JP4555912B2 - レゾルバステータ構造 - Google Patents
レゾルバステータ構造 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4555912B2 JP4555912B2 JP2001209215A JP2001209215A JP4555912B2 JP 4555912 B2 JP4555912 B2 JP 4555912B2 JP 2001209215 A JP2001209215 A JP 2001209215A JP 2001209215 A JP2001209215 A JP 2001209215A JP 4555912 B2 JP4555912 B2 JP 4555912B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- stator coil
- resin material
- terminal
- end line
- magnetic pole
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レゾルバステータ構造に関し、特に、磁極歯に巻回したステータコイルを固定する樹脂材料の第1硬度に対して、渡り線を固定する渡り線用樹脂材料の第2硬度を低くし、使用温度の変化に対する渡り線の断線を防止し、レゾルバの信頼性の向上を得るための新規な改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、用いられていたこの種のレゾルバステータ構造としては、一般に、レゾルバステータの各磁極歯に巻回されたステータコイル及びその渡り線は、エポキシ樹脂を用いたワニス剤を塗布して含浸させ、乾燥させて硬化させることにより、ステータコイル及びその渡り線をレゾルバステータに固定させていた。
また、端子に接続されたステータコイルは、端子全体を溶融樹脂で覆って硬化させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のレゾルバステータ構造は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、渡り線を含むステータコイルが硬度の高いエポキシ樹脂を用いたワニス剤によって含浸処理されていたため、高温と低温を繰り返すような条件下の用途の場合、高温における組成変化と温度差による伸縮からクラックが発生し、このクラックによってステータコイルのうち、特に、レゾルバステータから浮いた状態の渡り線が断線となっていた。
また、製造時においても、このワニス剤の硬化には、高温によるキュアが必要であり、温度槽が不可欠で、その温度管理等に多大のコストを必要としていた。
また、端子全体を樹脂で覆った構造とすると、樹脂部分からステータコイルが直線状に露出しているのみで、この露出しているステータコイルが振動又は伸縮等となった場合に、このステータコイルの根元が破断することがあり、断線の原因となっていた。
【0004】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、磁極歯に巻回したステータコイルを固定する樹脂材料の第1硬度に対して、渡り線を固定する渡り線用樹脂材料の第2硬度を低くし、使用温度の変化に対する渡り線の断線を防止し、レゾルバの信頼性の向上を得るようにしたレゾルバステータ構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によるレゾルバステータ構造は、レゾルバステータの各磁極歯に輪状絶縁キャップを介してステータコイルを巻回し、前記各磁極歯に巻回された前記ステータコイルに液状又は溶融状の樹脂材料を供給し、前記樹脂材料の硬化により前記ステータコイルを前記各磁極歯に固定させてなるレゾルバステータ構造において、前記各磁極歯に巻回された前記ステータコイルを固定する前記樹脂材料の第1硬度に対して、前記各磁極歯間を渡るための前記ステータコイルの渡り線を固定する渡り線用樹脂材料の第2硬度を低くした構成であり、また、前記樹脂材料は、エポキシ樹脂よりなり、前記渡り線用樹脂材料はシリコーン樹脂よりなる構成であり、また、前記輪状絶縁キャップの周縁部に設けられた複数の端子に前記ステータコイルの端線を巻付けて巻付け接続部を形成し、前記巻付け接続部に半田付け又はヒュージングで前記ステータコイルと端子とを一体状に接続し、前記巻付け接続部に巻付けられた前記端線のうち、一部分が前記半田付け又はヒュージングによって前記端子と一体状に接続されていない自由端線である構成であり、また、前記自由端線は、前記端子を少なくとも1回巻回している構成であり、また、前記自由端線は、前記端子を少なくとも複数回巻回している構成であり、また、前記自由端線は、スプリング及びたるみ作用を有している構成である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明によるレゾルバステータ構造の好適な実施の形態について説明する。
図1において符号1で示されるものはロータ1Aが内側に配設されていると共に鉄芯で形成されたレゾルバステータ2の磁極歯20に1対の輪状絶縁キャップ21、22を介して巻回して設けられたステータコイルであり、このステータコイル1は渡り線23を介して各磁極歯20に直列状に接続されている。
【0007】
前記レゾルバステータ2の周縁24の一部には、前記各輪状絶縁キャップ21、22の中の一方の輪状絶縁キャップ21の一部に一体に半径方向に突出して形成された周縁部25が位置しており、この周縁部25には、端子4が植立して設けられている。
前記端子4は、図4のように基部26と一体で、端子4と基部26とでL字型の形状をなし、この基部26にはリード線27が接続されていると共に、前記端子4は前記周縁部25の孔(図示せず)を貫通して外方へ突出して配設されている。
【0008】
前記レゾルバステータ2の各磁極歯20のうち、前記ステータコイル1が多数回巻回されている第1部分A、すなわち、図1で示す径方向に所定の距離を有する部分は、従来と同様にエポキシからなる硬度が高い樹脂材料10が液状又は溶融状でポッティング処理等で塗布されて固化されている。
また、前記渡り線23は、前記第1部分Aの外側に位置し、この渡り線23は、第2部分Bとして示される径方向に所定の距離を有する部分が輪状にポッティング処理等で形成された渡り線用樹脂材料10Aによって樹脂モールドで固定されている。
前記渡り線用樹脂材料10Aの第2硬度は、前記樹脂材料10のエポキシ樹脂等の第1硬度に対して十分に硬度が低いシリコーン樹脂等から構成され、レゾルバの使用条件が大きく上下に変動した場合においても硬化した渡り線用樹脂材料10Aにはクラック等の変形が発生せず、渡り線23の断線が発生しないように構成されている。
【0009】
前記渡り線用樹脂材料10Aは、前記端子4が位置する前記周縁部25に延設されている。
次に、図3から図8は、前記端子4にステータコイル1を巻回して半田付け6又はヒュージングによってステータコイル1を端子4に一体状に固定する形態を示している。
前記ステータコイル1の各磁極歯20を巻回した後の終端近くの部分である端線3(図6で示される)は、図7で示されるように、端子4の外周に複数回巻き付けられ(当業者ではからげると言う)て端子4と端線3とによって巻付け接続部5が形成されている。
【0010】
前記巻付け接続部5には、従来のように、この巻付け接続部5全体すなわち端子4全体を半田付け6等で一体化するのではなく、図8で示されるように、端子4に巻付けられた端線3の一部分である下部分の複数巻きを残して従来と同様に半田付け6(又は前記ヒュージング)によって端線3と端子4とを一体状に接続して一体化し、残りの部分は端子4とは一体化しない独立して作動可能な自由端線30が形成されている。
【0011】
前記自由端線30は、端子4の外周を複数回巻回しているため、スプリングと同様の作用を有しており、ステータコイル1が熱による膨張によって矢印Aの方向に伸縮した場合、又は、外部からの振動によって前述の矢印Aの方向の振動及びこれと直交する矢印Bの方向の振動を受けた場合においても、この自由端線30のスプリング及びたるみ作用によってその殆んどを吸収することができ、端線3の破断等の断線を防止することができる。
【0012】
尚、前述の自由端線30は、端子4に複数回巻回された構成の場合について述べたが、例えば、複数回の巻回ではなく、最小限として少なくとも1回巻回、又は1回以下の300°、250°等の曲折形状のみ、2回巻回等としても前述のスプリング作用を得ることができるものである。
【0013】
【発明の効果】
本発明によるレゾルバステータ構造は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、レゾルバステータの磁極歯に巻回したステータコイルを含浸固定した樹脂材料よりも低い硬度のシリコーン樹脂等よりなる渡り線用樹脂材料によって渡り線を磁極歯の根元側に固定しているため、作用時の温度条件が上下に大きく変動する場合でも、渡り線用樹脂材料にはクラック等が発生せず、渡り線の断線等を防止してレゾルバの信頼性を向上させることができる。
また、輪状絶縁キャップに設けられた端子に巻付けられたステータコイルの端線の一部が端子に対して非固定状態でスプリングの作用を有しているため、熱膨張及び振動等による変形を吸収することができ、断線をなくし、信頼性の向上を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるレゾルバステータ構造を示す平面図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】図1のレゾルバステータの端子とステータコイルを接続した状態を示す平面図である。
【図4】図3の断面図である。
【図5】図4の要部を示す拡大図である。
【図6】図3の端線を示す斜視図である。
【図7】図3の巻付け後の端子を示す拡大斜視図である。
【図8】図7の端子のステータコイルを半田付けした状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ステータコイル
2 レゾルバステータ
3 端線
4 端子
5 巻付け接続部
6 半田付け
10 樹脂材料
20 磁極歯
21、22 輪状絶縁キャップ
25 周縁部
30 自由端線
A 第1部分
B 第2部分
10A 渡り線用樹脂材料
23 渡り線
Claims (6)
- レゾルバステータ(2)の各磁極歯(20)に輪状絶縁キャップ(21、22)を介してステータコイル(1)を巻回し、前記各磁極歯(20)に巻回された前記ステータコイル(1)に液状又は溶融状の樹脂材料(10)を供給し、前記樹脂材料(10)の硬化により前記ステータコイル(1)を前記各磁極歯(20)に固定させてなるレゾルバステータ構造において、前記各磁極歯(20)に巻回された前記ステータコイル(1)を固定する前記樹脂材料(10)の第1硬度に対して、前記各磁極歯(20)間を渡るための前記ステータコイル(1)の渡り線(23)を固定する渡り線用樹脂材料(10A)の第2硬度を低くしたことを特徴とするレゾルバステータ構造。
- 前記樹脂材料(10)は、エポキシ樹脂よりなり、前記渡り線用樹脂材料(10A)はシリコーン樹脂よりなることを特徴とする請求項1記載のレゾルバステータ構造。
- 前記輪状絶縁キャップ(21)の周縁部(25)に設けられた複数の端子(4)に前記ステータコイル(1)の端線(3)を巻付けて巻付け接続部(5)を形成し、前記巻付け接続部(5)に半田付け(6)又はヒュージングで前記ステータコイル(1)と端子(4)とを一体状に接続し、前記巻付け接続部(5)に巻付けられた前記端線(3)のうち、一部分が前記半田付け(6)又はヒュージングによって前記端子(4)と一体状に接続されていない自由端線(30)であることを特徴とする請求項1又は2記載のレゾルバステータ構造。
- 前記自由端線(30)は、前記端子(4)を少なくとも1回巻回していることを特徴とする請求項3記載のレゾルバステータ構造。
- 前記自由端線(30)は、前記端子(4)を少なくとも複数回巻回していることを特徴とする請求項3記載のレゾルバステータ構造。
- 前記自由端線(30)は、スプリング及びたるみ作用を有していることを特徴とする請求項3ないし5の何れかに記載のレゾルバステータ構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001209215A JP4555912B2 (ja) | 2001-07-10 | 2001-07-10 | レゾルバステータ構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001209215A JP4555912B2 (ja) | 2001-07-10 | 2001-07-10 | レゾルバステータ構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003028670A JP2003028670A (ja) | 2003-01-29 |
JP4555912B2 true JP4555912B2 (ja) | 2010-10-06 |
Family
ID=19044902
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001209215A Expired - Fee Related JP4555912B2 (ja) | 2001-07-10 | 2001-07-10 | レゾルバステータ構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4555912B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5856597B2 (ja) | 2013-10-04 | 2016-02-10 | トヨタ自動車株式会社 | レゾルバ |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5574109A (en) * | 1978-11-30 | 1980-06-04 | Sony Corp | Winding bobbin |
JPS6235313U (ja) * | 1985-08-16 | 1987-03-02 | ||
JPH1131625A (ja) * | 1997-07-11 | 1999-02-02 | Hitachi Ltd | 乾式変圧器用コイル |
JP2001169493A (ja) * | 1999-12-07 | 2001-06-22 | Tamagawa Seiki Co Ltd | 絶縁キャップ構造及びレゾルバ構造 |
-
2001
- 2001-07-10 JP JP2001209215A patent/JP4555912B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5574109A (en) * | 1978-11-30 | 1980-06-04 | Sony Corp | Winding bobbin |
JPS6235313U (ja) * | 1985-08-16 | 1987-03-02 | ||
JPH1131625A (ja) * | 1997-07-11 | 1999-02-02 | Hitachi Ltd | 乾式変圧器用コイル |
JP2001169493A (ja) * | 1999-12-07 | 2001-06-22 | Tamagawa Seiki Co Ltd | 絶縁キャップ構造及びレゾルバ構造 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003028670A (ja) | 2003-01-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4696207B2 (ja) | レゾルバステータ構造 | |
JP3588455B2 (ja) | 回転角度検出器の製造方法 | |
KR100360514B1 (ko) | 스테이터권선방법및스테이터권선구조 | |
US6873074B2 (en) | Terminal connection structure of a resolver stator coil | |
KR20040010129A (ko) | 스텝핑 모터 및 그 제조방법 | |
JP4555912B2 (ja) | レゾルバステータ構造 | |
JP2005043140A (ja) | 回転角センサー | |
US11418082B2 (en) | Stator used for motor and method for manufacturing said stator | |
JP5132669B2 (ja) | レゾルバステータ | |
JP3641466B2 (ja) | レゾルバステータのステータコイルの端子接続構造 | |
JP2004072867A (ja) | レゾルバステータのステータコイルの端子接続構造 | |
US6525445B2 (en) | Plane commutator and method of manufacturing the same | |
JP3575997B2 (ja) | 無刷子電動機の樹脂モールド固定子の製造方法 | |
JP2009295774A (ja) | チップインダクタ | |
TWI818137B (zh) | 定子、馬達及其送風裝置 | |
JPS6320091Y2 (ja) | ||
JPH0766056A (ja) | 面実装コイル及びその製造方法 | |
KR101322452B1 (ko) | 외부리드 없는 리드프레임을 갖는 led 패키지 및 그제조방법 | |
JPS6025866Y2 (ja) | インダクタンス素子 | |
JP2001358001A (ja) | 温度検知用サーミスタ装置 | |
JPH1052012A (ja) | 電動機の製造方法 | |
JP2017127123A (ja) | レゾルバステータの絶縁構造 | |
JPH04196206A (ja) | インダクタンス素子の製造方法 | |
JPH0697821B2 (ja) | 電動機 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20061010 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080208 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20080612 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090120 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100528 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100608 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100610 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4555912 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130730 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |