以下、本発明の実施の形態について図面に基いて説明する。
本実施形態は、パチンコホールの島構造体に設置される所謂カード式弾球遊技機と呼ばれる第1種パチンコ機に本発明を適用した場合の一例であり、パチンコホールに設けられた島構造体には、その長さ方向に複数のカード式球貸し機1と複数のパチンコ機2Aとが交互に配設され、カード式球貸し機1はパチンコ機2Aに電気的に接続されている。
図1〜図4に示すように、カード式弾球遊技機であるパチンコ機2Aは、矩形枠状の外枠3と、この外枠3に開閉自在に枢着された前枠4とを有し、カード式球貸し機1をサンドイッチ状に挟持する状態で、外枠3が島構造体(図示略)に取り外し可能に固定されている。前枠4には、遊技盤5が裏側から着脱自在に装着され、遊技盤5の前側に対応させて、窓部6aを有するガラス扉6と発射用の遊技球を貯留する球受け皿8の前面板(図示略)とが夫々開閉自在にヒンジを介して枢着されている。
前枠4の下部には、球受け皿8から溢流し又は抜き取った遊技球を貯留する下皿9と、発射手段10の発射ハンドル11とが設けられている。この発射手段10は、回動操作可能な発射ハンドル11と、この発射ハンドル11を回動操作した回動角度に応じた打撃力で打撃槌12により遊技球を発射させる発射モータ13(図3、図4参照)などを備えている。球受け皿8の右部には、カード式球貸し機1に対する球貸し操作用の操作パネル14が設けられている。
この操作パネル14には、カード残額を3桁の数字で表示するカード残額表示部14aと、所定金額分の遊技球の球貸しを指示する球貸しスイッチ14bと、遊技終了時にカードの返却を指令する返却スイッチ14cとが設けられている。図2に示すように、遊技盤5には、金属製の外レールと内レールとからなり、遊技球を案内するガイドレール15がほぼ環状に設けられている。
このガイドレール15の内側の遊技領域5aには、その中央部に位置するセンターケース25と、そのセンターケース25内に設けられたカラーの液晶ディスプレイ16と、左右の普通図柄始動手段18(ゲート手段又は通過手段)と、複数の普通入賞手段19(この場合、例えば7つ)と、特別図柄始動手段(図柄始動兼入賞手段)20と、大入賞口手段(開閉式入賞手段)21等が夫々所定の位置に配設されるとともに、センターケース25の上側に、多数の微小なドット表示素子をマトリックス状に配置したドット式表示器26が設けられている。
各普通図柄始動手段18には遊技球の通過を検出する球検出手段(図示略)が設けられている。また、複数の普通入賞手段19の各々にも、遊技球の入賞を検出する球検出手段(図示略)が設けられている。尚、遊技領域5aには複数の遊技釘や風車等が設けられているが、図示を省略する。液晶ディスプレイ16は、3つの特別図柄を変動表示する特別図柄表示手段23として機能するとともに、2つの普通図柄を変動表示する普通図柄表示手段24として機能する表示手段22である。
また、表示手段22には、各種のキャラクタの動画、吹き出し等の動作を、特別図柄表示手段23を含む液晶ディスプレイ16の表示画面に図柄背景を伴って演出表示する機能も有する。特別図柄表示手段23は、左図柄を変動表示(縦方向のスクロール表示)する左表示部23aと、中図柄を変動表示する中表示部23bと、右図柄を変動表示する右表示部23cを有し、特別図柄始動手段20に遊技球が入賞することを条件に、これら表示部23a〜23cに特別図柄が所定時間だけ変動表示される。
即ち、特別図柄始動手段20に遊技球が入賞した場合、その入賞タイミングで1つの制御乱数が抽出され、その抽出された制御乱数について、特別図柄の変動前に大当たりに関して判定され、各表示部23a〜23cにおいては、所定時間の変動の後、判定結果に基づいて決定された大当たり図柄態様、リーチ図柄態様、外れ図柄態様の何れかの図柄態様で停止する。
特別図柄の変動中に特別図柄始動手段20に遊技球が入賞した場合には、その入賞数が最大で4個まで保留球として夫々記憶され、図5に示すように、特別図柄始動手段20に入賞する毎に、入賞に伴って取得された保留球情報に基づいてこれら保留ランプ136a〜136d(特別保留球数表示手段136)により所定の表示態様で表示される。4個の保留ランプ136a〜136dは、左側から第1〜第4番目に記憶されている各保留球情報に対応している。ここで保留球情報とは、詳細については後述するが、保留球の個数と、大当り判定乱数値と、大当り図柄乱数値等を含んだ構成とされている。後述する特別保留球数表示手段136は、前記の4個の保留ランプ136a〜136dの各々について、対応する各保留球情報の内容に応じて複数色(複数種類の表示態様)、例えば「赤」と「青」の何れかの発光色により発光させることで、特定図柄の保留球数を報知する。
普通図柄表示手段24は、表示手段22の右下部に、左図柄を変動表示する小型の左表示部24aと、右図柄を変動表示する小型の右表示部24bを有し、左右の普通図柄始動手段18の何れかを通過した遊技球が検出されたとき、各表示部24a,24bに普通図柄を所定時間だけ変動表示する。遊技球が左右何れかの普通図柄始動手段18を通過した場合、その通過タイミングで1つの制御乱数が抽出され、普通図柄の変動前に当たりに関して判定され、各表示部24a,24bにおいては、所定時間の変動表示の後、判定結果に基づいて決定された図柄態様で停止する。
普通図柄表示手段24の変動後に停止した表示部24a,24bにおける普通図柄が当たり態様(これが特定態様に相当する)となった当たり発生時には、特別図柄始動手段20の普通電動手段(所謂、電動式チューリップ)20aが所定時間だけ開放されて入賞し易くなる。これも遊技者に有利な利益状態である。特別図柄始動手段20は、開閉自在な左右1対の開閉爪を図示外のソレノイドアクチュエータで駆動する普通電動手段20aと一体的に構成されたものである。この特別図柄始動手段20にも遊技球の通過を検出する球検出手段(図示略)が設けられている。
大入賞口手段21は前方に開放可能な開閉板21aを備え、通常、開閉板21aは閉じ状態である。しかし、特別図柄表示手段23の変動後に停止した確定図柄が「777」、「444」等の特定態様のとき、所謂「大当たり」と称する特別遊技が開始され、開閉板21aが前方に開放されて遊技者に有利な状態が発生する。この大入賞口手段21の内部に特定入賞領域21b(所謂、Vゾーン)と普通入賞領域(図示略)が設けられ、特定入賞領域21bを遊技球が通過したとき、特別遊技が継続される。
大入賞口手段21の開閉板21aが前方に開放された後、所定時間(例えば、約30秒間)が経過した場合、又は所定数(例えば10個)の遊技球が入賞した場合に特別遊技が終了する。しかし、開閉板21aが閉じるに際して遊技球が特定入賞領域21bを通過していれば、最大所定ラウンド(例えば、16ラウンド)まで特別遊技を継続でき、遊技者に有利な利益状態が付与される。
図3、図4に示すように、前枠4の裏側には、遊技盤5を裏側から押さえる裏機構板30が着脱自在に装着され、この裏機構板30の上側に、基板カバー31で保護された外部出力基板32と、球タンク33と、これから延びるタンクレール34とが設けられ、このタンクレール34に接続された払出し/球貸し手段35が裏機構板30の側部に設けられ、裏機構板30の下側には払出し/球貸し手段35に接続された払出し球誘導路36が設けられている。払出し/球貸し手段35から払出された遊技球は払出し球誘導路36を経由して球受け皿8に払出される。
裏機構板30の略中央部に形成された矩形状開口部30aには、遊技盤5の裏側に装着された裏カバー37が嵌合している。裏カバー37の後面に装着された基板ケース38の内部には、主制御基板39が配設され、その前側には図柄制御基板40が配設されている。そして、液晶ディスプレイ16はこの図柄制御基板40に液晶ドライバ97(図6参照)を介して電気的に接続されている。主制御基板39の下側で、裏カバー37に装着された基板ケース41の内部に音声ランプ制御基板42が設けられている。
この基板ケース41の下側で裏機構板30に装着された基板ケース43の内部には、電源基板44と払出し制御基板45が夫々設けられている。更に、発射手段10の後側に装着された基板ケース46の内部には、発射制御基板47が設けられている。これら制御基板39〜40,42,44〜45,47は夫々独立のプリント基板で構成され、電源基板44と発射制御基板47を除くその他の制御基板39,40,42,45には、CPUとROM及びRAM等を有する1チップ集積回路からなるマイクロコンピュータ(以下、簡単にマイコンと呼ぶ)が夫々設けられている。
主制御基板39とその他の制御基板40,42,45とは、複数本の信号線でコネクタを介して電気的に接続され、主制御基板39から各制御基板42(40),45に、所定の遊技動作を実行させる種々の制御コマンドを基本的に一方向通信にて送信可能になっている。制御コマンドの一方向通信を採用することで、普通図柄や特別図柄の図柄停止に関する不正を確実に防止できるようになっている。但し、主制御基板39は払出し制御基板45からは、払出し完了信号やエラー信号等を受信可能になっている。
次に、パチンコ機2Aの制御装置に予め格納した複数の制御プログラムを介して達成される種々の機能について、図6に示すブロック図に基づいて説明する。但し、これら種々の機能は、前述した各種制御用のマイコン及びそのROMに格納した種々の制御プログラム等により、これらの制御手段50A,80A,90Aで達成される。
主制御基板39上に構成された主制御手段50A(これが遊技制御手段に相当する)は、遊技態様や遊技球の挙動に応じた遊技動作の制御、つまり遊技盤5に設けられた種々の遊技部品20,21や各種の遊技球入賞手段18〜21等に設けられた球検出スイッチ等に対する信号の入出力に関わる遊技盤5の遊技制御を主として司るとともに、後述する音声ランプ制御手段80A、図柄制御手段90A等に必要に応じて制御コマンドを送信出力する。
図柄制御基板40上に構成された図柄制御手段90A(これが演出制御手段に相当する)は、主制御手段50Aから音声ランプ制御手段80Aを介して送信されてくる普通図柄用の変動パターン指定コマンド等に基づいて、各表示部24a,24bの普通図柄を変動制御し、指示された普通図柄態様を表示するように変動停止を制御する。図柄制御手段90Aは、更に、受信した特別図柄用の変動パターン指定コマンド等に基づいて、各表示部23a〜23cの特別図柄を変動制御し、指示された特別図柄態様を表示するように変動停止を制御したり、普通図柄表示手段24を除く表示手段22の略全画面に背景等を演出表示させる演出表示制御を実行する。
音声ランプ制御基板42上に構成された音声ランプ制御手段80Aは、主制御手段50Aから変動パターン指定コマンドを受信し、遊技盤5や前枠4等に設けられた多数の装飾用ランプや演出用ランプ等を含むランプ群87の点灯制御を司るとともに、球受け皿8の裏側に設けられたスピーカ88を駆動制御してサウンド出力制御を司る。音声ランプ制御手段80Aは、更に、主制御手段50Aから保留球数情報コマンドを受信し、特別保留球数表示手段136を制御する。
主制御手段50A(遊技制御手段)は、普通抽選手段151、第1利益状態発生手段152、特別抽選手段153、第2利益状態発生手段154、停止図柄態様選択手段155、変動パターン選択手段156、特別遊技状態発生手段157、保留球数判定手段158、制御コマンド送信手段159等を備えている。
普通抽選手段151は、普通図柄表示手段24の変動後の停止図柄を所定態様とするか否かを抽選するもので、普通乱数発生手段161と、普通乱数取得手段162と、普通乱数記憶手段163と、普通判定手段164を備えている。普通乱数発生手段161は変動後の普通図柄が所定態様(当たり)となる確率が、例えば、1/10のときに0〜9までの10個の当たり判定乱数値を発生する等、その確率に応じた所定数の当たり判定乱数値を繰り返し発生する。
普通乱数取得手段162は、普通図柄始動手段18が遊技球を検出することを条件に普通乱数発生手段161から当たり判定乱数値を1個取得し、その取得した当たり判定乱数値を普通乱数記憶手段163に所定個数(例えば、4個)を限度として記憶する。
普通判定手段164は、普通図柄の変動後の停止図柄を所定態様とするか否か、即ち、第1利益状態を発生させるか否かを判定するもので、普通図柄表示手段24が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段163に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されている場合に、普通乱数記憶手段163に記憶されている当たり判定乱数値のうち最も早く記憶された1個を取出し、その当たり判定乱数値が予め定められた判定値と一致するか否かを判定する当たり判定処理を行い、その当たり判定処理で当たりと判定した場合に所定態様(当たり)の判定を出力する。
第1利益状態発生手段152は、普通判定手段164の判定結果が所定態様判定のときに、普通図柄表示手段24の変動後の普通図柄が所定態様となることに基づいて特別図柄始動手段20の開閉爪20aを所定時間開放させる第1利益状態を発生させる。特別抽選手段153は、特別図柄表示手段23の変動後の停止図柄を特定態様とするか否か等を抽選するもので、特別乱数発生手段165、特別乱数取得手段166、特別乱数記憶手段167、予測用記憶手段167a、特別判定手段168(利益状態判定手段に相当する)等を備えている。
特別乱数発生手段165は、変動後の特別図柄を特定態様とするか否かの判定に用いる大当たり判定乱数値、変動後の特別図柄が特定態様となる場合の図柄種類の決定に用いる大当たり図柄乱数値、変動後の特別図柄が非特定態様となる場合にリーチ変動するか否かの決定に用いるリーチ判定乱数値、変動後の特別図柄が非特定態様となる場合の図柄種類の選択に用いる第1〜第3外れ図柄乱数値、リーチ変動(特定態様となる変動を含む)の場合の変動パターンの決定に用いるリーチ変動パターン乱数値、その他所定の乱数値を繰り返し発生する。
特別乱数取得手段166は、特別図柄始動手段20が遊技球を検出することを条件に、特別乱数発生手段165から大当たり判定乱数値及び大当たり図柄乱数値の2種類の乱数値を保留球情報として夫々1個取得し、それらの保留球情報を、先ず予測(演出)用記憶手段167aに一時的に記憶し、その保留球情報を特別乱数記憶手段167に夫々所定個数(例えば、各4個)を限度として記憶させる。
ここで、特別乱数記憶手段167及び予測用記憶手段167aは、例えば、図7に示すように構成されている。図7(a)に示すように、特別乱数記憶手段167には、保留球数の上限値(4個)と同数の保留球情報記憶エリアA1〜A4及び1つの保留球数記憶エリアA0が設けられている。
保留球情報記憶エリアA1〜A4には、大当たり判定乱数値と大当たり図柄乱数値とを夫々1個ずつ記憶可能である。以下の説明では、保留球情報記憶エリアA1〜A4内の大当たり判定乱数値の記憶エリアを夫々大当たり判定用記憶エリアA11〜A41、大当たり図柄乱数値の記憶エリアを夫々大当たり図柄用記憶エリアA12〜A42とする。
また、保留球数記憶エリアA0には、この特別乱数記憶手段167に記憶されている保留球情報の個数(組数)、即ち、特別保留球数が格納され、常に最新の状態に変更されるようになっている。また、図7(b)に示すように、予測用記憶手段167aには、遊技者に有利な利益状態を予測するために、大当たり判定乱数値及び大当たり図柄乱数等を夫々記憶するための2つの記憶エリアB1,B2が、例えば1組だけ設けられている。
特別乱数取得手段166は、特別図柄始動手段20が遊技球を検出したとき、その時点の特別保留球数(保留球数記憶エリアA0に記憶されている保留球の数)が所定の上限個数(例えば、4個)未満であれは、特別乱数発生手段165から大当たり判定乱数値及び大当たり図柄乱数値を夫々1個取得し、それら各乱数値を、予測用記憶手段167aに格納してから、特別乱数記憶手段167の4つの記憶エリアA1〜A4の空きエリアに前詰めで(例えば、直前の特別変動保留球数が3個の場合には記憶エリアA4に)格納するとともに、保留球数記憶エリアA0に記憶されている特別変動保留球数を1つインクリメントする。
特別判定手段168は,特別図柄表示手段23が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段167に1組以上の保留球情報が記憶されている場合に、その第1番目の大当たり判定乱数値を大当たり判定用記憶エリアA11から読み出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値(例えば、「7」)と一致するか否かの判定結果を出力する。第2利益状態発生手段154は、特別判定手段168から特定態様の判定出力を受けたときに、特別図柄表示手段23の変動後の特別図柄が「7・7・7」等の特定態様となることに基づいて、遊技者に有利な第2利益状態を発生させる。
停止図柄態様選択手段155は、特別図柄の変動後の停止図柄態様を選択するもので、特別判定手段168の判定結果が特定態様判定のときには、特別乱数記憶手段167の大当たり図柄用記憶エリアA12から大当たり図柄乱数値を読み出し、この大当たり図柄乱数値に基づいて特定態様の図柄を選択し、非特定態様判定のときには、特別乱数発生手段165からリーチ判定乱数値及び第1〜第3外れ図柄乱数値を取得して、これらリーチ判定乱数値と第1〜第3外れ図柄乱数値とに基づいて非特定態様の図柄を選択するようになっている。
変動パターン選択手段156は、特別判定手段168の判定結果と、停止図柄態様選択手段155の選択結果と、リーチ変動パターン乱数値とに基づいて、複数の変動パターンのうちから1つを択一的に選択するのもで、特別乱数発生手段165からリーチ変動パターン乱数値を取得して、特別判定手段168の判定結果が特定態様判定の場合には、リーチ変動パターン乱数値に基づいて13個のリーチ大当たり変動パターンの何れかを、特別判定手段168の判定結果が非特定態様判定で且つ停止図柄態様選択手段155でリーチなし変動に対応する停止図柄が選択された場合には、リーチなし外れ変動パターンを、特別判定手段168の判定結果が非特定態様判定で且つ停止図柄態様選択手段155でリーチ変動に対応する停止図柄が選択された場合には、リーチ変動パターン乱数値に基づいて8個のリーチ外れ変動パターンの何れかを、夫々選択するようになっている。
リーチ変動パターン乱数値とリーチ変動パターンとの対応関係は、例えば図8に示すように設定されている。尚、特別図柄表示手段23が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段167に1組以上の保留球情報が記憶されている場合には、上述した特別判定手段168及び停止図柄態様選択手段155によって特別乱数記憶手段167の記憶エリアA1から各保留球情報が読み出された後、記憶エリアA2〜A4に記憶されている各保留球情報が夫々記憶エリアA1〜A3にシフトされるとともに、保留球数記憶エリアA0に記憶されている特別保留球数の値から1が減算される。
特別遊技状態発生手段157は、第2利益状態の終了後(又は発生後)に、遊技者に有利となる特別遊技状態を発生させるもので、停止図柄態様選択手段155で特定態様のうちの特別特定態様が選択され、変動後の特別図柄が特別特定態様となることを条件に、第2利益状態の終了後に、特別図柄が特定態様となる確率を通常確率状態(例えば、1/200等の低確率)から高確率(例えば、1/50)へと変化させるとともに、普通の当たり発生時に第1利益状態発生手段152による特別図柄始動手段20の開閉爪20aの開放時間を通常よりも長く延長する。
特別遊技状態発生手段157は、特別図柄が特定態様のうちの通常特定態様となって次の第2利益状態が発生するか、特別図柄が予め定められた所定回数変動するか、或いは特別図柄始動手段20に予め定められた所定個数の遊技球が入賞した場合に、その作動を終了し、特定態様の発生確率を高確率から低確率に切換えて、特別遊技状態を終了させる。
保留球数判定手段158は、特別図柄用の保留球数の変化に関する判定を行うもので、増加時判定手段158aと減少時判定手段158bとを備えている。増加時判定手段158aは、特別保留球数が増加したときに、予測用記憶手段167aに新たに記憶された保留球情報の1つである大当たり図柄乱数値に基づいて、その保留球情報に基づく特別図柄における停止図柄が特定態様となった場合に、その図柄が奇数図柄となるか偶数図柄となるか、即ち、その特定態様が特別遊技状態の発生の条件となる特別特定態様となるか否かを判定する特定態様図柄判定手段170により構成されており、特別図柄始動手段20が遊技球を検出し且つその検出に関する保留球情報が予測用記憶手段167aに記憶されたときに、特別保留球数が増加したものと判断して作動する。
従って、特別図柄始動手段20が遊技球を検出した場合でも、その時点の特別保留球数が上限値(4個)の場合には作動しない。また、本実施形態の増加時判定手段158aは、特別図柄の変動後の停止図柄が特定態様となる場合にその図柄が奇数図柄となるか偶数図柄となるかの判定に加えて、特別図柄の変動後の停止図柄が特定態様となるか否かについても判定するようになっている。
増加時判定手段158aは、予測用記憶手段167aに新たに保留球情報(大当たり判定乱数値及び大当たり図柄乱数値)が記憶されると、大当たり判定用記憶エリアB1から大当たり判定乱数値を、大当たり図柄用記憶エリアB2から大当たり図柄乱数値を夫々読み出し、大当たり判定乱数値に基づいて特定態様となるか否かを、大当たり図柄乱数値に基づいて奇数図柄となるか偶数図柄となるかを夫々判定し、その判定結果に基づいて複数種類の入賞状態のうちの1つを選択する。
本実施形態では、増加時判定手段158aで選択される複数種類の入賞状態として、図10に示すように、入賞状態1〜4の4種類を設けている。入賞状態1は特定態様/奇数図柄を、入賞状態2は特定態様/偶数図柄を、入賞状態3は非特定態様/奇数図柄を、入賞状態4は非特定態様/偶数図柄を、夫々表している。但し、各入賞状態における奇数図柄又は偶数図柄は、特定態様となった場合に採用されるものであり、入賞状態3,4の場合には、特別図柄は非特定態様となるため、奇数図柄/偶数図柄の別は実際の図柄変動には反映されない。
減少時判定手段158bは、特別保留球数の減少を判定するもので、例えば、特別乱数記憶手段167の保留球数記憶エリアA0に記憶されている特別保留球数の変化を所定時間間隔(例えば、4msec間隔)でチェックし、その特別保留球数の値が前回よりも減少したときに、特別保留球数が減少したことを判定する。
制御コマンド送信手段159は、所定の制御コマンドを音声ランプ制御手段80A、図柄制御手段90A等のサブ基板側に送信して制御指令を与えるもので、普通図柄表示手段24が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段163に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されている場合に、普通判定手段164の判定結果に基づいて普通図柄の変動制御コマンドを音声ランプ制御手段80Aを経由して図柄制御手段90Aに送信する機能、特別図柄表示手段135が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段167に1組以上の保留球情報が記憶されている場合に、特別判定手段168の判定結果、停止図柄態様選択手段155で選択された停止図柄態様、変動パターン選択手段156で選択された変動パターン等に基づいて、変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、変動停止コマンド等の特別図柄の変動制御コマンドを音声ランプ制御手段80Aを経由して図柄制御手段90Aに送信する機能、普通保留球数が変化したときに、その変化後の普通保留球数に対応する普通保留表示指定コマンドを音声ランプ制御手段80Aに送信する機能、特別保留球数が変化したときに、その変化後の特別保留球数に対応する特別保留表示指定コマンドを音声ランプ制御手段80A側に送信する機能、特別保留球数が増加したときに、増加時判定手段158aで選択された入賞状態に基づいて入賞状態指定コマンドを音声ランプ制御手段80A側に送信する機能等を備えている。
尚、本実施形態では、特別図柄の変動制御コマンドを構成する変動パターンコマンドは、図8に示すように、22種類の変動パターンに対して夫々「A001〔H〕」〜「A016〔H〕」が割り当てられている。また、特別保留表示指定コマンド(これが保留表示コマンドに相当する)は、図9に示すように、変化後の特別保留球数1〜4及び0個に対応して「D001〔H〕」〜「D005〔H〕」が割り当てられている。
この場合、入賞状態指定コマンド(これが予告演出コマンドに相当する)として、図10に示すように、入賞状態1〜4に対応して「C001〔H〕」〜「C004〔H〕」が割り当てられている。尚、この入賞状態指定コマンドは、保留球情報の内容に対応する保留球情報指定コマンドの一例である。また、本実施形態では、特別保留球数が増加したとき、特別保留表示指定コマンドを入賞状態指定コマンドよりも優先して送信するように構成されている。
音声ランプ制御手段80Aは、ランプ群87、スピーカ88、普通保留球数表示手段132、特別保留球数表示手段136等の制御を行うもので、ランプ制御手段171、音声制御手段172、普通保留球数表示制御手段173、表示態様選択手段183、特別保留球数表示制御手段184(これが保留表示制御手段に相当する)等を備えている。ランプ制御手段171は、ランプ群87の発光制御を行うもので、特別図柄の変動表示と同期して、例えば、その変動パターンに対応する発光パターンでランプ群87を発光させる他、第1,第2利益状態や特別遊技状態の発生等の遊技状態に応じて所定の発光パターンでランプ群87を発光させるようになっている。
音声制御手段172は、スピーカ88の制御を行うもので、特別図柄の変動表示と同期してスピーカ88から例えば、その変動パターンに対応する所定のサウンドを出力させる他、第1,第2利益状態や特別遊技状態の発生等の遊技状態に応じて所定のサウンドをスピーカ88から出力させる。普通保留球数表示制御手段173は、普通保留球数表示手段132の表示制御を行うもので、主制御手段60から送信される普通保留表示指定コマンドに基づいて、普通保留球数表示手段132のランプを普通保留球数分だけ点灯させる。
表示態様選択手段183は、特別保留球数表示手段136による特別保留球数の表示に用いる表示態様を選択するもので、主制御手段50からの入賞状態指定コマンドに基づいて、増加分の変動記憶表示に用いる表示態様を複数種類、例えば「青」、「赤」の2種類のうちから選択するようになっている。例えば、入賞状態指定コマンドが入賞状態2又は入賞状態4に対応するものであった場合には、「青」の表示態様が選択され、入賞状態指定コマンドが入賞状態3に対応するものであった場合には「赤」の表示態様が選択され、入賞状態指定コマンドが入賞状態1に対応するものであった場合には「赤」と「青」の何れかが所定の選択率、例えば、9:1の割合で選択されるようになっている。
これにより、特別保留球数表示手段136の保留球ランプ136a〜136dの何れかが、例えば、「赤」で発光した場合に、その保留数表示に対応する特別図柄の変動において特定態様となった場合には、その図柄は必ず奇数(即ち、特別特定態様)となる。一方、「青」で発光した場合に、その保留数表示に対応する特別図柄の変動において特定態様となった場合には、図柄は高い確率で偶数(即ち、通常特定態様)となるが、「青」で発光したとしても、奇数図柄による特定態様となる可能性もある。
従って、遊技者は、特別保留球数表示手段136の表示態様(発光色)によって、その保留数表示に対応する特別図柄の変動において特定態様となった場合に、それが特別特定態様となるか否かについて予測することができるとともに、例え、自分に不利な通常特定態様に対応する「青」の表示態様となった場合であっても、実際の変動では自分に有利な特別特定態様となることを信じて弾球遊技をするようになり、予告演出の演出性を大いに高めることができ、大当たりに対する期待感を持って遊技を行うことができる。
尚、入賞状態1に対して「青」の表示態様が選択された場合には、その旨の情報が図柄制御手段90Aの特別図柄制御手段182に送信される。特別保留球数表示制御手段184は、特別保留球数表示手段136の表示制御を行うもので、主制御手段50からの特別保留表示指定コマンド、特別図柄の変動制御コマンド(例えば、変動パターンコマンド)、及び表示態様選択手段183による選択結果に基づいて、保留球ランプ136a〜136dの1つ又は複数により、複数種類の表示態様(「青」又は「赤」での発光)の何れかに基づく保留数表示を行って、その保留数表示の数により、特別保留球数を報知させる。
即ち、特別保留球数表示制御手段184は、主制御手段50から特別保留球数の増加に対応する特別保留表示指定コマンドを受信すると、保留球ランプ136a〜136dのうちの今回の増加分に対応する1個を発光させる。尚、この時点(増加に対応する特別保留表示指定コマンドを受信した時点)ではまだ入賞状態指定コマンドを受信しておらず、表示態様選択手段183による表示態様の選択結果も出ていないため、その増加分に対応するランプは取り敢えず、仮の態様、例えば「青」で発光させればよい。
そして、主制御手段50から入賞状態指定コマンドを受信し、表示態様選択手段183により所定の表示態様が選択されると、特別保留球数表示制御手段184は、仮の態様、例えば「青」で発光させたばかりの増加分に対応するランプの表示態様を、表示態様選択手段183で選択された表示態様に切換える。勿論、表示態様選択手段183で選択された表示態様が仮の表示態様と同じであれば、結果的に表示態様は変化しないことになる。
一方、主制御手段50からの特別保留表示指定コマンドが保留球数の減少に基づく場合には、特別保留球数表示制御手段184は、保留球ランプ136a〜136dの保留数表示を1つずつ前側(第1ランプ136a側)にシフトさせる。このとき、特別保留球数表示制御手段184は、保留球数の減少による特別保留表示指定コマンドを受信した時点では、表示態様はそのままで、保留球ランプ136a〜136dの発光個数のみを1個減少させ、その後に主制御手段50から特別図柄の変動制御コマンド、例えば、変動パターンコマンドを受信したときに、表示態様を前側にシフトさせるようになっている。
これは、特別図柄始動手段20による遊技球の検出と、特別図柄の変動開始とが略同時に発生して、減少時判定手段158bにより特別保留球数の減少が検出できなかった場合でも、確実に保留数表示のシフトを行わせるためである。即ち、表示態様のシフトを、減少時判定手段158bにより特別保留球数の減少が検出されることを条件に送信される特別保留表示指定コマンドではなく、特別図柄の変動開始時に必ず送信される変動パターンコマンドに基づいて行うようにすることで、特別保留球数の減少に合わせて表示態様を確実にシフトさせることができる。
図柄制御手段90Aは、普通図柄表示手段24、特別図柄表示手段23等の各表示手段の表示制御を行うもので、普通図柄制御手段181、特別図柄制御手段182等を備えている。普通図柄制御手段181は、普通図柄表示手段24の表示制御を行うもので、主制御手段60からの普通図柄の変動制御コマンドに基づいて普通図柄表示手段24の普通図柄を所定時間変動させて、普通判定手段164の判定結果が所定態様判定のときに「7」等の所定態様で、それ以外のときに非特定態様で普通図柄を停止させる。
特別図柄制御手段182は、主制御手段50からの特別図柄の変動制御コマンドに基づいて、例えば、変動パターンコマンドで指定された変動パターンに従って、特別図柄表示手段23の特別図柄を変動開始させ、所定時間の変動後に主制御手段50から変動停止コマンドを受信したとき、停止図柄コマンドで指定された停止図柄となるようにその変動を停止させるように構成されているが、更に、音声ランプ制御手段80Aから所定の保留球情報について入賞状態1に対応して「青」の表示態様が選択された旨の情報を受信した場合には、その保留球情報に対応する特別図柄の変動表示においては、例えば、先ず偶数図柄による特定態様(通常特定態様)で変動を仮停止させた後、全図柄を再変動させて奇数図柄による特145(特別特定態様)で最終停止させるように構成されている。
次に、このように構成されたパチンコ機2Aにおける作動について、図11〜図13のフローチャートについて、図14に示す画像表示説明図を参照しつつ、特別保留球数の表示に関連する動作について説明する。
特別図柄始動手段20の開閉爪26aが開放して遊技球が入賞し、この特別図柄始動手段20が遊技球を検出した場合、その時点の特別保留球数が所定の上限個数(4個)未満であれば(S91:Yes) 、遊技球の特別図柄始動手段20への入賞時に、特別乱数取得手段166が、特別乱数発生手段165から大当たり判定乱数値と大当たり図柄乱数値を夫々取得し、大当たり判定乱数値が予測用記憶手段167aの記憶エリアB1に格納され(S92)、また大当たり図柄乱数値が予測用記憶手段167aの記憶エリアB2に格納される(S93)。
次に、この時点における特別保留球数が「3個」の場合には(S94:Yes) 、それら乱数値が、記憶エリアA41,A42に格納される(S94a,S94b) 。しかし、特別保留球数が「2個」の場合には(S95:Yes) 、それら乱数値が記憶エリアA31,A32に格納される(S95a,S95b) 。しかし、特別保留球数が「1個」の場合には(S96:Yes) 、それら乱数値が記憶エリアA21,A22に格納される(S96a,S96b) 。ところで、特別保留球数が「0個」の場合には(S96:No)、それら乱数値が記憶エリアA11,A12に格納される(S97a,S97b) 。次に、特別乱数記憶手段167の保留球数記憶エリア0に記憶されている特別保留球数が1つインクリメントされる(S98)。
次に、予測用記憶手段167aに新たに大当たり判定乱数値と大当たり図柄乱数値の2つの保留球情報が記憶されると、保留球数判定手段158の増加時判定手段158aは、大当たり判定用記憶エリアB1から大当たり判定乱数値を読み出すとともに、大当たり図柄用記憶エリアB2から大当たり図柄乱数値を夫々読み出し、大当たり判定乱数値に基づいて特定態様となるか否かを判定するとともに、大当たり図柄乱数値に基づいて奇数図柄となるか偶数図柄となるかを夫々判定し、その判定結果に基づいて複数種類の入賞状態のうちの1つを選択する。
即ち、これらの判定の結果、特定態様判定で且つ奇数図柄判定の場合には(S99:Yes,S100:Yes)、入賞状態1が選択される(S100a)。また、これらの判定の結果、特定態様判定で且つ偶数図柄の場合には(S99:Yes,S100:No) 、入賞状態2が選択される(S 100b)。また、これらの判定の結果、非特定態様判定で且つ奇数図柄判定の場合には(S99:No,S101:Yes)、入賞状態3が選択される(S101a)。また、これらの判定の結果、非特定態様判定で且つ偶数図柄判定の場合には(S99:No,S101:No) 、入賞状態4が選択される(S101b)。
次に、制御コマンド送信手段159が、増加後の特別保留球数に基づいて特別保留表示指定コマンドを音声ランプ制御手段80Aに送信し(S102 )、増加時判定手段158aの選択結果に基づいて入賞状態指定コマンドを音声ランプ制御手段80Aに送信する(S103 )。例えば、増加後の特別保留球数が「1個」で且つ増加時判定手段158aによる選択結果が「入賞状態1」であれば、特別保留表示指定コマンド「D001〔H〕」と、入賞状態指定コマンド「C001〔〔H〕〕」とが順次送信される。
ここで、特別保留表示指定コマンドが保留表示コマンドに相当し、入賞状態指定コマンドが予告演出コマンドに相当する。また、S102,S103 がコマンド作成制御手段に相当する。
一方、特別保留球数が「4個」で且つ増加時判定手段158aの選択結果が「入賞状態4」であれば、特別保留表示指定コマンド「D004〔H〕」と、入賞状態指定コマンド「C004〔H〕」とが、順次送信される(図9,図10参照)。尚、S96における特別保留球数の加算処理は、特別図柄始動手段20による遊技球の検出直後であれば、どのようなタイミングで行ってもよく、例えば、保留球情報を特別乱数記憶手段167に記憶する前や、特別保留表示指定コマンドの送信後等に行ってもよい。音声ランプ制御手段80Aにより、主制御手段50から特別保留球数の増加に対応する特別保留表示指定コマンドを受信すると、特別保留球数表示制御手段184による特別保留球数の表示が更新される。
尚、以下の説明では、特別保留球数表示制御手段184による保留球ランプ136a〜136dに対する表示(発光)の有無の設定を「xxxx」、表示態様(発光色)の設定を「yyyy」、保留球ランプ136a〜136dの実際の表示状態を「zzzz」で示す。ここで、各設定における4つのx,y,zは夫々保留球ランプ136a〜136dに対応しており、xは「1(発光有り)」又は「0(発光なし)」、yは「1(赤)」又は「0(青)」、zは「R(赤発光)」、「B(青発光)」、又は「−(消灯)」とし、x=「1」で且つy=「1」の場合にはz=「R」、x=「1」で且つy=「0」の場合にはz=「B」、x=「0」の場合にはyの値に関わらずz=「−」とする。
即ち、特別保留球数表示制御手段184は、先ずその特別保留表示指定コマンドに基づいて、特別保留球数表示手段136の保留球ランプ136a〜136dのうち、今回の増加分に対応する1個を発光させる。但し、この時点(増加に対応する特別保留表示指定コマンドを受信した時点)ではまだ入賞状態指定コマンドを受信しておらず、表示態様選択手段183による表示態様の選択結果も出ていないため、その増加分に対応するランプは取り敢えず、仮の表示態様、例えば、「青」で発光させる。
例えば、特別保留球数表示手段136の保留球ランプ136a〜136dの2つが共に「青」で発光している状態(特別保留球数2個を表示している状態)で、保留球数3個に対応する特別保留表示指定コマンド「D003〔H〕」を受信した場合には、特別保留球数表示制御手段184は、先ず表示有無設定を「1110」、表示態様設定を「0000」とする。これにより、保留球ランプ136a〜136dの表示状態は「BBB−」となる(図14(a)→(b))。
続いて、主制御手段50から入賞状態指定コマンドを受信すると、表示態様選択手段183が、その入賞状態指定コマンドに基づいて、増加分の保留数表示に用いる表示態様を「青」、「赤」の2種類のうちから選択する。このとき、入賞状態所定コマンドが入賞状態2に対応する「C002〔H〕」又は入賞状態4に対応する「C004〔H〕」であれば、「青」の表示態様が、入賞状態所定コマンドが入賞状態3に対応する「C003〔H〕」であれば「赤」の表示態様が選択され、入賞状態指定コマンドが入賞状態1に対応する「C001〔H〕」であれば、「赤」と「青」の何れかが、例えば、9:1の割合で選択される。
表示態様選択手段183により表示態様が選択されると、特別変動保留球数表示制御手段184は、今回の増加分に対応するランプの表示態様を表示態様選択手段183で選択された表示態様に切換える。例えば、表示態様選択手段183で「赤」の表示態様が選択された場合には、特別変動保留球数表示制御手段184は、表示態様選択のみを「0000」から「0010」に切換える。これにより、保留球ランプ136a〜136dの表示状態は「BBB−」から「BBR−」へと変化する(図14(b)→(c))。
それ故、遊技者は特別保留球数が2個から3個に増加し、またその増加分の保留球情報に対応する特別図柄の変動においては、停止図柄が特定態様となればそれは必ず奇数図柄、即ち、特別特定態様となることを認識することができる。尚、特別保留表示指定コマンドを受信したときに、その増加分に対応するランプを取り敢えず仮の表示態様(例えば、「青」)で発光させるのではなく、特別保留表示指定コマンドを受信した後、更に入賞状態指定コマンドを受信して、表示態様選択手段183により増加分の保留数表示に用いる表示態様が選択された時点で、初めてその増加分に対応するランプを発光させるようにしてもよい。
但し、特別特定態様である入賞状態指定コマンド「C001〔H〕」を受信した場合、「赤」と「青」の何れを点灯させるに際しても、先ず数秒間だけ点滅表示させてから、「赤」又は「青」を点灯させるようにしてもよい。
例えば、特別図柄の変動が終了して特別図柄表示手段23の変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段167に1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されている場合(特別保留球数が1個以上の場合)には(図14(d))、特別判定手段168が、特別乱数記憶手段167の大当たり判定用記憶エリアA11から大当たり用判定乱数値を取出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値(例えば、7)と一致すれば、特定態様の判定結果を出力し、大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致しなければ非特定態様の判定結果を出力する。
そして、停止図柄態様選択手段155が、特別図柄の変動後の停止図柄を選択する。即ち、特別判定手段168の判定結果が特定態様判定のときには、停止図柄態様選択手段155は、特別乱数記憶手段167に記憶されている大当たり図柄乱数値を大当たり図柄用記憶エリアA12から読み出し、この大当たり図柄乱数値に基づいて特定態様の図柄を選択する。例えば、大当たり図柄乱数値が「0」でなれば、選択される特定図柄態様は「0・0・0」となり、大当たり図柄乱数値が「7」であれば、選択される特定態様図柄は「7・7・7」となる。
一方、特別判定手段168の判定結果が非特定態様判定のときには、停止図柄態様選択手段155は、特別乱数発生手段165からリーチ判定乱数値及び第1〜第3外れ図柄乱数値を取得して、これらリーチ判定乱数値と第1〜第3外れ図柄乱数値とに基づいて非特定態様の図柄を選択する。例えば、リーチ判定乱数値が10未満の場合にはリーチ変動とし(図8参照)、第1〜第3外れ図柄乱数値に基づいてリーチ変動に対応する非特定態様、例えば、「2・6・2」等が選択され、リーチ判定乱数値が10以上の場合にはリーチなし変動とし(図8参照)、第1〜第3外れ図柄乱数値に基づいてリーチなし変動に対応する非特定態様、例えば、「2・7・6」等が選択される。
また、変動パターン選択手段156が、特別乱数発生手段165からリーチ変動パターン乱数値を取得して、このリーチ変動パターン乱数値と、特別判定手段168の判定結果と、停止図柄態様選択手段155の選択結果とに基づいて、複数の変動パターンのうちから1つを選択する。例えば、図8に示すように、特別判定手段168の判定結果が特定態様判定の場合に、リーチ変動パターン乱数値が「5」であれば「ノーマルリーチ3大当たり変動パターン」が選択され、リーチ変動パターン乱数値が「15」であれば「ゾウリーチ2大当たり変動パターンが選択され、リーチ変動パターン乱数値が「29」であれば「キリンリーチ大当たり変動パターン」が選択される。
また、特別判定手段168の判定結果が非特定態様判定で且つ停止図柄態様選択手段155でリーチ変動に対応する停止図柄が選択された場合には、リーチ変動パターン乱数値が「5」であれば「ノーマルリーチ1外れ変動パターン」が選択され、リーチ変動パターン乱数値が「15」であれば「ライオンリーチ1外れ変動パターン」が選択され、リーチ変動パターン乱数値が「29」であれば「ダチョウリーチ2外れ変動パターン」が夫々選択される。また、特別判定手段168の判定結果が非特定態様判定で且つ停止図柄態様選択手段155でリーチなし変動に対応する停止図柄が選択された場合には、リーチなし外れ変動パターンが選択される。
次に、特別図柄の変動開始時に実行される変動制御コマンド送信制御のフローチャートについて、図13に基づいて説明する。
このように、特別判定手段168及び停止図柄態様選択手段155により、特別乱数記憶手段167の記憶エリアA1から各保留球情報が読み出されると、特別乱数記憶手段167の記憶エリアA2〜A4に記憶されている各保留球情報が夫々記憶エリアA1〜A3にシフトされ(S111 )、更に保留球数記憶エリアA0に記憶されている特別保留球数の値から1が減算される(S112 )。
そして、保留球数判定手段158の減少時判定手段158bが特別保留球数の減少を判定し、これに基づいて制御コマンド送信手段159が図柄制御手段90Aに特別保留表示指定コマンドを送信する。即ち、減少後の特別保留球数が3個の場合には(S113:Yes )、特別保留表示指定コマンド「D003〔H〕」が送信され( S113a)、2個の場合には(S114:Yes)、特別保留表示指定コマンド「D002〔H〕」が送信され(S114a)、1個の場合には(S115:Yes)、特別保留表示指定コマンド「D001〔H〕」が送信され(S115a)、0個の場合には(S115:No) 、特別保留表示指定コマンド「D005〔H〕」が送信される(S 116a)。
制御コマンド送信手段159は、その特別保留表示指定コマンドの送信と略同時に、変動パターンコマンド、左停止図柄コマンド、右停止図柄コマンド、中停止図柄コマンドを図柄制御基板43及び音声ランプ制御基板42側に送信して特別図柄の変動開始を指示する(S117 )。音声ランプ制御手段80Aでは、先ず主制御手段50側から受信した特別保留球数の減少に対応する特別保留表示指定コマンドに基づいて、特別保留球数表示制御手段184が、表示態様はそのままで第1〜第4ランプ1 36a〜1 36dの発光個数のみを1個減少させる。
例えば、表示有無設定が「1110」、表示態様設定が「0010」で、保留球ランプ136a〜136dの表示状態が「BBR−」となっているときに、特別保留表示指定コマンド「D002〔H〕」を受信すると、特別保留球数表示制御手段184は表示有無設定のみを「1110」から「1100」に切換える。これにより、第1〜第4ランプ36a〜36dの表示状態が「BBR−」から「BB−−」へと変化する(図14(c),(d))。
そして、特別保留球数表示制御手段184は、主制御手段50から特別図柄の変動制御コマンド、例えば、変動パターンコマンドを受信することに基づいて、保留球ランプ136a〜136dの表示状態を前側にシフトさせる。即ち、表示態様設定を「0010」から「0100」に切換える(図14(d),(e))。これにより、保留球ランプ136a〜136dの表示状態は、「BB−−」から「BR−−」へと変化して、特別保留球数の減少による表示態様のシフトが完了する。
このように、表示態様のシフトを、減少時判定手段58aにより特別保留球数の減少が検出されことを条件に送信される特別保留表示指定コマンドではなく、特別図柄の変動開始時に必ず送信される変動パターンコマンド等に基づいて行うようにすることで、例えば、特別図柄始動手段20による遊技球の検出と特別図柄の変動開始とが略同時に発生して、減少時判定手段158bにより特別保留球数の減少が検出できなかった場合でも、確実に保留数表示をシフトさせることができる。
ここで、保留球の表示を保留球ランプ136a〜136dに代えて、保留球の表示を、例えば、特別図柄表示手段23の一部の表示領域、或いは別途設けた専用の小型の液晶表示器等に表示させるようにしてもよい。また、保留球ランプ136a〜136dを「青」又は「赤」に発光させる予告演出に代えて、特別図柄表示手段23の一部の表示領域、或いは別途設けた専用の小型の液晶表示器等により予告演出する場合、登場させるキャラクタの数を追加表示したり、表示領域の背景や形状を変化させる演出であってもよい。
また、図柄制御手段90Aでは、特別図柄制御手段182の制御により、主制御手段50からの変動パターンコマンド、左停止図柄コマンド、右停止図柄コマンド、中停止図柄コマンドに基づいて特別図柄表示手段23による特別図柄の変動が開始される(図14(e))。特別図柄の変動後、その変動パターンに応じた所定の変動時間が経過した時点で、制御コマンド送信手段159から図柄制御手段90Aに変動停止コマンドが送信され、この変動停止コマンドを受信した特別図柄制御手段182は、変動表示中の特別図柄を左、右、中の各停止図柄コマンドで所定された停止図柄で停止し、停止図柄を確定させる。
尚、例えば、その特別図柄の変動が表示態様選択手段183において入賞状態1に対して「青」の表示態様が選択された保留球情報に対応するものであった場合には、音声ランプ制御手段80Aから受信したその旨の情報に基づいて、特別図柄制御手段182は、先ず特別図柄を偶数図柄による特定態様(通常特定態様)で仮停止させた後(図14(f),(g))、全図柄を再変動させて奇数図柄による特定態様(特別特定態様)で最終停止させる(図14(h),(i))。このように、特別図柄の変動表示を、特別保留球数表示手段136による内部抽選結果とは異なる演出表示(入賞状態1に対して「青」の表示態様を用いる演出表示)に対応させることで、演出効果が更に向上する。