JP4557069B2 - 有機elディスプレイおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機発光層を備えて構成される有機EL素子を有した、有機EL(有機エレクトロルミネセンス)ディスプレイおよびその製造方法に関するものである。
近年、自発光型フラットパネルディスプレイのニーズが高まっており、様々なディスプレイ表示装置の開発が盛んに行われている。特に、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)、有機ELディスプレイなどの開発が精力的に進められており、なかでも、自発光型で高精細の表示も可能である方式のものとして有機ELディスプレイが注目され、盛んにその研究開発がなされている。
有機ELは、文献「Appl.Phys.Lett.51,913(1987) 」に示されるように、酸化インジウムスズ(ITO)/有機正孔輸送層/有機発光層/陰極という素子構造を持つものがC.W.Tangらによって1987年に提案されたことをきっかけにして、一層広く研究開発がなされるようになってきている。
一般にXYマトリクス型の有機ELディスプレイは、図8に示すようにガラス等からなる透明基板1の表面にデータラインとなるストライプ状の陽極配線部2…が形成され、この上に正孔輸送層、有機蛍光体層(有機発光層)などからなる有機層3…がストライプ状に形成され、さらにこの上に金属等からなるストライプ状の陰極配線部4…が形成されて構成されたものである。陽極配線部2…と陰極配線部4…とは互いに直交して配置されており、この交差部において有機EL素子が構成されている。有機層3…は、通常陰極配線部4…と同じマスクを用いてパターニングされるため、陰極配線部4…と同一の平面視形状に形成されている。
陽極配線部2…は、図9に示すように発光エリア(透光部)、非発光エリア共に同一の透明導電材料からなっており、したがって単純なストライプの繰り返しパターンに形成されたものとなっている。すなわち、データラインは、通常陽極として機能する透明電極部分を含んだ状態で一体に形成されるのである。
なお、陰極配線部4…上には、通常有機層3の劣化を防ぐため、絶縁材料等からなる保護膜(図示略)が形成されている。
ところで、このようなマトリクス型の有機ELディスプレイでは、前述したように陽極として機能する透明電極部分を含んだ状態でデータライン(陽極配線部2…)を形成するため、有機ELからの発光を取り出す透明電極(陽極)として例えば酸化インジウムスズ(ITO)を用いると、当然データライン、すなわち非発光エリアの部分についてもこのITOで形成することになる。
ところが、透明導電材料としては低抵抗であるITOも、その電気抵抗率は1×10-4Ωcm程度であり、通常の金属材料に比べるとその電気抵抗率が1〜2桁高いものとなっている。
しかして、大電流を用いて駆動する電流駆動型のデバイスである有機ELディスプレイでは、電気抵抗の高い材料によって配線(データライン)を形成すると、その配線抵抗と電流の積に対応する電位降下が生じ、配線自体に大きな電圧が印加されてしまう。すると、その分有機EL自体に有効な電圧が印加されないことになり、消費電力のロスを招いてしまう。
例えば、対角20インチで一画素が100μm×300μmの高精細有機ELディスプレイを想定した場合、データラインをITOのみで作製すると、データライン1本あたりの配線抵抗は、データラインの線幅を100μm、膜厚を150nm、ストライプ長を30cmと仮定すると、2×104 Ωとなる。なお、膜厚を150nmとしたのは、光線透過率との兼ね合いでこれをあまり厚くすることができないからである。
また、有機ELディスプレイを高輝度で光らせるため、電流密度が1A/cm2 の電流を一画素に流すとすると、データライン1本あたり3×10-4Aの電流が必要となる。このとき、画面中心部での電圧降下は、
V(電圧降下)=I(配線を流れる電流)×R(配線抵抗)
の式より、3Vと推算される。
そして、全てのデータラインについて推算すると、全白ピーク時での画面全体の配線抵抗による電力損失は、数Wにも及んでしまう。この電力は全て熱になってしまうので、耐熱性の低い有機ELディスプレイにとっては、その寿命や信頼性に関して極めて不利になってしまうのである。
近年、フラットパネルディスプレイは特に大画面化の方向で開発が盛んになっており、有機ELディスプレイも大型化が期待されている。しかしながら、大画面化すると、前述の理由によってデータラインまたは走査ラインの配線抵抗が高くなってしまい、消費電力の増大が避けられなくなってしまう。
また、各画素を電圧駆動しようとすると、ドライバー(電源)からの距離の遠い画素では、距離が近い画素に比べて表示が暗くなるという、シェーディングと呼ばれる表示品位の不良が生じてしまう。電流駆動を行う場合にはこの限りではないが、その場合、ドライバー回路が複雑になって高コスト化を招くといった別の問題が起きてしまう。
なお、高抵抗の配線材料を用いた場合での、消費電力の増大の問題については、電圧駆動、電流駆動のいずれにおいても同様に起こる。
近年、情報の高密度化、多様化に伴い、有機ELディスプレイにおいても低電力損失でかつ高精細、多色化(フルカラー化)などの高表示品位のものが要求されてきている。しかしながら、従来では陽極側の配線抵抗の低減化が行われておらず、電気抵抗の高い透明電極材料によってそのまま配線(データライン)が形成されていることから、ディスプレイパネルの大面積化および省電力化は困難な状況であった。
すなわち、消費電力増大の問題が、大画面ディスプレイを実現するうえでの大きな障壁となっているのである。
解決しようとする問題点は、消費電力増大の問題が、大画面ディスプレイを実現するうえでの大きな障壁となっている点である。
本発明は、高表示品位でありかつ大面積、低消費電力の有機ELディスプレイを可能にする。
本発明の有機ELディスプレイは、透明基板上に、陽極配線部と、少なくとも有機発光材料からなる層を有した有機層と、陰極とをこの順に備えた有機EL素子が複数形成されてなり、記陽極配線部は、ストライプ状に形成された透明導電材料部と、当該透明導電材料部上に形成された金属材料部とを備え、この金属材料部は、記有機層で発光した光を透過する透光部上が開口され、かつ非発光エリアを覆うようにパターニングされており、電気抵抗率2×10-5Ωcm以下の金属材料からなり記陽極配線部の側壁部を覆った状態で隣り合う陽極配線部間に、無機絶縁膜が形成されており、前記有機層は、RGBの3色のパターンを有し、それぞれのパターンが記陽極配線部の長さ方向に沿って上記透光部上で記透明電極材料部に接しており、上記陽極配線部における上記透光部の幅方向および長さ方向のスケールファクターがそれぞれ、80%以上かつ90%以下の値となっているものである。
本発明の有機ELディスプレイの製造方法は、透明基板上にストライプ状の透明導電材料部を複数並列した状態に形成する工程と、記透明導電材料部を覆って、電気抵抗率2×10 -5 Ωcm以下の金属材料からなる金属層を形成する工程と、記金属層を、発光エリアとしての透光部上を開口して上記透明導電材料部を露出させるようにパターニングして金属材料部を形成することにより上記透明導電材料部と上記金属材料部とからなる陽極配線部を形成する工程と、記陽極配線部の側壁部を覆った状態で隣り合う陽極配線部間に、無機絶縁膜を形成する工程と、記陽極配線部上に有機層を形成する工程と、記陽極配線部と直交するようにストライプ状の陰極配線部を形成する工程とを順に有し、記有機層としてRGBの3色のパターンを有するようにすると共に、それぞれのパターンが記陽極配線部の長さ方向に沿って上記透光部上で記透明電極材料部に接するように各パターンを形成し、上陽極配線部における上記透光部の幅方向および長さ方向のスケールファクターをそれぞれ、80%以上かつ90%以下の値とするようにしたものである。
本発明の有機ELディスプレイおよびその製造方法では、陽極配線部の透光部となる部分透明導電材料により形成されると共に、透光部でない非発光エリアの部分電気抵抗率2×10-5Ωcm以下の金属材料により形成されるため、陽極配線部全体を透明導電材料で形成していた従来に比べ、陽極側の配線抵抗が大幅に低減する。また、無機絶縁膜が形成されることにより、陽極配線部と陰極との間の電気的な短絡防止される
本発明の有機ELディスプレイおよびその製造方法によれば、陽極配線部の透光部となる部分を透明導電材料により形成すると共に、透光部でない非発光エリアの部分を電気抵抗率2×10-5Ωcm以下の金属材料により形成するようにしたので、陽極配線部全体を透明導電材料で形成していた従来に比べ、陽極側の配線抵抗の大幅に低減することができ、これにより優れた表示品位を確保しつつ、大面積化および省電力化を図ることができる。また、無機絶縁膜を形成することにより短絡を防止することができるので、高い信頼性を得ることができる。
以下、本発明の有機ELディスプレイを詳しく説明する。
図1(a)、(b)は本発明の有機ELディスプレイの一実施形態例であるRGB方式によるフルカラーのXYマトリクス型有機ELディスプレイを示す図であり、図1(a)中符号10はXYマトリクス型有機ELディスプレイである。なお、図1(b)は、図1(a)におけるB−B線の矢印方向に見た平面図である。
この有機ELディスプレイ10は、透明ガラスからなる透明基板11の表面にデータラインとなるストライプ状の陽極配線部12…が形成され、この上に正孔輸送層、有機蛍光体層(有機発光層)などからなるストライプ状の有機層13…が形成され、さらにこの上に走査ラインとなるストライプ状の陰極配線部(陰極)14…が形成されて構成されたものである。陽極配線部12…と陰極配線部14…とは、XYマトリクスを形成すべく互いに直交して配置されており、このような構成のもとに、陽極配線部12…と陰極配線部14…との交差部においては、陽極(陽極配線部12)、有機層13、陰極(陰極配線部14)からなる有機EL素子が形成されている。
陽極配線部12は、本例においてはストライプ状に形成された透明導電材料部12Aと、この透明導電材料部12Aの所定位置を覆う金属材料部12Bとによって構成されたもので、図1(b)に示すように有機EL素子における有機層13で発光した光を透過する透光部(発光エリア)12aと、透光部でない非発光エリア(非透光部)12bとからなるハイブリッド型の配線方式をとるものである。透光部12aは、有機EL素子において陽極として機能するもので、後述するように前記金属材料部12Bが開口したことによって有機層13に接するよう構成されたものである。この透光部12aは、酸化インジウムスズ(ITO)や酸化スズ(SnO2 )、酸化亜鉛(ZnO)等の導電性の高い透明導電材料から形成されるものであり、本例では酸化インジウムスズによって形成されている。
一方、非発光エリア12bは、本例では透光部12aを除く箇所、すなわち非透光部にて前記透明導電材料部12Aを金属材料部12Bで覆うことによって形成されたものであり、したがって透明導電材料部12Aと金属材料部12Bとの積層構造によって形成されたものである。金属材料部12Bを形成する金属材料としては、表1に示すような2×10-5Ωcm以下の低抵抗率の材料が好適に用いられる。なお、本例においては、安価で比較的低抵抗の材料であるAlが用いられている。また、これら以外の金属材料、あるいはこれら金属の複数以上からなる合金、さらにはこれら金属が積層されてなる多層膜であっても、2×10-5Ωcm以下の低抵抗率であれば本発明において使用可能である。
Figure 0004557069
前記有機層13…は、赤色を発光する赤色有機層と、緑色を発光する緑色有機層と、青色を発光する青色有機層とが同じ繰り返し順序に並列されて構成されたものである。各色の有機層は、前記陽極配線部12の上にこれの長さ方向に沿って形成されたもので、透光部12a上においてこれに接した状態に形成されたものである。これら有機層13…については、その材料の種類、構成、膜厚、色素のドーピング形態等について特に限定されることはない。例えば、緑色を発光する有機層13としては、正孔輸送層としてTPDやα−NPDなどが形成され、電子輸送層かつ発光層としてAlq3等が形成された2層構造のものが用いられるが、これに限定されることはない。また、発光色によっては、Alq3に適当な色素をドーピングされて用いられる。
陰極配線部14…は一般にAlによって形成されており、本例においてもAlによって形成されている。なお、この陰極配線部14…の形成材料として他に例えば、AlにLiを適当な方法でドーピングした材料や、Mg−Ag系の合金など周期律表第IIa族系アルカリ土類金属含有の合金を用いることもできる。これらはいずれも仕事関数の低い材料であり、発光のしきい値電圧を下げる効果を有している。
陰極配線部14…上には、有機層13…の劣化を防ぐため、絶縁材料等からなる保護膜(図示略)が形成されている。
このような構成の有機ELディスプレイ10を作製するには、まず、図2(a)に示すようにガラス等からなる透光性(すなわち透明)の透明基板11を用意し、この透明基板11の上に透明導電材料層(図示略)を成膜する。そして、この透明導電材料層をストライプ状、すなわちXYマトリクスタイプのディスプレイにおけるデータラインのパターン形状にパターニングし、透明導電材料部12A…を複数並列した状態に形成する。ここで、透明導電材料層の成膜法としては、DCおよびRFマグネトロンスパッタ法が一般的であるが、CVD法や反応性真空蒸着法等を採用することもできる。また、透明導電材料層のパターニング方法についても特に限定されることなく、ドライエッチング法、ウエットエッチング法のいずれも採用可能である。
次に、透明導電材料部12A…を覆って透明基板11上にAlからなる低抵抗金属層を形成し、さらにこれを図1(b)に示したように透光部12a上を開口し透明導電材料部12Aを露出した状態にパターニングして図2(b)に示すように金属材料部12Bを形成し、これにより透光部12aと非発光エリア12bとからなるハイブリッド型配線方式の陽極配線部12…を得る。低抵抗金属層のパターニング方法については特に限定されないものの、得られた金属材料部12Bの上に形成される陰極配線部14…の断線の抑制や、陰極配線部14と陽極配線部12との間のショート防止のため、透光部(発光エリア)12a周辺のAl(金属材料部12B)の側端部については、上から下に行くに連れて陽極配線部12の幅が広がるようにテーパ状にエッチングすることが望ましい。
次いで、有機正孔輸送膜(図示略)や有機蛍光体膜(図示略)等の積層膜(図示略)からなる発光材料層(図示略)の成膜、およびこれのパターニングをR(赤)、G(緑)、B(青)のそれぞれについて順次行い、図2(c)に示すように赤色を発光する有機層13、緑色を発光する有機層13、青色を発光する有機層13をそれぞれ所定パターン、すなわち陽極配線部12上においてこれの長さ方向に沿い、かつ透光部12a上において透明導電材料部12Aに接したパターンに形成する。
これら有機層13については、前述したようにその材料の種類、構成、膜厚、色素のドーピング形態等について特に限定されることはなく、また成膜法については、材料として低分子有機発光材料を用いた場合、通常は真空蒸着法が採用される。したがって、ディスプレイパネルを多色化にするべく、赤色、緑色、青色の三種類の有機層を形成するには、真空蒸着による成膜時に、蒸着マスクを用いて所定の場所のみに特定の発光材料を成膜するようにし、これを複数回(3回)繰り返してRGBのパターンをそれぞれに形成すればよいのである。
次いで、図1(a)に示したように前記陽極配線部12…、有機層13…に直交するストライプ状の陰極配線部14…を形成する。この陰極配線部14…の配線パターニングとしては、該陰極配線部14…がXYマトリクスの走査線として用いられるようにして行う。これら陰極配線部14…の形成方法としては、マスクを用いてパターン形成する真空蒸着法が好適に採用されるが、他にスパッタ法などを用いることもできる。
その後、有機層13…が空気中の酸素や水分に触れないようにこれらを保護するため、例えば低温で低ダメージの成膜が可能な材料によってオーバーコート用の保護膜を形成することなどにより、本発明の有機ELディスプレイ10を得る。
このような構成の有機ELディスプレイ10にあっては、陽極配線部12の透光部12aとなる部分を透明導電材料部12Aで形成し、 透光部12aでない非発光エリア12bを透明導電材料部12Aと電気抵抗率2×10-5Ωcm以下の金属材料部12Bとの積層膜によって形成したので、陽極配線部全体を透明導電材料で形成していた従来に比べ、陽極側の配線抵抗を大幅に低減することができる。
このような配線抵抗の低減効果について以下に詳述する。
有機ELディスプレイ10の一画素あたりの陽極配線部12の平面図を図3に示す。
図3に示すように、一画素あたりの配線長をL、陽極配線部12の幅をW、陽極配線部12における透光部12aのスケールファクターをx(<1)とする(便宜上、幅方向のスケールファクターと長さ方向のスケールファクターとを同一にする。したがって透光部12aの面積は陽極配線部12の面積のx2 倍となる)と、このときの配線抵抗は以下のように推算される。
陽極配線部12に用いられたITO(透明導電材料部12A)の抵抗率および低抵抗金属材料(金属材料部12B)の抵抗率をそれぞれρITO およびρM とすると、
ρM =α・ρITO (ただし、α≪1)となる。
また、ITOの膜厚と低抵抗金属の膜厚とを同じとする。
このとき、陽極配線部12における一画素ピッチあたりの配線抵抗RH と、ITOのみによる一画素ピッチあたりの配線抵抗RITO との比を求めると、
(RH /RITO )=α・{1−x+/(1−x+α・x)}
となる。
ITOの抵抗率を1×10-4Ωcmとし、メタル材料の抵抗率を2×10-6Ωcmとすると、α=0.02となる。
本発明による陽極配線部12の配線抵抗低減効果を表す一例として、このときの(RH /RITO )のITOのスケールファクターx依存性を図4に示す。
図4に示すように、xを90%にすると、配線抵抗RH はITOのみの場合(RITO )の15.4%になる。さらに、80%に縮小すると7.%となり、配線抵抗RH が1桁以上低下することになる。したがって、この配線抵抗の低下に伴って消費電力のロスも1桁以上低下することになるのである。
なお、これよりxを小さな値にしてさらに配線抵抗を低減しようとしても、図4に示すように大きな変化、すなわち大きな効果がなくなる。よって、極端にxを小さくするのは、かえって発光エリア(透光部12a)における電流密度を上げることになり、これが有機EL材料の劣化の原因ともなるので好ましくない。
以上は、画素部のみについて推算した結果であるが、ドライバー部への引出し配線にも低抵抗の金属材料を用いれば、さらなる抵抗の低減化を図ることができる。
なお、本発明は前記実施形態例に限定されることなく、例えば陽極配線部12の形態についても種々のバリエーションが可能である。
例えば、陽極配線部のパターンとして、図5に示すように、透光部20aを陽極配線部20の片側に配置し、その反対側およびこれら透光部20a、20a間を金属材料部20Bで覆ってなる非発光エリア20bとしてもよい。
また、図6(a)、(b)に示すように、予め透明導電材料をストライプ状でなく発光エリアのみに残るようにアイランド化して島状の透明導電材料部21Aを配列形成し、これら透明導電材料部21A、21A間およびその両側部を覆った状態に金属材料部21Bを形成し、陽極配線部21としてもよい。
また、金属材料部を形成する材料として耐熱性の高い金属材料を用いるならば、図7(a)、(b)に示すようにこの材料を透明基板11上に成膜し、続いてこれをパターニングして画素発光エリア(透光部)を窓あけ(開口)した低抵抗金属からなる金属材料部22Bに形成し、その後、この上にITO等からなる透明導電材料部22Aを形成して陽極配線部22としてもよい。
この場合にも、図7(a)に示したように透明導電材料部22Aを下地となる金属材料部22Bに沿ってストライプ状に形成してもよく、また、図7(b)に示したように発光エリア(透光部)のみとなるようにアイランド化して島状に形成してもよい。
また、前記実施形態例では陽極配線部12上に直接有機層13を形成したが、陽極(陽極配線部12)と陰極(陰極配線部14)との間の電気的な短絡を防止するため、特に陽極配線部12の側端部を覆った状態で隣り合う陽極配線部12、12間に、シリコン酸化物(SiOx )、シリコン窒化物(Six y )、シリコン酸窒化物(SiOx y )、アルミニウム酸化物(Alx y )等の無機絶縁材料からなる無機絶縁膜を形成してもよく、このように無機絶縁膜を形成すれば、短絡防止により高い信頼性を得ることができる。
また、前記実施形態例では透明基板11として透明ガラスを用いたが、本発明は透明基板としてその材質や厚さ、サイズについて特に限定されることなく、例えば、透光性のあるポリエステルフィルムのような有機高分子材料を透明基板に用いてもよい。
また、前記実施形態例では、特にRGB3色をもつフルカラーディスプレイについて延べたが、発光色についてもこれに限定されることはない。
また、有機層13および陰極配線部14のパターニング方法についても、マスク蒸着による方法以外に、リソグラフィー技術とドライエッチング技術によるパターニング法など、従来公知の種々の技術が採用可能である。
(a)、(b)は本発明の有機ELディスプレイの一実施形態例を示す図であり、(a)は有機ELディスプレイの発光エリアの概略構成を示す要部側断面図、(b)は(a)におけるB−B線の矢印方向に見た平面図である。 (a)〜(c)は、図1に示した有機ELディスプレイの製造方法を工程順に説明するための要部側断面図である。 図1に示した有機ELディスプレイの、一画素あたりの陽極配線部を示す平面図である。 (RH /RITO )と透光部のスケールファクターxとの関係を示すグラフ図である。 本発明の変形例を示す図であって、陽極配線部のパターンを示す平面図である。 本発明の変形例を示す図であって、(a)は一画素あたりの陽極配線部を示す平面図、(b)は一画素あたりの陽極配線部を示す側断面図である。 (a)、(b)はいずれも本発明の変形例を示す図であって、一画素あたりの陽極配線部をその幅方向で断面視したときの側断面図である。 従来の有機ELディスプレイの一例の概略構成を示す要部側断面図である。 従来の有機ELディスプレイにおける陽極配線部のパターンを示す平面図である。
符号の説明
10…有機ELディスプレイ、11…透明基板、12,20,21,22…陽極配線部、12A,21A,22A…透明導電材料部、12B,20B,21B,22B…金属材料部、12a,20a…透光部、12b,20b…非発光エリア、13…有機層、14…陰極配線部

Claims (3)

  1. 透明基板上に、陽極配線部と、少なくとも有機発光材料からなる層を有した有機層と、陰極とをこの順に備えた有機EL素子が複数形成されてなり、
    前記陽極配線部は、ストライプ状に形成された透明導電材料部と、当該透明導電材料部上に形成された金属材料部とを備え、
    前記金属材料部は、前記有機層で発光した光を透過する透光部上が開口され、かつ非発光エリアを覆うようにパターニングされており、電気抵抗率2×10-5Ωcm以下の金属材料からなり
    前記陽極配線部の側壁部を覆った状態で隣り合う陽極配線部間に、無機絶縁膜が形成されており
    前記有機層は、RGBの3色のパターンを有し、それぞれのパターンが前記陽極配線部の長さ方向に沿って前記透光部上で前記透明電極材料部に接しており
    前記陽極配線部における前記透光部の幅方向および長さ方向のスケールファクターがそれぞれ、80%以上かつ90%以下の値である
    有機ELディスプレイ。
  2. 前記金属材料がAg、Al、Cu、Au、Ni、Co、Fe、Mo、Nb、Pd、Ptのうちの一種あるいは複数種である
    請求項1記載の有機ELディスプレイ。
  3. 透明基板上にストライプ状の透明導電材料部を複数並列した状態に形成する工程と、
    前記透明導電材料部を覆って、電気抵抗率2×10 -5 Ωcm以下の金属材料からなる金属層を形成する工程と、
    前記金属層を、発光エリアとしての透光部上を開口して前記透明導電材料部を露出させるようにパターニングして金属材料部を形成することにより前記透明導電材料部と前記金属材料部とからなる陽極配線部を形成する工程と、
    前記陽極配線部の側壁部を覆った状態で隣り合う陽極配線部間に、無機絶縁膜を形成する工程と、
    前記陽極配線部上に有機層を形成する工程と、
    前記陽極配線部と直交するようにストライプ状の陰極配線部を形成する工程と
    を順に有し、
    前記有機層としてRGBの3色のパターンを有するようにすると共に、それぞれのパターンが前記陽極配線部の長さ方向に沿って前記透光部上で前記透明電極材料部に接するように各パターンを形成し、
    前記陽極配線部における前記透光部の幅方向および長さ方向のスケールファクターをそれぞれ、80%以上かつ90%以下の値とする
    有機ELディスプレイの製造方法。
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Citations (9)

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