JP3843480B2 - 液晶組成物および液晶表示素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明電極を有する2枚の基板で形成される密閉セル中に設けられた、少なくとも1種のカイラル添加物を含むネマチック液晶組成物およびその液晶組成物を用いた液晶表示素子に関する。
さらに詳しくはスーパーツイスト複屈折(STN)方式に好適な液晶組成物およびその液晶組成物を用いた液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子(LCD)の表示方式としてツイストネマチック(TN)方式、スーパーツイスト複屈折(STN)方式、アクティブマトリックス(AM−LCD)方式等が提案され、次々に実用化されてきた。これらの内、T.J.Scheffer等によって提案された(Appl.Phy.Lett.,45(10),1021(1984))上下の基盤における液晶分子の配向を180〜270゜にツイストさせたスーパーツイスト複屈折(STN)方式はパソコン、ワープロ等のLCDとして採用され、更に種々の特性改善が要求されるようになった。
このSTN方式の液晶表示素子に用いられる液晶組成物には、以下のような特性が求められる。
(1)液晶表示素子のコントラストを高めるために、電圧−透過率特性(急峻性)が急峻であること。
(2)屈折率異方性(Δn)の温度依存性による色つきの変化を少なくするために、ネマチック−等方性相の相転移温度(透明点)が高いこと。
(3)応答時間をできるだけ小さくするために、粘度(η)が小さいこと。
これらの特性のうち、近年特にカラー化への対応と動画への対応が強く要求されようになり、特に上記(1)及び(3)の特性改善が重要となってきた。
しかしながら、このような液晶組成物は鋭意検討されてはいるものの、常に改善を要求されているのが現状である。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】
本発明者らは、これらの課題を解決すべく種々の液晶化合物を用いた組成物を鋭意検討した結果、本発明の液晶組成物をSTN表示素子に使用する場合に、この目的を達成できることを見いだした。
以上の記述から明らかなように、本発明の目的は、上記STN表示方式に求められる種々の特性を満たしながら、特にカラー化に対応するために電圧−透過率特性(急峻性)の優れた液晶組成物および高速応答性に対応するために低粘度の液晶組成物を提供することにある。
【0004】
【発明を解決するための手段】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0005】
(1)第1成分として、一般式I−a、I−b
【化18】
(式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル基を示す。いずれにおいても基中の任意の1つまたは相隣接しない2つ以上のメチレン基(−CH2 −)は酸素原子(−O−)及び−CH=CH−によって置換されても良い。nは0〜20の整数を示す。)で表される化合物を少なくとも1種含有し、
第2成分として一般式II−a、II−b、II−c、II−d
【化19】
(式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル基を示す。いずれにおいても基中の任意の1つまたは相隣接しない2つ以上のメチレン基(−CH2 −)は酸素原子(−O−)及び−CH=CH−によって置換されても良い。nは0〜20の整数を示す。)で表される化合物を少なくとも1種含有し、
第3成分として一般式 III −a、III −b、III −c
【化20】
(式中、R2 は炭素数1〜10のアルキル基を示す。いずれにおいても基中の任意の1つまたは相隣接しない2つ以上のメチレン基(−CH2 −)は酸素原子(−O−)、及び−CH=CH−によって置換されても良い。Z0 は−COO−または−CH2 CH2 −を示し、Z1 は−CH2 CH2 −、−COO−または単結合を示し、Q1 はHまたはFを示し、A1 はトランス−1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレンまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルを示し、A2 およびA3 は各々独立してトランス−1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンを示し、p、qおよびmは各々独立して0または1を示す。)で表される化合物群から選択される一種またはそれ以上の化合物を含有することを特徴とする液晶組成物。
【0006】
(2)第1成分が液晶組成物の全重量に対して3〜50重量%であり、第2成分が3〜40重量%であり、第3成分が10〜60重量%であることを特徴とする前記(1)記載の液晶組成物。
【0007】
(3)第1成分として、一般式I−a、I−b
【化21】
(式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル基を示す。いずれにおいても基中の任意の1つまたは相隣接しない2つ以上のメチレン基(−CH2 −)は酸素原子(−O−)及び−CH=CH−によって置換されても良い。nは0〜20の整数を示す。)で表される化合物を少なくとも1種含有し、第2成分として一般式II−a、II−b、II−c、II−d
【化22】
(式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル基を示す。いずれにおいても基中の任意の1つまたは相隣接しない2つ以上のメチレン基(−CH2 −)は酸素原子(−O−)及び−CH=CH−によって置換されても良い。nは0〜20の整数を示す。)で表される化合物を少なくとも1種含有し、第3成分として一般式 III −a、III −b、III −c
【化23】
(式中、R2 は炭素数1〜10のアルキル基を示す。いずれにおいても基中の任意の1つまたは相隣接しない2つ以上のメチレン基(−CH2 −)は酸素原子(−O−)、及び−CH=CH−によって置換されても良い。Z0 は−COO−または−CH2 CH2 −を示し、Z1 は−CH2 CH2 −、−COO−または単結合を示し、Q1 はHまたはFを示し、A1 はトランス−1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレンまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルを示し、A2 およびA3 は各々独立してトランス−1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンを示し、p、qおよびmは各々独立して0または1を示す。)で表される化合物群から選択される一種またはそれ以上の化合物を含し、第4成分として、一般式IV、V、VI−a、および VI−b
【化24】
(式中、R3 およびR4 は各々独立して炭素数1〜10のアルキル基を示す。いずれにおいても基中の任意の1つまたは相隣接しない2つ以上のメチレン基(−CH2 −)は酸素原子、及び−CH=CH−によって置換されても良い。Bはトランス−1,4−シクロヘキシレン、ピリミジン−2,5−ジイルまたは1,4−フェニレンを示し、Cはトランス−1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンを示し、Z2 は−C≡C−、−COO−、−CH2 CH2 −、−CH=CH−、−CF=CF−または単結合を示す。)
【化25】
(式中、R5 は炭素数1〜10のアルキル基を示す。いずれにおいても基中の任意の1つまたは相隣接しない2つ以上のメチレン基(−CH2 −)は酸素原子(−O−)、及び−CH=CH−によって置換されても良い。R6 は炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシ基またはアルコキシメチル基を示し、Dはトランス−1,4−シクロヘキシレンまたはピリミジン−2,5−ジイルを示し、Eはトランス−1,4−シクロヘキシレンまたは側位の1つのHがFで置換されても良い1,4−フェニレンを示し、Gはトランス−1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンを示し、Z3 は−CH2 CH2 −または単結合を示し、Z4 は−C≡C−、−COO−、−CH=CH−または単結合を示す。)
【化26】
(式中、R7 は炭素数1〜10のアルキル基を示す。いずれにおいても基中の任意の1つまたは相隣接しない2つ以上のメチレン基(−CH2 −)は酸素原子(−O−)、及び−CH=CH−によって置換されても良い。R8 は炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシ基またはアルコキシメチル基を示し、Q2 はHまたはFを示す。)で表される化合物群から選択される化合物を少なくとも1種以上含有することを特徴とする液晶組成物。
【0008】
(4)第1成分が液晶組成物の全重量に対して3〜50重量%であり、第2成分が3〜40重量%であり、第3成分が10〜60重量%であり、第4成分が1〜60重量%であることを特徴とする前記(3)に記載の液晶組成物。
【0009】
(5)第1成分として、一般式I−a、I−b
【化27】
(式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル基を示す。いずれにおいても基中の任意の1つまたは相隣接しない2つ以上のメチレン基(−CH2 −)は酸素原子(−O−)及び−CH=CH−によって置換されても良い。nは0〜20の整数を示す。)で表される化合物を少なくとも1種含有し、第2成分として一般式II−a、II−b、II−c、II−d
【化28】
(式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル基を示す。いずれにおいても基中の任意の1つまたは相隣接しない2つ以上のメチレン基(−CH2 −)は酸素原子(−O−)及び−CH=CH−によって置換されても良い。nは0〜20の整数を示す。)で表される化合物を少なくとも1種含有し、第3成分として一般式 III −a、III −b、III −c
【化29】
(式中、R2 は炭素数1〜10のアルキル基を示す。いずれにおいても基中の任意の1つまたは相隣接しない2つ以上のメチレン基(−CH2 −)は酸素原子(−O−)、及び−CH=CH−によって置換されても良い。Z0 は−COO−または−CH2 CH2 −を示し、Z1 は−CH2 CH2 −、−COO−または単結合を示し、Q1 はHまたはFを示し、A1 はトランス−1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレンまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルを示し、A2 およびA3 は各々独立してトランス−1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンを示し、p、qおよびmは各々独立して0または1を示す。)で表される化合物群から選択される一種またはそれ以上の化合物を含し、第4成分として、一般式IV、V、VI−a、および VI−b
【化30】
(式中、R3 およびR4 は各々独立して炭素数1〜10のアルキル基を示す。いずれにおいても基中の任意の1つまたは相隣接しない2つ以上のメチレン基(−CH2 −)は酸素原子、及び−CH=CH−によって置換されても良い。Bはトランス−1,4−シクロヘキシレン、ピリミジン−2,5−ジイルまたは1,4−フェニレンを示し、Cはトランス−1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンを示し、Z2 は−C≡C−、−COO−、−CH2 CH2 −、−CH=CH−、−CF=CF−または単結合を示す。)
【化31】
(式中、R5 は炭素数1〜10のアルキル基を示す。いずれにおいても基中の任意の1つまたは相隣接しない2つ以上のメチレン基(−CH2 −)は酸素原子(−O−)、及び−CH=CH−によって置換されても良い。R6 は炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシ基またはアルコキシメチル基を示し、Dはトランス−1,4−シクロヘキシレンまたはピリミジン−2,5−ジイルを示し、Eはトランス−1,4−シクロヘキシレンまたは側位の1つのHがFで置換されても良い1,4−フェニレンを示し、Gはトランス−1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンを示し、Z3 は−CH2 CH2 −または単結合を示し、Z4 は−C≡C−、−COO−、−CH=CH−または単結合を示す。)
【化32】
(式中、R7 は炭素数1〜10のアルキル基を示す。いずれにおいても基中の任意の1つまたは相隣接しない2つ以上のメチレン基(−CH2 −)は酸素原子(−O−)、及び−CH=CH−によって置換されても良い。R8 は炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシ基またはアルコキシメチル基を示し、Q2 はHまたはFを示す。)で表される化合物群から選択される化合物を少なくとも1種以上含有し、第5成分として、一般式VII およびVIII
【化33】
(式中、R9 は炭素数1〜10のアルキル基を示し、Q3 はHまたはFを示し、kは0または1を示す。)
【化34】
(式中、R10は炭素数1〜10のアルキル基を示し、Jはトランス−1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンを示し、Q4 およびQ5 は各々独立してはHまたはFを示し、Z5 およびZ6 は各々独立して−COO−または単結合を示し、hは0、1または2を示す。)からなる群から選択される化合物を少なくとも1種以上含有することを特徴とする液晶組成物。
【0010】
(6)第1成分が液晶組成物の全重量に対して3〜50重量%であり、第2成分が3〜40重量%であり、第3成分が10〜60重量%であり、第4成分が1〜60重量%であり、第5成分が液晶組成物の全重量に対して1〜50重量%であることを特徴とする前記(5)記載の液晶組成物。
【0011】
(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の液晶組成物を用いてなる液晶表示素子。
【0012】
以下、本発明の液晶組成物を構成する液晶化合物について説明する。
本発明の一般式Iで表される化合物として、好ましくは以下の化合物を挙げることができる。
【0013】
【化35】
【0014】
(Rはアルキル基を示す。)
これらの化合物は特開平1−175947号公報および特開平1−308239号公報(EP0325796B)、特開平2−184642号公報(EP377469B1)によって公知されている。これらの化合物は誘電率異方性が弱い正の化合物で且つ屈折率異方性(Δn)が小さい化合物で主として粘度低下および急峻性改善の目的で使用される。
【0015】
本発明の第2成分である一般式II−a、II−b、II−c、II−dで表される化合物として、好ましい化合物の構造式と代表的な化合物の相転移温度を示す。
【0016】
【化36】
【化37】
【0017】
(Rはアルキル基を示す。)
これらの化合物は誘電率異方性が弱い正の化合物で且つ屈折率異方性(Δn)が△n>0. 1と大きな化合物であり、主としてネマチックレンジを広げる目的、あるいは粘度低下および急峻性改善の目的で使用される。
【0018】
本発明の第3成分である一般式III −a、III −bおよびIII −cで表される化合物として、好ましくは以下の化合物を挙げることができる。
【0019】
【化38】
【化39】
【0020】
(Rはアルキル基を示す。また、基中の任意の1つまたは相隣接しない2つ以上のメチレン基(−CH2 −)は−CH=CH−によって置換されても良い。)これらの化合物のなかでは、式(III −a−1)、(III −a−3)、(III −a−6)、(III −a−7)、(III −b−1)、(III −b−3)、(III −b−5)、(III −c−1)、(III −c−4)、(III −c−5)、(III −c−6)、(III −c−7)、(III −c−10)または(III −c−11)で表される化合物が本発明において特に好ましく用いられる。
これら第3成分の化合物は誘電率異方性が正の化合物で特にその値が大きく、主としてしきい値電圧を小さくする目的およびSTN特性として重要な急峻性を改善する目的で使用される。
【0021】
本発明の第4成分である一般式IV、V、VI−a、および VI−bで表される化合物として、好ましくは以下の化合物を挙げることができる。
【0022】
【化40】
【化41】
【0023】
【化42】
【化43】
【0024】
【化44】
【0025】
(RおよびR’は各々独立してアルキル基を示す。また、基中の任意の1つまたは相隣接しない2つ以上のメチレン基(−CH2 −)は−CH=CH−によって置換されても良い。)
【0026】
これら第4成分の中で、式(IV)で表される化合物としては、式(IV−1)、(IV−2)、(IV−4)、(IV−5)、(IV−6)、(IV−7)、(IV−8)、(IV−13)、(IV−14)、(IV−18)、(IV−19)または(IV−20)で表される化合物が本発明において特に好ましく用いられる。また、式(V)で表される化合物としては、式(V−1)、(V−2)、(V−5)、(V−9)、(V−11)、(V−12)、(V−14)または(V−15)で表される化合物が本発明において特に好ましく用いられる。一般式IV、V、VI−a、および VI−bの化合物は、誘電率異方性が負かまたは弱い正の化合物である。一般式IVの化合物は主として粘度低下および/またはΔn調整の目的で使用される。また、一般式Vの化合物は透明点を高くする等のネマチックレンジを広げる目的および/またはΔn調整、粘度調整の目的で使用される。一般式VI−aおよびVI−bの化合物は非常に透明点が高い。よって、透明点を高くする等のネマチックレンジを広げる目的および/またはΔn調整の目的で使用される。
【0027】
本発明の一般式VII およびVIIIで表される化合物として、好ましくは以下の化合物を挙げることができる。
【0028】
【化45】
【0029】
【化46】
【化47】
【0030】
(Rはアルキル基を示す。)
【0031】
一般式(VII )で表される化合物としては、式(VII −1)、(VII −2)または(VII −3)で表される化合物が本発明において特に好ましく用いられる。また、一般式(VIII)で表される化合物としては、式(VIII−1)、(VIII−5)、(VIII−6)、(VIII−7)、(VIII−8)、(VIII−9)、(VIII−10)、(VIII−11)、(VIII−12)、(VIII−13)、(VIII−14)、(VIII−15)、(VIII−16)または(VIII−18)で表される化合物が本発明において特に好ましく用いられる。
一般式VII 〜VIIIの化合物は誘電率異方性が正の化合物であり、特にしきい値電圧を小さくする目的やその温度依存性を改善する目的で使用される。また、粘度調整、Δn調整、透明点を高くする等のネマチックレンジを広げる目的にも使用される。
【0032】
本発明で使用される第1成分の使用量は、液晶組成物の全重量に対して3〜50重量%が好ましい。より好ましくは5〜40重量%が好ましい。3重量%未満だと主題の急峻性、高速応答性の効果が得にくいし、50重量%を超えると液晶組成物のしきい値電圧が大きくなり好ましくない。第2成分の使用量は3〜40重量%が好ましい。より好ましくは4〜35重量%が好ましい。3重量%未満だと主題の急峻性、高速応答性の効果が得にくいし、40重量%を超えると液晶組成物のしきい値電圧が大きくなり好ましくない。
第3成分の使用量は、液晶組成物の全重量に対して10〜60重量%が好ましい。10重量%未満だと液晶組成物のしきい値電圧が大きくなり好ましくない。60重量%を超えると液晶組成物の粘度が大きくなり好ましくない。第4成分の使用量は0〜60重量%が好ましい。より好ましくは0〜50重量%が好ましい。60重量%を超えると液晶組成物のしきい値電圧が大きくなり好ましくない。第5成分の使用量は0〜50重量%が好ましい。より好ましくは0〜40重量%が好ましい。
【0033】
本発明の液晶組成物は使用される液晶表示素子の目的に応じて、上記一般式I〜VII で表される化合物の他、しきい値電圧、ネマティックレンジ、Δn、誘電率異方性、粘度等を調整する目的で、他の化合物を本発明の目的を害さない範囲で適当量含有することができる。このような化合物の例として以下の化合物を挙げることができる。該化合物においてRは炭素数1〜10のアルキル基を示す。
【0034】
【化48】
【0035】
本発明に従い使用される液晶組成物は、それ自体慣用な方法で調整される。一般には、種々の成分を高い温度で互いに溶解させる方法がとられている。また、本発明の液晶材料は、適当な添加物によって意図する用途に応じた改良がなされ、最適化される。このような添加物は当業者によく知られており、文献等に詳細に記載されている。通常、液晶のらせん構造を誘起して必要なねじれ角を調整し、逆ねじれ(reversetwist)を防止するため、キラルドープ材(chiral dopant)などを添加する。
また、本発明に従い使用される液晶組成物は、メロシアニン系、スチリル系、アゾ系、アゾメチン系、アゾキシ系、キノフタロン系、アントラキノン系およびテトラジン系等の二色性色素を添加してゲストホスト(GH)モード用の液晶組成物としても使用できる。あるいは、ネマチック液晶をマイクロカプセル化して作製したNCAPや液晶中に三次元網目状高分子を作製したポリマーネットワーク液晶表示素子(PNLCD)に代表されるポリマー分散型液晶表示素子(PNLCD)用の液晶組成物としても使用できる。その他、複屈折制御(ECB)モードや動的散乱(DS)モード用の液晶組成物としても使用できる。
【0036】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。比較例、実施例の組成比は全て重量%または重量部で示される。また、比較例、実施例中の化合物の表記方法は表1に従う。
尚、240゜STNセル評価に関しては、セル厚dと屈折率異方性Δnとの積Δn・dが約0.85となるようにセル厚dを選択し、セル厚dと液晶組成物のピッチpの比d/pが約0.5となるように液晶組成物に対してカイラル化合物を添加した後、セルに注入した。
セル評価はイエローモードで行い、70Hzの矩形波で電圧−透過率特性(V−T特性)を測定した。透過率90%のときの電圧V90と透過率10%のときの電圧V10の比を急峻性V10/V90として評価した。
カイラル化合物として以下の構造式で示されるものを使用したが、本発明に用いることのできるカイラル化合物はこれらに限定されるものではない。
【0037】
【表1】
【0038】
【化49】
【0039】
比較例1
以下の組成物Aを調整した。
3−HB−C 24%
5−HB−C 36%
7−HB−C 25%
5−HBB−C 15%
この組成物A透明点はTNI=72.4(℃)、20℃における粘度はη20=27.0(mPa・s)、25℃における屈折率異方性はΔn=0.137、20℃における誘電率異方性はΔε=11.0、20℃におけるしきい値電圧はVth=1.78(V)であった。
【0040】
比較例2
比較例1の組成物A85重量部に式(I)に包含される次式の化合物を15重量部混合して液晶組成物を調整した。
3−HH−VFF
この液晶組成物の透明点はTNI=67.6(℃)、20℃における粘度はη20=20.2(mPa・s)、25℃における屈折率異方性はΔn=0.123、20℃における誘電率異方性はΔε=9.6、20℃におけるしきい値電圧はVth=1.74(V)であった。
この液晶組成物100重量部に対しカイラル化合物CM−33を0.80重量部添加した組成物を調整し、厚さd=6.9μmの240°STNセルに注入し、イエローモードでセル評価を行った。
70Hzの矩形波で電圧−透過率特性(V−T特性)を測定したところ、透過率90%のときの電圧V90=1.95(V)、透過率10%のときの電圧V10=2.50(V)、急峻性V10/V90=1.282であった。
【0041】
実施例1
1V2−BEB(F,F)−C 10%
3−HB−C 12%
3−HB−O2 6%
5−HH−VFF 20%
3−HHB−1 7%
3−H2BTB−2 5%
3−H2BTB−3 5%
3−H2BTB−4 4%
1−BHH−VFF 18%
1−BBH−VFF 13%
この液晶組成物の透明点はTNI=100.8(℃)、20℃における粘度はη20=16.7(mPa・s)、25℃における屈折率異方性はΔn=0.132、20℃における誘電率異方性はΔε=8.7、20℃におけるしきい値電圧はVth=2.05(V)であった。
この液晶組成物100重量部に対しカイラル化合物CM−33を0.56重量部添加した組成物を調整し、厚さd=5.9μmの240°STNセルに注入し、イエローモードでセル評価を行った。
70Hzの矩形波で電圧−透過率特性(V−T特性)を測定したところ、透過率90%のときの電圧V90=2.23(V)、透過率10%のときの電圧V10=2.42(V)、急峻性V10/V90=1.085であった。また、1/240duty1/16biasの電圧波形を使用し、駆動電圧27.6Vで応答時間(OFF状態からON状態への応答時間とON状態からOFF状態への応答時間との和)を測定したところ、τtotal =252(msec)であった。
比較例1および2の組成物に比べ透明点が高くなり、粘度が小さくなった。また、比較例2の組成物に比べ、急峻性が大きく改善された。
【0042】
実施例2
1V2−BEB(F,F)−C 11.5%
3−HB−C 4.5%
3−HB−O2 4%
5−HH−VFF 30%
3−HB(F)TB−2 4%
3−H2BTB−2 4%
3−H2BTB−3 4%
3−H2BTB−4 4%
1−BHH−VFF 19.5%
1−BBH−VFF 14.5%
この液晶組成物の透明点はTNI=100.7(℃)、20℃における粘度はη20=16.6(mPa・s)、25℃における屈折率異方性はΔn=0.132、20℃における誘電率異方性はΔε=8.0、20℃におけるしきい値電圧はVth=2.10(V)であった。
この液晶組成物100重量部に対しカイラル化合物CM−33を0.51重量部添加した組成物を調整し、厚さd=5.9μmの240°STNセルに注入し、イエローモードでセル評価を行った。
70Hzの矩形波で電圧−透過率特性(V−T特性)を測定したところ、透過率90%のときの電圧V90=2.30(V)、透過率10%のときの電圧V10=2.51(V)、急峻性V10/V90=1.091であった。また、1/240duty1/16biasの電圧波形を使用し、駆動電圧28.5Vで応答時間(OFF状態からON状態への応答時間とON状態からOFF状態への応答時間との和)を測定したところ、τtotal =212(msec)であった。
比較例1および2の組成物に比べ透明点が高くなり、粘度が小さくなった。また、比較例2の組成物に比べ、急峻性が大きく改善された。
【0043】
実施例3
1V2−BEB(F,F)−C 12.5%
3−HB−C 4%
3−HB−O2 5%
5−HH−VFF 30%
3−HHB−1 3.5%
3−HB(F)TB−2 5%
3−HB(F)TB−3 4%
3−HB(F)TB−4 4%
3−H2BTB−2 4%
3−H2BTB−3 4%
3−H2BTB−4 4%
1−BHH−VFF 20%
この液晶組成物の透明点はTNI=100.4(℃)、20℃における粘度はη20=15.1(mPa・s)、25℃における屈折率異方性はΔn=0.133、20℃における誘電率異方性はΔε=8.2、20℃におけるしきい値電圧はVth=2.06(V)であった。
この液晶組成物100重量部に対しカイラル化合物CM−33を0.50重量部添加した組成物を調整し、厚さd=5.9μmの240°STNセルに注入し、イエローモードでセル評価を行った。
70Hzの矩形波で電圧−透過率特性(V−T特性)を測定したところ、透過率90%のときの電圧V90=2.24(V)、透過率10%のときの電圧V10=2.44(V)、急峻性V10/V90=1.089であった。また、1/240duty1/16biasの電圧波形を使用し、駆動電圧27.9Vで応答時間(OFF状態からON状態への応答時間とON状態からOFF状態への応答時間との和)を測定したところ、τtotal =224(msec)であった。
比較例1および2の組成物に比べ透明点が高くなり、粘度が小さくなった。また、比較例2の組成物に比べ、急峻性が大きく改善された。
【0044】
実施例4
2−BEB(F)−C 2%
3−BEB(F)−C 1%
4−BEB(F)−C 2%
V−HB−C 12%
4−PyB−C 4%
5−PyB−C 3%
4−BB−2 11%
5−HH−V 18%
5−HH−VFF 4%
3−HH−VF 2%
V−HHB−1 7%
V2−HHB−1 15%
3−HHB−O2V 4%
2−BBH−VF 3%
1−BBH−VFF 3%
1V2−HBB−2 4%
3−HHEBH−3 2.5%
3−HHEBH−4 2.5%
この液晶組成物の透明点はTNI=100.0(℃)、20℃における粘度はη20=17.8(mPa・s)、25℃における屈折率異方性はΔn=0.135、20℃における誘電率異方性はΔε=7.8、20℃におけるしきい値電圧はVth=2.09(V)であった。
この液晶組成物100重量部に対しカイラル化合物CM−33を0.60重量部添加した組成物を調整し、厚さd=5.9μmの240°STNセルに注入し、イエローモードでセル評価を行った。
70Hzの矩形波で電圧−透過率特性(V−T特性)を測定したところ、透過率90%のときの電圧V90=2.34(V)、透過率10%のときの電圧V10=2.55(V)、急峻性V10/V90=1.090であった。
比較例1および2の組成物に比べ透明点が高くなり、粘度が小さくなった。また、比較例2の組成物に比べ、急峻性が大きく改善された。
【0045】
実施例5
1V2−BEB(F,F)−C 13%
V2V−HB−C 10%
V2V−HB−1 5%
V2V−HH−1 10%
V2V−HH−3 10%
3−HH−1VFF 2%
3−HH−2VFF 2%
3−HH−VF 2%
3−HHB−1 5%
V2V−HHB−1 13%
1−BHH−VFF 2%
V2V−HBB−1 14%
1−BBH−2VF 2%
3−H2BTB−2 5%
3−H2BTB−3 5%
この液晶組成物の透明点はTNI=101.0(℃)、20℃における粘度はη20=16.0(mPa・s)、25℃における屈折率異方性はΔn=0.132、20℃における誘電率異方性はΔε=8.4、20℃におけるしきい値電圧はVth=2.06(V)であった。
この液晶組成物100重量部に対しカイラル化合物CM−33を0.58重量部添加した組成物を調整し、厚さd=5.9μmの240°STNセルに注入し、イエローモードでセル評価を行った。
70Hzの矩形波で電圧−透過率特性(V−T特性)を測定したところ、透過率90%のときの電圧V90=2.28(V)、透過率10%のときの電圧V10=2.49(V)、急峻性V10/V90=1.092であった。また、1/240duty1/16biasの電圧波形を使用し、駆動電圧28.2Vで応答時間(OFF状態からON状態への応答時間とON状態からOFF状態への応答時間との和)を測定したところ、τtotal =232(msec)であった。
比較例1および2の組成物に比べ透明点が高くなり、粘度が小さくなった。また、比較例2の組成物に比べ、急峻性が大きく改善された。
【0046】
実施例6
1V2−BEB(F,F)−C 8%
3−HB−C 24%
3−HB−O2 4%
3−HH−4 10%
3−HH−5 3%
5−HH−VFF 2%
3−HH−VF 2%
5−HH−2 2%
3−HHB−1 10%
3−HHB−3 7%
3−H2BTB−2 5%
3−H2BTB−3 4%
3−H2BTB−4 4%
1−BBH−VFF 2%
1−BBH−3VF 2%
V2V−HBB−1 11%
この液晶組成物の透明点はTNI=100.3(℃)、20℃における粘度はη20=17.3(mPa・s)、25℃における屈折率異方性はΔn=0.131、20℃における誘電率異方性はΔε=8.9、20℃におけるしきい値電圧はVth=2.06(V)であった。
この液晶組成物100重量部に対しカイラル化合物CM−33を0.60重量部添加した組成物を調整し、厚さd=5.9μmの240°STNセルに注入し、イエローモードでセル評価を行った。
70Hzの矩形波で電圧−透過率特性(V−T特性)を測定したところ、透過率90%のときの電圧V90=2.30(V)、透過率10%のときの電圧V10=2.51(V)、急峻性V10/V90=1.091であった。
比較例1および2の組成物に比べ透明点が高くなり、粘度が小さくなった。また、比較例2の組成物に比べ、急峻性が大きく改善された。
【0047】
実施例7
1V2−BEB(F,F)−C 8%
3−HB−C 21%
3−HB−O2 4%
3−HH−4 11%
3−HH−5 3%
3−HH−VFF 2%
5−HH−VFF 2%
3−HHB−1 12%
3−H2BTB−2 4%
3−H2BTB−3 4%
3−H2BTB−4 4%
3−HB(F)TB−2 5%
3−HB(F)TB−3 5%
1−BHH−VFF 15%
この液晶組成物の透明点はTNI=101.8(℃)、20℃における粘度はη20=15.9(mPa・s)、25℃における屈折率異方性はΔn=0.133、20℃における誘電率異方性はΔε=8.2、20℃におけるしきい値電圧はVth=2.10(V)であった。
この液晶組成物100重量部に対しカイラル化合物CM−33を0.59重量部添加した組成物を調整し、厚さd=5.9μmの240°STNセルに注入し、イエローモードでセル評価を行った。
70Hzの矩形波で電圧−透過率特性(V−T特性)を測定したところ、透過率90%のときの電圧V90=2.32(V)、透過率10%のときの電圧V10=2.51(V)、急峻性V10/V90=1.082であった。
比較例1および2の組成物に比べ透明点が高くなり、粘度が小さくなった。また、比較例2の組成物に比べ、急峻性が大きく改善された。
【0048】
実施例8
1V2−BEB(F,F)−C 8%
3−HB−C 22%
3−HB−O2 4%
3−HH−4 11%
3−HH−5 2%
3−HH−VF 2%
5−HH−VFF 2%
3−HHB−1 10%
3−HHB−3 10%
3−H2BTB−2 5%
3−H2BTB−3 5%
3−H2BTB−4 4%
1−BBH−VFF 15%
この液晶組成物の透明点はTNI=100.7(℃)、20℃における粘度はη20=16.6(mPa・s)、25℃における屈折率異方性はΔn=0.132、20℃における誘電率異方性はΔε=8.5、20℃におけるしきい値電圧はVth=2.07(V)であった。
この液晶組成物100重量部に対しカイラル化合物CM−33を0.63重量部添加した組成物を調整し、厚さd=5.9μmの240°STNセルに注入し、イエローモードでセル評価を行った。
70Hzの矩形波で電圧−透過率特性(V−T特性)を測定したところ、透過率90%のときの電圧V90=2.24(V)、透過率10%のときの電圧V10=2.46(V)、急峻性V10/V90=1.098であった。
比較例1および2の組成物に比べ透明点が高くなり、粘度が小さくなった。また、比較例2の組成物に比べ、急峻性が大きく改善された。
【0049】
実施例9
1V2−BEB(F,F)−C 8%
3−HB−C 24%
3−HB−O2 5%
3−HH−4 10%
3−HH−5 2%
3−HH−VF 2%
3−HH−2VFF 2%
3−HHB−3 16%
3−HB(F)TB−2 5%
3−HB(F)TB−3 4%
3−H2BTB−2 4%
3−H2BTB−3 4%
3−H2BTB−4 4%
V2V−HHB−1 6%
1−BHH−VFF 4%
この液晶組成物の透明点はTNI=101.1(℃)、20℃における粘度はη20=16.5(mPa・s)、25℃における屈折率異方性はΔn=0.133、20℃における誘電率異方性はΔε=7.9、20℃におけるしきい値電圧はVth=2.11(V)であった。
この液晶組成物100重量部に対しカイラル化合物CM−33を0.64重量部添加した組成物を調整し、厚さd=5.9μmの240°STNセルに注入し、イエローモードでセル評価を行った。
70Hzの矩形波で電圧−透過率特性(V−T特性)を測定したところ、透過率90%のときの電圧V90=2.34(V)、透過率10%のときの電圧V10=2.56(V)、急峻性V10/V90=1.094であった。
比較例1および2の組成物に比べ透明点が高くなり、粘度が小さくなった。また、比較例2の組成物に比べ、急峻性が大きく改善された。
【0050】
実施例1O
3−HH−VFF 9%
5−HH−VFF 16%
2−HB−C 11%
3−HB−C 17%
2−HHB−C 5%
3−HHB−C 5%
4−HHB−C 5%
5−HHB−C 5%
1−BHH−VFF 5%
2−BFVFB−2 5%
3−BFVFB−3 5%
4−BFVFB−4 5%
5−BFVFB−5 7%
からなる液晶組成物を調整した。この液晶組成物の透明点はTNI=87.6(℃)、20℃における粘度はη20=14.0(mPa・s)、25℃における屈折率異方性はΔn=0.134、20℃における誘電率異方性はΔε=7.2、20℃におけるしきい値電圧はVth=2.03(V)であった。
この液晶組成物100部に対しカイラル化合物CM−33を0.85重量部添加した組成物を調整し、厚さd=6.4μmの240°STNセルに注入し、イエローモードでセル評価を行った。
70Hzの矩形波で電圧−透過率特性(V−T特性)を測定したところ、透過率90%のときの電圧V90=2.25(V)、透過率10%のときの電圧V10=2.42(V)、急峻性V10/V90=1.076であった。
比較例1および2の組成物に比べ透明点が高くなり、粘度が小さくなった。また、比較例2の組成物に比べ、急峻性が大きく改善された。
【0051】
実施例11
3−HH−VFF 12%
5−HH−VFF 19%
2−HB−C 6%
3−HB−C 18%
2−HHB−C 5%
3−HHB−C 6%
4−HHB−C 5%
5−HHB−C 5%
2−BTB−O1 4%
3−BTB−O1 4%
4−BTB−O1 4%
4−BTB−O2 4%
5−BTB−O1 4%
1−BHH−VFF 4%
からなる液晶組成物を調整した。この液晶組成物の透明点はTNI=85.3(℃)、20℃における粘度はη20=16.0(mPa・s)、25℃における屈折率異方性はΔn=0.133、20℃における誘電率異方性はΔε=6.5、20℃におけるしきい値電圧はVth=2.03(V)であった。
この液晶組成物100部に対しカイラル化合物CM−33を0.80重量部添加した組成物を調整し、厚さd=6.4μmの240°STNセルに注入し、イエローモードでセル評価を行った。
70Hzの矩形波で電圧−透過率特性(V−T特性)を測定したところ、透過率90%のときの電圧V90=2.24(V)、透過率10%のときの電圧V10=2.37(V)、急峻性V10/V90=1.054であった。
比較例1および2の組成物に比べ透明点が高くなり、粘度が小さくなった。また、比較例2の組成物に比べ、急峻性が大きく改善された。
【0052】
実施例12
3−HH−VFF 8%
5−HH−VFF 12%
3−HB−C 10%
V2−HB−C 14%
1V2−HB−C 14%
2−BTB−O1 9%
3−HHB−1 4%
1−BHH−1VFF 2%
1−BHH−2VFF 2%
3−HHB−O1 3%
3−HB(F)TB−2 5%
3−HB(F)TB−3 5%
3−H2BTB−2 4%
3−H2BTB−3 4%
3−H2BTB−4 4%
からなる液晶組成物を調整した。この液晶組成物の透明点はTNI=90.0(℃)、20℃における粘度はη20=15.0(mPa・s)、25℃における屈折率異方性はΔn=0.153、20℃における誘電率異方性はΔε=6.0、20℃におけるしきい値電圧はVth=2.29(V)であった。
この液晶組成物100部に対しカイラル化合物CM−33を0.85重量部添加した組成物を調整し、厚さd=5.5μmの240°STNセルに注入し、イエローモードでセル評価を行った。
70Hzの矩形波で電圧−透過率特性(V−T特性)を測定したところ、透過率90%のときの電圧V90=2.45(V)、透過率10%のときの電圧V10=2.53(V)、急峻性V10/V90=1.034であった。
比較例1および2の組成物に比べ透明点が高くなり、粘度が小さくなった。また、比較例2の組成物に比べ、急峻性が大きく改善された。
【0053】
実施例13
5−HH−VFF 13%
3−HB−C 15%
V2−HB−C 8%
1V2−HB−C 7%
3−PyBB−F 6%
2−BTB−1 7.25 %
1−BTB−6 14.5%
4−BTB−4 7.25%
3−HHB−1 2%
1−BHH−3VFF 2%
1−BHH−1VF 2%
3−H2BTB−2 4%
3−H2BTB−3 4%
3−H2BTB−4 4%
3−HB(F)TB−2 4%
からなる液晶組成物を調整した。この液晶組成物の透明点はTNI=70.0(℃)、20℃における粘度はη20=15.9(mPa・s)、25℃における屈折率異方性はΔn=0.170、20℃における誘電率異方性はΔε=5.5、20℃におけるしきい値電圧はVth=2.01(V)であった。
この液晶組成物100部に対しカイラル化合物CM−33を1.09重量部添加した組成物を調整し、厚さd=5.0μmの240°STNセルに注入し、イエローモードでセル評価を行った。
70Hzの矩形波で電圧−透過率特性(V−T特性)を測定したところ、透過率90%のときの電圧V90=2.11(V)、透過率10%のときの電圧V10=2.41(V)、急峻性V10/V90=1.142であった。
比較例1および2の組成物に比べ、粘度が小さくなった。また、比較例2の組成物に比べ、急峻性が大きく改善された。
【0054】
実施例14
5−HH−VFF 13%
3−HH−1VF 2%
V2−HB−C 8%
1V2−HB−C 8%
1V2−BEB(F,F)−C 9%
5−PyB−F 8%
3−HHB−F 5%
3−HHB−O1 5%
3−HHB−1 8%
3−HHB−3 13%
1−BHH−2VF 2%
1−BHH−3VF 2%
3−HB(F)TB−2 5%
3−H2BTB−2 4%
3−H2BTB−3 4%
3−H2BTB−3 4%
からなる液晶組成物を調整した。この液晶組成物の透明点はTNI=101.7(℃)、20℃における粘度はη20=17.0(mPa・s)、25℃における屈折率異方性はΔn=0.133、20℃におけるしきい値電圧はVth=2.00(V)であった。
この液晶組成物100部に対しカイラル化合物CM−33を0.59重量部添加した組成物を調整し、厚さd=6.4μmの240°STNセルに注入し、イエローモードでセル評価を行った。
70Hzの矩形波で電圧−透過率特性(V−T特性)を測定したところ、透過率90%のときの電圧V90=2.19(V)、透過率10%のときの電圧V10=2.34(V)、急峻性V10/V90=1.068であった。
比較例1および2の組成物に比べ透明点が高く、粘度が小さくなった。また、比較例2の組成物に比べ、急峻性が大きく改善された。
【0055】
実施例15
5−HH−VFF 13%
3−HH−2VF 2%
3−HB−C 17%
1V2BEB(F,F)−C 8%
3−HHB−F 5%
3−PyB−2 4%
3−HB−O2 5%
3−HHB−O1 2%
3−HHB−1 8%
3−HHB−3 15%
1−BHH−VFF 2%
1−BBH−1VFF 2%
3−H2BTB−2 3%
3−H2BTB−3 3%
3−H2BVB−3 4%
3−HB(F)TB−2 7%
からなる液晶組成物を調整した。この液晶組成物の透明点はTNI=101.5(℃)、20℃における粘度はη20=16.2(mPa・s)、25℃における屈折率異方性はΔn=0.130、20℃におけるしきい値電圧はVth=2.07(V)であった。
この液晶組成物100部に対しカイラル化合物CM−33を0.55重量部添加した組成物を調整し、厚さd=6.5μmの240°STNセルに注入し、イエローモードでセル評価を行った。
70Hzの矩形波で電圧−透過率特性(V−T特性)を測定したところ、透過率90%のときの電圧V90=2.19(V)、透過率10%のときの電圧V10=2.36(V)、急峻性V10/V90=1.078であった。
比較例1および2の組成物に比べ透明点が高く、粘度が小さくなった。また、比較例2の組成物に比べ、急峻性が大きく改善された。
【0056】
実施例16
3−HH−VFF 14%
5−HH−VFF 15%
3−HH−3VF 2%
3−H2B−C 4%
3−HB−C 6%
1V2−BEB(F,F)−C 10%
2−BTB−O1 10%
4−BTB−O2 5%
5−BTB−O1 5%
3−HHB−1 6%
3−HHB−O1 4%
3−HHB−3 12%
1−BHH−VFF 2%
1−BHH−VF 2%
3−H2BTB−2 3%
からなる液晶組成物を調整した。この液晶組成物の透明点はTNI=78.0(℃)、20℃における粘度はη20=12.9(mPa・s)、25℃における屈折率異方性はΔn=0.133、20℃における誘電率異方性はΔε=6.5、20℃におけるしきい値電圧はVth=1.93(V)であった。
この液晶組成物100部に対しカイラル化合物CM−33を0.82重量部添加した組成物を調整し、厚さd=6.4μmの240°STNセルに注入し、イエローモードでセル評価を行った。
70Hzの矩形波で電圧−透過率特性(V−T特性)を測定したところ、透過率90%のときの電圧V90=2.15(V)、透過率10%のときの電圧V10=2.30(V)、急峻性V10/V90=1.070であった。
【0057】
実施例17
5−HH−2VFF 10%
3−HH−3VFF 2%
2−BB−C 8%
4−BB−C 8%
5−BB−C 8%
2−HB−C 6%
3−HHB−C 8%
3−PyB(F)−F 5%
3−HHB−F 4%
3−HBEB−F 4%
3−HB−O2 4%
1O1−HH−3 4%
3−HH−4 4%
2−HHB−1 2%
3−HHB−1 3%
3−HHB−O1 3%
3−HHB−3 13%
1−BHH−VFF 2%
1−BHH−VF 2%
からなる液晶組成物を調整した。この液晶組成物の透明点はTNI=76.0(℃)、20℃における粘度はη20=19.6(mPa・s)、25℃における屈折率異方性はΔn=0.120、20℃における誘電率異方性はΔε=7.2、20℃におけるしきい値電圧はVth=1.79(V)であった。
この液晶組成物100部に対しカイラル化合物CM−33を0.80重量部添加した組成物を調整し、厚さd=7.0μmの240°STNセルに注入し、イエローモードでセル評価を行った。
70Hzの矩形波で電圧−透過率特性(V−T特性)を測定したところ、透過率90%のときの電圧V90=1.92(V)、透過率10%のときの電圧V10=2.09(V)、急峻性V10/V90=1.089であった。
【0058】
実施例18
5−HH−1VFF 10%
3−PyB(F)−F 10%
3−HB(F)−C 8%
3−HH−4 7%
2−PyB−2 4%
3−PyB−2 4%
4−PyB−2 4%
2−HHB−C 4%
3−HHB−C 6%
2−HHB(F)−F 7%
3−HHB(F)−F 7%
5−HHB(F)−F 7%
3−HHB−1 4%
1−BHH−VFF 4%
3−HHB−O1 4%
3−PyBB−F 5%
4−PyBB−F 5%
からなる液晶組成物を調整した。この液晶組成物の透明点はTNI=75.8(℃)、20℃における粘度はη20=18.5(mPa・s)、25℃における屈折率異方性はΔn=0.110、20℃における誘電率異方性はΔε=7.8、20℃におけるしきい値電圧はVth=1.70(V)であった。
この液晶組成物100部に対しカイラル化合物CM−33を0.78重量部添加した組成物を調整し、厚さd=7.5μmの240°STNセルに注入し、イエローモードでセル評価を行った。
70Hzの矩形波で電圧−透過率特性(V−T特性)を測定したところ、透過率90%のときの電圧V90=1.86(V)、透過率10%のときの電圧V10=2.03(V)、急峻性V10/V90=1.091であった。
【0059】
実施例19
3−HH−VFF 7%
5−HH−VFF 7%
2O1−BEB(F)−C 8%
3O1−BEB(F)−C 8%
2−HB(F)−C 7%
2−HHB(F)−F 12%
3−HHB(F)−F 12%
5−HHB(F)−F 12%
2−HBB(F)−F 2%
3−HBB(F)−F 2%
1−BBH−2VFF 2%
1−BBH−3VFF 2%
3−PyBB−F 4%
3−H2BTB−2 3%
3−H2BTB−3 3%
3−H2BVB−3 3%
3−HB(F)TB−2 3%
3−HB(F)VB−2 3%
からなる液晶組成物を調整した。この液晶組成物の透明点はTNI=85.3(℃)、20℃における粘度はη20=23.2(mPa・s)、25℃における屈折率異方性はΔn=0.125、20℃における誘電率異方性はΔε=10.8、20℃におけるしきい値電圧はVth=1.43(V)であった。
この液晶組成物100部に対しカイラル化合物CM−33を0.80重量部添加した組成物を調整し、厚さd=6.9μmの240°STNセルに注入し、イエローモードでセル評価を行った。
70Hzの矩形波で電圧−透過率特性(V−T特性)を測定したところ、透過率90%のときの電圧V90=1.50(V)、透過率10%のときの電圧V10=1.64(V)、急峻性V10/V90=1.093であった。
【0060】
実施例20
4−HH−VFF 6%
5−HH−VFF 7%
2−BEB−C 5%
3−HB−C 10%
1O1−HB−C 6%
3−HEB−O4 6%
5−HEB−O1 6%
4−HEB−3 6%
4−HEB−4 6%
3−HHEB(F,F)−F 4%
3−HHEB−F 4%
3−HBEB(F,F)−F 4%
3−HBEB−F 4%
2−HHB(F)−F 4%
3−HHB(F)−F 4%
5−HHB(F)−F 4%
1−BBH−VF 2%
1−BBH−1VF 2%
3−PyBB−F 3%
4−PyBB−F 3%
5−PyBB−F 4%
からなる液晶組成物を調整した。この液晶組成物の透明点はTNI=80.6(℃)、20℃における粘度はη20=24.0(mPa・s)、25℃における屈折率異方性はΔn=0.110、20℃における誘電率異方性はΔε=7.5、20℃におけるしきい値電圧はVth=1.60(V)であった。
この液晶組成物100部に対しカイラル化合物CM−33を0.48重量部添加した組成物を調整し、厚さd=7.5μmの240°STNセルに注入し、イエローモードでセル評価を行った。
70Hzの矩形波で電圧−透過率特性(V−T特性)を測定したところ、透過率90%のときの電圧V90=1.74(V)、透過率10%のときの電圧V10=1.89(V)、急峻性V10/V90=1.086であった。
【0061】
実施例21
3−HH−VFF 6%
5−HH−VFF 8%
2O1−BEB(F)−C 8%
3O1−BEB(F)−C 8%
2−HB(F)−C 7%
2−HHB(F)−F 13%
3−HHB(F)−F 12%
5−HHB(F)−F 11%
2−HBB(F)−F 2%
3−HBB(F)−F 2%
1−BBH−2VFF 2%
1−BBH−3VFF 2%
3−PyBB−F 4%
3−H2BTB−2 2%
3−H2BTB−3 2%
3−H2BVB−3 3%
1O1−HBB(F)H−3 2%
3−HB(F)TB−2 3%
3−HB(F)VB−2 3%
からなる液晶組成物を調整した。この液晶組成物の透明点はTNI=86.0(℃)、20℃における粘度はη20=23.9(mPa・s)、25℃における屈折率異方性はΔn=0.126、20℃における誘電率異方性はΔε=11.0、20℃におけるしきい値電圧はVth=1.45(V)であった。
この液晶組成物100部に対しカイラル化合物CM−33を0.80重量部添加した組成物を調整し、厚さd=6.9μmの240°STNセルに注入し、イエローモードでセル評価を行った。
70Hzの矩形波で電圧−透過率特性(V−T特性)を測定したところ、透過率90%のときの電圧V90=1.52(V)、透過率10%のときの電圧V10=1.66(V)、急峻性V10/V90=1.092であった。
【0062】
実施例22
5−HH−VFF 13%
3−HB−C 16%
V2−HB−C 7%
1V2−HB−C 7%
3−PyBB−F 6%
2−BTB−1 7.2 %
1−BTB−6 14.5%
4−BTB−4 7.3%
3−HHB−1 2%
1−BHH−3VFF 2%
1−BHH−1VF 2%
3−H2BTB−2 4%
3−H2BTB−3 4%
3−H2BTB−4 3%
3−HB(F)TB−2 3%
3−HHEBH−3 2%
からなる液晶組成物を調整した。この液晶組成物の透明点はTNI=70.8(℃)、20℃における粘度はη20=16.3(mPa・s)、25℃における屈折率異方性はΔn=0.169、20℃における誘電率異方性はΔε=5.6、20℃におけるしきい値電圧はVth=2.03(V)であった。
この液晶組成物100部に対しカイラル化合物CM−33を1.09重量部添加した組成物を調整し、厚さd=5.0μmの240°STNセルに注入し、イエローモードでセル評価を行った。
70Hzの矩形波で電圧−透過率特性(V−T特性)を測定したところ、透過率90%のときの電圧V90=2.13(V)、透過率10%のときの電圧V10=2.44(V)、急峻性V10/V90=1.146であった。
比較例1および2の組成物に比べ、粘度が小さくなった。また、比較例2の組成物に比べ、急峻性が大きく改善された。
【0063】
実施例23
3−HH−VFF 9%
5−HH−VFF 11%
3−HB−C 9%
V2−HB−C 15%
1V2−HB−C 14%
2−BTB−O1 9%
3−HHB−1 4%
1−BHH−1VFF 2%
1−BHH−2VFF 2%
3−HHB−O1 3%
3−HB(F)TB−2 5%
3−HB(F)TB−3 5%
3−H2BTB−2 3%
3−H2BTB−3 3%
3−H2BTB−4 4%
3−HBBH−5 2%
からなる液晶組成物を調整した。この液晶組成物の透明点はTNI=90.9(℃)、20℃における粘度はη20=15.7(mPa・s)、25℃における屈折率異方性はΔn=0.154、20℃における誘電率異方性はΔε=6.0、20℃におけるしきい値電圧はVth=2.30(V)であった。
この液晶組成物100部に対しカイラル化合物CM−33を0.86重量部添加した組成物を調整し、厚さd=5.5μmの240°STNセルに注入し、イエローモードでセル評価を行った。
70Hzの矩形波で電圧−透過率特性(V−T特性)を測定したところ、透過率90%のときの電圧V90=2.47(V)、透過率10%のときの電圧V10=2.55(V)、急峻性V10/V90=1.032であった。
比較例1および2の組成物に比べ透明点が高くなり、粘度が小さくなった。また、比較例2の組成物に比べ、急峻性が大きく改善された。
【0064】
【発明の効果】
実施例で示した様に、本発明によってSTN表示方式に求められる種々の特性を満たしながら、特にカラー化に対応するために電圧−透過率特性(急峻性)の優れた液晶組成物および高速応答性に対応するために低粘度の液晶組成物が提供できる。
Claims (7)
- 第1成分として、一般式I−a、I−b
第2成分として一般式II−a、II−b、II−c、II−d
第3成分として一般式 III −a、III −b、III −c
- 第1成分が液晶組成物の全重量に対して3〜50重量%であり、第2成分が3〜40重量%であり、第3成分が10〜60重量%であることを特徴とする請求項1記載の液晶組成物。
- 第1成分として、一般式I−a、I−b
第2成分として一般式II−a、II−b、II−c、II−d
第3成分として一般式 III −a、III −b、III −c
第4成分として、一般式IV、V、VI−a、および VI−b
- 第1成分が液晶組成物の全重量に対して3〜50重量%であり、第2成分が3〜40重量%であり、第3成分が10〜60重量%であり、第4成分が1〜60重量%であることを特徴とする請求項3に記載の液晶組成物。
- 第1成分として、一般式I−a、I−b
第2成分として一般式II−a、II−b、II−c、II−d
第3成分として一般式 III −a、III −b、III −c
第4成分として、一般式IV、V、VI−a、および VI−b
- 第1成分が液晶組成物の全重量に対して3〜50重量%であり、第2成分が3〜40重量%であり、第3成分が10〜60重量%であり、第4成分が1〜60重量%であり、第5成分が液晶組成物の全重量に対して1〜50重量%であることを特徴とする請求項5記載の液晶組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の液晶組成物を用いてなる液晶表示素子。
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