以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
パチンコホールに設けられた島構造体には、その長さ方向に複数のカード式球貸し機1と複数のパチンコ機2とが交互に配設され、カード式球貸し機1はパチンコ機2に電気的に接続されている。
図1〜図4に示すように、カード式弾球遊技機であるパチンコ機2は、矩形枠状の外枠3と、この外枠3に開閉自在に枢着された前枠4とを有し、カード式球貸し機1をサンドイッチ状に挟持する状態で、外枠3が島構造体(図示略)に取り外し可能に固定されている。前枠4には、遊技盤5が裏側から着脱自在に装着され、遊技盤5の前側に対応させて、窓部6aを有するガラス扉6と発射用の遊技球を貯留する球受け皿8の前面板(図示略)とが夫々開閉自在にヒンジを介して枢着されている。
前枠4の下部には、球受け皿8から溢流し又は抜き取った遊技球を貯留する下皿9と、発射手段10の発射ハンドル11とが設けられている。この発射手段10は、回動操作可能な発射ハンドル11と、この発射ハンドル11を回動操作した回動角度に応じた打撃力で打撃槌12により遊技球を発射させる発射モータ13(図3、図4参照)などを備えている。球受け皿8の右部には、カード式球貸し機1に対する球貸し操作用の操作パネル14が設けられている。
この操作パネル14には、カード残額を3桁の数字で表示するカード残額表示部14aと、所定金額分の遊技球の球貸しを指示する球貸しスイッチ14bと、遊技終了時にカードの返却を指令する返却スイッチ14cとが設けられている。図2に示すように、遊技盤5には、金属製の外レールと内レールとからなり、遊技球を案内するガイドレール15がほぼ環状に設けられている。
このガイドレール15の内側の遊技領域5aには、その中央部に位置するセンターケース25と、そのセンターケース25内に設けられたカラーの液晶ディスプレイ16と、左右の普通図柄始動手段18(ゲート手段又は通過手段)と、複数の普通入賞手段19(この場合、例えば7つ)と、特別図柄始動手段(図柄始動兼入賞手段)20と、大入賞口手段(開閉式入賞手段)21等が夫々所定の位置に配設されるとともに、センターケース25の上側に、多数の微小なドット表示素子をマトリックス状に配置したドット式表示器26が設けられている。
各普通図柄始動手段18には遊技球の通過を検出する球検出手段(図示略)が設けられている。また、複数の普通入賞手段19の各々にも、遊技球の入賞を検出する球検出手段(図示略)が設けられている。尚、遊技領域5aには複数の遊技釘や風車等が設けられているが、図示を省略する。液晶ディスプレイ16は、3つの特別図柄を変動表示(縦方向のスクロール表示)する特別図柄表示手段23として機能するとともに、2つの普通図柄を変動表示する普通図柄表示手段24として機能する表示手段22である。
また、表示手段22には、各種のキャラクタの動画、吹き出し等の動作を、特別図柄表示手段23を含む液晶ディスプレイ16の表示画面に図柄背景を伴って演出表示する機能も有する。特別図柄表示手段23は、左図柄を変動表示する左表示部23aと、中図柄を変動表示する中表示部23bと、右図柄を変動表示する右表示部23cを有し、特別図柄始動手段20に遊技球が入賞することを条件に、これら表示部23a〜23cに特別図柄が所定時間だけ変動表示される。
即ち、特別図柄始動手段20に遊技球が入賞した場合、その入賞タイミングで1つの制御乱数が抽出され、その抽出された制御乱数について、特別図柄の変動前に大当たりに関して判定され、各表示部23a〜23cにおいては、所定時間の変動の後、判定結果に基づいて決定された大当たり図柄態様、リーチ図柄態様、外れ図柄態様の何れかの図柄態様で停止する。
普通図柄表示手段24は、表示手段22の右下部に、左図柄を変動表示する小型の左表示部24aと、右図柄を変動表示する小型の右表示部24bを有し、左右の普通図柄始動手段18の何れかを通過した遊技球が検出されたとき、各表示部24a,24bに普通図柄を所定時間だけ変動表示する。遊技球が左右何れかの普通図柄始動手段18を通過した場合、その通過タイミングで1つの制御乱数が抽出され、普通図柄の変動前に当たりに関して判定され、各表示部24a,24bにおいては、所定時間の変動表示の後、判定結果に基づいて決定された図柄態様で停止する。
普通図柄表示手段24の変動後に停止した表示部24a,24bにおける普通図柄が当たり態様(これが特定態様に相当する)となった当たり発生時には、特別図柄始動手段20の普通電動手段(所謂、電動式チューリップ)20aが所定時間だけ開放されて入賞し易くなる。これも遊技者に有利な利益状態である。特別図柄始動手段20は、開閉自在な左右1対の開閉爪を図示外のソレノイドアクチュエータで駆動する普通電動手段20aと一体的に構成されたものである。この特別図柄始動手段20にも遊技球の通過を検出する球検出手段(図示略)が設けられている。
大入賞口手段21は前方に開放可能な開閉板21aを備え、通常、開閉板21aは閉じ状態である。しかし、特別図柄表示手段23の変動後に停止した確定図柄が「777」、「444」等の特定態様のとき、所謂「大当たり」と称する特別遊技が開始され、開閉板21aが前方に開放されて遊技者に有利な状態が発生する。この大入賞口手段21の内部に特定入賞領域21b(所謂、Vゾーン)と普通入賞領域(図示略)が設けられ、特定入賞領域21bを遊技球が通過したとき、特別遊技が継続される。
大入賞口手段21の開閉板21aが前方に開放された後、所定時間(例えば、約30秒間)が経過した場合、又は所定数(例えば10個)の遊技球が入賞した場合に特別遊技が終了する。しかし、開閉板21aが閉じるに際して遊技球が特定入賞領域21bを通過していれば、最大所定ラウンド(例えば、16ラウンド)まで特別遊技を継続でき、遊技者に有利な利益状態が付与される。
図3、図4に示すように、前枠4の裏側には、遊技盤5を裏側から押さえる裏機構板30が着脱自在に装着され、この裏機構板30の上側に、基板カバー31で保護された外部出力基板32と、球タンク33と、これから延びるタンクレール34とが設けられ、このタンクレール34に接続された払出し/球貸し手段35が裏機構板30の側部に設けられ、裏機構板30の下側には払出し/球貸し手段35に接続された払出し球誘導路36が設けられている。遊技球の払出しや球貸しに際して、払出し/球貸し手段35から払出された遊技球は、払出し球誘導路36を経由して球受け皿8に払出される。
裏機構板30の略中央部に形成された矩形状開口部30aには、遊技盤5の裏側に装着された裏カバー37が嵌合している。裏カバー37の後面に装着された基板ケース38の内部には、主制御基板39が配設され、その前側には図柄制御基板40が配設されている。そして、液晶ディスプレイ16はこの図柄制御基板40に液晶ドライバ97(図6参照)を介して電気的に接続されている。主制御基板39の下側で、裏カバー37に装着された基板ケース41の内部に音声ランプ制御基板42が設けられている。
この基板ケース41の下側で裏機構板30に装着された基板ケース43の内部には、電源基板44と払出し制御基板45が夫々設けられている。更に、発射手段10の後側に装着された基板ケース46の内部には、発射制御基板47が設けられている。これら制御基板39〜40,42,44〜45,47は夫々独立のプリント基板で構成され、電源基板44と発射制御基板47を除くその他の制御基板39,40,42,45には、CPUとROM及びRAM等を有する1チップ集積回路からなるマイクロコンピュータが夫々設けられている。
主制御基板39とその他の制御基板40,42,45とは、複数本の信号線でコネクタを介して電気的に接続され、主制御基板39から各制御基板42(40),45に、所定の遊技動作を実行させる種々の制御コマンドを基本的に一方向通信にて送信可能になっている。制御コマンドの一方向通信を採用することで、普通図柄や特別図柄の図柄停止に関する不正を確実に防止できるようになっている。但し、主制御基板39は払出し制御基板45からは、払出し完了信号やエラー信号等を受信可能になっている。
次に、パチンコ機2の制御装置に予め格納した複数の制御プログラムを介して達成される種々の機能について、図5,図6の機能ブロック図により説明する。但し、これら種々の機能は、前述した各種制御用のマイクロコンピュータ及びそのROMに格納した種々の制御プログラム等により、これらの制御手段50,80,90,100,106で達成される。
主制御基板39上に構成された主制御手段50(これが遊技制御手段に相当する)は、遊技態様や遊技球の挙動に応じた遊技動作の制御、つまり遊技盤5に設けられた種々の遊技部品20,21や各種の遊技球入賞手段18〜21等に設けられた球検出スイッチ等に対する信号の入出力に関わる遊技盤5の遊技制御を主として司るとともに、後述する音声ランプ制御手段80、図柄制御手段90、払出し制御手段100等に必要に応じて制御コマンドを送信出力する。
図柄制御基板40上に構成された図柄制御手段90(これが演出制御手段に相当する)は、主制御手段50から音声ランプ制御手段80を介して送信されてくる普通図柄用の変動パターン指定コマンド等に基づいて、各表示部24a,24bの普通図柄を変動制御し、指示された普通図柄態様を表示するように変動停止を制御する。図柄制御手段90は、更に、受信した特別図柄用の変動パターン指定コマンド等に基づいて、各表示部23a〜23cの特別図柄を変動制御し、指示された特別図柄態様を表示するように変動停止を制御したり、普通図柄表示手段24を除く表示手段22の略全画面に図柄背景等を演出表示させる演出表示制御を実行する。
音声ランプ制御基板42上に構成された音声ランプ制御手段80は、主制御手段50から変動パターン指定コマンドを受信し、遊技盤5や前枠4等に設けられた多数の装飾用ランプや演出用ランプ等を含むランプ群87の点灯制御を司るとともに、球受け皿8の裏側に設けられたスピーカ88を駆動制御してサウンド出力制御を司る。音声ランプ制御手段80は、更に、主制御手段50から保留球数情報コマンドを受信し、センターケース25に設けた4つの保留球ランプ87aを点灯制御する。
払出し制御基板45上に構成された払出し制御手段100は、主制御手段50から払出し制御コマンドを受信し、払出し/球貸し手段35による遊技球の払出し制御を司る。基板ケース43の内部には、更に、外部インターフェース基板48が収容されており、この外部インターフェース基板48上には外部インターフェース手段105が構成されている。発射制御基板47上に構成された発射制御手段106は、発射モータ13を駆動して遊技球の発射制御を司る。ここで、外部出力基板32からは、特別図柄に関する変動回数や停止図柄の情報等が、パチンコホールに設けられた図示しない島コンピュータに送信出力される。
主制御手段50は、特別図柄用及び普通図柄用の両方を兼ね備えた乱数発生手段51と抽出手段52と保留手段53(これが記憶手段に相当する)と判定手段54と図柄変動決定手段55に加えて、確率変動手段56と、普通利益状態発生手段57と、特別利益状態発生手段58と、コマンド送受信手段59と、入賞計数手段60等を備えている。ここで、乱数発生手段51と抽出手段52と判定手段54等により、普通図柄用と特別図柄用の抽選手段が夫々構成されている。ここで、普通利益状態発生手段57と特別利益状態発生手段58の夫々が特別遊技発生手段に相当する。
乱数発生手段51は、所定の微小な更新周期(例えば、約2msec)で、普通図柄用に、例えば「0〜9」までの制御乱数を繰り返し発生し、特別図柄用に、例えば「0〜299」までの制御乱数を繰り返し発生する。この乱数発生手段51で発生する「0〜9」までの複数の制御乱数のうち、「0〜8」が予め定められた特定乱数である当たり判定値として設定されている。また、乱数発生手段51で発生する「0〜299」までの複数の制御乱数のうち、1つの制御乱数(例えば、「17」)だけが、予め定められた特定乱数である大当たり判定値として設定されている。
抽出手段52は、乱数発生手段51でサイクリックに発生する複数の制御乱数のうち、普通図柄に関しては、左右何れかの普通図柄始動手段18に遊技球が通過したときの1つの制御乱数を抽出し、特別図柄に関しては、特別図柄始動手段20に遊技球が入賞したときの1つの制御乱数を抽出する。保留手段53は、普通図柄の変動中か否かに拘らず、普通図柄始動手段18を通過した遊技球の球数を一旦記憶し、普通図柄の変動中に限って保留球として記憶するとともに、保留球の各々に関して、普通図柄用に抽出された制御乱数を当たり判定乱数として、最高で夫々4個まで記憶して保留可能である。
また、保留手段53は、特別図柄の変動中か否かに拘らず、特別図柄始動手段20に入賞した遊技球の球数を一旦記憶し、特別図柄の変動中に限って保留球として記憶するとともに、保留球の各々に関して、特別図柄用に抽出された制御乱数を大当たり判定乱数として、最高で夫々4個まで記憶して保留可能である。そして、保留手段53は、普通図柄の図柄変動が完了する毎に、保留中の当たり判定乱数を、先入れ先出し(First In First Out) により判定手段54に1つずつ供給し、特別図柄の図柄変動が完了する毎に、保留中の大当たり判定乱数を、先入れ先出しにより判定手段54に1つずつ供給する。
判定手段54は、保留手段53から供給される普通図柄用の当たり判定乱数について、普通図柄の変動前の時点で、特定乱数(当たり判定値)と一致した「当たり」又は「外れ」の何れであるかを判定する。判定手段54は、更に、保留手段53から供給される特別図柄用の大当たり判定乱数について、特別図柄の変動前の時点で、特定乱数(大当たり判定値)と一致した「大当たり」又は「外れ(外れリーチを含む)」の何れであるかを判定する。
判定手段54は、更に、確率変動型の大当たりに関しても判定を行い、確率変動型であると判定した場合には、当該利益状態である特別遊技が終了した後、次回或いは次々回の大当たり迄、或いは所定回数(例えば、100回)だけ特別図柄が変動する迄、特別利益状態発生手段58を介して確率変動手段56に対して、大当たりとする特定乱数(大当たり判定値)の数を通常のときよりも多くして、大当たり確率を通常よりも高めるように指令する。
このように、確率変動手段56は、確率変動モードを設定した場合、後述する普通利益状態発生手段57に所定の利益を与えるように夫々指示する。これも遊技者に有利な利益状態である。普通利益状態発生手段57は、確率変動手段56から前述した確率変動指示を受けると、普通図柄が「当たり」になることを条件として、特別図柄始動手段20の普通電動手段20aを通常時の開時間(例えば、約0.5 秒)よりも長い時間(例えば、約3秒)、開状態にする等して、遊技球が入り易くなるといった利益状態を遊技者に与える。
特別利益状態発生手段58は、更に、判定手段54から大当たりの判定結果を受ける、若しくは、特別図柄表示手段23の変動後の停止図柄が大当たり図柄となることを条件に、遊技制御に含まれる所定の利益状態発生ルーチンにより大入賞口手段21の開閉板21aを前述したように開閉作動させる。図柄変動決定手段55は、判定手段54からの判定結果に応じて、所定の抽選プログラムにより、普通図柄に関して、「当たり」のときには当たりに関する普通図柄用の変動パターン指定コマンドと、左図柄及び右図柄の為の図柄指定コマンドを抽選により決定する。
図柄変動決定手段55は、更に、特別図柄に関して、「大当たり」のときには大当たりに関する特別図柄用の変動パターン指定コマンドと、左図柄及び中図柄及び右図柄の為の図柄指定コマンドを抽選により決定する。更に、図柄変動決定手段55は、普通図柄と特別図柄に関して、「外れ」のときには外れ用の変動パターン指定コマンドと外れ用の図柄指定コマンドを抽選により決定する。コマンド送受信手段59は、音声ランプ制御手段80に対して、これら普通図柄用と特別図柄用の変動パターン指定コマンドと図柄指定コマンドを順次送信する。
ここで、特に、特別図柄用の変動パターン指定コマンドとして、例えば、図7に示すように、8種類の変動パターン指定コマンド(A001[H] 〜A008[H] )が設けられ、最初の3つが大当たり用であり、残りの5つが外れ用である。ここで、記号[H] は、16進数を示している。この場合、図8に示すように、変動パターン指定コマンドA001[H] で指定される変動パターン1と、変動パターン指定コマンドA004[H] で指定される変動パターン4には、夫々特別演出を行うように設定されている。
ここで、1回の図柄変動に係る変動演出を指定する変動パターン指定コマンドが変動開始指定信号に相当し、変動開始指定信号は、その他、1回の図柄変動に係る変動時間を指定する変動時間指定コマンド(変動時間指定信号)、1回の図柄変動後の停止図柄態様を指定する変動図柄指定コマンド(変動図柄指定信号)、判定手段54の判定結果を指定する判定結果指定コマンド(判定結果指定信号)等の種々の指定信号であってもよい。また、特別演出とは、大当たりを期待させるように、例えば、ドット式表示器26に、「アタレ!! アタレ!!」をスクロール表示するような演出である。
また、空白部分は後述する特定演出を実行可能な部分である。コマンド送受信手段59は、更に、図9に示すように、保留球数と特定演出指定コマンド(これが特定演出指定信号に相当する)とを対応づけて記憶しているので、保留手段53に保留している保留球数に対応する特定演出指定コマンドを選択して、演出制御手段95に送信可能になっている。
即ち、保留球数が「1」個の場合には、特定演出を保留球1に対応する図柄変動の期間に行うように指示する特定演出指定コマンドB201[H] が選択され、保留球数が「2」個の場合には、特定演出を保留球1〜2に対応する図柄変動の期間に行うように指示する特定演出指定コマンドB202[H] が選択され、保留球数が「3」個の場合には、特定演出を保留球1〜3に対応する図柄変動の期間に行うように指示する特定演出指定コマンドB203[H] が選択され、保留球数が「4」個の場合には、特定演出を保留球1〜4に対応する図柄変動の期間に行うように指示する特定演出指定コマンドB204[H] が選択される。
特定演出コマンドに対応する保留球数による変動が終了するまで、新たな特定演出指定コマンドを送信しないようにしてもよい。例えば、特定演出指定コマンドB203[H] の送信後には、3個の保留球数による変動が終了するまで、つまり変動中に送信した場合には当該変動を含み4回の変動が終了するまで、新たな特定演出指定コマンドを送信しない構成にしてもよい。
このように、特定演出指定コマンドB202[H] 〜B204[H] が選択された場合に、図柄制御手段90においては連続予告が実行される。ここで、特別図柄に関する1回の図柄変動とは、変動パターン指定コマンドを受けて3つの表示部23a〜23cにおいて特別図柄の変動が開始されてから、図柄指定コマンドで指定された図柄を確定図柄として変動停止するまでのことである。それ故、連続予告とは、予告を複数回の特別図柄始動手段20による遊技球の検出に基づく複数回の図柄変動の期間に亙って連続的に行うようにしたものである。ここで、予告とは、スーパーリーチ、大当たり、確変型大当たり等を事前に予兆させたり暗示する演出のことである。
ところで、入賞計数手段60は、普通入賞手段19と、特別図柄始動手段20と、大入賞口手段21に有する特定入賞領域21b及び普通入賞領域21cに入賞する遊技球を計数する。そこで、コマンド送受信手段59は、その入賞計数手段60で集計した遊技球の入賞個数に基づく遊技球の払出しを指令する払出し指令コマンドを払出し制御手段100に対して送信するとともに、払出し制御手段100からは、コマンドを受信した確認コマンドや払出し完了コマンド、更にはエラー発生コマンド等を受信する。
コマンド送受信手段59は、更に、遊技球の保留数に関する保留数情報コマンド、確率変動状態を示す確率変動情報コマンド等、種々の制御コマンドを送信すべき制御手段80,90,100に送信出力する。音声ランプ制御手段80は、コマンド送受信手段81と、変動パターン記憶手段82と、変動パターン決定手段83と、乱数発生手段84と、点灯制御手段85と、音声発生制御手段86等を備えている。
コマンド送受信手段81は、主制御手段50のコマンド送受信手段59から変動パターン指定コマンドや図柄指定コマンドを受信するとともに、図柄制御手段90のコマンド送受信手段91に対して、変動パターン指定コマンドや図柄指定コマンド等の制御コマンドを送信可能になっている。変動パターン記憶手段82には、変動パターン指定コマンドの各々について、ランプ群87の各ランプの点灯や点滅を制御するランプ制御パターンと、スピーカ88を鳴動させる為のスピーカ制御パターンが予め格納されている。
変動パターン決定手段83は、変動パターン指定コマンドに対応するランプ制御パターンやスピーカ制御パターンを選択するとともに、これらランプ制御パターンやスピーカ制御パターンに、複数の選択肢が設けられている場合には、乱数発生手段84で発生した所定数の制御乱数のうちの1つを抽出し、この抽出した制御乱数に基づいて1つの選択肢を決定する。
点灯制御手段85は、変動パターン決定手段83で決定したランプ制御パターンに基づく点灯制御信号を受けてランプ群87の各演出ランプを点灯制御し、保留球数情報コマンドに基づいて保留球ランプ87aを点灯制御する。また、音声発生制御手段86は、変動パターン決定手段83で決定したスピーカ制御パターンに基づく鳴動制御信号を受けてスピーカ88を駆動制御する。図柄制御手段90は、コマンド送受信手段91と、変動パターン記憶手段92と、変動パターン決定手段93と、乱数発生手段94と、演出制御手段95と、表示装置制御手段96と、液晶ドライバ97等を備えている。
コマンド送受信手段91は、音声ランプ制御手段80のコマンド送受信手段81から変動パターン指定コマンドや図柄指定コマンドを受信するとともに、このコマンド送受信手段81に対して、種々の制御コマンドを送信可能になっている。変動パターン記憶手段92には、普通図柄や特別図柄に関して、複数の変動パターン指定コマンドの各々に変動内容(変動時間を含む)を対応づけた図柄変動に関する変動パターン情報が記憶されている。特に、特別図柄の変動パターンについては、その変動内容や変動時間について、例えば、図7に示す8種類が記憶されている。
変動パターン決定手段93は、変動パターン指定コマンドに対応する変動パターン情報を選択するとともに、この変動パターン情報に、複数の選択肢が設けられている場合には、乱数発生手段94で発生した所定数の制御乱数のうちの1つを抽出し、この抽出した制御乱数に基づいて1つの選択肢を決定する。演出制御手段95は、前述した変動パターンで指示される特別演出や、本願特有の特定演出を実行可能である。
この演出制御手段95は、更に図10に示すように、3種類の特定演出を行う為に特定演出番号「1」〜「3」の各々に、特定演出内容と、特定演出時間「e1」〜「e3」を対応させた特定演出テーブルが記憶されている。それ故、演出制御手段95は、これら特定演出内容に基づいて、「アツイ!! アツイ!!」、「イケーッ!! イケーッ!!」等をドット式表示器26にスクロール表示する演出を行う。
表示装置制御手段96は、変動パターン決定手段93から受けた図柄変動に関する種々の図柄表示信号を液晶ドライバ97に送信出力するとともに、演出制御手段95から受けた演出制御信号を液晶ドライバ97に送信出力する。それ故、特別図柄表示手段23の表示部23a〜23cおいて特別図柄が変動表示され、普通図柄表示手段24の表示部24a,24bにおいて普通図柄が変動表示されるのに加えて、普通図柄表示手段24を除く液晶ディスプレイ16の表示画面の略全体に、図柄背景表示や各種の演出表示が行われる。
払出し制御手段100は、コマンド送受信手段101と、払出し/球貸し制御手段102等からなっており、コマンド送受信手段101を介して主制御手段50から受けた払出し指令コマンドに基づいて、払出し/球貸し手段35に対して遊技球の払出しを指令する。ここで、払出し/球貸し制御手段102は、払出し/球貸し手段35から払出しに関するエラーを何ら受信していない場合には、発射許可信号を発射制御手段106に送信するため、遊技者が操作ハンドル11を操作した場合に発射モータ13が発射制御手段106により駆動され、遊技球の発射が可能になっている。
次に、主制御手段50により実行される特別図柄始動手段20に入賞時のコマンド送信制御について、図11のフローチャートに基づいて説明する。但し、図中の符号Si(i=11、12、13・・・)は各ステップである。
遊技者の発射ハンドル10操作により、球受け皿8から供給される遊技球が遊技領域5aに発射され、遊技釘や風車により落下方向を変えながら落下し、特別図柄始動手段20に入賞した場合、特別図柄始動手段20からの入賞信号を受けたときに、保留球数が所定個数に満たない(例えば、「4個」未満)場合に、この制御が開始される。
この制御が開始されると、先ず、今回の入賞に伴う保留球数記憶処理が実行される(S11)。この保留球数記憶処理においては、特別図柄始動手段20に入賞した遊技球の球数と、入賞時に抽出された制御乱数である大当たり判定乱数と、大当たりとなる特別図柄態様を決定(確変するか否かの判定)する大当たり図柄乱数とを対応づけて保留手段53に一旦記憶し、特別図柄の変動中に限って保留球として記憶される。この場合、保留球数が「0」の場合、この大当たり判定乱数は直ちに判定手段54に供給されるが、保留球数が「1」つ以上既に存在する場合には、保留球数を1つインクリメントして記憶される。
このとき、保留球数が「1」以上の場合、センターケース25の保留球ランプ87aが保留球数に応じて1つ以上点灯される。次に、入賞時の大当たり判定乱数Aが再度抽出されると共に(S12)、図示しない乱数発生手段で発生する複数の乱数のうちの1つである演出判定乱数Bが抽出される(S13)。次に、抽出した大当たり判定乱数Aが演出用の特定乱数「X1」(例えば、大当たり判定値「17」)と一致する場合で(S14:Yes )、しかも抽出した演出判定乱数Bが所定の演出判定範囲「Y1」(例えば、「20」以下)と一致する場合であって、連続リーチする場合には(S15:Yes )、現在の保留球数が連続リーチカウンタにセットされる(S16)。
大当たり判定乱数Aを保留手段53に記憶されている最新の大当たり判定乱数を読み出す場合の、変動パターン指定コマンドと特定演出指定コマンドの差異について、変動パターン指定コマンドは最も早い時点で記憶されている記憶情報に基づいて作成され、特定演出指定コマンドは最も遅い時点で記憶されている記憶情報に基づいて作成される。そして、変動パターン指定コマンドの作成後に、記憶情報の削除が行われるが、特定演出指定コマンドの作成後には、記憶情報の削除は行われない。
次に、現在、特別図柄が変動中のときに(S17:Yes )、リーチを伴う図柄変動が行われている場合には、特別演出を行っている可能性があるため、変動パターン番号が7以上であって、リーチを伴わない外れの場合であり(S18:Yes )、しかも、大当たり判定乱数Aが、演出用の特定乱数「X1」を含む準特定乱数「X2」(例えば、大当たり判定値「17」,「37」)と等しい場合で(S19:Yes )、更に、抽出した演出判定乱数Bが所定の演出判定範囲「Y2」(例えば、「10」以上且つ「30」以下)の場合には(S20:Yes )、特定演出指定コマンド選択処理が実行される(S21)。
この特定演出指定コマンド選択処理においては、保留手段53に保留している保留球数に対応する1つの特定演出指定コマンドが選択される。そして、その選択された特定演出指定コマンドが図柄制御手段90に送信され(S22)、この制御を終了して、メインルーチンにリターンする。例えば、保留手段53に「4」つの保留球数を記憶している場合には、特定演出指定コマンドB204[H] が、演出制御手段95に送信される。
ところで、特定演出指定コマンドBの送信制御において、大当たり判定乱数A、演出判定乱数Bと共に、大当たり図柄乱数Cを抽出可能にし、大当たり図柄乱数Cの値等に基づいて、演出用の特定乱数「X1」、準特定乱数「X2」や演出判定範囲「Y1」,「Y2」を異ならせてもよい。即ち、大当たり判定乱数A及び大当たり図柄乱数Cに基づいて、確変か非確変かを事前に判定し、次に特別図柄始動手段20に入賞した遊技球について、特定乱数「X1」を用いるのか、準特定乱数「X2」を用いるのか、また演出判定範囲「Y1」,「Y2」について何れの範囲の数値を用いるのかを決定するようにしてもよい。
ここで、主制御手段50により、特別図柄の変動開始直前の時点で実行される停止図柄作成処理制御について、図12に基づいて説明する。
保留手段53から供給される大当たり判定乱数が、判定手段54による判定の結果、大当たりでない場合で(S31:No)、しかも連続リーチカウンタの値が「0」でない場合には(S32:No)、リーチ/外れ図柄作成テーブルが選択され(S33)、その図柄作成テーブルを用いて外れ図柄作成処理の際に、リーチになる外れ図柄を作成する外れ図柄作成処理が実行され(S34)、この制御を終了してメインルーチンにリターンする。
連続リーチカウンタの値が「0」の場合には(S32:Yes )、通常/外れ図柄作成テーブルが選択され(S36)、S34を経て同様にリターンする。一方、大当たりの場合には(S31:Yes )、大当たりの図柄態様を作成する大当たり図柄作成処理が実行され(S35)、同様にリターンする。その結果、入賞時に抽出された大当たり判定乱数Aが演出用の特定乱数「X1」と一致し、演出判定乱数Bが演出判定範囲「Y1」と一致する場合に、当該入賞に基づく図柄変動が終了するまでリーチが連続する演出が可能となる。ここで、前記通常/外れ図柄作成テーブルは、外れ図柄作成処理の際に、リーチを含む外れ図柄態様を作成する為のテーブルである。
次に、主制御手段50により、特別図柄の変動開始に際して実行される制御コマンド送信制御について、図13に基づいて説明する。
この制御が開始されると、先ず、図柄変動決定手段55により決定された変動パターン指定コマンドが送信され(S41)、続いて図12で説明した停止図柄作成処理により作成された「左図柄」と「右図柄」と「中図柄」の図柄指定コマンドが順次送信される(S42)。そして、変動パターン指定コマンドに有する所定の変動時間が経過してから(S43:Yes )、変動停止コマンドが送信され(S44)、メインルーチンにリターンする。
次に、図柄制御手段90の演出制御手段95により実行される演出制御について、図14のフローチャートに基づいて説明する。
微小所定時間毎にこの制御が開始され、主制御手段50から変動パターン指定コマンドを受信した場合に(S51:Yes )、その変動パターン指定コマンドがA001[H] 及びA004[H] 以外であって、特別演出を含んでいない場合(これらが普通の変動開始指定信号に相当する)に(S52:No)、特定演出フラグSEFがセットされておらず、特定演出モードでない場合(S61:No)で、しかも何れの特定演出指定コマンドを受信していない場合には(S56:No、S66:Yes 、S67:No)、この制御を終了して、メインルーチンにリターンする。
その結果、受信した変動パターン指定コマンドに基づいて図柄変動が実行される。この場合、特別図柄の図柄変動は実行されるが、特別図柄の変動態様による特別演出や特定演出が何ら行われることはない。ここで、変動パターン指定コマンドA001[H] ,A004[H] が所定の変動開始指定信号に相当する。次に、主制御手段50から特定演出指定コマンドを受信した場合に(S51:No、S56:Yes )、予告カウント値YCが「0」の場合、つまり現在において特定演出を行っていない場合には(S57:No)、特定演出フラグSEFがセットされて特定演出モードが設定される(S63)。
次に、予告カウント値YCに、送信された特定演出指定コマンドで指示される予告回数がセットされ(S64)、図柄変動に同期することなく、この時点から直ちに、「特定演出1」が実行され(S65)、リターンする。変動パターン指定コマンドや特定演出指定コマンドを受信しない場合には(S51:No、S56:No、S66:No)、「特定演出2」が繰り返して実行され(S60)、リターンする。ところで、この特定演出2を繰り返して実行中に、特別演出を含まない変動パターン指定コマンドを受信した場合には(S51:Yes 、S52:No、S61:Yes )、予告カウント値YCが1つデクリメントされる(S62)。
次に、予告カウント値YCがデクリメントされた結果、予告カウント値YCが「0」になった場合、つまり最後の保留球に対応する図柄変動が行われている場合に(S66:Yes 、S67:Yes )、図7に示す各変動パターン毎に設定された特定演出を実行する為に予め設定された演出時間Tが、特定演出2の演出時間e2と特定演出3の演出時間e3とを加算した演出必要時間以上の場合には(S68:Yes )、特定演出2が実行され(S60)、リターンするが、予め設定された演出時間Tが演出必要時間(e2+e3)よりも小さい場合には(S68:No)、先ず特定演出2が開始され、その演出途中から特定演出3に切換えて実行される(S69)。
即ち、特定演出は、変動パターン1,4については特別演出の開始前まで、また変動パターン2,3については再抽選や大当たり演出の開始前まで、つまり再変動演出や大当たり演出の開始までに特定演出を終了するようにしている。但し、図7に示す変動パターン指定コマンドの各々に設定されている演出時間を省略するようにし、現在行われている図柄変動が終了するまで、特定演出を継続して実行するようにしてもよい。
そして、特定演出フラグSEFがリセットされ、特定演出モードが解除される(S70)。ところで、特定演出モードが設定されているために、特定演出2が繰り返して実行されている演出途中において、次の特定演出指定コマンドを新規に受信した場合には(S56:Yes 、S57:Yes )、新規の特定演出指定コマンドの内容に変更するか否かが乱数抽選で決定される(S58)。特定演出が完了するまでに、次の特定演出指定コマンドを受信した場合について、乱数抽選以外に、実行完了まで無視(変更しない)したり、連続予告カウント値YCを上書き(変更する)したり、連続予告カウント値YCを上乗せするようにしてもよい。
例えば、連続予告カウント値YCが「2」の時点で、特定演出指定コマンドB203[H] を受信した場合に、実行完了まで無視する場合には連続予告カウント値YCを「2」のままで保持し、連続予告カウント値YCを上書きする場合には連続予告カウント値YCを「3」に変更し、連続予告カウント値YCを上乗せする場合には連続予告カウント値YCを「5」に変更するようにしてもよい。
その乱数抽選の結果、変更する場合には(S59:Yes )、S63〜S65が実行されて、予告カウント値YCとして、新規の特定演出指定コマンドで指示される予告回数に変更、つまり新規の特定演出指定コマンドで指示された特定演出に係る制御に変更される。しかし、抽選の結果、変更しない場合には(S59:No)、S60を経てリターンする。ここで、特別演出を含む所定の変動パターン指定コマンドA001[H] ,A004[H] を受信すること自体が、キャンセル信号を受信したことと同様である。
そこで、次回の図柄変動に際して、特別演出を含む次の変動パターン指定コマンドを受信した場合には(S51:Yes 、S52:Yes )、予告カウント値YCがリセットされ(S53)、特定演出フラグSEFもリセットされ(S54)、継続してきた特定演出2の演出表示がこの時点で強制的にキャンセルされる。次に、その変動パターン指定コマンドで指示される特別演出に係る制御に切換えて実行される(S55)。
例えば、図15に示すように、時点t1において、主制御手段50から変動パターン指定コマンドA008[H] を受けた場合、この時点から、変動パターン8に基づいて特別図柄の図柄変動が開始される。その変動途中の時点t2において、主制御手段50から特定演出指定コマンドB204[H] を受けた場合、予告カウント値YCは「4」に設定され、この時点t2以降から、先ず「特定演出1」が実行される。この場合、ランプ群87に設けられた幾つかの演出ランプが複数回、フラッシュされる。
その後、「特定演出1」に続けて、「特定演出2」が繰り返して、複数回に亙って実行される。この間には、時点t3で変動パターン指定コマンドA008[H] を受信して予告カウント値YCが「3」に減算され、時点t4で変動パターン指定コマンドA007[H] を受信して予告カウント値YCが「2」に減算され、時点t5で変動パターン指定コマンドA008[H] を受信して予告カウント値YCが「1」に減算され、時点t6で変動パターン指定コマンドA003[H] を受信して予告カウント値YCが「0」になる。
予告カウント値YCが「0」になったときの変動パターン3に基づく最終図柄変動においては、演出時間Tは変動時間「22秒」よりも「当たり演出」の時間だけ短い「20秒」であるため、演出時間T(20秒)から「特定演出3」の演出時間e3を差し引いた残りの期間に亙って「特定演出2」が複数回に亙って実行された後、最終的に「特定演出3」が実行され、「当たり演出」が開始される直前に特定演出が終了する。但し、変動パターン3による最終の図柄変動が終了するまで、特定演出を継続させるようにしてもよい。
このように、変動パターン指定コマンドとは異なる特定演出指定コマンドを主制御手段50から図柄制御手段90に送信するだけで、図柄制御手段90においては、その受信した特定演出指定コマンドに基づいて、複数回の図柄変動の期間に亙って、各図柄変動に同期しないで且つ図柄変動と異なる「特定演出2」が繰り返して連続的に実行されるため、複数個の保留球を消化するための複数回の図柄変動の期間に亙って行う連続予告の、主制御手段50側における連続予告制御を簡単化することができる。
更に、複数回の特定演出が、複数回の図柄変動の期間に亙って、各図柄変動に同期しないで実行されるため、これら連続する複数回の特定演出により、大当たり予告やリーチ予告等の予告演出効果を増大させることができる。また、図16に示すように、前記図15で説明した時点t1〜時点t4と同様に、時点t11〜時点t14が実行された後、変動パターン7に基づく図柄変動において、「特定演出2」が優先的に行われている特定演出制御の途中の時点t15において、特定演出指定コマンドB202[H] を新規に受信した場合、その特定演出指定コマンドB202[H] で指示された特定演出に係る制御に変更される。
即ち、現在の予告カウント値YCは何れであれ、特定演出指定コマンドB202[H] で指示される予告回数「2」に設定される。その後、最初の「特定演出1」が実行されてから、「特定演出2」が複数回に亙って繰り返して実行される。そして、同様に、予告カウント値YCが「0」になったときの変動パターン7に基づく 最終図柄変動の最後に「特定演出3」が実行される。この場合には、後続して送信されてくる特定演出指定コマンドを、その都度有効に活用して、最新の特定演出指定コマンドに基づく複数回の連続予告を実行することができる。
更に、図17に示すように、図15で説明した時点t1〜時点t4と同様に、時点t21〜時点t24が実行された後、時点t25において、主制御手段50から特別演出を伴う所定の変動パターン指定コマンドA004[H] を受けた場合、キャンセル信号を受信したのと同様のことである。この場合には、予告カウント値YCが「1」になるべきであるが、強制的にリセット(予告カウント値YC=0)され、特定演出TEに係る制御が特別演出の開始時にキャンセルされ、変動パターン指定コマンドA004[H] で指示される特別演出SPに係る制御に切換えられる。
その結果、この図柄変動の変動途中において、左図柄と右図柄の図柄変動を同時に停止させる等の特別演出SPが行われ、特定演出TEが行われることはない。ここで、表示手段22と図柄制御手段90等で図柄表示手段が構成されている。また、その表示手段22やランプ群87により演出手段が構成されている。また、図14に示す演出制御の為の演出制御プログラムを有する演出制御手段95を含む図柄制御手段90や音声ランプ制御手段80等から演出制御手段が構成されている。
次に、前記実施形態の変更形態について説明する。
1〕複数回に亙る特定演出TEの表示制御に際して、3種類の特定演出の表示順序として、奇数回目の図柄変動の場合に「特定演出2」を表示し、偶数回目の図柄変動の場合に「特定演出3」を表示する等、特定演出1〜3の表示順序や表示回数を適宜変更することが可能である。また、特定演出TEの種類は、ランプ点灯や音発生を組合せて4種類以上設けるようにしてもよい。
2〕主制御手段50は特定演出番号を含む特定演出指定コマンドを図柄制御手段90に送信するようにしてもよい。また、主制御手段50は特定演出番号を含まない特定演出指定コマンドを図柄制御手段90に送信した場合、図柄制御手段90において、複数種類のうちの何れかの特定演出を抽選で決定するようにしてもよい。
3〕図15に示す連続する複数回の特定演出のうち、偶数番号の変動パターンに対応する図柄変動の期間においては、偶数回目の特定演出について中止させたり、奇数番号の変動パターンに対応する図柄変動の期間においては、奇数回目の特定演出について中止させる等して、特定演出を間欠的に実行するようにしてもよい。また、大当たりの変動パターン指定コマンドを受けた場合には、不定期的(例えば、3回目や5回目)に特定演出を間引きする等して、特定演出を間欠的に実行するようにしてもよい。
4〕特定演出TEとして、ドット式表示器26や表示手段22に予告用キャラクタを出現させるようにしてもよい。また、特定演出TEとして、表示手段22に表示する図柄背景を切換えるようにしてもよい。更に、スピーカ88により各種の演出音を発生させるようにしてもよい。この場合、スピーカ88が演出手段に相当する。
5〕特定演出TEを開始するタイミングは、特定演出指定コマンドの受信直後に限られるものではなく、特定演出指定コマンドを受信したときの変動を終了した次の図柄変動開始時であってもよく、図柄変動中における第1図柄や第2図柄の変動が停止する等の演出の変遷時点でもよい。また、特定演出TEを終了するタイミングも、図柄変動中における第1図柄や第2図柄の変動が停止する等の演出の変遷時点でもよい。更に、変動パターン指定コマンドA004[H] を受けた場合に特定演出をキャンセルする時期についても、変動パターン指定コマンドA004[H] の受信時であってもよい。
6〕主制御手段50から音声ランプ制御手段80に特定演出指示回数を含まない単なる特定演出指定コマンドを送信し、音声ランプ制御手段80から図柄制御手段90に、特定演出指示回数を含む特定演出指示コマンドを送信するようにしてもよい。この場合、音声ランプ制御手段80の点灯制御手段85においては、保留球ランプ87aを点灯制御しているため、保留球数を認識できることから、現在の保留球数に基づいて、保留球数に応じた特定演出指定コマンドを図柄制御手段90に送信することができる。
7〕図14に示す演出制御のS61において、予告カウント値YCを1つデクリメントするタイミングとして、図柄変動の開始時だけでなく、図柄変動終了時であってもよい。
8〕変動パターン指定コマンドA001[H] ,A004[H] 等で指示される特別演出にしても、ドット表示器26に「アタレ!! アタレ!!」をスクロール表示させる演出に限らず、仮停止した後に再変動させる演出であってもよく、ドット式表示器26に、例えば、特殊な予告キャラクタを登場させる等の種々の演出であってもよい。
9〕図11に示すコマンド送信制御のS20に用いる演出判定乱数Bの演出判定範囲「Y2」の上限値と下限値を、図18に示すように、保留手段53における保留記憶個数に基づいて異なるように設定するようにしてもよい。即ち、連続予告を行う場合の確率を、保留球数が「3個」又は「4個」の場合が高くなるようにする等して、保留記憶個数に応じて異ならせることができる。それ故、連続予告が開始されると遊技者が遊技球の発射を一時的にでも中止するというような行為をしなくなり、ホール側の収益性の低下を防止することができる。
10〕図柄制御手段90は、特定演出指定コマンドに基づくだけでなく、外れ状態が所定回数(例えば、10回)続く等の所定条件が成立した場合に、所謂ガセ的に特定演出を行うように演出制御するようにしてもよい。
11〕連続予告の種類や信頼度や出現率等を変更設定可能な設定手段を、パチンコ機2の前面側に設けて遊技者が設定操作可能にしたり、パチンコ機2の裏面側に設けてホール側の従業員が設定操作可能にするようにしてもよい。また、設定手段を主制御手段50又は図柄制御手段90に設け、遊技者による遊技状態に応じて、連続予告の種類や信頼度や出現率等を自動的に変更設定可能に構成してもよい。
12〕図19に示すように、図11に示す特定演出の為のコマンド送信制御を、更に簡略化するようにしてもよい。即ち、前記S11〜S12と同様に、保留球数記憶処理が実行され(S71)、入賞時の大当たり判定乱数Aが再度抽出される(S72)。次に、その大当たり判定乱数Aが演出用の特定乱数と一致する場合で、当たりの場合には(S73:Yes )、特定演出指定コマンドB201[H] が選択され(S74)、その当たり用の特定演出コマンドB201[H] が図柄制御手段90に送信され(S75)、メインルーチンにリターンする。
一方、大当たり判定乱数Aが演出用の特定乱数と一致しない場合で、外れの場合には(S73:No)、特定演出コマンドB202[H] が選択され(S76)、その外れ用の特定演出コマンドB202[H] が図柄制御手段90に送信される(S75)。この場合、演出制御手段95においては、図20に示すように、特定演出決定制御が実行される。即ち、主制御手段50から送信された特定演出コマンドを受信した場合にこの制御が開始され、先ず連続予告をするか否か、つまり連続予告の有無について判定処理される(S81)。
この連続予告の有無に関する判定に際しては、受信した特定演出コマンドに基づいて、例えば、特定演出コマンドB201[H] を受信した場合には、連続予告を行うように判定され、特定演出コマンドB202[H] を受信した場合には、連続予告を行わないように判定される。そして、連続予告を行う場合には(S82:Yes )、予告内容が異なる複数種類の連続予告が予め準備されているので、これら複数種類の連続予告のうちの何れかが選択され(S83)、この制御を終了して、実際の演出制御が実行される。
この場合、複数種類の予告として、大当たりとなる信頼度を異ならせた複数種類の内容、演出対象として、演出ランプやドット式表示器26、表示手段22等であり、これらを組合せた複数種類が準備されている。このようにすることで、前記実施形態以上に、主制御手段50側の連続予告制御を格段に簡単化することができる。ここで、図19におけるS72〜S73において、保留手段53に記憶している保留球数に応じて特定演出コマンドを選択したり、保留手段53に記憶している取得乱数値(大当たり判定乱数)に応じて特定演出コマンドを選択したり、保留手段53に記憶している大当たり図柄乱数で決まる大当たりの場合の停止図柄態様や確変か否かに応じて、複数種類の特定演出コマンドのうちの1つを選択するようにしてもよい。
そして、図20におけるS81,S83においては、主制御手段50から受信した複数種類の特定演出コマンドに基づいて、又は現在の保留球数に基づいて、又は現在の変動パターン番号に基づいて、或いは連続予告実行中か否かに基づいて、複数種類の連続予告のうちの1つを選択するようにしてもよい。
13〕保留手段53における保留球数が所定数に達していることを条件として、主制御手段50から図柄制御手段90に、現在変動中の図柄変動の変動時間を強制的に短縮させるようにしてもよい。
この場合、保留手段53には、各保留球について、大当たり判定乱数に加えて、特別図柄始動手段20に入賞した時点からの経過時間を計時する変動短縮タイマー値(例えば、3秒)を同時に記憶する。この変動短縮タイマー値は、経過した時間を減算した値に更新され、最終的には「0秒」になる。更に、特別図柄の変動開始時に、変動開始時点から経過時間を計時する変動経過タイマー値(例えば、約4秒)を設定する。この変動経過タイマー値は、経過した時間を減算した値に更新され、最終的には「0秒」になる。
即ち、図21に示すように、微小所定時間毎に変動短縮指令制御が開始される。この制御が開始された場合に、特別図柄が変動中であり(S91:Yes )、保留手段53に記憶されている保留球数が所定個数(例えば、「3個」)以上であり(S92:Yes )、当該変動に係る特別図柄始動手段20への入賞時点からの経過時間が所定時間以上(例えば、変動短縮タイマー値が「0秒」)であって(S93:Yes )、当該変動中の変動パターンが所定変動パターン(例えば、変動パターン指定コマンドがA007[H] 以上、つまり変動パターン番号が7以上で「ノーマル変動の外れ」の場合)であって(S94:Yes )、しかも変動開始からの変動経過時間が所定時間以下(例えば、変動経過タイマー値が「0」秒になっていない)の場合であって、変動短縮が可能な場合には(S95:Yes )、変動パターン短縮指定コマンドが音声ランプ制御手段71及び図柄制御手段90に送信され(S96)、メインルーチンにリターンする。
即ち、従来においては、特別図柄の変動開始直前に、保留球数が所定個数(例えば、3個)以上であるという第1条件と、当該変動を開始するに際しての特別図柄始動手段20による遊技球の検出時点からの経過時間が所定時間以上(例えば、変動短縮タイマー値≦0秒)であるという第2条件が成立した場合に限って、変動時間が短い変動パターンが選択されるため、変動時間が短縮される。
ところが、図21に示した変動短縮指令制御が実行される場合には、特別図柄の変動中であっても、前述した第1及び第2条件が成立し、更に、当該変動中の変動パターンが「7」以上という所定の変動パターンであるという第3条件と、当該変動の変動開始からの経過時間が所定時間以下であるという第4条件とが成立さえすれば、強制的に変動時間を短縮させる変動短縮指定コマンドが送信され、変動時間短縮が迅速に実行される。
ここで、第3条件は、例えば、リーチ変動等を実行中の場合には、変動短縮をしないようにする為であり、また第4条件は、例えば、変動短縮指定コマンド受信から1秒後に変動を終了するような場合、通常変動時間が「5秒」の変動パターンで、約4.5秒の変動経過後に変動短縮指定コマンドを受信した場合、変動時間が「5.5秒」に延長されてしまうためである。
また、変動開始直前に、当該変動に係る特別図柄始動手段20による遊技球の検出時点からの経過時間が約2.5秒(変動短縮タイマー値が約0.5秒)の場合には、従来においては、変動時間の短い変動パターンが選択されないため、変動短縮が行われなかったが、この変動短縮指令制御によれば、約0.5秒後に変動短縮指定コマンドが送信されることになり、変動短縮が確実に行われ、従来に比べて変動時間の短縮化を図ることができる。
更に、通常の変動パターンによる変動中に、保留球数が3個以上になった場合、従来においては、当該変動は変動短縮の対象外あり、次回の変動まで変動短縮が行われなかったが、この変動短縮指令制御によれば、当該変動についても変動短縮の対象となり、変動短縮指定コマンドが確実に送信されるため、従来に比べて変動時間短縮の迅速化を図ることができる。それ故、従来においては、変動短縮が発生しにくいため、変動期間中の保留球数が最大個数に達し易くなり、それ以上の遊技球の発射は無駄になるということから、遊技者は遊技球の発射を一時的にでも停止していた。
しかし、このように、変動短縮指定コマンドを強制的に送信することで、変動時間の短縮化を推進でき、しかも変動時間短縮の迅速化が図れるため、遊技者は遊技球の発射を一時的にでも中止するというような行為をしなくなり、ホール側の収益性の低下を防止することができる。ここで、図柄変動時間を強制的に短縮させる変動パターン短縮指定コマンドを複数種類設けるようにしてもよい。
即ち、特別図柄始動手段20に入賞したときの変動短縮タイマー値として「3秒」を設定し、図柄変動を開始する図柄変動の変動短縮タイマーの値が、例えば「1秒」の場合には、変動時間を「3秒」に短縮するように指令する第1変動パターン短縮指定コマンドを送信したり、また、図柄変動を開始する図柄変動の変動短縮タイマーの値が、例えば「0秒」の場合には、変動時間を「2秒」に短縮するように指令する第2変動パターン短縮指定コマンドを送信するようにして、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
この場合にも、変動短縮タイマーに代えて、変動開始時点から経過時間を計時する変動経過タイマーを設け、この変動経過タイマー値に応じて、第1変動パターン短縮指定コマンドや第2変動パターン短縮指定コマンド等の複数種類の変動パターン短縮指定コマンドを送信するようにしてもよい。
14〕本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更を付加し、本発明を適用することが可能である。更に、パチンコ機に限らず、遊技球やコイン等の各種の遊技媒体を用いるアレンジボール機、雀球遊技機等、種々の弾球遊技機に本発明を適用することが可能である。