JP4557439B2 - 高圧放電ランプ点灯装置および自動車用ヘッドライト装置 - Google Patents

高圧放電ランプ点灯装置および自動車用ヘッドライト装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水銀を実質的に含まない高圧放電ランプを点灯する高圧放電ランプ点灯装置およびこれを用いた自動車用ヘッドライト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特願平10−28134号には、所望の発光金属のハロゲン化物である第1のハロゲン化物、第1のハロゲン化物の金属に比較して可視域に発光しにくい金属のハロゲン化物である第2のハロゲン化物および希ガスを含む放電媒体を封入し、水銀が本質的に封入されていないメタルハライド放電ランプが記載されている。この高圧放電ランプは、従来のメタルハライド放電ランプのように環境負荷の大きい本質的に水銀を用いないにもかかわらず、ランプ電圧を高くして所望のランプ電力を投入できるので、大変優れたものである。(従来技術1) なお、特開平11−86795号公報にも従来技術1とほぼ同じ技術が開示されている。
【0003】
また、平成12年12月4日に発表された照明学会・第15回光源物性応用研究会資料(社団法人 照明学会発行)の第69〜73ページには、NaI−ScI系金属ハロゲン化物にInIを添加した無水銀の自動車用メタルハライドランプが開示されている。(従来技術2)
さらに、特開平3−116685号公報には、高圧放電ランプを交流で点灯する場合、始動直後は電極表面の温度すなわち陰極スポットの温度が十分でないことなどにより、放電が安定しにくいので、これを改良するために、始動時から点灯に至るまでの間は、直流電圧を高圧放電ランプに印加し、点灯したら低周波交流電圧を印加する技術が開示されている。(従来技術3)
さらに、特開平6−231889号公報には、メタルハライドランプなどの高圧放電ランプの低周波交流始動におけるアークの立ち消えや明るさのちらつきを低減するために、電源投入から点灯後の所定時間までの間直流電圧を高圧放電ランプに印加し、その後交流電圧に切り換える技術が開示されている。(従来技術4)
【発明が解決しようとする課題】
一般に、水銀を含むメタルハライドランプにおいて、室温程度の低温における始動時の光束立ち上がり時間を短縮するためには、定格ランプ電力の2倍以上の電力を投入する必要がある。しかし、水銀を含まないメタルハライドランプの場合、水銀を含むメタルハライドランプより放電媒体の蒸気圧が低いので、水銀を含むメタルハライドと同等の光束立ち上がり時間にするためには、さらに多くのランプ電力を始動時に投入する必要がある。そこで、高温始動時には定格ランプ電力に近いランプ電力を供給し、低温始動時には供給ランプ電力を所要の程度たとえば3倍程度まで多くすると効果的である。
【0004】
上記に加えて、始動時のアークの立ち消えや明るさのちらつきを低減するために、従来技術4により直流電圧を印加して始動すると、始動直後に陰極スポットが著しく高温になり、電極物質がスパッタし、陽極においてはその先端が溶けるように消耗する。そして、管壁に黒化を生じて寿命短縮を招来するという問題があることが分かった。
【0005】
本発明は、光束立ち上がりを短縮するとともに、寿命短縮を生じないようにした水銀を本質的に含まない高圧放電ランプを用いる高圧放電ランプ点灯装置およびこれを用いた自動車用ヘッドライト装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を達成するための手段】
請求項1の発明の高圧放電ランプ点灯装置は、5〜15気圧の希ガスおよび金属ハロゲン化物を含み水銀を本質的に含まない高圧放電ランプを直流および交流のいずれか一方を選択して付勢可能な点灯手段と;始動時には点灯手段により高圧放電ランプを直流点灯し、所定時間後交流点灯に切り換えるとともに、低温始動時には定格ランプ電力より大きいランプ電力を高圧放電ランプに供給し、かつ、直流点灯を相対的に短時間とし、高温始動時には定格ランプ電力に近いランプ電力を高圧放電ランプに供給し、かつ、直流点灯を、前記低温始動時の点灯時間よりも相対的に長時間とするように点灯手段を制御する制御手段と;を具備していることを特徴とする高圧放電ランプ点灯装置を提供する。
【0007】
本発明および以下の各発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
【0008】
<高圧放電ランプについて>
(放電媒体について)
本発明において点灯される高圧放電ランプは、特定の放電媒体を具備している。
【0009】
すなわち、まず本質的に水銀が封入されていない。本発明において、「本質的に水銀が封入されていない」とは、水銀を全く封入していないだけでなく、気密容器の内容積1cc当たり2mg未満、好ましくは1mg以下の水銀が存在していることを許容するという意味である。しかし、水銀を全く封入しないことは環境上望ましいことである。従来のように水銀蒸気によって放電ランプの電気特性を維持する場合には、短アーク形においては気密容器の内容積1cc当たり20〜40mg、さらに場合によっては50mg以上封入していたことからすれば、水銀量が実質的に少ないといえる。
【0010】
次に、希ガスが5〜15気圧封入されている。希ガスは、好適にはキセノンである。希ガスの封入圧を5〜15気圧に限定している理由は、この範囲であれば、点灯直後4秒までの光束立ち上がりを早めて自動車用ヘッドライト装置に必要なその前面の代表点での光度8000cdを得ることができるからである。
【0011】
さらに、金属ハロゲン化物が封入されている。金属ハロゲン化物は、少なくとも発光金属のハロゲン化物を含むものとする。発光金属のハロゲン化物としては、たとえばナトリウムNa、スカンジウムScおよび希土類金属たとえばジスプロシウムDyなどを含む複数種の発光金属のハロゲン化物を用いることができる。また、ナトリウムNa、スカンジウムScおよびインジウムIのハロゲン化物を発光金属のハロゲン化物として封入することもできる。さらに要すれば、蒸気圧が相対的に高くて、かつ、可視域における発光が相対的に少ない金属のハロゲン化物を第2の金属ハロゲン化物として発光金属のハロゲン化物に加えることができる。第2の金属ハロゲン化物としては、たとえばマグネシウムMg、鉄Fe、コバルトCo、クロムCr、亜鉛Zn、ニッケルNi、マンガンMn、アルミニウムAl、アンチモンSb、ベリリウムBe、レニウムRe、ガリウムGa、チタンTi、ジルコニウムZrおよびハフニウムHfからなるグループの中から選択された1種または複数種の金属のハロゲン化物を用いることができる。
【0012】
(高圧放電ランプのその他の構成について)
本発明において点灯する高圧放電ランプにおいて必須要件ではないが、所望により以下の構成を加えることにより、特に自動車用ヘッドライト装置の場合に効果的である。
【0013】
1 気密容器について
気密容器は、その内部に細長い放電空間が形成されるとともに、放電空間を包囲する部分の肉厚が比較的大きくて、耐火性で、かつ、透光性の材料たとえば石英ガラス、透光性セラミックスなどからなる。放電空間は、好ましくはほぼ円柱状をなし、軸方向の中央部の肉厚がその両側の肉厚より大きい。
【0014】
2 電極について
電極は、気密容器の両端内部にその一対が対向して封装され、好ましくは電極間距離が6mm以下に設定される。また、一対の電極は、直流点灯の際にアノードとして作用するときに、定格ランプ電力の約3倍のランプ電力が供給された際に、これに耐えるように構成される。たとえば、電極の先端に軸部より径大の球状部分を形成することにより、これに対応することができる。
【0015】
3 定格ランプ電力について
定格ランプ電力は、一般的には250W以下、好ましくは100W以下、最適には60W以下である。また、自動車用ヘッドライト装置に用いる高圧放電ランプの場合においては、一般的には80W以下、好ましくは60W以下、最適には40W程度である。
【0016】
<点灯手段について>
点灯手段は、高圧放電ランプを直流および交流のいずれでも付勢することができる。これを実現するための具体的な回路構成は自由であるが、たとえば以下に例示する回路構成を採用することができる。いずれにしても、電子式に構成されていることが好ましい。また、交流電圧は、その波形を矩形波にすることができる。さらに、高圧放電ランプの安定点灯中には、定電力制御を行うことができるように構成することが好ましい。
【0017】
1 直流点灯回路および交流点灯回路を並列的に備える構成
この構成においては、いずれか所望の点灯回路を高圧放電ランプに対して選択的に切り換えて接続する。
【0018】
2 インバータのスイッチング手段を切り換える構成
この構成においては、直流電源と高圧放電ランプとの間にインバータを介在させ、インバータのスイッチング手段を連続してオンさせることにより、インバータ動作を停止させて直流入力電圧をそのまま高圧放電ランプに印加する。交流電圧を印加する際には、インバータ動作を行って交流電圧を出力するようにスイッチング手段を制御する。
【0019】
次に、高圧放電ランプの限流手段は、それぞれ高圧放電ランプに印加される電圧の態様に応じて適切なインピーダンスを有していなければならない。しかし、直流電源電圧値を所望に制御したり、アクティブフィルタ作用をさせたりするために、スイッチングレギュレータを用いる場合、構成要素の一部であるインダクタがスイッチングにより限流作用をも担当するので、見かけ上の限流素子を省略することができる。
【0020】
また、交流点灯の際の周波数は、高圧放電ランプが音響的共鳴現象を生じないように配慮する必要がある。高圧放電ランプが自動車用ヘッドライト装置に用いるようなサイズの放電容器を備える場合においては、約2kHz以下の周波数であれば、実際上問題を生じるようなことはない。
【0021】
さらに、点灯手段は、その無負荷出力電圧を200〜600V程度に設定することができる。
【0022】
<制御手段について>
制御手段は、点灯手段に対して(1)直流・交流切り換え制御、(2)投入電力切り換え制御、(3)直流点灯時間制御をそれぞれ行うように構成されている。以下、各制御について説明する。
直流・交流切り換え制御について
この制御は、始動時に高圧放電ランプに対して印加する電圧を直流電圧とし、さらに後掲(3)の制御に基づいて直流点灯から交流店頭へ切り換えるための制御である。なお、切り換えの際に電源の瞬断が生じるのを回避すべきであり、そのためにも無接点で切り換えが行われるのが好ましい。インバータのスイッチング手段を利用して無接点切り換えを行う場合、スイッチング手段のドライブ信号を連続信号にすればインバータの出力端に直流が得られ、また発振周波数の断続信号にすれば発振周波数の交流が得られる。
投入ランプ電力切り換え制御について
この制御は、高圧放電ランプが始動し点灯したときに供給ランプ電力を低温始動時と高温始動時との少なくとも2段階に切り換える制御である。低温始動時においては、光束立ち上がりが早くなるように定格ランプ電力より大きなランプ電力たとえば定格ランプ電力の約3倍の電力を供給し、高温始動時においては定格ランプ電力に近いランプ電力を供給する。なお、「低温始動」とは、高圧放電ランプ内の温度が室温程度以下の温度下での始動を意味し、したがって消灯してからの経過時間が長い場合に低温になる。また、「高温始動」とは、高圧放電ランプの安定時の温度に近い温度下での始動を意味し、したがっていわゆるホットリスタートはこれに該当する。
「定格ランプ電力に近い」とは、定格ランプ電力に対して105〜150%の範囲である。なお、好ましくは120〜140%の範囲である。また、低温始動時および高温始動時の判別は、高圧放電ランプの温度、消灯してからの経過時間であるところの消灯時間または点灯時に流れるランプ電流の大きさなどに応じて行うことができる。さらに、高圧放電ランプに供給するランプ電力の制御は、高圧放電ランプに印加する電圧を変化することにより容易にこれを行うことができる。
【0023】
また、要すれば、高圧放電ランプの消灯時間に応じて連続的に供給ランプ電力を制御するように構成することができる。
【0024】
さらに、低温始動時および高温始動時に高圧放電ランプに対してどの程度のランプ電力を供給するかは、予め実験またはシミュレーションなどにより決定することができる。そして、低温および高温の程度とランプ電力時間との関係を予めテーブルデータとしてメモリに記憶しておき、演算に基づいて必要なデータをメモリから読み出して、点灯手段を自動的に制御するように構成することができる。
(3)直流点灯時間制御について
この制御は、低温始動時および高温始動時のいずれであるかにより直流点灯時間を変化させる制御である。すなわち、直流点灯は、低温始動時には相対的に短時間であり、高温始動時には相対的に長時間である。低温始動時および高温始動時の判別は、高圧放電ランプの温度、消灯してからの経過時間であるところの消灯時間または点灯時に流れるランプ電流の大きさなどに応じて行うことができる。
【0025】
また、高圧放電ランプの始動時の低温および高温の程度に応じて連続的に投入電力を制御するように構成することができる。
【0026】
さらに、低温始動時および高温始動時にどの程度の時間直流点灯するかは、予め実験またはシミュレーションなどにより決定することができる。
【0027】
<その他の構成について>
本発明において必須構成要件ではないが、イグナイタを付加することができる。水銀を本質的に含まない高圧放電ランプを始動するには、イグナイタのパルス電圧を、水銀を封入した高圧放電ランプのそれより若干高くする必要があったとしても、コスト、大きさおよび重量などにおいて実現を困難にすることはない。
【0028】
<本発明の作用について>
本発明においては、5〜15気圧の希ガスおよび金属ハロゲン化物を含み水銀を本質的に含まない高圧放電ランプを点灯手段により始動時には直流点灯するので、放電が安定しやすく、また低温始動時には定格ランプ電力より大きいランプ電力、たとえば定格ランプ電力の2倍以上より大きいランプ電力を高圧放電ランプに供給するので、水銀蒸気がなくても発光金属のハロゲン化物の蒸気圧が迅速に上昇するから、その結果光束立ち上がりが早くなる。しかも、低温始動時の直流点灯時間は相対的に短いので、大きなランプ電力により電極が異常過熱するのを回避することができる。このため、電極物質のスパッタによる高圧放電ランプの短寿命が生じにくくなる。
【0029】
一方、高温始動時すなわちホットリスタート時には、高圧放電ランプ内では発光金属のハロゲン化物の蒸気圧がまだ高いので、定格ランプ電力に近いランプ電力を供給して始動させることができる。しかし、この場合には、直流点灯は相対的に長いので、放電が十分安定し、アークの立ち消えを生じるようなことはない。また、その間に供給されるランプ電力は、定格ランプ電力に近いので、電極の損傷は生じない。
【0030】
以上説明したように、本発明においては水銀が本質的に含まれていない高圧放電ランプを低温始動時および高温始動時のいずれでにおいても、電極の損傷を招来することなく、しかも光束立ち上がりが早いので、自動車用ヘッドライト装置に適用して、その規格を十分満足することができる。しかし、本発明は、その用途が自動車用ヘッドライト装置に限定されるものではなく、種々の用途に適応する。
【0031】
請求項2の発明の高圧放電ランプ点灯装置は、希ガスおよび金属ハロゲン化物を含み水銀を本質的に含まない高圧放電ランプを直流および交流のいずれか一方を選択して付勢可能な点灯手段と;高圧放電ランプにその始動時には直流点灯し、所定時間後交流点灯に切り換えるとともに、ランプの消灯時間の増加に応じて直流点灯時間を減少し、かつ、供給ランプ電力を定格ランプ電力に近い値から増加するように点灯手段を制御する制御手段と;を具備していることを特徴としている。
【0032】
本発明は、高圧放電ランプの消灯時間に応じて始動時の直流点灯時間および供給ランプ電力を所定に変化するようにした構成を規定している。
【0033】
すなわち、高圧放電ランプの温度は、消灯直後の高温状態から時間の経過とともに低下していき、やがて室温または外気温に等しい低温状態となる。したがって、消灯時間を計測することによって高圧放電ランプの温度を知ることができる。消灯時間は、時計を目視することにより計時することもできるが、消灯時間用タイマを用いて自動的に計時するように構成することが好ましい。なお、高圧放電ランプの消灯は、ランプ電圧またはランプ電流を監視することによって、容易に把握することができる。
【0034】
また、消灯時間に応じてどの程度の時間直流点灯するかは、予め実験またはシミュレーションなどにより決定することができる。そして、消灯時間と直流点灯時間との関係を予めテーブルデータとしてメモリに記憶しておき、演算に基づいて必要なデータをメモリから読み出して、点灯手段を自動的に制御するように構成することができる。
【0035】
そうして、本発明においては、高圧放電ランプの消灯時間に応じて直流点灯時間および供給ランプ電力を加減するので、低温時と高温時とだけでなく、それらの中間における始動時においても光束立ち上がりが短縮されるとともに、寿命短縮を生じない。で、しかも
また、消灯時間に応じて高圧放電ランプの温度を間接的に求めることにより、制御を自動化しやすい。
【0036】
したがって、自動車用ヘッドライト装置に適用することにより、頗る効果的である。
【0037】
請求項3の高圧放電ランプ点灯装置は、請求項1または2記載の高圧放電ランプ点灯装置において、制御手段は、低温始動時に定格ランプ電力の約3倍のランプ電力を高圧放電ランプに供給するように点灯手段を制御することを特徴としている。
【0038】
本発明は、本質的に水銀を含まない高圧放電ランプにとって最適な低温始動時の供給ランプ電力を規定している。すなわち、制御手段が定格ランプ電力の約3倍のランプ電力を高圧放電ランプに供給するように制御することにより、始動4秒後の光束立ち上がりが安定時の光束の80%以上になるとともに、直流点灯時に電極が消耗しにくい範囲に止めることができる。なお、「約3倍」とは、2.5〜3.5倍程度を含む意味である。これより多くのランプ電力を始動時に供給すると、光束立ち上がりは早くなるが、電極の消耗が無視できなくなる。また、ランプ電力が2.5倍を下回ると、光束立ち上がりが遅くなりすぎる。
【0039】
そうして、本発明においては、低温時に水銀を含まない高圧放電ランプを早い光束立ち上がりで始動することができる。
【0040】
請求項4の発明の高圧放電ランプ点灯装置は、請求項1ないし3のいずれか一記載の高圧放電ランプ点灯装置において、制御手段は、低温始動時の直流点灯時間を数十m秒に、また高温始動時の直流点灯時間を数百m秒になるように点灯手段を制御することを特徴としている。
【0041】
本発明は、制御手段により制御される低温始動時および高温始動時の好適な直流点灯時間を規定している。すなわち、低温始動時の直流点灯時間は、高温始動時のそれの数百m秒より1桁少ない数十m秒である。しかし、低温始動時には高圧放電ランプに定格ランプ電力より相当に大きいランプ電力が投入されるので、高圧放電ランプは容易に始動する。また、高温始動時には、高圧放電ランプには定格ランプ電力に近いランプ電力が投入されるのであるが、数百m秒の間直流電圧が印加されるので、高圧放電ランプは確実に始動する。
【0042】
なお、「数十m秒」とは、10〜60m秒の範囲をいう。好適には13〜30m秒の範囲である。また、「数百m秒」とは、100〜500m秒の範囲をいう。好適には250〜350m秒の範囲である。
【0043】
そうして、本発明においては、光束立ち上がりが早く、しかも寿命短縮を生じにくくなる好適な直流点灯時間が設定された高圧放電ランプ点灯装置が得られる。
【0044】
請求項5の発明の高圧放電ランプ点灯装置は、請求項1ないし4のいずれか一記載の高圧放電ランプ点灯装置において、交流電圧の周波数は、100Hz〜2kHzであることを特徴としている。
【0045】
本発明は、交流電圧の好適な周波数を規定している。すなわち、周波数が上記の範囲であれば、自動車用ヘッドライト装置に用いられるようなサイズの高圧放電ランプにおいては、音響的共鳴現象が生じない。なお、周波数が100Hz未満であると、明るさのちらつきを生じることがある。
【0046】
請求項6の発明の高圧放電ランプ点灯装置は、請求項1ないし5のいずれか一記載の高圧放電ランプ点灯装置において、制御手段は、消灯時間に対する目標供給ランプ電力を予め記憶しておき、消灯時間に応じて目標供給ランプ電力を決定し、かつ、高圧放電ランプに供給される実供給ランプ電力を演算して、目標供給ランプ電力との差に応じて実供給ランプ電力を調節するとともに、高圧放電ランプの消灯時間に対する直流点灯時間を予め記憶しておき、これに基づいて消灯時間に応じて直流点灯時間を決定し、所定の直流点灯時間になったときに高圧放電ランプを交流点灯に切り換えることを特徴としている。
【0047】
本発明は、所定の供給ランプ電力を自動的に制御するのに好適な構成と、高圧放電ランプに対する消灯時間に応じて直流点灯から交流点灯へ切り換える構成とを規定している。
【0048】
まず、供給ランプ電力を自動的に切り換える構成について説明する。
【0049】
目標供給ランプ電力は、消灯時間に対する関数として予め定めておき、そのデータをたとえばテーブルデータとしてメモリに記憶しておく。なお、低温始動時から高温始動時までの各段階において、どの程度のランプ電力を投入するかは、予め実験またはシミュレーションなどにより決定することができる。
【0050】
一方、実際に高圧放電ランプに供給されているランプ電力であるところの実供給ランプ電力は、ランプ電圧およびランプ電流を検出して、それらの検出値を演算手段に入力して演算することにより、これを求めることができる。なお、ランプ電圧およびランプ電流を検出する場合、それらを直接検出するだけでなく、比例的に得られるのであれば、間接的に検出してもよい。
【0051】
また、本発明においては、高圧放電ランプを直流点灯から交流点灯に切り換えるので、インバータを介して直流を交流に変換して高圧放電ランプに印加する構成の場合には、直流回路側においてランプ電圧およびランプ電流を間接的に検出するように構成することにより、回路構成を簡単にすることができる。
【0052】
さらに、実供給ランプ電力を調節する手段は、どのような手段によってこれを行ってもよい。たとえば、点灯手段がスイッチングレギュレータおよびインバータを縦続接続して構成されている場合には、スイッチングレギュレータをPWM制御することにより、その出力電圧、したがってインバータの入力電圧すなわち直流電圧を制御することができる。そこで、インバータの主スイッチング手段を連続して制御することにより、インバータの出力端に直流電圧が現れるので、そこに接続する高圧放電ランプに直流電圧を印加することができる。また、インバータの主スイッチング手段をスイッチング周波数でスイッチングさせることにより、インバータがインバータ動作を行い、その出力端に交流電圧が現れるので、そこに接続する高圧放電ランプに交流電圧を印加することができる。そうして、スイッチングレギュレータをPWM制御することによって、インバータの出力端に現れる直流電圧および交流電圧のいずれをも制御することができる。このため、高圧放電ランプの実供給電力が制御される。
【0053】
そうして、消灯時間に対する目標ランプ電力と実供給ランプ電力とを比較してその差が0になるように実供給ランプ電力を調節することにより、目標ランプ電力が高圧放電ランプに供給される。
【0054】
次に、高圧放電ランプを直流点灯から交流点灯に切り換える構成について説明する。
【0055】
消灯時間に対する直流点灯時間を予め実験またはシミュレーションなどにより決定することができる。そして、消灯時間と直流点灯時間との関係を予めテーブルデータとしてメモリに記憶しておき、実際の消灯時間に応じて対応する必要なデータをメモリから読み出して、消灯時間に応じた直流点灯時間を決定し、所定の直流点灯時間に到達したときに、高圧放電ランプを直流点灯から交流点灯へ切り換える。これにより、直流点灯から交流店頭への切り換えを自動的に行える。
また、低温および高温の中間に位置する温度における始動時に際しても適切な直流点灯時間を設定して光束立ち上がりを早めるとともに、電極の損傷、したがってスパッタによる高圧放電ランプの寿命短縮を回避することができる。
【0056】
そうして、本発明においては、消灯時間に応じて所定のランプ電力を、所定時間、しかも自動的に供給することにより、高圧放電ランプの光束立ち上がりが早くなるとともに、寿命短縮を回避し、しかもこれらの制御を自動的に行うことができる。
【0057】
請求項7の発明の高圧放電ランプ点灯装置は、請求項1ないし6のいずれか一記載の高圧放電ランプ点灯装置において、希ガスおよび金属ハロゲン化物を含み水銀を本質的に含まない高圧放電ランプを具備していることを特徴としている。
【0058】
本発明は、水銀を本質的に含まない高圧放電ランプ、点灯手段および制御手段を要素として構成されている。
【0059】
請求項8の発明の自動車用ヘッドライト装置は、自動車用ヘッドライト装置本体と;自動車用ヘッドライト装置本体に配設された請求項7記載の高圧放電ランプ点灯装置と;を具備していることを特徴としている。
【0060】
「自動車用ヘッドライト装置本体」とは、自動車用ヘッドライト装置から高圧放電ランプ点灯装置を除いた残余の部分をいう。
【0061】
そうして、本発明においては、水銀を含まない高圧放電ランプおよび請求項1ないし6の高圧放電ランプ点灯装置を備えていることにより、環境負荷の大きい水銀を封入していなくても光束立ち上がりが早くて、しかも高圧放電ランプの寿命短縮が生じにくい自動車用ヘッドライト装置が得られる。
【0062】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0063】
図1は、本発明の高圧放電ランプ点灯装置の一実施形態を示す回路図である。
【0064】
本実施形態は、自動車用ヘッドライト装置に用いる高圧放電ランプ点灯装置である。図において、DCは直流電源、SW1は電源スイッチ、C1は電解コンデンサ、OCは点灯手段、CCは制御手段、IGはイグナイタ、HPLは高圧放電ランプである。
【0065】
直流電源DCは、直流電圧12Vのバッテリーからなる。
【0066】
電源スイッチSW1は、直流電源DCと後述する点灯手段OCとの間に直列接続されていて、高圧放電ランプHDLの点滅を司る。
【0067】
電解コンデンサC1は、電源スイッチSWを介して直流電源DCと並列に接続している。
【0068】
<点灯手段OCについて>
点灯手段OCは、スイッチングレギュレータDC/DCおよびインバータDC/ACから構成されている。
【0069】
(スイッチングレギュレータDC/DCについて)
スイッチングレギュレータDC/DCは、出力トランスT、スイッチング手段Q1、ゲートドライブ信号発生回路GDG、ダイオードD1および平滑コンデンサC2により主として構成されている。出力トランスTの1次巻線wpおよびスイッチング手段Q1は、電解コンデンサC1の両端間に直列接続している。スイッチング手段Q1は、MOSFETからなる。なお、スイッチング手段Q1と直列に挿入されている抵抗器R1は、スイッチング電流検出用である。ゲートドライブ信号発生回路GDGは、ゲートドライブ信号を発生して、スイッチング手段Q1のゲート・ソース間に印加する。そして、外部から制御入力する制御信号に応じてゲートドライブ信号をPWM制御することができる。出力トランスTの2次巻線wsの両端にダイオードD1および平滑コンデンサC2が直列接続している。
【0070】
そうして、スイッチングレギュレータDC/DCの昇圧され、かつ制御された直流出力電圧が平滑コンデンサC2の両端間に得られる。
【0071】
<インバータDC/ACについて>
インバータDC/ACは、フルブリッジ形インバータからなり、4つのスイッチング手段Q2〜Q5、ゲートドライブ回路GDC1〜GDC4、矩形波発振回路OSC、切換手段SW2、反転回路Nおよび非反転回路Yからなる。4つのスイッチング手段Q2〜Q5は、それぞれMOSFETからなり、ブリッジ回路を構成するように接続されている。そして、ブリッジ回路の入力端は、スイッチングレギュレータDC/DCの直流出力端間に接続している。ゲートドライブ回路GDC1〜GDC4は、反転回路Nまたは非反転回路Yを経由した後記矩形波発振回路OSCの出力信号または直流電位に同期してゲートドライブ信号を形成して、それぞれ対応するスイッチング手段Q2〜Q5のゲート・ソース間にゲートドライブ信号を供給し、それらをオンさせる。矩形波発振回路OSCは、周波数100Hz〜2kHzの矩形波の出力信号を発振する。切換手段SW2は、矩形波発振回路OSCの出力信号と直流電位とを選択的にゲートドライブ回路GDC1およびGDC3に対して反転回路Nを介して接続し、またゲートドライブ回路GDC2およびGDC4に対して非反転回路Yを介して接続している。
【0072】
そうして、矩形波発振回路OSCの出力が切換手段SW2および反転回路Nまたは非反転回路Yを介してゲートドライブ回路GDC1〜GDC4に印加されることにより、4つのスイッチング手段のうちQ2およびQ5とQ3およびQ4とが交互にスイッチングしてインバータ動作を行い、それらが構成するブリッジ回路の出力端から交流出力電圧が得られる。また、直流電位が切換手段SW2および反転回路Nまたは非反転回路Yを介してゲートドライブ回路GDC1〜GDC4に印加されることにより、4つのスイッチング手段のうちQ2およびQ5がオンし、Q3およびQ4がオフするので、ブリッジ回路の出力端から直流出力電圧が得られる。要約すれば、点灯手段OCは、直流出力および交流出力のいずれか一方が選択されることにより、後述する高圧放電ランプHPLを直流点灯または交流点灯することができる。
【0073】
<制御手段CCについて>
制御手段CCは、ランプ電圧検出部LVD、ランプ電流検出部LCD、点灯検出部LD、ランプ電力制御部LPC、および直流点灯時間制御部DCCにより構成されている。
【0074】
(ランプ電圧検出部LVDについて)
ランプ電圧検出部LVDは、スイッチングレギュレータDC/DCの直流出力電圧が得られる平滑コンデンサC2の両端間に接続された一対の抵抗器R2、R3の直列回路からなり、抵抗器R3の両端に高圧放電ランプHPLのランプ電圧に比例した電圧が得られる。
【0075】
(ランプ電流検出部LCDについて)
ランプ電流検出部LCDは、スイッチングレギュレータDC/DCの直流出力およびインバータDC/ACの直流入力端の間に直列に挿入された抵抗器R4からなり、抵抗器R4の電圧降下がランプ電流に比例する。
【0076】
(点灯検出部LDについて)
点灯検出部LDは、ランプ電圧検出部LVDの検出出力に応動する。すなわち、高圧放電ランプHPLは、放電開始すると、その電極間に現れる電圧がそれ以前に現れる無負荷電圧より明らかに低いランプ電圧になる。そこで、点灯検出部LDは、ランプ電圧検出部LVDの検出出力を監視していて、検出出力が急減したことをもって高圧放電ランプHPLが点灯したことを検出することができる。
【0077】
<ランプ電力制御部LPCについて>
ランプ電力制御部LPCは、目標ランプ電力演算回路TO、実ランプ電力演算回路AOおよび差動増幅回路DAから構成されている。
【0078】
(目標ランプ電力演算回路TOについて)
目標ランプ電力演算回路TOは、予め初期値に対する目標供給ランプ電力をテーブルデータとしてメモリに記憶していて、消灯時間に応じて算出された直流電圧印加時間に応じた目標供給ランプ電力を演算する。
【0079】
図2は、本発明の高圧放電ランプ点灯装置の一実施形態における初期値に対する目標供給ランプ電力の関係を示すグラフである。
【0080】
図において、横軸はカウンタ初期値を、縦軸は目標供給ランプ電力[W]を、それぞれ示す。上記の関係は、点灯する高圧放電ランプの特性により左右されるので、ここでは実験によりテーブルデータを求め、それをグラフ化したものである。すなわち、このテーブルデータは、カウンタ初期値が小さいときには目標供給ランプ電力が定格ランプ電力の3倍と大きく、カウンタ初期値が大きくなるにしたがって目標供給ランプ電力がちいさくなり、やがて定格ランプ電力に等しくなるように設定されている。
【0081】
(実ランプ電力演算回路AOについて)
実ランプ電力演算回路AOは、ランプ電圧検出部LVDおよびランプ電流検出部LCDの検出出力に基づいて演算により高圧放電ランプHPLに実際に供給されている実供給ランプ電力を求める。
【0082】
(差動増幅回路DAについて)
差動増幅回路DAは、目標ランプ電力演算回路TOが演算して求めた目標供給ランプ電力と、実ランプ電力演算回路AOが演算して求めた実供給ランプ電力とを入力して、その差をゲートドライブ信号発生回路GDGの制御入力として出力する。
【0083】
<直流点灯時間制御部DCCについて>
直流点灯時間制御部DCCは、消灯時間タイマLOT、初期値設定回路IVS、カウンタCTおよび直流点灯時間タイマDVTから構成されている。
【0084】
(消灯時間タイマLOTについて)
消灯時間タイマLOTは、点灯検出部LDの検出出力を監視してその出力がなくなったときを消灯と判定し、動作を開始して消灯時間を計時する。なお、消灯時間タイマLOTは、内蔵バッテリーによって電源スイッチSW1がオフになっても動作を継続するように構成されている。
【0085】
(初期値設定回路IVSについて)
初期値設定回路IVSは、予め消灯時間に対するカウンタCTの初期値すなわちカウンタ初期値をテーブルデータとしてメモリに記憶していて、後記カウンタCTに対して消灯時間に応じた初期値を付与する。
【0086】
図3は、本発明の高圧放電ランプ点灯装置の一実施形態における消灯時間に対するカウンタ初期値の関係を決定するテーブルデータを示すグラフである。
【0087】
図4は、同じく横軸を時間的に拡大して示すグラフである。
【0088】
各図において、横軸は消灯時間[秒]を、縦軸はカウンタ初期値を、それぞれ示す。上記の関係は、点灯する高圧放電ランプの特性により左右されるので、ここでは実験によりテーブルデータを求め、それをグラフ化したものである。
【0089】
(カウンタCTについて)
カウンタCTは、点灯検出部LDの検出出力に基づいて後記直流点灯時間タイマDVTおよび目標ランプ電力演算回路TOに初期値を送出する。
カウンタ動作を開始するが、初期値設定回路IVSの出力であるカウンタ初期値に応じて、予め動作時間がテーブルデータとしてメモリに記憶していて、カウンタ初期値に応じて決定される直流電圧印加時間の間動作を継続する。
【0090】
(直流点灯時間タイマDVTについて)
直流点灯時間タイマDVTは、点灯検出部LDの検出出力に基づいて時間をカウント開始するが、カウンタ初期値に応じて予め直流点灯時間がテーブルデータとしてメモリに記憶されていて、カウンタ初期値により決定される直流点灯時間の間、切換手段SW2を図1において下側に切り換えているが、カウンタCTからのカウンタ出力が直流点灯加時間に達したときに、切換手段SW2を図1において上側に切り換える。
【0091】
図5は、本発明の高圧放電ランプ点灯装置の一実施形態におけるカウンタ初期値に対する直流電圧印加時間の関係を決定するテーブルデータを示すグラフである。
【0092】
図において、横軸はカウンタ初期値を、縦軸は直流点灯時間[m秒]を、それぞれ示す。上記の関係は、点灯する高圧放電ランプの特性により左右されるので、ここでは実験によりテーブルデータを求め、それをグラフ化したものである。
【0093】
<イグナイタIGについて>
イグナイタIGは、慣用の構成であり、電源スイッチSW1が投入されることにより動作を開始して、所要の始動パルスを発生する。発生した始動パルスは、後述する高圧放電ランプHPLに印加される。
【0094】
<高圧放電ランプHPLについて>
高圧放電ランプHPLは、図6および図7に示す構造を備えている。
【0095】
図6は、本発明の高圧放電ランプ点灯装置の一実施形態における高圧放電ランプを示す縦断面図である。
【0096】
図7は、同じく各部の寸法を説明するために放電容器の内部を模式的に示す模式図である。
【0097】
すなわち、高圧放電ランプHPLは、放電容器1、封着金属箔2、外部リード線3および放電媒体を備えて構成されている。
【0098】
(放電容器1について)
放電容器1は、石英ガラス製の気密容器1aおよび一対の電極1bからなる。気密容器1aは、中空の紡錘形状に成形されてなり、その両端に一対の細長い封止部1a1を一体に備えているとともに、内部に細長い円柱状の放電空間1cが形成されている。電極1bは、タングステン製で、電極軸1b1および径大部1b2を備えており、電極軸1b1の基端が封止部1a1に埋設されることによって所定の位置に支持されている。径大部1b2は、電極軸1b1と一体に形成されている。また、電極軸1b1の基部は、封止部1a1内において、封着金属箔2の一端に溶接されている。
【0099】
(封着金属箔2について)
封着金属箔2は、モリブデン箔からなり、気密容器1aの封止部1a1内に気密に封着されている。
【0100】
(外部リード線3について)
外部リード線3は、先端が封着金属箔に溶接され、基端が放電容器1から外部へ露出している。
【0101】
(放電媒体について)
放電媒体は、放電容器1内に封入されていて、発光金属のハロゲン化物および希ガスが封入されている。発光金属のハロゲン化物は、ナトリウムNa、スカンジウムScおよび希土類金属のハロゲン化物からなる。希ガスは、キセノンが封入されている
次に、図7を参照して放電容器1の各部の寸法について説明する。
【0102】
電極1b、1bの間の中心軸上の距離を電極間距離L(mm)とし、その中央寄り80%の中に位置する放電空間1cの最大内径をD(mm)とし、最大肉厚をt(mm)とする。そして、D/Lを0.25〜1.50、またt/Lを0.16〜1.10の範囲に設定している。
【0103】
上記のように構成されているメタルハライドランプは、安定点灯時にランプ電力100W以下で点灯することができる。点灯中液化状態で放電空間1cの内面に付着したハロゲン化物Hは、図7に示すように、気密容器1aの中心から垂下した鉛直線l1に対して±80°以内の範囲に入っている。
【実施例1】
放電容器:中央部の外径6.5mm、最大内径4.5mm、電極間距離4.2mm、電極軸径0.4mm、長さ7mm、径大部の直径0.6mm、D/L約1.07、t/L0.24
放電媒体:発光金属のハロゲン化物−ScI0.2mg、NaI1.0mg、希ガスXe8気圧
定格ランプ電力:40W
<回路動作について>
(低温始動時の回路動作について)
この場合においては、前回の消灯時から十分に時間が経過しているため、高圧放電ランプHPLが少なくとも室温程度まで冷却している。この状態において、電源スイッチSW1が投入されると、直流点灯時間制御部DCCのカウンタCTが初期値設定回路IVSのカウンタ初期値を読む。ところが、図3から理解できるように、消灯時間タイマLOTの出力値が十分に大きいので、カウンタ初期値は0である。
【0104】
次に、カウンタ初期値に基づき、ランプ電力制御部LPCの目標ランプ電力演算回路TOが目標供給ランプ電力を図2に示すテーブルデータに基づいて120Wに設定する。また、切換手段SW2は、直流電圧印加時間タイマDVTにより、図1において下側に操作されている。このため、インバータDC/ACのスイッチング手段Q2およびQ5がオンし、Q3およびQ5がオフする。
【0105】
一方、電源スイッチSW1の投入により、スイッチングレギュレータDC/DCの入力端に直流電源DCの電圧が印加されるので、スイッチングレギュレータDC/DCは動作を開始し、スイッチングレギュレータDC/DCの昇圧された直流出力電圧がイグナイタIGに印加される。これにより、イグナイタIGは、高電圧の始動パルスを発生する。そして、始動パルスは、高圧放電ランプHPLに直流電圧とともに印加される。この始動パルスにより、高圧放電ランプHPLは、その電極間が絶縁破壊を起こして始動し、引き続いてアーク放電に転移して点灯する。
【0106】
高圧放電ランプHPLが点灯すると、スイッチングレギュレータDC/DCの直流出力電圧は、ほぼランプ電圧まで低下する。その結果、ランプ電圧検出部LVDは、この電圧低下をもって高圧放電ランプHPLが点灯したことを検出して、消灯時間タイマLOT、カウンタCTおよび直流点灯時間タイマDVTに通知する。この通知により、カウンタCTは、直流点灯時間タイマDVTにカウンタ初期値が0であったことを通知するとともに、カウントを開始する。
【0107】
一方、直流点灯時間タイマDVTは、CTから通知を受けると、カウンタからCT初期値の送出を受けると、図5に示すテーブルデータに基づいて、直流点灯時間を50m秒と決定し、その間切換手段SW2を上記の状態に維持する。なお、この場合の直流点灯時間を15m秒程度にすることもできる。
【0108】
他方、上記と同時にランプ電圧検出部LVDおよびランプ電流検出部LCDの検出出力が実ランプ電力演算回路AOに入力され、高圧放電ランプHPLのランプ電力にほぼ等しい値が実供給ランプ電力として演算される。そして、実供給ランプ電力と、目標ランプ電力演算回路TOから出力された目標供給ランプ電力とが差動増幅器DAに制御入力し、それらが比較演算される結果、差の電力に応じた制御信号が出力されてスイッチングレギュレータDC/DCのゲートドライブ信号発生回路GDGに制御入力する。ゲートドライブ信号発生回路GDGは、差動増幅器DAの出力に応じてゲートドライブ信号を差の電力が0になるようにPWM制御する。すなわち、目標供給ランプ電力に等しいランプ電力が高圧放電ランプHPLに供給される。なお、高圧放電ランプHPLの点灯後、カウンタCTのカウントの進行に伴って目標供給ランプ電力は、安定点灯に達した後には図2に示すテーブルデータに沿って徐々に低減していき、定格ランプ電力に落ち着く。
【0109】
そうして、高圧放電ランプHPLが点灯し、定格ランプ電力40Wの3倍である120Wのランプ電力が初期供給ランプ電力として供給され、50msの間直流点灯することにより、放電容器1の内部温度が急激に上昇し、これに伴って放電媒体の金属ハロゲン化物の蒸発が活発になり、発光効率が上昇するとともに、発生光量が増大して、図8に示すように、点灯開始4秒間で安定点灯時の光束の80%以上に到達する。しかし、カウンタCTは、カウント動作を開始してカウントアップするので、図2のテーブルデータに基づいて目標ランプ電力が順次更新され、次第に安定状態へと移行していく。そして、短時間で安定時の発光光量に落ち着く。安定した後は、発光光量が一定に維持される。
【0110】
図8は、本発明の高圧放電ランプ点灯装置の一実施形態における点灯時間に対する発光光量の関係を示すグラフである。
【0111】
図において、横軸は点灯時間[秒]を、縦軸は安定点灯時を100%とする発光光量[%]を、それぞれ示す。なお、図において、点灯時間0秒の時点にパルス状の強い発光が現れているのは、始動パルスの印加により高圧放電ランプHPLが始動した瞬間を示している。
【0112】
(高温始動時の回路動作について)
この場合は、高圧放電ランプHPLが短時間(以下、5秒間として説明する。)消灯して再始動されるようなときである。このため、消灯前の点灯による余熱で相当な高温状態にあり、金属蒸気圧も高い。
【0113】
したがって、消灯時間タイマLOTの出力値が5[秒]なので、図4から理解できるように、初期値設定回路IVSはカウンタ初期値18をカウンタCTに与える。
【0114】
一方、目標ランプ電力演算回路TOは、カウンタCTからカウンタ初期値18が通知されるので、図2に示すテーブルデータに基づいて点灯初期の目標供給ランプ電力を52Wに設定する。
【0115】
他方、電源スイッチSW1のオンによりスイッチングレギュレータDC/DCの直流出力電圧によってイグナイタIGが動作して始動パルスが発生すると、高圧放電ランプHPLが始動して点灯する。点灯すると、ランプ電圧検出部LVDがそれを検出して、カウンタCT、消灯時間タイマLOTおよび直流電圧印加時間タイマDVTに通知する。
【0116】
カウンタCTは、この通知を受けると、カウント動作を開始するとともに、カウンタ初期値を直流点灯時間タイマDVTおよび目標ランプ電力演算回路TOに送出する。そして、目標ランプ電力演算回路TOは、上述のように点灯初期の目標供給ランプ電力を52Wに設定するので、高圧放電ランプHPLは52Wで点灯開始する。しかし、カウンタCTは、カウント動作を開始してカウントアップするので、図2のテーブルデータに基づいて目標ランプ電力が順次更新され、次第に安定状態へと移行していく。
【0117】
ところで、直流点灯時間タイマDVTは、初期値を元にして時間をカウントし、図5に示す入出力特性が予め付与されているので、直流点灯時間を300m秒と決定する。なお、この場合の直流点灯時間を100m秒程度にすることもできる。直流点灯時間が終了すると、直流点灯時間タイマDVTは切換手段SW2を図において上側に切り換える。これにより、インバータDC/ACが動作するので、交流が発生して高圧放電ランプHPLに印加され、以後高圧放電ランプHPLは交流点灯を行う。
【0118】
そして、直流点灯時間の経過に伴って順次目標供給ランプ電力を図2のテーブルデータに基づいて低減していき、定格ランプ電力に収斂していく。
【0119】
図9は、本発明の高圧放電ランプ点灯装置の一実施形態における消灯時間と初期供給ランプ電力および直流点灯時間との関係を概念的に示すグラフである。
【0120】
図において、横軸は消灯時間を、縦軸は初期供給ランプ電力および直流点灯時間を、それぞれ示す。図において、曲線Aは初期供給ランプ電力、曲線Bは直流点灯時間を、それぞれ示す。
【0121】
図から理解できるように、初期供給ランプ電力と直流点灯時間とは、消灯時間に対して相反的な関係にあり、これが本発明における特徴の1つである。
【0122】
図10は、本発明の高圧放電ランプ点灯装置の一実施形態における実施例の初期供給ランプ電力と点灯時間の関係を示すグラフである。
【0123】
図において、横軸は初期供給ランプ電力(W)を、縦軸は直流点灯時間(秒)を、それぞれ示す。なお、図において、曲線Cはランプ1を、曲線Dはランプ2を、それぞれ示す。
【0124】
図11は、本発明の自動車用ヘッドライト装置の一実施形態を示す斜視図である。
【0125】
図12は、同じく高圧放電ランプを示す正面図である。
【0126】
各図において、11はヘッドライト装置本体、12は高圧放電ランプ、13A、13Bは高圧放電ランプ点灯装置である。
【0127】
ヘッドライト本体11は、前面透過パネル11a、リフレクタ11b、11c、ランプソケット11dおよび取付部11eなどから構成されている。前面レンズ11aは、自動車の外面と合わせた形状をなし、所要の光学的手段たとえばプリズムを備えている。リフレクタ11b、11cは、各高圧放電ランプ12ごとに配設されていて、それぞれに要求される配光特性を得るように構成されている。ランプソケット11dは、高圧放電ランプ点灯装置の出力端に接続し、高圧放電ランプ12の口金12dに接続する。取付部11eは、ヘッドライト装置本体11を自動車の所定の位置に取り付けるための手段である。
【0128】
高圧放電ランプ12は、発光管12a、外管12b、リード線12cおよび口金12dなどから構成されている。発光管12aは、図6および図7に示す構造を備え、一方の端部で口金12dに指示されている。外管12bは、発光管12aの外側を包囲している。リード線12cは、発光管12aの他方の端部から導出され、発光管12aに沿って口金に接続している。なお、12c1は、絶縁チューブである。口金12dは、ヘッドライト装置本体11のリフレクタ11b、11cに、その背面から装着されるとともに、口金12dの背面からランプソケット11dを接続する。そうして、2灯の高圧放電ランプ12がヘッドライト装置本体11に装着されて、4灯式のヘッドライト装置が構成される。各高圧放電ランプ12の発光部は、ヘッドライト装置本体11のリフレクタ11b、11cの焦点にほぼ位置する。
【0129】
高圧放電ランプ点灯装置13A、13Bは、それぞれ図1に示す構成を備えていて、金属製容器13a内に収納されているとともに、高圧放電ランプ12を付勢して点灯させる。
【0130】
【発明の効果】
請求項1ないし6の各発明によれば5〜15気圧の希ガスおよび金属ハロゲン化物を含み水銀を本質的に含まない高圧放電ランプを点灯手段により始動時に直流点灯し、所定時間後交流点灯に切り換えるに当たり、低温始動時には定格ランプ電力より大きいランプ電力を高圧放電ランプに供給し、かつ、直流点灯を相対的に短時間とし、高温始動時には定格ランプ電力に近いランプ電力を高圧放電ランプに供給し、かつ、直流点灯を相対的に長時間とするように制御手段によって点灯手段を制御することにより、光束立ち上がりが短縮するとともに、寿命短縮を生じない高圧放電ランプ点灯装置を提供することができる。
【0131】
請求項2の発明によれば、加えて消灯時間の増加に応じて直流点灯時間を減少し、かつ、供給ランプ電力を定格ランプ電力に近い値から増加するように制御手段によって点灯手段を制御することにより、低温時と高温時の中間における始動時においても光束立ち上がりが短縮されるとともに、寿命短縮を生じないで、しかも制御の自動化が容易であり、したがって自動車のヘッドライト装置に好適な高圧放電ランプ点灯装置を提供することができる。
【0132】
請求項3の発明によれば、加えて制御手段が低温始動時に定格ランプ電力の約3倍のランプ電力を高圧放電ランプに供給するように点灯手段を制御することにより、低温時に水銀を含まない高圧放電ランプを早い光束立ち上がりで始動する高圧放電ランプ点灯装置を提供することができる。
【0133】
請求項4の発明によれば、加えて制御手段が低温始動時の直流点灯時間を数十m秒に、また高温始動時の直流点灯時間を数百m秒になるように点灯手段を制御することにより、光束立ち上がりが早く、しかも寿命短縮を生じにくくするのに好適な直流点灯時間が設定された高圧放電ランプ点灯装置を提供することができる。
【0134】
請求項5の発明によれば、加えて交流電圧の周波数が100Hz〜2kHzであることにより、自動車用ヘッドライト装置に用いられるようなサイズの高圧放電ランプにおいては、音響的共鳴現象および明るさのちらつきが生じない高圧放電ランプ点灯装置を提供することができる。
【0135】
請求項6の発明によれば、加えて制御手段が、消灯時間に対する目標供給ランプ電力を予め記憶しておき、消灯時間に応じて目標供給ランプ電力を決定し、かつ、高圧放電ランプに供給される実供給ランプ電力を演算して、目標供給ランプ電力との差に応じて実供給ランプ電力を調節するとともに、高圧放電ランプの消灯時間に対する直流点灯時間を予め記憶しておき、これに基づいて消灯時間に応じて直流点灯時間を決定し、所定の直流点灯時間になったときに高圧放電ランプを交流点灯に切り換えることにより、高圧放電ランプの光束立ち上がりが早くなるとともに、寿命短縮を回避し、しかもこれらの制御を自動的に行う高圧放電ランプ点灯装置を提供することができる。
【0136】
請求項7の発明によれば、加えて水銀を含まない高圧放電ランプを備えた高圧放電ランプ点灯装置を提供することができる。
【0137】
請求項8の発明によれば、請求項1ないし6の効果を有する自動車用ヘッドライト装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高圧放電ランプ点灯装置の一実施形態を示す回路図
【図2】本発明の高圧放電ランプ点灯装置の一実施形態における初期値に対する目標供給ランプ電力の関係を示すグラフ
【図3】本発明の高圧放電ランプ点灯装置の一実施形態における消灯時間に対するカウンタ初期値の関係を決定するテーブルデータを示すグラフ
【図4】同じく横軸を時間的に拡大して示すグラフ
【図5】本発明の高圧放電ランプ点灯装置の一実施形態におけるカウンタ初期値に対する直流電圧印加時間の関係を決定するテーブルデータを示すグラフ
【図6】本発明の高圧放電ランプ点灯装置の一実施形態における高圧放電ランプを示す縦断面
【図7】同じく各部の寸法を説明するために放電容器の内部を模式的に示す模式図
【図8】本発明の高圧放電ランプ点灯装置の一実施形態における点灯時間に対する発光光量の関係を示すグラフ
【図9】本発明の高圧放電ランプ点灯装置の一実施形態における消灯時間と初期供給ランプ電力および直流点灯時間との関係を概念的に示すグラフ
【図10】本発明の高圧放電ランプ点灯装置の一実施形態における実施例の初期供給ランプ電力と点灯時間の関係を示すグラフ
【図11】本発明の自動車用ヘッドライト装置の一実施形態を示す斜視図
【図12】同じく高圧放電ランプを示す正面図
【符号の説明】
AO…実ランプ電力演算回路
C1…電解コンデンサ
C2…平滑コンデンサ
CC…制御手段
CT…カウンタ
D1…ダイオード
DA…差動増幅回路
DC…直流電源
DC/AC…インバータ
DC/DC…スイッチングレギュレータ
DVT…直流点灯時間タイマ
GDC1…ゲートドライブ回路
GDC2…ゲートドライブ回路
GDC3…ゲートドライブ回路
GDC4…ゲートドライブ回路
GDG…ゲートドライブ信号発生回路
HPL…高圧放電ランプ
IBS…初期値設定回路
IG…イグナイタ
LCD…ランプ電流検出部
LOT…消灯時間タイマ
LPC…ランプ電力制御部
LVD…ランプ電圧検出部
N…反転回路
OC…点灯手段
OSC…矩形波発振回路
Q1…スイッチング手段
Q2…スイッチング手段
Q3…スイッチング手段
Q4…スイッチング手段
Q5…スイッチング手段
SW1…電源スイッチ
SW2…切換手段
T…出力トランス
TO…目標ランプ電力演算回路
wp…1次巻線
ws…2次巻線
Y…非反転回路

Claims (8)

  1. 5〜15気圧の希ガスおよび金属ハロゲン化物を含み水銀を本質的に含まない高圧放電ランプを直流および交流のいずれか一方を選択して付勢可能な点灯手段と;始動時には点灯手段により高圧放電ランプを直流点灯し、所定時間後交流点灯に切り換えるとともに、低温始動時には定格ランプ電力より大きいランプ電力を高圧放電ランプに供給し、かつ、直流点灯を相対的に短時間とし、高温始動時には定格ランプ電力に近いランプ電力を高圧放電ランプに供給し、かつ、直流点灯を、前記低温始動時の点灯時間よりも相対的に長時間とするように点灯手段を制御する制御手段と;を具備していることを特徴とする高圧放電ランプ点灯装置。
  2. 希ガスおよび金属ハロゲン化物を含み水銀を本質的に含まない高圧放電ランプを直流および交流のいずれか一方を選択して付勢可能な点灯手段と;高圧放電ランプにその始動時には直流点灯し、所定時間後交流点灯に切り換えるとともに、ランプの消灯時間の増加に応じて直流点灯時間を減少し、かつ、供給ランプ電力を定格ランプ電力に近い値から増加するように点灯手段を制御する制御手段と;を具備していることを特徴とする高圧放電ランプ点灯装置。
  3. 制御手段は、低温始動時に定格ランプ電力の約3倍のランプ電力を高圧放電ランプに供給するように点灯手段を制御することを特徴とする請求項1または2記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  4. 制御手段は、低温始動時の直流点灯時間を数十m秒に、また高温始動時の直流点灯時間を数百m秒になるように点灯手段を制御することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  5. 交流電圧の周波数は、100Hz〜2kHzであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  6. 制御手段は、消灯時間に対する目標供給ランプ電力を予め記憶しておき、消灯時間に応じて目標供給ランプ電力を決定し、かつ、高圧放電ランプに供給される実供給ランプ電力を演算して、目標供給ランプ電力との差に応じて実供給ランプ電力を調節するとともに、高圧放電ランプの消灯時間に対する直流点灯時間を予め記憶しておき、これに基づいて消灯時間に応じて直流点灯時間を決定し、所定の直流点灯時間になったときに高圧放電ランプを交流点灯に切り換えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  7. 希ガスおよび金属ハロゲン化物を含み水銀を本質的に含まない高圧放電ランプを具備していることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一記載の高圧放電ランプ点灯装置。
  8. 自動車用ヘッドライト装置本体と;自動車用ヘッドライト装置本体に配設された請求項7記載の高圧放電ランプ点灯装置と;を具備していることを特徴とする自動車用ヘッドライト装置。
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