JP4560230B2 - データ通信作業支援方法及びデータ通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、施設に設置された通信端局との間で無線通信を行って、前記通信端局が保持する所定のデータを収集可能な携帯型のデータ通信装置、及びそのデータ通信装置で実行され、前記データ通信装置を用いたデータ通信作業を支援するデータ通信作業支援方法に関し、特に、前記通信端局としてのメータの指針値に関する検針データを前記所定のデータとして収集可能な前記データ通信装置としての携帯型の検針装置で実行され、前記検針装置を用いた検針関連作業を支援するデータ通信作業支援方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のメータは、各顧客側の施設等毎に設けられた、ガスメータや電気メータや水道メータ等で、顧客側の施設へ供給されるガスや電気や水等の基幹エネルギの供給量を計測するためのものであり、基幹エネルギを各顧客側の施設に供給する供給会社は、例えば1ヶ月毎等にメータの指針値を読み取る検針作業を行い、このような検針作業により収集したメータの指針値により、顧客へ課金する基幹エネルギの料金を算出する。
このような検針作業としては、検針員が各顧客側の施設のメータの指針値を目視にて検針する方法が一般的であったが、メータの設置箇所に何らかの障害物が一時的にでも置かれていたりすると、検針員がメータの指針値を読み取ることができない場合があり、また検針員による読み取りミスや書き込みミス等の人為的ミスが発生する虞がある。そこで近年、マイクロコンピュータ(以下マイコンと呼ぶ。)を設けたメータを通信装置を介して通信回線と接続し、検針センタ側から、この通信回線を介して、各メータの検針データを収集する自動検針システムが普及しつつある。この自動検針システムでは、検針センタにおいて通信回線を介してメータとの間で通信を行って、効率良く自動的に検針作業を実行でき、人為的ミスも防止できる。
【0003】
しかしながら、上記自動検針システムでは、各メータの設置場所毎に通信装置を設置する必要があるだけではなく、通信回線によって検針センタとメータとの間で通信を行っているので、全体としての通信コストも無視できるような額ではない。
【0004】
このような問題を解決するために、無線によってメータの遠隔検針作業を行う携帯型の検針装置も開発されている。このような検針装置は、内蔵又は外付けされた通信装置により、通信対象のメータとの間で無線通信を行って、メータの指針値に関する検針データを収集するデータ通信装置として構成されている。即ち、このような検針作業においては、検針装置が少なくとも1つの通信対象のメータに対して指針値に関する検針データの送信指令信号を送信することで、その指令信号を受信した通信対象のメータが検針データを検針装置に送信し、検針装置が受信した検針データをメータのID番号等の属性に関連付けて記憶手段に格納する。そして、作業対象の施設に設けられたメータの検針データを全て収集して格納した検針装置は、コンピュータ読み取り可能なフロッピディスク又はメモリカード等の情報記録媒体や、通信線等の情報伝送媒体等を介して、格納している検針データを検針センタ側の管理装置に送る。このような検針装置を用いた検針作業は、検針員の作業労力を軽減し、人為的ミスを防止できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、検針員がこのような検針装置を用いて検針作業を行う場合、検針員は、その検針装置以外に、当日検針作業を行う対象となる全ての作業対象の施設に設けられたメータのID番号や所在地等の属性を記載したリスト持参する。そして、検針員は、作業対象の施設のリストから、検針装置を用いて検針作業を行う好ましい位置を決定して、その位置において検針装置を働かせて検針作業を行うのであるが、このような検針員により決定される検針作業位置が、作業対象の施設の位置に対して本当に好ましい位置であるか否かの確認や、その位置で検針装置により、どの程度の作業対象の施設に設けられたメータに対して無線通信を行えるか否かの確認ができなかったので、その検針作業位置決定やその検針作業位置における通信対象のメータの設定等は検針員による勘に頼っていた。
【0006】
従って、本発明の目的は、上記従来の問題点を解消し、上記のような検針装置を用いた検針作業等のデータ通信作業において、検針作業位置等の作業位置及びその位置における通信可能位置範囲等の確認を容易して、データ通信作業の効率化を図ることができるデータ通信作業支援方法を確立することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
〔構成1〕
本発明に係るデータ通信作業支援方法は、請求項1に記載したごとく、施設に設置された通信端局との間で無線通信を行って、前記通信端局が保持する所定のデータを収集可能な携帯型のデータ通信装置で実行され、前記データ通信装置を用いたデータ通信作業を支援するデータ通信作業支援方法であって、
前記データ通信装置に設けられた表示画面上に、前記施設の所在地に関する地図を表示する地図表示工程と、
前記データ通信作業の対象である作業対象の位置を、前記表示画面上に表示された前記地図において識別表示する作業対象識別表示工程と、
前記表示画面上に表示された前記地図において、前記データ通信作業を行う作業位置を前記地図上でポイントされた位置として受付ける作業位置受付工程と、
前記作業位置受付工程により受付けた前記作業位置において、前記無線通信が可能と判断される通信可能位置範囲を、前記表示画面上に表示された前記地図において識別表示する通信可能位置識別表示工程とを実行することを特徴とする。
【0008】
〔構成2〕
本発明に係るデータ通信作業支援方法は、請求項2に記載したごとく、上記構成1のデータ通信作業支援方法の構成に加えて、前記通信端局が施設に設置されたメータであり、前記データ通信装置が前記メータの指針値に関する検針データを前記所定のデータとして収集可能な携帯型の検針装置であり、前記検針装置で実行され、前記データ通信作業としての前記検針装置を用いた検針関連作業を支援することを特徴とする。
【0009】
〔作用効果〕
本構成のデータ通信作業支援方法によれば、移動途上において情報処理可能なモバイルコンピュータ等として構成された検針装置等のデータ通信装置が、地図表示工程において、地図表示手段により、メータ等の通信端局が設けられた施設及びその周辺の施設の位置や周辺道路等の状態等の施設の所在地に関する予め記憶している地図をディスプレイ等の表示画面上に表示すると共に、作業対象識別表示工程において、表示画面上に表示されている地図において、検針関連作業等のデータ通信作業の対象となる施設又はその施設に設けられたメータ等の作業対象の位置を識別表示するので、このデータ通信装置を用いて検針関連作業等のデータ通信作業を行う作業員は、作業対象の位置やその周囲の状況等を正確に認識することができ、さらに、その作業対象の位置状態から、できるだけ多くの作業対象の施設に設けられたメータと無線通信を良好に行える作業位置を簡単に見出すことができる。
【0010】
そして、例えば検針員等の作業員が見出した作業位置が、作業員がデータ通信装置を操作して表示画面上に表示されている地図において入力されると、本発明方法を実行するデータ通信装置は、作業位置受付工程を実行してその入力された作業位置を受付ける。さらに、データ通信装置は、通信可能位置識別表示工程において、受付けた作業位置を中心とした所定の半径の円又は楕円内、または設定された作業位置を中心とした多角形内、または設定された作業位置の近傍の道路に面した所定の距離範囲内等にある通信端局の位置を、前記無線通信可能と判断される通信可能位置範囲として表示画面上に表示することができる。よって、作業員は、上記の作業対象識別表示工程によりデータ通信装置の表示画面上に識別表示された通信可能位置範囲を参考にして、データ通信装置を操作して、作業対象の施設に設けられた通信端局の中から、通信対象の通信端局を決定して、その通信対象の通信端局との間で無線通信を行って通信端局としてのメータの検針データ等の所定のデータを収集する検針作業や、通信端局としてのメータに所定の操作を実行させる操作作業等の検針関連作業、又はその他のデータ通信作業を行うことができ、このように決定された通信対象の通信端局においては、識別表示された通信可能位置範囲内にあるものなので、殆どがデータ通信装置との間で無線通信を良好に行うことができると考えられ、通信不良による無線通信の失敗が少なく、データ通信作業を効率良く行うことができる。
従って、作業位置及びその位置における通信可能位置範囲等の確認を容易にして、データ通信作業の効率化を図ることができるデータ通信作業支援方法を実現することができる。
【0011】
〔構成3〕
本発明に係るデータ通信作業支援方法は、請求項3に記載したごとく、上記構成1又は2のデータ通信作業支援方法の構成に加えて、前記通信可能位置識別表示工程において識別表示された前記通信可能位置範囲内にある前記通信端局を、前記作業位置受付工程で受付けられた前記作業位置から無線通信を行う通信対象の通信端局として設定することを特徴とする。
【0012】
〔作用効果〕
本構成のデータ通信作業支援方法によれば、データ通信装置が、自動的に、作業対象識別表示工程で識別表示された通信可能位置範囲内にある作業対象の通信端局を、作業位置受付工程で受付けられた作業位置から無線通信を行う通信対象の通信端局として設定することができるので、作業員の通信対象の通信端局の設定労力を低減でき、作業員の設定作業における人為的ミスを防止することができる。
【0013】
〔構成4〕
本発明に係るデータ通信作業支援方法は、請求項4に記載したごとく、上記構成1から3の何れかのデータ通信作業支援方法の構成に加えて、通信対象の通信端局との前記所定のデータに関する前記無線通信の成敗情報を、前記表示画面上に表示する成敗情報表示工程を実行することを特徴とする。
【0014】
〔作用効果〕
本構成のデータ通信作業支援方法によれば、データ通信装置が上記成敗情報表示工程を実行することで、作業員は、データ通信装置装置によりデータ通信作業を行った後に、無線通信が成功してデータ通信作業を行えた通信対象の通信端局と、無線通信が何らかの原因で失敗してデータ通信作業が行えなかった通信対象の通信端局とを、表示画面上で認識することができ、以後のデータ通信作業において、上記の無線通信によるデータ通信作業が失敗した通信端局を再度通信対象の通信端局に設定してデータ通信作業を行うことができ、簡単且つ確実にすべての作業対象の施設に設けられた通信端局に対してデータ通信作業を行うことができる。
【0015】
〔構成5〕
本発明に係るデータ通信作業支援方法は、請求項5に記載したごとく、上記構成1から4の何れかのデータ通信作業支援方法の構成に加えて、通信対象の通信端局と前記無線通信を行うときに、前記通信対象の通信端局のアラーム情報を収集し、前記アラーム情報を前記表示画面上に表示するアラーム情報表示工程を実行することを特徴とする。
【0016】
〔作用効果〕
本構成のデータ通信作業支援方法によれば、データ通信装置が上記アラーム情報表示工程を実行することで、データ通信装置は無線通信を行った通信対象の通信端局としてのメータにおける漏洩検知状態や緊急遮断弁の操作状態等のアラーム情報や、通信対象の通信端局としての圧力検出装置における圧力低下状態等のアラーム情報を収集して表示画面上に表示するので、作業員はデータ通信装置の表示画面上にてそのアラーム情報を確認することができ、対応が必要な通信端局に対して早期にその対応を実施することができる。
【0019】
〔構成6〕
本発明に係るコンピュータプログラムは、請求項6に記載したごとく、上記構成1から5の何れかのデータ通信作業支援方法に含まれる前記各工程を前記データ通信装置において実行する場合に、前記データ通信装置を構成するコンピュータが実行することにより前記各工程が実現されることを特徴とする。
【0020】
〔作用効果〕
本構成のコンピュータプログラムによれば、データ通信装置を構成するコンピュータが読み取り可能な記憶装置上に、当該プログラムを書き込み、当該プログラムの各工程に関するプログラムステップを読み出し実行することで、データ通信装置が上記構成1から5の何れかのデータ通信作業支援方法の各工程を実行することができ、上記した各構成の作用効果が奏されることになる。
【0021】
〔構成7〕
本発明に係るプログラム記憶媒体は、請求項7に記載したごとく、上記構成1から5の何れかのデータ通信作業支援方法に含まれる前記各工程を前記データ通信装置において実行する場合に、前記データ通信装置を構成するコンピュータが実行することにより前記各工程が実現されるコンピュータプログラムを記録した、前記コンピュータが読み取り可能であることを特徴とする。
【0022】
〔作用効果〕
本構成のプログラム記憶媒体によれば、データ通信装置を構成するコンピュータが、上記構成1から5の何れかのデータ通信作業支援方法の各工程に関するプログラムステップを記憶媒体から読み出し実行することで、データ通信装置が当該データ通信作業支援方法の各工程を実行することができ、上記した各構成の作用効果が奏されることになる。
【0023】
〔構成8〕
本発明に係るデータ通信装置は、請求項8に記載したごとく、施設に設置された通信端局との間で無線通信を行って、前記通信端局が保持する所定のデータを収集可能で、且つ請求項1から5の何れかに記載のデータ通信作業支援方法に含まれる前記各工程を実行可能に構成された各手段を備えたことを特徴とする。
【0024】
〔作用効果〕
本構成のデータ通信装置によれば、上記構成1から5の何れかのデータ通信作業支援方法を実行することができ、同様の作用効果を奏することができる。即ち、検針装置等のデータ通信装置は移動途上において情報処理可能なモバイルコンピュータ等として構成され、さらに、上記のデータ通信作業支援方法の各工程を実行可能に構成された各手段を備えて構成されている。よって、このデータ通信装置を利用して検針関連作業等のデータ通信作業を行う検針員等の作業員は、データ通信装置が各手段により地図表示工程及び作業対象識別表示工程を実行して表示画面上に表示されている地図において識別表示された作業対象の位置やその周囲の状況等を正確に認識することができ、その作業対象の位置状態から、できるだけ多くの作業対象の施設に設けられたメータ等の通信端局と無線通信を良好に行える作業位置を簡単に見出すことができる。そして、作業員が、データ通信装置が各手段により作業位置受付工程及び通信可能位置識別表示工程を実行して表示画面上に表示されている地図において識別表示された通信可能位置範囲を参考にして、通信対象の通信端局を設定し、その通信対象の通信端局に対して無線通信による検針関連作業等のデータ通信作業を行うことができ、このように設定された通信対象の通信端局においては、識別表示された通信可能位置範囲内にあるものなので、殆どがデータ通信装置との間で無線通信を良好に行うことができると考えられ、通信不良によるデータ通信作業の失敗が少なく、データ通信作業を効率良く行うことができる。
従って、作業位置及びその位置における通信可能位置範囲等の確認が容易で、データ通信作業の効率化を図ることができるデータ通信装置を実現することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明のデータ通信作業支援方法及びデータ通信装置の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1に示す検針システムは、顧客側の施設に設置されたガスメータ60(通信端局の一例)の検針関連作業(データ通信作業の一例)を行うものであり、検針作業を行う検針員は、検針センタ等に設けられたホストコンピュータ等で構成される管理装置10側に格納されている所定の情報を、管理装置10のメモリカードドライブ11により、メモリカード2に記憶させた後に、そのメモリカード2をセットしたモバイルコンピュータ等の検針装置30(データ通信装置の一例)を持参して作業対象の施設に設けられたガスメータ60の設置場所付近に出向き、検針装置30に接続されている通信装置31と、ガスメータ60の通信装置61との間で、ガスメータ60の指針値に関する無線通信を行って検針関連作業の一つである検針作業を行う。
【0026】
ガスメータ60は、顧客側の施設におけるガスの積算消費量を表示する表示部等が設けられており、後述する検針データ送信に関する指令信号を通信装置61により受信すると、表示部に表示されているガスの積算消費量に関する検針データを通信装置61により発信するように構成されている。
【0027】
上記の管理装置10は、図2に示すように、上記の検針システムの作業対象となるすべての施設のガスメータ60のID番号やそれが設けられた施設の所在地情報等を格納している作業対象データベース12と、そのガスメータ60が設置されている施設の所在地に関する地図情報を格納している地図情報データベース13とに接続されている。
そして、管理装置10は、CPU14と、CPU14を動作させるプログラム等を記憶しているROM22とワークエリアとしてのRAM23と、表示画面20及びキーボード21とを有して構成されており、後述する検針装置30との間で所定の情報の授受を行うためのメモリカード2に所定の情報を記憶させる、又はメモリカード2から所定の情報を読み出すためのメモリカードドライブ11を接続して有する。
【0028】
また、管理装置10は、検針作業を行う前の検針員がキーボード21を操作して、作業対象データベース12にアクセスして検針作業の対象となるガスメータ60が設けられた施設の所在地とそのガスメータ60のID番号等との情報を抽出し、その情報をメモリカードドライブ11によりメモリカード2に記憶させる作業対象伝達手段16が設けられている。
さらに、管理装置10は、上記の検針作業の対象となるガスメータ60の設置場所付近の施設の地図の情報を地図情報データベース13にアクセスして抽出して、同じくメモリカード2に記憶させる地図情報伝達手段18が設けられている。
管理装置10における上記の夫々の手段16,17,18は、ROM22に格納されたプログラムをCPU14によって実行することにより実現されるものである。
【0029】
次に、検針装置30の詳細の構成について以下に説明する。
この検針装置30は、図3に示すように、上記の所定の情報を記憶したメモリカードをセットするためのメモリカードドライブ49が内蔵されている。
さらに、検針装置30は、CPU32とCPU32を動作させるプログラム等を記憶しているROM50とワークエリアとしてのRAM51とを有し、カラー表示可能な液晶型の表示画面43及び操作部44とを有している。
また、検針装置30には、通信装置31が接続されているインターフェイス部45が設けられ、通信対象のガスメータ60に接続された通信装置61と無線通信が可能となっている。尚、当然、通信装置31,61は、検針装置30及びガスメータ60に内蔵されていても構わない。
【0030】
次に、検針装置30において実行される各工程の詳細について説明する。
検針装置30には、上記のメモリカード2に記憶されている地図を表示画面43に表示する地図表示手段34が設けられており、図4の検針装置30の表示画面43の表示例に示すように、ガスメータ60が設けられた施設及びその周辺の施設の位置や周辺道路等の状態等の施設の所在地に関する地図を表示画面43に表示する地図表示工程を実行することができる。
【0031】
さらに、検針装置30には、上記のメモリカード2に記憶されている、当日の検針作業の対象となるガスメータ60が設けられた施設の所在地に関する情報を読み込み、その作業対象のガスメータ60が設けられた施設の位置を表示画面43に表示されている地図上において識別表示する作業対象識別表示工程を実行するための作業対象識別表示手段35が設けられている。
この作業対象識別表示手段35により、表示画面43において検針作業の対象となるガスメータ60が設けられている施設の色が例えば青色(図4の斜線部)で表示され、検針員は、検針作業の対象であるガスメータ60が設けられた施設の位置やその周囲の状況等を正確に認識することができる。
【0032】
さらに、検針装置30には、通信装置31による通信の対象である通信対象のガスメータ60を設定する通信対象設定手段46と、このように設定された通信対象のガスメータ60がある施設の位置を表示画面43に表示されている地図上において識別表示する通信対象識別表示手段47と、通信装置61により通信対象のガスメータ60との間でガスメータ60の指針値に関する通信を行い検針作業を実行する検針手段48とが設けられている。
即ち、検針員が、図4に示す表示画面43において、例えば「個別」ボタンを押した後に地図上の施設を個別に選択することで、その選択された施設のガスメータ60が無線通信対象として設定される。
後に、検針員が表示画面43上の「検針」ボタンを押と、検針装置30は通信装置31により、上記の設定された無線通信対象のガスメータ60の通信装置61に指令信号を発信し、指令信号を受信したガスメータ60は、ガスの積算消費量である指針値に関する検針データを検針装置30の通信装置31に送信する。そして、検針データを受信した検針装置30は、受信した検針データを、上記のガスメータのID番号等と関連付けて、メモリカード2や内部の記憶手段等に格納する。
このように検針装置30は、夫々のガスメータ60の検針データを収集することで検針作業を行うのである。
【0033】
さらに、検針装置30には、検針手段48を働かせて検針作業を行う検針作業位置が検針員により入力され、その入力された検針作業位置を受付ける作業位置受付工程を実行するための作業位置受付手段36が設けられている。作業位置受付手段36は、図4に示す表示画面43において、上記の作業対象のガスメータ60が設けられた施設の位置を表示画面43に表示されている地図により確認して決定した検針作業位置を、検針員により「エリア」ボタンが押された後に地図上でポイントされることで受付けるように構成されており、このようにポイントされた検針作業位置には、図4に示すように、人のマークが表示される。
【0034】
そして、検針装置30には、上記の作業位置受付手段36により受付けた検針作業位置において、検針装置30に接続された通信装置31により無線通信が可能と判断されるガスメータ60の通信可能位置範囲を、表示画面43に表示された地図において識別表示する通信可能位置識別表示工程を実行するための通信可能位置識別表示手段37が設けられており、図4に示すように、通信可能位置表示手段37は、表示画面43において、検針作業位置である人のマークを中心に、無線通信可能と考えられる半径50mの円を描き、さらに、その円の中にある検針作業の対象となるガスメータ60が設けられた施設の色を例えばピンク(図4のドット部)で表示する。
よって、検針員は、その円の中にある施設のガスメータ60が、設定した検針作業位置における検針作業可能なガスメータ60であると認識することができる。
【0035】
さらに、検針装置30には、上記の通信可能位置識別表示手段37により識別表示した通信可能位置範囲内のガスメータ60を、通信対象設定手段46を働かせて、通信対象のガスメータ60として自動的に設定するように構成されている。
即ち、検針員が検針装置30において作業位置受付手段36により検針作業位置を受付けると、検針装置30が通信対象設定手段46により自動的に通信対象のガスメータ60を設定する。そして、検針員が、設定された通信対象のガスメータ60に対して検針手段48を働かせて指令信号を発信して、そのガスメータ60から検針データを受信して検針作業を行うのである。
【0036】
また、検針装置30には、検針作業を行うに、上記の検針データの受信の成敗情報を、表示画面43に表示する成敗情報表示工程を実行するための成敗情報表示手段38が設けられ、最新の検針作業において検針作業が成功した施設数と現在までに検針作業が成功した施設数とを、図4に示す表示画面43の右部に示すように検針成功欄に表示し、最新の検針作業において検針作業が失敗した施設数と現在までに検針作業が失敗した施設数とを、図4に示す表示画面43の右部に示すように検針失敗欄に表示すると共に、地図において、検針作業が失敗した施設の色を例えば水色で表示する。
【0037】
また、検針装置30には、検針手段48により検針作業を実行し、通信装置31により通信対象のガスメータ60との間で無線通信を行うときに、通信対象のガスメータ60のアラーム情報を収集し、収集したアラーム情報を表示画面43に表示するアラーム情報表示工程を実行するためのアラーム情報表示手段39が設けられている。即ち、アラーム情報表示手段39は、無線通信を行った通信対象のガスメータ60における漏洩検知状態や緊急遮断弁の操作状態に関する情報を、通信装置31により上記の検針データと共に受信して、例えば長期漏洩に関するアラームにおいては、最新の通信において長期漏洩と確認された施設数と現在までに長期漏洩と確認された施設数とを、図4に示す表示画面43の右部に示すように長期漏洩欄に表示すると共に、地図において、長期漏洩と確認された施設の色を例えば赤色で表示する。
【0038】
また、検針装置30には、通信装置31により通信対象のガスメータ60との間で、通信対象のガスメータ60の所定の操作に関する通信を行い、通信対象のガスメータ60に、たとえばメータの異常供給検知機能における設定値の設定又は変更操作や、遮断弁の開閉操作等の所定の操作を実行させる検針関連作業の一つである操作作業を実行する操作手段40を設けられている。
【0039】
また、検針装置30において、夫々の施設や集合住宅等の顧客情報や検針作業の詳細な成敗情報やアラーム情報等を表示するには、図4に示すように、地図上においてその施設や集合住宅等を選択した後に、表示画面43の「一覧」ボタンを押すことで、その情報の一覧が表示される。
【0040】
このように構成された検針装置30において、データ通信作業支援方法の各工程を実行するための各手段は、CPU32がROM50に格納されたコンピュータプログラムを実行することで実現される。具体的には、本発明方法の各工程の処置を実行するためのプログラムを、磁気又は光記憶装置等の記憶媒体に格納しておき、その記憶媒体に格納されたプログラムを検針装置30を構成するコンピュータのROM50にロードした上で、CPU32がそのプログラムを実行することで、本発明方法が実現される。ここで、上記記憶媒体は、固定型の記憶媒体であっても、可搬型の記憶媒体であってもよい。また、上記ROM50も、上記プログラムがロードされれば、上記プログラムを記憶した記憶媒体となる。
【0041】
また、検針装置30において、上記のように検針作業を行って収集した検針データは、メモリカード2に記憶される。そして、検針作業が終了した検針員は、そのメモリーカード2を管理装置10のメモリカードドライブ11にセットし、検視装置の検針結果収集手段17を働かせて、メモリカード2に格納された検針データ等を管理装置10に接続された作業対象データベース12に格納し、その作業対象データベース12に格納された検針データは、後に夫々の施設に課金するガス料金等の計算に利用される。
【0042】
上記の実施の形態において、検針装置を、ガスメータの検針作業を行うものとして構成したが、別に電気メータ又は水道メータの検針作業を行うように構成することもできる。
【0043】
管理装置10と検針装置30との間で所定の情報の授受を行うために、上記の実施の形態においては、情報授受媒体としてコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であるメモリカード2を利用したが、別に、両装置10,30間で情報の送受信を行えるインターネット回線等の通信媒体を利用することもできる。
【0044】
上記の実施の形態において、本発明のデータ通信作業支援方法を、データ通信装置として検針装置30を利用し、通信端局としてのガスメータ60の指針値に関する検針データを収集する検針作業を支援する構成としたが、別に、本発明のデータ通信作業支援方法は、上記検針作業以外の、例えば、通信対象のガスメータ60に異常供給検知機能における設定値の設定又は変更操作や、遮断弁の開閉操作等の所定の操作を実行させる操作作業等の検針関連作業においても、検針装置の地図を表示した表示画面上に、検針関連作業の作業対象を識別表示すると共に、受付けた作業位置における通信可能範囲を識別表示して、検針関連作業を支援するように構成することもできる。さらに、検針装置以外のデータ通信装置を利用して、通信端局としての例えばガスの導管内の圧力を検出する圧力測定器等の保持する圧力値等に関する所定のデータを収集するデータ通信作業においても同様に支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】検針システムの概略構成図
【図2】管理装置の概略構成図
【図3】検針装置の概略構成図
【図4】表示画面のイメージ図
【符号の説明】
2 メモリカード
10 管理装置
11 メモリカードドライブ
12 作業対象データベース
13 地図情報データベース
16 作業対象伝達手段
17 検針結果収集手段
18 地図情報伝達手段
20 表示画面
21 キーボード
30 検針装置(データ通信装置)
31 通信装置
34 地図表示手段
35 作業対象識別表示手段
36 作業位置受付手段
37 通信可能位置識別表示手段
38 成敗情報表示手段
39 アラーム情報表示手段
40 操作手段
43 表示画面
44 操作部
46 通信対象設定手段
47 通信対象識別表示手段
48 検針手段
49 メモリカードドライブ
60 ガスメータ(通信端局)
Claims (8)
- 施設に設置された通信端局との間で無線通信を行って、前記通信端局が保持する所定のデータを収集可能な携帯型のデータ通信装置で実行され、前記データ通信装置を用いたデータ通信作業を支援するデータ通信作業支援方法であって、
前記データ通信装置に設けられた表示画面上に、前記施設の所在地に関する地図を表示する地図表示工程と、
前記データ通信作業の対象である作業対象の位置を、前記表示画面上に表示された前記地図において識別表示する作業対象識別表示工程と、
前記表示画面上に表示された前記地図において、前記データ通信作業を行う作業位置を前記地図上でポイントされた位置として受付ける作業位置受付工程と、
前記作業位置受付工程により受付けた前記作業位置において、前記無線通信が可能と判断される通信可能位置範囲を、前記表示画面上に表示された前記地図において識別表示する通信可能位置識別表示工程とを実行するデータ通信作業支援方法。 - 前記通信端局が施設に設置されたメータであり、前記データ通信装置が前記メータの指針値に関する検針データを前記所定のデータとして収集可能な携帯型の検針装置であり、前記検針装置で実行され、前記データ通信作業としての前記検針装置を用いた検針関連作業を支援する請求項1に記載のデータ通信作業支援方法。
- 前記通信可能位置識別表示工程において識別表示された前記通信可能位置範囲内にある前記通信端局を、前記作業位置受付工程で受付けられた前記作業位置から無線通信を行う通信対象の通信端局として設定する請求項1又は2に記載のデータ通信作業支援方法。
- 通信対象の通信端局との前記所定のデータに関する前記無線通信の成敗情報を、前記表示画面上に表示する成敗情報表示工程を実行する請求項1から3の何れか1項に記載のデータ通信作業支援方法。
- 通信対象の通信端局と前記無線通信を行うときに、前記通信対象の通信端局のアラーム情報を収集し、前記アラーム情報を前記表示画面上に表示するアラーム情報表示工程を実行する請求項1から4の何れか1項に記載のデータ通信作業支援方法。
- 請求項1から5の何れか1項に記載のデータ通信作業支援方法に含まれる前記各工程を前記データ通信装置において実行する場合に、前記データ通信装置を構成するコンピュータが実行することにより前記各工程が実現されるコンピュータプログラム。
- 請求項1から5の何れか1項に記載のデータ通信作業支援方法に含まれる前記各工程を前記データ通信装置において実行する場合に、前記データ通信装置を構成するコンピュータが実行することにより前記各工程が実現されるコンピュータプログラムを記録した、前記コンピュータが読み取り可能なプログラム記憶媒体。
- 施設に設置された通信端局との間で無線通信を行って、前記通信端局が保持する所定のデータを収集可能で、且つ請求項1から5の何れかに記載のデータ通信作業支援方法に含まれる前記各工程を実行可能に構成された各手段を備えたデータ通信装置。
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