JP4555105B2 - 医療用容器の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、医療用容器の製造方法に関するものである。
患者に輸液を行うに先だって、輸液剤の入ったバイアル瓶や軟質バッグ等に、予め輸液剤に配合することが困難な薬剤、例えば、ビタミン剤、抗生物質等の薬剤を混合、溶解させ、薬液を調製することが行われている。そして、このような薬液の調製を無菌的に、また、簡単な操作で行うため、図12に示すような剥離可能な仕切用弱シール部により仕切られた複数の薬剤室53,54を有する医療用容器50が使用されている。このような医療用容器50は製造された後、高圧蒸気滅菌される。
しかしながら、従来は、高圧蒸気滅菌した際、図12に示すように、薬剤室53,54に収納された高温の薬液が仕切用弱シール部55に接触して仕切用弱シール部55のシール際56に強シール部が生じるおそれがあった。このような場合、医療用容器50の仕切用弱シール部55が剥離しにくくなることがあった。
そこで、本発明は、上記問題点を解決し、高圧蒸気滅菌の際に仕切用弱シール部に強シール部が形成されない医療用容器の製造方法を提供するものである。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1)仕切用弱シール部により仕切られた第1の薬剤室および第2の薬剤室を有する軟質バッグと、前記第1の薬剤室に充填された第1の薬液と、前記第2の薬剤室に充填された第2の薬液と、前記薬剤室のいずれかに連通するように前記軟質バッグに取り付けられたポートとを有する密封された医療用容器を準備する工程と、前記医療用容器の高圧蒸気滅菌を行う滅菌工程とを行う薬液充填済み医療用容器の製造方法であって、前記滅菌工程は、前記医療用容器を寝かせた状態を保持するとともに仕切用弱シール部載置用の突出部を有する載置用部材を用いて行うものであり、さらに、前記滅菌工程は、前記仕切用弱シール部の下面側に前記突出部が接触するように前記医療用容器を前記載置用部材に載置し、前記仕切用弱シール部のシール際が前記薬液に接触せず、前記シール際およびその付近が、前記薬剤室内の空間と接触する状態にて行うものである薬液充填済み医療用容器の製造方法。
(2)前記医療用容器の前記第1の薬剤室は前記第2の薬剤室より大きな容量を備えかつ大きな量の薬液が充填されている上記(1)に記載の薬液充填済み医療用容器の製造方法。
)前記滅菌工程は、前記医療用容器を水平に載置した状態で行うものである上記(1)または(2)に記載の薬液充填済み医療用容器の製造方法。
(4)前記突出部の縁部は、丸みを帯びるように形成もしくは面取りされている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の薬液充填済み医療用容器の製造方法。
本発明は、仕切用弱シール部により仕切られた第1の薬剤室および第2の薬剤室を有する軟質バッグと、前記第1の薬剤室に充填された第1の薬液と、前記第2の薬剤室に充填された第2の薬液と、前記薬剤室のいずれかに連通するように前記軟質バッグに取り付けられたポートとを有する密封された医療用容器を準備する工程と、前記第1の薬剤室側および/または前記第2の薬剤室側の前記仕切用弱シール部のシール際の前記充填された薬液による押し広げを抑制した状態にて前記医療用容器の高圧蒸気滅菌を行う滅菌工程とを行う。
このため、本発明の製造方法によれば、高圧蒸気滅菌の際に仕切用弱シール部に強シール部が形成されない。
本発明の実施例である医療用容器の製造方法について添付図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例である医療用容器の製造方法を説明するための説明図であり(医療用容器を寝かせた状態の上面図)、図2は、本発明の実施例である医療用容器の製造方法を説明するための説明図であり(高圧蒸気滅菌前)、図3は、本発明の実施例である医療用容器の製造方法を説明するための説明図である(高圧蒸気滅菌中)。
本発明の医療用容器1の製造方法は、仕切用弱シール部9により仕切られた第1の薬剤室3および第2の薬剤室4を有する軟質バッグ2と、第1の薬剤室3に充填された第1の薬液5と、第2の薬剤室4に充填された第2の薬液6、薬剤室3,4のいずれかに連通するように軟質バッグ2に取り付けられたポート12とを有する密封された医療用容器1を準備する工程と、第1の薬剤室3側および/または第2の薬剤室4側の仕切用弱シール部9のシール際11a.11bの充填された薬液による押し広げを抑制した状態にて医療用容器1の高圧蒸気滅菌を行う滅菌工程とを行う。
まず、医療用容器1を準備する工程について説明する。
医療用容器1は、図1に示すように、仕切用弱シール部9により仕切られた第1の薬剤室3と第2の薬剤室4とを有する軟質バッグ2と、第1の薬剤室3に充填された第1の薬液5と、第2の薬剤室4に充填された第2の薬液6と、第1の薬剤室3に取り付けられたポート12と、第2の薬剤室4に取り付けられた薬剤容器13とを備えている。
軟質バッグ2は、軟質樹脂製シートにより作製されている。軟質バッグ2は、インフレーション成形法により筒状に成形されたものが好ましい。なお、軟質バッグ2は、例えば、Tダイ法、ブロー成形法、ドライラミネート法、ホットメルトラミネート法、共押出インフレーション法、共押出Tダイ法、ホットプレス法等の種々の方法により製造されたものでもよい。そして、軟質バッグ2は、製造過程において折り曲げられることにより2つの側辺が形成される。また、必要により軽くプレスすることにより、折り曲げられた側辺を形成してもよい。
また、軟質バッグ2は、水蒸気バリヤー性を有することが好ましい。水蒸気バリヤー性の程度としては、水蒸気透過度が、50g/m2・24hrs・40℃・90%RH以下であることが好ましく、より好ましくは10g/m2・24hrs・40℃・90%RH以下であり、さらに好ましくは1g/m2・24hrs・40℃・90%RH以下である。この水蒸気透過度は、JISK7129(A法)に記載の方法により測定される。
このように軟質バッグ2が水蒸気バリヤー性を有することにより、医療用容器1の内部からの水分の蒸散が防止できる。その結果、充填される液体の減少、濃縮を防止することができる。また、医療用容器1の外部からの水蒸気の侵入も防止することができる。
このような軟質バッグ2の形成材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のようなポリオレフィン、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー等の各種熱可塑性エラストマーあるいはこれらを任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等)が挙げられる。そして、使用する樹脂材料は、高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)に耐えられる耐熱性、耐水性を有していることが好ましい。
また、軟質バッグ2の形成材料として、ポリオレフィンが含有されるとき、本発明の有用性が大きいものとなる。したがって、本発明においては、軟質バッグ2の形成材料として、ポリオレフィンを含むものであるのが好ましい。軟質バッグ2の形成材料として、特に好ましいものとして、ポリエチレンまたはポリプロピレンに、スチレン−ブタジエン共重合体やスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体等のスチレン系熱可塑性エラストマーあるいはエチレン−プロピレン共重合体やエチレン−ブテン共重合体,プロピレン−αオレフィン共重合体等のオレフィン系熱可塑性エラストマーをブレンドし柔軟化した軟質樹脂を挙げることができる。この材料は、高強度で柔軟性に富み、耐熱性(特に滅菌時の耐熱性)、耐水性が高い他、加工性が特に優れ、製造コストの低減を図れる点で好ましい。
また、軟質バッグは、前述したような材料よりなる単層構造のもの(単層体)であってもよいし、また種々の目的で、複数の層(特に異種材料の層)を重ねた多層積層体であってもよい。多層積層体の場合、複数の樹脂層を重ねたものであってもよいし、少なくとも1層の樹脂層に金属層を積層したものであってもよい。複数の樹脂層を重ねたものの場合、それぞれ樹脂の利点を併有することができ、例えば、軟質バッグ2の耐衝撃性を向上させたり、対ブロッキング性を付与したりすることができる。また、金属層を有するものの場合、軟質バッグ2のガスバリヤー性等を向上させることができる。例えば、アルミ箔等のフィルムが積層された場合、ガスバリヤー性の向上とともに、遮光性を付与したりすることができる。また、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の酸化物からなる層を形成した場合、ガスバリヤー性の向上とともに、シート状筒状体の透明性を維持することができ、内部の視認性を確保することができる。なお、軟質バッグ2が多層積層体である場合、その内表面部分を形成する材料が、前述した材料であるのが好ましい。
軟質バッグ2を構成するシート材(単層または多層積層体)の厚さは、その層構成や用いる素材の特性(柔軟性、強度、水蒸気透過性、耐熱性等)等に応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、通常は、100〜500μm程度であるのが好ましく、200〜360μm程度であるのがより好ましい。
また、医療用容器1の容積は、内部に収納する液体の種類等によって異なるが、通常は、200〜5000ml程度であるのが好ましく、500〜5000ml程度であるのがより好ましい。
また、本発明の実施例の軟質バッグ2の一端部には一端側シール部7が設けられ、軟質バッグ2の他端部には他端側シール部8が設けられている。一端側シール部7と他端側シール部8は、幅広シール部となっている。
軟質バッグ2の一端側シール部7および他端側シール部8は、熱融着(ヒートシール)、高周波融着等により形成されることが好ましく、特に、熱融着により行うことが好ましい。
仕切用弱シール部9は、図1に示すように、軟質バッグ2の内部空間を仕切るように形成された剥離可能な弱シール部である。軟質バッグ2は、仕切用弱シール部9により、第1の薬剤室3と第2の薬剤室4とに仕切られている。仕切用弱シール部9は、図1に示す実施例では軟質バッグ2の幅方向に対して水平に帯状に形成されている。また、仕切用弱シール部9の両端部は、図1に示すように拡径している。また、仕切用弱シール部9の両端部には、実質的に剥離しない強シール部10が形成されている。また、本発明の実施例では、仕切用弱シール部9は、軟質バッグ2の第1の薬剤室3が第2の薬剤室4より内容積が大きくなる位置に形成されている。
仕切用弱シール部9は、薬液が充填された第1の薬剤室3もしくは第2の薬剤室4を指等で押圧することにより剥離可能な程度のシール強度を備える。このように仕切用弱シール部9により軟質バッグ2内を仕切ることにより、反応等による変質、劣化を生じる物質を含有する液体を使用するまでは別々に保存でき、使用に際し、使用直前など両液を混合することが好ましいとき等に適用することができる。このような液体としては、例えば、アミノ酸電解質液とブドウ糖液、ブドウ糖液と重曹液等の組み合わせが挙げられる。また、上記のような仕切用弱シール部を備えない場合には、どのような液体を充填してもよく、例えば、生理食塩水、電解質溶液、リンゲル液、高カロリー輸液、ブドウ糖液、注射用水、腹膜透析液、経口栄養剤等が挙げられる。
仕切用弱シール部9を形成する際の金型の温度は、軟質バッグ2の形成材料の溶融温度に対して0℃から60℃低いものとして行うことが好ましく、特に、軟質バッグ2の形成材料の溶融温度に対して0℃から50℃低いことが好ましい。また、軟質バッグ2が積層体により形成されている場合には、内側層を形成する形成材料の溶融温度に対して0℃から60℃低いものとすることが好ましく、特に、内側層を形成する形成材料の溶融温度に対して0℃から50℃低いことが好ましい。また、シール工程におけるシール圧は、軟質バッグ2の形成材料等によっても相違するが、0.2〜0.5MPaであるのが好ましく、0.3〜0.4MPaであることがより好ましい。
仕切用弱シール部の幅(本発明の実施例では両端部の拡経シール部を除く)は、5〜20mm、特に、10〜15mmであることが好ましい。
仕切用弱シール部の長さ(強シール部を除く長さ)は、50〜300mm、特に、100〜250mmであることが好ましい。
また、図1に示すように、医療用容器1の第1の薬剤室3は第2の薬剤室4より大きな容量を備えかつ大きな量の薬液が充填されていることが好ましい。さらに好ましくは、図1に示すように、医療用容器1の第1の薬剤室3は第2の薬剤室4より大きな容量を備えかつ大きな量の薬液が充填されており、滅菌工程は、仕切用弱シール部9の第1の薬剤室3側のシール際11aの第1の薬液5による押し広げを抑制した状態にて行うものであることが好ましい。また、本発明の実施例では、医療用容器1の薬剤室3の充填率が高いほど仕切用弱シール部9に強シール部が形成されやすいものと考える。しかし、本発明の方法によれば、薬剤室の充填率が50%以上、特に、60%以上であっても強シール部が形成されることを抑制する。このため、同量の薬剤を充填する場合には、本発明によれば、小さな医療容器を用いることが可能となる。このような構成により第1の薬液による押し広げの大きい第1の薬剤室3側の仕切用弱シール部9のシール際が広がることを確実に防止することができる。
また、軟質バッグ2の一端側シール部7、他端側シール部8には、ハンガー等に吊り下げるための孔(吊り下げ部)16が設けられていることが好ましい。
軟質バッグに取り付けられるポート12としては、排出ポートおよび/もしくは混注ポートであることが好ましい。本発明の実施例では軟質バッグ2には、排出ポート12が取り付けられている。
また、軟質バッグ2には、図1に示すように、後述した排出ポート12を取り付け可能なポート取付部17と、薬剤容器13を取り付け可能な薬剤容器取付部18とが形成されている。
また、本発明で使用される排出ポート12としては公知のものを使用することが好ましく、例えば、筒状ポート部材とその開口を封止するとともに針管を挿通可能なシール部材を備えるものが好ましい。具体的に、排出ポートとしては、両端側が開口した筒状部材と、筒状部材の片方の開口部を封止するシール部材を有する蓋部とからなるものであることが好ましい。
また、シール部材は、自己閉塞性を有し、針管を弾性体から抜き取った後は、その穿刺孔が閉塞し、薬液の漏れを防止するものであることが好ましい。シール材の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、架橋型エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミドなどの可撓性高分子材料、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー等の熱可塑性樹脂(熱可塑性エラストマー)、天然ゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴムのような各種ゴム材料等の弾性材料、あるいはこれらのうちの任意の2以上を組み合わせたものが挙げられ、シール性、再シール性の点からは弾性材料を含有しているものが好ましい。また、ポートとしては、円筒状、楕円筒状の成形品であることが好ましい。
混注ポートとしては、公知のものを使用することが好ましく、例えば、筒状ポート部材とその開口を封止するとともに針管を挿通可能なシール部材を備えるものが好ましい。具体的には、混注ポートとしては、両端側が開口した筒状部材と、筒状部材の片方の開口部を封止するシール部剤を有する蓋部とからなるものであることが好ましい。混注ポート取付部も軟質バッグ2の一端側シール部もしくは他端側シール部の一部をシールしないことにより形成することが好ましい。
また、本発明で使用される薬剤容器13としては、公知のものを使用することが好ましく、本発明の実施例では、薬剤収納部14と、薬剤収納部14の先端部に設けられ、軟質バッグ2内部において薬剤収納部14が軟質バッグ2内と連通可能な連通規制部15を有するものが使用されている。具体的に、本発明の実施例において、連通規制部15は、薬剤収納部14の先端部と連続する脆弱部15aと脆弱部15aと連続して設けられた操作部15bとを備え、操作部15bを折り曲げることにより脆弱部15aが破断して薬剤収納部14と軟質バッグ2の内部空間とが連通するものとなっている。
薬剤収納部14内に充填される薬剤としては、粉末、顆粒状などの固体状、液体状等のいかなるものでもよい。薬剤としては、輸液剤に配合・溶解させるものであって、例えば抗生物質、ビタミン剤(総合ビタミン剤)、各種アミノ酸、ヘパリン等の抗血栓剤、インシュリン、抗腫瘍剤、鎮痛剤、強心剤、静注麻酔剤、抗パーキンソン剤、潰瘍治療剤、副腎皮質ホルモン剤、不整脈用剤、補正電解質、抗ウィルス薬、免疫賦活剤等が挙げられる。また、薬剤収納部は、常圧でもよいが、減圧または真空状態としてもよい。このように、薬剤収納部が減圧または真空状態であると、薬剤の変質分解・劣化等の防止効果が向上するとともに、連通規制部の破断時に、輸液剤を吸引し、より迅速に薬剤収納部へ導入することができる。
また、薬剤容器は、薬剤容器取付用部材を介して取り付けられていてもよい。薬剤容器取付用部材としては、例えば、内部に薬剤容器を挿入することにより薬剤容器13を液密に取り付け可能なものであることが好ましい。具体的に、薬剤容器取付用部材としては、内部に薬剤容器を挿入して液密に取り付け可能な筒状部材であることが好ましい。このような薬剤容器取付用部材を、後述するように、排出ポート12や薬剤容器13と同様に軟質バッグ2にヒートシールした後、薬剤容器取付用部材に薬剤容器を挿入し、高周波融着、接着剤等により接合させることにより薬剤容器が軟質バッグ2に取り付けられる。なお、薬剤容器取付用部材を介して軟質バッグの内部空間に薬液を注入することもできる。
排出ポート12、薬剤容器13、混注ポート、薬剤容器取付用部材の構成材料としては、軟質バッグ2と相溶性を有する樹脂であることが好ましい。また、硬質材料であることが好ましい。例えば、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、環状ポリオレフィン(具体的には、ZEONEX(登録商標、日本ゼオン株式会社)、APEL(登録商標、三井化学株式会社製))、ポリプロピレン、ポリプロピレンホモポリマー、高密度ポリエチレンのようなポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、アイオノマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のようなポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、芳香族または脂肪族ポリアミド等の各種樹脂、あるいはこれらを任意に組み合わせたものが挙げられる。
これらのポート12、薬剤容器13、薬剤容器取付用部材は、図1に示すように、軟質バッグ2の一端側シール部7もしくは他端側シール部8に形成されたポート取付部、薬剤容器取付部に熱融着、高周波融着等により取り付けられる。薬液は、一端側シール部7、他端側シール部8に形成された薬液注入孔から注入されることが好ましい。薬液注入孔は、軟質バッグ2の一端側シール部7、他端側シール部8の一部分をシールしないことにより形成されることが好ましい。注入孔は、第1の薬剤室3もしくは第2の薬剤室4に薬液を注入後、ヒートシールされることにより封止されることが好ましい。
なお、薬液は、薬剤容器取付部材を軟質バッグ2に取付けた後、薬剤容器取付部材を介して注入してもよい。また、薬液は、上述したように、排出ポートを構成する筒状部材を取り付けた後、筒状部材を介して注入してもよい。
次に、第1の薬剤室側および/または第2の薬剤室側の仕切用弱シール部9のシール際の充填された薬液による押し広げを抑制した状態にて医療用容器の高圧蒸気滅菌を行う滅菌工程について説明する。このように充填された薬液による押し広げを抑制した状態にて高圧蒸気滅菌を行うため、高圧蒸気滅菌の際に高温の薬液がシール際に接触しにくくなるためシール際に突発的に強シール部が形成されにくくなる。よって、仕切用弱シール部9が剥離困難となるおそれがない。
高圧蒸気滅菌とは、医療用容器1を高圧の飽和水蒸気をもって、微生物を形成する蛋白質等を変性させて殺菌する方法である。高圧蒸気滅菌法は、一般に、圧力容器の中に滅菌しようとする医療用容器を入れ、容器内の空気と飽和水蒸気を置換して一定時間保持することにより行われる。高圧蒸気滅菌は、高圧蒸気滅菌装置の内部に載置されて行われる。また、高圧蒸気滅菌法は、対象物を袋等に入れ、例えば、121℃×30分間で滅菌を行う。
滅菌工程は、仕切用弱シール部9の押し広げの抑制対象となるシール際を医療用容器の一方の面側もしくは他方の面側から圧迫することにより行うものであることが好ましい。
また、滅菌工程は、医療用容器1を寝かせた状態において行うものであり、そして、滅菌工程における薬剤による押し広げの抑制は、仕切用弱シール部の押し広げの抑制対象となるシール際11を医療用容器1の上面側および/もしくは下面側から圧迫することにより行われるものである。
本発明の実施例において、滅菌工程は、医療用容器1を寝かせた状態において行うものであり、そして、滅菌工程における薬剤による押し広げの抑制は、仕切用弱シール部9の押し広げの抑制対象となるシール際11もしくはその付近を下面側より押し上げるものである。シール際11もしくはその付近の下面側からの押し上げは、高圧蒸気滅菌の際に、高温の薬液が仕切用弱シール部9のシール際に接触しにくくなるように行われる。
圧迫(押し上げ)は、仕切用弱シール部9の押し広げの抑制対象となるシール際に高温の薬液が接触しにくくなるように行うことが好ましい。このように滅菌工程を行うことにより、高圧蒸気滅菌による高温の薬液が仕切用弱シール部のシール際に接触しにくくなるため仕切用弱シール部9に強シール部が形成されにくくなる。
また、具体的に、滅菌工程は、医療用容器1を寝かせた状態で保持する載置用部材(載置用部)21を用いて行うものであり、滅菌工程における薬剤による押し広げの抑制は、載置用部材21の表面に設けられた突出部(突出部材)22上に仕切用弱シール部9の押し広げの抑制対象となるシール際11もしくはその付近を配置することによるものである。
また、仕切用弱シール部9の押し広げの抑制対象となるシール際11は、仕切用弱シール部の第1の薬剤室3側および第2の薬剤室4側の両方のシール際11a,11bである。これにより、仕切用弱シール部9の第1の薬剤室3側部分および第2の薬剤室4側部分に強シール部が形成されないものとなる。
滅菌工程は、上述したようにオートクレーブ等の圧力容器の中に寝かせた状態で行われることが好ましい。本発明の実施例において、滅菌工程は、医療用容器1を水平に載置した状態で行われる。
本発明で用いられる高圧蒸気滅菌装置は、仕切用弱シール部9により仕切られた第1の薬剤室3および第2の薬剤室4を有する軟質バッグ2と、第1の薬剤室3に充填された第1の薬液5と、第2の薬剤室4に充填された第2の薬液6と、薬剤室3,4のいずれかに連通するように軟質バッグ2に取り付けられたポート12とを有する密封された医療用容器1を高圧蒸気滅菌するための装置であり、装置は、医療用容器1を載置するための載置用部材(載置用部)21と、載置用部材上に設けられ、医療用容器1を載置用部材に寝かせた状態で載置したとき、医療用容器1の仕切用弱シール部9およびその付近を下面側より押し上げる突出部(突出部材)22とを備えている。
載置用部材21は、本発明の実施例においては平坦な部材であることが好ましい。なお、載置用部材は、傾斜していてもよい。突出部22は、本発明の実施例では載置用部材21の表面から突出するように形成されている。
図1,図2に示す実施例において、突出部22は、板状の突出部であることが好ましい。突出部22は、横長に形成された板状の突出部である。板状の突出部の幅は図1に示す横方向においてほぼ同じ幅に形成されている。また、突出部22は、図1ないし図3に示すように、仕切用弱シール部9より幅広に形成されていることが好ましい。幅広に形成されていることにより仕切用弱シール部9の第1の薬剤室3側および第2の薬剤室4側の両方の強シール化を防止することができる。また、本発明の実施例では突出部22の上面は平坦になっている。
また、本発明の実施例において突出部22は、図1,図2に示すように、仕切用弱シール部9の下面側に突出部22が接触するように医療用容器1を載置用部材21に載置したとき、シール際に薬液が接触しにくくなるような高さに形成されていることが好ましい。言い換えると、突出部22は、図3に示すように、突出部22により仕切用弱シール部9のシール際およびその付近(周辺)が下面側から押し上げられて高温の薬液がシール際に接触しにくくなるような高さに形成されていることが好ましい。
具体的に、突出部22の載置用部材21からの高さは、第1の薬剤室3,第2の薬剤室4のサイズ、第1の薬剤室3に充填された第1の薬液5の量、第2の薬剤室4に充填された第2の薬液6の量によるが、10mm以上であることが好ましい。突出部22の図1に示す軸方向の長さは、弱シール幅よりも3mm以上、特に、5〜10mm大きいことが好ましい。
また、突出部22の図1に示す横方向の長さは、仕切用弱シール部9と同じ程度の長さ(両端部の拡径部を除く長さ)もしくはそれより長く形成されていることが好ましい。また、突出部22の縁部は、図2,図3に示すように、R加工などのように丸みを帯びるように形成されもしくは面取りされていることが好ましい。本発明の実施例では、R加工されている。
なお、突出部の形状としては、突出部22の上に医療用容器1を配置することにより仕切用弱シール部9のシール際もしくはその付近を押し上げ、高圧蒸気滅菌の際に高温の薬液がシール際に接触しにくいものであればいかなる形状であってもよい。例えば、断面形状が略半円形状、略楕円形状等であってもよい。また、本発明の実施例においては、滅菌工程は、載置用部材21と一体に設けられた突出部22を用いて行われるがこれに限定されるものではなく、載置用部材21上に配置された突出部材を用いて行ってもよい(図示せず)。突出部材の形状等は、上述した突出部と同様であることが好ましい。また、突出部もしくは突出部材は、本発明では連続的に形成されているが、これに限定されるものではない。例えば、突出部もしくは突出部材は、断続的に形成されていてもよい(図示せず)。
本発明の実施例の滅菌工程は、まず、医療用容器1を、仕切用弱シール部9の下側に突出部22が接触するように載置用部材21上に配置する。この状態において、医療用容器1の仕切用弱シール部分は、図2に示すように、下面側から押し上げられる。具体的に、突出部22の上端面が仕切用弱シール部9のシール際およびその周辺を押し上げることにより、仕切用弱シール部9のシール際およびその付近に薬液が接触しないものとなっている。このように本発明の実施例ではシール際の押し広げを抑制している。
このように薬剤室のシール際の薬液による押し広げを抑制した状態で高圧蒸気滅菌を行う。高圧蒸気滅菌は上述したような条件で行われる。図3に示すように、本発明の製造方法によれば、高圧蒸気滅菌の際においても、仕切用弱シール部9のシール際およびその付近に薬液が接触しにくいものとなっているため、滅菌工程において、仕切用弱シール部に強シール部が形成されることがない。
また、載置用部材21の表面に設けられた突出部としては、シール際およびその周辺のみに接触する構成を有しているものであってもよい。
このような突出部30としては、図4,図5に示すように、仕切用弱シール部9の第1の薬剤室3側のシール際11aおよびその付近(周辺)を押し上げる第1の薬剤室側突出部31と、仕切用弱シール部9の第2の薬剤室4側のシール際11bおよびその付近(周辺)を押し上げる第2の薬剤室側突出部32とを備えている。第1の薬剤室側突出部31と第2の薬剤室側突出部32とは突条部である。第1の薬剤室側突出部31と、第2の薬剤室側突出部32とは、並列している。
本発明の第1の薬剤室側突出部31と第2の薬剤室側突出部32の横方向の長さは、仕切用弱シール部9と同じ程度の長さ(両端部の拡径部を除く長さ)もしくはそれより長く形成されていることが好ましい。また、突出部31,32の縁部は、図4,図5に示すように、R加工などのように丸みを帯びるように形成されもしくは面取りされていることが好ましい。本発明の実施例では、R加工されている。また、第1の薬剤室側突出部31もしくは第2の薬剤室側突出部32の上面は平坦に形成されていることが好ましい。また、本発明の実施例において、第1の薬剤室側突出部31と第2の薬剤室側突出部32とは、ほぼ同じ高さに形成されている。第1の薬剤室側突出部31と第2の薬剤室側突出部32とは、第1の薬剤室3と第2の薬剤室4の大きさ、薬液の量を考慮して異なる高さに形成されていてもよい。
また、本発明の実施例において突出部30は、図5に示すように、仕切用弱シール部9の下面側に突出部30が接触するように医療用容器1を載置用部材21に載置した状態で高圧蒸気滅菌した際に、シール際に薬液が接触しにくくなるような高さに形成されていることが好ましい。言い換えると、突出部30は、図5に示すように、突出部31,32により仕切用弱シール部9のシール際およびその付近が下面側から押し上げられて高温の薬液がシール際に接触しにくくなるような高さに形成されていることが好ましい。また、本発明の実施例では、第1の薬剤室側突出部31と第2の薬剤室側突出部32とは、医療用容器1の横方向に同じ幅に形成されているが、異なる幅に形成されていてもよい。
突出部がこのような構成であっても、上述したように仕切用弱シール部9の第1の薬剤室3側および第2の薬剤室4側のシール際11a,11bの充填された薬液5,6による押し広げを抑制することができる。
この実施例の滅菌工程は、まず、医療用容器1を、図4に示すように、仕切用弱シール部9のシール際11aおよびその付近が突出部31に接触し、かつシール際11bおよびその付近が突出部32に接触するように載置用部材21上に配置する。この状態において、医療用容器1の仕切用弱シール部分は、下面側から押し上げられる。具体的に、突出部30の上端面が仕切用弱シール部9のシール際およびその周辺を押し上げることにより、仕切用弱シール部9のシール際およびその付近に薬液が接触しないものとなっている。このように本発明の実施例ではシール際の押し広げを抑制している。
このように薬剤室のシール際の薬液による押し広げを抑制した状態で高圧蒸気滅菌を行う。高圧蒸気滅菌は上述したような条件で行われる。図4に示すように、本発明の製造方法によれば、高圧蒸気滅菌の際においても、仕切用弱シール部9のシール際およびその付近に薬液が接触しにくいものとなっているため、滅菌工程において、仕切用弱シール部に強シール部が形成されることがない。
また、上述した実施例の製造方法の滅菌工程においては、医療用容器1の仕切用弱シール部9のシール際11の第1の薬剤室3側および第2の薬剤室4側の両側において薬液によるシール際の押し広げを抑制するものであるが、これに限定されるものではなく、図6,図7に示すように、第1の薬剤室3側もしくは第2の薬剤室4側のいずれかにおいて薬液によるシール際の押し広げを抑制するものであってもよい。この実施例において、滅菌工程は、第1の薬剤室3側のシール際11aおよびその付近のみ下面側から押し上げる突出部35を用いて高圧蒸気滅菌を行うものである。
突出部35としては、例えば、上述した第1の薬剤室側突出部31、第2の薬剤室側突出部32のようなものであることが好ましい。本発明の滅菌工程に用いられる突出部は、特に、大きな容量を備えかつ大きな量の薬液が充填されている薬剤室側のシール際およびその周辺を押し上げるものであることが好ましい。このような構成により第1の薬液による押し広げの大きい第1の薬剤室3側の仕切用弱シール部9のシール際が広がることを確実に防止することができる。
この実施例の滅菌工程は、まず、医療用容器1を、図6に示すように、仕切用弱シール部9のシール際11aおよびその付近が突出部35に接触するように載置用部材21上に配置する。この状態において、医療用容器1の仕切用弱シール部分は、下面側から押し上げられる。具体的に、突出部35の上端面が仕切用弱シール部9のシール際およびその周辺を押し上げることにより、仕切用弱シール部9のシール際およびその付近に薬液が接触しないものとなっている。このように本発明の実施例ではシール際の押し広げを抑制している。
このように薬剤室のシール際の薬液による押し広げを抑制した状態で高圧蒸気滅菌を行う。高圧蒸気滅菌は上述したような条件で行われる。図6に示すように、本発明の製造方法によれば、高圧蒸気滅菌の際においても、仕切用弱シール部9のシール際およびその付近に薬液が接触しにくいものとなっているため、滅菌工程において、仕切用弱シール部に強シール部が形成されることがない。
次に、他の実施例である医療用容器の製造方法について説明する。
本発明の製造方法と上述した製造方法とは、上述した製造方法の滅菌工程が、仕切用弱シール部9の押し広げの抑制対象となるシール際11a,11bを医療用容器1の下面側から圧迫するものであることに対して、シール際11a,11bの医療用容器1の上面側から圧迫することによるものである点において相違している。以下、上述した実施例と同様の点については上記を参照する。
本発明の実施例の滅菌工程は、医療用容器1を寝かせた状態で行うものであり、そして、滅菌工程における薬剤による押し広げの抑制は、仕切用弱シール部9の押し広げの抑制対象となるシール際11a,11bもしくはその付近を上面側より押し下げることによるものである。
また、滅菌工程は、図8,図9に示すように、医療用容器1の仕切用弱シール部9のシール際11a,11bの第1の薬剤室3側もしくは第2の薬剤室4側を医療用容器1の上面側より押し下げることによるものである。
本発明の滅菌工程は、医療用容器を寝かせた状態を保持する載置用部材21を用いて行うものであり、載置用部材21に寝かせた状態の医療用容器1の仕切用弱シール部9の抑制対象となるシール際11a,11bもしくはその付近を上面側から圧迫するものである。
圧迫(押し下げ)は、医療用容器1の仕切用弱シール部9のシール際が薬液に接触しにくくなる程度に仕切用弱シール部9およびその付近を押圧してシール際の上面側シートおよび下面側シートが接触する程度に行われる。圧迫(押し下げ)は、寝かせた状態の医療用容器1の上面側から仕切用弱シール部9のシール際もしくはその付近を押圧することにより行い、薬剤室に充填された薬液がシール際に接触しにくくなる程度に行われる。圧迫は、図8,図9に示すような圧迫部(圧迫部材)を用いて行うことが好ましい。
本発明で用いられる高圧蒸気滅菌装置は、仕切用弱シール部9により仕切られた第1の薬剤室3および第2の薬剤室4を有する軟質バッグ2と、第1の薬剤室3に充填された第1の薬液5と、第2の薬剤室4に充填された第2の薬液6と、薬剤室3,4のいずれかに連通するように軟質バッグ2に取り付けられたポート12とを有する密封された医療用容器1を高圧蒸気滅菌するための装置であり、医療用容器1を載置するための載置用部材(載置用部)21と、載置用部材(載置用部)21上に設けられ、医療用容器1を載置用部材(載置用部)21に寝かせた状態で載置したとき、医療用容器1の仕切用弱シール部9およびその付近を上面側より押し下げる圧迫部36とを備えている。
載置用部材(載置用部)21は、本発明の実施例においては平坦な部材であることが好ましい。本発明の実施例において、滅菌工程は、医療用容器1を水平に載置した状態で行われる。
なお、載置用部材は、傾斜してもよい。圧迫部36は、本発明の実施例では上面側から降下して仕切用弱シール部9およびその付近を圧迫可能なものである。
図8に示す実施例において、圧迫部36は、横長に形成された板状部であることが好ましい。圧迫部36は、横方向においてほぼ同じ幅に形成されている。また、圧迫部36は、図8,図9に示すように、仕切用弱シール部9より幅広に形成されていることが好ましい。幅広に形成されていることにより仕切用弱シール部9の第1の薬剤室3側および第2の薬剤室4側の両方の強シール化を防止することができる。また、本発明の実施例では圧迫部36の下面は平坦になっている。
圧迫部36の図8に示す軸方向の長さは、仕切り用弱シール部9のシール幅によるが弱シール幅よりも3mm以上、特に、5〜10mm大きいことが好ましい。
また、圧迫部36の図8に示す横方向の長さは、仕切用弱シール部9と同じ程度の長さ(両端部の拡径部を除く長さ)もしくはそれより長く形成されていることが好ましい。また、圧迫部36の縁部は、図8,図9に示すように、R加工などのように丸みを帯びるように形成されもしくは面取りされていることが好ましい。本発明の実施例では、R加工されている。
なお、滅菌工程としては、載置用部材21上に医療用容器1を配置し、この医療用容器1の仕切用弱シール部9のシール際11a,11bもしくはその付近を圧迫部36を降下させ圧迫することによりシール際11a,11bの上面側シートおよび下面側シート同士を接触させる。このように、医療用容器1の仕切用弱シール部9のシール際もしくはその付近の上面側シートおよび下面側シート同士を接触するため薬剤室内の薬液が接触しにくいものとなる。このように、本発明の実施例ではシール際の押し広げを抑制している。
このように、薬剤室のシール際の薬液による押し広げを抑制した状態で高圧蒸気滅菌を行う。高圧蒸気滅菌は上述したような条件で行われる。本発明の製造方法によれば、高圧蒸気滅菌の際においても、仕切用弱シール部9のシール際およびその付近に薬液が接触しにくいものとなっている。このため、滅菌工程において、仕切用弱シール部に強シール部が形成されることがない。
次に、本発明の他の実施例である医療用容器1の製造方法について説明する。本発明の他の実施例である製造方法の滅菌工程は、本発明の他の実施例の滅菌工程は、医療用容器1の一方の面側および他方の面側から仕切用弱シール部9のシール際11a,11bもしくはその付近を圧迫するものである。
具体的に、本発明の滅菌工程は、医療用容器1を寝かせた状態において行うものであり、そして、滅菌工程における薬剤による押し広げの抑制は、仕切用弱シール部9の押し広げの抑制対象となるシール際11a,11bを医療用容器1の上面側および下面側から圧迫することによるものである。
また、滅菌工程は、医療用容器1は、寝かせた状態において行うものであり、そして、滅菌工程における薬剤による押し広げの抑制は、仕切用弱シール部9の押し広げの抑制対象となるシール際11a,11bもしくはその付近を下面側より押し上げるおよび上面側より押し下げることによるものである。
滅菌工程は、図10,図11に示すように、医療用容器1の仕切用弱シール部9のシール際11もしくはその付近の上面側および下面側を、載置用部材21の表面に設けられた突出部37と、医療用容器1の上面側に設けられた圧迫部36とにより仕切用弱シール部9のシール際11およびその付近を上面側および下面側より圧迫することにより行われる。
突出部37および圧迫部36により圧迫することにより、医療用容器1の仕切用弱シール部9のシール際11もしくはその付近の上面側シートおよび下面側シート同士が接触するため薬剤室内の薬液が接触しにくいものとなる。このように、本発明の実施例ではシール際の押し広げを抑制している。圧迫部36の構成は、上述した通りである。また、突出部37は、載置用部材21からの高さを除いて上述した突出部22と同様であることが好ましい。突出部37の高さは、本発明の実施例では、突出部37により下面側から圧迫して圧迫部36により上面側から圧迫しない状態で薬液がシール際に接触する程度に形成されている。この実施例の滅菌工程は、医療用容器1を水平に載置した状態で行うものである。
このように、薬剤室のシール際の薬液による押し広げを抑制した状態で高圧蒸気滅菌を行う。高圧蒸気滅菌は上述したような条件で行われる。本発明の製造方法によれば、高圧蒸気滅菌の際においても、仕切用弱シール部9のシール際およびその付近に薬液が接触しにくいものとなっている。このため、滅菌工程において、仕切用弱シール部に強シール部が形成されることがない。
なお、本発明の実施例では、医療用容器1を載置用部材に載置した状態で上面側および下面側から突出部および圧迫部により圧迫するものであるがこれに限定されるものではない。滅菌工程は、例えば、医療用容器1の仕切用弱シール部9のシール際11もしくはその付近をクリップのようなもので挟持した状態で行ってもよい。また、滅菌工程は、載置用部材に載置した状態で行わなくてもよい。例えば、医療用容器を立てた状態で行ってもよい。
図1は、本発明の実施例である医療用容器の製造方法を説明するための説明図ある。 図2は、本発明の実施例である医療用容器の製造方法を説明するための説明図である(高圧蒸気滅菌前)。 図3は、本発明の実施例である医療用容器の製造方法を説明するための説明図である(高圧蒸気滅菌中)。 図4は、本発明の他の実施例である医療用容器の製造方法を説明するための説明図である(高圧蒸気滅菌前)。 図5は、本発明の他の実施例である医療用容器の製造方法を説明するための説明図である(高圧蒸気滅菌中)。 図6は、本発明の他の実施例である医療用容器の製造方法を説明するための説明図である(高圧蒸気滅菌前)。 図7は、本発明の他の実施例である医療用容器の製造方法を説明するための説明図である(高圧蒸気滅菌中)。 図8は、本発明の他の実施例である医療用容器の製造方法を説明するための説明図である(高圧蒸気滅菌前)。 図9は、本発明の他の実施例である医療用容器の製造方法を説明するための説明図である(高圧蒸気滅菌中)。 図10は、本発明の他の実施例である医療用容器の製造方法を説明するための説明図である(高圧蒸気滅菌前)。 図11は、本発明の他の実施例である医療用容器の製造方法を説明するための説明図である(高圧蒸気滅菌中)。 図12は、従来の医療用容器の製造方法を説明するための説明図である(高圧蒸気滅菌中)。
符号の説明
1 医療用容器
2 軟質バッグ
3 第1の薬剤室
4 第2の薬剤室
9 仕切用弱シール部
11 シール際
12 ポート
13 薬剤容器

Claims (4)

  1. 仕切用弱シール部により仕切られた第1の薬剤室および第2の薬剤室を有する軟質バッグと、前記第1の薬剤室に充填された第1の薬液と、前記第2の薬剤室に充填された第2の薬液と、前記薬剤室のいずれかに連通するように前記軟質バッグに取り付けられたポートとを有する密封された医療用容器を準備する工程と、前記医療用容器の高圧蒸気滅菌を行う滅菌工程とを行う薬液充填済み医療用容器の製造方法であって、
    前記滅菌工程は、前記医療用容器を寝かせた状態を保持するとともに仕切用弱シール部載置用の突出部を有する載置用部材を用いて行うものであり、さらに、前記滅菌工程は、前記仕切用弱シール部の下面側に前記突出部が接触するように前記医療用容器を前記載置用部材に載置し、前記仕切用弱シール部のシール際が前記薬液に接触せず、前記シール際およびその付近が、前記薬剤室内の空間と接触する状態にて行うものであることを特徴とする薬液充填済み医療用容器の製造方法。
  2. 前記医療用容器の前記第1の薬剤室は前記第2の薬剤室より大きな容量を備えかつ大きな量の薬液が充填されているものである請求項1に記載の薬液充填済み医療用容器の製造方法。
  3. 前記滅菌工程は、前記医療用容器を水平に載置した状態で行うものである請求項1または2に記載の薬液充填済み医療用容器の製造方法。
  4. 前記突出部の縁部は、丸みを帯びるように形成もしくは面取りされている請求項1ないし3のいずれかに記載の薬液充填済み医療用容器の製造方法。
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