以下に、本発明の一実施形態に係るパチンコ機1について、図面を参照しながら説明する。
<パチンコ機の構造>
図1は、本発明の一実施形態に係るパチンコ機の正面図である。また、図2以降には、図1に示したパチンコ機1について、他方向から見た様子や分解した様子等が示されている。図2は、パチンコ機の右側面図であり、図3は、パチンコ機を前方から見た斜視図であり、図4は、パチンコ機を後方から見た斜視図である。また、図5は、前枠からガラス枠を開放させるとともに、外枠から前枠を開放させた状態のパチンコ機を前方から見た斜視図であり、図6は、ガラス枠、遊技盤、前枠、及び外枠に分解したパチンコ機を前方から見た分解斜視図であり、図7は、ガラス枠、遊技盤、前枠、及び外枠に分解したパチンコ機を後方から見た分解斜視図である。
パチンコ機1は、遊技ホールの島設備に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖するガラス枠(扉枠)3と、ガラス枠3を開閉可能に支持し、外枠2に開閉可能に取付けられている前枠4と、前枠4に前から着脱可能に取付けられ、ガラス枠3を通して視認され、遊技球が打込まれる遊技領域5aを有する遊技盤5と、を備えている。
外枠2は、上下で左右に延びるフレーム2a,2bと、左右で上下に延びるフレーム2c,2dとを組み合わせた方形状からなり、そして、正面から左側縁上下のヒンジ部材2e,2fを備え、ヒンジ部材によって、前枠4及びガラス枠3とを、横開き開閉及び着脱自在に支持している。
前枠4の前面側には、ガラス枠3が正面向かって左側縁部のヒンジ機構3a,3bによって横開き開閉及び着脱可能に取り付けられている。ガラス枠3は、施錠装置3cを用いて、その前面を覆っているガラス板によって閉鎖状態に保持されている。ガラス枠3の背後に位置する前枠4の上半分には、遊技盤5が前枠4の正面側から着脱可能に装着されており、上述のように閉鎖保持されているガラス枠3の複層ガラスを通して遊技盤5の正面の遊技領域5aが視認可能になっている。
ガラス枠3は、四角形で前後に貫通している貫通口3dを有するベースユニット3eと、その前面下方において遊技球を貯留する皿ユニット3fと、皿ユニット3fに貯留された遊技球を遊技盤5の遊技領域内へ打込むために遊技者が操作可能なハンドル4aを収容する領域3gとを備えている。そして、ガラス枠3の前面側には、遊技の進行状況に応じて発光する枠ランプ(LEDランプ)3h、及び、遊技の進行状況に応じて音を出力するスピーカ3iが設けられている。皿ユニット3fの正面中央には、遊技者によって押圧操作される演出ボタン3jが設けられている。また、演出ボタン3jの基部は、手前側(遊技者側)に所定角まで傾けることが可能なレバー構造となっており、遊技者によって引寄操作される第2演出ボタン3kとして機能する。なお、第2演出ボタン3kは、常に引寄操作が可能な構造としてもよいが、演出ボタン3jの操作性等を考慮すると、通常はロック機構等によってOFF側に固定され、特定の演出実行時にロックが解除されて引寄操作(ON操作)を可能にするほうが好ましい。
前枠4は、外枠2の枠内に挿入可能とされ、遊技盤5の外周を支持する枠体4bと、枠体4bの正面視左側の上下に外枠2のヒンジと、扉枠3のヒンジとが回転可能に取付けられるヒンジ4c,4dと、枠体4bの前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球を打込むための球発射装置4eと、枠体4bの正面視右側面に取付けられており、外枠2と前枠4、及び、ガラス枠3との間を施錠する施錠ユニット4fと、枠体4bの後面下部に取付けられている基板ユニット4gと、枠体4bの後側で、枠体4bに取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー4hと、を備えている。基板ユニット4gは、スピーカユニットと、電源基板と、インターフェイス制御基板と、遊技球の払出しを制御する払出制御基板とを収容する。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技者が遊技球の発射装置4aを回転操作すると、その角度に応じた強さで遊技球が遊技盤5の遊技領域5a内へ打込まれる。そして、遊技領域5a内に打込まれた遊技球が、入賞口(入球口)に受入れられると、受入れられた入賞口に応じて、所定数の遊技球が払出される。この遊技球の払出しによって遊技者の興趣を高めることができる。
<遊技盤>
次に、遊技盤5を図8〜図14を参照して説明する。図8は遊技盤の正面図、図9は遊技盤を右前から見た斜視図、図10は遊技盤の背面図、図11は遊技盤の背面を左後ろから見た斜視図、図12は遊技盤の背面を右後ろから見た斜視図、図13は遊技盤を主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図、図14は遊技盤を主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
遊技盤5は、遊技球が打込まれる遊技領域5aを有する。遊技盤5は、表ユニット100m、裏ユニット200m、液晶ベース300m、液晶表示装置(演出表示装置)70を組み合わせて構成される。表ユニット100mは、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前部材100aと、前部材100aの後側に取付けられ、遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル100bと、を備え、遊技パネル100bの前面において遊技領域5a内となるところに、複数の障害釘が所定の配列で植設されている。
前部材100aは、右下隅に主制御ユニット5b(遊技全般の制御を行う主制御基板100)からの制御信号に基づいて遊技状況を遊技者に視認可能にする機能表示ユニット100cを備える。液晶表示装置70は、遊技領域5aの中央に配置され所定の演出画像を表示する。液晶表示装置70の背面に、周辺制御ユニット5c(演出全般の制御を行う演出制御基板200)が取り付けられている。液晶ベース300mは、裏ユニット200m側が開放され、裏ユニット200mを収容するとともに、液晶ベース300mの背面に液晶表示装置70が取付けられる。
遊技パネル100bは外周の形態が前部材100aとほぼ同じで、透明な平板状のパネル板からなり、前部材100aの後側に取付けられ、さらに後面に裏ユニット200mが取付けられるホルダとを備える。前部材100aは、遊技領域5a内に打込まれた遊技球を受入可能に常時開口する複数の一般入賞口66と、一般入賞口とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球を受入可能に常時開口している第1始動口61と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球の通過を検知するゲート63(後述のアタッカユニット500に一体形成)と、遊技球がゲートを通過することにより抽選される普通図柄抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる第2始動口62(後述のアタッカユニット500に一体形成)と、第1始動口61への遊技球の受入れにより抽選される第1特別抽選結果又は第2始動口への遊技球の受入れにより抽選される第2特別抽選結果に応じて遊技球の受入れが何れかにおいて可能となる大入賞口64(後述のアタッカユニット500に一体形成)を備える。なお、ゲート63、第2始動口62と大入賞口64とはアタッカユニット500内にあるため、ここでは図示されていない。
第2始動口には、可動片で構成される普通電動役物と、この普通電動役物を開閉駆動させるための普通電動役物ソレノイドとが設けられている。普通電動役物は、この普通電動役物ソレノイドの通電状態に応じて、第2始動口へ遊技球が入球し難い閉鎖状態と、当該閉鎖状態よりも遊技球が入球し易い開放状態とが交互に可変可能である。第2始動口は、普通電動役物が開放状態とされなければ遊技球が入球し難い一方、普通電動役物が開放状態とされると遊技球が入球し易い構成となる。前部材100aは、左右方向中央の第1始動口61の直下に第1のアウト口29を備える。アタッカユニット500は、表部材100aの右下にある。アタッカユニット500は、大入賞口64を開閉する、特別電動役物642としての可動片を主として備え、合わせて複数のパーツが一体化されたユニットである。
裏ユニット200mは、後方の液晶表示画面を視認するための開口200aを有する。裏ユニット200mは、一般入賞口66、第1始動口61等に受入れられた遊技球を検知するセンサと、液晶ベース300mを着脱可能に取付けるためのロック機構、遊技球を排出するための通路を備える。
前部材100aは、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。この前部材100aは、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール100f、外レール100fに略沿って前部材100aの内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール100dと、内レール100dの下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成され後方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導路100eと、を備えている。
遊技パネル100bは、前部材100aの開口と同一形状の開口の周りに、前部材100a側に突出するセンター飾り22を備える。遊技パネル100bを前部材100aに固定すると、センター飾り22が前部材100aの開口の形状に合致するように開口に嵌入して、表ユニット100mの開口100hの回りを飾る。遊技者は、開口100hを介して、演出画面や、演出装置の挙動を認識することができる。センター飾り22は装飾体の一種であり、遊技盤5の中心で演出表示装置70の画面等を補助する装飾機能を発揮する。センター飾り22には、遊技の進行状況に応じた演出動作を実行する可動役物(可動演出装置)が設けられてよい。可動役物は、ステッピングモータやソレノイドなどの駆動源によって作動する。センター飾り22には、遊技の進行状況に応じて発光するランプが設けられてもよい。
主制御ユニット5b(図7参照)は、液晶表示装置70の背面で、周辺制御ユニット5cの下方に取付けられる。主制御ユニット5bは、遊技内容及び遊技球の払出し等を制御する主制御基板100と、主制御基板100を収容する主制御基板ケース100nを備える(図16参照)。主制御ユニット5bは、遊技内容及び遊技球の賞球等を制御する。
機能表示ユニット100cは、遊技状態を表示する一つのLEDからなる状態表示器と、ゲート63に対する遊技球の通過により抽選される普通図柄抽選結果に基づいて二つのLEDを点滅制御することにより普通図柄を変動表示した後にこれら二つのLEDを普通図柄抽選結果に応じた点灯態様で表示させる普通図柄表示器と、ゲート63に対する遊技球の通過に係る普通図柄の変動表示のうち未だ変動表示の開始条件が成立していない変動表示の個数である保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器と、第1始動口61への遊技球の受入れ(始動入賞の発生)により抽選された第1特別抽選結果に基づいて八つのLEDを点滅制御することにより第1特別図柄を変動表示した後にこれら八つのLEDを第1特別抽選結果に応じた点灯態様で表示させる第1特別図柄表示器と、第1始動口61への遊技球の受入れに係る第1特別図柄の変動表示のうち未だ変動表示の開始条件が成立していない変動表示の個数である保留数を表示する二つのLEDからなる第1特別保留数表示器と、第2始動口への遊技球の受入れ(始動入賞の発生)により抽選された第2特別抽選結果に基づいて八つのLEDを点滅制御することにより第2特別図柄を変動表示した後にこれら八つのLEDを第2特別抽選結果に応じた点灯態様で表示させる第2特別図柄表示器と、第2始動口への遊技球の受入れに係る第2特別図柄の変動表示のうち未だ変動表示の開始条件が成立していない変動表示の個数である保留数を表示する二つのLEDからなる第2特別保留数表示器と、第1特別抽選結果又は第2特別抽選結果が「大当り」等の時に、大入賞口の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する四つのLEDからなるラウンド表示器とを備える。機能表示ユニット100cはLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
周辺制御ユニット5cは、液晶表示装置70の後面に取付けられ、主制御基板100からの制御信号に基づいて遊技者に提示する演出(発光演出、サウンド演出、及び可動演出等)を制御する演出制御基板200、並びに、遊技展開に応じた画像表示及び音出力の制御を行う画像制御基板300を備える(図24参照)。液晶表示装置70は、遊技領域5aの中央に位置し、裏ユニット200mを収容する液晶ベース300mの略中央の後面に着脱可能に取付けられている。液晶表示装置70は、遊技盤5を組立てた状態で、枠状のセンター飾り22の枠内を通して、前面から視認できる。液晶表示装置70は、白色LEDをバックライトとしたフルカラーの表示装置であり、静止画像や動画を表示する。なお、本実施形態では、演出制御基板200と画像制御基板300を2枚の基板に分けて構成したものを記載しているが、それぞれの基板のCPUの機能構成について上記したものに限らず、適宜変更可能(例えば演出制御基板のCPUで音制御を行うなど)としたり、1枚の基板上のCPUで演出全てを制御したりするものであってもよい。
液晶表示装置70は、主として、第1特別図柄又は第2特別図柄と連動して変動表示・停止する装飾図柄や予告演出を含む演出画像を表示するとともに、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留表示を行う。具体的には、演出表示装置70の画面上に、装飾図柄の変動表示や予告演出表示などが実行される装飾図柄表示部と、第1特図保留ランプと同期して第1特別図柄の保留表示が実行される第1特図保留表示部と、第2特図保留ランプと同期して第2特別図柄の保留表示が実行される第2特図保留表示部と、が設けられている。
液晶表示画面の装飾図柄表示部には、所定の有効ライン上に、装飾図柄の変動表示領域となる三列の表示領域(左表示領域、中表示領域、右表示領域)が設けられており、左表示領域に対応して装飾図柄の左図柄、中表示領域に対応して装飾図柄の中図柄、右表示領域に対応して装飾図柄の右図柄がそれぞれ停止表示される。特図保留表示部には、通常の表示態様では、特別図柄の作動保留球が生じると白丸印の保留画像が表示される一方、当該作動保留球が消化されると対応する保留画像が消失される。この保留画像は、特別図柄の作動保留球の種類や発生順(入球順)など、あらかじめ定められた順番に表示されており、各特図保留表示部に最大で4個ずつ表示が可能である。
<設定変更>
本実施形態に係るパチンコ機1は、複数段階の設定値によって遊技の遊技者に対する有利度合いを変更する設定変更機能を備えることができるとする。ここで、設定値とは、遊技の遊技者に対する有利度合いを指定するための値であって、主制御基板100(図24参照)によって管理される。本例では、有利度合いが低い方から順に、「設定1」、「設定2」、・・・、「設定5」、「設定6」の6段階の設定値が用意されているとする。各設定値によって遊技の遊技者に対する有利度合いを異ならせるためには、例えば、設定値ごとに特別図柄抽選の大当り確率に差異を設ける等が考えられる。主制御基板100は、設定値に基づいて遊技の進行を制御し、後述する設定変更操作によって設定値が変更された場合には、変更後の設定値に基づいて遊技の進行を制御する。
そこで以下では、設定変更機能を備える際の本実施形態に係るパチンコ機1の特徴について詳しく説明する。なお、以降の説明では、設定値を変更/設定することを「設定変更」と称し、設定変更に関する一連の操作を「設定変更操作」と称する。
パチンコ機1における設定変更操作では、まず、主制御基板100(主制御CPU101)によって制御される内部状態を、設定値を変更可能な「設定変更状態」に移行させるための操作が行われ、その後、設定変更状態に制御されているときに、所望の設定値を選択・設定する操作(従来の遊技機における既知の操作方法を利用可能であり、詳細な説明は省略する)が行われることにより、設定値を変更することができる。
そして、上記の設定変更状態に移行させるための操作は、前枠4を開放する第1の手順(枠開放)と、設定キースイッチをオン状態にする第2の手順(設定キースイッチオン)と、初期化スイッチに対して初期化操作を行う第3の手順(RAMクリアスイッチオン)と、電源スイッチに対して電源ON操作を行う第4の手順(電源スイッチオン)と、から構成される。但し、第3の手順と第4の手順は並行して操作されなければならない。
本実施形態に係るパチンコ機1の特徴的な構造を参照しながら、これら第1〜第4の手順について詳しく説明する。
第1の手順(枠開放)では、ドアキーを使って前枠4を外枠2から開放する操作が行われる。ドアキーは共通キーとも呼ばれ、一般に、遊技機のメーカーや機種ごとに固有のものではなく、遊技店舗での運用がなされやすいよう、他の機種の遊技機と共用可能な鍵が用いられる。
枠開放の手順をより詳しく説明すると、例えば、外枠2に対する前枠4の閉鎖状態を保持する施錠装置の鍵穴(不図示)にドアキーを挿し込んで所定方向に回しながら前枠4を手前に引くことによって、前枠4を外枠2から開放することができる。なお、前枠4を外枠2から開放するためにドアキーを挿し込む鍵穴は、前枠4に対するガラス枠3の閉鎖状態を保持する施錠装置3cの鍵穴を共用する構造としてもよい。
パチンコ機1では、外枠2に対する前枠4の開閉状態を検知するために、外枠2の幕板部分にドア開センサ2pが設けられ、さらに、前枠4のドア開センサ2pと対応する位置にドア開検知用部材4pが設けられている。例えば、外枠2に対して前枠4が閉鎖しているときは、ドア開検知用部材4pがドア開センサ2pに嵌合することによって、ドア開センサ2pは前枠4の閉鎖状態(ドア閉)を検知する。一方、外枠2に対して前枠4が開放しているときは、ドア開検知用部材4pがドア開センサ2pから離れることにより、ドア開センサ2pは前枠4の開放状態(ドア開)を検知する。ドア開センサ2pによる検知情報は、所定の基板等に出力され、必要に応じてエラーとして処理される。なお、上記の構造は外枠2に対する前枠4の開閉状態を検知するための機構の一例であって、その他の既知の機構で実現されてもよい。
図15は、パチンコ機の背面図(その1)である。図15は、枠開放される前のパチンコ機1の背面図であるが、図15から外枠2を除去すると、前枠4が外枠2に対して開放された(枠開放された)ときの前枠4の背面図に相当する。図15によれば、前枠4の背面側において、遊技盤5の後側を被覆する裏カバー4hが閉鎖状態となっている。裏カバー4hは、通常時は主制御ユニット5b(主制御基板100)や周辺制御ユニット5c(演出制御基板200)を被覆する被覆部材である。したがって、前枠4を開放する第1の手順が行われた場合であっても、裏カバー4hが閉鎖状態にある限り、これらの被覆されたユニットに触れることはできない。
なお、図15には、払出制御基板400(払出制御ユニット)に設けられてRAMクリアスイッチ400qを被覆するRAMクリアスイッチカバー400pや電源基板600(電源ユニット)に設けられて電源スイッチ600qを被覆する電源スイッチカバー600pが示されているが、これらの詳細は後述する。
次に、第2の手順(設定キースイッチオン)では、設定キーを使って設定キースイッチ100qをオン状態にする操作が行われる。設定キーは、前述したドアキーとは異なり、遊技機性能に大きな影響を与える「設定」に関する不正を防止するため、セキュリティ性の観点から遊技機のメーカー(あるいは機種)ごとに固有の鍵である。ここで、本実施形態のパチンコ機1では、設定キースイッチ100qは主制御ユニット5b(例えば、主制御基板100)に設けられている。なお、図15を参照しながら前述したように、第1の手順で前枠4を外枠2から開放しただけでは、主制御ユニット5bは裏カバー4hによって被覆されているため、設定キースイッチ100qに設定キーを挿すことができない。そこで、第2の手順を実行する際は、裏カバー4hを開放する必要がある。
図16は、パチンコ機の背面図(その2)である。図16は、図15から裏カバー4hを取り除いたパチンコ機1の背面図であり、図16から外枠2を除去すると、第2の手順が実行される際(すなわち、前枠4が枠開放され、かつ裏カバー4hが開放された状態)の前枠4の背面図に相当する。図16によれば、裏カバー4hによって被覆されていた主制御ユニット5b(主制御基板100)や周辺制御ユニット5c(演出制御基板200)が露出している。しかし、設定キースイッチ100qはまだ視認可能な位置に現れていない。
本実施形態では、主制御ユニット5bの背面は主制御基板ケース100nによって被覆され、かつ、設定キースイッチ100qが設けられた部分は開閉可能なハーネスカバー100pによって通常時は被覆されている。すなわち、設定キースイッチ100qは通常、裏カバー4h及びハーネスカバー100pによって二重に被覆されており、第2の手順を実行する際は、裏カバー4hを開放した後さらにハーネスカバー100pを開放する必要がある。なお、本実施形態では、図18に示したように、裏カバー4hが左右方向に開閉する構造であるのに対し、ハーネスカバー100pは上下方向に開閉する構造とされている。このように両カバーの開閉方向を異ならせることによって、前枠4を小さく開放した状態で隙間から設定キースイッチ100qに対して操作を行うことを困難にし、防犯性を高めることができる。
図17は、パチンコ機の背面図(その3)である。図17は、図16に示した状態からハーネスカバー100pを開放した状態のパチンコ機1の背面図である。また、図18は、図17の状態におけるパチンコ機の斜視図である。図17や図18に示したように、ハーネスカバー100pが前枠4の背面側に開放されることにより、その奥に設けられた設定キースイッチ100qが操作可能に露出する。
したがって、このとき、設定変更操作の作業者(例えば、ホール管理者)は、ハーネスカバー100pを開放したまま、前枠4の背面側から、対応する設定キーを設定キースイッチ100qに挿し込んで所定方向に回す等の操作を行うことによって、設定キースイッチ100qをオン状態にする第2の手順を実行することができる。
また、図17,図18では、払出制御ユニットに設けられたRAMクリアスイッチカバー400pや電源ユニットに設けられた電源スイッチカバー600pを開放した様子も示されている。
RAMクリアスイッチカバー400pは上下方向に揺動開閉するカバーである。例えば、RAMクリアスイッチカバー400pは閉鎖状態におけるロック機構を有し、RAMクリアスイッチカバー400pを一旦下側に動かすことによってロックを解除した後に、手前側に開放可能となる。そして、RAMクリアスイッチカバー400pが開放されることによってRAMクリアスイッチ400qが操作可能に露出する。
RAMクリアスイッチ400qは、第3の手順で操作される初期化スイッチに相当し、所定の初期化操作(例えば、電源立上げ後の所定期間内におけるRAMクリアスイッチ400qの押下によるON操作)が行われた場合に、主制御RAM103に記憶されている制御情報を初期化(RAMクリア)させるための信号を出力する。なお、RAMクリアのための初期化操作は、RAMクリアスイッチ400qの単独操作に限定されるものではなく、RAMクリアスイッチ400qを押下しながら電源スイッチ600qをオン状態にすること等をRAMクリアのための初期化操作としてもよい。また、RAMクリアの実行時に初期化される情報の範囲は、主制御RAM103に記憶されている制御情報のみに限定されるものではない。
したがって、設定変更操作の作業者は、第2の手順を行った後に、RAMクリアスイッチカバー400pを開放した状態で、前枠4の背面側から、RAMクリアスイッチ400qに対して初期化操作(例えばON操作)を行うことにより、第3の手順(RAMクリアスイッチオン)を実行することができる。
また、電源スイッチカバー600pは、上述したRAMクリアスイッチカバー400pと同様、上下方向に揺動開閉するカバーである。電源スイッチカバー600pもロック機構を有してもよい。そして、電源スイッチカバー600pが開放されることによって電源スイッチ600qが操作可能に露出する。
電源スイッチ600qは、遊技機1(少なくとも主制御基板100)における電源の供給状態を変化させる電源スイッチであって、電源操作が行われた場合に、電源のオン/オフ状態を切り替える信号を出力する。
したがって、設定変更操作の作業者は、第2の手順を行った後に、電源スイッチカバー600pを開放した状態で、前枠4の背面側から、電源スイッチ600qに対して所定の電源操作(電源オン操作)を行うことにより、第4の手順(電源スイッチオン)を実行することができる。なお、前述した通り、第3の手順及び第4の手順は同時に(並行して)並行操作されなければならない。そして第1〜第4の手順が行われることにより、パチンコ機1の内部状態が設定変更状態に移行し、設定値の選択・設定が可能となる。
なお、本実施の形態に係るパチンコ機1では、上記した設定変更状態に移行させるための第1〜第4の手順のうち、第1の手順(枠開放)及び第2の手順(設定キースイッチオン)が省略されて実行された場合には初期化操作となり、第3の手順(RAMクリアスイッチオン)が省略されて実行された場合には、現在の遊技設定(設定値)を確認する設定確認状態に移行する。
以上のように、パチンコ機1における設定変更操作では、第1の手順によって外枠2から前枠4を開放した状態で、前枠4の背面側から第2〜第4の手順を実行しないといけないため、遊技機の前面扉(前枠4)を閉鎖したまま設定変更を行おうとする不正行為を防止することができる。
<盤面構成>
図19は、本実施形態に好適な盤面構成を有する遊技盤の正面図である。図19に示した遊技盤5Aは、本実施形態に好適な盤面構成を形成する遊技盤の一例である。そこで、以降の本実施形態では、これまで本実施形態に係るパチンコ機1の遊技盤として用いてきた遊技盤5(図8参照)を図19に示す遊技盤5Aに置き換えて説明を続ける。なお、遊技盤5と共通する構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
このような本実施形態に好適なパチンコ機1の主たる特徴として、パチンコ機1は、装飾図柄や演出画像を表示する演出表示装置として、液晶表示装置70の代わりにドラム式演出表示装置71を用いる。さらに、遊技盤5Aを備えたパチンコ機1の場合、第1特図保留ランプ173及び第2特図保留ランプ174と同期して表示される第1特別図柄及び第2特別図柄の保留表示は、液晶表示装置70ではなく保留表示LED75によって行われる。
図19によれば、遊技盤5Aにおいて、遊技領域5aの中央付近の開口部には、ドラム式演出表示装置71が配置される。さらに、ドラム式演出表示装置71の前方(ガラス枠3のガラス板側)には、ドラム式演出表示装置による表示の一部を被覆する位置に、非発光時に透過性を有する導光板72が配置されている。ドラム式演出表示装置71及び導光板72による表示態様は、表示領域(図柄表示領域710)を介して遊技者から視認可能となる。
また、図19によれば、遊技盤5Aにおいて、ドラム式演出表示装置71の右側には、サブ演出表示装置73が配置されている。また、サブ演出表示装置73の下方には、3個のセグメント表示器によって構成されるセグ演出表示装置74が配置されている。
また、図19によれば、遊技盤5Aにおいて、ドラム式演出表示装置71が配置された開口部の下部に、8個の単色LEDで構成される保留表示LED75が配置されている。そして、保留表示LED75の下側の中央付近には、フルカラーLEDによる期待度表示LED76が配置されている。
遊技盤5Aに配置されるこれらの構成について、以下に詳しく説明する。
<ドラム式演出表示装置>
ドラム式演出表示装置71は、回転ドラム(後述するリール711)を用いた表示装置であって、図柄表示領域710において、主として、第1特別図柄又は第2特別図柄と連動して変動表示・停止する装飾図柄の表示や、予告演出を含む演出画像の表示を行う。なお、回転ドラムの代わりに、ベルト式のリール等を用いるものであってもよい。
そして、ドラム式演出表示装置71の回転ドラムより手前には、導光板72が配置される。詳細は後述するが、導光板72は、特定の演出実行時に面発光することによって、図柄表示領域710の一部に所定の装飾図柄を表示可能な表示装置であって、ドラム式演出表示装置71を主装飾図柄表示装置と見なしたとき、導光板72は副装飾図柄表示装置としての機能を有する。
図20は、図柄表示領域の表示態様を説明するための図である。また、図21は、リールの配列及び図柄を示す図である。図20及び図21を参照しながら、まずドラム式演出表示装置71について詳述する。
ドラム式演出表示装置71は、3本の回転可能なリール711(個別には、左リール711a,中リール711b,右リール711c)、各リール711にそれぞれ駆動力を与えるステッピングモータ、及び、図柄表示領域710における各リール711の表面を照射可能なバックライト(不図示)等を有して構成される。
リール711(左リール711a,中リール711b,右リール711c)は、複数種類の識別情報(装飾図柄)が描かれたシールが外周に貼付された回転ドラムであって、ステッピングモータの動作に伴って回転・停止することにより、図柄表示領域710において装飾図柄の変動表示を行う。
リール711のステッピングモータは、モータドライバ92(図24参照)によって駆動電流のオン/オフが切り替えられ、モータドライバ92は、演出制御基板200(演出制御CPU201)から送信される駆動制御信号に基づいて制御される。
すなわち、簡潔に言えば、ドラム式演出表示装置71(リール711)の動作は、演出制御基板200(演出制御CPU201)によって制御される。より詳しく説明すると、演出制御基板200(演出制御CPU201)が、主制御基板100(主制御CPU101)によって決定された第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターンに基づいて、ドラム式演出表示装置71によって表示する図柄(装飾図柄)の変動パターンを決定し、決定した変動パターンに対応するリール制御動作を、駆動制御信号の送信によってモータドライバ92に指示する。そして、モータドライバ92が、受信した駆動制御信号に従ってステッピングモータを動作させることによって、各リール711が所望のタイミングで回転/停止することにより、図柄表示領域710に所望の図柄が変動表示される。
具体的には、図21に示したように、各リール711には、12個の図柄が配列されている。そして、図20に示したように、図柄表示領域710には、リール711a〜711cに対応する3列分の表示領域(左列、中列、右列)が確保されており、各列において最大で連続する3つの図柄を表示することができる(上段、中段、下段)。すなわち、図柄表示領域710には、最大で、縦3個、横3個の合計9個の図柄を表示することができる。以後、図柄表示領域710における図柄の表示位置は、列と段の組み合わせによって示す。具体的には例えば、左列の上段は「左上段」と称し、中列の中段は「中中段」と称し、右列の下段は「右下段」と称する。
ここで、図21に示されたリール配列について詳しく説明する。図21によれば、各リール711には複数種類の図柄が配列されている。例えば、左リール711aにおいて、7番,9番,10番には、「7」を模した図柄が配列されており、これらを「7図柄」と称する。また、左リール711aにおいて3番,5番,6番には、異なる絵柄の恐竜を模した図柄が配列されており、これらを順に「恐竜A図柄」、「恐竜B図柄」、「恐竜C図柄」と称する。また、左リール711aにおいて0番〜2番には、連続した3コマに跨って、大きな恐竜の一部を模した図柄が配列されている。これらは、3コマ分をまとめて「大恐竜図柄」と称する。また、左リール711aにおいて4番,8番,11番に配列された図柄は、はずれを意味する図柄であり、「ブランク図柄」と称する。
同様に、図21に示された中リール711b及び右リール711cのリール配列を確認すると、上記の「7図柄」、「恐竜A図柄」、「恐竜B図柄」、及び「恐竜C図柄」は、全てのリール711において、少なくとも1つ以上配列されていることが分かる。また、「大恐竜図柄」については、各リール711によってそれぞれの絵柄は異なるものの、中リール711bの1番〜3番の連続した3コマに配列された図柄、並びに、右リール711cの3番〜5番の連続した3コマに配列された図柄をまとめて「大恐竜図柄」と称する。すなわち、図21によれば、各リール711には、複数種類の図柄が、少なくとも各種類で1つ以上配列されている。
そして、パチンコ機1では、リール711の変動停止によって、図柄表示領域710に同一種類の図柄が一列に並んで停止表示された場合に、特別抽選(第1特別抽選、第2特別抽選)の抽選結果が当り(大当りだけでなく小当り等を含むとしてもよい)であることが報知(または示唆)される。但し、前述したように、「ブランク図柄」ははずれを意味する図柄であるため、ブランク図柄が一列に停止したとしても、当りを報知するものではない。なお、「大恐竜図柄」による一列の並びについては、各列の3コマに跨る「大恐竜図柄」が全ての列で表示されること(すなわち、図柄表示領域710の9コマ全てに大恐竜図柄が停止すること)を条件とする。
また、図21に示した図柄配列の場合、1リール内に同一種類の図柄が連続して3個配列されたものはない。したがって、リール711による図柄のみで同一種類の図柄が一列に並ぶ場合、縦方向のラインに停止することはなく、必ず3列のリール711に跨って、横方向の3通りの水平ライン(上段ライン、中段ライン、下段ライン)、または斜め方向の2通りの斜めライン(右上がりライン、右下がりライン)の何れかに停止することとなる。
但し、本実施形態におけるリール711の図柄配列は図21の例に限定されるものではない。したがって例えば、中9番のブランク図柄を7図柄に変更する等してもよく、このようにした場合、中リール711bの停止時に、図柄表示領域710に8番〜10番が停止した場合には、縦方向の垂直ライン(中ライン)で7図柄が一列に並ぶことになり、1本のリール711bだけで当りを報知することができる。
また、本実施形態のドラム式演出表示装置71では、各リール711に付された図柄の背景を黒色(または黒色に近い吸収率の高い色)にすることが好ましい。一般にブラックリールと呼ばれるものであるが、リール711をブラックリールとすることにより、後述する導光板72の発光による図柄表示が行われる際に、導光板72の表示図柄に対する視認性を高めることができる。さらに、ドラム式演出表示装置71のリール711による図柄表示と導光板72による図柄表示との組み合わせによる、図柄表示領域710における全体的な図柄表示に対して、遊技者が感じる違和感を低減し、演出効果を高めることにも期待できる。また、ドラム式演出表示装置71において各リール711の間や周囲も、黒色(または黒色に近い吸収率の高い色)にすることで、上述した視認性や演出効果をさらに高めることができる。
<導光板>
次に、図19〜図21を参照しながら、導光板72について詳述する。
導光板72は、端面に設けられたLED等の光源から光が入れられることによって、所定の表示面(発光領域とも称する)が発光し、予め印刷された画像を発光表示する表示デバイスである。導光板72による発光表示は、例えば演出制御基板200(演出制御CPU201)によって制御される。本実施形態において、導光板72は、主装飾図柄表示装置(ドラム式演出表示装置71)に対する副装飾図柄表示装置として、主装飾図柄表示装置によって表示可能な図柄のうちの特定の種類の図柄(本例では「7図柄」)を発光表示できるように構成される。
導光板72は、発光されない通常時には、透過状態が維持されることで、裏側に配置されたドラム式演出表示装置71による表示演出に対する視認性を損なわないようにしており、このとき、図柄表示領域710におけるリール711による図柄表示の全てが遊技者から視認可能となる。
一方、特定の演出実行時には、導光板72は、演出制御基板200(演出制御CPU201)による制御に基づいて、演出内容に対応する発光パターンで所定の発光領域に所定画像を発光表示する。
具体的には、図19や図20に示した導光板72は、最大9コマの表示領域を有する図柄表示領域710において、7コマの表示領域に被覆する位置に発光領域721を形成している。コマ別に詳述すると、左列の上段・中段・下段に発光領域721a〜721cが形成され、中列の中段に発光領域721dが形成され、右列の上段・中段・下段に発光領域721e〜721gが形成されている。左列の上段に位置する発光領域721a及び右列の上段に位置する発光領域721eと、左列の下段に位置する発光領域721c及び右列の下段に位置する発光領域721gとは、それぞれ導光板72の左端面または右端面の上段または下段に設けた光源から光を照射することによって、発光させることができる。また中段に位置する発光領域721b,721d,721fは、それぞれ各リールの上端面または下端面に設けた光源から光を照射することによって、発光させることができる。
そして、図20に示したように、各発光領域721a〜721gには、ドラム式演出表示装置71によって表示可能な図柄のうちの「特定の種類の図柄」として、リール711の「7図柄」(図21参照)と同じ種類の7図柄が印刷されている。このような導光板72の7図柄は、リール711の7図柄と全く同じデザインであってもよいし、リール711の7図柄と同一種類の図柄であることを遊技者が認識可能な程度であれば、または、リール711の7図柄と共通する役割を持つものであれば、一部または全体が異なるデザインであってもよい。
なお、導光板72の発光時は、発光領域721の発光図柄に対する視認性や識別性を向上させるために、例えば演出制御基板200(演出制御CPU201)による制御に基づいて、ドラム式演出表示装置71のリール711を照射するバックライトを部分的に消灯、または全消灯することが好ましい。
本実施形態に係るパチンコ機1は、図柄表示領域710において、このような導光板72をドラム式演出表示装置71のリール711よりも手前に備えることにより、特定の演出実行時に、リール711による図柄表示に被覆する態様で導光板72の7図柄を発光表示することができ、7図柄による当りの報知を様々なバリエーションで実現することができる。
導光板72の7図柄を利用した当りの報知の具体例として、例えば、発光領域721a〜721cを発光させる等により、導光板72の7図柄だけで7図柄のラインを形成することができる。また例えば、リール711の7図柄と導光板72の7図柄との組合せによって、7図柄のラインを形成することもできる。具体的には例えば、図柄表示領域710において、左列に左リール711aの9番〜7番が停止し、中列に7番〜5番が停止し、右列に右リール711cの9番〜7番が停止している場合(左右列で7図柄のダブルテンパイだが、中列の中段に6番の恐竜C図柄が停止してハズレとなっている状態)に対して、発光領域721dを発光させることにより、中中段の恐竜C図柄を被覆する態様で7図柄が表示されるため、下がりライン及び右上がりラインの2ラインで7図柄のラインを形成することができる。
かくして、本実施形態に係るパチンコ機1は、このような導光板72を備え、ドラム式演出表示装置71(リール711)を制御して行われる装飾図柄の変動表示に関する演出(予告演出を含めてもよい)の一部として、導光板72の発光を利用する特定の演出を実行することにより、リール711のみでは表示できない態様で、あるいは、リール711による図柄表示を覆す態様で、当りを報知することが可能となるため、多彩な遊技演出を提供し、遊技興趣を高める効果が期待できる。
なお、本実施形態において導光板72に表示可能な図柄(本例では7図柄)は、当該図柄の並びによって報知される当りが、比較的有利な特典を付与するものであることが好ましい。より詳しくは例えば、怪獣図柄の並びが2ラウンド以上の当りを示唆するのに対して7図柄の並びが5ラウンド以上の当りを示唆する場合に、導光板72の発光図柄に7図柄を用いるといったように、当りによって得られる特典の有利度合いが高い図柄を用いることが考えられる。また例えば、怪獣図柄の並びの場合が通常当りを示唆するのに対して、7図柄の並びが確変当りを示唆する場合に、導光板72の発光図柄に7図柄を用いるといったように、当りに伴う一連の有利遊技によって得られる特典の有利度合いが高い図柄を用いることが考えられる。
また、本実施形態において導光板72に表示可能な図柄(本例では7図柄)は、当該図柄によって形成されるライン数に応じて、比較的有利な特典に期待できるものとしてもよい。具体的には例えば、7図柄が1ラインを形成した場合には5ラウンド以上の当りを示唆するのに対し、2ライン以上を形成した場合には10ラウンド以上の当りが確定し、このうち8ラインを形成した場合(本例における最大ライン数であり、図柄表示領域710の全てのコマに7図柄が停止した場合)には10ラウンドの確変当りが確定するといったように、複数通りのライン形成が可能な場合に、7図柄を導光板72の発光図柄に採用することが好ましい。
また、前段で述べた複数ラインでの表示が可能な図柄(本例では7図柄)は、図柄表示領域710において、リール711によって少なくとも1列以上で複数個の当該図柄を表示可能とするよう、リール711に複数個の当該図柄が配列されていることが好ましい。図21の場合、左リール711aの10番〜7番、中リール711bの10番〜6番、右リール711cの10番〜7番の配列が、この条件を満たしている。
そして、上記のように有利度合いの高い図柄を導光板72の発光図柄に用いる場合、本実施形態に係るパチンコ機1は、ドラム式演出表示装置71(リール711)を制御して行われる装飾図柄の変動表示に関する演出(予告演出を含めてもよい)の一部として、導光板72の発光を利用する特定の演出を実行することにより、導光板72の発光を利用した特定の演出の実行により、7図柄が複数ラインに停止することを期待できるようになるため、遊技者の興趣をより高める効果が期待できる。
ドラム式演出表示装置71(リール711)を制御して行われる装飾図柄の変動表示に関する演出の一部として導光板72の発光を利用する特定の演出については、後述する「ルーレットリーチ演出」、「セブンリーチ演出」、及び「ビジョンチャンス演出」等のなかで具体例を挙げて詳しく説明する。
なお、本実施形態において、導光板72は、透過性を有する状態(通常時)と、特定の画像を表示する状態(特定演出時)とを切り替えて表示可能な光学デバイスであればよく、さらにいえば、複数種類の光学デバイスを採用してもよい。例えば、複数の導光板を重ねて配置してもよいし、また例えば、導光板の背面に略透明な励光塗料(ブラックライトで発行する塗料等)を塗布し、異なる光学特性で発光するデバイスとしてもよい。
また、本実施形態において導光板72を配置する位置は、上述した発光領域721a〜721gに限定されるものではなく、図柄表示領域710においてリール711による図柄表示が行われるコマ(本例では最大9コマ)のうち、少なくとも何れかのコマを被覆する位置であれば、任意の位置に配置してもよい。
<サブ演出表示装置(4thリール)>
サブ演出表示装置73について詳しく説明する。サブ演出表示装置73は、演出制御基板200(演出制御CPU201)によって制御される演出表示装置であって、ドラム式演出表示装置71(または液晶表示装置70でもよい)による装飾図柄の変動表示等に連動する演出や、その予告演出等に用いることができる。図19の場合、サブ演出表示装置73は、ドラム式演出表示装置71の右側に配置されているが、パチンコ機1においてその配置場所は特に限定されず、遊技者から視認可能な(通常時は役物等に覆われていて、特定状況において露出する場合等を含む)任意の位置に配置することができる。
また、サブ演出表示装置73は、液晶画面に画像表示を行う液晶表示装置であってもよいし、絵柄が付された回転ドラム(リール)等を用いて絵柄表示を行うドラム式演出表示装置等であってもよい。本例では、サブ演出表示装置73は、所定の絵柄(アイコン)が付された回転可能なリールの態様を模して、液晶画面に画像表示を行うものとして説明する。このような本例のサブ演出表示装置73による画像表示によれば、ドラム式演出表示装置71による3本のリール711とは別に、4本目のリール(4thリール)を感じさせるリール演出を提供できることから、サブ演出表示装置73を「4thリール73」とも称する。
図22は、サブ演出表示装置が表示可能なアイコンの一例を説明するための図である。図22には、4thリールとして捉えた場合の配列番号(0番〜11番)と、各アイコンを識別する絵柄番号(1番〜5番)と、各アイコンの呼称と、各絵柄との対応がまとめられている。
本例のサブ演出表示装置73は、2コマ分(配列番号2個分)の表示領域を有するとし、図22に示すように、各アイコンは2コマ(2個の配列番号)に跨って配列されている。なお、配列番号0番は、4thリール73の初期位置を意味し、具体的には、電源投入時や演出終了後の通常表示復帰時等には、表示領域の上側コマに配列番号0番が位置する(すなわち、表示領域全体では絵柄番号1番の「タイトル」絵柄が表示される)ように制御される。絵柄番号1番の「タイトル」絵柄は、通常表示されるアイコンであり、その表示によって特段の意味を持たない。
サブ演出表示装置73は、アイコンにそれぞれ意味を持たせ、表示領域に表示するアイコンを変更する演出を行うことによって、期待度を示唆したり、所定操作を要求したりすることができる。以下に具体例を説明する。
絵柄番号2番の「接近」絵柄や絵柄番号3番の「震動」絵柄は、期待度の高い図柄変動や演出が近付いていることを示唆する。このうち、「接近」図柄よりも「震動」図柄のほうが、対象の変動や演出が近いことを意味すると、例えば、先読みによる予告演出として「接近」絵柄を表示し、その後、先読み対象変動が開始する際あるいは先読み対象変動の実行中に「震動」絵柄を表示するといった使い方ができる。
絵柄番号4番の「連打」絵柄は、演出ボタン3jの連打操作を要求するアイコンである。また、絵柄番号7番の「激押し」絵柄は、演出ボタン3jの押下操作や第2演出ボタン3kの引寄操作を要求するアイコンである。なお、図22に示したように、「連打」絵柄と「激押し」絵柄は、何れも配列番号の5番〜6番に割り当てられている。これは、4thリール73の表示において、両絵柄を適宜入れ替えて表示できることを意味する。そして、例えば、「連打」絵柄よりも「激押し」絵柄のほうが、期待度が高い操作が要求されるとすれば、何れの絵柄が表示されるかについて遊技者に強い関心を持たせることができる。
絵柄番号5番の「CHANCE」絵柄や絵柄番号6番の「爆」絵柄は、期待度が高い状態や状況であることを示唆する。このうち、「CHANCE」絵柄よりも「爆」絵柄のほうが高い期待度を意味するとすれば、例えば「CHANCE」絵柄が表示された場合に、1つ先の「爆」絵柄への変更を遊技者に期待させることができる。
なお、これらは一例に過ぎず、本実施形態に係るパチンコ機1は、サブ演出表示装置73について、他にも様々なアイコンを用意したり、各アイコンに様々な意味を対応付けたりすることができる。
例えば、サブ演出表示装置73は、「×1」、「×2」、「×3」といったような対価表示を行うようにしてもよい。この場合、対価表示の表示内容に応じて、ドラム式演出表示装置71(または液晶表示装置70)等で報知された特典内容を変更するといった演出が考えられる。具体的には、大当りのラウンド数が「5R」と報知されているときにサブ演出表示装置73によって「×2」を表示することにより、ラウンド数が2倍の「10R」に昇格するような演出を実行することができる。また、時短回数が「50回」と報知されているときにサブ演出表示装置73によって「×3」を表示することにより、ラウンド数が3倍の「150回」に昇格するような演出を実行することができる。
またサブ演出表示装置73は、例えば、特別遊技の種類を示唆する表示を行うようにしてもよい。具体的には、装飾図柄の変動表示の終了直前又は直後に、7図柄などの特別遊技に対応する図柄が一列に並んだライン(以後、「賞成立ライン」とも称する)の横に「通常」または「確変」といった、そのとき獲得された特別遊技の種類をサブ演出表示装置73によって表示する演出を行うことができる。
さらにサブ演出表示装置73は、例えば、パチンコ機1に小当りRUSH機能を搭載する場合に、大入賞口の開放回数が異なる小当り図柄に応じて、その小当り図柄の表示ラインにそのときの大入賞口の開放回数を示唆する表示を行うようにしてもよい。逆に、サブ演出表示装置73が「1回」、「3回」、「5回」といった大入賞口の開放回数を複数種類表示しておき、小当り図柄を対応するラインで停止させるようにしてもよい。
さらにドラム式演出表示装置71にて先読み、擬似変動の仮停止の際にチャンス目が停止したラインの延長線上に位置するサブ演出表示装置の表示内容(例えば付与ポイント表示)に応じて、対応するポイントを加算してゆき、リーチ演出等の当りが発生する期待度の高い装飾図柄の変動表示の際に、それまでに溜まったポイント量に応じて、当落分岐期待度をサブ演出表示装置73に表示するようにしてもよい。
さらにサブ演出表示装置73の図柄として爆弾を模した図柄(以後、「爆弾図柄」と称する)やかかる爆弾が爆発した図柄(以後、「爆発図柄」と称する)を用意し、サブ演出表示装置73が爆弾図柄で停止した場合に、後述するセグ演出表示装置74(図19)で所定値からカウントダウンする演出を行うようにしてもよい。この場合、カウントが「0」となった段階で、サブ演出表示装置73の表示図柄を爆弾図柄から爆発図柄に切り替え、その上で擬似変動の連続やスーパーリーチに発展するなどのチャンスアップの特典が得られるようにしてもよい。
<セグ演出表示装置>
セグ演出表示装置74は、3個のセグメント表示器によって構成され、3桁の英数字や記号を表示可能である。各セグメント表示器は、図19の左から順にセグ741a〜741cと称し、各セグ741a〜741cの点灯は、例えば演出制御基板200(演出制御CPU201)によって制御される。
図19の場合、セグ741aは、縦1列に2個の合計2個のセグメントで構成されるため、数字を表示する場合は「1」しか表示できない。一方、セグメント741b,741cは、縦2列に2個ずつ、横3列に1個ずつの合計7個のセグメントで構成される、所謂「7セグ」であり、「0」〜「9」までの数字を表示することができる。以上のことから、図19に示したセグ演出表示装置74は、セグ741a〜741cを用いて「00」〜「100」までの数字を表示することができる。これらの数字表示は、一例として、確変遊技状態や時短遊技状態の残り遊技回数(あるいは累積遊技回数)を表示するものや、大当り遊技中の現在のラウンド数表示(累積ラウンド数表示)などに用いられる他、変動中の演出表示について、大当り期待度を数値で示すような期待度表示演出を実行するもの等が考えられる。但し、前述した通り、セグ演出表示装置74による表示は、数字に限定されるものではなく、他の演出表示等にも使用可能である。
なお、本実施形態におけるセグ演出表示装置74の構成は、上記例に限定されるものではない。例えば、各セグ741a〜741cは発光色を変更可能であってもよく、ドット付きのセグメント表示器であってもよく、他のセグメント数を有するセグメント表示器であってもよい。また、セグ演出表示装置74を構成するセグメント表示器の個数も特定数に限定されない。また、セグ演出表示装置74を用いて実行される表示制御は、セグメント表示器以外で構成される表示装置(例えば、液晶表示装置、操作ボタンの近傍や内部に設けられたランプ、盤面ランプ、枠ランプ等)によって実行されてもよい。
詳細は、後述する「遊技者操作入力演出」において具体例を挙げて説明するが、本実施形態に係るパチンコ機1では、このようなセグ演出表示装置74による表示を利用して、演出表示や演出ボタン操作等の有効期間(操作有効期間)を遊技者に報知することができる。
<保留表示LED>
保留表示LED75は、特別図柄の保留表示を行う表示器であって、第1特別図柄の保留状況を示す第1特図保留ランプ173に同期して点灯する第1保留表示LED751と、第2特別図柄の保留状況を示す第2特図保留ランプ174に同期して点灯する第2保留表示LED752と、から構成される(図23参照)。保留表示LED75は、演出制御基板200(演出制御CPU201)によって制御される。
後述する図23に示すように、第1保留表示LED751は、第1特別図柄の最大保留数(本例では4個)に相当する複数の単色LEDで構成され、具体的には、保留数の昇順に対応して第1保留表示LED751a〜751dの4個の単色LEDで構成される。また、第2保留表示LED752は、第2特別図柄の最大保留数(本例では4個)に相当する複数の単色LEDで構成され、具体的には、保留数の昇順に対応して第2保留表示LED752a〜752dの4個の単色LEDで構成される。
なお、本実施形態において、第1保留表示LED751及び第2保留表示LED752は、単色LEDで構成されるため、保留色の変化演出を行うことはできない。但し、保留状態を示す表示制御において点灯と点滅を切り替えるといった発光態様の変化演出は実行可能であり、その他、変化対象の保留表示LED75のみ物理的な配置関係を変更する(例えば、少しだけ上昇位置に移動し、水平に並ばないようにする等)手法でも変化演出を示すことが可能であり、これらを組み合わせた手法を採用してもよい。また、第1保留表示LED751と第2保留表示LED752の各LEDの色は、同色でなくてもよい。
<期待度表示LED、爪役物、小型可動役物>
図23は、期待度表示LED周辺の拡大図である。図23(A)には、期待度表示LED76の大部分が視認可能となっている状態(LED露出状態)が示され、図23(B)には、閉じた爪役物77に被覆されて期待度表示LED76の半分以上が視認不能となっている状態(LED被覆状態)が示されている。
図23(A),図23(B)に示すように、期待度表示LED76は、第1保留表示LED751と第2保留表示LED752の中間の下方に配置された表示器であり、内部に3つのフルカラーLEDが配置された構成で、演出制御基板200(演出制御CPU201)によって発光が制御される。なお、期待度表示LED76には、少なくとも複数色による発光表示ができることが求められるため、より精彩な発光表示をするために、フルカラーLEDではなく液晶表示装置(所謂、ミニ液晶)等の表示器であってもよい。
また、期待度表示LED76の外縁には、3本の爪状の可動部材から構成される爪役物77が配置されている。爪役物77は、演出制御基板200(演出制御CPU201)によって制御され、例えば、3本の爪状の可動部材が、図23(A)に示された位置(通常位置)と図23(B)に示された位置(作動位置)との間を直線的に移動することができる。爪役物77(3本の爪状の可動部材)が通常位置から作動位置に移動するとき、LED露出状態からLED被覆状態となり、爪役物77が期待度表示LED76を掴むような動作を実現する。
なお、爪役物77は、上述した通常位置と作動位置との間の直線的な動作だけでなく、3本の爪状の可動部材が期待度表示LED76を中心に回転する回転動作や、爪役物77全体が振動する動作も行うことができる。
期待度表示LED76及び爪役物77の左右には、恐竜を模した2個の可動役物からなる小型可動役物78(個別には、小型可動役物78a,78b)が配置されている。小型可動役物78a,78bは略左右に移動可能で、演出制御基板200(演出制御CPU201)によって制御される。図23(B)に矢印で示したように、小型可動役物78a,78bが左右に動作することにより、期待度表示LED76及び爪役物77を突くような動作を実現することができる。
そして、本実施形態のパチンコ機1では、期待度表示LED76を用いて、現在の変動(当該変動)の期待度を示唆する期待度示唆演出を実行することができる(当該変動の期待度示唆演出)。詳しくは、演出制御基板200(演出制御CPU201)が装飾図柄の変動表示を制御する際に、期待度表示LED76の発光色や発光態様を変化させることによって、現在の変動(当該変動)に対する期待度を示唆することができる。具体的には例えば、特段の期待度を示唆しない通常時には、期待度表示LED76を白色に点灯させ、高い期待度を示唆する演出時には、期待度表示LED76の発光色を緑色や赤色に変化させたり、点滅させたりする。
さらに、期待度表示LED76を用いた当該変動の期待度示唆演出の実行時には、爪役物77や小型可動役物78を連動させてもよい。具体的には例えば、期待度表示LED76の発光色を変化させる前に、小型可動役物78を左右に動かして、通常位置にある爪役物77を突く動作を現出させ、さらに、爪役物77を作動位置に動かしてLED被覆状態にすることによって、突かれた爪役物77が期待度表示LED76を掴む動作を現出させる。そして、爪役物77が期待度表示LED76を掴んだタイミングで期待度表示LED76の発光色を変化させ、その後、爪役物77を通常位置に戻し、再びLED露出状態にする、といった一連の役物演出が考えられる。
また、本実施形態のパチンコ機1では、期待度表示LED76を用いて、所定の先読み対象保留の期待度を示唆する期待度示唆演出を実行することもできる(先読み対象保留の期待度示唆演出)。詳しくは、演出制御基板200(演出制御CPU201)が保留変動の先読みを実行し、所定の条件を満たす保留変動が先読みされた場合に、当該保留変動(先読み対象保留)の変動表示が行われるよりも前のタイミングで、期待度表示LED76の発光色や発光態様を変化させることによって、先行して当該保留変動(先読み対象保留)の期待度を示唆することができる。なお、上述した当該変動の期待度示唆演出と同様に、先読み対象保留の期待度示唆演出の実行時にも、爪役物77や小型可動役物78を連動させてもよい。
<遊技機の制御構成>
本実施形態に係る遊技機の制御構成について説明する。なお、ここから後述する<演出制御側タイマ割込み処理>までの間、演出面は主流な液晶機の場合で説明するが、本説明は液晶機に限定されるものではなく、他の演出表示手段(例えばドラム式の演出表示装置等)を備える遊技機にも適用可能である。
図24は、本実施形態に係る遊技機の制御構成の一例を示す制御ブロック図である。
<主制御基板>
図24に示すように主制御基板100は、主制御CPU101、主制御ROM102、主制御RAM103及びI/Oポート回路104等を備える。主制御CPU101は、主制御プログラムの動作を制御して遊技に関する各種の演算処理を実行する。主制御ROM102は、この主制御プログラム及び各種データなどが不揮発的に記憶されている。主制御RAM103は、一時的な記憶領域(テンポラリ領域)として利用されるワークエリア及びバッファメモリとして機能する。I/Oポート回路104は、主制御CPU101の制御によって演出制御基板200や払出制御基板400などの周辺の基板や各デバイスとの間の信号を入出力する。
主制御CPU101は、主制御ROM102から主制御プログラムを読み出して主制御RAM103上で各命令を実行することにより、主制御プログラムの各命令に従った遊技動作を制御する。
その他にも、主制御基板100には、図示省略するが、クロック回路、WDT回路、CTC回路及び乱数生成回路等を備える。
クロック回路は、水晶発振器からのクロック信号を分周して内部システムクロックを生成する。WDT回路は、主制御CPU101が誤動作または暴走状態となったときにリセットをかけて正常な状態に復帰させる。CTC回路は、リアルタイム割込みを発生したり時間を計測する。乱数生成回路は、主制御CPU101によるプログラム処理(ソフトウェア乱数)とは別系統として動作して所定の乱数(内蔵乱数)を生成する。これらは、内部バス(図示せず)を介して互いに電気的に接続されている。
主制御CPU101は、各スイッチ161などからの検出情報などに基づき、主制御ROM102に格納された主制御プログラムを読み出して演算処理を実行することで、遊技の主制御に係る各種処理を実行する。
さらに主制御CPU101は、遊技の主制御に伴う演出動作を実行させるための演出制御コマンドを演出制御基板200に出力するための演出コマンド出力ポートの他にも、遊技球の払出動作を実行させるための払出コマンドを出力するための払出コマンド出力ポートを備え、さらには、それら送信コマンドを各々対象基板に受け取らせるタイミングを図るためのストローブ信号を出力する際に用いられるストローブ信号出力ポートを備えている。なお、主制御CPU101は、その他にも様々な出力ポートを備えており、ストローブ信号出力ポート101Bも実際には、他の出力データと合わせた複数のデータを出力するポートとして存在している。
主制御RAM103は、電源基板600において生成されるバックアップ電源によって少なくとも一部の領域がバックアップされる揮発性記憶手段である。主制御RAM103のバックアップ領域は、電源の遮断(以下「電源断」と称する)が生じた場合、当該電源断時に保持していたスタックポインタ及び各レジスタなどのデータの記憶を保持しておくべきエリアとなっており、電源投入時(電源断復帰時)には当該バックアップ領域の情報に基づいて遊技機の状態が電源断前の状態に復帰される。
主制御基板100は、設定値を変更するための設定キースイッチ100q、第1始動口61に設けられた第1始動口スイッチ161、第2始動口62に設けられた第2始動口スイッチ162、ゲート63に設けられた作動ゲートスイッチ163、大入賞口64に設けられた大入賞口スイッチ164、及び、一般入賞口66に設けられた一般入賞口スイッチ166などの各種スイッチと電気的に接続されている。主制御基板100では、これら各種スイッチからの検出信号がI/Oポート回路104を介して主制御CPU101に入力される。
さらに主制御基板100は、第1特別図柄表示装置171、第2特別図柄表示装置172、第1特図保留ランプ173、第2特図保留ランプ174、普通図柄表示装置175、及び普図保留ランプ176などの各種表示手段に電気的に接続されている。この主制御基板100は、普通電動役物622を作動させる普通電動役物ソレノイド123、及び、特別電動役物642を作動させる特別電動役物ソレノイド124などの各種ソレノイドに電気的に接続されており、主制御CPU101からの制御信号をI/Oポート回路104を介してこれら各種表示手段及び各種ソレノイドに送信する。
主制御基板100と演出制御基板200との間は、例えば、8本のパラレル信号線及び1本のストローブ信号線で接続されており、主制御基板100から演出制御基板200へと向かう単一方向のみで通信可能とされている。すなわち、主制御基板100から演出制御基板200へ各種の演出制御コマンドを送信することが許容されている一方、演出制御基板200から主制御基板100へコマンドやデータを送信することは許容されていない。
I/Oポート回路104は、主制御基板100において主制御CPU101と演出制御基板接続コネクタ109との間に設けられている。主制御CPU101と演出制御基板接続コネクタ109との間は、8本のデータ線で構成されるデータバス111の他にも、ストローブ信号線で構成されるストローブ信号バス112によって接続されている。I/Oポート回路104より送信されるコマンドデータは、後述するように主制御CPU101の制御によって、演出制御基板接続コネクタ109を介して演出制御基板200によって受け取られる。
<演出制御基板>
一方、図24に示すように演出制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づき遊技演出に関する各種の演算処理を実行する演出制御CPU201と、演出制御プログラムや各種データなどを記憶した演出制御ROM202と、一時的な作業領域(テンポラリ領域)としてのワークエリア及びバッファメモリとして機能する演出制御RAM203と、主制御基板100や画像制御基板300などの周辺の基板及び各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路204とを備える。
演出制御CPU201は、演出制御ROM202に記憶された演出制御プログラムを読み出して演出制御RAM203上で実行することにより、この演出制御プログラムに従って遊技の進行に伴う演出動作を制御する。その他、演出制御基板200には、図示省略するが、水晶発振器からのクロック信号を分周して内部システムクロックを生成するクロック回路、演出制御CPU201が誤動作や暴走状態となったときにリセットをかけて正常な状態に復帰させるWDT回路、システムクロックに基づき各種信号を出力するTPU回路、レジスタ設定及びCTC回路からの信号などに基づきタイマ割込みなどの各種割込みを発生させる割込みコントローラ、シリアルデータを入出力するためのシリアル通信回路、及び、計時機能を備えるリアルタイムクロック回路(以下「RTC回路」と称する)などが搭載されており、これらが内部バスを介して互いに接続されている。
演出制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに応じた演出制御処理において、画像制御基板300へ画像及び音の出力を指示する画像制御コマンドを生成したり、その他にも、ランプ接続基板91を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)、及び、モータドライバ92を制御するための駆動制御信号(駆動データ)などを生成したりする。演出制御基板200は、画像制御基板300との間で双方向通信が可能に接続されている。画像及び音に関する画像制御コマンドは、演出制御基板200から画像制御基板300に対して送信される一方、その応答として、この画像制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(いわゆるACKコマンド)が画像制御基板300から演出制御基板200に対して送信される。
演出制御基板200は、音声を出力するスピーカ11に接続されており、演出制御CPU201が画像制御基板300で生成された音データをスピーカ11に出力する制御を行う。
演出制御基板200は、複数のLEDドライバを搭載したランプ接続基板91と電気的に接続されており、シリアル通信回路を介して、ランプ接続基板91を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)を送信する。なお、本実施形態では、演出制御基板200及びランプ接続基板91では、クロック同期式のシリアル通信が採用されており、ランプデータ伝送用のデータ線とは別の信号線(クロック線)で送信されるクロック信号に同期して、ランプ制御信号が当該データ線を介して1ビットずつ送信される。
ランプ接続基板91は、演出制御基板200から送信されるLED駆動用のランプ制御信号を受けて機能するLEDドライバを内蔵している。ランプ接続基板91は、ランプ制御信号に基づき回路内のスイッチをオン/オフ切り替えることにより、演出ランプ10,25に対して駆動電流を供給又は遮断して、演出ランプ10,25を点灯させたり消灯させたりする制御を行う。
さらに演出制御基板200は、複数のモータドライバ92と電気的に接続されており、I/Oポート回路204を介して、役物駆動用の駆動制御信号(駆動データ)をモータドライバ92に対して出力する。モータドライバ92は、演出制御基板200から送信される役物駆動用の駆動制御信号に基づいて回路内のスイッチをオン/オフ切り替えることにより、各可動役物のステッピングモータに対して駆動電流を供給したり遮断したりし、各可動役物を動作させる。なお、モータドライバ92へのデータ送信はパラレル通信方式が採用されている。なお、本実施形態に限らず、役物の駆動源として、ステッピングモータ以外の駆動源を有するものであれば、モータドライバ92の代わりに、駆動源に対応したドライバICに対して、制御信号や制御データが送信される。
画像制御基板300は、画像制御CPU301、ROM304、RAM305及びI/Oポート回路306を備える。画像制御CPU301は、演出制御基板200からの画像制御コマンドに基づいて画像演出に関する各種の演算処理を実行する。ROM304は、画像制御プログラムや各種データなどが記憶されている。RAM305は、一時的に記憶領域(テンポラリ領域)としてのワークエリアやバッファメモリとして機能する。I/Oポート回路306は、周辺の基板や各デバイスとの間の信号を入出力する。
画像制御CPU301は、ROM304から画像制御プログラムを読み出してRAM305にロードして実行することにより、この画像制御プログラムに従って演出に係る画像表示動作を制御する。なお、このROM304は、演出制御ROM基板上のROMに相当する。
さらに、画像制御基板300には、画像制御CPU301から取得した制御信号に基づき演出内容に沿った画像データを生成するVDP302と、画像制御CPU301から取得した制御信号に基づき演出内容に沿った音データを生成する音源IC303とを搭載している。VDP302は、いわゆるグラフィックプロセッサであり、画像制御CPU301からの指示に応じて画像ROM(図示せず)に記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した映像信号を演出表示装置70に対して出力する。このVDP302には、画像ROMから読み出された画像データの展開・加工に使用される高速のVRAM(図示せず)が接続されている。音源IC303は、画像制御CPU301からの指示に応じて音声ROM(図示せず)に記憶された音データを読み込み、これを合成処理して音データを生成する。生成された音データは、演出制御基板200を経由して、増幅器を介してスピーカ11に出力される。
<払出制御基板>
払出制御基板400は、払出制御CPU401、払出制御ROM402及び払出制御RAM403を備える。払出制御基板400は、主制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて賞球払出ユニット34を駆動させて遊技球の払出動作(賞球動作)を制御する一方、発射ハンドル12の操作量に応じて球送り機構13と発射機構14とを同期して駆動させて遊技球の発射動作を制御する。
<電源基板>
電源基板600は、通常電源回路、バックアップ電源回路及び電源断監視回路を備える。通常電源回路は、遊技機島の電源設備から供給される一次電源を基に、各制御基板で使用される通常時の電源を生成する。バックアップ電源回路はバックアップ電源を生成する。電源断監視回路は、電圧低下による電源断を監視する機能を有する。
電源基板600は、各制御基板や遊技用機器などの電子・電気部品に必要な電源電圧を生成して供給する。電源基板600には、電源回路を起動させるための電源スイッチ600qが接続されており、遊技機島の電源装置から一次電源が供給されている状態で電源スイッチ600qがオンになると、電源基板600の通常電源回路から各制御基板などに所定の電源が供給される。
電源基板600は、遊技機島の電源装置からの電源供給が遮断されたこと(以下「電源断」とも称する)を検出する機能を有し、電源断の検出時にはその旨を報知する電源断信号(NMI信号)を、主制御基板100、演出制御基板200及び払出制御基板400に対して送信する。なお、バックアップ電源回路は、遊技機島の電源装置から遊技機に電源が供給されている間に充電される構成となっている。電源基板600には、RAMクリアスイッチ400q及びドア開センサ2qが接続されている。RAMクリアスイッチ400qは、遊技機の電源投入時に主制御基板100の主制御RAM103の一時的に記憶内容を一旦消去して初期値を設定するためのスイッチである。ドア開センサ2qは、外枠2に対する前枠4の開閉状態を検知するセンサである。なお、RAMクリアスイッチ400q及びドア開センサ2qは、電源基板600の代わりに、例えば、主制御基板100などその他の基板に接続されていてもよい。
<遊技機の基本的な動作例>
以上のように構成された遊技機は、上球皿8に遊技球が貯留されている状態で遊技が開始される。まず、発射ハンドル12が回動操作されると、上球皿8に貯留された遊技球が、ガラス枠3の背面側に設けられている球送り機構13によって1球ずつ発射機構14に送り出され、発射ハンドル12の操作量に応じた発射強度にて発射機構14により遊技領域20Aに発射される。
遊技領域20Aを転動流下する遊技球が一般入賞口66、第1始動口61、第2始動口62及び大入賞口64のいずれかに入球すると、この検出信号が主制御基板100に入力される。主制御基板100では、主制御CPU101がその入賞口の種別に応じた賞球動作を指示する払出制御コマンドを払出制御基板400に送信することにより、これを受けた払出制御基板400の制御によって貯留タンク31の遊技球が賞球払出ユニット34により上球皿8又は下球皿9に払い出される。
一方、遊技球が第1始動口61又は第2始動口62に入球すると、この検出信号が主制御基板100に入力される。主制御基板100では、主制御CPU101が、第1始動口61又は第2始動口62に対する入球を検出した際に特別図柄の抽選乱数値を取得し、当該乱数値を、所定の上限個数まで特別図柄の保留球として一時的に記憶する。主制御CPU101は、所定の変動開始条件が成立すると、その後、最先の保留球に係る抽選乱数値に対して特別図柄の当否判定及び図柄判定を実行するとともに、変動パターンを選択する変動パターン判定を実行し、この判定結果に応じた態様で第1特別図柄表示装置171又は第2特別図柄表示装置172を用いて特別図柄を変動表示させる。これに併せて、主制御CPU101は、演出制御コマンドを演出制御基板200に対して送信することにより画像制御基板300に演出表示装置70に装飾図柄の変動表示及び変動演出の表示を実行させる。特別図柄及び装飾図柄の変動表示は、選択された変動パターンに応じた変動時間の経過後に同期的に停止表示される。ここで、第1始動口61や第2始動口62に対して入球があり各種の抽選乱数値を取得することや、さらには、取得された乱数値が保留され、変動開始条件を満たした際に、特別図柄表示装置により特別図柄遊技を行うことについて、結果的に特別図柄遊技の実行がなされることになる処理のことを「始動条件(が成立する)」と称する。
第1特別図柄表示装置171又は第2特別図柄表示装置172において第1特別図柄又は第2特別図柄が大当りを示す停止態様で確定表示された場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、特別電動役物642の作動に応じて大入賞口64の開閉動作が開始される。一方、演出表示装置70における大当りを示す装飾図柄の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する態様である。本実施形態では、特別遊技として、ラウンド遊技が10回(10ラウンド)に設定された10R特別遊技と、ラウンド遊技が5回(5ラウンド)に設定された5R特別遊技と、ラウンド遊技が2回(2ラウンド)に設定された2R特別遊技とが用意されている。
本実施形態では、10R特別遊技、5R特別遊技及び2R特別遊技のいずれに移行されたとしても、特別遊技の終了後から特別図柄の変動回数が所定の終期回数(「ST回数」とも称する)に達するまでの期間(「ST期間とも称する」)に亘って、特別図柄の確率変動機能(「確変」とも称する)が作動する。すなわち、本実施形態では、特別図柄の確率変動機能が、次の大当りの発生まで継続するのではなく、上記ST回数に達するまでに限定されている。このように特別図柄の確率変動機能が作動した場合には、特別図柄抽選の大当り確率が低確率状態から高確率状態へ移行するため、比較的早期に新たな大当りに至る確率が高くなる。
一方、特別遊技が終了した後、主制御CPU101は、特別図柄の確率変動機能と付随して又は別途、特別図柄の変動時間短縮機能(以下「時短」ともいう)を作動させる場合がある。特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、特別図柄(及び装飾図柄)の平均的な変動時間が通常よりも短縮される傾向となり、単位時間あたりの特別図柄抽選回数が向上し、前回の大当り終了より短期間で次の大当りを獲得し易くなる。
さらに主制御CPU101は、特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、併せて、いわゆる電チューサポート機能(普通電動役物サポート機能)を作動させる。電チューサポート機能では、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、及び普通電動役物622の開放延長機能のいずれかの機能または組み合わせの機能が作動する。普通図柄の確率変動機能が作動すると、普通図柄の当選確率が通常状態よりも高まる状態となる。普通図柄の変動時間短縮機能が作動すると、普通図柄の変動時間が短縮される状態となり、普通電動役物622の開放態様が通常遊技状態時(電チューサポート機能の非作動時)のものと変更される(例えば普通電動役物622の開放時間が通常よりも延長される)ことによって第2始動口62へ遊技球が入球し易くなる状態(「入球容易状態」とも称する)となる。普通電動役物622の開放時間延長機能が作動すると、普通電動役物622の開放時間が通常状態よりも延長された状態となる。この入球容易状態においては、普通図柄の変動時間短縮機能の作動により一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常状態よりも増加する可能性が高まる上、普通電動役物622の開放時間の開放時間延長機能の作動により第2始動口62への入球容易性も向上するため、第2始動口62への入球数が増加する可能性が高くなる。従って、特別図柄の変動時間短縮機能及び電チューサポート機能の作動により、その期間中は第2始動口62への入球による賞球を得られる機会が増加し、その結果、遊技者は、持ち球を通常遊技状態時に比して減らし難い状態で遊技を継続することが可能となる。
<遊技機の主要な機能構成例>
本実施形態に係る遊技機の遊技動作の概要は以上のようであり、次に、本実施形態に係る遊技機の主要な機能について詳細に説明する。図25は、本実施形態に係る遊技機に搭載された主制御基板100の機能の一例を示すブロック図である。
主制御基板100は、入球判定手段110、遊技抽選乱数発生手段120、保留制御手段130、事前判定手段135、特別図柄抽選処理手段140、普通図柄抽選処理手段145、特別遊技制御手段150、図柄表示制御手段155、電動役物制御手段160、遊技状態制御手段169、エラー監視制御手段170、メイン情報記憶手段180、コマンド送受信手段190、を含む。なお、主制御基板100における上述の各手段は、主制御基板100上に設けられた主制御CPU101、主制御ROM102、主制御RAM103、電子回路などのハードウェア及び主制御ROM102などに格納された主制御プログラムなどのソフトウェアにより構成されるが、ここでは機能的なブロックとして表現している。
入球判定手段110は、第1始動口スイッチ161、第2始動口スイッチ162、作動ゲートスイッチ163、大入賞口スイッチ164、一般入賞口スイッチ166、及びアウト球検出スイッチ167などからの各検出信号に基づき、各入賞口等への遊技球の入球を判定する。
遊技抽選乱数発生手段120は、前述した乱数生成回路において生成された内蔵乱数を取り込み、これに後述の特別図柄当りソフト乱数を加算することで、特別図柄の当否抽選に使用される特別図柄当り乱数を生成する。遊技抽選乱数発生手段120は、主制御CPU101のプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段として機能する。
このソフトウェア乱数としては、前述の内蔵乱数に加算されて特別図柄当り乱数を構成する特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当りソフト乱数の初期値及び終了値を決定するための特別図柄当りソフト初期値乱数、特別図柄の停止図柄として当り図柄(条件装置を作動させることとなる図柄の組合せ、はずれ図柄の組み合わせなど)の決定に使用する特別図柄当り図柄乱数、特別図柄当り図柄乱数の初期値及び終了値を決定するための特別図柄当り図柄初期値乱数、特別図柄の変動パターンの選択に使用するための特別図柄変動パターン乱数、普通図柄の当否抽選に使用するための普通図柄当り乱数、普通図柄当り乱数の初期値及び終了値を決定するための普通図柄当り初期値乱数、普通図柄の変動パターンの選択に使用するための普通図柄変動パターン乱数などが含まれる。なお、上述した当り図柄とは、当選した図柄を意味する。
これらのソフトウェア乱数の更新時期としては、タイマ割込み処理が発生する毎に1回更新し、初期値乱数についてはタイマ割込み処理を実行していない間(ループ処理中)も割込み周期の残余時間を利用して更新する。
保留制御手段130は、特別図柄保留制御手段131及び普通図柄保留制御手段132を含む。特別図柄保留制御手段131は、第1始動口61又は第2始動口62への遊技球の入球を契機として、特別図柄遊技に係る抽選乱数値である、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を取得して、当該乱数値を第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報として管理する。特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報をそれぞれ所定の上限個数(例えば4個)まで、当該保留球の入球順序と結合するようにメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域に一時的に記憶する。
第1特別図柄保留格納領域及び第2特別図柄保留格納領域には、各始動口61,62への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)、がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、作動保留球情報として、特別図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、特別図柄変動パターン乱数を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。作動保留球情報は、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に格納される一方、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順にいわゆる先入れ先出しの原則に従って消化される。保留1記憶領域の保留球情報が消化されると、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の番号の記憶領域にそれぞれシフトするとともに、保留4記憶領域の内容をゼロクリアする。
特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1特別図柄保留球数カウンタ、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2特別図柄保留球数カウンタ、を有している。特別図柄保留制御手段131は、特別図柄の作動保留球数の更新処理として、特別図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数を更新(加算又は減算)したとき、当該保留球数の更新情報を含む演出制御コマンド(「図柄記憶数コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時的に記憶する。この1コマンドには、第1特別図柄の作動保留球数と第2特別図柄の作動保留球数との両方の情報が含まれる。なお、原則として、各特別図柄の作動保留球は入球した順番に消化されることになるが、本実施形態では、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示を優先的に実行する、いわゆる優先消化を採用するため、第2特別図柄遊技に係る作動保留球が存在する間は、第1特別図柄遊技に係る作動保留球の存在に関係なく、第2特別図柄遊技に係る作動保留球を優先的に消化するように構成されている。なお、この優先消化の下では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合は、第1特別図柄の作動保留球が存在していたとしても、第1特別図柄の作動保留球の消化が保留されることになる。
普通図柄保留制御手段132は、遊技領域20Aを転動流下する遊技球がゲート63を通過したことを契機として、普通図柄遊技に係る抽選乱数値である、普通図柄当り乱数値、普通図柄当り図柄乱数値、普通図柄変動パターン乱数値、を取得して、当該乱数値を普通図柄の作動保留球情報として管理する。普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球情報を所定の上限個数(例えば4個)まで、当該保留球の入球順序と結合するようにメイン情報記憶手段180の普通図柄保留格納領域に一時的に記憶する。普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球数をカウントするための普通図柄保留球数カウンタを有している。普通図柄保留制御手段132は、作動普通図柄の保留球数の更新処理として、普通図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
事前判定手段135は、所定の事前判定タイミングにて特別図柄の作動保留球を取得した場合、当該作動保留球を対象として先読み予告のための事前判定を実行する。事前判定タイミングの一例としては、(1)当り待ち中、かつ、電チューサポート機能が未作動中に第1特別図柄の作動保留球を取得した場合、(2)当り待ち中、かつ、電チューサポート機能が作動中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、のうちのいずれかの条件を満足するときである。なお、主制御基板100では、どのタイミングで作動保留球を取得した場合であっても事前判定を実行して情報を演出制御基板200へ送信し、先読み予告の実行可否に関してすべて演出制御基板200で決定することも可能である。
具体的には、事前判定手段135は、今回取得した作動保留球に対応する乱数値をメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域から読み出して、当否抽選の事前判定(当否事前判定)、図柄抽選の事前判定(図柄事前判定)、変動パターン抽選の事前判定(変動パターン事前判定)を順次実行する。各事前判定で用いられる事前判定テーブルは、図示省略するが、後述の抽選テーブル(特別図柄当否抽選テーブル、特別図柄当り図柄テーブル、変動パターンテーブル)と同様の区切り方で、乱数の総数に相当する領域が複数の領域に区画されており、この領域(判定値数)ごとに、抽選IDが割り当てられている。なお、事前判定手段135による事前判定は、実際に変動が開始される際に抽選に使用される乱数値に対応するものであれば、第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域に記憶されたデータではなく、RAMやCPUのレジスタに一時的に保持しているデータを事前判定するものであってもよい。
この抽選IDとしては、事前判定の結果を示す番号(「事前判定番号」とも称する)が設定されている。事前判定手段135は、事前判定結果(事前判定番号)の情報を含む演出制御コマンド(「事前判定コマンド」と称する)を順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。なお、本実施形態のように、事前判定結果をどの乱数値範囲に属するかの情報(抽選ID)として送信する場合に限らず、実際に変動を開始する際に使用する当否抽選テーブル等を使って事前に抽選した結果を送信するものであってもよい。
特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄当否判定手段141、特別図柄停止図柄判定手段142及び特別図柄変動パターン判定手段143を含む。特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄の変動開始条件が成立すると、メイン情報記憶手段180における特別図柄保留格納領域の最先の記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を読み出し、これをメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄判定領域及び特別図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。ここで、「特別図柄の変動開始条件が成立する」とは、例えば本実施形態のように第2特別図柄の優先制御を採用する場合には、(1)大当り又は小当り中ではないこと、(2)第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれも変動待機中であること、(3)第1特別図柄及び第2特別図柄の少なくとも一方に作動保留球が存在すること、の全ての条件を満足することをいう。それら全ての条件を満足すると、特別図柄が変動開始可能な状態であると判断される。
特別図柄当否判定手段141は、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が大当り、小当り及びはずれのいずれに該当するかを決定する。この当否判定の結果は、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに一時的に記憶され(例えば、大当りデータ(例えば「55H」)、小当りデータ(例えば「33H」)、及びはずれデータ(例えば「00H」)、以降の処理で使用された後、特別図柄の変動停止時にクリアされる。特別図柄当否判定手段141は、この当否判定の際に、特別図柄当否抽選テーブルを参照する。なお、上記各データの後に示す「H」は、「Hexadecimal(16進数)」の頭文字であり、データが16進数であらわされていることを意味している。例えば、「55H」であれば、1バイトデータとして「01010101B(「B」は2進数)」であることを示している。特に10進数表記する場合は、記号を付加しないか、あるいは「D」を付して説明するものとする。
図27(A)は、いわゆる低確率状態としての通常状態において参照される特別図柄当否抽選テーブルの一例を示す図であり、図27(B)は、いわゆる高確率状態としての確変状態において参照される特別図柄当否抽選テーブルの一例を示す図である。
この特別図柄当否抽選テーブルでは、特別図柄当り乱数値と、大当り、小当り及びはずれの判定結果とが対応付けられている。このように対応付けられた乱数範囲に応じて大当り及び小当りの当選確率が定まる。これら図27(A)及び図27(B)からも分かるように、特別図柄遊技の当否抽選において、通常状態(低確率状態)では乱数値が「0〜219」の範囲に該当したときのみ大当りとなる。一方、確変状態(高確率状態)では大当りの範囲が拡大されており、乱数値が「0〜219」の範囲に該当する場合だけでなく、「220〜2184」の範囲に該当する場合にも大当りとなる。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、大当りの抽選確率が低確率状態(約1/300)から高確率状態(約1/30)に変動する。
このように大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化するが、第1特別図柄の当否抽選と第2特別図柄の当否抽選とで大当りの当選確率は等しい。ここで、特別図柄当り乱数値が大当りの範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当する場合には小当りとなる。本実施形態では、第1特別図柄の当否抽選のみ小当りが存在するように構成しているが、例えば、第2特別図柄の当否抽選にも小当りを用意して、第2特別図柄の当否抽選の方が第1特別図柄の当否抽選よりも高い確率で小当りとなるように構成したり、第2特別図柄の当否抽選のみに小当りを用意したりするものであってもよい。
なお、前述したように、本実施形態に係るパチンコ機1は、複数段階の設定値によって遊技の遊技者に対する有利度合いを変更する設定変更機能を備えることができる。このようなパチンコ機1において設定変更を行うと、設定(設定値)に応じて大当りとなる乱数値範囲が変更される。したがって、設定値に応じて大当り範囲が異なる特別図柄当否抽選テーブルが用意される。但し、パチンコ機1では、低確率状態における大当り抽選確率と高確率状態における大当り抽選確率との比率は、設定値によらず一定とされる。具体的には例えば、設定値が「1」であるときの大当り抽選確率について、低確率状態が1/300かつ高確率状態が1/30(低確率状態の10倍)であるとすれば、設定値が「6」であるときの大当り抽選確率は、低確率状態が1/250であるとき、高確率状態が1/25(低確率状態の10倍)となる。
特別図柄停止図柄判定手段142は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選の結果に基づいて、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止図柄、及び当該停止図柄の属する図柄群を決定する。特別図柄停止図柄判定手段142は、当否抽選の結果が大当りである場合に、第1特別図柄及び第2特別図柄の停止図柄及び図柄群を決定する際に参照される第1特別図柄当り図柄テーブル及び第2特別図柄当り図柄テーブルを有する。
第1特別図柄当り図柄テーブルには、図28(A)に示すように、特別図柄当り図柄乱数値に対して、停止図柄、図柄群、大当りの内容(特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能の作動回数、大入賞口64の作動パターン)がそれぞれ対応付けられている。なお、括弧内の数値「100」は、特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能の作動回数、すなわち、ST回数を意味する。このテーブルでは、第1特別図柄の停止図柄「1」〜「8」が、大当りの種別に応じて、2種類の図柄群A,Bに分類されている。なお、本実施形態においては、当否抽選がはずれ、小当りである場合の当り図柄テーブルを示していないが、はずれや小当りが全て単一動作である場合には、当り図柄テーブルを使用することなく、一義的にはずれ図柄、小当り図柄を決定するものとし、はずれや小当りに種類を持たせて、変動パターンを変更させたり、特別電動役物の制御態様を変更させたりしたい場合には、はずれ、小当りの場合にも当り図柄テーブルを使用して図柄を決定するものであってもよい。
具体的には、図柄「1」,「2」,「3」,「4」には、図柄群A(10R特定時短有図柄)が、図柄「5」,「6」には、図柄群B(5R特定時短有図柄)が、図柄「7」,「8」には、図柄群C(2R特定時短有図柄)がそれぞれ対応付けられている。なお、本実施形態において、「特定図柄」とは、特別遊技の終了後に確率変動機能を作動させることとなる図柄である一方、「通常図柄」とは、特別遊技の終了後に確率変動機能を作動させることのない図柄である(後述する第2特別図柄についても同様である)。
図柄群A,Bは、特別遊技の終了後の遊技状態を確変状態(高確率状態)に移行させる、いわゆる「確変当り」を示す特定図柄であり、特別図柄の変動回数がST回数内で大当りを発生させることなく終了するまでの間、或いは、ST回数内で次回の大当りが発生するまでの間において限定して、特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能並びに電チューサポート機能が付与される。図柄群Aについては、特別遊技の規定ラウンド数は10ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。一方、図柄群Bについては、特別遊技の規定ラウンド数は5ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。
図柄群Cは、上記の「確変当り」と比較して大入賞口64の開放回数及び開放時間が異なるものの、特別遊技終了後の遊技状態を特別図柄の確変状態(高確率状態)に移行させる、いわゆる「突然確変当り」を示す特定図柄であり、特別図柄の変動回数がST回数内で大当りを発生させることなく終了するまでの間、或いは、ST回数内で次回の大当りが発生するまでの間に限定して、特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能が付与されることになる。特別遊技の規定ラウンド数は2ラウンドであり、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は、約1.8秒である。
一方、当否抽選の結果が小当りである場合には、上記特別図柄当り乱数による図柄判定を省略して、停止図柄として図柄「9」が一義的に割り当てられる。この図柄「9」には、図柄群F(特電作動図柄1)が対応付けられている。なお、小当りの場合には、遊技状態(確率変動機能、変動時間短縮機能、電チューサポート機能)及び変動パターン選択状態の変更の契機とはならず、当否抽選の前後で当該遊技状態が維持される。当否抽選の結果がはずれの場合には、停止図柄として図柄「0」が一義的に割り当てられる。
一方、前述した第2特別図柄当り図柄テーブルには、図28(B)に示すように、特別図柄当り図柄乱数値に対して、停止図柄、図柄群、大当りの内容(特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能の作動回数、特別電動役物642の作動パターンがそれぞれ対応付けられている。この第2特別図柄当り図柄テーブルでは、第2特別図柄の停止図柄「11」〜「18」が、大当りの種別に応じて、2種類の図柄群D,Eに分類されている。具体的には、図柄「11」,「12」,「13」,「14」には、図柄群D(10R特定時短有図柄)が、図柄「15」,「16」,「17」,「18」には、図柄群E(5R特定時短有図柄)がそれぞれ対応付けられている。
図柄群D,Eは、特別遊技の終了後の遊技状態を確変状態(高確率状態)に移行させる、いわゆる「確変当り」を示す特定図柄であり、特別図柄の変動回数がST回数内で大当りを発生させることなく終了するまでの間、或いは、ST回数内で次回の大当りが発生するまでの間に限定して、特別図柄の確率変動機能、変動時間短縮機能及び電チューサポート機能が付与されうる。図柄群Dについては、特別遊技の規定ラウンド数は10ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。図柄群Eについては、特別遊技の規定ラウンド数は5ラウンドであり、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は、約30秒である。
一方、当否抽選の結果が小当りである場合には、上記特別図柄当り乱数による図柄判定を省略して、停止図柄として図柄「19」が一義的に割り当てられる。この図柄「19」には、図柄群G(特電作動図柄2)が対応付けられている。なお、小当りの場合には、遊技状態(確率変動機能、変動時間短縮機能、電チューサポート機能)及び変動パターン選択状態の変更の契機とはならず、当否抽選の前後で当選結果がはずれである場合と同様に確率変動機能等の遊技状態の終了条件を満たしていないかを判定し、終了条件を満たしていない場合において、小当りと判定された際の遊技状態が維持される。当否抽選の結果がはずれの場合には、停止図柄として図柄「0」が一義的に割り当てられる。
上述したように本実施形態では、大当り種別として、10R大当り(10R特定時短有図柄)、5R大当り(5R特定時短有図柄)及び2R大当り(2R特定時短有図柄)の3種類が用意されている。特別遊技における賞球獲得の期待値(賞球獲得期待値)は、10R大当り>5R大当り>2R大当りの順となっている。そこで、以下では、10R大当りを、賞球獲得期待値の最も高い「高利益大当り」とも称し、2R大当りを、賞球獲得期待値の最も低い「低利益大当り」とも称する。なお、同一の実行ラウンド数でも、長開放ラウンド遊技(30秒)と短開放ラウンド遊技(1.8秒)とが混在するような場合には、長開放ラウンド遊技が多く存在する大当りが「高利益大当り」となる。
具体的には、特別遊技に実行ラウンド数を10ラウンドに統一するなど、共通の実行ラウンド数を有するものの、所定ラウンドにてラウンド遊技の態様が異なるように変化する特別遊技を含めてもよく、その場合には、大入賞口64の開放時間が相対的に短い短開放ラウンド遊技のみからなる種類の特別遊技と、所定回数の実行ラウンド以降において大入賞口64の開放時間が相対的に長い長開放ラウンド遊技に切り替わる種類の特別遊技とを含めてもよく、後者が「高利益大当り」を構成する。同一の実行ラウンド数の大当りでも、大入賞口開放パターンの差異によって実質的な利益、すなわち、賞球獲得期待値が異なるように構成してもよい。
ここで、前述した説明からも分かるように、第1特別図柄の当否抽選で大当りになった場合には、50%の確率で10R大当りが選択されるのに対して、第2特別図柄の当否抽選で大当りになった場合には、75%の確率で10R大当りが選択される。これにより、遊技球を第1始動口61に入球するよりも第2始動口62に入球した方が、より多くの出玉を獲得できる可能性が高い点で遊技者にとって有利である。なお、カウント数(規定カウント数)とは、ラウンド遊技における大入賞口64への遊技球の最大入球可能数である。
図25に示す特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、特別図柄の変動パターンを決定する。ここで、特別図柄変動パターン判定手段143は、後述する図29及び図30に例示するような、特別図柄の変動パターンを選択する際に参照される複数種の変動パターンテーブルを有する。特別図柄変動パターン判定手段143は、現在の変動パターン選択状態と当否抽選の結果とに基づき、これら複数種の変動パターンテーブルの中からいずれかの変動パターンテーブルを選択する。なお、変動パターン選択状態と変動パターンテーブルとの関係については後述する。各変動パターンテーブルには、複数種の変動パターンが規定されている。なお、各図中では、説明を分かり易くするため、「選択率」を表記しているが、実際には特別図柄変動パターン乱数値に応じて、変動パターンを決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、変動パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、変動パターンが決定される。各種の変動パターンは、その図柄変動の終了条件として当該変動パターンごとに変動時間が定められており、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。なお、本実施形態では、説明の便宜上、複数種の変動パターンのみを例に挙げて説明するが、実際にはさらに多数の変動パターンが存在する。
図29は、大当り・小当り用の変動パターンテーブルの一例を示す図である。上段の(A1)は通常変動パターンテーブルであり、中段の(A2)は確変変動パターンテーブルであり、下段の(A3)は特殊変動パターンテーブルである。本実施形態では、変動パターン選択状態に応じて、または同じ変動パターン選択状態であっても大当り種別に応じて、選択される変動パターンが異なるように設定されている。
通常変動パターンテーブル(A1)では、大当り種別が10R大当りである場合に、変動パターンPX2(ノーマルリーチA)又は変動パターンPX3(スーパーリーチA)が選択されており、5R大当りである場合に、変動パターンPY2(ノーマルリーチA)又は変動パターンPY3(スーパーリーチA)が選択される。一方、2R大当り又は小当りである場合には、変動パターンPZ2(ノーマルリーチA)若しくは変動パターンPZ4(スーパーリーチD)が選択される。この大当り・小当り用の通常変動パターンテーブルでは、非リーチ態様の変動パターンが選択されることはなく、通常状態で大当り又は小当りになった場合には、リーチ態様の変動パターンのみが選択され得る。
確変変動パターンテーブル(A2)では、大当り種別が10R大当り又は5R大当りである場合に、変動パターンPX7(スーパーリーチB)のみが選択される。一方、2R大当り又は小当りである場合には、変動パターンPZ6(ノーマルリーチB)、変動パターンPZ8(スーパーリーチD)のいずれかが選択される。この大当り・小当り用の確変変動パターンテーブルでは、非リーチ態様の変動パターンが選択されることはなく、特別図柄の確変状態で大当り又は小当りになった場合には、リーチ態様の変動パターンのみが選択され得る。
特殊変動パターンテーブル(A3)では、大当り種別が10R大当りである場合に、変動パターンPX9(非リーチC)のみが選択されており、5R大当りである場合に、変動パターンPY10(スーパーリーチC)のみが選択される。一方、2R大当り又は小当りである場合には、変動パターンPZ10(スーパーリーチC)のみが選択される。ここで、非リーチC態様の変動パターンPX9は超短縮の変動時間(2秒)として構成される一方、スーパーリーチC態様の変動パターンPY10,PZ10は相対的に長い変動時間(120秒)として構成される。
図30は、はずれ用の変動パターンテーブルの一例を示す図である。上段の(B1)は通常変動パターンテーブル、中段の(B2)は確変変動パターンテーブル、下段の(B3)は特殊変動パターンテーブルである。本実施形態では、変動パターン選択状態、及び特別図柄の作動保留球数に応じて、選択される変動パターンが異なるように設定されている。
通常変動パターンテーブル(B1)は、第1特別図柄の変動パターンを選択することを想定している(通常遊技状態においては、第1特別図柄の変動が主体となるため)。通常変動パターンテーブル(B1)では、非リーチAに対応する変動パターンPH1−1,PH1−2,PH1−3、非リーチBに対応する変動パターンPH1−4,PH1−5、ノーマルリーチA(NリーチA)に対応するPH2、スーパーリーチA(SPリーチA)に対応するPH3、またはスーパーリーチD(SPリーチD)に対応するPH4のいずれかが選択される。通常変動パターンテーブル(B1)において、非リーチAの変動は先読みの対象外とし、非リーチA以外の変動は先読み対象とする。
なお、通常変動パターンテーブル(B1)において、非リーチBに対応する変動パターンPH1−4,PH1−5は、保留数によって選択率を変えてもよい。また、リーチ領域(NリーチA,SPリーチA,SPリーチD)に対応する変動パターンは、基本的に保留数に応じて選択率を変えないようにしている。但し、NリーチAのように、低期待度のリーチ種別の場合は、保留数に応じて選択率を変更してもよい。例えば、保留数が少ない場合に、非リーチAや非リーチBの選択率を下げてNリーチAの選択率を高めることにより、変動時間が長くなるため、変動表示が行われない状況を回避する効果が得られ、興趣低下を抑制することができる。
確変変動パターンテーブル(B2)は、第2特別図柄の変動パターンを選択することを想定している(確率変動状態においては、第2特別図柄の変動が主体となるため)。確変変動パターンテーブル(B2)では、非リーチBに対応する変動パターンPH5−1,PH5−2、ノーマルリーチB(NリーチB)に対応するPH6、スーパーリーチB(SPリーチB)に対応するPH7、またはスーパーリーチD(SPリーチD)に対応するPH8のいずれかが選択される。確変変動パターンテーブル(B2)において、非リーチBの変動は先読みの対象外とし、非リーチB以外の変動は先読み対象とする。
特殊変動パターンテーブル(B3)では、非リーチCに対応する変動パターンPH9のみが選択される。ここで、非リーチC態様の変動パターンPH9は、超短縮の変動時間(2秒)として構成される。特殊変動パターンテーブル(B3)では全てを先読みの対象外としている。
なお、図30に例示したように、当否抽選の結果がはずれとなったときは、特別図柄の作動保留球数(0〜4)に応じて異なる変動パターンテーブルが選択されるように設定することができる。つまり、特別図柄の作動保留球数に応じた変動パターンテーブルを用いることで、作動保留球数が多いほど相対的に短い変動時間が選択される割合を高くして、逆に作動保留数が少ないほど相対的に長い変動時間が選択される割合を高くすることができる。また、変動パターンテーブルとして、特別図柄の種類別に分けることも可能である。例えば、確率変動状態などの電チューサポート機能が作動している状態においては、第2特別図柄の変動表示が容易な状態であり、図28にも示したように第2特別図柄の大当りの方が有利となる場合には、第1特別図柄の変動時間を長時間とすることで、優先して変動制御されることになる第2特別図柄の保留を溜めさせるための時間を創出させることができる。
例えば、図30の場合、第2特別図柄の変動パターンを選択することを想定している確変変動パターンテーブル(B2)において、非リーチB全体(変動パターンPH5−1,PH5−2)の選択率は、保留数に拘わらず一定の750/1000である。しかし、保留数による変動パターンPH5−1,PH5−2の振分をみると、保留が溜まっている状況(「保留数2→1」、「保留数3→2」、「保留数4→3」)では、変動時間が短い変動パターンPH5−1(5秒)が選ばれやすいのに対し、保留が溜まっていない状況(「保留数1→0」)では、変動時間が長い変動パターンPH5−2(10秒)が選ばれやすい。このように振分によれば、第2特別図柄が優先消化される確変状態において第2特別図柄の保留が少なくなった場合に、長めの変動時間が選ばれやすくなるため、第2特別図柄の保留追加に期待し易くなり、第2特別図柄の全保留が消化されて第1特別図柄の保留消化が開始されるといった不利な状況を抑制することができる。
特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄の変動パターンを選択した後、演出制御基板200に対して装飾図柄の変動開始を指示するため、特別図柄の変動パターン情報を含む演出制御コマンド(「変動パターン指定コマンド」と称する)、特別図柄(図柄群)及び遊技状態の情報を含む演出制御コマンド(「図柄指定コマンド」と称する)、変動開始後の保留数の情報を含む演出コマンド(「図柄記憶数コマンド」)などを生成して(以降、これらの演出制御コマンドを纏めて「変動開始コマンド」と称する)、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄当否判定手段146と、普通図柄停止図柄判定手段147と、普通図柄変動パターン判定手段148と、を有する。普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄の変動開始条件が充足したとき、普通図柄保留格納領域における最先の記憶領域に格納された普通図柄当り乱数値、普通図柄変動パターン乱数値を読み出して、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域、普通図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。
普通図柄当否判定手段146は、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域から普通図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、当り及びはずれのいずれに該当するかを決定する。この当否抽選の結果は、メイン情報記憶手段180の普通図柄判定フラグとして一時的に記憶されており、以降の処理で使用された後、普通図柄の変動停止時にクリアされる。普通図柄当否判定手段146は、この当否抽選の際に参照される普通図柄当否抽選テーブルを保持している。この普通図柄当否判定手段146は、通常状態(低確率状態)においては、例えば「160/283」の確率で当りとなる普通図柄当否抽選テーブルを参照する一方、普通図柄の確変状態(高確率状態)においては、例えば「282/283」の確率で当りとなる普通図柄当否抽選テーブルを参照することにより、普通図柄の当否抽選を実行する。
本実施形態では、普通図柄停止図柄判定手段147は、図柄抽選テーブルを参照して、当否抽選の結果が当りである場合には所定の当り図柄を選択する一方、はずれである場合には所定のはずれ図柄を選択する。なお、普通電動役物の制御パターンを複数有したい場合においては、普通図柄の図柄抽選テーブルの抽選結果を複数有するように設計すればよい。また、当選した普通図柄が同一であっても、遊技状態が普通電動役物の開放延長機能の作動中であるか否かで、普通電動役物の制御パターンを異ならせることもできる。
普通図柄変動パターン判定手段148は、メイン情報記憶手段180の普通図柄変動パターン判定領域から普通図柄変動パターン乱数値を読み出すとともに、普通図柄変動パターンテーブルを参照して、通常状態における普通図柄の変動表示においては、相対的に長い変動時間を選択する(例えば「4秒・5秒・6秒・7秒・8秒・9秒・10秒」の7種類をそれぞれ均一的に選択する)。一方、普通図柄の時短状態(入球容易状態)では相対的に短い変動時間(例えば「0.5秒」)を選択する。
特別遊技制御手段150は、当否抽選の結果が大当りである場合、前記決定された大当りの種別に応じて、特別遊技中に演出表示装置70などに表示される開始デモ演出及び終了デモ演出に係るデモ演出時間を決定する。特別遊技制御手段150は、演出制御基板200側に対して、開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り開始デモコマンド」と称する)と、終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り終了デモコマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。なお、大当り開始デモコマンドは、演出制御基板200側において、特別遊技中に展開される一連の大当り演出(開始デモ演出、ラウンド演出、終了デモ演出)の内容を決定するための契機ともなる。なお、本実施形態に限らず、特別遊技制御手段150において決定されるデモ演出時間は、大当り種別以外にも大当りとなった際の遊技状態を基準として決定することも可能である。
特別遊技制御手段150は、特別遊技中の各ラウンド遊技において、各ラウンド遊技に対応したラウンド演出の開始を指示するための演出制御コマンド(「ラウンド演出指定コマンド」と称する)を生成すると、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。このラウンド演出指定コマンドには、ラウンドの開始時に送信される現在のラウンド数の情報を含んだラウンド開始コマンド、及びラウンド遊技中に大入賞口スイッチ164の検出に基づく入賞演出を実行させるための大入賞口有効入賞コマンドが含まれている。
特別遊技制御手段150は、当否抽選の結果が小当りの場合、小当り遊技中に演出表示装置70などに表示される小当り開始デモ演出及び小当り終了デモ演出に係るデモ演出時間を決定する。特別遊技制御手段150は、小当り開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り開始デモコマンド」)と、小当り終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り終了デモコマンド」)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
図柄表示制御手段155は、特別図柄表示制御手段156及び普通図柄表示制御手段157を含む。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第1特別図柄を第1特別図柄表示装置171に変動表示させるとともに、この変動表示が終了した後に第1特別図柄を確定表示させる。特別図柄表示制御手段156は、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第2特別図柄を第2特別図柄表示装置172に変動表示させるとともに、該変動表示後に第2特別図柄を確定表示させる。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄及び第2特別図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマを有する。第1特別図柄表示装置171及び第2特別図柄表示装置172の動作状態は、メイン情報記憶手段180の特別図柄遊技ステータスに基づき監視される。特別図柄表示制御手段156は、特別図柄の変動停止の際に(すなわち、特別図柄遊技タイマが変動時間を管理しているときであって、その値が「0」となるタイミングで)、演出制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を要求するための演出制御コマンド(「変動停止コマンド」と称する)を生成する。
一方、普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の変動パターン(変動時間)に従って、普通図柄を普通図柄表示装置175に変動表示させるとともに、該変動表示後に普通図柄を確定表示させる。普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための普通図柄遊技タイマを有している。普通図柄表示装置175の動作状態は、メイン情報記憶手段180の普通図柄遊技ステータスに基づき監視される。
電動役物制御手段160は、特別図柄の当否抽選の結果が大当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、特別遊技処理として、特別電動役物ソレノイド124に制御信号を出力し、特別電動役物642を所定の作動パターンに従って開放させる。特別遊技は、特別電動役物642の1回の開閉動作を1回のラウンド遊技とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数(本実施形態では、10R,5R,2R)だけ連続して実行する。電動役物制御手段160は、特別電動役物642の作動回数(すなわち、実行中のラウンド数)を格納するための大入賞口開放カウンタを保持する。ここで、大当り種別がいわゆる10R大当り(図柄群A,D)又は5R大当り(図柄群B,E)である場合には、1回のラウンド遊技において大入賞口64を最大で約30秒間開放させる。一方、大当り種別がいわゆる2R大当り(図柄群C)である場合には、1回のラウンド遊技において大入賞口64を最大で約1.8秒間開放させる。ここで、特別遊技における大入賞口64の閉鎖条件(ラウンド遊技の終了条件)とは、規定カウント数の遊技球の入賞又は規定秒数の開放可能期間の経過である。
電動役物制御手段160は、特別図柄の当否抽選の結果が小当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、小当り遊技処理として、特別電動役物ソレノイド124に制御信号を出力し、特別電動役物642を短期間だけ開放させる。小当り遊技は1回のラウンド遊技で構成される特別遊技であり、複数回のラウンド遊技で構成される特別遊技の大当り遊技とは区別される。特に、小当り遊技、大当り遊技はともに特別電動役物642の作動に基づいて出玉の獲得が容易な遊技である特別遊技であるが、特別電動役物642の連続作動を可能とするための役物連続作動装置が動作しているか否かで切り分けられるものである。
電動役物制御手段160は、普通図柄の当否抽選に当選した場合、普通電動役物ソレノイド123に制御信号を出力して、所定の開放時間だけ普通電動役物622を開放させる。ここで、電動役物制御手段160は、通常状態では普通電動役物622を極短時間(例えば0.2秒間)だけ開放させるのに対し、入球容易状態(電チューサポート状態)では普通電動役物622を通常状態と比較して相対的に長い時間(例えば4秒間)に亘り開放させる。
遊技状態制御手段169は、特別図柄の当否抽選の結果が大当りである場合に、当該大当りに係る図柄群の種類に基づき、特別遊技の終了後の遊技状態を決定するとともに、特別遊技の終了後の遊技状態を切り替える。以下では、前述した特別図柄及び普通図柄に関する諸機能のうち、1)特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能及び電チューサポート機能が作動する遊技状態を「確変状態」と称し、2)特別図柄の変動時間短縮機能及び電チューサポート機能のみが作動する遊技状態を「時短状態」と称し、3)特別図柄の確率変動機能のみが作動する遊技状態を「潜伏確変状態」と称し、4)全ての機能が作動していない状態を「通常状態」と称する。なお、「確変状態」、「時短状態」、「潜伏確変状態」は、いずれも「通常状態」と比べて、遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。
以下では、各遊技状態を、特別図柄遊技の作動状態(高確率/低確率)と普通図柄遊技の作動状態(電チューサポート機能作動あり/電チューサポート機能作動なし)との組み合わせにより、(1)確変状態を「高確率/高ベース」、(2)時短状態を「低確率/高ベース」、(3)潜伏確変状態を「高確率/低ベース」、(4)通常状態を「低確率/低ベース」、と呼称することもある(「ベース」は発射球数あたりの賞球数を指すものであり、電チューサポート機能作動中は、普通電動役物の作動により賞球獲得可能性が高い「高ベース」と称する)。本実施形態では、一例として、特別遊技の終了後の遊技状態は、特別図柄の変動回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の終期回数(すなわち前述のST回数)に到達するまでの間に亘って確変状態が継続する(但し、ST回数内で次回の大当りが発生した場合には当該変動にて確変状態は終了し、大当り遊技の終了時に再度大当り種別、大当り図柄に基づいて対応する遊技状態へ移行する)。なお、ST期間中に小当りとなった場合には、ST回数が0リセットされることはなく、小当り発生の前後でST回数は継続してカウントされている。本実施形態では、ST回数は一例として100回に設定されているが、他の回数に設定されてもよい。なお、確変状態へ移行した場合は、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能及び電チューサポート機能が同時に作動し、確変状態が継続する限り各機能も継続することになる。
特別図柄の当否抽選の結果が大当りである場合には、当該大当り前の遊技状態が通常状態及び確変状態のいずれであっても、特別遊技中は通常状態でありかつ特別遊技後はST回数を限度として一律に確変状態となる。一方、特別図柄の当否抽選の結果が小当りである場合には、当該小当り前の遊技状態が通常状態であった場合、小当り遊技中及び小当り遊技後の遊技状態も通常状態となる。当該小当り前の遊技状態が特別図柄の確変状態であった場合には、小当り遊技中及び小当り遊技後の遊技状態も特別図柄の確変状態となる。
遊技状態制御手段169は、当否抽選の結果が大当りである場合に、当該大当りの種別(図柄群A〜Eの種類)に基づき、特別遊技後の変動パターン選択状態を決定するとともに、特別遊技後の変動パターン選択状態を切り替える。変動パターン選択状態とは、前述の変動パターンテーブルを選択する際に参照される条件の一つである。変動パターン選択状態の切り替え時期は、特別遊技の終了時又は変動パターン選択状態の終期回数を満了したときである。本実施形態では、変動パターン選択状態として、「低確率通常変動状態α」、「高確率短縮変動状態β」、「高確率特殊変動状態γ」などの3種類が存在する。ここで、低確率通常変動状態αとは、遊技状態が通常状態(低確率状態)のときに選択される通常変動パターンテーブル(図29のA1及び図30のB1)を参照して特別図柄の変動パターンを決定する状態である。高確率短縮変動状態βとは、遊技状態が特別図柄の確変状態(後述の限定期間を除く)のときに選択される確変変動パターンテーブル(図29のA2及び図30のB2)を参照して特別図柄の変動パターンを決定する状態である。高確率特殊変動状態γとは、遊技状態が特別図柄の確変状態であって特別遊技の終了直後の一定期間(第2特別図柄の作動保留球の最大数(4個)に対応した図柄変動回数(4回)の変動表示に亘る期間:「限定期間」と称する)のみ選択が許容される特殊変動パターンテーブル(図29のA3及び図30のB3)を参照して特別図柄の変動パターンを決定する状態である。本実施形態では、図柄群A〜Dのいずれが選択された場合でも、変動パターン選択状態は、(1)特別遊技の終了直後、図柄変動回数4回の限定期間のみ高確率特殊変動状態γに滞在し、(2)限定期間の終了後、かつ、その実行回数がST回数(100回)内にあるときは高確率短縮変動状態βに滞在し、(3)ST回数の終了後、すなわち、実行回数として101回目以降は低確率通常変動状態αに滞在する。無論、初当たりが発生するまでの期間は、低確率通常変動状態αに滞在することになる。なお、遊技状態制御手段169は、現在の遊技状態情報及び変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(「遊技状態指定コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。また、本実施形態に限らず、特殊変動状態γを複数有して、1回の変動時間短縮遊技状態の期間の異なるタイミングで、異なる特殊変動状態を参照可能とするものであってもよい(例えば、大当り終了後の4回に特殊変動状態γ1に滞在し、さらに短縮変動状態βに95回滞在したのち1回の特別図柄遊技で滞在する特殊変動状態γ2を設けるなど)。
エラー監視制御手段170は、I/Oポート回路104の入力情報を監視し、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板200にエラー状態演出を指示すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を要求する。なお、図24において全ては図示しないが、扉開放スイッチはガラス枠3が開放されているか否かを検出する検出手段であり、枠開放スイッチ(ドア開センサ2p)は前枠4が開放されているか否かを検出する検出手段であり、裏セット開放スイッチは裏セット盤が開放されているか否かを検出する検出手段である。磁気センサ及び電波センサは不正行為(いわゆるゴト行為)を発見するための検出手段である。
メイン情報記憶手段180は、特別図柄遊技及び普通図柄遊技にて取得した乱数値情報、特別図柄及び普通図柄の作動保留球情報、特別図柄遊技及び普通図柄遊技に関する遊技状態(確変状態、時短状態、入球容易状態)の情報、変動パターン選択状態に関する情報、当否抽選の結果情報(大当り、小当り、はずれ)、特別図柄や普通図柄に係る停止図柄及び変動パターンの情報、特別遊技に関する情報(ラウンド数、開放時間、開放態様(1ラウンド遊技あたりの開放回数)など)、特別図柄表示装置171,172の動作状態を示すステータス情報、特別電動役物642の動作状態を示すステータス情報、演出制御コマンドデータの情報など遊技の進行の制御に必要な情報を一時的に記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。
コマンド送受信手段190は、コマンド送信要求があった場合に、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納された各種の演出制御コマンドデータをパラレル伝送方式にて演出制御基板200に送信するように構成されている。なお、各演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含んだ2バイト構成となっており、MODEデータとEVENTデータを区別するために、MODEデータの第7ビットは「1」、EVENTデータの第7ビットは「0」としている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、MODEデータ及びEVENTデータの各々に対してストローブ信号が出力される。
演出制御基板200は、このように出力されたストローブ信号を受け取ったことを契機として、MODEデータ及びEVENTデータをそれぞれ受け取ることができる。各処理で発生した演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域にセットされた順番に従って、割込み周期毎に1コマンドずつMODEデータ及びEVENTデータそれぞれ送信される。
設定変更手段195は、遊技設定を変更するための「設定変更処理」を実行する。設定変更手段195は、前枠4が開放状態(ドア開センサ2pがドア開を検知)で、設定キースイッチ100qがオン状態のときに、RAMクリアスイッチ400qを押しながら電源スイッチ600qがオンにされた場合に、上述した設定変更状態に移行させる。
設定変更手段195は、設定変更状態に移行された場合、設定メモリ(例えば、主制御RAM103が提供するRAM記憶領域の一部)に記憶される設定値を設定表示部197に表示させる。設定表示部197は、例えば主制御基板100上に設けられた7セグメント表示器によって設定値を表示する。このとき、設定変更手段195は、所定の設定変更ボタンの押下に応じて、設定表示部197に表示される設定値を「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「6」→「1」→・・・のように順番に変更し、設定メモリに記憶される設定値を設定表示部197における表示と同じ値に更新する。本例では、設定変更ボタンとしてRAMクリアスイッチ400qを用いるとするが、他のボタンを利用してもよいし、専用のボタンを設けてもよい。そして、設定変更手段195は、設定キースイッチ100qがオフ状態にされた場合に、設定変更状態を終了させ、設定表示部197を消灯させる。
設定確認手段196は、遊技設定を確認するための「設定確認処理」を実行する。設定確認手段196は、前枠4が開放状態(ドア開センサ2pがドア開を検知)で、設定キースイッチ100qがオン状態のときに、RAMクリアスイッチ400qが押されずに電源スイッチ600qがオンにされた場合に、上述した設定確認状態に移行させる。
設定確認手段196は、設定確認状態に移行された場合、設定メモリに記憶される設定値を設定表示部197に表示させる。但し、上述した設定変更手段195とは異なり、設定確認手段196は、設定変更ボタン(例えばRAMクリアスイッチ400q)が押下されたとしても、設定表示部197に表示される設置値を変更せず、また、設定メモリに記憶される設定値も変更しない。そして、設定確認手段196は、設定キースイッチ100qがオフ状態にされた場合に、設定確認状態を終了させ、設定表示部197を消灯させる。
なお、設定メモリで管理する設定値データは「1」〜「6」の数値ではなく、代わりに「0」〜「5」の数値を用いてもよい。この場合、設定値「0」が設定1に対応し、設定値「1」が設定2に対応し、設定値「2」が設定3に対応し、設定値「3」が設定4に対応し、設定値「4」が設定5に対応し、設定値「5」が設定6に対応してもよい。設定値データの正常値として「0」を用いることにより、RAM異常時にRAMクリア処理をして設定値データを初期値「0」にセットしたときに異常判定されなくなるため、異常時のRAMクリア処理を簡易化できる。また、設定値データを利用して何らかの抽選を実行する場合、例えば、先読み処理において設定値毎に異なるテーブルやデータを選択する場合に、その選択のためのオフセット処理を簡略化できるという利点もある。例えば、設定値データとして「1」〜「6」を用いる場合、テーブルやデータ選択のオフセットデータとしてこれらの値をそのまま使用する際には開始アドレスを−1する等の追加処理が必要となる。一方、設定値データとして「0」〜「5」を用いる場合には、設定値データの数値をそのままオフセットデータとして使用できる。なお、設定値データとして「0」〜「5」の数値を用いる場合、設定変更手段195及び設定確認手段196は、設定値データの数値をそのまま設定表示部197に表示させてもよいし、設定値データの数値に+1を加えた数値を設定表示部197に表示させてもよい。後者の場合、「0」〜「5」の数値データが遊技設定における設定1〜設定6の数値に変換されて表示されるため、遊技機の管理者にとって分かりやすい表示とすることができる。
図26は、本実施形態に係る遊技機における演出制御基板200の機能の一例を示す機能ブロック図である。演出制御基板200は、演出抽選乱数発生手段210、演出統括手段220、ランプ演出制御手段230、役物演出制御手段240、エラー演出制御手段250、演出制御情報記憶手段260及びコマンド送受信手段270を含む。なお、演出制御基板200における上述の各手段は、演出制御基板200上に配された演出制御CPU201、演出制御ROM202、演出制御RAM203、電子回路などのハードウェア及び演出制御ROM202に格納された制御プログラムなどのソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
演出抽選乱数発生手段210は、演出制御CPU201のプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数(演出抽選乱数)を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、先読み予告演出の実行可否の抽選に使用する先読み予告抽選乱数、先読み予告パターンの選択に使用する先読み予告パターン乱数、装飾図柄の停止図柄の選択に使用する装飾図柄乱数、装飾図柄の変動演出パターンの選択に使用する変動演出パターン乱数、予告演出パターンの選択に使用する予告演出パターン乱数、大当り演出パターンの選択に使用する大当り演出パターン乱数、保留内連荘演出の実行可否の抽選に使用する連荘演出抽選乱数、保留内連荘演出の連荘演出パターンの選択に使用する連荘演出パターン乱数などが含まれる。これらの乱数の更新時期としては、後述の演出制御側メイン処理内でコマンド解析が行われなかった場合の残余時間を利用して更新する。なお、便宜的に各抽選に使用する乱数に名称を付けてはいるが、共通に使用される乱数を有するものであってもよい。
演出統括手段220は、演出モード制御手段221、保留情報表示制御手段222、先読み予告制御手段223、装飾図柄決定手段224、変動演出決定手段225、予告演出決定手段226及び大当り演出決定手段227を含む。
保留情報表示制御手段222は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1保留球数カウンタ、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2保留球数カウンタを有している。保留情報表示制御手段222は、主制御基板100からの図柄記憶数コマンドを受信すると、この図柄記憶数コマンドに含まれる作動保留球数の情報に基づき、第1保留球数カウンタ及び第2保留球数カウンタの値を更新する。そして、パチンコ機1が遊技盤に図8等に示した遊技盤5を用いる場合、保留情報表示制御手段222は、第1保留球数カウンタ及び第2保留球数カウンタの値に基づいて、演出表示装置70の保留表示部に、第1特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像と、第2特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像とを表示する制御を行う。通常の表示態様では、特別図柄の作動保留球が生じると白色表示の保留画像が表示される一方、次述する保留変化先読み予告演出が実行された場合には、先読み予告の対象となった保留画像が通常の表示態様(表示色)の「白色」から特殊な表示態様(表示色)として「青色」、「緑色」、「赤色」及び「虹色」のうちのいずれかを取り得る。上記4種類の特殊な表示態様は、抽選結果が大当りとなる信頼度(「大当り信頼度」と称する)と関係しており、「青色」、「緑色」、「赤色」、「虹色」の順に1段階ずつ大当り信頼度が高くなるように設定されている。本実施形態では、保留画像が「虹色」に変化した場合には、当該先読み対象の作動保留球において大当りが確定的となる。なお、保留変化先読み予告演出において、保留画像の表示態様の変化を表示色ではなく、形状や模様などで表現してもよい。
一方、パチンコ機1が遊技盤に図19等に示した遊技盤5Aを用いる場合は、液晶表示装置70を備えていないことから、保留情報表示制御手段222は、第1保留球数カウンタ及び第2保留球数カウンタの値に基づいて、保留表示LED75(第1保留表示LED751,第2保留表示LED752)の点灯を制御することによって保留表示を行う。詳しくは、第1特別図柄の作動保留球数に対応する数だけ第1保留表示LED751a〜751dを順に点灯(または点滅でもよい)し、第2特別図柄の作動保留球数に対応する数だけ第2保留表示LED752a〜752dを順に点灯(または点滅でもよい)する。前述したように、第1保留表示LED751及び第2保留表示LED752は単色LEDで構成されるため、保留表示LED75において、液晶表示装置70の保留画像のように、先読み予告の対象となった保留変動(先読み対象保留)に対して表示色を変えるといった保留変化先読み予告演出を実行することはできない。但し、保留表示LED75の点灯を点滅に変更することによって、先読み対象保留を特定させることはできる。また、別途詳述するが、液晶表示装置70による保留変化先読み予告演出の代わりに、フルカラーLEDで構成される期待度表示LED76を用いて、先読み対象保留の期待度示唆演出を実行することができる。なお、図19等に示した遊技盤5Aの構成において、液晶等の表示装置にて表示されるサブ演出表示装置を有する場合には、保留数の表示に関して液晶上の隅に特別図柄それぞれについての保留数を小さく2つの数字で表示するように構成してもよい。このように液晶上でも追加的に表示を行うことで、保留表示LED75の故障の際にも正確な保留数の表示が担保できる。
先読み予告制御手段223は、主制御基板100から事前判定コマンドを受信したことを契機として、先読み予告の実行可否を抽選にて決定する。先読み予告制御手段223は、第1特別図柄の事前判定結果の情報と第2特別図柄の事前判定結果の情報とを区別して、それぞれ所定の上限個数(4個)まで、作動保留球の入球順序と結合するように演出制御情報記憶手段260の先読み情報格納領域に一時的に記憶する。この先読み情報格納領域は、主制御基板100の保留記憶領域と同様の構成となっており、各始動口61,62への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、当否事前判定結果の情報、図柄事前判定結果の情報、変動パターン事前判定結果の情報を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。
先読み予告制御手段223は、先読み予告の実行可否を判定するとき、主制御基板100による事前判定結果に基づき、この先読み予告の対象となる作動保留球に対して先読み的な判定(「先読み判定」とも称する)を実行する。本実施形態では、先読み予告には、前述した保留変化先読み予告の他に、装飾図柄の連続的な複数回の変動表示に亘って大当り当選又はリーチ演出発生の可能性を予告するいわゆる連続予告演出を有する。先読み予告演出(連続予告演出)を実行可と判定した場合は、主制御基板100からの事前判定コマンドの情報(事前判定の結果)及び図柄記憶数コマンドの情報(現存する作動保留球数)を解析して、今回の先読み予告演出の発生契機となる作動保留球(「トリガ保留」と称する)を対象として連続的な複数回の変動表示に亘る先読み予告演出パターンが抽選で決定される。なお、先読み予告には、保留変化先読み予告演出、チャンス目先読み予告演出、背景変化先読み予告演出など各種のバリエーションが存在する。また別の種類の先読みとして、大当り遊技中や大当り当選となる変動が実行されている時に大当りとなる作動保留球が存在する可能性を示唆又は報知する保留内連荘演出を有する。
図31は、変動パターン先読み判定テーブルの一例を示す図である。図31に例示した変動パターン先読み判定テーブルは、先読み予告制御手段223による先読み判定で用いられる判定テーブルであって、図30等に示した特別図柄変動パターンテーブルを用いて決定された各変動の変動パターンに基づいて、先読みの種別(A〜D)が選択される。
図31によれば、先読み種別A(非先読み)は、先読みの対象外の変動パターン(図30によれば変動パターンPH1−1,PH1−2,PH1−3,PH5−1,PH5−2)から選択される。先読み種別Aが選択された場合、当該変動を対象とする先読み演出は実行されない。
ここで、図30の通常変動パターンテーブル(B1)において先読み対象外とされる非リーチAの選択率は、変動パターンPH1−1,PH1−2,PH1−3を合計すると、保留数に拘わらず750/1000であり、図31の先読み種別Aの選択率と一致する。すなわち、本例では、通常時(第1特別図柄)に非リーチAの変動パターンが決定された場合、当該変動に対する先読み演出は常に実行されず、先読み判定結果は全てID=0となる。また、図30の通常変動パターンテーブル(B1)では、非リーチAだけが保留数によって変動パターンの選択率が変動するように設定されている。このことから、本例では、保留数に選択率が依存する変動パターンが選ばれる乱数値の範囲においては、先読み判定結果は全てID=0となる、とも言える。
先読み種別B(弱先読み)は、通常時の先読み対象の非リーチ(変動パターンPH1−4,PH1−5)、あるいは、確変時のNリーチ(変動パターンPH6)に決定された変動パターンから選択される。先読み種別Bが選択された場合、当該変動を対象として、低い期待度を有する所定の(あるいは任意の)先読み演出が実行される。
先読み種別C(中先読み)は、通常時のNリーチ(変動パターンPH2)、あるいは、確変時のNリーチBまたはSPリーチB(変動パターンPH6,PH7)に決定された変動パターンから選択される。先読み種別Cが選択された場合、当該変動を対象として、中程度の期待度を有する所定の(あるいは任意の)先読み演出が実行される。
先読み種別D(強先読み)は、通常時のSPリーチ以上(変動パターンPH3,PH4)、あるいは、確変時のSPリーチD(変動パターンPH8)に決定された変動パターンから選択される。先読み種別Dが選択された場合、当該変動を対象として、高い期待度を有する所定の(あるいは任意の)先読み演出が実行される。なお、先読み種別B,C,Dによって期待度の異なる先読み演出が実行されるように構成することは、主制御基板100における先読み判定結果のIDに応じて、先読み演出の抽選テーブルを異ならせることや、同一のテーブルを使用した結果に対して当選した先読み演出よりも上位の先読み演出に変更することによって実行し得る。
なお、上記例では通常時用と確変時用の共通テーブルとして図31の変動パターン先読み判定テーブルを示したが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、通常時用と確変時用とで異なるテーブルを用意してもよく、また、第1特別図柄用と第2特別図柄用とで異なるテーブルを用意してもよい。さらに、後述する変動付加パターンに関しての先読みを行うためのテーブルを用意してもよい。
演出モード制御手段221は、主制御基板100からの遊技状態指定コマンドに基づき、主制御基板100側で管理された遊技状態及び変動パターン選択状態との整合性をとるように演出モードの移行制御を実行する。本実施形態では、3種類の演出モードとして、通常演出モードα、確変演出モードβ、特殊演出モードγが含まれており、主制御基板100から指示された特別図柄の変動パターンが同一であっても、演出モード毎に図柄変動演出の具体的内容を特定する変動演出パターン(詳細後述)が異なるように設定されている。演出表示装置70には、現在滞在中の演出モードに対応した演出モード報知画像(本実施形態では、装飾図柄の背面表示となる背景画像)が表示されており、この背景画像は演出モード毎に互いに異なるよう設定されているため、背景画像の種類から、現在滞在中の演出モードがいずれであるかを遊技者が認識し得る。
各演出モードについて概説する。まず、通常演出モードαは、主制御基板100側の変動パターン選択状態として、低確率通常変動状態αが選択されている場合に設定されており、その背景画像として「通常背景」が表示される。確変演出モードβは、主制御基板100側の変動パターン選択状態として、高確率短縮変動状態βが選択されている場合に設定されており、その背景画像として「確変背景」が表示される。特殊演出モードγは、主制御基板100側の変動パターン選択状態として、高確率特殊変動状態γが選択されている場合に設定される。この特殊演出モードは、特別遊技の終了直後の4回に亘る期間(限定期間)を限度として滞在し、この限定期間を超えると、確変演出モードβに遷移する。特別遊技中に保留内連荘演出が発生した場合、背景画像として「特殊背景」を表示する。一方、特別遊技中に保留内連荘演出が発生しなかった場合、すなわち、連続変動演出が実行されていない場合には、背景画像として確変演出モードと共通の「確変背景」を表示する。
装飾図柄決定手段224は、主制御基板100からの変動開始コマンドに含まれる情報(変動パターン情報、キャラクタ演出番号情報)に基づき、装飾図柄の最終的な停止図柄の組み合わせ(左図柄・中図柄・右図柄)を抽選により決定する。本実施形態では、複数種類の装飾図柄を含む3つの図柄列が構成される。この装飾図柄は、例えば、数字又は文字からなる識別要素により形成されている。本実施形態では、識別要素として、「1」〜「9」の数字、「S」の文字などの全10種類が設定されている。各装飾図柄は、図柄列の配列に従って「1」→「2」→「3」→・・・→「8」→「9」→「S」の順序で、左表示領域、中表示領域及び右表示領域においてそれぞれ巡回表示される。
装飾図柄決定手段224は、装飾図柄の停止図柄の組合せ(「停止図柄パターン」ともいう)を抽選で決定する際に参照される複数種の停止図柄パターンテーブルを保持している。この複数種のテーブルとしては、大当り用の停止図柄パターンテーブル、小当り用の停止図柄パターンテーブル、リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブル、非リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブルなどがある。装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組み合わせとして形成されており、「大当りを示す停止図柄(大当り図柄)」と、「はずれを示す停止図柄(はずれ図柄)」とを含む。特定大当り(確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の奇数数字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ(例えば「7・7・7」)となる。通常大当り(非確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の偶数数字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ(例えば、「2・2・2」)となる。はずれ図柄は、3つの図柄のうちの少なくとも1つが他の数字と異なる数字の図柄となる停止態様の組合せ(例えば「1・3・8」)となる。ここで、はずれ図柄のうちリーチはずれ図柄は、左図柄と右図柄とが一致している状態で中図柄のみが前後に数コマずれた停止態様の組合せ(例えば「3・1・3」)となる。なお、「小当りを示す停止図柄(小当り図柄)」や、大当り図柄であっても2R大当り図柄などの場合は、例えば「3・5・7」のような所定の停止態様の組み合わせとなる場合がある。なお、本実施形態では、保留内連荘を確定的に報知するための特殊の大当り図柄として「S・S・S」が設けられている。装飾図柄決定手段224は、保留内連荘演出を実行することが決定された場合に、連荘演出パターンPA2が選択されているときは、通常の大当り図柄(「3・3・3」など)を、特殊の大当り図柄(「S・S・S」)に差し替える。
変動演出決定手段225は、主制御基板100からの変動開始コマンドに含まれる情報(変動パターン情報)に基づき、装飾図柄の変動表示における変動開始から停止までの変動過程(演出過程)を規定した変動演出パターンを決定する。本実施形態では、リーチ表示後に行われる図柄変動演出(リーチ演出)として、演出内容が単純なリーチ演出(ノーマルリーチ演出)と、演出内容が途中で発展するリーチ演出(スーパーリーチ演出)とが含まれる。変動演出決定手段225は、変動演出パターンを選択する際に参照される複数種の変動演出パターンテーブルを保持しており、これら複数種の変動演出パターンテーブルの中から特別図柄の変動パターン(変動時間)に対応した変動演出パターンテーブルを選択する。変動演出パターンテーブルでは、特別図柄の変動パターン抽選の結果(すなわち、リーチ種別)に応じて、変動演出パターン乱数値と変動演出パターンとが対応付けられている。ここで、主制御基板100側では変動パターンとして図柄変動の基本パターン(例えば、「ノーマルリーチA」、「スーパーリーチA」など)が定まるのに対して、演出制御基板200側では変動演出パターンとして当該基本パターンを基に演出表示過程のシナリオを詳細に規定した図柄変動の詳細パターン(例えば、「ノーマルリーチA1,A2,A3…」、「スーパーリーチA1,A2,A3…」など)が定まる。このように装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち、装飾図柄の変動開始から変動終了までの一連の演出表示過程のシナリオが定義されており、当該表示過程中の各段階において予告演出を発生させるタイミングなどもタイムスケジュールとして規定されている。なお、装飾図柄を停止させるための停止順序は、変動演出パターン毎にあらかじめ定められており、本実施形態では原則として、左図柄→右図柄→中図柄の順に停止させる。但し、変動時間の短い変動演出パターンである場合には、左図柄・中図柄・右図柄をほぼ同時に停止させ、特定の変動演出パターンである場合には、左図柄→中図柄→右図柄の順に停止させることもできる。このとき、上記原則の停止順序(左図柄→右図柄→中図柄)でない場合は、大当り期待度が相対的に高くなる傾向となる。
予告演出決定手段226は、上述した変動演出パターンのシナリオに沿って装飾図柄の変動過程の各段階で実行される予告演出の内容を規定した予告演出パターンを決定する。予告演出パターンには、特定のキャラクタの画像、アニメーションなどを一時的又は段階的に画像表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターン、可動役物を動作させる演出パターンなどが含まれる。予告演出は、装飾図柄の変動表示と並行して実行されており、その図柄変動が大当り態様にて停止する大当り信頼度が高いことを予告的に示唆するものである。予告演出には、装飾図柄の変動過程においてリーチ状態が発生する前(リーチ発生時を含む)に実行される予告演出と、リーチ状態が発生した後に実行される予告演出とがある。予告演出はそれぞれ大当り信頼度が異なるものとなっており、基本的には、リーチ発生前に表示される予告演出よりも、リーチ発生後に表示される予告演出の方が相対的に大当り信頼度は高くなっている。予告演出決定手段226は、予告演出パターンを選択する際に参照される予告演出パターンテーブルを予告演出の種類別に保持しており、変動演出パターンのシナリオに沿って発生する予告演出の種類に応じた予告演出パターンテーブルを選択する。予告演出決定手段226は、上記で選択された予告演出パターンテーブルを参照して、演出抽選乱数発生手段210から取得した予告演出パターン乱数値に基づき、抽選によって、複数種の予告演出パターンの中からいずれかを選択する。なお、具体的な予告演出パターンの種類としては、コメント予告演出パターン、背景予告演出パターン、SU(ステップアップ)予告演出パターン、群予告演出パターン、カットイン予告演出パターン、役物可動予告演出パターン、などが用意されている。この予告演出は、基本的には、演出表示装置70での装飾図柄の変動表示に合わせて、1又は複数の予告演出を実行することによって行われる。そのため、同一の変動演出パターンによる装飾図柄の変動表示であっても、1又は複数の予告演出との組み合わせによって多彩な演出態様を発生させることが可能となる。
大当り演出決定手段227は、特別遊技中であることを報知する大当り演出の内容(大当り演出パターン)を決定する。大当り演出は、特別遊技の開始を報知する開始デモ演出と、ラウンド遊技中であることを報知するラウンド演出と、特別遊技の終了を報知する終了デモ演出とを含む。大当り演出決定手段227は、主制御基板100から大当り開始デモコマンドを受信した場合、演出制御情報記憶手段260に格納された大当り種別の情報などに基づき、大当り演出パターン(開始デモ演出パターン、ラウンド演出パターン、終了デモ演出パターン)を決定する。この大当り演出パターンには、大当り種別に応じて、大当り開始デモ演出時間とラウンド演出時間(大入賞口64の開放パターンに応じた演出時間)と大当り終了デモ演出時間とが設定されるとともに、その時間軸に沿って一連の演出内容が設定されている。大当り演出決定手段227は、大当り演出パターンに従って、主制御基板100から大当り開始デモコマンドを受信したことを契機として開始デモ演出を実行し、ラウンド演出指定コマンドを受信したことを契機として各ラウンド演出を実行し、大当り終了デモコマンドを受信したことを契機として終了デモ演出を実行する。
ここで、通常の大当り開始デモ演出では、例えば画面上に「大当り開始」という文字が表示されて、特別遊技の開始が告げられる。通常のラウンド演出では、例えば画面上の現在実行中のラウンド数や獲得賞球数が表示されるとともに、特別遊技を盛り上げる各種画像(アニメーション画像など)が表示される。通常の大当り終了デモ演出では、例えば画面上に「大当り終了」という文字が表示されて、特別遊技の終了が告げられる。
以上、演出統括手段220は、前記決定された演出内容(先読み演出パターン、連荘演出パターン、変動演出パターン、予告演出パターン、停止図柄パターン、大当り演出パターンなど)に基づき画像及び音に関する画像制御コマンドを生成して、これを演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する。
ランプ演出制御手段230は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従って演出ランプの点灯や発光色などを制御する。ランプ演出制御手段230は、演出ランプ10,25(枠ランプ10、盤ランプ25)を点灯制御するための複数種のランプデータ(ランプパターンデータ)を保持しており、前記決定した演出パターンに応じたランプデータを読み出して、このランプ制御信号(ランプデータ)をランプ接続基板91に送信する。
役物演出制御手段240は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従って各可動役物の駆動を制御する。役物演出制御手段240は、可動役物を駆動制御するための複数種の駆動データを保持しており、前記決定した演出パターンに応じた駆動制御信号(駆動データ)をモータドライバ92に送信する。
エラー演出制御手段250は、主制御基板100からエラー演出指定コマンドを受信した場合にエラー演出パターンを決定し、遊技機にエラー状態が発生したことを当該エラー演出パターンに従って報知するように構成されている。
演出制御情報記憶手段260は、装飾図柄の情報、変動演出パターンの情報、予告演出パターンの情報、制御コマンドの情報などを一時的に記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。例えば、コマンド格納領域には、主制御基板100からの演出制御コマンドを格納するための演出制御コマンドバッファ、画像制御基板300への画像制御コマンドを格納するための画像制御コマンドバッファ、画像制御基板300からのACKコマンドを格納するためのACKコマンドバッファを含む。各コマンドバッファはそれぞれリングバッファから構成されており、所定数の演出制御コマンド、画像制御コマンド及びACKコマンドをそれぞれ格納することができる。
コマンド送受信手段270は、主制御基板100から送信された演出制御コマンドを、併せて出力されるストローブ信号の受け取りを契機として受信し、この演出制御コマンドを演出制御コマンドバッファに格納するように構成されている。具体的には、コマンド送受信手段270は、主制御基板100からのストローブ信号が入力されたことを契機として発生した割込みに応じて演出制御コマンドの受信割込み処理を実行し、この受信割込み処理において各種の演出制御コマンドを取得する。この演出制御コマンドの受信割込み処理の詳細については後述する。なお、コマンド送受信手段270は、ストローブ信号を受信した場合には、この演出制御コマンドの受信割込み処理を他の割込み処理よりも優先的に実行する。
コマンド送受信手段270は、演出統括手段220にて設定された演出内容(変動演出パターン情報、予告演出パターン情報、装飾図柄情報など)の実行を指示するため、演出制御情報記憶手段260に格納された画像制御コマンドを、一例としてシリアル通信方式を用いて画像制御基板300に対して送信する。画像制御コマンドは、原則として、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域にセットされた順番に従って所定の周期(本実施形態では500μs)毎に送信される。
これにより、画像制御基板300は、演出制御基板200から送信された各種の画像制御コマンドを解析し、変動演出パターンのシナリオに沿って演出表示装置70に装飾図柄を含む演出画像を変動表示させるとともに、変動表示過程の各段階で図柄変動の演出に重畳させて予告演出を表示させる。さらに、コマンド送受信手段270は、画像制御基板300から送信されたACKコマンドを受信し、このACKコマンドをACKコマンドバッファに格納する。
<主制御基板側の処理>
図32〜図53は、主制御基板100における動作処理の手順の一例を示すフローチャートである。主制御基板100側の動作処理は、主として主制御側メイン処理及び主制御側タイマ割込み処理を含む。
<主制御側メイン処理>
図32、図33及び図34は、それぞれ、主制御基板100において実行される主制御側メイン処理の一例を示すフローチャートである。この主制御側メイン処理では、電源投入時のリセットにより主制御CPU101のセキュリティチェックが行われた後に主制御プログラムが起動され、この主制御プログラムによって処理が実行される。なお、以下の説明では、適宜、各処理の主体を省略する場合がある。
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定するとともに(ステップS1)、主制御RAM103のアクセス許可を行う(ステップS2)。次に、タイマ割込みが発生した場合に処理する主制御プログラムの先頭アドレスが格納されたベクタテーブルを設定し(ステップS3)、主制御CPU101の内蔵レジスタに初期値を設定する(ステップS4)。
次に、主制御CPU101は、設定キースイッチ100qの操作状態を確認し(ステップS5)、設定キースイッチ100qがオン状態であれば(ステップS5のYES)、RAMクリアスイッチ400qの操作状態を確認する(ステップS6)。ステップS6においてRAMクリアスイッチ400qがオン状態であれば(ステップS6のYES)、設定変更処理を実行する(ステップS7)。設定変更処理の詳細は図35を参照しながら後述するが、設定変更処理の終了後はステップS13に進む。一方、ステップS6においてRAMクリアスイッチ400qがオフ状態であれば(ステップS6のNO)、設定確認処理を実行する(ステップS8)。設定確認処理の詳細は図36を参照しながら後述するが、設定確認処理の終了後はステップS10に進む。
なお、ステップS5において設定キースイッチ100qがオフ状態であった場合は(ステップS5のNO)、主制御CPU101はRAMクリアスイッチ400qの操作状態を確認する(ステップS9)。ステップS9においてRAMクリアスイッチ400qがオン状態であれば(ステップS9のYES)、設定変更を伴わない通常のRAMクリア処理を行うため、ステップS13に進む。一方、ステップS9においてRAMクリアスイッチ400qがオフ状態であれば(ステップS6のNO)、特段の処理を行わずにステップS10に進む。
ステップS10では、主制御CPU101は、電源断情報フラグの値を読み込んで、電源断正常の情報が保存されているか否かを判定する(ステップS10)。
ここで、電源断正常の情報が保存されている場合、主制御RAM103の所定領域を対象としてチェックサムを算出する(ステップS11)。このチェックサムが0であるか否か、すなわち、チェックサムが正常であるか否かを判定する(ステップS12)。なお、ここで算出される電源投入時のチェックサムには、後述の電源断時処理で算出されるチェックサムの補数が含まれているため、正常にバックアップされていれば、電源投入時のチェックサムは「0」となる。このように、電源断前に主制御RAM103に記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源投入時に判断する。
ステップS12においてチェックサムが正常である場合には(ステップS12のYES)、電源断前の状態に復帰すべく、後述するステップS16に移行する。他方、ステップS12においてチェックサムが異常である場合(ステップS12のNO)、または、ステップS7における設定変更処理の終了後は、初期化処理の対象とされる主制御RAM103の全領域をゼロクリアする(ステップS13)。なお、ステップS13の初期化処理では、特定のRAM記憶領域はゼロクリアしない。例えば、設定メモリに記憶される設定値はクリアされず、ステップS7の設定変更処理で設定された設定値がそのまま保持される。
次に、主制御RAM103に電源投入時の初期化データを設定する(ステップS14)。次に、演出表示装置70の初期化、演出ランプ10,25の初期化などを行うため、演出制御基板200への演出制御コマンド(「演出初期コマンド」)を要求する(ステップS15)。
次に、電源断復帰設定処理において、主制御RAM103における、電源投入正常情報の設定、各種エラーの初期設定、払出制御基板400との通信初期設定を順に実行する(ステップS16)。ここで、電源投入正常情報の設定としては、電源投入が正しく行われたことを保存するため、電源断情報フラグに電源投入正常データを格納するとともに、電源断発生の情報を初期化するため、電源断確認フラグをオフにする。次に、データ転送元アドレス、データ転送先アドレス及び転送バイト数をセットして、転送バイト数分のデータを転送する(ステップS17)。電源断時における特別図柄遊技ステータスの値を読み込んで、特別図柄遊技に係る電源断復帰処理を実行する(ステップS18)。
次に、主制御基板100と演出制御基板200との電源断復帰時の演出制御コマンド(「電源断復帰コマンド」)の送信要求を行う(ステップS19)。この電源断復帰コマンドには、通信線の検査、特別図柄の作動状態、確率変動回数、時短回数、入球容易状態回数、変動パターン選択状態、エラー状態に関する情報が含まれている。なお、電源断前の未送信分のコマンド要求はクリアされる。次に、図柄記憶数コマンド要求処理において、電源断時の第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数の情報を読み込み、この作動保留球数の情報を含む演出制御コマンドを要求する(ステップS20)。
次に、普通電動役物622を電源断前の状態(例えば、第2始動口62を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(ステップS21)。さらに、特別電動役物642を電源断前の状態(例えば、大入賞口64を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(ステップS22)。次に、特別図柄モードフラグの値を読み込み、電源断時における特別図柄の確率変動機能の作動状態を設定する(ステップS23)。なお、特別図柄モードフラグとは、特別図柄遊技の作動確率(高確率又は低確率)を設定するためのフラグである。次に、タイマ割込みを起動させるため、上記CTC回路の初期設定として、所定のカウント値を設定して、タイマ割込みを4ms毎に発生させる(ステップS24)。次に、タイマ割込み処理の発生を禁止すべく割込み禁止を設定する(ステップS25)。ウォッチドッグタイマのリスタート準備として、クリアワード1(「55H」)を設定する(ステップS26)。
次に、電源断の発生を判定するため、電源断確認フラグの値を読み込み、電源断が発生しているか否かを判定する(ステップS27)。電源断が発生していない場合には、初期値乱数更新処理を実行する(ステップS28)。この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数及び特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各カウンタの数値を1加算して、数値が各乱数毎に定められた最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ割込み処理の発生を許可すべく割込み許可を設定して(ステップS29)、上述の割込みを禁止する処理(ステップS25)に戻り、ステップS25〜S29に亘るループ処理を繰り返し実行する。ここで、タイマ割込み処理は所定の周期ごとに定期的に実行されるが、前回の割込み処理が完了してから次回の割込み処理が発生するまでの間の残余時間を利用して、ステップS25〜S29までの処理を繰り返す。割込み禁止状態において割込み要求があった場合には、ステップS29において割込み許可となったときにタイマ割込み処理が起動することとなる。一方、ステップS27において電源断確認フラグがオンとなっている場合、すなわち、電源断が発生している場合には、ステップS30に移行して、次述する電源断時処理を実行する。
次に、電源断時処理(ステップS30〜S36)として、まず、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(ステップS30)。次に、電源断情報フラグの内容が電源投入正常データであるか否かを判定する(ステップS31)。電源投入正常情報である場合、電源断情報フラグに電源断正常データを設定する(ステップS32)。他方、電源投入正常情報でない場合、電源断情報フラグに電源断異常データを設定して(ステップS33)、ステップS36に移行する。
次に、主制御RAM103の所定領域(チェックサム領域を除く)に対してチェックサムを算出する(ステップS34)。チェックサムデータに対する補数を算出し、この補数の結果値を主制御RAM103のチェックサム領域に設定する(ステップS35)。次に、主制御RAM103のアクセス禁止設定を実施し(ステップS36)、電源が遮断されるまで処理を繰り返し実行する。
<設定変更処理>
図35は、設定変更処理の一例を示すフローチャートである。図35に例示した一連の処理は、図32におけるステップS107の設定変更処理を詳細に示したものであり、主制御CPU101(主制御プログラム)によって実行される。
図35によればまず、主制御CPU101は、遊技設定の設定値が記憶されるべき設定メモリの値が正常であるか否かを確認する(ステップS101)。ステップS101において設定メモリ値が正常でなければ(S101のNO)、設定値を初期化して初期値にする(S102)。具体的には例えば、設定値データとして「1」〜「6」を用いる場合、初期値として「1」をセットし、設定値データとして「0」〜「5」を用いる場合、初期値として「0」をセットする。ステップS102の処理後はステップS103に進む。一方、ステップS101において設定メモリ値が正常であれば(S101のYES)、ステップS102の処理をスキップしてステップS103に進む。
ステップS103では、設定変更状態に移行する。そして、設定メモリに記憶された設定値を設定表示部197に表示させる(ステップS104)。
次に、設定変更ボタン(例えばRAMクリアスイッチ400q)による変更操作の有無を確認する(ステップS105)。設定変更ボタンによる変更操作がある場合は(ステップS105のYES)、設定表示部197に表示される設定値を更新するとともに、設定メモリに記憶される設定値を更新する(ステップS106)。設定変更ボタンによる変更操作がない場合は(ステップS105のNO)、ステップS106の処理をスキップする。
次に、設定キースイッチ100qの操作状態がオフ状態であるか否か確認する(ステップS107)。図32のステップS5でNOと判定してから設定キースイッチ100qがオン状態のままであれば(ステップS107のNO)、ステップS104に戻って処理を繰り返す。一方、設定キーが元に戻されて設定キースイッチ100qがオフ状態になった場合は(ステップS107のYES)、設定表示部197を消灯させて設定値が視認できない状態(非表示)にし(ステップS108)、リターンする。前述したように、リターン後は、図32のステップS13の処理を行う。
<設定確認処理>
図36は、設定確認処理の一例を示すフローチャートである。図36に例示した一連の処理は、図32におけるステップS108の設定確認処理を詳細に示したものであり、主制御CPU101(主制御プログラム)によって実行される。
図36によればまず、主制御CPU101は、設定メモリに記憶された設定値を設定表示部197に表示させる(ステップS111)。
その後、主制御CPU101は、設定キースイッチ100qの操作状態がオフ状態であるか否か確認する(ステップS112)。図32のステップS5でNOと判定してから設定キースイッチ100qがオン状態のままであれば(ステップS112のNO)、ステップS111に戻って処理を繰り返し、設定値の表示を継続する。一方、設定キーが元に戻されて設定キースイッチ100qがオフ状態になった場合は(ステップS112のYES)、設定表示部197を消灯させて設定値が視認できない状態(非表示)にし(ステップS113)、リターンする。前述したように、リターン後は、図32のステップS10の処理を行う。
なお、本実施形態の遊技機においては、前述の設定変更処理及び設定確認処理への移行条件として、セキュリティ性を高めるために第1の手順である枠開放を有している。そのため、図32には不図示であるが、ステップS5の設定キースイッチ100qの操作状態の判定においてオン状態(ステップ5のYES)と判定する際は、枠開放スイッチ(ドア開センサ2p)の状態も合わせて確認し、枠が開放状態(ドア開)である場合のみステップS6に移行する。ステップS5の判定時に設定キースイッチ100qがオン状態であっても、枠が開放状態ではない(ドア閉)である場合には、不正や異常が疑われる状態であることから、設定変更処理(ステップS7)または設定確認処理(ステップS8)に進むステップS6には移行せず、設定キースイッチ100qがオフ状態になるまで待機し、オフ状態に切り替わった場合にはステップS9に移行する。
<主制御側タイマ割込み処理>
次に、主制御タイマ割込み処理を説明するための各図の関係について説明する。まず、図37及び図38は、それぞれ、主制御基板100において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。図39及び図40は、それぞれ、図37に示す始動口監視制御処理の詳細を示すフローチャートである。図41は、図38に示す特別図柄変動開始監視制御処理の詳細を示すフローチャートであり、図42及び図43は、それぞれ、図41に示す特別図柄変動開始監視処理の詳細を示すフローチャートである。図44は、図38に示す特別図柄制御処理の詳細を示すフローチャートである。図45は、図44に示す特別図柄制御汎用処理の詳細を示すフローチャートである。図46〜図50は、それぞれ、図45に示す特別図柄変動開始処理、特別図柄変動中処理、及び特別図柄停止図柄表示中処理の詳細を示すフローチャートである。図51〜図53は、それぞれ、図38に示す特別電動役物制御処理の詳細を示すフローチャートである。
まず、図37に示すタイマ割込み処理は、前述したCTC回路からの一定時間(例えば4ms)毎のクロックパルスに応じてタイマ割込みが発生したことを契機として、主制御側メイン処理に割り込んで実行される。なお、以下使用する「条件装置」及び「役物連続作動装置」という用語は概念上の制御機器を意味している。「条件装置」とは、特別図柄遊技で大当りが発生した場合に作動し、「役物連続作動装置」とは、「特別電動役物」を連続して複数回作動させることができる。
まず、このタイマ割込みが発生すると、主制御CPU101内のレジスタの内容(主制御側メイン処理の処理中に使用していたデータ)を主制御RAM103のスタック領域に退避させた後、割込み動作条件を設定する(ステップS51)。次に、割込み動作条件設定値が割込み制御レジスタにセットされる(ステップS52)。次に、クリアワード2がセットされる(ステップS53)。
次に、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(ステップS54)。このとき、あらかじめ設定されたタイムアウト時間内に、主制御CPU101のWDTクリアレジスタに、クリアワード1、クリアワード2が順に書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。すなわち、主制御CPU101が主制御プログラムを正常に実行しているときは、定期的にクリアワード1,2が設定されることにより、ウォッチドッグタイマがタイムアウトする前にクリア及びリスタートされることとなる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
次に、入力処理を実行する(ステップS55)。この入力処理では、主制御基板100に接続されている各種スイッチとして、RAMクリアスイッチ以外のスイッチの情報が読み込まれる。すなわち、第1始動口スイッチ161、第2始動口スイッチ162、作動ゲートスイッチ163、大入賞口スイッチ164、及びアウト球検出スイッチ167、並びに、図示しない扉開放スイッチ、枠開放スイッチ、裏セット開放スイッチ、磁気センサ及び電波センサなどの入力情報を読み込み、それらの状態判定を行ったうえで、これらの検出情報を格納する。
次に、各種乱数更新処理を実行する(ステップS56)。この各種乱数更新処理では、初期値乱数を使用しない普通図柄変動パターン乱数及び特別図柄変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数については、乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。他方、特別図柄変動パターン乱数については、前回の乱数から所定値(例えば3511)を減算する。なお、減算した結果が0未満の場合には、減算した結果に所定値(例えば50000)を加算する。
次に、初期値更新型乱数更新処理を実行する(ステップS57)。この初期値更新型乱数更新処理では、普通図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数及び特別図柄当り図柄乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。カウンタの数値が1周した場合(初期値として設定した値となった場合)には、当該タイミングにおいてカウンタの数値が1周した乱数値と対応する初期値乱数の値を新たな初期値として設定する。
次に、初期値乱数更新処理を実行する(ステップS58)。この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数及び特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が各乱数毎にあらかじめ定められた最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ減算処理を実行する(ステップS59)。このタイマ減算処理では、遊技機の遊技動作制御に用いる各種タイマの値を減算更新する。なお、各種タイマには、特別図柄表示装置171,172に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマ、特別電動役物642の動作パターンを制御するためのタイマや、普通図柄、普通電動役物など各種制御に使用するタイマなどが含まれる。
次に、第2始動口有効期間設定処理を実行する(ステップS60)。この第2始動口有効期間設定処理では、第2始動口62の入賞有効期間及び入賞無効期間を判定し、この判定結果として、第2始動口62の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、入賞監視処理を実行する(ステップS61)。この入賞監視処理では、前述した入力処理(ステップS55)での第1始動口スイッチ161、第2始動口スイッチ162、作動ゲートスイッチ163、大入賞口スイッチ164、一般入賞口スイッチ166、及びアウト球検出スイッチ167の検出情報に基づき、遊技球のスイッチ通過検査を行い、その結果、遊技球が各スイッチを通過したと判断した場合、遊技球が各スイッチを通過したことを示す情報を含む演出制御コマンドの送信要求などを行う。
次に、賞球制御処理を実行する(ステップS62)。この賞球制御処理では、入賞が有効であるか無効であるかを判定し、入賞の種別に対応する賞球個数の指示をすべく払出制御コマンドを払出制御基板400に送信するとともに、払出制御基板400からの受信データを監視して払出制御基板400との通信検査を行う。
次に、普通図柄作動ゲート監視処理を実行する(ステップS63)。この普通図柄作動ゲート監視処理では、遊技球のゲート63への通過を監視し、ゲート63を通過していると判断した場合、普通図柄抽選に係る乱数を作動保留球情報として取得して、最大4個を限度として作動保留球数の更新を行うとともに、普通図柄抽選に係る乱数の記憶を行う。
次に、普通図柄制御処理を実行する(ステップS64)。この普通図柄制御処理では、普通図柄表示装置175又は普通電動役物622に係る一連の処理を実行するため、普通図柄遊技ステータスの値に応じて、普通図柄変動中処理、普通図柄停止図柄表示中処理、普通電動役物作動中処理、普通電動役物作動終了デモ中処理、などを実行する。なお、普通図柄変動中処理では、普通図柄を変動表示又は確定表示させるべく、普通図柄の表示パターン番号データを作成(更新)する。
次に、普通図柄変動開始監視処理を実行する(ステップS65)。この普通図柄変動開始監視処理では、普通図柄の作動状態を監視して、普通図柄の変動開始条件を充足していると判断したとき、普通図柄作動保留球数を1個消化して、普通図柄の当否判定、図柄の判定、変動パターンの判定、変動時間の設定、などを順に行う。
次に、始動口監視制御処理を実行する(ステップS66)。この始動口監視制御処理では、遊技球の第1始動口61及び第2始動口62への入球を監視して、遊技球が入球したことが検出された場合、例えば、保留球数の更新、特別図柄抽選に係る乱数記憶、先読み予告のための事前判定及び図柄記憶数等のような演出制御基板200に必要な情報を含むコマンドのコマンド要求を順に行う。
次に、特別図柄制御処理を実行する(ステップS67)。この特別図柄制御処理では、特別図柄表示装置171,172に係る一連の処理として、特別図柄遊技ステータスの値に応じて、例えば、後述する特別図柄変動開始処理(後述する図45のステップS420参照)、特別図柄変動中処理(後述する図45のステップS430参照)及び特別図柄停止図柄表示中処理(後述する図45のステップS440参照)を実行する。
次に、特別電動役物制御処理を実行する(ステップS68)。この処理では、特別図柄の抽選結果が「大当り」又は「小当り」となった場合に、特別電動役物642に係る動作処理として、特別電動役物642の作動開始及び作動終了の設定、大入賞口64の開放時間及び開放回数の更新、確率変動機能の作動開始設定、変動時間短縮機能の作動開始設定、変動パターン選択状態の設定、などを順に実行する。
次に、大入賞口有効期間設定処理を実行する(ステップS69)。この大入賞口有効期間設定処理では、大入賞口64の入賞有効期間及び入賞無効期間を判定し、この判定結果として大入賞口64の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、特別図柄変動開始監視制御処理を実行する(ステップS70)。この特別図柄変動開始監視制御処理では、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球が存在する場合、保留球数を1個消化して、図柄記憶数のコマンド要求、特別図柄の当否判定、特別図柄の図柄判定、確率変動機能の判定、時間短縮機能の判定、特別電動役物の作動パターンの設定、デモ演出時間の設定、などを順に行う。
次に、異常検知処理を実行する(ステップS71)。この異常検知処理では、前述した入力処理(ステップS55)での入力情報に基づき、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを順に検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板200にエラー表示を要求すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を生成する。
次に、入球通過時間異常検出処理を実行する(ステップS72)。この入球通過時間異常検出処理では、入賞検出スイッチのオン信号が連続して所定時間以上検出された場合に、入球通過時間異常を設定して、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)の要求を行うとともに、外部端子へ出力するためのセキュリティ信号の出力要求を行う。
次に、遊技状態表示処理を実行する(ステップS73)。この遊技状態表示処理では、特別電動役物642が連続して作動する回数(規定ラウンド数)、普通図柄及び特別図柄の作動保留球数などの表示データを作成する。前述した異常検知処理で検出したエラー状態の情報を主制御基板100の状態表示灯に表示させるための表示データを作成する。
次に、ハンドル状態信号検査処理を実行する(ステップS74)。このハンドル状態信号検査処理では、ハンドル状態信号を検査する。
次に、LED出力処理を実行する(ステップS75)。このLED出力処理では、特別図柄及び普通図柄の表示、保留球数の表示、特別電動役物が連続して作動する回数、エラーの表示などを行うべく、前述した特別図柄制御処理(ステップS85)、異常検知処理(ステップS89)、遊技状態表示処理(ステップS73)などで作成された表示データを、各特別図柄表示装置171,172、普通図柄表示装置175、各特図保留ランプ173,174、普図保留ランプ176、主制御基板100の状態表示灯などに出力するとともに、これら各種表示装置における表示の初期化を行う。
次に、発射制御信号出力処理を実行する(ステップS76)。この発射制御信号出力処理では、払出制御基板400との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されていない場合には、払出制御基板400に対して発射許可の信号を出力して遊技球の発射を許可する一方、払出制御基板400との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されている場合には、払出制御基板400に対して発射禁止の信号を出力して遊技球の発射を禁止する。
次に、試験信号出力処理を実行する(ステップS77)。この試験信号出力処理では、各種の試験データを作成した後にエラー検査処理を実施し、この結果、エラーが検出された場合、各種の試験データを各試験信号出力ポートへ出力する。
次に、ソレノイド出力処理を実行する(ステップS78)。このソレノイド出力処理では、普通電動役物622,特別電動役物642を作動させるべく、普通図柄制御処理(ステップS82)及び特別電動役物制御処理(ステップS86)において取得した制御データに基づき、各電動役物ソレノイド123,124に対して励磁信号を出力する。
次に、演出制御コマンド送信処理を実行する(ステップS79)。この演出制御コマンド送信処理では、前述したようにメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納された演出制御コマンドのうちからポインタで指定されたリングバッファに格納されている演出制御コマンドをMODEデータ及びEVENTデータごとにそれぞれ読み出し、後述するように演出制御基板200に対してそれぞれ送信する。
次に、外部情報出力処理を実行する(ステップS80)。この外部情報出力処理では、外部端子板を介して、遊技機の動作状態情報を外部情報としてホールコンピュータやデータカウンタなどの外部装置に出力する。
次に、退避していたレジスタの内容を復帰させて、主制御CPU101について割込み許可状態に設定する(ステップS81)。これにより、主制御側タイマ割込み処理を終了して上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を実行する。
なお、主制御側メイン処理中又は割込み処理中に、主制御基板100が電源断(所定の閾値に基づき供給電圧の低下)を検出すると、ノンマスカブル割込みを発生させて、電源断確認フラグをオンにする。元の処理に戻ったうえで、前述の電源断時処理(ステップS27〜S33)を実行することとなる。
<特別図柄遊技処理>
次に、主制御側タイマ割込み処理内の特別図柄遊技に係る一連の処理について説明する。特別図柄遊技に係る処理には、前述した始動口監視制御処理(ステップS84)、特別図柄制御処理(ステップS85)、特別電動役物制御処理(ステップS86)及び特別図柄変動開始監視制御処理(ステップS88)が該当する。
<始動口監視制御処理>
まず、図39に示すように第1始動口61への遊技球の入球を検出したか否かを判定する(ステップS201)。第1始動口61への遊技球の入球を検出した場合には、第1特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS202)。
第1特別図柄の作動保留球数が4未満である場合には、第1特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値、を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(ステップS203)。第1特別図柄の作動保留球数の更新として、第1特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(ステップS204)、第1始動口61の入賞チェックを終了する。
次に、第2始動口62への遊技球の入球が検出されたか否かを判定する(ステップS205)。第2始動口62への遊技球の入球が検出された場合、第2特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS206)。第2特別図柄の作動保留球数が4未満である場合、第2特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値及び特別図柄変動パターン乱数値を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第2特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(ステップS207)。第2特別図柄の作動保留球数の更新として、第2特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(ステップS208)、第2始動口62の入賞チェックを終了する。
次に、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数の更新があったか否か、すなわち、ステップS204又はステップS208にて第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が加算されたか否かを判定する(ステップS209)。作動保留球数の更新があった場合(ステップS209)には、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS210)。
次に、遊技機の状態を確認し、事前判定タイミングであるか否かを判定する(ステップS211)。事前判定タイミングである場合(ステップS211)には、保留n記憶領域の当り乱数バッファから特別図柄当り乱数値を読み出して、当否事前判定を行う(ステップS212)。この事前判定結果の情報(当否事前判定番号)を含む当否事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS213)。
保留n記憶領域の当り図柄乱数バッファから特別図柄当り図柄乱数値を読み出して、図柄事前判定を行う(ステップS214)。この事前判定結果の情報(図柄事前判定番号)を含む図柄事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS215)。さらに、保留n記憶領域の変動パターン乱数バッファから特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、変動パターン事前判定を行う(ステップS216)。この事前判定結果の情報(変動パターン事前判定番号)を含む変動パターン事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS217)。
<特別図柄変動開始監視制御処理>
図41に示す特別図柄変動開始監視制御処理(ステップS88)では、第1特別図柄及び第2特別図柄のうち、変動開始条件を充足している方の特別図柄側に対して、後述の特別図柄変動開始監視処理(ステップS310)を実行する。なお、第1特別図柄及び第2特別図柄の双方が変動開始条件を充足している場合には、前述したように、一例として第2特別図柄側の処理が優先的に実行される。
まず、大当り中又は小当り中であるか否かを判定する(ステップS301)。次に、第1特別図柄及び第2特別図柄の双方が変動待機中であるか、すなわち、第1特別図柄遊技ステータス及び第2特別図柄遊技ステータスが共に「00H(変動待機中)」であるか否かを判定する(ステップS302)。
次に、第2特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定して(ステップS303)、当該保留球数が「0」でない場合、第2特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第2特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレス及びRAM記憶領域のアドレス)を設定した後に(ステップS304)、第2特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(ステップS310)に移行する。すなわち、本実施形態では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合、第1特別図柄の作動保留球の存在の有無に拘わらず、第2特別図柄の作動保留球が優先的に消化される。この特別図柄変動開始監視処理の詳細については、後述する図42及び図43を用いて説明する。
一方、第2特別図柄の作動保留球数が「0」である場合には、第1特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定する(ステップS305)。ここで、当該保留球数が「0」でない場合、第1特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第1特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレス及びRAM記憶領域のアドレス)を設定した後に(ステップS306)、第1特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(ステップS310)に移行する。
なお、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動開始条件が共に成立していない場合(ステップS301,S302,S305)には、特別図柄変動開始監視処理(ステップS310)の実行を省略する。
<特別図柄変動開始監視処理>
特別図柄変動開始監視処理(ステップS310)では、上述したステップS304又はステップS306で設定された第1特別図柄変動開始監視テーブル又は第2特別図柄変動開始監視テーブルを参照して、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の処理を実行する。なお、第1特別図柄側と第2特別図柄側とでは、処理内容がほぼ同様であるので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。
まず、図42に示すように、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の作動保留球数を1減算する(ステップS311)。減算後の第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS312)。次に、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の特別図柄保留格納領域にアクセスして、最先の保留記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を順に読み出し、これらの乱数値を、後述の特別図柄当否判定処理(ステップS320)、図柄判定処理(ステップS330)、変動パターン選択処理(後述する図46のステップS423)に使用するため、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域に転送する(ステップS313)。保留記憶領域の更新として、保留2記憶領域〜保留4記憶領域に格納された保留球情報を順次保留1記憶領域〜保留3記憶領域にシフトするとともに、保留4記憶領域をゼロクリアする(ステップS314)。
次に、特別図柄当否判定処理を実行する(ステップS320)。特別図柄当否判定処理では、まず、特別図柄当否抽選テーブルを取得する。このとき、遊技状態が特別図柄確変状態である場合は高確率の当否抽選テーブルを取得し、遊技状態が通常状態である場合は低確率の当否抽選テーブルを取得する。次に、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出す。特別図柄当否抽選テーブルを参照して、特別図柄当り乱数値に基づき、特別図柄の当否判定を実行する。この当否判定結果に対応した値(大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)をメイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグとして格納する。
次に、図柄判定処理を実行する(ステップS330)。図柄判定処理では、当否判定の結果に応じて、特別図柄の停止図柄、図柄群の種類、キャラクタ演出番号(変動付加図柄情報)を決定する。今回決定した特別図柄の停止図柄、図柄群の種類、キャラクタ演出番号をメイン情報記憶手段180の図柄格納領域に格納する。なお、キャラクタ演出番号は、決定された図柄群の種類(図柄群A〜Gの7パターン)と、特別図柄及び普通図柄の確率変動機能の作動状態(特別図柄の確変オン/特別図柄の確変オフ/普通図柄の確変オン/普通図柄の確変オフの4パターン)との組み合わせに基づき、計28パターンなかのいずれかが決定される。なお、当否判定の結果がはずれの場合には、キャラクタ演出番号「0」が決定される。
次に、当否判定の結果が小当りに該当するか否かを判定するとともに(ステップS341)、当否判定の結果が大当りに該当するか否かを判定する(ステップS342)。当否判定の結果が小当りである場合は、ステップS346に移行する一方、当否判定の結果がはずれである場合は、ステップS349に移行する。
一方、当否判定の結果が大当りである場合には、ステップS330で決定された図柄群の種類(大当り種別)に基づき、特別遊技後の遊技状態として、特別図柄の確率変動機能を作動させるか否かを判定する(ステップS343)。すなわち、図柄群の種類(大当り種別)が、特定図柄を示すものである場合、確率変動機能を付与することを決定し、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタに確率変動作動データ(ST回数)「64H」を格納する一方、図柄群の種類が通常図柄を示すものである場合、確率変動機能を付与しないことを決定し、確率変動回数カウンタに確率変動未作動データ「00H」を格納する(ステップS344)。この判定結果は、メイン情報記憶手段180の確率変動判定フラグに記憶される。
ステップS330で決定された図柄群の種類(大当り種別)に基づき、特別遊技後の遊技状態として、変動時間短縮機能の作動回数を決定するとともに(ステップS345)、電チューサポート機能の作動回数を決定する(ステップS346)。この判定結果(変動時間短縮機能の作動回数情報(以下「変動時間短縮回数情報」と称する)、電チューサポート機能の作動回数情報(以下「入球容易状態回数情報」と称する))は、それぞれ対応するメイン情報記憶手段180の時短回数格納領域及び入球容易状態回数格納領域に記憶される。
次に、ステップS330で決定された図柄群の種類(大当り種別、小当り種別)に基づき、特別電動役物642の作動パターンを設定する(ステップS347)。具体的には、特別電動役物642の作動パターンとして、ラウンド遊技の規定ラウンド数(本実施形態では、10ラウンド、5ラウンド、2ラウンド)、大入賞口64の最大開放時間(本実施形態では、30秒、1.8秒)などを設定する。
次に、ステップS330で決定された図柄群の種類と現在の遊技状態とに基づき、特別遊技終了後の変動パターン選択状態を設定する(ステップS348)。なお、前述の説明では、特殊変動状態に関して、大当り図柄に応じて決定するものを例示したが、小当りの場合であっても、ステップS348において、変動パターン選択状態を特殊なものに変更可能としてもよい。次に、フローに戻り、ステップS330で決定された図柄群の種類に基づき、特別遊技のデモ演出時間(当り開始デモ時間及び当り終了デモ時間)を設定する(ステップS349)。次に、前述の特別図柄当否判定処理(ステップS320)及び図柄判定処理(ステップS330)で使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域及び特別図柄判定領域をクリアする(ステップS351)。今回の変動対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステータスを「00H(待機中)」から「01H(変動開始)」に遷移する(ステップS351)。
<特別図柄制御処理>
次に、図44に示す特別図柄制御処理(ステップS85)について説明する。まず、特別電動役物642が未作動中であるか否か、すなわち、特別電動役物遊技ステータスが「00H(当り待ち状態)」であるか否かを判定する(ステップS401)。次に、特別電動役物642が未作動中である場合(ステップS401)には、第2特別図柄遊技ステータスが「00H(待機中)」でないか否かを判定する(ステップS402)。
第2特別図柄遊技ステータスが「00H(待機中)」でない場合、第2特別図柄に係る処理を実行するため、第2特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレス及びRAM記憶領域のアドレス)を設定して(ステップS403)、特別図柄制御汎用処理(ステップS410)に移行する。一方、第2特別図柄遊技ステータスが「00H(待機中)」である場合、第1特別図柄に係る処理を実行するため、第1特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレス及びRAM記憶領域のアドレス)を設定して(ステップS404)、特別図柄制御汎用処理(ステップS410)に移行する。
なお、以下に説明する特別図柄制御汎用処理では、上述のステップS403又はステップS404で設定された第1特別図柄制御テーブル又は第2特別図柄制御テーブルを使用して、今回の変動の対象となる特別図柄側の処理が実行されることとなるが、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで処理の仕方は共通するので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。この特別図柄制御汎用処理の詳細については後述する。
<特別図柄制御汎用処理>
図45に示す特別図柄制御汎用処理(ステップS410)では、特別図柄遊技ステータスの値(「01H」,「02H」,「03H」)に応じた処理に移行するための分岐処理(ステップS411〜ステップS414)を実行する。まず、今回の変動の対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステータスが0でないか否かを判定する(ステップS411)。特別図柄遊技ステータスが「00H」でない場合(ステップS411)には、特別図柄遊技ステータスが「01H(変動開始)」であるか否かを判定する(ステップS412)。特別図柄遊技ステータスが「01H」である場合、特別図柄変動開始処理(ステップS420)に移行する。この特別図柄変動開始処理の詳細については後述する図46を用いて説明する。一方、ステップS412において特別図柄遊技ステータスが「01H」でない場合、特別図柄遊技ステータスが「02H(変動中)」であるか否かを判定する(ステップS413)。特別図柄遊技ステータスが「02H」である場合、特別図柄変動中処理(ステップS430)に移行する。この特別図柄変動中処理の詳細については、後述する図47を用いて説明する。ステップS413において特別図柄遊技ステータスが「02H」でない場合には、特別図柄遊技ステータスが「03H(停止図柄表示中)」であるか否かを判定する(ステップS414)。特別図柄遊技ステータスが「03H」である場合、特別図柄停止図柄表示中処理(ステップS440)に移行する。この特別図柄停止図柄表示中処理の詳細については後述する図48を用いて説明する。
<特別図柄変動開始処理>
まず、図46に示すように、当否抽選の結果や当選図柄、保留数、特別図柄の種別、及び変動パターン選択状態などに基づき、特別図柄変動パターンテーブルを取得する(ステップS421)。次に、メイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域から特別図柄変動パターン乱数値を読み出す(ステップS422)。特別図柄変動パターンテーブルを参照して、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、複数種の変動パターンの中からいずれかを選択する(ステップS423)。
次に、今回選択された変動パターンに対応する変動時間を設定する(ステップS424)。特別図柄の変動開始の設定として、図柄表示制御手段155の特別図柄遊技タイマに変動時間を格納するとともに(ステップS425)、演出制御基板200への変動開始コマンドを生成する(ステップS426)。変動開始コマンドとしては、演出表示装置70における図柄変動演出を開始させるべく、変動パターン指定コマンド、図柄指定コマンドを順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に記憶する。
次に、変動パターンの決定に使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域の内容をクリアする(ステップS427)。特別図柄遊技ステータスを「01H(変動開始)」から「02H(変動中)」に遷移する(ステップS428)。
<特別図柄変動中処理>
まず、図47に示すように、特別図柄の変動表示を行うため、特別図柄の表示パターン番号切替処理を実行する(ステップS431)。この表示パターン番号切替処理では、所定の切替時間毎に、特別図柄の表示パターン番号データを更新する。この表示パターン番号データは、特別図柄を変動表示又は確定表示させるべく、LED出力処理(ステップS76)において、第1特別図柄表示装置171又は第2特別図柄表示装置172に対して出力され、所定の切替時間ごとに変動表示中の特別図柄表示装置において特定の表示部が点滅したり、表示部の個別のLEDが順次点灯することによって変動中であることを示す表示を実行する。
次に、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄の変動時間が終了したか否かを判定する(ステップS432)。特別図柄の変動時間が終了した場合、第1特別図柄表示装置171又は第2特別図柄表示装置172に確定表示すべき特別図柄の停止図柄を設定する(ステップS433)。次に、演出制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を指示するための変動停止コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS434)。
次に、特別図柄遊技タイマに確定表示時間として500msに対応したデータである「125」を格納する(ステップS435)。なお、「確定表示時間」とは、特別図柄の変動停止の際に、停止図柄を確定的に停止表示させる時間である。特別図柄遊技ステータスを「02H(変動中)」から「03H(停止図柄表示中)」に遷移する(ステップS436)。
<特別図柄停止図柄表示中処理>
まず、図48に示すように、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄(停止図柄)の確定表示時間が終了したか否かを判定する(ステップS441)。ここで、特別図柄の確定表示時間が終了した場合、特別図柄遊技ステータスを「03H(停止図柄表示中)」から「00H(待機中)」に遷移する(ステップS442)。
次に、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに格納された当否判定データが大当りデータ「55H」であるか否かを判定する(ステップS443)。当否判定データが大当りデータである場合、特別図柄の確率変動機能の作動停止(ステップS444)、特別図柄の変動時間短縮機能の作動停止(ステップS445)、電チューサポート機能の作動停止(ステップS446)、を順に行う。
次に、特別遊技の開始デモ設定処理として、開始デモ表示時間を設定するとともに、開始デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(大当り開始デモコマンド)を生成する(ステップS447)。次に、変動パターン選択状態の実行回数(変動パターン選択状態回数カウンタ)をゼロクリアする(ステップS448)。特別電動役物遊技ステータスを「00H(当り待ち状態)」から「01H(特別遊技)」に遷移する(ステップS449)。当否判定フラグの内容をクリアするため、「00H」を設定する(ステップS450)。
一方、当否判定データが大当りデータでない場合(ステップS443)には、特別図柄の確率変動機能が作動中であるか否かを判定する(ステップS451)。図49に示すように、特別図柄の確率変動機能が作動中である場合(ステップS451)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタを1減算する(ステップS452)。次に、確率変動回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS453)。確率変動回数カウンタがゼロである場合、特別図柄の確率変動機能の作動を停止する(ステップS454)。一方、減算後の確率変動回数カウンタがゼロでない場合、ステップS454をスキップして、ステップS455に移行する。
次に、特別図柄の変動時間短縮機能が作動中であるか否かを判定する(ステップS455)。特別図柄の変動時間短縮機能が作動中である場合、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の時短回数カウンタを1減算する(ステップS456)。次に、時短回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS457)。時短回数カウンタがゼロである場合には、特別図柄時短状態の終了回数に到達したとして、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を停止する(ステップS458)。一方、減算後の時短回数カウンタがゼロでない場合、ステップS458をスキップして、ステップS459に移行する。
次に、電チューサポート機能が作動中であるか否かを判定する(ステップS459)。電チューサポート機能が作動中である場合、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の入球容易状態回数カウンタを1減算する(ステップS460)。次に、入球容易状態回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS461)。入球容易状態回数カウンタがゼロである場合、入球容易状態の終了回数に到達したとして、電チューサポート機能の作動を停止する(ステップS462)。一方、減算後の入球容易状態回数カウンタがゼロでない場合、ステップS462をスキップして、ステップS463に移行する。
次に、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを1減算する(ステップS463)。変動パターン選択状態を更新する(ステップS464)。具体的には、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを参照し、現在の変動パターン選択状態の実行回数があらかじめ設定された終了回数に達したか否かを判定し、終了回数に達している場合には、次に規定された変動パターン選択状態に切り替える。他方、終了回数に達していない場合には、現在の変動パターン選択状態を維持する。
次に、前述したステップS451〜S464にて更新された現在の遊技状態情報及び変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS465)。なお、演出制御基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、演出モードの設定及び更新を実行する。
次に、特別図柄判定フラグに小当りデータ「33H」が格納されているか否かを判定する(ステップS466)。小当りデータが格納されている場合、小当り遊技の開始デモ設定処理として、開始デモ表示時間を設定するとともに、開始デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(小当り開始デモコマンド)を生成する(ステップS467)。次に、特別電動役物遊技ステータスを「00H(当り待ち状態)」から「02H(小当り遊技)」に遷移する(ステップS468)。当否判定フラグの内容をクリアするため「00H」を設定する(ステップS469)。
一方、特別図柄判定フラグに小当りデータ「33H」が格納されていない場合、すなわち、特別図柄判定フラグにはずれデータ「00H」が格納されている場合、ステップS467〜S469の実行を省略する。なお、特別図柄判定フラグがはずれデータである場合に、当該フラグの内容をクリアする処理をしなかったのは、もともとはずれデータとして「00H」が格納されているからである。
<特別電動役物制御処理>
まず、図51に示すように、特別電動役物遊技ステータスが「01H(特別遊技:大当り)」であるか否かを判定する(ステップS501)。特別電動役物遊技ステータスが「01H」である場合、以降の処理において特別遊技処理を実行する。この特別遊技処理において、まず、特別電動役物642が作動中であるか否かを判定する(ステップS502)。特別電動役物642が作動していない場合、特別電動役物642の作動開始時間であるか否かを判定する(ステップS503)。特別電動役物642の作動開始時間とは、各ラウンド遊技おいて特別電動役物642の作動を開始するタイミングである。
特別電動役物642の作動開始時間である場合、ラウンド演出を開始させるべく演出制御コマンド(ラウンド演出指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS504)。なお、演出制御基板200側では、このラウンド演出指定コマンドの情報(現在のラウンド数などの情報)に基づき、特別遊技中における各ラウンド遊技に対応したラウンド演出を実行する。特別電動役物642の作動を開始して(ステップS505)、特別電動役物642の作動中の処理として、ステップS506〜ステップS510の処理を実行する。
特別電動役物642の作動中の処理として、大入賞口64に遊技球が最大入賞数だけ入球したか否かを判定するとともに(ステップS506)、特別電動役物642の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定する(ステップS507)。このとき、大入賞口64に遊技球が最大入賞数だけ入球した場合又は特別電動役物642の作動時間が経過した場合には、特別電動役物642の作動を停止させる(ステップS508)。特別電動役物642の連続作動回数があらかじめ定められた規定ラウンド数に達したか否かを判定する(ステップS509)。連続作動回数が規定ラウンド数に達していない場合、特別電動役物642の連続作動回数を1加算する(ステップS510)。
一方、特別電動役物642の連続作動回数が規定ラウンド数に達している場合、図52に示すステップS511に移行して、特別遊技の当り終了デモ設定処理として、終了デモ表示時間を設定するとともに、終了デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(大当り終了デモコマンド)を生成する(ステップS511)。
次に、確率変動回数カウンタに上記ステップS344で設定した確率変動回数情報を格納する(ステップS512)。時短回数カウンタに、上記ステップS345で設定した変動時間短縮回数情報を格納する(ステップS513)。入球容易状態回数カウンタに、上記ステップS346で設定した入球容易状態回数情報を格納する(ステップS514)。
次に、上記ステップS343で設定された確率変動判定フラグの内容を参照して、確率変動回数カウンタに記憶された確率変動回数情報が確率変動機能データ(「64H」)であるか否かを判定する(ステップS515)。確率変動回数情報が確率変動機能データである場合、特別図柄の確率変動機能の作動を開始する(ステップS516)。他方、確率変動回数情報が確率変動機能データでない場合(ステップS515がNOの場合)には、ステップS516の実行を省略する。
次に、時短回数カウンタに記憶された変動時間短縮回数情報が変動時間短縮機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(ステップS517)。変動時間短縮機能作動データである場合、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を開始する(ステップS518)。一方、変動時間短縮機能作動データでない場合には、ステップS518の実行を省略する。
次に、入球容易状態回数カウンタに記憶された入球容易状態回数情報が電チューサポート機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(ステップS519)。電チューサポート機能作動データである場合、電チューサポート機能の作動を開始させる(ステップS520〜S522)。すなわち、普通図柄の確率変動機能の作動開始(ステップS520)、普通図柄の変動時間短縮機能の作動開始(ステップS521)、普通電動役物622の開放延長機能の作動開始(ステップS522)、を順に実行する。一方、電チューサポート機能作動データでない場合には、ステップS520〜S522の実行を省略する。
次に、上記ステップS347で決定した変動パターン選択状態に切り替える(ステップS523)。次に、前述のステップS512〜S523にて設定された特別遊技後の遊技状態情報及び変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS524)。なお、演出制御基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、特別遊技後の演出モードを設定する。特別電動役物遊技ステータスを「01H(特別遊技)」から「00H(当り待ち状態)」に遷移する(ステップS525)。
他方、特別電動役物遊技ステータスが「01H」でない場合(ステップS501)には、ステップS530に移行して、特別電動役物遊技ステータスが「02H(特別遊技:小当り遊技)」であるか否かを判定する(ステップS530)。特別電動役物遊技ステータスが「02H」である場合、以降の処理で小当り遊技処理を実行する。
小当り遊技処理において、まず、特別電動役物642が作動中であるか否かを判定する(ステップS531)。特別電動役物642が作動していない場合、特別電動役物642の作動を開始する(ステップS532)。一方、特別電動役物642が作動中である場合、ステップS532の実行を省略する。
次に、特別電動役物642の作動中の処理として、大入賞口64に遊技球が最大入賞数だけ入球したか否かを判定するとともに(ステップS533)、特別電動役物642の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定する(ステップS534)。このとき、大入賞口64に遊技球が最大入賞数だけ入球した場合又は特別電動役物642の作動時間が経過した場合には、特別電動役物642の作動を停止する(ステップS535)。
次に、小当り遊技の終了デモ設定処理として、終了デモ表示時間を設定するとともに、終了デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(小当り終了デモコマンド)を生成する(ステップS536)。次に、上記ステップS347で決定した変動パターン選択状態に切り替える(ステップS537)。次に、このステップS537にて設定された特別遊技後の変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS538)。この遊技状態指定コマンドは、演出制御基板200側で、例えば、演出モードの移行契機の判定、及び、移行先の演出モードの特定に用いられる。特別電動役物遊技ステータスを「01H(特別遊技)」から「00H(当り待ち状態)」に遷移させる(ステップS539)。
<演出制御基板側の処理>
次に、図54〜図62を参照しながら、演出制御基板200側の処理の手順について説明する。なお、以下では、主として演出制御プログラムが主体であるが、適宜主体を省略して記載する。演出制御基板200側の処理は、電源投入後など演出制御CPU201がリセットされると実行されるリセット開始処理(演出制御側メイン処理を含む)と、一定周期毎に起動される演出制御側タイマ割込み処理と、主制御基板100からのストローブ信号を受け取ったことを契機として実行される演出制御コマンドの受信割込み処理と、変動演出パターンのタイムスケジュールに規定された所定の発生時期の到来を契機として起動されるランプ演出割込み処理と、一定周期毎に起動される画像制御コマンドの送信割込み処理とを含んでいる。
各割込み処理(例外処理)には、複数の割込み処理が同時に発生した際における優先度を示す優先レベルが設定されている。本実施形態では、「電源リセットによるリセット開始処理(図54):最優先」、「各種異常時によるリセット開始処理(図54):最優先」→「演出制御コマンドの受信割込み処理(図62):レベル7」→「WDT(暴走検知時)によるリセット開始処理(図54):レベル3」→「画像制御コマンドの送信割込み処理(図55):レベル2」→「演出制御側タイマ割込み処理(図61):レベル1」などの順に、優先レベルの順位付けがされている。なお、「各種異常時によるリセット開始処理」は、例えば、演出制御CPU201が不正な命令を実行したとき、演出制御CPU201が不正な領域又は不正な方法にてアクセスしようとしたとき、DMA(Direct Memory Access)転送中のエラーが発生したときなどに起動する。本実施形態では、上記の複数種の割込み処理を例示しているが、実際にはその他の割込み処理も存在する。
演出制御側メイン処理では、基本的に、全割込み禁止又は演出制御コマンド受信割込み以外の割込み禁止のいずれかの状態に設定したうえで処理が進められる。その上で、演出制御側メイン処理が割込み許可状態となった場合に、当該メイン処理を中断させて各割込み処理が実行される。各割込み処理では、当該割込み処理の実行中に他の割込み処理の要求があった(多重割込みが発生した)ときは、実行中の割込み処理よりも優先レベルの高い割込み処理であれば、原則的に、当該割込み要求が許可される一方、実行中の割込み処理よりも優先レベルの低い又は優先レベルの同じ割込み処理である場合には当該割込み要求が禁止される。すなわち、各割込み処理は、優先レベルの同じ又は優先レベルの低い他の割込みを禁止した状態で処理が進められる。各割込み処理から演出制御側メイン処理へは、全割込み許可の状態で戻ってくる。なお、このような割込み要因の優先順位(優先レベル)は、前述した割込みコントローラのレジスタ設定によって規定される。
<リセット開始処理>
図54は、演出制御基板200のリセット開始処理の一例を示すフローチャートである。このリセット開始処理では、電源投入時のリセット、各種異常時を起因としたリセット、WDT(暴走検知時)を起因としたリセットのいずれかにより起動し、演出制御CPU201のセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートして、ステップS801以降の処理が開始される。
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定する(ステップS801)。各種初期設定が完了するまで全ての割込み処理を禁止する(ステップS802)。
次に、ハードウェアに関する基本的な設定として、演出制御CPU201内に設けられている内蔵レジスタに初期値を設定するとともに、I/Oポート回路204を初期化する(ステップS803)。さらに、演出制御RAM203内のメモリ領域を初期化する(ステップS804)。ここでは、初期値付きの変数には初期値を設定し、初期値なしの変数には0クリアによる初期化を行う。演出制御CPU201が演出制御ROM202に記憶された制御プログラムを演出制御RAM203に適宜展開する。
次に、演出制御コマンドの受信割込み処理以外の割込みを禁止する(ステップS805)。次に、あらかじめ各機種共通で設定された各種のエラーのうち、当該機種で有効とすべきエラーの種別を設定する処理を実行する(ステップS806)。さらに、演出ランプ10,25(枠ランプ10、盤ランプ25)を全消灯状態とするため消灯リクエストを行う(ステップS807)。演出制御CPU201の暴走を監視するためウォッチドッグタイマを起動する(ステップS808)。
次に、演出制御側メイン処理を実行する(ステップS809)。この演出制御側メイン処理の詳細について図55を用いて説明する。なお、前述のステップS809において演出制御側メイン処理へ移行すると、当該リセット開始処理へ復帰することは通常はあり得ないが、プログラムのバグなどの発生によって、万が一、このリセット開始処理へ復帰してきた場合には、消費電力が通常作動時よりも低減された小消費電力モード(スリープモード)へ遷移する。
<演出制御側メイン処理>
図55は、図54に示す演出制御側メイン処理(ステップS809)の詳細を示すフローチャートである。
まず、演出制御側メイン処理内で演出制御プログラムが演出制御RAM203で正確に展開されているか否かのチェックを開始するためのアドレス(演出制御プログラムが展開された先頭アドレス)を取得する(ステップS811)。次に、全ての割込みを許可、すなわち、各種の割込み処理の起動を許可する(ステップS812)。
次に、デバイスの初期化動作を実行する(ステップS813)。この初期化動作は、遊技機の電源投入時(リセット開始時)に1度だけ実行される動作態様のことであり、モータ、ソレノイドなどのデバイスによって可動役物の動作を制御するために必要となる位置情報を確認することを目的として実行される。なお、初期化動作の終了時には、可動役物はあらかじめ設定された初期位置(基準位置)に復帰する。
次に、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、ウォッチドッグタイマをクリアする(ステップS814)。このとき、演出制御CPU201が演出プログラムを正常に実行しているときは、あらかじめ設定されたタイムアウト時間内に、演出制御CPU201のWDTクリアレジスタに、所定のクリアワードが書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
次に、入力ポートチェック処理を実行する(ステップS815)。この入力ポートチェック処理では、後述する演出制御側タイマ割込み処理(図61参照)におけるポート入出力処理(ステップS1112)で、割込みが発生する度にI/Oポート回路204(入力ポート)の読み込みを監視し、複数回(例えば4回)監視した結果、入力ポートの状態が全て「1」の場合には信号レベルを「1(Hレベル)」に変化させ、入力ポートの状態が全て「0」の場合には信号レベルを「0(Lレベル)」に変化させ、入力ポートの状態がそれ以外の場合は信号レベルを変化させない(これにより入力信号が確定される)。
次に、エラー演出管理処理を実行する(ステップS816)。このエラー演出管理処理では、後続のコマンド解析処理(ステップS820)で設定されるエラー演出パターンに基づき、各種デバイスによるエラー演出を開始させる。さらに、エラー演出管理処理では、エラー管理タイマに初期値(エラー演出時間)を設定して、エラー演出の進行を管理する。このエラー管理タイマは、演出制御側タイマ割込み処理のエラー管理タイマ更新処理(ステップS1120)にて16ms周期で減算更新される。エラー管理タイマがタイムアウトした場合は、当該エラー演出を終了させる。
次に、演出ボタン監視制御処理を実行する(ステップS817)。この演出ボタン監視制御処理では、図柄変動中にボタン予告演出を組み込んでいる場合に、操作有効時間内における演出ボタン15の入力状態を監視して、当該ボタン予告演出に応じてあらかじめ設定された複数種の演出内容の中から、演出ボタン15の入力状態に応じた演出の内容を決定する。なお、遊技者によるボタンの入力操作自体は、後述する演出制御側タイマ割込み処理におけるポート入力処理(ステップS1112)において監視し、当該演出ボタン監視制御処理では、ボタン有効操作とみなすフラグや、演出切替のためのフラグが成立しているかどうかを判定してボタン押下に基づく演出の実行制御を行う。
次に、予告抽選管理処理を実行する(ステップS818)。この予告抽選管理処理では、後続のコマンド解析処理(ステップS820)で選択される変動演出パターンのシナリオに沿って、装飾図柄の変動過程の各段階で発生する予告演出の内容を定めた予告演出パターン(予告演出番号)を抽選で決定する。ここで決定された予告演出番号は、演出制御情報記憶手段260の予告演出番号格納領域に一時的に記憶される。この予告演出番号を画像制御基板300側へ指定するための画像制御コマンドを生成して、これを演出制御情報記憶手段260の画像制御コマンドバッファに設定する。このとき、予告演出パターンとして、役物予告演出パターン(役物予告演出番号)が選択された場合には、役物リクエストが発生し、後続のデバイス管理処理(ステップS819)にて、可動役物の駆動パターンが特定される。なお、本実施形態では、装飾図柄の一変動内で発生する複数種の予告演出(予告演出パターン)の全てを、1回のメインループ処理内で抽選するのではなく、当該メインループ処理効率を向上させるため、予告演出の発生時期(例えば、変動開始段階、リーチ発生段階、変動停止段階、演出ボタン15の有効操作時)毎に分けて、複数回のメインループ処理に跨って抽選する構成となっている。その際、装飾図柄の変動開始段階で発生する予告演出については、装飾図柄の変動開始と同期をとる(画像制御コマンドを早急に送信する)必要があるので、前述したメインループ処理内において抽選を実行する。
次に、デバイス管理処理を実行する(ステップS819)。このデバイス管理処理では、後述のコマンド解析処理(ステップS820)にて各種デバイスの動作要求(ランプリクエスト、役物リクエスト)があった場合、演出制御ROM202に記憶された複数種のパターンデータ(ランプパターン、駆動パターン)の中から、演出番号(ランプ演出番号、役物予告演出番号)に対応したパターンデータを特定して、対象デバイスの制御を開始する。演出ランプ10,25のランプパターンデータには、1フレーム時間(画像フレームを1回更新するのに要する時間:16ms)毎に対応付けられたランプデータがスケジュールデータとして格納されている。なお、本実施形態において、1フレーム時間は、演出表示装置70において毎秒約60フレーム(=約60fps)で描画などする場合の1フレームの描画処理に要する時間と対応するものになっている。同様に、可動役物の駆動パターンデータには、割込み周期(1ms)毎に対応付けられた駆動データがスケジュールデータとして格納されている。これにより、後述する演出制御側タイマ割込み処理にて、各制御データ(ランプデータ、駆動データなど)が対象デバイスに対して一定周期毎に出力されており、対象デバイスの動作が開始されることになる。一方、後述の演出制御側タイマ割込み処理において、一連の制御データ(ランプデータ、駆動データ)の出力が全て完了した場合は、演出ランプ10,25を消灯させ、又は、可動役物の動作を停止させ、対象デバイスの制御を終了する。
次に、コマンド解析処理(ステップS820)を実行する。このコマンド解析処理では、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されている場合にはこの演出制御コマンドを読み出してこの演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理を実行する。このコマンド解析処理の詳細については、後述する図56を用いて説明する。
今回の周期の演出メイン処理のループ処理中において、演出制御コマンドに関して解析(以下「コマンド解析」と称する)を実行したか否かを判定する(ステップS821)。コマンド解析を実行している場合、ステップS814に戻り、ステップS814〜ステップS821を繰り返し実行する。一方、コマンド解析を実行しなかった場合、演出抽選乱数更新処理を実行する(ステップS822)。この演出抽選乱数更新処理では、先読み予告抽選乱数、装飾図柄乱数、変動演出パターン乱数、予告演出パターン乱数などの演出抽選乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値に戻す。
<コマンド解析処理>
図56は、図55に示すコマンド解析処理(ステップS820)の詳細を示すフローチャートである。このコマンド解析処理では、主制御基板100において出力ポートに保持された演出制御コマンドが以下に示すように演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に取り込まれているか否かを監視し、演出制御コマンドが取り込まれて格納されている場合、この演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理を実行する。
まず、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に遊技状態指定コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS831)。遊技状態指定コマンドが格納されている場合、演出状態移行処理(ステップS832)へ移行する。この演出状態移行処理では、遊技状態指定コマンドに含まれる変動パターン選択状態情報に基づき、演出モードを遷移する処理を実行する。この演出状態移行処理の詳細については後述する図57を用いて説明する。
次に、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に保留関連コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS833)。ここで、保留関連コマンドには、図柄記憶数コマンド、事前判定コマンドが含まれる。この保留関連コマンドが格納されている場合、保留情報管理処理(ステップS834)へ移行する。この保留情報管理処理では、演出制御情報記憶手段260から図柄記憶数コマンド又は事前判定コマンドを読み出して、事前判定結果の情報に基づき先読み判定を実行するとともに、演出表示装置70の保留表示部(図示せず)に表示される保留画像の表示個数及び表示態様(表示色など)を更新するための処理を実行する。
次に、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に図柄変動関連コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS835)。ここで、図柄変動関連コマンドには、変動開始コマンド、変動停止コマンドが含まれる。図柄変動関連コマンドが格納されている場合、変動演出内容決定処理(ステップS836)へ移行する。この変動演出内容決定処理では、受信した図柄変動関連コマンドが変動開始コマンドである場合には図柄変動演出を開始させるための処理を実行し、受信した図柄変動関連コマンドが変動停止コマンドである場合には実行中の図柄変動演出を終了させるための処理を実行する。この変動演出内容決定処理の詳細については後述する図58を用いて説明する。
次に、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に大当り演出関連コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS837)。ここで、大当り演出関連コマンドには、大当り開始デモ演出コマンド、ラウンド演出指定コマンド、大当り終了デモ演出コマンドを含む。大当り演出関連コマンドが格納されている場合、大当り演出内容決定処理(ステップS838)へ移行する。この大当り演出内容決定処理では、開始デモ演出、ラウンド演出、終了デモ演出を実行するための処理を実行する。この大当り演出内容決定処理の詳細については後述する図59及び図60を用いて説明する。
次に、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に小当り演出関連コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS839)。ここで、小当り演出関連コマンドには、小当り開始デモ演出コマンド、小当り終了デモ演出コマンドを含む。小当り演出関連コマンドが格納されている場合、小当り演出内容決定処理(ステップS840)へ移行する。この小当り演出内容決定処理では、小当り開始デモ演出、小当り終了デモ演出を実行するための処理を実行する。
次に、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域にエラー演出指定コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS841)。このエラー演出指定コマンドが格納されている場合、エラー演出内容決定処理(ステップS842)へ移行する。このエラー演出内容決定処理では、演出制御情報記憶手段260からエラー演出指定コマンドを読み出して、演出表示装置70の画像表示や演出ランプ10,25の発光態様などによってエラー状態を報知するためのエラー演出パターンを決定する。
なお、ステップS831,S833,S835,S837,S839,S841において演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されていない場合は、コマンド解析処理を終了する。なお、演出制御側メイン処理のループ処理(ステップS814〜ステップS822)は、画像制御CPU301の画像表示周期(1フレーム=16ms)と同期するため、ステップS821のコマンド解析処理や、ステップS822の演出抽選乱数更新処理を繰り返し実行し、16msを超える場合には、処理をステップS814へ復帰させる。
<演出状態移行処理>
図57は、図56に示す演出状態移行処理(ステップS832)の詳細を示すフローチャートである。
まず、主制御基板100からの遊技状態指定コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる変動パターン選択状態に関する情報を取得する(ステップS901)。次に、上記ステップS901で取得した変動パターン選択状態に関する情報に基づき、演出モードの移行契機が到来したか否かを判定する(ステップS902)。演出モードの移行契機が到来している場合、ステップS903以降で、所定の演出モードへの移行設定を行う。なお、演出モードの移行契機としては、原則的には特別遊技の終了後における確率変動機能や、変動時間短縮機能、電チューサポート機能の作動、及び変動パターン選択状態の移行契機と連動しており、例えば、特別遊技の終了時又は変動パターン選択状態の終期回数を満了したときなどである。なお、変動パターン選択状態の終期回数は、特別図柄の変動回数に係る回数である。
始めに、主制御基板100側で管理された変動パターン選択状態の移行先が、低確率通常変動状態αであるか否かを判定する(ステップS903)。移行先が低確率通常変動状態αである場合、演出モードの移行先として通常演出モードMαを設定する(ステップS904)。この通常演出モードMαに移行すると、演出制御情報記憶手段260の背景データ格納領域に通常背景データ番号が設定される(ステップS905)。通常演出モードMαにおいて、次回の図柄変動から演出表示装置70上にて、例えば「荒野」を表す通常背景画像が表示される。一方、移行先が低確率通常変動状態αではない場合(ステップS903)には、変動パターン選択状態の移行先が、高確率時短変動状態βであるか否かを判定する(ステップS906)。移行先が高確率時短変動状態βである場合、演出モードの移行先として確変演出モードMβを設定する(ステップS907)。この確変演出モードAに移行すると、演出制御情報記憶手段260の背景データ格納領域に確変背景データ番号が設定される(ステップS908)。確変演出モードMβにおいて、次回の図柄変動から演出表示装置70には、例えば「城塞」を表す確変背景画像が表示される。
変動パターン選択状態の移行先が、高確率時短変動状態βでない場合(ステップS906)には、変動パターン選択状態の移行先が、高確率特殊変動状態γであるか否かを判定する(ステップS909)。移行先が高確率特殊変動状態γである場合、演出モードの移行先として特殊演出モードMγを設定する(ステップS910)。次に、演出制御情報記憶手段260の特殊連続演出フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS911)。特殊連続演出フラグとは、特殊連続演出が実行される場合にオンとなるフラグである。特殊連続演出フラグがオンである場合、演出制御情報記憶手段260の背景データ格納領域に特殊背景データ番号が設定される(ステップS912)。特殊演出モードMγにおいて、次回の図柄変動から演出表示装置70上にて、例えば「星空」を表す特殊背景画像が表示される。一方、特殊連続演出フラグがオフである場合には、演出制御情報記憶手段260の背景データ格納領域に確変背景データ番号が設定される(ステップS913)。特殊演出モードMγにおいて、次回の図柄変動から演出表示装置70上にて、例えば「城塞」を表す確変背景画像(確変演出モードMβのときと実質的に同一の背景画像)が表示される。次に、当該処理で決定した演出内容(背景画像)の表示を指示するための画像制御コマンドを生成し、これを演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する(ステップS921)。また、演出モードの変更としては、主制御基板100の遊技状態によるものではない、演出制御基板200側で決定する変更も存在する。例えば、主制御基板100側で通常遊技状態(低確率/低ベース)が、所定回数継続して行われた場合や、特殊な演出態様を実行するための先読み抽選に当選した場合、電源投入からの経過時間を計測するタイマ値やRTC回路が所定時刻になったことと判断して特殊演出を実行する場合などがあげられる。
<変動演出内容決定処理>
図58は、図56に示す変動演出内容決定処理(ステップS836)の詳細を示すフローチャートである。
まず、演出制御情報記憶手段260に変動開始コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS931)。変動開始コマンドが格納されている場合、この変動開始コマンド(変動パターン指定コマンド、変動付加図柄情報指定コマンド、キャラクタ演出番号指定コマンド)の内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる当否抽選の結果、図柄群、変動パターン(変動時間)、遊技状態などを示す情報を取得する(ステップS932)。なお、この取得情報は、演出制御情報記憶手段260の変動演出内容判定領域に格納される。
次に、変動演出パターン選択処理を実行する(ステップS933)。この変動演出パターン選択処理では、上記ステップS932で取得した変動パターン情報と上記ステップS832の演出状態移行処理で設定された演出モードとに基づき、変動演出パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から変動演出パターン乱数値を取得して、複数種の変動演出パターンの中から、いずれかの変動演出パターンを抽選で決定する。変動演出パターンは、装飾図柄の変動態様、リーチ演出の種類・発生時期、予告演出の種類・発生時期などが規定された演出表示過程のシナリオを構成している。ここで決定された変動演出パターン番号は、演出制御情報記憶手段260の変動演出パターン格納領域に一時的に記憶される。選択された変動演出パターン番号に対応したランプ演出番号をリクエストして、このリクエストされたランプ演出番号を演出制御情報記憶手段260のランプリクエスト記憶領域に設定する。
次に、装飾図柄停止図柄選択処理を実行する(ステップS934)。この装飾図柄停止図柄選択処理では、上記ステップS932で取得した図柄群情報と変動パターン情報に基づき、最終的に停止させる装飾図柄の停止図柄の組合せ(左図柄・中図柄・右図柄)をそれぞれ抽選で決定する。ここで決定された装飾図柄組合せ番号は、演出制御情報記憶手段260の装飾図柄格納領域に一時的に記憶される。
次に、演出制御情報記憶手段260の先読み情報格納領域の更新として、保留2記憶領域〜保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の保留記憶領域にシフトするとともに、保留4記憶領域をゼロクリアする(ステップS935)。
上記ステップS933〜ステップS935で取得した演出情報に基づき、装飾図柄の変動開始に要する画像制御コマンド(変動演出開始コマンド)を生成し、この画像制御コマンドを演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(ステップS939)。
一方、変動開始コマンドが格納されていない場合(ステップS931)には、演出制御情報記憶手段260に変動停止コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS940)。変動停止コマンドが格納されている場合(ステップS940)には、変動停止コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる図柄停止情報を取得する(ステップS941)。装飾図柄の変動停止に要する画像制御コマンド(変動演出停止コマンド)を生成し、この画像制御コマンドを演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(ステップS942)。
<大当り演出内容決定処理>
図59及び図60は、図56に示す大当り演出内容決定処理(ステップS836)の詳細を示すフローチャートである。
まず、演出制御情報記憶手段260に開始デモコマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS1001)。開始デモコマンドが格納されている場合には、開始デモコマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる大当り種別などを示す情報を取得する(ステップS1002)。なお、この取得情報は、演出制御情報記憶手段260の大当り演出内容判定領域に格納される。次に、連荘回数をカウントするための連荘回数カウンタを更新する(ステップS1003)。具体的には、今回の大当りが通常状態での大当り(「初当り」と称する)である場合は連荘回数カウンタに「1」をセットし、連荘である場合は連荘回数カウンタを「1」加算する。
次に、大当り演出パターン(開始デモ演出パターン、ラウンド演出パターン、終了デモ演出パターン)の内容を決定するための大当り演出パターン選択処理を実行する(ステップS1004)。この大当り演出パターン選択処理では、図示しない大当り演出パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から大当り演出パターン乱数値を取得して、複数種の大当り演出パターンの中から、いずれかの大当り演出パターンを抽選にて決定する。ここで決定された大当り演出パターン番号は、演出制御情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時的に記憶される。この大当り演出パターン番号は、例えば、開始デモパターン番号、ラウンド演出パターン番号及び終了デモパターン番号を含んでいる。
次に、保留内連荘演出判定処理を実行する(ステップS1005)。この保留内連荘演出判定処理では、大当り遊技が実行される際に存在する保留内に、大当り終了後の遊技状態(特に確変遊技状態)で大当りとなる保留が存在する場合に、保留内連荘演出の実行可否を判定するとともに、保留内連荘演出を実行することを決定した場合には特殊連続演出フラグをオンとし、連荘演出パターンを選択する。
次に、大当り演出差し替え処理を実行する(ステップS1006)。この大当り演出差し替え処理では、保留内連荘演出(特殊連続演出)が実行される場合に、通常の開始デモ演出パターン及び通常の終了デモ演出パターンを特殊開始デモ演出パターン及び特殊終了デモ演出パターンに差し替える。なお、本実施形態では、保留内連荘演出における先読み判定の対象となるのは、先行の作動保留球が大当りとなった場合にその特別遊技の開始時点(当該変動終了時)にて存在する後続の作動保留球である。そのため、特別遊技中に生じた作動保留球が特定保留である場合でも、保留内連荘演出判定処理(ステップS1005)と差し替え処理(ステップS1006)は実行されることはないが、当該特別遊技中に特定保留が生じた場合に、当該特別遊技中においても保留内連荘演出判定処理と差し替え処理とを実行し、特別遊技の開始時に設定した大当り演出データを差し替えるように構成してもよい。
上記ステップS1004,S1006で演出制御情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時的に記憶した開始デモ演出パターン番号を演出制御情報記憶手段260の開始デモ演出格納領域に転送して、開始デモ演出の開始を設定する(ステップS1007)。
次に、演出制御情報記憶手段260にラウンド演出指定コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS1011)。ラウンド演出指定コマンドが格納されている場合(ステップS1007)には、ラウンド演出指定コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれるラウンド数や、大入賞口64への入賞数を示す情報を取得する(ステップS1012)。なお、この取得情報は、演出制御情報記憶手段260の大当り演出内容判定領域に格納される。次に、上記ステップS1012で取得した情報に基づき、演出制御情報記憶手段260のラウンド数カウンタを更新する(ステップS1013)とともに、演出制御情報記憶手段260の大入賞数カウンタを更新する(ステップS1014)。なお、本実施形態では、大入賞口64に遊技球が入球する毎に「14」個の賞球が払い出されるため、大入賞口64への入賞数に「14」を乗算することで、獲得賞球数が算出される。
次に、演出制御情報記憶手段260の擬似カウントフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS1015)。擬似カウントフラグとは、先の特別遊技におけるラウンド数及び獲得賞球数を、後の特別遊技におけるラウンド数及び獲得賞球数に上乗せして報知する擬似カウント演出を実行する場合にオンとなるフラグである。擬似カウントフラグがオンである場合、すなわち、後の大当りにおけるラウンド演出(擬似カウント演出)を実行予定である場合には、ラウンド数擬似加算処理を実行する(ステップS1016)。このラウンド数擬似加算処理では、ラウンド数カウンタに記憶されたラウンド遊技の実行回数(ラウンド回数:1R〜10R)に、先の特別遊技で実行されたラウンド遊技の実行回数(ラウンド回数:10R)を加算する。これにより、特殊連続演出において、後の特別遊技における1ラウンド目のラウンド遊技が第11ラウンド目のラウンド遊技として報知される。
次に、獲得賞球数擬似加算処理を実行する(ステップS1017)。この獲得賞球数擬似加算処理では、大入賞数カウンタに格納された入賞数に、先の特別遊技での大入賞口への入賞数を加算する。これにより、特殊連続演出において、後の特別遊技において獲得した賞球数を、先の特別遊技と後の特別遊技で獲得した合計の賞球数として報知される。
上記ステップS1004,S1006において演出制御情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時的に記憶したラウンド演出パターン番号を、ラウンド数カウンタ及び大入賞数カウンタの数値とともに、演出制御情報記憶手段260のラウンド演出格納領域に転送して、ラウンド演出の開始を設定する(ステップS1018)。
次に、演出制御情報記憶手段260に終了デモコマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS1021)。終了デモコマンドが格納されている場合、終了デモコマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる情報を取得する(ステップS1022)。なお、この取得情報は、演出制御情報記憶手段260の大当り演出内容判定領域に格納される。次に、演出制御情報記憶手段260の特殊連続演出フラグがオンであるか否かを判定し(ステップS1023)、保留内連荘演出を実行するか否かを判断する。特殊連続演出フラグがオンである場合には、ラウンド数カウンタの値(ラウンド数)及び大入賞数カウンタの値(大入賞数)を演出制御情報記憶手段260の先の大当り記憶領域に一時的に記憶する(ステップS1024)。これは、今回の大当りが特殊連続演出における先の大当りに該当する場合には、先の大当りでの最終的なラウンド数及び大入賞数は、後の大当り演出における擬似加算処理(ステップS1016,S1017)にて使用される予定であるため、先の特別遊技の記録情報として記憶するためである。そのため、上記ステップS1016,S1017での擬似加算処理では、この先の大当り記憶領域に保存された数値(ラウンド数及び大入賞数)が上乗せされることになる。次に、演出制御情報記憶手段260のラウンド数カウンタ及び大入賞数カウンタをクリアする(ステップS1025,S1026)。
次に、演出制御情報記憶手段260の擬似カウントフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS1027)。擬似カウントフラグがオンである場合、擬似カウントフラグをオフにする(ステップS1028)。次に、演出制御情報記憶手段260の保留内連荘演出フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS1035)。保留内連荘演出フラグがオンである場合、演出制御情報記憶手段260の保留内連荘演出フラグをオフにする(ステップS1036)。
次に、上記ステップS1004,S1006において演出制御情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時的に記憶した終了デモ演出パターン番号を演出制御情報記憶手段260の終了デモ演出格納領域に転送して、終了デモ演出の開始を設定する(ステップS1037)。上記ステップS1005,S1007,S1018,S1037において取得した演出情報に基づき、大当り演出に要する画像制御コマンドを生成し、この画像制御コマンドを演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(ステップS1038)。
<演出制御側タイマ割込み処理>
図61は、演出制御側タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。このタイマ割込み処理は、一定時間毎のクロックパルスにより起動されており、上述した演出制御側メイン処理に割り込むように実行される。
タイマ割込みが発生すると、演出制御CPU201内のレジスタの内容を演出制御RAM203のスタック領域に退避させた後、ステップS1111以降の処理を順次実行する。このタイマ割込み処理内では、主制御基板100からの演出制御コマンド受信割込み、ウォッチドッグタイマ割込みなど、優先レベル2以上の割込みを許可する(ステップS1111)。
次に、ポート入出力処理を実行する(ステップS1112)。このポート入出力処理では、I/Oポート回路204を用いて入力データの入力処理及び出力データの出力処理を実行する。入力処理では、I/Oポート回路204に入力されている各種信号を読み取り、これを入力情報として記憶する。一方、出力処理では、演出制御情報記憶手段260に一時的に記憶されている各種制御信号(モータ制御信号)を読み出して、I/Oポート回路204から出力する。
次に、デバイス制御データ出力処理を実行する(ステップS1113)。このデバイス制御データ出力処理では、前述したデバイス管理処理(ステップS819)で特定した駆動パターンデータから所定時間分の駆動データを読み出して演出制御情報記憶手段260の駆動データ記憶領域に設定する。この処理で設定される駆動データは、割込み周期に対応した1ms間の制御を示すデータである。この処理で駆動データが設定されると、次回のタイマ割込み処理にて、当該駆動データがI/Oポート回路204からモータドライバ92へ出力される。従って、このデバイス制御データ出力処理では、駆動パターンデータに従って駆動データが割込み周期(1ms)毎に切り替えられることとなる。
次に、演出用タイマ更新処理を実行する(ステップS1114)。この演出タイマ更新処理では、演出動作制御に用いる各種の演出用タイマの値を割込み周期(例えば1ms)ずつ減算更新する。演出用タイマには、装飾図柄の変動時間を管理するためのタイマ、及び、予告演出の発生タイミングを管理するためのタイマなどが含まれる。この演出用タイマによって、変動演出パターンにおけるタイムスケジュールが管理されており、その時間軸上で可動役物の駆動タイミングや演出ランプ10,25の点灯タイミングなどの時間管理がされている。なお、演出用タイマは、この演出制御用タイマ割込み処理内のデバイス制御データ出力処理(ステップS1113)やランプデータ更新処理(ステップS1118)などにおいても利用される。
次に、ボタン制御タイマ更新処理を実行する(ステップS1115)。演出ボタン15の操作有効時間を管理するための有効時間管理タイマの値を割込み周期(本実施形態では1ms)減算更新する。なお、操作有効時間とは、演出ボタン15の操作入力が有効となる時間である。
次に、タスク制御カウンタ更新処理を実行する(ステップS1117)。このタスク制御カウンタ更新処理では、タイマ割込み毎にタスクカウンタの値(「0」〜「15」)を更新する。具体的には、タスクカウンタの値が「0」〜「14」であれば1加算し、タスクカウンタの値が「15」である場合には「0」に戻す。すなわち、このタスクカウンタは16msの循環周期を取り得る。今回更新されたタスクカウンタの値に対応して各種のタスク(タスク処理)が割り当てられており、当該タスクカウンタの値に応じて、ランプ制御タスク(ステップS1118のランプデータ更新処理)、暴走監視タスク(ステップS1119の画像CPU暴走監視処理)、エラー管理タスク(ステップS1120のエラー管理タイマ更新処理)などの各処理を実行する。本実施形態では、タスクカウンタの値(「0」〜「15」)のうち、ある1つの値がランプ制御タスクに割り当てられ、他の2つの値(互いに8ms間隔となる値)が暴走監視用タスクに割り当てられ、他の1つの値がエラー管理タスクに割り当てられている(その他のタスクの説明は省略する)。なお、前述のように、タスクカウンタの循環周期を16msに設定しているのは、演出ランプ10,25の切り換え制御の最小単位16msと一致させるためである。この演出ランプ10,25の切り換え制御の最小単位は画像フレームの1フレーム時間と対応し、画像演出とランプ演出との同期を実現している。
次に、ランプデータ更新処理を実行する(ステップS1118)。このランプデータ更新処理では、前述したデバイス管理処理(ステップS819)などで特定したランプパターンデータから所定時間分のランプデータを読み出して設定する。この処理で設定されるランプデータは、演出ランプ10,25の切り換え制御の最小単位となる16ms間の点灯制御を示すデータである。ランプデータが設定されると、当該ランプデータが出力ポート(シリアルポート)からシリアル転送にてランプ接続基板91へ自動的に出力される。このランプデータの出力処理は、シリアル通信割込み処理として構成されており、シリアル通信回路の送信バッファにランプデータを順次書き込むことで実現される。シリアル通信回路は、送信バッファのランプデータを1バイト単位でシリアル変換して、シリアルクロックと同期した態様で、1ビット毎にランプ接続基板91に対して出力する。この処理では、送信バッファが空になるまで繰り返されており、これにより送信バッファに格納された全てのランプデータ(全バイト)が出力される。従って、このランプデータ更新処理では、ランプパターンに従ってランプデータが1フレーム時間(16ms)毎に切り替えられるとともに、このランプデータがランプ接続基板91に対してシリアル転送にて出力される。なお、このランプデータ更新処理は、前述したタスク制御カウンタ更新処理(ステップS1117)でタスクカウンタの値が所定値(ランプ制御タスクを示す値)となった場合に実行される処理(つまり16ms周期で実行される処理)となっている。
次に、画像CPU暴走監視処理を実行する(ステップS1119)。この画像CPU暴走監視処理では、画像制御基板300から入力されるトグル信号を監視して、当該トグル信号が800〜1600ms(50〜100フレーム程度)の間、連続して変化しない場合に、画像制御基板300の画像制御CPU301が暴走していると判定し、演出制御基板200から画像制御基板300に対してリセット信号を送信する。これにより、画像制御基板300側は画像制御CPU301のリセット状態の発生によって、所定のリセット処理を実行する。なお、トグル信号とは、1フレーム時間毎にHレベル/Lレベルが交互に繰り返される波形の信号のことである。なお、この画像CPU暴走監視処理は、前述したタスク制御カウンタ更新処理(ステップS1117)でタスクカウンタの値が所定値(画像監視タスクを示す値)となった場合に実行される処理となっている。
次に、エラー管理タイマ処理を実行する(ステップS1120)。このエラー管理タイマ処理では、前述したエラー演出管理処理(ステップS817)でセットされたエラー演出時間を管理するためのエラー演出タイマの値を減算更新する。なお、このエラー管理タイマ処理は、前述したタスク制御カウンタ更新処理(ステップS1117)でタスクカウンタの値が所定値(エラー管理タスクを示す値)となった場合に実行される処理となっている。全ての割込みを許可した状態にするとともに、退避していたレジスタの内容を復帰させた後、演出制御側タイマ割込み処理を終了して、割込み発生前の元の処理に戻る。
<画像制御コマンドの送信割込み処理>
図62は、画像制御コマンドの送信割込み処理の一例を示すフローチャートである。この画像制御コマンドの送信割込み処理は、あらかじめ設定された一定間隔(500μs)毎に発生する。
この画像制御コマンドの送信割込み処理では、まず、演出制御情報記憶手段260の画像制御コマンドバッファをチェックする(ステップS1131)。次に、画像制御コマンドバッファにおいてリードポインタを取得し(ステップS1132)、画像制御コマンドバッファに画像制御コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS1133)。画像制御コマンドが格納されているか否かは、例えば、リードポインタ及びライトポインタによって確認することができる。リードポインタとライトポインタとが一致している場合には、画像制御コマンドが格納されていないことになる。画像制御コマンドが格納されている場合(ステップS1133)には、リードポインタが指す領域から画像制御コマンドを読み出す(ステップS1134)。この読み出した画像制御コマンドを、出力先として指定されたシリアル通信回路(図示せず)の出力バッファにセットする(ステップS1135)。これによりシリアルポートから画像制御コマンドが画像制御基板300に対してシリアル送信される。次に、コマンドデータ(前述したステップS1135で格納したコマンドデータ)をクリアする(ステップS1136)。次に、リードポインタを1加算して更新する(ステップS1137)。当該画像コマンドの送信割込み処理を終了して、割込み前の元の処理へ復帰する。
なお、前述した<遊技機の制御構成>からここまで、演出面は主流な液晶機の場合で説明してきたが、本実施形態の上記説明は液晶機に限定されるものではなく、他の演出表示手段(例えばドラム式の演出表示装置等)を備える遊技機にも適用可能である。
<ルーレットリーチ演出>
前述したように、遊技盤5Aを備えた本実施形態に係るパチンコ機1では、装飾図柄や演出画像を表示する演出表示装置として、液晶表示装置70の代わりにドラム式演出表示装置71を用いることができ、さらに、主装飾図柄表示装置であるドラム式演出表示装置71に加えて、副装飾図柄表示装置として導光板72を用いることもできる。
これらの装飾図柄表示装置(ドラム式演出表示装置71及び導光板72)による装飾図柄や演出画像の表示は、演出制御基板200(主に演出制御CPU201)によって制御される。演出制御基板200における演出内容の決定等の詳細な機能については、液晶表示装置70を備えるパチンコ機1について図26等を参照しながら説明した内容を流用することができる。
以下では、このような遊技盤5Aを備えたパチンコ機1において実行可能な演出の1つである、ルーレットリーチ演出について説明する。
演出制御基板200は、変動演出決定手段225によって決定された変動演出パターンが、ルーレットリーチ演出に対応するものであったとき(あるいは、当該変動演出パターンに基づいてルーレットリーチ演出に対応する演出の実行が決定されたとき)に、特別図柄の変動に応じて当該演出を実行する。なお、ルーレットリーチ演出は、装飾図柄の変動表示だけでなく、後述のようにドラム式演出表示装置71のバックライトや導光板72の光源の照射制御等も含むことから、対応する変動演出パターンと、当該変動演出パターンに基づいて予告演出決定手段226が決定する予告演出パターンとを組み合わせて実現される演出と捉えてもよい。これらは、後述する遊技盤5Aを備えたパチンコ機1において実行可能な他の演出(例えば、後述するセブンリーチ演出やビジョンチャンス演出等)についても同様である。
図63〜図66は、ルーレットリーチ演出における演出表示装置の表示態様を説明するための図である。図63〜図66には、ルーレットリーチ演出の各過程において図柄表示領域710に表示される図柄の態様が、時系列で例示されている。図63〜図66を参照しながら、ルーレットリーチ演出における表示形態の流れを具体的に説明する。なお、図63〜図66において、ドラム式演出表示装置71の各リール711(711a,711b,711c)に表示された7図柄は白抜きで示しているのに対して、導光板72の7図柄には右側に斜線を引いて示している。
ルーレットリーチ演出は、例えば、図63(A)に示したように、リール711による装飾図柄の変動表示中に、当りを意味しない停止形(例えば図中の「ハズレ目」)が一時停止(以後、「仮停止」とも称する)したことを契機として開始される。なお、図63(A)では、主要な図柄以外の図柄については図示を省略している。以下、図63(B)や図64〜図66においても同様である。
この後、図63(B)に示したように、全てのリール711が高速で順方向(図中の上から下への方向)に回転し、その後、ルーレットリーチ演出の発展パターンに応じて、様々な停止形でリール711が再び仮停止(再停止)する。
ここで、本例のルーレットリーチ演出は、最終的な演出結果(当り/ハズレや成立ライン数等)に対する期待度の異なる複数の発展パターンを含むものとし、具体的には例えば、最も期待度が低い「標準パターン」と、標準パターンよりは期待度が高く激熱パターンよりは期待度が低い「チャンスパターン」と、最も期待度が高い「激熱パターン」とが用意されるものとする。
図67(A)〜図67(C)は、発展パターンごとのリールの再停止の停止形の例を説明するための図である。図67(A)〜図67(C)には、各発展パターンについて、図67(B)の高速回転後にリール711が再停止する際の中段の停止形(出目)の法則例が示されている。
具体的には、例えば、標準パターンについて示した図67(A)の場合、左列及び右列の停止図柄は任意(「any」)でよく、中列の中段には、当該演出による最終的な結果が当り/ハズレの何れの場合も、配列番号9番の図柄(図21を参照すると、上下が7図柄で挟まれたブランク図柄)が停止することが定められている。但し、左列及び右列は任意としたが、他の発展パターンにおける停止形と同形となることによる混同を避けたり、当該再停止の時点で上下段ラインの何れかに7図柄揃いが成立することを避けたりするために、所定の制限を設けておくことが好ましい。
図67(B)及び図67(C)の具体的な説明は省略するが、図67(A)〜図67(C)のように、発展パターンごとに高速回転後のリール711の再停止形に差異が設けられることにより、どのような図柄が再停止するかについて遊技者の関心を高めることができ、ルーレットリーチ演出に対する興趣を高めることに期待できる。また、図67(A)〜図67(C)では、当該演出による最終的な演出結果(当り/ハズレ)に拘わらず、同じ停止形が定められているが、本実施形態ではこれに限らず、少なくとも何れかの発展パターンにおいて、演出結果によって異なる停止形の法則を定めるようにしてもよい。この場合、特定の停止形で再停止したときに、即座に当り結果が推測できるといったケースを用意できるため、遊技者による関心をさらに高める効果に期待できる。
図64(A)は、標準パターンのルーレットリーチ演出が選択されている場合において、全リール711が高速回転の後に再停止したときの停止形の一例を示している。図64(A)の再停止形は、図67(A)に示した法則に沿ったものであり、具体的には、中中段に9番のブランク図柄が停止するように(言い換えれば、中上段に10番の7図柄、中下段に8番の7図柄が停止するように)、中リール711bが停止している。また、左右列の停止図柄は、7図柄揃が形成されないような任意の図柄である。
図64(A)の後に、導光板72による発光演出が開始される。具体的には、まず、図64(B)に示したように、導光板72における左列中段の発光領域721b(図20)の7図柄が短時間だけ点灯表示され、この後、この7図柄が、一定速度で中列中段、右列中段へと順番に移動し、右列中段に到達後に再び左列中段に戻って上述と同様の動作を繰り返すように、導光板72の中列中段の発光領域721d(図20)の7図柄、及び、右列中段の発光領域721f(図20)の7図柄が順番に短時間ずつ点灯表示される。また導光板72の左列中段の発光領域721bの7図柄、中列中段の発光領域721dの7図柄、及び右列中段の発光領域721fの7図柄が順番にかつ循環的に短時間ずつ点灯表示される。
この後、図64(C)に示したように、導光板72の中段の7図柄がさらに速度を上げて左列中段、中列中段及び右列中段へと順番にかつ循環的に移動するように、導光板72の左列中段の発光領域721bの7図柄、中列中段の発光領域721dの7図柄、及び、右列中段の発光領域721fの7図柄が順番にかつ循環的に短時間ずつ点灯表示される。
そして、当該演出による最終的な演出結果が当りの場合、図64(D)に示したように、それまで高速移動していた導光板72の7図柄が中列中段で停止する。この結果、図柄表示領域710の中列において、上段に中リール711b(図20)の10番の7図柄、中段に導光板72の中列中段の発光領域721dの7図柄、下段に中リール711bの8番の7図柄が一列に並んだ7図柄揃が成立し、これにより当たりが遊技者に報知される。
なお、この後、一部または全部のリール711を再始動させたり、導光板72の一部または全部の発行領域721a〜721gの7図柄を点滅させるなど、シングルライン(1ライン)での当たりよりも有利な複数ラインでの当たりへの昇格が期待できる再抽選の演出を行うようにしてもよい。このような再抽選の演出を行うことによって、より一層と遊技者の関心を高めることができ、標準パターンのルーレットリーチ演出に対する興趣を高めることができる。
これに対して、当該演出による最終的な演出結果がハズレの場合、図64(E)に示したように、高速移動していた導光板72の7図柄が中列中段以外(例えば、右列中段または左列中段)で停止する。この結果、7図柄揃が成立しない停止形となり、これによりハズレが遊技者に報知される。
なお、この場合、この後に導光板72の中段の7図柄を再度右方向に高速移動させるなどの救済変動が行われてもよく、その後、図64(D)に示した7図柄揃の態様で最終停止するようにしてもよい。このような救済変動を用意することにより、高速移動していた導光板72の7図柄が中列中段以外で停止した後も、救済変動があるかもしれないという期待を遊技者に抱かせることができ、標準パターンのルーレットリーチ演出に対する興趣を高めることができる。
一方、図65(A)は、チャンスパターンのルーレットリーチ演出が選択されている場合において、図63(B)のように全リール711が高速回転した後に再停止したときの停止形の一例を示している。図65(A)の再停止形は、図67(B)に示した法則に沿ったものであり、具体的には、左中段に8番のブランク図柄が停止するように(言い換えれば、左上段に9番の7図柄、左下段に7番の7図柄が停止するように)左リール711aが停止し、中中段に9番のブランク図柄が停止するように(言い換えれば、中上段に10番の7図柄、中下段に8番の7図柄が停止するように)中リール711bが停止している。また、右列の停止図柄は、7図柄揃が形成されないような任意の図柄である。
この後、図65(B)に示したように、導光板72における左列中段の発光領域721b(図20)の7図柄が短時間だけ点灯表示され、さらに図65(B)及び(C)に示したように、この7図柄が図64(B)及び(C)について上述した動きと同様の動きを行うように、導光板72の中列中段の発光領域721dの7図柄、右列中段の発光領域721fの7図柄及び、左列中段の発光領域721bの7図柄が順番にかつ循環的に短時間ずつ点灯表示される。
そして、当該演出による最終的な演出結果が当りの場合、図65(D)に示したように、高速移動していた導光板72の7図柄が中列中段で停止する。この結果、図柄表示領域710の中列において、上段に中リール711bの10番の7図柄、中段に導光板72の中列中段の発光領域721dの7図柄、下段に中リール711bの8番の7図柄が一列に並んだ7図柄揃が成立し、これにより当たりが遊技者に報知される。なお、この後、再抽選の演出を行うようにしてもよく、このようにすることにより遊技者の関心を高めて、チャンスパターンのルーレットリーチ演出に対する興趣を高めることができる。
これに対して、当該演出による最終的な結果がハズレの場合、図65(E)に示したように、高速移動していた導光板72の7図柄が中列中段以外(例えば、右列中段または左列中段)で停止する。この結果、7図柄揃が成立しない停止形となり、これによりハズレが遊技者に報知される。なお、この場合にも、この後に救済変動が行われるようにしてもよく、これにより救済変動があるかもしれないという期待を遊技者に抱かせることができ、チャンスパターンのルーレットリーチ演出に対する興趣を高めることができる。
他方、図66(A)は、激熱パターンのルーレットリーチ演出が選択されている場合において、全リール711が高速回転の後に再停止したときの停止形の一例を示している。図66(A)の再停止形は、図67(C)に示した法則に沿ったものであり、具体的には、中中段に9番のブランク図柄が停止するように(言い換えれば、中上段に10番の7図柄、中下段に8番の7図柄が停止するように)中リール711bが停止し、右中段に8番のブランク図柄が停止するように(言い換えれば、右上段に9番の7図柄、右下段に7番の7図柄が停止するように)右リール711cが停止している。また、左列の停止図柄は、7図柄揃が形成されないような任意の図柄である。
そして図66(A)の後に、導光板72による発光演出が開始される。具体的には、まず、図66(B)に示したように、導光板72における左列中段の発光領域721bの7図柄が短時間だけ点灯表示され、さらに図66(B)及び(C)に示したように、この7図柄が図64(B)及び(C)について上述した動きと同様の動きを行うように、導光板72の中列中段の発光領域721dの7図柄、右列中段の発光領域721fの7図柄及び、左列中段の発光領域721bの7図柄が順番に短時間ずつ点灯表示される。
そして、当該演出による最終的な演出結果が当りの場合、図66(D)に示したように、高速移動していた導光板72の7図柄が右列中段で停止する。この結果、図柄表示領域710の右列において、上段に右リール711c(図20)の9番の7図柄、中段に導光板72の右列中段の7図柄、下段に右リール711cの7番の7図柄が一列に並んだ7図柄揃が成立し、これにより当たりが遊技者に報知される。なお、この後、再抽選の演出を行うようにしてもよく、このようにすることにより遊技者の関心を高めて、激熱パターンのルーレットリーチ演出に対する興趣を高めることができる。
これに対して、当該演出による最終的な演出結果がハズレの場合、図66(E)に示したように、高速移動していた導光板72の7図柄が右列中段よりも右側で停止したかのごとく当該7図柄が図柄表示領域710内に表示されない状態となる。この結果、7図柄揃が成立しない停止形となり、これによりハズレが遊技者に報知される。なお、この場合にも、この後に救済変動が行われるようにしてもよく、これにより救済変動があるかもしれないという期待を遊技者に抱かせることができ、激熱パターンのルーレットリーチ演出に対する興趣を高めることができる。
<セブンリーチ演出>
次に、遊技盤5Aを備えたパチンコ機1において実行可能な演出の1つである、セブンリーチ演出について説明する。
図68及び図69は、変動演出決定手段225によって決定された変動演出パターンがセブンリーチ演出に対応するものであったとき(あるいは、当該変動演出パターンに基づいてルーレットリーチ演出に対応する演出の実行が決定されたとき)の表示態様を説明するための図である。
図68には、通常のリーチからリーチライン(同種の当り図柄が2つ揃っている縦、横または斜めのライン)が1つのスーパーリーチに発展するセブンリーチ演出の各過程において図柄表示領域710に表示される図柄の態様が、時系列で例示されている。また図69には、通常のリーチからリーチラインが2つのスーパーリーチに発展する場合のセブンリーチ演出の各過程において図柄表示領域に表示される図柄の態様が、時系列で例示されている。以下、図68及び図69を参照しながら、セブンリーチ演出における表示態様の流れを具体的に説明する。
まずリーチラインが1つのスーパーリーチに発展するセブンリーチ演出について説明する。この場合のセブンリーチ演出は、例えば、リール711による装飾図柄の変動表示中に、例えば、左中段に左リール711a(図20)の6番の恐竜C図柄、右中段に右リール711c(図20)の11番の恐竜C図柄がそれぞれ仮停止してかかる恐竜C図柄のリーチとなったことを契機として開始される(図68(A)を参照)。そして、この後、図68(A)のように中上段に中リール711bの8番の7図柄が仮停止する。なお、図68(A)では、主要な図柄以外の図柄については図示を省略している。以下、図68(B)〜(L)においても同様である。
次に、図68(B)に示したように、ドラム式演出表示装置71の左リール711a及び右リール711cのバックライトが消灯されると共に、左リール711a及び右リール711cが順方向に高速で回転し始め、これと併せて中リール711bが1図柄分だけ順方向に回転することにより中リール711bの8番の7図柄が中上段から中中段に移動する。なお、左リール711a及び右リール711cは、この後、後述する図68(D)や図68(G)、図68(K)または図68(L)のタイミングで中リール711bの7図柄や、導光板72の点灯表示されている7図柄との組合せで7図柄揃とならないように予め複数用意された図柄パターンのうちのいずれかの図柄パターンで停止する。
そして図68(B)の後に、導光板72による発光演出が開始される。具体的には、まず、図68(C)に示したように、導光板72の左列の7図柄が左上段、左中段、左下段へと下方向に順番に移動すると共に、これと同期して導光板72の右列の7図柄が右上段、右中段、右下段へと下方向に順番に一定速度で移動し、これら左右の各7図柄が左列下段や右列下段に到達後、再び左列上段や右列上段にそれぞれ戻って上述と同様の動作を繰り返すように、導光板72の左列上段の発光領域721a(図20)の7図柄及び右列上段の発光領域721e(図20)の7図柄と、左列中段の発光領域721b(図20)の7図柄及び右列中段の発光領域721f(図20)の7図柄と、左列下段の発光領域721c(図20)の7図柄及び右列下段の発光領域721g(図20)の7図柄とがそれぞれ順番にかつ循環的に短時間ずつ点灯表示される。
そして、当該演出による最終的な演出結果が当りで、かつ1回目の回転で当たり表示を行う場合、図68(D)に示したように、それまで同期して下方向に一定速度で移動していた導光板72の左列及び右列の各7図柄がそれぞれ左列中段及び右列中段で停止する。この結果、図柄表示領域710において、左中段に導光板72の左列中段の発光領域721bの7図柄、中中段に中リール711bの8番の7図柄、右中段に導光板72の右列中段の発光領域721fの7図柄が一列に並んだ7図柄揃が成立し、これにより当たりが遊技者に報知される。
なお、この後、一部または全部のリール711を再始動させたり、導光板72の一部または全部の発行領域721a〜721gの7図柄を点滅させるなど、シングルライン(1ライン)での当たりよりも有利な複数ラインでの当たりへの昇格が期待できる再抽選の演出を行うようにしてもよい。このような再抽選の演出を行うことによって、より一層と遊技者の関心を高めることができ、リーチラインが1つのセブンリーチ演出に対する興趣を高めることができる。
これに対して、当該演出による最終的な演出結果がハズレの場合や、当該演出による最終的な演出結果が当たりで、かつ2回目以降の回転で当たりの表示を行う場合には、図68(E)に示したように、それまで下方向に同期して移動していた導光板72の左列及び右列の各7図柄が左列下段及び右列下段で仮停止する。
この後、図68(F)に示したように、図68(C)と同様に導光板72の左列の7図柄と、これと同じ段の右列の7図柄とが同期して上段、中段、下段へと一定速度で順番に移動する動作を繰り返すように、導光板72の左列上段の発光領域721aの7図柄及び右列上段の発光領域721eの7図柄と、左列中段の発光領域721bの7図柄及び右列中段の発光領域721fの7図柄と、左列下段の発光領域721cの7図柄及び右列下段の発光領域721gの7図柄とがそれぞれ順番にかつ循環的に短時間ずつ点灯表示される。また、この際、中リール711bが1図柄分だけ順方向に回転することにより、中リール711bの8番の7図柄が中中段から中下段に移動すると共に、中リール711bの10番の7図柄が中上段に表示される。
そして、当該演出による最終的な演出結果が当りで、かつ2回目の回転で当たり表示を行う場合、図68(G)に示したように、それまで下方向に同期して一定速度で移動していた導光板72の左列及び右列の各7図柄がそれぞれ左列下段及び右列下段で停止する。この結果、図柄表示領域710において、左下段に導光板72の左列下段の発光領域721cの7図柄、中下段に中リール711bの8番の7図柄、左下段に導光板72の右列下段の発光領域721gの7図柄が一列に並んだ7図柄揃が成立し、これにより当たりが遊技者に報知される。
なお、この後、再抽選の演出を行うようにしてもよく、このようにすることにより遊技者の関心を高めて、リーチラインが1つのセブンリーチ演出に対する興趣を高めることができる。
一方、当該演出による最終的な演出結果がハズレの場合や、当該演出による最終的な演出結果が当たりで、かつ3回目以降の回転で当たり表示を行う場合には、図68(H)に示したように、それまで同期して一定速度で下方向に移動していた導光板72の左列及び右列の各7図柄がそれぞれ、左列下段または右列下段よりも下側で停止したかのごとく、図柄表示領域710内に表示されない状態となる。
この後、図68(I)に示したように、ドラム式演出表示装置71の左リール711a及び右リール711cのうちの一方のバックライトが点灯されると共に、当該バックライトが点灯された側の左リール711aまたは右リール711cが順方向に回転する。そして、ドラム式演出表示装置71の左リール711aのバックライトが点灯された場合には、この図68(I)のように、7番の7図柄が左下段、9番の7図柄が左上段に位置するように左リール711aが停止し、ドラム式演出表示装置71の右リール711cのバックライトが点灯された場合には、7番の7図柄が左下段、9番の7図柄が左上段に位置するように右リール711cが停止する。
この後、図68(J)に示したように、導光板72の中段の7図柄が一定速度で左列中段、中列中段、右列中段へと順番に移動し、右列中段に到達後に再び左列中段に戻って同様の動作を繰り返すように、導光板72の左列中段の発光領域721bの7図柄、中列中段の発光領域721dの7図柄、及び、右列中段の発光領域721fの7図柄が順番にかつ循環的に短時間ずつ点灯表示される。
そして、当該演出による最終的な演出結果が当りで、かつ3回目の回転で当たり表示を行う場合、図68(K)に示したように、それまで右方向に循環的に移動していた導光板72の中段の7図柄が、図68(I)で左リール711aのバックライトが点灯した場合には左列中段または中列中段、図68(I)で右リール711cのバックライトが点灯した場合には右列中段または中列中段で停止する。
この結果、導光板72の中段の7図柄が左列中段に停止した場合には、図柄表示領域710の左列において、左上段に左リール711aの9番の7図柄、左中段に導光板72の左列中段の発光領域721bの7図柄、左下段に左リール711aの7番の7図柄が並んだ7図柄揃が成立し、これにより当たりが遊技者に報知される。また、導光板72の中段の7図柄が中列中段に停止した場合には、図柄表示領域の中列において、中上段に中リール711bの10番の7図柄、中中段に導光板72の中列中段の発光領域721dの7図柄、中下段に中リール711bの8番の7図柄が一列に並んだ7図柄揃が成立し、これにより当たりが遊技者に報知される。さらに、導光板72の中段の7図柄が右列中段に停止した場合には、図柄表示領域710の右列において、右上段に右リール711cの9番の7図柄、右中段に導光板72の右列中段の発光領域721fの7図柄、左下段に右リール711cの7番の7図柄が一列に並んだ7図柄揃が成立し、これにより遊技者に当たりが報知される。
なお、この後、上述した再抽選の演出を行うようにしてもよく、このようにすることにより遊技者の関心を高めて、リーチラインが1つのセブンリーチ演出に対する興趣を高めることができる。
これに対して、当該演出による最終的な演出結果がハズレの場合、図68(L)に示したように、それまで左から右に移動していた導光板の中段の7図柄が7図柄揃とならない態様で停止する。この結果、図柄表示領域710内で7図柄揃が成立せず、これによりハズレが遊技者に報知される。
なお、この場合、この後に導光板72の中段の7図柄が再度右方向に高速移動させる救済変動が行われてもよく、その後、図68(K)について上述した7図柄揃の態様で最終停止するようにしてもよい。このような救済変動を用意することにより、導光板72の7図柄がハズレの停止形で停止した後も、救済変動があるかもしれないという期待を遊技者に抱かせることができ、リーチラインが1つのセブンリーチ演出に対する興趣を高めることができる。
次に、リーチラインが2つのスーパーリーチに発展するセブンリーチ演出について説明する。この場合、セブンリーチ演出は、例えば、図69(A)に示したように、図68(A)と同様の停止形に各リール711が仮停止してリーチとなったことを契機として開始される。そして、この後、例えば中リール711bがそれまでよりも高速に回転し始め、やがて図69(A)のように中上段に中リール711bの8番の7図柄が仮停止する。なお、図69(A)では、主要な図柄以外の図柄については図示を省略している。以下、図69(B)〜(L)においても同様である。
この後、図69(B)に示したように、ドラム式演出表示装置71の左リール711a及び右リール711cのバックライトが消灯されると共に、左リール711a及び右リール711cが順方向に高速で回転し始め、これと併せて中リール711bが2図柄分だけ順方向に回転することにより中リール711bの8番の7図柄が中上段から下中段に移動すると共に、中リール711bの10番の7図柄が中上段に表示される。なお、左リール711a及び右リール711cは、この後、後述する図69(D)や図69(H)、図69(L)または図69(M)のタイミングで中リール711bの7図柄や、導光板72の点灯表示されている7図柄との組合せで7図柄揃とならないように予め複数用意された図柄パターンのうちのいずれかの図柄パターンで停止する。
そして図69(B)の後に、導光板72による発光演出が開始される。具体的には、まず、図69(C)に示したように、導光板72の左列の7図柄が左上段、左中段、左下段へと下方向に順番に移動すると共に、これと同期して導光板72の右列の7図柄が右上段、右中段、右下段へと下方向に順番に一定速度で移動し、これら左右の各7図柄が左列下段や右列下段に到達後、再び左列上段や右列上段にそれぞれ戻って上述と同様の動作を繰り返すように、導光板72の左列上段の発光領域721a(図20)の7図柄及び右列上段の発光領域721e(図20)の7図柄と、左列中段の発光領域721b(図20)の7図柄及び右列中段の発光領域721f(図20)の7図柄と、左列下段の発光領域721c(図20)の7図柄及び右列下段の発光領域721g(図20)の7図柄とがそれぞれ順番にかつ循環的に短時間ずつ点灯表示される。
そして、当該演出による最終的な演出結果が当りで、かつ1回目の回転で当たり表示を行う場合、図69(D)に示したように、それまで同期して下方向に一定速度で移動していた導光板72の左列及び右列の各7図柄がそれぞれ左列下段及び右列下段で停止する。この結果、図柄表示領域710において、左下段に導光板72の左列下段の発光領域721cの7図柄、中下段に中リール711bの8番の7図柄、左下段に導光板72の右列下段の発光領域721gの7図柄が一列に並んだ7図柄揃が成立し、これにより当たりが遊技者に報知される。
なお、この後、一部または全部のリール711を再始動させたり、導光板72の一部または全部の発行領域721a〜721gの7図柄を点滅させるなど、シングルライン(1ライン)での当たりよりも有利な複数ラインでの当たりへの昇格が期待できる再抽選の演出を行うようにしてもよい。このような再抽選の演出を行うことによって、より一層と遊技者の関心を高めることができ、リーチラインが2つのセブンリーチ演出に対する興趣を高めることができる。
これに対して、当該演出による最終的な演出結果がハズレの場合や、当該演出による最終的な演出結果が当たりで、かつ2回目以降の回転で当たり表示を行う場合には、図69(E)に示したように、それまで下方向に同期して移動していた導光板72の左列及び右列の各7図柄が左列中段及び右列中段でそれぞれ仮停止する。
この後、図69(F)に示したように、図69(C)と同様に導光板72の左列の7図柄と、これと同じ段の右列の7図柄とが同期して上段、中段、下段へと一定速度で順番に移動する動作を繰り返すように、導光板72の左列上段の発光領域721aの7図柄及び右列上段の発光領域721eの7図柄と、左列中段の発光領域721bの7図柄及び右列中段の発光領域721fの7図柄と、左列下段の発光領域721cの7図柄及び右列下段の発光領域721gの7図柄とがそれぞれ順番にかつ循環的に短時間ずつ点灯表示される。
そして、当該演出による最終的な演出結果が当りで、かつ2回目の回転で当たり表示を行う場合、図69(G)に示したように、それまで下方向に同期して一定速度で移動していた導光板72の左列及び右列の各7図柄がそれぞれ左列下段及び右列下段で停止する。この結果、図柄表示領域710において、左下段に導光板72の左列下段の発光領域721cの7図柄、中下段に中リール711bの8番の7図柄、左下段に導光板72の右列下段の発光領域721gの7図柄が一列に並んだ7図柄揃が成立し、これにより当たりが遊技者に報知される。
なお、この後、再抽選の演出を行うようにしてもよく、このようにすることにより遊技者の関心を高めて、リーチラインが2つのセブンリーチ演出に対する興趣を高めることができる。
一方、当該演出による最終的な演出結果がハズレの場合や、当該演出による最終的な演出結果が当たりで、かつ3回目以降の回転で当たり表示を行う場合には、図69(H)に示したように、それまで同期して一定速度で下方向に移動していた導光板72の左列及び右列の各7図柄がそれぞれ左列中段及び右列中段で停止する。そして、この後、図69(I)〜図68(L)に示したように、図68(I)〜図68(L)について上述した動作と同様の動作が行われる。
<ビジョンチャンス演出>
次に、遊技盤5Aを備えたパチンコ機1において実行可能なもう1つの演出である、ビジョンチャンス演出について説明する。
図70は、変動演出決定手段225によって決定された変動演出パターンが「ビジョンチャンス」と呼ぶ演出(以後、「ビジョンチャンス演出」と称する)に対応するものであったとき(あるいは、当該変動演出パターンに基づいてビジョンチャンス演出に対応する演出の実行が決定されたとき)の表示態様を説明するための図である。なお「ビジョンチャンス」は、リール711による装飾図柄の変動表示状態から発展するスーパーリーチである。
具体的に、ビジョンチャンス演出は、リール711による装飾図柄の変動表示開始後、図70(A)に示したように、4thリール73が回転して図22について上述した絵柄番号5の「CHANCE」絵柄で停止したことを契機として開始される。そして、まず、図70(B)に示したように、ドラム式演出表示装置71の各リール711(左リール711a、中リール711b及び右リール711c)のバックライトがすべて消灯される。
次に、図70(C)に示したように、導光板72の左列の7図柄が左上段、左中段、左下段へと下方向に順番に移動すると共に、これと同期して導光板72の右列の7図柄が右上段、右中段、右下段へと下方向に順番に一定速度で移動し、これら左右の各7図柄が左列下段や右列下段に到達後、再び左列上段や右列上段にそれぞれ戻って上述と同様の動作を繰り返すように、導光板72の左列上段の発光領域721a(図20)の7図柄及び右列上段の発光領域721e(図20)の7図柄と、左列中段の発光領域721b(図20)の7図柄及び右列中段の発光領域721f(図20)の7図柄と、左列下段の発光領域721c(図20)の7図柄及び右列下段の発光領域721g(図20)の7図柄とがそれぞれ順番にかつ循環的に短時間ずつ点灯表示される。
この後、図70(D)に示したように、導光板72の左列及び右列の各7図柄がそれぞれ左列上段及び右列上段に停止し、さらにこの後、図70(E)に示したように、導光板72の左列下段の発光領域721cの7図柄と、右列下段の発光領域721gの7図柄とが点灯表示される。
続いて、図70(F)に示したように、導光板72における左列中段の発光領域721bの7図柄が短時間だけ点灯表示され、この後、この7図柄が、一定速度で中列中段、右列中段へと順番に移動し、右列中段に到達後に再び左列中段に戻って、上述と同様の動作を繰り返すように、導光板72の中列中段の発光領域721dの7図柄、及び、右列中段の発光領域721fの7図柄が順番に短時間ずつ点灯表示される。また導光板72の左列中段の発光領域721bの7図柄、中列中段の発光領域721dの7図柄、及び右列中段の発光領域721fの7図柄が順番にかつ循環的に短時間ずつ点灯表示される。
そして、当該演出による最終的な演出結果が1ラインでの当りの場合、図70(G)に示したように、それまで右方向に繰り返し移動していた導光板72の中段の7図柄が右列中段で停止する。
この後、図70(H)に示したように、左リール711aの7番の7図柄が左中段に位置し、中リール711bの8番の7図柄が中中段に位置し、右リール711cの7番の7図柄が右中段に位置するように各リール711(左リール711a、中リール711b及び右リール711c)が停止すると共に、ドラム式演出表示装置71の各リール711のバックライトがすべて点灯する。さらに、導光板72の点灯表示されていた7図柄がすべて消灯される。これにより図柄表示領域710の中段において、ドラム式演出表示装置71の左リール711aの7番の7図柄、中リール711bの8番の7図柄、及び、右リール711cの7番の7図柄が一列に並んだ7図柄揃が成立し、これにより当たりが遊技者に報知される。
なお、この後、一部または全部のリール711を再始動させたり、導光板72の一部または全部の発行領域721a〜721gの7図柄を点滅させるなど、シングルライン(1ライン)での当たりよりも有利な複数ラインでの当たりへの昇格が期待できる再抽選の演出を行うようにしてもよい。このような再抽選の演出を行うことによって、より一層と遊技者の関心を高めることができ、ビジョンチャンス演出に対する興趣を高めることができる。
一方、当該演出による最終的な演出結果が複数ライン(ここでは2ライン)での当りの場合、図70(F)について上述した状態から、図70(I)に示したように、それまで右方向に繰り返し移動していた導光板72の中段の7図柄が中中段で停止する。
この後、図70(J)に示したように、7番の7図柄が左下段、9番の7図柄が左上段に位置するように左リール711aが停止し、8番の7図柄が中中段に位置するように中リール711bが停止し、7番の7図柄が右下段、9番の7図柄が右上段に位置するように右リール711cが停止すると共に、ドラム式演出表示装置71における各リール711のバックライトがすべて点灯する。さらに、導光板72の点灯表示されていた7図柄がすべて消灯される。これにより図柄表示領域710において、左上段の左リール711aの9番の7図柄、中中段の中リール711bの8番の7図柄、及び、右下段の右リール711cの7番の7図柄が右下がりライン上に一列に並び、さらに左下段の左リール711aの7番の7図柄、中中段の中リール711bの8番の7図柄、及び、右上段の右リール711cの9番の7図柄が右上がりライン上に一列に並んだ2ラインの7図柄揃が成立し、これにより当たりが遊技者に報知される。
なお、この後、再抽選の演出を行うようにしてもよく、このようにすることにより遊技者の関心を高めて、リーチラインが2つのビジョンチャンス演出に対する興趣を高めることができる。
他方、当該演出による最終的な演出結果がハズレの場合、図70(F)について上述した状態から、図70(K)に示したように、それまで右方向に一定速度で繰り返し移動していた導光板72の7図柄が4thリール73上で停止したかのごとく図柄表示領域710内に表示されない状態となる。
この後、図70(L)に示したように、左リール711aの7番の7図柄が左中段に位置し、中リール711bの8番の7図柄が中上段に位置し、右リール711cの7番の7図柄が右中段に位置するように各リール711が停止すると共に,ドラム式演出表示装置71における各リール711のバックライトがすべて点灯し、これによりハズレが遊技者に報知される。
なお、この場合、この後に導光板72の中段の7図柄を再度右方向に高速移動させるなどの救済変動が行われてもよく、その後、図70(H)に示した7図柄揃の態様で最終停止するようにしてもよい。このような救済変動を用意することにより、図70(L)に示した停止形で各リール711が停止した後も、救済変動があるかもしれないという期待を遊技者に抱かせることができ、ビジョンチャンス演出に対する興趣を高めることができる。
以上のようなビジョンチャンス演出によれば、図70(G)や図70(K)について上述した導光板72による停止形と、図70(H)や図70(L)について上述した最終的なドラム式演出表示装置71による表示図柄の停止形とが異なるため、遊技者に意外性を持たせることができ、ビジョンチャンス演出に対する興趣をより一層と高めることができる。
<導光板を用いた他の演出>
なお上述のルーレットリーチ演出、セブンリーチ演出及びビジョンチャンス演出では、常にリーチラインが遊技者に目視できるものであるが、遊技者が演出ボタン3j(図1など)を押下することによってそれまで表示されていなかった導光板72の7図柄が初めて表示されてリーチラインを遊技者が認識できるような演出を行うこともできる。
例えば、ドラム式演出表示装置71の各リール711が当りを意味しない停止形(「ハズレ目」)で各リール711が停止した後、遊技者が演出ボタン3jを押下したことを契機として、導光板72の各発光領域721a〜721gの7図柄がランダムにまたはルーレットのように回転するよう短時間ずつ点灯表示させる。そして、この後、これら導光板72の7図柄のうち、図柄表示領域710内に存在する左リール711a、中リール711b及びまたは右リール711cの7図柄との組み合わせで7図柄揃が成立する位置の1または複数の7図柄のみが順番に点灯状態となるように、導光板72の各発光領域721a〜721gの点滅を停止させるようにする。
このような演出を設けることによって、演出ボタン3jを押下することによって初めてリーチラインを認識できるようになるため、ドラム式演出表示装置71の各リール711がハズレ目で停止した場合においてもかかる演出が開始されるかもしれないという期待を遊技者に持たせることができ、その分、遊技者の遊技に対する興趣を高めることができる。
なお、演出ボタン3jを敢えて押下しない遊技者への対策として、当たりの場合に、ドラム式演出表示装置71の各リール711が停止する直前に、当たりライン(当たりの図柄が一列に並ぶライン)を導光板72の7図柄によって表示するようにしてもよい。
<導光板を用いた演出の効果>
以上のように本実施形態のパチンコ機1では、ドラム式演出表示装置71に加えて、副装飾図柄表示装置としての導光板72を設けたことにより、ドラム式演出表示装置71だけでは表現し得ない多様な演出を表現することができる。したがって、本パチンコ機1によれば、意外性を持たせた演出を行うことができ、かくして遊戯に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
<当該変動の期待度示唆演出>
図23について前述したように、遊技盤5Aを備えた本実施形態に係るパチンコ機1では、期待度表示LED76や爪役物77及び小型可動役物78(78a,78b)を用いて、現在の変動(当該変動)の期待度を示唆する演出(当該変動期待度示唆演出)を実行することができる。
このような当該変動期待度示唆演出は、周辺制御ユニット5cの演出制御基板200(主に演出制御CPU201)によって制御される。演出制御基板200は、変動演出決定手段225によって当該変動期待度示唆演出の実行が決定された場合に、特別図柄及び装飾図柄の変動に応じて当該演出を実行する。
以下では、このような遊技盤5Aを備えたパチンコ機1において実行可能な当該変動期待度示唆演出の1つである、爪回転ステップアップ予告演出について説明する。
爪回転ステップアップ予告演出は、複数段階のステップの何れに発展するかによって当該変動においてリーチ演出及び擬似連演出のいずれかが発現される期待度を示唆する演出であり、具体的には、各ステップにおいて、以下のような演出が行われる。
まず、第1ステップでは、図71(A)に示したように、当該変動の開始時に爪役物77の全体が振動する。また第2ステップでは、図71(B)に示したように、爪役物77が期待度表示LED76の周りを高速回転し始めると共に、期待度表示LED76の発光色がより期待度が高い発光色(例えば青色)に変化する。
さらに、第3ステップでは、図71(C)に示したように、爪役物77の回転速度が低下した後に、小型可動役物78(78a,78b)が期待度表示LED76を突くように動作し、成功した場合に爪役物77が高速回転に戻り、回転が継続される。そして、このような爪役物77及び小型可動役物78による演出が何度か繰り返される。
また第3ステップでは、小型可動役物78が期待度表示LED76を突く動作が成功するごとに、期待度表示LED76の発光色がより期待度が高い発光色(例えば黄色、緑色又は赤色)に順次変化し、最終的には、期待度表示LED76の発光色に基づいて、当該変動におけるリーチ演出や擬似連演出の発現の期待度が示唆される。
ここで、図72(A)は、演出表示装置(ここではドラム式演出表示装置71)に変動表示される装飾図柄の表示形態の流れを示し、図72(B)は、上述のような爪回転ステップアップ予告演出において、爪役物77及び小型可動役物78が動作したり、期待度表示LED76の発光色が変化するタイミングを示している。
図72(A)に示したように、まず、ドラム式演出表示装置71の各リール711(左リール711a、中リール711b、右リール711c)が順方向の回転を開始し、所定の回転速度(高速回転速度)まで回転速度を加速させる(期間T1)。この後、かかる回転速度まで到達したこれらリール711がその回転速度を維持した状態で、一定期間、高速回転し続ける(期間T2)。
次に、ドラム式演出表示装置71の各リール711が高速回転しながら各リール711にそれぞれ表示された図柄の位置関係を補正するように、各リール711相互間の回転状態が調整され(期間T3)、その後、左リール711aが停止することにより左側の図柄が停止表示され(期間T4)、さらに右リール711cが停止することにより右側の図柄が停止表示される(期間T5)。
そして、停止表示された左右の図柄が同一種類の図柄であった場合、一定期間の待機後(期間T6)、ノーマルリーチの演出が開始され、その後、中リール711bが停止して中央の図柄が停止表示される(期間T7)。
そしてノーマルリーチによって同一種類の図柄が同一ライン上に揃わなかった場合(装飾図柄の停止形がハズレの表示態様であった場合)であって、リーチがスーパーリーチに発展する場合には、ドラム式演出表示装置71の中リール711bが回転を再開し(期間T8)、その後、最終的な演出結果(当たり/ハズレ)に応じた演出の表示が行われる(期間T9)。
このとき、当該変動において当該変動期待度示唆演出として爪回転ステップアップ予告演出を実行することが決定していた場合、図72(B)に示したように、当該変動が開始されたタイミングで爪回転ステップアップ予告演出の第1ステップが実行されて、爪役物77の全体が振動すると共に、爪役物が回転する第2ステップに発展した場合に期待度表示LED76の発光色がより期待度が高い発光色に変化(例えば白色から青色に変化)する(S1)。
この後、期間T3の途中で爪回転ステップアップ予告演出の小型可動役物78が振動動作を行い、突き動作の実行である第3ステップが実行されて、爪役物77が期待度表示LED76の周りを高速回転し始めると共に、期待度表示LED76の発光色がより期待度が高い発光色に変化(例えば青色から黄色に変化)する(S2)。
さらに演出表示装置においてノーマルリーチの演出が開始されるタイミング(期間T7の開始のタイミング)で爪回転ステップアップ予告演出の第3ステップが実行されて、爪役物77及び小型可動役物78を用いた上述の演出が行われると共に、期待度表示LED76の発光色がより期待度が高い発光色に変化(例えば黄色から緑色に変化)する(S3A)。
この後、演出表示装置においてリーチがスーパーリーチに発展するタイミング(期間8の開始のタイミング)で爪回転ステップアップ予告演出の第3ステップが再度実行されて、爪役物77及び小型可動役物78を用いた上述の演出が行われると共に、期待度表示LED76の発光色がより期待度の高い発光色に変化(例えば緑色から赤色に変化)する(S3B)。
なお、図72に示したタイムチャートは一例であり、リーチに発展する前(例えば期間T7や期間T8、期間T9よりも前)に、各リール711が一時停止(仮停止)した後、再変動する擬似連(擬似変動)演出を実行する際には、期間T1〜期間T6のタイミングを複数回繰り返すことになるため、期待度表示LED76の色を変化させるタイミング(S1、S2)を増加させることができる。
また、期待度表示LED76の色を変化させるタイミングS1〜S3Bについて、必ずしも色が変更されないガセパターンを含むように構成してもよく、その際には爪役物77、小型可動役物78の動作パターンは、成功パターン(色が変化するパターン)と異なるように構成することが好ましい。また、擬似変動回数が3回以上(スーパーリーチへの発展が確定的となる条件の一例)となった場合や、スーパーリーチへの発展が確定的となるS3Bなどのタイミングで期待度表示LED76の変更を見せるようなタイミングである場合、遊技者は、これから発生する高期待度のリーチ演出に対して注目度を高めている状況であることから、ガセパターンを含まないようにして、期待感を損ねないように構成することも考えられる。
なお、期待度表示LED76の色を変更する予告として、爪回転ステップアップ予告演出を例示したが、その他の演出にて実施してもよく、擬似変動毎に異なる予告演出にて期待度表示LED76の変化について遊技者に期待感を持たせるように構成してもよい。
<先読み対象保留の期待度示唆演出>
一方、本実施形態に係るパチンコ機1では、期待度表示LED76や爪役物77及び小型可動役物78を用いて、先読みした保留変動の期待度を示唆する演出(先読み対象保留期待度示唆演出)を実行することもできる。
これら期待度表示LED76、爪役物77及び小型可動役物78を用いた先読み対象保留期待度示唆演出も、演出制御基板200(主に演出制御CPU201)によって制御される。実際上、演出制御基板200は、保留変動について先読み対象保留期待度示唆演出を実行すると決定された場合(その保留変動について決定された図31の先読みIDが「0」以外である場合)に、当該保留変動(先読み対象保留)の変動表示が行われるよりも前のタイミングで、期待度表示LED76の発光色や発光態様を変化させたり、これに爪役物77や小型可動役物78を連動させることによって、先行して当該保留変動(先読み対象保留)の期待度を示唆する。
図73は、このような先読み対象保留期待度示唆演出のうち、最新の保留変動について先読み対象保留期待度示唆演出を実行すると決定され、かつ当該保留変動に先行する各保留変動の変動演出パターンがすべてリーチ演出や煽り演出を伴わないハズレ(所謂「ドハズレ」)の変動演出パターンに決定されているという条件を満たす場合(その保留変動について決定された図31の先読みIDが「0」以外であり、かつ当該保留変動に先行する各保留変動の先読みIDが「0」に決定されている場合)の先読み対象保留期待度示唆演出の流れを示す。なお、以下においては、かかる条件を演出パターン判定条件と呼ぶ。
つまり、図73は、最新の保留変動のみが先読み対象保留期待度示唆演出の対象となっている場合の当該先読み対象保留期待度示唆演出の流れを示している。以下においては、このような状況における先読み対象保留期待度示唆演出の対象となった保留変動(その段階で最後に先読みした保留変動)を、演出対象保留変動と呼ぶものとする。
この場合、図73(A)に示したように、まず、保留表示LED75の第1保留表示LED751のうち、演出対象保留変動に対応付けられる第1保留表示LED751(例えば、図23(A)や(B)において最も左の第1保留表示LED751a)が点滅を開始する。
なお、かかる演出対象保留変動に対応付けられる第1保留表示LED751は、その後、第1特別図柄の最大保留数(本例では4個)の範囲内で、演出対象保留変動よりも前の保留変動に対応する演出が消化されると共に新たな保留変動が保留されるごとに、右側の第1保留表示LED751に順次移動していくため、これに連動してかかる演出対象保留変動の期待度を示唆する第1保留表示LED751aの点滅も順次右側に移動していくことなる。
この後、図73(B)に示したように、演出対象保留変動よりも前に保留されていた各保留変動に対する装飾図柄の変動表示が実行されるごとに、当該変動表示の開始時に爪役物77の全体が一定時間だけ振動する。この際、先読み演出として期待度表示LED76の表示態様を先読み対象保留に対する変動の開始前に変更する場合には、先読み対象保留期待度示唆演出について予め設定された演出内容を変化させるべき各経過時間(以後、「保留変化ポイント」と称する)が経過するごとに、左右の小型可動役物78が期待度表示LED76を突き、これと同時に爪役物77が期待度表示LED76の周りを高速回転する動作を行う。また、これと併せて期待度表示LED76の発光色がより期待度の高い発光色に変化する。例えば、演出対象保留変動よりも前に保留されていた各保留変動に対する装飾図柄の変動表示が実行されるごとに期待度表示LED76の発光色が白色から青色、黄色、緑色又は赤色へと順次又は幾つかの色を飛ばして変化する。一方、先読み対象保留に対する変動の開始前の先行保留の消化の際に、期待度表示LED76の変更を伴わない変動では、爪役物77の一定時間の振動のみで終了する。
そして演出対象保留変動の順番となると、図73(C)に示したように、当該演出対象保留変動に対する装飾図柄の変動表示の開始時に、爪役物77の全体が一定時間だけ振動すると共に、期待度表示LED76が1つ手前の変動の際に変化していた態様を引き継いで表示される。また、この後、図73(D)に示したように、前述した爪回転ステップアップ予告等の予告演出に基づく期待度表示LEDの76保留変化ポイントを経過するごとに、左右の小型可動役物78が期待度表示LED76を突くなどして、これと同時に期待度表示LED76の発光色がより期待度の高い発光色に変化する。
一方、図74は、最新の保留変動について先読み対象保留期待度示唆演出を実行すると決定され、かつ当該保留変動に先行する各保留変動の変動演出パターンが上述の演出パターン判定条件を満たさず、当該保留変動に先行する各保留変動のうちの少なくとも1つの保留変動について決定された変動演出パターンがリーチ演出や煽り演出を伴う変動演出パターンであった場合(その保留変動について決定された図31の先読みIDが「0」以外であり、かつ当該保留変動に先行する各保留変動のうちの少なくとも1つの保留変動の先読みIDが「0」以外に決定されている場合)の先読み対象保留期待度示唆演出の流れを示す。
この場合における先読み対象保留期待度示唆演出の演出パターン(以後、これを「演出パターンA」と称する)と、図73について前述した先読み対象保留期待度示唆演出の演出パターン(以後、これを「演出パターンB」と称する)との違いは、保留表示LED75の点滅表示を行う一方で、演出対象保留変動よりも前に保留されていた各保留変動に対する装飾図柄の変動表示を実行する際には、爪役物77の振動動作のみを行い、爪役物77の回転動作や左右の小型可動役物78を動作させず、期待度表示LED76の変化も事前には行わない点にある。
これは、遊技者の誤認を防止するためである。すなわち、演出対象保留変動よりも前に保留された各保留変動のうちの少なくとも1つの保留変動について決定された変動演出パターンがリーチ演出を伴う変動演出パターンであった場合、その保留変動が当該変動となった段階で図71について前述した爪回転ステップアップ予告演出が行われる可能性があったり、先行して期待度表示LED76の発光色を変更していた場合に示唆されている期待度が、先読み対象保留よりも前の保留に係る変動に対して行われているものと誤認されるおそれがあるためである。
また、爪回転ステップアップ予告演出における爪役物77及び小型可動役物78の動作と、先読み対象保留期待度示唆演出のうちの図73(B)について前述した爪役物77及び小型可動役物78の動作とは、前述の通り爪役物77が期待度表示LED76の周囲を高速回転したり、小型可動役物78が期待度表示LED76を突く動作を行う点で類似しており、演出パターンAのように、先読み対象となっている保留の手前でリーチ変動が行われる場合などは、このためそのとき行われている演出が爪回転ステップアップ予告演出及び先読み対象保留期待度示唆演出のいずれであるかを遊技者が判別できなくなるおそれがある。
そこで、本実施形態のパチンコ機1では、このような遊技者の誤認を防止するため、先読みした保留変動が前述した所定の条件を満たす場合であって、当該保留変動(演出対象保留変動)よりも前に保留されている各保留変動のうちの少なくとも1つの保留変動について決定された変動演出パターンがリーチ演出を伴う変動演出パターンであったときには、先読み対象保留期待度示唆演出のうちの図74(B)の段階では爪役物77に期待度表示LED76の周囲を高速回転させたり、小型可動役物78に期待度表示LED76を突く動作を行わせるなどの当該変動期待度示唆演出と共通または類似する演出内容が少ない演出パターンAで当該保留変動の期待度を、期待度LED76、爪役物77及び小型可動役物78からなる期待度表示部に示唆させるようにしている。
実際上、図74の先読み対象保留期待度示唆演出では、図74(A)に示したように、まず、図73(A)と同様に保留表示LED75の第1保留表示LED751のうちの演出対象保留変動に対応付けられる第1保留表示LED751が点滅を開始する。
続いて、図74(B)に示したように、演出対象保留変動よりも前に保留されていた各保留変動に対する装飾図柄の変動表示が実行されるごとに、当該変動表示の開始時に爪役物77の全体が一定時間だけ振動する。この際、例えば、図73(B)について上述した演出パターンBの先読み対象保留期待度示唆演出では、保留変化ポイントごとに左右の小型可動役物78が期待度表示LED76を突き、これと同時に爪役物77が期待度表示LED76の周りを高速回転する動作を行わせていたが、演出パターンAの先読み対象保留期待度示唆演出ではこのような小型可動役物78及び爪役物77の動作を行わない。
次に、図74(C)に示したように、演出パターンBの図73(C)と同様に当該演出対象保留変動に対する装飾図柄の変動表示の開始時に、爪役物77の全体が一定時間だけ振動すると共に、先読み対象となる変動が開始される前に期待度表示LED76の表示態様が変更されていないことから、期待度表示LED76が例えば最も期待度が低い色で点滅を開始する。さらにこの後、図74(D)に示したように、演出パターンBの図73(D)と同様に、保留変化ポイントを経過するごとに、左右の小型可動役物78が期待度表示LED76を突き、これと同時に期待度表示LED76の発光色がより期待度の高い発光色に変化する。
このように本実施形態のパチンコ機1では、保留変動が、先読み対象保留期待度示唆演出を実行すると決定され、かつ当該保留変動が前述した演出パターン判定条件を満たす場合であったときには、当該変動期待度示唆演出と共通または類似する演出内容が少ない演出パターンBで当該保留変動の期待度の示唆を行うため、そのとき行われている演出が爪回転ステップアップ予告演出及び先読み対象保留期待度示唆演出のいずれであるかを遊技者が判別できなくなるという事態が発生することを未然に防止できる。この結果、先読み対象保留期待度示唆演出や当該変動期待度示唆演出に対する遊技者の関心を高めることができ、かくして遊技に対する遊技者の興趣をより一層と向上させることができる。
しかしながら、演出パターンBによって先読み対象保留期待度示唆演出を実施する場合であっても、先読み対象保留の変動開始までの変動において変動開始時に爪役物77の振動を伴う動作を実行することから、爪回転ステップアップ予告が開始したと誤認するおそれがある。この課題に対して、演出パターンBの先読み対象保留期待度示唆演出を実行中の変動においては、爪回転ステップアップ予告の実行を制限することが好ましい。制限する態様としては、全く実行しないものや、変動開始時と認識できる1回目の擬似変動(1回目の一時停止が行われるまで)において実行しない等の手法が考えられる。
なお上述の実施形態においては、当該変動期待度示唆演出及び先読み対象保留期待度示唆演出の区別をつき易くするため、先読み対象保留期待度示唆演出の演出パターンAにおいて爪役物77の回転動作及び小型可動役物78を用いた演出を行わないようにした場合について述べたが、これ以外の演出内容で当該変動期待度示唆演出と、先読み対象保留期待度示唆演出との区別をつき易くするようにしてもよい。
また、本実施形態においては、先読み対象保留に関する期待度を単色発光の保留表示LED75にて、期待度を段階的に識別可能に表示することが困難であり、演出的が実施されていることが遊技者に認識され得る発光部(可動役物付近に設けられているLEDなど)が、期待度表示LED76であったため、上記のような演出を例示しているが、期待度表示LED76以外のLED(例えば第1特別図柄の抽選に対して当該演出を実行する場合には第1始動口61に設けられたLED)について色を変化させ、期待度表示LED76については、変動中の特別図柄変動に対する期待度のみ表示可能としてもよく、この場合、先読み演出としての表示態様の変化について、演出との関連性が薄れることから、効果音等を駆使して先読み対象保留の期待度を表示するLEDの変化演出を見せるようにすることもできる。
また、上記の例では、演出パターンBの場合に、変動を開始するごとに、変動開始時に期待度表示LED76の表示態様の変更タイミングが設けられる仕様としているが、タイミングはこのタイミングのみに限られず、保留生起(始動口入賞)時に期待度表示LED76を変更可能としてもよい。なお、保留生起時に変動時間が残っていない場合も考えられるため、保留生起時に変化を行う場合の爪役物77や小型可動役物78の動作を、変動開始時のものとは異なる動作とするようにしてもよい(例えば爪役物77が回転動作を行うだけの短縮態様にて実行する)。この場合、保留が発生するタイミングにおいて実施されている変動の態様(例えば、期待度表示LED76の色変化を実行済みの状態、リーチ変動に発展する可能性がある変動の実行中等)によっては、保留生起時における変化に当選していた場合であっても強制的にキャンセルする仕様などが考えられる。
<遊技者操作入力演出>
本実施形態に係るパチンコ機1において、演出ボタン3jや第2演出ボタン3k(図1参照)は、遊技者による入力操作に基づいて演出制御基板200に対して入力情報を入力する演出入力装置であり、総称して「演出ボタン」とも称する。
そして本実施形態に係るパチンコ機1において、演出制御基板200は、装飾図柄の変動表示に連動する演出やその予告演出等の実行時に、演出ボタンに対する有効な入力操作が行われたことに基づいて、実行中の演出態様に変化を与え得る「遊技者操作入力演出」を実行することができる。
ここで、演出ボタンに対する入力操作が有効とされる期間(操作有効期間)は、実行中の演出の実行時間や遊技者操作入力演出の演出パターン等に基づいて決定され、遊技者による操作を促すためにも、遊技者から認識できるように操作有効期間が報知されることが好ましい。
そこで、本実施形態に係るパチンコ機1では、演出制御基板200によって制御される遊技者操作入力演出のなかで、例えば、遊技盤5Aに設けられたセグ演出表示装置74(図19参照)を用いて、操作有効期間の遊技者への報知を実現する。図19等を参照して前述したように、本例で用いるセグ演出表示装置74は演出制御基板(演出制御CPU201)によって制御され、3個のセグメント表示器(セグ741a〜741c)によって構成される。
なお、本実施形態の遊技者操作入力演出には、求められる入力操作の操作態様(操作種別)が異なる、複数の演出パターンを設けることができる。さらに、入力操作の操作態様が異なる各演出パターンに応じて、異なる演出態様で操作有効期間を報知することができる。
入力操作の具体的な操作態様(操作種別)としては、例えば、演出ボタン3jに対して1回の押下操作が求められる「単発押し」、演出ボタン3jに対して連続した押下操作が求められる「連打」、演出ボタン3jを一定時間以上に亘って押下し続ける操作が求められる「長押し」、レバー構造となっている第2演出ボタン3kに対して引寄操作が求められる「引寄せ」等が考えられる。
また、その他の操作態様として、遊技者が設定可能なカスタマイズ機能によって、あるいは遊技機の仕様として、演出ボタン3jを押下し続けたときに、演出ボタン3jを連続して押下操作したとき(すなわち「連打」の操作態様)と同様の入力処理が行われる状態になっている場合には、演出ボタン3jを一定時間以上に亘って押下し続ける操作態様を「オート連打」と称する。
また、遊技者が設定可能なカスタマイズ機能によって、あるいは遊技機の仕様として、遊技者が演出ボタンを操作しなくても、好適な操作態様(「単発押し」、「連打」、「長押し」、「引寄せ」)による入力操作が行われたと見なして入力処理が行われる「見なし操作」の状態になっている場合には、演出ボタンの操作の有無に拘わらず、操作態様を「自動操作」と称する。
なお、「自動操作」は、求められる操作(例えば連打演出において成功演出が選択されている状況であれば、必ず成功演出が出る程度の「見なし操作」を行うこと)を必ず実行するものであってもよいし、「見なし操作」を行うか否かを演出抽選により決定し、ランダムに「見なし操作」を実行せず、非操作となる態様で演出を実行させる場合を有してもよい。このようにすれば例えば「連打」演出を実行している場合であっても、数回の「見なし操作」に基づく反応(操作後演出)が実行される一方で、「自動操作」による演出成功率が100%とならないように構成するといった演出態様を実現することができる。
以下、本実施形態に係るパチンコ機1によって実行可能な、操作有効期間の報知を含む遊技者操作入力演出について、上記の入力操作の操作態様ごとに詳しく説明する。前述したように、本実施形態では、装飾図柄の変動表示に連動する演出やその予告演出(以後、遊技者操作入力演出との混同を防止するために、「メイン演出」と称する)の実行中に、遊技者操作入力演出が実行され、当該遊技者操作入力演出のなかで有効な入力操作が行われた場合にメイン演出の演出態様が変更され得る。但し、後述する自動操作の場合は、遊技者操作入力演出において操作有効期間中に入力操作が行われなくとも、入力操作が行われたと見なす内部処理が行われることにより(見なし操作)、メイン演出の演出態様が変更され得る。したがって、遊技者操作入力演出において入力操作に関する所定の入力条件が満たされた場合に、メイン演出の演出態様が変更される、とも表現できる。また、遊技機の仕様として、操作有効期間中に入力操作が行われなくても、操作有効期間の経過後に所定の入力操作を行った場合と同様に演出態様が変更されるものが広く知られているが、本実施形態はこのような仕様を除外するものではない。
<運命リーチ演出>
以下では、遊技盤5Aを備えた本実施形態に係るパチンコ機1において実施可能な演出の一例として、運命リーチ演出を説明する。
運命リーチ演出は、複数ラインのリーチ状態が展開されるマルチラインリーチの演出であり、変動演出決定手段225によって決定された変動演出パターンが運命リーチに対応するものであったとき(あるいは、当該変動パターンに基づいて運命リーチ演出に対応する演出の実行が決定されたとき)に実行される。運命リーチ演出では、最終リール(中リール711b)が停止するまでに、大当りの煽りが複数回発生する可能性があり、複数回のタイミングで大当りの図柄揃いに期待することができる。そして、どのタイミングで大当りが報知されるかによって、大当りで得られる利益量(あるいはその期待値)が異なる、または大当りが報知された時点で遊技者がこれからの大当り遊技で獲得できると認識する利益量が異なる(例えば大当り遊技前には、低利益である態様で大当りが報知され、大当り遊技中に利益量が増加したかのように見せる場合)という特徴を有する。なお、以下ではドラム式演出表示装置71を使って説明するが、運命リーチ演出のようなマルチラインリーチは、ドラム式以外の表示装置、例えば液晶表示装置等でも実行可能である。
図75は、運命リーチ演出における演出表示装置の表示態様の遷移例を表す図である。図75を参照しながら、運命リーチ演出の進行に伴う表示態様の遷移を説明する。なお、以下の説明では、運命リーチ演出によって大当りが報知される場合、当該大当りによる大当り遊技のラウンド数を、1図柄目で大当りが報知された場合には2ラウンド以上、2図柄目で大当りが報知された場合には5ラウンド以上、3図柄目で大当りが報知された場合は10ラウンドとする。
まず、リール711による装飾図柄の変動表示中に、通常のリーチからスーパーリーチに発展した後、左リール711a及び右リール711cが順方向(図中の上から下への方向)に、中リール711bが逆方向(図中の下から上への方向)に、それぞれ高速で回転する(図75(A))。
次に、左リール711a及び右リール711cが、複数のリーチライン(マルチラインリーチ)を形成する位置で停止する(図75(B))。具体的には、左リール711aが5番〜7番の図柄を表示する位置で停止し、右リール711cが10番,11番,0番の図柄を表示する位置で停止する。この結果、7図柄、恐竜B図柄、及び恐竜C図柄のそれぞれによって、中リール中段を挟む3本のリーチラインが形成される。図75に例示する運命リーチ演出では、以後、この3本のリーチラインが維持される。
また、図75(B)において、中リール711bは、順方向に低速で回転し、4番の恐竜B図柄による1図柄目の大当りの煽りを行う。なお、大当りの煽りを行う際は、図柄揃いとなる位置(中段)に徐々に進行する動きを基本とするが、これに加えて、上下に小さく振動する動きを行ったり、短時間の間隔で仮停止と再移動とを繰り返す動き(所謂、コマ送り)を行ったりしてもよい。これは、2図柄目及び3図柄目の大当りの煽りの際も同様であり、また、各回の煽りタイミングによって異なる煽り動作を行うようにしてもよい。このような煽り動作を行うことにより、図柄揃いに対する遊技者の興趣をさらに高める効果に期待できる。
図75(B)の煽りを経て、中リール711bの4番の恐竜B図柄が中段に停止した場合は、恐竜B図柄が右上がりラインに揃うことにより、1図柄目の当りが報知される(図75(C))。このとき、例えば2ラウンド以上の大当りが確定する。なお、1図柄目当りの後に、再抽選演出が実行され得るようにしてもよい。再抽選演出が実行された場合は、リール711が再変動して停止する等して、より特典の大きな大当りの報知に期待できるようにしてもよい。
一方、図75(B)の煽りを経て1図柄目の当りとならない場合(1図柄目はずれの場合)は、中リール711bは4番の恐竜B図柄が下段に仮停止する(図75(D)。このとき、中リール711bの配列上、上段には6番の恐竜C図柄が仮停止する。その後、中リール711bは順方向に低速で回転を再開する(図75(E))。図75(E)における中リール711bの回転が進むと、今度は、6番の恐竜C図柄が中段に近づいていくことで、2図柄目の大当りの煽りが行われる(図75(F))。
図75(F)の煽りを経て、中リール711bの6番の恐竜C図柄が中段に停止した場合は、恐竜C図柄が中段ラインに揃うことにより、2図柄目の当りが報知される(図75(G))。このとき、例えば5ラウンド以上の大当りが確定する。なお、2図柄目当りの後も、再抽選演出が実行され得るようにしてもよい。
一方、図75(F)の煽りを経て2図柄目の当りとならない場合(2図柄目はずれの場合)は、中リール711bは6番の恐竜C図柄が下段に仮停止する(図75(H))。このとき、中リール711bの配列上、上段には8番の7図柄が仮停止する。その後、中リール711bは、逆方向に高速で回転を開始する(図75(I))。
図75(I)の高速回転の後、中リール711bは、逆回転を維持しながら回転速度を落として、10番の7図柄を下段から移動させていく。この7図柄の移動によって3図柄目の大当りの煽りが行われる(図75(J))。
そして、図75(J)の煽りを経て、中リール711bの10番の7図柄が中段に停止した場合は、7図柄が左上がり(右下がり)ラインに揃うことにより、3図柄目の当りが報知される(図75(K))。このとき、例えば10ラウンドの大当りが確定する。なお、3図柄目当りの後も、再抽選演出が実行され得るようにしてもよい。
一方、図75(J)の煽りを経て、3図柄目の当りとならない場合(3図柄目はずれの場合)は、中リール711bの10番の7図柄は中段を通り過ぎ、上段で停止する(図75(L))。図75(L)の状態で中リール711bが本停止した場合は、運命リーチ演出は当該変動のハズレを報知する。但し、図75(L)において中リール711bが仮停止した場合は、その後にリール711(全リールでもよいし、例えば中リール711bだけでもよい)が再始動してから本停止する「救済変動」が実行される。本実施形態における救済変動では、必ず図柄揃いの態様で停止して大当りが報知されるとするが(救済演出(復活演出))、遊技機の仕様によっては、救済変動が実行されても結局はハズレが報知される可能性を持たせてもよい。
以上に説明したように、運命リーチ演出は、複数回のタイミングで大当りが報知される可能性を有し、さらに、大当りが報知されるタイミングによって、大当りによって得られる利益量(あるいは利益量の期待値)が異なるという特徴を有するため、遊技者は、大当りするか否かだけではなく、どのタイミングで大当りが報知されるかを重視し、リーチ演出の期間で継続して遊技興趣を高く保つことができる。なお、運命リーチ演出における大当り報知タイミングによる利益量(利益率)の差異は、上記例のように遅いタイミングほど大きくすることに限定されず、様々な法則性を持たせてもよい。例えば、早いタイミングで大当りが報知されるほど、大当りによる利益量(利益率)が大きくなるように設定してもよいし、特定の大当り報知だけ大当りによる利益量(利益率)が変化するように設定してもよい(例えば、救済演出または1回目の大当り報知でのみ、10ラウンド大当りが確定する等)。
<遊技者操作入力演出(単発押し)>
図76は、単発押しの遊技者操作入力演出(通常パターン)の一例を説明するための図である。図76は、実行中のメイン演出(あるいはこれから実行される遊技者操作入力演出)が比較的期待度が高くないリーチ演出等(通常パターンの演出)であるときに実行される、通常パターンによる単発押しの遊技者操作入力演出について説明したものである。なお、遊技者操作入力演出が通常パターンで実行される場合には、これから実行される遊技者操作入力演出による期待度(入力操作によって成功結果が得られる期待度、当該変動表示にて大当りとなる期待度)が後述するチャンスパターンよりも高くない場合も含まれる。
図76には、遊技者側に出力される演出内容をまとめた「演出態様」と、演出ボタンに対する入力操作の受付可否に関する内部的な制御状況についてまとめた「操作受付制御」とが時系列を合わせて示されている。
このうち、「演出態様」の側には、各演出の「呼称」の他、具体的な演出内容として、セグ演出表示装置74による「セグ表示」と、スピーカ11(スピーカ3i)による「音出力」とが示されている。また、「操作受付制御」の側には、遊技者操作入力演出で対象とされる演出ボタン(演出ボタン3jや第2演出ボタン3k)に対する入力操作の有効/無効についての内部的な「制御状態」(言い換えれば、入力操作に基づく入力情報が演出制御基板200に入力されるか否か、あるいは演出制御基板200が入力情報を有効として処理するか否か)が示されている。
ここで、本実施形態に係る遊技者操作入力演出は、複数の異なる演出態様が遷移することによって構成され、具体的には、演出ボタンに対する入力操作を促す「導入演出」と、演出ボタンに対する入力操作が有効に受け付けられる期間であることを報知して当該入力操作の実行を促す「有効時間表示演出」と、演出ボタンに対する入力操作の実行による結果を報知する「操作後演出」とが含まれる。このため、遊技者操作入力演出の演出期間は、「導入演出」が導出される「導入演出期間」と、「有効時間表示演出」が導出される「入力有効報知期間」と、「操作後演出」が導出される「操作後演出期間」とを含むものとなる。
このうち、操作後演出期間に導出される操作後演出では、入力有効報知期間における演出ボタンに対する入力操作が所定の入力条件を満たした場合に、メイン演出が対象とする遊技において遊技者に付与される「利益」または「利益が付与される期待度」を報知することができる。ここでの「利益」とは、具体的には例えば、大当り遊技、大当り時のラウンド数、大当りの種別(通常/確変)等に相当する。また「利益が付与される期待度」とは、大当りへの期待度や、高期待度演出の発展への期待度等に相当する。
以上のような図示内容は、本実施形態に係る遊技者操作入力演出を説明する図面全般において共通しており、後述する他の図面(例えば、図79や図80等)では繰り返しの説明を省略する。
なお、以下の説明では、セグ演出表示装置74を構成するセグ741a〜741cは、発光色や発光時の輝度を変更可能なセグメント表示器であるとする。但し、本実施形態は、このような多機能なセグメント表示器による構成に限定されるものではなく、セグ演出表示装置74は、各セグメント表示器が有する機能の範囲内で適宜セグ表示を行うことができる。
図77は、セグ表示の具体例を示す図である。図77(A)には、1個の7セグメント表示器による数字(0〜9)や記号(上・中・下)のセグ表示例が示されている。また、図77(B)には、本実施形態の説明で用いられる文字列のセグ表示例が示されている。なお、本例のセグ演出表示装置74の場合、7セグメント表示器はセグ741b,741cの2個しかないので、図77(B)に例示した3文字以上の文字列を一度に表示することはできない。このような文字列の表示方法については、後述する。
図76の具体的な特徴について説明する。図76によれば、まず、導入演出期間において導入演出が開始され、演出ボタン3jに対して単発押しの入力操作が求められることが示唆・報知される。具体的な演出態様として、例えば、セグ演出表示装置74は、セグ741b,741cを用いて、「PUSH」の文字列を白色でセグ表示する。本例において導入演出の白色のセグ表示は、「単発押し」操作の遊技者操作入力演出であることを示唆するものである。
ここで、図78は、操作入力演出におけるセグ表示の具体例を説明するための図である。図78(A)には、図76の導入演出における文字列「PUSH」のセグ表示の表示遷移の一例が示されている。図78(B)等については後述する。なお、図78(A)には、文字列「PUSH」を表示する際、「PUSH」の前後に「−」が表示されることが示されている。これは2つのセグ714a,741bで3文字以上の表示内容(ここではPUSH)を段階的にループ表示する際の可読性を高めるための区切り用の表示であり、後述する他の例(例えば「good」等)でも同様の表示を行ってよい。
なお、図76のセグ表示は一例である。他にも例えば、「Push Button」を意味する表示として2つのセグ714a,741bを用いて「Pb」の文字列を表示するようにしてもよい(図77(B)も参照)。この場合、2桁分のセグメント表示器で2文字を表すことから「Pb」を表示し続けることができ、文字列「PUSH」の場合のように段階的な順次表示を行う必要がなく、遊技者は一瞥して指示内容を把握できる。
また例えば、導入演出のセグ表示においては、上記の「PUSH」や「Pb」のような文字列の表示を所定回数に亘って点滅表示させるようにしてもよい。さらにこのとき、点灯回数が進むごとに輝度を高めたり、色を変化させたりすることによって、操作開始のタイミングが近いことを遊技者に示唆することができる。
また、導入演出において、スピーカ11は、セグ表示に合わせて所定の効果音(ジングル)を出力した後、入力有効報知期間に移行する前の所定のタイミング(移行の直前が好ましい)で「押せ」という音声を出力する。このような導入演出により、遊技者は、演出ボタン3jの押下が求められていることをより明確に認識することができる。
また、導入演出の音出力では、実行中のメイン演出や遊技者操作入力演出のパターンに応じて、効果音を出力しないようにしてもよい。具体的には例えば、先読み演出用に演出ボタン3jの押下操作を求める遊技者操作入力演出の場合等は、前半の効果音なしで「押せ」という音声出力を行うことにより、演出が突然発生したように遊技者に感じさせて興趣を高めることに期待できる。
また、導入演出の音出力では、実行中のメイン演出や遊技者操作入力演出のパターンに応じて、特定の専用音源を用いて効果音や指示音声を出力するようにしてもよい。具体的には例えば、高期待度演出が実行される場合等に、通常の「押せ」音声とは音量・長さ・声色等が異なる強調態様で「押せ」の音声を出力するようにしてもよい。さらに、強調態様の音声を入力有効報知期間まで続くように流してもよい。このような強調態様の音声指示を行うことにより、通常よりも期待度が高い演出であることを容易に遊技者に認識させることができ、遊技者の関心を高めることができる。
なお、操作受付制御については、導入演出が実行される導入演出期間の大部分は、操作受付制御の制御状態は「無効期間」となり、演出ボタン3jの入力操作は無効とされる。但し、少なくとも、入力有効報知期間に移行して有効時間表示演出が開始されるまでには、演出ボタン3jの入力操作が有効となる「有効期間」に切り替えられる。
但し、入力有効報知期間のどの程度前から有効期間に切り替えるかは、演出の見た目等を考慮して適宜変更可能である。例えば図76の場合、導入演出のなかで「PUSH」というセグ表示や「押せ」という音出力が行われることから、これらの出力を受けて遊技者が即座に入力操作を行う可能性がある。そこで、このような場合、導入演出期間において「押せ」と音声出力されている間に、制御状態を有効期間に切り替えるようにしてもよく、この結果、即座に行われた入力操作を受け付けることができるため、入力操作が無視された場合の遊技者の興趣低下を防止する効果が得られる。
次に、入力有効報知期間に移行すると有効時間表示演出が開始される。有効時間表示演出において、セグ演出表示装置74は、導入演出時とは異なる態様でセグ表示を行う。具体的には例えば、図78(B)や図76に示すように、演出ボタン3jの押下を意味する文字列「Pb」を表示した後、操作有効期間の残りの時間値(例えば秒数)に応じて、途中からカウントダウン表示を行う。また、図76に示したように、一例として、「Pb」は、低期待度(あるいは通常の期待度)であることを示唆する青色で表示し、カウントダウン表示は、カウントダウンであることを示唆する黄色で表示する。このような有効時間表示演出が行われることにより、遊技者に、演出ボタン3jに対する入力操作を行うべき操作有効期間であること、並びに、その残り時間を報知することができる。ここで、時間経過が理解されやすいよう「Pb」表示とカウントダウン表示とを異なる色にて表示させているが、表示態様自体が変化するために識別性があると判断すれば同色にて発光させてもよいし、また、カウントダウン表示期間中についてもカウントダウンが進んで残りが少なくなった場合に(例えばカウント「3」以降)、発光色を変化させるようにしてもよく、このような発光制御を行うことにより、残りの操作有効期間が少ないことを遊技者に対してより視覚的に提示することができる。
また、有効時間表示演出では、セグ表示に連動して、スピーカ11がカウントダウンを音声出力する等してもよい(図76参照)。但し、後述するように、単発押しの有効時間表示演出では、操作有効期間中に演出ボタン3jに対する入力操作が1回実行された時点で、操作無効期間に制御が変更されて操作後演出が開始されることから、スピーカ11によるカウントダウンの音声出力は、入力操作が実行された時点で中断される。
なお、有効時間表示演出におけるセグ表示の表示態様は、上記例に限定されるものではなく、様々な表示態様を採用することができる。例えば、カウントダウン表示の別例として、図78(C)には、3つのセグ714a〜714cを用いて、外周の点灯LEDが徐々に消灯していくことによってカウントダウンの進行を示すセグ表示例が示されている。この場合、最終的に全てのLEDが消灯すると操作有効期間が終了することを意味する。なお、消灯ではなく色変化であってもよい。
また、有効時間表示演出におけるセグ表示の表示態様の別例として、「PU」「SH」の文字列を交互に点灯させる、または「Pb」の文字列を表示し続けるとしてもよい。この場合、図76に示した本実施例と同様に導入演出における色とは異なる色でセグ表示のLEDを点灯させることにより、「導入演出」と「有効時間表示演出」の期間、すなわち無効期間と有効期間を遊技者に識別容易とすることが好ましい。
さらに、有効時間表示演出におけるセグ表示において、文字列の表示だけを行って数字や記号的表現(例えば、前述した外周の順次消灯に相当)によるカウントダウン表示を別途行わない場合は、時間経過に伴って文字列の表示態様を変更させることによって、残りの操作有効期間が減少していくさまを表すようにしてもよい。
具体的には例えば、「Pb」等の文字列の輝度を徐々に低下させていき、所定の暗輝度に到達するか完全消灯することによって、操作有効期間の終了を示すことができる。また例えば、セグ表示の表示内容に拘わらず、セグ表示のLEDの点滅速度(点滅周期)や点灯時間を徐々に変更させることにより、点滅の終了(例えば全消灯)によって操作有効期間の終了を示すことができる。また、上記のようにLEDを点滅させる際、「Pb」や「PUSH」といった特定の意味を有する文字列をセグ表示すれば、操作種別をより明確に遊技者に報知することができる。またこの他にも、セグ表示の表示内容と発光タイミングとを別の態様で組合せてもよい。具体的には例えば、所定のタイミングまでは「Pb」等の文字列を同輝度・同周期で点滅表示し、操作有効期間の終了が近付いた別の所定のタイミングを超えた後は、「Pb」等の文字列を次第に輝度を低下させながら表示するようにして、最終的にはLEDが消灯することによって操作有効期間の終了を示すこともできる。
また、有効時間表示演出におけるセグ表示では、その表示内容の種別(文字列、数字、記号的表現)に拘わらず、セグ表示の表示色(発光色)を時間経過に伴って徐々に変化させることによって、カウントダウン表示を行ってもよい(数値を示すカウントダウン表示と合わせて色変化させてもよい)。具体的な色変化としては例えば、赤色、緑色、黄色、青色、白色、消灯の順といったように、一般的な遊技者が期待度の低下をイメージする色変化を採用することができる。あるいは、セグ表示を行っているセグメント表示器(セグ741a〜741c)を1個ずつ特定色(例えば、危機感を感じさせると想定させる赤色)に変化させていき、全てのセグが変化したことによって操作有効期間の終了を示すような方法であってもよい。
なお、有効時間表示演出におけるセグ表示の様々な表示態様について示したが、演出制御基板200は、遊技状態(確変/通常/時短等)や演出種別(先読み演出、裏ボタンによる特殊設定等)等に基づく特定の状況においては、入力有効報知期間におけるセグ表示自体を導出しないようにしてもよい。
また、本実施形態に係る遊技者操作入力演出では、導入演出で示唆した内容(すなわち、演出ボタンへの入力操作要求)を、有効時間表示演出において再表示するようにしてもよい。具体的には例えば、セグ表示でカウントダウン表示を行っている途中に、文字列「PUSH」の表示を挟むようにする。このように、入力有効報知期間の中でも求められる入力操作を報知することによって、カウントダウン表示がボタン演出に関するものであることを認識可能とし、導入演出の見逃し・聞き逃しに対する手当てを行うことができるため、遊技者に親切な遊技機を提供することができる。なお、上記のように有効時間表示演出で入力操作要求の差し込み表示を行う場合、その差し込み表示中は、演出ボタンの受付の有効期間を継続しつつ、演出表示としての有効時間表示演出における演出進行(例えば、セグ表示の色変化やカウントダウンの進行等)を停止させてもよいし、バックグラウンドで進行させてもよい。これらは、単発押しの遊技者操作入力演出に限定されるものではなく、後述する連打や長押し等の自動操作を除く遊技者操作入力演出全般に適用できる。
次に、入力有効報知期間(有効時間表示演出の実行中)において演出ボタン3jに対する入力操作が行われた後の演出遷移について説明する。本例は単発押しの遊技者操作入力演出であるから、操作有効期間において1回の入力操作が行われると、入力操作に関する入力条件が満たされ、操作後演出期間に移行し、操作後演出が開始される。すなわち、有効時間表示演出におけるセグ表示や音出力による演出(具体的には操作有効時間の表示であり、カウントダウンの報知である)は、1回の入力操作が実行された時点で停止される。またこのとき、操作受付制御の制御状態は「有効期間」から「無効期間」に切り替えられ、以後、少なくとも本遊技者操作入力演出が終了するまで、演出ボタン3jの入力操作は無効とされる。
操作後演出において、演出制御基板200は、入力操作に基づく結果をセグ演出表示装置74やスピーカ11を用いて、導入演出時や有効時間表示演出時とは異なる態様で表示する。具体的には、例えば遊技者に有利な成功結果を示す成功演出の場合、図76に示したように、セグ演出表示装置74によるセグ表示で「good」を表示する(図78(D)を参照)とともに、スピーカ11による音出力で所定の効果音(SE)を出力する。一方、例えば遊技者に有利な結果とならかった失敗結果を示す失敗演出の場合、セグ表示を「−−」とする(セグ714b,714cに図77(A)の「中」表示を並べて表示する)。なお、操作後演出で表示される結果は、遊技者操作入力演出の開始時点で予め決定されているとしてもよいし、入力操作の実行時等に成否を抽選する場合には、その抽選結果としてもよい。
なお、操作後演出における表示態様は上記例に限定されるものではなく、成功演出または失敗演出に応じて他の文字列をセグ表示したり、音出力したりしてもよい。また例えば、セグ714a〜714cを全灯させて成功演出とする等してもよい。但し、成功演出または失敗演出の何れにおいても、入力操作を受け付けた結果を表示していることを明確にする目的から、操作後演出の開始直後にセグ表示を全消灯にする演出態様は避けることが好ましい。また、操作後演出は、メイン演出における成功演出または失敗演出に相当する演出に置き換えられてもよい。
また、入力有効報知期間中(有効時間表示演出中)に入力操作が行われなかった場合には、入力有効報知期間の経過後に、操作後演出期間(操作後演出)に移行し、同時に、操作受付制御も有効期間から無効期間に切り替えられる。なお、本実施形態では、入力操作が行われずに操作受付制御が無効期間に切り替えられる場合の切替タイミングについて、有効時間表示演出のための演出が全て導出され終わってから、所定の遅延時間を確保するようにしてもよい。この場合、操作受付期間であることを報知する有効時間表示演出が終わった直後であれば、遊技者による入力操作を有効に受け付けることができるため、遊技者による入力操作が遅れた場合に救済できる可能性が高まり、遊技者に安心感を与える効果に期待できる。
また、上記した本実施形態においては、「導入演出期間」の大部分の期間を演出ボタン3jの入力操作の「無効期間」として扱うように説明したが、「演出ボタン3jの入力操作自体」を「無効」の対象とするのではなく、「ボタン演出として演出抽選で決定し実行されている演出に対する入力操作に基づいて行われる『演出の切替』」を「無効」の対象とするようにしてもよい。また、変形例として、「予告演出として変動中に実行されているボタン演出以外の演出」に対する入力操作は「有効」として扱ってもよい。
例えば、予告演出としてボタン演出が実行されるタイミングで導入演出が実行されると、セグ表示としての導入演出である「PUSH」の文字列が表示されるため、ボタンの入力操作を先だって行ってしまう場合がある。そこで、予告演出としてのボタン演出が実行されるにあたって、導入演出期間にボタンの入力操作がなされた場合、新たに特殊な演出の実行抽選がなされる態様を採用してもよい。一例として、導入演出期間の「PUSH」の文字列がセグ演出表示装置74に表示されている期間に演出ボタン3jを押下すると、実行されている変動がSPリーチに発展する高期待度の変動である場合や、実行されている変動が大当りとなる場合に限り、所定の確率でセグ演出表示装置74の「PUSH」の文字列が一瞬だけ黄色や虹色で表示されたり、チャンスを示唆する文字列に一時的に差し替えられたりする等の演出の実行が考えられる。
但し、このようなボタン演出の導入期間中に行われる特殊な演出について、「入力有効報知期間」に切り替わる直前のタイミングについて実行されるものとしてしまうと、演出抽選で決定していたボタン演出として入力操作した結果、期待度が高い表示が実行されたと誤認してしまう恐れがあるため、例えば、効果音であるSE「押せ」がスピーカ11から発せられるタイミングでは特殊な演出の実行をしない等、特殊な演出を実行可能な期間(タイミング)を切替制御できるようにすることが好ましい。
以上が、単発押しの遊技者操作入力演出(通常パターン)の詳細な説明である。ここで、本実施形態では、演出制御基板200が、通常パターンの遊技者操作入力演出よりも期待度が高い、チャンスパターンの遊技者操作入力演出を実行可能としてもよい。チャンスパターンの遊技者操作入力演出が実行される具体的なケースとしては、高期待度のメイン演出のなかで遊技者操作入力演出が実行される場合や、メイン演出の期待度に拘わらず、遊技者操作入力演出における入力操作が成功結果となる期待度が高い場合等が考えられる。
図79は、単発押しの遊技者操作入力演出(チャンスパターン)の一例を説明するための図である。図79には、通常パターンの遊技者操作入力演出よりも期待度が高いチャンスパターンによる単発押しの遊技者操作入力演出について、図76に示した例と比較可能な形態で、演出遷移の一例が示されている。
図79に例示したように、チャンスパターンの遊技者操作入力演出は、通常パターンの遊技者操作入力演出とは異なる演出態様で実現することができる。例えば、セグ表示の発光色について、図76の通常パターンでは白色や青色であった部分を、チャンスパターンでは、一般的に高期待度を示唆する赤色や、演出成功の極めて高い期待度(成功の確定)を示唆する虹色等に変更して表示してもよい。また例えば、音出力について、通常パターンでは男性的な音声が用いられる場合に、チャンスパターンでは女性的な音声や機械的な音声を用いるようにしてもよい。また、音声の台詞を変更する等してもよい。
また、チャンスパターンの遊技者操作入力演出は、通常パターンの遊技者操作入力演出に比べて、構成する各演出期間(導入演出期間、有効時間表示演出期間、操作後演出期間)を長く設定するようにしてもよい。導入演出期間を長く設定することにより、通常パターンより強く煽り演出等を実行することができるため、入力操作に対する遊技者の興趣をより高めることができる。また、操作後演出期間を長く設定することにより、通常パターンよりも長く結果表示を行うことができるため、特に成功結果を報知する際に派手なSEを流し続けたりすることで、遊技者の満足感を高める効果に期待できる。
図79の例示を具体的に見ていく。まず、図79の導入演出は、図76の導入演出よりも実施期間(導入演出期間)が長く設定されており、出力音声が「気合いを入れて・・・」、「行くぞ!」、「押せ」の順に、多段階で変化する。そして、この出力音声の変化に合わせて、セグ表示では、「PUSH」の発光色が白色から赤色(高期待度示唆)に格上げ変化する可能性がある。なお、導入演出の開始時点からセグ表示の発光色が赤色であった場合には、途中で白色に変更する格下げ変化は行わないとしてもよい。また、セグ表示における発光色の変化と、音出力における出力音声の変化とのタイミングは一致していなくてもよい。また、例えば「−PUSH−」が2回繰り返して表示されるなかで発光色が白色から赤色に格上げされ得るといったように、同種のセグ表示のなかで発光色が変化するようにしてもよい。
次に、図79の有効時間表示演出では、セグ表示において、図76の通常パターンと同様の文字列が表示される(例えば、「Pb」表示からカウントダウン表示)が、少なくとも一部の発光色を通常パターンとは異なるものにすることができる。具体的には、図76の場合、文字列「Pb」は青色で発光されたが、図79の場合、文字列「Pb」は低期待度(あるいは通常の期待度)を示唆する青色に代えて、高期待度を示唆する赤色で発光するパターンが用意されている。
なお、導入演出の終了時に「PUSH」のセグ表示が赤色であった場合には、有効時間表示演出の「Pb」も最初から赤色で表示することが好ましい。このようにすることで、一度上がった期待度(信頼度)を下げることなく、一連の遊技者操作入力演出を進行することができるため、遊技興趣を維持する効果に期待できる。但し、導入演出から有効時間表示演出にかけてセグ表示の発光色が維持される場合には、両演出の間で演出態様に差異を持たせるため、同じ赤色の表示であっても、輝度を異ならせたり、点滅表示を行ったりすることが好ましい。
次に、図79の操作後演出では、通常パターンである図76の操作後演出よりも実施期間(操作後演出期間)が長く設定されている。そして、セグ表示では、「good」の文字列が、赤色や虹色で表示される点で、青色表示の通常パターンとは異なっている。一般的に、赤色は高期待度をイメージさせる色であり、虹色はさらに高い期待度をイメージさせる色である。なお、セグ演出表示装置74による虹色発光とは、例えば、セグ741a〜741cを構成する個々のセグが異なる7色で発光することで実現される。また、図79の操作後演出では、効果音(SE)についても、通常パターンにおける操作後演出の効果音とは異なる態様(音量、長さ、台詞等)で出力される。
以上が、単発押しの遊技者操作入力演出(チャンスパターン)の詳細な説明である。なお、本実施形態では、通常パターンの遊技者操作入力演出に関して様々なバリエーションを採用可能であることを説明したのと同様に、チャンスパターンの遊技者操作入力演出においても同様に様々なバリエーションを採用することができる。また、以後に詳述する連打の遊技者操作入力演出や長押しの遊技者操作入力演出においても、単発押しの遊技者操作入力演出と同様に、通常パターンとは別にチャンスパターンの演出態様を有するとしてもよく、また各演出態様について様々なバリエーションを採用することができるが、繰り返しの説明となる部分が多いため、これらの説明は省略することがある。
但し、本実施形態に係る遊技者操作入力演出は、上述したように様々な演出態様を実行可能とする一方で、入力操作の操作種別(単発押し、連打、長押し等)を区別できるように、操作種別に応じて、セグ表示あるいは音出力の出力内容等が異なる演出態様で実行されることが好ましい。また、一連の遊技者操作入力演出を構成する導入演出(導入演出期間)と有効時間表示演出(入力有効報知期間)と操作後演出(操作後演出期間)とを区別できるように、演出(期間)に応じて、セグ表示あるいは音出力の出力内容等が異なる演出態様で実行されることが好ましい。
<遊技者操作入力演出(連打)>
図80は、連打の遊技者操作入力演出の一例を説明するための図である。図80を参照しながら、連打の遊技者操作入力演出について詳しく説明する。
図80の例では、導入演出(導入演出期間)において、演出ボタン3jに対して連打の入力操作(断続的な複数回の入力操作)が求められることが示唆・報知される。具体的な演出態様として例えば、セグ演出表示装置74は、セグ741b,741cを用いて、「PUSH」の文字列を緑色または赤色でセグ表示する(図78(A)も参照)。本例において緑色のセグ表示は、「連打」操作の遊技者操作入力演出であることを示唆するものであり、赤色のセグ表示は、高期待度を示唆するものである。本実施形態に係る遊技者操作入力演出では、演出の進行に伴う各段階で、高期待度演出であることを示唆するために、セグ表示の発光色を特定色(例えば赤色)に変化させることができる。但し、導入演出の初期段階では、遊技者操作入力演出で求められる入力操作の種別が「連打」であることを明確にするために、「連打」操作に対応する緑色で必ず表示するようにしてもよい。演出制御基板200は、当該遊技者操作入力演出の期待度に基づいて、適宜、発光色を指示する。またこのとき、スピーカ11は、セグ表示に合わせて所定の効果音(ジングル)を出力するとともに、「連打!」という音声を出力することによって、求める入力操作の種別が演出ボタン3jの連打操作であることを報知する。
その後、導入演出が進行すると、セグ演出表示装置74は、セグ741c(セグ741bでもよい)を用いて、入力操作の受付開始を報知するためにカウントダウンのセグ表示(「3」、「2」、「1」)を行う。このカウントダウン表示は、先の「PUSH」のセグ表示の発光色と同じ色(緑色または赤色)か、または緑色から格上げされた赤色で発光される。前述した図79の導入演出では、赤色から白色への格下げ変化を行わないことについて説明したが、これと同様の理由により、図80の導入演出においても、赤色から緑色への格下げ変化は行わないことが好ましい。格上げの可否は演出制御基板200が決定する。またこのとき、スピーカ11は、セグ表示に合わせて所定の効果音(ジングル)を出力するとともに、「行くぞ!」という音声を出力することによって、入力操作の受付開始(操作有効期間の開始)が近付いていることを報知する。
さらに導入演出が進行すると、セグ演出表示装置74は、セグ741c(セグ741bでもよい)を用いてカウントダウン「0」をセグ表示し、入力操作の受付が開始されることを報知する。「0」の発光色は、先のカウントダウン「1」の発光色と同じ色で行われるとする。なお、カウントダウン「0」のセグ表示を行わないようにしてもよい。またこのとき、スピーカ11は、セグ表示に合わせて(または、セグ表示が行われない場合は所定のタイミングで)、「開始」という音声を出力することによって、入力操作の受付開始を報知する。
なお、図80は本実施形態に係る連打の遊技者操作入力演出の一例に過ぎない。別の演出態様として例えば、導入演出において、「PUSH」の文字列を表示するセグ表示の代わりに「Pb」の文字列を表示する等してもよい。但し、この場合も、他の入力操作の操作種別との区別ができるように、セグ表示の発光色を特定色(本例では緑色)から開始することが好ましい。
次に、図80に示した入力時間表示演出について説明する。導入演出が実行される導入演出期間が終了すると、入力有効報知期間に移行して有効時間表示演出が開始される。なお、操作受付制御の制御状態は、図80に示したように、導入演出期間から入力有効報知期間に移行するタイミングで操作受付制御の制御状態が「無効期間」から「有効期間」に切り替えられる。このように操作受付制御の移行タイミングを演出態様の移行タイミングと同期させることにより、限られた操作有効期間より早く行われた連打操作を正確に無効化することができ、連打開始の合図(導入演出の「開始!」)に合わせて開始される遊技者の連打操作を有効に受け付けることができる。
有効時間表示演出において、セグ演出表示装置74は、時間経過に沿って操作有効時間が減少することを報知する演出を行う。具体的には例えば、図78(C)に示したように、セグ741a〜741cを用いて外周のセグを全点灯させた状態から、徐々にセグを消灯(または減光)させていく外周カウントダウンによるセグ表示を行う。
外周カウントダウンは、例えば操作有効期間の全体を使って実行され、外周のセグが全消灯した場合に、操作有効期間の終了(または、間もなく操作有効期間が終了すること)が示唆される。また、「Pb」の文字列等を一定期間に亘ってセグ表示した後に、操作有効期間の終了タイミングを考慮して外周カウントダウンを表示する等してもよい。
ここで、連打の遊技者操作入力演出では、上述した外周カウントダウン表示のように操作有効期間の経過や終了を示す表示演出が行われているなかで、入力有効報知期間(操作有効期間)の間に、遊技者によって演出ボタン3jの押下操作が繰り返し行われることが求められている。そこで、この押下操作が繰り返し行われた場合の演出態様について説明する。なお、他の操作種別による遊技者操作入力演出にも共通することであるが、本実施形態に係る遊技者操作入力演出では、有効時間表示演出において、操作有効期間の経過や終了を示す表示演出よりも、入力操作に応じて発生する表示演出の方を、優先度を高くして表示することが好ましい。このようにすることで、入力操作による反応が明確に表示され、演出に参加している感覚を遊技者に抱かせて興趣を高める効果に期待できる。但し、本実施形態は、上記した双方の表示演出を別々に表示することを限定するものではなく、部分的に混在表示するものであってもよい。
図80を参照すると、操作有効期間において遊技者による演出ボタン3jの押下操作が繰り返し行われたとき、演出ボタン3jの押下操作が行われるごとに、外周カウントダウンのセグ表示は一時消灯となり、同時にスピーカ11は、押下操作に対応する所定の効果音(SE)を出力する。これらの制御は演出制御基板200によって行われる。演出制御基板200は、一時消灯の代わりにLEDの輝度を低減させる(減光)たり、発光色を変化(例えば青色発光)させたりしてもよい。演出制御基板200によるセグ表示の一時消灯に関する内部処理としては、例えば、有効時間表示演出用の基本データを生成する処理に、セグ表示をオフにする所定のオフデータを強制的に被せることにより、基本データに基づくセグ表示(外周カウントダウン表示)を一時的に消灯させることができる。そしてセグ表示は、一時消灯が所定時間に亘って実行された後、再び外周カウントダウンに復帰する。なお、一時消灯の間もバックグラウンドでカウントダウンを進行させておき、外周カウントダウンの復帰時には現時点での残りのカウントをセグ表示すればよい。
本例では、上記の有効時間表示演出は、単発押しの遊技者操作入力演出における有効時間表示演出のように途中で停止されることなく、予め規定された操作有効期間(入力有効報知期間)が終了するまで継続されるとする。例えば図80の場合、操作有効期間において演出ボタン3jの押下操作が6回実行されたことが示されており、操作受付制御では、各回の操作が有効に受け付けられ、各操作に応じた入力情報が演出制御基板200に送信される。
なお、連打の遊技者操作入力演出における有効時間表示演出の別態様として、例えば、「PUSH」や「Pb」の文字列を点滅させてセグ表示させるようにしてもよい。この場合、時間経過に伴って、点滅速度(点滅周期)を速くしたり、点灯時間を短くしたりすることにより、操作有効時間が減少していることを報知することができる。
また、連打の遊技者操作入力演出における有効時間表示演出のさらなる別態様として、カウントダウン表示と連打操作による結果表示とを合わせてセグ表示するようにしてもよい。このようなセグ表示方法を「連打チャレンジ」と称し、以下に具体例を説明する。
図81は、連打チャレンジにおけるセグ表示の具体例を説明するための図である。図81には、連打チャレンジにおけるセグ表示の遷移例が時系列で示されている。図81の連打チャレンジでは、セグ演出表示装置74のうち、セグ741a,741bによって操作有効期間(有効期間)のカウントダウン表示が行われ、セグ741cによって演出ボタン3jの入力操作(押下)に基づく結果表示が行われる。
図81(A)は、連打チャレンジが開始された直後のセグ表示例であり、セグ741a,741bによるカウントダウン表示は緑色の「18」で、結果表示のセグ741cは黄色で全点灯している。
図81(A)の後、連打チャレンジはカウントダウン表示が「0」になるまで継続し、その間に演出ボタン3jに対する押下操作が行われるごとに、結果表示のセグ点灯パターンが変化する可能性がある。例えば図81(B)では、演出ボタン3jの押下に応じて、セグ741cによる結果表示が、外周の1つのLEDが消灯した状態に変化している。なお、演出ボタン3jが押下されても、結果表示のLEDが消灯変化しない場合もある。演出ボタン3jが押下された場合には、スピーカ11が押下操作に対応する所定の効果音(SE)を出力するようにしてよく、結果表示のLEDが消灯変化する場合と消灯変化しない場合とで異なるSEを出力するようにしてもよい。
そして図81(D)〜図81(E)にかけても同様に、カウントダウン表示と結果表示とが変化していく。なお、本例では、カウントダウンの残り時間が少なくなった場合に(例えば図81(E))、カウントダウン表示の発光色が赤色に変化する。また、結果表示が終盤となった場合に(例えば図81(E)に示したように残りの点灯LEDが1つになった場合等)、結果表示の発光色が赤色に変化する。
図81(F),図81(G)は、連打チャレンジが成功結果となる場合の遷移例である。演出ボタン3jの押下に応じて、セグ741cによる結果表示が全消灯となった場合には(図81(F))、カウントダウン終了(図81(G))の後、操作後演出においてセグ演出表示装置74によって「good」の文字列が表示される等して、成功結果が報知される。なお、図81(G)では、カウントダウン表示「0」(または「0」となるよりも前の表示から)の発光色を成功の確定を感じさせる虹色とすることにより、操作後演出(操作後演出期間)の開始よりいち早く、演出の成功結果を示唆することができる。
一方、図81(H),図81(I)は、連打チャレンジが失敗結果となる場合の遷移例である。図81(H)の場合、演出ボタン3jが押下されてもセグ741cによる結果表示は全消灯とならず、一部のLEDによる点灯が残っている。この状態のままカウントダウンが終了すると(図81(I))、その後の操作後演出においてセグ演出表示装置74によって「−−」が表示される等して、失敗結果が報知される。なお、図81(I)では、カウントダウン表示「0」の発光色を、それまでとは異なる白色とすることにより、本演出の失敗結果を事前に示唆している。
このような連打チャレンジの表示方法を用いることにより、連打という操作態様に好適な演出態様で有効時間表示演出を実現することができる。なお、連打チャレンジにおいて、セグ741cによる結果表示の遷移は、図81の例に限定されるものではない。例えば、演出ボタン3jの押下回数に応じて、結果表示のLEDが1個ずつ消灯し得るだけでなく、複数のLEDが消灯するパターンを含んでもよい。また、出現率の低い演出態様として、突然、全てのLEDが消灯して成功の確定を示唆するパターン等があってもよい。
また、図81の例では、セグ741a,741bを用いたカウントダウン表示で最大2桁(但し、上位桁は「1」または「表示なし」)のカウントダウン値を表示したが、連打チャレンジのカウントダウン表示はこれに限らず、セグ741aとセグ741bに異なる意味を持たせてカウントダウン表示を行うこともできる。具体的には例えば、図81(A)と同じ表示から連打チャレンジを開始し、時間経過とともに、セグ741bの外周のLEDを1つずつ消灯していく。そして、セグ741bの外周の全てのLED(6個のLED)が消灯するたびに(消灯が1周するたびに)、セグ741aのLEDを1つ消灯する。その後、再度セグ741bの外周のLEDを全点灯して、再度消灯を行っていく。これを繰り返すと、セグ741bの外周のLED消灯が3周した場合、すなわち、セグ741bの外周のLEDが合計18回に亘って消灯した場合に、セグ741aのLEDが全て消灯する。このセグ741aの全消灯をもってカウントダウンの終了(操作有効期間の終了)を報知することができる。
なお、連打チャレンジに上記のような複数パターンの演出態様が含まれる場合には、パターンごとにセグ表示の発光色や発光輝度が異なるようにして、連打チャレンジのパターンを識別可能にしてもよい。また、成功結果が得られる期待度に基づいて、連打チャレンジで何れのパターンを導出させるかを選択する等してもよい。
また、図80には、有効時間表示演出のなかに「※」印で記載された部分がある。これは、入力有効報知期間において所定の入力操作(本例では演出ボタン3jの押下操作)が行われていない非操作時の場合に、入力操作を催促する「催促演出」を実行可能であることを意味している。催促演出では例えば、「PUSH」や「Pb」等の文字列をセグ表示するとともに、スピーカ11から「連打」の音声を出力する。
なお、催促演出の実行契機となる上記「非操作時」の判定は、演出制御基板200が所定の判定基準に基づいて判定すればよい。具体的には例えば、入力有効報知期間(操作有効期間)において1回も入力操作が行われていない場合、としてもよいし、入力有効報知期間(操作有効期間)において所定回数(例えば3回)以下の入力操作しか行われていない場合、としてもよい。また、入力有効報知期間(操作有効期間)における直近の入力操作からの経過時間を計時するカウンタを設け、当該カウンタの値が所定時間(例えば3秒)に到達した場合、すなわち、操作有効期間において入力操作の非操作期間が所定時間に達した場合、としてもよい。この場合、入力操作が行われるごとにカウンタをリセットすれば、その後に催促演出を再度実行することができ、カウンタをリセットしなければ、催促演出を1回実行した後は、非操作が遊技者による意思によるものと判断し、再度の催促演出を実行しないようにすることができる。
このように非操作時に催促演出を実行することにより、遊技者に演出ボタン3jの連打操作を促すことができるため、遊技者が求められている入力操作を「単発押し」や「長押し」と勘違いしていた場合に、適切な入力操作の実行を補助できる。また、導入演出を見逃したり聞き逃したりした遊技者に対する補助の役割も果たすことができる。
次に、図80に示した操作後演出について説明する。有効時間表示演出(入力有効報知期間)が終了すると、操作後演出期間に移行して操作後演出が実行される。このとき、操作受付制御の制御状態も、入力有効報知期間から操作後演出期間に移行するタイミングで「有効期間」から「無効期間」に切り替えられる。このように操作受付制御の移行タイミングを演出態様の移行タイミングと同期させることにより、限られた操作有効期間を超えて行われた連打操作を正確に無効化することができる。
操作後演出では、有効時間表示演出(入力有効報知期間)の間に実行された連打の入力操作に基づく結果が、セグ演出表示装置74やスピーカ11を用いて導入演出時や有効時間表示演出時とは異なる態様で表示される。なお、操作後演出で表示される結果は、遊技者操作入力演出の開始時点で予め決定されているとしてもよいし、入力操作の実行時等に成否を抽選する場合には、その抽選結果としてもよい。また、連打の入力操作に特化した結果の決定方法として、例えば、所定回数の入力操作が行われたことを成立条件として、成功結果を表示する等してもよい。
図80には、操作後演出の具体的な演出態様の一例として、青色または赤色のセグ表示で「good」を表示し、スピーカ11による音出力で所定の効果音(SE)を出力することが示されている。但し、操作後演出の演出態様は上記例に限定されるものではなく、単発押しの遊技者操作入力演出の操作後演出で説明したのと同様に、他の様々な演出態様を採用することができる。
以上、連打の遊技者操作入力演出について詳しく説明したが、以下では、セグ表示の発光色の変化について補足する。図80や図81を参照して上述した連打の遊技者操作入力演出では、有効時間表示演出の途中で、演出ボタン3jの連打状況に応じてセグ表示の発光色を変化させてもよいことを説明した。具体的には、外周カウントダウンのセグ表示の発光色を青色から赤色に変化させることや、連打チャレンジにおける結果表示の発光色を黄色から赤色に変化させることを例示した。このような発光色の変化の実行可否について、本実施形態では、演出制御基板200(演出制御CPU201)が実行中のメイン演出の期待度に応じて決定し、演出ボタン3jの操作回数等に基づいて発光色の変化を制御することができる。
具体的な制御方法としては例えば、演出制御基板200(演出制御CPU201)が、特別図柄の変動パターン(図29,図30参照)に基づいて決定される装飾図柄の変動パターンを入力情報として所定の予告パターン抽選を行い、抽選された予告パターンに応じて発光色の変化(変化タイミングや変化条件)を制御する。予告パターン抽選をより具体的に説明すると、発光色変化が発生する予告パターンXと、発光色変化が発生しない予告パターンYとを用意し、遊技者操作入力演出が実行される複数種類の変動パターン(例えば、低期待度で変動時間15秒の変動パターンAと、高期待度で変動時間30秒の変動パターンB)について、異なる振分で予告パターンX,Yの抽選を行う。このとき、変動パターンBが変動パターンAよりも予告パターンXが選ばれ易くすることにより、高期待度の変動パターンBに基づくメイン演出の途中で実行される遊技者操作入力演出において、発光色の変化を発生させ易くすることができる。なお、上記の変動パターンA,Bは変動時間が異なるものに限らず、リーチ種別が異なるものであってもよい。さらに、抽選される予告パターンについて、発光色変化が発生する操作回数が異なる複数種類の予告パターンX1〜X3を用意してもよい。
そして、上記のような発光色変化に関する予告パターン抽選は、連打の遊技者操作入力演出に限定して適用されるものではなく、単発押しや長押し等、他の操作態様による遊技者操作入力演出における発光色変化(発光色の格上げ変化)にも適用することができる。
<遊技者操作入力演出(長押し)>
図82は、長押しの遊技者操作入力演出の一例を説明するための図である。図82を参照しながら、長押しの遊技者操作入力演出について詳しく説明する。
まず、導入演出期間において導入演出が開始され、演出ボタン3jに対する長押しの入力操作が求められることが示唆・報知される。具体的な演出態様として例えば、セグ演出表示装置74はまず、セグ741b,741cを用いて、「PUSH」の文字列を紫色または赤色でセグ表示する(図78(A)も参照)。本例において紫色のセグ表示は、「長押し」操作の遊技者操作入力演出であることを示唆するものであり、赤色のセグ表示は、高期待度を示唆するものである。本実施形態に係る遊技者操作入力演出では、演出の進行に伴う各段階で、高期待度演出であることを示唆するために、セグ表示の発光色を特定色(例えば赤色)に変化させることができる。但し、導入演出の初期段階では、遊技者操作入力演出で求められる入力操作の種別が「長押し」であることを明確にするために、「長押し」操作に対応する紫色で必ず表示するようにしてもよい。
次に、セグ演出表示装置74は、紫色または赤色で「3」、「2」、「1」と順にカウントダウンするセグ表示を行う。このときスピーカ11は、所定の効果音(ジングル)を出力した後、「用意」という音声を出力する。なお、セグ表示における発光色の格下げ変化を防止するために、先の「PUSH」の段階で赤色のセグ表示が行われた場合には、カウントダウンのセグ表示も赤色で行うように制限してもよい。このような格下げ防止の対応は後述する他の段階でも同様である。
そして、導入演出期間の終了が近づくと、セグ演出表示装置74は、紫色または赤色で「PU」、「−−」、「SH」の順に文字列をセグ表示することにより、演出ボタン3jに対する長押しの開始を報知する。このときスピーカ11は、「ぷーーっしゅ!」のように長音を挟む音声出力を行うことによって、押す(プッシュ)という操作を長く行うことを音声でも報知する。
なお、図82に示した導入演出の演出態様は一例に過ぎない。別の演出態様として例えば、導入演出において「PUSH」ではなく「Pb」の文字列をセグ表示するようにしてもよい。また、「3」〜「1」のカウントダウンをセグ表示しない等でもよい。また、長押しをより強調する演出態様として、「Long」(図77(B)参照)及び「PUSH」の文字列をセグ表示するようにしてもよい。また、長押しをより強調する別の演出態様として、「PUSH」及び「Hold」の文字列をセグ表示することも考えられる。また、スピーカ11による音出力の演出態様についても、長押しの入力操作が求められる場合は特殊な演出であることが多いため、専用の音源を用いてもよい。
導入演出が実行される導入演出期間が終了すると、入力有効報知期間に移行して有効時間表示演出が開始される。なお、操作受付制御の制御状態は、図82に示したように、導入演出期間から入力有効報知期間に移行するタイミングで操作受付制御の制御状態が「無効期間」から「有効期間」に切り替えられる。
有効時間表示演出において、セグ演出表示装置74は、時間経過に沿って操作有効時間が減少することを報知する演出を行う。具体的には例えば、図80に示した連打の遊技者操作入力演出における有効時間表示演出と同様に、青色または赤色の発光色で外周カウントダウン表示(図78(C)参照)を行う。
ここで、長押しの遊技者操作入力演出では、入力有効報知期間(操作有効期間)の間に、遊技者が演出ボタン3jを押下し続ける操作が行われる。このとき図82にも示したように、演出ボタン3jが押下されている間、外周カウントダウンのセグ表示は一時消灯し、その後、押下操作が続いている時間の経過に応じてセグ741a〜741cのLEDが順次点灯していく。さらに、セグ741a〜741cのLEDが順次点灯して全点灯した後も演出ボタン3jの押下操作が続いたとき、セグ演出表示装置74は、全LEDの発光色を段階的に変化させる。具体的な色変化としては例えば、白色、青色、黄色、緑色、赤色の順といったように、一般的な遊技者が期待度の向上をイメージする色変化を採用し、最終的な発光色によって、成功結果への期待度を示唆する。成功結果の確定を示唆する虹色を発光色に採用してもよい。また、スピーカ11は所定の効果音(SE)を出力するが、こちらも押下操作が続いている時間の経過に応じて、音量や音階を変化させるようにすることが好ましい。
上記した長押しの遊技者操作入力演出におけるセグ741a〜741cの点灯変化(一時消灯〜順次点灯〜順次色変化)は、演出制御基板200が、長押し操作時の押下回数を判定し、判定した押下回数に基づいてセグ741a〜741cの点灯制御を行うことによって実現される。長押し操作時の押下回数の判定方法を詳しく説明すると、操作有効期間において演出ボタン3jが押下されているとき、演出制御基板200によって実行されるメインループ処理のデバイス管理処理(図55のステップS820)におけるランプ制御と同期しやすい周期(本実施形態では16ms)ごとに、メインループ処理や割込み処理にて押下回数を1回とカウントする。そして、演出制御基板200は、連続して所定回数(例えば30回目)の押下回数がカウントされるまでに順次点灯を進めて、およそ0.5秒程度で全点灯となるように制御し、さらに押下回数のカウントが進んだ場合には、別の所定回数(例えば50回目、80回目など)の押下回数がカウントされるまでに、押下回数の判定に基づいて段階的に発光色の色変化を制御する。なお、押下回数のカウント周期には、演出制御基板200における割込み周期(本実施形態では1ms)を用いてもよい。
このように、有効時間表示演出において、長押し操作を続けることでセグ表示(または音出力)の演出態様が変化することにより、遊技者の興趣を高めながら長押し操作の維持を促進できる。なお、演出ボタン3jの長押し操作中の演出態様の変化中も、カウントダウンはバックグラウンドで進行し、演出ボタン3jの長押し操作が操作後演出期間への移行条件を満たす前に解除された場合には、外周カウントダウン表示が再開されて、残りのカウントがセグ表示される。操作が途中で解除された場合の再操作時の処理について、図中では、順次点灯(最初の処理)からやり直しで表現しているが、順次色変化まで到達している場合は、操作解除時にカウントダウンに移行せず、解除したタイミングの表示を引継ぎ表示とし、操作を再開した場合に続く態様に変化するか否かを判定するものであってもよい。
また、有効時間表示演出の別の演出態様として、前述した連打の遊技者操作入力演出で示した連打チャレンジ(図81)に類するセグ表示を行うこともできる。この場合、セグ741a,741bによる有効期間表示でカウントダウン表示を行い、セグ741cによる結果表示で、長押し操作に基づく結果を表示すればよい。結果表示のセグ変化は、長押し操作が行われている押下時間に応じて行えばよいが、図81との相違点として、結果表示は消灯状態から開始し、全点灯(成功)に向けて徐々に点灯数が増加するように変化させることが好ましい。
なお、図82には、有効時間表示演出のなかに「※」印で記載された部分があるが、これは、図80を参照しながら前述したように、所定の入力操作(ここでは演出ボタン3jの押下操作)が行われていない「非操作時」と判定された場合に、入力操作を催促する「催促演出」を実行可能であることを意味している。繰り返しになるため催促演出の詳細な説明は省略する。
長押しの遊技者操作入力演出において、有効時間表示演出は、予め規定された操作有効期間(入力有効報知期間)が終了するまで継続される。そして、有効時間表示演出(入力有効報知期間)が終了すると、操作後演出期間に移行して操作後演出が実行される。操作受付制御の制御状態は、入力有効報知期間から操作後演出期間に移行するタイミングで「有効期間」から「無効期間」に切り替えられる。
操作後演出では、有効時間表示演出(入力有効報知期間)の間に実行された連打の入力操作に基づく結果が、セグ演出表示装置74やスピーカ11を用いて導入演出時や有効時間表示演出時とは異なる態様で表示される。具体的な演出態様は、図80等と同様であり、説明を省略する。なお、操作後演出で表示される結果は、遊技者操作入力演出の開始時点で予め決定されているとしてもよいし、入力操作の実行時等に成否を抽選する場合には、その抽選結果としてもよい。
<遊技者操作入力演出(引寄せ)>
引寄せの遊技者操作入力演出について説明する。前述したように、引寄せは、レバー構造となっている第2演出ボタン3kに対する入力操作(引寄操作)を意味する。一般的には、第2演出ボタン3kに対する入力操作は、操作有効期間中に1回の引寄操作が行われることで完結するものであり、操作対象を演出ボタン3jに置き換えてみると、演出ボタン3jに対する単発押しに類似した演出態様で遊技者操作入力演出を実現することができる。詳しく言えば、引寄せの遊技者操作入力演出は、演出期間や操作受付制御の遷移について、図76や図79に例示した単発押しの遊技者操作入力演出を流用することができる。
以下では、引寄せの遊技者操作入力演出の演出遷移について説明する。まず、図76と同様、導入演出期間において導入演出が開始され、このとき、操作受付制御の制御状態は「無効期間」に設定されている。引寄せの導入演出において、セグ演出表示装置74は、セグ741b,741cを用いて、第2演出ボタン3kに対する引寄操作を意味する文字列(例えば、図78(B)に示した「PULL」)をセグ表示する。このセグ表示に合わせて、スピーカ11による音出力では所定の効果音(ジングル)を出力した後、「レバー準備・・・・引け!」といった音声を出力することにより、第2演出ボタン3kに対する引寄操作が求められていることを強調報知してもよい。「引け!」の表示タイミングは、導入演出期間終盤の入力有効報知期間開始直前であることが好ましい
なお、本実施形態のパチンコ機1において第2演出ボタン3kは、所定の準備動作を経て引寄操作が有効になるように構成される場合がある。具体的には例えば、「ドライブギア」と称されるレバー状の第2演出ボタン3kが、通常は待機位置に固定され、作動時には、固定が解除されて所定の作動位置まで上昇した後に、操作有効期間において手前に倒すレバー操作(引寄操作)が実行可能になるとする。このような構造の場合、導入演出におけるセグ表示の別例として、最初に「ドライブギア」のイニシャルを示す「dg」の文字列をセグ表示し、レバー操作が可能になる操作有効期間に移行する前に「PULL」の文字列を表示するようにしてもよい。また、「dg」のセグ表示の間に、スピーカ11は「レバー準備中だ」といった音声を出力し、「PULL」のセグ表示になったときに「引け!」といった音声を出力してもよい。
また、引寄せの導入演出における「PULL」や「dg」のセグ表示は、第2演出ボタン3kの引寄操作の遊技者操作入力演出であることを示唆する特定色(例えば橙色)の発光から開始することで、他の操作種別と区別することができる。但し、第2演出ボタン3kは演出ボタン3jよりも目立つ演出ボタンであることを考慮して、操作種別を区別可能な特定色の発光を行わずに、高期待度を示唆する赤色で発光するようにしてもよい。
導入演出期間における導入演出が終了すると、入力有効報知期間に移行し、有効時間表示演出が開始される。ここで、操作受付制御の制御状態は、図76等に示した単発押しの場合と同様に、少なくとも、入力有効報知期間に移行して有効時間表示演出が開始されるまでに、第2演出ボタン3kの入力操作が有効となる「有効期間」に切り替えられる。なお、単発押しの場合と同様に、導入演出における「PULL」というセグ表示や「引け」という音出力を受けて遊技者が即座に入力操作を行う場合を考慮して、導入演出期間の終盤から、制御状態を有効期間に切り替えるようにしてもよい。
引寄せの遊技者操作入力演出における有効時間表示演出は、「PUSH」や「Pb」のセグ表示を「PULL」や「dg」に置き換えた上で、図76や図79等に示した有効時間表示演出における演出態様を兼用して実現することができる。詳細は繰り返しになるため省略する。
また、引寄操作に固有の有効時間表示演出を行おうとする場合には、例えばセグ741b,741cを用いて、「PU」、「LL」、「−−(上・上)」、「−−(中・中)」、「−−(下・下)」のセグ表示を繰り返し表示する等してもよい。このとき、「PULL」のセグ表示によって引寄操作という操作種別が報知され、「−−」が上段から下段に移動するセグ表示によって第2演出ボタン3kのレバーを倒す動的なイメージが提示される。
さらに、上記セグ表示の繰り返しのなかで、単発押しで前述したのと同様に、時間経過に伴って(例えば繰り返し回数に応じて)セグ表示の発光色を徐々に変化させてもよい。具体的には例えば、有効時間表示演出において「PU」、「LL」、「−−(上・上)」、「−−(中・中)」、「−−(下・下)」という一連のセグ表示の繰り返しを4回行う場合、各回の発光色を、赤色、緑色、黄色、青色の順に変化させるとすれば、時間経過に伴って期待度が次第に低下していくように感じさせることができる。このような色変化を行うことにより、期待度の高い第2演出ボタン3kに対する入力操作を速やかに実行させるよう遊技者を促すとともに、時間経過によってその実行機会が失われつつある(操作有効期間が残り少ない)ことを示唆することができる。また、実際には時間経過によって期待度が変化するわけではないことから、入力操作が遅くなった遊技者を失望させない等の目的で、期待度示唆との関連性が低い色や、期待度の向上/低下を連想させ難い順番で発光色を変化させるようにしてもよい。
そして、有効時間表示演出において第2演出ボタン3kの引寄操作が行われた場合、あるいは所定の操作有効期間が経過した場合は、入力有効報知期間から操作後演出期間に移行し、操作後演出が開始される。操作後演出の演出態様は、単発押しの遊技者操作入力演出における操作後演出と同様の演出態様で実現でき、詳細な説明を省略する。
また、入力有効報知期間から操作後演出期間に移行したとき、操作受付制御の制御状態は「有効期間」から「無効期間」に切り替えられ、以後、少なくとも本遊技者操作入力演出が終了するまで、第2演出ボタン3kの入力操作は無効とされる。前述したように第2演出ボタン3kが作業位置にある場合には、「無効期間」への切替後、待機位置に戻す動作を行うようにしてもよい。
以上のようにして、演出制御基板200は、他の操作種別と区別可能な演出態様で、第2演出ボタン3kに対する引寄せの遊技者操作入力演出を実行することができる。
なお、上記では単発押しに類似する引寄せの遊技者操作入力演出について説明したが、本実施形態は、引寄せ操作の他の操作種別による遊技者操作入力演出、具体的には、第2演出ボタン3kの複数回の引寄操作を求める「引寄せ連打」や、第2演出ボタン3kを引寄せたまま維持する操作を求める「引寄せ長押し」等に対応する遊技者操作入力演出への適用が除外されるものではない。詳細な説明は省略するが、「引寄せ連打」の遊技者操作入力演出の場合は、図80を参照しながら前述した連打の遊技者操作入力演出に準じて、第2演出ボタン3kに対する操作を要求する演出態様を構成すればよく、「引寄せ長押し」の遊技者操作入力演出の場合は、図82を参照しながら前述した長押しの遊技者操作入力演出に準じて、第2演出ボタン3kに対する操作を要求する演出態様を構成すればよい。
<遊技者操作入力演出(オート連打)>
オート連打の遊技者操作入力演出について説明する。前述したように、オート連打は、遊技者が設定可能なカスタマイズ機能によって、あるいは遊技機の仕様として、パチンコ機1が持ち得るオート連打機能が有効(ON)になっているときに、操作有効期間に演出ボタン3jが押下し続けられる操作を意味する。このとき、演出ボタン3jの押下操作が継続する間は、演出ボタン3jの連打と同様の入力操作が行われていると見なされ、1回の入力操作に対応する入力情報が、予め定められた間隔で繰り返し演出制御基板200に送信される。
そして、一般的には、演出ボタン3jのオート連打が有効に受け付けられる状況では、遊技者による演出ボタン3jの連打操作も有効に受け付けられる。したがって、オート連打の遊技者操作入力演出は、遊技者による演出ボタン3jの押下態様以外は、図80等を参照しながら前述した連打の遊技者操作入力演出と同様の演出態様で実現することができ、詳細な説明は省略する。
なお、オート連打が有効であることを明示しながら連打の遊技者操作入力演出を実行したい場合には、導入演出において、「連打」操作の遊技者操作入力演出であることを示唆する特定色(本例では緑色)のセグ表示に代えて、「オート連打」操作も可能な遊技者操作入力演出であることを示唆する別の発光態様によるセグ表示(例えば、交互に緑色と紫色で発光するセグ表示)を行うようにしてもよい。
<遊技者操作入力演出(自動操作)>
図83は、自動操作有効時における単発押しの遊技者操作入力演出の一例を説明するための図である。図83は、図76に例示した、自動操作機能が無効に設定されている場合(自動操作無効時)における単発押しの遊技者操作入力演出(通常パターン)が、自動操作機能が有効に設定されている場合(自動操作有効時)にはどのような演出態様で実行されるかを例示したものである。以下、図76と比較しながら図83を参照することにより、自動操作有効時の遊技者操作入力演出の特徴について詳しく説明する。
まず、これまでに説明した自動操作無効時の他の遊技者操作入力演出と同様、導入演出期間において導入演出が開始される。図76と比較すれば分かるように、導入演出の演出態様のうち、セグ表示は、自動操作無効時と同様でよく、その発光色は、「単発押し」操作に対応する白色とされる。なお、音出力については、自動操作有効時は遊技者に対して演出ボタンの入力操作を要求する必要がないことから、図83の場合、特段の音出力を行わないとしている。但しこれは一例であり、自動操作無効時と同じ音出力(図76の場合、ジングルの後、「押せ」という音声出力)としてもよいし、または、自動操作有効であることを報知する音出力(例えば「オート操作準備中」といった音声出力)を行ってもよい。
また、操作受付制御の制御状態は、自動操作無効時と同様に制御される。すなわち、導入演出の開始時には「無効期間」とされ、少なくとも、導入演出期間から入力有効報知期間に移行するまでに「有効期間」に切り替えられる。図83の場合は、図76を基準にしているため、入力有効報知期間に移行するタイミングと同時ではなく、先行するタイミングで「有効期間」に切り替えている。このように、自動操作無効時と同様に操作受付制御を制御することにより、演出制御基板200による制御パターンを増やさずに済む。
次に、入力有効報知期間に移行すると、有効時間表示演出が開始される。有効時間表示演出の演出態様は、自動操作無効時と同様の演出態様(図76参照)としてもよいが、図83には、有効時間表示演出における自動操作有効時固有の演出態様の一例が示されている。
図83に示したように、有効時間表示演出では青色の発光色で外周カウントダウンのセグ表示が行われる。遊技者の操作は必要としないため、図76の「Pb」のようなセグ表示は行わない。外周カウントダウンにおけるセグ表示の遷移は、図78(C)の例と同様にしてよいが、自動操作有効時の特徴として、操作有効期間ではなく自動操作(見なし操作)が行われるまでの時間をカウントダウン表示する。具体的には、自動操作が行われるまでの時間値をカウントダウンで表示するようにしてもよいし、操作有効期間のカウントダウン表示を行っているように見せながら、自動操作の実行タイミングでカウント「0」になるようにカウントダウンの速度を速めてもよい。そして、自動操作(見なし操作)のタイミングになると、カウントダウン表示時とは異なる赤色でセグ表示を行う(表示内容は任意であり、例えば、セグ741a〜741cの全LEDを点灯させる)ことにより、好適な入力操作(本例では演出ボタン3kの単発押し)に相当する処理が自動実行されたことを示唆する。また、他の例として自動操作(見なし操作)が行われるタイミングを示唆するよう、セグ741a〜741cの外周LEDの1のLEDについて予め赤く表示しておくなどの手法も考えられる。
なお、自動操作有効時の遊技者操作入力演出では、遊技者が演出ボタンを操作する必要がないことから、自動操作無効時の遊技者操作入力演出に関して前述した「催促演出」を実行する必要はない。
そして、見なし操作の実行により、単発押しの入力操作が行われた場合と見なされるので、入力操作に関する入力条件が満たされる。そこで、入力有効報知期間は終了し、操作後演出期間に移行して操作後演出が開始される。またこのとき、操作受付制御の制御状態は「有効期間」から「無効期間」に切り替えられ、以後、少なくとも本遊技者操作入力演出が終了するまで、演出ボタン3jの入力操作は無効とされる。
操作後演出では、自動操作(見なし操作)に基づく結果を、セグ演出表示装置74やスピーカ11を用いて、導入演出時や有効時間表示演出時とは異なる態様で表示する。図83の場合、操作後演出の演出態様は、図76の場合と同じく、所定の効果音(SE)とともに、成功結果の場合には「good」の文字列が青色でセグ表示され、失敗結果の場合には「−−」の文字列がセグ表示される。
なお、本実施形態に係るパチンコ機1では、自動操作機能が有効に設定されている場合であっても、操作有効期間に、遊技者によって操作ボタンに対する所定の入力操作(本例では演出ボタン3jの単発押し)が行われた場合には、演出制御基板200が、自動操作非設定時と同様に当該入力操作を有効に受け付けるようにしてよい。このような場合、演出制御基板200は、当該入力操作を契機として、現在の遊技者操作入力演出の結果表示(操作後演出)が終了するまで、自動操作非設定時に対応した演出制御を行う。そして、操作後演出が終了した後の自動操作機能の設定(有効/無効)をどのようにするかは、仕様が定めるところに従う。このような制御により、自動操作機能が有効に設定されている場合でも、特定の遊技者操作入力演出に対して遊技者が自身で入力操作を行いたいと考えたときには、遊技者による入力操作を優先して演出を進めることができるため、遊技者の満足感の向上に期待できる。
但し、自動操作機能が有効に設定されているときに操作有効期間に遊技者による入力操作が行われて、当該入力操作に基づく操作後演出が行われた場合でも、その後の自動操作機能の設定(有効/無効)をどのようにするかは、遊技機の仕様で定めるところに従う。
例えば、本実施形態において、パチンコ機1が装飾図柄の変動表示や演出表示を行う表示器として液晶表示装置70を備えている場合には、図柄の変動表示中等であっても自動操作機能の設定の変更について液晶画面上で報知するといった対応が容易であるため、演出制御基板200は、自動操作機能が有効に設定されているときに、遊技者によって操作ボタンが操作された場合には、自動操作機能の有効設定を解除し(自動操作無効にし)、その旨を液晶画面に表示して報知するようにしてよい。
一方、本実施形態において、パチンコ機1が装飾図柄の変動表示や演出表示を行う表示器として液晶表示装置70を備えておらず、例えばドラム式演出表示装置71を備えているような場合には、図柄の変動表示中等に自動操作機能の設定の変更について報知することは容易ではない。したがってこのような構成の場合は、自動操作機能が有効に設定されているときに、図柄の変動表示中(操作有効期間を含むが、後段に説明する「特別な変動表示中」を除く)に遊技者によって操作ボタンが操作されたとしても、自動操作機能の設定は変更しない(但し、前述したように、操作有効期間中に行われた入力操作を有効に受け付けて演出処理を進めることは可能)とすることが好ましい。
さらに、本実施形態に係るパチンコ機1が装飾図柄の変動表示や演出表示を行う表示器として液晶表示装置70を備えていない場合における自動操作機能の設定変更操作について補足する。このようなパチンコ機1において自動操作機能の「有効」と「無効」の設定を切り替える操作方法として、例えば以下の操作方法を仕様とすることができる。まず、遊技待機中(デモ画面表示中)に演出ボタン3jの長押し操作(例えば3秒以上の押下操作)が実行された場合に、自動操作機能の設定が切り替えられるとしてよい。また、前段で示した「特別な変動表示中」に相当する一例として、一部の変動パターン(例えば、リーチ演出に発展しないハズレ変動や、煽り演出が発生しないハズレ変動。所謂、ドハズレの変動)の図柄変動中に、演出ボタン3jの長押し操作(例えば3秒以上の押下操作)が実行された場合に、自動操作機能の設定が切り替えられる、としてもよい。また、前段で示した「特別な変動表示中」に相当する別例として、演出ボタン3jや第2演出ボタン3kの操作が要求される遊技者操作入力演出の実行中以外の図柄変動中、あるいはリーチ演出の実行中以外の図柄変動中に、演出ボタン3jの長押し操作(例えば3秒以上の押下操作)が実行された場合に、自動操作機能の設定が切り替えられる、としてもよい。また、上述した各仕様を組合せてもよい。上述した仕様を採用することにより、パチンコ機1が装飾図柄の変動表示や演出表示を行う表示器として液晶表示装置70を備えていない場合であっても、遊技者が他の演出表示等と混同し難い態様で、自動操作機能の設定切替を実現することができる。
また、ここまで図83を参照しながら、自動操作有効時の遊技者操作入力演出について説明したが、本実施形態に係る遊技者操作入力演出において、有効時間表示演出における自動操作有効時固有の演出態様は、図83に例示した演出態様に限定されるものではない。他にも例えば、カウント「0」で見なし操作のタイミングになったとき、セグ表示(例えば「0」)を点滅させずに、LEDの輝度を徐々に低下させて最終的には消灯する(フェードアウト)ようにしてもよい。
また例えば、図76を参照しながら説明した単発押しの有効時間表示演出で一例として挙げたのと同様に、自動操作有効時の有効時間表示演出においても、カウントダウン表示においてセグ表示の発光色を順次変化させるようにしてもよい。この場合、色変化の途中で自動操作のタイミングが到来したときに、セグ表示を消灯させるようにすることで、自動操作が実行されたことを示唆する。
以上、自動操作無効時の遊技者操作入力演出における遊技態様と比較しながら、自動操作有効時の遊技者操作入力演出の演出態様について詳しく説明した。ここで、本実施形態に係る遊技者操作入力演出において、自動操作有効時と自動操作無効時とで演出態様を共通化できるか否かについては、以下のようにまとめることができる。
まず、導入演出においては(特にセグ表示において)、自動操作有効時と自動操作無効時とで演出態様を共通化してよい。これは、入力操作の操作種別が「単発押し」である場合に限定されるものではなく、他の操作種別、すなわち、「連打」や「長押し」、あるいは「引寄せ」でも同様である。
次に、有効時間表示演出においては、単発押しの場合は、自動操作有効時と自動操作無効時とで演出態様を共通化してもよいし、自動操作有効時に固有の演出態様としてもよい。一方、操作種別が「連打」や「長押し」である場合は、有効時間表示演出において自動操作有効時に固有の演出態様を現出する意味合いは大きくないため、自動操作無効時と同様の演出態様で実施すればよい。「引寄せ」の場合は、何れでもよい。
そして、操作後演出においては、入力操作が何れの操作種別である場合も、自動操作有効時と自動操作無効時とで共通の演出態様としてよいし、自動操作有効時であることを区別できるようにしてもよい。区別できるような具体的な演出態様として、例えば、自動操作有効時には自動操作無効時よりも効果音(SE)の音量を小さくしたり、結果表示(例えば「good」のセグ表示)を行わないようにしたりすればよい。但し、遊技者操作入力演出による結果表示が遊技者の期待度を高める場合には、自動操作であっても結果表示を行うことが好ましい(言い換えれば、失敗結果である場合は、敢えて結果表示をしなくてもよい)。
<遊技者操作入力演出のまとめ>
上述したように、本実施形態に係るパチンコ機1では、遊技者によって操作可能な演出用の操作手段(演出入力装置:演出ボタン3j、第2演出ボタン3k)に対する入力操作の操作種別に応じて、演出制御基板200が、導入演出によって求められる入力操作を報知し、有効時間表示演出によって当該入力操作が有効な操作有効期間を報知し、操作後演出によって当該入力操作に基づく結果表示を報知することにより、遊技者操作入力演出を実現することができる。
このような本実施形態に係るパチンコ機1によれば、上記の遊技者操作入力演出を、所定の発光演出装置(例えばセグ演出表示装置74)を用いて実現できることにより、液晶表示装置70のような動的な映像表示手段を用いることなく、遊技者が容易に認識できる態様で演出用の操作手段の操作有効期間を報知することができる。
また、本実施形態に係るパチンコ機1によれば、図76〜図83に示した具体例やそれに付随して説明した派生例のように、演出制御基板200が、遊技者操作入力演出の入力有効報知期間に、当該遊技者操作入力演出の演出パターンに応じた発光演出を発光演出装置(セグ演出表示装置74)に実行させることにより、演出入力装置(例えば演出ボタン3j)の操作有効期間中であるか否かだけでなく、当該演出の期待度や操作有効期間の残り期間等、多様な情報を報知することができる。
また、本実施形態に係るパチンコ機1によれば、図76及び図79に具体例を示したように、演出制御基板200が、遊技者操作入力演出の入力有効報知期間に、発光演出装置(セグ演出表示装置74)による発光演出を、通常態様(通常パターン)と、通常態様よりも遊技者に利益が付与される期待度が高いことを示すチャンス態様(チャンスパターン)との何れかの態様で実行可能であることにより、期待度に基づいた演出態様を現出することができ、遊技興趣を高める効果に期待できる。
また、図76〜図83等を用いて操作種別ごとの遊技者操作入力演出を説明したように、本実施形態に係る遊技者操作入力演出には、所定の入力条件(操作後演出で結果表示が行われるための入力条件)を満たすための演出入力装置に対する入力操作の操作態様(例えば演出ボタン3jに対する単発押し、連打、長押し等)が異なる複数の演出パターンが設けられている。そして、演出制御基板200は、操作種別を区別可能な発光色でセグ表示を行う等、演出パターンごとに異なる演出態様で、遊技者操作入力演出の入力有効報知期間に、当該遊技者操作入力演出の演出パターンに応じた発光演出を発光演出装置(セグ演出表示装置74)に実行させることにより、発光演出装置を見た遊技者が、求められる入力操作の操作種別を容易に識別できる。かくして、例えば、パチンコ機1が、装飾図柄の変動表示や演出表示を行う表示器としてドラム式演出表示装置71を備えて構成されるような場合であっても、液晶表示装置70のような動的な映像表示手段を用いることなく、遊技者操作入力演出で求められる入力操作を分かり易く報知・示唆することができる。
なおここまでは、遊技者操作入力演出の演出態様について、セグ演出表示装置74によるセグ表示を主とし、スピーカ11による音出力で補佐する実現方法を説明したが、本実施形態は、遊技者操作入力演出による演出表示の一部または全てを、セグ演出表示装置74に代えて、装飾図柄の変動表示を行う演出表示装置(液晶表示装置70やドラム式演出表示装置71)以外の演出制御基板200によって点灯制御される「他の発光装置」に適用して実現してもよい。
他の発光装置の具体的な候補としては、まず、演出制御基板200のランプ演出制御手段230によって点灯制御される枠ランプ10または盤ランプ25が挙げられる。枠ランプ10や盤ランプ25の場合、その点灯制御を利用して、上記演出表示の一部または全てを表現する。また他の候補として、演出ボタン3j(または第2演出ボタン3k)の近傍または内部に設けられたランプ等の発光装置(例えば、演出ボタン内部のLEDや期待度表示LED76、またはこれらに追加して設けられた導光板等)であってもよい。例えば、期待度表示LED76がフルカラーLEDで構成される場合は、上述の枠ランプ10や盤ランプ25と同様にその点灯制御によって演出表示の一部または全てを表現することができる。また、期待度表示LED76が液晶表示装置(ミニ液晶)で構成される場合は、液晶の表示画面に演出ボタン3jを模したボタン画像を表示する等により、演出ボタン3jの入力操作を要求することが可能である。
本実施形態では、上記のような「他の発光装置」を用いて遊技者操作入力演出を実現した場合も、前述したセグ演出表示装置74を用いた遊技者操作入力演出と同様の効果を得ることに期待できる。例えば、装飾図柄の変動表示を行う演出表示装置による映像表示手段を用いることなく、遊技者が容易に認識できる態様で演出用の操作手段の操作有効期間を報知することに期待できる。
また、上記の他のランプ(例えば、ガラス枠3の演出ボタン3jに設けられたランプ等)で表示する場合でも、遊技盤上のセグ演出表示装置74と連動させて有効期間を示す発光表示を実行させるように構成してもよい。連動する表示は、発光の色彩や点滅周期等が一致するものでもよいし、発光の色彩のみ共通としてセグ演出表示装置74の表示と類似となる発光態様にて有効期間であることを識別可能となるものであればよい。このように、他のランプを連動させるように制御するものであれば、セグ演出表示装置74にて有効期間を報知しない(できない)特定の状況であっても、他のランプにおいては表示を実行可能とするものでもよい。
<付加変動パターンを利用した特別図柄変動パターンの決定>
本実施形態に係るパチンコ機1では、前述した運命リーチ演出のように、大当り報知の機会を複数回有し、どのタイミングで大当りが報知されるかによって大当りの利益を異ならせるリーチ演出を実行することができる。
例えば、運命リーチ演出の説明で例示した図75の場合、1図柄目、2図柄目、及び3図柄目の合計3回の煽りタイミングのそれぞれで、大当りが報知される可能性がある(これに加えて救済変動による大当り報知もあるが、ここでは省略する)。このとき、何度目で大当りが報知されたかによって、獲得できる大当り遊技のラウンド数(またはその振分)に差異が設けられているため、大当りによって付与される利益(またはその期待値)が変わる。具体的には例えば、前述の図75を参照した説明からラウンド数を変更して、運命リーチ演出で報知される大当りで獲得できる大当り遊技のラウンド数を、4ラウンド、6ラウンド、8ラウンド、及び10ラウンドの4種類としたとき(以降は、この4種類の大当りを用いて説明する)、1図柄目で大当りが報知された場合には4ラウンド以上の大当りが確定し、2図柄目で大当りが報知された場合には6ラウンド以上の大当りが確定し、3図柄目で大当りが報知された場合は8ラウンド以上の大当りが確定するとすれば、大当りの報知タイミングが遅くなるほど、ラウンド数の多い大当りに期待できるため、大当りによる賞球の獲得量に対する期待値が高くなる。
しかし、上記の運命リーチ演出のようなマルチラインリーチでは、主制御CPU101の特別図柄停止判定手段(当り図柄抽選)によって決定された大当り図柄(実行される大当り遊技の種類によって分けられた「図柄群」と置き換えてもよい)に応じて、大当り図柄を停止可能な煽りタイミングが異なってくるため、従来の遊技機による変動パターンの決定方式では、大量の変動パターンのデータが必要になってくるという問題があった。上記の運命リーチ演出を例にとれば、8ラウンド以上大当りの大当り図柄が選ばれた場合は、大当り図柄を停止可能なタイミングは1図柄目から3図柄目の何れでもよいため、単純に変動パターンを考えると、「運命リーチ−1図柄目−8ラウンド以上大当り図柄停止」、「運命リーチ−2図柄目−8ラウンド以上大当り図柄停止」、及び「運命リーチ−3図柄目−8ラウンド以上大当り図柄停止」の3種類の変動パターンが、8ラウンド以上大当りに対して必要になる。同様に、6ラウンド大当りの大当り図柄が選ばれた場合には、大当り図柄を停止可能なタイミングは1図柄目か2図柄目に限定されるため、「運命リーチ−1図柄目−6ラウンド大当り図柄停止」及び「運命リーチ−2図柄目−6ラウンド大当り図柄停止」の2種類の変動パターンが、6ラウンド大当り図柄の種類分だけ必要になる。
特に、ドラム式演出表示装置71を備えたパチンコ機1のような所謂ドラム機では、リーチ演出中にリールを物理的に移動する必要があるので、マルチラインリーチにおいて利益量が異なる大当りの当選を煽る場合に、大当り図柄ごとに各タイミングでの煽りを実現しようとするために、非常に多くの図柄変動パターン(特に変動時間)が必要になってしまう。しかし、特別図柄変動パターンが記憶される主制御ROM102のメモリ容量には制限があり、主制御ROM102には他にもメイン制御に関するプログラムやデータを記憶しなければならいことから、特別図柄変動パターンに関するデータ量が過剰に増加することは好ましくない。
そこで、本実施形態に係るパチンコ機1では、上記の課題を解決する方法として、特別図柄変動パターンの決定において、主変動パターンと、主変動パターン及び大当り図柄(図柄群)に基づいて決定可能な付加変動パターンとを利用する方法を提案する。以下に、本実施形態に係るパチンコ機1の一実施例として詳しく説明する。
本実施例で説明する特別図柄変動パターンの決定方法は、本実施形態に係るパチンコ機1について前述した各処理(例えば図32〜図62)のうち、主として、特別図柄変動開始処理(図46参照)の一部を変更することによって実現できる。そのため、以下の説明では、その他の処理や構成等については、パチンコ機1に関するこれまでの説明内容を原則として流用し、説明を省略する。但し、図46より前の処理で扱われる特別図柄変動パターン、すなわち、始動口監視制御処理(図39参照)で取得された特別図柄変動パターン乱数値に基づいて選択される「特別図柄変動パターン」は、本実施例の説明では「主変動パターン」と読み替える。本実施例における特別図柄変動開始処理の詳細は、図87等を参照しながら後述される。
本実施例では、特別図柄変動パターンを、主変動パターンと、主変動パターンの前または後に付加される付加変動パターンとの組合せによって構成する。主変動パターンは、始動口監視制御処理(図39参照)で取得された特別図柄変動パターン乱数値に基づいて選択される変動パターンであり、1回の特別図柄変動に対して必ず1つの主変動パターンが選択される。そして、付加変動パターンは、主変動パターン及び大当り図柄(図柄群)に基づいて、1段階または複数段階の処理を経て決定される変動パターンである。なお、付加変動パターンにダミー(当選情報「なし」に相当)が選択された場合は、実質的には主変動パターンだけで特別図柄変動パターンが構成される。なお、詳述は避けるが、付加変動パターンの抽選は、特定の遊技状態等においては乱数値を用いた抽選処理を行わず必ずダミーが選択されるように構成されていてもよい。また、本実施例では、パチンコ機1がドラム式演出表示装置71を備えているとして説明するが、必ずしもドラム等の物理的な表示装置によって演出を表示する遊技機に限定されるものではなく、液晶表示装置等によって演出を表示する遊技機でも実現可能である。
<(1)変動パターンテーブル等>
まず、本実施例の説明に用いるテーブルデータ等を図84〜図86に示す。なお、図84〜図86では各種の変動パターン等を例示するが、これらは変動パターン等に関する全ての情報を示したものではない。例えば、変動パターンにはそれぞれ所定の変動時間が設定されるが、簡略のため図面での表記を省略する。また、小当りも、簡略のため記載を省略する。また、図84には第1特別図柄の変動パターンを例示するが、第2特別図柄についても各種の変動パターンが用意されると考えてよい。また、図84には、変動パターンが使用されるモードを記載しないが、実際には、モード別に変動パターンが設定されると考えてよい。ここでいう「モード」には、例えば、今回の変動の当否情報や当り図柄、変動開始時(あるいは変動開始後)の保留数など特別図柄の変動に関する遊技状態の情報、低確率状態、高確率状態、時短状態、ST状態といった遊技状態の他、STや時短の残回数といった遊技状況も含めることができる。さらに、「初当り後の時短中」といったより限定的な遊技状態も「モード」とすることができる。
図84は、主変動パターン及び付加変動パターンを含む特別図柄変動パターンテーブルの一例を示す図である。図84には、本実施例における特別図柄変動パターンテーブルの一例として、主変動パターンと付加変動パターンの組合せ例が示されている。特別図柄変動パターンテーブルは主制御ROM102に格納され、主制御CPU101によって参照される。なお、図84における主変動パターン(変動時間)は、図87にて後述するステップS1201〜ステップS1203の処理にて決定され、付加変動パターン(付加変動時間)は、変動付加時間決定処理(ステップS1204)あるいは変動時間決定処理(ステップS1205)内で決定される。
図84では、それぞれの主変動パターンの整理番号として主変動パターン番号が割り当てられ、それぞれの付加変動パターンの整理番号として付加変動パターン番号が割り当てられている。そして、主変動パターンと付加変動パターンの組合せによって特別図柄変動パターンが構成され、それぞれの特別図柄変動パターンの整理番号として全体番号が割り当てられている。
図84の「当りの種別」欄には、大当りの種別(大当り図柄や大当り図柄群と読み替えてもよい)ごとに、特別図柄変動パターン(主変動パターン及び付加変動パターン)との対応関係が示されている。なお、大当りの種別は、大当りを示す大当り図柄(図柄群と読み替えても良い)によって定まるものであるから、図84の「当りの種別」欄は、大当りの図柄情報(大当り図柄あるいは大当り図柄群)ごとに、主変動パターン及び付加変動パターンとの対応関係を示したものとも捉えることができる。図84の例では、具体的な大当りの種別として、4ラウンド大当り(4ラウンド大当り図柄、4ラウンド大当り図柄群)、6ラウンド大当り(6ラウンド大当り図柄、6ラウンド大当り図柄群)、8ラウンド大当り(8ラウンド大当り図柄、8ラウンド大当り図柄群)、及び10ラウンド大当り(10ラウンド大当り図柄、10ラウンド大当り図柄群)、が用いられる。当然のことながら、ラウンド数が多い方が、賞球による遊技者への利益は大きい。
図84の「変動付加ジャンル通し番号」欄には、主変動パターンと図柄情報(特に大当り図柄(図柄群))との組合せを分類したグループ(変動付加ジャンル)ごとに、変動付加パターンとの対応関係が示されている。図84の変動付加ジャンル通し番号は、図85に示す変動付加抽選テーブルの変動付加ジャンル通し番号に対応しており、その詳細は後述する。
まず、図84に例示した主変動パターンを説明する。主変動パターン番号「1番」〜「10番」の主変動パターンは、ハズレパターンの図柄変動に対応する変動パターンである。但し、これらハズレパターンの主変動パターンには、特別図柄抽選の結果がはずれの場合にのみ選択されるもの(ハズレ専用の主変動パターン)と、特別図柄抽選の結果がはずれ/大当りの何れであっても選択され得るもの(ハズレ/当り共用の主変動パターン)とが含まれている。具体的には、主変動パターン番号「1番」〜「3番」の主変動パターンはハズレ専用の主変動パターンであり、例えば「2番」のノーマルリーチAハズレの場合、「当り種別」との対応関係を見ると、何れの大当りにも対応しないことが分かる。一方、ハズレパターンの主変動パターンのうち主変動パターン番号「4番」以降の主変動パターンはハズレ/当り共用の主変動パターンであり、例えば「4番」のSPリーチAの場合、「当り種別」との対応関係を見ると、10R大当り〜4R大当りの全大当りにも対応可能なことが示されている。つまり、主変動パターン番号「4番」のSPリーチAの主変動パターンは、はずれ結果を示すSPリーチA演出を実行しようとする場合だけでなく、大当りを示すSPリーチA演出を実行しようとする場合にも選択することができる。
主変動パターン番号「11番」〜「22番」の主変動パターンは、当りパターンの図柄変動に対応する変動パターン(当り専用の主変動パターン)である。当り専用の主変動パターンは、特別図柄抽選の結果が大当りの場合にのみ選択されるものであり、例えば「11番」のノーマルリーチB当りの場合、「当り種別」との対応関係を見ると、6R以上の大当りに対応することが分かる。
次に、図84に例示した付加変動パターンを説明する。付加変動パターンは、1の主変動パターンに対応して1乃至複数が用意されており、主変動パターン及び大当り図柄(図柄群)に基づいて、直接または複数段階の処理を経て、主変動パターンに付加され得る付加変動パターンが定まる。なお、付加変動パターン番号「0」番の付加変動パターンはダミーであり、ダミーの付加変動パターンが選択されるような場合は、主変動パターンだけで特別図柄変動パターンが構成されると考えてもよい。
図84の場合、主変動パターン番号「1番」〜「10番」のハズレパターンの主変動パターンに対応して付加変動パターンが付加されることによって、全体番号「1番」〜「20番」の変動パターンが決定可能であることが示されており、主変動パターン番号「4番」のハズレ/当り共用の主変動パターン、および主変動パターン番号「11番」〜「22番」の当り専用の主変動パターンに対応して付加変動パターンが付加されることによって、全体番号「21番」〜「50番」の変動パターンが決定可能であることが示されている。
具体的には例えば、全体番号「4番」の変動パターン(SPリーチAハズレ)及び全体番号「5番」の変動パターン(SPリーチAハズレ_ハズレ後煽りガセ)は、主変動パターン番号「4番」の主変動パターン(SPリーチA)が選択され、かつ、特別図柄抽選の結果がはずれ(大当り図柄ではない)場合に、図85に示す変動付加抽選テーブルの抽選結果によって選択された付加変動パターンを付加することによって選択される。このうち、全体番号「4番」の変動パターンは、SPリーチA演出がハズレ態様で終了した後に特段の追加演出を行わない場合に選択される変動パターンであり、全体番号「5番」の変動パターンは、SPリーチA演出がハズレ態様で終了した後に、追加の煽り演出(但し、最終的にはハズレが報知される)を行う場合に選択される変動パターンである。
また例えば、全体番号「23番」の変動パターン(SPリーチB当り_1図柄目)、全体番号「24番」の変動パターン(SPリーチB当り_2図柄目)、及び全体番号「25番」の変動パターン(SPリーチB当り_3図柄目)は、何れも主変動パターン番号「12番」の主変動パターン(SPリーチB当り)が選択された場合に、大当り図柄(大当り図柄群)に応じて用いられる変動付加抽選テーブルの抽選結果によって選択された付加変動パターンを付加することによって選択され得る変動パターンであり、順に、1図柄目、2図柄目、3図柄目の煽りタイミングで大当りを報知するSPリーチB演出を行う場合に選択される。SPリーチB演出当りの主変動パターンが選択された場合に、どの付加変動パターンが選択されるかは、特別図柄抽選でどの大当り図柄(大当り図柄群)が選ばれたかによって振分が異なり、この振分のために、後述する変動付加抽選テーブルが用いられる。
ここで、SPリーチB演出について説明を補足する。本実施例の「SPリーチB演出」は、3図柄のマルチラインリーチに相当し、ドラム式演出表示装置71において例えば図75に示した運命リーチ演出と同様のリーチ演出が実行される。すなわち、SPリーチB演出は、1図柄目で大当りが報知される場合(図75(C)参照)、2図柄目で大当りが報知される場合(図75(G)参照)、及び3図柄目で大当りが報知される場合(図75(K)参照)のように、最大で3回の煽りタイミングによる大当りの報知機会を有し、大当りの報知タイミング、停止する大当り図柄(図柄群)によって、大当りの利益(またはその期待値)が異なるリーチ演出である。SPリーチB演出でハズレが報知される場合には、3図柄目の煽りタイミングを経て、図柄が揃わずに停止する(図75(L)参照)。
また、SPリーチB演出では、3図柄目の煽りタイミングを経てハズレ態様で仮停止した後に、リール711が再始動して図柄が揃って停止して大当りを報知する救済演出(救済変動)に発展するケースもある。この救済演出に対応する主変動パターンとしては、主変動パターン番号「12番」ではなく、ハズレ/当り共用の主変動パターン番号「5番」のSPリーチBハズレが選択される。ここで、主変動パターン番号「5番」の主変動パターンはハズレ/当り共用であり、特別図柄抽選(第1特別抽選)によって大当り図柄が選ばれた場合に必要となる救済演出用の変動時間は確保されていない。しかし、本実施例では、後述する変動時間決定処理において救済演出用の固定時間値を変動時間に付加するようにしており、救済演出用の変動時間は付加変動パターンとは別に確保される。このように固定時間を付加することによって、ハズレ態様で仮停止した後に、リール711を再始動させて大当り図柄を停止表示させる時間を設けるように構成している。
ここまでSPリーチB演出について、異なる装飾図柄が複数列リーチラインを形成するマルチラインリーチである態様にて説明してきたが、本実施例に使用される付加変動パターンは、複数回の大当り報知タイミングを有するものであればよく、例えば、リーチラインとして特殊な装飾図柄であるワイルドカード図柄(複数の種別の大当り図柄の役割を果たす図柄)をリーチ図柄や最終停止図柄として用いることによって、1のリーチラインであっても複数回の大当り報知タイミングを有する仕様(変形例)にも採用することもできる。
以上に説明したように、付加変動パターンは、主変動パターンと特別図柄抽選の結果である大当り図柄(図柄群)や、主変動パターンの態様が特定態様であるか(例えばSPリーチ以上であるか)などに基づいて定められる変動付加抽選テーブルに基づく抽選によって、直接的に定まる。但し、上述したSPリーチB演出に対応する変動パターンのように、大当り図柄(図柄群)によって複数の付加変動パターンの選択肢が存在する場合には、複次的な途中処理を行って、主変動パターンと組合せる付加変動パターンを決定する必要がある。このような付加変動パターンの決定のために、本実施例では、主変動パターン及び図柄情報(特に大当り図柄(図柄群))の組合せをグループに分類したものを「変動付加ジャンル」と称し、それぞれの変動付加ジャンルに割り当てた通し番号が「変動付加ジャンル通し番号」としている。図84では、この「変動付加ジャンル通し番号」欄において、変動付加ジャンルごとに変動付加パターンとの対応関係が示されている。具体的には例えば、主変動パターン番号「12番」のSPリーチB当りの主変動パターンが選択された場合に、特別図柄抽選の結果による大当り図柄(図柄群)が8ラウンド以上の大当り図柄(図柄群)であった場合、この大当り図柄(図柄群)は「4番」の変動付加ジャンル通し番号に該当するため、付加変動パターン番号「3番」〜「5番」のいずれかが付加された全体番号「23番」〜「25番」の変動パターンが選択肢となる。このような選択肢から何れの変動付加パターンを選択するかを決定するために、次に説明する変動付加抽選テーブルが用いられる。
図85は、変動付加抽選テーブルの一例を示す図である。変動付加抽選テーブルは、付加変動パターンを選択するために用いられる抽選テーブルであって、主制御ROM102に格納され、主制御CPU101によって参照される。変動付加抽選テーブルは、主変動パターン及び図柄情報に基づいてグループ分けされた変動付加ジャンルごとに用意され、図85には、変動付加ジャンル別の変動付加抽選テーブルがまとめて示されている。前述したように、付加変動パターンには対応する変動時間が設定されており(不図示)、図85の変動付加抽選テーブルを用いて選択された付加変動パターンの変動時間が、変動付加時間となる(詳細は、図88のステップS1219で後述する)。
図85の変動付加抽選テーブルを用いた付加変動パターンの選択方法について、具体例を挙げながら説明する。
変動付加ジャンル通し番号「1番」の変動付加ジャンルは、ハズレまたは当りの主変動パターンが選択され、かつ、主変動パターンに基づく図柄変動演出に対して付加変動パターンによる付加(言い換えれば変動時間の追加)を必要としないグループである。主変動パターンに基づく図柄変動演出に対して変動時間の追加を必要としない場合とは、ノーマルリーチやSPリーチの基本的な演出表示によってハズレ結果が表示される場合や、リーチでそのまま大当りが報知される場合等が相当し、これらは、主変動パターン及び特別図柄抽選の結果に基づいて判断することができる。そして、主変動パターンと特別図柄抽選結果(図柄情報と読み替えてもよい)との組合せが「1番」の変動付加ジャンルに該当する場合は、常に「付加なし」の付加変動パターンが選択される。なお、図85における「付加なし」の付加変動パターンは、変動時間を追加する必要がない付加変動パターン全般を総称したものである。また、図85にも示したように、「付加なし」の付加変動パターンが選択された場合、装飾図柄変動の停止図柄は演出制御CPU201(サブ)によって適宜決定される。なお、本実施例では、特別図柄抽選結果がはずれのときには、一部の例外(ハズレ後煽り)を除いて、変動付加ジャンル番号「1番」の変動付加ジャンルに該当するとしているため、「付加なし」の付加変動パターンが選択される。
変動付加ジャンル番号「2番」の変動付加ジャンルは、主変動パターン番号「4番」の主変動パターン(SPリーチA)が選択され、かつ、特別図柄抽選の結果がはずれである場合に該当するグループである。図85によれば、「2番」の変動付加ジャンルに該当する場合は、抽選によって225/251で「付加なし」の付加変動パターン(図85の「0番」の付加変動パターンに相当)が選択され、26/251で「ハズレ後煽り」の付加変動パターン(図85の「1番」の付加変動パターンに相当)が選択される。すなわち、付加変動パターン番号「1番」の付加変動パターン(ハズレ後煽り)が選択された場合には、ガセ煽り用の変動時間が、主変動パターン番号「4番」の主変動パターン(SPリーチA)に付加されることになる。
変動付加ジャンル番号「3番」の変動付加ジャンルは、「4番」の主変動パターン(SPリーチA)が選択され、かつ、特別図柄抽選の結果が大当り図柄(全種類可)である場合に該当するグループである。図85によれば、「3番」の変動付加ジャンルに該当する場合は、常に付加変動パターン番号「2番」が選択されるように構成されており、大当り時の「SPリーチA」の変動パターン(図84の全体番号「22番」の変動パターンに相当)が選択される。
変動付加ジャンル番号「4番」の変動付加ジャンルは、当り専用のSPリーチBの主変動パターン(12番)が選択され、かつ、特別図柄抽選の結果が8ラウンド以上の大当り図柄(図柄群)である場合に該当するグループである。図85によれば、「4番」の変動付加ジャンルに該当する場合は、抽選によって付加変動パターン番号「3番」〜「5番」のいずれかに当選し、49/251で「SPリーチB_1図柄目」の変動パターン(図84の全体番号「23番」の変動パターン)が選択され、51/251で「SPリーチB_2図柄目」の変動パターン(図84の全体番号「24番」の変動パターン)が選択され、残りの151/251で「SPリーチB_3図柄目」の変動パターン(図84の全体番号「25番」の変動パターン)が選択される。
変動付加ジャンル番号「5番」の変動付加ジャンルは、当り専用のSPリーチBの主変動パターン(12番)が選択され、かつ、特別図柄抽選の結果が6ラウンド大当り図柄(図柄群)である場合に該当するグループである。図85によれば、「5番」の変動付加ジャンルに該当する場合は、抽選によって付加変動パターン番号「3番」〜「4番」のいずれかに当選し、100/251で「SPリーチB_1図柄目」の変動パターン(図84の全体番号「23番」の変動パターン)が選択され、残りの151/251で「SPリーチB_2図柄目」の変動パターン(図84の全体番号「24番」の変動パターン)が選択される。
変動付加ジャンル番号「6番」の変動付加ジャンルは、当り専用のSPリーチBの主変動パターン(12番)が選択され、かつ、特別図柄抽選の結果が4ラウンド大当り図柄(図柄群)である場合に該当するグループである。図85によれば、「6番」の変動付加ジャンルに該当する場合は、常に「SPリーチB_1図柄目」の変動パターン(図84の全体番号「23番」の変動パターン)が選択される。
以上の「4番」〜「6番」の変動付加ジャンルの説明をまとめると、SPリーチB演出で報知される大当りの種別について、以下のことが言える(救済演出による大当り報知は除外する)。SPリーチB演出において8ラウンド以上の大当りが報知される場合、その報知タイミングは、1図柄目〜3図柄目まで全てのタイミングが有り得るが、割合としては、3図柄目、2図柄目、1図柄目の順に高い。また、SPリーチB演出において6ラウンド大当りが報知される場合、その報知タイミングは、1図柄目または2図柄目であり、2図柄目に報知される割合のほうが高い。一方、SPリーチB演出において4ラウンド大当りが報知される場合、その報知タイミングは、1図柄目のタイミングしかない。すなわち、マルチラインリーチであるSPリーチB演出では、どのタイミングで大当りが報知されるかによって、大当りの利益が異なり、この場合は、報知タイミングが遅くなるほど、利益量(あるいは、利益率)が増加する。また、運命リーチ演出と同様の演出が実行されるSPリーチB演出の場合、何図柄目で大当りを報知するかによって、リール711を移動させるために必要な変動時間が変化するが、変動付加抽選テーブルを用いて選ばれた付加変動パターンに設定された変動時間(変動付加時間)を主変動パターンに設定された変動時間(主変動時間)に付加することにより、この必要な変動時間の変化分を充当することができる。なお、本実施例においては、大当り報知タイミングに応じて大当り遊技のラウンド数が変化する態様にて説明したが、報知タイミングに応じた利益の差として、特定遊技(時短状態や確変状態)への移行制御の有無によって利益に差を設けるように構成してもよい。
図86は、特別図柄変動パターンに対応する演出制御用の変動パターンを説明するための図である。図86には、特別図柄変動パターンとして、図84に示した主変動パターンと付加変動パターンの組合せが示されている。さらに、図86には、それぞれの特別図柄変動パターン(主変動パターンと付加変動パターンの組合せ)に対応する演出制御用の変動パターンとして、装飾図柄変動パターンが示されている。
装飾図柄変動パターンは、装飾図柄の変動表示における変動開始から停止までの変動過程(演出過程)を規定した変動演出パターンであって、演出制御コマンド(変動開始コマンド)に含まれる情報に基づいて、演出制御CPU201が決定する。演出制御コマンド(変動開始コマンド)は、主制御基板100から演出制御基板200に送信されるコマンドであって、主制御基板100で決定された特別図柄変動パターンに基づく情報(主変動パターン、付加変動パターン、当否情報等)がセットされる。
なお、1の特別図柄変動パターンに対応する装飾図柄変動パターンの数は1に限定されるものではなく、1の特別図柄変動パターンに対して、複数の装飾図柄変動パターンが抽選等によって割り当てられてもよい。
<(2)特別図柄変動開始処理>
以下、本実施例における特別図柄変動処理について詳しく説明する。
図87は、特別図柄変動開始処理(図46)の別例を示すフローチャートである。図87は、本実施例における特別図柄変動開始処理の処理手順を示したものであり、主制御CPU101(主制御プログラム)によって実行される。
まず、主制御CPU101は、当否抽選の結果や当選図柄、保留数、特別図柄の種別(第1特別図柄または第2特別図柄)、及び変動パターン選択状態などに基づき、特別図柄変動パターンテーブルを取得する(ステップS1201)。ここでは、図84に例示した特別図柄変動パターンテーブルを取得するとして説明を続けるが、ステップS1201で取得する特別図柄変動パターンテーブルは、少なくとも、複数の主変動パターンが示されたテーブル(主変動パターンテーブル)であればよい。
次に、主制御CPU101は、メイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域から特別図柄変動パターン乱数値を読み出す(ステップS1202)。
次に、主制御CPU101は、ステップS1201で取得した特別図柄変動パターンテーブルを参照して、ステップS1202で読み出した特別図柄変動パターン乱数値に基づいて、複数種の主変動パターンの中から何れかの主変動パターンを選択する(ステップS1203)。
次に、主制御CPU101は、ステップS1203で選択した主変動パターン及び特別図柄抽選によって得られる図柄情報(特に大当り図柄(図柄群))に基づいて付加変動パターンを選択する、変動付加時間決定処理を実行する(ステップS1204)。変動付加時間決定処理で付加変動パターンが選択されることにより、主変動パターンの変動時間に付加する変動時間を決定することができる。変動付加時間決定処理の詳細は、図88を参照しながら後述する。
次に、主制御CPU101は、ステップS1203で選択した主変動パターン及びステップS1204で選択した付加変動パターンに基づいて、特別図柄変動パターンの変動時間を決定し、演出制御基板200への演出制御コマンド(変動開始コマンド)を生成する変動時間決定処理を実行する(ステップS1205)。変動開始コマンドとしては、演出表示装置70における図柄変動演出を開始させるべく、変動パターン指定コマンド(主変動パターン及び付加変動パターンの変動パターン情報、特別図柄抽選の当否情報等を含む)、図柄指定コマンドを順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に記憶する。変動時間決定処理の詳細は、図89を参照しながら後述する。
次に、主制御CPU101は、特別図柄変動パターンの決定に使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域の内容をクリアする(ステップS1206)。そして、特別図柄遊技ステータスを「01H(変動開始)」から「02H(変動中)」に遷移する(ステップS1207)。
ステップS1207の処理が終わると、主制御CPU101は特別図柄変動開始処理を抜け、その後は、主制御タイマ割込み処理の特別電動役物制御処理(図38のステップS68)を実行する。
図88は、変動付加時間決定処理の一例を示すフローチャートである。図88には、図87のステップS1204の変動付加時間決定処理の詳細な処理手順が示されている。変動付加時間決定処理が実行される段階では、処理対象の特別図柄変動に対する主変動パターンは選択済みである(図87のステップS1203)。
図88によればまず、主制御CPU101は、対象の特別図柄変動が大当り変動であるか否か(特別図柄抽選の結果が大当りであるか否か)を判定する(ステップS1211)。主制御CPU101は、メイン情報記憶手段180に一時的に記憶されている特別図柄判定フラグを確認することによって、大当り変動であるか否かを判定できる。ステップS1211において大当り変動と判定した場合は(ステップS1211のYES)、ステップS1212に進み、大当り変動ではない(はずれ変動)と判定した場合は(ステップS1211のNO)、後述するステップS1219に進む。
ステップS1212では、主制御CPU101は、図87のステップS1203で選択された主変動パターンが当り専用の主変動パターンであるか否かを判定する。具体的には、図84の変動パターンテーブルの場合、「11番」以降の主変動パターンが当り専用の主変動パターンであるから、「主変動パターン番号>10?」を判定すればよい。ステップS1212において主変動パターンが当り専用であった場合は(ステップS1212のYES)、ステップS1213に進み、当り専用ではなかった、すなわち、ハズレパターン(ハズレ/当り共用)の主変動パターンであった場合は(ステップS1212のNO)、後述するステップS1222に進む。
ステップS1213では、主制御CPU101は、変動付加抽選テーブルを設定するためのオフセット値Aを算出する。オフセット値Aは、選択された主変動パターンが当り専用変動パターンの何番目であるかを示す値であって、主変動パターンに対応する変動付加抽選テーブルが格納されたアドレスにアクセスするために用いられる。言い換えれば、データ領域のA個目に、対応する変動付加抽選テーブルへアクセスするための情報が格納されている。具体的な算出方法としては、主変動パターン番号からステップS1212の判定で用いた閾値を減算すればよい。図84を使って説明すると、選択された主変動パターンが12番(SPリーチB当り)の場合、ステップS1212の判定で用いた閾値は「10」であるから、オフセット値Aは「2」となる(12−10=2)。
次に、主制御CPU101は、ステップS1213で算出したオフセット値Aを用いて、主変動パターンに対応する変動付加抽選テーブルが格納されたデータ領域を参照する(ステップS1214)。
ここで、ステップS1214で参照される上記データ領域には、アドレスを指定するアクセス用の「算出値」が格納されており、このアクセス用算出値は、変動付加抽選テーブルのアドレスを指定する通常算出値と、図柄別変動付加抽選テーブル振り分け用テーブルのアドレスを指定する特殊算出値と、に分類される。
通常算出値は、主変動パターンに対応する演出において、複数の大当り報知タイミングのうちの何れのタイミングで大当りを報知するかを振り分ける必要がない場合に設定される。この場合、付加変動パターンの決定に用いられる変動付加抽選テーブルは、特別図柄変動パターンテーブルから直接決定することができるため、通常算出値が指定するアドレスに、対応する変動付加抽選テーブルを格納していればよい。通常算出値が指定するアドレスによって参照される変動付加抽選テーブルにて選択される付加変動パターンの使用例としては、装飾図柄の仮停止後の昇格演出を追加したり、装飾図柄のハズレ態様での仮停止後に救済変動として当り図柄に変更する復活演出を追加したり、変動中に擬似変動を付加する演出を追加するために変動時間を付加する場合などが挙げられる。
一方、特殊算出値は、主変動パターンに対応する演出において、SPリーチB演出のように、複数の大当り報知タイミングのうちの何れのタイミングで大当りを報知するかを振り分ける必要がある場合に設定される。この場合、大当りの報知タイミングによって大当りの利益が異なることから、図柄情報(大当り図柄(図柄群))によって大当りの報知タイミングを合わせた演出を実行可能な付加変動パターンの選択肢のうちから、何れかの付加変動パターンを選択する処理が必要となる。すなわち、オフセット値Aから直接変動付加抽選テーブルを決定することができず、大当り図柄(図柄群)に基づいて対応する変動付加抽選テーブルへの振分を行い、振り分けられた変動付加抽選テーブルにて付加変動パターンの振分を行うという複次処理が必要となる。そこで、特殊算出値で指定されるアドレスには、図柄情報に基づいて変動付加抽選テーブルを振り分けるためのテーブルとして、図柄別変動付加抽選テーブル振分用テーブルが格納される。
図88の処理説明に戻る。ステップS1215において、主制御CPU101は、ステップS1214で参照したデータ領域に格納されていた「算出値」が、特殊算出値であったか否かを判定する。
ステップS1215において「算出値」が特殊算出値ではなかった場合、すなわち、通常算出値であった場合は(ステップS1215のNO)、ステップS1216に進む。ステップS1216では、主制御CPU101は、ステップS1214で参照したデータ領域に格納されていた通常算出値に基づいて、当該通常算出値が指定するアドレスに格納されている変動付加抽選テーブルを、主制御RAM103の所定領域(例えば、メイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域)にセットし、後述するステップS1221の処理に進む。
一方、ステップS1215において「算出値」が特殊算出値であった場合は(ステップS1216のYES)、後述するステップS1217に進む。ステップS1217では、主制御CPU101は、ステップS1214で参照したデータ領域に格納されていた特殊算出値に基づいて、当該特殊算出値が指定するアドレスに格納されている図柄別変動付加抽選テーブル振分用テーブルを参照し、大当りの図柄別(図柄群別)に基づいて、何れの変動付加抽選テーブルに振り分けるかを決定する。具体的には、図柄別変動付加抽選テーブル振分用テーブルに対して、大当りの図柄情報(あるいは図柄群情報)をオフセット値Bとして、振分先の変動付加抽選テーブル(図柄別変動付加抽選テーブル)のアドレスを指定する算出値(振分算出値)を抽出する。
そして、次のステップS1218において、主制御CPU101は、ステップS1217で抽出した振分算出値に基づいて、当該振分算出値が指定するアドレスに格納されている変動付加抽選テーブル(図柄別変動付加抽選テーブル)を、主制御RAM103の所定領域(例えば、メイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域)にセットし、ステップS1221の処理に進む。
ステップS1219は、ステップS1211で大当り変動ではない(はずれ変動)と判定された場合に実行される処理であるが、このとき、主制御CPU101は、対象の特別図柄変動が所定期待度以上のハズレリーチ変動に相当するか否かを判定する。ステップS1219の判定は、主変動パターンに基づくハズレリーチ演出の後に、復活や発展を煽る演出(煽り演出)を追加する変動パターンであるかを判定するものである。具体的には例えば、図84の変動パターンテーブルの場合、スーパーリーチ(SPリーチ)以上の変動パターンを「所定期待度以上」とすれば、「4番」以降のハズレパターンの主変動パターンが所定期待度以上のハズレリーチ変動に相当する。したがってこの場合は、ステップS1219において「主変動パターン番号>3?」を判定すればよい。ステップS1219において所定期待度以上のハズレリーチ変動であった場合は(ステップS1219のYES)、ステップS1220に進み、所定期待度以上のハズレリーチ変動ではなかった場合には(ステップS1219のNO)、ステップS1221に進む。
ステップS1220では、煽り演出の付加変動を追加するために、主制御CPU101は、ハズレリーチ用の変動付加抽選テーブル(例えば、「2番」の変動付加ジャンル通し番号による変動付加抽選テーブル)を主制御RAM103にセットし、ステップS1221の処理に進む。
そして、ステップS1221において、主制御CPU101は、これまでの処理(ステップS1216,S1218,S1220)でセットされた変動付加抽選テーブルで、乱数による抽選を行って、主変動パターンに付加する付加変動パターンを決定する。そして主制御CPU101は、決定した付加変動パターンによる変動時間(変動付加時間)をセットするための変動付加IDを得る。
最後に、主制御CPU101は、ステップS1221で決定した変動付加IDを、主制御RAM103の所定領域(例えば、メイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域)にセットし(ステップS1222)、変動付加時間決定処理を終了する。なお、ステップS1212のNOあるいはステップS1219のNOを経てステップS1222の処理が行われる場合、主制御CPU101は、ダミーの変動付加ID(例えばID=0)をセットすればよい。ID=0の変動付加IDは、変動付加時間が「0」であることを表す。なお、特別図柄の変動表示に係る主制御RAM103の記憶領域は、変動単位で初期化(ゼロクリア等)されるため(ステップS1206)、ダミーの変動付加IDは、「0」という抽選結果をセットする処理以外にも、付加変動パターンの記憶領域に対して何も処理をしないように構成することもできる。
図89は、変動時間決定処理の一例を示すフローチャートである。図89には、図87のステップS1205の変動時間決定処理の詳細な処理手順が示されている。変動時間決定処理が実行される段階では、処理対象の特別図柄変動に関して、主変動パターン及び付加変動パターンが決定済みである。
図89によればまず、主制御CPU101は、主変動パターンについて、変動パターンIDと変動パターンテーブル(例えば図84)とを用いて、主変動パターンの変動時間を選択し、一時記憶する(ステップS1231)。
次に、主制御CPU101は、付加変動パターンについても同様に、変動パターンID(変動付加ID)と変動パターンテーブル(例えば図84)とを用いて、付加変動パターンの変動時間(変動付加時間)を選択する。さらに、上記選択した変動付加時間を、ステップS1231で一時記憶した主変動パターンの変動時間に加算し、加算後の変動時間を一時記憶する(ステップS1232)。なお、変動付加IDが「0」の場合は、変動付加時間は0であるため、ステップS1232の処理をスキップするように構成してもよい。
次に、主制御CPU101は、対象の特別図柄変動が大当り変動であり、かつ、主変動パターンがハズレ/当り共用の主変動パターンであるか否かを判定する(ステップS1233)。ステップS1233の判定で肯定結果が得られた場合は(ステップS1233のYES)、ステップS1234を経てステップS1235に進み、否定結果が得られた場合は(ステップS1233のNO)、ステップS1234をスキップしてステップS1235に進む。ステップS1233の判定は、救済演出を行う変動パターンであるかを判定するものであり、図84の場合、主変動パターン番号「4番」〜「10番」の主変動パターンが、ハズレ/当り共用の主変動パターンである。図85を参照しながら前述したように、本実施例では、特別図柄抽選結果が大当りで、かつ、ハズレ/当り共用の主変動パターンが選択された場合には、ハズレ態様の演出後に救済演出(復活演出)が行われて大当りが報知されるが、救済演出用の変動時間は付加変動パターンによって追加されない。
そこで、ステップS1234では、主制御CPU101は、救済演出用に予め用意された固定時間値を、ステップS1232で一時記憶した変動時間に加算し、加算後の変動時間を一時記憶する。このように、本実施例では、救済演出用の変動時間を、演出ごとに主変動パターンや付加変動パターンによって用意するのではなく、変動パターンを利用しない固定時間値として共用することにより、必要な変動パターンの数を低減することができ、変動パターンに関するデータ量を抑制することができる。
ステップS1235では、主制御CPU101は、ここまでの変動時間決定処理によって最終的に一時記憶された変動時間を、特別図柄変動パターンの変動時間として、所定の記憶領域(例えば図柄表示制御手段155の特別図柄遊技タイマ)に記憶する。
最後に、主制御CPU101は、演出制御基板200通知するための演出制御コマンド(変動開始コマンド)を生成する(ステップS1236)。より具体的には、変動開始コマンドとして、演出表示装置70における図柄変動演出を開始させるべく、変動パターン指定コマンド(主変動パターン及び付加変動パターンの変動パターン情報、特別図柄抽選の当否情報等を含む)、図柄指定コマンドを順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に記憶する。
このようにして生成された変動開始コマンドは、主制御基板100から演出制御基板200に送信され、演出制御基板200の演出制御CPU201は、前述したコマンド解析処理の変動演出内容決定処理(図58参照)によって、この変動開始コマンドに基づいて、特別図柄変動パターンに対応する演出制御用の変動パターン(装飾図柄変動パターン)を決定する。なお、救済演出が行われる図柄変動の場合、演出制御CPU201側では、変動開始コマンドで通知される「特別図柄変動パターンの情報(主変動パターンの変動時間)」と、実際に主制御CPU101によって特別図柄が変動表示される変動時間である「主変動パターンと付加変動パターンの各変動時間を合計した変動時間」とが異なることになる。この場合、演出制御CPU201は、変動開始コマンドで通知される当否情報と照らし合わせることで、救済当り用の変動パターンであると認識することができ、変動開始コマンドにて通知された主変動パターンの情報(変動時間)に救済変動用の固定の時間値を加えた演出用の変動時間を決定することができる。
ここで、図85において本実施例のSPリーチBに対応する図柄別変動付加抽選テーブルを説明したが、その他のリーチ演出においても図柄別変動付加抽選テーブルを使用して決定可能としてもよい。例えばSPリーチC8ラウンド以上大当りと、SPリーチC6ラウンド以下大当りという図柄群に応じて当り報知態様が異なるリーチ演出があり、それぞれ変動付加ジャンル通し番号「7番」,「8番」で決定されるものと仮定し、その変動付加抽選テーブルをSPリーチB6ラウンド大当り、SPリーチB4R大当りと同じ振分を行うものと仮定すると、抽選テーブルをSPリーチCとSPリーチBの一部で共有することができる。
より具体的には、SPリーチC8ラウンド以上大当りである場合(変動付加ジャンル「7番」である場合)に、SPリーチB6ラウンド大当りと同じ変動付加抽選テーブル(100/251、151/251の置数範囲が指定されたテーブル)を使用して抽選を行うように構成できる。なお本抽選を行うに際して、抽選結果の初期値をSPリーチC8ラウンド以上大当りの時と、SPリーチB6ラウンド大当りの時とで異なる値に設定しておくことによって、同一の抽選テーブルを使用する場合であっても異なる付加変動パターン番号を、変動付加抽選の結果として得ることができる。
以上に説明したように、付加変動パターンを利用して特別図柄変動パターンを決定する本実施例のパチンコ機1によれば、当りの報知タイミングが複数回あって、当りの報知タイミングによって大当りの利益が異なるリーチ演出(SPリーチB演出)のように、複雑なバリエーションを有する演出であっても、変動付加の抽選を適切に実施して特別図柄変動パターンを決定することができるため、変動パターンに関するデータ量の増大を抑制しながらも、バリエーションの豊富な演出を実行することができる。
詳しくは、本実施例のパチンコ機1によれば、大当りの報知タイミングによって大当りの利益(特典)が異なるマルチラインリーチにおいて、大当り図柄(図柄群)に応じて変更される大当りを報知するまでの時間(距離)を確保するために、主変動パターンと図柄情報(特に大当り図柄(図柄群))とに基づいて付加変動パターンを選択し、選択された付加変動パターンの変動時間を主変動パターンの変動時間に追加して特別図柄変動パターンの変動時間とすることにより、パチンコ機1がドラム機であっても、適切な変動時間で大当り図柄を停止させる演出が実行可能となる。
そして、上記のように、特別図柄変動パターンを、特別図柄抽選の当落及びリーチ種別に対応する主変動パターンと、主変動パターンのリーチ種別に付加する部分演出に対応する付加変動パターンとに分けることにより、主変動パターンと付加変動パターンとの組合せで複数種類の特別図柄変動パターンを構成できるため、演出パターン全体のバリエーションの数に比べて、必要な変動パターンの数を低減させることができ、変動パターンに関するデータ量の増加を抑制することができる。このような効果は、特に演出パターンが複雑になるほど効果的である。
また特に、SPリーチB演出によって大当り報知を行う場合のように、主変動パターンと図柄情報とに基づいて直接的に付加変動パターンが決定できず、大当り図柄(図柄群)によって複数の付加変動パターンの選択肢が存在する場合であっても、本実施例のパチンコ機1によれば、主変動パターン及び図柄情報を組合せた変動付加ジャンルを利用して、変動付加パターンの振分を実行するため、結果的には主変動パターンと図柄情報とに基づいて付加変動パターンを決定することができる。すなわち、演出パターンを選択する際に複数段階の処理が必要となる演出に対しても、変動パターンの必要数を過剰に増加させることなく、特別図柄変動パターンを決定することができるものである。
また、本実施例のパチンコ機1では、ハズレパターンの図柄変動に対応する主変動パターンの少なくとも一部について、特別図柄抽選の結果が当りの場合でも選択可能とすることにより(ハズレ/当り共用の主変動パターン)、専用の変動パターンを更に設けることなく、ハズレパターンの図柄変動の後に救済演出による大当りの報知といった変動パターンを作成することができる。これにより、変動パターンの必要総数をさらに減らし、データ量の増大を抑制することができる。
また、本実施例における特別図柄変動パターンの決定方法においては、「図柄情報」に相当する情報として、大当り図柄のような図柄単位の情報を用いた場合に、上述したような数々の効果を得ることができるが、大当りの利益が同一な大当り図柄をまとめた「大当り図柄群」を単位として変動パターンや変動付加ジャンル等を設定すれば、これらのデータの必要総数をさらに低減させることができるため、変動パターンに関するデータ量をさらに抑制する効果が得られる。
また、上述した本実施例の特別図柄変動パターンの決定方法によって得られる効果は、パチンコ機1がドラム式の演出表示装置(ドラム式演出表示装置71)で演出表示を行う場合に限定されるものではなく、他の種類の表示装置(例えば液晶表示装置)で演出表示を行う場合であっても、同様の効果に期待できる。
また、本実施例では、SPリーチB演出による大当り変動を例として、主変動パターン及び図柄情報(大当り図柄等)に基づいて、主変動パターンと組合せ可能な複数の付加変動パターンの選択肢から1の付加変動パターンを決定する方法を説明したが、この方法は、当りの報知タイミングが複数回あって、当りの報知タイミングによって大当りの利益が異なるリーチ演出全般に対して適用可能である。ここで、当りの報知タイミングによって大当りの利益が異なるとは、報知タイミングが遅いほど利益量が大きくなるであってもよいし、逆に報知タイミングが早いほど利益量が大きくなるでもよい。また、大当りの利益量とは、大当りのラウンド数の違いが確定するものだけに限定されず、よりラウンド数の多い大当りが選択されやすい場合も利益量(厳密には利益量の期待値)が大きいと考えられる。また、大当りの利益量は、ラウンド数に応じた賞球の多寡に限定されるものではなく、特別遊技後に確変状態や時短状態に制御されるといったような、遊技者に有利な大当りを、利益量が大きいと捉えてもよい。具体的には例えば、6ラウンドの通常大当りと4ラウンドの確変大当りとを比べたとき、4ラウンドの確変大当りのほうを大当りの利益量が大きいと判断してもよい。
<V確変機における特別遊技の制御>
以下では、本実施形態に係るパチンコ機1の変形例として、パチンコ機1がいわゆるV確変機として構成される場合の特別遊技(大当り遊技)の制御について説明していく。V確変機とは、大入賞口内に確率変動機能作動領域(確変領域)が設けられ、この確率変動機能作動領域が有効である期間に遊技球が進入した場合に、特別遊技後の遊技状態が、特図抽選の当選確率が通常状態とは異なる確率変動(確変)状態に移行される遊技機である。以下では、V確変機として構成されるパチンコ機1をパチンコ機1Aと称して、これまでに説明したパチンコ機1と区別する。本実施形態に係るパチンコ機1Aは、パチンコ機1のアタッカユニット500に代えて、Vユニット520を有するアタッカユニット500Aを備える。なお、パチンコ機1Aにおけるその他の構成については、明示する場合を除き、これまでに説明したパチンコ機1の構成を流用し、説明を省略する。
<(1)Vユニットを有するアタッカユニット>
まず、V確変機として構成されたパチンコ機1Aにおけるアタッカユニット500Aの構造について説明する。
図90は、V確変機におけるアタッカユニットの要部構成を示す斜視図である。図90に示したアタッカユニット500Aは、スライドアタッカ510とVユニット520を含んで構成され、スライドアタッカ510とVユニット520によって大入賞口64Aが一体形成される。
スライドアタッカ510は、特別電動役物の一例としてのスライド可動片511と、スライド可動片511を進退動作させる特別電動役物ソレノイド(例えば図24の特別電動役物ソレノイド124)とを備えるユニットである。スライド可動片511の動作を制御する特別電動役物ソレノイドは、主制御基板100(主制御CPU101)によって制御される。
スライド可動片511は特別電動役物ソレノイドによって、ガラス枠3側の前方の所定位置(閉鎖位置)と、ガラス枠3と反対側の後方の所定位置(開放位置)との間を前後に進退する。スライド可動片511は、通常(大当り遊技または小当り遊技以外)は、閉鎖位置に固定されることで、遊技球が入球できないよう大入賞口64Aを閉鎖する一方、大当り遊技または小当り遊技においては、後述する特別電動役物制御によって閉鎖位置と開放位置との間で進退動作を行うことで、遊技球が入球できるように大入賞口64Aを開放する。
図91は、図90に示したVユニットの斜視図である。Vユニット520は、スライドアタッカ510内の空間に連通して大入賞口64Aを形成するユニットであって、大入賞口64Aの内部に確率変動作動領域である特定領域(V領域)522を有する。Vユニット520の前面は前板521で覆われている。Vユニット520の詳細な内部構造は図92に示される。
図92は、図90に示したVユニットを前板を外して正面斜め上から見た斜視図である。図92に示したように、Vユニット520は、確率変動作動領域である特定領域(V領域)522と、V可動片ソレノイド(不図示)によって進退動作することでV領域522の開放/閉鎖を実現するV可動片と、大入賞口64Aに入球してV領域522を通過しなかった遊技球が通過する非V入賞球排出口524と、を有する。
V可動片の動作を制御するV可動片ソレノイドは、主制御基板100(主制御CPU101)によって制御される。V可動片は、通常は、V領域522を閉鎖する所定の閉鎖位置に固定され、このとき、遊技球は大入賞口64Aに入賞しても、V領域522に進入(通過)することはできない。一方、大当り遊技または小当り遊技においては、V可動片は、後述する特別電動役物制御によって閉鎖位置から所定の開放位置との間で進退動作を行うことで、遊技球が入球し得る態様でV領域522を開放する。
なお、V領域522には、V領域522に進入(通過)した遊技球を検知するV検知センサ(不図示)が設けられている。遊技球がV領域522に進入(通過)することを、V入賞とも呼ぶ。
また、図90〜図92には図示されていないが、アタッカユニット500Aにおいては、大入賞口64Aに入球(入賞)した遊技球を検知する入球検知センサと、大入賞口64Aから排出された遊技球を検知する排出球検知センサとが設けられている。
入球検知センサは、例えば、大入賞口64A内のスライドアタッカ510とVユニット520との連結部分に設けられる。入球検知センサによって検知された大入賞口64への遊技球は、大入賞口カウンタでカウントアップされ、ラウンドの終了条件(例えば大入賞口64Aへの入賞数が10個に到達すること)の判定等に利用される。
排出球検知センサは、V領域522を通過した遊技球及び非V入賞球排出口524を通過した遊技球を検知できる場所、例えば、V領域522及び非V入賞球排出口524の裏側に設けられる。
さらに、入球検知センサ及び排出球検知センサによる検知に基づいて入排出球をカウントする遊技球排出待ちカウンタを用いて、主制御基板100の主制御CPU101(払出制御基板400の払出制御CPU401としてもよい)は、大入賞口64Aの入排出球監視を行う。主制御CPU101は、大当り開始デモの設定時や電源投入時等、任意のタイミングで遊技球排出待ちカウンタのカウンタ値をクリアすることができ、例えばその初期値を「0」として、入球検知センサによる遊技球の検知ごとにカウンタ値をインクリメント(「+1」)し、排出球検知センサによる遊技球の検知ごとにカウンタをデクリメント(「−1」)することにより、大入賞口64Aにおける遊技球の入排球数の差分を計数することができる。大入賞口64Aの入排出球監視の具体的な処理方法は、大入賞口内制御処理の第3の状況で後述する。
なお、本実施形態に係るパチンコ機1のさらなる変形例として、特定領域を有するアタッカユニット500A(大入賞口64A)とは別に、第2のアタッカユニット(大入賞口)を配置するように構成してもよい。
<(2)V確変機における大当り遊技の概要>
次に、パチンコ機1Aにおける特別遊技(大当り遊技)の概要について説明する。
パチンコ機1Aでは、特別図柄抽選処理手段140による特別図柄抽選で大当りと判定される図柄(図柄群とも読み替え可能)は、V入賞が容易な特別遊技が実行される大当り(V入賞容易大当り)とV入賞が困難な特別遊技が実行される大当り(V入賞困難大当り)とに分類することができる。より具体的に言えば、大当り遊技後に確変状態に移行することが想定されている大当りがV入賞容易大当りに相当し、大当り遊技後に非確変状態に移行することが想定されている大当りがV入賞困難大当りに相当する。
そして、特別遊技制御手段150によって実行されるそれぞれの特別遊技(大当り遊技)では、大当りの種別に応じて、すなわち、大当りした図柄(図柄群)に応じて、予め定められたラウンド数に亘って、大入賞口64Aの開放が行われる。そして、大当り遊技中の特定のラウンド(Vラウンドと称する)では、V領域522の開放が行われる。なお、Vラウンドとなるラウンドは、大当りの種別によらず少なくとも1ラウンドが含まれるように共通のラウンドが設定される。後述する具体例の場合、第2ラウンドをVラウンドとしている。但し、詳細は後述するが、VラウンドにおいてV可動片は、大当りがV入賞容易大当りであるか、V入賞困難大当りであるかによって、異なる制御パターンで作動されることで、大当りの種別に応じてV入賞率に差異が付けられる。そしてVラウンドにおいて大入賞口64Aに入球した遊技球がV領域522に侵入(通過)した場合、遊技状態制御手段169は、大当り遊技後の遊技状態を確変遊技状態に移行する。
<(3)V確変機における特別電動役物及びV可動片の制御>
次に、パチンコ機1Aにおける特別遊技(大当り遊技)の詳細な制御について、前述した本実施形態のパチンコ機1の説明と異なる点を中心に説明する。
パチンコ機1Aは、特別電動役物(スライド可動片511)の動作状態を示す特別電動役物遊技ステータスの1つとして、「03H(開放準備中)」を有する。「03H(開放準備中)」の特別電動役物遊技ステータスは、特別遊技が確定または実行中で、かつ、特別電動役物の開放制御を実行する前の状態において設定されるステータスであって、具体的には、大当り開始デモ中やラウンド間に設定される。「03H」の特別電動役物遊技ステータスは、各ラウンドで特別電動役物(大入賞口64A)の開放が開始されると、「01H(特別遊技)」に遷移し、最終ラウンド以外のラウンドで特別電動役物(大入賞口64A)が閉鎖すると、再び「03H」に遷移する。
まず、パチンコ機1Aの特別電動役物制御処理において(図38のステップS68参照)、主制御CPU101は、特別電動役物遊技ステータスが「03H」である場合に、大入賞口開放準備中処理を実行する。
大入賞口開放準備中処理において、まず、主制御CPU101は、今回のラウンドがVラウンドであるか否かを判定し、Vラウンドであった場合には、V可動片523の動作を制御するためのV可動片作動制御テーブルに、V領域522のショート開放を実行させるためのショート開放用データをセットする。一方、今回のラウンドがVラウンドではなかった場合には、主制御CPU101は、V可動片作動制御テーブルにショート開放用データをセットすることなく、大入賞開放準備中処理を終了する。
ここで、パチンコ機1Aでは、V可動片523の開放位置への移動によるV領域522の開放パターンとして、開放時間の異なるショート開放とロング開放とが準備されている。ショート開放によるV領域522の開放時間は、遊技球のV入賞を極めて困難とする程度の短時間であることが好ましく、例えば40msとする。一方、ロング開放の場合は、大入賞口64Aに入球した遊技球がほぼ確実にV入賞できるようにV領域522を開放することが好ましい。本例では、ロング開放の開放時間は、時間値で固定されない不定期間としている。具体的には、大入賞口64Aの開放時のラウンドの終了条件が満たされ、さらに排出球待ち時間である3000msが経過するまでを、V可動片523(V領域522)のロング開放の開放期間とする。
ショート開放用データは、V可動片523の作動時間(開放時間)を設定するためのタイマ(V可動片作動タイマ)、V可動片523を開放位置に動作させるV可動片ソレノイドへの作動データ(ソレノイドオンのV可動片作動データ)、及び遊技球によるV入賞を有効と判定するV有効時間から構成される。本例では、ショート開放用データにおけるV有効時間は、ショート開放時間としてV可動片作動タイマに設定される40msに、遊技球のV入賞を検知するための有効延長時間としての3000msを加算して、3040ms(V入賞有効期間延長タイマ)とする。
V可動片作動制御テーブルにショート開放用データがセットされると、ソレノイドオンのV可動片作動データに基づいてV可動片ソレノイドがV可動片523を閉鎖位置から開放位置に移動させることで、V領域522が開放される。その後、後述する大入賞口内制御処理によって、「40ms」が設定されたV可動片作動タイマは、V可動片523の開放開始時から(V可動片523が開放位置に到達してからとしてもよい)デクリメントを開始する。そしてV可動片作動タイマのタイマ値が割込み処理における減算処理によって「1」から「0」になると、ソレノイドオフのV可動片作動データがセットされ、V可動片ソレノイドがV可動片523を閉鎖位置に移動させるため、V領域522は閉鎖される。イレギュラー処理については後述するが、上記のように、ショート開放時は原則として、V領域522は40msの固定時間で開放される。
大入賞口開放準備中処理において今回のラウンドがVラウンドであった場合、主制御CPU101は、前述したショート開放用データのセットを行った後、さらに、特別図柄抽選の当否抽選によって大当りとなった図柄(あるいは図柄群)を参照して、今回の大当りの種別が、V入賞容易大当りであるか否かを判定し、V入賞容易大当りであった場合には、V可動片作動制御テーブルに、ロング開放の実行を許可するフラグであるロング開放許可データをセットし、大入賞口開放準備中処理を終了する。なお、ロング開放許可データは、ロング開放をするための条件を満たした後のV可動片523のロング開放の実行を許可するフラグであるため、当該データのセットによってV領域522のロング開放が即座に実行されるものではない。一方、今回の大当りの種別がV入賞容易大当りではなかった、言い換えればV入賞困難大当りであった場合には、主制御CPU101は、V可動片作動制御テーブルにロング開放許可データすることなく、大入賞口開放準備中処理を終了する。
大入賞口開放準備中処理(図38のステップS68中の処理)が終了した後、主制御CPU101は、有効期間設定処理(図38の大入賞口有効期間設定処理ステップS69中の処理)を実行する。有効期間設定処理は、確率変動機能作動領域であるV領域522におけるV入賞の有効期間(確変領域有効時間)を設定する処理である。具体的には、主制御CPU101は、V領域有効期間延長タイマ(ショート開放に対する有効期間として設定される3040msのタイマデータ)及びV可動片作動データを参照し、V領域有効期間延長タイマにタイマ値が残っているか、V可動片作動データがソレノイドオンであるときに、確変領域有効時間をON(有効)とするV領域有効データをセットする。このように確変領域有効時間が設定されることにより、ショート開放、ロング開放何れの場合であっても、大入賞口64Aに入球した遊技球が所定の延長時間(有効延長時間3000msあるいは排出球待ち時間の3000ms)以内に開放状態にあるV領域522に進入(通過)した場合に、確実にV入賞を有効とすることができる。
なお、有効期間設定処理は、割込み処理毎に行われるが、確変領域の有効期間設定については、Vラウンドである場合にのみ実行されるものであってもよい。今回のラウンドがVラウンドではなかった場合は、V可動片作動タイマのタイマ値は常に「0」であるし、V可動片作動データがソレノイドオンになることもないので、有効期間設定処理は実質的に実行されないためである。これは、後述する大入賞口内制御処理の第1及び第2の状況における処理、並びに、ロング開放に関するV可動片制御処理でも同様である。
有効期間設定処理が終了すると、主制御CPU101は、大入賞口内制御処理(図38には不図示の変形例のパチンコ遊技機1Aにおける固有処理)を実行する。大入賞口内制御処理では、以下の第1〜第3の各状況に応じた処理が実行される。
第1の状況として、ショート開放中である場合、主制御CPU101は、V可動片作動タイマをデクリメントし、タイマ値が「0」になったタイミングで、ソレノイドオフのV可動片作動データをセットする。このソレノイドオフにより、V可動片ソレノイドがV可動片523を閉鎖位置に移動させるため、V領域522は閉鎖される。なお、V可動片作動タイマはデクリメント(減算)により負の値となると「0」が再設定されるよう構成されているが、ソレノイドオフのデータをセットするタイミングであるか否かの判定は、「0」を設定する前の値である減算結果が「0」であるか否かを判定することによって行われる。
第2の状況として、ラウンド間や最終ラウンド後の、大入賞口64A(スライド可動片511)が閉鎖された状況の場合、主制御CPU101は、規定の排出球待ち時間(本例では3000ms)をセットした遊技球排出待ちタイマをデクリメントし、タイマ値が「0」になったタイミングで、ソレノイドオフのV可動片作動データをセットする。このソレノイドオフにより、V可動片ソレノイドがV可動片523を閉鎖位置に移動させるため、V領域522は閉鎖される。なお、Vラウンド以外のラウンドにおいては、主制御CPU101は、V可動片作動データのセットは行わないものの、ラウンド後の大入賞口64A(スライド可動片511)が閉鎖されたタイミングで同様に、遊技球排出待ちタイマに規定の排出球待ち時間(3000ms)をセットしてデクリメントを開始する。
第3の状況として、遊技球排出待ちカウンタのカウンタ値が「1」以上である場合、主制御CPU101は、大入賞口64Aの入排出球監視を行う。具体的には、遊技球排出待ちカウンタのカウンタ値が「1」以上の値に更新されたタイミングで所定の待ち時間(本例では3sとする)をタイマにセットし、当該タイマの値が「0」になったときに、遊技球排出待ちカウンタ値が「0」以外であった場合には、遊技球排出に関する異常(排出球異常)が発生したと判定し、エラー報知等の所定のエラー処理を実施する。具体的には例えば、遊技球排出待ちカウンタ値が「0」以外となったとき、カウンタ値が1以上であった場合は、排出不足を示していることから、大入賞口球詰まりエラーを30秒間報知する。一方、カウンタ値がマイナスを意味する場合は、排出超過を示しており、これは不正行為の可能性もあることから、より長い60秒間に亘って排出球エラーを報知する。また、遊技球排出待ちカウンタがマイナス(排出超過)を示していないかは、特別電動役物が待機中のステータスであるとき以外の常時、監視するようにしてもよい。なお、遊技球排出待ちカウンタ値が「0」であれば、大入賞口64Aに入球した遊技球が全て排出されたことを意味するため、正常である。なお、遊技球排出待ちカウンタの監視タイミングは、遊技球排出待ちカウンタのカウンタ値が「1」以上の値に更新されたタイミングでセットされる所定の待ち時間の経過時ではなく、大入賞口64A閉鎖後の排出球待ち時間(3000ms)経過後としてもよい。大入賞口64A閉鎖後の排出球待ち時間(3000ms)経過後とすることで、大当り遊技の進行中において意図しない球詰まりが発生しても、異常と判定される可能性を抑えることができ、排出球待ち時間の経過時というラウンド遊技の最後のタイミングで、必ず一定の判定を行うことで確実に排出球異常を監視できる。
さらに、主制御CPU101は、ロング開放に関するV可動片制御処理を実行する。このV可動片制御処理では、主制御CPU101はまず、V可動片作動制御テーブルにロング開放許可データがセットされているかを確認する。大入賞口開放準備中処理で前述したように、今回のラウンドがVラウンドで、かつ、今回の大当りがV入賞容易大当りである場合に、ロング開放許可データはV可動片作動制御テーブルにセットされている。V可動片作動制御テーブルにロング開放許可データがセットされていない場合は、ロング開放が許可されないことから、主制御CPU101は、当処理を終了する。
ロング開放に関するV可動片制御処理において、ロング開放許可データがセットされている場合、主制御CPU101は、大入賞口カウンタを参照し、大入賞口64Aの入賞カウント数が、V領域522のロング開放の開始条件として予め定められた所定数(本例では「1個」とする)になったか否かを判定する。なお、大入賞口カウンタは、ラウンドごとに「0」にクリアされるものとする。大入賞口64Aの入賞カウント数が所定数「1」であった場合には、主制御CPU101は、ソレノイドオンのV可動片作動データをセットする。これにより、V可動片ソレノイドがV可動片523を閉鎖位置から開放位置に移動させるため、V領域522のロング開放が開始される。すなわち、Vラウンドにおいては、大入賞口64Aに対し1球目の入賞が発生することに基づいて、V可動片523がロング開放する状態へと制御される。そして、その後は、前述したように、当該ラウンドの終了条件が満たされ、さらに排出球待ち時間である3000msが経過するまで、ロング開放が継続する。
ところで、上記した大入賞口64Aの入賞カウント数が所定数「1」であることを契機とするロング開放の実行は、ショート開放が終了した後に入賞カウント数が「1」になることを想定した制御である。ショート開放は、ラウンド開始時のスライド可動片511の開放と同時に開始され、かつ、40msという極めて短時間であることから、ほとんどの場合、大入賞口64Aの入賞カウントが「1」に到達するのは、ショート開放の終了後になるからである。しかし、比較的少ない割合ではあるが、本例のようなスライド式のアタッカ(スライドアタッカ510)等では、ショート開放中に大入賞口64Aに1個目の入賞が発生するイレギュラーな状況も想定される。このイレギュラーな状況においては、上記した制御方法でロング開放の実行が制御されたとしても、ショート開放用のV可動片作動タイマが残っていることにより、当該タイマがデクリメントしてタイマ値が「0」になったときにソレノイドオフのV可動片作動データがセットされるため、V可動片523が閉鎖されてしまうおそれがある(ソレノイド動作の不具合)。そこで、このようなイレギュラーな状況に対応するためのロング開放に関するV可動片制御処理として、パチンコ機1Aの主制御CPU101は、次のような処理を実行する。
ロング開放に関するV可動片制御処理において、V領域522のショート開放中に大入賞口64Aの入賞カウント数が所定数「1」となった場合、主制御CPU101は、ショート開放によって作動しているV可動片作動タイマのタイマ値を「0」にクリアするとともに、V可動片作動データをソレノイドオンで維持する(ソレノイドオンを再セットしてもよい)。さらに、主制御CPU101は、以降のラウンドにフラグが残ることによる問題を回避するために、V可動片作動制御テーブルにセットされていたロング開放許可データをクリアする。
ロング開放に関するV可動片制御処理において、イレギュラーな状況に対応する上記の制御処理を行うことにより、ショート開放のために開放位置にあるV可動片523は、ショート開放用データによるV可動片作動タイマの影響を受けることがなくなるため、ショート開放のための時間が経過したタイミング(V可動片作動タイマが「1」から「0」になるタイミング)で行われるソレノイドオフによってV可動片523が閉鎖位置に戻されることなく、有効期間設定処理によってV領域有効データにセットされた確変領域有効時間が終了するまで(具体的には、当該ラウンドの終了条件が満たされた後に排出球待ち時間3000msが経過するまで)、V領域522を開放することができる。すなわち、本実施形態に係るパチンコ機1Aでは、制御期間が時間値で定められたショート開放において特定の条件が成立した(大入賞口64Aへの入賞カウント数が1個になった)場合に、当該時間値が経過するよりも前に、制御期間が不定なロング開放に移行することが許可される。
以上が、パチンコ機1Aにおける特別電動役物(スライド可動片511)及びV可動片523の制御処理の流れである。パチンコ機1Aでは、このような制御処理が行われることによって、V入賞困難大当りの大当り遊技のVラウンドにおいては、開放時間40msのショート開放でのみV領域522が開放されることから、想定しないV入賞を抑制することができる一方、V入賞容易大当りの大当り遊技のVラウンドにおいては、V領域522はショート開放だけでなく、ラウンド終了条件成立後まで続くロング開放でも開放されるため、ほぼ確実にV入賞させることができる。
また、本実施形態においてV領域522の開放/閉鎖を実現するV可動片523の制御処理は、大当りの図柄(大当りの図柄情報)に関係なく実施される共通の処理であるショート開放の制御処理と、大当りの図柄(大当りの図柄情報)に応じて実施される個別の処理であるロング開放の制御処理とが、分けて設計されている。したがって、主制御CPU101は、大当りの図柄(大当りの図柄情報)に応じて(具体的にはV入賞容易大当りである場合に)、個別にセットする必要があるデータを、ロング開放許可データ(フラグ)だけとすることができ、大当りの種別に基づく制御用のテーブルデータを簡素に構成することができる。言い換えれば、従来の遊技機では、V可動片の作動パターンを大当りの図柄によって複数パターン保持する必要があったところ、本実施形態に係るパチンコ機1Aでは、共通の制御パターン(ショート開放用データをセット)と、V入賞容易大当りに対応する個別の制御パターン(ショート開放用データの後にロング開放許可データをセット)との2通りを用意すればよく、さらに、個別の制御パターンに含まれる制御内容は最小化されている。かくして、本実施形態に係るパチンコ機1Aでは、V可動片523の制御処理に関して、主制御CPU101によるメインプログラムの処理負荷の軽減、及び、当該プログラムのデータ量の低減に期待できる。
さらに、このような本実施形態に係るパチンコ機1Aでは、特別図柄の複数種類の停止図柄を図柄群に分類する際に、V入賞容易大当りに相当する停止図柄が属する図柄群と、V入賞困難大当りに相当する停止図柄が属する図柄群とを分けることによって、主制御CPU101は、大当り遊技のVラウンド開始時に、大当りの図柄群(より具体的には、大当りの図柄群の情報)に基づいて、共通の制御パターン(ショート開放用データのみ)、または、共通の制御パターン及び個別の制御パターン(ロング開放許可データ)の何れをセットすればよいかを判断することができる。このように処理が簡素化されることにより、主制御CPU101によるプログラムの処理負荷をより軽減する効果が期待できる。
また、本実施形態のV入賞困難大当りとV入賞容易大当りとのVラウンドにおけるスライド可動片511の開放制御を比較すると、スライド可動片511の開放制御に差異は設けられていない。すなわち、パチンコ機1Aでは、V入賞の容易さによる大当りの種別によらず、同一のスライド可動片511の開放制御によって、Vラウンドにおいて当該ラウンドの終了条件(例えば、大入賞口64Aへの10個の入賞、または大入賞口64Aの上限開放時間(本例では26秒)経過の何れか)を満たすまで、大入賞口64Aを開放するフルオープンを実現することができるものであり、V入賞の容易さによる大当りの種別によらず、十分な利益(賞球の払出)を遊技者に付与することができる。また、言い換えれば、パチンコ機1Aでは、V入賞の容易さによる大当りの種別によらず、また、Vラウンドであるか否かにもよらず、開きっぱなしの1パターンだけで、各種大当りにおける特別電動役物(スライド可動片511)の制御を実現できることから、主制御CPU101によるプログラムの処理負荷の軽減及びデータ量の低減に期待できる。
<(4)V確変機における特別遊技の具体的制御例>
上述したパチンコ機1Aにおける特別電動役物(スライド可動片511)及びV可動片523の制御処理について、図93〜図95に具体的な遷移を例示する。
図93は、V入賞困難大当りにおけるアタッカユニット関連の動作制御を示す図である。また、図94は、V入賞容易大当りにおけるアタッカユニット関連の動作制御を示す図である。また、図95は、V入賞容易大当りにおいてイレギュラーな状況が発生した際のアタッカユニット関連の動作制御を示す図である。図95に示されるイレギュラーな状況とは、Vラウンドのショート開放時に1球目の大入賞口64Aへの入球が発生した場合を意味する。
まず、図93〜図95における表示内容の共通部分について説明する。
図93〜図95における「特電状態」は、特別電動役物(スライド可動片511)の作動状態を示すものであり、具体的には各ラウンド中は「作動中」となり、ラウンド間のインターバルは固定の閉鎖期間3100ms(本例では2割込みに相当する8msの大入賞口開放準備中ステータスに制御される時間を含む)が確保される。なおラウンド間のインターバル中も大入賞口64A内での遊技球の移動が想定され、残留球を有効としてみなす有効延長期間等が設定されるため、外部への情報としては、ラウンド間インターバル期間中の一部も「作動中」として扱い、大入賞口開放準備中ステータスの時間のみ非作動を表す情報(信号)を出力するように構成されている。また、大当り遊技は、特別電動役物が大当りの図柄(または図柄群)に応じた所定のラウンド数だけ連続作動する(役物連続作動装置が作動する)が、この大当り遊技の開始時には、大当りの開始を報知する大当り開始デモ画面を液晶表示装置70に表示するための固定時間(大当り開始デモ時間)が設けられており、同様に、大当り遊技の最終ラウンドの終了後には、大当りの終了を報知する大当り終了デモ画面を液晶表示装置70に表示するための固定時間(大当り終了デモ時間)が設けられている。
図93〜図95における「大入賞口」は、大入賞口64Aの開閉状況を示すものであり、スライド可動片511が開放位置に位置している期間(移動中を含めてもよい)を、ONとして、スライド可動片511が閉鎖位置に位置している期間(移動中を含めてもよい)を、OFFとしている。すなわち、「大入賞口」がONの場合は、遊技領域5aに打ち出された遊技球が大入賞口64Aに入球(入賞)する可能性があり、「大入賞口」がOFFの場合は、遊技領域5aに打ち出された遊技球は大入賞口64Aに入球(入賞)することができない。本例では、各ラウンドの開始タイミングでスライド可動片511は開放位置に移動して、ラウンド終了条件(本例では、大入賞口64Aへの10個の入賞、または大入賞口64A開放から26000ms経過の何れか)を満たすまで大入賞口64Aを開放した後、スライド可動片511は閉鎖位置に移動して大入賞口64Aを閉鎖する。そして、各ラウンド間では、少なくとも3100msの大入賞口64Aの閉鎖期間が確保される。なお、図93〜図95では、説明の都合上、各ラウンドにおいて大入賞口64Aが上限開放時間の26000msで開放しているが、実際は、上限開放時間に到達するよりも前に、規定数(本例では10個)の入賞によって大入賞口64Aは閉鎖すると考えてよい。
図93〜図95における「カウントスイッチ」は、大入賞口64Aに入球した遊技球をカウントする入球検知センサによる検知状態を示すものであり、大入賞口64Aへの入球を検知したときに1回、ONに上がる。入球検知センサが入球を検知するごとに大入賞口カウンタがカウントアップされる。なお、図93〜図95では、V可動片523の制御に関連する周辺の入球のみ、カウントスイッチの動作が記載されており、その他のタイミングにおけるカウントスイッチの動作は省略されている。
図93〜図95における「V可動片」は、V可動片523の作動状態を示すものであり、V可動片523が開放位置に位置している期間(移動中を含めてもよい)、すなわちV領域522の開放中をONとして、V可動片523が閉鎖位置に位置している期間(移動中を含めてもよい)、すなわちV領域522の閉鎖中をOFFとしている。したがって、図93〜図95における「V可動片」は「V領域」と置き換えてもよい。
前述したように、パチンコ機1Aでは、大当り遊技において、予め定められたVラウンド(本例では2ラウンド)においてのみ、V可動片523が作動し、それ以外のラウンドでは、V可動片523は常に閉鎖位置に位置してV領域522を閉鎖している。また、前述したように、V入賞容易大当りまたはV入賞困難大当りの何れであっても、Vラウンドの開始時にはV可動片523による40ms固定(イレギュラーな状況を除く)のショート開放が行われる。
図93〜図95における「確変領域有効時間」は、V領域522におけるV入賞の有効期間(確変領域有効時間)を示すものであり、V入賞が有効に設定されているときにONを示し、V入賞が無効に設定されているときはOFFを示す。
図93〜図95における「排出球待ち時間」は、大入賞口64A内に残っている遊技球の排出を待機する遊技球排出待ちタイマの状態を示すものであり、遊技球排出待ちタイマのタイマ値が残っている状態をONとする。大入賞口内制御処理の第2の状況で前述したように、本例では、ラウンド終了条件を満たして大入賞口64A(スライド可動片511)が閉鎖された後に、主制御CPU101が遊技球排出待ちタイマに既定値の3000msをセットし、タイマ値が「0」になるまでデクリメントする。
図93〜図95における「入排出球監視」は、大入賞口内制御処理に関する第3の状況として前述した大入賞口64Aの入排出球監視において遊技球排出に関する異常(排出球異常)と判定された場合のエラー報知期間を示すものである。また、図93〜図95に示したそれぞれのエラー報知期間の開始タイミングが排出球異常の判定タイミングに相当する。当然ながら、排出球異常と判定されなかった場合には、図93〜図95で入排出球監視の欄に示したエラー報知は行われない。
次に、図93〜図95それぞれにおける特徴的な制御を説明する。
図93は、V入賞困難大当りにおける大当り遊技であるため、Vラウンドである2ラウンドの特別電動役物の制御が開始されると、大入賞口64Aの開放と同時に、V可動片523(V領域522)のショート開放が開始する(t11)。V領域522は、ショート開放から固定時間の40msが経過すると閉鎖し(t12)、閉鎖後も3000msが経過するまでは(t14)V入賞は有効とされるが、40msという短時間のV開放中に遊技球がV入賞することは極めて困難である。図93では、大入賞口64Aへの1球目の入賞が、ショート開放終了後に示されている(t13)。
その後、Vラウンドの終了条件を満たすと、大入賞口64Aが閉鎖する(t15)。大入賞口64Aの閉鎖後は、遊技球排出待ちタイマに3000msがセットされるため、当該タイマのタイマ値が「0」になるまで(t16)、排出球に対する処理(入排出球監視)が待機される。その後、3100msの大入賞口64Aの閉鎖期間を経て、次のラウンド(3ラウンド)の特別電動役物の制御が開始される。
以上、図93に示したように、V入賞困難大当りにおけるVラウンドでは、V領域522の開放は、V入賞することが困難な短時間の開放時間で固定されたショート開放のみが実施されるため、V入賞が困難なVラウンドの制御を実現することができる。その一方で、大入賞口64Aの開放制御については、Vラウンド以外のラウンド、あるいは、後述する図94に示したV入賞容易大当りにおけるVラウンドと比較すると、同じ制御で特別電動役物(スライド可動片511)が作動することから、Vラウンドであるか否かによらず、あるいはV入賞の容易さによる大当りの種別によらず、大入賞口64Aのフルオープンを実現することができ、十分な利益(賞球の払出)を遊技者に付与することができる。
次に、図94における制御の遷移を説明する。図94は、V入賞容易大当りにおける大当り遊技であるが、Vラウンドである2ラウンドの開始直後は、図93に示したV入賞困難大当りのVラウンドの制御と同様に、大入賞口64Aの開放と同時に、V可動片523(V領域522)のショート開放が開始する(t21)。但し、大入賞口開放準備中処理で前述したように、V入賞容易大当りのVラウンドでは、V可動片作動制御テーブルに、ロング開放の実行を許可するフラグであるロング開放許可データがセットされる。図94では、一般的なVラウンドの遷移として、ショート開放中に遊技球がV入賞しない場合を示しているので、ショート開放されたV領域522は、固定時間の40msが経過すると閉鎖する(t22)。なお、閉鎖後も、V入賞の有効時間(確変領域有効時間)には、3000msが有効延長期間として設定されている(t24)。
図94の場合、ショート開放の終了後に、大入賞口64Aへの1球目の入賞がカウントされている(t23)。ここで、本例のパチンコ機1Aでは、V領域522のロング開放の開始条件を、大入賞口64Aへの入賞カウント数が所定数(1個)になった場合としているため、t23のタイミングで、V領域522のロング開放が開始される。前述したように、V領域522(V可動片523)のロング開放は、当該ラウンドの終了条件が満たされ(t25)、さらに排出球待ち時間である3000msが経過するまで継続する(t26)。さらに、確変領域有効時間も、ロング開放への移行に合わせて書き換えられるため(V可動片作動データがソレノイドオンである期間がロング開放終了まで継続することとなり、確変領域有効期間の有効となるデータが維持されるため)、ショート開放でセットされた3040msの終了タイミングを過ぎた後も(t24)、V領域522のロング開放が終了するまでV入賞が有効とされる(t26)。
なお、図94では、ショート開放時に設定された3040msが経過する前に、ロング開放が開始された場合を示しているため、確変領域有効時間がショート開放からロング開放に継続する態様で示されているが、「※1」にも記載したように、仮に、大入賞口64Aへの1個目の入賞が発生したt23のタイミングがショート開放から3040msが経過したよりも後であった場合には、確変領域有効時間は上記3040msの経過時点(t24)で一旦OFF(V入賞は無効)となり、その後のt23で改めてONとなる。
図94において、t23でV領域522のロング開放が開始された後、Vラウンドの終了条件を満たすと、大入賞口64Aが閉鎖する(t25)。大入賞口64Aの閉鎖後は、遊技球排出待ちタイマに3000msがセットされるため、t26で当該タイマのタイマ値が「0」になるまで、排出球に対する処理(入排出球監視)が待機される。なお、遊技球排出待ちタイマの計時中も、V領域522のV可動片523のソレノイドはオンであり、確変領域有効期間が有効に維持される。その後、3100msの大入賞口64Aの閉鎖期間を経て、次のラウンド(3ラウンド)の特別電動役物の制御が開始される。
以上、図94に示したように、V入賞容易大当りにおけるVラウンドでは、V領域522は、最初はV入賞困難大当りと同様にショート開放が実施されるものの、その後は、特定条件の成立(大入賞口64Aの入賞カウント数が1個になった)を契機として、Vラウンドの大入賞口64A閉鎖以降まで続くロング開放が実施されることで、ほぼ確実にV入賞させることができる。そしてこのとき、V入賞容易大当りという大当りの種別に応じて個別に設置する必要がある制御データは、ロング開放用データの実行フラグを設定するロング開放許可データだけでよく、個別の制御データに含める制御内容を最小化することができる。また、V入賞困難大当りにおける制御データと比較すると、V入賞の容易さに関する大当りの種別に拘わらず、共通の制御データとして、Vラウンド開始時のショート開放用データのセットを行えばよい。これらのことから、V可動片523の制御処理に関して、主制御CPU101によるメインプログラムの処理負荷の軽減、及び当該プログラムのデータ量の低減に期待できる。
また、大入賞口64Aの開放制御については、Vラウンド以外のラウンド、あるいは、図93に示したV入賞困難大当りにおけるVラウンドと比較すると、同じ制御で特別電動役物(スライド可動片511)が作動することから、Vラウンドであるか否かによらず、あるいはV入賞の容易さによる大当りの種別によらず、大入賞口64Aのフルオープンを実現することができ、十分な利益(賞球の払出)を遊技者に付与することができる。
次に、図95における制御の遷移を説明する。図95は、V入賞容易大当りにおける大当り遊技という点で、基本的な制御は図94と同様であり、具体的には、Vラウンド開始直後のt31にV可動片523(V領域522)のショート開放が開始され、3040msの確変有効時間がセットされるとともに、V可動片作動制御テーブルにロング開放許可データがセットされる。
ここで、図95では、イレギュラーな状況として、ショート開放が終了するt33よりも前のタイミングで、すなわちショート開放時に、大入賞口64Aへの1球目の入球が発生している(t32)。このとき、イレギュラーな状況に対応するロング開放に関するV可動片制御処理として前述したように、主制御CPU101は、ショート開放によって作動しているV可動片作動タイマのタイマ値を「0」にクリアしてV可動片作動データのソレノイドオンを維持するとともに、V可動片作動制御テーブルにセットされていたロング開放許可データをクリアする。この結果、V可動片523は、ショート開放でセットされたV可動片作動タイマのタイマ値のデクリメントによる影響を受けることなく、ロング開放に移行する。図94でも説明したように、V可動片523のロング開放は、当該ラウンドの終了条件が満たされ(t35)、さらに排出球待ち時間である3000msが経過するまで継続する(t36)。さらに、確変領域有効時間も、ロング開放への移行に合わせて書き換えられるため、ショート開放でセットされた3040msの終了タイミングを過ぎた後も(t34)、V領域522のロング開放が終了するまでV入賞が有効とされる(t36)。その後のVラウンドの終了条件が満たされた後の処理は、図94と同様であるため、説明を省略する。
以上、図95に示したように、V入賞容易大当りにおけるVラウンドでは、ショート開放中にロング開放の開始条件が成立した(大入賞口64Aの入賞カウント数が所定数の1になった)というイレギュラーな状況となった場合でも、ショート開放のV可動片作動タイマをリセットしてV可動片作動データのソレノイドオンを維持することで、制御期間が時間値で定められたショート開放から、制御期間が不定なロング開放に継続して移行することができる。すなわち、ショート開放に定められた固定の時間値が経過するよりも前に、制御期間が不定なロング開放に移行することが許可される。このような制御を実施可能な本実施形態に係るパチンコ機1Aによれば、V可動片523を制御するソレノイドの動作が不具合となることを防止しながら、図94と同様に、Vラウンドの大入賞口64A閉鎖以降まで続くロング開放を実施して、ほぼ確実にV入賞させることができる。また、図94で述べたその他の効果にも期待できる。
<小当りラッシュ搭載機における大入賞口の入排出球監視>
以下では、前述した本実施形態に係るパチンコ機1Aの変形例として、パチンコ機1Aに小当りラッシュを搭載した場合の特徴的な大入賞口64Aの入排出球監視について説明する。
まず、小当りラッシュの概要を説明する。小当りラッシュは、第2特別図柄に特別図柄抽選で小当りと判定される乱数値を比較的多数配置し(具体的には例えば、小当り確率を1/3〜1/1とする)、高確率状態(例えば確変状態)において第2特別図柄の変動時間短縮機能を作動させることにより、大当りの間の遊技状態で小当りを頻発させるものである。小当りに当選すると、特別電動役物(スライド可動片511)が1ラウンドに限って作動することにより、大入賞口64Aに遊技球を入賞させることができるため、通常状態よりも多くの賞球の払出に期待できる。結果として、小当りラッシュによって大当り間で小当りを頻発させることで、遊技者に持ち球を増加させながら次回の大当りを待つというゲーム性を提供することができる。
ここで、小当りラッシュを搭載した従来の遊技機では、次のような課題があった。従来、遊技機は、不正遊技や故障等による排出球異常を検知するために、大入賞口における遊技球の入排出を監視する入排出球監視機能を備えている。大入賞口における遊技球の入排出球監視の一般的な方法として、例えば、大入賞口への遊技球の入球を検知する入球検知センサと、大入賞口からの遊技球の排出を検知する排出球検知センサとを設け、入検知センサが大入賞口への入球を検知したときに、当該遊技球が大入賞口から排出されるのを待つための排出球待ち時間をタイマにセットする。排出球待ち時間には、大入賞口に入球した遊技球が自然に排出されるまでに要する以上の十分な時間(例えば3秒)が設定される。そして、当該タイマのタイマ値が「0」になったときに、入球検知センサによる検知数と排出球検知センサによる検知数との差分値(各センサによる検知数を相殺した値)を確認し、「0(入球数=排出球数)」であれば正常、「0以外(入球数≠排出球数)」であれば排出球異常と判定する。このような入排出球監視は、大入賞口の開閉ごとに実施されるため、大当り遊技であればラウンドごとに、小当りラッシュであれば小当りごとに実施されていた。
しかし、上記の従来の遊技機では、小当りラッシュが短期間で連続するとき、先の小当りに対する大入賞口の閉鎖から入排出球監視の排出球待ち時間が経過するよりも早く、次の小当りが発生する場合があり、このとき、次の小当りによって開放した大入賞口に遊技球が入球すると、小当りにおける入排出球監視が十分に機能しないという課題があった。また、ある小当りの直後に、短変動時間で大当りに当選したとき、先の小当りに対する入排出球監視の排出球待ち時間が経過するよりも早く大当り遊技が開始してしまうと、大当り開始後に小当りに基づく入賞がカウントされる可能性があり、このとき、大当り中の異常入賞の原因となってしまうことも想定される。
以上の課題を鑑みて、本実施形態に係るパチンコ機1Aでは、変形例として小当りラッシュを搭載した場合に、以下のような大入賞口の入排出球監視を実施する。なお、説明においては、前述したV確変機として構成されたパチンコ機1Aの構成を流用する。
パチンコ機1Aの変形例において、特別電動役物(スライド可動片511)の動作状態を示す特別電動役物遊技ステータスは、大当りまたは小当りに当選していない状態で「00H(当り待ち状態)」であり、大当りに当選した場合は「01H(特別遊技)」となり、特別遊技(大当り遊技)が実行される。具体的には、大当り開始デモの演出期間を経て、1ラウンド目の大入賞口64Aの開放制御が実行される。大当り遊技では、大当りの種別に応じた所定のラウンド数に亘って大入賞口64Aの開放制御が実行される。最終ラウンド以外の各ラウンドでは、ラウンドの終了条件(例えば、大入賞口64Aへの10個の入賞、または大入賞口64A開放から26000ms経過の何れか)を満たすと、大入賞口64Aは閉鎖し、所定の閉鎖期間(本例では3100ms)を経て、次のラウンドが開始する。そして最終ラウンドでは上記終了条件を満たすと、大入賞口64Aは閉鎖し、所定の閉鎖期間(本例では3100ms)、及び大当り終了デモの演出期間を経て、大当り遊技が終了する。大当り遊技が終了すると、特別電動役物遊技ステータスは「00H(当り待ち状態)」に遷移する。
また、パチンコ機1Aの変形例において、特別電動役物遊技ステータスは、小当りに当選した場合は「00H(当り待ち状態)」から「02H(小当り遊技)」に遷移し、小当り遊技が実行される。具体的には、小当り開始デモの演出期間を経て、1ラウンドに限って大入賞口64Aの開放制御が実行され、小当りの終了条件(例えば、規定個数の入賞、または大入賞64Aの上限開放時間(本例では600msとする)の経過の何れか)が満たされたとき、大入賞口64Aは閉鎖し、所定の閉鎖期間(本例では100msとする)、及び小当り終了デモの演出期間を経て、小当り遊技が終了する。小当り遊技が終了すると、特別電動役物遊技ステータスは「00H(当り待ち状態)」に遷移する。
まず、大当り遊技における大入賞口64Aの入排出球監視は、図93〜図95を参照しながら説明した大入賞口64Aの入排出球監視とほぼ同様である。具体的には、特別電動役物遊技ステータスが「01H(特別遊技)」に遷移したタイミング、及び、特別電動役物遊技ステータスが「01H」で特別電動役物が閉鎖してから遊技球排出待ちタイマのタイマ値が「0」になったタイミング(具体的には、閉鎖後3000ms経過)で、遊技球排出待ちカウンタのカウンタ値を「0」にクリアする。上記の遊技球排出待ちタイマのタイマ値を「0」クリアするタイミングは、簡潔に言えば、各ラウンドの開始時と言い換えてもよい。そして、遊技球排出待ちタイマのタイマ値を「0」クリアした後は、入球検知センサによる遊技球の検知ごとにカウンタ値をインクリメント(「+1」)し、排出球検知センサによる遊技球の検知ごとにカウンタをデクリメント(「−1」)することにより、各ラウンドで、大入賞口64Aにおける遊技球の入排球数の差分を計数する。そして、当該ラウンドのラウンド終了条件が満たされて大入賞口64A(スライド可動片511)が閉鎖されるタイミングで、主制御CPU101が遊技球排出待ちタイマに既定の排出球待ち時間3000msをセットし、タイマ値が「0」になるまでデクリメントする。そして、遊技球排出待ちタイマがデクリメントされてタイマ値が「0」となったときに、主制御CPU101は、遊技球排出待ちカウンタのカウンタ値が「0」以外であった場合に、遊技球排出に関する異常が発生していると判定する。例えば、遊技球排出待ちカウンタのカウンタ値が1以上であった場合は、排出不足を示していることから、排出球エラー(大入賞口球詰まりエラー)を30秒間報知する。なお、カウンタ値がマイナスを意味する場合は、排出超過を示しており、これは不正行為の可能性もあることから、より長い60秒間に亘って排出球エラーを報知する。
なお、前述したV確変機としてのパチンコ機1Aでは、大当り遊技の各ラウンドで大入賞口64Aが開放する前の状態を示す特別電動役物遊技ステータスとして「03H(開放準備中)」が用意されていたが、本変形例でも同様に、大当り遊技の各ラウンド開始時に「03H」の特別電動役物遊技ステータスに遷移するようにしてもよい。この場合、大入賞口64Aの開放開始(ラウンド開始)に合わせて特別電動役物遊技ステータスは「03H」から「01H(特別遊技)」に遷移し、最終ラウンド以外のラウンドで特別電動役物(大入賞口64A)が閉鎖すると、再び「03H」に遷移することから、特別電動役物遊技ステータスが「03H」に遷移したときに遊技球排出待ちカウンタのカウンタ値を「0」にクリアして、上述したような大入賞口64Aの入排出球監視を実施すればよい。
次に、図96を参照しながら、大当り間の小当りラッシュにおける大入賞口64Aの入排出球監視について詳述する。図96は、大当り間で小当りラッシュが行われるときのアタッカユニット関連の動作制御を示す図である。図96における表示項目(特電状態、大入賞口、カウントスイッチ、V可動片、確変領域有効時間、排出球待ち時間、入排出球監視)は、図93〜図95と同様であるため、説明を省略する。なお、図93〜図95の例と異なる点として、図96では大当りの1ラウンド目をVラウンドとしている。
図96には始めに大当り遊技の最終ラウンドが示されている。大当り遊技の最終ラウンドでは、ラウンド開始時にタイマ値が「0」クリアされた遊技球排出待ちタイマを用いて、入球検知センサの検知によるインクリメントと排出球検知センサの検知によるデクリメントとを行って、大入賞口64Aにおける遊技球の入排球数の差分が計数される。そして、ラウンド終了条件が満たされて大入賞口64A(スライド可動片511)が閉鎖したタイミングで、遊技球排出待ちタイマに既定の排出球待ち時間3000msがセットされ(t41)、タイマ値が「0」になるまで入排出球監視が待機される。その後、3000msが経過して遊技球排出待ちタイマのタイマ値が「0」になると、主制御CPU101が遊技球排出待ちカウンタのカウンタ値に基づいて、排出球異常が発生していないかを判定する(t42)。t42で排出球異常と判定された場合は、エラーの報知が行われる。例えば、遊技球排出待ちカウンタのカウンタ値が1以上であった場合は、排出不足による大入賞口球詰まりエラーを30秒間に亘って報知する。なお、図96に示したように、大当り遊技の最終ラウンドは大当り終了デモ期間を経て終了する(t43)。
その後、小当りに当選すると、小当り遊技の開始を示す小当り開始デモ画面が所定期間に亘って表示される(t44〜t45)。小当り開始デモ期間が経過すると、小当り遊技によって大入賞口64Aが開放され(t45)、遊技球が大入賞口64Aに入賞可能となる。そこで、本変形例では、大当り遊技終了後に最初の小当り遊技で大入賞口64Aが開放されるよりも前のタイミング(t43〜t45の間)で、主制御CPU101が遊技球排出待ちカウンタのカウンタ値を「0」にクリアし、入球検知センサ及び排出球検知センサの検知に基づく大入賞口64Aにおける遊技球の入排出カウントを開始する。
小当り遊技で開放された大入賞口64Aは、最大で所定の上限開放時間(本例では600ms)が経過すると閉鎖され(t46)、所定の閉鎖期間(100ms)を経て、小当り遊技の終了を示す小当り終了デモ画面が所定期間に亘って表示される(t47〜t48)。以上で1回目の小当り遊技が終了する。
ここで、大当り遊技の入排出球監視では、大入賞口64Aが閉鎖したタイミングで遊技球排出待ちタイマに排出球待ち時間の3000msがセットされて、その経過後に排出球異常が発生していないかを判定していたが、小当り遊技の入排出球監視では、小当り遊技単位では、排出球待ち時間のセットや排出球異常の判定を行わない。このような制御を行うことにより、先の小当り遊技で大入賞口64Aが閉鎖してから排出球待ち時間に相当する3000msが経過するよりも前に、次の小当りが発生して大入賞口64Aが開放されたとしても、入排出球監視の処理が重複しないので、小当りにおける入排出監視が十分に機能しないという従来の課題を解消できる。
図96の場合、1回目の小当り遊技(t44〜t48)に続き、2回目の小当り遊技(t49〜t50)と3回目の小当り遊技(t51〜t52)が示されている。これらの小当りラッシュの間、遊技球排出待ちカウンタは、「0」クリアされることなく、大入賞口64Aにおける遊技球の入排出を継続してカウントする。また、上述したように、遊技球排出待ちタイマへの排出球待ち時間のセットは行われない。
図96によれば、3回目の小当り遊技が終了した後、次の大当りに当選している。ここで、図47を参照して特別図柄変動中処理で説明したように、特別図柄の変動表示においては、特別図柄の変動停止の際に、特別図柄遊技タイマに確定表示時間(以下、図柄固定時間とも呼ぶ)のデータがセットされることにより、図柄固定時間に亘って停止図柄を確定的に停止表示することが求められる。この確定表示時間(図柄固定時間)について、図47の説明では500msとしていたが、本変形例のパチンコ機1Aでは、小当りラッシュ後の大当りの特別図柄変動について、大当りの特別図柄変動における図柄固定時間を、例えば排出球待ち時間と同一/同等またはそれ以上(具体的には例えば3100ms)とする。さらに、図96に示したように、この図柄固定の開始に合わせて、遊技球排出待ちタイマに排出球待ち時間の3000msをセットし(t53)、その経過後に、遊技球排出待ちカウンタが「0」であるか否かを確認することによって、小当りラッシュ全体での排出球異常を判定する(t54)。t54で異常と判定された場合には、例えば排出球エラー(大入賞口球詰まりエラー)を30秒間報知する。
上記のように大当りの特別図柄の図柄固定時間の間に、残留球の排出球待ち時間が経過するように制御することで、小当りラッシュ全体での排出球異常の判定は、大当りの特別図柄変動における図柄固定時間が終了するタイミング(t55)よりも前に実行される。その結果、次の大当り遊技において大入賞口64Aが開始するタイミング(t56)よりも前に、小当りラッシュに対する大入賞口64Aの入排出球監視を完了することができる。また、上記の制御によれば、小当りラッシュ期間における特別図柄の変動時間や小当り遊技の実行時間を変更する必要はない。
以上のことから、本変形例のパチンコ機1Aによれば、小当りラッシュの変動効率を低下させず、小当りが頻発するという小当りラッシュ特有の爽快感を損なうことなく、小当りラッシュ期間における大入賞口64Aの入排出球監視と、大当り遊技における大入賞口64Aの入排出球監視とを確実に切り分けて実行することができる。
なお、図96の例では、小当りラッシュにおける遊技球排出待ちタイマによる排出球待ち時間が、大当りの特別図柄の図柄固定時間のなかだけで完了する制御パターンを示したが、本変形例のパチンコ機1Aによる小当りラッシュの入排出球監視は、この基本パターンに限定されるものではなく、少なくとも、小当りラッシュ後の大当り遊技の1ラウンドで大入賞口64Aが開放する前の「図柄固定時間を含む所定期間」において、排出球待ち時間の消化及び排出球異常の判定が実行されればよい。前述したように、図柄固定は、特別図柄の変動表示制御において、変動時間の長さに拘わらず、必ず一定時間以上で表示を実施しなければならない。すなわち、図柄固定は、メイン制御として一定以上の時間を割り当てなければならない固定的な処理であって、その点で、任意の実施時間を設定できる演出等とは異なる性質を有している。本変形例のパチンコ機1Aは、このような固定的な処理に要する時間(図柄固定時間)を、小当りラッシュ終了後の入排出球監視のために利用することで、前後の演出の態様に与える影響を抑えながら、確実な処理時間を確保することができる。例えば、本変形例のパチンコ機1Aにおいて、小当りラッシュから継続する態様で次の大当りを見せる演出を行う場合には、特別図柄の固定表示を行いながら、小当りラッシュが続いているかのような演出を実施すれば、小当りラッシュの入排出球監視のために過剰な追加時間を設定することなく、小当りラッシュから大当りへの連続的な演出を提供することができる。
また以下に、本変形例のパチンコ機1Aによる小当りラッシュに対する入排出球監視の制御について、上述した基本パターン以外の派生パターンを列記する。これらの派生パターンで制御する場合も、基本パターンと同様の効果を得ることができる。
まず、第1の派生パターンとして、大当りの特別図柄変動時間とその図柄固定時間との合計が排出球待ち時間(3000ms)以上となるようにして、当該合計期間内に遊技球排出待ちタイマのタイマ値が「0」になるタイミングで遊技球排出待ちタイマに排出球待ち時間をセットするようにしてもよい。第1の派生パターンは、小当りラッシュと大当り遊技とで連続的な演出を行うものではなく、大当り変動を演出的に識別しやすい態様にて報知する仕様である場合であって、大当りの特別図柄変動時間が、小当りの特別図柄変動時間よりも長い場合に特に効果的と言える。
また、第2の派生パターンとして、大当りの特別図柄の図柄固定時間と大当り開始デモ期間との合計が排出球待ち時間(3000ms)以上となるようにして、当該合計期間内に遊技球排出待ちタイマのタイマ値が「0」になるタイミングで遊技球排出待ちタイマに排出球待ち時間をセットするようにしてもよい。また、第1の派生パターンと第2の派生パターンとを融合して、大当りの特別図柄変動時間から大当り開始デモ期間までの間で、小当りラッシュ期間の排出球異常の判定が行われるようにしてもよい。
但し、一部の遊技機の仕様では、大当り開始デモのタイミング(図96のt55)から大入賞口64Aの入賞が有効に設定される場合がある。このような仕様の場合は、第2の派生パターンのように小当りラッシュ期間の排出球異常の判定タイミングが次の大当りの大当り開始デモ期間に重なると、入排出球監視の切り分けができず好ましくないため、少なくとも図柄固定時間の終了までに遊技球排出待ちタイマのタイマ値が「0」になるタイミングで排出球待ち時間をセットするほうがよい。すなわち、基本パターンまたは第1の派生パターンを採用することが好ましい。
なお、パチンコ機1Aが、大当り開始デモの終了タイミング(図96のt56)よりも後に、大当り遊技における大入賞口64Aの入賞が有効に設定されるという仕様である場合には、図柄固定時間の代わりに大当り開始デモ期間を利用する制御パターンを採用することもできる。具体的には、図柄固定時間の代わりに大当り開始デモ期間を排出球待ち時間(3000ms)以上として、大当り開始デモ期間のなかで、遊技球排出待ちタイマへの排出球待ち時間のセットと小当りラッシュ期間の排出球異常の判定とを行うようにすればよい。この制御パターンの場合は、「固定時間」を利用しているものではないが、小当りラッシュの変動効率を低下させず、小当りラッシュの爽快感を損なうことなく、小当りラッシュ期間における大入賞口64Aの入排出球監視と、大当り遊技における大入賞口64Aの入排出球監視とを確実に切り分けて実行する、という効果を得ることができる。
以上、本発明の遊技機の一実施形態としてパチンコ機で説明したが、本発明はパチンコ機に限定されることはない。すなわち、パチンコ機以外の遊技機、例えば、スロットマシンや、パチンコ機とスロットマシンとを融合させてなる遊技機や、遊技球や遊技メダル等を要さない管理遊技機(封入式遊技機、メダルレス遊技機)や、カジノマシン等であっても本発明を適用することができる。