JP4553381B2 - 高熱発生を伴なう高速切削加工ですぐれた耐摩耗性を発揮する炭窒化チタン基サーメット製スローアウエイチップ - Google Patents

高熱発生を伴なう高速切削加工ですぐれた耐摩耗性を発揮する炭窒化チタン基サーメット製スローアウエイチップ Download PDF

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Description

この発明は、炭窒化チタン基サーメット(以下、単に「サーメット」という)の結合相がすぐれた高温硬さを有し、したがって、高熱発生を伴なう高速切削加工ですぐれた耐摩耗性を発揮するサーメット製スローアウエイチップに関するものである。
従来、例えば旋削加工に用いられる切削加工の1種としてサーメットで構成されたスローアウエイチップ(以下、単に切削チップという)が知られている。
また、上記切削チップが、質量%で(以下、%は質量%を示す)、
(a)炭化タングステン(以下、WCで示す):20〜30%、
炭化タンタル(以下、TaCで示す)および炭化ニオブ(以下、NbCで示す)のうちの1種または2種(以下、TaC/NbCで示す):5〜10%、
Co:5〜10%、
Ni:5〜10%、
炭窒化チタン(以下、TiCNで示す):残り(ただし、50〜60%含有)、
からなる配合組成を有する圧粉体の焼結体であるサーメットで構成され、
(b)上記サーメットは、走査型電子顕微鏡による組織観察で、
硬質相:75〜93面積%、
結合相および不可避不純物:残り、
からなる組織を有すると共に、上記硬質相は、走査型電子顕微鏡による組織観察結果(倍率:1万倍)を図2に模式図で示した通り、
(1)芯部がTiCN相、周辺部がTiおよびWと、TaおよびNbのうちのいずれか、または両方の複合炭窒化物[以下、(Ti,W,Ta/Nb)CNで示す]相からなる有芯構造の第1硬質相、
(2)芯部および周辺部の両方が(Ti,W,Ta/Nb)CN相からなる有芯構造の第2硬質相、
(3)TiCN相からなる単相構造の第3硬質相、
以上(1)〜(3)で構成され、さらに上記結合相は、結合相に占める割合で、かつ質量%で、
W:1〜10%、
Ni:35〜60%、
Tiと、TaおよびNbのうちのいずれか、または両方(以下、Ta/Nbで示す):合量で5%以下、
Coおよび不可避不純物:残り、
からなる組成を有するCo−Ni系合金からなることも知られている。
さらに、上記の切削チップが、上記配合組成の圧粉体を、以下の焼結条件、すなわち、
(a)室温から1400〜1450℃までを10Pa以下の真空雰囲気中、1〜3℃/min.の速度で昇温し、
(b)1400〜1450℃から焼結温度である1480〜1560℃までの1〜3℃/min.の速度での昇温、並びに前記焼結温度に0.5〜2時間保持を50〜4000Paの窒素雰囲気で行い、
(c)上記焼結温度からの炉冷を10Pa以下の真空雰囲気中で行う、
以上(a)〜(c)の工程からなる条件で焼結することにより製造され、各種の鋼や鋳鉄などの連続切削加工や断続切削加工に用いられることも良く知られるところである。
特開平10−110234号公報
近年の切削装置の高性能化はめざましく、一方で切削加工に対する省力化および省エネ化、さらに低コスト化の要求は強く、これに伴い、切削加工は高速化の傾向にあるが、上記の従来切削チップを用いて、切削速度が300m/min.以上の高速で、鋼や鋳鉄などの切削加工を行った場合、切削加工時に発生する高熱によって、特にこれを構成するTiCN基サーメットのCo−Ni系合金からなる結合相の摩耗進行が著しく促進し、これが原因で比較的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、上記の従来切削チップの高速切削加工での耐摩耗性向上を図るべく、特にこれを構成するサーメットのCo−Ni系合金からなる結合相に着目し、研究を行った結果、
(a)焼結時に結合相形成であるCo−Ni系合金中に固溶したW成分は、硬質相の周辺部に析出固溶し、さらに一部は芯部に固溶するが、上記の焼結条件で製造された従来切削チップにおいては、結合相中に含有するW成分の硬質相周辺部への析出固溶割合が相対的にきわめて高く、したがって、前記結合相中に残留含有するW成分の割合は低く、結合相に占める割合で1〜10%であること。
(b)上記の従来焼結条件の上記(a)の1400〜1450℃への真空雰囲気での昇温途中において、1200〜1350℃の温度に昇温した時点で、短時間Ar雰囲気保持と短時間真空雰囲気保持を交互に繰り返し行う雰囲気交互変化処理、望ましくは10〜60kPaのAr雰囲気に1〜5分間保持の短時間Ar雰囲気保持と、10Pa以下の真空雰囲気に5〜20分間保持の短時間真空雰囲気保持とをそれぞれ2回以上、望ましくはそれぞれ3〜5回を交互に繰り返し施す雰囲気交互変化処理を施すと、焼結時におけるW成分の結合相から硬質相周辺部への析出固溶が著しく抑制されるようになり、この結果結合相にはW成分が結合相に占める割合で40〜60%のきわめて高い割合で含有するようになること。
(c)W成分が結合相に、結合相に占める割合で40〜60%のきわめて高い割合で含有すると、この結果の結合相は高温硬さが一段と向上し、したがって、TiCN基サーメットの結合相が前記のWを高い割合で含有する切削チップは、高熱発生を伴なう高速切削加工ですぐれた耐摩耗性を発揮するようになること。
(d)原料粉末として、従来用いられているTiCN粉末に代って、
組成式:(Ti1−XNb)C1−Y、(ただし、原子比で、X:0.05〜0.15、Y:0.4〜0.6を示す)、
を満足するTiとNbの複合炭窒化物[以下、(Ti,Nb)CNで示す]粉末を用いると、サーメットを構成する有芯構造の硬質相の芯部が、走査型電子顕微鏡による組織観察結果(倍率:1万倍)を図1に模式図で示した通り、
(1)(Ti,Nb)CN相、
(2)TiとNbとWの複合炭窒化物[以下、(Ti,Nb,W)CNで示す]相、またはTiとNbとWとTaの複合炭窒化物[以下、(Ti,Nb,W,Ta)CNで示す]相、
以上(1)および(2)で構成されるようになり、この結果の硬質相の芯部は、Nbの作用でTiCN相に比して高温硬さが著しく向上し、サーメットの耐摩耗性向上に寄与すること。
以上(a)〜(d)に示される研究結果を得たのである。
この発明は、上記の研究結果に基づいてなされたものであって、
(a) WC:20〜30%、
TaC/NbC:5〜10%、
Co:5〜10%、
Ni:5〜10%、
組成式:(Ti1−XNb)C1−Y、(ただし、原子比で、X:0.05〜0.15、Y:0.4〜0.6を示す)、
を満足する(Ti,Nb)CN:残り(ただし、50〜60%含有)、
からなる配合組成を有する圧粉体の焼結体であるサーメットで構成し、
(b)上記サーメットは、走査型電子顕微鏡による組織観察で、
硬質相:75〜90面積%、
結合相および不可避不純物:残り、
からなる組織を有すると共に、上記硬質相は、
(1)芯部が(Ti,Nb)CN相、周辺部が(Ti,Nb,W)CN相または(Ti,Nb,W,Ta)CN相からなる有芯構造の第1硬質相、
(2)芯部および周辺部の両方が(Ti,Nb,W)CN相または(Ti,Nb,W,Ta)CN相からなる有芯構造の第2硬質相、
以上(1)および(2)で構成され、さらに上記結合相は、結合相に占める割合で、
Co:18〜33%、
Ni:20〜35%、
TiとNb、またはTiとNbとTa:合量で5%以下、
Wおよび不可避不純物:残り(ただし、W:40〜60%含有)、からなる組成を有するW−Co−Ni系合金からなる、
高熱発生を伴なう高速切削加工ですぐれた耐摩耗性を発揮する切削チップに特徴を有するものである。
また、この発明の切削チップにおいて、これを構成するサーメットの配合組成および結合相の成分組成を、上記の通りに数値限定した理由を以下に説明する。
(a)圧粉体のWCおよび結合相のW
原料粉末であるWC粉末には、焼結時に結合相形成成分であるCoおよびNi成分中に固溶し、上記の雰囲気交互変化処理で前記結合相中に残留含有して、高W含有結合相を形成し、もって結合相の高温硬さを向上させ、切削チップの高速切削での耐摩耗性向上に寄与する作用があるが、その配合割合が20%未満では前記結合相中のW含有割合が、結合相に占める割合で(以下同じ)、40%未満となってしまい、高熱発生を伴なう高速切削で所望の耐摩耗性を発揮することができず、一方、その配合割合が30%を越えると結合相中のW成分の含有割合が60%を超えて高くなってしまい、この結果結合相自体の高温強度が急激に低下し、これが原因で切削時にチッピング(微少欠け)が発生し易くなることから、その配合割合を20〜30%とし、サーメットの結合相中に前記雰囲気交互変化処理で40〜60%のW成分が含有するように定めた。
(b)圧粉体のTaC/NbCおよび結合相のTa/Nb
同じく原料粉末であるTaC粉末およびNbC粉末も焼結時に結合相形成成分であるCoおよびNi成分中に固溶し、冷却時に析出して硬質相を形成し、前記硬質相の周辺部および一部の芯部に固溶含有して、前記硬質相の高温硬さを向上させる作用を有するが、その配合割合が5%未満では前記作用に所望の向上効果が得られず、一方、その配合割合が10%を越えると硬質相中の含有割合が高くなり過ぎ、これが硬質相の高温強度低下の原因となるばかりでなく、結合相中の含有割合もTiとの合量に占める割合で5%を越えて高くなってしまい、この結果高温強度が急激に低下するようになることから、その配合割合を5〜10%とし、結合相中のTa/Nbの含有割合がTiとの合量に占める割合で5%以下となるように定めた。
(c)圧粉体のCoおよび結合相のCo
原料粉末であるCo粉末には、焼結性を向上させ、結合相を形成して、切削チップの強度を向上させる作用があるが、その配合割合が5%未満では、所望の焼結性を確保することができないばかりでなく、結合相中のCo含有割合も18%未満となってしまい、前記切削チップに所望の強度を確保することができず、一方、その配合割合が10%を越えると、焼結後の結合相中のCo含有割合が33%を越えて高くなってしまい、この結果結合相の高温硬さが低下し、摩耗が急激に進行するようなることから、その配合割合を5〜10%とし、結合相中のCo含有割合が18〜33%となるように定めた。
(d)圧粉体のNiおよび結合相のNi
原料粉末であるNi粉末には、焼結時にCoと共に結合相を形成して、結合相の耐熱性を向上させ、もって切削チップの耐摩耗性向上に寄与する作用があるが、その配合割合が5%未満では、焼結後の結合相におけるNi成分の含有割合が20%未満となってしまい、所望の耐熱性向上効果が得られず、一方、その配合割合が10%を越えると、焼結後の結合相中のNi含有割合が35%を越えて高くなり、この結果結合相の高温強度が低下し、切刃部にチッピングが発生し易くなることから、その配合割合を5〜10%とし、結合相中のNi含有割合が20〜35%となるように定めた。
(e)圧粉体の(Ti,Nb)CNおよび硬質相
原料粉末として、従来用いられているTiCN粉末に代って、Nbを原子比で0.05〜0.15の割合で含有する(Ti,Nb)CN粉末を用いて、
(1)芯部が(Ti,Nb)CN相、周辺部が(Ti,Nb,W)CN相または(Ti,Nb,W,Ta)CN相からなる有芯構造の第1硬質相、
(2)芯部および周辺部の両方が(Ti,Nb,W)CN相または(Ti,Nb,W,Ta)CN相からなる有芯構造の第2硬質相、
以上(1)および(2)で構成された硬質相、すなわち実質的に有芯組織の硬質相だけで構成された硬質相を形成すると共に、Nbの作用で特に有芯組織の芯部の硬さを向上させ、もって耐摩耗性向上に寄与するようにしたものであり、この場合(Ti,Nb)CN粉末おけるNbの含有割合を示すX値が、原子比で0.05未満では前記芯部の硬さ向上効果を満足に確保することができず、一方そのX値が同0.15を越えると、芯部の高温強度が低下し、切削時にチッピングが発生し易くなることから、Nbの含有割合を示すX値を0.05〜0.15と定めた。
また、(Ti,Nb)CN粉末のC成分には高温硬さ、同N成分には高温強度をそれぞれ向上させる作用があり、したがって、N成分のC成分に対する含有割合を、原子比で0.4〜0.6に定めて、複合炭窒化物からなる硬質相が高温硬さと高温強度の両特性を具備するようにしたものである。
さらに、(Ti,Nb)CN粉末の配合割合に関しては、その配合割合が50%未満では、切削チップにおける硬質相の割合が75面積%未満となってしまい、焼結後のサーメットが所望の耐摩耗性を確保することができず、一方、その配合割合が60%を越えると、硬質相の割合が90面積%を越えて高くなり、この結果切削チップの強度が急激に低下し、切削時にチッピングが発生し易くなることから、その配合割合を50〜60%と定めた。
この発明の切削チップは、これを構成するサーメットの結合相が、焼結時の昇温工程における上記の雰囲気交互変化処理によって40〜60%のW成分を含有し、この結果前記結合相の高温硬さが急激に向上するようになることから、硬質相の芯部がNb成分の含有で高い高温硬さを具備することと相俟って、高熱発生を伴なう高速切削加工ですぐれた耐摩耗性を発揮するものである。
つぎに、この発明の切削チップを実施例により具体的に説明する。
原料粉末として、いずれも0.5〜2μmの平均粒径を有する、(Ti0.95Nb0.05)C0.50.5粉末(表1では原料Aで示す)、(Ti0.9Nb0.1)C0.50.5粉末(表1では原料Bで示す)、(Ti0.85Nb0.15)C0.50.5粉末(表1では原料Cで示す)、(Ti0.9Nb0.1)C0.40.6粉末(表1では原料Dで示す)、(Ti0.9Nb0.1)C0.60.4粉末(表1では原料Eで示す)、(以上の原料粉末における含有割合は原子比を示す)、NbC粉末、TaC粉末、WC粉末、Co粉末、およびNi粉末を用意し、これら原料粉末を、表1に示される配合組成に配合し、ボールミルで24時間湿式混合し、乾燥した後、98MPaの圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を、以下の焼結条件、すなわち、
(a)室温から1280℃までを10Pa以下の真空雰囲気中、2℃/min.の速度で昇温し、
(b)1280℃の温度に昇温した時点で、35kPaのAr雰囲気に2分間保持の短時間Ar雰囲気保持と、10Pa以下の真空雰囲気に10分間保持の短時間真空雰囲気保持とをそれぞれ表1に示される回数を交互に繰り返し施す雰囲気交互変化処理を施し、
(c)上記雰囲気交互変化処理後、1420℃までの昇温を10Pa以下の真空雰囲気中、2℃/min.の速度で昇温し、
(d)1420℃から1480〜1560℃の範囲内の所定の焼結温度までの2℃/min.の速度での昇温、並びに前記焼結温度に1.5時間保持を1300Paの窒素雰囲気で行い、
(e)上記焼結温度からの炉冷を10Pa以下の真空雰囲気中で行う、
以上(a)〜(e)の工程からなる条件で焼結し、焼結後、切刃部分にR:0.07mmのホーニング加工を施すことによりISO規格・CNMG120412のチップ形状をもった本発明切削チップ1〜10をそれぞれ製造した。
また、比較の目的で、表2に示される通り、原料粉末として、上記の原料A〜Eに代って、1μmの平均粒径を有する、TiC0.50.5粉末(C/Nは原子比で示す)を用いると共に、焼結温度への昇温過程における上記の雰囲気交互変化処理を行わない以外は実質的に同一の条件で従来切削チップ1〜10をそれぞれ製造した。
この結果得られた本発明切削チップ1〜10および従来切削チップ1〜10について、これを構成するサーメットの走査型電子顕微鏡による組織観察結果および結合相の分析結果をそれぞれ表3,4に示した。
つぎに、上記の本発明切削チップ1〜10および従来切削チップ1〜10について、これをいずれも工具鋼製バイトの先端部に固定治具にてネジ止めした状態で、
被削材:JIS・SCM440の丸棒、
切削速度:350m/min、
切り込み:1mm、
送り:0.2mm/rev、
切削時間:20分、
の条件(切削条件Aという)での合金鋼の乾式連続高速切削試験(通常の切削速度は200m/min)、
被削材:JIS・S20Cの長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度:350m/min、
切り込み:1.5mm、
送り:0.2mm/rev、
切削時間:10分、
の条件(切削条件Bという)での炭素鋼の乾式断続高速切削試験(通常の切削速度は250m/min)、さらに、
被削材:JIS・FC300の丸棒、
切削速度:420m/min、
切り込み:2.5mm、
送り:0.3mm/rev、
切削時間:20分、
の条件(切削条件Cという)での鋳鉄の乾式連続高速切削試験(通常の切削速度は280m/min)を行い、いずれの切削試験でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。この測定結果を表5に示した。
Figure 0004553381
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表1〜5に示される結果から、本発明切削チップ1〜10は、いずれもこれを構成するサーメットの結合相がW成分の40〜60%の高含有によってすぐれた高温硬さを具備するようになることから、硬質相の芯部がNb成分の含有で高い高温硬さを有することと相俟って、高熱発生を伴なう高速切削加工でもすぐれた耐摩耗性を発揮するのに対して、従来切削チップ1〜10においては、いずれも結合相におけるWの含有割合が1〜10%と低く、この結果結合相にすぐれた高温硬さを期待することができないことから、特に高速切削加工での前記結合相の摩耗進行が促進するようになり、これが原因で比較的短時間で使用寿命に至ることが明らかである。
上述のように、この発明の切削チップは、各種の鋼や鋳鉄などの通常の条件での切削加工は勿論のこと、高熱発生を伴なう高速切削加工でもすぐれた耐摩耗性を発揮し、切削加工の省力化および省エネ化、さらに低コスト化に十分満足に対応できるものである。
本発明切削チップを構成するサーメットの走査型電子顕微鏡による組織観察結果(倍率:1万倍)を示す模式図である。 従来切削チップを構成するサーメットの走査型電子顕微鏡による組織観察結果(倍率:1万倍)を示す模式図である。

Claims (1)

  1. (a)質量%で、炭化タングステン:20〜30%、
    炭化タンタルおよび炭化ニオブのうちの1種または2種:5〜10%、
    Co:5〜10%、
    Ni:5〜10%、
    組成式:(Ti1−XNb)C1−Y、(ただし、原子比で、X:0.05〜0.15、Y:0.4〜0.6を示す)、
    を満足するTiとNbの複合炭窒化物:残り(ただし、50〜60%含有)、
    からなる配合組成を有する圧粉体の焼結体である炭窒化チタン基サーメットで構成され、
    (b)上記炭窒化チタン基サーメットは、走査型電子顕微鏡による組織観察で、
    硬質相:75〜90面積%、
    結合相および不可避不純物:残り、
    からなる組織を有すると共に、上記硬質相は、
    (1)芯部がTiとNbの複合炭窒化物相、周辺部がTiとNbとW、またはTiとNbとWとTaの複合炭窒化物[以下、(Ti,Nb,W)CN、または(Ti,Nb,W,Ta)CNで示す]相からなる有芯構造の第1硬質相、
    (2)芯部および周辺部の両方が(Ti,Nb,W)CN相、または(Ti,Nb,W,Ta)CN相からなる有芯構造の第2硬質相、
    以上(1)および(2)で構成され、さらに上記結合相は、結合相に占める割合で、かつ質量%で、
    Co:18〜33%、
    Ni:20〜35%、
    TiとNb、またはTiとNbとTa:合量で5%以下、
    Wおよび不可避不純物:残り(ただし、W:40〜60%含有)、
    からなる組成を有するW−Co−Ni系合金からなること、
    を特徴とする高熱発生を伴なう高速切削加工ですぐれた耐摩耗性を発揮する炭窒化チタン基サーメット製スローアウエイチップ。
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