを機械的エネルギに変換する場合(すなわちモータを駆動する場合)には、逆起電力と同じ波形の電圧を印加することによって、最も効率良くモータを駆動することが可能である。なお、以下に説明するように、「逆起電力と同じ波形の電圧」は、逆起電力と逆向きの電流を発生する電圧を意味している。
図4は、コイルの印加電圧と逆起電力との関係を示す模式図である。ここで、コイルは逆起電力Ecと抵抗とで模擬されている。また、この回路では、印加電圧E1及びコイルと並列に電圧計Vが接続されている。コイルに電圧E1を印加してモータを駆動すると、印加電圧E1と逆の電流を流す方向に逆起電力Ecが発生する。モータが回転している状態でスイッチSWを開放すると、電圧計Vで逆起電力Ecを測定することができる。スイッチSWを開放した状態で測定される逆起電力Ecの極性は、スイッチSWを閉じた状態で測定される印加電圧E1と同じ極性である。上述の説明において「逆起電力と同じ波形の電圧を印加する」という文言は、このような電圧計Vで測定された逆起電力Ecと同じ極性及び波形を有する電圧を印加することを意味している。
上述したように、モータを駆動する場合には、逆起電力と同じ波形の電圧を印加することによって、最も効率良くモータを駆動することが可能である。なお、正弦波状の逆起電力波形の中位点近傍(電圧0の近傍)ではエネルギ変換効率が比較的低く、反対に、逆起電力波形のピーク近傍ではエネルギ変換効率が比較的高いことが理解できる。逆起電力と同じ波形の電圧を印加してモータを駆動すると、エネルギ変換効率の高い期間において比較的高い電圧を印加することになるので、モータ効率が向上する。一方、例えば単純な矩形波でモータを駆動すると、逆起電力がほぼ0となる位置(中位点)の近傍においてもかなりの電圧が印加されるので、モータ効率が低下する。また、このようにエネルギ変換効率の低い期間において電圧を印加すると、振動や騒音が発生するという問題も生じる。
上述の説明から理解できるように、逆起電力と同じ波形の電圧を印加してモータを駆動すると、モータ効率を向上させることができ、また、振動や騒音を低減することができるという利点がある。
図5(A),5(B)は、A相コイル列14Aの2種類のコイル14A1,14A2の結線方法を示す図である。図5(A)の結線方法では、A相コイル列14Aに含まれるすべてのコイルが、駆動制御回路300に対して直列に接続されている。一方、図5(B)の結線方法では、一対のコイル14A1,14A2で構成される直列接続が、複数組並列に接続されている。このいずれの結線方法の場合にも、2種類のコイル14A1,14A2は、常に逆の極性に磁化される。
図6(A)〜6(D)は、本実施例の電動モータの動作を示している。なお、この例では、コイル列14A,24Bに対して磁石列34Mが時間の経過とともに右に移動する様子が描かれている。これらの図の左右方向は、図1に示すロータ部30の回転方向に相当することが理解できる。
図6(A)は位相が2πの直前のタイミングの状態を示している。なお、コイルと磁石との間に描かれた実線の矢印は吸引力の方向を示しており、破線の矢印は反発力の方向を示している。この状態では、A相コイル列14Aは磁石列34Mに対して動作方向(図の右方向)の駆動力を与えておらず、磁石列34MをA相コイル列14Aに引きつける方向に磁力が働いている。従って、位相が2πのタイミングでは、A相コイル列14Aへの印加電圧をゼロにすることが好ましい。一方、B相コイル列24Bは、磁石列34Mに動作方向の駆動力を与えている。また、B相コイル列24Bは磁石列34Mに対して吸引力だけで無く反発力も与えているので、B相コイル列24Bから磁石列34Mに対する上下方向(磁石列34Mの動作方向と垂直な方向)の正味の力はゼロである。従って、位相が2πのタイミングでは、B相コイル列24Bへの印加電圧をピーク値にすることが好ましい。
図6(B)に示されているように、位相が2πのタイミングでA相コイル列14Aの極性が反転する。図6(B)は、位相がπ/4の状態であり、A相コイル列14Aの極性が図6(A)から反転している。この状態では、A相コイル列14AとB相コイル列24Bが、磁石列34Mの動作方向に同じ駆動力を与えている。図6(C)は、位相がπ/2直前の状態である。この状態は、図6(A)の状態とは逆に、A相コイル列14Aのみが、磁石列34Mに動作方向の駆動力を与えている。位相がπ/2のタイミングではB相コイル列24Bの極性が反転し、図6(D)に示す極性となる。図6(D)は、位相が3π/4の状態である。この状態では、A相コイル列14AとB相コイル列24Bが、磁石列34Mの動作方向に同じ駆動力を与えている。
図6(A)〜6(D)から理解できるように、A相コイル列14Aの極性は、A相コイル列14Aの各コイルが磁石列34Mの各磁石と対向するタイミングで切り換えられる。B相コイル列も同様である。この結果、すべてのコイルからほとんど常に駆動力を発生させ得るので、大きなトルクを発生することが可能である。
なお、位相がπ〜2πの期間は、図6(A)〜6(D)とほぼ同様なので詳しい説明を省略する。但し、A相コイル列14Aの極性は位相がπのタイミングで再び反転し、B相コイル列24Bの極性は位相が3π/2のタイミングで再び反転する。
上述の説明から理解できるように、本実施例の電動モータは、コイル列14A,24Bと磁石列34Mとの間の吸引力と反発力を利用することによって、磁石列34Mに対する動作方向の駆動力を得ている。特に、本実施例では、磁石列34Mを挟んだ両側にコイル列14A,24Bが配置されているので、磁石列34Mの両側の磁束を駆動力の発生に利用することができる。従って、従来の電動モータのように、磁石の片側のみを駆動力の発生に利用する場合に比べて磁束の利用効率が高く、効率が良くトルクの大きなモータを実現することができる。但し、2つのコイル列14A,24Bの一方を省略することも可能である。
なお、支持部材12A,22B,32Mは、非磁性体材料でそれぞれ形成されていることが好ましい。また、本実施例のモータ本体の各種の部材のうちで、コイルやセンサを含む電気配線と、磁石と、回転軸と、その軸受け部以外の部材は、すべて非磁性で非導電性の材料で形成されていることが好ましい。磁性体製のコアが設けないようにすれば、いわゆるコギングが発生せず、なめらかで安定した動作を実現することができる。また、磁気回路を構成するためのヨークを設けないようにすれば、いわゆる鉄損(渦電流損)が極めて少なく、効率の良いモータを実現することができる。
B.駆動制御回路の構成と動作:
図7は、本実施例のモータの駆動制御回路の構成を示すブロック図である。図7(A)は、センサ波形のキャリブレーション時の構成を示し、図7(B)は、実用時の構成を示している。なお、「センサ波形のキャリブレーション」は、「センサの出力波形の補正」と同義語である。
図7(A)に示すように、キャリブレーション時には、モータ本体100の接続部90(コネクタ)に、キャリブレーション用の駆動制御回路200が接続される。この駆動制御回路200は、電源回路210と、CPU220と、I/Oインタフェース230と、PWM制御部240と、ドライバ回路250と、通信部260と、電圧計270とを備えている。電源回路210は、駆動制御回路200内の各回路と、モータ本体100とに電源を供給する。CPU220は、駆動制御回路200内の各回路に設定値を設定することによって、駆動制御回路200の動作を制御する。I/Oインタフェース230は、モータ本体100から供給されるセンサ出力SSA0,SSB0を受信して、CPU220に供給する機能を有している。CPU220は、センサ出力SSA0,SSB0を、所望の波形形状(逆起電力波形又は正弦波)に補正するための補正データDcorrectを決定する。この補正データDcorrectの内容及びその決定方法については後述する。
PWM制御部240は、コイル駆動用のPWM信号を生成する。ドライバ回路250は、コイルを駆動するためのブリッジ回路である。通信部260は、キャリブレーションによって決定された補正データDcorrectをセンサ16A,26Bに供給して記憶させる機能を有している。また、通信部260は、センサ16A,26B内に記憶している補正データDcorrectを外部装置に送信する機能も有している。なお、A相センサ16A用の補正データとB相センサ26B用の補正データとを区別するために、通信部260は、各センサのIDコード(識別信号)を補正データとともに送受信する。このようにIDコードを用いて補正データを送信すれば、1つの通信用バスを介して複数のセンサの補正データを互いに区別して送信することが可能である。
電圧計270は、A相コイル列14AとB相コイル列24Bの逆起電力をそれぞれ測定することが可能である。この電圧計270は、図4で説明した接続関係で各コイル列に接続される。なお、電圧計270は、A相コイル列とB相コイル列の逆起電力を同時に測定する必要は無く、測定対象のコイル列を切り換えて別個に測定すれば良い。後述するように、CPU220は、電圧計270で測定された逆起電力の波形形状と、各磁気センサの出力波形とに基づいて、補正データDcorrectを決定する。
図7(B)に示すように、モータの実用時には、モータ本体100の接続部90に、キャリブレーション時とは異なる駆動制御回路300が接続される。この駆動制御回路300は、キャリブレーション用の駆動制御回路200から、通信部260と電圧計270を省略したものに相当する。
図8は、ドライバ回路250の内部構成を示している。A相ドライバ回路252は、H型ブリッジ回路であり、交流駆動信号DRVA1,DRVA2に応じてA相コイル列14Aを駆動する。なお、駆動信号を示すブロックの端子部分に付されている白丸は、負論理であり信号が反転していることを示している。また、符号IA1,IA2が付された矢印は、駆動信号DRVA1,DRVA2によって流れる電流方向をそれぞれ示している。B相ドライバ回路254の構成もA相ドライバ回路252の構成と同じであり、交流駆動信号DRVB1,DRVB2によって電流IB1,IB2が流れることが示されている。
図9は、本実施例で使用する磁気センサ16Aの内部構成を示すブロック図である。なお、A相センサ16AとB相センサ26Bは同一の構成を有しているので、以下ではA相センサ16Aについてのみ説明する。
磁気センサ16Aは、磁気センサ素子410と、AD変換部420と、逆起電力変換部430と、記憶部440と、DA変換部450と、増幅器460と、IDコード記録部470と、通信部480とを備えている。磁気センサ素子410は、例えばホール素子である。
通信部480は、キャリブレーション時(図7(A))において、駆動制御回路200と通信して、センサ出力の補正データDcorrectを、センサIDと共に受け取る。センサ内部のIDコード記録部470には、センサ固有のIDが記録されているか、又は、外部スイッチによりIDが設定されている。図9の例では、ディップスイッチなどの外部スイッチ472を用いてIDを設定することが可能である。但し、IDは、ディップスイッチ以外の種々の任意の手段でモータ内に記録又は設定することが可能である。例えば、外部スイッチ472を省略し、不揮発性メモリでIDコード記録部470を構成することも可能である。通信部480は、駆動制御回路200から供給されたIDが、IDコード記録部470のIDと一致する場合には、補正データDcorrectを記憶部440に格納する。図9の例では、補正データDcorrectは、変換テーブルCTの内容を表すデータであり、記憶部440には変換テーブルCTが格納される。逆起電力変換部430は、この変換テーブルCTを利用して、磁気センサ素子410の出力SSA0の波形を補正する。具体的には、センサ出力が逆起電力波形を有するように補正を実行する。補正後のセンサ出力は、DA変換器450でアナログ信号に変換された後、増幅器460で増幅されて、センサ出力SSAとして出力される。
変換テーブルCTとしては、例えば以下のようなテーブルを使用することができる。
(1)補正前の出力SSA0のレベルを入力とし、補正後の出力SSAのレベルを出力とする第1のルックアップテーブル。
(2)補正前の出力SSA0のレベルを入力とし、補正前の出力SSA0と補正後の出力SSAとの差分を出力とする第2のルックアップテーブル。
(3)補正前の出力SSA0のレベルを引数とし、補正前の出力SSA0と補正後の出力SSAとの比を出力とする第3のルックアップテーブル。
上記第1のルックアップテーブルを使用した場合には、変換部430は、第1のルックアップテーブルを参照することによって、補正後のセンサ出力を直接得ることができる。一方、上記第2のルックアップテーブルを使用した場合には、変換部430は、第2のルックアップテーブルを参照して得られた差分を、磁気センサ素子410の出力に加算することによって、補正後のセンサ出力を得ることができる。上記第3のルックアップテーブルを使用した場合には、変換部430は、第3のルックアップテーブルを参照して得られた比を、磁気センサ素子410の出力に乗算することによって、補正後のセンサ出力を得ることができる。なお、補正後の出力波形は、厳密な逆起電力波形でなくてもよく、例えば正弦波を利用することも可能である。
図10は、センサ出力のキャリブレーション手順を示すフローチャートである。ステップS100では、キャリブレーション用の駆動制御回路200をモータ本体100に装着する(図7(A))。ステップS200では、A相又はB相に関して、コイル列の逆起電力波形の測定と、磁気センサの出力波形の測定とを行う。ステップS300では、これらの測定結果に応じてCPU220が補正データDcorrectを決定し、センサ内の記憶部440(図9)に格納する。ステップS400では、未処理のセンサが存在するか否かが判断され、未処理のセンサが存在する場合にはステップS200に戻ってステップS200,S300の処理を繰り返す。なお、2番目以降のセンサに関してステップS200の処理を行う場合には、逆起電力波形は測定済みなので、そのセンサの出力波形の測定のみを行えば良い。ステップS500では、駆動制御回路を、実用時の回路300(図7(B))に交換する。
なお、図9の回路要素430,440は、センサ16Aの出力波形を補正する出力波形補正部として機能することが理解できる。記憶部440は、不揮発性メモリで構成することが好ましい。PWM制御部240(図7(B))は、この補正後のセンサ出力SSA,SSBの波形形状を利用して駆動信号を生成する。
図11(A)〜11(F)は、センサ出力の波形とPWM制御部240で生成される駆動信号の波形の対応関係を示す説明図である。図11(A),11(B)は、補正前のセンサ出力SSA0,SSB0を示しており、図11(C),11(D)は補正後のセンサ出力SSA,SSBを示している。補正後のセンサ出力SSA,SSBは、逆起電力Eca,Ecb(図3)と同じ波形形状を有している。図11(E),11(F)は、補正後のセンサ出力SSA,SSBを利用して生成された駆動信号を示している。図中、「Hiz」はハイインピーダンス状態を意味している。A相用の駆動信号DRVA1,DRVA2はA相センサ出力SSAのアナログ波形を利用したPWM制御によって生成される。B相用の駆動信号DRVB1,DRVB2も同様である。従って、これらの駆動信号を用いて、A相コイルとB相コイルに、センサ出力SSA,SSBの変化と対応するレベル変化を示す実効電圧を供給することが可能である。この結果、駆動信号の実効電圧の波形が逆起電力の波形と等価なものとなるので、効率が極めて向上し、騒音や振動の少ないモータを実現することが可能である。
C.磁気センサ及び駆動制御回路の他の実施例:
図12は、磁気センサ16Aの他の構成を示すブロック図である。この磁気センサ16Aは、図9に示したセンサの逆起電力変換部430を関数演算部430aに置き換えたものであり、他の構成は図9と同じである。記憶部440は、変換テーブルの代わりに関数係数を格納している。
関数演算部430aは、磁気センサ素子410の出力SSA0を特定の関数で補正することによって、逆起電力波形に補正する。この関数としては、例えば以下のような関数が利用可能である。
(1)補正前の出力SSA0のレベルを引数(変数)とし、補正後の出力SSAのレベルを関数値とする第1の関数。
(2)補正前の出力SSA0のレベルを引数(変数)とし、補正前の出力SSA0と補正後の出力SSAとの差分を関数値とする第2の関数。
(3)補正前の出力SSA0のレベルを引数(変数)とし、補正前の出力SSA0と補正後の出力SSAとの比を関数値とする第3の関数。
なお、関数としては、例えば、補正前の出力SSA0のレベルxの多項式f(x)を使用することができる。記憶部440に格納されている関数係数は、このような特定の関数f(x)の係数である。図12の構成によっても、図9と同様に、センサ素子の出力を所望の波形形状に容易に補正することが可能である。
図13は、本発明の他の実施例における磁気センサと駆動信号生成回路の構成を示すブロック図である。この実施例では、磁気センサ16A,26Bは、磁気センサ素子のみを含んでおり、図9に示した磁気センサ内の他の回路要素420〜480は磁気センサ内には含まれていない。駆動信号生成回路600は、増幅器610,620と、AD変換部612,622と、逆起電力変換部614,624と、PWM制御部240と、記憶部660と、通信部670とを有している。逆起電力変換部614,624は、図9に示した逆起電力変換部430と同じものである。記憶部660は、A相センサ16AとB相センサ26Bの両方に関する変換テーブルCTa,CTbを、それぞれのIDコードと関連付けて記憶している。PWM制御部240は、図7(B)に示したものと同じである。通信部670は、I/Oインタフェース230を介してCPU220と接続されている。キャリブレーション時には、センサ16A,26Bの出力が増幅器610,620で増幅され、AD変換部232でデジタル信号に変換された後に、I/Oインタフェース230を介してCPU220に供給される。
なお、図13の回路構成では、例えば駆動信号生成回路600とドライバ回路250をモータ本体内に設置し、CPU220とI/Oインタフェース230とAD変換部232とを備える回路をモータ本体の接続部90(図7(B))に接続するように構成することができる。このような回路構成を採用しても、上記実施例と同様に、センサの出力波形を補正してモータを高効率で運転することが可能である。
図14は、磁気センサ16Aのさらに他の構成を示すブロック図である。この磁気センサ16Aは、図9に示したセンサの構成に、オフセット補正回路422とゲイン補正回路424を追加したものであり、他の構成は図9と同じである。オフセット補正回路422は、逆起電力波形への変換の前に、センサ出力のオフセット(ズレ)を補正する機能を有している。ゲイン補正回路424は、センサ出力の最大値を所定の許容範囲に収める機能を有している。記憶部440は、変換テーブルCTに加えて、オフセット値とゲイン補正値を格納している。
図15は、センサ出力のオフセット補正の内容を示す説明図である。図15(A)は、ズレの無い出力波形SSidealを示している。図15(B)は、ズレの無いセンサ出力SSidealよりも上側にシフトしたセンサ出力SSupと、下側にシフトしたセンサ出力SSdownの例を示している。このような場合には、シフトしているセンサ出力(例えばSSup)に上下オフセットPoffset1を加えることによって、ズレの無いセンサ出力SSidealに近い波形に補正することができる。この補正は、例えば、出力波形の中位点(出力レベルの中央値を取る位置)が、センサの出力電圧レンジ(GND〜VDD)の中央値VDD/2から、所定の許容範囲内に収まるように実行される。
図15(C)は、ズレの無いセンサ出力SSidealよりも右側にシフトしたセンサ出力波形SSrigntと、左側にシフトしたセンサ出力SSleftの例を示している。このような場合には、シフトしているセンサ出力(例えばSSright)に左右オフセットPoffset2を加えることによって、ズレの無いセンサ出力SSidealに近い波形に補正することができる。この補正は、出力波形の中位点(出力レベルの中央値を取る位置)の位相が、センサの出力電圧レンジ(GND〜VDD)が中央値VDD/2を取る位置の位相から、所定の許容範囲内に収まるように実行される。なお、センサ出力が左右方向にオフセットしているか否かは、モータのロータ部を所定の規定位置(出力波形の中位点となるべき位置)に停止させて、センサ出力がセンサの出力電圧レンジの中央値VDD/2となっているか否かを調べることによって判定することができる。
このように、オフセットとしては上下オフセットPoffset1と左右オフセットPoffset2との両方を補正可能である。但し、これらの2つのオフセットのうちの一方のみを補正するようにしても実用上は十分な場合が多い。そこで、後述する手順では、2種類のオフセットのうちで上下オフセットPoffset1のみを補正する場合を説明する。
図16は、センサ出力のゲイン補正の内容を示す説明図である。図16(A)は、センサ出力の望ましい出力波形SSidealを示しており、これは図15(A)と同じものである。図16(B)は、望ましいセンサ出力SSidealよりもピークの小さなセンサ出力波形SSsmallの例を示している。この場合には、センサ出力SSsmallに1よりも大きなゲインPgainを乗じることによって、望ましいセンサ出力SSidealに近い波形に補正することができる。より具体的に言えば、このゲイン補正は、補正後のセンサ出力のピーク値が、所定の許容範囲に収まるように実行される。図16(C)は、望ましいセンサ出力SSidealよりもピークの大きなセンサ出力波形SSlargeの例を示している。なお、この出力波形SSlargeでは、電圧範囲の最大値VDD(電源電圧)を超えるところはVDDに止まるので、一点鎖線で示すようにピーク部分が扁平になった波形が観察される。この場合には、センサ出力SSlargeに1よりも小さなゲインPgainを乗じることによって、望ましいセンサ出力SSidealに近い波形に補正することができる。
図17は、キャリブレーション時のオフセット補正の詳細手順を示すフローチャートである。なお、以下ではA相センサのオフセット補正を説明するが、B相センサについても同じ補正が行われる。なお、1つの磁気センサについてオフセット補正が行われる際には、CPU220によって、補正対象となる磁気センサのIDが最初に指定され、指定された磁気センサに関して補正処理が開始される。オフセット補正は、図10の逆起電力波形に関する補正データの決定の前(すなわちステップS200の前)に実行される。
ステップS210では、ロータ部30(図1)を回転させて、磁石のS極とN極との境界位置で磁気センサ16Aを停止させる。この操作は、例えば、モータ本体の蓋を開けて手動で行うことができる。ステップS220では、オフセットPoffsetの初期値を駆動制御回路200から磁気センサ16Aに送信し、磁気センサ16A内の記憶部440(図14)内に記憶させる。なお、オフセットPoffsetの初期値としては、任意の値を使用することができる。但し、オフセット補正によってオフセットPoffsetを増加したり減少したりできるように、その初期値を0でない正の値に設定しておくことが好ましい。
ステップS230では、磁気センサ16Aが出力する出力信号SSA0の電圧Ebcを測定する。ステップS240では、測定された電圧Ebcが許容範囲の最小値E1min(図15(B)参照)以上であるか否かが判定される。電圧Ebcが許容範囲の最小値E1minよりも小さい場合には電圧Ebcが許容範囲外にあるので、ステップS250に移行して、オフセット値Poffsetを1つ加算し、ステップS280で磁気センサ16Aにオフセット値Poffsetを書き込む。一方、ステップS240において電圧Ebcが許容範囲の最小値E1min以上の場合には、ステップS260において、電圧Ebcが許容範囲の最大値E1max以下であるか否かがさらに判定される。電圧Ebcが許容範囲の最大値E1maxよりも大きい場合には電圧Ebcが許容範囲外にあるので、ステップS270に移行して、オフセット値Poffsetを1つ減算し、ステップS280で磁気センサ16Aにオフセット値Poffsetを書き込む。一方、ステップS260において電圧Ebcが許容範囲の最大値E1max以下である場合には、電圧Ebcが許容範囲内に収まっているので、図17の処理を終了する。
図18は、ゲイン補正の詳細手順を示すフローチャートである。ゲイン補正についても、A相センサの補正のみを説明する。なお、1つの磁気センサについてゲイン補正が行われる際には、CPU220によって、補正対象となる磁気センサのIDが最初に指定され、指定された磁気センサの補正処理が開始される。このゲイン補正は、オフセット補正の後であって、逆起電力波形に関する補正データの決定前に実行される。
ステップS310では、ロータ部30(図1)を回転させて、磁石のS極又はN極と正対する位置で磁気センサ16Aを停止させる。この位置は、磁気センサ16Aの磁束密度が最大となる位置である。この操作は、例えばモータ本体の蓋を開けて手動で行うことができる。ステップS320では、ゲインPgainの初期値を駆動制御回路200から磁気センサ16Aに送信し、磁気センサ16A内の記憶部450(図14)内に記憶させる。なお、ゲインPgainの初期値としては、任意の値を使用することができるが、0でない正の値に設定しておくことが好ましい。
ステップS330では、磁気センサ16Aの出力信号SSA0の電圧Ebmを測定する。ステップS340では、測定された電圧Ebmが許容範囲の最小値E2min(図16(B)参照)以上であるか否かが判定される。電圧Ebmが許容範囲の最小値E2minよりも小さい場合には電圧Ebmが許容範囲外にあるので、ステップS350に移行して、ゲイン値Pgainを1つ加算し、ステップS380で磁気センサ16Aにゲイン値Pgainを書き込む。一方、ステップS340において電圧Ebmが許容範囲の最小値E2min以上の場合には、ステップS360において、電圧Ebmが許容範囲の最大値E2max以下であるか否かがさらに判定される。電圧Ebmが許容範囲の最大値E2maxよりも大きい場合には電圧Ebmが許容範囲外にあるので、ステップS370に移行して、ゲイン値Pgainを1つ減算し、ステップS380で磁気センサ16Aにゲイン値Pgainを書き込む。一方、ステップS360において電圧Ebmが許容範囲の最大値E2max以下である場合には、電圧Ebmが許容範囲内に収まっているので、図18の処理を終了する。
なお、ゲイン補正時の許容範囲の最大値E2maxとしては、センサ出力が取りうる最大値(すなわち電源電圧VDD)よりも若干小さい値が好ましい。この理由は、センサ出力の電圧は電源電圧VDDよりも大きく成り得ないので、許容範囲の最大値E2maxを電源電圧VDDに設定すると、補正前のセンサ出力SSAのピークが、図16(C)に一点鎖線で示すようにつぶれているか否かを判定できない可能性があるからである。
オフセット補正回路422とゲイン補正回路424(図14)は、こうして決定されたオフセット値とゲイン値を用いて、磁気センサ素子410の出力SSA0のズレとゲインを補正する。図14の逆起電力変換部430は、オフセット及びゲイン補正後の出力を用いて逆起電力波形への変換を実行するので、より正確な逆起電力波形を有する出力信号SSAを得ることが可能である。但し、オフセット補正とゲイン補正の一方又は両方を省略してもよい。
なお、センサ出力にオフセット補正とゲイン補正とを行う場合には、図10のステップS200においてセンサ波形を改めて測定しなくてもよく、また、逆起電力波形は1回測定すれば良い。なお、各センサの出力に対してオフセット補正とゲイン補正とを行えば、各センサの出力波形はほぼ同じ波形を有していると考えることができる。従って、この補正後のセンサ波形を逆起電力波形に補正するための1つの変換テーブルをすべてのセンサに対して共通に使用することも可能である。この場合には、図10のステップS200を省略し、ステップS300,S400の繰り返し処理を開始する前に、逆起電力を1回測定しておけばよい。
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
D1.変形例1:
上記実施例ではアナログ磁気センサを利用していたが、アナログ磁気センサの代わりに、多値のアナログ的出力を有するデジタル磁気センサを使用してもよい。アナログ磁気センサも多値出力を有するデジタル磁気センサも、アナログ的変化を示す出力信号を有する点で共通している。なお、本明細書において、「アナログ的変化を示す出力信号」とは、オン/オフの2値出力ではなく、3値以上の多数レベルを有するデジタル出力信号と、アナログ出力信号との両方を包含する広い意味で使用されている。
D2.変形例2:
上記実施例では、キャリブレーション時の駆動制御回路と実用時の駆動制御回路をそれぞれ用いていたが、この代わりに、キャリブレーション時にも実用時の駆動制御回路をそのまま使用し、キャリブレーション用の回路を接続部90に接続するようにしてもよい。このキャリブレーション用の回路としては、センサの出力波形の補正値をモータ内に登録する機能を有する任意の回路を利用することができる。
D3.変形例3:
PWM回路としては、種々の回路構成を採用することが可能である。例えば、センサ出力と基準三角波とを比較することによってPWM制御を行う回路を利用してもよい。この場合には、PWM制御時において、望ましい印加電圧に応じてセンサ出力のゲインが調整されるが、このゲイン調整は、上述したセンサ波形の補正とは異なるものである。換言すれば、上述したセンサ波形の補正は、望ましい印加電圧のレベルに拘わらず、センサ出力を所望の波形に整形するための補正である。
なお、PWM制御部240の代わりにDA変換器とアナログ増幅器を使用し、補正後のセンサ出力SSA,SSBを増幅することによって、駆動信号を生成することも可能である。
D4.変形例4:
上記実施例では、6極2相のブラシレスDCモータを説明したが、本発明はこれ以外の種々の電動モータに適用可能である。例えば、極数と相数としては、それぞれ任意の整数を採用することができる。
実施例における電動モータのモータ本体の構成を示す断面図である。 実施例におけるコイル列と磁石列の位置関係を示す説明図である。 磁気センサの出力波形とコイルの逆起電力波形を示す説明図である。 コイルの印加電圧と逆起電力との関係を示す模式図である。 コイルの結線方法を示す説明図である。 実施例における電動モータの動作原理を示す説明図である。 実施例のモータの駆動制御回路の構成を示すブロック図である。 ドライバ回路の内部構成を示す図である。 磁気センサの内部構成を示すブロック図である。 センサ出力のキャリブレーション手順を示すフローチャートである。 センサ出力波形と駆動信号波形の対応関係を示す説明図である。 磁気センサの他の構成を示すブロック図である。 本発明の他の実施例における磁気センサと駆動信号生成回路の他の実施例を示すブロック図である。 磁気センサのさらに他の構成を示すブロック図である。 センサ出力のオフセット補正の内容を示す説明図である。 センサ出力のゲイン補正の内容を示す説明図である。 オフセット補正の手順を示すフローチャートである。 ゲイン補正の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
10…ステータ部
12A…支持部材
14A…A相コイル列
16A…A相センサ(アナログ磁気センサ)
22B…支持部材
24B…B相コイル列
26B…B相センサ(アナログ磁気センサ)
30…ロータ部
32M…支持部材
34M…磁石列
90…接続部
100…モータ本体
112…回転軸
200…駆動制御回路(キャリブレーション時)
210…電源回路
220…CPU
230…I/Oインタフェース
232…AD変換部
240…PWM制御部
250…ドライバ回路
252…A相ドライバ回路
254…B相ドライバ回路
260…通信部
270…電圧計
300…駆動制御回路(実用時)
410…磁気センサ素子
420…AD変換部
422…オフセット補正回路
424…ゲイン補正回路
430…逆起電力変換部
430a…関数演算部
440…記憶部
450…DA変換部
460…増幅器
470…IDコード記録部
480…通信部
600…駆動信号生成回路
610,620…増幅器
612,622…AD変換部
614,624…逆起電力変換部
660…記憶部
670…通信部

Claims (6)

  1. 電動モータであって、
    複数の電磁コイルをそれぞれ有するA相コイル列及びB相コイル列と、
    複数の永久磁石を有する磁石列と、
    前記磁石列と前記A相コイル列及びB相コイル列の相対位置に応じて、アナログ的変化を示す出力信号を出力するA相磁気センサ及びB相磁気センサと、
    前記A相磁気センサ及びB相磁気センサの出力信号のアナログ的変化を利用して、前記A相コイル列及びB相コイル列への印加電圧を生成する駆動制御回路と、
    前記電動モータの動作時における前記A相磁気センサ及びB相磁気センサの出力信号が前記A相コイル列及び前記B相コイル列に関してそれぞれ予め測定された逆起電力波形に一致するように、前記A相磁気センサ及びB相磁気センサの出力信号の波形をそれぞれ補正する出力波形補正部と、
    を備える電動モータ。
  2. 請求項1記載の電動モータであって、
    前記出力波形補正部は、
    前記A相磁気センサ及びB相磁気センサの出力信号のレベルを入力とし、前記出力信号の補正に使用される補正値を出力とするルックアップテーブルと、
    前記ルックアップテーブルを参照し、前記補正値を用いて前記A相磁気センサ及びB相磁気センサの出力信号の補正を実行する補正実行部と、
    を含む、電動モータ。
  3. 請求項1記載の電動モータであって、
    前記出力波形補正部は、
    前記A相磁気センサ及びB相磁気センサの出力信号のレベルを引数とし、前記出力信号の補正に使用される補正値を関数値とする関数の係数を記憶する関数係数記憶部と、
    前記関数係数を参照し、前記補正値を用いて前記A相磁気センサ及びB相磁気センサの出力信号の補正を実行する補正実行部と、
    を含む、電動モータ。
  4. 請求項2又は3記載の電動モータであって、
    前記補正値は、前記A相磁気センサ及びB相磁気センサの出力信号のレベルと前記予め測定された逆起電力波形を有する補正後の出力信号のレベルとの間の差分である、電動モータ。
  5. 請求項2ないし4のいずれかに記載の電動モータであって、
    前記出力波形補正部は、更に、
    前記補正実行部による補正の前に、前記A相磁気センサ及びB相磁気センサの出力信号のオフセット補正を実行するオフセット補正部を含む、電動モータ。
  6. 複数の電磁コイルをそれぞれ有するA相コイル列及びB相コイル列と、複数の永久磁石を有する磁石列と、前記磁石列と前記A相コイル列及びB相コイル列の相対位置に応じてアナログ的変化を示す出力信号を出力するA相磁気センサ及びB相磁気センサとを有する電動モータにおいて、前記A相磁気センサ及びB相磁気センサの出力信号の波形を補正する方法であって、
    前記A相磁気センサ及びB相磁気センサの出力信号のレベルを測定する工程と、
    前記A相コイル列及び前記B相コイル列の逆起電力波形をそれぞれ測定する工程と、
    前記電動モータの動作時において前記A相磁気センサ及びB相磁気センサの出力信号が前記予め測定された逆起電力波形に一致するように、前記A相磁気センサ及びB相磁気センサの出力信号の波形をそれぞれ補正する工程と、
    を備える方法。
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