JP6933814B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、いわゆる弾球式遊技機(以下、「パチンコ遊技機」または「パチンコ機」ともいう)や、回胴式遊技機(「パチスロ機」または「スロットマシン」とも称される)等の遊技機に関するものである。
従来、外枠や前枠を共通部品とし、遊技に関する制御を行う制御基板または制御基板が取付けられる遊技盤に応じて、遊技盤の枠体(またはその一部)を交換可能な遊技機が知られている。以下、この交換可能な遊技盤の枠体を「枠交換ユニット」と称する。このような従来の遊技機では、共通部品を用いることにより、遊技機の製造コストの低減に期待できるだけでなく、遊技機の入替作業の効率化にも期待できる。
但し、このような従来の遊技機では、遊技機の入替時に、物理的には取付可能であるが制御基板による内部処理において互換性を有しない、誤った枠交換ユニット(不適合な枠交換ユニット)が取付けられてしまう可能性があった。不適合な枠交換ユニットが取付けられた遊技機では、例えば、制御基板から出力された制御信号が枠交換ユニット側の誤った動作を引き起こし故障が発生する等のおそれがあった。
上記の課題に関して、例えば特許文献1には、1つの遊技盤を複数種類の枠体で使用可能な遊技機において、枠体側の演出デバイスの意匠以外を変更し易くする遊技機が開示されている。特許文献1に開示された遊技機では、枠体の種類を識別する信号を枠体側から遊技盤側に出力することにより、遊技盤側で枠体の種類を判別し、枠体の種類に応じたコマンドを出力するとしている。このように枠体の種類を判別できれば、不適合な枠交換ユニットの取付けを検出することが可能と考えられる。
特開2017−113198号公報
しかしながら、上記の特許文献1には、主電源がオンである期間中、枠体の種類を識別する信号を含む枠情報が枠中継基板の枠種別出力回路から出力され、この枠情報に基づいてサブ制御基板が枠体の種類を識別する、と記載されているものの、枠体の種類を識別する信号がどのようなものであるか記載がなく、サブ制御基板が枠体の種類を識別する方法が明確にされていなかった。
そこで、本発明は、上述した課題に鑑み、装着された枠交換ユニットが遊技機に適合するか否かを確実に識別できる遊技機を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するため本発明においては、演出に関する制御を行う制御手段(例えば演出制御基板200)と、前記制御手段の制御情報に基づいて演出動作を行うことが可能な演出部材を備えた開閉部(例えば前枠4)と、前記開閉部の一部であり、前記制御手段に合わせて交換するために着脱可能に構成され、前記演出部材の少なくとも一部を有した交換ユニット(例えば枠交換ユニット3C’)と、を備え、前記開閉部は、前記交換ユニットに含まれる前記演出部材に相当する複数の可動部材と個々の前記複数の可動部材の位置を検出するセンサとを有し、前記制御手段は、遊技機に取付けられた前記交換ユニットを含む前記開閉部において前記複数の可動部材がそれぞれ初期位置にある場合の前記センサによる検出情報の組合せに基づいて、当該交換ユニットが当該遊技機に適合するか否かを判定することを特徴とする遊技機が提供される。
本発明によれば、装着された枠交換ユニットの適合/不適合を識別可能な遊技機を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の右側面図である。 パチンコ機を前方から見た斜視図である。 パチンコ機を後方から見た斜視図である。 前枠からガラス枠を開放させるとともに、外枠から前枠を開放させた状態のパチンコ機を前方から見た斜視図である。 ガラス枠、遊技盤、前枠、及び外枠に分解したパチンコ機を前方から見た分解斜視図である。 ガラス枠、遊技盤、前枠、及び外枠に分解したパチンコ機を後方から見た分解斜視図である。 遊技盤の正面図である。 遊技盤を右前から見た斜視図である。 遊技盤の背面図である。 遊技盤の背面を左後ろから見た斜視図である。 遊技盤の背面を右後ろから見た斜視図である。 遊技盤を主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図である。 遊技盤を主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 パチンコ機の背面図(その1)である。 パチンコ機の背面図(その2)である。 パチンコ機の背面図(その3)である。 図17の状態におけるパチンコ機の斜視図である。 前枠の適切な開放状態における裏カバーの開閉軌跡を示す図である。 前枠の不適切な開放状態における裏カバーの開閉軌跡を示す図である。 主制御ユニットを取り外す際の背面図及びその拡大図(その1)である。 主制御ユニットを取り外す際の背面図及びその拡大図(その2)である。 主制御ケースの六面図である。 主基板制御ケースの取付ブラケットの正面図及び斜視図である。 ハーネスカバーの斜視図である。 遊技機の電気的な構成例を示す制御ブロック図である。 図26に示す主制御基板の機能の一例を示すブロック図である。 図26に示す演出制御基板の機能の一例を示すブロック図である。 特別図柄当否抽選テーブルの一例を示す図である。 特別図柄当り図柄テーブルの一例を示す図である。 特別図柄変動パターンテーブルの一例を示す図である。 主制御側メイン処理の一例を示すフローチャートである。 図32に続く主制御側メイン処理の一例を示すフローチャートである。 図33に続く主制御側メイン処理の一例を示すフローチャートである。 設定変更処理の一例を示すフローチャートである。 設定確認処理の一例を示すフローチャートである。 主制御側タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。 図37に連続する主制御側タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。 始動口監視制御処理の一例を示すフローチャートである。 図39に続く始動口監視制御処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄変動開始監視制御処理の一例を示すフローチャートである。 図41に示す特別図柄変動開始監視処理の一例を示すフローチャートである。 図42に続く特別図柄変動開始監視処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。 図44に示す特別図柄制御汎用処理の一例を示すフローチャートである。 図45に示す特別図柄変動開始処理の一例を示すフローチャートである。 図45に示す特別図柄変動中処理の一例を示すフローチャートである。 図46に示す特別図柄停止図柄表示中処理の一例を示すフローチャートである。 図48に続く特別図柄停止図柄表示中処理の一例を示すフローチャートである。 図49に続く特別図柄停止図柄表示中処理の一例を示すフローチャートである。 特別電動役物制御処理の一例を示すフローチャートである。 図51に続く特別電動役物制御処理の一例を示すフローチャートである。 図52に続く特別電動役物制御処理の一例を示すフローチャートである。 リセット開始処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御側メイン処理の一例を示すフローチャートである。 図55に示すコマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。 図56に示す演出状態移行処理の一例を示すフローチャートである。 図56に示す変動演出内容決定処理の一例を示すフローチャートである。 図56に示す大当り演出内容決定処理の一例を示すフローチャートである。 図59に続く大当り演出内容決定処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御側タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。 画像制御コマンド送信割込み処理の一例を示すフローチャートである。 枠交換前のパチンコ機の正面図である。 枠交換前のパチンコ機におけるガラス枠の分解図である。 枠交換後のパチンコ機におけるガラス枠の分解図である。 枠交換後のパチンコ機におけるガラス枠の正面図である。 検出情報及び識別コードの一例を説明するための図である。 LEDドライバの回路図である。
以下に、本発明の一実施形態に係るパチンコ機1について、図面を参照しながら説明する。
<パチンコ機の構造>
図1は、本発明の一実施形態に係るパチンコ機の正面図である。また、図2以降には、図1に示したパチンコ機1について、他方向から見た様子や分解した様子等が示されている。図2は、パチンコ機の右側面図であり、図3は、パチンコ機を前方から見た斜視図であり、図4は、パチンコ機を後方から見た斜視図である。また、図5は、前枠からガラス枠を開放させるとともに、外枠から前枠を開放させた状態のパチンコ機を前方から見た斜視図であり、図6は、ガラス枠、遊技盤、前枠、及び外枠に分解したパチンコ機を前方から見た分解斜視図であり、図7は、ガラス枠、遊技盤、前枠、及び外枠に分解したパチンコ機を後方から見た分解斜視図である。
パチンコ機1は、遊技ホールの島設備に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖するガラス枠(扉枠)3と、ガラス枠3を開閉可能に支持し、外枠2に開閉可能に取付けられている前枠4と、前枠4に前から着脱可能に取付けられ、ガラス枠3を通して視認され、遊技球が打込まれる遊技領域5aを有する遊技盤5と、を備えている。
外枠2は、上下で左右に延びるフレーム2a,2bと、左右で上下に延びるフレーム2c,2dとを組み合わせた方形状からなり、そして、正面から左側縁上下のヒンジ部材2e,2fを備え、ヒンジ部材によって、前枠4及びガラス枠3とを、横開き開閉及び着脱自在に支持している。
前枠4の前面側には、ガラス枠3が正面向かって左側縁部のヒンジ機構3a,3bによって横開き開閉及び着脱可能に取り付けられている。ガラス枠3は、施錠装置3cを用いて、その前面を覆っているガラス板によって閉鎖状態に保持されている。ガラス枠3の背後に位置する前枠4の上半分には、遊技盤5が前枠4の正面側から着脱可能に装着されており、上述のように閉鎖保持されているガラス枠3の複層ガラスを通して遊技盤5の正面の遊技領域5aが視認可能になっている。
ガラス枠3は、四角形で前後に貫通している貫通口3dを有するベースユニット3eと、その前面下方において遊技球を貯留する皿ユニット3fと、皿ユニット3fに貯留された遊技球を遊技盤5の遊技領域内へ打込むために遊技者が操作可能なハンドル4aを収容する領域3gとを備えている。そして、ガラス枠3の前面側には、遊技の進行状況に応じて発光する枠ランプ(LEDランプ)3h、及び、遊技の進行状況に応じて音を出力するスピーカ3iが設けられている。皿ユニット3fの正面中央には、遊技者によって押圧操作される演出ボタン3jが設けられている。
前枠4は、外枠2の枠内に挿入可能とされ、遊技盤5の外周を支持する枠体4bと、枠体4bの正面視左側の上下に外枠2のヒンジと、扉枠3のヒンジとが回転可能に取付けられるヒンジ4c,4dと、枠体4bの前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球を打込むための球発射装置4eと、枠体4bの正面視右側面に取付けられており、外枠2と前枠4、及び、ガラス枠3との間を施錠する施錠ユニット4fと、枠体4bの後面下部に取付けられている基板ユニット4gと、枠体4bの後側で、枠体4bに取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー4hと、を備えている。基板ユニット4gは、スピーカユニットと、電源基板と、インターフェイス制御基板と、遊技球の払出しを制御する払出制御基板とを収容する。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技者が遊技球の発射装置4aを回転操作すると、その角度に応じた強さで遊技球が遊技盤5の遊技領域5a内へ打込まれる。そして、遊技領域5a内に打込まれた遊技球が、入賞口(入球口)に受入れられると、受入れられた入賞口に応じて、所定数の遊技球が払出される。この遊技球の払出しによって遊技者の興趣を高めることができる。
<遊技盤>
次に、遊技盤5を図8〜図14を参照して説明する。図8は遊技盤の正面図、図9は遊技盤を右前から見た斜視図、図10は遊技盤の背面図、図11は遊技盤の背面を左後ろから見た斜視図、図12は遊技盤の背面を右後ろから見た斜視図、図13は遊技盤を主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図、図14は遊技盤を主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
遊技盤5は、遊技球が打込まれる遊技領域5aを有する。遊技盤5は、表ユニット100m、裏ユニット200m、液晶ベース300m、液晶表示装置(演出表示装置)70を組み合わせて構成される。表ユニット100mは、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前部材100aと、前部材100aの後側に取付けられ、遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル100bと、を備え、遊技パネル100bの前面において遊技領域5a内となるところに、複数の障害釘が所定の配列で植設されている。
前部材100aは、右下隅に主制御ユニット5b(遊技全般の制御を行う主制御基板100)からの制御信号に基づいて遊技状況を遊技者に視認可能にする機能表示ユニット100cを備える。液晶表示装置70は、遊技領域5aの中央に配置され所定の演出画像を表示する。液晶表示装置70の背面に、周辺制御ユニット5c(演出全般の制御を行う演出制御基板200)が取り付けられている。液晶ベース300mは、裏ユニット200m側が開放され、裏ユニット200mを収容するとともに、液晶ベース300mの背面に液晶表示装置70が取付けられる。
遊技パネル100bは外周の形態が前部材100aとほぼ同じで、透明な平板状のパネル板からなり、前部材100aの後側に取付けられ、さらに後面に裏ユニット200mが取付けられるホルダとを備える。前部材100aは、遊技領域5a内に打込まれた遊技球を受入可能に常時開口する複数の一般入賞口66と、一般入賞口とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球を受入可能に常時開口している第1始動口61と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球の通過を検知するゲート63(後述のアタッカユニット500に一体形成)と、遊技球がゲートを通過することにより抽選される普通図柄抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる第2始動口62(後述のアタッカユニット500に一体形成)と、第1始動口61への遊技球の受入れにより抽選される第1特別抽選結果又は第2始動口への遊技球の受入れにより抽選される第2特別抽選結果に応じて遊技球の受入れが何れかにおいて可能となる大入賞口64(後述のアタッカユニット500に一体形成)を備える。なお、ゲート63、第2始動口62と大入賞口64とはアタッカユニット500内にあるため、ここでは図示されていない。
第2始動口には、可動片で構成される普通電動役物と、この普通電動役物を開閉駆動させるための普通電動役物ソレノイドとが設けられている。普通電動役物は、この普通電動役物ソレノイドの通電状態に応じて、第2始動口へ遊技球が入球し難い閉鎖状態と、当該閉鎖状態よりも遊技球が入球し易い開放状態とが交互に可変可能である。第2始動口は、普通電動役物が開放状態とされなければ遊技球が入球し難い一方、普通電動役物が開放状態とされると遊技球が入球し易い構成となる。前部材100aは、左右方向中央の第1始動口61の直下に第1のアウト口29を備える。アタッカユニット500は、表部材100aの右下にある。アタッカユニット500は、大入賞口64を開閉する、特別電動役物642としての可動片を主として備え、合わせて複数のパーツが一体化されたユニットである。
裏ユニット200mは、後方の液晶表示画面を視認するための開口200aを有する。裏ユニット200mは、一般入賞口66、第1始動口61等に受入れられた遊技球を検知するセンサと、液晶ベース300mを着脱可能に取付けるためのロック機構、遊技球を排出するための通路を備える。
前部材100aは、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。この前部材100aは、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール100f、外レール100fに略沿って前部材100aの内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール100dと、内レール100dの下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成され後方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導路100eと、を備えている。
遊技パネル100bは、前部材100aの開口と同一形状の開口の周りに、前部材100a側に突出するセンター飾り22を備える。遊技パネル100bを前部材100aに固定すると、センター飾り22が前部材100aの開口の形状に合致するように開口に嵌入して、表ユニット100mの開口100hの回りを飾る。遊技者は、開口100hを介して、演出画面や、演出装置の挙動を認識することができる。センター飾り22は装飾体の一種であり、遊技盤5の中心で演出表示装置70の画面等を補助する装飾機能を発揮する。センター飾り22には、遊技の進行状況に応じた演出動作を実行する可動役物(可動演出装置)が設けられてよい。可動役物は、ステッピングモータやソレノイドなどの駆動源によって作動する。センター飾り22には、遊技の進行状況に応じて発光するランプが設けられてもよい。
主制御ユニット5b(図7参照)は、液晶表示装置70の背面で、周辺制御ユニット5cの下方に取付けられる。主制御ユニット5bは、遊技内容及び遊技球の払出し等を制御する主制御基板100と、主制御基板100を収容する主制御基板ボックス(主制御基板ケース)100nを備える(図16参照)。主制御ユニット5bは、遊技内容及び遊技球の賞球等を制御する。
機能表示ユニット100cは、遊技状態を表示する一つのLEDからなる状態表示器と、ゲート63に対する遊技球の通過により抽選される普通図柄抽選結果に基づいて二つのLEDを点滅制御することにより普通図柄を変動表示した後にこれら二つのLEDを普通図柄抽選結果に応じた点灯態様で表示させる普通図柄表示器と、ゲート63に対する遊技球の通過に係る普通図柄の変動表示のうち未だ変動表示の開始条件が成立していない変動表示の個数である保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器と、第1始動口61への遊技球の受入れ(始動入賞の発生)により抽選された第1特別抽選結果に基づいて八つのLEDを点滅制御することにより第1特別図柄を変動表示した後にこれら八つのLEDを第1特別抽選結果に応じた点灯態様で表示させる第1特別図柄表示器と、第1始動口61への遊技球の受入れに係る第1特別図柄の変動表示のうち未だ変動表示の開始条件が成立していない変動表示の個数である保留数を表示する二つのLEDからなる第1特別保留数表示器と、第2始動口への遊技球の受入れ(始動入賞の発生)により抽選された第2特別抽選結果に基づいて八つのLEDを点滅制御することにより第2特別図柄を変動表示した後にこれら八つのLEDを第2特別抽選結果に応じた点灯態様で表示させる第2特別図柄表示器と、第2始動口への遊技球の受入れに係る第2特別図柄の変動表示のうち未だ変動表示の開始条件が成立していない変動表示の個数である保留数を表示する二つのLEDからなる第2特別保留数表示器と、第1特別抽選結果又は第2特別抽選結果が「大当り」等の時に、大入賞口の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する四つのLEDからなるラウンド表示器とを備える。機能表示ユニット100cはLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
周辺制御ユニット5cは、液晶表示装置70の後面に取付けられ、主制御基板100からの制御信号に基づいて遊技者に提示する演出(発光演出、サウンド演出、及び可動演出等)を制御する演出制御基板200、並びに、遊技展開に応じた画像表示及び音出力の制御を行う画像制御基板300を備える(図26参照)。液晶表示装置70は、遊技領域5aの中央に位置し、裏ユニット200mを収容する液晶ベース300mの略中央の後面に着脱可能に取付けられている。液晶表示装置70は、遊技盤5を組立てた状態で、枠状のセンター飾り22の枠内を通して、前面から視認できる。液晶表示装置70は、白色LEDをバックライトとしたフルカラーの表示装置であり、静止画像や動画を表示する。なお、本実施形態では、演出制御基板200と画像制御基板300を2枚の基板に分けて構成したものを記載しているが、それぞれの基板のCPUの機能構成について上記したものに限らず、適宜変更可能(例えば演出制御基板のCPUで音制御を行うなど)としたり、1枚の基板上のCPUで演出全てを制御したりするものであってもよい。
液晶表示装置70は、主として、第1特別図柄又は第2特別図柄と連動して変動表示・停止する装飾図柄や予告演出を含む演出画像を表示するとともに、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留表示を行う。具体的には、演出表示装置70の画面上に、装飾図柄の変動表示や予告演出表示などが実行される装飾図柄表示部と、第1特図保留ランプと同期して第1特別図柄の保留表示が実行される第1特図保留表示部と、第2特図保留ランプと同期して第2特別図柄の保留表示が実行される第2特図保留表示部と、が設けられている。
液晶表示画面の装飾図柄表示部には、所定の有効ライン上に、装飾図柄の変動表示領域となる三列の表示領域(左表示領域、中表示領域、右表示領域)が設けられており、左表示領域に対応して装飾図柄の左図柄、中表示領域に対応して装飾図柄の中図柄、右表示領域に対応して装飾図柄の右図柄がそれぞれ停止表示される。特図保留表示部には、通常の表示態様では、特別図柄の作動保留球が生じると白丸印の保留画像が表示される一方、当該作動保留球が消化されると対応する保留画像が消失される。この保留画像は、特別図柄の作動保留球の種類や発生順(入球順)など、あらかじめ定められた順番に表示されており、各特図保留表示部に最大で4個ずつ表示が可能である。
<設定変更>
本実施形態に係るパチンコ機1は、複数段階の設定値によって遊技の遊技者に対する有利度合いを変更する設定変更機能を備えることができるとする。ここで、設定値とは、遊技の遊技者に対する有利度合いを指定するための値であって、主制御基板100(図26参照)によって管理される。本例では、有利度合いが低い方から順に、「設定1」、「設定2」、・・・、「設定5」、「設定6」の6段階の設定値が用意されているとする。各設定値によって遊技の遊技者に対する有利度合いを異ならせるためには、例えば、設定値ごとに特別図柄抽選の大当り確率や確率変動性能に差異を設ける等が考えられる。主制御基板100は、設定値に基づいて遊技の進行を制御し、後述する設定変更操作によって設定値が変更された場合には、変更後の設定値に基づいて遊技の進行を制御する。
そこで以下では、設定変更機能を備える際の本実施形態に係るパチンコ機1の特徴について詳しく説明する。なお、以降の説明では、設定値を変更/設定することを「設定変更」と称し、設定変更に関する一連の操作を「設定変更操作」と称する。
パチンコ機1における設定変更操作では、まず、主制御基板100(主制御CPU101)によって制御される内部状態を、設定値を変更可能な「設定変更状態」に移行させるための操作が行われ、その後、設定変更状態に制御されているときに、所望の設定値を選択・設定する操作(従来の遊技機における既知の操作方法を利用可能であり、詳細な説明は省略する)が行われることにより、設定値を変更することができる。
そして、上記の設定変更状態に移行させるための操作は、前枠4を開放する第1の手順(枠開放)と、設定キースイッチをオン状態にする第2の手順(設定キースイッチオン)と、初期化スイッチに対して初期化操作を行う第3の手順(RAMクリアスイッチオン)と、電源スイッチに対して電源ON操作を行う第4の手順(電源スイッチオン)と、から構成される。但し、第3の手順と第4の手順は並行して操作されなければならない。
本実施形態に係るパチンコ機1の特徴的な構造を参照しながら、これら第1〜第4の手順について詳しく説明する。
第1の手順(枠開放)では、ドアキーを使って前枠4を外枠2から開放する操作が行われる。ドアキーは共通キーとも呼ばれ、一般に、遊技機のメーカーや機種ごとに固有のものではなく、遊技店舗での運用がなされやすいよう、他の機種の遊技機と共用可能な鍵が用いられる。
枠開放の手順をより詳しく説明すると、例えば、外枠2に対する前枠4の閉鎖状態を保持する施錠装置の鍵穴(不図示)にドアキーを挿し込んで所定方向に回しながら前枠4を手前に引くことによって、前枠4を外枠2から開放することができる。なお、前枠4を外枠2から開放するためにドアキーを挿し込む鍵穴は、前枠4に対するガラス枠3の閉鎖状態を保持する施錠装置3cの鍵穴を共用する構造としてもよい。
なお、詳細な理由等は後述するが、本実施形態に係るパチンコ機1で設定変更操作を行うためには、第1の手順において、裏カバー4hの開放時の回転軌跡上に外枠2が位置しないよう、前枠4を所定の角度以上に開放することが求められる(図19参照)。
パチンコ機1では、外枠2に対する前枠4の開閉状態を検知するために、外枠2の幕板部分にドア開センサ2pが設けられ、さらに、前枠4のドア開センサ2pと対応する位置にドア開検知用部材4pが設けられている。例えば、外枠2に対して前枠4が閉鎖しているときは、ドア開検知用部材4pがドア開センサ2pに嵌合することによって、ドア開センサ2pは前枠4の閉鎖状態(ドア閉)を検知する。一方、外枠2に対して前枠4が開放しているときは、ドア開検知用部材4pがドア開センサ2pから離れることにより、ドア開センサ2pは前枠4の開放状態(ドア開)を検知する。ドア開センサ2pによる検知情報は、所定の基板等に出力され、必要に応じてエラーとして処理される。なお、上記の構造は外枠2に対する前枠4の開閉状態を検知するための機構の一例であって、その他の既知の機構で実現されてもよい。
図15は、パチンコ機の背面図(その1)である。図15は、枠開放される前のパチンコ機1の背面図であるが、図15から外枠2を除去すると、前枠4が外枠2に対して開放された(枠開放された)ときの前枠4の背面図に相当する。図15によれば、前枠4の背面側において、遊技盤5の後側を被覆する裏カバー4hが閉鎖状態となっている。裏カバー4hは、通常時は主制御ユニット5b(主制御基板100)や周辺制御ユニット5c(演出制御基板200)を被覆する被覆部材である。したがって、前枠4を開放する第1の手順が行われた場合であっても、裏カバー4hが閉鎖状態にある限り、これらの被覆されたユニットに触れることはできない。
なお、図15には、払出制御基板400(払出制御ユニット)に設けられてRAMクリアスイッチ400qを被覆するRAMクリアスイッチカバー400pや電源基板600(電源ユニット)に設けられて電源スイッチ600qを被覆する電源スイッチカバー600pが示されているが、これらの詳細は後述する。
次に、第2の手順(設定キースイッチオン)では、設定キーを使って設定キースイッチ100qをオン状態にする操作が行われる。設定キーは、前述したドアキーとは異なり、遊技機性能に大きな影響を与える「設定」に関する不正を防止するため、セキュリティ性の観点から遊技機のメーカー(あるいは機種)ごとに固有の鍵である。ここで、本実施形態のパチンコ機1では、設定キースイッチ100qは主制御ユニット5b(例えば、主制御基板100)に設けられている。なお、図15を参照しながら前述したように、第1の手順で前枠4を外枠2から開放しただけでは、主制御ユニット5bは裏カバー4hによって被覆されているため、設定キースイッチ100qに設定キーを挿すことができない。そこで、第2の手順を実行する際は、裏カバー4hを開放する必要がある。
図16は、パチンコ機の背面図(その2)である。図16は、図15から裏カバー4hを取り除いたパチンコ機1の背面図であり、図16から外枠2を除去すると、第2の手順が実行される際(すなわち、前枠4が枠開放され、かつ裏カバー4hが開放された状態)の前枠4の背面図に相当する。図16によれば、裏カバー4hによって被覆されていた主制御ユニット5b(主制御基板100)や周辺制御ユニット5c(演出制御基板200)が露出している。しかし、設定キースイッチ100qはまだ視認可能な位置に現れていない。
本実施形態では、主制御ユニット5bの背面は主制御基板ケース100nによって被覆され、かつ、設定キースイッチ100qが設けられた部分は開閉可能なハーネスカバー100pによって通常時は被覆されている。すなわち、設定キースイッチ100qは通常、裏カバー4h及びハーネスカバー100pによって二重に被覆されており、第2の手順を実行する際は、裏カバー4hを開放した後さらにハーネスカバー100pを開放する必要がある。なお、本実施形態では、図18に示したように、裏カバー4hが左右方向に開閉する構造であるのに対し、ハーネスカバー100pは上下方向に開閉する構造とされている。このように両カバーの開閉方向を異ならせることによって、前枠4を小さく開放した状態で隙間から設定キースイッチ100qに対して操作を行うことを困難にし、防犯性を高めることができる。
図17は、パチンコ機の背面図(その3)である。図17は、図16に示した状態からハーネスカバー100pを開放した状態のパチンコ機1の背面図である。また、図18は、図17の状態におけるパチンコ機の斜視図である。図17や図18に示したように、ハーネスカバー100pが前枠4の背面側に開放されることにより、その奥に設けられた設定キースイッチ100qが操作可能に露出する。
したがって、このとき、設定変更操作の作業者(例えば、ホール管理者)は、ハーネスカバー100pを開放したまま、前枠4の背面側から、対応する設定キーを設定キースイッチ100qに挿し込んで所定方向に回す等の操作を行うことによって、設定キースイッチ100qをオン状態にする第2の手順を実行することができる。
また、図17,図18では、払出制御ユニットに設けられたRAMクリアスイッチカバー400pや電源ユニットに設けられた電源スイッチカバー600pを開放した様子も示されている。
RAMクリアスイッチカバー400pは上下方向に揺動開閉するカバーである。例えば、RAMクリアスイッチカバー400pは閉鎖状態におけるロック機構を有し、RAMクリアスイッチカバー400pを一旦下側に動かすことによってロックを解除した後に、手前側に開放可能となる。そして、RAMクリアスイッチカバー400pが開放されることによってRAMクリアスイッチ400qが操作可能に露出する。
RAMクリアスイッチ400qは、第3の手順で操作される初期化スイッチに相当し、所定の初期化操作(例えば、電源立上げ後の所定期間内におけるRAMクリアスイッチ400qの押下によるON操作)が行われた場合に、主制御RAM103に記憶されている制御情報を初期化(RAMクリア)させるための信号を出力する。なお、RAMクリアのための初期化操作は、RAMクリアスイッチ400qの単独操作に限定されるものではなく、RAMクリアスイッチ400qを押下しながら電源スイッチ600qをオン状態にすること等をRAMクリアのための初期化操作としてもよい。また、RAMクリアの実行時に初期化される情報の範囲は、主制御RAM103に記憶されている制御情報のみに限定されるものではない。
したがって、設定変更操作の作業者は、第2の手順を行った後に、RAMクリアスイッチカバー400pを開放した状態で、前枠4の背面側から、RAMクリアスイッチ400qに対して初期化操作(例えばON操作)を行うことにより、第3の手順(RAMクリアスイッチオン)を実行することができる。
また、電源スイッチカバー600pは、上述したRAMクリアスイッチカバー400pと同様、上下方向に揺動開閉するカバーである。電源スイッチカバー600pもロック機構を有してもよい。そして、電源スイッチカバー600pが開放されることによって電源スイッチ600qが操作可能に露出する。
電源スイッチ600qは、遊技機1(少なくとも主制御基板100)における電源の供給状態を変化させる電源スイッチであって、電源操作が行われた場合に、電源のオン/オフ状態を切り替える信号を出力する。
したがって、設定変更操作の作業者は、第2の手順を行った後に、電源スイッチカバー600pを開放した状態で、前枠4の背面側から、電源スイッチ600qに対して所定の電源操作(電源オン操作)を行うことにより、第4の手順(電源スイッチオン)を実行することができる。なお、前述した通り、第3の手順及び第4の手順は同時に(並行して)並行操作されなければならない。そして第1〜第4の手順が行われることにより、パチンコ機1の内部状態が設定変更状態に移行し、設定値の選択・設定が可能となる。
なお、本実施の形態に係るパチンコ機1では、上記した設定変更状態に移行させるための第1〜第4の手順のうち、第1の手順(枠開放)及び第2の手順(設定キースイッチオン)が省略されて実行された場合には初期化操作となり、第3の手順(RAMクリアスイッチオン)が省略されて実行された場合には、現在の遊技設定(設定値)を確認する設定確認状態に移行する。
以上のように、パチンコ機1における設定変更操作では、第1の手順によって外枠2から前枠4を開放した状態で、前枠4の背面側から第2〜第4の手順を実行しないといけないため、遊技機の前面扉(前枠4)を閉鎖したまま設定変更を行おうとする不正行為を防止することができる。
さらに、本実施形態に係るパチンコ機1では、第2の手順(設定キースイッチオン)の実行前に必須となる裏カバー4hの開放について、第1の手順(枠開放)において前枠4を外枠2に対して所定角度以上に開放されない場合には、裏カバー4hを大きく開放できない(第2の手順を実行困難にする)構造とすることを特徴とする。
図19は、前枠の適切な開放状態における裏カバーの開閉軌跡を示す図であり、図20は、前枠の不適切な開放状態における裏カバーの開閉軌跡を示す図である。本実施形態に係るパチンコ機1において、外枠2は、ヒンジ部材2e,2fによって、前枠4(及びガラス枠3)を横開きに揺動開閉可能に支持し、前枠4は、ヒンジ部材4i,4jによって、裏カバー4hを横開きに揺動開閉可能に支持している(図6,図18も参照)。ここで、ヒンジ部材4i,4jによって形成される裏カバー4hの揺動回転軸は、ヒンジ部材2e,2fによって形成される前枠4の揺動回転軸とは別の位置に配置され、かつ、外枠2に対する前枠4の開放角度が所定角度(少なくとも90°程度を担保されることが好ましい)に達していない場合には裏カバー4hを開閉するときの回転軌跡上に外枠2が位置するように配置される。
具体的には図19の場合は、外枠2に対する前枠4の開放角度θが上記の所定角度以上という条件を満たしている。このとき、作業者は外枠2に接触・衝突させることなく裏カバー4hを自在に開くことができるため、ハーネスカバー100pを開放したうえで、前枠4の背面側から設定キースイッチ100qに対する設定キースイッチオンの操作(第2の手順)を実行することができる。なお、図19は、前枠4(及びガラス枠3)を遊技機島の前方に大きく開放した状態であることから、周囲(例えばホール関係者)からは設定変更操作の作業中であることが容易に認識され、不正行為に対する防犯性が高められる。
一方、図20の場合は、外枠2に対する前枠4の開放角度θが上記の所定角度以上という条件を満たしておらず、前枠4は小程度の開放に留まっている。このとき、操作者が裏カバー4hを開放しようとしても、外枠2に接触して阻害されてしまうために裏カバー4hを大きく開放することができず、設定キースイッチ100qに対する設定キースイッチオンの操作(第2の手順)を実行することができない。そもそも、設定キースイッチ100qを被覆しているハーネスカバー100pを開放することすら困難となる。
したがって、このようなパチンコ機1によれば、外枠2に対する前枠4の開放角度が所定角度以上でない場合には設定キースイッチ100qの操作性が実質的に操作不能な程度まで下げられるため、ホール関係者から隠れて前面扉(前枠4)を小程度開放させて設定変更しようとする不正行為に対する防犯性を高めることができる。
また、本実施形態に係るパチンコ機1では、設定変更状態に移行させるために操作される複数の入力スイッチ(設定キースイッチ100q、RAMクリアスイッチ400q、電源スイッチ600q)についてそれぞれカバーが設けられ、設定変更操作の非操作時には、少なくとも2以上の入力スイッチがカバーによって覆われた状態にある。このようにカバーによる被覆がなされることによって、設定変更操作を隠れて実行し難くしている。特に、設定キースイッチ100qについては、直接の被覆部材であるハーネスカバー100pの他に、裏カバー4hも被覆部材となっており、両カバーの開放状態を維持しながらでないと設定キースイッチ100qを操作することができないように構成されている(例えば、裏カバー4hが閉じると設定キースイッチ100qが覆われてしまう)。
また、本実施形態に係るパチンコ機1では、RAMクリアスイッチ400qと電源スイッチ600qとが片手で同時に(並行して)操作できないように配置されている。具体的な配置方法としては、両スイッチの配置間隔を所定の直線距離以上(例えば30cm以上)にするとしてもよいが、単純な直線距離ではなく、前枠4や遊技盤5の構造を考慮して、所定の空間距離以上(片手の親指から小指までの距離以上)が担保される配置とすることが好ましい。例えばパチンコ機1では、払出制御基板400よりも遊技機の前側に、すなわち、背面から見ると奥まった位置に、電源スイッチ600qを配置している(図17,図18等を参照)。このようにスイッチを深い位置に配置することによって、途中に存在する構造物(例えば電源基板600のカバー等)が障害物となり、RAMクリアスイッチ400qと電源スイッチ600qとの空間距離を平面上の直線距離よりも大きく確保することができる。
本実施形態に係るパチンコ機1では、上記のようにRAMクリアスイッチ400qと電源スイッチ600qとを片手で同時操作できないように配置することにより、設定変更操作の第3の手順(RAMクリアスイッチオン)及び第4の手順(電源オン)を片手で同時に実行することができず、両手による操作が必要となる。その結果、設定変更状態に移行させる一連の操作を周囲から隠れて行うことが困難となるため、設定変更に関する不正行為に対する防犯性をさらに高めることに期待できる。
また、本実施形態に係るパチンコ機1において、設定キースイッチ100qを操作するための設定キーは、遊技機のメーカー(あるいは機種)ごとに固有の鍵であることから、彫刻等によって設定キーに所定の意匠を施すことによって、他のメーカーの設定キーと容易に識別できるようにしてもよい。このようにすることで、ホール関係者が正規の設定変更操作を行う際にパチンコ機1に対応する設定キーを探すことが容易になり、設定変更操作を支援する効果に期待できる。なお、設定キーに施した上記の所定の意匠を、対応する遊技機側(例えば、パチンコ機1における設定キースイッチ100qの周辺やハーネスカバー100p等)にも施すようにして、さらに識別性を高めるようにしてもよい。
また、上述したパチンコ機1の例においては、設定変更状態に移行させるために操作される複数の入力スイッチ(設定キースイッチ100q、RAMクリアスイッチ400q、電源スイッチ600q)が全て、遊技機島側ではなく、揺動開閉可能な側(例えば前枠4や遊技盤5)に設けられていた。このように構成されたパチンコ機1では、設定変更状態に移行させる際、開放した側に設けられた複数の入力スイッチを操作すればよいため、固定された遊技機島側に設けられたスイッチを覗き込んで操作する場合に比べて、一連の設定変更操作の操作性を高める効果に期待できる。なお、本実施形態に係るパチンコ機1では、上記の複数の入力スイッチだけでなく、設定変更操作に関連して操作される他のスイッチ(例えば、前枠4を開放するための枠スイッチ(不図示)等)も、揺動開閉可能な側に設けるようにしてもよい。この場合、一連の設定変更操作の操作性をさらに高めることができる。
以上のように、本実施形態に係るパチンコ機1は、設定変更に関する不正行為に対して高い防犯性を有する。さらに、本実施形態に係るパチンコ機1は、その他の不正行為、具体的には、主制御基板100を含む部品(例えば主制御ユニット5b)を不正部品に交換する不正行為等に対しても高い防犯性を有する。以下に詳しく説明する。
本実施形態に係るパチンコ機1は、前述したように外枠2に対する前枠4の開放角度が所定角度以上でない場合には裏カバー4hを大きく開放できない構造としているため、周囲から隠れて主制御基板100(主制御ユニット5b)を取り外して交換することが困難とされる。さらに、本実施形態に係るパチンコ機1では、主制御ユニット5b自身が容易に取り外しできない構造とされている。
図21,図22は、主制御ユニットを取り外す際の背面図及びその拡大図(その1,その2)である。図21,図22では、不図示の裏カバー4hが既に大きく開放されているとする。
主制御ユニット5bを遊技盤5から取り外す際は、まず、図21に示したように、主制御基板ケース100nの左側(図22中では右側)に配置された賞球払出ユニット34を取り外す。詳細は後述するが、ハーネスカバー100pは、設定キースイッチ100qの被覆部材であるだけでなく、閉鎖時に主制御ユニット5bの取り外しを規制する部材でもある。このハーネスカバー100pを後述する取付ブラケット100sより取り外すことによって、主制御ユニット5b(主制御基板ケース100n)の上側を手前(前枠4の背面側)に傾けた状態にした上で、主制御ユニット5bは遊技盤5に対し着脱可能となる。
ここで、主制御ユニット5b(主制御基板ケース100n)とハーネスカバー100pの詳しい構造について補足する。
図23は、主基板ケースの六面図である。図23に示したように、主制御ユニット5bでは、IC基板(主制御基板100)の設置面と対向する位置に配置された主制御基板ケース100nにおいて、IC基板から最も遠い平面と略同等(主制御基板ケース100nの表面側)か、ややIC基板寄りの位置に、設定キースイッチ100q(設定キーの挿入口)が設けられる。設定キースイッチ100qを当該位置に配置することでハーネスカバー100pを閉鎖状態としたときに、主制御基板ケース100nの表面とハーネスカバー100pの被覆面が略面一になる構造となっている。このような位置に設定キースイッチ100q(設定キーの挿入口)が設けられることによって、設定キーを挿しっぱなしにした状態でハーネスカバー100pを閉鎖状態とすることが困難となるため、ハーネスカバー100pおよび裏カバー4hの閉め忘れ等を防止することができ、遊技店舗の運営時におけるセキュリティ性の低下を防止することができる。
なお、図23に示したように、主制御ケース100nの内側の主制御基板100上には、設定値を表示可能な7セグメント表示器(設定表示部197)が設けられている。設定表示部197の詳細は、図27を参照しながら後述する。
図24は、主基板制御ケースの取付ブラケットの正面図及び斜視図である。図24(A),(B)には、主基板制御ケース100nの裏側(遊技盤5正面側)に配置される主制御基板ケース100nの取付ブラケット100sが示されている。パチンコ機1において、取付ブラケット100sは、遊技盤5の背面に固定されており、取付ブラケット100sから左右に突出した軸部100tに対して、水平方向に移動されながら主制御基板ケース100nの軸受部100r(図23参照)が案内されるようにスライドして取付けられることによって、主制御基板ケース100n(主制御ユニット5b)は遊技盤5に支持される。また、軸部100tと同軸に形成された軸受部100uは、ハーネスカバー100pを支持する軸受部材である。
図25は、ハーネスカバーの斜視図である。図25には、ハーネスカバー100pの裏側(主制御基板100側)が示されている。パチンコ機1では、軸部100vが取付ブラケット100sの軸受部100uに嵌合されることによって、ハーネスカバー100pは取付ブラケット100sに支持される。このとき、端部100wが取付ブラケット100sの軸受部100u〜軸部100tの空間を埋める(または当たる)ことによって、主制御基板ケース100nが取付ブラケット100sから取り外す方向にスライド移動できないように規制する。
このように、主制御基板ケース100n(主制御ユニット5b)は、閉鎖時のハーネスカバー100pによって遊技盤5からの取り外しが規制されるため、取り外しを行うためには(遊技盤5に対して上下方向に傾けようとする場合には)、事前にハーネスカバー100pを取り外す必要がある。
以上のことから、本実施形態に係るパチンコ機1では、主制御ユニット5bを取り外す作業において、裏カバー4hを大きく開放したまま、賞球払出ユニット34及びハーネスカバー100pを取り外し、主制御ユニット5bを傾けてスライドさせる、という複数の手順が求められることから、手早く主制御ユニット5bを取り外すことが容易ではなく、不正基板を収容したユニットへの取り換え等の不正行為を防止する効果に期待できる。さらにこれらの手順よりも前に、前枠4を外枠2に対して所定角度以上に開放しておく必要があり、前枠4を大きく開放した状態で周囲に気づかれないように主制御ユニット5b(主制御基板100)を取り外す作業を行うことは難しいことから、当該不正行為に対する防犯性をより高めることができる。
<遊技機の制御構成>
図26は、本実施形態に係る遊技機の制御構成の一例を示す制御ブロック図である。
<主制御基板>
図26に示すように主制御基板100は、主制御CPU101、主制御ROM102、主制御RAM103及びI/Oポート回路104等を備える。主制御CPU101は、主制御プログラムの動作を制御して遊技に関する各種の演算処理を実行する。主制御ROM102は、この主制御プログラム及び各種データなどが不揮発的に記憶されている。主制御RAM103は、一時的な記憶領域(テンポラリ領域)として利用されるワークエリア及びバッファメモリとして機能する。I/Oポート回路104は、主制御CPU101の制御によって演出制御基板200や払出制御基板400などの周辺の基板や各デバイスとの間の信号を入出力する。
主制御CPU101は、主制御ROM102から主制御プログラムを読み出して主制御RAM103上で各命令を実行することにより、主制御プログラムの各命令に従った遊技動作を制御する。
その他にも、主制御基板100には、図示省略するが、クロック回路、WDT回路、CTC回路及び乱数生成回路等を備える。
クロック回路は、水晶発振器からのクロック信号を分周して内部システムクロックを生成する。WDT回路は、主制御CPU101が誤動作または暴走状態となったときにリセットをかけて正常な状態に復帰させる。CTC回路は、リアルタイム割込みを発生したり時間を計測する。乱数生成回路は、主制御CPU101によるプログラム処理(ソフトウェア乱数)とは別系統として動作して所定の乱数(内蔵乱数)を生成する。これらは、内部バス(図示せず)を介して互いに電気的に接続されている。
主制御CPU101は、各スイッチ161などからの検出情報などに基づき、主制御ROM102に格納された主制御プログラムを読み出して演算処理を実行することで、遊技の主制御に係る各種処理を実行する。
さらに主制御CPU101は、遊技の主制御に伴う演出動作を実行させるための演出制御コマンドを演出制御基板200に出力するための演出コマンド出力ポートの他にも、遊技球の払出動作を実行させるための払出コマンドを出力するための払出コマンド出力ポートを備え、さらには、それら送信コマンドを各々対象基板に受け取らせるタイミングを図るためのストローブ信号を出力する際に用いられるストローブ信号出力ポートを備えている。なお、主制御CPU101は、その他にも様々な出力ポートを備えており、ストローブ信号出力ポート101Bも実際には、他の出力データと合わせた複数のデータを出力するポートとして存在している。
主制御RAM103は、電源基板600において生成されるバックアップ電源によって少なくとも一部の領域がバックアップされる揮発性記憶手段である。主制御RAM103のバックアップ領域は、電源の遮断(以下「電源断」と称する)が生じた場合、当該電源断時に保持していたスタックポインタ及び各レジスタなどのデータの記憶を保持しておくべきエリアとなっており、電源投入時(電源断復帰時)には当該バックアップ領域の情報に基づいて遊技機の状態が電源断前の状態に復帰される。
主制御基板100は、設定値を変更するための設定キースイッチ100q、第1始動口61に設けられた第1始動口スイッチ161、第2始動口62に設けられた第2始動口スイッチ162、ゲート63に設けられた作動ゲートスイッチ163、大入賞口64に設けられた大入賞口スイッチ164、及び、一般入賞口66に設けられた一般入賞口スイッチ166などの各種スイッチと電気的に接続されている。主制御基板100では、これら各種スイッチからの検出信号がI/Oポート回路104を介して主制御CPU101に入力される。
さらに主制御基板100は、第1特別図柄表示装置171、第2特別図柄表示装置172、第1特図保留ランプ173、第2特図保留ランプ174、普通図柄表示装置175、及び普図保留ランプ176などの各種表示手段に電気的に接続されている。この主制御基板100は、普通電動役物622を作動させる普通電動役物ソレノイド123、及び、特別電動役物642を作動させる特別電動役物ソレノイド124などの各種ソレノイドに電気的に接続されており、主制御CPU101からの制御信号をI/Oポート回路104を介してこれら各種表示手段及び各種ソレノイドに送信する。
主制御基板100と演出制御基板200との間は、例えば、8本のパラレル信号線及び1本のストローブ信号線で接続されており、主制御基板100から演出制御基板200へと向かう単一方向のみで通信可能とされている。すなわち、主制御基板100から演出制御基板200へ各種の演出制御コマンドを送信することが許容されている一方、演出制御基板200から主制御基板100へコマンドやデータを送信することは許容されていない。
I/Oポート回路104は、主制御基板100において主制御CPU101と演出制御基板接続コネクタ109との間に設けられている。主制御CPU101と演出制御基板接続コネクタ109との間は、8本のデータ線で構成されるデータバス111の他にも、ストローブ信号線で構成されるストローブ信号バス112によって接続されている。I/Oポート回路104より送信されるコマンドデータは、後述するように主制御CPU101の制御によって、演出制御基板接続コネクタ109を介して演出制御基板200によって受け取られる。
<演出制御基板>
一方、図26に示すように演出制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づき遊技演出に関する各種の演算処理を実行する演出制御CPU201と、演出制御プログラムや各種データなどを記憶した演出制御ROM202と、一時的な作業領域(テンポラリ領域)としてのワークエリア及びバッファメモリとして機能する演出制御RAM203と、主制御基板100や画像制御基板300などの周辺の基板及び各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路204とを備える。
演出制御CPU201は、演出制御ROM202に記憶された演出制御プログラムを読み出して演出制御RAM203上で実行することにより、この演出制御プログラムに従って遊技の進行に伴う演出動作を制御する。その他、演出制御基板200には、図示省略するが、水晶発振器からのクロック信号を分周して内部システムクロックを生成するクロック回路、演出制御CPU201が誤動作や暴走状態となったときにリセットをかけて正常な状態に復帰させるWDT回路、システムクロックに基づき各種信号を出力するTPU回路、レジスタ設定及びCTC回路からの信号などに基づきタイマ割込みなどの各種割込みを発生させる割込みコントローラ、シリアルデータを入出力するためのシリアル通信回路、及び、計時機能を備えるリアルタイムクロック回路(以下「RTC回路」と称する)などが搭載されており、これらが内部バスを介して互いに接続されている。
演出制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに応じた演出制御処理において、画像制御基板300へ画像及び音の出力を指示する画像制御コマンドを生成したり、その他にも、ランプ接続基板91を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)、及び、モータドライバ92を制御するための駆動制御信号(駆動データ)などを生成したりする。演出制御基板200は、画像制御基板300との間で双方向通信が可能に接続されている。画像及び音に関する画像制御コマンドは、演出制御基板200から画像制御基板300に対して送信される一方、その応答として、この画像制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(いわゆるACKコマンド)が画像制御基板300から演出制御基板200に対して送信される。
演出制御基板200は、音声を出力するスピーカ11に接続されており、演出制御CPU201が画像制御基板300で生成された音データをスピーカ11に出力する制御を行う。
演出制御基板200は、複数のLEDドライバを搭載したランプ接続基板91と電気的に接続されており、シリアル通信回路を介して、ランプ接続基板91を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)を送信する。なお、本実施形態では、演出制御基板200及びランプ接続基板91では、クロック同期式のシリアル通信が採用されており、ランプデータ伝送用のデータ線とは別の信号線(クロック線)で送信されるクロック信号に同期して、ランプ制御信号が当該データ線を介して1ビットずつ送信される。
ランプ接続基板91は、演出制御基板200から送信されるLED駆動用のランプ制御信号を受けて機能するLEDドライバを内蔵している。ランプ接続基板91は、ランプ制御信号に基づき回路内のスイッチをオン/オフ切り替えることにより、演出ランプ10,25に対して駆動電流を供給又は遮断して、演出ランプ10,25を点灯させたり消灯させたりする制御を行う。
さらに演出制御基板200は、複数のモータドライバ92と電気的に接続されており、I/Oポート回路204を介して、役物駆動用の駆動制御信号(駆動データ)をモータドライバ92に対して出力する。モータドライバ92は、演出制御基板200から送信される役物駆動用の駆動制御信号に基づいて回路内のスイッチをオン/オフ切り替えることにより、各可動役物のステッピングモータに対して駆動電流を供給したり遮断したりし、各可動役物を動作させる。なお、モータドライバ92へのデータ送信はパラレル通信方式が採用されている。なお、本実施形態に限らず、役物の駆動源として、ステッピングモータ以外の駆動源を有するものであれば、モータドライバ92の代わりに、駆動源に対応したドライバICに対して、制御信号や制御データが送信される。
画像制御基板300は、画像制御CPU301、ROM304、RAM305及びI/Oポート回路306を備える。画像制御CPU301は、演出制御基板200からの画像制御コマンドに基づいて画像演出に関する各種の演算処理を実行する。ROM304は、画像制御プログラムや各種データなどが記憶されている。RAM305は、一時的に記憶領域(テンポラリ領域)としてのワークエリアやバッファメモリとして機能する。I/Oポート回路306は、周辺の基板や各デバイスとの間の信号を入出力する。
画像制御CPU301は、ROM304から画像制御プログラムを読み出してRAM305にロードして実行することにより、この画像制御プログラムに従って演出に係る画像表示動作を制御する。なお、このROM304は、演出制御ROM基板上のROMに相当する。
さらに、画像制御基板300には、画像制御CPU301から取得した制御信号に基づき演出内容に沿った画像データを生成するVDP302と、画像制御CPU301から取得した制御信号に基づき演出内容に沿った音データを生成する音源IC303とを搭載している。VDP302は、いわゆるグラフィックプロセッサであり、画像制御CPU301からの指示に応じて画像ROM(図示せず)に記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した映像信号を演出表示装置70に対して出力する。このVDP302には、画像ROMから読み出された画像データの展開・加工に使用される高速のVRAM(図示せず)が接続されている。音源IC303は、画像制御CPU301からの指示に応じて音声ROM(図示せず)に記憶された音データを読み込み、これを合成処理して音データを生成する。生成された音データは、演出制御基板200を経由して、増幅器を介してスピーカ11に出力される。
<払出制御基板>
払出制御基板400は、払出制御CPU401、払出制御ROM402及び払出制御RAM403を備える。払出制御基板400は、主制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて賞球払出ユニット34を駆動させて遊技球の払出動作(賞球動作)を制御する一方、発射ハンドル12の操作量に応じて球送り機構13と発射機構14とを同期して駆動させて遊技球の発射動作を制御する。
<電源基板>
電源基板600は、通常電源回路、バックアップ電源回路及び電源断監視回路を備える。通常電源回路は、遊技機島の電源設備から供給される一次電源を基に、各制御基板で使用される通常時の電源を生成する。バックアップ電源回路はバックアップ電源を生成する。電源断監視回路は、電圧低下による電源断を監視する機能を有する。
電源基板600は、各制御基板や遊技用機器などの電子・電気部品に必要な電源電圧を生成して供給する。電源基板600には、電源回路を起動させるための電源スイッチ600qが接続されており、遊技機島の電源装置から一次電源が供給されている状態で電源スイッチ600qがオンになると、電源基板600の通常電源回路から各制御基板などに所定の電源が供給される。
電源基板600は、遊技機島の電源装置からの電源供給が遮断されたこと(以下「電源断」とも称する)を検出する機能を有し、電源断の検出時にはその旨を報知する電源断信号(NMI信号)を、主制御基板100、演出制御基板200及び払出制御基板400に対して送信する。なお、バックアップ電源回路は、遊技機島の電源装置から遊技機に電源が供給されている間に充電される構成となっている。電源基板600には、RAMクリアスイッチ400q及びドア開センサ2qが接続されている。RAMクリアスイッチ400qは、遊技機の電源投入時に主制御基板100の主制御RAM103の一時的に記憶内容を一旦消去して初期値を設定するためのスイッチである。ドア開センサ2qは、外枠2に対する前枠4の開閉状態を検知するセンサである。なお、RAMクリアスイッチ400q及びドア開センサ2qは、電源基板600の代わりに、例えば、主制御基板100などその他の基板に接続されていてもよい。
<遊技機の基本的な動作例>
以上のように構成された遊技機は、上球皿8に遊技球が貯留されている状態で遊技が開始される。まず、発射ハンドル12が回動操作されると、上球皿8に貯留された遊技球が、ガラス枠3の背面側に設けられている球送り機構13によって1球ずつ発射機構14に送り出され、発射ハンドル12の操作量に応じた発射強度にて発射機構14により遊技領域20Aに発射される。
遊技領域20Aを転動流下する遊技球が一般入賞口66、第1始動口61、第2始動口62及び大入賞口64のいずれかに入球すると、この検出信号が主制御基板100に入力される。主制御基板100では、主制御CPU101がその入賞口の種別に応じた賞球動作を指示する払出制御コマンドを払出制御基板400に送信することにより、これを受けた払出制御基板400の制御によって貯留タンク31の遊技球が賞球払出ユニット34により上球皿8又は下球皿9に払い出される。
一方、遊技球が第1始動口61又は第2始動口62に入球すると、この検出信号が主制御基板100に入力される。主制御基板100では、主制御CPU101が、第1始動口61又は第2始動口62に対する入球を検出した際に特別図柄の抽選乱数値を取得し、当該乱数値を、所定の上限個数まで特別図柄の保留球として一時的に記憶する。主制御CPU101は、所定の変動開始条件が成立すると、その後、最先の保留球に係る抽選乱数値に対して特別図柄の当否判定及び図柄判定を実行するとともに、変動パターンを選択する変動パターン判定を実行し、この判定結果に応じた態様で第1特別図柄表示装置171又は第2特別図柄表示装置172を用いて特別図柄を変動表示させる。これに併せて、主制御CPU101は、演出制御コマンドを演出制御基板200に対して送信することにより画像制御基板300に演出表示装置70に装飾図柄の変動表示及び変動演出の表示を実行させる。特別図柄及び装飾図柄の変動表示は、選択された変動パターンに応じた変動時間の経過後に同期的に停止表示される。ここで、第1始動口61や第2始動口62に対して入球があり各種の抽選乱数値を取得することや、さらには、取得された乱数値が保留され、変動開始条件を満たした際に、特別図柄表示装置により特別図柄遊技を行うことについて、結果的に特別図柄遊技の実行がなされることになる処理のことを「始動条件(が成立する)」と称する。
第1特別図柄表示装置171又は第2特別図柄表示装置172において第1特別図柄又は第2特別図柄が大当りを示す停止態様で確定表示された場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、特別電動役物642の作動に応じて大入賞口64の開閉動作が開始される。一方、演出表示装置70における大当りを示す装飾図柄の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する態様である。本実施形態では、特別遊技として、ラウンド遊技が10回(10ラウンド)に設定された10R特別遊技と、ラウンド遊技が5回(5ラウンド)に設定された5R特別遊技と、ラウンド遊技が2回(2ラウンド)に設定された2R特別遊技とが用意されている。
本実施形態では、10R特別遊技、5R特別遊技及び2R特別遊技のいずれに移行されたとしても、特別遊技の終了後から特別図柄の変動回数が所定の終期回数(「ST回数」とも称する)に達するまでの期間(「ST期間とも称する」)に亘って、特別図柄の確率変動機能(「確変」とも称する)が作動する。すなわち、本実施形態では、特別図柄の確率変動機能が、次の大当りの発生まで継続するのではなく、上記ST回数に達するまでに限定されている。このように特別図柄の確率変動機能が作動した場合には、特別図柄抽選の大当り確率が低確率状態から高確率状態へ移行するため、比較的早期に新たな大当りに至る確率が高くなる。
一方、特別遊技が終了した後、主制御CPU101は、特別図柄の確率変動機能と付随して又は別途、特別図柄の変動時間短縮機能(以下「時短」ともいう)を作動させる場合がある。特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、特別図柄(及び装飾図柄)の平均的な変動時間が通常よりも短縮される傾向となり、単位時間あたりの特別図柄抽選回数が向上し、前回の大当り終了より短期間で次の大当りを獲得し易くなる。
さらに主制御CPU101は、特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、併せて、いわゆる電チューサポート機能(普通電動役物サポート機能)を作動させる。電チューサポート機能では、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、及び普通電動役物622の開放延長機能のいずれかの機能または組み合わせの機能が作動する。普通図柄の確率変動機能が作動すると、普通図柄の当選確率が通常状態よりも高まる状態となる。普通図柄の変動時間短縮機能が作動すると、普通図柄の変動時間が短縮される状態となり、普通電動役物622の開放態様が通常遊技状態時(電チューサポート機能の非作動時)のものと変更される(例えば普通電動役物622の開放時間が通常よりも延長される)ことによって第2始動口62へ遊技球が入球し易くなる状態(「入球容易状態」とも称する)となる。普通電動役物622の開放時間延長機能が作動すると、普通電動役物622の開放時間が通常状態よりも延長された状態となる。この入球容易状態においては、普通図柄の変動時間短縮機能の作動により一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常状態よりも増加する可能性が高まる上、普通電動役物622の開放時間の開放時間延長機能の作動により第2始動口62への入球容易性も向上するため、第2始動口62への入球数が増加する可能性が高くなる。従って、特別図柄の変動時間短縮機能及び電チューサポート機能の作動により、その期間中は第2始動口62への入球による賞球を得られる機会が増加し、その結果、遊技者は、持ち球を通常遊技状態時に比して減らし難い状態で遊技を継続することが可能となる。
<遊技機の主要な機能構成例>
本実施形態に係る遊技機の遊技動作の概要は以上のようであり、次に、本実施形態に係る遊技機の主要な機能について詳細に説明する。図27は、本実施形態に係る遊技機に搭載された主制御基板100の機能の一例を示すブロック図である。
主制御基板100は、入球判定手段110、遊技抽選乱数発生手段120、保留制御手段130、事前判定手段135、特別図柄抽選処理手段140、普通図柄抽選処理手段145、特別遊技制御手段150、図柄表示制御手段155、電動役物制御手段160、遊技状態制御手段169、エラー監視制御手段170、メイン情報記憶手段180、コマンド送受信手段190、を含む。なお、主制御基板100における上述の各手段は、主制御基板100上に設けられた主制御CPU101、主制御ROM102、主制御RAM103、電子回路などのハードウェア及び主制御ROM102などに格納された主制御プログラムなどのソフトウェアにより構成されるが、ここでは機能的なブロックとして表現している。
入球判定手段110は、第1始動口スイッチ161、第2始動口スイッチ162、作動ゲートスイッチ163、大入賞口スイッチ164、一般入賞口スイッチ166、及びアウト球検出スイッチ167などからの各検出信号に基づき、各入賞口等への遊技球の入球を判定する。
遊技抽選乱数発生手段120は、前述した乱数生成回路において生成された内蔵乱数を取り込み、これに後述の特別図柄当りソフト乱数を加算することで、特別図柄の当否抽選に使用される特別図柄当り乱数を生成する。遊技抽選乱数発生手段120は、主制御CPU101のプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段として機能する。
このソフトウェア乱数としては、前述の内蔵乱数に加算されて特別図柄当り乱数を構成する特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当りソフト乱数の初期値及び終了値を決定するための特別図柄当りソフト初期値乱数、特別図柄の停止図柄として当り図柄(条件装置を作動させることとなる図柄の組合せ、はずれ図柄の組み合わせなど)の決定に使用する特別図柄当り図柄乱数、特別図柄当り図柄乱数の初期値及び終了値を決定するための特別図柄当り図柄初期値乱数、特別図柄の変動パターンの選択に使用するための特別図柄変動パターン乱数、普通図柄の当否抽選に使用するための普通図柄当り乱数、普通図柄当り乱数の初期値及び終了値を決定するための普通図柄当り初期値乱数、普通図柄の変動パターンの選択に使用するための普通図柄変動パターン乱数などが含まれる。なお、上述した当り図柄とは、当選した図柄を意味する。
これらのソフトウェア乱数の更新時期としては、タイマ割込み処理が発生する毎に1回更新し、初期値乱数についてはタイマ割込み処理を実行していない間(ループ処理中)も割込み周期の残余時間を利用して更新する。
保留制御手段130は、特別図柄保留制御手段131及び普通図柄保留制御手段132を含む。特別図柄保留制御手段131は、第1始動口61又は第2始動口62への遊技球の入球を契機として、特別図柄遊技に係る抽選乱数値である、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を取得して、当該乱数値を第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報として管理する。特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報をそれぞれ所定の上限個数(例えば4個)まで、当該保留球の入球順序と結合するようにメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域に一時的に記憶する。
第1特別図柄保留格納領域及び第2特別図柄保留格納領域には、各始動口61,62への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)、がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、作動保留球情報として、特別図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、特別図柄変動パターン乱数を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。作動保留球情報は、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に格納される一方、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順にいわゆる先入れ先出しの原則に従って消化される。保留1記憶領域の保留球情報が消化されると、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の番号の記憶領域にそれぞれシフトするとともに、保留4記憶領域の内容をゼロクリアする。
特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1特別図柄保留球数カウンタ、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2特別図柄保留球数カウンタ、を有している。特別図柄保留制御手段131は、特別図柄の作動保留球数の更新処理として、特別図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数を更新(加算又は減算)したとき、当該保留球数の更新情報を含む演出制御コマンド(「図柄記憶数コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時的に記憶する。この1コマンドには、第1特別図柄の作動保留球数と第2特別図柄の作動保留球数との両方の情報が含まれる。なお、原則として、各特別図柄の作動保留球は入球した順番に消化されることになるが、本実施形態では、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示を優先的に実行する、いわゆる優先消化を採用するため、第2特別図柄遊技に係る作動保留球が存在する間は、第1特別図柄遊技に係る作動保留球の存在に関係なく、第2特別図柄遊技に係る作動保留球を優先的に消化するように構成されている。なお、この優先消化の下では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合は、第1特別図柄の作動保留球が存在していたとしても、第1特別図柄の作動保留球の消化が保留されることになる。
普通図柄保留制御手段132は、遊技領域20Aを転動流下する遊技球がゲート63を通過したことを契機として、普通図柄遊技に係る抽選乱数値である、普通図柄当り乱数値、普通図柄当り図柄乱数値、普通図柄変動パターン乱数値、を取得して、当該乱数値を普通図柄の作動保留球情報として管理する。普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球情報を所定の上限個数(例えば4個)まで、当該保留球の入球順序と結合するようにメイン情報記憶手段180の普通図柄保留格納領域に一時的に記憶する。普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球数をカウントするための普通図柄保留球数カウンタを有している。普通図柄保留制御手段132は、作動普通図柄の保留球数の更新処理として、普通図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
事前判定手段135は、所定の事前判定タイミングにて特別図柄の作動保留球を取得した場合、当該作動保留球を対象として先読み予告のための事前判定を実行する。事前判定タイミングの一例としては、(1)当り待ち中、かつ、電チューサポート機能が未作動中に第1特別図柄の作動保留球を取得した場合、(2)当り待ち中、かつ、電チューサポート機能が作動中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、のうちのいずれかの条件を満足するときである。なお、主制御基板100では、どのタイミングで作動保留球を取得した場合であっても事前判定を実行して情報を演出制御基板200へ送信し、先読み予告の実行可否に関してすべて演出制御基板200で決定することも可能である。
具体的には、事前判定手段135は、今回取得した作動保留球に対応する乱数値をメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域から読み出して、当否抽選の事前判定(当否事前判定)、図柄抽選の事前判定(図柄事前判定)、変動パターン抽選の事前判定(変動パターン事前判定)を順次実行する。各事前判定で用いられる事前判定テーブルは、図示省略するが、後述の抽選テーブル(特別図柄当否抽選テーブル、特別図柄当り図柄テーブル、変動パターンテーブル)と同様の区切り方で、乱数の総数に相当する領域が複数の領域に区画されており、この領域(判定値数)ごとに、抽選IDが割り当てられている。なお、事前判定手段135による事前判定は、実際に変動が開始される際に抽選に使用される乱数値に対応するものであれば、第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域に記憶されたデータではなく、RAMやCPUのレジスタに一時的に保持しているデータを事前判定するものであってもよい。
この抽選IDとしては、事前判定の結果を示す番号(「事前判定番号」とも称する)が設定されている。事前判定手段135は、事前判定結果(事前判定番号)の情報を含む演出制御コマンド(「事前判定コマンド」と称する)を順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。なお、本実施形態のように、事前判定結果をどの乱数値範囲に属するかの情報(抽選ID)として送信する場合に限らず、実際に変動を開始する際に使用する当否抽選テーブル等を使って事前に抽選した結果を送信するものであってもよい。
特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄当否判定手段141、特別図柄停止図柄判定手段142及び特別図柄変動パターン判定手段143を含む。特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄の変動開始条件が成立すると、メイン情報記憶手段180における特別図柄保留格納領域の最先の記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を読み出し、これをメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄判定領域及び特別図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。ここで、「特別図柄の変動開始条件が成立する」とは、例えば本実施形態のように第2特別図柄の優先制御を採用する場合には、(1)大当り又は小当り中ではないこと、(2)第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれも変動待機中であること、(3)第1特別図柄及び第2特別図柄の少なくとも一方に作動保留球が存在すること、の全ての条件を満足することをいう。それら全ての条件を満足すると、特別図柄が変動開始可能な状態であると判断される。
特別図柄当否判定手段141は、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が大当り、小当り及びはずれのいずれに該当するかを決定する。この当否判定の結果は、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに一時的に記憶され(例えば、大当りデータ(例えば「55H」)、小当りデータ(例えば「33H」)、及びはずれデータ(例えば「00H」)、以降の処理で使用された後、特別図柄の変動停止時にクリアされる。特別図柄当否判定手段141は、この当否判定の際に、特別図柄当否抽選テーブルを参照する。なお、上記各データの後に示す「H」は、「Hexadecimal(16進数)」の頭文字であり、データが16進数であらわされていることを意味している。例えば、「55H」であれば、1バイトデータとして「01010101B(「B」は2進数)」であることを示している。特に10進数表記する場合は、記号を付加しないか、あるいは「D」を付して説明するものとする。
図29(A)は、いわゆる低確率状態としての通常状態において参照される特別図柄当否抽選テーブルの一例を示す図であり、図29(B)は、いわゆる高確率状態としての確変状態において参照される特別図柄当否抽選テーブルの一例を示す図である。
この特別図柄当否抽選テーブルでは、特別図柄当り乱数値と、大当り、小当り及びはずれの判定結果とが対応付けられている。このように対応付けられた乱数範囲に応じて大当り及び小当りの当選確率が定まる。これら図29(A)及び図29(B)からも分かるように、特別図柄遊技の当否抽選において、通常状態(低確率状態)では乱数値が「0〜219」の範囲に該当したときのみ大当りとなる。一方、確変状態(高確率状態)では大当りの範囲が拡大されており、乱数値が「0〜219」の範囲に該当する場合だけでなく、「220〜2184」の範囲に該当する場合にも大当りとなる。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、大当りの抽選確率が低確率状態(約1/300)から高確率状態(約1/30)に変動する。
このように大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化するが、第1特別図柄の当否抽選と第2特別図柄の当否抽選とで大当りの当選確率は等しい。ここで、特別図柄当り乱数値が大当りの範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当する場合には小当りとなる。本実施形態では、第1特別図柄の当否抽選のみ小当りが存在するように構成しているが、例えば、第2特別図柄の当否抽選にも小当りを用意して、第2特別図柄の当否抽選の方が第1特別図柄の当否抽選よりも高い確率で小当りとなるように構成したり、第2特別図柄の当否抽選のみに小当りを用意したりするものであってもよい。
なお、前述したように、本実施形態に係るパチンコ機1は、複数段階の設定値によって遊技の遊技者に対する有利度合いを変更する設定変更機能を備えることができる。このようなパチンコ機1において設定変更を行うと、設定(設定値)に応じて大当りとなる乱数値範囲が変更される。したがって、設定値に応じて大当り範囲が異なる特別図柄当否抽選テーブルが用意される。但し、パチンコ機1では、低確率状態における大当り抽選確率と高確率状態における大当り抽選確率との比率は、設定値によらず一定とされる。具体的には例えば、設定値が「1」であるときの大当り抽選確率について、低確率状態が1/300かつ高確率状態が1/30(低確率状態の10倍)であるとすれば、設定値が「6」であるときの大当り抽選確率は、低確率状態が1/250であるとき、高確率状態が1/25(低確率状態の10倍)となる。
特別図柄停止図柄判定手段142は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選の結果に基づいて、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止図柄、及び当該停止図柄の属する図柄群を決定する。特別図柄停止図柄判定手段142は、当否抽選の結果が大当りである場合に、第1特別図柄及び第2特別図柄の停止図柄及び図柄群を決定する際に参照される第1特別図柄当り図柄テーブル及び第2特別図柄当り図柄テーブルを有する。
第1特別図柄当り図柄テーブルには、図30(A)に示すように、特別図柄当り図柄乱数値に対して、停止図柄、図柄群、大当りの内容(特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能の作動回数、大入賞口64の作動パターン)がそれぞれ対応付けられている。なお、括弧内の数値「100」は、特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能の作動回数、すなわち、ST回数を意味する。このテーブルでは、第1特別図柄の停止図柄「1」〜「8」が、大当りの種別に応じて、2種類の図柄群A,Bに分類されている。なお、本実施形態においては、当否抽選がはずれ、小当りである場合の当り図柄テーブルを示していないが、はずれや小当りが全て単一動作である場合には、当り図柄テーブルを使用することなく、一義的にはずれ図柄、小当り図柄を決定するものとし、はずれや小当りに種類を持たせて、変動パターンを変更させたり、特別電動役物の制御態様を変更させたりしたい場合には、はずれ、小当りの場合にも当り図柄テーブルを使用して図柄を決定するものであってもよい。
具体的には、図柄「1」,「2」,「3」,「4」には、図柄群A(10R特定時短有図柄)が、図柄「5」,「6」には、図柄群B(5R特定時短有図柄)が、図柄「7」,「8」には、図柄群C(2R特定時短有図柄)がそれぞれ対応付けられている。なお、本実施形態において、「特定図柄」とは、特別遊技の終了後に確率変動機能を作動させることとなる図柄である一方、「通常図柄」とは、特別遊技の終了後に確率変動機能を作動させることのない図柄である(後述する第2特別図柄についても同様である)。
図柄群A,Bは、特別遊技の終了後の遊技状態を確変状態(高確率状態)に移行させる、いわゆる「確変当り」を示す特定図柄であり、特別図柄の変動回数がST回数内で大当りを発生させることなく終了するまでの間、或いは、ST回数内で次回の大当りが発生するまでの間において限定して、特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能並びに電チューサポート機能が付与される。図柄群Aについては、特別遊技の規定ラウンド数は10ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。一方、図柄群Bについては、特別遊技の規定ラウンド数は5ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。
図柄群Cは、上記の「確変当り」と比較して大入賞口64の開放回数及び開放時間が異なるものの、特別遊技終了後の遊技状態を特別図柄の確変状態(高確率状態)に移行させる、いわゆる「突然確変当り」を示す特定図柄であり、特別図柄の変動回数がST回数内で大当りを発生させることなく終了するまでの間、或いは、ST回数内で次回の大当りが発生するまでの間に限定して、特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能が付与されることになる。特別遊技の規定ラウンド数は2ラウンドであり、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は、約1.8秒である。
一方、当否抽選の結果が小当りである場合には、上記特別図柄当り乱数による図柄判定を省略して、停止図柄として図柄「9」が一義的に割り当てられる。この図柄「9」には、図柄群F(特電作動図柄1)が対応付けられている。なお、小当りの場合には、遊技状態(確率変動機能、変動時間短縮機能、電チューサポート機能)及び変動パターン選択状態の変更の契機とはならず、当否抽選の前後で当該遊技状態が維持される。当否抽選の結果がはずれの場合には、停止図柄として図柄「0」が一義的に割り当てられる。
一方、前述した第2特別図柄当り図柄テーブルには、図30(B)に示すように、特別図柄当り図柄乱数値に対して、停止図柄、図柄群、大当りの内容(特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能の作動回数、特別電動役物642の作動パターンがそれぞれ対応付けられている。この第2特別図柄当り図柄テーブルでは、第2特別図柄の停止図柄「11」〜「18」が、大当りの種別に応じて、2種類の図柄群D,Eに分類されている。具体的には、図柄「11」,「12」,「13」,「14」には、図柄群D(10R特定時短有図柄)が、図柄「15」,「16」,「17」,「18」には、図柄群E(5R特定時短有図柄)がそれぞれ対応付けられている。
図柄群D,Eは、特別遊技の終了後の遊技状態を確変状態(高確率状態)に移行させる、いわゆる「確変当り」を示す特定図柄であり、特別図柄の変動回数がST回数内で大当りを発生させることなく終了するまでの間、或いは、ST回数内で次回の大当りが発生するまでの間に限定して、特別図柄の確率変動機能、変動時間短縮機能及び電チューサポート機能が付与されうる。図柄群Dについては、特別遊技の規定ラウンド数は10ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。図柄群Eについては、特別遊技の規定ラウンド数は5ラウンドであり、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は、約30秒である。
一方、当否抽選の結果が小当りである場合には、上記特別図柄当り乱数による図柄判定を省略して、停止図柄として図柄「19」が一義的に割り当てられる。この図柄「19」には、図柄群G(特電作動図柄2)が対応付けられている。なお、小当りの場合には、遊技状態(確率変動機能、変動時間短縮機能、電チューサポート機能)及び変動パターン選択状態の変更の契機とはならず、当否抽選の前後で当選結果がはずれである場合と同様に確率変動機能等の遊技状態の終了条件を満たしていないかを判定し、終了条件を満たしていない場合において、小当りと判定された際の遊技状態が維持される。当否抽選の結果がはずれの場合には、停止図柄として図柄「0」が一義的に割り当てられる。
上述したように本実施形態では、大当り種別として、10R大当り(10R特定時短有図柄)、5R大当り(5R特定時短有図柄)及び2R大当り(2R特定時短有図柄)の3種類が用意されている。特別遊技における賞球獲得の期待値(賞球獲得期待値)は、10R大当り>5R大当り>2R大当りの順となっている。そこで、以下では、10R大当りを、賞球獲得期待値の最も高い「高利益大当り」とも称し、2R大当りを、賞球獲得期待値の最も低い「低利益大当り」とも称する。なお、同一の実行ラウンド数でも、長開放ラウンド遊技(30秒)と短開放ラウンド遊技(1.8秒)とが混在するような場合には、長開放ラウンド遊技が多く存在する大当りが「高利益大当り」となる。
具体的には、特別遊技に実行ラウンド数を10ラウンドに統一するなど、共通の実行ラウンド数を有するものの、所定ラウンドにてラウンド遊技の態様が異なるように変化する特別遊技を含めてもよく、その場合には、大入賞口64の開放時間が相対的に短い短開放ラウンド遊技のみからなる種類の特別遊技と、所定回数の実行ラウンド以降において大入賞口64の開放時間が相対的に長い長開放ラウンド遊技に切り替わる種類の特別遊技とを含めてもよく、後者が「高利益大当り」を構成する。同一の実行ラウンド数の大当りでも、大入賞口開放パターンの差異によって実質的な利益、すなわち、賞球獲得期待値が異なるように構成してもよい。
ここで、前述した説明からも分かるように、第1特別図柄の当否抽選で大当りになった場合には、50%の確率で10R大当りが選択されるのに対して、第2特別図柄の当否抽選で大当りになった場合には、75%の確率で10R大当りが選択される。これにより、遊技球を第1始動口61に入球するよりも第2始動口62に入球した方が、より多くの出玉を獲得できる可能性が高い点で遊技者にとって有利である。なお、カウント数(規定カウント数)とは、ラウンド遊技における大入賞口64への遊技球の最大入球可能数である。
図27に示す特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、特別図柄の変動パターンを決定する。ここで、特別図柄変動パターン判定手段143は、後述する図31(A)及び図31(B)に例示するような、特別図柄の変動パターンを選択する際に参照される複数種の変動パターンテーブルを有する。特別図柄変動パターン判定手段143は、現在の変動パターン選択状態と当否抽選の結果とに基づき、これら複数種の変動パターンテーブルの中からいずれかの変動パターンテーブルを選択する。なお、変動パターン選択状態と変動パターンテーブルとの関係については後述する。各変動パターンテーブルには、複数種の変動パターンが規定されている。なお、各図中では、説明を分かり易くするため、「選択率」を表記しているが、実際には特別図柄変動パターン乱数値に応じて、変動パターンを決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、変動パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、変動パターンが決定される。各種の変動パターンは、その図柄変動の終了条件として当該変動パターンごとに変動時間が定められており、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。なお、本実施形態では、説明の便宜上、複数種の変動パターンのみを例に挙げて説明するが、実際にはさらに多数の変動パターンが存在する。
図31(A)は、大当り・小当り用の変動パターンテーブルの一例を示す図である。上段の(A1)は通常変動パターンテーブルであり、中段の(A2)は確変変動パターンテーブルであり、下段の(A3)は特殊変動パターンテーブルである。本実施形態では、変動パターン選択状態に応じて、または同じ変動パターン選択状態であっても大当り種別に応じて、選択される変動パターンが異なるように設定されている。
通常変動パターンテーブル(A1)では、大当り種別が10R大当りである場合に、変動パターンPX2(ノーマルリーチA)又は変動パターンPX3(スーパーリーチA)が選択されており、5R大当りである場合に、変動パターンPY2(ノーマルリーチA)又は変動パターンPY3(スーパーリーチA)が選択される。一方、2R大当り又は小当りである場合には、変動パターンPZ2(ノーマルリーチA)若しくは変動パターンPZ4(スーパーリーチD)が選択される。この大当り・小当り用の通常変動パターンテーブルでは、非リーチ態様の変動パターンが選択されることはなく、通常状態で大当り又は小当りになった場合には、リーチ態様の変動パターンのみが選択され得る。
確変変動パターンテーブル(A2)では、大当り種別が10R大当り又は5R大当りである場合に、変動パターンPX7(スーパーリーチB)のみが選択される。一方、2R大当り又は小当りである場合には、変動パターンPZ6(ノーマルリーチB)、変動パターンPZ8(スーパーリーチD)のいずれかが選択される。この大当り・小当り用の確変変動パターンテーブルでは、非リーチ態様の変動パターンが選択されることはなく、特別図柄の確変状態で大当り又は小当りになった場合には、リーチ態様の変動パターンのみが選択され得る。
特殊変動パターンテーブル(A3)では、大当り種別が10R大当りである場合に、変動パターンPX9(非リーチC)のみが選択されており、5R大当りである場合に、変動パターンPY10(スーパーリーチC)のみが選択される。一方、2R大当り又は小当りである場合には、変動パターンPZ10(スーパーリーチC)のみが選択される。ここで、非リーチC態様の変動パターンPX9は超短縮の変動時間(2秒)として構成される一方、スーパーリーチC態様の変動パターンPY10,PZ10は相対的に長い変動時間(120秒)として構成される。
図31(B)は、はずれ用の変動パターンテーブルの一例を示す図である。上段の(B1)は通常変動パターンテーブル、中段の(B2)は確変変動パターンテーブル、下段の(B3)は特殊変動パターンテーブルである。本実施形態では、変動パターン選択状態に応じて、選択される変動パターンが異なるように設定されている。
通常変動パターンテーブル(B1)では、変動パターンPH1(非リーチA)、変動パターンPH2(ノーマルリーチA)、変動パターンPH3(スーパーリーチA)、変動パターンPH4(スーパーリーチD)のいずれかが選択される。確変変動パターンテーブル(B2)では、変動パターンPH5(非リーチB)、変動パターンPH6(ノーマルリーチB)、変動パターンPH7(スーパーリーチB)、変動パターンPH8(スーパーリーチD)のいずれかが選択される。特殊変動パターンテーブル(B3)では、変動パターンPH9(非リーチC)のみが選択される。ここで、非リーチC態様の変動パターンPH9は、超短縮の変動時間(2秒)として構成される。
なお、前述した説明では、いずれの場合にもはずれ用の変動パターンテーブルを単一のテーブルで表現しているが、当否抽選の結果がはずれとなったときは、特別図柄の作動保留球数(0〜4)に応じて異なる変動パターンテーブルが選択される場合がある。つまり、特別図柄の作動保留球数に応じた変動パターンテーブルを用いることで、作動保留球数が多いほど相対的に短い変動時間が選択される割合を高くして、逆に作動保留数が少ないほど相対的に長い変動時間が選択される割合を高くすることができる。また、変動パターンテーブルとして、特別図柄の種類別に分けることも可能である。例えば、電チューサポート機能が作動している状態においては、第2特別図柄の変動表示が容易な状態であり、図30にも示したように第2特別図柄の大当りの方が有利となる場合には、第1特別図柄の変動時間を長時間とすることで、優先して変動制御されることになる第2特別図柄の保留を溜めさせるための時間を創出させることができる。
特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄の変動パターンを選択した後、演出制御基板200に対して装飾図柄の変動開始を指示するため、特別図柄の変動パターン情報を含む演出制御コマンド(「変動パターン指定コマンド」と称する)、特別図柄(図柄群)及び遊技状態の情報を含む演出制御コマンド(「図柄指定コマンド」と称する)、変動開始後の保留数の情報を含む演出コマンド(「図柄記憶数コマンド」)などを生成して(以降、これらの演出制御コマンドを纏めて「変動開始コマンド」と称する)、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄当否判定手段146と、普通図柄停止図柄判定手段147と、普通図柄変動パターン判定手段148と、を有する。普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄の変動開始条件が充足したとき、普通図柄保留格納領域における最先の記憶領域に格納された普通図柄当り乱数値、普通図柄変動パターン乱数値を読み出して、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域、普通図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。
普通図柄当否判定手段146は、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域から普通図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、当り及びはずれのいずれに該当するかを決定する。この当否抽選の結果は、メイン情報記憶手段180の普通図柄判定フラグとして一時的に記憶されており、以降の処理で使用された後、普通図柄の変動停止時にクリアされる。普通図柄当否判定手段146は、この当否抽選の際に参照される普通図柄当否抽選テーブルを保持している。この普通図柄当否判定手段146は、通常状態(低確率状態)においては、例えば「160/283」の確率で当りとなる普通図柄当否抽選テーブルを参照する一方、普通図柄の確変状態(高確率状態)においては、例えば「282/283」の確率で当りとなる普通図柄当否抽選テーブルを参照することにより、普通図柄の当否抽選を実行する。
本実施形態では、普通図柄停止図柄判定手段147は、図柄抽選テーブルを参照して、当否抽選の結果が当りである場合には所定の当り図柄を選択する一方、はずれである場合には所定のはずれ図柄を選択する。なお、普通電動役物の制御パターンを複数有したい場合においては、普通図柄の図柄抽選テーブルの抽選結果を複数有するように設計すればよい。また、当選した普通図柄が同一であっても、遊技状態が普通電動役物の開放延長機能の作動中であるか否かで、普通電動役物の制御パターンを異ならせることもできる。
普通図柄変動パターン判定手段148は、メイン情報記憶手段180の普通図柄変動パターン判定領域から普通図柄変動パターン乱数値を読み出すとともに、普通図柄変動パターンテーブルを参照して、通常状態における普通図柄の変動表示においては、相対的に長い変動時間を選択する(例えば「4秒・5秒・6秒・7秒・8秒・9秒・10秒」の7種類をそれぞれ均一的に選択する)。一方、普通図柄の時短状態(入球容易状態)では相対的に短い変動時間(例えば「0.5秒」)を選択する。
特別遊技制御手段150は、当否抽選の結果が大当りである場合、前記決定された大当りの種別に応じて、特別遊技中に演出表示装置70などに表示される開始デモ演出及び終了デモ演出に係るデモ演出時間を決定する。特別遊技制御手段150は、演出制御基板200側に対して、開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り開始デモコマンド」と称する)と、終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り終了デモコマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。なお、大当り開始デモコマンドは、演出制御基板200側において、特別遊技中に展開される一連の大当り演出(開始デモ演出、ラウンド演出、終了デモ演出)の内容を決定するための契機ともなる。なお、本実施形態に限らず、特別遊技制御手段150において決定されるデモ演出時間は、大当り種別以外にも大当りとなった際の遊技状態を基準として決定することも可能である。
特別遊技制御手段150は、特別遊技中の各ラウンド遊技において、各ラウンド遊技に対応したラウンド演出の開始を指示するための演出制御コマンド(「ラウンド演出指定コマンド」と称する)を生成すると、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。このラウンド演出指定コマンドには、ラウンドの開始時に送信される現在のラウンド数の情報を含んだラウンド開始コマンド、及びラウンド遊技中に大入賞口スイッチ164の検出に基づく入賞演出を実行させるための大入賞口有効入賞コマンドが含まれている。
特別遊技制御手段150は、当否抽選の結果が小当りの場合、小当り遊技中に演出表示装置70などに表示される小当り開始デモ演出及び小当り終了デモ演出に係るデモ演出時間を決定する。特別遊技制御手段150は、小当り開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り開始デモコマンド」)と、小当り終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り終了デモコマンド」)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
図柄表示制御手段155は、特別図柄表示制御手段156及び普通図柄表示制御手段157を含む。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第1特別図柄を第1特別図柄表示装置171に変動表示させるとともに、この変動表示が終了した後に第1特別図柄を確定表示させる。特別図柄表示制御手段156は、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第2特別図柄を第2特別図柄表示装置172に変動表示させるとともに、該変動表示後に第2特別図柄を確定表示させる。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄及び第2特別図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマを有する。第1特別図柄表示装置171及び第2特別図柄表示装置172の動作状態は、メイン情報記憶手段180の特別図柄遊技ステータスに基づき監視される。特別図柄表示制御手段156は、特別図柄の変動停止の際に(すなわち、特別図柄遊技タイマが変動時間を管理しているときであって、その値が「0」となるタイミングで)、演出制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を要求するための演出制御コマンド(「変動停止コマンド」と称する)を生成する。
一方、普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の変動パターン(変動時間)に従って、普通図柄を普通図柄表示装置175に変動表示させるとともに、該変動表示後に普通図柄を確定表示させる。普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための普通図柄遊技タイマを有している。普通図柄表示装置175の動作状態は、メイン情報記憶手段180の普通図柄遊技ステータスに基づき監視される。
電動役物制御手段160は、特別図柄の当否抽選の結果が大当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、特別遊技処理として、特別電動役物ソレノイド124に制御信号を出力し、特別電動役物642を所定の作動パターンに従って開放させる。特別遊技は、特別電動役物642の1回の開閉動作を1回のラウンド遊技とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数(本実施形態では、10R,5R,2R)だけ連続して実行する。電動役物制御手段160は、特別電動役物642の作動回数(すなわち、実行中のラウンド数)を格納するための大入賞口開放カウンタを保持する。ここで、大当り種別がいわゆる10R大当り(図柄群A,D)又は5R大当り(図柄群B,E)である場合には、1回のラウンド遊技において大入賞口64を最大で約30秒間開放させる。一方、大当り種別がいわゆる2R大当り(図柄群C)である場合には、1回のラウンド遊技において大入賞口64を最大で約1.8秒間開放させる。ここで、特別遊技における大入賞口64の閉鎖条件(ラウンド遊技の終了条件)とは、規定カウント数の遊技球の入賞又は規定秒数の開放可能期間の経過である。
電動役物制御手段160は、特別図柄の当否抽選の結果が小当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、小当り遊技処理として、特別電動役物ソレノイド124に制御信号を出力し、特別電動役物642を短期間だけ開放させる。小当り遊技は1回のラウンド遊技で構成される特別遊技であり、複数回のラウンド遊技で構成される特別遊技の大当り遊技とは区別される。特に、小当り遊技、大当り遊技はともに特別電動役物642の作動に基づいて出玉の獲得が容易な遊技である特別遊技であるが、特別電動役物642の連続作動を可能とするための役物連続作動装置が動作しているか否かで切り分けられるものである。
電動役物制御手段160は、普通図柄の当否抽選に当選した場合、普通電動役物ソレノイド123に制御信号を出力して、所定の開放時間だけ普通電動役物622を開放させる。ここで、電動役物制御手段160は、通常状態では普通電動役物622を極短時間(例えば0.2秒間)だけ開放させるのに対し、入球容易状態(電チューサポート状態)では普通電動役物622を通常状態と比較して相対的に長い時間(例えば4秒間)に亘り開放させる。
遊技状態制御手段169は、特別図柄の当否抽選の結果が大当りである場合に、当該大当りに係る図柄群の種類に基づき、特別遊技の終了後の遊技状態を決定するとともに、特別遊技の終了後の遊技状態を切り替える。以下では、前述した特別図柄及び普通図柄に関する諸機能のうち、1)特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能及び電チューサポート機能が作動する遊技状態を「確変状態」と称し、2)特別図柄の変動時間短縮機能及び電チューサポート機能のみが作動する遊技状態を「時短状態」と称し、3)特別図柄の確率変動機能のみが作動する遊技状態を「潜伏確変状態」と称し、4)全ての機能が作動していない状態を「通常状態」と称する。なお、「確変状態」、「時短状態」、「潜伏確変状態」は、いずれも「通常状態」と比べて、遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。
以下では、各遊技状態を、特別図柄遊技の作動状態(高確率/低確率)と普通図柄遊技の作動状態(電チューサポート機能作動あり/電チューサポート機能作動なし)との組み合わせにより、(1)確変状態を「高確率/高ベース」、(2)時短状態を「低確率/高ベース」、(3)潜伏確変状態を「高確率/低ベース」、(4)通常状態を「低確率/低ベース」、と呼称することもある(「ベース」は発射球数あたりの賞球数を指すものであり、電チューサポート機能作動中は、普通電動役物の作動により賞球獲得可能性が高い「高ベース」と称する)。本実施形態では、一例として、特別遊技の終了後の遊技状態は、特別図柄の変動回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の終期回数(すなわち前述のST回数)に到達するまでの間に亘って確変状態が継続する(但し、ST回数内で次回の大当りが発生した場合には当該変動にて確変状態は終了し、大当り遊技の終了時に再度大当り種別、大当り図柄に基づいて対応する遊技状態へ移行する)。なお、ST期間中に小当りとなった場合には、ST回数が0リセットされることはなく、小当り発生の前後でST回数は継続してカウントされている。本実施形態では、ST回数は一例として100回に設定されているが、他の回数に設定されてもよい。なお、確変状態へ移行した場合は、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能及び電チューサポート機能が同時に作動し、確変状態が継続する限り各機能も継続することになる。
特別図柄の当否抽選の結果が大当りである場合には、当該大当り前の遊技状態が通常状態及び確変状態のいずれであっても、特別遊技中は通常状態でありかつ特別遊技後はST回数を限度として一律に確変状態となる。一方、特別図柄の当否抽選の結果が小当りである場合には、当該小当り前の遊技状態が通常状態であった場合、小当り遊技中及び小当り遊技後の遊技状態も通常状態となる。当該小当り前の遊技状態が特別図柄の確変状態であった場合には、小当り遊技中及び小当り遊技後の遊技状態も特別図柄の確変状態となる。
遊技状態制御手段169は、当否抽選の結果が大当りである場合に、当該大当りの種別(図柄群A〜Eの種類)に基づき、特別遊技後の変動パターン選択状態を決定するとともに、特別遊技後の変動パターン選択状態を切り替える。変動パターン選択状態とは、前述の変動パターンテーブルを選択する際に参照される条件の一つである。変動パターン選択状態の切り替え時期は、特別遊技の終了時又は変動パターン選択状態の終期回数を満了したときである。本実施形態では、変動パターン選択状態として、「低確率通常変動状態α」、「高確率短縮変動状態β」、「高確率特殊変動状態γ」などの3種類が存在する。ここで、低確率通常変動状態αとは、遊技状態が通常状態(低確率状態)のときに選択される通常変動パターンテーブル(図31(A)のA1及び図31(B)のB1)を参照して特別図柄の変動パターンを決定する状態である。高確率短縮変動状態βとは、遊技状態が特別図柄の確変状態(後述の限定期間を除く)のときに選択される確変変動パターンテーブル(図31(A)のA2及び図31(B)のB2)を参照して特別図柄の変動パターンを決定する状態である。高確率特殊変動状態γとは、遊技状態が特別図柄の確変状態であって特別遊技の終了直後の一定期間(第2特別図柄の作動保留球の最大数(4個)に対応した図柄変動回数(4回)の変動表示に亘る期間:「限定期間」と称する)のみ選択が許容される特殊変動パターンテーブル(図31のA3及び図31(B)のB3)を参照して特別図柄の変動パターンを決定する状態である。本実施形態では、図柄群A〜Dのいずれが選択された場合でも、変動パターン選択状態は、(1)特別遊技の終了直後、図柄変動回数4回の限定期間のみ高確率特殊変動状態γに滞在し、(2)限定期間の終了後、かつ、その実行回数がST回数(100回)内にあるときは高確率短縮変動状態βに滞在し、(3)ST回数の終了後、すなわち、実行回数として101回目以降は低確率通常変動状態αに滞在する。無論、初当たりが発生するまでの期間は、低確率通常変動状態αに滞在することになる。なお、遊技状態制御手段169は、現在の遊技状態情報及び変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(「遊技状態指定コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。また、本実施形態に限らず、特殊変動状態γを複数有して、1回の変動時間短縮遊技状態の期間の異なるタイミングで、異なる特殊変動状態を参照可能とするものであってもよい(例えば、大当り終了後の4回に特殊変動状態γ1に滞在し、さらに短縮変動状態βに95回滞在したのち1回の特別図柄遊技で滞在する特殊変動状態γ2を設けるなど)。
エラー監視制御手段170は、I/Oポート回路104の入力情報を監視し、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板200にエラー状態演出を指示すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を要求する。なお、図26において全ては図示しないが、扉開放スイッチはガラス枠3が開放されているか否かを検出する検出手段であり、枠開放スイッチ(ドア開センサ2p)は前枠4が開放されているか否かを検出する検出手段であり、裏セット開放スイッチは裏セット盤が開放されているか否かを検出する検出手段である。磁気センサ及び電波センサは不正行為(いわゆるゴト行為)を発見するための検出手段である。
メイン情報記憶手段180は、特別図柄遊技及び普通図柄遊技にて取得した乱数値情報、特別図柄及び普通図柄の作動保留球情報、特別図柄遊技及び普通図柄遊技に関する遊技状態(確変状態、時短状態、入球容易状態)の情報、変動パターン選択状態に関する情報、当否抽選の結果情報(大当り、小当り、はずれ)、特別図柄や普通図柄に係る停止図柄及び変動パターンの情報、特別遊技に関する情報(ラウンド数、開放時間、開放態様(1ラウンド遊技あたりの開放回数)など)、特別図柄表示装置171,172の動作状態を示すステータス情報、特別電動役物642の動作状態を示すステータス情報、演出制御コマンドデータの情報など遊技の進行の制御に必要な情報を一時的に記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。
コマンド送受信手段190は、コマンド送信要求があった場合に、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納された各種の演出制御コマンドデータをパラレル伝送方式にて演出制御基板200に送信するように構成されている。なお、各演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含んだ2バイト構成となっており、MODEデータとEVENTデータを区別するために、MODEデータの第7ビットは「1」、EVENTデータの第7ビットは「0」としている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、MODEデータ及びEVENTデータの各々に対してストローブ信号が出力される。
演出制御基板200は、このように出力されたストローブ信号を受け取ったことを契機として、MODEデータ及びEVENTデータをそれぞれ受け取ることができる。各処理で発生した演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域にセットされた順番に従って、割込み周期毎に1コマンドずつMODEデータ及びEVENTデータそれぞれ送信される。
設定変更手段195は、遊技設定を変更するための「設定変更処理」を実行する。設定変更手段195は、前枠4が開放状態(ドア開センサ2pがドア開を検知)で、設定キースイッチ100qがオン状態のときに、RAMクリアスイッチ400qを押しながら電源スイッチ600qがオンにされた場合に、上述した設定変更状態に移行させる。
設定変更手段195は、設定変更状態に移行された場合、設定メモリ(例えば、主制御RAM103が提供するRAM記憶領域の一部)に記憶される設定値を設定表示部197に表示させる。設定表示部197は、例えば図23に示したように、主制御基板100上に設けられた7セグメント表示器によって設定値を表示する。このとき、設定変更手段195は、所定の設定変更ボタンの押下に応じて、設定表示部197に表示される設定値を「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「6」→「1」→・・・のように順番に変更し、設定メモリに記憶される設定値を設定表示部197における表示と同じ値に更新する。本例では、設定変更ボタンとしてRAMクリアスイッチ400qを用いるとするが、他のボタンを利用してもよいし、専用のボタンを設けてもよい。そして、設定変更手段195は、設定キースイッチ100qがオフ状態にされた場合に、設定変更状態を終了させ、設定表示部197を消灯させる。
設定確認手段196は、遊技設定を確認するための「設定確認処理」を実行する。設定確認手段196は、前枠4が開放状態(ドア開センサ2pがドア開を検知)で、設定キースイッチ100qがオン状態のときに、RAMクリアスイッチ400qが押されずに電源スイッチ600qがオンにされた場合に、上述した設定確認状態に移行させる。
設定確認手段196は、設定確認状態に移行された場合、設定メモリに記憶される設定値を設定表示部197に表示させる。但し、上述した設定変更手段195とは異なり、設定確認手段196は、設定変更ボタン(例えばRAMクリアスイッチ400q)が押下されたとしても、設定表示部197に表示される設置値を変更せず、また、設定メモリに記憶される設定値も変更しない。そして、設定確認手段196は、設定キースイッチ100qがオフ状態にされた場合に、設定確認状態を終了させ、設定表示部197を消灯させる。
なお、設定メモリで管理する設定値データは「1」〜「6」の数値ではなく、代わりに「0」〜「5」の数値を用いてもよい。この場合、設定値「0」が設定1に対応し、設定値「1」が設定2に対応し、設定値「2」が設定3に対応し、設定値「3」が設定4に対応し、設定値「4」が設定5に対応し、設定値「5」が設定6に対応してもよい。設定値データの正常値として「0」を用いることにより、RAM異常時にRAMクリア処理をして設定値データを初期値「0」にセットしたときに異常判定されなくなるため、異常時のRAMクリア処理を簡易化できる。また、設定値データを利用して何らかの抽選を実行する場合、例えば、先読み処理において設定値毎に異なるテーブルやデータを選択する場合に、その選択のためのオフセット処理を簡略化できるという利点もある。例えば、設定値データとして「1」〜「6」を用いる場合、テーブルやデータ選択のオフセットデータとしてこれらの値をそのまま使用する際には開始アドレスを−1する等の追加処理が必要となる。一方、設定値データとして「0」〜「5」を用いる場合には、設定値データの数値をそのままオフセットデータとして使用できる。なお、設定値データとして「0」〜「5」の数値を用いる場合、設定変更手段195及び設定確認手段196は、設定値データの数値をそのまま設定表示部197に表示させてもよいし、設定値データの数値に+1を加えた数値を設定表示部197に表示させてもよい。後者の場合、「0」〜「5」の数値データが遊技設定における設定1〜設定6の数値に変換されて表示されるため、遊技機の管理者にとって分かりやすい表示とすることができる。
図28は、本実施形態に係る遊技機における演出制御基板200の機能の一例を示す機能ブロック図である。演出制御基板200は、演出抽選乱数発生手段210、演出統括手段220、ランプ演出制御手段230、役物演出制御手段240、エラー演出制御手段250、演出制御情報記憶手段260及びコマンド送受信手段270を含む。なお、演出制御基板200における上述の各手段は、演出制御基板200上に配された演出制御CPU201、演出制御ROM202、演出制御RAM203、電子回路などのハードウェア及び演出制御ROM202に格納された制御プログラムなどのソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
演出抽選乱数発生手段210は、演出制御CPU201のプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数(演出抽選乱数)を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、先読み予告演出の実行可否の抽選に使用する先読み予告抽選乱数、先読み予告パターンの選択に使用する先読み予告パターン乱数、装飾図柄の停止図柄の選択に使用する装飾図柄乱数、装飾図柄の変動演出パターンの選択に使用する変動演出パターン乱数、予告演出パターンの選択に使用する予告演出パターン乱数、大当り演出パターンの選択に使用する大当り演出パターン乱数、保留内連荘演出の実行可否の抽選に使用する連荘演出抽選乱数、保留内連荘演出の連荘演出パターンの選択に使用する連荘演出パターン乱数などが含まれる。これらの乱数の更新時期としては、後述の演出制御側メイン処理内でコマンド解析が行われなかった場合の残余時間を利用して更新する。なお、便宜的に各抽選に使用する乱数に名称を付けてはいるが、共通に使用される乱数を有するものであってもよい。
演出統括手段220は、演出モード制御手段221、保留情報表示制御手段222、先読み予告制御手段223、装飾図柄決定手段224、変動演出決定手段225、予告演出決定手段226及び大当り演出決定手段227を含む。
保留情報表示制御手段222は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1保留球数カウンタ、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2保留球数カウンタを有している。保留情報表示制御手段222は、主制御基板100からの図柄記憶数コマンドを受信すると、この図柄記憶数コマンドに含まれる作動保留球数の情報に基づき、第1保留球数カウンタ及び第2保留球数カウンタの値を更新する。保留情報表示制御手段222は、第1保留球数カウンタ及び第2保留球数カウンタの値に基づいて、演出表示装置70の保留表示部に、第1特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像と、第2特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像とを表示する制御を行う。通常の表示態様では、特別図柄の作動保留球が生じると白色表示の保留画像が表示される一方、次述する保留変化先読み予告演出が実行された場合には、先読み予告の対象となった保留画像が通常の表示態様(表示色)の「白色」から特殊な表示態様(表示色)として「青色」、「緑色」、「赤色」及び「虹色」のうちのいずれかを取り得る。上記4種類の特殊な表示態様は、抽選結果が大当りとなる信頼度(「大当り信頼度」と称する)と関係しており、「青色」、「緑色」、「赤色」、「虹色」の順に1段階ずつ大当り信頼度が高くなるように設定されている。本実施形態では、保留画像が「虹色」に変化した場合には、当該先読み対象の作動保留球において大当りが確定的となる。なお、保留変化先読み予告演出において、保留画像の表示態様の変化を表示色ではなく、形状や模様などで表現してもよい。
先読み予告制御手段223は、主制御基板100から事前判定コマンドを受信したことを契機として、先読み予告の実行可否を抽選にて決定する。先読み予告制御手段223は、第1特別図柄の事前判定結果の情報と第2特別図柄の事前判定結果の情報とを区別して、それぞれ所定の上限個数(4個)まで、作動保留球の入球順序と結合するように演出制御情報記憶手段260の先読み情報格納領域に一時的に記憶する。この先読み情報格納領域は、主制御基板100の保留記憶領域と同様の構成となっており、各始動口61,62への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、当否事前判定結果の情報、図柄事前判定結果の情報、変動パターン事前判定結果の情報を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。
先読み予告制御手段223は、先読み予告の実行可否を判定するとき、主制御基板100による事前判定結果に基づき、この先読み予告の対象となる作動保留球に対して先読み的な判定(「先読み判定」とも称する)を実行する。本実施形態では、先読み予告には、前述した保留変化先読み予告の他に、装飾図柄の連続的な複数回の変動表示に亘って大当り当選又はリーチ演出発生の可能性を予告するいわゆる連続予告演出を有する。先読み予告演出(連続予告演出)を実行可と判定した場合は、主制御基板100からの事前判定コマンドの情報(事前判定の結果)及び図柄記憶数コマンドの情報(現存する作動保留球数)を解析して、今回の先読み予告演出の発生契機となる作動保留球(「トリガ保留」と称する)を対象として連続的な複数回の変動表示に亘る先読み予告演出パターンが抽選で決定される。なお、先読み予告には、保留変化先読み予告演出、チャンス目先読み予告演出、背景変化先読み予告演出など各種のバリエーションが存在する。また別の種類の先読みとして、大当り遊技中や大当り当選となる変動が実行されている時に大当りとなる作動保留球が存在する可能性を示唆又は報知する保留内連荘演出を有する。
演出モード制御手段221は、主制御基板100からの遊技状態指定コマンドに基づき、主制御基板100側で管理された遊技状態及び変動パターン選択状態との整合性をとるように演出モードの移行制御を実行する。本実施形態では、3種類の演出モードとして、通常演出モードα、確変演出モードβ、特殊演出モードγが含まれており、主制御基板100から指示された特別図柄の変動パターンが同一であっても、演出モード毎に図柄変動演出の具体的内容を特定する変動演出パターン(詳細後述)が異なるように設定されている。演出表示装置70には、現在滞在中の演出モードに対応した演出モード報知画像(本実施形態では、装飾図柄の背面表示となる背景画像)が表示されており、この背景画像は演出モード毎に互いに異なるよう設定されているため、背景画像の種類から、現在滞在中の演出モードがいずれであるかを遊技者が認識し得る。
各演出モードについて概説する。まず、通常演出モードαは、主制御基板100側の変動パターン選択状態として、低確率通常変動状態αが選択されている場合に設定されており、その背景画像として「通常背景」が表示される。確変演出モードβは、主制御基板100側の変動パターン選択状態として、高確率短縮変動状態βが選択されている場合に設定されており、その背景画像として「確変背景」が表示される。特殊演出モードγは、主制御基板100側の変動パターン選択状態として、高確率特殊変動状態γが選択されている場合に設定される。この特殊演出モードは、特別遊技の終了直後の4回に亘る期間(限定期間)を限度として滞在し、この限定期間を超えると、確変演出モードβに遷移する。特別遊技中に保留内連荘演出が発生した場合、背景画像として「特殊背景」を表示する。一方、特別遊技中に保留内連荘演出が発生しなかった場合、すなわち、連続変動演出が実行されていない場合には、背景画像として確変演出モードと共通の「確変背景」を表示する。
装飾図柄決定手段224は、主制御基板100からの変動開始コマンドに含まれる情報(変動パターン情報、キャラクタ演出番号情報)に基づき、装飾図柄の最終的な停止図柄の組み合わせ(左図柄・中図柄・右図柄)を抽選により決定する。本実施形態では、複数種類の装飾図柄を含む3つの図柄列が構成される。この装飾図柄は、例えば、数字又は文字からなる識別要素により形成されている。本実施形態では、識別要素として、「1」〜「9」の数字、「S」の文字などの全10種類が設定されている。各装飾図柄は、図柄列の配列に従って「1」→「2」→「3」→・・・→「8」→「9」→「S」の順序で、左表示領域、中表示領域及び右表示領域においてそれぞれ巡回表示される。
装飾図柄決定手段224は、装飾図柄の停止図柄の組合せ(「停止図柄パターン」ともいう)を抽選で決定する際に参照される複数種の停止図柄パターンテーブルを保持している。この複数種のテーブルとしては、大当り用の停止図柄パターンテーブル、小当り用の停止図柄パターンテーブル、リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブル、非リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブルなどがある。装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組み合わせとして形成されており、「大当りを示す停止図柄(大当り図柄)」と、「はずれを示す停止図柄(はずれ図柄)」とを含む。特定大当り(確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の奇数数字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ(例えば「7・7・7」)となる。通常大当り(非確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の偶数数字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ(例えば、「2・2・2」)となる。はずれ図柄は、3つの図柄のうちの少なくとも1つが他の数字と異なる数字の図柄となる停止態様の組合せ(例えば「1・3・8」)となる。ここで、はずれ図柄のうちリーチはずれ図柄は、左図柄と右図柄とが一致している状態で中図柄のみが前後に数コマずれた停止態様の組合せ(例えば「3・1・3」)となる。なお、「小当りを示す停止図柄(小当り図柄)」や、大当り図柄であっても2R大当り図柄などの場合は、例えば「3・5・7」のような所定の停止態様の組み合わせとなる場合がある。なお、本実施形態では、保留内連荘を確定的に報知するための特殊の大当り図柄として「S・S・S」が設けられている。装飾図柄決定手段224は、保留内連荘演出を実行することが決定された場合に、連荘演出パターンPA2が選択されているときは、通常の大当り図柄(「3・3・3」など)を、特殊の大当り図柄(「S・S・S」)に差し替える。
変動演出決定手段225は、主制御基板100からの変動開始コマンドに含まれる情報(変動パターン情報)に基づき、装飾図柄の変動表示における変動開始から停止までの変動過程(演出過程)を規定した変動演出パターンを決定する。本実施形態では、リーチ表示後に行われる図柄変動演出(リーチ演出)として、演出内容が単純なリーチ演出(ノーマルリーチ演出)と、演出内容が途中で発展するリーチ演出(スーパーリーチ演出)とが含まれる。変動演出決定手段225は、変動演出パターンを選択する際に参照される複数種の変動演出パターンテーブルを保持しており、これら複数種の変動演出パターンテーブルの中から特別図柄の変動パターン(変動時間)に対応した変動演出パターンテーブルを選択する。変動演出パターンテーブルでは、特別図柄の変動パターン抽選の結果(すなわち、リーチ種別)に応じて、変動演出パターン乱数値と変動演出パターンとが対応付けられている。ここで、主制御基板100側では変動パターンとして図柄変動の基本パターン(例えば、「ノーマルリーチA」、「スーパーリーチA」など)が定まるのに対して、演出制御基板200側では変動演出パターンとして当該基本パターンを基に演出表示過程のシナリオを詳細に規定した図柄変動の詳細パターン(例えば、「ノーマルリーチA1,A2,A3…」、「スーパーリーチA1,A2,A3…」など)が定まる。このように装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち、装飾図柄の変動開始から変動終了までの一連の演出表示過程のシナリオが定義されており、当該表示過程中の各段階において予告演出を発生させるタイミングなどもタイムスケジュールとして規定されている。なお、装飾図柄を停止させるための停止順序は、変動演出パターン毎にあらかじめ定められており、本実施形態では原則として、左図柄→右図柄→中図柄の順に停止させる。但し、変動時間の短い変動演出パターンである場合には、左図柄・中図柄・右図柄をほぼ同時に停止させ、特定の変動演出パターンである場合には、左図柄→中図柄→右図柄の順に停止させることもできる。このとき、上記原則の停止順序(左図柄→右図柄→中図柄)でない場合は、大当り期待度が相対的に高くなる傾向となる。
予告演出決定手段226は、上述した変動演出パターンのシナリオに沿って装飾図柄の変動過程の各段階で実行される予告演出の内容を規定した予告演出パターンを決定する。予告演出パターンには、特定のキャラクタの画像、アニメーションなどを一時的又は段階的に画像表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターン、可動役物を動作させる演出パターンなどが含まれる。予告演出は、装飾図柄の変動表示と並行して実行されており、その図柄変動が大当り態様にて停止する大当り信頼度が高いことを予告的に示唆するものである。予告演出には、装飾図柄の変動過程においてリーチ状態が発生する前(リーチ発生時を含む)に実行される予告演出と、リーチ状態が発生した後に実行される予告演出とがある。予告演出はそれぞれ大当り信頼度が異なるものとなっており、基本的には、リーチ発生前に表示される予告演出よりも、リーチ発生後に表示される予告演出の方が相対的に大当り信頼度は高くなっている。予告演出決定手段226は、予告演出パターンを選択する際に参照される予告演出パターンテーブルを予告演出の種類別に保持しており、変動演出パターンのシナリオに沿って発生する予告演出の種類に応じた予告演出パターンテーブルを選択する。予告演出決定手段226は、上記で選択された予告演出パターンテーブルを参照して、演出抽選乱数発生手段210から取得した予告演出パターン乱数値に基づき、抽選によって、複数種の予告演出パターンの中からいずれかを選択する。なお、具体的な予告演出パターンの種類としては、コメント予告演出パターン、背景予告演出パターン、SU(ステップアップ)予告演出パターン、群予告演出パターン、カットイン予告演出パターン、役物可動予告演出パターン、などが用意されている。この予告演出は、基本的には、演出表示装置70での装飾図柄の変動表示に合わせて、1又は複数の予告演出を実行することによって行われる。そのため、同一の変動演出パターンによる装飾図柄の変動表示であっても、1又は複数の予告演出との組み合わせによって多彩な演出態様を発生させることが可能となる。
大当り演出決定手段227は、特別遊技中であることを報知する大当り演出の内容(大当り演出パターン)を決定する。大当り演出は、特別遊技の開始を報知する開始デモ演出と、ラウンド遊技中であることを報知するラウンド演出と、特別遊技の終了を報知する終了デモ演出とを含む。大当り演出決定手段227は、主制御基板100から大当り開始デモコマンドを受信した場合、演出制御情報記憶手段260に格納された大当り種別の情報などに基づき、大当り演出パターン(開始デモ演出パターン、ラウンド演出パターン、終了デモ演出パターン)を決定する。この大当り演出パターンには、大当り種別に応じて、大当り開始デモ演出時間とラウンド演出時間(大入賞口64の開放パターンに応じた演出時間)と大当り終了デモ演出時間とが設定されるとともに、その時間軸に沿って一連の演出内容が設定されている。大当り演出決定手段227は、大当り演出パターンに従って、主制御基板100から大当り開始デモコマンドを受信したことを契機として開始デモ演出を実行し、ラウンド演出指定コマンドを受信したことを契機として各ラウンド演出を実行し、大当り終了デモコマンドを受信したことを契機として終了デモ演出を実行する。
ここで、通常の大当り開始デモ演出では、例えば画面上に「大当り開始」という文字が表示されて、特別遊技の開始が告げられる。通常のラウンド演出では、例えば画面上の現在実行中のラウンド数や獲得賞球数が表示されるとともに、特別遊技を盛り上げる各種画像(アニメーション画像など)が表示される。通常の大当り終了デモ演出では、例えば画面上に「大当り終了」という文字が表示されて、特別遊技の終了が告げられる。
以上、演出統括手段220は、前記決定された演出内容(先読み演出パターン、連荘演出パターン、変動演出パターン、予告演出パターン、停止図柄パターン、大当り演出パターンなど)に基づき画像及び音に関する画像制御コマンドを生成して、これを演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する。
ランプ演出制御手段230は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従って演出ランプの点灯や発光色などを制御する。ランプ演出制御手段230は、演出ランプ10,25(枠ランプ10、盤ランプ25)を点灯制御するための複数種のランプデータ(ランプパターンデータ)を保持しており、前記決定した演出パターンに応じたランプデータを読み出して、このランプ制御信号(ランプデータ)をランプ接続基板91に送信する。
役物演出制御手段240は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従って各可動役物の駆動を制御する。役物演出制御手段240は、可動役物を駆動制御するための複数種の駆動データを保持しており、前記決定した演出パターンに応じた駆動制御信号(駆動データ)をモータドライバ92に送信する。
エラー演出制御手段250は、主制御基板100からエラー演出指定コマンドを受信した場合にエラー演出パターンを決定し、遊技機にエラー状態が発生したことを当該エラー演出パターンに従って報知するように構成されている。
演出制御情報記憶手段260は、装飾図柄の情報、変動演出パターンの情報、予告演出パターンの情報、制御コマンドの情報などを一時的に記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。例えば、コマンド格納領域には、主制御基板100からの演出制御コマンドを格納するための演出制御コマンドバッファ、画像制御基板300への画像制御コマンドを格納するための画像制御コマンドバッファ、画像制御基板300からのACKコマンドを格納するためのACKコマンドバッファを含む。各コマンドバッファはそれぞれリングバッファから構成されており、所定数の演出制御コマンド、画像制御コマンド及びACKコマンドをそれぞれ格納することができる。
コマンド送受信手段270は、主制御基板100から送信された演出制御コマンドを、併せて出力されるストローブ信号の受け取りを契機として受信し、この演出制御コマンドを演出制御コマンドバッファに格納するように構成されている。具体的には、コマンド送受信手段270は、主制御基板100からのストローブ信号が入力されたことを契機として発生した割込みに応じて演出制御コマンドの受信割込み処理を実行し、この受信割込み処理において各種の演出制御コマンドを取得する。この演出制御コマンドの受信割込み処理の詳細については後述する。なお、コマンド送受信手段270は、ストローブ信号を受信した場合には、この演出制御コマンドの受信割込み処理を他の割込み処理よりも優先的に実行する。
コマンド送受信手段270は、演出統括手段220にて設定された演出内容(変動演出パターン情報、予告演出パターン情報、装飾図柄情報など)の実行を指示するため、演出制御情報記憶手段260に格納された画像制御コマンドを、一例としてシリアル通信方式を用いて画像制御基板300に対して送信する。画像制御コマンドは、原則として、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域にセットされた順番に従って所定の周期(本実施形態では500μs)毎に送信される。
これにより、画像制御基板300は、演出制御基板200から送信された各種の画像制御コマンドを解析し、変動演出パターンのシナリオに沿って演出表示装置70に装飾図柄を含む演出画像を変動表示させるとともに、変動表示過程の各段階で図柄変動の演出に重畳させて予告演出を表示させる。さらに、コマンド送受信手段270は、画像制御基板300から送信されたACKコマンドを受信し、このACKコマンドをACKコマンドバッファに格納する。
<主制御基板側の処理>
図32〜図53は、主制御基板100における動作処理の手順の一例を示すフローチャートである。主制御基板100側の動作処理は、主として主制御側メイン処理及び主制御側タイマ割込み処理を含む。
<主制御側メイン処理>
図32、図33及び図34は、それぞれ、主制御基板100において実行される主制御側メイン処理の一例を示すフローチャートである。この主制御側メイン処理では、電源投入時のリセットにより主制御CPU101のセキュリティチェックが行われた後に主制御プログラムが起動され、この主制御プログラムによって処理が実行される。なお、以下の説明では、適宜、各処理の主体を省略する場合がある。
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定するとともに(ステップS1)、主制御RAM103のアクセス許可を行う(ステップS2)。次に、タイマ割込みが発生した場合に処理する主制御プログラムの先頭アドレスが格納されたベクタテーブルを設定し(ステップS3)、主制御CPU101の内蔵レジスタに初期値を設定する(ステップS4)。
次に、主制御CPU101は、設定キースイッチ100qの操作状態を確認し(ステップS5)、設定キースイッチ100qがオン状態であれば(ステップS5のYES)、RAMクリアスイッチ400qの操作状態を確認する(ステップS6)。ステップS6においてRAMクリアスイッチ400qがオン状態であれば(ステップS6のYES)、設定変更処理を実行する(ステップS7)。設定変更処理の詳細は図35を参照しながら後述するが、設定変更処理の終了後はステップS13に進む。一方、ステップS6においてRAMクリアスイッチ400qがオフ状態であれば(ステップS6のNO)、設定確認処理を実行する(ステップS8)。設定確認処理の詳細は図36を参照しながら後述するが、設定確認処理の終了後はステップS10に進む。
なお、ステップS5において設定キースイッチ100qがオフ状態であった場合は(ステップS5のNO)、主制御CPU101はRAMクリアスイッチ400qの操作状態を確認する(ステップS9)。ステップS9においてRAMクリアスイッチ400qがオン状態であれば(ステップS9のYES)、設定変更を伴わない通常のRAMクリア処理を行うため、ステップS13に進む。一方、ステップS9においてRAMクリアスイッチ400qがオフ状態であれば(ステップS6のNO)、特段の処理を行わずにステップS10に進む。
ステップS10では、主制御CPU101は、電源断情報フラグの値を読み込んで、電源断正常の情報が保存されているか否かを判定する(ステップS10)。
ここで、電源断正常の情報が保存されている場合、主制御RAM103の所定領域を対象としてチェックサムを算出する(ステップS11)。このチェックサムが0であるか否か、すなわち、チェックサムが正常であるか否かを判定する(ステップS12)。なお、ここで算出される電源投入時のチェックサムには、後述の電源断時処理で算出されるチェックサムの補数が含まれているため、正常にバックアップされていれば、電源投入時のチェックサムは「0」となる。このように、電源断前に主制御RAM103に記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源投入時に判断する。
ステップS12においてチェックサムが正常である場合には(ステップS12のYES)、電源断前の状態に復帰すべく、後述するステップS16に移行する。他方、ステップS12においてチェックサムが異常である場合(ステップS12のNO)、または、ステップS7における設定変更処理の終了後は、初期化処理の対象とされる主制御RAM103の全領域をゼロクリアする(ステップS13)。なお、ステップS13の初期化処理では、特定のRAM記憶領域はゼロクリアしない。例えば、設定メモリに記憶される設定値はクリアされず、ステップS7の設定変更処理で設定された設定値がそのまま保持される。
次に、主制御RAM103に電源投入時の初期化データを設定する(ステップS14)。次に、演出表示装置70の初期化、演出ランプ10,25の初期化などを行うため、演出制御基板200への演出制御コマンド(「演出初期コマンド」)を要求する(ステップS15)。
次に、電源断復帰設定処理において、主制御RAM103における、電源投入正常情報の設定、各種エラーの初期設定、払出制御基板400との通信初期設定を順に実行する(ステップS16)。ここで、電源投入正常情報の設定としては、電源投入が正しく行われたことを保存するため、電源断情報フラグに電源投入正常データを格納するとともに、電源断発生の情報を初期化するため、電源断確認フラグをオフにする。次に、データ転送元アドレス、データ転送先アドレス及び転送バイト数をセットして、転送バイト数分のデータを転送する(ステップS17)。電源断時における特別図柄遊技ステータスの値を読み込んで、特別図柄遊技に係る電源断復帰処理を実行する(ステップS18)。
次に、主制御基板100と演出制御基板200との電源断復帰時の演出制御コマンド(「電源断復帰コマンド」)の送信要求を行う(ステップS19)。この電源断復帰コマンドには、通信線の検査、特別図柄の作動状態、確率変動回数、時短回数、入球容易状態回数、変動パターン選択状態、エラー状態に関する情報が含まれている。なお、電源断前の未送信分のコマンド要求はクリアされる。次に、図柄記憶数コマンド要求処理において、電源断時の第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数の情報を読み込み、この作動保留球数の情報を含む演出制御コマンドを要求する(ステップS20)。
次に、普通電動役物622を電源断前の状態(例えば、第2始動口62を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(ステップS21)。さらに、特別電動役物642を電源断前の状態(例えば、大入賞口64を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(ステップS22)。次に、特別図柄モードフラグの値を読み込み、電源断時における特別図柄の確率変動機能の作動状態を設定する(ステップS23)。なお、特別図柄モードフラグとは、特別図柄遊技の作動確率(高確率又は低確率)を設定するためのフラグである。次に、タイマ割込みを起動させるため、上記CTC回路の初期設定として、所定のカウント値を設定して、タイマ割込みを4ms毎に発生させる(ステップS24)。次に、タイマ割込み処理の発生を禁止すべく割込み禁止を設定する(ステップS25)。ウォッチドッグタイマのリスタート準備として、クリアワード1(「55H」)を設定する(ステップS26)。
次に、電源断の発生を判定するため、電源断確認フラグの値を読み込み、電源断が発生しているか否かを判定する(ステップS27)。電源断が発生していない場合には、初期値乱数更新処理を実行する(ステップS28)。この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数及び特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各カウンタの数値を1加算して、数値が各乱数毎に定められた最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ割込み処理の発生を許可すべく割込み許可を設定して(ステップS29)、上述の割込みを禁止する処理(ステップS25)に戻り、ステップS25〜S29に亘るループ処理を繰り返し実行する。ここで、タイマ割込み処理は所定の周期ごとに定期的に実行されるが、前回の割込み処理が完了してから次回の割込み処理が発生するまでの間の残余時間を利用して、ステップS25〜S29までの処理を繰り返す。割込み禁止状態において割込み要求があった場合には、ステップS29において割込み許可となったときにタイマ割込み処理が起動することとなる。一方、ステップS27において電源断確認フラグがオンとなっている場合、すなわち、電源断が発生している場合には、ステップS30に移行して、次述する電源断時処理を実行する。
次に、電源断時処理(ステップS30〜S36)として、まず、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(ステップS30)。次に、電源断情報フラグの内容が電源投入正常データであるか否かを判定する(ステップS31)。電源投入正常情報である場合、電源断情報フラグに電源断正常データを設定する(ステップS32)。他方、電源投入正常情報でない場合、電源断情報フラグに電源断異常データを設定して(ステップS33)、ステップS36に移行する。
次に、主制御RAM103の所定領域(チェックサム領域を除く)に対してチェックサムを算出する(ステップS34)。チェックサムデータに対する補数を算出し、この補数の結果値を主制御RAM103のチェックサム領域に設定する(ステップS35)。次に、主制御RAM103のアクセス禁止設定を実施し(ステップS36)、電源が遮断されるまで処理を繰り返し実行する。
<設定変更処理>
図35は、設定変更処理の一例を示すフローチャートである。図35に例示した一連の処理は、図32におけるステップS107の設定変更処理を詳細に示したものであり、主制御CPU101(主制御プログラム)によって実行される。
図35によればまず、主制御CPU101は、遊技設定の設定値が記憶されるべき設定メモリの値が正常であるか否かを確認する(ステップS101)。ステップS101において設定メモリ値が正常でなければ(S101のNO)、設定値を初期化して初期値にする(S102)。具体的には例えば、設定値データとして「1」〜「6」を用いる場合、初期値として「1」をセットし、設定値データとして「0」〜「5」を用いる場合、初期値として「0」をセットする。ステップS102の処理後はステップS103に進む。一方、ステップS101において設定メモリ値が正常であれば(S101のYES)、ステップS102の処理をスキップしてステップS103に進む。
ステップS103では、設定変更状態に移行する。そして、設定メモリに記憶された設定値を設定表示部197に表示させる(ステップS104)。
次に、設定変更ボタン(例えばRAMクリアスイッチ400q)による変更操作の有無を確認する(ステップS105)。設定変更ボタンによる変更操作がある場合は(ステップS105のYES)、設定表示部197に表示される設定値を更新するとともに、設定メモリに記憶される設定値を更新する(ステップS106)。設定変更ボタンによる変更操作がない場合は(ステップS105のNO)、ステップS106の処理をスキップする。
次に、設定キースイッチ100qの操作状態がオフ状態であるか否か確認する(ステップS107)。図32のステップS5でNOと判定してから設定キースイッチ100qがオン状態のままであれば(ステップS107のNO)、ステップS104に戻って処理を繰り返す。一方、設定キーが元に戻されて設定キースイッチ100qがオフ状態になった場合は(ステップS107のYES)、設定表示部197を消灯させて設定値が視認できない状態(非表示)にし(ステップS108)、リターンする。前述したように、リターン後は、図32のステップS13の処理を行う。
<設定確認処理>
図36は、設定確認処理の一例を示すフローチャートである。図36に例示した一連の処理は、図32におけるステップS108の設定確認処理を詳細に示したものであり、主制御CPU101(主制御プログラム)によって実行される。
図36によればまず、主制御CPU101は、設定メモリに記憶された設定値を設定表示部197に表示させる(ステップS111)。
その後、主制御CPU101は、設定キースイッチ100qの操作状態がオフ状態であるか否か確認する(ステップS112)。図32のステップS5でNOと判定してから設定キースイッチ100qがオン状態のままであれば(ステップS112のNO)、ステップS111に戻って処理を繰り返し、設定値の表示を継続する。一方、設定キーが元に戻されて設定キースイッチ100qがオフ状態になった場合は(ステップS112のYES)、設定表示部197を消灯させて設定値が視認できない状態(非表示)にし(ステップS113)、リターンする。前述したように、リターン後は、図32のステップS10の処理を行う。
なお、本実施形態の遊技機においては、前述の設定変更処理及び設定確認処理への移行条件として、セキュリティ性を高めるために第1の手順である枠開放を有している。そのため、図32には不図示であるが、ステップS5の設定キースイッチ100qの操作状態の判定においてオン状態(ステップ5のYES)と判定する際は、枠開放スイッチ(ドア開センサ2p)の状態も合わせて確認し、枠が開放状態(ドア開)である場合のみステップS6に移行する。ステップS5の判定時に設定キースイッチ100qがオン状態であっても、枠が開放状態ではない(ドア閉)である場合には、不正や異常が疑われる状態であることから、設定変更処理(ステップS7)または設定確認処理(ステップS8)に進むステップS6には移行せず、設定キースイッチ100qがオフ状態になるまで待機し、オフ状態に切り替わった場合にはステップS9に移行する。
<主制御側タイマ割込み処理>
次に、主制御タイマ割込み処理を説明するための各図の関係について説明する。まず、図37及び図38は、それぞれ、主制御基板100において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。図39及び図40は、それぞれ、図37に示す始動口監視制御処理の詳細を示すフローチャートである。図41は、図38に示す特別図柄変動開始監視制御処理の詳細を示すフローチャートであり、図42及び図43は、それぞれ、図41に示す特別図柄変動開始監視処理の詳細を示すフローチャートである。図44は、図38に示す特別図柄制御処理の詳細を示すフローチャートである。図45は、図44に示す特別図柄制御汎用処理の詳細を示すフローチャートである。図46〜図50は、それぞれ、図45に示す特別図柄変動開始処理、特別図柄変動中処理、及び特別図柄停止図柄表示中処理の詳細を示すフローチャートである。図51〜図53は、それぞれ、図38に示す特別電動役物制御処理の詳細を示すフローチャートである。
まず、図37に示すタイマ割込み処理は、前述したCTC回路からの一定時間(例えば4ms)毎のクロックパルスに応じてタイマ割込みが発生したことを契機として、主制御側メイン処理に割り込んで実行される。なお、以下使用する「条件装置」及び「役物連続作動装置」という用語は概念上の制御機器を意味している。「条件装置」とは、特別図柄遊技で大当りが発生した場合に作動し、「役物連続作動装置」とは、「特別電動役物」を連続して複数回作動させることができる。
まず、このタイマ割込みが発生すると、主制御CPU101内のレジスタの内容(主制御側メイン処理の処理中に使用していたデータ)を主制御RAM103のスタック領域に退避させた後、割込み動作条件を設定する(ステップS51)。次に、割込み動作条件設定値が割込み制御レジスタにセットされる(ステップS52)。次に、クリアワード2がセットされる(ステップS53)。
次に、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(ステップS54)。このとき、あらかじめ設定されたタイムアウト時間内に、主制御CPU101のWDTクリアレジスタに、クリアワード1、クリアワード2が順に書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。すなわち、主制御CPU101が主制御プログラムを正常に実行しているときは、定期的にクリアワード1,2が設定されることにより、ウォッチドッグタイマがタイムアウトする前にクリア及びリスタートされることとなる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
次に、入力処理を実行する(ステップS55)。この入力処理では、主制御基板100に接続されている各種スイッチとして、RAMクリアスイッチ以外のスイッチの情報が読み込まれる。すなわち、第1始動口スイッチ161、第2始動口スイッチ162、作動ゲートスイッチ163、大入賞口スイッチ164、及びアウト球検出スイッチ167、並びに、図示しない扉開放スイッチ、枠開放スイッチ、裏セット開放スイッチ、磁気センサ及び電波センサなどの入力情報を読み込み、それらの状態判定を行ったうえで、これらの検出情報を格納する。
次に、各種乱数更新処理を実行する(ステップS56)。この各種乱数更新処理では、初期値乱数を使用しない普通図柄変動パターン乱数及び特別図柄変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数については、乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。他方、特別図柄変動パターン乱数については、前回の乱数から所定値(例えば3511)を減算する。なお、減算した結果が0未満の場合には、減算した結果に所定値(例えば50000)を加算する。
次に、初期値更新型乱数更新処理を実行する(ステップS57)。この初期値更新型乱数更新処理では、普通図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数及び特別図柄当り図柄乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。カウンタの数値が1周した場合(初期値として設定した値となった場合)には、当該タイミングにおいてカウンタの数値が1周した乱数値と対応する初期値乱数の値を新たな初期値として設定する。
次に、初期値乱数更新処理を実行する(ステップS58)。この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数及び特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が各乱数毎にあらかじめ定められた最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ減算処理を実行する(ステップS59)。このタイマ減算処理では、遊技機の遊技動作制御に用いる各種タイマの値を減算更新する。なお、各種タイマには、特別図柄表示装置171,172に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマ、特別電動役物642の動作パターンを制御するためのタイマや、普通図柄、普通電動役物など各種制御に使用するタイマなどが含まれる。
次に、第2始動口有効期間設定処理を実行する(ステップS60)。この第2始動口有効期間設定処理では、第2始動口62の入賞有効期間及び入賞無効期間を判定し、この判定結果として、第2始動口62の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、入賞監視処理を実行する(ステップS61)。この入賞監視処理では、前述した入力処理(ステップS55)での第1始動口スイッチ161、第2始動口スイッチ162、作動ゲートスイッチ163、大入賞口スイッチ164、一般入賞口スイッチ166、及びアウト球検出スイッチ167の検出情報に基づき、遊技球のスイッチ通過検査を行い、その結果、遊技球が各スイッチを通過したと判断した場合、遊技球が各スイッチを通過したことを示す情報を含む演出制御コマンドの送信要求などを行う。
次に、賞球制御処理を実行する(ステップS62)。この賞球制御処理では、入賞が有効であるか無効であるかを判定し、入賞の種別に対応する賞球個数の指示をすべく払出制御コマンドを払出制御基板400に送信するとともに、払出制御基板400からの受信データを監視して払出制御基板400との通信検査を行う。
次に、普通図柄作動ゲート監視処理を実行する(ステップS63)。この普通図柄作動ゲート監視処理では、遊技球のゲート63への通過を監視し、ゲート63を通過していると判断した場合、普通図柄抽選に係る乱数を作動保留球情報として取得して、最大4個を限度として作動保留球数の更新を行うとともに、普通図柄抽選に係る乱数の記憶を行う。
次に、普通図柄制御処理を実行する(ステップS64)。この普通図柄制御処理では、普通図柄表示装置175又は普通電動役物622に係る一連の処理を実行するため、普通図柄遊技ステータスの値に応じて、普通図柄変動中処理、普通図柄停止図柄表示中処理、普通電動役物作動中処理、普通電動役物作動終了デモ中処理、などを実行する。なお、普通図柄変動中処理では、普通図柄を変動表示又は確定表示させるべく、普通図柄の表示パターン番号データを作成(更新)する。
次に、普通図柄変動開始監視処理を実行する(ステップS65)。この普通図柄変動開始監視処理では、普通図柄の作動状態を監視して、普通図柄の変動開始条件を充足していると判断したとき、普通図柄作動保留球数を1個消化して、普通図柄の当否判定、図柄の判定、変動パターンの判定、変動時間の設定、などを順に行う。
次に、始動口監視制御処理を実行する(ステップS66)。この始動口監視制御処理では、遊技球の第1始動口61及び第2始動口62への入球を監視して、遊技球が入球したことが検出された場合、例えば、保留球数の更新、特別図柄抽選に係る乱数記憶、先読み予告のための事前判定及び図柄記憶数等のような演出制御基板200に必要な情報を含むコマンドのコマンド要求を順に行う。
次に、特別図柄制御処理を実行する(ステップS67)。この特別図柄制御処理では、特別図柄表示装置171,172に係る一連の処理として、特別図柄遊技ステータスの値に応じて、例えば、後述する特別図柄変動開始処理(後述する図45のステップS420参照)、特別図柄変動中処理(後述する図45のステップS430参照)及び特別図柄停止図柄表示中処理(後述する図45のステップS440参照)を実行する。
次に、特別電動役物制御処理を実行する(ステップS68)。この処理では、特別図柄の抽選結果が「大当り」又は「小当り」となった場合に、特別電動役物642に係る動作処理として、特別電動役物642の作動開始及び作動終了の設定、大入賞口64の開放時間及び開放回数の更新、確率変動機能の作動開始設定、変動時間短縮機能の作動開始設定、変動パターン選択状態の設定、などを順に実行する。
次に、大入賞口有効期間設定処理を実行する(ステップS69)。この大入賞口有効期間設定処理では、大入賞口64の入賞有効期間及び入賞無効期間を判定し、この判定結果として大入賞口64の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、特別図柄変動開始監視制御処理を実行する(ステップS70)。この特別図柄変動開始監視制御処理では、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球が存在する場合、保留球数を1個消化して、図柄記憶数のコマンド要求、特別図柄の当否判定、特別図柄の図柄判定、確率変動機能の判定、時間短縮機能の判定、特別電動役物の作動パターンの設定、デモ演出時間の設定、などを順に行う。
次に、異常検知処理を実行する(ステップS71)。この異常検知処理では、前述した入力処理(ステップS55)での入力情報に基づき、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを順に検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板200にエラー表示を要求すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を生成する。
次に、入球通過時間異常検出処理を実行する(ステップS72)。この入球通過時間異常検出処理では、入賞検出スイッチのオン信号が連続して所定時間以上検出された場合に、入球通過時間異常を設定して、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)の要求を行うとともに、外部端子へ出力するためのセキュリティ信号の出力要求を行う。
次に、遊技状態表示処理を実行する(ステップS73)。この遊技状態表示処理では、特別電動役物642が連続して作動する回数(規定ラウンド数)、普通図柄及び特別図柄の作動保留球数などの表示データを作成する。前述した異常検知処理で検出したエラー状態の情報を主制御基板100の状態表示灯に表示させるための表示データを作成する。
次に、ハンドル状態信号検査処理を実行する(ステップS74)。このハンドル状態信号検査処理では、ハンドル状態信号を検査する。
次に、LED出力処理を実行する(ステップS75)。このLED出力処理では、特別図柄及び普通図柄の表示、保留球数の表示、特別電動役物が連続して作動する回数、エラーの表示などを行うべく、前述した特別図柄制御処理(ステップS85)、異常検知処理(ステップS89)、遊技状態表示処理(ステップS73)などで作成された表示データを、各特別図柄表示装置171,172、普通図柄表示装置175、各特図保留ランプ173,174、普図保留ランプ176、主制御基板100の状態表示灯などに出力するとともに、これら各種表示装置における表示の初期化を行う。
次に、発射制御信号出力処理を実行する(ステップS76)。この発射制御信号出力処理では、払出制御基板400との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されていない場合には、払出制御基板400に対して発射許可の信号を出力して遊技球の発射を許可する一方、払出制御基板400との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されている場合には、払出制御基板400に対して発射禁止の信号を出力して遊技球の発射を禁止する。
次に、試験信号出力処理を実行する(ステップS77)。この試験信号出力処理では、各種の試験データを作成した後にエラー検査処理を実施し、この結果、エラーが検出された場合、各種の試験データを各試験信号出力ポートへ出力する。
次に、ソレノイド出力処理を実行する(ステップS78)。このソレノイド出力処理では、普通電動役物622,特別電動役物642を作動させるべく、普通図柄制御処理(ステップS82)及び特別電動役物制御処理(ステップS86)において取得した制御データに基づき、各電動役物ソレノイド123,124に対して励磁信号を出力する。
次に、演出制御コマンド送信処理を実行する(ステップS79)。この演出制御コマンド送信処理では、前述したようにメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納された演出制御コマンドのうちからポインタで指定されたリングバッファに格納されている演出制御コマンドをMODEデータ及びEVENTデータごとにそれぞれ読み出し、後述するように演出制御基板200に対してそれぞれ送信する。
次に、外部情報出力処理を実行する(ステップS80)。この外部情報出力処理では、外部端子板を介して、遊技機の動作状態情報を外部情報としてホールコンピュータやデータカウンタなどの外部装置に出力する。
次に、退避していたレジスタの内容を復帰させて、主制御CPU101について割込み許可状態に設定する(ステップS81)。これにより、主制御側タイマ割込み処理を終了して上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を実行する。
なお、主制御側メイン処理中又は割込み処理中に、主制御基板100が電源断(所定の閾値に基づき供給電圧の低下)を検出すると、ノンマスカブル割込みを発生させて、電源断確認フラグをオンにする。元の処理に戻ったうえで、前述の電源断時処理(ステップS27〜S33)を実行することとなる。
<特別図柄遊技処理>
次に、主制御側タイマ割込み処理内の特別図柄遊技に係る一連の処理について説明する。特別図柄遊技に係る処理には、前述した始動口監視制御処理(ステップS84)、特別図柄制御処理(ステップS85)、特別電動役物制御処理(ステップS86)及び特別図柄変動開始監視制御処理(ステップS88)が該当する。
<始動口監視制御処理>
まず、図39に示すように第1始動口61への遊技球の入球を検出したか否かを判定する(ステップS201)。第1始動口61への遊技球の入球を検出した場合には、第1特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS202)。
第1特別図柄の作動保留球数が4未満である場合には、第1特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値、を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(ステップS203)。第1特別図柄の作動保留球数の更新として、第1特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(ステップS204)、第1始動口61の入賞チェックを終了する。
次に、第2始動口62への遊技球の入球が検出されたか否かを判定する(ステップS205)。第2始動口62への遊技球の入球が検出された場合、第2特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS206)。第2特別図柄の作動保留球数が4未満である場合、第2特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値及び特別図柄変動パターン乱数値を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第2特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(ステップS207)。第2特別図柄の作動保留球数の更新として、第2特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(ステップS208)、第2始動口62の入賞チェックを終了する。
次に、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数の更新があったか否か、すなわち、ステップS204又はステップS208にて第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が加算されたか否かを判定する(ステップS209)。作動保留球数の更新があった場合(ステップS209)には、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS210)。
次に、遊技機の状態を確認し、事前判定タイミングであるか否かを判定する(ステップS211)。事前判定タイミングである場合(ステップS211)には、保留n記憶領域の当り乱数バッファから特別図柄当り乱数値を読み出して、当否事前判定を行う(ステップS212)。この事前判定結果の情報(当否事前判定番号)を含む当否事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS213)。
保留n記憶領域の当り図柄乱数バッファから特別図柄当り図柄乱数値を読み出して、図柄事前判定を行う(ステップS214)。この事前判定結果の情報(図柄事前判定番号)を含む図柄事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS215)。さらに、保留n記憶領域の変動パターン乱数バッファから特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、変動パターン事前判定を行う(ステップS216)。この事前判定結果の情報(変動パターン事前判定番号)を含む変動パターン事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS217)。
<特別図柄変動開始監視制御処理>
図41に示す特別図柄変動開始監視制御処理(ステップS88)では、第1特別図柄及び第2特別図柄のうち、変動開始条件を充足している方の特別図柄側に対して、後述の特別図柄変動開始監視処理(ステップS310)を実行する。なお、第1特別図柄及び第2特別図柄の双方が変動開始条件を充足している場合には、前述したように、一例として第2特別図柄側の処理が優先的に実行される。
まず、大当り中又は小当り中であるか否かを判定する(ステップS301)。次に、第1特別図柄及び第2特別図柄の双方が変動待機中であるか、すなわち、第1特別図柄遊技ステータス及び第2特別図柄遊技ステータスが共に「00H(変動待機中)」であるか否かを判定する(ステップS302)。
次に、第2特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定して(ステップS303)、当該保留球数が「0」でない場合、第2特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第2特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレス及びRAM記憶領域のアドレス)を設定した後に(ステップS304)、第2特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(ステップS310)に移行する。すなわち、本実施形態では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合、第1特別図柄の作動保留球の存在の有無に拘わらず、第2特別図柄の作動保留球が優先的に消化される。この特別図柄変動開始監視処理の詳細については、後述する図42及び図43を用いて説明する。
一方、第2特別図柄の作動保留球数が「0」である場合には、第1特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定する(ステップS305)。ここで、当該保留球数が「0」でない場合、第1特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第1特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレス及びRAM記憶領域のアドレス)を設定した後に(ステップS306)、第1特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(ステップS310)に移行する。
なお、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動開始条件が共に成立していない場合(ステップS301,S302,S305)には、特別図柄変動開始監視処理(ステップS310)の実行を省略する。
<特別図柄変動開始監視処理>
特別図柄変動開始監視処理(ステップS310)では、上述したステップS304又はステップS306で設定された第1特別図柄変動開始監視テーブル又は第2特別図柄変動開始監視テーブルを参照して、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の処理を実行する。なお、第1特別図柄側と第2特別図柄側とでは、処理内容がほぼ同様であるので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。
まず、図42に示すように、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の作動保留球数を1減算する(ステップS311)。減算後の第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS312)。次に、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の特別図柄保留格納領域にアクセスして、最先の保留記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を順に読み出し、これらの乱数値を、後述の特別図柄当否判定処理(ステップS320)、図柄判定処理(ステップS330)、変動パターン選択処理(後述する図46のステップS423)に使用するため、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域に転送する(ステップS313)。保留記憶領域の更新として、保留2記憶領域〜保留4記憶領域に格納された保留球情報を順次保留1記憶領域〜保留3記憶領域にシフトするとともに、保留4記憶領域をゼロクリアする(ステップS314)。
次に、特別図柄当否判定処理を実行する(ステップS320)。特別図柄当否判定処理では、まず、特別図柄当否抽選テーブルを取得する。このとき、遊技状態が特別図柄確変状態である場合は高確率の当否抽選テーブルを取得し、遊技状態が通常状態である場合は低確率の当否抽選テーブルを取得する。次に、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出す。特別図柄当否抽選テーブルを参照して、特別図柄当り乱数値に基づき、特別図柄の当否判定を実行する。この当否判定結果に対応した値(大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)をメイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグとして格納する。
次に、図柄判定処理を実行する(ステップS330)。図柄判定処理では、当否判定の結果に応じて、特別図柄の停止図柄、図柄群の種類、キャラクタ演出番号(変動付加図柄情報)を決定する。今回決定した特別図柄の停止図柄、図柄群の種類、キャラクタ演出番号をメイン情報記憶手段180の図柄格納領域に格納する。なお、キャラクタ演出番号は、決定された図柄群の種類(図柄群A〜Gの7パターン)と、特別図柄及び普通図柄の確率変動機能の作動状態(特別図柄の確変オン/特別図柄の確変オフ/普通図柄の確変オン/普通図柄の確変オフの4パターン)との組み合わせに基づき、計28パターンなかのいずれかが決定される。なお、当否判定の結果がはずれの場合には、キャラクタ演出番号「0」が決定される。
次に、当否判定の結果が小当りに該当するか否かを判定するとともに(ステップS341)、当否判定の結果が大当りに該当するか否かを判定する(ステップS342)。当否判定の結果が小当りである場合は、ステップS346に移行する一方、当否判定の結果がはずれである場合は、ステップS349に移行する。
一方、当否判定の結果が大当りである場合には、ステップS330で決定された図柄群の種類(大当り種別)に基づき、特別遊技後の遊技状態として、特別図柄の確率変動機能を作動させるか否かを判定する(ステップS343)。すなわち、図柄群の種類(大当り種別)が、特定図柄を示すものである場合、確率変動機能を付与することを決定し、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタに確率変動作動データ(ST回数)「64H」を格納する一方、図柄群の種類が通常図柄を示すものである場合、確率変動機能を付与しないことを決定し、確率変動回数カウンタに確率変動未作動データ「00H」を格納する(ステップS344)。この判定結果は、メイン情報記憶手段180の確率変動判定フラグに記憶される。
ステップS330で決定された図柄群の種類(大当り種別)に基づき、特別遊技後の遊技状態として、変動時間短縮機能の作動回数を決定するとともに(ステップS345)、電チューサポート機能の作動回数を決定する(ステップS346)。この判定結果(変動時間短縮機能の作動回数情報(以下「変動時間短縮回数情報」と称する)、電チューサポート機能の作動回数情報(以下「入球容易状態回数情報」と称する))は、それぞれ対応するメイン情報記憶手段180の時短回数格納領域及び入球容易状態回数格納領域に記憶される。
次に、ステップS330で決定された図柄群の種類(大当り種別、小当り種別)に基づき、特別電動役物642の作動パターンを設定する(ステップS347)。具体的には、特別電動役物642の作動パターンとして、ラウンド遊技の規定ラウンド数(本実施形態では、10ラウンド、5ラウンド、2ラウンド)、大入賞口64の最大開放時間(本実施形態では、30秒、1.8秒)などを設定する。
次に、ステップS330で決定された図柄群の種類と現在の遊技状態とに基づき、特別遊技終了後の変動パターン選択状態を設定する(ステップS348)。なお、前述の説明では、特殊変動状態に関して、大当り図柄に応じて決定するものを例示したが、小当りの場合であっても、ステップS348において、変動パターン選択状態を特殊なものに変更可能としてもよい。次に、フローに戻り、ステップS330で決定された図柄群の種類に基づき、特別遊技のデモ演出時間(当り開始デモ時間及び当り終了デモ時間)を設定する(ステップS349)。次に、前述の特別図柄当否判定処理(ステップS320)及び図柄判定処理(ステップS330)で使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域及び特別図柄判定領域をクリアする(ステップS351)。今回の変動対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステータスを「00H(待機中)」から「01H(変動開始)」に遷移する(ステップS351)。
<特別図柄制御処理>
次に、図44に示す特別図柄制御処理(ステップS85)について説明する。まず、特別電動役物642が未作動中であるか否か、すなわち、特別電動役物遊技ステータスが「00H(当り待ち状態)」であるか否かを判定する(ステップS401)。次に、特別電動役物642が未作動中である場合(ステップS401)には、第2特別図柄遊技ステータスが「00H(待機中)」でないか否かを判定する(ステップS402)。
第2特別図柄遊技ステータスが「00H(待機中)」でない場合、第2特別図柄に係る処理を実行するため、第2特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレス及びRAM記憶領域のアドレス)を設定して(ステップS403)、特別図柄制御汎用処理(ステップS410)に移行する。一方、第2特別図柄遊技ステータスが「00H(待機中)」である場合、第1特別図柄に係る処理を実行するため、第1特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレス及びRAM記憶領域のアドレス)を設定して(ステップS404)、特別図柄制御汎用処理(ステップS410)に移行する。
なお、以下に説明する特別図柄制御汎用処理では、上述のステップS403又はステップS404で設定された第1特別図柄制御テーブル又は第2特別図柄制御テーブルを使用して、今回の変動の対象となる特別図柄側の処理が実行されることとなるが、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで処理の仕方は共通するので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。この特別図柄制御汎用処理の詳細については後述する。
<特別図柄制御汎用処理>
図45に示す特別図柄制御汎用処理(ステップS410)では、特別図柄遊技ステータスの値(「01H」,「02H」,「03H」)に応じた処理に移行するための分岐処理(ステップS411〜ステップS414)を実行する。まず、今回の変動の対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステータスが0でないか否かを判定する(ステップS411)。特別図柄遊技ステータスが「00H」でない場合(ステップS411)には、特別図柄遊技ステータスが「01H(変動開始)」であるか否かを判定する(ステップS412)。特別図柄遊技ステータスが「01H」である場合、特別図柄変動開始処理(ステップS420)に移行する。この特別図柄変動開始処理の詳細については後述する図46を用いて説明する。一方、ステップS412において特別図柄遊技ステータスが「01H」でない場合、特別図柄遊技ステータスが「02H(変動中)」であるか否かを判定する(ステップS413)。特別図柄遊技ステータスが「02H」である場合、特別図柄変動中処理(ステップS430)に移行する。この特別図柄変動中処理の詳細については、後述する図47を用いて説明する。ステップS413において特別図柄遊技ステータスが「02H」でない場合には、特別図柄遊技ステータスが「03H(停止図柄表示中)」であるか否かを判定する(ステップS414)。特別図柄遊技ステータスが「03H」である場合、特別図柄停止図柄表示中処理(ステップS440)に移行する。この特別図柄停止図柄表示中処理の詳細については後述する図48を用いて説明する。
<特別図柄変動開始処理>
まず、図46に示すように、当否抽選の結果や当選図柄、保留数、特別図柄の種別、及び変動パターン選択状態などに基づき、特別図柄変動パターンテーブルを取得する(ステップS421)。次に、メイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域から特別図柄変動パターン乱数値を読み出す(ステップS422)。特別図柄変動パターンテーブルを参照して、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、複数種の変動パターンの中からいずれかを選択する(ステップS423)。
次に、今回選択された変動パターンに対応する変動時間を設定する(ステップS424)。特別図柄の変動開始の設定として、図柄表示制御手段155の特別図柄遊技タイマに変動時間を格納するとともに(ステップS425)、演出制御基板200への変動開始コマンドを生成する(ステップS426)。変動開始コマンドとしては、演出表示装置70における図柄変動演出を開始させるべく、変動パターン指定コマンド、図柄指定コマンドを順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に記憶する。
次に、変動パターンの決定に使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域の内容をクリアする(ステップS427)。特別図柄遊技ステータスを「01H(変動開始)」から「02H(変動中)」に遷移する(ステップS428)。
<特別図柄変動中処理>
まず、図47に示すように、特別図柄の変動表示を行うため、特別図柄の表示パターン番号切替処理を実行する(ステップS431)。この表示パターン番号切替処理では、所定の切替時間毎に、特別図柄の表示パターン番号データを更新する。この表示パターン番号データは、特別図柄を変動表示又は確定表示させるべく、LED出力処理(ステップS76)において、第1特別図柄表示装置171又は第2特別図柄表示装置172に対して出力され、所定の切替時間ごとに変動表示中の特別図柄表示装置において特定の表示部が点滅したり、表示部の個別のLEDが順次点灯することによって変動中であることを示す表示を実行する。
次に、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄の変動時間が終了したか否かを判定する(ステップS432)。特別図柄の変動時間が終了した場合、第1特別図柄表示装置171又は第2特別図柄表示装置172に確定表示すべき特別図柄の停止図柄を設定する(ステップS433)。次に、演出制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を指示するための変動停止コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS434)。
次に、特別図柄遊技タイマに確定表示時間として500msに対応したデータである「125」を格納する(ステップS435)。なお、「確定表示時間」とは、特別図柄の変動停止の際に、停止図柄を確定的に停止表示させる時間である。特別図柄遊技ステータスを「02H(変動中)」から「03H(停止図柄表示中)」に遷移する(ステップS436)。
<特別図柄停止図柄表示中処理>
まず、図48に示すように、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄(停止図柄)の確定表示時間が終了したか否かを判定する(ステップS441)。ここで、特別図柄の確定表示時間が終了した場合、特別図柄遊技ステータスを「03H(停止図柄表示中)」から「00H(待機中)」に遷移する(ステップS442)。
次に、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに格納された当否判定データが大当りデータ「55H」であるか否かを判定する(ステップS443)。当否判定データが大当りデータである場合、特別図柄の確率変動機能の作動停止(ステップS444)、特別図柄の変動時間短縮機能の作動停止(ステップS445)、電チューサポート機能の作動停止(ステップS446)、を順に行う。
次に、特別遊技の開始デモ設定処理として、開始デモ表示時間を設定するとともに、開始デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(大当り開始デモコマンド)を生成する(ステップS447)。次に、変動パターン選択状態の実行回数(変動パターン選択状態回数カウンタ)をゼロクリアする(ステップS448)。特別電動役物遊技ステータスを「00H(当り待ち状態)」から「01H(特別遊技)」に遷移する(ステップS449)。当否判定フラグの内容をクリアするため、「00H」を設定する(ステップS450)。
一方、当否判定データが大当りデータでない場合(ステップS443)には、特別図柄の確率変動機能が作動中であるか否かを判定する(ステップS451)。図49に示すように、特別図柄の確率変動機能が作動中である場合(ステップS451)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタを1減算する(ステップS452)。次に、確率変動回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS453)。確率変動回数カウンタがゼロである場合、特別図柄の確率変動機能の作動を停止する(ステップS454)。一方、減算後の確率変動回数カウンタがゼロでない場合、ステップS454をスキップして、ステップS455に移行する。
次に、特別図柄の変動時間短縮機能が作動中であるか否かを判定する(ステップS455)。特別図柄の変動時間短縮機能が作動中である場合、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の時短回数カウンタを1減算する(ステップS456)。次に、時短回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS457)。時短回数カウンタがゼロである場合には、特別図柄時短状態の終了回数に到達したとして、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を停止する(ステップS458)。一方、減算後の時短回数カウンタがゼロでない場合、ステップS458をスキップして、ステップS459に移行する。
次に、電チューサポート機能が作動中であるか否かを判定する(ステップS459)。電チューサポート機能が作動中である場合、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の入球容易状態回数カウンタを1減算する(ステップS460)。次に、入球容易状態回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS461)。入球容易状態回数カウンタがゼロである場合、入球容易状態の終了回数に到達したとして、電チューサポート機能の作動を停止する(ステップS462)。一方、減算後の入球容易状態回数カウンタがゼロでない場合、ステップS462をスキップして、ステップS463に移行する。
次に、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを1減算する(ステップS463)。変動パターン選択状態を更新する(ステップS464)。具体的には、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを参照し、現在の変動パターン選択状態の実行回数があらかじめ設定された終了回数に達したか否かを判定し、終了回数に達している場合には、次に規定された変動パターン選択状態に切り替える。他方、終了回数に達していない場合には、現在の変動パターン選択状態を維持する。
次に、前述したステップS451〜S464にて更新された現在の遊技状態情報及び変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS465)。なお、演出制御基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、演出モードの設定及び更新を実行する。
次に、特別図柄判定フラグに小当りデータ「33H」が格納されているか否かを判定する(ステップS466)。小当りデータが格納されている場合、小当り遊技の開始デモ設定処理として、開始デモ表示時間を設定するとともに、開始デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(小当り開始デモコマンド)を生成する(ステップS467)。次に、特別電動役物遊技ステータスを「00H(当り待ち状態)」から「02H(小当り遊技)」に遷移する(ステップS468)。当否判定フラグの内容をクリアするため「00H」を設定する(ステップS469)。
一方、特別図柄判定フラグに小当りデータ「33H」が格納されていない場合、すなわち、特別図柄判定フラグにはずれデータ「00H」が格納されている場合、ステップS467〜S469の実行を省略する。なお、特別図柄判定フラグがはずれデータである場合に、当該フラグの内容をクリアする処理をしなかったのは、もともとはずれデータとして「00H」が格納されているからである。
<特別電動役物制御処理>
まず、図51に示すように、特別電動役物遊技ステータスが「01H(特別遊技:大当り)」であるか否かを判定する(ステップS501)。特別電動役物遊技ステータスが「01H」である場合、以降の処理において特別遊技処理を実行する。この特別遊技処理において、まず、特別電動役物642が作動中であるか否かを判定する(ステップS502)。特別電動役物642が作動していない場合、特別電動役物642の作動開始時間であるか否かを判定する(ステップS503)。特別電動役物642の作動開始時間とは、各ラウンド遊技おいて特別電動役物642の作動を開始するタイミングである。
特別電動役物642の作動開始時間である場合、ラウンド演出を開始させるべく演出制御コマンド(ラウンド演出指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS504)。なお、演出制御基板200側では、このラウンド演出指定コマンドの情報(現在のラウンド数などの情報)に基づき、特別遊技中における各ラウンド遊技に対応したラウンド演出を実行する。特別電動役物642の作動を開始して(ステップS505)、特別電動役物642の作動中の処理として、ステップS506〜ステップS510の処理を実行する。
特別電動役物642の作動中の処理として、大入賞口64に遊技球が最大入賞数だけ入球したか否かを判定するとともに(ステップS506)、特別電動役物642の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定する(ステップS507)。このとき、大入賞口64に遊技球が最大入賞数だけ入球した場合又は特別電動役物642の作動時間が経過した場合には、特別電動役物642の作動を停止させる(ステップS508)。特別電動役物642の連続作動回数があらかじめ定められた規定ラウンド数に達したか否かを判定する(ステップS509)。連続作動回数が規定ラウンド数に達していない場合、特別電動役物642の連続作動回数を1加算する(ステップS510)。
一方、特別電動役物642の連続作動回数が規定ラウンド数に達している場合、図52に示すステップS511に移行して、特別遊技の当り終了デモ設定処理として、終了デモ表示時間を設定するとともに、終了デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(大当り終了デモコマンド)を生成する(ステップS511)。
次に、確率変動回数カウンタに上記ステップS344で設定した確率変動回数情報を格納する(ステップS512)。時短回数カウンタに、上記ステップS345で設定した変動時間短縮回数情報を格納する(ステップS513)。入球容易状態回数カウンタに、上記ステップS346で設定した入球容易状態回数情報を格納する(ステップS514)。
次に、上記ステップS343で設定された確率変動判定フラグの内容を参照して、確率変動回数カウンタに記憶された確率変動回数情報が確率変動機能データ(「64H」)であるか否かを判定する(ステップS515)。確率変動回数情報が確率変動機能データである場合、特別図柄の確率変動機能の作動を開始する(ステップS516)。他方、確率変動回数情報が確率変動機能データでない場合(ステップS515がNOの場合)には、ステップS516の実行を省略する。
次に、時短回数カウンタに記憶された変動時間短縮回数情報が変動時間短縮機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(ステップS517)。変動時間短縮機能作動データである場合、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を開始する(ステップS518)。一方、変動時間短縮機能作動データでない場合には、ステップS518の実行を省略する。
次に、入球容易状態回数カウンタに記憶された入球容易状態回数情報が電チューサポート機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(ステップS519)。電チューサポート機能作動データである場合、電チューサポート機能の作動を開始させる(ステップS520〜S522)。すなわち、普通図柄の確率変動機能の作動開始(ステップS520)、普通図柄の変動時間短縮機能の作動開始(ステップS521)、普通電動役物622の開放延長機能の作動開始(ステップS522)、を順に実行する。一方、電チューサポート機能作動データでない場合には、ステップS520〜S522の実行を省略する。
次に、上記ステップS347で決定した変動パターン選択状態に切り替える(ステップS523)。次に、前述のステップS512〜S523にて設定された特別遊技後の遊技状態情報及び変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS524)。なお、演出制御基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、特別遊技後の演出モードを設定する。特別電動役物遊技ステータスを「01H(特別遊技)」から「00H(当り待ち状態)」に遷移する(ステップS525)。
他方、特別電動役物遊技ステータスが「01H」でない場合(ステップS501)には、ステップS530に移行して、特別電動役物遊技ステータスが「02H(特別遊技:小当り遊技)」であるか否かを判定する(ステップS530)。特別電動役物遊技ステータスが「02H」である場合、以降の処理で小当り遊技処理を実行する。
小当り遊技処理において、まず、特別電動役物642が作動中であるか否かを判定する(ステップS531)。特別電動役物642が作動していない場合、特別電動役物642の作動を開始する(ステップS532)。一方、特別電動役物642が作動中である場合、ステップS532の実行を省略する。
次に、特別電動役物642の作動中の処理として、大入賞口64に遊技球が最大入賞数だけ入球したか否かを判定するとともに(ステップS533)、特別電動役物642の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定する(ステップS534)。このとき、大入賞口64に遊技球が最大入賞数だけ入球した場合又は特別電動役物642の作動時間が経過した場合には、特別電動役物642の作動を停止する(ステップS535)。
次に、小当り遊技の終了デモ設定処理として、終了デモ表示時間を設定するとともに、終了デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(小当り終了デモコマンド)を生成する(ステップS536)。次に、上記ステップS347で決定した変動パターン選択状態に切り替える(ステップS537)。次に、このステップS537にて設定された特別遊技後の変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS538)。この遊技状態指定コマンドは、演出制御基板200側で、例えば、演出モードの移行契機の判定、及び、移行先の演出モードの特定に用いられる。特別電動役物遊技ステータスを「01H(特別遊技)」から「00H(当り待ち状態)」に遷移させる(ステップS539)。
<演出制御基板側の処理>
次に、図54〜図62を参照しながら、演出制御基板200側の処理の手順について説明する。なお、以下では、主として演出制御プログラムが主体であるが、適宜主体を省略して記載する。演出制御基板200側の処理は、電源投入後など演出制御CPU201がリセットされると実行されるリセット開始処理(演出制御側メイン処理を含む)と、一定周期毎に起動される演出制御側タイマ割込み処理と、主制御基板100からのストローブ信号を受け取ったことを契機として実行される演出制御コマンドの受信割込み処理と、変動演出パターンのタイムスケジュールに規定された所定の発生時期の到来を契機として起動されるランプ演出割込み処理と、一定周期毎に起動される画像制御コマンドの送信割込み処理とを含んでいる。
各割込み処理(例外処理)には、複数の割込み処理が同時に発生した際における優先度を示す優先レベルが設定されている。本実施形態では、「電源リセットによるリセット開始処理(図54):最優先」、「各種異常時によるリセット開始処理(図54):最優先」→「演出制御コマンドの受信割込み処理(図62):レベル7」→「WDT(暴走検知時)によるリセット開始処理(図54):レベル3」→「画像制御コマンドの送信割込み処理(図55):レベル2」→「演出制御側タイマ割込み処理(図61):レベル1」などの順に、優先レベルの順位付けがされている。なお、「各種異常時によるリセット開始処理」は、例えば、演出制御CPU201が不正な命令を実行したとき、演出制御CPU201が不正な領域又は不正な方法にてアクセスしようとしたとき、DMA(Direct Memory Access)転送中のエラーが発生したときなどに起動する。本実施形態では、上記の複数種の割込み処理を例示しているが、実際にはその他の割込み処理も存在する。
演出制御側メイン処理では、基本的に、全割込み禁止又は演出制御コマンド受信割込み以外の割込み禁止のいずれかの状態に設定したうえで処理が進められる。その上で、演出制御側メイン処理が割込み許可状態となった場合に、当該メイン処理を中断させて各割込み処理が実行される。各割込み処理では、当該割込み処理の実行中に他の割込み処理の要求があった(多重割込みが発生した)ときは、実行中の割込み処理よりも優先レベルの高い割込み処理であれば、原則的に、当該割込み要求が許可される一方、実行中の割込み処理よりも優先レベルの低い又は優先レベルの同じ割込み処理である場合には当該割込み要求が禁止される。すなわち、各割込み処理は、優先レベルの同じ又は優先レベルの低い他の割込みを禁止した状態で処理が進められる。各割込み処理から演出制御側メイン処理へは、全割込み許可の状態で戻ってくる。なお、このような割込み要因の優先順位(優先レベル)は、前述した割込みコントローラのレジスタ設定によって規定される。
<リセット開始処理>
図54は、演出制御基板200のリセット開始処理の一例を示すフローチャートである。このリセット開始処理では、電源投入時のリセット、各種異常時を起因としたリセット、WDT(暴走検知時)を起因としたリセットのいずれかにより起動し、演出制御CPU201のセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートして、ステップS801以降の処理が開始される。
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定する(ステップS801)。各種初期設定が完了するまで全ての割込み処理を禁止する(ステップS802)。
次に、ハードウェアに関する基本的な設定として、演出制御CPU201内に設けられている内蔵レジスタに初期値を設定するとともに、I/Oポート回路204を初期化する(ステップS803)。さらに、演出制御RAM203内のメモリ領域を初期化する(ステップS804)。ここでは、初期値付きの変数には初期値を設定し、初期値なしの変数には0クリアによる初期化を行う。演出制御CPU201が演出制御ROM202に記憶された制御プログラムを演出制御RAM203に適宜展開する。
次に、演出制御コマンドの受信割込み処理以外の割込みを禁止する(ステップS805)。次に、あらかじめ各機種共通で設定された各種のエラーのうち、当該機種で有効とすべきエラーの種別を設定する処理を実行する(ステップS806)。さらに、演出ランプ10,25(枠ランプ10、盤ランプ25)を全消灯状態とするため消灯リクエストを行う(ステップS807)。演出制御CPU201の暴走を監視するためウォッチドッグタイマを起動する(ステップS808)。
次に、演出制御側メイン処理を実行する(ステップS809)。この演出制御側メイン処理の詳細について図55を用いて説明する。なお、前述のステップS809において演出制御側メイン処理へ移行すると、当該リセット開始処理へ復帰することは通常はあり得ないが、プログラムのバグなどの発生によって、万が一、このリセット開始処理へ復帰してきた場合には、消費電力が通常作動時よりも低減された小消費電力モード(スリープモード)へ遷移する。
<演出制御側メイン処理>
図55は、図54に示す演出制御側メイン処理(ステップS809)の詳細を示すフローチャートである。
まず、演出制御側メイン処理内で演出制御プログラムが演出制御RAM203で正確に展開されているか否かのチェックを開始するためのアドレス(演出制御プログラムが展開された先頭アドレス)を取得する(ステップS811)。次に、全ての割込みを許可、すなわち、各種の割込み処理の起動を許可する(ステップS812)。
次に、デバイスの初期化動作を実行する(ステップS813)。この初期化動作は、遊技機の電源投入時(リセット開始時)に1度だけ実行される動作態様のことであり、モータ、ソレノイドなどのデバイスによって可動役物の動作を制御するために必要となる位置情報を確認することを目的として実行される。なお、初期化動作の終了時には、可動役物はあらかじめ設定された初期位置(基準位置)に復帰する。
次に、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、ウォッチドッグタイマをクリアする(ステップS814)。このとき、演出制御CPU201が演出プログラムを正常に実行しているときは、あらかじめ設定されたタイムアウト時間内に、演出制御CPU201のWDTクリアレジスタに、所定のクリアワードが書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
次に、入力ポートチェック処理を実行する(ステップS815)。この入力ポートチェック処理では、後述する演出制御側タイマ割込み処理(図61参照)におけるポート入出力処理(ステップS1112)で、割込みが発生する度にI/Oポート回路204(入力ポート)の読み込みを監視し、複数回(例えば4回)監視した結果、入力ポートの状態が全て「1」の場合には信号レベルを「1(Hレベル)」に変化させ、入力ポートの状態が全て「0」の場合には信号レベルを「0(Lレベル)」に変化させ、入力ポートの状態がそれ以外の場合は信号レベルを変化させない(これにより入力信号が確定される)。
次に、エラー演出管理処理を実行する(ステップS816)。このエラー演出管理処理では、後続のコマンド解析処理(ステップS820)で設定されるエラー演出パターンに基づき、各種デバイスによるエラー演出を開始させる。さらに、エラー演出管理処理では、エラー管理タイマに初期値(エラー演出時間)を設定して、エラー演出の進行を管理する。このエラー管理タイマは、演出制御側タイマ割込み処理のエラー管理タイマ更新処理(ステップS1120)にて16ms周期で減算更新される。エラー管理タイマがタイムアウトした場合は、当該エラー演出を終了させる。
次に、演出ボタン監視制御処理を実行する(ステップS817)。この演出ボタン監視制御処理では、図柄変動中にボタン予告演出を組み込んでいる場合に、操作有効時間内における演出ボタン15の入力状態を監視して、当該ボタン予告演出に応じてあらかじめ設定された複数種の演出内容の中から、演出ボタン15の入力状態に応じた演出の内容を決定する。なお、遊技者によるボタンの入力操作自体は、後述する演出制御側タイマ割込み処理におけるポート入力処理(ステップS1112)において監視し、当該演出ボタン監視制御処理では、ボタン有効操作とみなすフラグや、演出切替のためのフラグが成立しているかどうかを判定してボタン押下に基づく演出の実行制御を行う。
次に、予告抽選管理処理を実行する(ステップS818)。この予告抽選管理処理では、後続のコマンド解析処理(ステップS820)で選択される変動演出パターンのシナリオに沿って、装飾図柄の変動過程の各段階で発生する予告演出の内容を定めた予告演出パターン(予告演出番号)を抽選で決定する。ここで決定された予告演出番号は、演出制御情報記憶手段260の予告演出番号格納領域に一時的に記憶される。この予告演出番号を画像制御基板300側へ指定するための画像制御コマンドを生成して、これを演出制御情報記憶手段260の画像制御コマンドバッファに設定する。このとき、予告演出パターンとして、役物予告演出パターン(役物予告演出番号)が選択された場合には、役物リクエストが発生し、後続のデバイス管理処理(ステップS819)にて、可動役物の駆動パターンが特定される。なお、本実施形態では、装飾図柄の一変動内で発生する複数種の予告演出(予告演出パターン)の全てを、1回のメインループ処理内で抽選するのではなく、当該メインループ処理効率を向上させるため、予告演出の発生時期(例えば、変動開始段階、リーチ発生段階、変動停止段階、演出ボタン15の有効操作時)毎に分けて、複数回のメインループ処理に跨って抽選する構成となっている。その際、装飾図柄の変動開始段階で発生する予告演出については、装飾図柄の変動開始と同期をとる(画像制御コマンドを早急に送信する)必要があるので、前述したメインループ処理内において抽選を実行する。
次に、デバイス管理処理を実行する(ステップS819)。このデバイス管理処理では、後述のコマンド解析処理(ステップS820)にて各種デバイスの動作要求(ランプリクエスト、役物リクエスト)があった場合、演出制御ROM202に記憶された複数種のパターンデータ(ランプパターン、駆動パターン)の中から、演出番号(ランプ演出番号、役物予告演出番号)に対応したパターンデータを特定して、対象デバイスの制御を開始する。演出ランプ10,25のランプパターンデータには、1フレーム時間(画像フレームを1回更新するのに要する時間:16ms)毎に対応付けられたランプデータがスケジュールデータとして格納されている。なお、本実施形態において、1フレーム時間は、演出表示装置70において毎秒約60フレーム(=約60fps)で描画などする場合の1フレームの描画処理に要する時間と対応するものになっている。同様に、可動役物の駆動パターンデータには、割込み周期(1ms)毎に対応付けられた駆動データがスケジュールデータとして格納されている。これにより、後述する演出制御側タイマ割込み処理にて、各制御データ(ランプデータ、駆動データなど)が対象デバイスに対して一定周期毎に出力されており、対象デバイスの動作が開始されることになる。一方、後述の演出制御側タイマ割込み処理において、一連の制御データ(ランプデータ、駆動データ)の出力が全て完了した場合は、演出ランプ10,25を消灯させ、又は、可動役物の動作を停止させ、対象デバイスの制御を終了する。
次に、コマンド解析処理(ステップS820)を実行する。このコマンド解析処理では、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されている場合にはこの演出制御コマンドを読み出してこの演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理を実行する。このコマンド解析処理の詳細については、後述する図56を用いて説明する。
今回の周期の演出メイン処理のループ処理中において、演出制御コマンドに関して解析(以下「コマンド解析」と称する)を実行したか否かを判定する(ステップS821)。コマンド解析を実行している場合、ステップS814に戻り、ステップS814〜ステップS821を繰り返し実行する。一方、コマンド解析を実行しなかった場合、演出抽選乱数更新処理を実行する(ステップS822)。この演出抽選乱数更新処理では、先読み予告抽選乱数、装飾図柄乱数、変動演出パターン乱数、予告演出パターン乱数などの演出抽選乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値に戻す。
<コマンド解析処理>
図56は、図55に示すコマンド解析処理(ステップS820)の詳細を示すフローチャートである。このコマンド解析処理では、主制御基板100において出力ポートに保持された演出制御コマンドが以下に示すように演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に取り込まれているか否かを監視し、演出制御コマンドが取り込まれて格納されている場合、この演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理を実行する。
まず、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に遊技状態指定コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS831)。遊技状態指定コマンドが格納されている場合、演出状態移行処理(ステップS832)へ移行する。この演出状態移行処理では、遊技状態指定コマンドに含まれる変動パターン選択状態情報に基づき、演出モードを遷移する処理を実行する。この演出状態移行処理の詳細については後述する図57を用いて説明する。
次に、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に保留関連コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS833)。ここで、保留関連コマンドには、図柄記憶数コマンド、事前判定コマンドが含まれる。この保留関連コマンドが格納されている場合、保留情報管理処理(ステップS834)へ移行する。この保留情報管理処理では、演出制御情報記憶手段260から図柄記憶数コマンド又は事前判定コマンドを読み出して、事前判定結果の情報に基づき先読み判定を実行するとともに、演出表示装置70の保留表示部(図示せず)に表示される保留画像の表示個数及び表示態様(表示色など)を更新するための処理を実行する。
次に、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に図柄変動関連コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS835)。ここで、図柄変動関連コマンドには、変動開始コマンド、変動停止コマンドが含まれる。図柄変動関連コマンドが格納されている場合、変動演出内容決定処理(ステップS836)へ移行する。この変動演出内容決定処理では、受信した図柄変動関連コマンドが変動開始コマンドである場合には図柄変動演出を開始させるための処理を実行し、受信した図柄変動関連コマンドが変動停止コマンドである場合には実行中の図柄変動演出を終了させるための処理を実行する。この変動演出内容決定処理の詳細については後述する図58を用いて説明する。
次に、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に大当り演出関連コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS837)。ここで、大当り演出関連コマンドには、大当り開始デモ演出コマンド、ラウンド演出指定コマンド、大当り終了デモ演出コマンドを含む。大当り演出関連コマンドが格納されている場合、大当り演出内容決定処理(ステップS838)へ移行する。この大当り演出内容決定処理では、開始デモ演出、ラウンド演出、終了デモ演出を実行するための処理を実行する。この大当り演出内容決定処理の詳細については後述する図59及び図60を用いて説明する。
次に、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に小当り演出関連コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS839)。ここで、小当り演出関連コマンドには、小当り開始デモ演出コマンド、小当り終了デモ演出コマンドを含む。小当り演出関連コマンドが格納されている場合、小当り演出内容決定処理(ステップS840)へ移行する。この小当り演出内容決定処理では、小当り開始デモ演出、小当り終了デモ演出を実行するための処理を実行する。
次に、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域にエラー演出指定コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS841)。このエラー演出指定コマンドが格納されている場合、エラー演出内容決定処理(ステップS842)へ移行する。このエラー演出内容決定処理では、演出制御情報記憶手段260からエラー演出指定コマンドを読み出して、演出表示装置70の画像表示や演出ランプ10,25の発光態様などによってエラー状態を報知するためのエラー演出パターンを決定する。
なお、ステップS831,S833,S835,S837,S839,S841において演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されていない場合は、コマンド解析処理を終了する。なお、演出制御側メイン処理のループ処理(ステップS814〜ステップS822)は、画像制御CPU301の画像表示周期(1フレーム=16ms)と同期するため、ステップS821のコマンド解析処理や、ステップS822の演出抽選乱数更新処理を繰り返し実行し、16msを超える場合には、処理をステップS814へ復帰させる。
<演出状態移行処理>
図57は、図56に示す演出状態移行処理(ステップS832)の詳細を示すフローチャートである。
まず、主制御基板100からの遊技状態指定コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる変動パターン選択状態に関する情報を取得する(ステップS901)。次に、上記ステップS901で取得した変動パターン選択状態に関する情報に基づき、演出モードの移行契機が到来したか否かを判定する(ステップS902)。演出モードの移行契機が到来している場合、ステップS903以降で、所定の演出モードへの移行設定を行う。なお、演出モードの移行契機としては、原則的には特別遊技の終了後における確率変動機能や、変動時間短縮機能、電チューサポート機能の作動、及び変動パターン選択状態の移行契機と連動しており、例えば、特別遊技の終了時又は変動パターン選択状態の終期回数を満了したときなどである。なお、変動パターン選択状態の終期回数は、特別図柄の変動回数に係る回数である。
始めに、主制御基板100側で管理された変動パターン選択状態の移行先が、低確率通常変動状態αであるか否かを判定する(ステップS903)。移行先が低確率通常変動状態αである場合、演出モードの移行先として通常演出モードMαを設定する(ステップS904)。この通常演出モードMαに移行すると、演出制御情報記憶手段260の背景データ格納領域に通常背景データ番号が設定される(ステップS905)。通常演出モードMαにおいて、次回の図柄変動から演出表示装置70上にて、例えば「荒野」を表す通常背景画像が表示される。一方、移行先が低確率通常変動状態αではない場合(ステップS903)には、変動パターン選択状態の移行先が、高確率時短変動状態βであるか否かを判定する(ステップS906)。移行先が高確率時短変動状態βである場合、演出モードの移行先として確変演出モードMβを設定する(ステップS907)。この確変演出モードAに移行すると、演出制御情報記憶手段260の背景データ格納領域に確変背景データ番号が設定される(ステップS908)。確変演出モードMβにおいて、次回の図柄変動から演出表示装置70には、例えば「城塞」を表す確変背景画像が表示される。
変動パターン選択状態の移行先が、高確率時短変動状態βでない場合(ステップS906)には、変動パターン選択状態の移行先が、高確率特殊変動状態γであるか否かを判定する(ステップS909)。移行先が高確率特殊変動状態γである場合、演出モードの移行先として特殊演出モードMγを設定する(ステップS910)。次に、演出制御情報記憶手段260の特殊連続演出フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS911)。特殊連続演出フラグとは、特殊連続演出が実行される場合にオンとなるフラグである。特殊連続演出フラグがオンである場合、演出制御情報記憶手段260の背景データ格納領域に特殊背景データ番号が設定される(ステップS912)。特殊演出モードMγにおいて、次回の図柄変動から演出表示装置70上にて、例えば「星空」を表す特殊背景画像が表示される。一方、特殊連続演出フラグがオフである場合には、演出制御情報記憶手段260の背景データ格納領域に確変背景データ番号が設定される(ステップS913)。特殊演出モードMγにおいて、次回の図柄変動から演出表示装置70上にて、例えば「城塞」を表す確変背景画像(確変演出モードMβのときと実質的に同一の背景画像)が表示される。次に、当該処理で決定した演出内容(背景画像)の表示を指示するための画像制御コマンドを生成し、これを演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する(ステップS921)。また、演出モードの変更としては、主制御基板100の遊技状態によるものではない、演出制御基板200側で決定する変更も存在する。例えば、主制御基板100側で通常遊技状態(低確率/低ベース)が、所定回数継続して行われた場合や、特殊な演出態様を実行するための先読み抽選に当選した場合、電源投入からの経過時間を計測するタイマ値やRTC回路が所定時刻になったことと判断して特殊演出を実行する場合などがあげられる。
<変動演出内容決定処理>
図58は、図56に示す変動演出内容決定処理(ステップS836)の詳細を示すフローチャートである。
まず、演出制御情報記憶手段260に変動開始コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS931)。変動開始コマンドが格納されている場合、この変動開始コマンド(変動パターン指定コマンド、変動付加図柄情報指定コマンド、キャラクタ演出番号指定コマンド)の内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる当否抽選の結果、図柄群、変動パターン(変動時間)、遊技状態などを示す情報を取得する(ステップS932)。なお、この取得情報は、演出制御情報記憶手段260の変動演出内容判定領域に格納される。
次に、変動演出パターン選択処理を実行する(ステップS933)。この変動演出パターン選択処理では、上記ステップS932で取得した変動パターン情報と上記ステップS832の演出状態移行処理で設定された演出モードとに基づき、変動演出パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から変動演出パターン乱数値を取得して、複数種の変動演出パターンの中から、いずれかの変動演出パターンを抽選で決定する。変動演出パターンは、装飾図柄の変動態様、リーチ演出の種類・発生時期、予告演出の種類・発生時期などが規定された演出表示過程のシナリオを構成している。ここで決定された変動演出パターン番号は、演出制御情報記憶手段260の変動演出パターン格納領域に一時的に記憶される。選択された変動演出パターン番号に対応したランプ演出番号をリクエストして、このリクエストされたランプ演出番号を演出制御情報記憶手段260のランプリクエスト記憶領域に設定する。
次に、装飾図柄停止図柄選択処理を実行する(ステップS934)。この装飾図柄停止図柄選択処理では、上記ステップS932で取得した図柄群情報と変動パターン情報に基づき、最終的に停止させる装飾図柄の停止図柄の組合せ(左図柄・中図柄・右図柄)をそれぞれ抽選で決定する。ここで決定された装飾図柄組合せ番号は、演出制御情報記憶手段260の装飾図柄格納領域に一時的に記憶される。
次に、演出制御情報記憶手段260の先読み情報格納領域の更新として、保留2記憶領域〜保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の保留記憶領域にシフトするとともに、保留4記憶領域をゼロクリアする(ステップS935)。
上記ステップS933〜ステップS935で取得した演出情報に基づき、装飾図柄の変動開始に要する画像制御コマンド(変動演出開始コマンド)を生成し、この画像制御コマンドを演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(ステップS939)。
一方、変動開始コマンドが格納されていない場合(ステップS931)には、演出制御情報記憶手段260に変動停止コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS940)。変動停止コマンドが格納されている場合(ステップS940)には、変動停止コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる図柄停止情報を取得する(ステップS941)。装飾図柄の変動停止に要する画像制御コマンド(変動演出停止コマンド)を生成し、この画像制御コマンドを演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(ステップS942)。
<大当り演出内容決定処理>
図59及び図60は、図56に示す大当り演出内容決定処理(ステップS836)の詳細を示すフローチャートである。
まず、演出制御情報記憶手段260に開始デモコマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS1001)。開始デモコマンドが格納されている場合には、開始デモコマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる大当り種別などを示す情報を取得する(ステップS1002)。なお、この取得情報は、演出制御情報記憶手段260の大当り演出内容判定領域に格納される。次に、連荘回数をカウントするための連荘回数カウンタを更新する(ステップS1003)。具体的には、今回の大当りが通常状態での大当り(「初当り」と称する)である場合は連荘回数カウンタに「1」をセットし、連荘である場合は連荘回数カウンタを「1」加算する。
次に、大当り演出パターン(開始デモ演出パターン、ラウンド演出パターン、終了デモ演出パターン)の内容を決定するための大当り演出パターン選択処理を実行する(ステップS1004)。この大当り演出パターン選択処理では、図示しない大当り演出パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から大当り演出パターン乱数値を取得して、複数種の大当り演出パターンの中から、いずれかの大当り演出パターンを抽選にて決定する。ここで決定された大当り演出パターン番号は、演出制御情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時的に記憶される。この大当り演出パターン番号は、例えば、開始デモパターン番号、ラウンド演出パターン番号及び終了デモパターン番号を含んでいる。
次に、保留内連荘演出判定処理を実行する(ステップS1005)。この保留内連荘演出判定処理では、大当り遊技が実行される際に存在する保留内に、大当り終了後の遊技状態(特に確変遊技状態)で大当りとなる保留が存在する場合に、保留内連荘演出の実行可否を判定するとともに、保留内連荘演出を実行することを決定した場合には特殊連続演出フラグをオンとし、連荘演出パターンを選択する。
次に、大当り演出差し替え処理を実行する(ステップS1006)。この大当り演出差し替え処理では、保留内連荘演出(特殊連続演出)が実行される場合に、通常の開始デモ演出パターン及び通常の終了デモ演出パターンを特殊開始デモ演出パターン及び特殊終了デモ演出パターンに差し替える。なお、本実施形態では、保留内連荘演出における先読み判定の対象となるのは、先行の作動保留球が大当りとなった場合にその特別遊技の開始時点(当該変動終了時)にて存在する後続の作動保留球である。そのため、特別遊技中に生じた作動保留球が特定保留である場合でも、保留内連荘演出判定処理(ステップS1005)と差し替え処理(ステップS1006)は実行されることはないが、当該特別遊技中に特定保留が生じた場合に、当該特別遊技中においても保留内連荘演出判定処理と差し替え処理とを実行し、特別遊技の開始時に設定した大当り演出データを差し替えるように構成してもよい。
上記ステップS1004,S1006で演出制御情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時的に記憶した開始デモ演出パターン番号を演出制御情報記憶手段260の開始デモ演出格納領域に転送して、開始デモ演出の開始を設定する(ステップS1007)。
次に、演出制御情報記憶手段260にラウンド演出指定コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS1011)。ラウンド演出指定コマンドが格納されている場合(ステップS1007)には、ラウンド演出指定コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれるラウンド数や、大入賞口64への入賞数を示す情報を取得する(ステップS1012)。なお、この取得情報は、演出制御情報記憶手段260の大当り演出内容判定領域に格納される。次に、上記ステップS1012で取得した情報に基づき、演出制御情報記憶手段260のラウンド数カウンタを更新する(ステップS1013)とともに、演出制御情報記憶手段260の大入賞数カウンタを更新する(ステップS1014)。なお、本実施形態では、大入賞口64に遊技球が入球する毎に「14」個の賞球が払い出されるため、大入賞口64への入賞数に「14」を乗算することで、獲得賞球数が算出される。
次に、演出制御情報記憶手段260の擬似カウントフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS1015)。擬似カウントフラグとは、先の特別遊技におけるラウンド数及び獲得賞球数を、後の特別遊技におけるラウンド数及び獲得賞球数に上乗せして報知する擬似カウント演出を実行する場合にオンとなるフラグである。擬似カウントフラグがオンである場合、すなわち、後の大当りにおけるラウンド演出(擬似カウント演出)を実行予定である場合には、ラウンド数擬似加算処理を実行する(ステップS1016)。このラウンド数擬似加算処理では、ラウンド数カウンタに記憶されたラウンド遊技の実行回数(ラウンド回数:1R〜10R)に、先の特別遊技で実行されたラウンド遊技の実行回数(ラウンド回数:10R)を加算する。これにより、特殊連続演出において、後の特別遊技における1ラウンド目のラウンド遊技が第11ラウンド目のラウンド遊技として報知される。
次に、獲得賞球数擬似加算処理を実行する(ステップS1017)。この獲得賞球数擬似加算処理では、大入賞数カウンタに格納された入賞数に、先の特別遊技での大入賞口への入賞数を加算する。これにより、特殊連続演出において、後の特別遊技において獲得した賞球数を、先の特別遊技と後の特別遊技で獲得した合計の賞球数として報知される。
上記ステップS1004,S1006において演出制御情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時的に記憶したラウンド演出パターン番号を、ラウンド数カウンタ及び大入賞数カウンタの数値とともに、演出制御情報記憶手段260のラウンド演出格納領域に転送して、ラウンド演出の開始を設定する(ステップS1018)。
次に、演出制御情報記憶手段260に終了デモコマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS1021)。終了デモコマンドが格納されている場合、終了デモコマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる情報を取得する(ステップS1022)。なお、この取得情報は、演出制御情報記憶手段260の大当り演出内容判定領域に格納される。次に、演出制御情報記憶手段260の特殊連続演出フラグがオンであるか否かを判定し(ステップS1023)、保留内連荘演出を実行するか否かを判断する。特殊連続演出フラグがオンである場合には、ラウンド数カウンタの値(ラウンド数)及び大入賞数カウンタの値(大入賞数)を演出制御情報記憶手段260の先の大当り記憶領域に一時的に記憶する(ステップS1024)。これは、今回の大当りが特殊連続演出における先の大当りに該当する場合には、先の大当りでの最終的なラウンド数及び大入賞数は、後の大当り演出における擬似加算処理(ステップS1016,S1017)にて使用される予定であるため、先の特別遊技の記録情報として記憶するためである。そのため、上記ステップS1016,S1017での擬似加算処理では、この先の大当り記憶領域に保存された数値(ラウンド数及び大入賞数)が上乗せされることになる。次に、演出制御情報記憶手段260のラウンド数カウンタ及び大入賞数カウンタをクリアする(ステップS1025,S1026)。
次に、演出制御情報記憶手段260の擬似カウントフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS1027)。擬似カウントフラグがオンである場合、擬似カウントフラグをオフにする(ステップS1028)。次に、演出制御情報記憶手段260の保留内連荘演出フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS1035)。保留内連荘演出フラグがオンである場合、演出制御情報記憶手段260の保留内連荘演出フラグをオフにする(ステップS1036)。
次に、上記ステップS1004,S1006において演出制御情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時的に記憶した終了デモ演出パターン番号を演出制御情報記憶手段260の終了デモ演出格納領域に転送して、終了デモ演出の開始を設定する(ステップS1037)。上記ステップS1005,S1007,S1018,S1037において取得した演出情報に基づき、大当り演出に要する画像制御コマンドを生成し、この画像制御コマンドを演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(ステップS1038)。
<演出制御側タイマ割込み処理>
図61は、演出制御側タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。このタイマ割込み処理は、一定時間毎のクロックパルスにより起動されており、上述した演出制御側メイン処理に割り込むように実行される。
タイマ割込みが発生すると、演出制御CPU201内のレジスタの内容を演出制御RAM203のスタック領域に退避させた後、ステップS1111以降の処理を順次実行する。このタイマ割込み処理内では、主制御基板100からの演出制御コマンド受信割込み、ウォッチドッグタイマ割込みなど、優先レベル2以上の割込みを許可する(ステップS1111)。
次に、ポート入出力処理を実行する(ステップS1112)。このポート入出力処理では、I/Oポート回路204を用いて入力データの入力処理及び出力データの出力処理を実行する。入力処理では、I/Oポート回路204に入力されている各種信号を読み取り、これを入力情報として記憶する。一方、出力処理では、演出制御情報記憶手段260に一時的に記憶されている各種制御信号(モータ制御信号)を読み出して、I/Oポート回路204から出力する。
次に、デバイス制御データ出力処理を実行する(ステップS1113)。このデバイス制御データ出力処理では、前述したデバイス管理処理(ステップS819)で特定した駆動パターンデータから所定時間分の駆動データを読み出して演出制御情報記憶手段260の駆動データ記憶領域に設定する。この処理で設定される駆動データは、割込み周期に対応した1ms間の制御を示すデータである。この処理で駆動データが設定されると、次回のタイマ割込み処理にて、当該駆動データがI/Oポート回路204からモータドライバ92へ出力される。従って、このデバイス制御データ出力処理では、駆動パターンデータに従って駆動データが割込み周期(1ms)毎に切り替えられることとなる。
次に、演出用タイマ更新処理を実行する(ステップS1114)。この演出タイマ更新処理では、演出動作制御に用いる各種の演出用タイマの値を割込み周期(例えば1ms)ずつ減算更新する。演出用タイマには、装飾図柄の変動時間を管理するためのタイマ、及び、予告演出の発生タイミングを管理するためのタイマなどが含まれる。この演出用タイマによって、変動演出パターンにおけるタイムスケジュールが管理されており、その時間軸上で可動役物の駆動タイミングや演出ランプ10,25の点灯タイミングなどの時間管理がされている。なお、演出用タイマは、この演出制御用タイマ割込み処理内のデバイス制御データ出力処理(ステップS1113)やランプデータ更新処理(ステップS1118)などにおいても利用される。
次に、ボタン制御タイマ更新処理を実行する(ステップS1115)。演出ボタン15の操作有効時間を管理するための有効時間管理タイマの値を割込み周期(本実施形態では1ms)減算更新する。なお、操作有効時間とは、演出ボタン15の操作入力が有効となる時間である。
次に、タスク制御カウンタ更新処理を実行する(ステップS1117)。このタスク制御カウンタ更新処理では、タイマ割込み毎にタスクカウンタの値(「0」〜「15」)を更新する。具体的には、タスクカウンタの値が「0」〜「14」であれば1加算し、タスクカウンタの値が「15」である場合には「0」に戻す。すなわち、このタスクカウンタは16msの循環周期を取り得る。今回更新されたタスクカウンタの値に対応して各種のタスク(タスク処理)が割り当てられており、当該タスクカウンタの値に応じて、ランプ制御タスク(ステップS1118のランプデータ更新処理)、暴走監視タスク(ステップS1119の画像CPU暴走監視処理)、エラー管理タスク(ステップS1120のエラー管理タイマ更新処理)などの各処理を実行する。本実施形態では、タスクカウンタの値(「0」〜「15」)のうち、ある1つの値がランプ制御タスクに割り当てられ、他の2つの値(互いに8ms間隔となる値)が暴走監視用タスクに割り当てられ、他の1つの値がエラー管理タスクに割り当てられている(その他のタスクの説明は省略する)。なお、前述のように、タスクカウンタの循環周期を16msに設定しているのは、演出ランプ10,25の切り換え制御の最小単位16msと一致させるためである。この演出ランプ10,25の切り換え制御の最小単位は画像フレームの1フレーム時間と対応し、画像演出とランプ演出との同期を実現している。
次に、ランプデータ更新処理を実行する(ステップS1118)。このランプデータ更新処理では、前述したデバイス管理処理(ステップS819)などで特定したランプパターンデータから所定時間分のランプデータを読み出して設定する。この処理で設定されるランプデータは、演出ランプ10,25の切り換え制御の最小単位となる16ms間の点灯制御を示すデータである。ランプデータが設定されると、当該ランプデータが出力ポート(シリアルポート)からシリアル転送にてランプ接続基板91へ自動的に出力される。このランプデータの出力処理は、シリアル通信割込み処理として構成されており、シリアル通信回路の送信バッファにランプデータを順次書き込むことで実現される。シリアル通信回路は、送信バッファのランプデータを1バイト単位でシリアル変換して、シリアルクロックと同期した態様で、1ビット毎にランプ接続基板91に対して出力する。この処理では、送信バッファが空になるまで繰り返されており、これにより送信バッファに格納された全てのランプデータ(全バイト)が出力される。従って、このランプデータ更新処理では、ランプパターンに従ってランプデータが1フレーム時間(16ms)毎に切り替えられるとともに、このランプデータがランプ接続基板91に対してシリアル転送にて出力される。なお、このランプデータ更新処理は、前述したタスク制御カウンタ更新処理(ステップS1117)でタスクカウンタの値が所定値(ランプ制御タスクを示す値)となった場合に実行される処理(つまり16ms周期で実行される処理)となっている。
次に、画像CPU暴走監視処理を実行する(ステップS1119)。この画像CPU暴走監視処理では、画像制御基板300から入力されるトグル信号を監視して、当該トグル信号が800〜1600ms(50〜100フレーム程度)の間、連続して変化しない場合に、画像制御基板300の画像制御CPU301が暴走していると判定し、演出制御基板200から画像制御基板300に対してリセット信号を送信する。これにより、画像制御基板300側は画像制御CPU301のリセット状態の発生によって、所定のリセット処理を実行する。なお、トグル信号とは、1フレーム時間毎にHレベル/Lレベルが交互に繰り返される波形の信号のことである。なお、この画像CPU暴走監視処理は、前述したタスク制御カウンタ更新処理(ステップS1117)でタスクカウンタの値が所定値(画像監視タスクを示す値)となった場合に実行される処理となっている。
次に、エラー管理タイマ処理を実行する(ステップS1120)。このエラー管理タイマ処理では、前述したエラー演出管理処理(ステップS817)でセットされたエラー演出時間を管理するためのエラー演出タイマの値を減算更新する。なお、このエラー管理タイマ処理は、前述したタスク制御カウンタ更新処理(ステップS1117)でタスクカウンタの値が所定値(エラー管理タスクを示す値)となった場合に実行される処理となっている。全ての割込みを許可した状態にするとともに、退避していたレジスタの内容を復帰させた後、演出制御側タイマ割込み処理を終了して、割込み発生前の元の処理に戻る。
<画像制御コマンドの送信割込み処理>
図62は、画像制御コマンドの送信割込み処理の一例を示すフローチャートである。この画像制御コマンドの送信割込み処理は、あらかじめ設定された一定間隔(500μs)毎に発生する。
この画像制御コマンドの送信割込み処理では、まず、演出制御情報記憶手段260の画像制御コマンドバッファをチェックする(ステップS1131)。次に、画像制御コマンドバッファにおいてリードポインタを取得し(ステップS1132)、画像制御コマンドバッファに画像制御コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS1133)。画像制御コマンドが格納されているか否かは、例えば、リードポインタ及びライトポインタによって確認することができる。リードポインタとライトポインタとが一致している場合には、画像制御コマンドが格納されていないことになる。画像制御コマンドが格納されている場合(ステップS1133)には、リードポインタが指す領域から画像制御コマンドを読み出す(ステップS1134)。この読み出した画像制御コマンドを、出力先として指定されたシリアル通信回路(図示せず)の出力バッファにセットする(ステップS1135)。これによりシリアルポートから画像制御コマンドが画像制御基板300に対してシリアル送信される。次に、コマンドデータ(前述したステップS1135で格納したコマンドデータ)をクリアする(ステップS1136)。次に、リードポインタを1加算して更新する(ステップS1137)。当該画像コマンドの送信割込み処理を終了して、割込み前の元の処理へ復帰する。
<枠交換ユニット>
本実施形態に係るパチンコ機1は、以下に説明するように、所定の別機種に入れ替える際に、外枠2や前枠4を共通部品として流用できるよう構成することができる。このように構成されたパチンコ機1では、所定の別機種への入替時に、遊技に関する制御を行う制御基板(例えば、演出制御基板200や主制御基板100)、または制御基板が取付けられる遊技盤5が、当該別機種の遊技機に対応するものに交換される。さらに、遊技盤の枠体であるガラス枠(扉枠)3も、当該別機種の遊技機(上記制御基板または遊技盤)に応じたものに交換され、この交換可能な遊技盤の枠体を、以降では「枠交換ユニット」と称する。なお、ガラス枠3は、入替前後で流用可能な部品(枠共通ユニット)を含むものであってもよく、その場合、枠共通ユニット以外の、入替に伴って交換可能な部品が「枠交換ユニット」に相当する。
以下では、上記のような枠交換可能な本実施形態に係るパチンコ機について、遊技盤及び枠交換ユニットの交換によって遊技機をパチンコ機1A’に入替可能なパチンコ機1Aを例示して詳しく説明する。なお、パチンコ機1A(パチンコ機1A’)の説明においては、上述したパチンコ機1と共通する構成及び制御等についての説明を省略し(符号等も流用する)、枠交換に関連する特徴的な構成及び制御を中心に説明する。
本実施形態において、枠交換前のパチンコ機1Aは、遊技盤5(第1の遊技盤)の枠体として、枠共通ユニット3Bと枠交換ユニット3C(第1の枠交換ユニット)とから構成されるガラス枠3Aを備える。また、枠交換後のパチンコ機1A’は、枠交換後の遊技盤(第2の遊技盤)の枠体として、枠共通ユニット3Bと枠交換ユニット3C’(第2の枠交換ユニット)とから構成されるガラス枠3A’を備える。なお、パチンコ機1Aからパチンコ機1A’への入替時には、遊技盤全体を交換せずに、制御基板(主制御基板100や演出制御基板200)等を収容した制御ユニット(主制御ユニット5bや周辺制御ユニット5c)を交換するようにしてもよい。
図63は、枠交換前のパチンコ機の正面図であり、図64は、枠交換前のパチンコ機におけるガラス枠の分解図である。また、図65は、枠交換後のパチンコ機におけるガラス枠の分解図であり、図66は、枠交換後のパチンコ機におけるガラス枠の正面図である。
まず、枠交換前のパチンコ機1Aについて、図63に示すように、ガラス枠3は枠共通ユニット3B及び枠交換ユニット3Cから構成され、両ユニットが取付けられているときの見た目は、図1等に示したパチンコ機1と相違がない。
ここで、図64に示すように、枠共通ユニット3Bは、パチンコ機1Aの前面側の周縁装飾における左辺から下辺に掛かる部分を形成するとともに、皿ユニット3fや演出ボタン3j等を含んで遊技盤5の枠体の土台となる、機種間で共通のユニットである。すなわち、パチンコ機1Aから枠交換可能な所定の別機種(パチンコ機1A’)への入替時、枠共通ユニット3Bは交換する必要がない。
一方、枠交換ユニット3Cは、パチンコ機1Aの前面側の周縁装飾における上辺から右辺に掛かる部分を形成する機種固有のユニットである。すなわち、パチンコ機1Aから枠交換可能な所定の別機種(パチンコ機1A’)への入替時、枠交換ユニット3Cはパチンコ機1A’に対応する枠交換ユニット3C’に交換される。なお、図64に示すように、枠交換ユニット3Cは枠共通ユニット3Bに対して前側から取付け/取外し可能な構造となっている。
次に、枠交換後のパチンコ機1A’について、図65には、枠交換ユニット3Cと交換される枠交換ユニット3C’が示されている。枠交換ユニット3C’は、枠交換ユニット3Cと同様に、枠共通ユニット3Bに対して前側から取付け/取外しが可能な構造となっている。
そして、図66に示すように、枠交換ユニット3C’が枠共通ユニット3Bに取付けられた場合、枠交換後のパチンコ機1A’においてガラス枠3A’が形成される。
ここで、図63と図66とを比較すると、枠交換ユニット3C’の装飾部は枠交換ユニット3Cの装飾部とは異なるものとなっている。例えば、枠交換ユニット3C’に搭載された枠ランプ3h’やスピーカ3i’は、枠交換ユニット3Cに搭載された枠ランプ3hやスピーカ3iと異なる形状をしている。
さらに、本実施形態では、枠交換ユニット3C(第1の枠交換ユニット)と枠交換ユニット3C’(第2の枠交換ユニット)には、演出制御基板によって動作が制御される複数の可動部材(枠可動部材)が搭載されているとする。これらの枠可動部材は不図示であるが、例えば図26に示した可動役物24に含まれるものであり、演出制御基板200(演出制御CPU201)がモータドライバ92の動作を制御することにより、枠可動部材の動作が制御される。但し、異なる機種間において、これらの枠可動部材の個数、設置位置、駆動動作等は共通ではないことが一般的であるため、本実施形態においても、各枠可動部材の個数、設置位置、駆動動作等は、パチンコ機ごとに(枠交換ユニットごとに)異なるものとする。
また、具体的な用途については後述するが、枠交換ユニット3C(第1の枠交換ユニット)には、自身に搭載される複数の可動部材(第1の枠可動部材)について、各可動部材の位置を検出するセンサ(第1の枠可動部材センサ)が搭載されているとする。同様に、枠交換ユニット3C’(第2の枠交換ユニット)には、自身に搭載される複数の可動部材(第2の枠可動部材)について、各可動部材の位置を検出するセンサ(第2の枠可動部材センサ)が搭載されているとする。
以上、図63〜図66に示したように、本実施形態では、パチンコ機1Aにおいて枠共通ユニット3Bから枠交換ユニット3Cを取外し、枠交換ユニット3C’に付け替えることにより、枠交換ユニットの物理的な交換を行うことができる。
しかし、上記のように枠交換ユニットを交換できたとしても、物理的な交換(取付け)が可能なことを意味するだけであり、交換された枠交換ユニットが制御基板による内部処理において互換性を有しているか(遊技機に適合する枠交換ユニットであるか)までは保証されない。一般に、枠交換可能な遊技機では、物理的には取付可能であっても、遊技機の演出を司る演出制御基板200も併せて交換されなければ、制御基板による内部処理において互換性を有しない、誤った枠交換ユニット(不適合な枠交換ユニット)が取付けられてしまうという事態が発生する可能性がある。不適合な枠交換ユニットが取付けられた遊技機では、例えば、制御基板(例えば演出制御基板200)から出力された制御信号が枠交換ユニット側の誤動作を引き起こし、故障等が発生するおそれがある。
そこで本実施形態では、取付けられた枠交換ユニットが自遊技機(遊技盤、制御基板)に適合するかを識別する「枠交換ユニット識別機能」を備えるようにしている。この枠交換ユニット識別機能においては、枠交換ユニットからの入力信号を受信する演出制御基板200(演出制御CPU201)によって枠交換ユニットの適合/不適合が判定される。以下に、枠交換ユニット識別機能を実現する幾つかの方法を詳しく説明する。
<枠交換ユニット識別機能(その1)>
枠交換ユニット識別機能を実現する第1の方法について説明する。なお、以下では枠交換ユニット3C’を用いて説明するが、第1の方法は、遊技機(遊技盤、制御基板)に対応して交換可能な交換ユニットのうち、複数の可動部材(可動役物)と可動部材の初期位置を検出可能なセンサとを備えるもの全般に適用することができる。
第1の方法では、枠交換によって枠交換ユニット3C’が取付けられたパチンコ機1A’において、枠交換ユニット3C’に搭載された複数の可動部材のセンサ入力を利用して、枠交換ユニット3C’に搭載された複数の可動部材が初期位置にある場合の枠可動部材センサによる検出情報の組合せを制御基板(演出制御基板200)に入力し、当該検出情報の組合せに基づいて、枠交換ユニット3C’がパチンコ機1A’(遊技盤、制御基板)に適合するかを識別する。なお、上記「枠交換ユニット3C’に搭載された複数の可動部材」における「可動部材」は、可動部材の少なくとも一部が枠交換ユニット3C’に搭載されている場合(例えば、可動部材が枠交換ユニット3C’に搭載された部分と枠共通ユニット3Bに搭載された部分とを結合して構成される場合等)を含むとしてもよい。
第1の方法のために、本実施形態では、枠交換ユニットの識別を行うための識別コードを演出制御基板200に通知するコマンドとして、枠可動部材センサからのセンサ入力を利用して、パラレル通信による入力コマンド「枠交換ユニット位置センサコマンド」が枠交換ユニット3C’側に用意される。この入力コマンドのうちの所定ビットが識別コードに割当てられ、当該所定ビットには、枠交換ユニットに搭載された複数の可動部材が初期位置にあるときの枠可動部材センサによる検出情報の組合せが示される。
第1の方法について、具体例を挙げてより詳しく説明する。例えば、枠交換ユニット3C’には、演出制御基板200によって動作が制御される3つの可動部材(枠可動部材A,B,C)と、各枠可動部材の初期位置における状態を検出する3個の枠可動部材センサ(センサA,B,C)とが搭載される。ここで、センサA〜Cは、一例として投光部と受光部とを備えた光学センサとし、受光部における入光状態(遮光/受光)に基づいて対象の枠可動部材の位置を検出する。具体的には、入光状態が「遮光」の場合にセンサの検出値は「H」となり、入光状態が「受光」の場合にセンサの検出値は「L」となる。また、枠交換ユニット位置センサコマンドのうち、例えば第0ビット〜第2ビットの合計3ビットが識別コードに割り当てられる。センサAによる検出情報が第2ビット、センサBによる検出情報が第1ビット、センサCによる検出情報が第0ビットに示されるとする。なお、本例では原則として、センサの検出値が「H」である場合にアクティブ電位として扱い、識別コードの対応ビットの値を「1」とし、センサの検出値が「L」である場合にはノンアクティブ電位として扱い、識別コードの対応ビットの値を「0」とする。
一方、枠交換ユニット位置センサコマンドが入力される演出制御基板200側には、自遊技機(パチンコ機1A’)に適合する枠交換ユニットについての「正規の識別コード」が予め登録されている。この「正規の識別コード」は、自遊技機に適合する枠交換ユニットに搭載された可動部材が初期位置にある場合の枠可動部材センサによる検出情報の組合せに(識別コード)であり、例えば演出制御ROM202に保持される。したがって、演出制御基板200は、「正規の識別コート」と、枠交換ユニット3C’から取得した枠交換ユニット位置センサコマンドに含まれる識別コードとを比較することによって、枠交換ユニット3C’がパチンコ機1A’に適合するか否か判定することができる。なお、本例における枠交換ユニット位置センサコマンドについて、コマンド情報として枠交換ユニット3C’からコマンド形式で定期的に送信されるものでなく、枠交換ユニット3C’の枠可動部材の各位置センサの入力情報を中継基板等を介して演出制御基板200の入力ポートに直接的に入力するものであってもよい。
ここで、従来、コマンドの通信路においてショートや天絡等の異常が発生した場合には、入力コマンドの情報が全て「1」や全て「0」になってしまう可能性が知られている。したがって、仮に「正規の識別コード」を「111」や「000」で登録していると、不適合な枠交換ユニットが取付けられていたとしても、上記の異常発生時には枠交換ユニット位置センサコマンドに示される識別コードが「111」や「000」になってしまう可能性があり、このとき、演出制御基板200は、本当は不適合である枠交換ユニットを「適合」と誤判定してしまう。
そこで、本実施形態では、演出制御基板200(例えば演出制御ROM202)に予め登録される「正規の識別コード」、言い換えれば、枠交換ユニットの適合判定が得られる場合の識別コードを、必ず「1」と「0」を含む形式で構成されるようにする。
詳しく説明する。前述したように、本例では、センサの検出値が「H」である場合は識別コードの対応ビットの値を「1」とし、センサの検出値が「L」である場合は識別コードの対応ビットの値を「0」とすることを原則としている。この原則に従うと、センサA,Bにおける入光状態が「遮光(H)」でセンサCにおける入光状態が「受光(L)」である場合には、識別コードは「110」となる。一方、センサA〜Cにおける入光状態が全て「遮光」である場合の識別コードは「111」となり、センサA〜Cにおける入光状態が全て「受光」である場合の識別コードは「000」となる。
そこで、上記原則に沿った場合に、適合する枠交換ユニットにおける検出値(検出情報)の組合せが、例えば「110」のように「1」と「0」とを含んで構成されるときは、演出制御基板200側に当該検出情報の組合せを「正規の識別コード」として登録する。また、当該枠交換ユニット側でも、センサA〜Cの検出値(検出情報)が上記原則に沿って識別コードの値になるよう回路形成する。
一方、上記原則に沿った場合に、適合する枠交換ユニットにおける検出値(検出情報)の組合せが、例えば「111」や「000」のように「1」または「0」の何れかだけで構成されるときは、当該枠交換ユニット側においてセンサA〜Cの検出情報の一部を論理反転して識別コードを送信するように回路形成する。例えば、センサCについて、入光状態が「遮光」(検出値「H」)である場合は、識別コードの対応するビット値が「0」になり、入光状態が「受光」(検出値「L」)である場合は、識別コードの対応するビット値が「1」になるようにする。なお、識別コードの対応するビット値を論理反転させる方法は、特に限定されるものではなく、例えば、センサ内にNOT回路を設けるようにしてもよいし、また例えば、識別コードの特定ビットを負論理ビットにするようにしてもよい。そして、演出制御基板200側には、上記のように一部を論理反転した際の、適合する枠交換ユニットにおける検出情報の組合せを「正規の識別コード」として登録する。
図67は、検出情報及び識別コードの一例を説明するための図である。図67(A)は、センサA〜Cが上記原則の通りに枠交換ユニットの枠可動部材の初期位置の状態を検出する際の、検出情報(検出値)及び識別コードの例を示しており、図67(B)は、センサCのみ識別コードのビット値を論理反転させるようにした際の、検出情報(検出値)及び識別コードの例を示している。
図67(A)の場合、初期位置にある枠可動部材A及び枠可動部材Bについて、対応するセンサA及びセンサBは、入光状態が「遮光」であることから検出値は「H」となる。一方、初期位置にある枠可動部材Cについて、対応するセンサCは、入光状態が「受光」であることから検出値は「L」となる。したがって、センサA〜Cの検出情報の組合せによる識別コードは「110」となり、この識別コード「110」を含む枠交換ユニット位置センサコマンドが枠交換ユニット3C’から演出制御基板200に入力される。
図67(B)の場合、初期位置にある枠可動部材A,枠可動部材B,枠可動部材Cの全てについて、対応するセンサA〜センサCは、入光状態が「遮光」であることから検出値は「H」となる。上記原則に沿った場合、識別コードは「111」となるが、ここでセンサCだけは識別コードのビット値を論理反転させることにより第0ビットの値は「0」となる。したがって、センサA〜Cの検出情報の組合せによる識別コードは「110」となり、この識別コード「110」を含む枠交換ユニット位置センサコマンドが枠交換ユニット3C’から演出制御基板200に入力される。
以上のように、本実施形態では、演出制御基板200に予め登録される「正規の識別コード」、言い換えれば、枠交換ユニットの適合判定が得られる場合の識別コードを、必ず「1」と「0」を含む形式で構成することにより、不適合な枠交換ユニットの誤判定を防止することができ、枠交換ユニット識別の精度を高めることに期待できる。
なお、上記の具体例では、3ビットの識別コードを用いて、3つの可動部材(枠可動部材A〜C)を検出する3個の枠可動部材センサ(センサA〜C)による検出情報の組合せを3ビットの識別コードに示したが、識別コードのために必要なビット数よりも可動部材や枠可動部材センサの数が多い場合には、演出制御基板200(演出制御CPU201)が、遊技機(遊技盤、制御基板)に対する枠交換ユニットの適合判定が可能なセンサだけを選別して、検出対象としてもよい。具体的には例えば、5個の枠可動部材センサが搭載されている場合に、所定の3個の枠可動部材センサによる検出情報だけを対象として、検出情報の組合せによる識別コードに基づいて、枠交換ユニットの適合/不適合を識別するようにしてよい。なお、対象とする枠可動部材センサの選別方法については、特に限定されず、例えば、回路上コネクタに近いものから所定数の枠可動部材センサを選ぶようにしてもよいし、また例えば、初期動作の際に初期位置に戻りやすい枠可動部材に対応する枠可動部材センサを優先的に選ぶ等してもよい。
次に、枠交換ユニット識別機能を実現する第1の方法において、枠交換ユニットの適合/不適合を識別する処理の実行タイミングについて説明する。
まず第1の実行タイミングとして、演出制御メイン処理のデバイスの初期化動作時が推奨される。図55を参照して前述したように、演出制御メイン処理のステップS813において、演出制御CPU201は、デバイスの初期化動作を実行する。この初期化動作は、遊技機の電源投入時(電源立上げ以外の「リセット」開始時も含む)に実行され、モータやソレノイド等のデバイスによって可動役物24の動作を制御するために必要となる位置情報を確認することを目的として実行される。なお、初期化動作の終了時には、可動役物24は予め設定された初期位置(基準位置)に復帰する。なお、遊技機全体における電源投入時ではなく、演出制御基板200を対象とするリセット開始時も、演出制御メイン処理においてデバイスの初期化動作が行われるため、第1の実行タイミングに含めてよい。
ここで枠交換ユニット3C’に搭載された枠可動部材も可動役物24に含まれ、演出制御CPU201によって制御されることから、デバイスの初期化動作において初期動作(例えば、初期位置を基点として可動範囲の動作確認)が行われ、初期位置に復帰する。このとき、デバイスの初期化動作において枠可動部材が初期位置にあるタイミングで枠可動部材センサが検出した検出情報に基づく識別コードを含む枠交換ユニット位置センサコマンドが、枠交換ユニット3C’から演出制御基板200に入力される。そこで演出制御CPU201は、上記入力された枠交換ユニット位置センサコマンドのコマンド内容を、例えば入力ポートチェック処理(図55のステップS815)において確認し、当該コマンドに含まれる識別コードを演出制御ROM202に登録された正規の識別コードと比較することによって、枠交換ユニット3C’が演出制御基板200に適合しているか否かを判定する。
演出制御CPU201は、枠交換ユニット位置センサコマンドに含まれる識別コードが正規の識別コードと一致した場合には、枠交換ユニット3C’を自遊技機(演出制御基板200)に適合する枠交換ユニットであると識別し、以後の処理を続行する。一方、枠交換ユニット位置センサコマンドに含まれる識別コードが正規の識別コードと一致しなかった場合は、演出制御CPU201は、枠交換ユニット3C’を自遊技機(演出制御基板200)に不適合な枠交換ユニットであると識別し、所定のエラーと判断する。なお、演出制御CPU201は、枠交換ユニット位置センサコマンドに含まれる識別コードと正規の識別コードとの比較から枠交換ユニットの不適合を識別した際、当該枠交換ユニットに搭載された枠可動部材について初期位置の再検出を行い、当該再検出に基づく識別コードを用いて枠交換ユニットの適合/不適合の識別を再度実行し(リトライ)、不適合の識別結果が変わらなかった場合にのみ「所定のエラー」と判断するようにしてもよい。
ここで、不適合な枠交換ユニットを識別した際の「所定のエラー」とは、少なくとも、当該枠交換ユニットの枠可動部材を使った演出が以後実行されなくなるものであればよい。
具体的には例えば、枠可動部材に関する全般的な動作エラーを示す「枠可動物動作エラー」と判断してもよい。枠可動物動作エラーは、初期動作や遊技中の動作時に枠可動部材が初期位置に戻ってこない場合等に検出されるエラーであるため、当該エラーと判断された場合は、以後、パチンコ機1A’の枠可動部材全体が動作しないように制御されてもよい。
また例えば、パチンコ機1A’全体において不適合な交換部品が取付けられている異常を意味する「交換ユニットエラー」と判断してもよい。交換ユニットエラーには、枠交換ユニット以外の交換部品の適合エラーも含まれるため、当該エラーと判断された場合は、以後、全ての交換部品が動作しないように制御されてもよい。但し、このような場合でも、交換ユニットの対象外となる共通部品(例えば演出ボタン3j等)の可動は、継続して実行可能とされる。
また、演出制御CPU201は、デバイスの初期化動作(図55のステップS813)において枠交換ユニット3C’の初期動作が正常に完遂しなかったことが通知された場合も、所定のエラー(枠可動物動作エラー、交換ユニットエラー等)と判断する。
デバイスの初期化動作は、枠交換によって取付けられた枠交換ユニット3C’にとって電源が供給されて最初に動作するタイミングである。したがって、上記のように第1の実行タイミングで枠交換ユニットの適合/不適合を識別することによって、不適合な枠交換ユニットを遊技に伴う演出が実行される前に識別し、その動作を防止することができる。かくして、不適合な枠交換ユニットが取付けられていた場合の誤動作や故障の発生を最小限に抑制する効果に期待できる。
なお、第1の実行タイミングで枠交換ユニットの適合/不適合を識別する処理が行われて演出制御CPU201が不適合のエラーを判断したとき、演出制御CPU201は、当該エラーを即時に報知することが好ましい。第1の実行タイミングとしてのデバイスの初期化動作(図55のステップS813)は、遊技中ではないことが一般的なので即時報知しても遊技への影響はなく、当該エラーの原因の早期解消を勧めることが適切と考えられるためである。
次に、枠交換ユニットの適合/不適合を識別する処理の第2の実行タイミングとして、図柄変動時が挙げられる。
詳しく説明すると、演出制御CPU201は、装飾図柄の変動開始時や変動停止時といった枠可動部材が初期位置にあるべきタイミングにおいて枠可動部材センサによって検出された検出情報に基づく識別コードを含む枠交換ユニット位置センサコマンドの内容を確認し、当該コマンドに含まれる識別コードを演出制御ROM202に登録された正規の識別コードと比較することによって、枠交換ユニット3C’が演出制御基板200に適合しているか否かを判定する。
そして演出制御CPU201は、枠交換ユニット位置センサコマンドに含まれる識別コードが正規の識別コードと一致した場合には、枠交換ユニット3C’を自遊技機(演出制御基板200)に適合する枠交換ユニットであると識別し、以後の処理を続行する。
一方、枠交換ユニット位置センサコマンドに含まれる識別コードが正規の識別コードと一致しなかった場合は、演出制御CPU201は、枠交換ユニット3C’を自遊技機(演出制御基板200)に不適合な枠交換ユニットであると識別し、所定のエラー(枠可動物動作エラーや交換ユニットエラー等)と判断する。
そして上記エラーを判断した場合、演出制御CPU201は、以降の演出制御において、不適合と識別した枠交換ユニットに搭載された枠可動部材を使用する演出の実行可否を切り替える。具体的には例えば、演出制御CPU201は、変動演出内容決定処理(図58参照)で決定される変動演出パターンに基づく演出パターンの実行時に、当該枠可動部材だけ動作させないように制御してもよいし、変動演出パターン選択処理(図58のステップS933)において、当該枠可動部材を使用する演出パターンを含む変動演出パターンを選択せずに、その他の演出部材を使用する演出パターンを含む変動演出パターンを選択するようにしてもよい。
以上のように第2の実行タイミングで枠交換ユニットの適合/不適合を識別することにより、上記の第1の実行タイミング(デバイスの初期化動作時)で枠交換ユニットの不適合が識別されない場合があったとしても、当該枠交換ユニットに搭載された枠可動部材を動かす可能性があるとき(図柄変動時)に、適合/不適合が再チェックされるため、精度や安全性をさらに高めることができる。
なお、上記の第2の実行タイミングについて、演出制御CPU201は、全ての図柄変動時ではなく、演出によって枠可動部材を駆動することになる特定の変動パターンを受信した場合の図柄変動時に限定して、上記の枠交換ユニットの適合/不適合を識別する処理を行うようにしてもよい。このように枠交換ユニットの適合/不適合を識別する処理の実行機会を限定することによって、演出制御CPU201による処理負荷の増加を抑制する効果に期待できる。
また、上記の第2の実行タイミングで枠交換ユニットの適合/不適合を識別する処理が行われて演出制御CPU201が不適合のエラーを判断したとき、演出制御CPU201は、以下のタイミングで当該エラーを報知することが好ましい(第1の実行タイミングと同様に当該エラーを即時に報知することを禁止するものではない)。すなわち、演出制御CPU201は、当該変動中はエラーを報知せず、エラー判定の基になった枠可動部材の駆動をキャンセルするだけにとどめ、当該変動の終了後に報知するようにしてもよい。但し、当該変動の次変動も同様に上記枠可動部材が駆動され得る変動パターンであった場合には報知を保留し、当該枠可動部材が駆動され得る変動の終了後にエラーを報知するようにしてもよい。
このように、当該変動中は不適合のエラーを報知しないようにする場合、遊技中に突然エラー報知が行われることを回避できるため、エラー報知による遊技者の遊技興趣の低下を防止する効果に期待できる。
以上に説明したように、本実施形態において枠交換ユニット識別機能を実現する第1の方法によれば、演出制御基板200(演出制御CPU201)は、枠交換ユニット3C’に搭載された複数の可動部材の初期位置情報についてのセンサによる検出情報の組合せ(識別コード)を取得し、当該識別コードに基づいて、枠交換ユニット3C’がパチンコ機1A’(遊技盤、制御基板)に適合するか否かを確実に識別することができる。特に、第1の方法では、通常時からパチンコ機1A’で使用される枠可動部材のセンサ入力を識別コードの入力ビットとして利用することから、枠交換ユニットの適合/不適合を識別するための専用の入力ビットを別に設ける必要がなく、パラレル通信の入力ビット数や、演出制御基板200の入力ポートにおける専用の監視ポートの増加を押さえることができるという特徴を有する。
なお、第1の方法においては、演出制御CPU201は、枠交換ユニットの適合/不適合を識別する処理を開始するために、正規ユニットの可動部材に割り当てられたアドレスを用いて、識別対象とする枠交換ユニット3C’の可動部材(枠可動部材A〜C)に、初期位置への復帰動作を指示する動作信号(初期動作制御信号)を送信する。そして当該アドレスの割当先の可動部材は、受信した動作信号に基づいて、デバイスごとに異なる動作制御を行うことが一般的である。
したがって、枠交換ユニット3C’がパチンコ機1A’に不適合なものである場合、すなわち不正規ユニットの場合には、正規ユニットによる適合時に想定されるデバイスとは異なる種類のデバイスに対して動作信号が送られてしまい、動作信号に基づいて想定しない動作制御が行われることによって、不正規ユニットの可動部材がダメージを受け、即時故障してしまう可能性もある。具体的には例えば、正規ユニットにおけるデバイスがモータであるときに、モータ駆動信号として動作信号を送ったつもりが、不正規ユニットにおけるデバイスがソレノイドであった場合にソレノイドが駆動されたり、不正規ユニットにおけるデバイスがランプであった場合にランプが点灯されたりしてしまうこと等が考えられる。
このような問題に対して、本実施形態に係るパチンコ機1A(1A’)では、複数の遊技機に共通して適用するルールとして、駆動されるデバイスの種類ごとに、割り当てられるアドレスの範囲を定めておくようにしてもよい。具体的には例えば、モータに割り当て可能なアドレスを「0」〜「a」とし、ソレノイドに割り当て可能なアドレスを「a+1」〜「b」とし、ランプに割り当て可能なアドレスを「b+1」〜「c」とする(他の種類のデバイスについても同様)。このように割り当て可能なアドレス範囲をデバイスの種類ごとに分けておくことによって、異種のデバイスに対して動作信号を送信しないようにすることができ、例えば第1の方法による枠交換ユニットの識別処理において不正規ユニットの可動部材が故障してしまうことを防止することができる。
また、本実施形態では、交換ユニットが機種固有の交換ユニットと機種間で共通の共通ユニットとを含んで構成される場合に、遊技機に対する交換ユニットの適合/不適合を識別するための識別情報として、枠交換ユニットに備えられた可動部材(可動役物)の初期位置情報だけでなく、枠共通ユニットに備えられた可動部材(可動役物)の初期位置情報も含めるようにしてもよい。
具体的には例えば、パチンコ機1A’において、枠交換ユニット3C’の可動部材の枠可動部材センサと同様に、枠共通ユニット3Bに備えられた可動部材(例えば演出ボタン15等)にも初期位置を検出可能な枠可動部材センサを設け、両方の枠可動部材センサによる検出情報(すなわち、枠交換ユニット3C’の可動部材の初期位置情報と枠共通ユニット3Bの可動部材の初期位置情報)の組合せを制御基板(演出制御基板200)に入力可能に構成する。このように構成する場合、演出制御基板200は、入力された検出情報の組合せ(枠交換ユニット3C’だけでなく枠共通ユニット3Bからの初期位置情報も含めることが可能な識別情報)に基づいて、交換ユニット(枠交換ユニット3C’+枠共通ユニット3B)がパチンコ機1A’(遊技盤、制御基板)に適合するかを識別することができる。
<枠交換ユニット識別機能(その2)>
枠交換ユニット識別機能を実現する第2の方法について説明する。なお、以下では枠交換ユニット3C’を用いて説明するが、第2の方法は、遊技機(遊技盤、制御基板)に対応して交換可能な交換ユニット(交換部品)のうち、シリアル通信式ICを備えるものに適用することができる。
第2の方法では、枠交換によって枠交換ユニット3C’が取付けられたパチンコ機1A’において、枠交換ユニット3C’内に配置されたシリアル通信式ICにおける1ビットの特定出力端子を識別用入力ビットに割り当て、識別用入力ビットの出力に基づいて、枠交換ユニット3C’がパチンコ機1A’(遊技盤、制御基板)に適合するかを識別する。なお、以後の説明では、遊技機(遊技盤、制御基板)に適合する交換ユニットを「正規ユニット」とも称し、遊技機(遊技盤、制御基板)に適合しない(不適合な)交換ユニットを「非正規ユニット」とも称する。
図68は、LEDドライバの回路図である。図68に示したLEDドライバ3pは、枠交換ユニット3C’に配置されたシリアル通信式ICの一例であって、枠ランプ3h’のLED出力を制御する。図68を参照しながら、枠交換ユニット識別機能を実現する第2の方法を説明する。
まず、パチンコ機1A’では、枠交換ユニット3C’が正規ユニットであるとき、枠交換ユニット3C’に配置されたLEDドライバ3pに対して所定のアドレスが割当てられている。パチンコ機1A’の演出制御CPU201は、当該アドレスに対してシリアル信号を出力することによって、LEDドライバ3pに所定動作(例えば、枠ランプ3h’の点灯等)を指示することができる。なお、本例に示すLEDドライバ3pの他にも、枠交換ユニット3C’には複数のLEDドライバが存在しているが、特に本発明における枠交換ユニット識別機能を実現するためのLEDドライバを「LEDドライバ3p」として取り上げて説明しているものである。
また、第2の方法では、LEDドライバ3pにおいて従来の用途(LED素子の発光信号出力)では使用されていない、所謂未使用の出力端子(出力部)のうち、1ビット分の特定出力端子を、枠交換ユニット3C’が正規ユニットであるか否かを識別するための「識別用入力ビット」に割り当てる。なお、図68に示したように、LEDドライバ3pには、識別用入力ビットの出力を演出制御基板200(演出制御CPU201)に返すために、1本の信号線が設けられる。
以上のように構成されたパチンコ機1A’において、演出制御CPU201は、所定の実行タイミングで、所定アドレスのLEDドライバ3pに対して、所定動作(例えば、枠ランプ3h’の点灯等)を指示するシリアル信号を出力する。なお、実行タイミングについては、枠交換ユニット3C’の適合性の判断を目的とすることから、LEDドライバ3pが遊技進行に伴う演出上の点灯等の動作制御を開始していないときが好ましく、例えば、第1の方法で説明した第1の実行タイミング(デバイスの初期化動作時)が挙げられる。
演出制御CPU201から出力されるシリアル信号には、枠交換ユニット3C’にデイジーチェーン接続されて搭載されている複数の各種デバイスの制御IC(LEDドライバ3p、モータドライバIC、ソレノイドドライバICなど)に同時に、制御対象となる制御ICのアドレス情報を含む信号を出力し、各種デバイスの制御IC側は、演出制御CPU201の出力したシリアル信号に含まれるアドレス情報が自身のアドレスである場合(図68中のICに対するアドレス割り当て入力と一致する場合)には、シリアル信号(演出制御情報)に含まれる演出動作に係る情報を基にして、それぞれの管理する演出部材の動作を制御する。
演出制御CPU201から出力されたシリアル信号は、枠交換ユニット3C’が正規ユニットである場合には、シリアル信号内に含まれるアドレス情報が正規のものであるため正しくLEDドライバ3pに入力される(逆に言えば、枠交換ユニット3C’が不正規ユニットである場合には、正規ユニットの場合のLEDドライバ3pのアドレスとは異なる位置にLEDドライバ3pがあるため、適合性判断の対象であるLEDドライバ3pに入力される保証はない)。そして、LEDドライバ3pは当該シリアル信号に基づいた制御処理を実行し、出力端子から出力する。
前述したように、出力端子のうちの特定の1ビットは識別用入力ビットに割り当てられ、その出力は信号線を経由して演出制御基板200(演出制御CPU201)に送られる。ここで、識別用入力ビットは、LEDドライバ3pが識別用入力ビットに対する出力端子について動作制御を行っていない場合は、常に「H(1)」を出力し、LEDドライバ3pが識別用入力ビットに対する出力端子について動作制御を行った場合には「L(0)」を出力する(図68の回路構成も参照)。
したがって、演出制御CPU201は、あるタイミング(LEDドライバ3pに対する出力を実行したタイミング)にて信号線を経由して識別用入力ビット(「L(0)」入力)を受け取ることによって、その出力内容を確認し、LEDドライバ3pが正規ユニットに配置されているか否か、言い換えれば、枠交換ユニット3C’が正規ユニットであるか否か(枠交換ユニット3C’がパチンコ機1A’に適合するか否か)を識別することができる。
具体的には、演出制御CPU201は、LEDドライバ3pを対象とする所定アドレスにシリアル信号を送った結果、識別用入力ビットの出力内容が「H(1)」から「L(0)」に変化したことを確認できた場合に、シリアル信号が正しくLEDドライバ3pに届き、正常な動作制御が行われたと推定できることから、LEDドライバ3pが正規ユニットに配置されている(枠交換ユニット3C’が正規ユニットである)と判定する。
一方、所定アドレスにシリアル信号を送った結果、識別用入力ビットの出力内容が「H(1)」のまま変化しなかった場合には、シリアル信号が正しくLEDドライバ3pに届かなかった(つまり、アドレスが異なっている)、あるいは、LEDドライバ3pがシリアル信号に基づく正常な動作制御を行えなかった(つまり、他の種類のドライバ等の可能性がある)と推定できることから、演出制御CPU201は、LEDドライバ3pが非正規ユニットに配置されている(枠交換ユニット3C’が非正規ユニットである)と判定する。枠交換ユニット3C’が非正規ユニットであると判定した場合は、演出制御CPU201は、第1の方法と同様、所定のエラーと判断し、エラー処理を行う。第2の方法において不適合な枠交換ユニットを識別した際の「所定のエラー」とは、少なくとも、当該枠交換ユニットを使った演出が以後実行されなくなるものであればよい。また、エラー報知のタイミングについても、第1の方法と同様に考えてよい。繰り返しになるため詳細な説明を省略する。
以上のように、枠交換ユニット識別機能を実現する第2の方法では、演出制御CPU201が、所定アドレスのシリアル通信式ICに対してシリアル信号を出力し、当該ICにおける1ビットの特定出力端子(識別用入力ビット)の出力に基づいて、自遊技機に適合する交換ユニット(交換部品)であるか否かを識別する。
従来、交換ユニットが正規ユニットであるか(適合/不適合)を識別するために専用の構成を追加しようとすれば、交換ユニットと演出制御基板200との間に、専用の信号線を入力用と出力用で複数本設ける必要があった。また、識別のために用いる監視用の信号をシリアル通信式ICごと(あるいは交換ユニットごと)に用意する場合、複数ビットを割当てる必要があった。
しかし、上記の第2の方法によれば、シリアル通信式ICにおける空き出力端子を識別用入力ビットに利用することで、特定のタイミングにおける演出制御基板200の入力ポートに対する入力を監視するのみで枠交換ユニットの適否を判定可能となるため、入力用に専用の信号線を追加する必要がなく、出力用には入力1ビットのために1本の信号線を追加するだけでよい。すなわち、第2の方法によれば、識別のための専用線を最小限に抑えながらも、装着された交換ユニットの適合/不適合を識別することができる遊技機を提供することができる。また、識別のために必要な入力ビット数を最小限の1ビットとしながらも、複数の交換ユニットについて適合/不適合を識別することができる。
また、前述した第1の方法と比べたとき、第2の方法は、交換ユニット(例えば枠交換ユニット3C’)が可動部材を搭載していない場合であっても、シリアル通信式ICが配置されていれば当該交換ユニットの適合/不適合を識別することができるため、適用範囲を広げることができる。
また、前述した第1の方法は、交換ユニットの適合/不適合を識別する際に、可動部材を駆動させるため、不適合な交換ユニットの可動部材が駆動された場合に、傷が付いたり故障したりする可能性がある。これに対して第2の方法では、ドライバ(シリアル通信式IC)に対する出力命令(点灯や音出力等)に基づいて交換ユニットの適合/不適合を識別できることから、可動部材を駆動させる必要がなく、第1の方法よりも安全性が高い。
なお、第2の方法によって交換ユニットの適合/不適合を識別するためには、正規の交換ユニットごとに、交換ユニットに配置するシリアル通信式ICに割り当てるアドレスを異ならせることが好ましい。あるいは、シリアル通信式ICごとに、識別用入力ビットに割り当てる未使用の出力端子を変更するようにしてもよい。このように構成することで、正規ユニットと非正規ユニットの識別を確実に行うことができる。
<枠交換ユニット識別機能(その3)>
枠交換ユニット識別機能を実現する第3の方法について説明する。なお、以下では枠交換ユニット3C’を用いて説明するが、第3の方法は、前述した第2の方法と同様、遊技機(遊技盤、制御基板)に対応して交換可能な交換ユニット(交換部品)のうち、シリアル通信式ICを備えるものに適用することができる。
第3の方法では、前述した第2の方法と同様に、枠交換によって枠交換ユニット3C’が取付けられたパチンコ機1A’において、枠交換ユニット3C’内に配置されたシリアル通信式IC(例えばLEDドライバ3p)における未使用の1ビットの特定出力端子を識別用入力ビットに割り当てる。そして、演出制御CPU201が、正規の交換ユニットである場合に当該シリアル通信式ICに割り当てられる所定アドレスに対してシリアル信号を出力し、シリアル通信式ICにおける識別用入力ビットの出力に基づいて、枠交換ユニット3C’がパチンコ機1A’(遊技盤、制御基板)に適合するかを識別する。
ここで、第2の方法と異なる点として、第3の方法では、演出制御CPU201は、シリアル通信式IC(例えばLEDドライバ3p)の所定アドレスに対して、識別用入力ビットの出力が「H(1)」および「L(0)」となる動作命令(シリアル信号)を複数回繰り返して周期的に出力する。そして、演出制御CPU201は、複数回繰り返されたシリアル信号に対するシリアル通信式ICからの識別用入力ビットの出力信号の変化(識別用入力ビットの出力内容の変化)を監視することによって、枠交換ユニット3C’がパチンコ機1A’(遊技盤、制御基板)に適合するか否か、言い換えれば、枠交換ユニット3C’がパチンコ機1A’の正規ユニットであるか否かを識別する。
具体例で説明する。例えば、演出制御CPU201は、所定の実行タイミングで、所定アドレスのLEDドライバ3pに対して、枠ランプ3h’の一時点灯を指示するシリアル信号(例えば画像表示Nフレーム分と連動した時間の点灯指示情報)を、複数回に亘って繰り返し出力する(繰り返しの周期、すなわち「H(1)」,「L(0)」の各周期における維持期間は、一時点灯の期間よりも長いとする)。なお、上記「所定の実行タイミング」は、枠交換ユニット識別機能を実現する第1の方法で説明した実行タイミングと同様である。
ここで、枠交換ユニット3C’がパチンコ機1A’の正規ユニットであれば、LEDドライバ3pは、枠ランプ3h’を一時点灯させる制御をシリアル信号が入力された回数分だけ繰り返す。このとき識別用入力ビットの出力内容は「H→L→H→L→…→H」となり、繰り返しの回数だけ周期的に「H」から「L」への変化点が見られる。
したがって、演出制御CPU201は、出力用に設けられた1本の信号線を経由して送られる識別用入力ビットの出力内容の変化を監視し、所定アドレスに出力したシリアル信号の繰り返し回数だけ「H」から「L」への変化点が確認できた場合に、シリアル信号が適切にLEDドライバ3pに届き、正常な動作制御が行われたと推定できることから、LEDドライバ3pが配置された枠交換ユニット3C’が正規ユニットであると判定することができる。
なお、演出制御CPU201が監視する識別用入力ビットは、「1」と「0」で表されてもよい。例えば、非動作時を示す「H」のときにはビット値「0」が示され、動作時を示す「L」のときにはビット値「1」が示されるとするとき、所定期間に亘るビット値の変化を蓄積することによって、出力内容の変化を確認することができる。具体的には、枠ランプ3h’の一時点灯が繰り返された期間のビット値を各周期で検出した値を所定の記憶領域に左シフトしながら記憶した値が「0101010」であった場合、「1」の個数分、すなわち3回、枠ランプ3h’が一時点灯されたことを意味する。
一方、所定アドレスにシリアル信号を繰り返し送った結果、識別用入力ビットの出力内容の変化が、繰り返しの回数だけ「H(0)」から「L(1)」への変化点が確認できるものではなかった場合、演出制御CPU201は、LEDドライバ3pが配置された枠交換ユニット3C’が非正規ユニットであると判定することができる。枠交換ユニット3C’が非正規ユニットであると判定した場合は、演出制御CPU201は、第1,第2の方法と同様に、所定のエラーと判断し、エラー処理を行う。第3の方法において不適合な枠交換ユニットを識別した際の「所定のエラー」とは、第2の方法における「所定のエラー」と同様、少なくとも、当該枠交換ユニットを使った演出が以後実行されなくなるものであればよい。また、エラー報知のタイミングについても、第2の方法と同様に考えてよい。繰り返しになるため詳細な説明を省略する。
以上のように、第3の方法では、演出制御CPU201が、所定アドレスのシリアル通信式ICに対して1のシリアル信号を複数回に亘って繰り返し出力し、シリアル通信式ICにおける1ビットの特定出力端子(識別用入力ビット)の出力内容の変化(例えば「H(0)」→「L(1)」の変化回数)をトグルで監視することにより、自遊技機に適合する交換ユニット(交換部品)であるか否かを識別する。
このような第3の方法によれば、第2の方法と同様の効果が得られるだけでなく、識別用入力ビットの出力内容(入力ビット)の連続的な変化に基づいて、高品質の情報を用いて識別を行うことができるため、第2の方法よりも識別精度を高めることに期待できる。
例えば、LEDドライバ3pが枠ランプ3h’の点灯制御を行うICであった場合、第2の方法のように1回のシリアル信号に基づく出力内容を確認するだけでは、誤検出等の可能性を否定し難い。しかし、第3の方法のように複数回のシリアル信号に基づく出力内容を監視することによって、誤検出の可能性を排除し、確実な識別に期待できる。また、複数回連続して1のシリアル信号を送ったときに、一部で出力内容に変化が出なかった場合には、取付け不良等を推定することもできる。
なお、上記の第3の方法の派生例として、本実施形態に係るパチンコ機1A(1A’)は、複数のドライバ(シリアル通信式IC)における未使用の出力端子をそれぞれ識別用入力ビットに割り当て、これらの識別用入力ビットからの出力を組み合わせてなる複数ビットの識別用情報を用いて、交換ユニットの適合/不適合を識別するようにしてもよい。このとき、各ドライバからの識別用入力ビットの出力用に複数の信号線を設ける必要があるが、上記の第3の方法よりもさらに精度の高い識別を行うことができる。
また、上記第3の方法のその他の派生例として、LEDドライバ3pに対するシリアル信号の情報について、枠交換ユニット3C’の確認動作の際には、前記識別用入力ビットの出力を切り替える情報に対して、実際のLED素子に接続する端子の発光信号を同期(または繰返し周期の数倍の周期で同期)させるような演出制御情報を演出制御CPU201から出力するようにし、枠交換ユニット3C’の適合性確認動作を、実際の枠交換ユニット3C’の枠ランプ3h’で視認可能にするよう制御してもよい。このようにすることで、工場での試験や、遊技店舗での運営時に正しく確認動作が行われているかどうかを人の目により確認可能とすることができる。
<補足>
本実施形態に係る枠交換可能なパチンコ機1A(1A’)は、遊技機(遊技盤、制御基板)に対応する交換ユニット(交換部品)の物理的な組付けに関して、上述の枠交換ユニット識別機能の第1〜第3の方法と別に、あるいは組合せて、以下のように構成することができる。
例えば、本実施形態に係るパチンコ機1A(1A’)は、自遊技機(遊技盤、制御基板)に適合する複数の交換ユニットがある場合に、各交換ユニットを組付ける順番を予め定めておき、組付け順が適正でなければ、複数の交換ユニット全体の組付けが完了しないような構造としてもよい。このような構造とすることにより、複数の交換ユニット全体で組付けが適切か否かを判断することができるため、一部の交換ユニットの組付け忘れを防止する効果に期待できる。
具体的には、ランプカバー等のような簡易な部材は、可動部材もシリアル通信式ICも備えていない場合には、枠交換ユニット識別機能の第1〜第3の方法を適用することが困難だが、上記のような構造とすることによって、組付け忘れを防止することができる。また、形状は共通であるが遊技機によって色違いの交換ユニット(交換部品)についても、上記のような構造とすることによって、組付けミスを防止することができる。
また、複数の交換ユニットがある場合には、組付け順を定めておき、組付け後に一部の交換ユニット(後から取り付けるユニットが好ましい)を確認することで、全体の交換ユニットについて組付けが適切かを確認できるようにしてもよい。
具体的には例えば、複数の交換ユニット全体で各交換ユニットに組付け順を示す番号を表示し、組付け順が後の交換ユニットからは、孔部や透過部等を介して、組付け順が前の交換ユニットの番号表示を視認できるようにする。このようにすることで、全交換ユニットの組付け後に、最後に組付けた交換ユニットから各交換ユニットの番号表示がすべて並ぶことを視認できた場合に、全体の組付けが適切であると確認できる。
また、物理的な組付け順が適切であるかを確認するための手段は、前述した番号表記によるものに限定されず、他にも例えば、交換ユニットごとに基板のソルダレジストに異なる配色を施す等してもよい。そして、視認による確認を行うための穴部や透過部等は、遊技機の正面から常に視認可能な位置に設けてもよいし、ガラス枠3を開放した場合にホール定員等によって遊技機の正面またはその他の面から視認可能な位置に設けるようにしてもよい。
これらの工夫を行うことにより、本実施形態に係るパチンコ機1A(1A’)は、特別な技能や知識を有していない場合でも、容易に交換ユニットの物理的な組付けが適切であるかを確認することができるため、交換ユニットの物理的な組付け不良(組付け順の誤り、組付け忘れ、不適合部品の組付け等)を防止する効果に期待できる。
また、本実施の形態に係るパチンコ機1は、上述した枠交換ユニット識別機能を実現する第3の方法によって、LEDドライバとモータドライバICのように異種のドライバを区別する識別を実現することもできる。LED等の点灯制御を行うLEDドライバの場合、1のシリアル信号(例えば、点灯命令)を複数回繰り返したとしても、その実行制御に限界はなく、シリアル信号の繰り返し回数分だけ、出力内容の変化点が現れると考えられる。一方、可動部材を駆動させるモータドライバICの場合、可動部材の駆動範囲は有限であることから、1のシリアル信号(例えば、所定方向への駆動命令)を複数回繰り返した場合に、可動部材の駆動範囲を超えるタイミングで実行制御が動作せず、出力内容の変化点が現れなくなると考えられる。したがって、このようなドライバごとの特性等を考慮してシリアル信号の命令内容や繰り返し回数を設定することにより、対象のドライバの識別精度を大きく高めることができ、ひいては、当該ドライバが配置された交換ユニットの識別精度も大きく高めることができる。
以上、本発明の遊技機の一実施形態としてパチンコ機で説明したが、本発明はパチンコ機に限定されることはない。すなわち、パチンコ機以外の遊技機、例えば、スロットマシンや、パチンコ機とスロットマシンとを融合させてなる遊技機や、遊技球や遊技メダル等を要さない管理遊技機(封入式遊技機、メダルレス遊技機)や、カジノマシン等であっても本発明を適用することができる。
1,1A,1A’:パチンコ機、 2:外枠、 2a〜2d:フレーム、 2e,2f:ヒンジ部材、 2p:ドア開センサ、 3,3A,3A’:ガラス枠(扉枠)、 3B:枠共通ユニット、 3C,3C’:枠交換ユニット、 3a,3b:ヒンジ機構、 3c:施錠装置、 3d:貫通口、 3e:ベースユニット、 3f:皿ユニット、 3g:領域、 3h,3h’:枠ランプ(LEDランプ)、 3i,3i’:スピーカ、 3j:演出ボタン、 4:前枠、 4a:ハンドル、 4b:枠体、 4c,4d:ヒンジ、 4e:発射装置、 4f:施錠ユニット、 4g:基板ユニット、 4h:裏カバー、 4i,4j:ヒンジ部材、 4p:ドア開検知用部材、 5:遊技盤、 5a:遊技領域、 5b:主制御ユニット、 5c:周辺制御ユニット、 8:上球皿、 9:下球皿、 10:演出ランプ(枠ランプ)、 11:スピーカ、 12:発射ハンドル、 13:球送り機構、 14:発射機構、 15:演出ボタン、 20A:遊技領域、 22:センター飾り、 25:演出ランプ(盤ランプ)、 29:第1のアウト口、 31:貯留タンク、 34:賞球払出ユニット、 61:第1始動口、 62:第2始動口、 63:ゲート、 64:大入賞口、 66:一般入賞口、 70:液晶表示装置、 91:ランプ接続基板、 92:モータドライバ、 100:主制御基板、 100a:前部材、 100b:遊技パネル、 100c:機能表示ユニット、 100d:内レール、 100e:アウト誘導路、 100f:外レール、 100h:開口、 100m:表ユニット、 100n:主制御基板ケース、 100p:ハーネスカバー、 100q:設定キースイッチ、 100r:軸受部、 100s:取付ブラケット、 100t:軸部、 100u:軸受部、 100v:軸部、 100w:端部、 101:主制御CPU、 101B:ストローブ信号出力ポート、 102:主制御ROM、 103:主制御RAM、 104:I/Oポート回路、 109:演出制御基板接続コネクタ、 110:入球判定手段、 111:データバス、 112:ストローブ信号バス、 120:遊技抽選乱数発生手段、 123:普通電動役物ソレノイド、 124:特別電動役物ソレノイド、 130:保留制御手段、 131:特別図柄保留制御手段、 132:普通図柄保留制御手段、 135:事前判定手段、 140:特別図柄抽選処理手段、 141:特別図柄当否判定手段、 142:特別図柄停止図柄判定手段、 143:特別図柄変動パターン判定手段、 145:普通図柄抽選処理手段、 146:普通図柄当否判定手段、 147:普通図柄停止図柄判定手段、 148:普通図柄変動パターン判定手段、 150:特別遊技制御手段、 155:図柄表示制御手段、 156:特別図柄表示制御手段、 157:普通図柄表示制御手段、 160:電動役物制御手段、 161:第1始動口スイッチ、 162:第2始動口スイッチ、 163:作動ゲートスイッチ、 164:大入賞口スイッチ、 166:一般入賞口スイッチ、 167:アウト球検出スイッチ、 169:遊技状態制御手段、 170:エラー監視制御手段、 171:第1特別図柄表示装置、 172:第2特別図柄表示装置、 173:第1特図保留ランプ、 174:第2特図保留ランプ、 175:普通図柄表示装置、 176:普図保留ランプ、 180:メイン情報記憶手段、 190:コマンド送受信手段、 195:設定変更手段、 196:設定確認手段、 197:設定表示部、 200:演出制御基板、 200a:開口、 200m:裏ユニット、 201:演出制御CPU、 202:演出制御ROM、 203:演出制御RAM、 204:I/Oポート回路、 210:演出抽選乱数発生手段、 220:演出統括手段、 221:演出モード制御手段、 222:保留情報表示制御手段、 223:先読み予告制御手段、 224:装飾図柄決定手段、 225:変動演出決定手段、 226:予告演出決定手段、 227:大当り演出決定手段、 230:ランプ演出制御手段、 240:役物演出制御手段、 250:エラー演出制御手段、 260:演出制御情報記憶手段、 270:コマンド送受信手段、 300:画像制御基板、 300m:液晶ベース、 301:画像制御CPU、 302:VDP、 303:音源IC、 304:ROM、 305:RAM、 306:I/Oポート回路、 400:払出制御基板、 400p:RAMクリアスイッチカバー、 400q:RAMクリアスイッチ、 401:払出制御CPU、 402:払出制御ROM、 403:払出制御RAM、 500:アタッカユニット、 600:電源基板、 600p:電源スイッチカバー、 600q:電源スイッチ、 622:普通電動役物、 642:特別電動役物

Claims (1)

  1. 演出に関する制御を行う制御手段と、
    前記制御手段の制御情報に基づいて演出動作を行うことが可能な演出部材を備えた開閉部と、
    前記開閉部の一部であり、前記制御手段に合わせて交換するために着脱可能に構成され、前記演出部材の少なくとも一部を有した交換ユニットと、
    を備え、
    前記開閉部は、前記交換ユニットに含まれる前記演出部材に相当する複数の可動部材と個々の前記複数の可動部材の位置を検出するセンサとを有し、
    前記制御手段は、遊技機に取付けられた前記交換ユニットを含む前記開閉部において前記複数の可動部材がそれぞれ初期位置にある場合の前記センサによる検出情報の組合せに基づいて、当該交換ユニットが当該遊技機に適合するか否かを判定する
    ことを特徴とする遊技機。
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