JP4560198B2 - 付着性物質の加熱処理装置及び方法 - Google Patents

付着性物質の加熱処理装置及び方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温加熱面に付着する性質を有し、かつダイオキシン類などの有害物質を含有する被処理物質を加熱して、被処理物質が加熱装置の加熱面に付着することを防止しながら物理的あるいは化学的変化を達成させるとともに、被処理物質の保有する熱エネルギーを回収して該被処理物質の予熱に利用することのできる加熱処理の技術分野に属し、特に加熱用のエネルギーを低減することのできる高充填率の加熱処理装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
廃棄物焼却炉からの飛灰中に含有されるダイオキシン類を分解する方法として、加熱脱塩素化を行なうハーゲン・マイヤー法が知られているが、これは還元性雰囲気において飛灰を電熱によって450℃程度に加熱する方法であり、この装置においては450℃の飛灰は装置外で冷却されるので飛灰の持ち出す顕熱が大きく、そのために飛灰1トン当りの加熱電熱は200kw・hrに近いものになる。
【0003】
飛灰中にはCaCl,NaCl,KClなどの塩類を多く含み、焼却炉の加熱面が500℃以上の高温になると飛灰が粘着性を帯び、加熱装置の加熱面に付着して焼却炉の正常な操作を阻害するので、上記ハーゲン・マイヤー法および類似の加熱脱塩素化法は500℃以上の高温のもとでは操作ができず、したがって例えばダイオキシン類に加えPCBなどの有機塩素化合物や重質石油類を複合する被処理物質の無害化には利用できない。
【0004】
一般に、被処理物質としての粉粒片状固体を所定温度まで加熱して、この固体およびこれに含有される物質の物理的あるいは化学的変化を達成させるためには、水平面に対して若干の傾斜を有する軸線のまわりに回転する筒状体を有する加熱装置が産業上広く応用されているが、これら公知の装置においては、筒状体内の空間に対する被処理物質の占める割合が8%程度の低い値である。また加熱終了後の処理済物質を高温のまま装置外に取り出し、別に設置する冷却装置によって冷却して製品としているので、加熱のためのエネルギー消費量が大きい。
【0005】
出願人は、上記の回転筒型加熱装置の筒状体内における被処理物質の充填割合が8%に充たず、さらに回転による被処理物質の移動が一方向だけであることを改善し、充填割合を30〜40%にすることができるとともに被処理物質の物理的・化学的処理に最適な流れパターンを与えるために、例えば、特開平5−264170及び特開平5−26577にて、水平な軸線まわりに回転する筒状体の内部に、傾斜する複数のガイド板を備える仕切壁を設置し、各種の物理的・化学的処理に応用する装置を提案した。
【0006】
一般に、被処理物質として粉粒片状の固体を高温度に所定時間保持するだけで加熱処理目的を達し、高温固体の有する顕熱が不必要とされてきた例として、上記ダイオキシン含有飛灰だけではなく、例えば酸化チタンの熱分解、微粒状酸化カルシウムの完全脱水など多くの例がある。しかし、この装置では、上記被処理物質の付着性による点が解決できず、又、高温度になった固体の顕熱を有効に回収できないためにエネルギー消費量が大きくて経済的でなくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高温において加熱装置としての加熱面に付着して正常な操作を阻害する傾向のある被処理物質に対し、付着する物質を定常的に剥離させて外筒状体からの伝熱を安定せしめ、その結果、高温加熱時の処理ずみ物質の保有する熱エネルギーを回収して、被処理物質の予熱に利用することにより、加熱のための熱エネルギー使用量を大幅に削減し、かつ冷却装置を不要とする加熱処理装置及び方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る加熱処理装置は、実質的に水平な軸線をもち該軸線まわりに回転し外部から加熱を受ける外筒状体内に、該外筒状体に対して独立し少なくとも一時的に該外筒状体と異なる速度で回転せる内筒状体を上記外筒状体内に配設し、上記外筒状体の軸線方向一端側に被処理物質の送入部を有している。
【0009】
かかる加熱処理装置において、本発明によると、外筒状体は一端側及び他端側の少なくとも一方に排気部が設けられている。又、内筒状体は一端側に取出部を、他端側に外筒状体と内筒状体との間の環状空間と連通する連通部をそれぞれ有している。上記環状空間において、被処理物質を一端側から他端側へ搬送する外搬送手段が内筒状体外面に設けられ、該内筒状体は外筒状体と異なる速度で回転している。外筒状体と内筒状体とは少なくとも一時的に異なる速度で回転すれば良い。又、上記内筒状体内には該内筒状体内の被処理物質を他端側から一端側へ搬送する内搬送手段が設けられている。
【0010】
上記のごとくの構成の本発明にあっては、又、外搬送手段そして内搬送手段の少なくとも一方は、外筒状体内と内筒状体との間の環状空間そして内筒状体内の内部空間のそれぞれの空間を複数に区画する少なくとも一つの仕切壁の面に設けられた、軸線に対し傾斜せるガイド板を有するような形態とすることができる。これにより水平軸線まわりの回転に対して被処理物質の移動速度を所定値に定めることができる。
【0011】
かかる本発明装置で被処理物質を高温に加熱し、物理的・化学的変化を達成するためには、その方法として、先ず、外筒状体の一端側に形成された送入部から被処理物質を外筒状体と内筒状体との間の環状空間内へ送入する。そして、回転せる外筒状体と、これと異なる速度で回転せる内筒状体に設置された外搬送手段によって被処理物質を転動させながら他端側へ搬送する。外筒状体は外部からの電熱あるいは燃焼ガスによって加熱されており、該被処理物質は他端側寄りの領域で所定の高温度まで加熱される。その際、高温度の外筒状体の内面に付着する被処理物質は、該内面と相対的に回転する内筒状体外面に設置された外搬送手段の外周縁部によって掻き取られて剥離し、高温操業の場合でも正常な加熱操作がなされる。
【0012】
所定の高温下で所定時間滞在した処理ずみ物質は、外筒状体と内筒状体の間の環状空間から内筒状体への連通部を経て内筒状体内に進入し、内筒状体の回転と内搬送手段の作用によって一端部に向けて搬送される。
【0013】
上記内筒状体内での高温加熱処理によって発生した気体は、内筒状体の一体側あるいは他端側、若しくは被処理物質の送入部に設けられた、開口部から装置外に排出される。
【0014】
内筒状体内を他端側から一端側に転動しながら移動する処理ずみ物質は、外筒状体と内筒状体との間の環状空間内で転動しながら軸方向の他端側に移動する温度の低い被処理物質の流れと、内筒状体の壁を介して向流熱交換を行い、被処理物質を予熱する。したがって処理ずみの物質は、この熱交換により温度が低下して装置から排出されると共に、被処理物質の加熱のための熱エネルギー使用量を大幅に削減させる。
【0015】
又、本発明によれば、上記内筒状体内で一端側まで移動した被処理物質は、その時点ですでに処分可能な温度まで十分に冷却されているので、公知の加熱装置で必要としていた冷却装置は不要となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面にもとづいて、本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
<第一実施形態>
図1において、実質的に水平な軸線1のまわりに回転駆動を受ける外筒状体2が軸受(図示せず)によって回転自在に支持されている。該外筒状体2は軸線1方向の一端側(図において左端側)に、加熱処理あるいは加熱により化学反応を受けるべき被処理物質、例えば粉粒片状固体をホッパー8から受け入れこれを内部へ送入するための送入部2A、そして他端側には内筒状体の他端部を貫入受入れする貫入部2Bが設けられている。上記外筒状体2は外部から電力あるいは燃焼ガスもしくは高温空気等によって加熱を受けており、耐熱金属あるいは熱伝導度の高い耐火物で作られている。外筒状体2の内部には、実質的に軸線1と平行な中心軸線を有し上記外筒状体2の外部に設けられた軸受(図示せず)によって回転自在に支持されている内筒状体3が設けられている。内筒状体3の一端側は軸線方向に突出して開口せる取出部3Aを形成し、又、他端側は外筒状体2外に開口してガス排出口3B、そして内筒状体3に開口して連通部3Cを形成している。
【0018】
本実施形態では、好ましい形態として、内筒状体3外面上に、実質的に軸線1と平行な面をもつ外仕切壁4を設け、さらに好ましい形態としてその面上に軸線1に傾斜する複数のガイド板5および5´を外搬送手段として有しており、その外仕切壁4の両面に設けられたガイド板5(実線)と5´(破線)の傾きは図1では反対になっている。外仕切壁4の外縁4´は外筒状体2の内面との間に僅かな隙間が形成されるように構成されており、内筒状体3が外筒状体2に対して独立して異なる回転数で回転されている。この場合、両者の回転速度は常に異なっていなくともよく、少なくとも一時的、例えば定期的に速度差があれば十分である。
【0019】
内筒状体3の内部にも、好ましい形態として、軸線1と実質的に平行な内仕切壁6を設置し、その両面に複数のガイド板7(実線)と7´(破線)が、図において互に反対の傾きで示されているように上記内仕切壁6に取り付けられており、内搬送手段を形成している。
【0020】
軸線1の一端側には、上記内筒状体3のまわりに配置され上記外筒状体2の送入部2Aと連通するホッパー8が設けられており、被処理物質として、例えば粉粒片状固体は、該ホッパー8より送入され、内筒状体3の回転に伴って回転する搬送スクリュー部材9の作用で上記送入部2Aを経て外筒状体2と内筒状体3との間の環状空間15へ送られるようになっている。なお、図1において符号10は上記ホッパー8に連通する送入部外筒11に対して外筒状体2の相対回転をシール状態を保ちつつ許容する回転シールであり、符号12Aは該送入部外筒11と内筒状体3との相対回転を許容する回転シールである。又、符号12Bは外筒状体2と内筒状体3との相対回転を許容する回転シールである。
【0021】
なお、内筒状体3の一端部には円形堰13が設けられ、又、送入部外筒11には発生ガスを排出するための排出口14が設けられている。
【0022】
図2は図1におけるII−II断面図であり、外筒状体2と内筒状体3の間の環状空間に設置する外仕切壁4とガイド板5,5´、内筒状体3の内部に設置する内仕切壁6とガイド板7,7´そして上記環状空間15,15´を示している。
【0023】
このような本実施形態装置にあっては、被処理物質は次の要領で処理される。
【0024】
ホッパー部8から搬送スクリュー部材9の作用で送入部2Aを経て外筒状体2と内筒状体3との間の環状空間15,15´に送入された被処理物質、例えば粉粒片状固体は、外筒状体2と内筒状体3のそれぞれの回転に伴って外仕切壁4の面上で転動しながらガイド板5,5´の作用で軸方向に他端側(図1にて右端側)に進行する。外筒状体2は外部から電力あるいは燃焼ガスによって加熱されていて高温になっており、高温において付着性を帯びる被処理物質の場合には外筒状体2の内表面に付着するが、内筒状体3の外面に設置された外仕切壁4の外縁4´が外筒状体2の内面に近接し該外筒状体2と異なった回転数で回転しているので両者間が速度差があり、付着した被処理物質は上記外縁4´により掻き取られて定常的に剥離される。
【0025】
被処理物質に、例えばダイオキシン類、またはPCB類などの有害物質が含有されている場合には、前者では500℃以上、後者では800℃以上に加熱すれば実質的には完全に分解することができる。
【0026】
環状空間15,15´内を一端側から他端側(図1にて右端側)に進行する粉粒片状固体は、高温な外筒状体2からの加熱により温度が高くなって他端部に達し、内筒状体3の他端部に設けられた連通部3Cを経て内筒状体3の内部に進入する。内筒状体3内では、内筒状体3の回転に伴う内仕切壁6およびガイド板7,7´の作用により、粉粒片状固定は内筒状体3内を他端部から一端部(図1では左端部)の方向に進行し、円形堰13が形成する開口部3Aを経て装置外に排出される。
【0027】
円形堰13は内筒状体3内および環状空間15,15´内における粉粒片状固体の充填割合を所要の値に保持するために設けられており、開口部3Aの開口度は加熱操作中でも調節できることが好ましい。
【0028】
連通部3Cを経て内筒状体3の内部に進入した粉粒片状固体は温度が高くなっており、内筒状体3内を一端(図1では左端部)に向って進行するので、外筒状体2と内筒状体3の間の環状空間15,15´内を、一端部から他端部(図1では右端部)に向って進行する原料である粉粒片状固体と、内筒状体3の筒壁を介する該内筒状体3内外の向流の熱交換が達成され、加熱後の粉粒体が保有する熱エネルギーの回収により原料粉粒片の予熱が行なわれる。
【0029】
加熱処理によって発生したガスはガス排出口3B,14および開口部3Aのうち少なくとも一箇所から排出される。又、それらの開口部のうち少なくとも他の一箇所を経て、排気ガスの駆出に必要な気体を装置内に送入することもできる。
【0030】
本発明は、図1,図2の形態に限定されず、種々変形が可能であり、例えば図3に示されるように内筒状体3の表面に多くの仕切壁4およびガイド板5を設置するものであってもよい。
【0031】
内筒状体3の表面に設置する外搬送手段は必ずしも図1,図2に示されるものに限定されず、外仕切壁4に設置するガイド板に代えて図4,図5に示されるような内筒状体3の回転により粉粒片状固体を掻き上げるパドル板16であってもよい。該パドル板は固定式でなくとも外仕切壁4へ半径方向に可動に取りつけられていて、回転に伴い下方に位置したときに該パドル板の自重により外筒状体の内面に接するように移動する形式としてもよい。
【0032】
内筒状体3の表面に設置する外搬送手段は必ずしも図1,図2,図3,図4,図5に示されるものに限定されず、例えば図6に示されるように内筒状体3の表面にスパイラル部材17を設置するものであってもよい。その際、スパイラル部材17の外周縁は外筒状体2の内面と僅かな隙間を形成している。
【0033】
内筒状体3の内部に設置する内搬送手段は、図1,図2,図3,図4,図5,図6に示されるものに限定されず、例えば図7に示されるようなスパイラル部材17によって構成されるものであってもよい。図7の符号18はこのスパイラル部材17を支持するための軸体であるが、これを有していなくてもよい。又、このスパイラル部材は図示のごとく単軸のものでなくとも、二軸でもあるいはそれ以上の多軸であってもよい。
【0034】
<第二実施形態>
図1ないし図4に示された第一実施形態は、単数の内筒状体の回転軸線が外筒状体の回転軸線と同一位置にあるように配設された場合の例であるが、この内筒状体は単数に限定されず、例えば図8及び図9(図9(A)〜(C)は図8におけるIX−A〜IX−Cの各位置における断面図)のように外筒状体2の回転軸線1と実質的に平行で異なる複数の位置にそれぞれ内部筒状体3を配設することとしてもよい。
【0035】
図8および図9においては、外筒状体2と内筒状体3、外仕切壁4および複数の内筒状体3から成る筒束(筒群)に設置するガイド板5,5´の例を示す。
【0036】
内筒状体3内に設置される内搬送手段は図8の上部に示すようなガイド板付の内仕切壁であっても、図7に示すようなスパイラル部材であってもよい。
【0037】
図8において外筒状体2と内筒状体3の間の空間15に送入された粉粒片状の固体は、外筒状体2と内筒状体3のそれぞれの回転に伴い、内筒端部筒状体19の外表面に配設されているスパイラル部材20および外仕切壁4とガイド板5,5´の作用により、転動しながら他端部(図8では右端部)の方向に進行し、複数の内筒状体3の他端部に配列してある連通部3Cより内筒状体3の中に進入する。
【0038】
内筒状体3の他端部(図8では右端部)における連通部3Cは必ずしも図8のものに限定されず、例えば図9(C)のように仕切壁4に近接した位置で開口し、また粉粒片状固体の掻き上げ板21を配設するものであってもよい。
【0039】
内筒状体3の中に進入した粉粒片状固体の量は転動に伴って複数の内筒状体3の各々で均等なものとなっており、それぞれの内筒状体3内で内搬送手段の作用により一端部(図8では左端側)に向って移動する。複数の内筒状体3は内筒端部筒状体19にて排出筒22に連通しており、内筒状体3から出た粉粒片状の固体はこの排出筒22の中を進行して、該排出筒22の端部に設けられた円形堰13を経て取出口3Aより装置外に排出される。
【0040】
内筒状体3を複数個設置する場合、その配置は必ずしも図8,図9のものに限定されず、例えば図10に示されるごとくのものであってもよく、且つこれらの内筒状体3の数および断面形状は図8,図9のものに限定されず、例えば6個の8角形断面のものであってもよい。
【0041】
<第三実施形態>
既述の第一および第二実施例は、外筒状体および内筒状体がそれぞれ直筒状の場合であるが、必ずしもこれに限定されず、例えば図11のように錐筒状のものであってもよい。図において、外筒状体2と内筒状体3とは互いに水平軸線に対して逆の広がりをもっていて、粉粒状片固体は底面が下向きに傾斜している方向へ移動するので、該粉粒片状固体は、外筒状体2と内筒状体3の間の環状空間15,15´の中を転動しながら他端側(図11では右端側)に向け移動し、内筒状体3に設けられた開口せる連通部3Cから内筒状体3内へ進入し、該内筒状体3内を送入端たる一端側に向って進行する。
【0042】
図11において、外筒状体2の外部からの加熱により、外筒状体2の内面に付着する傾向を有する被処理物質を剥離するために、図12に示すように内筒状体に仕切壁4を設け、その外縁4´の相対的回転によって付着物が剥離される。
【0043】
<第四実施形態>
既述の第一、第2及び第三実施例においては、外筒状体2と内筒状体3の回転駆動は、両者が独立して駆動を受けて互いに異なる回転数で回転するようになっているが、必ずしもこれに限定されず、駆動源が両者に共通してもよく、例えば図13に示すように、回転せる外筒状体3の他端部に歯車22を設置し、変減速手段23の作用によって歯車22の回転を歯車24に伝達し、これによって内筒状体3を外筒状体2と異なる回転数で駆動することもできる。その際、変減速手段は必ずしも図13のものに限定されず、内筒状体を外筒状体の異なる回転数に駆動するものであればよい。逆に内筒状体を回転し、変減速手段23の作用により外筒状体2を駆動するものであってもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上のように本発明においては、被処理物質として、例えばダイオキシン類あるいはPCBなどの有害物質を含有する粉粒片状の固体を高温に加熱して実質的に完全に分解して無害化し、加熱装置の高温加熱面に付着する被処理物質を定常的に剥離することにより安定連続操作を可能とし、又、加熱された高温固体の保有する多量の熱エネルギーを装置内で効率よく原料の予熱に応用することにより、高温加熱に必要な熱エネルギーの消費量を大幅に低減できる。さらには、高温度での操作が可能になるので反応速度が大きく反応装置としての体積を小さくすることができる。かくして冷却装置が不要となるために建設費を小さくすることができ、加熱エネルギーの大幅低下と相まって、上記汚染物質の除去を低いコストで達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態装置を示す軸線を含む面での断面図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】本実施形態で他の例の装置を示す軸線に直角な面での断面図である。
【図4】本実施形態でさらに他の例の装置を示す軸線に直角な面での断面図である。
【図5】本実施形態でさらに他の例の装置を示す軸線に直角な面での断面図である。
【図6】本実施形態において外搬送手段の他の例を示す軸線を含む面での断面図である。
【図7】本実施形態の内搬送手段の他の例を示す側面図である。
【図8】本発明の第二実施形態装置を示す軸線を含む面での断面図である。
【図9】図8におけるIXA−IXA,IXB−IXB,IXC−IXC断面図である。
【図10】本実施形態で他の例を示す軸線に直角な面での断面図である。
【図11】本発明の第三実施形態装置を示す軸線を含む面での断面図である。
【図12】図11におけるXII−XII断面図である。
【図13】本発明の第四実施形態装置を示す説明図である。
【符号の説明】
1 軸線
2 外筒状体
2A 送入部
3 内筒状体
3A 取出口
3C 連通部
4 外仕切壁
5,5´ 外搬送手段(ガイド板)
6 内仕切壁
7,7´ 内搬送手段(ガイド板)
15,15´ 環状空間

Claims (9)

  1. 実質的に水平な軸線をもち該軸線まわりに回転し外部から加熱を受ける外筒状体内に、該外筒状体に対して独立し少なくとも一時的に該外筒状体と異なる速度で回転せる内筒状体を上記外筒状体内に配設し、上記外筒状体の軸線方向一端側に被処理物質の送入部を有する装置において、外筒状体の一端部及び他端側の少なくとも一方に排気部を設け、上記内筒状体は一端側に取出部を、他端側に外筒状体と内筒状体との間の環状空間と連通する連通部をそれぞれ有し、上記内筒状体の外面には被処理物質を一端側から他端側へ搬送する外搬送手段が設けられ、上記内筒状体内には該内筒状体内の被処理物質を他端側から一端側へ搬送する内搬送手段が設けられていることを特徴とする付着性物質の加熱処理装置。
  2. 内筒状体は、軸線方向に延び、該軸線方向での中間部で、外筒状体と内筒状体の間の環状空間を複数に区画する少なくとも一つの仕切壁を有していることとする請求項1に記載の付着性物質の加熱処理装置。
  3. 外搬送手段そして内搬送手段の少なくとも一方は、外筒状体と内筒状体との間の環状空間そして内筒状体内の内部空間をそれぞれ複数に区画する少なくとも一つの仕切壁の面に設けられた、軸線に対し傾斜せるガイド板を有することとする請求項1に記載の付着性物質の加熱処理装置。
  4. 外搬送手段そして内搬送手段の少なくとも一方は、内筒状体外面に設置されたスパイラル部材そして内筒状体内に設置されたスパイラル部材であることとする請求項1又は請求項3に記載の付着性物質の加熱処理装置。
  5. 内筒状体の外面に設置された外搬送手段の外縁部の一部は外筒状体内面と小さい間隔を保って外筒状体内面に相対的に回転することとする請求項1に記載の付着性物質の加熱処理装置。
  6. 外搬送手段は、外筒状体を一端側に比し他端側が大径であるとすることにより形成されていることとする請求項1に記載の付着性物質の加熱処理装置。
  7. 内搬送手段は、内筒状体を一端側に比し他端側が小径であるとすることにより形成されていることとする請求項1に記載の付着性物質の加熱分解装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のうちの一つに記載の加熱処理装置を用いた被処理物質の加熱処理方法において、外筒状体の一端側に形成された送入部からダイオキシン類、有機塩素化合物、石油系物質を含有する被処理物質を外筒状体とこれに対して独立し少なくとも一時的に該外筒状体と異なる速度で上記外筒状体内で回転せる内筒状体との間の環状空間内へ送入し、上記環状空間内で被処理物質を転動させながら他端側へ搬送し、他端側寄りの領域で該被処理物質を所定温度以上に加熱して物理的そして化学的変化を行なわせ、被処理物質から発生したガスを排気部から排気し、高温度となった被処理物質を、上記環状空間から連通部を経て内筒状体内へ進入させて一端側へ向けて搬送し、搬送中に内筒状体の周壁を介して上記環状体内の被処理物質と熱エネルギー交換を行なわせ、低温化して内筒状体の一端側から取り出すことを特徴とする付着性物質の加熱処理方法。
  9. 所定温度が有害物質の分解温度であることとする請求項8に記載の付着性物質の加熱処理方法。
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