JP4554159B2 - Dnaを標識化および断片化する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、DNAを断片化および標識する方法ならびに、特に診断分野でのこの方法の用途に関連する。
先行技術により、核酸を標識するために、数多くの方法が存在することが判明している。
第1の方法は、マーカーを塩基に結合(attack)させることからなり、その際、後者は、天然塩基でも修飾塩基でもよい。第2の方法は、マーカーを糖に結合させることを提示しており、この場合にも、天然の糖でも修飾された糖でもよい。第3の方法は、マーカーをリン酸塩に結合させることを目的としている。
塩基での標識は、特に、直接的に標識されたヌクレオチドを導入することにより、核酸を標識する手法で使用されている。
糖での標識は、化学合成により調製されたオリゴヌクレオチドの場合に使用される。
リン酸塩での標識も、オリゴヌクレオチドの化学合成の間に、官能化されたアームおよびマーカーを導入するために使用されている。
実際には、ヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体または核酸の標識を実施すベき当技術分野の専門家は、この結合を、塩基上で、またはより簡単で、代わりとなる糖の上で実施しがちである。これは実際に、塩基では、EP-A第0329198号、EP-A第0302175号、EP-A第0097373号、EP-A第0063879号、US-A第5449767号、US-A第5328824号、WO-A第93/16094号、DE-A第3910151号、EP-A第0567841号または糖では、EP-A第0286898号などの数多くの文献の研究から明らかである。
リン酸塩へのマーカーの結合は、塩基または糖を官能化させることからなる技術よりも複雑な技術であり、特に、リン酸塩の低い反応性により、使われることはかなり少ない(例えば、Jencks W.P.et al., J.Amer.Chem.Soc., 82, 1778-1785頁, 1960年参照)。同様に、O'DonnelおよびMcLaughlinによる概観("Reporter groups for the analysis of nucleic acid structure", 216-243頁, in "Bioorganic Chemistry: Nucleic Acids", Ed. Hecht S.M., Oxford University Press, 1996)では、オリゴヌクレオチド断片にプローブを導入するための方法に関連して、ヌクレオチド間(internucleotide)ホスホジエステルの有効なアルキル化は、不可能と考えられている。
第2の問題は、核酸プローブとハイブリダイゼーションさせるべき核酸、特に大きなサイズの核酸、即ち100個を上回るヌクレオチドからなる核酸を標識することに関する。この問題は、立体障害あるいは核酸と核酸プローブとの特異性の欠如に結びついている。この結果、検出感度の低下が生じる。
立体障害は、核酸の長さの結果であるだけでなく、二次構造の存在または維持の結果でもありうる。断片化により、これらの構造を壊して、ハイブリダイゼーションを最適化することができる。この立体障害は、高密度で捕捉プローブを含む表面、例えば、Affymetrix社により開発されたDNAチップの上にハイブリダイゼーションする場合に、特に重要な役割を果たす("Accessing Genetic Information with High-Density DNA arrays", M.Shee et al., Science, 274, 610-614頁、"Light-generated oligonucleotide arrays for rapid DNA sequence analysis", A.Caviani Pease et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 1994年, 91, 5022-5026頁)。
核酸の断片化に関して、数多くの方法が、当技術分野で記載されている。
第1に、断片化は、酵素的であってよく、即ち、核酸の断片化を、ヌクレアーゼ(DNアーゼ)によって実施することができる。
第2に、断片化は、化学的であってよい。例えば、DNAの場合には、DNAの脱プリンまたは脱ピリミジンを実施することができ、これを次いで、塩基の存在下に、いわゆる"β-脱離"機構により断片化する。DNAの断片化は、酸化、アルキル化、遊離ラジカルの添加などにより実施することができる。
最後に、断片化は、物理的であってよく、例えば、超音波処理または光化学的経路によってよい。
実際には、断片化および標識からなるこれらの2つのステップを組み合わせることは、困難である。
特許出願WO-A第99/65926号には、RNAを断片化し、末端リン酸のレベルで標識することからなる合成または天然リボ核酸(RNA)を標識する方法が記載されている。この文献には、断片化と共に標識するために使用することができる数多くの反応性官能基が記載されている。これらの官能基により、RNAを標識することができるが、この標識は、断片化の間に遊離されリン酸塩で生じるので有効な標識のためには、断片化を伴う必要がある。さらに、有効な標識を得るためには、RNAに対して多大に過剰な標識試薬を加える必要があり、これによって、過剰なマーカーにより生じる背景ノイズの問題が生じる。最後に、この方法は、二本鎖DNAに適用することができない。
EP-A第0329198号 EP-A第0302175号 EP-A第0097373号 EP-A第0063879号 US-A第5449767号 US-A第5328824号 WO-A第93/16094号 DE-A第3910151号 EP-A第0567841号 EP-A第0286898号 Jencks W.P.et al., J.Amer.Chem.Soc., 82, 1778-1785頁, 1960年 Reporter groups for the analysis of nucleic acid structure("Bioorganic Chemistry: Nucleic Acids"、216-243頁, Ed. Hecht S.M., Oxford University Press, 1996年) "Accessing Genetic Information with High-Density DNA arrays", M.Shee et al., Science, 274, 610-614頁 "Light-generated oligonucleotide arrays for rapid DNA sequence analysis", A.Caviani Pease et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 1994年, 91, 5022-5026頁 WO-A第99/65926号 G.Pratviel et al., Angew.Chem.Int.Ed.Engl., 34, 746-769頁, 1995年 G.Pratviel et al., Adv.Inorg.Chem., 45, 251-312頁, 1998年 D.S.Sigman et al., Chem.Rev., 93, 2295-2316頁, 1993年 J.Lhomme et al., Biopolymers(Nucleic Acid Sciences), 52, 65-83頁, 1999年 WO-A第00/40590号 WO-A第98/05766号 WO-A第00/07982号 WO-A第01/92361号 WO-A第95/08000号 WO-A第01/44506号 Randolph J.B.et al., Nucleic Acids Res., 25(14), 2923-2929頁, 1997年 WO-A第00/07982号 FR-A第2607507号 M.Egholm et al., J.Am.Chem.Soc., 114, 1895-1897頁, 1992年 US-A第4683195号 US-A第4683202号 US-A第4800159号 EP-A第0569272号 EP-A第0201184号 WO-A第90/01069号 WO-A第98/05766号 特許出願WO-A第00/40590号 G.Ramsay, Nature Biotechnology, 16, 40-44頁, 1998年 F.Ginot, Human Mutation, 10, 1-10頁, 1997年 J.Cheng et al., Molecular diagnosis, 1(3), 183-200頁, 1996年 T.Livache et al., Nucleic Acids Research, 22(15), 2915-2921頁, 1994年 J.Cheng et al., Nature Biotechnology, 16, 541-546頁, 1998年 Antoine de Saizieu et al., Nature Biotechnology, 16, 44-48頁, 1998年 Thomas R.Gingeras et al., Genome Research, 8, 435-448頁, 1998年 David j.Lockhart et al., Nature Biotechnology, 14, 1675-1680頁, 1996年 Daniel D.Shoemaker et al., Nature Genetics, Vol.14, 450-456頁, 1996年 R.J.Lipshutz et al., BioTechniques, 19(3), 442-447頁, 1995年 David G.Wang et al., Science, 280, 1077-1082頁, 1998年 Kevin L.Gunderson et al., Genome Research, 8, 1142-1152頁, 1998年 Joseph G.Hacia et al., Nature Genetics, Vol.14, 441-447頁, 1996年 登録番号FR01/06040 WO-A第00/40590号 Newcome et al., (1996年) Dendritic Molecules: Concept, Syntheses, Perspectives. VCH Ed., Weinheim, Germany G. Bhalay, A.R. Dunstan, Tetrahedron Lett. 39, 7803頁, 1998年 EP第549776-B1 WO-A第99/15621号 WO-A第00/60049号 US-A第5902746号 WO-A第98/54306号 WO-A第00/05338号
したがって、良好な標識収率、したがって良好な感度をもたらし、標識位置のレベルで特異的であり、特に、水素結合を介しての二重らせんの形成に関する塩基のハイブリダイゼーションの特性に影響を及ぼさず、最後に、これらの標識されたDNA断片を核酸プローブ、特に、固体支持体に結合している核酸プローブにハイブリダイゼーションすることを目的に、DNAを断片化することができる簡単かつ有効なDNA標識技術に対する必要性が存在する。
本発明は、次のステップ:
前記のDNA上に少なくとも1つの非塩基性部位を生成することにより、DNAを断片化するステップと、
標識試薬を用いて、断片の少なくとも1個にマーカーを結合させ、その際、前記の試薬は共有結合により主に、前記断片の少なくとも1個のホスフェートに連結するステップとを含む、一本鎖または二本鎖デオキシリボ核酸(DNA)を標識化および断片化する方法を記載している。
断片化および標識を、1ステップまたは2ステップで実施し、標識を、断片化の前、その後、またはそれと同時に行うことができる。
好ましくは、標識および/または断片化を、実質的に水性で均一な溶液中で実施する。好ましくは、標識化および断片化を同時に実施する。即ち、これら2つのステップに必要な試薬を一緒に、例えば核酸を含む実質的に水性の溶液に入れる。これは特に、化学的または酵素的断片化の場合である。物理的手段による機械的断片化の場合には、標識化および断片化を同時に実施するということは、少なくとも核酸および標識試薬を含有する溶液に物理的手段を適用するということである。
実質的に水性の溶液との表現は、少なくとも50%の水を含有する溶液を意味すると理解されたい。この溶液は好ましくは、緩衝溶液などの塩を含有する。均一な溶液との表現は、水/クロロホルム溶液などの2相溶液とは異なり、水/DMSOなどの単一相溶液を意味すると理解されたい。
非塩基性部位を生成することを介するDNAの断片化は、酵素的、化学的または物理的経路で実施する。
化学的経路によるDNAの断片化は、非塩基性部位を生成する化学的手段に核酸を接触させることにより実施する。
DNAの非塩基性部位を介する化学的断片化のための条件の例は、G.Pratviel et al., Angew.Chem.Int.Ed.Engl., 34, 746-769頁, 1995年;G.Pratviel et al., Adv.Inorg.Chem., 45, 251-312頁, 1998年;D.S.Sigman et al., Chem.Rev., 93, 2295-2316頁, 1993年;J.Lhomme et al., Biopolymers(Nucleic Acid Sciences), 52, 65-83頁, 1999年に記載されている。
修飾塩基とデオキシリボースとを連結しているN-グリコシド結合が加水分解されている場合に、非塩基性部位が生じ、その際、ホスホジエステル結合はそのままである。この現象は、脱プリン(プリンの場合)または脱ピリミジン(ピリミジンの場合)と称される。脱プリンが、脱ピリミジンよりもはるかに頻繁である。
酸性pH、酸化剤またはアルキル化剤などの化学薬品が、脱プリンの現象を、従って非塩基性部位の生成をもたらしうる。これらのアルキル化剤は、DNA断片の求核性部位と反応する求電子性種からなる。グアニンの7-位に位置する窒素原子は、DNAをアルキル化する主要部位である。プリンのプロトン化に加えて、アルキル化は、より不安定なN-グリコシド結合を生じうる化学的修飾の1つである。
Figure 0004554159
DNAの酸化は、いわゆる「アルカリ不安定(alkalilabile)」な非塩基性傷害部(lesions)を生成することもでき、これは、塩基の存在下でのDNAの断片化をもたらす。例えば、ヒドロキシル(OH)基とC1'炭素との反応により、リボノラクトン(ribonolactone)基を生成することができる。
Figure 0004554159
非塩基性部位は、非常に不安定である。そのアルデヒドの形では、3'-位に結合しているホスホジエステルのβ-脱離を容易に受け、DNA鎖の断片化をもたらしうる。
生理学的条件(pH7.4、37℃)下では、この脱プリンは自発的であるが、反応速度は非常に遅く、1秒当たり3×10-11脱プリンの速度であり、即ち、効率的な断片化には不十分である。反応速度を高めるために、N-グリコシド結合を脆くするアルキル化剤またはDNAグリコシラーゼ(glycosylase)などの酵素を使用する。
酸性pH、即ち、5未満のpHを使用すると、断片化の好ましい実施形態が得られる。有利には、pHは、約3である。
pH3のギ酸ナトリウム緩衝液により、本発明により、核酸を効率的に断片化することができる。この緩衝液は、実施例で証明されるように、1ステップで標識するための条件と相容性である。さらに特に有利には、酸性媒体(HCl、炭酸塩、H2SO4)を使用する。
本発明の特別な実施形態では、断片化をさらに増加させるために、デオキシリボ核酸は、非塩基性部位をより簡単に生じうる少なくとも1種の修飾塩基を含有する。
N7-アルキルプリン、N3-アルキルプリン、O6-アルキルプリン、8-ブロモプリン、8-チオプリン、8-アルキルチオプリン、8-アジドプリンまたは8-アルキルスルホニルプリンなどの様々な修飾塩基を使用することができる。
標識すべき核酸を、PCRなどの酵素的増幅技術により生成する場合には、8-ブロモプリンを使用すると、増幅の間に効率的な導入を得ることができ、これは対応して、本発明による断片化および標識の方法を簡単にしつつ、酵素的増幅ステップに対する優れた感受性を維持する。PCR増幅および導入効率を妨害することなく、8-メチルチオプリンも導入される。導入したら、過酸またはペルオキシモノ硫酸カリウムなどの一過硫酸誘導体により、チオエーテル塩基を酸化させて、例えば、非常に不安定な対応するスルホニルにする。8-メチルスルホニルグアノシンの加水分解に対応する半減期は、2分未満である一方で、その天然同族体の半減期は、1000時間であることが証明されている。
マーカーとの表現は、直接的にまたは間接的に検出可能なシグナルを発しうる少なくとも1個のマーカーを意味すると理解されたい。これらのマーカーの非限定的なリストは、次である:
ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼ、グルコース-6-ホスフェートデヒドロゲナーゼなどの、例えば測色法、蛍光、発光により検出可能なシグナルを生じる酵素、
蛍光、発光または呈色化合物などの発色団、
電子顕微鏡観察により、または導電性、電流測定、電圧測定、インピーダンスなどの電気的特性により検出可能な電子密度を有する基、
その分子が、物理的および/または化学的特性の検出可能な修飾をもたらすに十分なサイズを有する検出可能な基であって、検出が、回折、表面プラズモン共鳴、表面変化、接触角変化などの光学的方法により、または原子間力分光法、トンネル効果などの物理的方法により実施することができる基、
32P、35Sまたは125Iなどの放射性分子。
好ましくは、これらのマーカーに伴う安全性の問題を回避するために、マーカーは、放射性マーカーではない。
本発明の特別な実施形態では、マーカーは、電気化学的に検出可能であり、特にマーカーは、フェロセンなどの鉄錯体の誘導体である。
例えば、抗リガンド(antiligand)と反応しうるリガンドなどの間接的な系を使用することもできる。リガンド/抗リガンド対は、当技術分野の専門家によく知られていて、これは、例えば、次の対のケースである:ビオチン/ストレプトアビジン、ハプテン/抗体、抗原/抗体、ペプチド/抗体、糖/レクチン、ポリヌクレオチド/該ポリヌクレオチドの相補鎖。この場合、反応性官能基を担うのはリガンドである。抗リガンドは、前のパラグラフに記載のマーカーにより直接検出することができるか、それ自体、他のリガンド/抗リガンド対によって検出することができる。
間接的な系の他の例は、リガンドと抗リガンドとの、例えばメチルケトンとアルコキシアミンとの間の特異的な共有結合を使用する。この系の例は、特許出願WO-A第00/40590号およびWO-A第98/05766号に記載されている。
本発明の方法では、標識試薬と核酸との間の結合は、共有結合であるが、特に、スタッキング系、またマーカーが間接的に検出可能である場合には、非共有結合的相互作用を使用することもできることは、前記している。したがって、「結合(attach)」との用語は、これらの様々な可能性をカバーしている。
これらの間接的な検出系は、一定の条件下では、シグナルの増幅をもたらすことができ、ポリマーを使用する化学増幅の例では、本出願人による先行特許出願WO-A第00/07982号、WO-A第01/92361号およびWO-A第95/08000号を、またはスタッキング化学増幅系では、これも本出願人の出願WO-A第01/44506号を参照することができる。
シグナル増幅の特別な実施形態では、少なくとも2個のマーカーが、標識試薬の上に存在する。
本発明の好ましい実施形態では、トレーサーは、フルオレセイン、ダンシル、IRタイプの発色団(Li-COR Inc., Lincoln NE, USA)、Cy5およびCy3などのシアニン誘導体(Randolph J.B.et al., Nucleic Acids Res., 25(14), 2923-2929頁, 1997年)および特に、Cy5誘導体などの低い立体障害の蛍光化合物であるか、もしくは、トレーサーは、ビオチンまたはアビエタン(abietane)誘導体などの低い立体障害のハプテンである(出願WO-A第00/07982号参照)。低い立体障害との表現は、1000g/mol未満の分子量を意味すると理解されたい。
蛍光体の場合には、励起波長が450nmより大きい、好ましくは600nmより大きい蛍光体を用いるのが好ましい。
トレーサーが、例えばビオチンなどの、それ自体はシグナルを発しないハプテンである場合には、前記のように抗リガンドの反応により、検出を実施する。フルオレセインなどの蛍光化合物に連結したビオチン、ストレプトアビジンまたは抗ビオチン抗体の場合には、Cy5またはフィコエリトリンを使用するのが好ましい。アビエタン(abietane)の場合には、WO-A第00/07982号に記載されているようなモノクローナル抗体を使用する。
「デオキシリボ核酸」またはDNAとの用語は、少なくとも1個の修飾されたヌクレオチド、例えばイノシン、メチル-5-デオキシシチジン、ジメチルアミノ-5-デオキシウリジン、デオキシウリジン、ジアミノ-2, 6-プリン、ブロモ-5-デオキシウリジンなどの修飾塩基またはハイブリダイゼーションを可能にする他の任意の修飾塩基を含有する少なくとも1個のヌクレオチドを場合により含む、少なくとも2個の連続するデオキシリボヌクレオチドを意味する。
このDNAは、例えば、ホスホロチオエート、H-ホスホネート、アルキルホスホネートなどのヌクレオチド間結合のレベルで、例えば、α-オリゴヌクレオチド(FR-A第2607507号)またはPNA(M.Egholm et al., J.Am.Chem.Soc., 114, 1895-1897頁, 1992年)などの骨核のレベルで修飾されていてもよい。DNAは、天然または合成であり、かつ/または断片の形である。DNAは、一本または二本鎖である。
特に、次のような酵素的増幅技術により、DNAは得られる
特許US-A第4683195号、US-A第4683202号およびUS-A第4800159号に記載のPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)およびそのRT-PCR(逆転写PCR)誘導法、特に、特許EP-A第0569272号に記載の一段階方式、
例えば、特許出願EP-A第0201184号で開示されているLCR(リガーゼ連鎖反応)、
特許出願WO-A第90/01069号に記載のRCR(修復連鎖反応)。
酵素的増幅技術により生じたDNAを称するために、次では、増幅産物(amplicon)との用語を使用する。DNAは、低い割合、例えば10%未満の割合でリボヌクレオチドを含有してもよい。
少なくとも1種のホスフェートがDNAに存在する限り、これらの修飾のそれぞれを組み合わせて行うことができる。
標識試薬は、反応性官能基として、ジアゾメチル;アルキルハロゲン化物;ニトロソウレア;スピロシクロプロパン;アジリジン;エポキシド;トリフルオロメタンスルホネートから選択されるモチーフを含む。
反応性官能基を、下記に示す:
Figure 0004554159
アルキルハロゲン化物反応性官能基では、Xは、Br、ClまたはIを表す。有利には、標識試薬は、5-(ブロモメチル)フルオレセインである。
ニトロソウレア反応性官能基では、R5は、アルキルまたはHである。
ジアゾメチル官能基は既に、ホスフェート基をアルキル化するために使用されているが、数多くの問題が存在する。一方では、ジアゾ誘導体は通常、それ自体不安定で、標識キット中でこれらの標識試薬を使用するには問題を起こし、他方で、連結の生成物は不安定で、標識生成物の役割が、任意のサンプル中で生体ターゲット分子の存在を検出することであるか、あるいは、検出を所望するのが標識ターゲットである場合には、その使用は不可能である。
最後に、ジアゾメチル官能基を有する誘導体は、水に不溶性で、このことにより、水または水性緩衝液中でのみ可溶性で安定な核酸と連結するために、2相状態が用いられるが、これらの状態は、反応速度を遅くし、したがって、連結の効率を阻害する。
本発明による好ましい一実施形態では、標識試薬は、式(1)の化合物から選択される:
Figure 0004554159
[上式中、
R1は、Hまたはアルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリール基を表し、
Zは、検出可能なマーカーを含む]。
Zおよび/またはR1は、ジアゾメチル官能基を安定させるために選択される、即ち、2個の基Zおよび/またはR1の少なくとも一方は、フェニル核を有する。
好ましくは、標識試薬は、式(2)の化合物
Figure 0004554159
[上式中、
R1は、Hまたはアルキル、アリールまたは置換アリール基を表し、
R2は、検出可能なマーカーであり、
Lは、線状に連続する少なくとも2個の共有結合を含む連結アームを表し、nは、0または1に等しく、
Zは、
Figure 0004554159
(上式中、
R3およびR4は相互に独立に: H、NO2、Cl、Br、F、I、OR、SR、NR2、R、NHCOR、CONHR、COORを表し、ここで、R=アルキルまたはアリールであり、
-Y-X-は、-CONH-、-NHCO-、-CH2O-、-CH2S-を表す)から選択される]から選択する。
式(1)での特別な一実施形態では、Zは、次の構造を有する。
Figure 0004554159
この場合に、R2がHであると、標識試薬は、1-ピレニルジアゾメタン(PDAM)である。
このマーカーは蛍光性であるが、励起波長が核酸の波長に近すぎる。ピレンモチーフを対象とするモノクローナル抗体を使用する間接的な検出が、好ましい。この抗体を調製するための方法は、当技術分野の専門家にはよく知られている(例えば、特許出願WO-A第00/07982号)。
方法の好ましい一実施形態では、標識試薬は、式(3)のものである:
Figure 0004554159
[上式中、
R1は、Hまたはアルキル、アリールまたは置換アリール基を表し、
R2は、検出可能なマーカーを表し、
Lは、線状に連続する少なくとも2個の共有結合を含む連結アームを表し、nは、0または1に等しい整数であり、
R3およびR4は相互に独立に: H、NO2、Cl、Br、F、I、OR、SR、NR2、R、NHCOR、CONHR、COORを表し、ここで、R=アルキルまたはアリールであり、
-Y-X-は、-CONH-、-NHCO-、-CH2O-、-CH2S-を表す]。
有利には、試薬は式(4)である。
Figure 0004554159
[上式中、
R1は、Hまたはアルキル、アリールまたは置換アリール基を表し、
R2は、検出可能なマーカーを表し、
Lは、線状に連続する少なくとも2個の共有結合を含む連結アームを表し、nは、0または1に等しい整数であり、
R3およびR4は相互に独立に: H、NO2、Cl、Br、F、I、OR、SR、NR2、R、NHCOR、CONHR、COORを表し、ここで、R=アルキルまたはアリールである]。
有利には、試薬は式(5)である。
Figure 0004554159
[上式中、
R1は、Hまたはアルキル、アリールまたは置換アリール基を表し、
R2は、検出可能なマーカーを表し、
Lは、線状に連続する少なくとも2個の共有結合を含む連結アームを表し、nは、0または1に等しい整数であり、
R3およびR4は相互に独立に: H、NO2、Cl、Br、F、I、OR、SR、NR2、R、NHCOR、CONHR、COORを表し、ここで、R=アルキルまたはアリールである]。
有利には、試薬は式(6)である。
Figure 0004554159
[上式中、
R1は、Hまたはアルキル、アリールまたは置換アリール基を表し、
R2は、検出可能なマーカーを表し、
Lは、線状に連続する少なくとも2個の共有結合を含む連結アームを表し、nは、0または1に等しい整数であり、
R3およびR4は相互に独立に: H、NO2、Cl、Br、F、I、OR、SR、NR2、R、NHCOR、CONHR、COORを表し、ここで、R=アルキルまたはアリールである]。
前記の式(3)から(6)中、有利にはR3およびR4は相互に独立に:H、NO2、OCH3を表す。
従って、式(6)による好ましい化合物は、式(6')のものである:
Figure 0004554159
[R1は、Hまたはアルキル、アリールまたは置換アリール基を表し、
R2は、検出可能なマーカーを表し、
Lは、線状に連続する少なくとも2個の共有結合を含む連結アームであり、nは、0または1に等しい整数である]。
式(4)による好ましい化合物は、式(4')である:
Figure 0004554159
[上式中、
R1は、Hまたはアルキル、アリールまたは置換アリール基を表し、
R2は、検出可能なマーカーを表し、
Lは、線状に連続する少なくとも2個の共有結合を含む連結アームであり、nは、0または1に等しい整数である]。
シグナルを増幅することが望ましい方法の特別な一実施形態では、少なくとも2個のマーカーが、標識試薬の上に存在する。特に、本発明によるシグナル増幅を実施することを可能にする試薬は、下式(7)の構造R2-(L)n-を有する。
Figure 0004554159
[上式中、
R2は、検出可能なマーカーを表し、
mは、1から100、好ましくは1から20の整数であり
pは、1から10、有利には2から6の整数、好ましくは4である]。
R2-(L)n-のこの構造は、式(2)から(6)の別なく、適用することができる。
シグナル増幅のための他の好ましい標識試薬は、式(8)の試薬である
Figure 0004554159
[上式中、
R2は、検出可能なマーカーを表し、
R3は、H、NO2、Cl、Br、F、I、OR、SR、NR2、R、NHCOR、CONHR、COORを表し、ここで、R=アルキルまたはアリールであり、
Lは、線状に連続する少なくとも2個の共有結合を含む連結アームであり、nは、0または1に等しい整数であり、
-Y-X-は、-CONH-、-NHCO-、-CH2O-、-CH2-を表す]。
有利には、シグナル増幅のための試薬は、式(9)を有する
Figure 0004554159
[上式中、
R2は、検出可能なマーカーを表し、
R3は、H、NO2、Cl、Br、F、I、OR、SR、NR2、R、NHCOR、CONHR、COORを表し、ここで、R=アルキルまたはアリールを表し、好ましくはR3は、H、NO2、OCH3を表し、
Lは、線状に連続する少なくとも2個の共有結合を含む連結アームであり、nは、0または1に等しい整数である]。
本発明のいくつかの有利な試薬は:
a) 式(10)
Figure 0004554159
[上式中、
R1は、Hまたはアルキル、アリールまたは置換アリール基を表し、
R2は、検出可能なマーカーを表し、
Lは、線状に連続する少なくとも2個の共有結合を含む連結アームを表し、nは、0または1に等しい整数である]である。
b) 式(11)の試薬
Figure 0004554159
[上式中、
R1は、Hまたはアルキル、アリールまたは置換アリール基を表し、
R2は、検出可能なマーカーを表し、
Lは、線状に連続する少なくとも2個の共有結合を含む連結アームを表し、nは、0または1に等しい整数である]。
c) 式(12)の試薬
Figure 0004554159
[上式中、
R1は、Hまたはアルキル、アリールまたは置換アリール基を表し、
R2は、検出可能なマーカーを表し、
Lは、線状に連続する少なくとも2個の共有結合を含む連結アームを表し、nは、0または1に等しい整数である]。
好ましくは、標識試薬は、
a) 構造
Figure 0004554159
[上式中、
R1は、メチル基またはフェニルを表す]、
b) 構造
Figure 0004554159
[上式中、
R1は、メチルまたはフェニル基を表す]、
c) 構造
Figure 0004554159
[上式中、
R1は、メチルまたはフェニル基を表す]を有する。
本発明による他の好ましい試薬は、式(13)
Figure 0004554159
[上式中、
R2は、検出可能なマーカーを表し、
Lは、線状の連続する少なくとも2個の共有結合を含む連結アームであり、nは、0または1に等しい整数である]。
特に、本発明の方法による標識試薬は、DMF、DMSO、CH3CN、THF、DMA(ジメチルアセトアミド)、NMP(N-メチルピロリドン)、DME(ジメトキシエタン)などの水混和性極性溶剤に可溶性である。
好ましくは、標識試薬は、DMSOまたは水に可溶性である。
水混和性溶剤との表現は、水あるいは塩を含有する水性緩衝液に少なくとも5容量%の割合で混和可能な溶剤を意味すると理解されたい。
有利には、前記の式中、アームLは、水への試薬の可溶性を増大させるために、エチレングリコールまたはポリエチレングリコールモチーフを含有する。
したがって、これらの試薬は、均一な相で核酸に結合することができ、その際、均一な相は、実質的に水性の溶液からなり、即ち、少なくとも水50%を含有する。
本発明の1つの目的は、
a) 前記の方法のいずれかに従い、DNAを断片化および標識するステップと、
b) ターゲット核酸に対して十分に特異的な少なくとも1個の核酸プローブに、標識された断片をハイブリダイゼーションするステップと、
c) マーカーを使用して、生じたハイブリッドを検出するステップ
を含む、一本鎖または二本鎖ターゲットデオキシリボ核酸(DNA)を検出する方法を記載することである。
実施例で証明されるように、ハイブリダイゼーションの前にDNAを変性することにより、感度を上昇させることができる。この変性は、断片化および標識の後に行う。
方法の特別な一実施形態では、酵素的増幅ステップを、断片化および標識の前に行う。酵素的増幅ステップにより、ターゲットDNA核酸から、さらにメッセンジャーRNA、トランスファーRNAまたはリボソームRNAなどのターゲットRNA核酸からもDNA増幅産物は生じる。例えばRT-PCR技術が、RNA増幅のための知られている手段である。
好ましくは、断片化、標識および変性ステップを、ターゲット天然核酸の場合も、酵素的増幅技術により得られたターゲット核酸の場合も同時に行う。
非塩基性部位の創製による断片化で、塩基が失われる。ターゲット核酸を検出する方法、特に、遺伝子型決定(genotyping)方法、即ち、ターゲット核酸がその配列に分布する多型性を示す方法では、ターゲットと修飾の同定を機能とする核酸プローブ(捕捉プローブ)との間の単一塩基の修飾をその一部とする、配列の複数の修飾を同定することが必要である。したがって、特異性はこの点から必須である。意外にも、本発明は、塩基のこの喪失が、本発明により標識化および断片化された核酸に対するハイブリダイゼーションの特異性に影響を及ぼさないことを明示している。
本発明の目的は、ターゲット核酸の所定の位置または所定でない位置に分布している多型性を、いわゆる参照配列に対する前記ターゲット核酸の配列中の複数の欠失および/または挿入および/または突然変異の存在により検出する方法であって、次のステップ:
a) 調査対象の多型性全体を含むターゲットDNAを得るステップであって、前記DNAが場合によって、酵素増幅技術により生成するステップと、
b) 前記の方法のいずれかにより、前記DNAを断片化および標識するステップと、
c) 捕捉プローブと称する複数の核酸プローブに、前記断片をハイブリダイゼーションするステップであって、複数の捕捉プローブが、固体支持体に結合し、複数の捕捉プローブがその全体で、少なくとも調査対象の多型性を対象とするステップと、
d) マーカーを使用して、標識された断片と少なくとも一部の核酸プローブの間に生じたハイブリッドを検出し、それからターゲットDNAの多型性を推測するステップを含む。
前記のように、断片化および標識ステップの後の変性ステップにより、方法の感度を改善することができ、このステップは、好ましくは標識化および断片化ステップと同時に実施する。
本発明による断片化および標識方法は、標識化および断片化されたDNAを、所定の位置で固体支持体に結合している多数の核酸、特にオリゴヌクレオチドとハイブリダイゼーションして、DNAチップを生成する場合に、特に有用である。「DNAチップ」との表現は、多数の捕捉プローブが所定の位置に結合している小型の固体支持体を意味すると理解されたい。多数との表現は、異なる配列の少なくとも10個、有利には少なくとも400個、好ましくは少なくとも1000個の核酸プローブを含有する固体支持体を意味すると理解されたい。
実際に、固体支持体に結合している核酸の密度のために、ハイブリダイゼーションの間に大きな立体障害が掛かり、断片化によって、このハイブリダイゼーションステップを改善することができる。これらのDNAチップの例は例えば、G.Ramsay, Nature Biotechnology, 16, 40-44頁, 1998年; F.Ginot, Human Mutation, 10, 1-10頁, 1997年; J.Cheng et al., Molecular diagnosis, 1(3), 183-200頁, 1996年; T.Livache et al., Nucleic Acids Research, 22(15), 2915-2921頁, 1994年; J.Cheng et al., Nature Biotechnology, 16, 541-546頁, 1998年による刊行物に記載されている。ここで使用する場合の「固体支持体」との用語には、核酸が結合しうる全ての材料が含まれる。固体支持体は、微量定量プレート、膜、粒子または実質的に平坦なプレートの形であってもよい。
本発明は、ターゲット核酸を検出するためのプローブとして、前記で定義した標識されたDNAを使用することに関する。
ターゲット核酸を検出および/または定量および/または精製できるように、標識されたDNAは、核酸プローブとハイブリダイゼーション錯体を生じうる。例えば、標識された核酸は、ターゲットに対して十分に補足的で、反応条件、特に温度または反応媒体の塩度に応じて、特異的にハイブリダイゼーションされる。
この検出方法は、研究目的の配列決定、メッセンジャーRNAの発現プロファイル作成または突然変異のスクリーニング、および製薬工業での薬物のスクリーニング、感染疾患(細菌学、ウイルス学および寄生生物学で)または遺伝疾患の診断、食品または工業管理に適用することができる。
数多くの刊行物に、これらのタイプの用途が記載されている:Antoine de Saizieu et al., Nature Biotechnology, 16, 44-48頁, 1998年;Thomas R.Gingeras et al., Genome Research, 8, 435-448頁, 1998年;David j.Lockhart et al., Nature Biotechnology, 14, 1675-1680頁, 1996年;Daniel D.Shoemaker et al., Nature Genetics, Vol.14, 450-456頁, 1996年;R.J.Lipshutz et al., BioTechniques, 19(3), 442-447頁, 1995年;David G.Wang et al., Science, 280, 1077-1082頁, 1998年;Kevin L.Gunderson et al., Genome Research, 8, 1142-1152頁, 1998年;Joseph G.Hacia et al., Nature Genetics, Vol.14, 441-447頁, 1996年。
特に感染疾患(例えばAIDSまたは結核)の診断分野での傾向は、血液または尿または髄液タイプの液体サンプルにおいて、数ミリリットル程度のサンプル中のただ1個の分子の検出まで感度レベルを下げることである。この感度レベルは、サンプルの採取から結果の提示までの全ステップを最適化した場合にしか得ることができない。本発明の様々な手段により、難なくこの最適化が可能である。特に、必要な感度を得るために酵素的増幅ステップが必要な場合には(HIV、HCVまたは結核などのウイルスまたは細菌感染)、本発明で記載したような標識および/または断片化方法は、増幅技術の感度に影響を及ぼさないことを可能にする。酵素的増幅技術で使用されるデオキシリボ核酸を置換する必要がないか、あるいは組み込まれるデオキシリボヌクレオチドが感度を変えないためである。
付加的な情報を、登録番号FR01/06040で2001年5月4日に提出された本出願人による他の特許出願、さらに本発明と同日に提出されたその国際出願に見ることができる。
添付の図面および実施例は、特別な実施形態を示しており、これによって、本発明の範囲が限定されるとは見なされない。
好ましい実施形態の記載
ビオチンを用いる試薬の合成:
Figure 0004554159
実施例1.1: メタ-BioPMDAMの合成
化合物ビオチン メタ-アセトフェノン1a:
D-ビオチン(1.0グラム(g)、4.1mmol(mmol)を、温かい状態の無水DMF45ミリリットル(ml)に溶かす。混合物をアルゴン下に0℃に冷却し、次いで、N-メチルモルホリン(590マイクロリットル(μl)、5.33mmol)およびクロロギ酸イソブチル(840μl、6.60mmol)を順次加える。混合物を30分間(min)攪拌し続け、次いで、DMF10ml中の3-アミノアセトフェノン(824mg、6.10mmol)およびN-メチルモルホリン(480μl、4.35mmol)を加える。溶液を0℃に2時間(h)維持し、次いで、蒸発乾燥させる。残留物をMeOH3mlにいれ、次いで、水50mLを加える。得られた沈殿物を濾過し、水、CH2Cl2およびエーテルで洗浄すると、粗製生成物1a1.2g(80%)が得られる。MeOH-H2O対から再結晶化させると、白色の粉末の形の1a(1.01g、70%)が得られる。
融点145℃。- IR (KBr): 3280, 2931, 2857, 1691, 1590, 1540, 1487, 1434, 1298, 1266 cm-1。- 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ = 1.3-1.7 (m, 6H); 2.33 (t, J = 8 Hz, 2H); 2.55 (s, 3H); 2.58; (d, J = 12 Hz, 1H); 2.83 (dd, J = 12および5 Hz, 1H); 3.13 (m, 1H); 4.15 (m, 1H); 4.31 (m, 1H); 6.34 (s, 1H); 6.41 (s, 1H); 7.44 (t, J = 8 Hz, 1H); 7.64 (d, J = 8 Hz, 1H); 7.85 (d, J = 8 Hz, 1H); 8.17 (s, 1H); 10.05 (s, 1H)。- MS (FAB/グリセロール), m/z: 362 [M+H]+
化合物メタ-ヒドラゾン2a:
1a(500mg、1.38mmol)およびヒドラジン一水和物(200μl、「4.15mmol)からなる無水エタノール(8ml)溶液を還流下に2時間加熱する。室温まで冷却した後に、白色の沈殿物を濾過し、水で、次いでエーテルで洗浄し、乾燥させる。こうすると、生成物2a 385mg(74%)が白色の粉末の形で得られる。
融点185℃。- IR (KBr): 3298, 2931, 2857, 1698, 1665, 1626, 1541, 1494, 1470, 1446, 1330, 1265 cm-1。- 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ = 1.3-1.7 (m, 6H); 1.98 (s, 3H); 2.26 (t, J = 8 Hz, 2H); 2.56 (d, J = 12 Hz, 1H); 2.81 (dd, J = 12および5 Hz, 1H); 3.11 (m, 1H); 4.13 (m, 1H); 4.29 (m, 1H); 6.39 (s, 3H); 6.42 (s, 1H); 7.22 (m, 2H); 7.50 (d, J = 8 Hz, 1H); 7.84 (s, 1H); 9.82 (s, 1H)。- MS (FAB/グリセロール), m/z: 376 [M+H]+
化合物メタ-ジアゾメタン3a
2a(180mg、0.48mmol)を、DMF2mlに溶かす。次いで、MnO2(340mg、3.9mmol)を加える。室温で30分間攪拌した後に、セライト(厚さ0.5cm)および3Å粉末分子ふるい(0.5cm)を含有する焼結漏斗を介して、混合物を濾過する。反応混合物を濃縮して約0.5mlの容量にし、次いで、エーテル5mlを加える。生じた沈殿物を濾過し、水で洗浄し、次いで乾燥させる。化合物3a(170mg、95%)が、ピンク色の粉末の形で得られる。
融点160℃。- IR (KBr): 3278, 2935, 2859, 2038, 1704, 1666, 1605, 1577, 1536, 1458, 1430, 1263 cm-1。- 1H NMR (300 MHz) δ = 1.3-1.7 (m, 6H); 2.11 (s, 3H); 2.28 (t, J = 8 Hz, 2H); 2.57 (d, J = 12 Hz, 1H); 2.81 (dd, J = 12および5 Hz, 1H); 3.11 (m, 1H); 4.13 (m, 1H); 4.29 (m, 1H); 6.33 (s, 1H); 6.41 (s, 1H); 6.60 (m, 1H); 7.25 (m, 3H); 9.84 (s, 1H)。
実施例1.2: パラ-BioPMDAMの合成:
化合物ビオチン パラ-アセトフェノン1b
D-ビオチン(1g、4.1mmol)を、温かい状態の無水DMF45mlに溶かす。混合物をアルゴン下に0℃に冷却し、次いで、N-メチルモルホリン(590μl、5.33mmol)およびクロロギ酸イソブチル(840μl、6.60mmol)を順次、加える。混合物を30分間攪拌し、次いで、4-アミノアセトフェノン(824mg、6.10mmol)を加える。溶液を0℃で2時間攪拌し続け、次いで、蒸発乾燥させる。残留物を水50mlに入れる。得られた沈殿物を濾過し、水で、次いで温かい状態のMeOH50mlで洗浄する。白色の沈殿物を加熱しながら、DMFに溶かし、次いで、得られた溶液を、濾過し、MeOHで洗浄する。濾液を回収し、蒸発乾燥させると、1b 888mg(2.46mmol、60%)が得られる。
融点260℃。- IR (KBr): 3260, 2930, 2358, 1706, 1673, 1610, 1526, 1401, 1380, 1322, 1257, 1150 cm-1。- 1H NMR (200 MHz, DMSO-d6) δ = 8.82 (s, 1H, NH-CO); 7.57 (d, 2H, J = 9 Hz, Ar-H); 6.83 (d, 2H, J = 9 Hz, Ar-H); 6.40 (ブロード s, 1H, NH-CO-NH); 6.32 (ブロード s, 1H, NH-CO-NH); 4.28 (m, 1H, CH2-CH-NH); 4.12 (m, 1H, CH-CH-NH); 3.11 (m, 1H, CH-S); 2.80および2.55 (ABX系, 2H, 2JAB = 5 Hz, 3JAX = 12 Hz, 3JBX = 0 Hz, CH2-S); 2.35 (t, 2H, J = 8 Hz, CH2-CO); 2.10 (s, 3H, CH3); 1.60-1.34 (m, 6H, (CH2)3)。
化合物パラ-ヒドラゾン2b:
化合物1b(870mg、2.4mmol)を温かい状態でエタノール(99%、8ml)に溶かし、次いで、ヒドラジン一水和物(995μl、19.5mmol)を加える。溶液を還流下に3時間加熱する。得られた白色の沈殿物を濾過し、氷冷水で洗浄する。こうすると、生成物2b 820mg(90%)が白色の粉末の形で得られる。
融点305℃。- IR (KBr): 3281, 3183, 2930, 2857, 1698, 1658, 1593, 1521, 1459, 1401, 1325, 1263, 1187 cm-1。- 1H NMR (200 MHz, DMSO-d6) δ = 9.68 (s, 1H, NH-CO); 7.52 (s, 4H, J = 9 Hz, Ar-H); 6.43 (ブロード s, 1H, NH-CO-NH); 6.35 (ブロード s, 1H, NH-CO-NH); 6.21 (s, 2H, NH2); 4.29 (m, 1H, CH2-CH-NH); 4.12 (m, 1H, CH-CH-NH); 3.12 (m, 1H, CH-S); 2.81および2.56 (ABX系, 2H, 2JAB = 5 Hz, 3JAX = 12 Hz, 3JBX = 0 Hz, CH2-S); 2.32 (t, 2H, J = 8 Hz, CH2-CO); 1.97 (s, 3H, CH3); 1.63-1.36 (m, 6H, (CH2)3)。
化合物パラ-ジアゾメタン3b:
2b(200mg、0.53mmol)をDMF10mlに溶かす。次いで、MnO2800mgを加える。10分間攪拌した後に、混合物を、セライト(0.5cm)分子ふるい(粉末の形の0.5cm)混合層を介して濾過する。反応混合物を蒸発乾燥させ、次いで、エーテルで洗浄し、乾燥させる。化合物3b(190mg、96%)が、ピンク色の粉末の形で得られる。
融点180℃ (分解)。- IR (KBr): 3257, 2930, 2857, 2032, 1698, 1597, 1524, 1510, 1455, 1404, 1307, 1259, 1180 cm-1。- 1H NMR (200 MHz, DMSO-d6) δ = 10.18 (s, 1H, NH-CO); 7.88 (d, 2H, J = 6 Hz, Ar-H); 7.7 (d, 2H, J = 6 Hz, Ar-H); 6.41 (ブロード s, 1H, NH-CO-NH); 6.34 (ブロード s, 1H, NH-CO-NH); 4.28 (m, 1H, CH2-CH-NH); 4.12 (m, 1H, CH-CH-NH); 3.11 (m, 1H, CH-S); 2.80および2.55 (ABX系, 2H, 2JAB = 5 Hz, 3JAX = 12 Hz, 3JBX = 0 Hz, CH2-S); 2.35 (t, 2H, J = 8 Hz, CH2-CO); 2.10 (s, 3H, CH3); 1.60-1.34 (m, 6H, (CH2)3)。
実施例1.3: オルト-BioPMDAMの合成
化合物ビオチンオルト-アセトフェノン1c:
D-ビオチン(1g、4.1mmol)を、温かい状態の無水DMF45mlに溶かす。混合物をアルゴン下に0℃に冷却し、次いで、N-メチルモルホリン(590μl、5.33mmol)およびクロロギ酸イソブチル(840μl、6.60mmol)を順次、加える。混合物を30分間攪拌し続け、次いで、2-アミノアセトフェノン(824mg、6.10mmol)を加える。溶液を室温で3時間30分攪拌し続け、次いで、蒸発乾燥させる。残留物を水50mlに入れる。得られた沈殿物を濾過し、水で、次いで温かい状態のMeOH50mlで洗浄する。得られた沈殿物を濾過し、水で洗浄する。温かい状態のMeOH中に生成物を溶かし、水を加えることにより再沈殿させることにより、再結晶を実施する。沈殿物を濾過し、水で、次いでエーテルで洗浄すると、粗製生成物1c 1.1g(2.95mmol、72%)が得られる。
融点150℃。- IR (KBr): 3248, 2930, 2857, 2359, 1691, 1669, 1651, 1582, 1528, 1448, 1354, 1310, 1245, 1161 cm-1。- 1H NMR (200 MHz, DMSO-d6) δ = 11.24 (s, 1H, NH-CO); 8.33 (d, 1H, J = 8.5 Hz, Ar-H); 7.97 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H); 7.57 (t, 1H, J = 7 Hz, Ar-H); 7.18 (t, 1H, J = 7 Hz, Ar-H); 6.44 (ブロード s, 1H, NH-CO-NH); 6.35 (ブロード s, 1H, NH-CO-NH); 4.30 (m, 1H, CH2-CH-NH); 4.14 (m, 1H, CH-CH-NH); 3.12 (m, 1H, CH-S); 2.80および2.55 (ABX系, 2H, 2JAB = 5 Hz, 3JAX = 12 Hz, 3JBX = 0 Hz, CH2-S); 2.61 (s, 3H, CH3); 2.37 (t, 2H, J = 8 Hz, CH2-CO); 1.62-1.38 (m, 6H, (CH2)3)。
化合物オルト-ヒドラゾン2c:
化合物1c(500mg、1.38mmol)を温かい状態でエタノール(99%、8ml)に溶かし、次いで、ヒドラジン一水和物(572μl、11.1mmol)を加える。溶液を還流下に50分間加熱する。溶液を蒸発乾燥させる。得られた白色の沈殿物を濾過し、水で洗浄し、次いでエーテルを用いて乾燥させる。こうすると、生成物2c 416mg(11.1mmol、80%)が、白色の粉末の形で得られる。
融点161℃。- IR (KBr): 3412, 3240, 2930, 2857, 2351, 1706, 1677, 1604, 1590, 1531, 1463, 1444, 1372, 1303, 1270, 1169 cm-1。- 1H NMR (200 MHz, DMSO-d6) δ = 11.97 (s, 1H, NH-CO); 8.35 (d, 1H, J = 8 Hz, Ar-H); 7.45 (d, 1H, J = 7 Hz, Ar-H); 7.19 (t, 1H, J = 7.5 Hz, Ar-H); 7.04 (t, 1H, J = 7 Hz, Ar-H); 6.61 (s, 2H, NH2); 6.42 (ブロード s, 1H, NH-CO-NH); 6.35 (ブロード s, 1H, NH-CO-NH); 4.32 (m, 1H, CH2-CH-NH); 4.14 (m, 1H, CH-CH-NH); 3.12 (m, 1H, CH-S); 2.81および2.56 (ABX系, 2H, 2JAB = 5 Hz, 3JAX = 12 Hz, 3JBX = 0 Hz, CH2-S); 2.31 (t, 2H, J = 8 Hz, CH2-CO); 2.09 (s, 3H, CH3); 1.63-1.36 (m, 6H, (CH2)3)。
化合物オルト-ジアゾメタン3c:
2c(200mg、0.53mmol)を、DMF10mlに溶かす。次いで、MnO2800mgを加える。15分間攪拌した後に、セライト(0.5cm)分子ふるい(粉末の形で0.5cm)混合層を介して混合物を濾過する。反応混合物を蒸発乾燥させ、次いで、エーテルで洗浄し、乾燥させる。化合物3c(130mg、65%)が、ピンク色の粉末の形で得られる。
融点110℃。- IR (KBr): 3248, 2930, 2857, 2367, 2342, 2038, 1699, 1521, 1456 cm-1。- 1H NMR (200 MHz, DMSO-d6) δ = 9.37 (s, 1H, NH-CO); 7.26-7.00 (m, 4H, Ar-H); 6.43 (ブロード s, 1H, NH-CO-NH); 6.35 (ブロード s, 1H, NH-CO-NH); 4.30 (m, 1H, CH2-CH-NH); 4.15 (m, 1H, CH-CH-NH); 3.12 (m, 1H, CH-S); 2.82および2.54 (ABX系, 2H, 2JAB = 5 Hz, 3JAX = 12 Hz, 3JBX = 0 Hz, CH2-S); 2.24 (t, 2H, J = 8 Hz, CH2-CO); 2.12 (s, 3H, CH3); 1.63-1.37 (m, 6H, (CH2)3)。
実施例1.4: メタ-BioDPDAMの合成
化合物メタ-ベンゾフェノン1d:
D-ビオチン(500mg、2.05mmol)を、温かい状態の無水DMF23mlに溶かす。混合物をアルゴン下に0℃に冷却し、次いで、N-メチルモルホリン(295μl、2.67mmol)およびクロロギ酸イソブチル(420μl、3.28mmol)を順次、加える。混合物を30分間攪拌し続け、次いで、DMF7ml中の3-アミノベンゾフェノン(605mg、3.07mmol)およびN-メチルモルホリン(240μl、2.17mmol)を加える。溶液を0℃で2時間攪拌し続け、次いで、蒸発乾燥させる。残留物をMeOH1mlにいれ、次いで、水25mlを加える。得られた沈殿物を濾過し、水、次いでエーテルで洗浄すると、粗製生成物1d 810mg(93%)が得られる。MeOH-H2O対から再結晶させると、白色の粉末の形の1d(630mg、72%)が得られる。
1H NMR (200 MHz, DMSO-d6) δ = 10.10 (s, 1H, NH-CO); 8-7.39 (m, 9H, Ar-H); 6.43 (ブロード s, 1H, NH-CO-NH); 6.35 (ブロード s, 1H, NH-CO-NH); 4.27 (m, 1H, CH2-CH-NH); 4.13 (m, 1H, CH-CH-NH); 3.12 (m, 1H, CH-S); 2.84および2.55 (ABX系, 2H, 2JAB = 5 Hz, 3JAX = 12 Hz, 3JBX = 0 Hz, CH2-S); 2.31 (t, 2H, J = 8 Hz, CH2-CO); 1.59-1.36 (m, 6H, (CH2)3)。
化合物メタ-ヒドラゾン2d:
1d(350mg、0.83mmol)を、無水エタノール5.5mlに溶かし、次いで、ヒドラジン一水和物(140μl、2.48mmol)を加える。溶液を還流下に一夜加熱する。蒸発の後に、生成物をエタノールおよび水1mlに入れる。白色の沈殿物を再結晶させる: これを、温かい状態の最小量のエタノールに溶かし、若干の曇りが生じるまで、水を加える。冷却した後に、得られた沈殿物を水で洗浄し、次いで、エーテルを用いて乾燥させる。こうすると、生成物2d264mg(73%)が、白色の粉末の形で得られる。
1H NMR (200 MHz, DMSO-d6) δ = 9.99 (s, 1H, NH-CO); 9.80 (s, 2H, NH2); 7.54-6.88 (m, 9H, Ar-H); 6.26 (ブロード s, 1H, NH-CO-NH); 6.21 (ブロード s, 1H, NH-CO-NH); 4.28 (m, 1H, CH2-CH-NH); 4.13 (m, 1H, CH-CH-NH); 3.12 (m, 1H, CH-S); 2.78および2.59 (ABX系, 2H, 2JAB = 5 Hz, 3JAX = 12 Hz, 3JBX = 0 Hz, CH2-S); 2.27 (t, 2H, J = 8 Hz, CH2-CO); 1.57-1.36 (m, 6H, (CH2)3)。
化合物メタ-ジアゾジフェニル3d:
3d(500mg、0.53mmol)をTHF1mlに溶かす。ついで、活性化MnO280mgを加える。室温で5分間攪拌した後に、セライト(0.5cm)-分子ふるい(粉末の形で0.5cm)混合層を介して、混合物を濾過する。反応混合物を蒸発乾燥させる。化合物3d(47mg、100%)が、紫色のオイルの形で得られる。
1H NMR (200 MHz, DMSO-d6) δ = 9.95 (s, 1H, NH-CO); 7.60-6.9 (m, 9H, Ar-H); 6.42 (ブロード s, 1H, NH-CO-NH); 6.35 (ブロード s, 1H, NH-CO-NH); 4.28 (m, 1H, CH2-CH-NH); 4.14 (m, 1H, CH-CH-NH); 3.12 (m, 1H, CH-S); 2.83および2.59 (ABX系, 2H, 2JAB = 5 Hz, 3JAX = 12 Hz, 3JBX = 0 Hz, CH2-S); 2.27 (t, 2H, J = 8 Hz, CH2-CO); 1.58-1.35 (m, 6H, (CH2)3)。
Cy5で標識するための試薬: Cy5PMDAm
Figure 0004554159
化合物 ヨウ化2-[4-(N-アセチル-N-フェニルアミノ)ブタ-1,3-ジエニル]-1,2,3,3-テトラメチル[3H]インドリウム6:
無水酢酸(75ml)中の一塩酸マロンアルデヒドビス(フェニルイミン)5(18.3g、70.0mmol)、NaOAc(9.0g、110mmol)およびヨウ化1,2,3,3-テトラメチル[3H]インドリウム(4.25g、14.1mmol)の混合物を110℃に20分間加熱する。冷却した後に、エーテル(350ml)を加え、沈殿する茶色の固体を濾過し、エーテル(3×100ml)で洗浄する。固体を、CH2Cl2150mlに再溶解させ、濾過し(無機塩の除去)、次いで、蒸発させると、茶色の固体(6.0g、90%)が得られる。
1H NMR (CDCl3): δ = 8.64 (d, 1H, J = 12 Hz, 1-H); 8.14 (t, 1H, J = 16, 12 Hz, 3-H); 7.63-7.19 (m, 9H); 6.90 (d, 1H, J = 15 Hz, 4-H); 5.82 (t, 1H, J = 12, 13 Hz, 2-H); 4.06 (s, 3H, NCH3); 2.16 (s, 3H, -COCH3); 1.74 (s, 6H, CH3)。
化合物 臭化1-(5-カルボキシペンチル)-2,3,3-トリメチル[3H]インドリウム9:
2,3,3-トリメチルインドール7(10.0g、62.8mmol)および6-ブロモヘキサン酸8(12.3g、62.8mmol)を、溶剤を用いずに混合し、アルゴン下に、110℃に12時間加熱する。赤紫色のペースト状反応混合物を酢酸エチル(2×60ml、ペーストをスパチュラで粉砕し、上澄みをデカンテーション除去する)で、次いで、アセトン(50ml、ペースト凝固)で洗浄する。ピンク色の固体を濾過し、次いで真空下に乾燥させる(16.0g;73%)。
化合物 Cy5COOH 10:
ヨウ化物6(6.0g、12.7mmol)、臭化物9(4.5g、12.7mmol)およびNaOAc(2.6g、32mmol)からなる無水酢酸(35ml)中の混合物を110で20分間加熱する。冷却した後に、エーテル(150ml)を加え、沈殿物を濾過し、エーテル(3×50ml)で洗浄する。固体を、CH2Cl2100mlに溶かし、濾過し、SiO2カラムでクロマトグラフィー(溶離剤: MeOH5〜10%/CH2Cl2)により精製する。3.4g(44%)が、得られる。
1H NMR (CDCl3): δ = 8.03 (t, 2H, J = 10, 11 Hz, 2-H, 4-H); 7.38-6.91 (m, 9H, Ar-H, 3-H); 6.41 (d, 1H, J = 14 Hz, 1-H); 6.31 (d, 1H, J = 13 Hz, 5-H); 4.07 (t, 2H, J = 7, 7 Hz, α-CH2); 3.68 (s, 3H, NCH3); 2.47 (t, 2H, J = 7,7 Hz, ε-CH2); 1.71 (m, 18H, CH3, β,γおよびδ-CH2)。
3-アミノアセトフェノンとCy5COOH10とを連結するための化合物(生成物11)
N-メチルモルホリン(360μl、3.2mmol)を、Cy5COOH 10(1.19g、1.9mmol)のCH2Cl212ml溶液に加える。溶液を氷浴で冷却し、次いで、クロロギ酸イソブチル(480μl、3.7mmol)を加える。5分間攪拌した後に、3-アミノアセトフェノン(488mg、3.6mmol)を加える。混合物を室温で3時間攪拌する。エーテル250mlを加えると、ペースト状の固体が得られる。攪拌した後に、固体を放置して、丸底フラスコの底部に位置させ、上澄みをデカンテーション除去する。エーテル50mlを再び加え、媒体を、スパチュラで粉砕して、固体を得る。後者を濾過し、水、エーテルで洗浄し、次いで、真空乾燥させる。次いで、生成物(ヨウ化物)をエタノールに溶かし、アンバーライトIRA900(Cl-;15g)カラムに通す。エタノール溶液を回収し、蒸発乾燥させ、次いで、SiO2カラムに通す。青色の固体0.93g(77%)が得られる。
化合物Cy5-ヒドラゾン12:
アセトフェノン11(0.93g、1.46mmol)の無水エタノール5ml溶液に、ヒドラジン一水和物(180μl、3.1mmol)を加え、これを室温で7時間攪拌する。エーテル50mlを加え、沈殿物を濾過し、エーテルで洗浄する。粗製生成物を、CH2Cl250mlに溶かし、溶液を濾過し、ついで、濃縮して10mlにする。エーテル100mlを加えて、生成物を沈殿させ、濾過し、エーテルで洗浄し、真空下に乾燥させる。生成物12(57%)540mgが得られる。
化合物 Cy5PMDAM12a
MnO2300mgを、ヒドラゾン12 100mgのDMF2ml溶液に加え、混合物を10分間激しく攪拌する。セライトの層を介して、懸濁液を濾過し、DMF(3×500μl)で洗浄する。エーテル50mlを加え、沈降するオイルを、スパチュラで粉砕し、上澄みをデカンテーション除去する。洗浄操作を、エーテル25ml用いて3回繰り返し、こうして得られた固体を濾過し、乾燥させる。生成物12a 65mg(65%)が得られる。生成物の純度は、約80〜85%(1H NMR)である。
合成される他の試薬:
実施例3.1: パラニトロフェニルジアゾメタン(NPDAM)の合成:
4-ニトロベンズアルデヒドは、市販されている(参照28、118-2、Aldrich, France)。
THF9mlに溶かされているこの生成物600mg(3.64mmol)で、作業を実施する。溶液を5分間攪拌し続け、次いで、MnO21.26g(4当量、14.56mmol)を慎重に加える。混合物を10分間攪拌し続け、次いで、濾過する。回収された濾液を、蒸発乾燥させる。ペンタンで洗浄した後に、化合物パラ-ニトロフェニルジアゾメタンが、明るいオレンジ色の粉末の形で、収率79%で得られる(468mg、2.87mmol)。
融点80-82℃。- 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ = 8.11 (d, 2H, J = 9 Hz, Ar-H 3); 7.18 (d, 2H, J = 9 Hz, Ar-H 2); 6.06 (s, 1H, CH 1-N2)。
実施例3.2: フェニルメチルジアゾメタン(PMDAM)の合成
アセトフェノンヒドラゾン: アセトフェノン(2.0g、16mmol)を、無水エタノール16ml中で希釈し、次いで、ヒドラジン(2.3ml、48mmol)を加える。混合物を還流温度まで加熱する。2時間後、溶剤を蒸発させ、残留物をエーテル(150ml)に入れる。媒体を水(100ml)で洗浄する。Na2SO4上で乾燥させた後に、エーテルを留去する。淡黄色のオイル(1.5g、11mmol、69%)が得られる。
フェニルメチルジアゾメタン(PMDAM): ヒドラゾン(150mg、1.1mmol)を、THF3mlに溶かす。MnO2(480mg、5.5mmol)を加える。媒体を室温で30分間攪拌する。媒体は赤色になる。これを濾過し、溶剤を留去する。赤色のオイル(145mg、100%)が得られる。この試薬を、精製することなく使用する。
実施例3.3: ジフェニルジアゾメタン(DPDAM)の合成:
ベンゾフェノンヒドラゾンは、市販品に由来する(参照B960-2Aldrich, France)。
THF5mlに溶けた196mg(1.0mmol)で、作業を実施する。MnO2435mg(5当量、5.0mmol)を加え、混合物を10分間攪拌し続け、次いで、濾過する。回収された濾液を蒸発乾燥させる。193mg(0.99mmol)が得られる。この試薬を、精製することなく使用する。
実施例3.4: NVDAMの合成
Figure 0004554159
前記のプロトコルに従い、6-ニトロベラトラルデヒド(Aldrich, 参照27、960-9)から、この合成を実施する。
NPDAMからのビオチン化誘導体の合成
Figure 0004554159
2-アミノ-4-ニトロベンズアルデヒド誘導体を、前記で参照したMe Wall et alに従い調製する。
ジアゾメタンNPDAMの調製は、前記の実施例3.1に記載の調製と同一である。
DNA核酸の調製
PCRにより、16S結核菌(Mycobacterium tuberculosis)ゲノムDNAターゲット(出発ターゲットとしての10+4コピー)から、RocheからのFast start kit、デオキシリボヌクレオチドそれぞれ0.2mM(d-ATP、d-CTP、d-GTP、d-TTP)、プライマー0.3μMおよび酵素0.4μlを使用して、DNA増幅産物を生成する。
PCRパラメーターは、次である:
-95℃: 4分、次いで35サイクル(95℃: 30秒; 55℃: 30秒; 72℃: 30秒)、次いで4℃。増幅産物を、アガロースゲル電気泳動法により定量分析する(1.5%、TBE 0.5X)。析出される容量は5μlであり、移動を、100ボルト(V)で20分間行う。PCR生成物の可視化を、臭化エチジウムで染色した後に、UVランプ下で実施する。
培養、マイコバクテリアの抽出および増幅プライマーの条件は、特許出願WO-A第99/65926号に記載されている。
モデルヌクレオチドに対する標識試薬の反応性
標識試薬の合成は、実施例1から4に記載している。本発明に記載のPDAMは、市販されている(参照P1405、Molecular Probes, Eugene, OR)。
実施例6.1: モノマーUMP3'-ホスフェートの標識
ジアゾメチル官能基を有する標識試薬の反応性を、反応の特異性を制御するために研究した。
次の標準的な条件下に、モデル化合物3'-UMP(ウリジン、3'一リン酸、参照U1126 Sigma)で毛細管電気泳動によりこの反応性を研究することからなるプロトコルを開発した:
3'-UMP0.04mM;H3BO3 2.0mM;マーカー2.0mM[適切な有機溶剤(THF, AcOEt またはDMSO)を加える];溶剤H2O-CH3CN-有機溶剤(比: 1/3/1)。
この溶液を、250μlの10の分画にわけ、これを60℃に加熱する。規定の時間後に、核分画を、ジクロロメタン250μlを用いて処理する。攪拌の後に、有機相(低相)を除去する。さらに2回、操作を繰り返す。遠心分離(5分間、1分当たり5000回転(rpm))の後に、水相を、毛細管電気泳動により分析する。毛細管電気泳動(CE)条件は次である: CE分析を、Beckman P/ACE 5000装置により実施した。未処理の溶融ガラス毛細管(75μM×50cm)を使用した。印加された電圧は、30kV(正常極性)であり、毛細管の温度を、23℃に維持した。電気泳動図を、254nmで記録した。NaOH溶液でpHを調製し、0.2μmフィルターで濾過することにより、ホウ酸からホウ酸塩緩衝液(0.1M、pH8.3)を調製した。サンプルを、圧力下に注入した(0.5psi、5秒)。それぞれの分析の前に、NaOH溶液(0.1M、2分)、水(2分)およびホウ酸塩緩衝液(2分)を圧力(20psi)下に順次通過させることにより、毛細管を再生する。
各図に示されているように、反応時間を0から4時間の間で変化させることにより、反応を実施し、結果を、使用した試薬濃度と共に、図2Aから2Iに試験された各試薬に関して示す。
反応時間を、各電気泳動図に示す。
試験された全ての試薬で、モノアルキル化生成物が、排他的に形成され、反応の特異性を証明している。
反応性、即ち3'-UMPとの試薬の半反応時間を、ピーク高さを比較することにより算出することができ、結果を、下記の表1に示す(前記の標準条件):
Figure 0004554159
しかしながら、反応は非常に特異的で、試験された全ての試薬で、副産物が生じないので、標識の選択性の観点から影響されずに、標識試薬の濃度を高めることができると、記載することができる。
したがって、DPDAM試薬では、濃度を20mMまで高めると(図2c参照)、反応性(半反応時間)は、2時間である。30mMの濃度で反応性が45分であるBioDPDAM(図2F)でも、同じ結果が得られる。
実施例6.2: 様々なヌクレオチド3'一リン酸の試験:
間違った解釈を回避するために、重要な試験であるメタ-BioPMDAMマーカーでの付加的な研究を、他のヌクレオチド3'一リン酸を用いて実施した。
試験されたヌクレオチドは、次である: 3'-AMP(参照85、194-9Aldrich)、3'-GMP(参照151214、ICN)、3'-CMP(参照C1133、Sigma)、3'-TMP(デオキシリボシリーズ)(参照T1008、Sigma)。様々なヌクレオチドで得られた電気泳動図を、図3Aから3Dに示す。図3Aに示された反応時間は、図3Bから3Dと同一である。
出発ヌクレオチド(リボまたはデオキシリボシリーズ)に関わらず、アルキル化生成物の排他的かつ完全な生成が、60℃、130分間に観察された。グアニンの場合には(慣用のアルキル化試薬での最も反応性の塩基)、ホスフェートでアルキル化された生成物だけが観察され、これは、反応の非常に高い選択性を証明していることを記載することは、重要である。
この研究によって、反応速度は、基質としてのヌクレオチドの性質には依存していないことを確かめることができる。
実施例6.3: ジヌクレオチドの研究:
ジヌクレオチドApUp(参照A4298、Sigma)のアルキル化を、メタ-BioPMDAMを用いて実施して、ヌクレオチド間ホスフェートに対する、末端リン酸の反応の選択性を確かめた。電気泳動による反応の監視を、図4に示す。条件は、既に記載した実施例6.1の標準的条件である。
単一生成物の排他的な生成が観察され、このことは、ヌクレオチド間ホスフェートと比較した、末端リン酸に対するメタ-BioPMDAM試薬の良好な選択性を示している。
実施例6.4: 4ヌクレオチド3'一リン酸との付加物の特定:
得られた生成物が確かにホスフェートでのアルキル化から生じていることを確かめるために、一リン酸3'-UMP、3'-CMP、3'-GMPおよび3'-AMPとメタ-BioPMDAM試薬との付加生成物の合成を実施した。アルキル化反応を、下記に示す調製規模で実施した。70%の規模の収率で得られた付加生成物を生成し、次いで、プロトンまたはリンNMRにより調べた。
調製プロトコル:
3'-UMP(二ナトリウム塩の形で、9.3mg、21.1μmol)を、0.1MのH3BO3水溶液2mlに溶かし、次いで、CH3CN2ml、MeOH6ml、次いでメタBioPMDAM試薬(75mg;0.20mmol)を順次、加える。反応を室温で2.5時間実施する。毛細管電気泳動により監視する。水3mlを加え、次いで、過剰の試薬を、CH2Cl2での抽出により除去する。水相を留去する。残留物を少量の水に溶かし、逆相シリカゲルカラム(Lichroprep RP-18、Merck;MeOH/H2O(20/80)溶離)に通過させることにより精製する。3'-UMPの付加生成物10(69%)が得られる。
3'-NMP(N=G、U、C、A)の付加生成物で得られたプロトンNMRスペクトルを、図5Aから5Dに示す。付加生成物の同定を、2次元1H/1H NMR実験(COSY)により実施した。1/1の比で、これらの付加生成物それぞれの立体異性体が存在する。
リンNMRでは約0ppmに、ピークが1つだけ存在する(300MHz、D2O)。
反応は確かに特異的で、1種の付加生成物のみが観察され、標識は、リンの所で生じることが、これらの実験によって証明される。塩基の所でのアルキル化副反応は存在しない。標識の生成物はしたがって、ハイブリダイゼーションステップに特に適している。
温度安定性の研究:
前記実施例6.1の表1に記載の全てのジアゾメタン誘導体を、固体状態で、冷凍庫中、-20℃で、少なくとも3カ月貯蔵しても、反応性の損失は観察されない。
ベンチ上、室温での安定性を、NPDAMおよびメタ-BioPMDAMの2種の試薬に関して、1H NMRにより決定した。特に用心することなくNPDAMを、ベンチ上に1カ月間放置しても、分解は観察されなかった。ベンチの上に25日間メタ-BioPMDAMを放置すると、約50%分解が観察された。
温度に対する標識試薬の安定性は、本質的な特徴である。確かに、工業的用途でのこのような試薬の最終目標は、標識キットである。-20℃で少なくとも15日間、好ましくは1カ月安定でない試薬は、市場に出すことができない。貯蔵および発送の手段が、-110℃を下回っている場合にも、-110℃および-20℃の安定性の間に関係があり、このことが、-20℃での15日間、好ましくは-20℃での1カ月の値が、工業的最低要件である理由である。-110℃を上回ると、使用者および製造者の観点からは、実験室は、これらの試薬を貯蔵するための装置(冷凍庫)の必要な備品を有さず、製造者の観点からは、これらを輸送するためのドライアイス型の単純な手段はない。
室温での安定性に関しては、標識を使用者が実施するには数時間、好ましくは1日の安定性で十分である。
DNAの断片化の研究
実施例8.1: 酸性媒体中での様々なヌクレオシドの加水分解
この研究の目的は、天然ヌクレオシドと修飾ヌクレオシドとの、さらにプリンとピリミジンタイプヌクレオシドとの、酸性pHに対する安定性に関する差を証明することである。この研究によって、その塩基組成を考慮することにより、DNAの断片化をより良好に制御することができるようになる。
Figure 0004554159
2種の修飾ヌクレオシド、8-ブロモ-2'-デオキシアデノシン(8-BrdA)および5-ブロモ-2'-デオキシシチジン(5-BrdC)、さらに4種の天然ヌクレオシド(dA、dC、dGおよびdT)を、この研究では使用した。
各ヌクレオシド50ナノモル(nmol)を、50mMのギ酸ナトリウムpH3中、95℃でインキュベーションする。インキュベーション時間は、0から45分で変動させる。真空乾燥させ、精製水20μlに入れた後に、サンプル(10nmol)を、逆相HPLCにより分析する。分でのインキュベーション時間(X軸)に対する、出発ヌクレオシドの加水分解パーセンテージ(y軸)の形で示す、図8参照。
図8の曲線は、臭素原子で8-位のアデニンを修飾することにより、このヌクレオシドが、天然ヌクレオシドよりも安定でなくなることを示している。さらに、この結果により、使用された条件下では、脱プリンの方が、脱ピリミジンよりも優勢であることが分かる。
この研究によって、加水分解条件を最適化するか、天然塩基よりも安定性の低い修飾された塩基またはその導入の後に修飾および加水分解することができる塩基を導入することにより、脱プリンまたは脱ピリミジンによるDNAの断片化は制御することができることが分かる。
実施例8.2: 修飾ヌクレオチドまたはその他を導入する、二本鎖DNAの断片化:
RocheからのFast start kit、デオキシリボヌクレオチドそれぞれ0.2mM(d-ATP、d-CTP、d-GTP、d-TTP)、プライマー0.3μMおよび酵素0.4μlを使用して、16S結核菌ゲノムDNAターゲット(出発ターゲットとしての10+4コピー)から平行出発して、3つのPCR増幅を実施した。
PCRパラメーターは、実施例5のパラメーターである。
第1の場合には、いわゆる天然PCRの場合のようなプロトコルを使用する。
第2の場合には、プロトコルを修飾して、8Br-dATP30%でPCRを得る。0.2mMのd-CTP、d-GTPおよびd-TTPを導入することにより、これを達成する。0.14mMのd-ATPおよび0.06mMの8-BrdATPも導入する。(8-BrdATPは、市販由来のものである(参照N-2005-1、TriLink Biotechnologies, San Diego CA))。
第3の場合には、プロトコルを修飾して、8-BrdATP50%でPCRを得る。0.2mMのd-CTP、d-GTPおよびd-TTPを導入することにより、これを達成する。0.1mMのd-ATPおよび0.1mMの8-BrdATPも導入する。
これらの増幅産物の単独断片化の研究を、前記の条件下: 50mMのギ酸ナトリウムpH3、95℃で、実施した。
臭化エチジウム染色を使用して、分解ポリアクリルアミドゲル(ポリアクリルアミド8%、7Mの尿素、1×TBE)で、分析を実施した。
50mMのギ酸ナトリウムpH3中、95℃で15分間インキュベーションした後に、3種のターゲットの間で、差は見られない。全ての場合に、PCR増幅産物の完全な断片化が観察された。
PCR増幅産物の脱プリンを、様々なpH値ならびに様々な温度およびインキュベーション時間で実施した。前記の条件下でのゲル分析により、pH3で、95℃でのインキュベーション僅か10分の後に完全であることが分かる。このpHでは、断片化は、60℃で30分のインキュベーションの後に、完全である。
pH4では、95℃でもDNA増幅産物の完全な断片化を得るためには、インキュベーション30分が必要である。この結果は非常に重要であり、これにより、酸性pHで生じた非塩基性部位は、不安定で、他の特別な処置を伴わなくてもDNA鎖-断片化をもたらすことが分かる。
2ステップでの、メタ-bioPMDAM誘導体(3a)を用いるDNAの標識化および断片化:
実施例1.1に記載の反応スキームに従い、メタ-bioPMDAM誘導体(3a)を得た。
実施例5に記載のプロトコルを従い、PCRによりDNA増幅産物を調製した。
標識
PCR10μlに、精製水(Sigma)38μl、ギ酸ナトリウム50μl(精製水中100mM)を加え、混合物を60℃で30分間インキュベーションする。次いで、メタ-bioPMDAM(100mMのDMSO)2μlを加える。溶液をボルテックス処理し、次いで、60℃でさらに15分間インキュベーションした。
ゲルでのDNAの断片化およびハイブリダイゼーションによる標識効率およびDNAチップの読み取りを分析することができるように、2回、試験を実施する。
精製
精製を、QIAQUICK(登録商標)カラム(Nucleotide Removalキット、Qiagen, Hilden, Germany)で実施する。使用精製プロトコルは、メーカーにより推奨されるプロトコルである。
精製の後に、溶出液を、ハイブリダイゼーション緩衝液(20×SSPE1.75ml;5Mのベタイン2.9ml;0.1MのDTAB290μl;消泡剤30% 10μl)400μlを含有する清潔な管に移す。これらの参照は、例えば:
ベタイン参照 B-2754 Sigmaおよび
DTAB参照 D-5047 Sigmaである。
溶液をボルテックス処理し、95℃で10分間インキュベーションして、DNA鎖を分離したが、これは、断片化の間の標識ステップの間には分離しない(分解ステップ)。次いで、管を、0℃で氷水混合物に浸漬し、その後、DNAチップの上でハイブリダイゼーションする。
DNAチップの上でのハイブリダイゼーション
断片化の間の標識ステップの後に、得られた断片を、結核菌16S RNAの"Genbank"M20940シークエンスの領域213-415を分析するために設計されたDNAチップの上にハイブリダイゼーションさせる。このDNAチップは、A.Troesch et al., J. Clin. Microbiol, 37(1), 49-55頁, 1999年に記載されている。
A.Troesch et al., J. Clin. Microbiol, 37(1), 49-55頁, 1999年に記載されているハイブリダイゼーションプロトコルおよび緩衝液を使用して、流体ステーション(Affymetrix、Santa Clara, CA)の上で、ハイブリダイゼーションステップを実施した。付加的なステップが、ビオチンを現すために必要である(間接的検出)。
次の条件下に、メタ-BioPMDAMのビオチンと相互作用するフィコエリトリン(PE)で標識されたストレプトアビジンを連結させることにより、ハイブリダイゼーションを検出する: 精製水300μl;100mMのトリス緩衝液pH7/1MのNaCl/ツイーン0.05%/消泡剤0.005%;BSA6μl(50mg/ml);ストレプトアビジン6μl(300μg/ml)。これらの物質の参照は:
ストレプトアビジン-フィコエリトリン: 参照R0438、Dako、Denmark、
ストレプトアビジン-CY5: 参照C0050 Dako Denmark、
消泡剤参照M5-575, Ultra Additives Inc.および
ツイーン参照P-7949、Sigma。
DNAチップの読み取り:
標識化および断片化の後にDNAチップの表面で放出された蛍光の読み取り、さらに信号強度および相同性パーセンテージを示すデータの作成を、Affymetrix(GeneChip(登録商標)Instrument SystemおよびGeneChip(登録商標)Information System, Santa Clara CA)により提供される読み取り系およびソフトウェアにより行う。
読み取り系により、シグナルおよびrfu(蛍光単位)で表されるバックグラウンドノイズ強度が得られる。相同性パーセンテージが、この場合、結核菌の配列である参照配列に比較して得られる。
シグナルの平均強度(I)、バックグラウンドノイズ(B)および相同性パーセンテージ(%)を示す結果を、下記の表2に示す:
通常、90%を上回る相同性パーセンテージが十分な結果であるが、95%を上回る結果が通常求められると考えられる。95%を上回ると、この値はもはや示されたない。これは、マイコバクテリアDNAチップの場合には重要ではないためである。低いバックグラウンドノイズを伴う高い強度が、後の実施例で求められる第2の結果である。全ての結果で、バックグラウンドノイズBは、平均強度Iから推測されている。
ポリアクリルアミドゲルの分析
ゲル上で分析されることを意図されたサンプルを、真空乾燥させ、精製水10μlおよび2×青色ホルムアミド10μlに入れる。
1×TBE中の8%アクリルアミドゲルで、150Vで1時間移動を行う。
酸性pHを、DNAを断片化するために使用した。このpHでは、脱プリン現象が、非常に不安定な非塩基性部位で生じて、高温で、DNA配列は実際に、直ちに断片化する。このタイプの断片化により、DNA-5'リン酸断片が生じる。
ゲル分析により、ギ酸緩衝液中の溶液中で60℃で30分間、PCR増幅産物をインキュベーションすると、これらの増幅産物の完全な断片化が生じることが分かる。これにより、メタ-bioPMDAMマーカーの存在下でのDNA増幅産物の断片化の間の標識を評価することができた。
相同性パーセンテージ、シグナル強度およびバックグラウンドノイズを示すDNA増幅産物の断片化中の標識結果を、下記の表2に記載する。
Figure 0004554159
この実施例により、本発明の誘導体を、2ステッププロトコルで酵素的増幅により生じたDNA断片を標識するために使用することができることが分かる。これらは、非増幅天然DNAを標識するために使用することもできる。
Cy5-PMDAM誘導体(12a)でのDNAの標識:
ジアゾメチル官能基を有する新規のマーカーでのDNAの標識を、合成DNA断片を使用して評価した。
Figure 0004554159
実施例2に記載のプロトコルに従い、標識試薬Cy5-PMDAM(12a)を調製する。
いわゆるホスホラミダイト(phosphoramidite)方法に従い、20マーのオリゴデオキシリボヌクレオチド(ODN)を調製する。ホスホラミダイト化学に相容性な標準的なリン酸化により、ホスフェートを5'末端に導入する。このODNの配列は、全てDNAの天然塩基からなる(ODNの配列: 5'-CTGAACGGTAGCATCTTGAC-3')。この配列は、Affymetrix技術により合成されたいわゆる「モデル」DNAチップの配列を捕捉するために相補的である。このDNAチップは、配列に関して同一で、その表面で照合されるパターンを示す捕捉プローブを含む。このDNAチップを読み取ることにより、相同性の結果ではなく、強度に関する標識の特性などの情報が得られる。
標識: このODN50ピコモル(pmol)に、Cy5-PMDAM(DMSO中、100mM)を加える。最終容量は、100μlである。均質化のために、インキュベーションを、60℃で30分間実施する。
精製および読み取り: 過剰の標識試薬を除去するための精製を、実施例17に従い実施する。DNAチップでの読み取りを、実施例17に従い実施する。
結果:
DNAチップの上で読み取られた標識強度(I)の平均は、バックグラウンドノイズ(B)450rfuで、16644rfuである。
この強度レベルは非常に高く、これにより、標識試薬Cy5-PMDAM(12a)は、ホスフェート基でのDNA断片の標識と完全に相容性であることが分かる。
PDAM試薬を用いる、DNAの標識化および断片化:
実施例11.1: 1-ピレニルジアゾメタン(PDAM)での標識:
Figure 0004554159
1-ピレニルジアゾメタン
PDAMを、Molecular Probes(Eugene, OR)から得て、無水DMSOに溶かす。
20マーの2種のODNを、DNAモデルとして使用した: 20マーの5'-ヒドロキシルの1種のODNおよび5'末端にホスフェートを担持する20マーの同じODN。ODNの配列は、実施例10に記載している。標識反応を、50%DMSOおよび1.5mMの1-ピレニルジアゾメタン(PDAM)を含有する混合物中、60℃で、30分間または1時間実施する。
標識効率を、イソプロパノール/アンモニア/水 60/10/30溶離剤中での薄層クロマトグラフィー(順相)により評価した。30分後、ODN5'-ホスフェートでのカップリングは終了する。ODN5'-ヒドロキシルでの部分カップリング、即ち、約50%を得るには、1時間必要である。
実施例6の結果を、20塩基からなるモデル配列で、末端リン酸の上にジアゾメチル官能基を有する試薬の非常に選択的な標識に関して確認する。ヌクレオチド内ホスフェートでの標識は、障害となる不都合ではない。核酸断片の上に複数のマーカーが導入されることにより、感度の上昇が生じるためである。これにより、核酸を、相補的なターゲットに対する良好な感度を伴ってハイブリダイゼーションすることができる一方で、良好なハイブリダイゼーション特異性を維持することができる。
反応を最適化することにより、当分野の技術者であれば、例えば標識試薬、反応時間および温度を変動させることにより、標識の特異性を制御して、末端リン酸での排他的な標識を得ることができる。
実施例11.2: PDAMでの標識反応の速度研究:
反応時間を変えることにより、前記の条件下に、20マーのODN5'-ホスフェートを使用して、この研究を実施した。次の条件下に、逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、標識収率を評価した:
逆相カラムSpheri-5 RP-18 5μm、220×4.6mm(Perkin Elmer)。使用された緩衝液および勾配は:
緩衝液A: 0.1MのTEAA;緩衝液B=緩衝液A50%+CH3CN50%および
室温で、1ml/分で、30分かけてのB10から50%の勾配。
結果を、X軸に分で表された反応時間、y軸に標識パーセンテージをとって図9に示す。
60℃でのインキュベーションの僅か10分後に、収率は90%に近い。
実施例11.3: PDAMでの標識に対する、温度の効果:
インキュベーション時間を変え、それぞれの場合に10分のインキュベーション時間で、前記の条件下に、20マーのODN5'-ホスフェートを使用して、標識を実施した。
標識収率を、逆相HPLC分析により評価した。
結果を、y軸に標識パーセンテージ、X軸に℃での反応温度をとって図10に示す。
室温(25℃)でも、ODNの標識が観察されることを特記することは、非常に重要である。25℃でのインキュベーション10分の後に、標識収率は、約25%である。50℃を上回る温度では、80%を上回る収率が観察される。
これにより、ジアゾメチル官能基を有する試薬でDNAを標識するこの化学の効率および柔軟性が分かる。
標識試薬メタ-bioPMDAM(3a)を用いる、PCR増幅により得られたDNA増幅産物の標識化および断片化:
実施例1.1に記載の反応スキームに従い、メタ-bioPMDAM誘導体(3a)を得た。
実施例5に記載のプロトコルを従い、PCRによりDNA増幅産物を調製した。
実施例12.1: 断片化を伴う標識および伴わない標識の比較:
a. 断片化条件下での標識:
PCR10μlに、ギ酸ナトリウムpH3 50μl(50mM)およびメタ-BioPMDAM2μl(DMSO中100mM)を加える。容量を100μlに調節する。溶液を、60℃で30分間インキュベーションする。
b. 断片化を伴わない標識:
PCR10μlに、メタ-BioPMDAM2μl(DMSO中100mM)を加える。容量を100μlに調節する。溶液を、60℃で30分間インキュベーションする。
残りのプロトコルは、実施例9のプロトコルと同一である。
結果:
Figure 0004554159
前記の表3に記載の結果から、断片化を伴わないと、得られる強度の平均は、バックグラウンドノイズのレベル(500rfu)と同一である。断片化の間の標識では、より高い強度レベル(約4000rfu)および非常に良好な相同性パーセンテージが得られる。したがって、2つのステップを組み合わせることにより、100を上回るヌクレオチド長さの核酸の検出が著しく改善される。
実施例12.2: DNAチップの上でハイブリダイゼーションする前の変性の効果:
次のプロトコルに従い、2本の別々の管で平行して、標識反応を実施した: PCR10μlに、ギ酸ナトリウムpH3 50μl(50mM)およびメタ-BioPMDAM2μl(DMSO中100mM)を加える。全容量を100μlに調節し、60℃で30分間インキュベーションする。
カラムで精製した後に(実施例9)、第1の管から生じた溶液を、95℃で10分間インキュベーションし(DNA二本鎖を不対させるために)、次いで、管を、DNAチップの上にハイブリダイゼーションするまで、0℃で氷水混合物に浸漬する。
第2の管から生じた溶液を、予め変性することなく、DNAチップの上でハイブリダイゼーションする。
DNAチップの表面で捕捉プローブにハイブリダイゼーションされたビオチン化断片を、実施例9に記載の条件を使用してフィコエリトリンで標識されたストレプトアビジンを導入することにより現させた。
結果:
Figure 0004554159
表4に示されている、ハイブリダイゼーション前の変性結果は、変性ステップを伴わずに得られた結果を上回った。これにより、DNAの変性は、良好な強度レベルを得るためには必要であることが分かる。非塩基性部位を介しての断片化は、二本鎖DNAの変性を簡単にし、捕捉プローブへのハイブリダイゼーションを強化するための手段の1つである。
他の標識試薬を試験し、前記の様々な条件で得られた結果を考慮するために、我々は、ギ酸ナトリウム緩衝液(50mM、pH3)での断片化およびハイブリダイゼーション前の変性ステップを使用する参照プロトコルを規定した。
1ステッププロトコルで、ビオチン化試薬を用いるPCR増幅産物の標識化および断片化:
実施例1.1、1.2および1.3に記載のプロトコルに従い、メタ-、オルト-およびパラ-bioPMDAM誘導体を調製した。これらを、100mMの濃度で、無水DMSOに溶かした。
このプロトコルは、前記の実施例12.2のプロトコルと同一である(単一ステップでの標識化および断片化、その後、ハイブリダイゼーション前の変性ステップ)。
結果:
Figure 0004554159
単一ステップでの断片化および標識を伴う最適化されたプロトコルにより、表5に示されている結果から分かるように、反応性ジアゾメチル官能基を含有する様々な標識試薬で、優れた結果が得られる。
BioDPDAMでのDNAの標識化および断片化:
実施例5に記載のプロトコルに従い、PCR増幅により、DNA増幅産物を調製した。
標識試薬の合成は、実施例1に記載している。
このプロトコルは、ハイブリダイゼーションの前に、95℃での変性を含む、実施例12.2のプロトコルと同一である。
結果:
Figure 0004554159
表6に記載のこの結果から、フェニル基と同様に重要な置換を使用して、ジアゾメチル官能基を有する標識試薬の反応性を最適化することができることが分かる。
5-(ブロモメチル)フルオレセインでのDNAの標識化および断片化:
実施例5に記載のプロトコルを従い、PCRによりDNA増幅産物を調製した。
PCR10μlに、ギ酸ナトリウムpH3 50μl(100mM)および5-(ブロモメチル)フルオレセイン(Molecular probes、Eugen, OR)(DMSO中100mM)を加える。容量を、100μlに調節する。溶液を、60℃で30分間インキュベーションする。
精製条件は、実施例9の条件に従う。変性ステップは、実施例12.2の記載と同様に実施する。
ハイブリダイゼーションおよび読み取りのための他の条件は、論文A.Troesch et al., J. Clin. Microbiol, 37(1), 49-55頁, 1999年に記載されている条件と同一である。
Figure 0004554159
表7のこの結果から、非塩基性部位を生成することによるDNAの断片化は、反応性アルキルハリド官能基を有する標識試薬と完全に相容性であることが分かる。このプロトコルを1ステップ(断片化および標識)で実施するが、ジアゾメチル官能基を有するマーカーの場合よりも低い強度を伴う。
フェナントロリンに由来する他の化学的断片化剤の存在下での、DNA増幅産物の標識化および断片化:
実施例5に記載のプロトコルに従い、PCR増幅によりDNA増幅産物を調製した。2つのタイプの条件を使用する:
条件a:
PCR10μlに、フェナントロリン-FeSO420μl(25mM)およびメタ-BioPMDAM(DMSO中100mM)2μlを加える。全容量を、100μlに調節する。混合物を、95℃で60分間インキュベーションする。
条件b:
PCR10μlに、ギ酸ナトリウム緩衝液pH3 50μl(精製水中100mM)およびメタ-BioPMDAM(DMSO中100mM)2μlを加える。全容量を、100μlに調節する。混合物を、95℃で60分間インキュベーションする。
プロトコルのための他の条件は、実施例9のプロトコルと同一である。
Figure 0004554159
2種の断片化条件により、表8に示されているような十分な結果が得られる。
酸性pHでの断片化を使用する条件(b)で、最も良好な結果が得られる。
d-UTP-フルオレセインを導入することにより標識されたPCR増幅産物の断片化:
標識されたヌクレオチドの導入
次のプロトコルに従い、PCR増幅を実施して、フルオレセインで標識されたPCR増幅産物を生成した(塩基上で標識)。
Roche製のFast start kit、デオキシリボヌクレオチドd-ATP、d-CTP、d-GTP各2mM、ならびにD-TTP 0.14mMとd-UTP-12フルオレッセイン0.06mM、プライマー0.3μMおよび酵素0.4μlを使用して、16S結核菌ゲノムDNAターゲット(10+4コピー)から出発。その天然同族体d-UTPに比較しての標識されたヌクレオチドのパーセンテージは、30%である。これは、標識されたヌクレオチドの導入により増幅産物を標識するための反応で通常使用されるのは、この比である。
d-UTP-12-フルオレセインは、Roche Diagnostics参照1373242, Mannheim, Germany)から市販されている。
PCRのためのパラメーターは、実施例5のパラメーターである。
a. d-UTP-フルオレセイン30%で標識されたPCR増幅産物の断片化:
PCR10μlに、ギ酸ナトリウム緩衝液pH3 50μl(精製水中100mM)を加える。容量を、100μlに調節する。次いで溶液を、60℃で30分間インキュベーションする。
b. d-UTP-フルオレセイン30%を含有するPCR増幅産物の断片化の間の標識:
PCR10μlに、ギ酸ナトリウム緩衝液pH3 50μl(精製水中50mM)およびメタ-BioPMDAM(DMSO中100mM)2μlを加える。容量を、100μlに調節する。ついで溶液を、60℃で30分間インキュベーションする。この試験は、参照プロトコルに対応し、このことにより、増幅ステップによる変動性を省くことにより、様々な標識手段を比較することができる。
カラムでの精製ステップおよび95℃での変性ステップを、いずれの場合にも実施例9と同様に実施する。
プロトコル(a1):
d-UTP-フルオレセインで標識された増幅産物の断片化により得られた核酸(条件a)を、DNAチップにハイブリダイゼーションし、第一に、実施例15に記載されたように、フルオレセインにより放出される蛍光シグナルを直接読み取ることにより検出する。
プロトコル(a2):
シグナル増幅ステップを使用して、標識感度を改善した。ハイブリダイゼーションステップの間に、ビオチン化抗フルオレセイン抗体(参照216-065-084、Jackson ImmunoResearch)、次いでフィコエリトリンで標識されたストレプトアビジンを導入することにより、次の連続条件で、シグナルの増幅を実施した:
精製水300μl、
100mMのトリス緩衝液pH7 300μl/1MのNaCl/ツイーン0.05%/消泡剤0.005%;BSA2.4μl(50mg/ml)、ビオチン化抗フルオレセイン抗体1.2μl(1mg/ml)、
精製水300μl、
100mMのトリス緩衝液pH7 300μl/1MのNaCl/ツイーン0.05%/消泡剤0.005%;BSA6μl(50mg/ml)、ストレプトアビジン6μl(300μg/ml)。
このプロトコルでは、フルオレセインは、ハプテンとして作用し(標識された抗体で間接的に検出可能なトレーサー)、蛍光体としては作用しない。
プロトコル(b):
DNAチップの上にハイブリダイゼーションされたビオチン化断片(条件b)を、次の条件を使用して、フィコエリトリンで標識されたストレプトアビジンを導入することにより現させた:
精製水300μlおよび
100mMのトリス緩衝液pH7 300μl/1MのNaCl/ツイーン0.05%/消泡剤0.005%;BSA6μl(50mg/ml);標識されたストレプトアビジン-PE 6μl(300μg/ml)。
標識およびハイブリダイゼーションの後にDNAチップの表面で放出された蛍光の読み取り、さらに信号強度および相同性パーセンテージに関するデータの作成を、Affymetrixにより提供される読み取り系およびソフトウェアにより実施する。これに関して、使用される読み取り系が、直接的な検出を可能にする2種のフィルターを含むことを特記することが重要である:
プロトコルa1に従い、d-UTP-フルオレセインのみで増幅産物が標識されている場合には、フルオレセイン、もしくは
増幅産物が、
プロトコルa2に従いシグナルの増幅を伴うd-UTP-フルオレセインで、または
プロトコルbに従いその断片化の間のメタ-bioPMDAMで
標識されている場合には、フィコエリトリン。
フィコエリトリンにより可視化を実施した2つの場合には、フィルターの使用により、フルオレセインにより生じるシグナルを省くことができ、検出されるのは、フィコエリトリンシグナルである。
結果:
Figure 0004554159
前記の表9の結果から、非塩基性部位の発生を使用する化学的断片化は、DNA増幅産物の酵素的標識と適合し、標識を断片化の前に行うことができることが分かる。
蛍光体を酵素的に導入するためのこのプロトコルで得られる強度レベルさらに相同性パーセンテージは、メタ-bioPMDAMなどのジアゾメチル官能基を有する標識試薬を使用する断片化の間の標識(条件(b))で得られるものに僅かしか匹敵しない。
メタ-bioPMDAM誘導体で得られる強度レベルを達成するために、シグナルを増幅するためのステップが必要である(条件a2)。これにより、d-UTPフルオレセインなどの修飾塩基の慣用的な導入(参照プロトコル(b))に比較しての、ジアゾメチル反応性官能基の有効性が分かる。
超音波処理による二本鎖DNAの断片化
実施例5に記載のプロトコルを使用して、DNA増幅産物を得た。これらの増幅産物を、マーカーの存在下および不在下に、超音波処理することにより、断片化した。
a. 超音波処理の間のPCR増幅産物の標識
PCR反応10μlに、メタ-bioPMDAM2μl(DMSO中100mM)を加える。容量を、精製水を用いて100μlに調節し、pHを、6.5に調節する。混合物を、超音波容器の浴(周波数35kHz、モデルT460-H、Bioblock, France)中、60℃で30分間インキュベーションする。
b. PCR増幅産物の化学的断片化の間の標識(単一ステップ参照プロトコル):
PCR反応10μlに、ギ酸ナトリウムpH3 50μl(50mM)およびメタ-bioPMDAM2μl(DMSO中100mM)を加える。容量を、精製水を用いて100μlに調節する。この溶液を、60℃で30分間インキュベーションする。
前記(フィコエリトリン検出に関する実施例9)のように、ゲルでのDNAの断片化およびハイブリダイゼーションによる標識効率およびDNAチップの読み取りを分析することができるように、2回、試験を実施する。
ゲルでの分析
臭化エチジウム染色を使用して、分解ポリアクリルアミドゲル(ポリアクリルアミド8%、7Mの尿素、1×TBE)で、分析を実施した。
ゲル分析から、60℃での超音波処理により、DNA増幅産物が断片化されることが分かる。
結果:
Figure 0004554159
表10に記載の、超音波処理の間の標識(条件a)の結果は、十分である。このことから、DNAターゲットの超音波処理による物理的断片化は、ジアゾメチル官能基を有する標識試薬での標識の化学と適合することが分かる。
この場合の弱い標識結果はおそらく、マーカーが、超音波効果の下で分解するという事実による。酸性pHの作用により非塩基性部位を発生させることによる断片化の結果の方が、良好である。
単一ステップでのDNAの標識、断片化および変性:
実施例5に記載のプロトコルに従い、PCR増幅により、DNA増幅産物を調製した。
2つの標識反応を実施した:
a. 単一ステップでの95℃での標識、断片化および変性:
PCR反応10μlに、ギ酸ナトリウムpH3 50μl(50mM)およびメタ-bioPMDAM2μl(無水DMSO中100mM)を加える。最終容量を、100μlに調節する。この溶液を、95℃で30分間インキュベーションする。この場合、反応混合物を、予め精製することなく、DNAチップの上でハイブリダイゼーションさせた。
b. 60℃での標識化および断片化:
PCR反応10μlに、ギ酸ナトリウムpH3 50μl(50mM)およびメタ-BioPMDAMビオチンマーカー2μl(無水DMSO中100mM)を加える。最終容量を、100μlに調節する。次いで、この溶液を、60℃で30分間インキュベーションする。次いで、反応混合物を、前記のプロトコルに従い精製した。このプロトコルでは、DNAチップの上でハイブリダイゼーションさせる前に、断片を、実施例12.2に記載のプロトコルに従い変性させた。
結果:
Figure 0004554159
実施例12.2により、検出感度のためには、二本鎖DNAの変性が重要であることが証明された。表11に記載のこれらの結果から、非塩基性部位を発生させることによる断片化手法では、DNAの標識、断片化および変性は、単一ステップで実施することができ、これにより、検出感度に影響を及ぼすことなく、使用者に、簡便さおよび時間の観点から顕著な改善をもたらす。
パラ-Bio-EG3-PDAMの合成
Figure 0004554159
4-カルボキシベンズアルデヒドの保護:
4-カルボキシベンズアルデヒドは、市販品である。これ(3g;20mmol)を、塩化トリメチルシリル(10g;92mmol)のMeOH100ml溶液に溶かした。混合物を室温で40時間攪拌し続ける。蒸発の後に、4-メトキシカルボニルベンズアルデヒド24に対応する白色の固体を単離し、NMRにより同定し、そのまま、次の反応のために使用する。
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ = 10.07 (s, 1H, -CHO); 8.17 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H2,6); 7.92 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H3,5); 3.93 (s, 3H, CO-O-CH3)。
4'-メトキシカルボニルベンズアルデヒドの保護:
Dowex 50WX8-100(1g)の存在下に、4-メトキシカルボニルベンズアルデヒド(3.35g;20mmol)を、オルトギ酸トリメチル(4.8g、40mmol)で溶かす。混合物を還流下に2時間加熱し、次いで、濾過し、蒸発させる。再結晶処置の後に、NMR分析により、反応が完全ではないことが分かり、後者を、MeOH30ml、CH(OMe)330mlおよびDowex 50WX8-1001g中、室温で再開する。濾過、次いで蒸発を実施すると、生成物25 3.55g(16.89mmol、84%)が得られる。
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ = 8.01 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H2,6); 7.50 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H3,5); 5.41 (s, 1H, CH); 3.93 (s, 3H, -CO-O-CH3); 3.29 (s, 6H, -O-CH3)。
化合物26:
化合物25(3.1g;14.8mmol)を、4,7,10-トリオキサ-1,13-トリデカンジアミン16ml(73mmol)を溶かす。得られた溶液を、140〜150℃に2時間加熱した。次いで、混合物を、DCM(ジクロロメタンまたはCH2Cl2)100mlに溶かし、水10mlで6回洗浄する。有機相をMgSO4上で乾燥させ、オイルが得られるまで、蒸発させる。このオイルを、ペンタンで3回洗浄し、続いてデカンテーションし、次いで、DCMおよびH2Oで新たに抽出する。MgSO4上で乾燥させ、蒸発させた後に、生成物26が、収率63%(9.27mmol)で単離される。
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ = 7.78 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H2,6); 7.46 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H3,5); 5.39 (s, 1H, CH); 3.62-3.47 (m, 14H, H7',8',10',11'およびH5', 13'およびH3'); 3.29 (s, 6H, -O-CH3); 2.72 (m, 2H, H15') 1.87 (m, 2H, H4'); 1.64 (m, 2H, H14'); 1.30 (ブロード s, 2H, NH2)。
ビオチン化化合物27:
ビオチン(500mg;2.05mmol)を、DMF10mlに懸濁させ、次いで、CDI365mg(2.25mmol)を加える。この溶液を室温で30分間攪拌し続け、化合物26(900mg;2.26mmol)を、DMF1mlに溶かし、次いで、少量ずつ前述の溶液に加える。こうして得られた混合物を、室温で1時間攪拌し続ける。蒸発の後に、カラム(直径20mmカラム)でのフラッシュクロマトグラフィーによる精製を、MeOH-DCM6% 250mLで、次いでMeOH-DCM7% 200ml、最後にMeOH-DCM8% 200mlで実施する。生成物27に対応する分画を合わせ、次いで、蒸発乾燥させると、オイル1.00gが、50%と推測される収率で得られる。
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ = 9.50 (ブロード s, 1H, NHイミダゾール); 7.80 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H2,6); 7.64 (s, 1H, Hイミダゾール); 7.46 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H3,5および1H, NH2'); 7.05 (s, 2H, Hイミダゾール); 6.76 (t, 1H, NH16'), 6.20 (ブロード s, 1H, NH B1); 5.44 (ブロード s, 1H, NH B3); 5.37 (s, 1H, CH); 4.42 (m, 1H, HB6a); 4.24 (m, 1H, HB3a); 3.59-3.44 (m, 14H, H7',8',10',11'およびH5',13'およびH3'); 3.29 (m, 8H, H15'および2-O-CH3); 3.07 (m, 1H, HB4); 2.84および2.66 (ABX系, 2H, 2JAB= 5 Hz, 3JAX = 12 Hz, 3JBX = 0 Hz, HB6); 2.13 (t, 2H, J = 8 Hz, HB10); 1.85 (m, 2H, H4'); 1.66 (m, 2H, H14'); 1.40-1.37 (m, 6H, HB7, B8, B9)。
アルデヒド化合物28:
アセタール27を、クロロホルム50mlに溶かし、次いで、2NのHCl20mlを加える。2相の混合物を激しく、15分間攪拌する。有機相を回収し、無水NaHCO3上で乾燥させる。これを濾過し、蒸発させると、化合物28が、ペースト(495mg;0.855mmol)の形で、ビオチンからの全体収率42%で得られる。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ = 10.05 (s, 1H, CHO); 7.98 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H2,6); 7.92 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H3,5); 7.58 (t, 1H, NH2'); 6.46 (t, 1H, NH16'), 6.02 (ブロード s, 1H, NH B1); 5.19 (ブロード s, 1H, NH B3); 4.46 (m, 1H, HB6a); 4.27 (m, 1H, HB3a); 3.66-3.56 (m, 10H, H7',8',10',11'およびH5'); 3.50-3.29 (m, 4H, H3',13'); 3.28 (m, 2H, H15'); 2.95 (m, 1H, HB4); 2.84および2.71 (ABX系, 2H, 2JAB = 5 Hz, 3JAX = 12 Hz, 3JBX = 0 Hz, HB6); 2.15 (t, 2H, J = 8 Hz, HB10); 1.89 (m, 2H, H4'); 1.72-1.63 (m, 6H, H14', HB7, B9); 1.23 (m, 2H, HB8)。
ヒドラゾン化合物29:
アルデヒド28(495mg;0.855mmol)を、無水エタノール10mlに溶かす。ヒドラジン(350μl;7.20mmol)を加え、次いで、反応混合物を還流下に1時間加熱する。蒸発後に得られたオイルを、無水EtOHに溶かして、再び蒸発させる。次いで、発泡物質が得られ、これを、ペンタンとともに砕く。生成物29(511mg;0.862mmol)に対応するペーストが、収率100%で得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ = 7.76 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H2,6); 7.72 (s, 1H, CH); 7.56 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H3,5); 7.34 (t, 1H, NH2'); 6.45 (t, 1H, NH16'), 5.98 (ブロード s, 1H, NH B1); 5.78 (ブロード s, 2H, NH2); 5.18 (ブロード s, 1H, NH B3); 4.44 (m, 1H, HB6a); 4.26 (m, 1H, HB3a); 3.62-3.56 (m, 10H, H7',8',10',11'およびH5'); 3.48-3.45 (m, 4H, H3',13'); 3.27 (m, 2H, H15'); 3.07 (m, 1H, HB4); 2.84および2.68 (ABX系, 2H, 2JAB = 5 Hz, 3JAX = 12 Hz, 3JBX = 0 Hz, HB6); 2.11 (t, 2H, J = 8 Hz, HB10); 1.86 (m, 2H, H4'); 1.72-1.59 (m, 6H, H14', HB7, B9); 1.21 (m, 2H, HB8)。
ジアゾ化合物30:
ヒドラゾン29(357mg;0.602mmol)を、DMF17.5mlに溶かす。次いで、MnO2(700mg;7.7mmol)を加える。室温で12分間攪拌した後に、混合物を、セライトを含有するミリポア(厚さ: 2cm)および3Å(0.5cm)の粉末分子ふるいで濾過する。反応混合物を蒸発乾燥させる。得られた残留オイルを、エーテルで連続して3回洗浄する。化合物30(290mg、0.491mmol)が、ややピンク色の固体の形で収率82%で得られる。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ = 8.28 (t, 1H, NH2'); 7.77 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H2,6); 7.74 (t, 1H, NH16'); 7.00 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H3,5); 6.38 (ブロード s, 1H, NH B1); 6.32 (ブロード s, 1H, NH B3); 5.80 (s, 1H, CH-N2); 4.27 (m, 1H, HB6a); 4.11 (m, 1H, HB3a); 3.51-3.44 (m, 10H, H7', 8', 10', 11'およびH5'); 3.37 (m, 2H, H15'); 3.32 (m, 4H, H3',13'); 3.05 (m, 1H, HB4); 2.79および2.58 (ABX系, 2H, 2JAB = 5 Hz, 3JAX = 12 Hz, 3JBX = 0 Hz, HB6); 2.02 (t, 2H, J = 8 Hz, HB10); 1.69 (m, 2H, H4'); 1.59-1.48 (m, 6H, H14', HB7, B9); 1.25 (m, 2H, HB8)。
化合物30の反応性を、3'一リン酸ウリジンで試験し、毛細管電気泳動により監視した。分析条件は、実施例6.1の条件である。結果は、45分間の半減期を示す。
試薬は、-20℃で少なくとも1カ月間安定である。
標識試薬パラ-Bio-EG3-PDAMを用いるDNA増幅産物の標識化および断片化:
このタイプの分子、即ち、ポリエチレングリコールベースの連結アームを有するPDAM誘導体の主な利点は、ジアゾ官能基とビオチンとを離しておくことができ、可溶性が、最終分析では、これらの分子の反応性が、増大することである。
パラ-Bio-EG3-PDAM誘導体30を、実施例20に記載の反応スキームに従い得た。実施例5に記載のプロトコルに従い、PCR増幅により、DNA増幅産物を調製した。2つの標識反応を実施した。
a. パラ-Bio-EG3-PDAM試薬での標識:
PCR10μlに、パラ-Bio-EG3-PDAM(DMSO中100mM)およびDNアーゼ/Rnアーゼを含まない水77μlを加える。溶液は均質で、沈殿物は有さない。この溶液を、95℃で10分間インキュベーションし、0.1MのHCl3μlを加え、溶液を、95℃で10分間インキュベーションする。
プロトコルの残りは、実施例8のものと同一である。
b. メタ-BioPMDAM試薬での標識:
PCR10μlに、メタ-Bio-PDAM(DMSO中100mM)およびDNアーゼ/Rnアーゼを含まない水77μlを加える。この生成物の合成は、実施例1.1に記載されている。溶液は、僅かな沈殿物を有する。この溶液を、95℃で10分間インキュベーションする。次いで、0.1MのHCl3μlを加え、溶液を、95℃で10分間インキュベーションする。
プロトコルの残りは、実施例8のものと同一である。
結果:
Figure 0004554159
この表12で得られたシグナル強度は、非常に満足なもので、相同性パーセンテージは、高い。この結果から、ジアゾ標識分子にポリエチレングリコールを導入することにより、試薬の水相可溶性を高めることができることが分かる。試験は、均質である。さらに、可溶性が高まることにより、マーカーの反応性も高まりうる。
ポリエチレングリコールベースの架橋アームを含む他のPDAM誘導体の合成:
実施例22.1: メタ-Bio-EG3-PMDAMの合成
Figure 0004554159
化合物68:
3-アミノアセトフェノン(14.5g、107mmol)を、無水DMF50mlに溶かす。無水コハク酸(10.7g、107mmol)を加え、混合物をアルゴン下に室温で攪拌し続ける。6時間後、溶液を真空濃縮し、メタノール50mLを加える。得られた沈殿物を濾過し、メタノールおよびエーテルで洗浄する。生成物68 19.4(81%)がこうして、オフホワイト色の粉末の形で得られる。
1H NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 2.5-2.6 (m, 7H); 7.45 (t, 1H); 7.64 (d, 1H); 7.83 (d, 1H); 8.19 (s, 1H); 10.16 (s, 1H); 12.12 (s, 1H)。
化合物69:
化合物68 5.07g(22mmol)をアルゴン下に、無水DMF10mlに溶かす。混合物を氷の上に置き、カルボニルジイミダゾール5.00g(32mmol)を加える。20分後に、4,7,10-トリオキサトリデカンジアミン(EG3)20ml(94.6mmol)を徐々に加える。室温での3時間の反応の後に、DMFを蒸発させ、残留物を、CH2Cl2100mlに入れる。飽和NaHCO3およびH2Oで抽出を実施し、そのあと、有機相を無水Na2SO4を用いて乾燥させ、溶剤を蒸発させる。こうして、生成物69 4.34g(46%)が得られる。
1H NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 1.59 (m, 2H); 1.87 (m, 2H); 2.16 (s, 3H); 2.40 (m, 2H); 2.55 (m, 2H); 3.08 (m, 2H); 3.45 (m, 16H); 7.30 (t, 1H); 7.42 (d, 1H); 7.70 (d, 1H); 7.83 (t, 1H); 7.97 (s, 1H); 10.00 (s, 1H)。
ビオチン化化合物70:
D-ビオチン(1.0g、4.1mmol)を、アルゴン下に無水DMF10mlに溶かす。混合物を、氷の上で冷やし、無水DMF10ml中のカルボニルジイミダゾール(CDI)(0.665g、4.1mmol)を加える。15分後に、無水DMF2ml中の化合物69(1.8g、4.1mmol)を加える。反応を放置して、35℃で3時間進行させ、次いで、DMFを蒸発させ、残留物を、CH2Cl2100mlに入れる。飽和NaHCO3およびH2Oで抽出を実施し、そのあと、有機相を無水Na2SO4を用いて乾燥させ、溶剤を蒸発させる。こうして得られた生成物のNMR特性により、生成物70および遊離EG3の混合物が得られたことが分かる。合成を継続する前に、他の精製ステップを実施する。
実施例1に記載のスキームによる2つの合成ステップの後に、最終化合物、メタ-Bio-EG3-PMDAMが得られる。
この合成の利点は、二重である。一方では、生成物69が、僅か2つのステップで得られる;この生成物は、末端アミン基により、様々な性質の検出可能な分子に結合しうるジアゾの前駆体として使用することができる。この基によって、核酸を固定化する目的で、固体支持体に化合物69をグラフトすることができる。他方で、化合物71は、メタ-Bio-PMDAM(我々の参照分子)と同じ反応中心を有し、これにより、エチレングリコール(EG3)アームの包含に伴う利点の分析が促進される。
試薬は、-20℃で少なくとも1カ月安定である。
実施例22.2: メタ-Bio-EG4-PMDAMの合成:
Figure 0004554159
3-ニトロアセトフェノン13の保護:
3-ニトロアセトフェノン33g(0.20モル)を、トルエン400mlに溶かし、次いで、エチレングリコール40ml(0.717モル)およびパラ-トルエンスルホン酸(PTSA)600mg(3.15mmol)を加えた。ディーンスターク系にマウントする。溶液を130℃に3時間加熱する。溶液を室温にもどした後に、酢酸エチル400mlを加え、次いで、溶液を飽和NaHCO3溶液8mlで洗浄する。有機相をMgSO4上で乾燥させる。蒸発の後に、淡黄色の固体13(39.72g;0.190モル)が収率95%で得られる。
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ = 7.11 (t, 1H, J = 8 Hz, Ar-H); 6.87-6.78 (m, 2H, Ar-H); 6.59 (dd, 1H, J = 6.5 Hz, Ar-H); 4.00 (m, 2H, H 2Cアセタール); 3.79 (m, 2H, H 2Cアセタール); 1.61 (s, 3H, CH3)。
アミン14の調製:
化合物13(39.7g、0.190モル)を、EtOH500mlに溶かし、次いで、炭素に担持された10%パラジウム1gを加える。混合物を加熱して、全体を溶かし、次いで、溶液を放置して室温に戻す。真空を適用し、溶液をH2下に置いた後に、これを激しく5時間攪拌し続ける。次いで溶液を温時ろ過し、次いで、蒸発させる。生成物14を、ペンタンで洗浄し、固体(34g;0.189モル)の形で収率99%で単離する。
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ = 7.14 (t, 1H, J = 8 Hz, Ar-H); 6.85 (m, 2H, J = 7.5 Hz, Ar-H); 6.79 (s, 1H, Ar-H); 6.59 (dd, 1H, J = 6.5 Hz, Ar-H); 4.00 (m, 2H, H 2Cアセタール); 3.77 (m, 2H, H 2Cアセタール); 1.61 (s, 3H, CH3)。
臭素化化合物15:
アミン14(12.3g;68.7mmol)およびトリエチルアミン(7g;69mmol)をアルゴン下に、DCM150mlに溶かす。DCM150mlに溶かされた臭化ブロモアセチル13.8g(60mmol)の溶液を-5℃で滴加する。添加の終了時に、水性の1NのNaHCO3100mlを加える。有機相を水性NaHCO3で連続して2回洗浄し、MgSO4上で乾燥させる。蒸発乾燥の後に、化合物15に対応する茶色のオイル22.6gが得られ、これをそのまま、次の反応で使用する。
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ = 8.29 (ブロード s, 1H, NH); 7.62 (dt, 1H4, J = 5 Hz, Ar-H); 7.47 (s, 1H, Ar-H2); 7.38-7.19 (m, 2H, Ar-H5,6); 4.00 (m, 2H, Br-CH 2); 3.75 (m, 4H, H 2C-H 2Cアセタール); 1.61 (s, 3H, CH3)。
アルコール化合物16:
水素化ナトリウム(3.3g;82.5mmol)を、ペンタンで3回洗浄し、次いで、THF150mlに懸濁させ、次いで、テトラエチレングリコール(50ml;0.29モル)を室温で加える。反応を、15分間攪拌し続け、次いで、溶液を-5℃に冷却する。
予めTHF25mlで希釈された化合物15を滴加する。混合物を30分間攪拌し続けて、室温に戻す。溶液を濃縮して100mlにし、次いで、これを、CHCl3500mlで希釈する。この有機相を、水性の1NのNaHCO3250mlで連続して3回洗浄し、次いで、これをMgSO4上で乾燥させ、その後、これを蒸発させる。生成物を、MeOH-DCM5% 1.5lで、次いでMeOH-DCM7% 500ml、最後にMeOH-DCM10% 500mlを用いるシリカカラム(直径65mmカラム)でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。化合物16に対応する分画を合わせ、次いで、蒸発乾燥させると、生成物17.4g(42.1mmol)が収率61%で得られる。
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ = 8.86 (ブロード s, 1H, NH); 7.71 (d, 1H, J = 7.5 Hz, Ar-H4); 7.51 (s, 1H, Ar-H2); 7.29-7.24 (m, 2H, Ar-H5,6); 4.09 (m, 2H, CO-CH 2-O); 3.99 (m, 2H, H 2Cアセタール); 3.72-3.53 (m, 20H, O-CH 2-CH 2-O, H 2CアセタールおよびHO-CH 2); 1.61 (s, 3H, CH3)。
トシレート化合物17:
アルコール16(4.13g;10.0mmol)を、ピリジン5mlに溶かす。次いで、塩化トシル2.0g(10.5mmol)を室温で加える。混合物をアルゴン下に10時間攪拌する。これを、DCM100mlで希釈し、有機相を、水性の1NのNaHCO320mlで3回洗浄し、次いでこれを、MgSO4上で乾燥させ、その後、トルエンと共に同時蒸発させる。カラム(直径50mmカラム)でのフラッシュクロマトグラフィーによる精製を、MeOH-DCM2% 500mlで、次いでMeOH-DCM3% 500ml、最後にMeOH-DCM4% 500mlを用いて実施する。生成物17に対応する分画を合わせ、蒸発乾燥させると、オイル3.68g(6.48mmol)が65%と推測される収率で得られる。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ = 8.86 (ブロード s, 1H, NH); 7.76 (d, 4H, J = 5.5 Hz, Ar-Hトシル); 7.60 (d, 1H, J = 7.5 Hz, Ar-H4); 7.50 (s, 1H, Ar-H2); 7.32-7.22 (m, 2H, Ar-H5,6); 4.10 (m, 2H, CO-CH 2-O); 4.00 (m, 2H, H 2Cアセタール); 3.73-3.54 (m, 20H, O-CH 2-CH 2-O, H 2CアセタールおよびHO-CH 2); 2.42 (s, 3H, Ar-CH3); 1.61 (s, 3H, CH3)。
フタルイミド化合物18:
トシレート17(3.68g;6.48mmol)を、DBU(1,8-ジアゾビシクロ[5.4.0]ウンデセン)1.52g(10.0mmol)で溶かし、次いで、フタルイミド(1.47g;10mmol)を加える。こうして得られた溶液を85〜90℃に17時間加熱し、次いで、蒸発させる。生成物を、アセトン-DCM15%1l、次いでアセトン-DCM20%1lを用いるシリカカラム(直径50mmカラム)でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。化合物18に対応する分画を合わせ、次いで、蒸発乾燥させると、生成物3.15g(5.8mmol)が収率90%で得られる。
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ = 8.73 (ブロード s, 1H, NH); 7.79 (m, 2H, Ar-Hフタルイミド); 7.99 (m, 2H, Ar-HフタルイミドおよびAr-H4); 7.49 (s, 1H, Ar-H2); 7.27-7.18 (m, 2H, Ar-H5,6); 4.10 (m, 2H, CO-CH 2-O); 4.00 (m, 2H, H 2Cアセタール); 3.69-3.56 (m, 20H, O-CH 2-CH 2-O, H 2CアセタールおよびNフタルイミド-CH 2); 1.61 (s, 3H, CH3)。
アミン化合物19:
還流下に75〜80℃に加熱することにより、生成物18を、無水EtOH20mlに溶かす。次いで、ヒドラジン(1.07ml;22.1mmol)を加え、反応を1時間15分攪拌し続ける。得られた沈殿物を焼結ガラスで濾過し、エタノール相を蒸発させる。次いで、白色の沈殿物をDCMで洗浄し、DCM相を蒸発させる。アセタールを脱保護するためのステップの間に除去することができるイミダゾールを含有していても、得られた黄色のオイル(2.3g;5.57mmol)をそのまま、次の反応のために使用する。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ = 8.83 (ブロード s, 1H, NH); 7.69 (d, 1H, J = 7.5 Hz, Ar-H4); 7.51 (s, 1H, Ar-H2); 7.30-7.19 (m, 2H, Ar-H5,6); 4.10 (m, 2H, CO-CH 2-O); 4.00 (m, 2H, H 2Cactal); 3.69-3.56 (m, 20H, O-CH 2-CH 2-O, H 2CアセタールおよびH2N-CH 2); 1.61 (s, 3H, CH3)。
ビオチン化化合物20:
D-ビオチン(1.05g;4.32mmol)を、無水DMF10mlに溶かす。カルボニルジイミダゾール(CDI)790mg(4.87mmol)をアルゴン下に加える。10分攪拌した後に、DMF5ml中で希釈されたアミン19を加える。溶液を40分間攪拌し続け、次いで、蒸発させ、その後、カラムでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。
このために、溶離剤として、MeOH-DCM5% 500ml、次いでMeOH-DCM10% 500ml、最後にMeOH-DCM15% 500mlを用いる直径50mmのカラムを使用する。生成物20に対応する分画を合わせ、次いで、蒸発乾燥させると、黄色のオイル(1.66g;2.6mmol)が得られる。
得られた黄色のオイル(2.4g)は、NMRスペクトルによると、イミダゾール約30重量%を含有する。したがって、生成物20で得られる反応収率は、出発ビオチンに対して約60%であると推測される。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ = 8.80 (ブロード s, 1H, NH); 7.66 (m, 3H, Ar-H4およびHイミダゾール); 7.54 (s, 1H, Ar-H2); 7.28-7.24 (m, 2H, Ar-H5,6); 7.07 (s, 2H, Hイミダゾール), 6.59 (t, 1H, NH15'); 6.06 (ブロード s, 1H, NH B1); 5.19 (ブロード s, 1H, NH B3); 4.45 (m, 1H, HB6a); 4.27 (m, 1H, HB3a); 4.10 (s, 2H, H3'); 4.00 (m, 2H, H 2Cアセタール); 3.75-3.49 (m, 18H, O-CH 2-CH 2-OおよびH 2Cアセタール); 3.36 (m, 2H, H14'); 3.09 (m, 1H, HB4); 2.85および2.66 (ABX系, 2H, 2JAB = 5 Hz, 3JAX = 12 Hz, 3JBX = 0 Hz, HB6); 2.16 (t, 2H, J = 8 Hz, HB10); 1.61 (s, 3H, CH3); 1.59-1.3 (m, 6H, HB9, B8, B7)。
ケトン化合物21:
アセタール20を、クロロホルム80mlに溶かし、次いで、2NのHCl30mlを加える。混合物を激しく45分間攪拌し続ける。有機相を回収し、次いで、無水NaHCO3上で乾燥させる。濾過の後に、溶液を蒸発させ、得られたオイルを、ペンタンで洗浄すると、生成物21(1.48g;2.48mmol)が収率99%で得られる。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ = 8.99 (ブロード s, 1H, NH); 8.07 (s, 1H, Ar-H2); 7.98 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H4); 7.66 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H6); 7.42 (t, 2H, J = 8 Hz, Ar-H5); 6.38 (t, 1H, NH15'); 5.78 (ブロード s, 1H, NH B1); 4.96 (ブロード s, 1H, NH B3); 4.47 (m, 1H, HB6a); 4.29 (m, 1H, HB3a); 4.13 (s, 2H, H3'); 3.76-3.37 (m, 16H, O-CH 2-CH 2-O); 3.32 (m, 2H, H14'); 3.11 (m, 1H, HB4); 2.89および2.75 (ABX系, 2H, 2JAB = 5 Hz, 3JAX = 12 Hz, 3JBX = 0 Hz, HB6); 2.59 (s, 3H, CH3); 2.16 (t, 2H, J = 8 Hz, HB10); 1.64-1.40 (m, 6H, HB9, B8, B7)。
ヒドラゾン化合物22:
ケトン21を、無水EtOH20mlに溶かす。混合物を還流下に75〜80℃で加熱する。次いで、ヒドラジン816μl;16.81mmolを加え、混合物を3時間攪拌し続ける。濾過の後に、混合物を蒸発乾燥させ、粘稠性の白色の発泡物質が得られるまで、残留物をエタノールに再溶解させる。第2の場合には、この発泡物質を、クロロホルム50mlに溶かし、次いで、飽和NaHCO3溶液20mlを加える。混合物を十分に洗浄し、次いで、有機相を回収する。これを、無水Na2CO3上で乾燥させ、濾過の後に、蒸発乾燥させると、新たな粘稠性の発泡物質が得られる。後者は、生成物22(842mg;1.38mmol)に対応し、収率66%で得られる。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ = 8.81 (ブロード s, 1H, NH); 8.82 (s, 1H, Ar-H2); 7.64 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H4); 7.32 (m, 4H, Ar-H5,6); 6.43 (t, 1H, NH15'); 5.89 (ブロード s, 1H, NH B1); 5.46 (ブロード s, 2H, NH2); 4.99 (ブロード s, 1H, NH B3); 4.44 (m, 1H, HB6a); 4.27 (m, 1H, HB3a); 4.11 (s, 2H, H3'); 3.70-3.37 (m, 16H, O-CH 2-CH 2-O); 3.32 (m, 2H, H14'); 3.08 (m, 1H, HB4); 2.87および2.67 (ABX系, 2H, 2JAB = 5 Hz, 3JAX = 12 Hz, 3JBX = 0 Hz, HB6); 2.11 (m, 5H, CH3およびHB10); 1.64-1.40 (m, 6H, HB9, B8, B7)。
ジアゾ化合物23:
ヒドラゾン22(100mg;0.164mmol)を、アルゴン下にDMF1mlに溶かす。活性化MnO280mgを加え、混合物を激しく30分間攪拌し続ける。混合物を、セライト(3cm)-粉末分子ふるい(1cm)混合層で濾過する。次いで溶液を、蒸発乾燥させる。蒸発の終了時に得られたオイルを、化合物23(78mg;0.128mmol;78%)に対応するピンク色の粉末が得られるまで粉砕する。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ = 9.60 (ブロード s, 1H, NH); 7.89 (s, 1H, Ar-H2); 7.76 (t, 1H, NH15'); 7.35-7.25 (m, 4H, Ar-H5,6); 6.64 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H4); 6.36 (ブロード s, 1H, NH B1); 6.32 (ブロード s, 1H, NH B3); 4.28 (m, 1H, HB6a); 4.08 (m, 1H, HB3a); 4.06 (s, 2H, H3'); 3.55-3.31 (m, 16H, O-CH 2-CH 2-O); 3.17 (m, 2H, H14'); 3.08 (m, 1H, HB4); 2.80および2.59 (ABX系, 2H, 2JAB = 5 Hz, 3JAX = 12 Hz, 3JBX = 0 Hz, HB6); 2.13 (m, 5H, CH3); 2.13 (t, 2H, J = 8 Hz, HB10); 1.99-1.30 (m, 6H, HB9, B8, B7)。
化合物23の反応性を、ウリジン3'-一リン酸で試験し、毛細管電気泳動で監視した。分析条件は、実施例6.1の条件である。結果から、30分の半減期が分かる。
試薬の安定性は、-20℃で1カ月を上回る。
実施例22.3: パラ-Bio-PMDAMの合成:
Figure 0004554159
4-アセチル安息香酸の保護:
4-アセチル安息香酸(1g;6.1mmol)を、塩化トリメチル(TMSCl、10g;92mmol)のMeOH5ml溶液に溶かす。混合物を、90℃に一晩加熱する。蒸発の後に、化合物31(1.21g;5.75mmol)に対応する白色の固体を単離し、NMRにより同定し、そのまま、次の反応のために使用する。
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ = 8.08 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H2,6); 7.59 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H3,5); 3.18 (s, 6H, -O-CH3); 1.53 (s, 3H, CH3)。
化合物32:
化合物31(1.21g;5.75mmol)を、Dowex 50WX8-100(0.3g)の存在下に、オルトギ酸トリメチル5mlに溶かす。混合物を60℃に一晩加熱し、次いで、濾過し、蒸発させると、化合物32(1.19g;5.3mmol)が収率87%で得られる。
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ = 8.00 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H2,6); 7.54 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H3,5); 3.89 (s, 1H, CO-O-CH3); 3.16 (s, 6H, -O-CH3); 1.51 (s, 3H, CH3)。
化合物33:
化合物32(1.17g;5.22mmol)を、4,7,10-トリオキサ-1,13-トリデカンジアミン5ml(22.7mmol)に溶解させる。得られた溶液を、140℃に4時間加熱する。次いで混合物を、DCM30mlに溶かし、水10mlで3回洗浄する。有機相をMgSO4上で乾燥させ、次いで、蒸発させると、生成物33(1.44g;3.49mmol)に対応するオイルが収率67%で得られる。
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ = 7.76 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H2,6); 7.51 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H3,5); 3.62-3.47 (m, 14H, H7',8',10',11'およびH5',13'およびH3'); 3.15 (s, 6H, -O-CH3); 2.73 (m, 2H, H15') 1.88 (m, 2H, H4'); 1.65 (m, 2H, H14'); 1.38 (ブロード s, 2H, NH2)。
ビオチン化化合物34:
ビオチン(780mg;3.19mmol)を、DMF13mlに懸濁させる。次いで、CDI590mg(3.60mmol)を加える。この溶液を室温で30分間攪拌し続ける。化合物33を、DMF1mlに溶解させ、次いで、前述の溶液を少量ずつ加える。次いで、混合物を室温で1時間攪拌し続ける。DMFを蒸発させた後に、カラム(直径35mmカラム)でのフラッシュクロマトグラフィーによる精製を、MeOH-DCM6%500ml、次いで、MeOH-DCM8%250ml、最後にMeOH-DCM8%250mlを用いて実施する。生成物34に対応する分画を合わせ、次いで、蒸発乾燥させると、オイル1.05gが推測される収率30%で得られる。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ = 8.49 (ブロード s, 1H, NHイミダゾール); 7.79 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H2,6); 7.66 (s, 1H, Hイミダゾール); 7.50 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H3,5); 7.38 (t, 1H, NH2'); 7.11 (s, 2H, Hイミダゾール); 6.67 (t, 1H, NH16'), 5.99 (ブロード s, 1H, NH B1); 5.15 (ブロード s, 1H, NH B3); 4.46 (m, 1H, HB6a); 4.27 (m, 1H, HB3a); 3.61-3.45 (m, 14H, H7',8',10',11'およびH5',13'およびH3'); 3.28 (m, 2H, H15'); 3.15 (s, 6H, -OCH3); 2.85 (m, 1H, HB4); 2.85および2.69 (ABX系, 2H, 2JAB = 5 Hz, 3JAX = 12 Hz, 3JBX = 0 Hz, HB6); 2.14 (t, 2H, J = 8 Hz, HB10); 1.86 (m, 2H, H4'); 1.69 (m, 2H, H14'); 1.49 (s, 3H, CH3); 1.42-1.39 (m, 6H, HB7, B8, B9)。
化合物35:
アセタール34を、クロロホルム45mlに溶解させ、次いで、2NのHCl10mlを加える。2相混合物を5分間激しく攪拌する。有機相を回収し、無水NaHCO3上で乾燥させる。これを濾過し、蒸発させると、化合物35が、薄い黄色の固体(504mg;0.87mmol)の形で、ビオチンからの全体収率27%で得られる。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ = 7.97 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H2,6); 7.91 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H3,5); 7.51 (t, 1H, NH2'); 6.50 (t, 1H, NH16'), 6.05 (ブロード s, 1H, NH B1); 5.23 (ブロード s, 1H, NH B3); 4.45 (m, 1H, HB6a); 4.27 (m, 1H, HB3a); 3.62-3.56 (m, 10H, H7' 8',10',11'およびH5'); 3.48-3.46 (m, 4H, H3',13'); 3.27 (m, 2H, H15'); 3.10 (m, 1H, HB4); 2.85および2.71 (ABX系, 2H, 2JAB = 5 Hz, 3JAX = 12 Hz, 3JBX = 0 Hz, HB6); 2.60 (s, 3H, CH3); 2.14 (t, 2H, J = 8 Hz, HB10); 1.89 (m, 2H, H4'); 1.72-1.61 (m, 6H, H14', HB7 B9); 1.40 (m, 2H, HB8)。
ヒドラゾン化合物36:
ケトン35(500mg;0.864mmol)を、無水EtOH11mlに溶かす。ヒドラジン(335μl;6.911mmol)を加え、次いで、反応混合物を還流下に1時間加熱する。蒸発の後に得られるオイルを、全体EtOHに溶かして、再び蒸発させる。すると、生成物36(488mg;0.823mmol)に対応する粘稠性の発泡物質が、収率95%で得られる。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ = 7.76 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H2,6); 7.67 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H3,5); 7.29 (t, 1H, NH2'); 6.46 (t, 1H, NH16'), 5.98 (ブロード s, 1H, NH B1); 5.55 (ブロード s, 2H, NH2); 5.14 (ブロード s, 1H, NH B3); 4.45 (m, 1H, HB6a); 4.24 (m, 1H, HB3a); 3.62-3.51 (m, 10H, H7', 8',10',11'およびH5'); 3.47-3.45 (m, 4H, H3',13'); 3.27 (m, 2H, H15'); 3.07 (m, 1H, HB4); 2.84および2.69 (ABX系, 2H, 2JAB = 5 Hz, 3JAX = 12 Hz, 3JBX = 0 Hz, HB6); 2.11 (t, 2H, J = 8 Hz, HB10およびs, 3H, CH3); 1.86 (m, 2H, H4'); 1.72-1.59 (m, 6H, H14', HB7, B9); 1.21 (m, 2H, HB8)。
ジアゾ化合物37:
ヒドラゾン36(200mg;0.337mmol)を、DMF5mlに溶解させる。次いで、MnO2(450mg;5.17mmol)を加える。室温で15分間攪拌した後に、混合物をセライトを含有するミリポア(厚さ: 2cm)および3Å(0.5cm)粉末分子ふるいで濾過する。反応混合物を蒸発乾燥させる。得られた残留オイルを、エーテルで連続して3回洗浄して、粉末を得る。化合物37(290mg、0.491mmol)が、ピンク色の固体の形で収率93%で得られる。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ = 8.33 (t, 1H, NH2'); 7.83 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H2,6); 7.73 (t, 1H, NH16'); 6.98 (d, 2H, J = 8 Hz, Ar-H3,5); 6.39 (ブロード s, 1H, NH B1); 6.33 (ブロード s, 1H, NH B3); 4.30 (m, 1H, HB6a); 4.12 (m, 1H, HB3a); 3.51-3.45 (m, 16H, H7',8',10',11'およびH5'およびH15'およびH3',13'); 3.07 (m, 1H, HB4); 2.79および2.58 (ABX系, 2H, 2JAB = 5 Hz, 3JAX = 12 Hz, 3JBX = 0 Hz, HB6); 2.14 (s, 3H, CH3); 2.04 (t, 2H, J = 8 Hz, HB10); 1.77 (m, 2H, H4'); 1.62-1.48 (m, 6H, H14', HB7, B9); 1.31 (m, 2H, HB8)。
化合物37の反応性を、ウリジン3'-一リン酸で試験し、毛細管電気泳動で監視した。分析条件は、実施例6.1の条件である。結果から、60分の半減期が分かる。
試薬の安定性は、-20℃で少なくとも1カ月である。
実施例22.4: メタ-Bio-EG3-PDAMの合成:
Figure 0004554159
3-ホルミル安息香酸メチル38の保護:
Dowex 50WX8-100樹脂(2g)、H2N-(CH2)3-(O-CH2-CH2)3- 25mlのMeOHおよび25mlのトリメチルo:CH2-NH2を次いで、15分間攪拌し続ける。デカンテーションの後に、樹脂をMeOH20mlで連続して2回洗浄する。次いで、この樹脂をMeOH100mlに入れ、CH(OMe)350mlおよび3-ホルミル安息香酸メチル7.12g(43.4mmol)を加える。溶液を、15分間攪拌し続け、次いで、プリーツ型の紙で濾過し、その後、蒸発させる。生成物39(9g;43.1mmol)が、薄い黄色の液体の形で収率99%で単離される。
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ = 8.10 (s, H, Ar-H2); 7.9 (d, H, J = 8 Hz, Ar-H4); 7.63 (d, H, J = 8 Hz, Ar-H6); 7.42 (t, H, J = 8 Hz, Ar-H5); 5.40 (s, 1H, CH); 3.90 (s, 3H, -CO-O-CH3); 3.31 (s, 6H, -O-CH3)。
化合物40:
化合物39(2g;9.5mmol)を、4,7,10-トリオキサ-1,13-トリデカンジアミン10.4ml(47.6mmol)を溶解させる。得られた溶液を165℃に2時間加熱する。次いで、混合物をDCM80mlに溶かし、水20mlで4回洗浄する。MgSO4上で乾燥させ、蒸発させた後に、生成物40が収率60%(2.27g;5.69mmol)で単離される。
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ = 7.84 (s, H, Ar-H2); 7.75 (d, H, J = 8 Hz, Ar-H4); 7.53 (d, H, J = 8 Hz, Ar-H6); 7.39 (t, H, J = 8 Hz, Ar-H5); 5.38 (s, 1H, CH); 3.64-3.43 (m, 14H, H7',8',10',11'およびH5',13'およびH3'); 3.29 (s, 6H, -O-CH3); 2.72 (m, 2H, H15'); 1.87 (m, 2H, H4'); 1.64 (m, 2H, H14'); 1.30 (ブロード s, 2H, NH2)。
ビオチン化化合物41:
D-ビオチン(344mg;1.40mmol)を、DMF4mlに懸濁させ、次いで、CDI250mg(1.54mmol)を加える。溶液を、室温で30分間攪拌し続ける。化合物40(616mg;1.54mmol)を、DMF2mlに溶かし、次いで、前述の溶液を少量ずつ加える。こうして得られた混合物を室温で50分間攪拌し続ける。蒸発させた後に、カラム(直径30mmカラム)でのフラッシュクロマトグラフィーによる精製を、MeOH-DCM10%750ml、次いで、MeOH-DCM15%250mlを用いて実施する。生成物41に対応する分画を合わせ、次いで、蒸発乾燥させると、オイル740mgが推測される50%の収率で得られる。
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ = 7.87 (s, H, Ar-H2); 7.78 (d, H, J = 8 Hz, Ar-H4); 7.65 (s, 1H, Hイミダゾール); 7.53 (d, H, J = 8 Hz, Ar-H6); 7.39 (t, H, J = 8 Hz, Ar-H5); 7.07 (s, 2H, Hイミダゾール); 6.65 (t, 1H, NH16'), 5.95 (ブロード s, 1H, NH B1); 5.38 (s, 1H, CH); 5.15 (ブロード s, 1H, NH B3); 4.43 (m, 1H, HB6a); 4.27 (m, 1H, HB3a); 3.59-3.44 (m, 14H, H7',8',10',11'およびH5',13'およびH3'); 3.29 (m, 8H, H15'および2-O-CH3); 3.07 (m, 1H, HB4); 2.84および2.66 (ABX系, 2H, 2JAB = 5 Hz, 3JAX = 12 Hz, 3JBX = 0 Hz, HB6); 2.13 (t, 2H, J = 8 Hz, HB10); 1.85 (m, 2H, H4'); 1.66 (m, 2H, H14'); 1.40-1.37 (m, 6H, HB7, B8, B9)。
アルデヒド化合物42:
アセタール41を、クロロホルム20mlに溶かし、次いで2NのHCl5mlを加える。2相混合物を15分間激しく攪拌する。有機相を回収し、無水NaHCO3上で乾燥させる。これを濾過し、蒸発させると、化合物42が、黄色のオイル(593mg;1.02mmol)の形で、ビオチンからの全体収率87%で得られる。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ = 10.04 (s, 1H, CHO); 8.34 (s, H, Ar-H2); 8.16 (d, H, J = 8 Hz, Ar-H4); 7.96 (d, H, J = 8 Hz, Ar-H6); 7.72 (t, 1H, NH2'); 7.39 (t, H, J = 8 Hz, Ar-H5); 6.51 (t, 1H, NH16'); 6.00 (ブロード s, 1H, NH B1); 5.30 (ブロード s, 1H, NH B3); 4.46 (m, 1H, HB6a); 4.27 (m, 1H, HB3a); 3.66-3.56 (m, 10H, H7',8',10',11'およびH5'); 3.50-3.29 (m, 4H, H3',13'); 3.28 (m, 2H, H15'); 2.95 (m, 1H, HB4); 2.84および2.71 (ABX系, 2H, 2JAB = 5 Hz, 3JAX = 12 Hz, 3JBX = 0 Hz, HB6); 2.15 (t, 2H, J = 8 Hz, HB10); 1.89 (m, 2H, H4'); 1.72-1.63 (m, 6H, H14', HB7, B9); 1.23 (m, 2H, HB8)。
ヒドラゾン化合物43:
アルデヒド42(593mg;1.02mmol)を、無水エタノール10mlに溶かす。ヒドラジン(400μl;8.19mmol)を加え、次いで、反応混合物を還流下に50分間加熱する。蒸発の後に得られた黄色のオイルを、エーテルと共に粉砕すると、生成物43(404mg;0.68mmol)に対応するベージュ色の粉末が収率66%で得られる。次いで、カラム(直径15mmカラム)でのフラッシュクロマトグラフィーによる精製を、サンプル150mg(0.253mmol)で、MeOH-DCM20%200mlを用いて実施する。分画を合わせ、次いで、蒸発乾燥させると、生成物43 144mgが収率76%で得られる。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ = 7.95 (s, H, Ar-H2); 8.16 (d, H, J = 8 Hz, Ar-H4); 7.76 (s, 1H, CH); 7.96 (d, H, J = 8 Hz, Ar-H6); 7.38 (t, H, J = 8 Hz, Ar-H5); 6.45 (t, 1H, NH16'); 5.98 (ブロード s, 1H, NH B1); 5.72 (ブロード s, 2H, NH2); 5.18 (ブロード s, 1H, NH B3); 4.44 (m, 1H, HB6a); 4.26 (m, 1H, HB3a); 3.62-3.56 (m, 10H, H7',8',10',11'およびH5'); 3.48-3.45 (m, 4H, H3',13'); 3.27 (m, 2H, H15'); 3.07 (m, 1H, HB4); 2.84および2.68 (ABX系, 2H, 2JAB = 5 Hz, 3JAX = 12 Hz, 3JBX = 0 Hz, HB6); 2.11 (t, 2H, J = 8 Hz, HB10); 1.86 (m, 2H, H4'); 1.72-1.59 (m, 6H, H14', HB7, B9); 1.21 (m, 2H, HB8)。
ジアゾ化合物44:
ヒドラゾン43(100mg;0.187mmol)を、DMF4mlに溶かす。次いで、MnO2(200mg;2.3mmol)を加える。室温で13分間攪拌した後に、混合物を、セライトを含有するミリポア(厚さ: 2cm)および3Å(0.5cm)の粉末分子ふるいで濾過する。反応混合物を蒸発乾燥させる。得られた残留オイルを、エーテルで連続して3回洗浄する。化合物44(290mg、0.491mmol)が、オレンジ色の固体の形で収率83%で得られる。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ = 8.39 (t, 1H, NH2'); 7.78 (t, 1H, NH16'); 7.39-7.34 (m, Ar-H); 7.09 (d, Ar-H); 6.38 (ブロード s, 1H, NH B1); 6.32 (ブロード s, 1H, NH B3); 5.78 (s, 1H, CH-N2); 4.27 (m, 1H, HB6a); 4.11 (m, 1H, HB3a); 3.51-3.44 (m, 10H, H7',8',10',11'およびH5'); 3.37 (m, 2H, H15'); 3.32 (m, 4H, H3',13'); 3.05 (m, 1H, HB4); 2.79および2.58 (ABX系, 2H, 2JAB = 5 Hz, 3JAX = 12 Hz, 3JBX = 0 Hz, HB6); 2.02 (t, 2H, J = 8 Hz, HB10); 1.69 (m, 2H, H4'); 1.59-1.48 (m, 6H, H14', HB7, B9); 1.25 (m, 2H, HB8)。
生成物の安定性は、-20℃で1カ月よりも長い。
パラ-Cy5-EG3-PDAMの合成:
実施例2で既に述べたように、ビオチンは、Cy5などの他のマーカーに代えることができる。この実施例により、PDAMにより担持されているジアゾ官能基は、ポリエチレングリコール連結アームを介して、このCy5マーカーにも連結しうることが分かる。
合成スキーム: 対イオンI-は、式46、47、50'および51には示されていない。
Figure 0004554159
2-[4-(N-アセチル-N-フェニルアミノ)ブタ-1,3-ジエニル]-1,2,3,3-テトラメチル[3H]インドリウムヨウ化物47:
一塩酸モノアルデヒドビス(フェニルイミン)45(13g;50.2mmol)、NaOAc(6.0g;69.7mmol)および1,2,3,3-テトラメチル[3H]インドリウムヨウ化物46(3.01g;10mmol)からなる無水酢酸(50ml)中の混合物を、100℃に正確に20分間加熱する。冷却した後に、エーテル(350ml)を加え、茶色の固体沈殿物を濾過し、エーテル(3×100ml)で洗浄する。固体をCH2Cl2150mlに再溶解させ、濾過し(無機塩の除去)、次いで、エーテル350mlで沈殿させると、茶色の固体(3.54g、54%)が得られる。
1H NMR (CDCl3): δ = 8.64 (d; 1H; J = 12 Hz; 1-H); 8.14 (t; 1H; J = 16; 12 Hz; 3-H); 7.63-7.19 (m; 9H); 6.90 (d; 1H; J = 15 Hz; 4-H); 5.82 (t; 1H; J = 12; 13 Hz; 2-H); 4.06 (s; 3H; NCH3); (2.16 (s; 3H; -COCH3); 1.74 (s; 6H; CH3)。
1-(5-カルボキシペンチル)-2,3,3-トリメチル[3H]インドリウム臭化物50:
2,3,3-トリメチルインドール48(10.0g;62.8mmol)および6-ブロモヘキサン酸49(12.3g;62.8mmol)を、溶剤を用いずに混合し、アルゴン下に110℃に12時間加熱する。赤紫色のペースト状の反応混合物を酢酸エチル(2×60ml、ペーストをスパチュラで粉砕し、上澄みをデカンテーション除去する)で、次いでアセトン(50ml、ペーストが凝固する)で洗浄する。ピンク色の固体を濾過し、次いで、真空乾燥させる(16.0g;73%)。
Cy5COOH化合物51:
ヨウ化物47(2.5g;5.3mmol)、臭化物50(1.87g;5.3mmol)およびNaOAc(1.08g;12.1mmolからなる無水酢酸(11ml)中の混合物を、120℃に25分間加熱する。冷却した後に、エーテル(200ml)を加え、沈殿物を濾過し、エーテル(3×50ml)で洗浄する。生成物50'に対応する固体を、CH2Cl2100mlに溶かし、次いで蒸発させる。次いで、酢酸15mlに溶かし、120℃で30分間攪拌する。すると、エーテル200mlを加え、焼結ガラスで濾過した後に、生成物51に対応する沈殿物が、収率84%(2.71g;4.44mmol)で得られる。
1H NMR (CDCl3): δ = 8.03 (t; 2H; J = 10; 11 Hz, 2-H, 4-H); 7.38-6.91 (m; 9H; Ar-H, 3-H); 6.41 (d; 1H; J = 14 Hz; 1-H); 6.31 (d; 1H; J = 13 Hz; 5-H); 4,07 (t; 2H, J = 7; 7 Hz; -CH2); 3.68 (s; 3H; NCH3); 2.47 (t; 2H, J = 7; 7 Hz; -CH2); 1.71 (m; 18H; CH3, ,および-CH2)。
Figure 0004554159
化合物26とCy5COOH51との連結(生成物52):
Cy5COOH51(1.5g;2.46mmol)のCH2Cl215ml溶液に、N-メチルモルホリン(NMM、405μl;3.68mmol)を加える。溶液を、氷浴で冷却し、アルゴン下に入れ、次いで、クロロギ酸イソブチル(494μl;3.81mmol)を加える。10分間攪拌した後に、CH2Cl28ml中で希釈されたアミン26(1.86mg;4.67mmol)を加える。混合物を室温で1時間30分攪拌し続ける。CH2Cl220mlを加え、混合物をNaHCO3(1N)25mlで連続して3回洗浄する。Na2CO3上で乾燥させた後に、溶液を濾過して、ジクロロメタン相を回収し、これを蒸発させる。
カラム(直径45mmカラム、20ml分画)でのフラッシュクロマトグラフィーによる精製を、溶離剤としてMeOH-DCM10%を用いて実施する。生成物52に対応する分画を合わせ、次いで、蒸発乾燥させると、青色の固体が得られ、これを、CH2Cl2に溶かす。次いで、生成物52を沈殿させ、エーテルで洗浄すると、青色の生成物が収率72%(1.45g;1.77mmol)で得られる。
次いで、生成物52(ヨウ化物)を、メタノール54mlに溶かし、次いで、アンバーライトIRA900カラム(Cl-;15g)に通過させる。回収されたメタノール溶液を蒸発乾燥させると、粘稠性のオイルが得られ、これを、CH2Cl2に再溶解させる。蒸発により、生成物52'が収率87%で得られる。
アルデヒド53:
アセタール52'を、DCM10mlに溶かし、次いで、2NのHCl10mlを加える。溶液を3時間30分激しく攪拌し続ける。DCM20mlを加えた後に、ジクロロメタン相を回収し、次いで、NaHCO3上で乾燥させる。蒸発の後に得られる生成物をエーテルで洗浄すると、アルデヒド53が収率90%(1.18g;1.46mmol)で得られる。
ヒドラゾン54:
アルデヒド53(200mg;0.247mmol)を、無水エタノール1mlに溶かし、ヒドラジン一水和物(15.6μl;0.321mmol)を加える。溶液を室温で30分間攪拌する。エーテル8mlを加え;混合物をエーテルで、3回連続してデカンテーションすることにより洗浄し、ついで、真空乾燥させる。ヒドラジン54 172mg(0.209mmol;収率85%)が得られ、冷凍庫に貯蔵する。
ジアゾ55:
ヒドラゾン54 20mg(0.243mmol)のDMF2ml溶液に、MnO2100mgを加え、混合物をアルゴン下に室温で5分間激しく攪拌する。懸濁液を、セライト(厚さ: 2cm)および粉末分子ふるい3Å(0.5cm)からなる層で濾過し、DMFで洗浄する。溶液を蒸発させ、次いで、残留物をエーテルで粉砕する。こうして得られた固体を乾燥させる。ジアゾ55 18mg(0.185mmol;76%)が得られる。
試薬の安定性は、-20℃で1カ月を上回る。
メタ-Fluo-EG3-PMDAMの合成:
実施例23で既に述べたように、ビオチンを、他のマーカーに代えることができる。この実施例により、PMDAMにより担持されているジアゾ官能基を、ポリエチレングリコール連結アームを介して、このフルオレセインマーカーにも連結しうることが分かる。
Figure 0004554159
化合物72:
イソチオシアン酸フルオレセイン(250mg、0.64mmol)を、無水DMF1.6mlにピリジン2%と共にアルゴン下に溶かす。無水DMF1.6mlに溶けている生成物69(0.356g、0.81mmol)を加える。混合物を放置して、室温で3.5時間反応させ、次いで、DMFを蒸発させ、残留物をH2O25mlに入れる。次いで、3回の抽出を、CH2Cl250mlを用いて行い、水相を蒸発させる。生成物72 255mg(48%)が得られる。
メタ-Fluo-EG3-ヒドラゾン-トシル化合物75:
化合物72(255mg、0.31mmol)を、還流下にエタノール1.5mlに溶かす。エタノール1.5ml中のp-トルエンスルホニル-ヒドラジン(69.2mg、0.37mmol)を加え、混合物を放置して、6時間反応させる。混合物を蒸発乾燥させ、固体をCH2Cl2、H2Oおよびエーテルで洗浄する。生成物75 18.5mg(74%)が、オレンジ色の粉末の形で得られる。
1H NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 1.6-1.8 (m, 4H); 2.13 (s, 1H); 2.28 (s, 1H); 2.36 (s, 1H); 2.80 (m, 1H); 3.07 (m, 2H); 3.46 (m, 12H); 6.5-6.7 (m, 6H); 7.1-8.3 (m, 9H)。
メタ-Fluo-EG3-PMDAM化合物74:
ヒドラゾン75(176mg、0.18mmol)を、10%KOHの無水メタノール溶液720μlに溶かす。溶液を、還流下に3時間維持する。溶液を放置して冷却させ、沈殿物を生成する。溶液を濾過し、蒸発乾燥させる。残留物をエーテルで洗浄し、乾燥させる。
NMR分析により、2.36および2.13ppmでのシグナル(トシルおよびヒドラゾンのメチルに対応)の消失および1.96ppmでのピーク(ジアゾのメチルに対応)の出現が判明する。
後続の標識を可能にするジアゾメチル中間体:
マーカーR2を担持しているジアゾメチル標識試薬での直接的な標識ではなく、間接的な標識で2段階で処理することが有利である。この場合、ジアゾメチル官能基を有する標識試薬は、予め予備官能化されていると言うことができる。即ち、これは、直接的または間接的マーカーと後で反応させることができる化学的官能基を含む。反応性共有官能基を、直接的または間接的マーカーの抗反応性共有官能基と反応しうる標識試薬に導入することにより、予備官能化を行うことができる。これらの官能基は、求電子性有機化学官能基および求核性有機化学官能基またはその逆からなる。
このような標識手順の例を、下記のスキームで詳述する。
Figure 0004554159
この場合、標識試薬は、ジアゾメチル官能基に加えて、求電子性または求核性官能基W1を含み、これは、W1に相補的な官能基W2を有するマーカーR2と反応しうる。
例えば、W1は、メチルケトンまたはアルデヒド官能基である場合、W2は、アルコキシアミン官能基である。
核酸などの生体分子を標識する方法では、核酸を、ジアゾメチル官能基を有する標識試薬と接触させ、続くステップで、マーカーW2-R2を、官能基W1を介して核酸と反応させる。
使用の1つは、例えば、核酸の配列を増幅する方法またはシグナル増幅の方法である。このタイプの標識に関する更なる情報は、1996年8月2日の優先日を有する特許出願WO-A第98/05766号および1999年1月5日に優先日を有する特許出願WO-A第00/40590号に見ることができる。
実施例25.1: MeCO-PMDAMの合成:
Figure 0004554159
その合成はこの実施例に記載する生成物85により、ホスフェート基とのジアゾメチル官能基の反応性により天然核酸の標識を実施して、メチルケトン官能基を導入し、これを、後で、アルコキシアミン基を有する検出可能な(蛍光、ビオチン)分子を導入するために使用することができる。
この合成は、化学で日常的に使用される知られている方法をベースとする。出発原料は、マーカー71および74を合成するためのものと同一である。第1のステップは、ギ酸フルオレニルメチル(Fmoc,99)で末端アミンを保護することである。この保護基の選択は、その安定性および開環条件に基づく。
Figure 0004554159
前記で使用した方法(メタ-Fluo-EG3-PMDAM例)により保護されたヒドラゾン82を生成した後に、末端アミンを、穏やかな塩基性条件下に脱保護し、これにより、ヒドラゾンの安定性を保証する。アセト酢酸メチルを使用して、末端アミンをアシル化反応させることにより、メチルケトン官能基を生成する(化合物26および36の生成参照)。次いで、ジアゾメチルの精製を、前記の方法のいずれかにより実施する。
実施例25.2: H2NO-PMDAMの合成:
Figure 0004554159
合成はこの実施例に記載されている生成物88により、ホスフェート基とのジアゾメチル官能基の反応性により天然核酸の標識を実施して、アルコキシアミン官能基を導入し、これを、後で、メチルケトン基を有する検出可能な(蛍光、ビオチン)分子を導入するために使用することができる。
この合成は、先行する合成モデル、即ち、アミンを保護するためにFmocの、さらにヒドラゾンを保護するためにトシルの前駆体69を使用することをベースとする。アルコキシアミン官能基(化合物86)の導入を、Fmoc官能基により保護されているカルボキシメトキシアミン(市販)(E.Trevisiol Thesis,LEDSS Grenoble, 1999)を使用して行う。最終脱保護のために、穏やかな条件を使用して(化合物88)、この脱保護を、ジアゾメチルの生成の直後に実施する。
シグナルの増幅を可能にするPDAM誘導体の調製:
実施例26.1: [Bio-EG3]2-PDAMなどのビス-ビオチン化マーカーの合成:
Figure 0004554159
アルコール57への1,3,5-ベンゼンカルボン酸トリメチル56の還元:
トリエステル56(12.6g;50.0mmol)を、THF100mlに溶かし、次いで、LiBH41.1g(50.5mmol)を室温で加える。アルゴン下に攪拌しながら、赤い溶液を、40〜45℃に1時間加熱する。冷却(氷)の後に、過剰の水素化物を、水(200ml)、次いで2NのHCl(30ml)を加えることにより、慎重に分解する(H2の放出)。明るい黄色への色変化が観察される。この溶液を、CH2Cl2(100ml、次いで50mlで3回)で抽出し、有機相を無水NaHCO3で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、次いで、溶剤を蒸発させると、オイル(11.1g)が得られる。シリカカラムでのフラッシュクロマトグラフィー(直径=40mm、溶離剤: 酢酸エチル/シクロヘキサン=1/1)を使用すると、アルコール57(6.38g、57%)が得られる。
1H NMR (200 MHz, CDCl3): δ = 8.53 (t, 1H, J = 2 Hz); 8.18 (d, 2H, J = 2 Hz); 4.76 (s, 2H); 3.91 (s, 6H); 2.30 (s, 1H)。
アルデヒド58へのアルコール57の酸化:
アルコール57(5.86g;26.1mmol)を、THF100mlに溶かし、次いで、MnO240.0gを少量ずつ、室温で5分かけて加える。溶液を、アルゴン下に一晩攪拌し続ける。溶液を、セライト545の層を備えたブフナー漏斗で濾過し、CH2Cl2で洗浄し、次いで、溶剤を蒸発させる。粗製の固体(4.4g)を、シリカカラム(直径=50mm、溶離剤: 酢酸エチル/シクロヘキサン 3/7)でのフラッシュクロマトグラフィーにより生成する。アルデヒド58 3.44g(59%)が得られる。
1H NMR (200 MHz, CDCl3): δ = 10.11 (s, 1H); 8.89 (t, 1H, J = 1 Hz); 8.69 (d, 2H, J = 1 Hz); 3.98 (s, 6H)。
アセタール59の生成:
アルデヒド58(3.21g;14.4mmol)を、メタノール30mlに溶かし、次いで、TMSCl6.0mlに加える。溶液を、アルゴン下に室温で1時間攪拌し続ける。溶液を、CH2Cl2200mlで希釈し、1MのNaHCO3(100ml)と共に攪拌する(CO2の放出に注意)。2相を分け、水相をCH2Cl2(25ml)で3回抽出し、有機相を合わせ、MgSO4上で乾燥させ、次いで、溶剤を蒸発させる。アセタール59 3.55g(92%)が得られる。
1H NMR (200 MHz, CDCl3): δ = 8.63 (t, 1H, J = 2 Hz); 8.29 (d, 2H, J = 2 Hz); 5.45 (s, 2H); 3.93 (s, 6H); 3.32 (s, 6H)。
二酸60へのジエステル59の加水分解:
ジエステル59(3.18g;11.9mmol)を、THF10mlに溶かし、次いで、KOH(2.0g、ペレット85%)のメタノール10ml溶液を加える。室温で15分の後に、溶剤を蒸発させる。残留物をH2O(50ml)に溶かす。H3PO4(約2.5ml、85%)を加えてpH3にし、白色の沈殿物を焼結ガラス(#3)で濾過し、水で洗浄し、真空乾燥させる。二酸60 2.59g(91%)が得られる。
1H NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 8.43 (t, 1H, J = 1 Hz); 8.15 (d, 2H, J = 1 Hz); 5.53 (s, 1H); 3.27 (s, 6H)。
トリフルオロアセトアミド62:
ジアミン61(66g;0.30モル)を、CH2Cl2250mlに溶かし、次いで、トリフルオロ酢酸エチル(11.8ml、0.10モル)を、アルゴン下に攪拌しながら、10℃で5分かけて滴加する。室温での15分の後に、溶液を分離漏斗に移し、H2O(3×100ml)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、溶剤を蒸発させる。約85%の純度(19F NMRにより決定)を有するモノアミド62 22.4g(71%)が得られる。この化合物を、-20℃で貯蔵し、精製することなく使用する。
1H NMR (200 MHz, CDCl3): δ = 3.5-3.6 (m, 12H); 3.42 (t, 2H, J = 6 Hz); 2.75 (t, 2H, J = 6 Hz); 1.81 (四重線, 2H, J = 6 Hz); 1.67 (四重線, 2H, J = 6 Hz); 1.30 (ブロード s, 2H)。
19F NMR (190 MHz, CDCl3): δ = -76.3。
化合物63:
D-ビオチン(6.39g;26.2mmol)のDMF50ml懸濁液に、カルボニルジイミダゾール(CDI,6.32g、80%、31.2mmol)を加える。混合物を、アルゴン下に攪拌しながら55〜60℃に30分間加熱する。物質の完全な溶解が初めに観察され、続いて、白色の固体の沈殿を伴って、一塊に集まる(CO2放出)。アミン(オイル)を、すすぎのためのCH2Cl25mlを用いて加え、混合物を55〜60℃に3時間加熱する。真空(<1mmHg)下にDMFを蒸発させ、残留物をCH2Cl2(700ml)および2NのHCl(100ml)と共に攪拌する。セライト545の層で2相を濾過した後に、相を分離し、水相をCH2Cl2(15×100ml)で抽出し、有機相を合わせ、無水NaHCO3およびMgSO4の上で乾燥させ、次いで、溶剤を蒸発させる。油性の残留物をエーテル150mlと共に砕くと、懸濁液が得られる。ペースト状の固体は、濾過するのが難しい。上澄みをデカンテーション除去し、エーテルでの洗浄を繰り返す。真空下に乾燥させた後に、化合物63 9.13g(64%)が得られる。
1H NMR (200 MHz, CDCl3): δ = 3.5-3.6 (m, 12H); 3.42 (t, 2H, J = 6 Hz); 2.75 (t, 2H, J = 6 Hz); 1.81 (四重線, 2H, J = 6 Hz); 1,67 (四重線, 2H, J = 6 Hz); 1.30 (ブロード s, 2H)。
化合物64:
化合物63の水性アンモニア溶液(100ml、22%水溶液)を、隔膜を備えた250ml丸底フラスコ中で、55〜60℃で2時間加熱する。冷却の後に、溶剤を蒸発させる。残留物をメタノール(20ml)に溶かし、Dowex 21Kアニオン-交換樹脂に通過させる[高さ12cm×直径35mm、1NのNaOH(1.5l)、次いでH2O(1.5l)、次いでメタノール(1.5l)での先行する洗浄により得られるOH-形]。トリフルオロアセテートイオンを含有しない化合物64を、第1の分画にメタノール200mlと共に通過させる。蒸発の後に、残留物をエーテル50mlと共に砕き、次いで、これをデカンテーション除去する。エーテルでの洗浄を、連続して5回繰り返す。乾燥の後に、化合物64(6.43g、86%)が得られる。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ = 6.77 (t, 1H, J = 4 Hz); 6.32 (s, 1H); 5.52 (s, 1H): 4.45 (m, 1H); 4.28 (m, 1H), 3.50-3.68 (m, 12H); 3.30 (m, 2H), 3.11 (m, 1H); 2.86 (dd, 1H, J = 13および5 Hz), 2.75 (t, 2H, J = 13 Hz), 2.68 (d, 1H, J = 13 Hz); 2.16 (t, 2H, J = 7 Hz); 1.60-1.85 (m, 8H); 1.41 (m, 2H)。
[Bio-EG3]2-アセタール65:
二酸60(120mg;0.500mmol)のジクロロエタン(5ml)懸濁液に、カルボニルジイミダゾール(225mg、90%、1.25mmol)を加え、混合物を、アルゴン下に攪拌しながら55〜60℃に30分間加熱する。アミン64(550mg;1.23mmol)を加え、溶液を55〜60℃に6時間加熱する。蒸発の後に、残留物をシリカカラムに通過させる(直径: 25mm、溶離剤: CH2Cl2中メタノール15〜30%)。化合物65 413mg(75%)が得られる。
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ = 8.34 (s, 1H); 8.06 (s, 2H); 7.87 (m, 2H); 6.85 (m, 2H); 6.60 (s, 2H); 5.93 (s, 2H): 5.40 (s, 1H); 4.45 (m, 2H); 4.27 (m, 2H), 3.43-3.68 (m, 24H); 3.31 (s, 6H); 3.25 (m, 4H), 3.08 (m, 2H); 2.83 (dd, 2H, J = 13および5 Hz), 2.70 (t, 2H, J = 13 Hz); 2.13 (t, 4H, J = 7 Hz); 1.89 (五重線, 4H, J = 7 Hz); 1.55-1.70 (m, 12H); 1,37 (m, 4H)。
[Bio-EG3]2-アルデヒド66:
メタノールに溶かしたアセタール65(413mg;0.376mmol)を、2NのHCl(0.5ml)で処理する。蒸発させ、エーテルで洗浄した後に、アルデヒド66(0.37g、90%)が得られる。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 10.11 (s, 1H); 8.82 (t, 2H, J = 6 Hz); 8.62 (s, 1H); 8.47 (s, 2H); 7.73 (t, 2H, J = 5 Hz); 4.30 (m, 2H); 4.11 (m, 2H), 3.30-3.60 (m, 24H); 3.06 (m, 6H); 2.80 (dd, 2H, J = 12および5 Hz), 2.56 (t, 2H, J = 12 Hz); 2.03 (t, 4H, J = 7 Hz); 1.78 (五重線, 4H, J = 7 Hz); 1.35-1.60 (m, 12H); 1.28 (m, 4H)。
[Bio-EG3]2-PDAM67:
アルデヒド66を、ジアゾメタン(実施例1)を調製するために使用された方法に従い、ジアゾメタン67に変える。
試薬の安定性は、-20℃で、1カ月を上回る。
実施例26.2: メタ-Bio7-EG3-PMDAMの合成:
Figure 0004554159
EG3-アセトフェノン化合物76:
3,6,9-トリオキサ-1,11-ウンデカンジオ酸(undecanedioic acid)(EG3、12.64ml、74mmol)を、無水DMF80mlにアルゴン下に溶かし、氷浴上で冷却させた。次いで、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、11.45g、55.5mmol)を無水DMF20mlに溶かし、徐々に加える。30分後に、3-アミノアセトフェノン(5.0g、37mmol)を加え、反応を放置して、アルゴン下に室温で1時間進行させる。次いで、DMFを真空下に蒸発させ、CH2Cl270mlを加える。溶液を濾過し、1%酢酸3×25mlで抽出する。水相を合わせ、CH2Cl225mlで洗浄する。有機相を混合し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発乾燥させる。生成物を、MeOH: H2O対から再結晶させる。こうして、生成物76 8.74g(70%)が得られる。
1H NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 2.55 (s, 3H); 3.5-3.7 (m, 8H); 4.0 (s, 2H); 4.1 (s, 2H); 7.45 (t, 1H); 7.65 (d, 1H); 7.90 (d, 2H); 8.2 (s, 1H); 9.8 (s, 1H)。
(NH2)7-EG3-アセトフェノン化合物77:
生成物76(120mg、0.35mmol)を、アルゴン下に無水DMF15mlに溶かし、氷上で冷却し、ついで、DCC(110mg、0.53mmol)を加える。30分後に、この溶液を、市販のデンドリマー"Starburst PAMAM Dendrimer,Generation 1"(Aldrich,St Quentin Fallavier)の溶液(1g、0.71mmol、メタノール中5ml)の上に、激しく攪拌しながら徐々に加える。反応を放置して、室温で1時間進行させ、混合物を蒸発させる。残留物をCH2Cl210mlに入れ、1%酢酸30mlで2回抽出する。
Biot7-EG3-アセトフェノン化合物78:
D-ビオチン(1.73g、7.08mmol)を、アルゴン下に無水DMF80mlに溶かし、溶液を氷の上で冷却する。N-メチルモルホリン(NMM、856μl、7.7mmol)およびクロロギ酸イソブチル(1022μl、7.7mmol)を連続して加える。30分後、生成物77(1.13g、0.7mmol、メタノール5ml中)を加え、反応を放置して、氷の上、アルゴン下に、3時間進行させる。混合物を真空下に濃縮して50mlにし、CH2Cl2100mlを加える。沈殿物が生じ、これを濾過し、エーテルで洗浄し、真空下に乾燥させる。78 1.3gが、白色の粉末の形で得られる。
Biot7-EG3-ヒドラゾン化合物79:
化合物78(300mg、0.09mmol)を、無水エタノール10mlに還流下に溶かす。ヒドラジン一水和物(20ml、0.40mmol)を加え、反応を放置して、還流下に3時間進行させる。冷却の後に、沈殿物が生じ、これを濾過し、エーテルで洗浄し、真空下に乾燥させる。こうして、生成物79 109mg(36%)が白色の粉末の形で得られる。
Biot7-EG3-PMDAM化合物80:
ヒドラゾン79(100mg、0.03mmol)を、無水DMF5mlに70℃で溶かす。混合物を放置して、室温に戻し、MnO2(31mg、0.36mmol)を加える。反応を放置して10分間進行させ、セライト(0.5cm)および粉末分子ふるい(0.5cm)を備えた焼結ガラスで濾過することにより、酸化マンガンを除去する。濾液を蒸発乾燥させ、エーテルで洗浄し、真空下に乾燥させる。こうして、生成物80 78mg(78%)が得られる。
デンドリマーは、アミン、カルボキシル、ヒドロキシルなどの複数の反応性基を末端に有する樹枝状分子である(概観のためには、Newcome et al., (1996) Dendritic Molecules: Concept, Syntheses, Perspectives. VCH Ed., Weinheim, Germany参照)。これらの分子の合成は今日では、完全に制御されていて、多くのデンドリマーが、化学工業で取引されている。PAMAM(Sigma-Aldrich)の選択は、その安定性、可溶性および柔軟性に基づいた。番号および末端タイプが異なる複数種のこの分子を利用することができるためである。"PAMAM Generation 1"により、マーカーの7つの分子(単一合成ステップ)を各ジアゾメチル基に加えることができる。
メタ-BioPMDAMを用いる、DNA増幅産物の2ステップでの標識化および断片化:
実施例5に記載のプロトコルに従い、PCR増幅により、DNA増幅産物を調製した。2つの標識反応を実施した。
a. 2ステップでの標識化および断片化:
PCR10μlに、メタ-BioPMDAM(DMSO中100mM)10μlおよびDNアーゼ/RNアーゼを含まない水77μlを加える。溶液を、95℃で10分間インキュベーションする。次いで、0.1MのHCl3μlを加え、溶液を95℃で10分間インキュベーションする。
b. 1ステップでの標識化および断片化:
PCR10μlに、メタ-BioPMDAM(DMSO中100mM)10μl、0.1MのHCl5μlおよびDNアーゼ/RNアーゼを含まない水75μlを加える。溶液を、60℃で30分間インキュベーションする。
プロトコルの残りは、実施例9のものと同一である。
結果:
Figure 0004554159
表13で証明されているように、1ステップのプロトコルで得られた結果は、十分である。2ステップでの標識化および断片化で得られた結果は、さらに良好である。この実施例により、標識および開裂ステップを別々にして、使用されるターゲットにより標識を改善することができることが分かる。
様々な反応フォーマットでのDNA増幅産物の標識化および断片化:
実施例5に記載のプロトコルに従い、PCR増幅により、DNA増幅産物を調製した。3つの標識反応を実施した。
a. 250μlフォーマットでの標識化および断片化:
PCR50μlに、メタ-BioPMDAM(DMSO中100mM)75μlおよびDNアーゼ/RNアーゼを含まない水102.5μlを加える。溶液を、95℃で25分間インキュベーションする。次いで、0.1MのHCl22.5μlを加え、溶液を95℃で5分間インキュベーションする。
b. 200μlフォーマットでの標識化および断片化:
PCR50μlに、メタ-BioPMDAM(DMSO中100mM)75μlおよびDNアーゼ/RNアーゼを含まない水52.5μlを加える。溶液を、95℃で25分間インキュベーションする。次いで、0.1MのHCl22.5μlを加え、溶液を95℃で5分間インキュベーションする。
c. 150μlフォーマットでの標識化および断片化:
PCR50μlに、メタ-BioPMDAM(DMSO中100mM)75μlおよびDNアーゼ/RNアーゼを含まない水2.5μlを加える。溶液を、95℃で25分間インキュベーションする。
次いで、0.1MのHCl22.5μlを加え、溶液を95℃で5分間インキュベーションする。
プロトコルの残りは、実施例9のものと同一である。
結果:
Figure 0004554159
シグナルおよび相同性パーセンテージに関して得られた結果は、いずれのケースでも非常に十分なものである。さらに、反応フォーマットを150から250μlで変動させるが、結果は、同様の値を有する。
この実施例は、様々な容量および特に増幅生成物の異なる容量を許容しうる標識プロトコルの反応フォーマットの柔軟性を示している。
断片化の前に精製ステップを使用するプロトコルと、断片化の後に精製ステップを使用するプロトコルとの比較:
実施例5に記載のプロトコルに従い、PCR増幅により、DNA増幅産物を調製した。2つの標識反応を実施した。
a. DNA増幅産物の標識、精製、断片化:
PCR10μlに、メタ-BioPMDAM(DMSO中100mM)10μlおよびDNアーゼ/RNアーゼを含まない水80μlを加える。溶液を、95℃で10分間インキュベーションする。次いで、精製を、実施例9に記載のプロトコルに従い実施する。精製された標識増幅産物の溶液に、0.1MのHCl6μlを加える。溶液を95℃で10分間インキュベーションする。予め95℃に10分間予備加熱されたハイブリダイゼーション緩衝液400μlを加える。
ハイブリダイゼーション緩衝液の組成およびプロトコルの残りは、実施例9のものと同一である。
b. DNA増幅産物の標識、断片化および精製:
PCR10μlに、メタ-BioPMDAM(DMSO中100mM)10μlおよびDNアーゼ/RNアーゼを含まない水77μlを加える。溶液を、95℃で10分間インキュベーションする。
次いで、0.1MのHCl3μlを加え、溶液を再び、95℃で10分間インキュベーションする。プロトコルの残りは、実施例9のものと同一である。
結果:
Figure 0004554159
表15に示されているこの結果から、精製ステップは、標識化および断片化ステップの間に導入することができる。さらに、標識化および断片化ステップの間に精製を導入することにより、開裂の間に変性を実施し、標識された増幅産物断片の全てを、チップの上にハイブリダイゼーションすることができる。
2-ニトロ-パラ-BioPDAMの合成:
Figure 0004554159
アルデヒドの保護:
2,4-ジニトロベンズアルデヒド5g(25.5mmol)を、トルエン250mlに溶かし、エチレングリコール20mlおよびパラ-トルエンスルホン酸150mgを加える。混合物を、還流下に加熱し、水を、ディーンスターク系で6時間回収する。混合物をEtOAc150mlおよびH2O100mlで処理する。溶液を、酢酸エチルで2回抽出し、有機相をMgSO4上で乾燥させ、ついで、蒸発させる。生成物100に対応する得られたオイルを、次の反応に使用する。
1H NMR (200 MHz, CDCl3): δ = 8.70 (d, 1Haro, J = 2 Hz, H3); 8.44 (dd, 1Haro, J = 2 Hz, J = 6 Hz, H5); 8.02 (d, 1Haro, J = 8 Hz, H6); 6.49 (s, 1H, CH); 4.12-4.06 (m, 4H, CH2-CH2)。
ジニトロ誘導体100の還元:
保護された2,4-ジニトロベンズアルデヒド(6.4g;25.5mmol)を、エタノール-水(6/1)混合物に溶かし、次いで、Na2S九水和物2当量(12.3g;51.1mmol)を加える。次いで、反応混合物を30分間加熱する。蒸発、次いでジクロロメタンを使用する抽出を実施する。乾燥させ、濾過した後に、反応媒体を蒸発させると、オイルが得られ、これを、シリカカラム(シクロヘキサン/酢酸エチル 60/40)で直接精製する。化合物101が、収率45%で単離される。
化合物101: 融点58-60℃。- 1H NMR (200 MHz, CDCl3): 7.49 (d, 1Haro, J = 2 Hz, H3); 7.09 (d, 1Haro, J = 2 Hz, H6); 6.80 (dd, 1Haro, J = 2 Hz, J = 6 Hz, H5); 6.27 (s, 1H, CH); 3.99-3.97 (m, 4H, CH2-CH2)。
ビオチンとの連結:
D-ビオチン(1.0g;4.1mmol)を、無水DMF20mlおよびN-メチルモルホリン600μlに可溶化させる。クロロギ酸イソブチル(700μl;5.5mmol)をアルゴン下に加え、その間、氷浴上で冷却する。混合物を5分間攪拌し続け、次いで、化合物101 1g(4.75mmol)およびN-メチルモルホリン500μlを加える。溶液を、室温で4時間攪拌し続け、次いで、蒸発乾燥させる。得られたオイルを、溶離剤としてMeOH-DCM7%、次いで10%を用いるシリカカラムに直接通過させる。生成物102(1.1g;2.52mmol)が、収率62%で得られる。
1H NMR (200 MHz, DMSO-d6) δ = 10.40 (s, 1H, NH-CO); 8.31 (d, 1Haro, J = 2 Hz, H3); 7.77 (dd, 1Haro, J = 2 Hz, J = 6 Hz, H5); 7.68 (d, 1Haro, J = 2 Hz, H6); 6.43 (ブロード s, 1H, NH-CO-NH); 6.36 (ブロード s, 1H, NH-CO-NH); 6.23 (s, 1H, CH); 4.28 (m, 1H, CH2-CH-NH); 4.14 (m, 1H, CH-CH-NH); 3.92 (s, 4H, CH2-CH2); 3.12 (m, 1H, CH-S); 2.85および2.76 (ABX系, 2H, 2JAB = 5 Hz, 3JAX = 12 Hz, 3JBX = 0 Hz, CH2-S); 2.29 (t, 2H, J = 8 Hz, CH2-CO); 1.61-1.39 (m, 6H, (CH2)3)。
アセタールの脱保護:
生成物102(768mg;1.76mmol)を、THF25mlに懸濁させる。2NのH2SO44mlを加えた後に、全体を溶かす。混合物を2時間攪拌し続ける。これを蒸発させ、次いで、焼結ガラスの上で水を用いてすすぎ、洗浄する。化合物103(694mg)が、黄色の粉末の形で、収率90%で得られる。
融点165℃。- 1H NMR (200 MHz, DMSO-d6) δ = 10.69 (s, 1H, NH-CO); 10.09 (s, H, CHO); 8.43 (d, 1Haro, J = 2 Hz, H3); 7.91 (s, 2Haro, H5およびH6); 6.42 (ブロード s, 1H, NH-CO-NH); 6.35 (ブロード s, 1H, NH-CO-NH); δ = 6.23 (s, 1H, CH); 4.29 (m, 1H, CH2-CH-NH); 4.13 (m, 1H, CH-CH-NH); 3.12 (m, 1H, CH-S); 2.84および2.78 (ABX系, 2H, 2JAB = 5 Hz, 3JAX = 12 Hz, 3JBX = 0 Hz, CH2-S); 2.29 (t, 2H, J = 8 Hz, CH2-CO); 1.61-1.39 (m, 6H, (CH2)3)。
ヒドラゾン104の生成:
アルデヒド103を、エタノールに懸濁させ、この懸濁液を、80℃に加熱する。ヒドラジンを加えると、全体が溶け、この溶液は直ちにオレンジ色を呈する。5分後に沈殿物が生じる。混合物を、攪拌しながら1時間加熱する。これを、焼結ガラスで濾過し、次いで、沈殿物を乾燥させる。生成物104(700mg;690mmol)が、収率98%で得られる。
融点169℃。- 1H NMR (200 MHz, DMSO-d6) δ = 10.31 (s, 1H, NH-CO); 8.31 (d, 1Haro, J = 2 Hz, H3); 7.96 (s, H, CHO); 7.87 (d, 1Haro, J = 2 Hz, H6); 7.68 (dd, 1Haro, J = 2 Hz, J = 6 Hz, H5); 7.31 (s, 2H, NH2); 6.42 (ブロード s, 1H, NH-CO-NH); 6.34 (ブロード s, 1H, NH-CO-NH); 4.29 (m, 1H, CH2-CH-NH); 4.13 (m, 1H, CH-CH-NH); 3.12 (m, 1H, CH-S); 2.84および2.78 (ABX系, 2H, 2JAB = 5 Hz, 3JAX = 12 Hz, 3JBX = 0 Hz, CH2-S); 2.29 (t, 2H, J = 8 Hz, CH2-CO); 1.61-1.39 (m, 6H, (CH2)3)。
ジアゾ105の生成:
化合物104(200mg;0.492mmol)を、DMF8mlに溶かす。MnO2400mgを加える。混合物を激しく10分間攪拌する。セライト(厚さ: 2cm)および粉末分子ふるい3Å(0.5cm)を含有するミリポアで濾過する。これを蒸発乾燥させ、次いでエーテルで洗浄する。混合物を再びミリポアで濾過する。化合物105(180mg;0.445mmol)が、オレンジ色の粉末の形で、収率98%で得られる。
融点155℃。- 1H NMR (200 MHz, DMSO-d6) δ = 10.21 (s, 1H, NH-CO); 8.60 (d, 1Haro, J = 2 Hz, H3); 7.77 (d, 1Haro, J = 6 Hz, H5); 7.22 (d, 1Haro, J = 6 Hz, H6); 6.60 (s, H, CH-N); 6.41 (ブロード s, 1H, NH-CO-NH); 6.33 (ブロード s, 1H, NH-CO-NH); 4.29 (m, 1H, CH2-CH-NH); 4.13 (m, 1H, CH-CH-NH); 3.12 (m, 1H, CH-S); 2.84および2.78 (ABX系, 2H, 2JAB = 5 Hz, 3JAX = 12 Hz, 3JBX = 0 Hz, CH2-S); 2.29 (t, 2H, J = 8 Hz, CH2-CO); 1.61-1.39 (m, 6H, (CH2)3)。
化合物105の反応性を、ウリジン3'-一リン酸で試験し、毛細管電気泳動を続けた。分析条件は、実施例6.1のものである。結果は、45分の半減期を示す。
試薬の安定性は、-20℃で1カ月を上回る。
標識剤2-ニトロ-パラ-BioPDAMによるDNA増幅産物の標識化および断片化
実施例30に記載の反応スキームに従い、2-ニトロ-パラ-BioPDAM誘導体を得た。実施例5に記載のプロトコルに従い、PCR増幅により、DNA増幅産物を調製した。2つの標識反応を実施した。
a. 2-ニトロ-パラ-BioPDAM試薬での標識:
PCR10μlに、2-ニトロ-パラ-BioPDAM2μl(DMSO中100mM)、0.1MのHCl5μlおよびDNアーゼ/RNアーゼを含まない水83μlを加える。この溶液を、60℃で30分間インキュベーションする。
b. メタ-bioPMDAM試薬での標識:
PCR10μlに、メタ-bioPMDAM2μl(DMSO中100mM)、0.1MのHCl5μlおよびDNアーゼ/RNアーゼを含まない水83μlを加える。この溶液を、60℃で30分間インキュベーションする。
プロトコルの残りは、実施例9のものと同一である。
結果:
Figure 0004554159
DNAを標識するために使用された2-ニトロ-パラ-BioPDAM試薬により、標識強度および相同性パーセンテージに関して有利な結果が得られる。
ジアゾメチル官能基とフェニル核との間への二重結合の挿入、DAMを隔離すること、この隔離に特に適した分子の合成:
この目的は、芳香族構造のジアゾメチル(DAM)官能基を隔離して、ホスフェートをアルキル化する間、さらに標識された核酸とその相補的な配列とのハイブリダイゼーションの間の立体障害の作用を低減することである。
Figure 0004554159
(パラ-メトキシカルボニル)スチリルメチルケトン89を生成するためのアルドール反応のために、ホルミル基の攻撃を容易にするメチレンのプロトンの高い酸性のためにアセト酢酸エチルを使用し、後で、H2O(芳香環との二重結合の結合によって促進される)を除去し、塩基性媒体による加水分解で脱炭酸反応する。合成の残りは、他の実施例で示されているものと同様である。
最終生成物パラ-Bio-EG3-SMDAM90は、ジアゾメチルと芳香環との間に2個以上の炭素を有し、これによって、起こりうる立体問題が制限されつつ、結合により、芳香系によるジアゾメチルの安定が保持される。
ジアゾメチル基を有する固体支持体上での核酸の捕捉および検出:
ジアゾメチル基を有する樹脂の反応性を、核酸を結合するその能力を決定するために研究した。
4-(ジアゾメチル)フェノキシメチルポリスチレン(参照17338、Fluka)は、カルボキシル基、特にタンパク質中に存在するカルボキシル基に結合するその能力が記載されている樹脂であるが(G. Bhalay, A.R. Dunstan, Tetrahedron Lett. 39, 7803 - 1998)、DNA分子に結合する能力に関しては記載されていない。我々は、この試薬で核酸を捕捉し、これらを、比色試験により可視化することができるかを試験した。
この実験を、HLA-DRオリゴ検出キット(参照33202、bioMerieux,France,基本原理は、特許EP第549776-B1に記載)内に存在する一部の試薬を用いて実施し、比色読み取りによる、マイクロプレートでPCRにより増幅された核酸の検出を可能にする。前記の実験に関連して、PCRにより調製された核酸により、試験される樹脂との、さらに、その合成は実施例20に記載されているパラ-Bio-EG3-PDAMの分子との同時反応が生じる。DNAが、2つの化合物の上に存在するジアゾメチル官能基と反応する場合、非共有結合している分子を洗浄および除去した後に、これを可視化することができ、その際、ストレプトアビジンに結合される酵素を必要とする比色反応を使用する。ストレプトアビジンが、ホースラディッシュペルオキシダーゼと組合されると、この酵素は、オルトフェニレンジアミン分子(キットの色1試薬)を分解して、波長492nmで検出することができる化合物にする。
実施例33.1: DNAの捕捉および検出:
樹脂10mgを、実施例5に記載のように、PCR50μlと共に、パラ-Bio-EG3-PDAM5μlを添加した精製水(Sigma)400μl中、60℃で30分間インキュベーションする。次いで、この樹脂をPBSツイーン緩衝液500μl(キットの色0 HLA試薬、PBS pH7.0;1%ツイーン、BND0.2g/l;シプロフラキサシン(Ciproflaxacin)0.01g/l)で洗浄する。次いで樹脂を、PBSツイーン100μlおよび1/10000希釈されたストレプトアビジンHRP(S-911、MOLECULAR PROBES,EUGENE,OR,USA)を添加したストレプトアビジンハイブリダイゼーション緩衝液250μl(PBS pH7.0 0.5%ツイーン)に再懸濁させる。反応混合物を室温で30分間インキュベーションする。次いで樹脂を、PBSツイーン緩衝液500μlで3回洗浄し、これを、発色試薬(1色1錠、オルト-フェニレンジアミン塩酸塩、色2緩衝液5mlで希釈、100mMのリン酸ナトリウム、50mMのクエン酸、0.03%H2O2)の存在下に、室温でインキュベーションする。暗所で20分間インキュベーションした後に、反応をH2SO4(1.8Nの色3試薬)50μlでブロックする。次いで、上澄みをピペットし、マイクロプレートに置いて、492nmでの反応媒体の吸収を読み取る。
実施例33.2: 核酸を用いない対照:
樹脂10mgを、パラ-Bio-EG3-PDAM5μlを添加した精製水(Sigma)425μl中、60℃で30分間インキュベーションする。次いで、この樹脂をPBS緩衝液500μlで洗浄する。次いでサンプルを、実施例33.1に記載の手順と同様に処理する。
実施例33.3: ターゲットを用いないで実施されるPCRでの対照:
前記のゲノムDNAの容量の代わりに精製水25μl容量を用いて行われるPCR50μlと共に、樹脂10mgを、パラ-Bio-EG3-PDAM5μlを添加した精製水400μl中、60℃で30分間インキュベーションする。次いで、この樹脂をPBS緩衝液500μlで洗浄する。次いでサンプルを、実施例33.1に記載の手順と同様に処理する。
実施例33.4: リビーリング(revealing)分子を用いないPCRでの対照:
樹脂10mgを、PCR50μlと共に精製水400μl中、60℃で30分間インキュベーションする。次いで、この樹脂をPBS緩衝液500μlで洗浄する。次いで、サンプルを実施例33.1に記載の手順と同様に処理する。
実施例33.5: 非捕捉核酸での対照:
樹脂10mgを、パラ-Bio-EG3-PDAM5μlを添加した精製水400μlと共に、60℃で30分間インキュベーションする。次いで、この樹脂を、PBSツイーン緩衝液500μlで洗浄する(キットの色0 HLA試薬、PBS pH7.0;ツイーン1%、BND0.2g/l;シプロフラキサシン0.01g/l)。次いで、この樹脂を、PBSツイーン100μlおよび1/10000希釈されたストレプトアビジンHRPを添加したストレプトアビジンハイブリダイゼーション緩衝液250μlに再懸濁させる。この試料に、次のように調製されたDNA試料50μlを加える:
パラ-Bio-EG3-PDAM5μlおよび精製水70μlを、実施例5の記載のように調製されたPCRから得られたDNA25μlに加える。この混合物を、60℃で30分間インキュベーションし、次いで、過剰のマーカーを、メーカーが推奨するプロトコルに従いQIAquickカラム(Nucleotide Removal Kit, Qiagen, Hilden, Germany)で試料を精製することにより除去し、容量50μlで最終溶離を実施する。
反応混合物を、室温で30分間インキュベーションし、次いで、これを、実施例33.1に記載の手順と同様に処理する。
結果:
Figure 0004554159
表17で、高い比色値は、反応媒体中での酵素の高い濃度を示しており、これは、ビオチン誘導体を有する核酸の存在量に対応している。対照は、シグナルが、ビーズに対するDNAの非特異的吸収によるものでも、樹脂上でのパラ-Bio-EG3-PDAMの反応によるものでも、または樹脂上のストレプトアビジンHRPの吸収によるものでもなく、パラ-Bio-EG3-PDAMで共有的に捕捉され、標識されたDNAの存在によるものであることを示している。
マイクロプレートでの捕捉および検出を可能にするPCR産物の標識:
ジアゾメチル官能基を有する1タイプのみの分子でDNA分子を標識して、マイクロプレートの上で、単一ステップでこの核酸を捕捉し、検出することができることを、この実施例では示す。
実験を、HLA-DRオリゴ検出キット(参照33202、bioMerieux)内に存在する一部の試薬を用いて実施し、比色読み取りによる、マイクロプレートでPCRにより増幅された核酸の検出を可能にする。記載の実験に関連して、その合成は実施例20に記載されているパラ-Bio-EG3-PDAMを、PCRにより調製された核酸と反応させる。DNAを、分子のジアゾメチル基と反応させ、次いで、そのホスフェートの上にグラフトされたビオチンを備えさせる。次いで、ストレプトアビジン分子が吸着したマイクロプレートの上でインキュベーションすることにより、核酸を捕捉し、比色反応によりこれを可視化することができる。検出試薬を使用するが、これも、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)と組み合わされたストレプトアビジン分子である。使用条件下に、ペルオキシダーゼは、オルトフェニレンジアミン分子(キットの色1試薬)を分解して、波長492nmで検出することができる化合物にすることができる。
実施例34.1: マイクロプレート上での、PCR由来DNAの捕捉および検出:
実施例5に記載されているようなPCR増幅により得られたDNA10μlを、パラ-Bio-EG3-PDAM10μlを添加した精製水(Sigma)80μl中、60℃で30分間インキュベーションすることにより標識する。標識の後に、DNAを、メーカーが推奨するプロトコルに従いQIAquickカラム(Nucleotide Removal Kit, Qiagen, Hilden, Germany)で精製し、最終溶離液を、EB緩衝液50μl(10mMのトリスEDTA、pH8.5)に集める。この溶離液20μlを、1/10000希釈されたストレプトアビジンHRP(S-911、MOLECULAR PROBES,EUGENE,OR,USA)を添加したPEG緩衝液180μl(0.1MのNaPO3;0.5MのNaCl;0.65%ツイーン20;サケ精液DNA(Gibco)0.14mg/ml;2%PEG4000)で希釈する。次いで、この試料100μlを、ストレプトアビジン被覆Combiplate8(参照95029263、Labsystem,Helsinki,Finland)のウェル中で、またはMaxisorb strip(Nunc,Denmark)からの対照ウェル中で、37℃で1時間インキュベーションする。
実施例34.2: 対照の調製:
対照を、次の方法で同時に調製する:
A- DNAを伴わない標識対照:
パラ-Bio-EG3-PDAM10μlを添加した精製水90μlを、60℃で30分間インキュベーションする。次いで、反応混合物を、実施例34.1で前記した手順と同様に処理する。
B- マーカーを伴わない標識対照:
実施例5の記載と同様にPCR増幅により得られたDNA10μlを、精製水90μl中、60℃で30分間インキュベーションする。次いで、反応混合物を、実施例34.1で前記した手順と同様に処理する。
次いで、全てのストリップをPBSツイーン緩衝液100μl(キットの色0 HLA試薬、PBS pH7.0;1%ツイーン、BND0.2g/l;シプロフラキサシン0.01g/l)で3回洗浄し、色素性試薬100μl(1色1錠、オルトフェニレンジアミン塩酸塩、色2緩衝液5mlで希釈、100mMのリン酸ナトリウム、50mMのクエン酸、0.03%H2O2)を加えることにより、ストレプトアビジンHRPの存在を可視化し、暗所で20分間インキュベーションし、次いで、反応を、H2SO450μl(1.8Nの色3試薬)でブロックする。次いで、反応媒体の吸収を、492nmで測定する。
結果:
Figure 0004554159
したがって、表18に示されているようにこの実験から、パラ-Bio-EG3-PDAMで標識されたDNAは、マイクロプレートウェル中での単一ステップで捕捉および検出することができることが分かる。反応対照が示すように、生じるシグナルは、DNAによるだけで、マイクロプレートの壁、またはストレプトアビジン、あるいは非標識DNAまたはマイクロプレートのプラスチックとのストレプトアビジンHRPの非特異的反応への、核酸の非特異的吸着から生じているのではない。
マイクロプレートタイプの固体支持体上での捕捉および検出を可能にする、PCR産物の二重標識:
1ステップで、ジアゾメチル官能基を有する2種の分子でDNA分子を標識し、これをマイクロプレート上で捕捉および検出することができることを、この実施例では示す。
実験を、HLA-DRオリゴ検出キット内に存在する一部の試薬を用いて実施し、簡単な比色読み取りによる、マイクロプレートでPCRにより増幅された核酸の検出を可能にする。記載の実験に関連して、
1-ピレニルジアゾメタン(PDAM)および
パラ-Bio-EG3-PDAM
は、PCRにより生じた核酸と同時に反応する。
DNAが、2種の化合物の上に存在するジアゾメチル官能基と反応する場合、抗ピレン抗体を担持する支持体と結合することができ、さらに、ホースラディッシュペルオキシダーゼと組み合わされたストレプトアビジン分子でこれを可視化することができる。この酵素は、顕色化試薬として作用するオルト-フェニレンジアミンの分子を分解して、波長492nmで検出することができる化合物にする。
実施例35.1: マイクロプレートでのDNAの二重標識および検出
重炭酸緩衝液100μl(0.05M pH9.6)中で希釈されたpf抗ピレン抗体1.1μlの溶液100μlを、室温で一晩インキュベーションすることにより、抗ピレン抗体を、8ウェルMaxisorpストリップの上に吸着させた。ウサギ抗ピレンと称されるこのような抗体(参照: YSRT-AHP236)は、Accurate Chemical & Scientific (Westbury, New York, United States of America)から入手することができる。勿論、これを、他の市販の抗体を用いて実施することもできるであろうし、この実施例で得られる結果と比較して異なる結果も生じないであろう。
次いで、精製水(Sigma)40μl、パラ-Bio-EG3-PDAM10μl、PDAM2μl(P-1405、1-ピレニルジアゾメタン、Molecular Probes, Eugene, OR, USA)およびDMSO38μl中、60℃で30分間インキュベーションすることにより、実施例5に記載されているようなPCR増幅により得られたDNA10μlを標識した。
標識の後に、DNAを、QIAquickキット(Qiagen)を使用して精製し、最終溶離液を、EB緩衝液50μl(10mMのトリスEDTA、pH8.5)に集めた。この溶離液20μlを、1/10000希釈されたストレプトアビジンHRP(S-911、MOLECULAR PROBES,EUGENE,OR,USA)を添加したPEG緩衝液180μl(0.1MのNaPO3;0.5MのNaCl;0.65%ツイーン20;サケ精液DNA(Gibco)0.14mg/ml;2%PEG4000)で希釈する。次いで、この試料100μlを、吸着Maxisorpストリップウェル中で、または非吸着対照ウェル中で、37℃で1時間インキュベーションした。
実施例35.2: 対照の調製:
次の方法で、対照を同時に調製した:
A- パラ-Bio-EG3-PDAMのみで標識するための対照:
実施例5の記載のようにPCR増幅により得られたDNA10μlを、パラ-Bio-EG3-PDAM10μlを添加した精製水90μl中、60℃で30分間インキュベーションすることにより標識する。標識の後に、DNAを、QIAquickキットを使用して精製し、最終溶離液を、EB緩衝液50μlに集めた。この溶離液20μlを、1/10000希釈されたストレプトアビジンHRPを添加したPEG緩衝液180μlで希釈する。次いで、この試料100μlを、吸着Maxisorpストリップウェル中で、または非吸着対照ウェル中で、37℃で1時間インキュベーションする。
B- PDAMのみで標識するための対照:
実施例5の記載のようにPCR増幅により得られたDNA10μlを、PDAM2μlおよびDMSO38μlを添加した精製水90μl中、60℃で30分間インキュベーションすることにより標識する。標識の後に、DNAを、QIAquickキットを使用して精製し、最終溶離液を、EB緩衝液50μlに集めた。この溶離液20μlを、1/10000希釈されたストレプトアビジンHRPを添加したPEG緩衝液180μlで希釈する。次いで、この試料100μlを、吸着Maxisorpストリップウェル中で、または非吸着対照ウェル中で、37℃で1時間インキュベーションする。
C- 標識を伴わない対照:
実施例5の記載のようにPCR増幅により得られたDNA10μlを、精製水100μl中、60℃で30分間インキュベーションする。標識の後に、DNAを、QIAquickキットを使用して精製し、最終溶離液を、EB緩衝液50μlに集めた。この溶離液20μlを、1/10000希釈されたストレプトアビジンHRPを添加したPEG緩衝液180μlで希釈する。次いで、この試料100μlを、吸着Maxisorpストリップウェル中で、または非吸着対照ウェル中で、37℃で1時間インキュベーションする。
次いで、ストリップを、PBSツイーン緩衝液100μl(色0)で3回洗浄し、色素性試薬100μl(色2)を加えることにより、ストレプトアビジンHRPの存在を可視化し、暗所で20分間インキュベーションし、次いで、反応を、H2SO450μl(色3)でブロックする。次いで、反応媒体の吸収を、492nmで測定する。
結果:
Figure 0004554159
表19の結果から、多くのシグナルが、抗ピレン抗体によるウェル中でのDNAの捕捉、さらに、結合したストレプトアビジンHRPでの同時標識により生じていることがはっきりと分かる。対照にシグナルが存在しないことが示しているように、この検出は、標識DNAに特異的で、プラスチックへのDNAまたはストレプトアビジンHRPの非特異的吸着あるいは捕捉DNAへの酵素の非特異的結合によるものではない。したがってこの実施例により、単一ステップでDNAの二重標識を実施することができ、この二重結合を、同時に捕捉および検出のために使用することができることが分かる。
相補的核酸プローブによる捕捉および検出を同時に可能にするPCR生成物の標識:
この実験により、DNAを特異的に検出することができ、DNAのホスフェート基に対するジアゾメチル官能基の反応性を用いて、前記のDNAは固体表面の上で捕捉されることを証明することができる。
実験を、HLA-DRオリゴ検出キット(参照33202、bioMerieux、France)内に存在する一部の試薬を用いて実施し、比色読み取りによる、マイクロプレートでPCRにより増幅された核酸の検出を可能にする。記載の実験に関連して、パラ-Bio-EG3-PDAMを、PCRにより調製された核酸と反応させる。DNAを、分子のジアゾメチル基と反応させ、次いで、そのホスフェートの上にグラフトされるビオチンを備えさせる。次いで、ストレプトアビジン分子が吸着するマイクロプレートの上でインキュベーションすることにより、核酸を捕捉し、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)と組み合わされた捕捉配列に相補的なオリゴヌクレオチドからなるプローブによりこれを可視化することができるが、その際、この酵素が、オルトフェニレンジアミン(キットの色1試薬)を分解して、波長492nmで検出することができる化合物にすることができる。
実施例36.1: マイクロプレート上でのDNAの捕捉および特異的検出:
PCR増幅により得られたDNA10μlの標識を、パラ-Bio-EG3-PDAM20μlと共に60℃で30分間インキュベーションすることにより重複して実施する。標識の後に、DNAを、メーカーが推奨するプロトコルに従いQIAquickカラム(Nucleotide Removal Kit, Qiagen, Hilden, Germany)で精製し、最終溶離液を、EB緩衝液50μl(10mMのトリス-HCl、pH8.5)に集める。これらの溶離液からなる混合物85μlを、試薬R4(2NのNaOH)8.5μlを用いて室温で5分間変性し、次いで、溶液を、試薬R5(2Nの酢酸)8.5μlで中和する。ハイブリダイゼーション緩衝液850μl(R6-10mMのトリス-HCl、pH7.0、BND0.2g/l、シプロフラキサシン0.01g/l)および検出オリゴヌクレオチド85μl(R7-4mMのリン酸ナトリウム、1mMのリン酸カリウム、pH7.0、ウシ血清アルブミン0.1%、フェノール0.5%)を混合物に加える。この試薬100μlを、キットに備えられたストリップR1の陽性対照(増幅遺伝子のコンセンサス配列による捕捉)の上に、またはストレプトアビジン被覆Combiplate8プレートの上に(参照95029263、Labsystem,Helsinki,Finland)の上に、または対照Maxisorpプレート(Nunc,Denmark)の上に堆積させる。
平行して、同じハイブリダイゼーション反応を、DNA試料の10倍および100倍希釈で、EB緩衝液中で実施して、技術の感度を試験する。
実施例36.2: 対照の調製:
対照を、次の方法で同時に調製した:
A- HLA-DRキットとの比較:
実施例5の記載のようにPCR増幅により得られたDNA10μlを、パラ-Bio-EG3-PDAM20μlと共に、60℃で30分間インキュベーションする。標識の後に、DNAを、QIAquickカラムで精製し、最終溶離液を、EB緩衝液50μlの容量で集める。この溶離液45μlを、試薬R4 4.5μlを用いて室温で5分間変性し、溶液を、試薬R5 4.5μlで中和する。ハイブリダイゼーション緩衝液R6 450μlおよび検出オリゴヌクレオチド45μlを混合物に加える。この試料100μlを、キット(増幅遺伝子のコンセンサス配列とハイブリダイゼーション)に備えられたストリップR1の陽性対照の上に、またはストレプトアビジンCombiplate8プレートの上に、または対照Maxisorpプレートの上に堆積させる。
B- 特異的プローブにハイブリダイゼーションしないDNAで行われるハイブリダイゼーション:
実施例5の記載のようにPCR増幅により得られたDNA10μlを、パラ-Bio-EG3-PDAM20μlと共に、60℃で30分間インキュベーションする。次いでサンプルを、実施例Aで前記した手順と同様に処理する。
C- DNAを伴わない対照:
試薬R6(ハイブリダイゼーション緩衝液)10μlおよび試薬R7(検出オリゴヌクレオチド)100μlを、キットに備えられたストリップR1の陽性対照の上に、またはストレプトアビジンプレートの上に、またはMaxisorpタイプの対照プレートの上に堆積させる。
前記のプロトコルの全てのストリップを、37℃で1.5時間インキュベーションし、次いで、PBSツイーン緩衝液100μl(色0 HLA試薬)で3回洗浄し、色素性試薬100μl(色2試薬、PBS pH7.0;1%ツイーン、BND0.2g/l;シプロフラキサシン0.01g/l)を加えることにより、特異的検出プローブの存在を可視化し、暗所で20分間インキュベーションし、次いで、反応を、H2SO450μl(1.8Nの色3試薬)でブロックする。次いで、反応媒体の吸収を、492nmで測定する。
結果:
Figure 0004554159
表20の結果は、ターゲットの優れた増幅を示しており、これにより、診断状況での使用を考えることができる。この実施例から、ホスフェート基での標識により、DNAの捕捉が可能であり、さらに、特異的ハイブリダイゼーションは妨害されないことが分かる。
細菌溶解産物から得られ、パラ-Bio-EG3-PDAMで標識されたDNAの捕捉および増幅:
この実施例により、核酸のホスフェートに対するジアゾメチル官能基の反応性に基づく、捕捉を使用して細菌DNAを捕捉および増幅することができることが分かる。
この場合、細菌溶解産物に含まれ、パラ-Bio-EG3-PDAMで標識された核酸を、ストレプトアビジン被覆磁気ビーズの上で捕捉する。磁気ビーズを使用することにより、反応媒体中に存在する細胞残留物を除去することを目的とする後続の洗浄の間に、パラ-Bio-EG3-PDAMで標識された核酸を、磁化により固定化することができ、この際、これらの残留物は除去することが必要である。これらは、後で行われるPCR増幅を阻害しうるためである。
増幅産物を、DNAチップに通過させることにより分析することができた。
結核菌培養液に含まれる細胞を溶解することにより、細菌DNAを得る。機械的な溶解により、溶解を行う。正確には、超音波処理で実施し、処理されるサンプルは、ガラスビーズを含む。このような方法は既に本出願人により、ビーズに関する特許出願WO-A第99/15621号に、超音波処理に関する特許出願WO-A第00/60049号に記載されている。超音波処理は、液浴を使用して実施することもできる。
しかしながら、特許US-A第5902746号および特許出願WO-A第98/54306号およびWO-A第00/05338号などの当分野の技術者に知られている他の技術を使用することもできる。これらの工業所有権は全て、本出願人に属する。
メーカーが記載したプロトコルに従い、1μl当たり107コピーの濃度で、細菌DNAをPicogreen(P-7589;Molecular Probes,Eugene,OR,USA)により定量した。
溶解産物10μlを、パラ-Bio-EG3-PDAM20μlの存在下に、60℃で30分間インキュベーションする。平行して、溶解産物10μlを、精製水(Sigma)20μl中、同じ条件でインキュベーションする。
次いで、QIAquickカラム(Nucleotide Removal Kit, Qiagen, Hilden, Germany)で、反応媒体を精製する。使用される精製プロトコルは、メーカーが推奨するものである。最終溶離容量は、50μlである。
次いで、次のプロトコルに従い調製されたDynal磁気ビーズ(Dynabeads M-280ストレプトアビジン; 参照 112.05; Dynal Biotech ASA, Oslo, Norway)で、標識されたDNA断片を捕捉する:
Dynalビーズ90μlを、Free精製水(Sigma)200μlで2回洗浄し、PEG緩衝液200μl(0.1MのNaPO4、pH7;0.5MのNaCl;0.65%ツイーン20;ニシン精液DNA(参照15634-017, GibcoBRL)0.14ml;2%PEG4000)に入れ、37℃で30分間インキュベーションする。次いでこれを、ツイーン20 0.5%を含有する1×PBS緩衝液200μlで2回洗浄し、最後に、同じ緩衝液90μlに入れる。
標識または非標識DNA溶離液10μlを、PEG緩衝液40μlおよび前記の磁気ビーズ試料2.5μlと共に室温で5分間インキュベーションする。
次いで、ビーズを、ツイーン0.5%を含有する1×PBS緩衝液200μlで3回洗浄し、水200μlに入れ、60℃で20分間インキュベーションし、次いで再び、PBS Tween200μlで4回洗浄する。最後に、ビーズを水25μlに入れ、実施例5に記載のプロトコルに従いPCRを実施する。一方は精製水25μlを、他方はビーズ2.5μlを用いて調製された2種の反応対照を行い、生体サンプルとして同じ条件下に洗浄し、水25μlに入れる。
結果:
次いで、メーカーにより記載されたプロトコルに従い、Picogreen(P-7589;Molecular Probes,Eugene,OR,USA)により、PCR産物を定量する。この方法は、DNA分子の内部に位置する時だけ(塩基の間にインターカレーションされることにより)、蛍光になるという特徴を有する分子(Picogreen)を使用することに基づく。このインターカレーションの非常に特異的な特性により、さらに、生じる蛍光シグナルが、媒体中に存在するDNAの量と正比例するので、サンプル中に存在する核酸の濃度を非常に正確にアッセイすることができる。次いで、シグナルをrfuで表現する(相対蛍光単位)。
ゲルでのPCRの結果を分析することにより、パラ-Bio-EG3-PDAMで標識されたゲノムDNAから調製されたサンプルで、予測された規模で、シグナル特異的バンドが存在することが分かる。非標識ゲノムDNAを使用してPCRを実施した場合には、このバンドは検出されない。PicogreenでのDNAの定量により、ビーズ上に捕捉されたゲノムDNAからのDNA産生を確認することができる。
Figure 0004554159
実施例8に記載のプロトコルに従い、DNAチップを分析することにより、下記の表34に示すように増幅の特異性を確認することができる。
Figure 0004554159
この実施例から、生体サンプルを調製して、このサンプルが含有する核酸を、ホスフェート基へのジアゾメチル官能基の反応性をベースとする技術を使用して増幅することができることが分かる。
固体支持体の上に捕捉された細菌DNAからの2種の遺伝子の連続増幅:
この実施例から、ホスフェート基へのジアゾメチル官能基の反応性により、捕捉されたDNAを複数回、別のターゲットで増幅することができることが分かる。
この場合には、細菌溶解産物に含まれ、パラ-Bio-EG3-PDAMで標識された核酸を、ストレプトアビジン被覆磁気ビーズで捕捉する。磁気ビーズを使用することにより、反応媒体中に存在する細胞残留物を除去することを目的とする後続の洗浄の間に、磁化によりパラ-Bio-EG3-PDAMで標識された核酸を維持することができ、その際、これらの残留物は除去することが必要である。それというのも、これらは、後で行われるPCR増幅を阻害しうるためである。これらの増幅を、それぞれ16SおよびrpoBと称される、ゲノムDNA中に存在する2種の異なる遺伝子で行う。次いで、これら2種の遺伝子をDNAチップを使用して分析する。
実施例37に既に記載のプロトコルに従い、結核菌培養液に含まれる細胞を溶解することにより、細菌DNAを得る。メーカーが記載したプロトコルに従い、1μl当たり107コピーの濃度で、細菌DNAをPicogreenにより定量した。
溶解産物10μlを、パラ-Bio-EG3-PDAM20μlの存在下に、60℃で30分間インキュベーションする。平行して、溶解産物10μlを、精製水(Sigma)20μl中、同じ条件でインキュベーションする。
次いで、QIAquickカラム(Nucleotide Removal Kit, Qiagen, Hilden, Germany)で、反応媒体を精製する。使用される精製プロトコルは、メーカーが推奨するものである。最終溶離容量は、50μlである。
次いで、次のプロトコルに従い調製されたDynal磁気ビーズで、標識されたDNA断片を捕捉する:
Dynalビーズ90μlを、Free精製水(Sigma)200μlで2回洗浄し、PEG緩衝液200μl(0.1MのNaPO4、pH7;0.5MのNaCl;0.65%ツイーン20;サケ精液DNA(GibcoBRL)0.14ml;PEG4000 2%)に入れ、37℃で30分間インキュベーションする。次いでこれを、ツイーン20 0.5%を含有する1×PBS緩衝液200μlで2回洗浄し、最後に、同じ緩衝液90μlに入れる。
標識または非標識DNA溶離液10μlを、PEG緩衝液40μlおよび前記の磁気ビーズ試料2.5μlと共に室温で5分間インキュベーションする。
次いで、ビーズをツイーン0.5%を含有する1×PBS緩衝液200μlで3回洗浄し、水200μlに入れ、60℃で20分間インキュベーションし、次いで再び、PBS Tween200μlで4回洗浄する。最後に、ビーズを水25μlに入れ、実施例5に記載のプロトコルに従いPCRを実施する。一方は精製水(Sigma)25μlを、他方はビーズ2.5μlを用いて調製された2種の反応対照を行い、生体サンプルとして同じ条件下に洗浄し、水25μlに入れる。
増幅の後に、反応媒体を集め、ビーズを分離し、ツイーン0.5%を含有する1×PBS150μlで洗浄し、次いで、精製水(Sigma)25μlに再懸濁する。他方の増幅をビーズ上で行うが、その際、rpoB遺伝子を増幅することを目的とするプライマーが存在する。
非捕捉ゲノムDNAを使用して行われる対照増幅を、2つの増幅系(rpoBおよび16S)と平行して行う。
結果:
次いで、実施例8に記載のプロトコルに従い、得られたPCR産物を、DNAチップを使用して分析する。
Figure 0004554159
ゲルでのPCRの結果を分析すると、パラ-Bio-EG3-PDAMで標識されたゲノムDNAから調製されたサンプル中に、予測された規模で単一の特異的バンドが存在することが分かる。非標識ゲノムDNAを使用してPCRを実施した場合には、このバンドは検出されない。
前記の表23に示されているように、DNAチップを使用する分析により、2つの連続する増幅の特異性、したがって、固体支持体の上に固定化されたDNAからの複数の遺伝子の連続増幅を実施する可能性を確認することができ、この可能性により、核酸増幅の感度および効率を往々にしてかなり低下させる複雑な系の展開を回避することができる。
ジアゾメチル基を担持するナイロン膜上でのDNAの捕捉および増幅:
PCRにより増幅する目的で、ジアゾメチル基を担持するように活性化されたナイロン膜を使用して、細菌DNAを捕捉する。
実施例39.1: Biodyne Cフィルターの修飾:
Figure 0004554159
化合物68:
3'-アミノアセトフェノン(14.5g、107mmol)を、無水DMF50mlに溶かす。無水コハク酸(10.7g、107mmol)を加え、混合物をアルゴン下、室温で攪拌し続ける。6時間後、溶液を真空濃縮し、メタノール50mlを加える。得られた沈殿物を濾過し、メタノールおよびエーテルで洗浄する。こうして、生成物68 19.4g(81%)が、オフホワイト色の粉末の形で得られる。
1H NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 2.5-2.6 (m, 7H); 7.45 (t, 1H); 7.64 (d, 1H); 7.83 (d, 1H); 8.19 (s, 1H); 10.16 (s, 1H); 12.12 (s, 1H)。
化合物69:
化合物68 5.07g(22mmol)を、アルゴン下に無水DMF10mlに溶かす。溶液を、氷の上に置き、カルボニルジイミダゾール5.00g(32mmol)を加える。20分後に、4,7,10-トリオキサトリデカンジアミン(EG3)20ml(94.6mmol)を徐々に加える。室温で3時間反応させた後に、DMFを蒸発させ、残留物をCH2Cl2100ml中に入れる。飽和NaHCO3およびH2Oを使用して、抽出を実施し、その後、有機相を無水Na2SO4を用いて乾燥させ、溶剤を蒸発させる。こうして、生成物69 4.34g(46%)が得られる。
1H NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 1.59 (m, 2H); 1.87 (m, 2H); 2.16 (s, 3H); 2.40 (m, 2H); 2.55 (m, 2H); 3.08 (m, 2H); 3.45 (m, 16H); 7.30 (t, 1H); 7.42 (d, 1H); 7.70 (d, 1H); 7.83 (t, 1H); 7.97 (s, 1H); 10.00 (s, 1H)。
化合物91:
4cm2長方形を、Biodyne Cフィルター(参照 60314; Pall Gelman Laboratory; Ann Arbor; Michigan; USA)から切り出し、ボトルに装入し、氷の上、アルゴン下で、激しく攪拌しながら、無水DMF3ml中のカルボニルジイミダゾール(CDI)0.97g(6mmol)と接触させる。20分間攪拌した後に、溶液を除去し、フィルターをDMFで洗浄する。次いで、無水DMF3ml中の生成物68 0.53g(1mmol)量を加え、室温で一晩反応させる。次いで、溶液を除去し、エタノールでフィルターをすすぎ、真空下に乾燥させ、アルゴン下に保持する。
化合物92:
修飾されたフィルター91を、ヒドラジン水和物(2mmol)97mlの無水エタノール4ml溶液に入れる。溶液を5時間再還流させる。放置して冷却した後に、H2O、エタノールおよびエーテルでフィルターを洗浄し、真空下に乾燥させ、アルゴン下に置く。次いで、無水DMF4mlおよびMnO286mg(1mmol)を加え、激しく攪拌しながら、混合物を反応させる。20分後に、溶液を捨てて、DMFおよびエーテルでフィルターをすすぐ。ジアゾメチル修飾されたフィルター92をアルゴン下に、温度-19から-31℃で貯蔵する。
実施例39.2: 生体試験:
活性化された膜を、2mm2の小さい断片に切り、これを、実施例37においてと同様の技術および同じ最終濃度を使用して、機械的溶解により調製された結核菌細菌溶解産物25μlおよび精製水(Sigma)375μl中、室温で30分間インキュベーションする。
次いで、膜を65℃で60分間、洗浄緩衝液100ml(ホルムアミド(Sigma)5%、1×SSPE(Perbio)、Triton X-100 0.01%)中に入れて、膜の上に吸着した非特異的核酸を除去し、次いで、後者を、増幅の前に精製水1ml中で貯蔵する。
パラグラフ5.1に記載のようにPCRを実施するが、その際、十分な量の精製水を用いて、反応容量を調節する。
平行して、核酸と共有結合しえない膜を用いて、同じ手順に従い対照を調製する:
非修飾Biodyne C膜(膜A)、
記載の手順に従い化学的に修飾されているが、無水DMFおよびMnO2では処理されていないBiodyne膜;この対照により、ジアゾメチル基の不在下での膜の特性を確認することができる(膜B)および
修飾されていないが、激しく攪拌しながら、無水DMFおよびMnO2で20分間処理されているBiodyne C膜;この対照により、後者の膜が、膜に対するDNAの吸着を修飾しないことを確認することができる(膜C)。
膜の処理により生じるPCRの阻害が存在しないことをチェックするために、膜A、BおよびCの他の断片を同時に、細菌溶解産物25μlで増幅する(管A'、B'およびC')。
次いで、PCR産物を、メーカーにより記載されたプロトコルに従い、Picogreenを用いて定量する。
結果:
Figure 0004554159
表24のこれらの結果から、ジアゾメチル化学により、溶解産物から得られた核酸を、固体支持体の上で共有的に捕捉することができることが分かる。観察された増幅は、膜へのDNAの非特異的吸着によるものではない。他方、PCRで行われた対照により、膜は、増幅反応を阻害しないことが観察される。
膜の上で増幅された生成物の性質をチェックするために、前記のプロトコルに従い、DNAチップに通過させることにより、増幅産物を分析した。
本発明で使用される様々な試薬の構造式、さらにこれらを設計するための略図である(o-は、オルトを、m-は、メタを、p-は、パラを示す)。 図2Aから2Iは、実施例6.1によるウリジン3'-一リン酸(3'-UMP)へのジアゾメチル官能基を担持する様々な試薬の共有結合の、キャピラリー電気泳動により分析された時間を関数とするプロファイルを示す図である。その分子は以下の通りである: 図2Aでは、PDAM、 図2Bでは、2mM(1リットル当たりのミリモル)のDPDAM、 図2Cでは、20mMでのDPDAM、 図2Dでは、PMDAM、 図2Eでは、NPDAM、 図2Fでは、BioDPDAM、 図2Gでは、メタ-BioPMDAM、 図2Hでは、パラ-BioPMDAM、 図2Iでは、オルト-BioPMDAM。 図3Aから3Dは、実施例6.2による4種のヌクレオチド3'一リン酸とのメタBioPMDAMの反応の、キャピラリー電気泳動により分析された時間を関数とするプロファイルを示す図である。その分子は以下の通りである: 図3Aでは、リボヌクレオチドシリーズ中の3'-CMP、 図3Bでは、リボヌクレオチドシリーズ中の3'-AMP、 図3Cでは、リボヌクレオチドシリーズ中の3'-GMP、 図3Dでは、デオキシリボヌクレオチドシリーズ中の3'-TMP。 実施例6.3によるジヌクレオチド5'-ApUpとのメタBioPMDAMの反応の、キャピラリー電気泳動により分析された時間を関数とするプロファイルを示す図である。 図5Aから5Dは、実施例6.4によるメタBioPMDAM試薬と4種のリボヌクレオチド3'-一リン酸との様々な複合体のD2OでのプロトンNMRスペクトルを示す図である。その分子は以下の通りである: 図5Aでは、3'-GMP、 図5Bでは、3'-AMP、 図5Cでは、3'-CMP、 図5Dでは、3'-UMP。 シグナルを化学増幅するために2個のビオチンを担持する標識試薬を合成するためのスキームを示す図である。 非塩基性部位を生成することによる酸性媒体中での断片化機構を示す図である。 実施例8.1による、様々な修飾ヌクレオシド(8-ブロモ-2'-デオキシアデノシン(8-BrdA)および5-ブロモ-2'-デオキシシチジン(5-BrdC)さらに、4種の天然ヌクレオシド(dA、dC、dGおよびdT)の酸性pHでの分解の速度を示す図である。分での反応時間(x軸)に関する、出発ヌクレオシドの加水分解パーセンテージの形(y軸)で、結果は示されている。 実施例11.2による、合成ODN5'-リン酸上のPDAMを用いる、温度60℃での時間を関数とする標識の速度を示す図である。結果は、分で示される反応時間に関する、標識パーセンテージの形(x軸)で示されている。 実施例11.3による、反応温度を関数とする標識パーセンテージを示す図である。結果は、y軸に標識パーセンテージ、x軸に℃の反応温度を伴う図10に示されている。 市販の試薬5-ニトロバニリンを使用する、式4'の試薬を合成するための経路を示す図である。アルデヒド官能基はジアゾメチル官能基の前駆体である。

Claims (29)

  1. 一本鎖または二本鎖デオキシリボ核酸(DNA)を標識化および断片化する方法において、次のステップ:
    酸性水性媒体の作用により前記のDNA上に少なくとも1つの非塩基性部位を生成することにより、DNAを断片化するステップと、
    標識試薬を用いて、断片の少なくとも1個にマーカーを結合し、その際、前記試薬は共有結合により主に、前記断片の少なくとも1個のホスフェートに連結するステップとを含み、
    前記酸性水性媒体がギ酸ナトリウム緩衝液である、方法。
  2. 断片化および標識を2つのステップで実施する、請求項1に記載の方法。
  3. 断片化および標識を1つのステップで実施する、請求項1に記載の方法。
  4. 酸性媒体のpHが5未満である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 酸性媒体のpHが4未満である、請求項4に記載の方法。
  6. 酸性水性媒体が約3のpHのギ酸ナトリウム緩衝液である、請求項5に記載の方法。
  7. DNAが、非塩基性部位を生じうる少なくとも1つの修飾された塩基を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 非塩基性部位を生じうる修飾された塩基を、8-ブロモプリン誘導体から選択する、請求項7に記載の方法。
  9. 標識試薬が、反応性官能基として、次の化合物:
    ジアゾメチル;アルキルハロゲン化物;ニトロソウレア;スピロシクロプロパン;アジリジン;エポキシド;トリフルオロメタンスルホネート
    から選択されるモチーフを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の標識化および断片化方法。
  10. 前記の標識試薬が5-(ブロモメチル)フルオレセインである、請求項9に記載の方法。
  11. 標識試薬を式(I)の化合物から選択する、請求項9に記載の方法
    Figure 0004554159
    [上式中、
    R1は、Hまたはアルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリール基を表し、
    Zは、検出可能なマーカーを含む]。
  12. Zが、
    Figure 0004554159
    である、請求項11に記載の方法。
  13. 標識試薬を、式(2)の化合物から選択する、請求項11に記載の方法
    Figure 0004554159
    [上式中、
    R1は、Hまたはアルキル、アリールまたは置換アリール基を表し、
    R2は、検出可能なマーカーであり、
    Lは、線状の連続する少なくとも2個の共有結合を含む連結アームであり、nは、0または1に等しく、
    Zは、
    Figure 0004554159
    から選択され、ここで、
    R3およびR4は相互に独立に:H、NO2、Cl、Br、F、I、OR、SR、NR2、R、NHCOR、CONHR、COORを表し、ここで、R=アルキルまたはアリールであり、
    -Y-X-は、-CONH-、-NHCO-、-CH2O-、-CH2S-を表す]。
  14. 標識試薬が式(3)を有する、請求項13に記載の方法
    Figure 0004554159
    [上式中、
    R1は、Hまたはアルキル、アリールまたは置換アリール基を表し、
    R2は、検出可能なマーカーであり、
    Lは、線状の連続する少なくとも2個の共有結合を含む連結アームであり、nは、0または1に等しい整数であり、
    R3およびR4は相互に独立に:H、NO2、Cl、Br、F、I、OR、SR、NR2、R、NHCOR、CONHR、COORを表し、ここで、R=アルキルまたはアリールであり、
    -Y-X-は、-CONH-、-NHCO-、-CH2O-、-CH2S-を表す]。
  15. R2が蛍光化合物またはハプテンである、請求項13および14のいずれかに記載の方法。
  16. 前記の標識試薬が水混和性溶剤に可溶性である、請求項9から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 一本鎖または二本鎖ターゲットデオキシリボ核酸(DNA)を検出する方法において、次のステップ:
    請求項1から16に記載の方法のいずれかに従い、前記のDNAを断片化および標識するステップと、
    ターゲット核酸に対して十分に特異的な少なくとも1個の核酸プローブに、標識された断片をハイブリダイゼーションするステップと、
    マーカーを使用して、生じたハイブリッドを検出するステップ
    を含む方法。
  18. 加えて、断片化および標識の後に変性ステップを含む、請求項17に記載の二本鎖ターゲットデオキシリボ核酸(DNA)を検出する方法。
  19. 断片化、標識および変性を、単一のステップで実施する、請求項18に記載の方法。
  20. ターゲット核酸を検出する方法において、次のステップ:
    多数の二本鎖DNA増幅産物を生成するために、ターゲット核酸を酵素的に増幅するステップと、
    請求項1から16に記載の方法のいずれかに従い、前記のDNA増幅産物を断片化および標識するステップと、
    ターゲット核酸に対して十分に特異的な少なくとも1個の核酸プローブに、標識された断片をハイブリダイゼーションするステップと、
    マーカーを使用して、生じたハイブリッドを検出するステップ
    を含む方法。
  21. 断片化および標識の後に更に変性ステップを含む、請求項20に記載の方法。
  22. 断片化、標識および変性を単一のステップで実施する、請求項21に記載の方法。
  23. ターゲット核酸に分布している多型性を、前記ターゲット核酸の配列中の複数の欠失および/または挿入および/または突然変異の存在により検出する方法において、次のステップ:
    調査対象の多型性全体を含むターゲットDNAを得るステップであって、前記のDNAを場合によって、酵素増幅技術により生成するステップと、
    請求項1から16のいずれか一項に記載の方法により、前記DNAを断片化および標識するステップと、
    複数の核酸プローブに、前記断片をハイブリダイゼーションするステップであって、複数の核酸プローブが、固体支持体に結合し、複数の核酸プローブがその全体で、少なくとも調査対象の多型性を対象とするステップと、
    マーカーを使用して、標識された断片と少なくとも一部の核酸プローブとの間に生じたハイブリッドを検出し、それからターゲットDNAの多型性を推測するステップ
    を含む方法。
  24. 断片化および標識ステップの後に更に変性ステップを含む、請求項23に記載の方法。
  25. 断片化、標識および変性を単一のステップで実施する、請求項24に記載の方法。
  26. 固体支持体が、異なる配列からなる少なくとも10個の核酸プローブを含む、請求項23から25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 固体支持体が、異なる配列からなる少なくとも400個の核酸プローブを含む、請求項26に記載の方法。
  28. 固体支持体が、異なる配列からなる少なくとも1000個の核酸プローブを含む、請求項27に記載の方法。
  29. 求項1から16のいずれか一項に記載の方法によって標識された核酸断片を得た後に、ターゲット核酸を検出するためのプローブとして、当該核酸断片を使用する方法。
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