JP4556259B2 - 液晶組成物および液晶表示素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネマチック液晶組成物および液晶表示素子に関する。さらに詳しくは、スーパー・ツイスト・ネマチック(STN)表示方式を用いた液晶表示素子に好適に使用される液晶組成物、およびこの液晶組成物を用いた液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示方式には、ツイスト・ネマチック(TN)方式、スーパー・ツイスト・ネマチック(STN)方式、アクティブ・マトリックス方式などの表示方式が提案され、次々に実用化されてきた。これらの中で、T.J.Schefferらにより提案された(Appl.Phys.Lett.,45(10),1021(1984))上下の基盤における液晶分子の配向を180〜270°にツイストさせたSTN方式は、パーソナル・コンピューターなどの液晶表示素子として採用されてきた。
近年、STN方式は、屋外で使用されることの多い携帯用の情報端末、例えば、電子手帳、小型のノート型パソコンなどの液晶表示素子として、使用されるようになってきている。
【0003】
STN方式に求められる一般的な特性は、下記の(1)〜(4)項であったが、屋外で使用されるSTN方式に用いられる液晶材料には、さらに、下記の(5)(6)および(7)項の特性が要求されるようになった。
(1)液晶表示素子のコントラストを高くするために、液晶組成物の電圧対透過率曲線(V−T曲線)の急峻性(γ)を極力1に近い値とすること。
(2)液晶表示素子の表示速度(応答速度)を速くするために、液晶組成物の粘度(η)を極力小さくすること。
(3)液晶表示素子のコントラストを最適にするために、液晶組成物の屈折率異方性(Δn)は、液晶表示素子のセル厚に応じて適当な値をとり得ること。
(4)液晶表示素子を使用する環境の温度を広げるために、液晶組成物は、広い温度範囲でネマチック相を示すこと。
(5)液晶表示素子を駆動させるための電源であるバッテリーを小型化するために、液晶組成物のしきい値電圧(Vth)を小さくすること、および液晶組成物のしきい値電圧の温度依存性(δ)を小さくすること。
(6)液晶組成物の劣化を防止して、液晶表示素子の表示品質を半永久的に保つために、液晶組成物は、熱および紫外線に対して安定性が高いこと。
(7)低温領域(−10℃以下)における表示を可能にするため、低温領域における誘電率異方性(Δε)の周波数依存性を小さくすること、すなわち、より高周波領域まで一定のΔεの値をとり得ること(後述のF10の値が大きいこと)。
【0004】
しきい値電圧が比較的小さく、しきい値電圧の温度特性が比較的良好な(すなわち温度依存性が小さい)STN方式に用いられる液晶組成物として、特開平7−300582、特開平7−300585および特開平7−300584などに記載の組成物が挙げられる。
しかしながら、これらに開示された液晶組成物は、本願の比較例で示すように、熱および紫外線に対する安定性が悪いという欠点を有する。また、WO96/11897には、アクティブマトリックス方式およびSTN方式をはじめ種々のモードにおける低電圧用液晶化合物として、大きい誘電率異方性を有すると共に著しく低粘性である新規な液晶性化合物およびこれを含有する液晶組成物の提供することを目的として示されている。ここで、結合基に−CF2O−を有し、かつ末端基に3,5−ジフルオロ−4−シアノフェニルを有する化合物を含有した組成物が開示されている(組成物例19〜22)。この中の組成物例19は、本願発明の組成物に類似したものであるが、本願の比較例で示すように、まだ急峻性が悪く、しきい値電圧が高く、しきい値電圧の温度依存性が大きいという欠点を有する。
【0005】
このように、液晶組成物について種々検討されているが、屋外で使用されるSTN表示方式用の液晶組成物には、上記の(1)〜(4)の特性に加えさらに上記の(5)および(6)の特性をも満足することが要求されるのが現状である。
さらに、携帯電話などの用途は、表示容量の拡大を目指して、高デューティ化が図られている。したがって実際の駆動周波数はだんだん高くなってきている。駆動周波数が高くなるにつれて、低温における液晶分子の運動が電圧の周波数変化に追随できなくなるので、尾引き現象が起こったり、コントラスト低下によって表示ができなくなったりするという深刻な問題が起きている。このような表示不良を回避するために、上記(7)項の低温領域におけるΔεの周波数依存性の優れた(周波数依存性の小さい)、すなわち、より高い周波数領域まで一定の(Δε)の値をとり得る液晶材料の要求がだんだんと強くなってきている。
特開平10−251186号明細書の実施例46、47および49には本願発明に極めて近似する液晶組成物が開示されているが、これらの組成物は後述の比較例で示されるように、上記(7)項の低温領域におけるΔεの周波数依存性を改善する要求という本願発明の課題を解決していない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、STN方式に求められる一般的な特性を満たしながら、特に、しきい値電圧を低く、かつその温度依存性を小さくし、熱および紫外線に対する安定性を高くし、さらに低温におけるΔεの周波数依存性の小さい液晶組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの課題を解決すべく種々の液晶化合物を用いた組成物を鋭意検討した結果、第一成分および第二成分という特定の二つ成分を含む組成物であり、さらにそれに含むその他の成分に特定の成分を除くことにより上記課題を解決することを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明の液晶組成物は、つぎの(1)〜(4)項で示される。
(1) 一般式(1)で表される化合物からなる第一成分、ならびに一般式(2−1)、(2−2)、(2−3)および(2−4)からなる群から選ばれた少なくとも一つの化合物からなる第二成分を含有し、その他の成分として誘電率異方性(Δε)5以上の値をもちかつ三つ以上の六員環を有する液晶化合物を含有しないことからなる液晶組成物
【化4】
Figure 0004556259
【化5】
Figure 0004556259
(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を表わし、基中の一つのメチレン基は、酸素原子または−CH=CH−により置き換えられていてもよく;R2、R3およびR4は、それぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基を表わし、基中の一つのメチレン基は酸素原子または−CH=CH−により置き換えられていてもよく、また、一つ以上の水素原子は、フッ素原子によって置換されていてもよく;R5は炭素数1〜10のアルキル基を表わし、基中の一つのメチレン基は酸素原子で置き換えられていてもよく;R6、R7およびR9はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基を表わし;R8は炭素数1〜10のアルキル基を表わし、基中の一つのメチレン基は酸素原子で置き換えられていてもよく; A1、A2、A3およびA5はそれぞれ独立にトランス−1,4−シクロヘキシレン基または1,4−フェニレン基を表わし;A4は1,4−フェニレン基または1〜4個のFで置換された1,4−フェニレン基を表わし;Z1は−C≡C−または単結合を表わし;mおよびnはそれぞれ独立に0または1の整数であり;X1、X2、X3、X4およびX5はそれぞれ独立にHまたはFを表わす。)。
【0009】
(2) 液晶組成物の全重量に対して、5〜50%の第一成分および10〜85%の第二成分を含有することからなる前記(1)項に記載の液晶組成物。
【0010】
(3) 一般式(3)で表される化合物からなる第三成分を含有することからなる前記(1)および(2)項のいずれか1項に記載の液晶組成物
【化6】
Figure 0004556259
(式中、R10は炭素数1〜10のアルキル基を表わし、基中の一つのメチレン基は−O−または−CH=CH−により置き換えられてもよく;A6はトランス−1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基または1〜4個のFで置換さた1,4−フェニレン基を表わし;Z2は−COO−、−C24−または単結合を表わし;X6およびX7はそれぞれ独立にHまたはFを表わす。)。
【0011】
(4) 液晶組成物の全重量に対して、5〜50%の第一成分、10〜85%の第二成分および5〜40%の第三成分を含有する前記(3)項に記載の液晶組成物。
【0012】
本発明の液晶表示素子は、つぎの(5)項で示される。
(5) 前記(1)〜(4)項のいずれか一項に記載された液晶組成物を含有することからなる液晶表示素子。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の液晶組成物を構成する第一成分に使用する好ましい化合物として、以下の一般式(1−1)〜(1−9)で表される化合物が挙げられる。
【0014】
【化7】
Figure 0004556259
【0015】
【化8】
Figure 0004556259
これらの式でR1は前記と同じであるが、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基または炭素数2〜10のアルケニル基である。
【0016】
本発明の液晶組成物を構成する第二成分に使用する一般式(2−1)、(2−2)、(2−3)および(2−4)の化合物について説明する。
【0017】
式(2−1)の化合物としては、以下の式(2−1−1)〜(2−1−4)ので表わされる化合物が好ましく用いられる。
【化9】
Figure 0004556259
これらの式においてR2およびR3は前記と同様であるが、好ましくはR2が炭素数1〜10のアルキル基または炭素数2〜10のアルケニル基、R3は炭素数1〜10のアルキル基もしくはアルコキシ基、または炭素数2〜10のアルコキシメチル基もしくはアルケニル基で、tは0〜8の整数である。
【0018】
式(2−2)の化合物としては、式(2−2−1)または(2−2−2)で表わされる化合物が好ましく用いられる。
【化10】
Figure 0004556259
これらの式でRおよびRは前記と同様であるが、好ましくはRが炭素数1〜10のアルキル基または炭素数2〜10のアルケニル基であり、Rは炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシ基アルコキシメチル基または炭素数2〜10のアルケニル基であり、tは0〜8の整数である。
【0019】
式(2−3)の化合物としては、式(2−3−1)または式(2−3−2)で表される化合物が好ましく用いられる。
【化11】
Figure 0004556259
これらの式で、R6およびR7は前記と同様であるが、好ましくはそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基である。
【0020】
式(2−4)の化合物としては、式(2−4−1)または式(2−4−2)で表される化合物が好ましく用いられる。
【化12】
Figure 0004556259
これらの式で、R8およびR9は前記と同様であるが、好ましくはそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基または炭素数2〜10のアルコキシメチル基である。
【0021】
本発明の液晶組成物を構成する第三成分である一般式(3)で表される化合物としては、以下の式(3−1)〜(3−11)で表される化合物が好ましく用いられる。
【0022】
【化13】
Figure 0004556259
【0023】
【化14】
Figure 0004556259
これらの式で、R10は前記と同様であるが、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基または炭素数2〜10のアルコキシメチル基である。
【0024】
以下に、本発明の液晶組成物を構成する化合物の好ましい成分比およびその理由について説明する。
本発明の液晶組成物における第一成分の含有量は、組成物の全重量に対して5〜50%が好ましい。5%より少ないと本発明の目的である液晶組成物の熱または紫外線に対する安定性の維持、低いしきい値電圧、その小さな温度依存性、さらに低温領域におけるΔεの周波数依存性の改善効果(周波数依存性が小さくなる)が得られない場合があり好ましくない。また、第一成分の混合割合が50%を超えると、液晶組成物の粘度が大きくなったり、また、透明点(NI点)が低下する場合があっったりして好ましくない。
【0025】
第二成分の含有量は液晶組成物の全重量に対して10〜85%が好ましい。10%より少ないと、本発明の目的である液晶組成物の粘度を極力小さくするという効果が得られない場合があり、また、混合割合が 85%を超えると、液晶組成物のしきい値電圧が高くなる場合があって好ましくない。
【0026】
本発明の組成物において、第三成分を用いる場合、その含有量は液晶組成物の全重量に対して5〜40%が好ましい。5%より少ないと本発明の目的である液晶組成物のしきい値電圧をさらに小さくするという効果が得られない。また、混合割合が40%を超えると、得られる液晶組成物のネマチック相下限温度が高くなる場合があり好ましくない。
【0027】
本発明の液晶組成物は、前記の第一、第二および第三成分以外に他の成分の液晶化合物を必要に応じて含有するすることができるが、その際、他の成分として5以上の誘電率異方性(Δε)を有する三つ以上の六員環からなる液晶化合物を除くことが大きな特徴である。
その他の成分として、この特定の液晶化合物を含有させないことにより、特に低温領域における誘電異方性(Δε)の周波数依存性を改善されるという効果が得られ、前記の第一成分および第二成分、または第一成分、第二成分および第三成分より得られる低いしきい値電圧とその温度依存性小さい、粘度(η)が低いなどの本願発明の特性が維持(発揮)できる。
本発明の液晶組成物に除く必要のある5以上の誘電率異方性(Δε)を有する三つ以上の六員環からなる液晶化合物の具体的な化合物としては、つぎのような化合物をあげることができる。
【0028】
【化15】
Figure 0004556259
【0029】
【化16】
Figure 0004556259
(ここで、Rは炭素数1〜10のアルキル基もしくはアルコキシ基、または炭素数2〜10のアルコキシメチル基もしくはアルケニル基である。)
【0030】
本発明の液晶組成物を構成する成分の化合物の機能について説明する。
本発明の第一成分である一般式(1)で表される化合物は、誘電率異方性が大きく、誘電率異方性の温度変化に対する変化率と弾性定数の温度変化に対する変化率がほぼ同じであり、熱および紫外線に対する安定性が非常に高いという特徴を有している。このため、本発明で一般式(1)で表される化合物は、液晶組成物の熱または紫外線に対する安定性を高く維持しながら、しきい値電圧を小さくし、しきい値電圧の温度依存性を小さくし、さらに、低温における誘電率異方性(Δε)の周波数依存性を改善するという機能を発揮する。
【0031】
本発明の第二成分である一般式(2−1)で表される化合物は、誘電率異方性がほぼ零であり、粘度が小さいという特徴を有している。このため、本発明において一般式(2−1)で表される化合物は、液晶組成物の粘度を小さくすると同時に液晶組成物のしきい値電圧を調整する目的で使用される。一般式(2−2)で表される化合物は、誘電率異方性がほぼ零または小さい正の値をとり、透明点が高く、粘度が小さいという特徴を有している。このため、本発明において一般式(2−2)で表される化合物は、液晶組成物の透明点を高くすると同時に粘度を小さくするし、しきい値電圧を調整するという働きをする。一般式(2−3)で表される化合物は、誘電率異方性がほぼ零の値をとり、透明点が高く、粘度が小さく、屈折率異方性が大きいという特徴を有している。このため、本発明で一般式(2−3)で表される化合物は、液晶組成物の透明点を高くすると同時に粘度を小さくし、さらに、液晶組成物の屈折率異方性としきい値電圧を調整するという目的で使用される。一般式(2−4)で表される化合物は、誘電率異方性がほぼ零の値をとり、透明点が特に高いという特徴を有している。このため、本発明において一般式(2−4)で表される化合物は、液晶組成物の透明点をさらに高くし、しきい値電圧を調整するという目的で使用される。
【0032】
本発明の第三成分である一般式(3)で表される化合物は、本発明の一般式(1)で表される化合物の誘電率異方性とほぼ同等の値もしくはそれより小さい値をとる。このため、本発明の一般式(3)で表される化合物は、液晶組成物のしきい値電圧をさらに小さくするという目的で使用される。
本発明は従来のSTN表示材料に求められる一般的な特性を満たしながら、特にしきい値電圧を低くし、しきい値電圧の温度特性を小さくし、熱および紫外線に対する安定性を高くし、さらに低温における誘電率異方性(Δε)の周波数依存性を改善するための、液晶組成物を達成することに意義がある。特に、低温における誘電率異方性の周波数依存性を改善するために、周波数依存性に好ましくない影響を与える、六員環三個以上から構成されるP型成分(Δεが正で大きい)を全て除いて、六員環2個のP型成分のみを用いて組成物を構成したところに特徴を有する。
【0033】
本願発明の液晶組成物を構成する各々の化合物は、つぎに示すような先行技術によって、またはそれらを参考にして調製することができる。
一般式(1)で表される化合物は、例えば一般式(1−3)や式(1ー9)で表される化合物はそれぞれ、WO96/11897や特願平9−72708にその合成法が記載されている。その外の式(1)の化合物もこれらに記載の方法を参考にして調製できる。
一般式(2−1)または(2−2)で表される化合物の中で、例えば、一般式(2−1−2)や(2−2−2)で表される化合物は特開平1−308239にその合成方法が記載されている。一般式(2−3)で表される化合物の中で、例えば一般式(2−3−1)で表される化合物は特開昭63−152334にその合成方法が記載されている。一般式(2−4)で表される化合物の中、例えば一般式(2−4−2)で表される化合物は特開平2−237949に合成法が記載されている。
一般式(3)で表される化合物の中、例えば一般式(3−2)や式(3−7)の化合物はそれぞれ、特開昭59−176240および特開平4−300861にそれぞれの合成法が記載されている。
【0034】
本発明の液晶組成物には、本発明の目的を害さない範囲で、誘電率異方性(Δε)5以上の値をもちかつ三つ以上の六員環を有する液晶化合物を除く、第一、第二および第三成分以外の液晶化合物を少量混合して使用することもできる。本発明の液晶組成物は、それ自体慣用な方法で調製される。一般には、種々の成分化合物を混合し、高い温度で互いに溶解させる方法がとられる。本発明の液晶組成物には、液晶分子のらせん構造を誘起して必要なねじれ角を得るためにキラルドープ剤を添加して使用することもできる。
【0035】
また、本発明の液晶組成物は、メロシアニン系、スチリル系、アゾ系、アゾメチン系、アゾキシ系、キノフタロン系、アントラキノン系およびテトラジン系の二色性色素を添加してゲストホストモードの液晶組成物としても使用することができるし、ポリマー分散型液晶表示素子、複屈折制御モード用および動的散乱モード用の液晶組成物としても使用することができる。
【0036】
【実施例】
実施例により本発明を詳細に説明する。本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。比較例および実施例に示した成分の混合割合は全て重量%を示す。比較例および実施例で用いられる化合物は、表1に示した定義に基づいて、記号により表わした。
【0037】
【表1】
Figure 0004556259
【0038】
液晶組成物の特性は、ネマチック液晶相の上限温度をTNI、ネマチック液晶相の下限温度をTC、粘度をη、屈折率異方性をΔn、しきい値電圧をVth、しきい値電圧の温度依存性をδ、熱に対する安定性をdH、紫外線に対する安定性をdUV、急峻性をγ、誘電率異方性(Δε)の周波数依存性をF10で表わした。
【0039】
ネマチック液晶相の上限温度TNIは、偏光顕微鏡を用いて、昇温過程において、ネマチック相から等方性液体相に変化するとき状態を観察して、その温度を測定することにより求めた。
【0040】
ネマチック液晶相の下限温度をTCは、0℃、−10℃、−20℃、−30℃および−40℃のそれぞれの温度に保ったフリーザー中に、液晶組成物を30日間放置し、結晶もしくはスメクチック相が出現するフリーザーの温度で判断した。例えば、一つの液晶組成物について、−20℃でネマチック状態をとり、−30℃で結晶化またはスメクチック状態となった場合には、その液晶組成物のTCは、<−20℃と表現した。
【0041】
粘度ηは、E型回転粘度計を用いて20℃で測定した。
【0042】
屈折率異方性Δnは、589nmの波長を有する光源ランプを使用し、アッベ屈折計を用いて25℃で測定した。
【0043】
しきい値電圧Vthは、25℃で測定したV−T曲線から求めた。
【0044】
しきい値電圧の温度依存性δは、20℃および50℃でVthを測定し、以下の式(a)より求めた。δの値が小さい程、しきい値電圧の温度依存性が小さいことを意味する。
δ(V/℃)=[Vth20(V)−Vth50(V)]/[50℃-20℃] (a)
式(a)中のVth50およびVth20はそれぞれ50℃および20℃におけるにおけるVthを表わしている。なお、20℃、25℃および50℃におけるそれぞれのVthは、セル厚が9.0μm、ツイスト角が80°のセルを用い、ノーマリーホワイトモードで、周波数が32Hzの矩形波を印加し、セルを通過する光の透過率が90%になったときに印加されている電圧の値とした。
【0045】
熱に対する安定性dHは、以下の式(b)より求めた。dHが小さい程、熱に対する安定性が高いことを意味する。
dH(μA)=Iha(μA)−Ihb(μA) (b)
式(b)中のIhaは加熱後の液晶組成物に流れる電流値を表し、Ihbは加熱前の液晶組成物に流れる電流値を表している。液晶組成物の加熱は、大気中にて、150℃で1時間行った。電流値は、液晶組成物の評価用セルを、二酸化珪素を斜方蒸着したガラス基盤を互いに対向させ、セル厚が10μmで、電極面積が1cm2のTNセルをつくり、このセルに評価用の液晶組成物を入れることにより作成し、このセルに3V、32Hzの矩形波を印加させて求めた。電流値の測定は25℃で行なった。
【0046】
紫外線に対する安定性dUVは、以下の式(c)より求めた。dUVが小さい程、紫外線に対する安定性が高いことを意味する。
dUV(μA)=Iuva(μA)−Iuvb(μA) (c)
式(c)中におけるIuvaは紫外線照射後の液晶組成物に流れる電流値を表わし、Iuvbは紫外線照射前の液晶組成物に流れる電流値を表わしている。
なお、液晶組成物への紫外線照射は、評価用のセル(上記で示した評価用のセルと同じ)に液晶組成物を封入して、このセルに、12mW/cm2のエネルギーを有する超高圧水銀ランプ[ウシオ電機(株)製]から放出される紫外光を20分間当てる方法で行なった(光源と被写体との距離は20cmである)。電流値は、上述した方法と同様に測定した。
【0047】
急峻性γは、以下の式(d)により求めた。γの値が1に近づく程、急峻性が高くなることを意味する。
γ = V20 / V80 (d)
式(d)におけるV20およびV80は、ノーマリーイエローモードで、セルを通過する光の透過率がそれぞれ20%および80%になったときに印加されている電圧の値を表している。V20およびV80の測定は、ツイスト角が240°、セル厚が(0.80/Δn)μmのセルを使用し、25℃にて、周波数70Hzの矩形波を印加することにより行なった。この測定で使用した液晶組成物は、液晶組成物100部に対して、カイラルドーパントとしてコレステリルノナノエートをセル厚dとねじれのピッチ長Pの比(d/P)が0.50になるように添加して調製した。
【0048】
誘電率異方性(Δε)の周波数依存性F10は、低周波数(100Hz)におけるΔεの値に対して、10%減少したΔε値をとる周波数とした。−20℃において測定し、低温領域における(Δε)の周波数依存性調べた。
図1に示されるように、誘電率異方性(Δε)は高周波数側になるにつれて減少する。F10の値が大きいことは、周波数依存性が小さい、すなわち、より高い周波数領域まで一定のΔεの値をとり得ることであり、周波数依存性が優れていることを意味する。
【0049】
実施例1
第一成分として一般式(1)から選ばれたつぎの化合物、
3−BCF2OB(F,F)−C 18%
および、第二成分として一般式(2−1)〜(2−4)から選ばれたつぎの化合物、
3−HH−4 10%
3−HB−O2 18%
3−HHB−1 10%
3−HHB−3 10%
3−HB(F)TB−2 6%
3−HB(F)TB−3 6%
3−HB(F)TB−4 6%
3−H2BTB−2 6%
3−H2BTB−3 6%
3−H2BTB−4 5%
を用いて液晶組成物を調製した。
【0050】
上記の組成物の特性は、以下のようになった。
NI = 89.4℃
C < −30℃
η = 15.6mPa・s
Δn = 0.143
th = 2.41V
δ = 0.002V/℃
dH = 0.03μA
dUV = 0.04μA
γ = 1.045
10 = 19000Hz
この組成物は、急峻性に優れ、しきい値電圧の温度依存性が小さく、熱および紫外線に対する安定性が高い。また、F10の値が大きく、低温における誘電率異方性(Δε)の周波数依存性が小さい、すなわちより高い周波数領域まで一定のΔεの値をとり得る、周波数依存性が優れたものである。
【0051】
実施例2
第一成分として一般式(1)から選ばれたつぎの化合物、
2−B(F)CF2OB(F)−C 4%
3−B(F)CF2OB(F)−C 5%
4−B(F)CF2OB(F)−C 4%
5−B(F)CF2OB(F)−C 4%
および、第二成分として一般式(2−1)〜(2−4)から選ばれたつぎの化合物、
3−HH−4 7%
3−HB−O2 19%
3−HHB−1 10%
3−HHB−3 13%
3−HB(F)TB−2 6%
3−HB(F)TB−3 6%
3−HB(F)TB−4 6%
3−H2BTB−2 6%
3−H2BTB−3 5%
3−H2BTB−4 5%
を用いて液晶組成物を調製した。
【0052】
上記組成物の特性は、以下のようになった。
NI = 95.8℃
C < −20℃
η = 14.8mPa・s
Δn = 0.142
th = 2.43V
δ = 0.003V/℃
dH = 0.03μA
dUV = 0.04μA
γ = 1.037
10 = 17500Hz
【0053】
実施例3
第一成分として一般式(1)から選ばれたつぎの化合物、
2−BCF2OB(F,F)−C 5%
3−BCF2OB(F,F)−C 5%
5−BCF2OB(F,F)−C 5%
第二成分として一般式(2−1)〜(2−4)から選ばれたつぎの化合物、
3−HHB−1 9%
3−HHB−3 10%
VFF2−HHB−1 20%
3−HB(F)TB−2 6%
3−H2BTB−2 5%
3−H2BTB−3 5%
1O1−HBBH−5 5%
および第三成分として一般式(3)から選ばれたつぎの化合物、
3O1−BEB(F)−C 5%
3−HB(F)−C 20%
を用いて液晶組成物を調製した。
【0054】
上記組成物の特性は、以下のようになった。
NI = 89.5℃
C < −30℃
η = 23.2mPa・s
Δn = 0.131
th = 1.52V
δ = 0.002V/℃
dH = 0.03μA
dUV = 0.04μA
γ = 1.048
10 = 7300Hz
【0055】
実施例4
第一成分として一般式(1)から選ばれたつぎの化合物、
2−B(F, F)CF2OB(F)−C 5%
3−B(F, F)CF2OB(F)−C 5%
V2−B(F, F)CF2OB(F)−C 5%
第二成分として一般式(2−1)〜(2−4)から選ばれたつぎの化合物、
3−HHB−1 5%
VFF−HHB−1 8%
VFF2−HHB−1 20%
3−HB(F)TB−2 6%
3−HB(F)TB−3 6%
3−H2BTB−2 5%
3−H2BTB−3 5%
1O1−HBBH−5 5%
および第三成分として一般式(3)から選ばれたつぎの化合物、
2−BEB(F)−C 5%
3−HB(F)−C 20%
を用いて液晶組成物を調製した。
【0056】
上記組成物の特性は、以下のようになった。
NI = 90.7℃
C < −30℃
η = 24.6mPa・s
Δn = 0.138
th = 1.54V
δ = 0.003V/℃
dH = 0.04μA
dUV = 0.04μA
γ = 1.046
10 = 6550Hz
【0057】
実施例5
第一成分として一般式(1)から選ばれたつぎの化合物、
3−BCF2OB−C 5%
3−BCF2OB(F)−C 5%
3−B(F, F)CF2OB−C 5%
第二成分として一般式(2−1)〜(2−4)から選ばれたつぎの化合物、
3−HHB−1 5%
VFF−HHB−1 8%
VFF2−HHB−1 20%
3−HB(F)TB−2 6%
3−HB(F)TB−3 6%
3−H2BTB−2 5%
3−H2BTB−3 5%
1O1−HBBH−5 5%
および第三成分として一般式(3)から選ばれたつぎの化合物、
2−B(F)EB(F)−C 5%
3−HB(F)−C 20%
を用いて液晶組成物を調製した。
【0058】
上記組成物の特性は、以下のようになった。
NI = 94.5℃
C < −30℃
η = 22.4mPa・s
Δn = 0.143
th = 1.58V
δ = 0.004V/℃
dH = 0.04μA
dUV = 0.04μA
γ = 1.039
10 = 6850Hz
【0059】
実施例6
第一成分として一般式(1)から選ばれたつぎの化合物、
3−BCF2OB(F,F)−C 5%
3−B(F)CF2OB(F,F)−C 5%
3−B(F,F)CF2OB(F,F)−C 5%
第二成分として一般式(2−1)〜(2−4)から選ばれたつぎの化合物、
5−HH−VFF 10%
3−HHB−1 5%
VFF−HHB−1 8%
VFF2−HHB−1 20%
3−HB(F)TB−2 6%
3−HB(F)TB−3 6%
3−H2BTB−2 5%
3−H2BTB−3 5%
1O1−HBBH−5 5%
および第三成分として一般式(3)から選ばれたつぎの化合物、
1V2−BEB(F,F)−C 5%
3−HB(F)−C 10%
を用いて液晶組成物を調製した。
【0060】
上記組成物の特性は、以下のようになった。
NI = 90.2℃
C < −30℃
η = 20.8mPa・s
Δn = 0.132
th = 1.49V
δ = 0.001V/℃
dH = 0.12μA
dUV = 0.18μA
γ = 1.048
10 = 8500Hz
【0061】
実施例7
第一成分として一般式(1)から選ばれたつぎの化合物、
3−BCF2OB(F,F)−C 10%
第二成分として一般式(2−1)〜(2−4)から選ばれたつぎの化合物、
3−HHB−1 5%
3−HHB−3 6%
VFF−HHB−1 10%
VFF2−HHB−1 20%
3−HB(F)TB−2 5%
3−H2BTB−2 5%
3−H2BTB−3 5%
1O1−HBBH−5 6%
および第三成分として一般式(3)から選ばれたつぎの化合物、
3−HB(F,F)−C 10%
3−HB(F)−C 18%
を用いて液晶組成物を調製した。
【0062】
上記組成物の特性は、以下のようになった。
NI = 88.7℃
C < −30℃
η = 22.5mPa・s
Δn = 0.130
th = 1.56V
δ = 0.002V/℃
dH = 0.03μA
dUV = 0.03μA
γ = 1.047
10 = 8750Hz
【0063】
以上、実施例において得られた組成物は、急峻性に優れ、しきい値電圧の温度依存性が小さく、熱および紫外線に対する安定性が高い。また、F10の値が大きく、低温における誘電率異方性(Δε)の周波数依存性が小さい、すなわちより高い周波数領域まで一定のΔεの値をとり得る、周波数依存性が優れたものである。
【0064】
比較例1
本願発明の組成物と類似の組成物として、WO96/11897の組成例19の組成物を調製した。
3−HBCF2OB(F,F)−C 6%
5−HBCF2OB(F,F)−C 6%
3−HB(F,F)CF2OB−C 6%
5−HB(F,F)CF2OB−C 6%
2O1−BEB(F)−C 2%
3O1−BEB(F)−C 8%
2−HB(F)−C 5%
3−HB(F)−C 7%
3−HHB(F)−C 3%
2−HHB(F)−F 5%
3−HHB(F)−F 5%
5−HHB(F)−F 5%
3−H2BTB−2 4%
3−H2BTB−3 4%
3−H2BTB−4 4%
3−HB(F)TB−2 4%
3−HB(F)TB−3 4%
3−HB(F)TB−4 4%
3−HHB−1 6%
3−HHB−3 3%
3−HHB−O1 3%
【0065】
上記組成物の特性は、以下のようになった。
NI = 97.7℃
C < −20℃
η = 38.4mPa・s
Δn = 0.141
th = 1.52V
δ = 0.013V/℃
dH = 0.05μA
dUV = 0.10μA
γ = 1.113
10 = 950Hz
また、上記液晶組成物のγは1.113であり、しきい値電圧の温度依存性が大きく、急峻性が悪い。また、F10の値は950Hzであり、実施例の組成物のF10の値より小さく、低温における誘電率異方性(Δε)の周波数依存性が大きく悪い。
【0066】
比較例2
本願発明の組成物と類似の組成物として、特開平10−251186号明細書の実施例46に記載のつぎの液晶組成物を調製した。
3−HBCF2OB(F,F)−C 5%
3−BCF2OB(F,F)−C 5%
3−H2B(F)CF2OB(F,F)−F 5%
1V2−BEB(F,F)−C 5%
3−HB−C 20%
1−BTB−3 5%
2−BTB−1 10%
3−HH−4 11%
3−HHB−1 7%
3−HHB−3 9%
3−H2BTB−2 4%
3−H2BTB−3 4%
3−H2BTB−4 4%
3−HB(F)TB−2 6%
【0067】
この組成物は以下の特性を示した。
NI = 74.7℃
C < −30℃
η = 15.2mPa・s
Δn = 0.146
th = 1.67V
δ = 0.018V/℃
dH = 0.15μA
dUV = 0.31μA
γ = 1.114
10 = 2500Hz
また、この組成物の γは1.114であり、しきい値電圧の温度依存性が大きく、急峻性が悪い。F10の値は2500Hzで小さく、低温における(Δε)の周波数依存性が悪い。
【0068】
比較例3
本願発明の組成物と類似の組成物として、特開平10−251186号明細書の実施例49に記載のつぎの液晶組成物を調製した。
3−BCF2OB(F,F)−C 5%
V2−BCF2OB(F,F)−C 5%
5−PyB−F 4%
3−PyB(F)−F 4%
2−BB−C 5%
4−BB−C 4%
5−BB−C 5%
3−PyB−2 2%
6−PyB−O5 3%
6−PyB−O6 3%
3−PyBB−F 6%
4−PyBB−F 6%
5−PyBB−F 6%
3−HHB−1 6%
3−HHB−3 8%
2−H2BTB−2 4%
2−H2BTB−3 4%
2−H2BTB−4 5%
3−H2BTB−2 5%
3−H2BTB−3 5%
3−H2BTB−4 5%
【0069】
この組成物は以下の特性を示した。
NI = 82.7℃
C < −20℃
η = 33.6mPa・s
Δn = 0.193
th = 1.82V
δ = 0.024V/℃
dH = 0.24μA
dUV = 0.45μA
γ = 1.203
10 = 800Hz
また、この組成物の γは1.203であり、しきい値電圧の温度依存性が大きく、急峻性が悪い。F10の値は800Hzで小さく、低温における(Δε)の周波数依存性が悪い。
【0070】
【発明の効果】
本発明によって、STN方式用に求められる一般的な特性を満たしながら、特に、低いしきい値電圧とその小さい温度依存性、および熱および紫外線に対する高い安定性を有し、かつ、低温における誘電率異方性(Δε)の周波数依存性の小さい、すなわちより高い周波数領域まで一定のΔεの値をとることができる液晶組成物が提供された。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における、−20℃における誘電率異方性の周波数依存性を示す図である。

Claims (5)

  1. 一般式(1−1)、(1−2)および(1−4)〜(1−9)からなる群から選ばれた少なくとも一つの化合物からなる第一成分、ならびに一般式(2−1)、(2−2)、(2−3)および(2−4)からなる群から選ばれた少なくとも一つの化合物からなる第二成分を含有し、その他の成分として誘電率異方性(Δε)5以上の値をもちかつ三つ以上の六員環を有する液晶化合物を含有しないことからなる液晶組成物
    Figure 0004556259
    Figure 0004556259
    Figure 0004556259
    Figure 0004556259
    (式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を表わし、基中の一つのメチレン基は、酸素原子または−CH=CH−により置き換えられていてもよく;R2、R3およびR4は、それぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基を表わし、基中の一つのメチレン基は酸素原子または−CH=CH−により置き換えられていてもよく、また、一つ以上の水素原子は、フッ素原子によって置換されていてもよく;R5は炭素数1〜10のアルキル基を表わし、基中の一つのメチレン基は酸素原子で置き換えられていてもよく;R6、R7およびR9はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基を表わし;R8は炭素数1〜10のアルキル基を表わし、基中の一つのメチレン基は酸素原子で置き換えられていてもよく; A1、A2、A3およびA5はそれぞれ独立にトランス−1,4−シクロヘキシレン基または1,4−フェニレン基を表わし;A4は1,4−フェニレン基または1〜4個のFで置換された1,4−フェニレン基を表わし;Z1は−C≡C−または単結合を表わし;mおよびnはそれぞれ独立に0または1の整数であり;X5はHまたはFを表わす。)。
  2. 液晶組成物の全重量に対して、5〜50%の第一成分および10〜85%の第二成分を含有することからなる請求項1記載の液晶組成物。
  3. 一般式(3)で表される化合物からなる第三成分を含有することからなる請求項1および2のいずれか1項に記載の液晶組成物
    Figure 0004556259
    (式中、R10は炭素数1〜10のアルキル基を表わし、基中の一つのメチレン基は−O−または−CH=CH−により置き換えられてもよく;A6はトランス−1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基または1〜4個のFで置換された1,4−フェニレン基を表わし;Z2は−COO−、−C24−または単結合を表わし;X6およびX7はそれぞれ独立にHまたはFを表わす。)。
  4. 液晶組成物の全重量に対して、5〜50%の第一成分、10〜85%の第二成分および5〜40%の第三成分を含有する請求項3記載の液晶組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載される液晶組成物を含有することからなる液晶表示素子。
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